エネルギー(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ) [産業動向]
エネルギーについては、本年5月21日に取上げた。今日は、(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ)である。
先ずは、本年8月5日付け文春オンライン「特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/64865
・『8月4日、東京地検特捜部は、自民党の秋本真利外務大臣政務官(47)に風力発電会社「日本風力開発」から不透明な資金提供を受けていた疑いがあるとして、衆議院第一議員会館内にある秋本氏の事務所に家宅捜索に入った。同日、秋本氏は外務政務官を辞任した。 秋本氏を巡っては、これまで「週刊文春」が複数の疑惑を報じてきた。当時の「週刊文春」のスクープ速報を公開する。(初出:週刊文春 2023年3月9日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま) 秘書給与法違反の疑いが浮上している秋本真利・外務大臣政務官(47)が、国会での“想定質問”を、外務官僚である事務秘書官に作成させていた疑いが強いことが、「週刊文春」の取材でわかった。“想定質問”を添付した事務秘書官から秋本氏へのメールを入手した。自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声が上がりそうだ』、「自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声」、確かにやり過ぎだ。
・『「週刊文春」が入手した事務秘書官のメール 秋本氏は2012年に千葉9区から初当選し、現在、当選4回。昨年8月の内閣改造で、外務大臣政務官に就任した。再生可能エネルギー事業の推進に熱心で、河野太郎デジタル相の最側近としても知られている。 「週刊文春」2月2日発売号では、秋本氏の地元事務所が無許可で市街化調整区域内に建築され、違法状態にあった旨を報道。「週刊文春」2月9日発売号では、再生可能エネルギー企業関係者からの献金を巡って国会で虚偽答弁をした疑いを報じた(秋本氏は「法的には何ら問題ない」などとしている)。 さらに「週刊文春」2月16日発売号で報じたのが、秘書給与法違反疑惑だ。政策秘書・小林亞樹氏と私設秘書・C氏の個人会社が締結した業務委託契約書などを基に、本来は事務所が負担すべきC氏の給与を、小林氏の給与から支払わせていた疑いを指摘。秋本氏は「秘書給与法違反には当たらない」などとしている。この取材の過程で「週刊文春」は2月13日、秋本事務所に事実確認を求める質問状を送付し、同日夜までに一定の回答を得ていた。 「週刊文春」が入手したのは、外務省の若手官僚でもある事務秘書官のM氏が秋本政務官宛に送付したメールだ。送信日時は2月14日夕方5時44分。メールの件名は〈想定される問〉。以下のような文面が記されていた。 〈当方にご依頼いただいておりました想定される問を別添いたします。限定された省内関係者で想起したものとなります〉』、「事務秘書官のM氏」は有能でよくわきまえた人物のようだ。
・『国会答弁に備え“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑い そして、〈別添〉されたワードファイルには、次のような文言が列挙されていた。 〈問 2021年5月に政策秘書として採用した小林亞樹氏の勤務実態如何。勤務実態のない政策秘書を雇用しているのではないか。〉 〈問 本来秋本事務所が負担すべき、C氏(編集部註・原文は本名)の給与を、小林氏に肩代わりさせていたのではないか。これは秘書給与法21条の3(寄付の要求)に違反するのではないか。〉 〈問〉の数は24問に及ぶ。秋本氏は2月2日、2月3日、2月9日、2月13日と毎週のように国会で自身の疑惑を追及されていた。それだけに、近く秘書給与法違反疑惑についても問われることを予期したのだろう。つまり、国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか』、「国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか」、「秋本氏」の秘書使いは余りに酷い。
・『「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提」 元総務官僚で政策コンサルタントの室伏謙一氏はこう指摘する。 「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」 秘書官経験者も言う。 「森友問題のような行政が関わる疑惑なら別ですが、政務案件に事務秘書官はタッチしないものです」 外務省が省ぐるみで、秋本政務官のスキャンダル対応にあたったのは事実なのか。林芳正外相ならびに外務省にM氏が送付したメールについて見解を尋ねたところ、揃って以下のような回答があった』、「「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」」、その通りだ。
・『「外務省として一定程度の関与が発生することは自然なこと」 「御指摘の事実関係を当方で確認することはできませんが、一般論として申し上げれば、国会において秋本政務官が答弁する際は、外務大臣政務官としての身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省として一定程度の関与が発生することは自然なことだろうと理解しております。 なお、当然ながら、事務方の関与いかんに関わらず、答弁は最終的にはあくまでも秋本政務官自身が政治家としての責任においてされてきているものと承知しております」 一方、秋本事務所は事実確認に対し、次のように回答した。「政務に関わることについては、公務に支障がないよう極力事務所スタッフなどで対応しているところであり、国会答弁の準備は事務所スタッフなどが主体となって準備をしているところです。なお国会において答弁する際は、外務大臣政務官の身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省の一定程度の関与が発生することはあります」 ロシアや北朝鮮の問題など、岸田政権において外交課題は山積している。とりわけ北朝鮮を巡っては、同国が2月8日に軍事パレードを開き、緊張が高まる中、2月18日に発射されたミサイルが日本の排他的経済水域内に落下。これを受け、秋本氏もNSC(国家安全保障会議)で岸田文雄首相らと協議をするなど、外務政務官として対応に追われる状況だった。そうした最中、本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる。こうした外務政務官としての秋本氏の振る舞いについてどのように説明するのか、岸田首相や林外相の対応が注目される。 3月1日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および3月2日(木)発売の「週刊文春」では、秘書給与法違反を巡るより詳しい“想定問答”の中身や、M氏との一問一答などについても報じている』、「本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる」、どうみてもやらせ過ぎだ。
