インバウンド動向(その15)(「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち、中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由、中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?) [経済政策]
インバウンド動向については、本年7月28日に取上げた。今日は、(その15)(「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち、中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由、中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?)である。なお、タイトルの「戦略」は「動向」に変更した。
先ずは、8月3日付け日刊SPA!「「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち」を紹介しよう。
https://nikkan-spa.jp/1924103
・『日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち 商業的なコリアンタウンだが、「住民の生活があることを韓流好き女性たちにも知ってほしい」とBさんは語る 「新大久保はゲロの街になりましたよ」 そう嘆くのはこの街に住んで6年になるというBさん。 「週末の夜になると、女性がそこら中で酔いつぶれている姿を見ます。路上でも民家の軒先でもゲロを吐き散らす姿は珍しくもなくなりました」』、「女性がそこら中で酔いつぶれている姿を見ます。路上でも民家の軒先でもゲロを吐き散らす姿は珍しくもなくなりました」、世も末だ。
・『狭い歩道が満員電車状態、食べ歩きによるゴミ捨ても 韓国料理店や韓流アイドルショップが密集し、大人気の観光地となった新大久保だが、このところ目立つのはハメを外しすぎる日本人女性たち。 「24時間営業の韓国居酒屋やクラブの周辺で大騒ぎする若いコが増えた。すると彼女たち目当てなのか、ガラの悪い日本人の男たちもやってくるようになりました」 さらに土日や連休になると、上京者が大挙して押しかける。 「狭い歩道が満員電車状態になることも。食べ歩きによるゴミ捨てもひどいです」 そのため住民はやむなく車道を歩き、老人や車椅子の人は、出歩くこと自体をためらうようになってしまったという。自戒を促される事例だ。) 観光客の迷惑行為は全国で報告されているが、受け入れる日本側にも問題がないとは言えない。インバウンド評論家の中村正人氏は次のように指摘する。 「日本社会自体が疲弊しているなかで政府のインバウンド政策が誘致一辺倒な上、観光客が大都市に集中しているのが現状です。インバウンドはむしろ地域活性化のためにあるという原点に立ち返るべきです。また、コロナで観光産業から離職した人員が復帰していないことによる現場の混乱も要因でしょう」 実際に帝国データバンクによると、業種別正社員の人手不足割合において「旅館・ホテル」が6か月連続でトップとなっている。 その上で中村氏は、罰則の強化を対策に挙げる。 「例えば迷惑行為のあったツアーの主催社は数か月営業停止にするなどのペナルティを与えることも抑止力になる」 日本の観光文化に精通するアレックス・カー氏は、世界の観光業界が「量より質」に移行しつつあるとし、次のように提案する。 「観光地に細かい注意書きをするのも一つの対策ですが、乱立して景観を損ねているケースが多く、日本文化のレベル低下に繋がります。それよりも急務はシステム構築。観光名所や施設を予約制にしたり、入場料を高めに設定することで観光地全体のクオリティが上がる。各地がコロナ禍の間に仕組みづくりをしておかなかったのは残念ですね」 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も“ローカルレート”の導入を提唱する。ローカルレートとは、ホテルやレジャー施設の価格を現状より高く設定し、地元住民には割り引く、という考え方だ。質の低い観光客を退けるきっかけにもなる。 「米ハワイ州でも“カマアイナレート”と呼ばれるローカルレートが導入され、有名観光スポットでハワイ州在住者は入場料や手続きが優遇されます。オーバーツーリズム対策としても効果的でしょう」 日本も手遅れにならないようにしたいところだ』、「土日や連休になると、上京者が大挙して押しかける。 「狭い歩道が満員電車状態になることも。食べ歩きによるゴミ捨てもひどいです」 そのため住民はやむなく車道を歩き、老人や車椅子の人は、出歩くこと自体をためらうようになってしまったという・・・日本の観光文化に精通するアレックス・カー氏は、世界の観光業界が「量より質」に移行しつつあるとし、次のように提案する。 「観光地に細かい注意書きをするのも一つの対策ですが、乱立して景観を損ねているケースが多く、日本文化のレベル低下に繋がります。それよりも急務はシステム構築。観光名所や施設を予約制にしたり、入場料を高めに設定することで観光地全体のクオリティが上がる。各地がコロナ禍の間に仕組みづくりをしておかなかったのは残念ですね・・・航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も“ローカルレート”の導入を提唱する。ローカルレートとは、ホテルやレジャー施設の価格を現状より高く設定し、地元住民には割り引く、という考え方だ。質の低い観光客を退けるきっかけにもなる。 「米ハワイ州でも“カマアイナレート”と呼ばれるローカルレートが導入され、有名観光スポットでハワイ州在住者は入場料や手続きが優遇されます。オーバーツーリズム対策としても効果的でしょう 日本も手遅れにならないようにしたいところだ」、なるほど。
次に、9月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日中福祉プランニング代表の王 青氏による「中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328448
・『8月10日、中国政府は日本を含む海外への団体旅行をついに解禁した。コロナ前のように中国人観光客が大勢やってきて、“爆買い”が復活するのではないかとインバウンド効果に期待する声は大きい。しかし、中国からの来客や視察ツアーをよくアテンドし、買い物の同行もしている筆者は「団体旅行客が急増することはないし、爆買いも復活しないだろう」と予想する。その理由とは?』、興味深そうだ。
・『銀座のデパートからニトリへ 日本を訪れる中国人富裕層の財布のひもが固くなっている 今年の夏は暑い。できることならどこにも出かけたくない、クーラーが効いている室内でずっと過ごしたい思いだが、今年の7月から8月にかけて、夏休みを利用して、たくさんの中国の友人たちが家族連れで来日した。彼らに会うため頻繁に外に出かけなければならなかったが、顔を見ると約4年ぶりの再会の喜びは大きく、延々と話が尽きることがなかった。 上海の友人Aさん(女性、40代後半)は、子ども2人を連れて、この夏2週間以上東京に滞在した。上の娘さんが今秋から日本の大学に留学するので、彼女のためにマンションを借り、家財道具一式をそろえるための滞在だった。 もう一組の友人夫婦は、既に日本で留学している娘さんと、今後の留学生活について親子で話し合うための来日だった。そのほかにも、北京や上海などからやってきた、日本の介護ビジネス視察の団体をアテンドした。 このように中国から来た友人知人たちと一緒に過ごした今年の夏、筆者にはある印象が強く残った。それは「皆が買い物をしなくなって、財布のひもを固くしている」ということだ。 上述のAさんが、娘を日本に留学させるというのは筆者にとっては意外だった。彼女は一家で既にアメリカの国籍を取得しており、子どもたち2人は上海で生まれたものの、幼稚園からインターナショナルスクールに通っている。学校では英語しか使っていないので、中国にいながら、中国語の家庭教師を付けていた。大学はアメリカへ行かせるとずっと言っていたので、「なぜ日本を選んだの?」と聞くと、彼女は「もうお金がないの。日本の大学の学費はアメリカの5分の1。物価も安いから」と返ってきた。) 「もうお金がない」――Aさんの口から発せられた言葉とは思えず、耳を疑った。これまでの彼女の経済状況を知っていたからだ。 Aさん夫婦は、上海の一等地で何店舗もの上海料理の高級レストランや、食品開発の会社を経営していた。レストランは、レトロな上海の雰囲気の内装で、上海の家庭料理を高級にした料理を出す店で、有名人もよく訪れる人気の店だった。しかし、コロナ禍でお客さんの姿が消え、加えて上海のロックダウンで大きなダメージを受けた。