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東京都の諸問題(その1)豊洲新市場移転 [国内政治]

今日は、東京都の諸問題(その1)豊洲新市場移転 を取上げよう。

先ずは、8月29日付けダイヤモンド・オンライン「豊洲新市場、移転延期でも解決できない根本的欠陥」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・東京・築地市場の豊洲への移転をめぐり、小池百合子・東京都知事に注目が集まっている。巨費を投じて完成した豊洲市場の建物は、市場関係者のニーズを無視した設計により、まともに機能しない恐れがあるからだ。工事をやり直すわけにもいかず、延期だけでは解決しそうもない。
・午後9時、全国の漁港で水揚げされた魚介類を満載したトラックが、東京の築地市場に続々と到着する。荷台の側面の扉を大きく跳ね上げ、氷と共に商品が詰まった発泡スチロールの白い箱を、フォークリフトで運び出している。 この作業は未明まで続き、早朝からは商品が種類別に次々と競りに掛けられ、都内のスーパーや鮮魚店、飲食店に納入される。 戦前から長らく続いてきたこの営みの舞台は、11月7日から、東京都江東区に新たに建設された豊洲新市場に移る計画だが、見通しは極めて流動的だ。
・7月に初当選した小池百合子・東京都知事が選挙戦の最中、「(移転時期について)立ち止まって考える」と発言。近く正式に判断するとみられる。 というのも、当初予定されていた建設費4316億円が、5884億円に膨らんだことに加え、豊洲の土壌汚染や、卸売業者から飲食店などに商品を卸す「仲卸業者」の店舗スペースの狭さが問題視され、市場関係者の間に移転の慎重論や反対論があるためだ。
・では、数カ月延期すれば、豊洲の問題は解決するのか。答えは否だ。延期では到底解決できない根本的な欠陥が、豊洲の建物に存在しているからだ。 問題は大きく二つある。
・一つ目は、動線計画の致命的なまずさだ。商品が市場の「血液」だとすれば、その滞留は、市場の「死」を意味し、到底許されるわけがないのだが、リスクは挙げると切りがない。 例えば、豊洲の建物の外周に設置された「バース」と呼ばれる荷物の積み降ろし場所。冒頭にあるように、トラックの長方形の荷台から荷物を降ろすには、側面からの方が効率ははるかに良い。ところが豊洲は、トラック後部にある小さな扉からの荷降ろしを想定した造りになっている。 現在の築地でも「毎営業日、戦争のような忙しさで魚介類を運び出し、何とか競りの時間に間に合わせている」(市場関係者)のが実情だ。ここで荷降ろしの手段を制限すれば、まず市場の入り口で商品が詰まってしまう。競りの時間の遅れは、生鮮食品にとってはまさに、命取りとなる。
・他にも、各地から商品を仕入れて市場に運ぶ卸売業者と、これらを仕入れる仲卸業者の売り場スペースが、豊洲では別々の棟に分断される。両者をつなぐのは、「アンダーパス」と呼ばれる地下の細い通路しかない。 現在築地では、両者の距離は近くて地続きだ。そのため、フォークリフトや「ターレ」と呼ばれる電動車両で「互いにあうんの呼吸で荷物を配送し合う」(別の市場関係者)ことが可能だ。だが、豊洲では動線が物理的に大きく制約される上、「互いが運搬をどのように担うのか、現時点で何も決まっていない」(同関係者)。
・さらに豊洲には3~6階建ての建物が並ぶため、築地にはなかった建物内での上下の移動が生じるが、エレベーターは少なく、スロープには傾斜がある上、急カーブで危険だ。現在築地では、魚介類を詰めた発泡スチロールの箱が縦横に積まれた隙間を縫って、おびただしい数のフォークリフトやターレが所狭しと行き交う。豊洲の構造は、こうした実情をまったく踏まえていないのである。
▽日建設計に丸投げ 最悪の動線計画 日本の食文化を破壊