次に、8月8日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114447?imp=0
・『追及はどこまで広がるのか?:今月末には逮捕の見通し 洋上風力発電の開発地域を巡る入札ルールが国民負担の増大を懸念させる形に変更された問題に関連して、東京地検特捜部は先週金曜日(8月4日)、外務政務官の秋本真利・衆議院議員(自民党、千葉選出)の事務所や自宅の強制捜査に踏み切った。強制捜査を受けて、秋本議員は同日中に外務政務官を辞任するとともに、翌5日には自民党を離党した。 疑惑の核心とされているのは、秋田県沖の2カ所と千葉県沖の合計3カ所を対象にした、一連の入札の第一ラウンドで三菱商事が3カ所を総取りしたことを受けて、当時、すでに別の場所を対象にした第2ラウンドの入札が公示され、手続きが始まっていたにもかかわらず、秋本氏が国会での質疑を通じて入札ルールの見直しを迫り、この第2ラウンドから価格競争を働きにくくした問題の背景だ。 国民経済的には、明らかに電気代を高止まりさせかねない反消費者的な行為だったが、秋本氏は日本風力開発など再エネベンチャーが有利になるようルール変更を迫っていた。そして、当局はこの秋本氏の行動の裏に贈収賄罪にあたる行為があったと判断したというのである。筆者が取材したところ、早ければ、秋本議員は秋の臨時国会召集前の今月末にも正式に逮捕される見通しだ。 その一方で、秋本議員の役回りは国会質問などを通じて、この異例の入札ルールの変更の端緒を作ったことに過ぎない。実際の変更は、自民党の総理経験者や当時の閣僚の意向があって実現に漕ぎ着けたとされており、当局の追及の手がどこまで広がっていくのかが事件の焦点となっている。 洋上風力発電は、その名の通り、海上に大型風車を設置して行う発電だ。日本は国土が広くない島国で風力発電に適した陸地が限られる半面、海上には強い風が吹く地域も多い。 ところが、過去20年あまり、大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった』、「大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった」、その通りだ。
・『再エネベンチャーの動き 対照的に、北海など欧州北部では早くから開発・普及が進み、劇的な発電コストの引き下げ競争が進んでいた。中国もこうした動向に着目、近年では沿岸部の開発が猛烈な勢いで行われてきた。 そこで、日本はキャッチアップを目指し、「洋上風力発電利用促進法」を2018年に経済産業省と国土交通省が所管で制定。 今回焦点の洋上風力発電を巡る入札は、同法の「促進区域」で発電を行う開発業者の地位を巡るものだ。一般に、発電所は迷惑施設で、その建設には環境アセスメントで複雑かつ時間のかかる手続きが求められる。が、カーボンニュートラル(脱炭素)が世界共通の課題で再エネの普及が急務となっていることから、同法の促進地域の事業は国が手続きを代行するなどの形で迅速な事業開始を後押しする策になっている。 注目の第1ラウンドの入札結果が2021年暮れに明らかになった際、参入を目論んでいた大手電力会社や総合商社、エネルギー企業、再エネベンチャーなどの間に衝撃が走った。というのは、この業界ではそれまで伏兵と見られていた三菱商事が率いる企業連合が3地域すべてで2番札に1kWhあたり5円以上の大差をつける発電価格の低さや「地域貢献」での評価の高さを武器に3カ所すべてを総取りしたからだ。特に、発電価格の安さは、長年、固定価格買取制度(FIT)による政府支援漬けに慣れ切った再エネベンチャーにはとても対抗できないものだった。 実は、これでも、当時の欧州など海外の標準的価格に比べて1kWhあたり4~8.5円程度高かったのは事実だ。筆者は本コラムで2022年の1月から6月にかけて3回、一連の問題を執筆しているので、詳細はそちらを参照してほしいが、「カーボンニュートラル時代の国際競争力を支える発電価格として考えれば、まだまだコスト削減努力を期待したい水準だ」と論評した。 しかし、新聞やテレビの報道によると、秋本議員に2021年10月から今年6月までに約3000万円の資金提供を行ったとされ、すでに当局から任意で社長の塚脇正幸氏が事情聴取を受けたという日本風力開発(報道によると、塚脇氏の弁護人は、資金提供について、同氏と秋本氏が所属する馬主組合への資金提供であり、秋本氏個人への賄賂ではないと反論している)のほか、再エネ大手のレノバといった企業が当時、政治家や官僚の間を陳情に奔走したり、政府の審議会で自社の主張を展開したり、関係の深い学者を動員してルール見直しを迫ったりしたことは、幅広く知られている。 当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた』、「当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた」、なるほど。