中国には、日本が行ったような飲食店に対する休業補償金がなかったので、レストランは一軒、また一軒と潰れていった。さらに昨年末、食品開発の会社も倒産。「今は、もう事業が何も残っていない。生活費は、貯蓄の資産運用で得た利息を充てている。その利回りもこれまで10%以上あったが、今はその半分もない」とため息をつく。「だからもう、以前のような暮らしはできない」と、Aさんは曇った表情で話していた。 Aさんはこれまでも度々日本を訪れている。日本で買い物をする場所は決まって伊勢丹や高島屋などのデパート、銀座のデパートや高級ブランドショップだった。買い方も豪快というか、値段をまったく気にする様子もなく好きなだけショッピングを楽しむので、買い物に付き合った筆者までその後しばらくは金銭感覚が狂っていたほどだ。ところが、今回彼女が足を運んだのは、新宿高島屋の隣にあるニトリ、そして中古品店だった』、「中国から来た友人知人たちと一緒に過ごした今年の夏、筆者にはある印象が強く残った。それは「皆が買い物をしなくなって、財布のひもを固くしている」ということだ・・・上述のAさんが、娘を日本に留学させるというのは筆者にとっては意外だった。彼女は一家で既にアメリカの国籍を取得しており、子どもたち2人は上海で生まれたものの、幼稚園からインターナショナルスクールに通っている。学校では英語しか使っていないので、中国にいながら、中国語の家庭教師を付けていた。大学はアメリカへ行かせるとずっと言っていたので、「なぜ日本を選んだの?」と聞くと、彼女は「もうお金がないの。日本の大学の学費はアメリカの5分の1。物価も安いから」と返ってきた」、なるほど。
・『高級マンション暮らし+仕送り40万円 都内の有名私立大学で留学していたが…… もう一組の夫婦は、現在東京の有名私立大学で留学中の娘に会いに来た。今まで、娘さんは家賃20数万円の都内高層マンションで一人暮らし、さらに、親から毎月約40万円の仕送りをもらっていた。彼女はその豊富な資金で日本での留学生活をエンジョイしていた。移動はタクシーを利用することが多かったし、好きなアイドルを追いかけて、日本国内だけでなく海外にも度々行っている。 何も不自由のない、リッチな生活をしていた彼女だが、今秋からは一変する。安いアパートに引っ越し、生活費を大幅に削られることになった。なぜなら、父親が20年以上経営していたリフォーム会社が、中国の不動産産業の低迷を受けて倒産の手続きに入ったからだ。「お父さんのせいで、これからの生活水準が下がることになる、ごめんね」という親子の会話を横で聞いて、寂しい気持ちになった。 友人らは中国の高度経済成長の波に乗って富を築いてきた、いわゆる富裕層である。しかし、この数年で事業も金も失った。彼らの凋落ぶりを通して、中国経済の実態が垣間見える。富裕層の彼らでさえ、懐具合が寂しくなり、財布のひもが固くなっているのだ。中間層やそれ以下の国民の消費意識も同様に変わり、出費を抑えるだろうことは容易に想像がつく』、「娘さんは家賃20数万円の都内高層マンションで一人暮らし、さらに、親から毎月約40万円の仕送りをもらっていた・・・何も不自由のない、リッチな生活をしていた彼女だが、今秋からは一変する。安いアパートに引っ越し、生活費を大幅に削られることになった。なぜなら、父親が20年以上経営していたリフォーム会社が、中国の不動産産業の低迷を受けて倒産の手続きに入ったからだ。「お父さんのせいで、これからの生活水準が下がることになる、ごめんね」という親子の会話を横で聞いて、寂しい気持ちになった」、なるほど。
・『「仕事以外の時間は買い物」だったはずが…… 団体で日本に来た中国人の行動が変わった 折しも、中国政府は、8月10日に日本や韓国など78カ国への団体旅行を解禁した。日本のメディアの報道を見ると、百貨店やホテル業界など、インバウンドが増え、また“爆買い”が復活するのではないかと期待が高まっている様子がうかがえる。しかし、本当に中国から団体旅行者が大勢やってくるのか、コロナ前のように爆買いが復活するのか? 筆者は、その期待は裏切られる可能性がきわめて高いと考えている。 最近、何回か、中国の各地からの参加者で構成された来日ビジネス視察団体と一緒に仕事をした。参加者は、デベロッパーやIT関連、医療介護などの企業幹部や社員たちで、20~40代までと比較的若い人がほとんどだった。こうした団体の参加者たちは、コロナ前には皆、仕事以外の時間を目いっぱい買い物に使い、お土産リストを手に、買い物に没頭していた。「日本は閉店時間が早すぎる。中国なら夜の11時とか0時まで開いているのが普通なのに」と文句を言われたことも度々あった。しかし、今回は明らかに様子が違う。みな夕食が終わるとさっさとホテルに戻り、部屋やロビーでスマホをいじって過ごしている。 「買い物はしないのですか?」と尋ねると、「普段から中国でよくECを利用しているから。もう何でもECで手に入るよ」と答え、苦笑しながら「今は懐が寒い」と付け加えた。 その後、この団体を引率した人とお茶をする機会があったのでこの話をしてみると、「今は若者の行動が非常に慎重になっている。今回のメンバーは優秀な人ばかりだが、それでも、いつクビになるのかと将来に対して不安を抱えている。大学を出ても仕事が見つけられないし、すでに働いている人達も就職や再就職の競争が熾烈(https://diamond.jp/articles/-/325165)。こんな状況だから、みんなお金を使うことを躊躇(ちゅうちょ)しているんだ」と声を潜めて話していた』、「「今は若者の行動が非常に慎重になっている。今回のメンバーは優秀な人ばかりだが、それでも、いつクビになるのかと将来に対して不安を抱えている。大学を出ても仕事が見つけられないし、すでに働いている人達も就職や再就職の競争が熾烈・・・こんな状況だから、みんなお金を使うことを躊躇・・・しているんだ」、なるほど。
・『コロナ禍を経て、中国人の旅行スタイルが変化している 日本もタイと似たような状況になるのでは 北京で旅行会社を営む知人に聞くと、「日本への団体旅行が解禁された後、一時は問い合わせが多かったが、実際に成約に至ったのはそれほど多くない。なぜなら、富裕層は団体旅行をしない。中間層以下は収入が減り、海外旅行なんかする余裕がないからね。コロナの3年間で行動制限された反動で、今、国内の観光地はどこも大盛況だ。しかしフタを開けてみると、一人当たりの平均消費額が非常に少ない」と教えてくれた。 さらに「今年1月、ゼロコロナ政策が解除され、中国の観光客がタイへ殺到した。タイの副首相や観光局長が自ら空港で出迎えて、『熱烈歓迎』と書いてある横断幕を掲げて、中国のインバウンドに期待していた。これは今の日本とよく似た状況ではないか?」と話す。結果はどうだったか。タイ観光庁の統計を見ると、今年6月までの半年間で、中国の観光客はわずか140万人だった。予想していた700万~1000万人のたった20%しかいなかったのだ。 このように、中国の国内の政治・経済事情は、コロナ前と今とで大きく変わった。一つだけ日本への旅行者が増え、“爆買い”が期待できる要因があるとすれば、為替レートが円安・元高なことだろう。中国人から見れば、円安な日本でお金を使えば、何を買っても食べても割安でお得感があるからだ。中国を含め世界中でインフレが起こり、物価が大きく上昇している中で、日本の物価はまだまだ安い。収入が減り、節約志向を強めている中で、“安いもの”を狙っての買い物はあるかもしれない。しかしこれは、コロナ前の買い物、いわゆる爆買いとは、本質も目的もまるで違う。 このように、筆者は「団体旅行が解禁されても、中国人旅行客はそうそう増えない。“爆買い”も復活しない」と予想している。さらには、8月24日に始まった福島第一原発の処理水の海洋放出で、中国では今日本に対する批判が高まっている(参考記事)。日本への団体旅行者は急増どころか、激減する可能性さえあるのだ』、「筆者は「団体旅行が解禁されても、中国人旅行客はそうそう増えない。“爆買い”も復活しない」と予想している・・・福島第一原発の処理水の海洋放出で、中国では今日本に対する批判が高まっている・・・日本への団体旅行者は急増どころか、激減する可能性さえある」、インバウンドでは「中国」には、残念ながら殆ど期待できないようだ。
第三に、10月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーランスライターのふるまいよしこ氏による「中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/331400
・『日本には春にゴールデンウイークがあるが、中国には9月末から10月頭にかけて「黄金週」がある。行動制限が解けた大型連休となれば、旅行に行きたいと思うのは当然。しかし今年の黄金週は、コロナ前のそれとは大分様子が違ったという。なぜか日本メディアを非難し始めた「環球時報」や「北京日報」、そして日本にやってきた中国人観光客の「見えない旅」とは……』、興味深そうだ。