・そして二つ目の問題は、豊洲の水産仲卸売場の床の積載荷重の限度が、1平方メートル当たり、わずか700キログラムしかないことだ。 荷物を満載したターレは2トン、フォークリフトは4トンの重量になる。ただでさえ床の上に荷物が積まれた中を、こうした車両が激しく行き交えば、重量オーバーとなってしまう。
・都は反論のために設けたウェブサイトで「フォークリフト周辺の床に重量が分散されるので問題ない」としているが、「フォークリフトが走る床は、積載荷重を1.5トンにするのが普通だ」と、建築エコノミストの森山高至・一級建築士は指摘する。店舗スペースがただでさえ狭いといわれる中、床に積む荷物まで制限できないだろう。
・なぜ、こうも拙劣な計画が具現化したのか。それは都が、市場関係者のニーズをくまずに豊洲移転を計画し、細部の詰めは設計を請け負った日建設計に丸投げしたからだ。その証拠に、設計会社の選定方法は、発注者が請負側の提案を審査するだけのプロポーザル方式だった。新国立競技場の当初計画の破綻と同様、ここでも無責任体制による失敗の連鎖が明るみに出ようとしている。
・東京の胃袋・築地市場の老朽化は否めない。だが、このまま豊洲移転を強行すれば、築地が連綿と育んできた豊かな日本の食文化が破壊されることになる。
http://diamond.jp/articles/-/100137

次に、9月6日付け日経Bpnet「“劇薬”に手を出した小池都知事、築地市場移転延期からの一発逆転なるか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽「使い物にならない」欠陥のオンパレード
・小池新都知事が「築地市場移転」の延期を表明して賛否両論が渦巻いています。
・築地市場は太平洋戦争開戦前の昭和10年に開場して以来80年を超え、老朽化が著しく、あちこちで崩落が起こり、安全性の問題を抱えているだけでなく、当然のことながら戦前の物流を前提として造られた広さと設計ですから、それが21世紀を迎えた現在の物流量やスピードに対応できなくなっているのは当然で、非効率のうえ手狭となっていました。
・これまでだましだまし使用してきましたが、それももはや限界。そこで、昭和の末ごろから盛んに議論を重ね、同じ場所での再整備工事で解決する案もさんざん検討されました。しかし、十数年にもわたる長い期間を費やし、莫大な資本投下を行って試行錯誤を繰り返しても、それにより発生する諸問題をどうしても解決できず、ついに立ち消えとなっています。
・そこで「もはや築地で再建は不可能」と、21世紀を迎えた最初の年(2001年)に市場を移転することが決定。さらに15年の月日と6000億円もの莫大な資本を投下して、豊洲に新市場を建設しました。  それがようやく完成し、あとは今年11月に移転するだけという状態までこぎつけたのです。  ところが、待ちに待った「新市場の完成!」に、喜びいさんで視察にやってきた業者たちは愕然!――こんな市場、使い物にならない!!
・市場では床掃除や魚の洗浄などで大量の海水を使用しますが、新市場では「海水の使用は禁止」。理由は「床が傷むから」。海の魚を真水で扱えばたちまち魚が痛んでしまいますし、真水で床掃除をすれば大量のハエやボウフラが発生します。市場のことを知らない政治家と役人とゼネコンが、現場の声に耳を貸さずに密談して決めて作った結果が、「塩水に耐性のない床素材を使用」となったのでした。
・また、店舗内を見た業者は二度ビックリ。現場のことを何も知らない者たちによって設計された店舗は、あまりにも作業スペースが狭すぎてマグロがさばけない……というよりそもそもマグロが店舗に入らない! そのほか、数え上げればきりがないほどの、「工夫すればなんとか使える」というレベルですらない、「まったく使い物にならない」レベルの欠陥が目白押し!  6000億円もかけて造った市場がこの有様。業者の人たちは、天を仰いで嘆息します。  ――どうするんだ、これ???