・『結論ありきの茶番 ところが、秋本議員は2022年2月17日の衆議院予算委員会第七分科会で、当時の荻生田光一経済産業大臣に「今公示している二回目の公募から評価の仕方というのをちょっと見直していただきたい」「(落札した企業の洋上風力発電所の)運転開始時期が見えない」などと迫った。 そして、同大臣から「運転開始時期を明確にルールを決めて競争していただいた方が、それは評価もしやすくなると私も思います」という答弁を引き出し、価格がほとんど決め手にならない形への入札ルールの見直しの実現に繋げたのだ。もちろん、自民党内の議員連盟などの会合で、秋本氏の同僚議員や閣僚経験者らが騒いだことも、ルール見直しを勢い付かせた。 そして、最後に見直し案にお墨付きを与えたのは、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会」の下部組織「省エネルギー・新エネルギー分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 洋上風力促進ワーキンググループ」と、国土交通省の「交通政策審議会」の下部組織「港湾分科会 環境部会 洋上風力促進小委員会」の合同会議だ。委員からは、最後まで「(新たなルールは)法制定時や運用方針の閣議決定時に想定しておらず、矛盾する」「(事業開始の迅速性の)高い配点については配慮が必要」など、様々な反対意見が出た。が、両省の意向を受けた座長らが押し切った。合同審議会やその後の両省によるパブリックコメント募集は、政治家たちの強い意向を受け、結論ありきの茶番に過ぎなかったのだ。 ちなみに、前述のレノバについては、ルール見直しに向けて奔走した一人とされ、当時、取締役会長だった千本倖生氏(現名誉会長。KDDI副社長などを歴任)が、<政、官界に厚い人脈を持つことで知られ、今回も精力的にロビイングに歩く姿が目撃されていた>と、筆者は当時の本コラムに書いた。 実は、この時の取材段階では、千本氏がある総理経験者を訪ねている事実について質したところ、千本氏は「その方とは以前から懇意にしていただいており、その面談の目的は洋上風力発電の入札ルール見直しではない」と言い、陳情はしていないと否定していた。) いずれにせよ、後出しじゃんけんのような第2ランドからの入札ルールの見直しで、せっかく始まりかけた日本の洋上風力発電の価格競争は大きく阻害されかねない状況になっている。 すでに第2ラウンドの札入れは完了しており、結果の公表は今年の年末になる見通しだが、企業の経営コストの押し上げ、家計の負担を増すものとして看過できない見直しだった。 今回の秋本議員への強制捜査では、資金提供額がすでに報じられている約3000万円だけなのか。日本風力開発以外には、資金提供者はいないのか。秋本氏については、立憲民主党の源馬謙太郎衆議院議員が今年2月の衆議院予算委員会で、レノバ株の売買をしている事実を突き付けて詳細の説明を求めたものの、秋本氏は「国土交通大臣政務官の在任中に株式の取引は行っておりません。その上で、政府の役職にない一議員が株取引を行うことは適法でございます」と繰り返すばかりで、明確な回答を拒んだこともあり、なぜ、レノバ株に投資したのかの追及も欠かせない。 また、秋本氏と同様に、自民党の党内世論作りに動いた議員や閣僚、総理経験者に賄賂性のある資金提供を受けた者はいないのか、も大きな焦点になる。 本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである。国民が負担させられる金額は天文学的なものになるからだ。 しかし、その裏に贈収賄という犯罪があるというのならば、その追及も国民にとっては見逃せない関心事だ。その意味で、まずは捜査の行方をしっかりと見守りたい』、「本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである」、その通りだ。
第三に、8月23日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115174?imp=0
・『補助がなければ「210円」だった ガソリンの小売価格が1リットルあたり180円を突破した。このままでは1リットルあたり200円に到達する可能性も十分にある。政府は1年半にわたってガソリン代の補助を行ってきたが、9月末で終了の予定だ。このままガソリン価格の高騰を放置するのか、補助を再開するのか、あるいはガソリン税のトリガー条項を発動するのか岸田政権は厳しい選択を迫られている。(なお8月22日、期限の延長について検討に入ったと報じられている)。 2023年8月14日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル181.9円と、前週から1.6円上がり、2週連続で180円を超えた。このところガソリン価格が急上昇しているのは、1年半にわたって続けられてきた政府の補助が6月以降、段階的に削減されているからである。 政府は全世界的な資源価格の高騰やロシアのウクライナ侵攻によって、ガソリン価格が急上昇したことを受けて、ガソリン代の一部を補助する政策を2022年1月からスタートさせた。 おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している』、「おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している」、「政府」は「終了」を先送りするようだ。
・『円安が最大の誤算に ガソリン価格を決める大きな要因である原油価格は今年に入って落ち着いており、政府としては補助を終了してもガソリン価格は跳ね上がらないとの判断だったが、最大の誤算となったのが円安である。 年明けには120円台まで戻していたドル円相場で、再び円安が進行し、とうとう145円を突破する状況となった。いくら原油価格が落ち着いても、日本の場合、原油はほぼ全量輸入なので円安になれば価格が上昇してしまう。 円安によってガソリン価格が上昇してきたことに補助の終了が重なったことから、ガソリン価格が跳ね上がる可能性が高くなってきた。 しかも主要産油国であるサウジアラビアが減産の方針を示していることから、原油価格が再び上昇に転じると予想する専門家も増えてきた。円安と原油価格の上昇が重なった場合、1リットルあたり200円を突破する可能性も見えてきたといってよいだろう。 今年の春闘ではこれまでにない賃上げが行われたが、定期昇給分が大きくベースアップ(ベア)が不十分であることに加え、全体の7割を占める中小企業の賃上げは進んでいないのが現実だ。 一方で物価は着実に上昇しており、賃金が物価に追い付く兆しは見えていない。ここでガソリン代が上昇すると、他に交通手段の選択肢がない地方を中心に、国民の生活はさらに苦しくなる。 政府はこれまで補助打ち切りの方針を変えていなかったが、8月22日に岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた。一方、消費者からはガソリン税の減税(トリガー条項の発動)を求める声も上がっている』、前述のように「岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた」、なるほど。