・『中国版“秋のゴールデンウイーク” 2023年は旅行した人が多かったが、コロナ前との違いが…… ちょっと前の話になるが、今年の中国国慶節(建国記念日、今年は10月1日)は土、日を挟んで中秋節(中秋の名月)と連なったため、多くの人が9月29日から10月6日までの8連休という豪華版となった。加えて自身が会社の経営者だったり、潤沢な有給休暇が取れたりする人の中には、10連休や15連休にしてしまった人もいたらしい。 最低でも8連休となると、連休の過ごし方が「旅行でしょ!」となるのは、どこの国でも同じである。特にコロナの行動制限から解放されて初めての秋の連休だし、8日間丸々の旅行は難しくても気候的にも爽やかなこの時期に、「ちょっと出かけてみようか」となるのは至極当然。おかげで中国政府の統計によると、この「黄金週」(ゴールデンウイーク)に国内旅行に出かけた人の数は延べ8.26億人と、コロナ前の2019年よりも4.1%増大した。 ただし、観光関連売り上げの伸びは2019年同期比でわずか1.5%増と、観光客の延べ人数が増えた割には大きな増収には至らなかった。 その原因の一つは、旅行といっても短距離や短期間だった人が多かったから。コロナ前までは「黄金週」といえば、大渋滞、大混雑で、「風景を見に出かけたのに目に入るのは人の波」とか、「ぼったくりなどに遭って、ヘトヘトになった」という話がよく流れていた。だが人々は3年間の「自宅待機」を経て、そんな旅を反省したらしい。今年は年初めから、「勢いに任せた、盛りだくさんの旅をしなくなった」とあちこちから報告されていた。 同時に、人々が旅の予算をきちんと組み始めたことも消費額に直接影響したようだ。今回の連休旅行の特徴として、これまでのように懐具合に任せて大盤振る舞いを楽しむ旅ではなく、コストを抑えてつつましく旅を味わう人が増えたことが挙げられる。 旅先では安価な民泊が人気となった。その一方で、高級ホテルも人気だったが、その宿泊スタイルは連泊して観光地を回るのではなく、ホテル内の施設やレストランを利用し、SNS映えする写真を撮って楽しむ、そんな「体験的宿泊」が目立ったという。 連休後半には旅行ムードが勢いを失い始めて、国内航空券の値下がりが始まり、ホテルや民泊は宿泊率を上げるために価格を引き下げるという手段を取ったところもあった。これまでのように、「連休だから当然高い」とか、「繁忙期は売り手優先」という感じではなくなってしまったのである』、「ゴールデンウイーク)に国内旅行に出かけた人の数は延べ8.26億人と、コロナ前の2019年よりも4.1%増大した。 ただし、観光関連売り上げの伸びは2019年同期比でわずか1.5%増と、観光客の延べ人数が増えた割には大きな増収には至らなかった。 その原因の一つは、旅行といっても短距離や短期間だった人が多かったから・・・これまでのように懐具合に任せて大盤振る舞いを楽しむ旅ではなく、コストを抑えてつつましく旅を味わう人が増えたことが挙げられる。 旅先では安価な民泊が人気となった。その一方で、高級ホテルも人気だったが、その宿泊スタイルは連泊して観光地を回るのではなく、ホテル内の施設やレストランを利用し、SNS映えする写真を撮って楽しむ、そんな「体験的宿泊」が目立ったという」、手堅くなったようだ。
・『日本への団体旅行も増えるかと思ったところで福島第一原発の処理水問題が起きた とはいえ、10連休や15連休を取った人たちはプチ旅行で済むはずもなく、渡航先に海外を選んだ人も多かったようだ。「ようだ」というのは、政府統計局が海外に出かけた人たちの統計数を出していないから。メディアもあえて海外旅行についての話題を避けているようだった。「消費はまず国内から」、そんなムードが業界に流れていたのかもしれなかった。 それでも、さまざまな情報から海外旅行を心待ちにしていた人たちの存在が伝わってきた。タイはすでに今年9月に、来年2月までの中国人観光客のビザ免除措置を発表していた。また今年8月にはアメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、韓国など、コロナ以降中止されていた団体旅行も解禁され、国慶節連休の海外旅行ムード復活に一役買っていた。 そのうち、特に日本行きは今春から個人旅行が好調で、「今年7~8月の夏休みだけで、個人旅行を含め4000万円相当を売り上げた」と日本の中国人相手のツアー業者が言うほどの人気となっていた。8月の団体旅行の解禁で、秋の黄金週における期待はさらに高まっていた。 しかし、8月末に福島第一原発の処理水の海洋放出が始まると、中国政府は国内向けに激しい反対キャンペーンを展開。日本の水産物輸入を全面的に禁じるなどして「危険性」を強調した結果、予定されていた日本向け団体旅行はキャンセルが相次いだ。これは参加者が自発的にキャンセルしたものもあれば、一方的に「見えない手」によって参加する予定だったツアーがキャンセルされたという例もあったようだ。 以前、2012年9月の尖閣諸島の国有化によって反日デモが巻き起こった際に、旅行を管轄する政府当局が日本渡航ビザ申請を代行する国内旅行会社に圧力をかけたが、今回も同様のことが起きたらしい。ただ、あれから10年以上がたち、中国人の中にはそんな旅行社を通じて観光ビザを申請しなくても、すでにビジネスビザや個人ビザを取得済みの人たちも多く、政府もそんな彼らを押しとどめることはできなかった。 実際、団体旅行の需要は減ったものの、日本行きの人気はそれほど下がらなかった。 ブルームバーグが日本語でまとめた「中国の大型連休、2100万人強が飛行機を利用か―人気旅行先には東京も」という記事によると、「黄金週」初日の9月29日から10月6日までに予約された海外旅行航空券数のランキングでは、トップこそ上海発韓国ソウル便だが、2位が東京発上海便、3位が北京発東京便、4位は杭州発大阪便、5位に再び北京発ソウル便となった後、6位が上海発東京便と、日本と韓国でトップ6位を占拠している。2位の東京発上海便の人気は、国慶節期間中に日本から里帰りした人も多かったということだろう。実際に日本の空港で待ち構えていた日本メディアの問いかけに、到着客が「機内はほぼ満席だった」と答えている姿をご覧になった方もおられるはずだ』、「日本行きは今春から個人旅行が好調で、「今年7~8月の夏休みだけで、個人旅行を含め4000万円相当を売り上げた」と日本の中国人相手のツアー業者が言うほどの人気となっていた。8月の団体旅行の解禁で、秋の黄金週における期待はさらに高まっていた。 しかし、8月末に福島第一原発の処理水の海洋放出が始まると、中国政府は国内向けに激しい反対キャンペーンを展開。日本の水産物輸入を全面的に禁じるなどして「危険性」を強調した結果、予定されていた日本向け団体旅行はキャンセルが相次いだ。これは参加者が自発的にキャンセルしたものもあれば、一方的に「見えない手」によって参加する予定だったツアーがキャンセルされたという例もあったようだ」、なるほど。
・『「日本旅行が人気だとあおっている」「誤解を誘導している」 環球時報や北京日報が日本メディアを名指しで批判 だが、この「事実」が、中国当局関係者の神経を刺激したようだ。 10月3日、中国共産党中央委員会機関紙「人民日報」傘下のタブロイド紙「環球時報」に、「連休における中国人観光客の人気旅行先が日本だと、日本メディアがあおり立てている」「核汚染水の排出に対する中国の態度を引き合いに、あえて中国人が『忘れっぽい』などと誤解を誘導している」と日本メディアを名指しで批判する、政府系シンクタンク関係者執筆の記事が掲載された。 これを受けた形で、やはり中国政府直轄のメディア「北京日報」でも、日本メディアの中国人観光客報道を批判する記事が流れた。国慶節の日本旅行人気に対抗して「プチ反日キャンペーン」ということだろうか。だが、そこに「日本メディアが2000万人の中国人が日本にやってくると伝えている」という記述があり、それを読んで筆者もさすがにびっくりした。 国慶節期間中に2000万人がやってくる?2000万人といえば、日本の総人口の約6分の1に当たる数だ。また、2019年に過去最高となった訪日観光客総数が3188万人であり、わずか1週間ちょっとの国慶節休み中にその3分の2が中国から押し寄せてくるなんて、ポストコロナのリベンジだとしてもさすがに多すぎる。もしそうなれば、日本の観光業はウハウハどころかパンクしてしまうはずである。 いったいどこの日本メディアがそんなむちゃくちゃな試算をしたのだ?と調べてみたのだが、「北京日報」は「日本メディア」と書いているだけで具体的なソースがない。ならばと、先の「環球時報」記事が名指ししたいくつかのメディアの過去報道を調べてもそんな数字は出てこない。 そうやってあれやこれやと「2000万人訪日」のソースを求めて調べているうちに、「2000万人なんてでっち上げもいいところだ。日本と中国の間の往復航空便はまだ完全に回復していないし、その状態でどうやったら2000万人も往来できるんだ?」と、やはり日本メディアを非難する中国語記事を発見した。確かにその通りで、1機約600席と仮定しても連休中に3万便以上が飛来する必要がある。たとえ連休を最大の15日間に延長して計算しても、さすがに無理な数字であろう』、「「連休における中国人観光客の人気旅行先が日本だと、日本メディアがあおり立てている」「核汚染水の排出に対する中国の態度を引き合いに、あえて中国人が『忘れっぽい』などと誤解を誘導している」と日本メディアを名指しで批判する、政府系シンクタンク関係者執筆の記事が掲載された・・・「2000万人訪日」のソースを求めて調べているうちに、「2000万人なんてでっち上げもいいところだ。日本と中国の間の往復航空便はまだ完全に回復していないし、その状態でどうやったら2000万人も往来できるんだ?」と、やはり日本メディアを非難する中国語記事を発見した。確かにその通りで、1機約600席と仮定しても連休中に3万便以上が飛来する必要がある。たとえ連休を最大の15日間に延長して計算しても、さすがに無理な数字であろう」、なるほど。