▽小池新都知事登場
・そこに、都民の期待を一身に担って登場したのが、小池新都知事です。同知事は、早速「移転延期」を発表して、現在物議を醸しています。  それもそのはず、すでに完成してしまっている豊洲新市場、その維持費だけで黙っていても1日700万円かかります。ということは、たとえば3カ月延長するだけで、約6億5000万円の血税をドブに捨てることになりますから、さんざん延長して「やっぱり豊洲でいいや」で済む問題ではないためです。
・ならば「移設中止!」を発表すればよいかといえば、事はそう単純でもありません。そうなれば、6000億円の血税が無駄になり、「じゃあ、築地市場問題はどうするのだ? 今からゼロからやりなおすのか?」という問題を解決する義務が発生します。 30年にわたる話し合いでもよい案が見つからず、迷走に迷走を重ねてきたこの築地問題。これを小池氏が、「誰もが納得する画期的な代替案」を持っているとは到底思えず、もし展望もないまま「延期」と発表したならば、都知事着任早々、彼女は「進むも地獄、退くも地獄」の迷走に入ったことになります。  どうして彼女はこんな“劇薬”に安易に手を出してしまったのでしょうか。
▽スーパー天才フリードリヒ2世、現る
・そこで、このことについて考察するために、中世ドイツに現れた神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世を紹介しましょう。 彼は子供のころから「天才中の天才」「世界の脅威」と絶讃されながら育った人物でした。なにせ彼は、すでに4歳のときにはラテン語の読み書きを修得し、歴史や哲学の本を読みあさり、長じてはイタリア語、ドイツ語、ラテン語はもちろん、フランス語、ギリシア語、ヘブライ語、アラビア語など9カ国語がペラペラ。学問では歴史学、哲学、神学、天文学、科学、数学、植物学などを修得し、その一つひとつが学者レベルときています。
・そのうえ“頭でっかち”でもなく、詩作、音楽、楽器演奏など芸術にも秀で、武術・乗馬・槍術などの腕前も騎士レベルという、文武両道の万能的天才ぶり。さらには、彼の父は神聖ローマ帝国皇帝、母方は両シチリア王国国王の血筋で、まさに “サラブレッド中のサラブレッド”、血筋的にも文句なし。
・その彼が、「神聖ローマ帝国皇帝」に即位したのです。 当時、西欧はすでに中世から近世へと歩みを進めつつあり、「主権国家」「絶対主義体制」の萌芽が始まっていたというのに、神聖ローマ帝国は依然として中世さながら、諸侯の割拠が著しく、近世の萌芽の片鱗も見えない立ち遅れた状態でしたから、彼の即位は、周りから期待を一身に集めたものでした。
・彼自身もやる気満々、高らかに叫びます。 「歴代皇帝が夢にまで見て成し得なかった天下統一、絶対主義確立!余が見事成し遂げて見せよう!」 しかし、ここから彼の転落人生がはじまります。彼は周りの期待に応えようと、次々と「旧制」を廃して「新制」を推し進めようとしますが、「現状」を無視した強引な改革はすべてが空回り。
・――10で神童、15で才子、20歳過ぎればただの人。  彼の敗因の根本は、「しょせん“学生時代の紙上で得た知識”と“社会に出てからの実践能力”はまったく別物」ということに気づけず、子供のころの才が大人になってからも通用すると勘違いしたことです。現代でも、一流大学を出た者が必ずしも社会で通用する人間にならないのと同じです。周りからの期待を担った者は、これに応えようと暴走しがちなのは、いつの世も変わりません。
▽振り返って小池都知事
・しかし、その人物の能力を超えた期待をかけることは、その人を不幸にするものです。親が子に期待をかけすぎて、子がつぶれるというのも、古今東西よく聞く話です。 ところで小池新都知事は、知事選において2位の増田寛也氏をダブルスコアに近い300万票を獲得し、圧倒的な支持を得て当選を果たしました。この結果に、小池氏も当選当初は素直に喜んだでしょうが、時がたつにつれ、じわじわとその重圧に押し潰されそうになってきたのかもしれません。まさに親(都民)から過大なる期待をかけられて押し潰されそうになっている子(小池都知事)の状態です。 期待が大きければ大きいほど、それが裏切られたときの反動もまた大きいものです。
・――都民の期待に応えねば! 私の存在感を示さねば! 小池氏にはフリードリヒ2世同様、そうした焦燥感が日に日に強まっていたのではないでしょうか。そこに「築地市場移転問題」が彼女の目の前に現れたのです。彼女がこの“劇薬”に手を出してしまった背景には、こうした焦燥感があったのかもしれません。
・しかし、「現状を廃する」という行為は必ず“抵抗勢力”との戦いが待っており、これを達成することは至難の業です。だからこそこれを達成したとき、存在感を示すことはできますが、それにはそれ相応の「政才」が必要になります。彼女に“それ”があるのかどうかが試金石となります。
・それにしても、先にも触れましたように、豊洲新市場をつくるのにかかった費用が6000億円。あまりにも額が大きすぎて、我々庶民にはピンと来ないほどですが、例えば、スカイツリーなら10本ほど建てられますし、「あまりにも高すぎる」と話題になった新国立競技場が2つも建てられるという途方もない額です。