・『トリガー条項を発動させるとどうなるか ガソリン価格の約4割は税金となっており、とりわけ揮発油税(いわゆるガソリン税)の割合が高い。ガソリン価格が1リットルあたり170円だった場合、ガソリン税は約54円にもなる。 だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている。なお、この条項を復活させれば、約25円分だけガソリン価格が安くなるので、補助を延長したことに近い効果が得られる。 だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない。 ガソリン代の補助であれ減税であれ、原資が税金という点では同じだが、経済ヘの影響という点では両者には違いが生じる』、「だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている」、「だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない」、なるほど。
・『トリガー条項の「副作用」 ガソリン代の補助は170円を目安に超過分を補助するという仕組みなので、170円以下になった場合には補助が行われない代わりに、170円を超えた分については、上限金額に達するまで170円近辺での価格が継続する。一方、トリガー条項は1リットルあたり160円が設定価格なので、ここを超えると機械的に25円安くなる。 消費者からすると価格抑制のパターンが変わることになるが、それほど大きな違いとはいえないだろう。 補助と減税の最大の違いは、地方経済への影響である。補助については全額政府予算から支出されるが、ガソリン税の一部は地方税収となっている。トリガー条項を発動して減税を行った場合、政府の税収だけでなく地方の税収も大幅に減る。 ガソリン代高騰の影響は地方経済に深刻な影響を及ぼしているが、トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない。政府は防衛費の増額を決めたばかりであり、子育て支援の予算も大幅に拡充する方針である。補助の延長や減税を行う場合、他の予算とのせめぎ合いになるのはほぼ確実だろう。 では補助や減税ではなく、ガソリン価格そのものを抑制する方策はないのだろうか。 ガソリン価格は基本的に原油価格に連動して決まる仕組みだが、原油価格は国際的な市場で決定されるため日本が影響力を行使することはほぼ不可能である。そうなると日本側で出来ることは為替のみということになる』、「トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない」、これでは非現実的だ。
・『円高に転換できない事情 日銀は4月に総裁が交代したが、今のところ植田新総裁はアベノミクスの中核的な政策である大規模緩和策を継続する方針を崩していない。前回の金融政策決定会合では政策の微修正が行われたものの、市場はアベノミクス継続と認識しており円安が進んでいる。 アベノミクス(大規模緩和策)は、日銀が大量のマネーを市場に供給し、意図的にインフレ(物価上昇)を発生させる政策なので、この政策を実施している限り、円安と物価上昇が発生しやすい。 大規模緩和策を終了し、日銀が金融引き締めに転じれば円高となる可能性が高く、ガソリン価格を抑制できる。だが日銀にとっては簡単に政策を転換できない事情がある。 自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている。実際、前回の政策微修正についても、世耕弘成参院幹事長が「植田和男総裁に目を光らせておかないといけない」と、穏やかではない口調で警戒感を示した。 日銀は日銀法で独立が担保されているものの、かつて安倍元首相が「日銀は政府の子会社」と発言したこともあり、自民党内には、日銀の政策は政府がコントロールすべきという声が大きい。こうした状況下では、日銀は簡単に政策変更に踏み切れないだろう。 政治的な駆け引きに加え、現実問題として金利の引き上げが難しいという事情もある。日本経済は10年にわたる大規模緩和策にどっぷりと浸かった状態となっており、ここで金利を上げてしまうと、企業の倒産や住宅ローンの破産者が急増するリスクがある。 このため日銀は当分の間、大規模緩和策を継続せざるを得ず、そうなると円安が進行するのでガソリン価格は上がりやすくなる。 もっとも、大規模緩和策を継続したまま、ガソリン価格高騰に対処する方法はひとつだけ残されている。それは日本経済の仕組みを変革し、コストが増大しても総供給量を維持できる体制にシフトすることである。だが、この政策を実現するまでには相当な時間がかかることに加え、企業の経営改革が必須となるため、多くの抵抗が予想される。 結局のところ、現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ』、「自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている」、「現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ」、「日銀」は自民党に忖度することなく、最適な金融政策に転換してゆくべきだ。
先ずは、本年8月5日付け文春オンライン「特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/64865
・『8月4日、東京地検特捜部は、自民党の秋本真利外務大臣政務官(47)に風力発電会社「日本風力開発」から不透明な資金提供を受けていた疑いがあるとして、衆議院第一議員会館内にある秋本氏の事務所に家宅捜索に入った。同日、秋本氏は外務政務官を辞任した。 秋本氏を巡っては、これまで「週刊文春」が複数の疑惑を報じてきた。当時の「週刊文春」のスクープ速報を公開する。(初出:週刊文春 2023年3月9日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま) 秘書給与法違反の疑いが浮上している秋本真利・外務大臣政務官(47)が、国会での“想定質問”を、外務官僚である事務秘書官に作成させていた疑いが強いことが、「週刊文春」の取材でわかった。“想定質問”を添付した事務秘書官から秋本氏へのメールを入手した。自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声が上がりそうだ』、「自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声」、確かにやり過ぎだ。