・『「2000万人の中国人が日本に」はもしかすると中国メディアの誤訳・読み違い? ……と、その記事を読み続けていて、前掲のブルームバーグ日本語版記事のタイトル「中国の大型連休、2100万人強が飛行機を利用か――人気旅行先には東京も」(原文ママ)を中国語化するための機械翻訳にかけたらしい画面キャプチャが貼られているのを目にした。その翻訳の結果を日本語に直訳し直すと、「中国の大型連休、2100万人余りが飛行機を利用――人気旅行地東京」になっている。ブルームバーグ日本語版の「東京も」の「も」が抜けている……もしかして、根拠はこれだろうか? 確かにこの機械翻訳文なら、「2100万人余りが飛行機に乗って人気の東京へ」と読めないこともない(それでも間違っているが)。 だが、中国共産党北京市委員会の機関紙「北京日報」ともあろうメディアが、米国の通信社ブルームバーグの日本語タイトルを機械翻訳にかけた上で誤読して、「日本メディアがでっち上げ」と大騒ぎするとは……連休中で人手が限られていたのかもしれないが、中国の政府メディアの質もここまで落ちたのか、とさすがにあきれてしまった。 この反日キャンペーンはその後も、「環球時報」と「北京日報」の記事につられたようにぽろぽろとブログ記事が出ていたが、最終的には国慶節休暇終了とともに終息したらしかった』、「この反日キャンペーンはその後も、「環球時報」と「北京日報」の記事につられたようにぽろぽろとブログ記事が出ていたが、最終的には国慶節休暇終了とともに終息したらしかった」、なるほど。
・『SNSに書くと非難される! 訪日した中国人観光客たちの「見えない日本旅行」 こんなムードの最中に、実際に日本を旅していた中国人観光客たちはどんなふうに過ごしていたのだろう? それについて、山東省の中国共産党済南市委員会機関紙傘下の「経済観察報」が「見えない日本旅行」というタイトルで伝えていた。 記事によると、団体旅行キャンセル続出で日本行き航空券が安くなったことが、すでにビザを持っている個人旅行客の背中を押したらしい。9月に入ると、深センから日本行きの航空券は約2000元(約4万円)まで下落したというから、通常時のディスカウント航空券並みの価格である。 さらに京都などの人気観光地はさすがに人出が多かったものの、「以前はどこにいっても中国人観光客だらけだった」のが、今年は中国語よりも韓国語をよく耳にしたとも紹介されていた。また、日頃から訪日者の空港出迎えアルバイトをしている中国人留学生も、国慶節連休中は大忙しだったと証言している。 一方で、そんな観光客たちも国内のムードをおもんぱかり、「(広範な人の目に触れる)SNSのタイムラインには日本での見聞を流さないようにした」と述べている。実際に自分の旅ブログに東京の旅について書き込んだブロガーが、激しい非難コメントにさらされるケースも起きており、彼らはあえて「見えない旅」を楽しんだようである。 SNS全盛時代、自分の楽しい旅の様子をSNSにアップできないのはちょっと残念だが、コロナ以降、すでに多くの人たちが「流せない話題」にすっかり慣れきっている。あえて喧伝(けんでん)しないことで、静かで誰にも知られない旅をじっくり楽しむことができる。そんな「二重生活」あるいは「二枚舌生活」は、中国で生きるためのすべになってしまった。 反日キャンペーンの中で日本旅行を選んだ人たちの中には、リピーターも多くいたという。そんな彼らが次回は堂々とまた遊びに来られるよう、期待したいものである』、「実際に自分の旅ブログに東京の旅について書き込んだブロガーが、激しい非難コメントにさらされるケースも起きており、彼らはあえて「見えない旅」を楽しんだようである。 SNS全盛時代、自分の楽しい旅の様子をSNSにアップできないのはちょっと残念だが、コロナ以降、すでに多くの人たちが「流せない話題」にすっかり慣れきっている。あえて喧伝(けんでん)しないことで、静かで誰にも知られない旅をじっくり楽しむことができる。そんな「二重生活」あるいは「二枚舌生活」は、中国で生きるためのすべになってしまった。 反日キャンペーンの中で日本旅行を選んだ人たちの中には、リピーターも多くいたという。そんな彼らが次回は堂々とまた遊びに来られるよう、期待したいものである」、「流せない話題」があるとは「中国」とは全く変な国だ。付き合いも高度なテクニックが必要なようだ。
先ずは、8月3日付け日刊SPA!「「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち」を紹介しよう。
https://nikkan-spa.jp/1924103
・『日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち 商業的なコリアンタウンだが、「住民の生活があることを韓流好き女性たちにも知ってほしい」とBさんは語る 「新大久保はゲロの街になりましたよ」 そう嘆くのはこの街に住んで6年になるというBさん。 「週末の夜になると、女性がそこら中で酔いつぶれている姿を見ます。路上でも民家の軒先でもゲロを吐き散らす姿は珍しくもなくなりました」』、「女性がそこら中で酔いつぶれている姿を見ます。路上でも民家の軒先でもゲロを吐き散らす姿は珍しくもなくなりました」、世も末だ。
・『狭い歩道が満員電車状態、食べ歩きによるゴミ捨ても 韓国料理店や韓流アイドルショップが密集し、大人気の観光地となった新大久保だが、このところ目立つのはハメを外しすぎる日本人女性たち。 「24時間営業の韓国居酒屋やクラブの周辺で大騒ぎする若いコが増えた。すると彼女たち目当てなのか、ガラの悪い日本人の男たちもやってくるようになりました」 さらに土日や連休になると、上京者が大挙して押しかける。 「狭い歩道が満員電車状態になることも。食べ歩きによるゴミ捨てもひどいです」 そのため住民はやむなく車道を歩き、老人や車椅子の人は、出歩くこと自体をためらうようになってしまったという。自戒を促される事例だ。) 観光客の迷惑行為は全国で報告されているが、受け入れる日本側にも問題がないとは言えない。インバウンド評論家の中村正人氏は次のように指摘する。 「日本社会自体が疲弊しているなかで政府のインバウンド政策が誘致一辺倒な上、観光客が大都市に集中しているのが現状です。インバウンドはむしろ地域活性化のためにあるという原点に立ち返るべきです。また、コロナで観光産業から離職した人員が復帰していないことによる現場の混乱も要因でしょう」 実際に帝国データバンクによると、業種別正社員の人手不足割合において「旅館・ホテル」が6か月連続でトップとなっている。 その上で中村氏は、罰則の強化を対策に挙げる。 「例えば迷惑行為のあったツアーの主催社は数か月営業停止にするなどのペナルティを与えることも抑止力になる」 日本の観光文化に精通するアレックス・カー氏は、世界の観光業界が「量より質」に移行しつつあるとし、次のように提案する。 「観光地に細かい注意書きをするのも一つの対策ですが、乱立して景観を損ねているケースが多く、日本文化のレベル低下に繋がります。それよりも急務はシステム構築。観光名所や施設を予約制にしたり、入場料を高めに設定することで観光地全体のクオリティが上がる。各地がコロナ禍の間に仕組みづくりをしておかなかったのは残念ですね」 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も“ローカルレート”の導入を提唱する。ローカルレートとは、ホテルやレジャー施設の価格を現状より高く設定し、地元住民には割り引く、という考え方だ。質の低い観光客を退けるきっかけにもなる。 「米ハワイ州でも“カマアイナレート”と呼ばれるローカルレートが導入され、有名観光スポットでハワイ州在住者は入場料や手続きが優遇されます。