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明治産業遺産の世界遺産登録 [外交]

今日は、現在、話題になっている明治産業遺産の世界遺産登録の問題を取上げよう。
これは、選定過程、維持管理コスト、韓国との「徴用工」問題と、問題山積である。

まず、選定過程については、5月9日付け日刊ゲンダイ「首相のお膝元から5施設 「世界文化遺産」選定に官邸の圧力?」のポイントを紹介したい。
・各国の文化遺産推薦枠は年に1件で、12年7月の文化審議会では文化庁が推す「富岡製糸場」が選ばれ、13年は同庁が推薦する「教会群」が既定路線だった
・12年5月の閣議決定で「稼働中の産業遺産」に限っては文化庁ではなく、内閣官房が世界遺産の選定を行えるようになり、その結果、「教会群」は枠からはじき飛ばされてしまった。気になるのは「明治日本――」に含まれる遺産に、安倍首相のお膝元・山口県の施設が5つも選ばれていること。やはり、官邸の“意向”が働いたのだろうか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159604/1

次に、維持管理コストの面では、6月25日付けTV東京のワールド・ビジネス・サテライト(WBS)で「世界遺産の落とし穴」が概ね以下のポイントを伝えた。
・長崎市の軍艦島。観光客の増加など大きな期待を寄せる反面、莫大な保全費がかかることが懸念。世界遺産に登録されると建物や景観の現状維持が強く求められる。保全費以外に維持費も今後負担することになるため、長崎市では入島料の見直し等も含めて検討
・世界遺産である富士山の構成資産の富士山五合目は、景観の改善の方向性が定まってない場所もあり、世界遺産登録後の難しさが浮き彫りに

第三に韓国との関係では、7月9日付け日経ビジネスオンライン「世界遺産で勝った」韓国が次に狙うのは……「日本も強制性を認めた」と世界に発信を開始」のポイントを紹介しよう。
・韓国は7つの施設で朝鮮人労働者が強制労働させられていたと主張、登録に反対。結局、朝鮮人労働者に関し日本政府が言及することで両国は妥協、登録が実現
・初めて強制労働を認めたと韓国紙は「日本に勝った」と大喜び
・韓国は「forced labour」(強制労働)という言葉を使うべきだと主張。日本は朝鮮人の労働は戦時徴用(requisition)という、法に則ったものだったと主張して「forced to work」(働かされた)を使うことになった。岸田外相らは「強制労働を意味しない」と主張。しかし、正本は英語の「forced to work」。もろに「強制労働」を意味する「forced labour」ほどではないにしろ「強制労働」と受け止められる可能性が高い、と指摘する専門家が多い
・さらに、「brought against their will…」との表現も強制連行を想起。だから、韓国外交部もメディアに対し、日本政府代表の発言としてここを強調
・日本の各紙は「岸田外相は尹炳世外相から『日本がそうした発言をしたからといって国内の裁判で利用することはない』と言質をとった」と報じているが、「口約束に過ぎず、韓国の都合によりいとも簡単に反故になる」
・韓国は日本の世界遺産登録に難癖を付けることで、大きな外交的な武器を手にした
・世界遺産への登録に必死になるあまり「徴用工」や「慰安婦」への影響を考えるのがお留守になったとの見方も。ほぼ決まった、と安心しているところに韓国から突然に横やりが入ったので狼狽した可能性も
・昨年までに2度に渡って説明しても文句を言わなかった韓国政府が、世界遺産登録直前になって突然、大騒ぎ。何と、大統領までがユネスコ高官に「言いつけた」
・何も「徴用工」という新たな対日攻撃材料を韓国に与えることはない
・韓国では、4月以降、米中を背景に日本を叩く、という戦略が破綻し、韓国全体がしょげ返っていた。それが一転、元気が出た感じ
・松下村塾を主宰した吉田松陰は征韓論や大東亜共栄圏などを提唱し、朝鮮の植民地化を含めた日本の帝国主義政策に理論を提供。安倍晋三首相が最も尊敬する人物とされている
・朝鮮人強制労働をついに日本が認めたと、韓国内の特殊な性向を持つ団体が今後、本格的に政治問題化する可能性。慰安婦が先例だ。慰安婦の強制性を匂わせた河野談話により問題が解決すると日本は考えたが、結果は反対になった
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/070800003/?P=1