・『「週刊文春」が入手した事務秘書官のメール 秋本氏は2012年に千葉9区から初当選し、現在、当選4回。昨年8月の内閣改造で、外務大臣政務官に就任した。再生可能エネルギー事業の推進に熱心で、河野太郎デジタル相の最側近としても知られている。 「週刊文春」2月2日発売号では、秋本氏の地元事務所が無許可で市街化調整区域内に建築され、違法状態にあった旨を報道。「週刊文春」2月9日発売号では、再生可能エネルギー企業関係者からの献金を巡って国会で虚偽答弁をした疑いを報じた(秋本氏は「法的には何ら問題ない」などとしている)。 さらに「週刊文春」2月16日発売号で報じたのが、秘書給与法違反疑惑だ。政策秘書・小林亞樹氏と私設秘書・C氏の個人会社が締結した業務委託契約書などを基に、本来は事務所が負担すべきC氏の給与を、小林氏の給与から支払わせていた疑いを指摘。秋本氏は「秘書給与法違反には当たらない」などとしている。この取材の過程で「週刊文春」は2月13日、秋本事務所に事実確認を求める質問状を送付し、同日夜までに一定の回答を得ていた。 「週刊文春」が入手したのは、外務省の若手官僚でもある事務秘書官のM氏が秋本政務官宛に送付したメールだ。送信日時は2月14日夕方5時44分。メールの件名は〈想定される問〉。以下のような文面が記されていた。 〈当方にご依頼いただいておりました想定される問を別添いたします。限定された省内関係者で想起したものとなります〉』、「事務秘書官のM氏」は有能でよくわきまえた人物のようだ。
・『国会答弁に備え“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑い そして、〈別添〉されたワードファイルには、次のような文言が列挙されていた。 〈問 2021年5月に政策秘書として採用した小林亞樹氏の勤務実態如何。勤務実態のない政策秘書を雇用しているのではないか。〉 〈問 本来秋本事務所が負担すべき、C氏(編集部註・原文は本名)の給与を、小林氏に肩代わりさせていたのではないか。これは秘書給与法21条の3(寄付の要求)に違反するのではないか。〉 〈問〉の数は24問に及ぶ。秋本氏は2月2日、2月3日、2月9日、2月13日と毎週のように国会で自身の疑惑を追及されていた。それだけに、近く秘書給与法違反疑惑についても問われることを予期したのだろう。つまり、国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか』、「国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか」、「秋本氏」の秘書使いは余りに酷い。
・『「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提」 元総務官僚で政策コンサルタントの室伏謙一氏はこう指摘する。 「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」 秘書官経験者も言う。 「森友問題のような行政が関わる疑惑なら別ですが、政務案件に事務秘書官はタッチしないものです」 外務省が省ぐるみで、秋本政務官のスキャンダル対応にあたったのは事実なのか。林芳正外相ならびに外務省にM氏が送付したメールについて見解を尋ねたところ、揃って以下のような回答があった』、「「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」」、その通りだ。
・『「外務省として一定程度の関与が発生することは自然なこと」 「御指摘の事実関係を当方で確認することはできませんが、一般論として申し上げれば、国会において秋本政務官が答弁する際は、外務大臣政務官としての身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省として一定程度の関与が発生することは自然なことだろうと理解しております。 なお、当然ながら、事務方の関与いかんに関わらず、答弁は最終的にはあくまでも秋本政務官自身が政治家としての責任においてされてきているものと承知しております」 一方、秋本事務所は事実確認に対し、次のように回答した。「政務に関わることについては、公務に支障がないよう極力事務所スタッフなどで対応しているところであり、国会答弁の準備は事務所スタッフなどが主体となって準備をしているところです。なお国会において答弁する際は、外務大臣政務官の身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省の一定程度の関与が発生することはあります」 ロシアや北朝鮮の問題など、岸田政権において外交課題は山積している。とりわけ北朝鮮を巡っては、同国が2月8日に軍事パレードを開き、緊張が高まる中、2月18日に発射されたミサイルが日本の排他的経済水域内に落下。これを受け、秋本氏もNSC(国家安全保障会議)で岸田文雄首相らと協議をするなど、外務政務官として対応に追われる状況だった。そうした最中、本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる。こうした外務政務官としての秋本氏の振る舞いについてどのように説明するのか、岸田首相や林外相の対応が注目される。 3月1日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および3月2日(木)発売の「週刊文春」では、秘書給与法違反を巡るより詳しい“想定問答”の中身や、M氏との一問一答などについても報じている』、「本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる」、どうみてもやらせ過ぎだ。
次に、8月8日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114447?imp=0