オーバーツーリズム対策としても効果的でしょう」 日本も手遅れにならないようにしたいところだ』、「土日や連休になると、上京者が大挙して押しかける。 「狭い歩道が満員電車状態になることも。食べ歩きによるゴミ捨てもひどいです」 そのため住民はやむなく車道を歩き、老人や車椅子の人は、出歩くこと自体をためらうようになってしまったという・・・日本の観光文化に精通するアレックス・カー氏は、世界の観光業界が「量より質」に移行しつつあるとし、次のように提案する。 「観光地に細かい注意書きをするのも一つの対策ですが、乱立して景観を損ねているケースが多く、日本文化のレベル低下に繋がります。それよりも急務はシステム構築。観光名所や施設を予約制にしたり、入場料を高めに設定することで観光地全体のクオリティが上がる。各地がコロナ禍の間に仕組みづくりをしておかなかったのは残念ですね・・・航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も“ローカルレート”の導入を提唱する。ローカルレートとは、ホテルやレジャー施設の価格を現状より高く設定し、地元住民には割り引く、という考え方だ。質の低い観光客を退けるきっかけにもなる。 「米ハワイ州でも“カマアイナレート”と呼ばれるローカルレートが導入され、有名観光スポットでハワイ州在住者は入場料や手続きが優遇されます。オーバーツーリズム対策としても効果的でしょう 日本も手遅れにならないようにしたいところだ」、なるほど。
次に、9月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日中福祉プランニング代表の王 青氏による「中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328448
・『8月10日、中国政府は日本を含む海外への団体旅行をついに解禁した。コロナ前のように中国人観光客が大勢やってきて、“爆買い”が復活するのではないかとインバウンド効果に期待する声は大きい。しかし、中国からの来客や視察ツアーをよくアテンドし、買い物の同行もしている筆者は「団体旅行客が急増することはないし、爆買いも復活しないだろう」と予想する。その理由とは?』、興味深そうだ。
・『銀座のデパートからニトリへ 日本を訪れる中国人富裕層の財布のひもが固くなっている 今年の夏は暑い。できることならどこにも出かけたくない、クーラーが効いている室内でずっと過ごしたい思いだが、今年の7月から8月にかけて、夏休みを利用して、たくさんの中国の友人たちが家族連れで来日した。彼らに会うため頻繁に外に出かけなければならなかったが、顔を見ると約4年ぶりの再会の喜びは大きく、延々と話が尽きることがなかった。 上海の友人Aさん(女性、40代後半)は、子ども2人を連れて、この夏2週間以上東京に滞在した。上の娘さんが今秋から日本の大学に留学するので、彼女のためにマンションを借り、家財道具一式をそろえるための滞在だった。 もう一組の友人夫婦は、既に日本で留学している娘さんと、今後の留学生活について親子で話し合うための来日だった。そのほかにも、北京や上海などからやってきた、日本の介護ビジネス視察の団体をアテンドした。 このように中国から来た友人知人たちと一緒に過ごした今年の夏、筆者にはある印象が強く残った。それは「皆が買い物をしなくなって、財布のひもを固くしている」ということだ。 上述のAさんが、娘を日本に留学させるというのは筆者にとっては意外だった。彼女は一家で既にアメリカの国籍を取得しており、子どもたち2人は上海で生まれたものの、幼稚園からインターナショナルスクールに通っている。学校では英語しか使っていないので、中国にいながら、中国語の家庭教師を付けていた。大学はアメリカへ行かせるとずっと言っていたので、「なぜ日本を選んだの?」と聞くと、彼女は「もうお金がないの。日本の大学の学費はアメリカの5分の1。物価も安いから」と返ってきた。) 「もうお金がない」――Aさんの口から発せられた言葉とは思えず、耳を疑った。これまでの彼女の経済状況を知っていたからだ。 Aさん夫婦は、上海の一等地で何店舗もの上海料理の高級レストランや、食品開発の会社を経営していた。レストランは、レトロな上海の雰囲気の内装で、上海の家庭料理を高級にした料理を出す店で、有名人もよく訪れる人気の店だった。しかし、コロナ禍でお客さんの姿が消え、加えて上海のロックダウンで大きなダメージを受けた。中国には、日本が行ったような飲食店に対する休業補償金がなかったので、レストランは一軒、また一軒と潰れていった。さらに昨年末、食品開発の会社も倒産。「今は、もう事業が何も残っていない。生活費は、貯蓄の資産運用で得た利息を充てている。その利回りもこれまで10%以上あったが、今はその半分もない」とため息をつく。「だからもう、以前のような暮らしはできない」と、Aさんは曇った表情で話していた。 Aさんはこれまでも度々日本を訪れている。日本で買い物をする場所は決まって伊勢丹や高島屋などのデパート、銀座のデパートや高級ブランドショップだった。買い方も豪快というか、値段をまったく気にする様子もなく好きなだけショッピングを楽しむので、買い物に付き合った筆者までその後しばらくは金銭感覚が狂っていたほどだ。ところが、今回彼女が足を運んだのは、新宿高島屋の隣にあるニトリ、そして中古品店だった』、「中国から来た友人知人たちと一緒に過ごした今年の夏、筆者にはある印象が強く残った。それは「皆が買い物をしなくなって、財布のひもを固くしている」ということだ・・・上述のAさんが、娘を日本に留学させるというのは筆者にとっては意外だった。彼女は一家で既にアメリカの国籍を取得しており、子どもたち2人は上海で生まれたものの、幼稚園からインターナショナルスクールに通っている。学校では英語しか使っていないので、中国にいながら、中国語の家庭教師を付けていた。大学はアメリカへ行かせるとずっと言っていたので、「なぜ日本を選んだの?」と聞くと、彼女は「もうお金がないの。日本の大学の学費はアメリカの5分の1。物価も安いから」と返ってきた」、なるほど。
・『高級マンション暮らし+仕送り40万円 都内の有名私立大学で留学していたが…… もう一組の夫婦は、現在東京の有名私立大学で留学中の娘に会いに来た。今まで、娘さんは家賃20数万円の都内高層マンションで一人暮らし、さらに、親から毎月約40万円の仕送りをもらっていた。彼女はその豊富な資金で日本での留学生活をエンジョイしていた。移動はタクシーを利用することが多かったし、好きなアイドルを追いかけて、日本国内だけでなく海外にも度々行っている。 何も不自由のない、リッチな生活をしていた彼女だが、今秋からは一変する。安いアパートに引っ越し、生活費を大幅に削られることになった。なぜなら、父親が20年以上経営していたリフォーム会社が、中国の不動産産業の低迷を受けて倒産の手続きに入ったからだ。「お父さんのせいで、これからの生活水準が下がることになる、ごめんね」という親子の会話を横で聞いて、寂しい気持ちになった。 友人らは中国の高度経済成長の波に乗って富を築いてきた、いわゆる富裕層である。しかし、この数年で事業も金も失った。彼らの凋落ぶりを通して、中国経済の実態が垣間見える。富裕層の彼らでさえ、懐具合が寂しくなり、財布のひもが固くなっているのだ。中間層やそれ以下の国民の消費意識も同様に変わり、出費を抑えるだろうことは容易に想像がつく』、「娘さんは家賃20数万円の都内高層マンションで一人暮らし、さらに、親から毎月約40万円の仕送りをもらっていた・・・何も不自由のない、リッチな生活をしていた彼女だが、今秋からは一変する。安いアパートに引っ越し、生活費を大幅に削られることになった。なぜなら、父親が20年以上経営していたリフォーム会社が、中国の不動産産業の低迷を受けて倒産の手続きに入ったからだ。「お父さんのせいで、これからの生活水準が下がることになる、ごめんね」という親子の会話を横で聞いて、寂しい気持ちになった」、なるほど。