同じく、池田信夫氏は7月7日付けJBPressで「世界遺産の「徴用工」こそ日韓歴史問題の本丸だ 安倍政権は河野談話の轍を踏むな」として、概ね以下のように主張。
・32万人の朝鮮人労働者は慰安婦よりはるかに大きな問題
・韓国政府は、1980年代になって一部の歴史家が朝鮮人労働者の動員や徴用を「強制連行」と名づけ、その総数は100万人にのぼると主張。これを受けて韓国政府は「強制連行は日韓条約のときは知られていなかった問題だから新たな請求権が発生する」と主張。それに便乗して出てきたのが慰安婦問題だったが、今となってはそれがフィクションであることは明らか
・徴用工問題は慰安婦のような根も葉もない話ではない。韓国では、大法院(最高裁)が2012年に元徴用工の請求権は「消滅していない」とする判断を示し、地裁、高裁で日本企業に対する原告勝訴の判決が相次いでいる。日本政府が徴用工について国家責任を認めるような発言は、こうした動きに利用されかねない
・外務省がいくら高度な「霞が関文学」を駆使して「徴用工は強制労働ではない」と国内向けに説明しても、例えば朝鮮日報は「世界遺産対立:日本、国際社会で初めて強制労働認める」と大見出し。これから三菱重工のような徴用工訴訟が、韓国で頻発するおそれが強い。単なる民間の娼婦だった慰安婦とは異なり、徴用工の一部は軍と雇用関係にあったので、政府の責任が追及される可能性も
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44239?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

このようにみてくると、軍艦島のような膨大な維持管理コストが必至な物件まで申請する必要があるのか。さらに、本来であれば、徴用工問題のない物件だけを申請すればよかったのに、何故、「寝た子」を起こすような真似をしたのか。外務省がいくら「霞が関文学」を駆使して国内向けに説明しても、世界的には到底通用するとは思えない。韓国での徴用工の請求権訴訟がさらに活発化し、当該企業の韓国内資産の差し押さえにまで発展する懸念もある。しかも、交渉過程では、世界遺産決定前に、韓国と和解した筈だったのが、最後のドタン場で裏切られ、徴用工問題についての「言い訳」を余儀なくさせられた。これは、史上稀にみる「外交上の大失態」といえよう。日本の「御用マスコミ」には期待できないとしても、国会議員ももっと追究してほしいものだ。
タグ:日本 軍艦島 外務省 ワールド・ビジネス・サテライト 吉田松陰 松下村塾 池田信夫 日刊ゲンダイ 閣議決定 日経ビジネスオンライン 韓国政府 JBPRESS 世界遺産登録 戦時徴用 御用マスコミ 明治産業遺産 選定過程 首相のお膝元から5施設 「世界文化遺産」選定に官邸の圧力? 13年は同庁が推薦する「教会群」が既定路線 稼働中の産業遺産 文化庁ではなく、内閣官房が世界遺産の選定 ・山口県の施設が5つも選ばれていること 官邸の“意向” 維持管理コスト 世界遺産の落とし穴 莫大な保全費 韓国との関係 世界遺産で勝った」韓国が次に狙うのは……「日本も強制性を認めた」と世界に発信を開始 7つの施設で朝鮮人労働者が強制労働 日本政府が言及することで両国は妥協、登録が実現 初めて強制労働を認めた 韓国紙は「日本に勝った」と大喜び 「forced labour」(強制労働) 「forced to work」(働かされた) 「強制労働」と受け止められる可能性が高い brought against their will…」との表現も強制連行を想起 韓国は日本の世界遺産登録に難癖 大きな外交的な武器を手にした 登録に必死になるあまり「徴用工」や「慰安婦」への影響を考えるのがお留守になったとの見方も 韓国政府が、世界遺産登録直前になって突然、大騒ぎ 大統領までがユネスコ高官に「言いつけた」 「徴用工」という新たな対日攻撃材料を韓国に与えることはない 韓国では、4月以降、米中を背景に日本を叩く、という戦略が破綻 韓国全体がしょげ返っていた 一転、元気が出た 征韓論や大東亜共栄圏 日本の帝国主義政策に理論を提供 安倍晋三首相が最も尊敬する人物 世界遺産の「徴用工」こそ日韓歴史問題の本丸だ 安倍政権は河野談話の轍を踏むな 32万人の朝鮮人労働者は慰安婦よりはるかに大きな問題 強制連行は日韓条約のときは知られていなかった問題だから新たな請求権が発生 大法院(最高裁) 請求権は「消滅していない」とする判断 地裁、高裁で日本企業に対する原告勝訴の判決が相次いでいる 徴用工について国家責任を認めるような発言は、こうした動きに利用されかねない 高度な「霞が関文学」を駆使 国内向けに説明 徴用工訴訟が、韓国で頻発するおそれが強い 、政府の責任が追及される可能性も 外交上の大失態 国会議員ももっと追究
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