・『追及はどこまで広がるのか?:今月末には逮捕の見通し 洋上風力発電の開発地域を巡る入札ルールが国民負担の増大を懸念させる形に変更された問題に関連して、東京地検特捜部は先週金曜日(8月4日)、外務政務官の秋本真利・衆議院議員(自民党、千葉選出)の事務所や自宅の強制捜査に踏み切った。強制捜査を受けて、秋本議員は同日中に外務政務官を辞任するとともに、翌5日には自民党を離党した。 疑惑の核心とされているのは、秋田県沖の2カ所と千葉県沖の合計3カ所を対象にした、一連の入札の第一ラウンドで三菱商事が3カ所を総取りしたことを受けて、当時、すでに別の場所を対象にした第2ラウンドの入札が公示され、手続きが始まっていたにもかかわらず、秋本氏が国会での質疑を通じて入札ルールの見直しを迫り、この第2ラウンドから価格競争を働きにくくした問題の背景だ。 国民経済的には、明らかに電気代を高止まりさせかねない反消費者的な行為だったが、秋本氏は日本風力開発など再エネベンチャーが有利になるようルール変更を迫っていた。そして、当局はこの秋本氏の行動の裏に贈収賄罪にあたる行為があったと判断したというのである。筆者が取材したところ、早ければ、秋本議員は秋の臨時国会召集前の今月末にも正式に逮捕される見通しだ。 その一方で、秋本議員の役回りは国会質問などを通じて、この異例の入札ルールの変更の端緒を作ったことに過ぎない。実際の変更は、自民党の総理経験者や当時の閣僚の意向があって実現に漕ぎ着けたとされており、当局の追及の手がどこまで広がっていくのかが事件の焦点となっている。 洋上風力発電は、その名の通り、海上に大型風車を設置して行う発電だ。日本は国土が広くない島国で風力発電に適した陸地が限られる半面、海上には強い風が吹く地域も多い。 ところが、過去20年あまり、大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった』、「大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった」、その通りだ。
・『再エネベンチャーの動き 対照的に、北海など欧州北部では早くから開発・普及が進み、劇的な発電コストの引き下げ競争が進んでいた。中国もこうした動向に着目、近年では沿岸部の開発が猛烈な勢いで行われてきた。 そこで、日本はキャッチアップを目指し、「洋上風力発電利用促進法」を2018年に経済産業省と国土交通省が所管で制定。 今回焦点の洋上風力発電を巡る入札は、同法の「促進区域」で発電を行う開発業者の地位を巡るものだ。一般に、発電所は迷惑施設で、その建設には環境アセスメントで複雑かつ時間のかかる手続きが求められる。が、カーボンニュートラル(脱炭素)が世界共通の課題で再エネの普及が急務となっていることから、同法の促進地域の事業は国が手続きを代行するなどの形で迅速な事業開始を後押しする策になっている。 注目の第1ラウンドの入札結果が2021年暮れに明らかになった際、参入を目論んでいた大手電力会社や総合商社、エネルギー企業、再エネベンチャーなどの間に衝撃が走った。というのは、この業界ではそれまで伏兵と見られていた三菱商事が率いる企業連合が3地域すべてで2番札に1kWhあたり5円以上の大差をつける発電価格の低さや「地域貢献」での評価の高さを武器に3カ所すべてを総取りしたからだ。特に、発電価格の安さは、長年、固定価格買取制度(FIT)による政府支援漬けに慣れ切った再エネベンチャーにはとても対抗できないものだった。 実は、これでも、当時の欧州など海外の標準的価格に比べて1kWhあたり4~8.5円程度高かったのは事実だ。筆者は本コラムで2022年の1月から6月にかけて3回、一連の問題を執筆しているので、詳細はそちらを参照してほしいが、「カーボンニュートラル時代の国際競争力を支える発電価格として考えれば、まだまだコスト削減努力を期待したい水準だ」と論評した。 しかし、新聞やテレビの報道によると、秋本議員に2021年10月から今年6月までに約3000万円の資金提供を行ったとされ、すでに当局から任意で社長の塚脇正幸氏が事情聴取を受けたという日本風力開発(報道によると、塚脇氏の弁護人は、資金提供について、同氏と秋本氏が所属する馬主組合への資金提供であり、秋本氏個人への賄賂ではないと反論している)のほか、再エネ大手のレノバといった企業が当時、政治家や官僚の間を陳情に奔走したり、政府の審議会で自社の主張を展開したり、関係の深い学者を動員してルール見直しを迫ったりしたことは、幅広く知られている。 当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた』、「当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた」、なるほど。
・『結論ありきの茶番 ところが、秋本議員は2022年2月17日の衆議院予算委員会第七分科会で、当時の荻生田光一経済産業大臣に「今公示している二回目の公募から評価の仕方というのをちょっと見直していただきたい」「(落札した企業の洋上風力発電所の)運転開始時期が見えない」などと迫った。 そして、同大臣から「運転開始時期を明確にルールを決めて競争していただいた方が、それは評価もしやすくなると私も思います」という答弁を引き出し、価格がほとんど決め手にならない形への入札ルールの見直しの実現に繋げたのだ。もちろん、自民党内の議員連盟などの会合で、秋本氏の同僚議員や閣僚経験者らが騒いだことも、ルール見直しを勢い付かせた。 そして、最後に見直し案にお墨付きを与えたのは、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会」の下部組織「省エネルギー・新エネルギー分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 洋上風力促進ワーキンググループ」と、国土交通省の「交通政策審議会」の下部組織「港湾分科会 環境部会 洋上風力促進小委員会」の合同会議だ。委員からは、最後まで「(新たなルールは)法制定時や運用方針の閣議決定時に想定しておらず、矛盾する」「(事業開始の迅速性の)高い配点については配慮が必要」など、様々な反対意見が出た。が、両省の意向を受けた座長らが押し切った。合同審議会やその後の両省によるパブリックコメント募集は、政治家たちの強い意向を受け、結論ありきの茶番に過ぎなかったのだ。 ちなみに、前述のレノバについては、ルール見直しに向けて奔走した一人とされ、当時、取締役会長だった千本倖生氏(現名誉会長。KDDI副社長などを歴任)が、<政、官界に厚い人脈を持つことで知られ、今回も精力的にロビイングに歩く姿が目撃されていた>と、筆者は当時の本コラムに書いた。 