・『「仕事以外の時間は買い物」だったはずが…… 団体で日本に来た中国人の行動が変わった 折しも、中国政府は、8月10日に日本や韓国など78カ国への団体旅行を解禁した。日本のメディアの報道を見ると、百貨店やホテル業界など、インバウンドが増え、また“爆買い”が復活するのではないかと期待が高まっている様子がうかがえる。しかし、本当に中国から団体旅行者が大勢やってくるのか、コロナ前のように爆買いが復活するのか? 筆者は、その期待は裏切られる可能性がきわめて高いと考えている。 最近、何回か、中国の各地からの参加者で構成された来日ビジネス視察団体と一緒に仕事をした。参加者は、デベロッパーやIT関連、医療介護などの企業幹部や社員たちで、20~40代までと比較的若い人がほとんどだった。こうした団体の参加者たちは、コロナ前には皆、仕事以外の時間を目いっぱい買い物に使い、お土産リストを手に、買い物に没頭していた。「日本は閉店時間が早すぎる。中国なら夜の11時とか0時まで開いているのが普通なのに」と文句を言われたことも度々あった。しかし、今回は明らかに様子が違う。みな夕食が終わるとさっさとホテルに戻り、部屋やロビーでスマホをいじって過ごしている。 「買い物はしないのですか?」と尋ねると、「普段から中国でよくECを利用しているから。もう何でもECで手に入るよ」と答え、苦笑しながら「今は懐が寒い」と付け加えた。 その後、この団体を引率した人とお茶をする機会があったのでこの話をしてみると、「今は若者の行動が非常に慎重になっている。今回のメンバーは優秀な人ばかりだが、それでも、いつクビになるのかと将来に対して不安を抱えている。大学を出ても仕事が見つけられないし、すでに働いている人達も就職や再就職の競争が熾烈(https://diamond.jp/articles/-/325165)。こんな状況だから、みんなお金を使うことを躊躇(ちゅうちょ)しているんだ」と声を潜めて話していた』、「「今は若者の行動が非常に慎重になっている。今回のメンバーは優秀な人ばかりだが、それでも、いつクビになるのかと将来に対して不安を抱えている。大学を出ても仕事が見つけられないし、すでに働いている人達も就職や再就職の競争が熾烈・・・こんな状況だから、みんなお金を使うことを躊躇・・・しているんだ」、なるほど。
・『コロナ禍を経て、中国人の旅行スタイルが変化している 日本もタイと似たような状況になるのでは 北京で旅行会社を営む知人に聞くと、「日本への団体旅行が解禁された後、一時は問い合わせが多かったが、実際に成約に至ったのはそれほど多くない。なぜなら、富裕層は団体旅行をしない。中間層以下は収入が減り、海外旅行なんかする余裕がないからね。コロナの3年間で行動制限された反動で、今、国内の観光地はどこも大盛況だ。しかしフタを開けてみると、一人当たりの平均消費額が非常に少ない」と教えてくれた。 さらに「今年1月、ゼロコロナ政策が解除され、中国の観光客がタイへ殺到した。タイの副首相や観光局長が自ら空港で出迎えて、『熱烈歓迎』と書いてある横断幕を掲げて、中国のインバウンドに期待していた。これは今の日本とよく似た状況ではないか?」と話す。結果はどうだったか。タイ観光庁の統計を見ると、今年6月までの半年間で、中国の観光客はわずか140万人だった。予想していた700万~1000万人のたった20%しかいなかったのだ。 このように、中国の国内の政治・経済事情は、コロナ前と今とで大きく変わった。一つだけ日本への旅行者が増え、“爆買い”が期待できる要因があるとすれば、為替レートが円安・元高なことだろう。中国人から見れば、円安な日本でお金を使えば、何を買っても食べても割安でお得感があるからだ。中国を含め世界中でインフレが起こり、物価が大きく上昇している中で、日本の物価はまだまだ安い。収入が減り、節約志向を強めている中で、“安いもの”を狙っての買い物はあるかもしれない。しかしこれは、コロナ前の買い物、いわゆる爆買いとは、本質も目的もまるで違う。 このように、筆者は「団体旅行が解禁されても、中国人旅行客はそうそう増えない。“爆買い”も復活しない」と予想している。さらには、8月24日に始まった福島第一原発の処理水の海洋放出で、中国では今日本に対する批判が高まっている(参考記事)。日本への団体旅行者は急増どころか、激減する可能性さえあるのだ』、「筆者は「団体旅行が解禁されても、中国人旅行客はそうそう増えない。“爆買い”も復活しない」と予想している・・・福島第一原発の処理水の海洋放出で、中国では今日本に対する批判が高まっている・・・日本への団体旅行者は急増どころか、激減する可能性さえある」、インバウンドでは「中国」には、残念ながら殆ど期待できないようだ。
第三に、10月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーランスライターのふるまいよしこ氏による「中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/331400
・『日本には春にゴールデンウイークがあるが、中国には9月末から10月頭にかけて「黄金週」がある。行動制限が解けた大型連休となれば、旅行に行きたいと思うのは当然。しかし今年の黄金週は、コロナ前のそれとは大分様子が違ったという。なぜか日本メディアを非難し始めた「環球時報」や「北京日報」、そして日本にやってきた中国人観光客の「見えない旅」とは……』、興味深そうだ。
・『中国版“秋のゴールデンウイーク” 2023年は旅行した人が多かったが、コロナ前との違いが…… ちょっと前の話になるが、今年の中国国慶節(建国記念日、今年は10月1日)は土、日を挟んで中秋節(中秋の名月)と連なったため、多くの人が9月29日から10月6日までの8連休という豪華版となった。加えて自身が会社の経営者だったり、潤沢な有給休暇が取れたりする人の中には、10連休や15連休にしてしまった人もいたらしい。 最低でも8連休となると、連休の過ごし方が「旅行でしょ!」となるのは、どこの国でも同じである。特にコロナの行動制限から解放されて初めての秋の連休だし、8日間丸々の旅行は難しくても気候的にも爽やかなこの時期に、「ちょっと出かけてみようか」となるのは至極当然。おかげで中国政府の統計によると、この「黄金週」(ゴールデンウイーク)に国内旅行に出かけた人の数は延べ8.26億人と、コロナ前の2019年よりも4.1%増大した。 ただし、観光関連売り上げの伸びは2019年同期比でわずか1.5%増と、観光客の延べ人数が増えた割には大きな増収には至らなかった。 その原因の一つは、旅行といっても短距離や短期間だった人が多かったから。コロナ前までは「黄金週」といえば、大渋滞、大混雑で、「風景を見に出かけたのに目に入るのは人の波」とか、「ぼったくりなどに遭って、ヘトヘトになった」という話がよく流れていた。だが人々は3年間の「自宅待機」を経て、そんな旅を反省したらしい。今年は年初めから、「勢いに任せた、盛りだくさんの旅をしなくなった」とあちこちから報告されていた。 同時に、人々が旅の予算をきちんと組み始めたことも消費額に直接影響したようだ。今回の連休旅行の特徴として、これまでのように懐具合に任せて大盤振る舞いを楽しむ旅ではなく、コストを抑えてつつましく旅を味わう人が増えたことが挙げられる。 旅先では安価な民泊が人気となった。その一方で、高級ホテルも人気だったが、その宿泊スタイルは連泊して観光地を回るのではなく、ホテル内の施設やレストランを利用し、SNS映えする写真を撮って楽しむ、そんな「体験的宿泊」が目立ったという。 連休後半には旅行ムードが勢いを失い始めて、国内航空券の値下がりが始まり、ホテルや民泊は宿泊率を上げるために価格を引き下げるという手段を取ったところもあった。これまでのように、「連休だから当然高い」とか、「繁忙期は売り手優先」という感じではなくなってしまったのである』、「ゴールデンウイーク)に国内旅行に出かけた人の数は延べ8.26億人と、コロナ前の2019年よりも4.1%増大した。 ただし、観光関連売り上げの伸びは2019年同期比でわずか1.5%増と、観光客の延べ人数が増えた割には大きな増収には至らなかった。 その原因の一つは、旅行といっても短距離や短期間だった人が多かったから・・・これまでのように懐具合に任せて大盤振る舞いを楽しむ旅ではなく、コストを抑えてつつましく旅を味わう人が増えたことが挙げられる。 旅先では安価な民泊が人気となった。その一方で、高級ホテルも人気だったが、その宿泊スタイルは連泊して観光地を回るのではなく、ホテル内の施設やレストランを利用し、SNS映えする写真を撮って楽しむ、そんな「体験的宿泊」が目立ったという」、手堅くなったようだ。