実は、この時の取材段階では、千本氏がある総理経験者を訪ねている事実について質したところ、千本氏は「その方とは以前から懇意にしていただいており、その面談の目的は洋上風力発電の入札ルール見直しではない」と言い、陳情はしていないと否定していた。) いずれにせよ、後出しじゃんけんのような第2ランドからの入札ルールの見直しで、せっかく始まりかけた日本の洋上風力発電の価格競争は大きく阻害されかねない状況になっている。 すでに第2ラウンドの札入れは完了しており、結果の公表は今年の年末になる見通しだが、企業の経営コストの押し上げ、家計の負担を増すものとして看過できない見直しだった。 今回の秋本議員への強制捜査では、資金提供額がすでに報じられている約3000万円だけなのか。日本風力開発以外には、資金提供者はいないのか。秋本氏については、立憲民主党の源馬謙太郎衆議院議員が今年2月の衆議院予算委員会で、レノバ株の売買をしている事実を突き付けて詳細の説明を求めたものの、秋本氏は「国土交通大臣政務官の在任中に株式の取引は行っておりません。その上で、政府の役職にない一議員が株取引を行うことは適法でございます」と繰り返すばかりで、明確な回答を拒んだこともあり、なぜ、レノバ株に投資したのかの追及も欠かせない。 また、秋本氏と同様に、自民党の党内世論作りに動いた議員や閣僚、総理経験者に賄賂性のある資金提供を受けた者はいないのか、も大きな焦点になる。 本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである。国民が負担させられる金額は天文学的なものになるからだ。 しかし、その裏に贈収賄という犯罪があるというのならば、その追及も国民にとっては見逃せない関心事だ。その意味で、まずは捜査の行方をしっかりと見守りたい』、「本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである」、その通りだ。
第三に、8月23日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115174?imp=0
・『補助がなければ「210円」だった ガソリンの小売価格が1リットルあたり180円を突破した。このままでは1リットルあたり200円に到達する可能性も十分にある。政府は1年半にわたってガソリン代の補助を行ってきたが、9月末で終了の予定だ。このままガソリン価格の高騰を放置するのか、補助を再開するのか、あるいはガソリン税のトリガー条項を発動するのか岸田政権は厳しい選択を迫られている。(なお8月22日、期限の延長について検討に入ったと報じられている)。 2023年8月14日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル181.9円と、前週から1.6円上がり、2週連続で180円を超えた。このところガソリン価格が急上昇しているのは、1年半にわたって続けられてきた政府の補助が6月以降、段階的に削減されているからである。 政府は全世界的な資源価格の高騰やロシアのウクライナ侵攻によって、ガソリン価格が急上昇したことを受けて、ガソリン代の一部を補助する政策を2022年1月からスタートさせた。 おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している』、「おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している」、「政府」は「終了」を先送りするようだ。
・『円安が最大の誤算に ガソリン価格を決める大きな要因である原油価格は今年に入って落ち着いており、政府としては補助を終了してもガソリン価格は跳ね上がらないとの判断だったが、最大の誤算となったのが円安である。 年明けには120円台まで戻していたドル円相場で、再び円安が進行し、とうとう145円を突破する状況となった。いくら原油価格が落ち着いても、日本の場合、原油はほぼ全量輸入なので円安になれば価格が上昇してしまう。 円安によってガソリン価格が上昇してきたことに補助の終了が重なったことから、ガソリン価格が跳ね上がる可能性が高くなってきた。 しかも主要産油国であるサウジアラビアが減産の方針を示していることから、原油価格が再び上昇に転じると予想する専門家も増えてきた。円安と原油価格の上昇が重なった場合、1リットルあたり200円を突破する可能性も見えてきたといってよいだろう。 今年の春闘ではこれまでにない賃上げが行われたが、定期昇給分が大きくベースアップ(ベア)が不十分であることに加え、全体の7割を占める中小企業の賃上げは進んでいないのが現実だ。 一方で物価は着実に上昇しており、賃金が物価に追い付く兆しは見えていない。ここでガソリン代が上昇すると、他に交通手段の選択肢がない地方を中心に、国民の生活はさらに苦しくなる。 政府はこれまで補助打ち切りの方針を変えていなかったが、8月22日に岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた。一方、消費者からはガソリン税の減税(トリガー条項の発動)を求める声も上がっている』、前述のように「岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた」、なるほど。
・『トリガー条項を発動させるとどうなるか ガソリン価格の約4割は税金となっており、とりわけ揮発油税(いわゆるガソリン税)の割合が高い。ガソリン価格が1リットルあたり170円だった場合、ガソリン税は約54円にもなる。 だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている。なお、この条項を復活させれば、約25円分だけガソリン価格が安くなるので、補助を延長したことに近い効果が得られる。 だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない。 ガソリン代の補助であれ減税であれ、原資が税金という点では同じだが、経済ヘの影響という点では両者には違いが生じる』、「だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている」、「だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない」、なるほど。