・『日本への団体旅行も増えるかと思ったところで福島第一原発の処理水問題が起きた とはいえ、10連休や15連休を取った人たちはプチ旅行で済むはずもなく、渡航先に海外を選んだ人も多かったようだ。「ようだ」というのは、政府統計局が海外に出かけた人たちの統計数を出していないから。メディアもあえて海外旅行についての話題を避けているようだった。「消費はまず国内から」、そんなムードが業界に流れていたのかもしれなかった。 それでも、さまざまな情報から海外旅行を心待ちにしていた人たちの存在が伝わってきた。タイはすでに今年9月に、来年2月までの中国人観光客のビザ免除措置を発表していた。また今年8月にはアメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、韓国など、コロナ以降中止されていた団体旅行も解禁され、国慶節連休の海外旅行ムード復活に一役買っていた。 そのうち、特に日本行きは今春から個人旅行が好調で、「今年7~8月の夏休みだけで、個人旅行を含め4000万円相当を売り上げた」と日本の中国人相手のツアー業者が言うほどの人気となっていた。8月の団体旅行の解禁で、秋の黄金週における期待はさらに高まっていた。 しかし、8月末に福島第一原発の処理水の海洋放出が始まると、中国政府は国内向けに激しい反対キャンペーンを展開。日本の水産物輸入を全面的に禁じるなどして「危険性」を強調した結果、予定されていた日本向け団体旅行はキャンセルが相次いだ。これは参加者が自発的にキャンセルしたものもあれば、一方的に「見えない手」によって参加する予定だったツアーがキャンセルされたという例もあったようだ。 以前、2012年9月の尖閣諸島の国有化によって反日デモが巻き起こった際に、旅行を管轄する政府当局が日本渡航ビザ申請を代行する国内旅行会社に圧力をかけたが、今回も同様のことが起きたらしい。ただ、あれから10年以上がたち、中国人の中にはそんな旅行社を通じて観光ビザを申請しなくても、すでにビジネスビザや個人ビザを取得済みの人たちも多く、政府もそんな彼らを押しとどめることはできなかった。 実際、団体旅行の需要は減ったものの、日本行きの人気はそれほど下がらなかった。 ブルームバーグが日本語でまとめた「中国の大型連休、2100万人強が飛行機を利用か―人気旅行先には東京も」という記事によると、「黄金週」初日の9月29日から10月6日までに予約された海外旅行航空券数のランキングでは、トップこそ上海発韓国ソウル便だが、2位が東京発上海便、3位が北京発東京便、4位は杭州発大阪便、5位に再び北京発ソウル便となった後、6位が上海発東京便と、日本と韓国でトップ6位を占拠している。2位の東京発上海便の人気は、国慶節期間中に日本から里帰りした人も多かったということだろう。実際に日本の空港で待ち構えていた日本メディアの問いかけに、到着客が「機内はほぼ満席だった」と答えている姿をご覧になった方もおられるはずだ』、「日本行きは今春から個人旅行が好調で、「今年7~8月の夏休みだけで、個人旅行を含め4000万円相当を売り上げた」と日本の中国人相手のツアー業者が言うほどの人気となっていた。8月の団体旅行の解禁で、秋の黄金週における期待はさらに高まっていた。 しかし、8月末に福島第一原発の処理水の海洋放出が始まると、中国政府は国内向けに激しい反対キャンペーンを展開。日本の水産物輸入を全面的に禁じるなどして「危険性」を強調した結果、予定されていた日本向け団体旅行はキャンセルが相次いだ。これは参加者が自発的にキャンセルしたものもあれば、一方的に「見えない手」によって参加する予定だったツアーがキャンセルされたという例もあったようだ」、なるほど。
・『「日本旅行が人気だとあおっている」「誤解を誘導している」 環球時報や北京日報が日本メディアを名指しで批判 だが、この「事実」が、中国当局関係者の神経を刺激したようだ。 10月3日、中国共産党中央委員会機関紙「人民日報」傘下のタブロイド紙「環球時報」に、「連休における中国人観光客の人気旅行先が日本だと、日本メディアがあおり立てている」「核汚染水の排出に対する中国の態度を引き合いに、あえて中国人が『忘れっぽい』などと誤解を誘導している」と日本メディアを名指しで批判する、政府系シンクタンク関係者執筆の記事が掲載された。 これを受けた形で、やはり中国政府直轄のメディア「北京日報」でも、日本メディアの中国人観光客報道を批判する記事が流れた。国慶節の日本旅行人気に対抗して「プチ反日キャンペーン」ということだろうか。だが、そこに「日本メディアが2000万人の中国人が日本にやってくると伝えている」という記述があり、それを読んで筆者もさすがにびっくりした。 国慶節期間中に2000万人がやってくる?2000万人といえば、日本の総人口の約6分の1に当たる数だ。また、2019年に過去最高となった訪日観光客総数が3188万人であり、わずか1週間ちょっとの国慶節休み中にその3分の2が中国から押し寄せてくるなんて、ポストコロナのリベンジだとしてもさすがに多すぎる。もしそうなれば、日本の観光業はウハウハどころかパンクしてしまうはずである。 いったいどこの日本メディアがそんなむちゃくちゃな試算をしたのだ?と調べてみたのだが、「北京日報」は「日本メディア」と書いているだけで具体的なソースがない。ならばと、先の「環球時報」記事が名指ししたいくつかのメディアの過去報道を調べてもそんな数字は出てこない。 そうやってあれやこれやと「2000万人訪日」のソースを求めて調べているうちに、「2000万人なんてでっち上げもいいところだ。日本と中国の間の往復航空便はまだ完全に回復していないし、その状態でどうやったら2000万人も往来できるんだ?」と、やはり日本メディアを非難する中国語記事を発見した。確かにその通りで、1機約600席と仮定しても連休中に3万便以上が飛来する必要がある。たとえ連休を最大の15日間に延長して計算しても、さすがに無理な数字であろう』、「「連休における中国人観光客の人気旅行先が日本だと、日本メディアがあおり立てている」「核汚染水の排出に対する中国の態度を引き合いに、あえて中国人が『忘れっぽい』などと誤解を誘導している」と日本メディアを名指しで批判する、政府系シンクタンク関係者執筆の記事が掲載された・・・「2000万人訪日」のソースを求めて調べているうちに、「2000万人なんてでっち上げもいいところだ。日本と中国の間の往復航空便はまだ完全に回復していないし、その状態でどうやったら2000万人も往来できるんだ?」と、やはり日本メディアを非難する中国語記事を発見した。確かにその通りで、1機約600席と仮定しても連休中に3万便以上が飛来する必要がある。たとえ連休を最大の15日間に延長して計算しても、さすがに無理な数字であろう」、なるほど。
・『「2000万人の中国人が日本に」はもしかすると中国メディアの誤訳・読み違い? ……と、その記事を読み続けていて、前掲のブルームバーグ日本語版記事のタイトル「中国の大型連休、2100万人強が飛行機を利用か――人気旅行先には東京も」(原文ママ)を中国語化するための機械翻訳にかけたらしい画面キャプチャが貼られているのを目にした。その翻訳の結果を日本語に直訳し直すと、「中国の大型連休、2100万人余りが飛行機を利用――人気旅行地東京」になっている。ブルームバーグ日本語版の「東京も」の「も」が抜けている……もしかして、根拠はこれだろうか? 確かにこの機械翻訳文なら、「2100万人余りが飛行機に乗って人気の東京へ」と読めないこともない(それでも間違っているが)。 だが、中国共産党北京市委員会の機関紙「北京日報」ともあろうメディアが、米国の通信社ブルームバーグの日本語タイトルを機械翻訳にかけた上で誤読して、「日本メディアがでっち上げ」と大騒ぎするとは……連休中で人手が限られていたのかもしれないが、中国の政府メディアの質もここまで落ちたのか、とさすがにあきれてしまった。 この反日キャンペーンはその後も、「環球時報」と「北京日報」の記事につられたようにぽろぽろとブログ記事が出ていたが、最終的には国慶節休暇終了とともに終息したらしかった』、「この反日キャンペーンはその後も、「環球時報」と「北京日報」の記事につられたようにぽろぽろとブログ記事が出ていたが、最終的には国慶節休暇終了とともに終息したらしかった」、なるほど。
・『SNSに書くと非難される! 訪日した中国人観光客たちの「見えない日本旅行」 こんなムードの最中に、実際に日本を旅していた中国人観光客たちはどんなふうに過ごしていたのだろう? それについて、山東省の中国共産党済南市委員会機関紙傘下の「経済観察報」が「見えない日本旅行」というタイトルで伝えていた。 記事によると、団体旅行キャンセル続出で日本行き航空券が安くなったことが、すでにビザを持っている個人旅行客の背中を押したらしい。9月に入ると、深センから日本行きの航空券は約2000元(約4万円)まで下落したというから、通常時のディスカウント航空券並みの価格である。 さらに京都などの人気観光地はさすがに人出が多かったものの、「以前はどこにいっても中国人観光客だらけだった」のが、今年は中国語よりも韓国語をよく耳にしたとも紹介されていた。また、日頃から訪日者の空港出迎えアルバイトをしている中国人留学生も、国慶節連休中は大忙しだったと証言している。 一方で、そんな観光客たちも国内のムードをおもんぱかり、「(広範な人の目に触れる)SNSのタイムラインには日本での見聞を流さないようにした」と述べている。実際に自分の旅ブログに東京の旅について書き込んだブロガーが、激しい非難コメントにさらされるケースも起きており、彼らはあえて「見えない旅」を楽しんだようである。 SNS全盛時代、自分の楽しい旅の様子をSNSにアップできないのはちょっと残念だが、コロナ以降、すでに多くの人たちが「流せない話題」にすっかり慣れきっている。あえて喧伝(けんでん)しないことで、静かで誰にも知られない旅をじっくり楽しむことができる。そんな「二重生活」あるいは「二枚舌生活」は、中国で生きるためのすべになってしまった。 反日キャンペーンの中で日本旅行を選んだ人たちの中には、リピーターも多くいたという。そんな彼らが次回は堂々とまた遊びに来られるよう、期待したいものである』、「実際に自分の旅ブログに東京の旅について書き込んだブロガーが、激しい非難コメントにさらされるケースも起きており、彼らはあえて「見えない旅」を楽しんだようである。 SNS全盛時代、自分の楽しい旅の様子をSNSにアップできないのはちょっと残念だが、コロナ以降、すでに多くの人たちが「流せない話題」にすっかり慣れきっている。あえて喧伝(けんでん)しないことで、静かで誰にも知られない旅をじっくり楽しむことができる。そんな「二重生活」あるいは「二枚舌生活」は、中国で生きるためのすべになってしまった。 反日キャンペーンの中で日本旅行を選んだ人たちの中には、リピーターも多くいたという。そんな彼らが次回は堂々とまた遊びに来られるよう、期待したいものである」、「流せない話題」があるとは「中国」とは全く変な国だ。付き合いも高度なテクニックが必要なようだ。