・『トリガー条項の「副作用」 ガソリン代の補助は170円を目安に超過分を補助するという仕組みなので、170円以下になった場合には補助が行われない代わりに、170円を超えた分については、上限金額に達するまで170円近辺での価格が継続する。一方、トリガー条項は1リットルあたり160円が設定価格なので、ここを超えると機械的に25円安くなる。 消費者からすると価格抑制のパターンが変わることになるが、それほど大きな違いとはいえないだろう。 補助と減税の最大の違いは、地方経済への影響である。補助については全額政府予算から支出されるが、ガソリン税の一部は地方税収となっている。トリガー条項を発動して減税を行った場合、政府の税収だけでなく地方の税収も大幅に減る。 ガソリン代高騰の影響は地方経済に深刻な影響を及ぼしているが、トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない。政府は防衛費の増額を決めたばかりであり、子育て支援の予算も大幅に拡充する方針である。補助の延長や減税を行う場合、他の予算とのせめぎ合いになるのはほぼ確実だろう。 では補助や減税ではなく、ガソリン価格そのものを抑制する方策はないのだろうか。 ガソリン価格は基本的に原油価格に連動して決まる仕組みだが、原油価格は国際的な市場で決定されるため日本が影響力を行使することはほぼ不可能である。そうなると日本側で出来ることは為替のみということになる』、「トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない」、これでは非現実的だ。
・『円高に転換できない事情 日銀は4月に総裁が交代したが、今のところ植田新総裁はアベノミクスの中核的な政策である大規模緩和策を継続する方針を崩していない。前回の金融政策決定会合では政策の微修正が行われたものの、市場はアベノミクス継続と認識しており円安が進んでいる。 アベノミクス(大規模緩和策)は、日銀が大量のマネーを市場に供給し、意図的にインフレ(物価上昇)を発生させる政策なので、この政策を実施している限り、円安と物価上昇が発生しやすい。 大規模緩和策を終了し、日銀が金融引き締めに転じれば円高となる可能性が高く、ガソリン価格を抑制できる。だが日銀にとっては簡単に政策を転換できない事情がある。 自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている。実際、前回の政策微修正についても、世耕弘成参院幹事長が「植田和男総裁に目を光らせておかないといけない」と、穏やかではない口調で警戒感を示した。 日銀は日銀法で独立が担保されているものの、かつて安倍元首相が「日銀は政府の子会社」と発言したこともあり、自民党内には、日銀の政策は政府がコントロールすべきという声が大きい。こうした状況下では、日銀は簡単に政策変更に踏み切れないだろう。 政治的な駆け引きに加え、現実問題として金利の引き上げが難しいという事情もある。日本経済は10年にわたる大規模緩和策にどっぷりと浸かった状態となっており、ここで金利を上げてしまうと、企業の倒産や住宅ローンの破産者が急増するリスクがある。 このため日銀は当分の間、大規模緩和策を継続せざるを得ず、そうなると円安が進行するのでガソリン価格は上がりやすくなる。 もっとも、大規模緩和策を継続したまま、ガソリン価格高騰に対処する方法はひとつだけ残されている。それは日本経済の仕組みを変革し、コストが増大しても総供給量を維持できる体制にシフトすることである。だが、この政策を実現するまでには相当な時間がかかることに加え、企業の経営改革が必須となるため、多くの抵抗が予想される。 結局のところ、現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ』、「自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている」、「現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ」、「日銀」は自民党に忖度することなく、最適な金融政策に転換してゆくべきだ。
タグ:(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ) エネルギー 文春オンライン「特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い」 「自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声」、確かにやり過ぎだ。 「「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」」、その通りだ。 「本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる」、どうみてもやらせ過ぎだ。 現代ビジネス 町田 徹氏による「秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」」 「大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった」、その通りだ。 「当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた」、なるほど。 「本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである」、その通りだ。 加谷 珪一氏による「「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ」 「政府」は「終了」を先送りするようだ。 前述のように「岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた」、なるほど。 「だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている」、 「だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない」、なるほど。 「トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない」、これでは非現実的だ。 「自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている」、「現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ」、「日銀」は自民党に忖度することなく、最適な金融政策に転換してゆくべきだ。
コメント 0