タグ:学校では英語しか使っていないので、中国にいながら、中国語の家庭教師を付けていた。大学はアメリカへ行かせるとずっと言っていたので、「なぜ日本を選んだの?」と聞くと、彼女は「もうお金がないの。日本の大学の学費はアメリカの5分の1。物価も安いから」と返ってきた」、なるほど。 「中国から来た友人知人たちと一緒に過ごした今年の夏、筆者にはある印象が強く残った。それは「皆が買い物をしなくなって、財布のひもを固くしている」ということだ・・・上述のAさんが、娘を日本に留学させるというのは筆者にとっては意外だった。彼女は一家で既にアメリカの国籍を取得しており、子どもたち2人は上海で生まれたものの、幼稚園からインターナショナルスクールに通っている。 王 青氏による「中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由」 ダイヤモンド・オンライン 退けるきっかけにもなる。 「米ハワイ州でも“カマアイナレート”と呼ばれるローカルレートが導入され、有名観光スポットでハワイ州在住者は入場料や手続きが優遇されます。オーバーツーリズム対策としても効果的でしょう 日本も手遅れにならないようにしたいところだ」、なるほど。 「観光地に細かい注意書きをするのも一つの対策ですが、乱立して景観を損ねているケースが多く、日本文化のレベル低下に繋がります。それよりも急務はシステム構築。観光名所や施設を予約制にしたり、入場料を高めに設定することで観光地全体のクオリティが上がる。各地がコロナ禍の間に仕組みづくりをしておかなかったのは残念ですね・・・航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も“ローカルレート”の導入を提唱する。ローカルレートとは、ホテルやレジャー施設の価格を現状より高く設定し、地元住民には割り引く、という考え方だ。質の低い観光客を 「土日や連休になると、上京者が大挙して押しかける。 「狭い歩道が満員電車状態になることも。食べ歩きによるゴミ捨てもひどいです」 そのため住民はやむなく車道を歩き、老人や車椅子の人は、出歩くこと自体をためらうようになってしまったという・・・日本の観光文化に精通するアレックス・カー氏は、世界の観光業界が「量より質」に移行しつつあるとし、次のように提案する。 「女性がそこら中で酔いつぶれている姿を見ます。路上でも民家の軒先でもゲロを吐き散らす姿は珍しくもなくなりました」、世も末だ。 日刊SPA!「「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち」 (その15)(「新大久保はゲロの街になりましたよ」日本人による観光公害に苦しむ新大久保住民たち、中国人の爆買いは「もう死んだ」…日本への団体旅行解禁でも期待外れに終わる理由、中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?) インバウンド動向 「「連休における中国人観光客の人気旅行先が日本だと、日本メディアがあおり立てている」「核汚染水の排出に対する中国の態度を引き合いに、あえて中国人が『忘れっぽい』などと誤解を誘導している」と日本メディアを名指しで批判する、政府系シンクタンク関係者執筆の記事が掲載された・・・「2000万人訪日」のソースを求めて調べているうちに、「2000万人なんてでっち上げもいいところだ。日本と中国の間の往復航空便はまだ完全に回復していないし、その状態でどうやったら2000万人も往来できるんだ?」と、やはり日本メディアを非難 日本の水産物輸入を全面的に禁じるなどして「危険性」を強調した結果、予定されていた日本向け団体旅行はキャンセルが相次いだ。これは参加者が自発的にキャンセルしたものもあれば、一方的に「見えない手」によって参加する予定だったツアーがキャンセルされたという例もあったようだ」、なるほど。 「日本行きは今春から個人旅行が好調で、「今年7~8月の夏休みだけで、個人旅行を含め4000万円相当を売り上げた」と日本の中国人相手のツアー業者が言うほどの人気となっていた。8月の団体旅行の解禁で、秋の黄金週における期待はさらに高まっていた。 しかし、8月末に福島第一原発の処理水の海洋放出が始まると、中国政府は国内向けに激しい反対キャンペーンを展開。 旅先では安価な民泊が人気となった。その一方で、高級ホテルも人気だったが、その宿泊スタイルは連泊して観光地を回るのではなく、ホテル内の施設やレストランを利用し、SNS映えする写真を撮って楽しむ、そんな「体験的宿泊」が目立ったという」、手堅くなったようだ。 「ゴールデンウイーク)に国内旅行に出かけた人の数は延べ8.26億人と、コロナ前の2019年よりも4.1%増大した。 ただし、観光関連売り上げの伸びは2019年同期比でわずか1.5%増と、観光客の延べ人数が増えた割には大きな増収には至らなかった。 その原因の一つは、旅行といっても短距離や短期間だった人が多かったから・・・これまでのように懐具合に任せて大盤振る舞いを楽しむ旅ではなく、コストを抑えてつつましく旅を味わう人が増えたことが挙げられる。 ふるまいよしこ氏による「中国人客が大型連休にこっそり日本観光 「二枚舌生活」「見えない旅」の理由とは?」 「筆者は「団体旅行が解禁されても、中国人旅行客はそうそう増えない。“爆買い”も復活しない」と予想している・・・福島第一原発の処理水の海洋放出で、中国では今日本に対する批判が高まっている・・・日本への団体旅行者は急増どころか、激減する可能性さえある」、インバウンドでは「中国」には、残念ながら殆ど期待できないようだ。 「「今は若者の行動が非常に慎重になっている。今回のメンバーは優秀な人ばかりだが、それでも、いつクビになるのかと将来に対して不安を抱えている。大学を出ても仕事が見つけられないし、すでに働いている人達も就職や再就職の競争が熾烈・・・こんな状況だから、みんなお金を使うことを躊躇・・・しているんだ」、なるほど。 「娘さんは家賃20数万円の都内高層マンションで一人暮らし、さらに、親から毎月約40万円の仕送りをもらっていた・・・何も不自由のない、リッチな生活をしていた彼女だが、今秋からは一変する。安いアパートに引っ越し、生活費を大幅に削られることになった。なぜなら、父親が20年以上経営していたリフォーム会社が、中国の不動産産業の低迷を受けて倒産の手続きに入ったからだ。「お父さんのせいで、これからの生活水準が下がることになる、ごめんね」という親子の会話を横で聞いて、寂しい気持ちになった」、なるほど。 そんな「二重生活」あるいは「二枚舌生活」は、中国で生きるためのすべになってしまった。 反日キャンペーンの中で日本旅行を選んだ人たちの中には、リピーターも多くいたという。そんな彼らが次回は堂々とまた遊びに来られるよう、期待したいものである」、「流せない話題」があるとは「中国」とは全く変な国だ。付き合いも高度なテクニックが必要なようだ。 「実際に自分の旅ブログに東京の旅について書き込んだブロガーが、激しい非難コメントにさらされるケースも起きており、彼らはあえて「見えない旅」を楽しんだようである。 SNS全盛時代、自分の楽しい旅の様子をSNSにアップできないのはちょっと残念だが、コロナ以降、すでに多くの人たちが「流せない話題」にすっかり慣れきっている。あえて喧伝(けんでん)しないことで、静かで誰にも知られない旅をじっくり楽しむことができる。 「この反日キャンペーンはその後も、「環球時報」と「北京日報」の記事につられたようにぽろぽろとブログ記事が出ていたが、最終的には国慶節休暇終了とともに終息したらしかった」、なるほど。 する中国語記事を発見した。確かにその通りで、1機約600席と仮定しても連休中に3万便以上が飛来する必要がある。たとえ連休を最大の15日間に延長して計算しても、さすがに無理な数字であろう」、なるほど。
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