・建設当初は「4300億円」という試算で、それでもすごい額なのに、さらにそこから約 1.5倍も膨れあがったことになります。そういえば、新国立競技場も当初「1300億円」という試算だったのに、あれよあれよ「3000億円」にまで膨れあがりました。「試算」を少しオーバーするくらいなら可愛いげがありますが、このように、いつも「2倍」「3倍」レベルで膨れあがっていくのはなぜでしょうか。
▽後漢末期の売官法
・そのことをひも解くために、今から2000年ほど前の中国を見てみましょう。 紀元前202年、劉邦が垓下(がいか)で項羽を破って漢を開きましたが、それから 300年もたつと、漢王朝の政治は隅々まで腐敗し、国庫は破綻し、国民は怨嗟の声を挙げるようになっていました。 時の皇帝、後漢王朝12代霊帝は新しい財源の確保のため、「売官法」を盛んに行うようになります。これによって、下々の官職はもちろん、最高官職の三公(司徒・司空・太尉。現代の日本でいえば、首相・国土交通大臣・防衛大臣に相当)ですらお金で買えるようにしてしまいます。余談ですが、三國志の中心人物のひとりに曹操がいますが、彼の父もこのときに売官法で太尉(国防長官)の地位を手に入れています。これを実行すると、一時的には国庫は潤うのですが、そのカウンターパンチはすさまじく、王朝は一気に傾いていくことになります。
・なんとなれば。  たとえば、崔烈(さいれつ)という人物は「500万銭」という莫大な金を払って司徒(首相)の地位を手に入れ、当時から「銅臭(ゼニ臭い)」とさげすまれたものでしたが、そうして大枚はたいてまで官職を手に入れた人物が「善政」など敷くでしょうか。任期が満了するまでに、何がなんでも払ったゼニの何倍もの額を回収しようと必死になるだけです。漢帝国の各地で売官によって官職を手に入れた者は、農民たちにあらんかぎりの苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)を行い、搾り取ろうとします。
・たとえば、ある地方長官が中央から「1000万銭の納税義務」を課されていたとします。すると彼は、汚職の限りを行い、自分の持てる権限を最大限利用して2000万、3000万銭の税収を農民からむしり取ろうとします。そしてそのうち1000万銭のみを中央に送れば、残りはすべて自分のポケットマネーとなり、売官で払った銭などアッという間に回収できるというわけです。
・つまり、国家予算レベルの汚職が横行するようになり、搾取された農民は餓死するか、逃散するか、一揆を起こすか、いずれにせよ土地が荒廃して、その先、安定的な税収は得られなくなりますが、売官官僚たちは、自分の任期が終わったあとの農地が荒野となろうが、死体の山が築かれようが知ったことではありません。 こうして、漢王朝はアッという間に衰亡していき、まもなく「三國志」の時代を迎えることになるのです。
▽振り返って日本、「票はゼニで買う」?
・ところで、現代日本はこれを“対岸の火事”と笑っていられるでしょうか。 現代、日本において政治家になろうと思えば、どうしても莫大な選挙費用が必要となります。ただ立候補するだけで、とりあえず300万円(衆参選挙の場合の供託金)を一括で前納しなければなりません。これだけでも一般の人にはおいそれと払える額ではありませんが、それだけではポスター1枚作れませんので、それプラス、莫大な選挙運営資金が必要になります。その額たるや、普通のサラリーマンが一生働いても貯めることのできる額ではありません。
・お金のない人は、どれほど優れた政才の持ち主であろうが関係なく、政治家になることのかなわない選挙システムとなっているのです。逆に、莫大な選挙費用さえあるなら、高給で優れた選挙参謀を雇い入れ、多くの人を雇って組織的に動き、湯水のようにお金を使えば、どんなバカでも当選は容易です。
・我々は、小・中・高と学校教育で習ってきました。  ――日本は誰でも平等に選挙権と被選挙権が与えられた民主主義国家です。 「ウソ」ではないかもしれません。確かに“表面的”にはそうした体裁が整えられています。そして国民は、それを言葉通りマに受けていますが、何のことはない、実質的には “清き一票”は「ゼニで買う」システムです。それは、漢の時代の「売官法」と本質的に変わりません。
・では、漢の時代、「ゼニで地位を買った」者たちが、その任期中に何をしていたかを思い起こせば、現代日本において、莫大なお金を使って選挙を乗り越えてきた政治家が、政治家になったあと何を考えるのかは容易に想像がつこうというものです。
・例えば建設事業というものは、大きな資本が動きます。資本が動けば、そこに議員たちがわらわらと簇がります。それは、砂糖があれば、そこにアリがわらわらと集まってくるのにも似ていますが、アリが群がればみるみる砂糖が小さくなっていくのに、資本に議員が群がると、あれよあれよと建設費用が当初の試算の2倍、3倍に膨れ上がっていくのとは対照的です。 そして、その余分に膨れあがった経費は「税金」から賄われますから、国民生活は真綿で首を絞められるようにじわじわと逼迫していくことになるのです。
・こうして歴史に鑑みると、日本の現状は後漢王朝末期とそっくりです。これから日本は「三國志」のような動乱の世を迎えようとしてるのかもしれません。
▽小池都知事の起死回生
・こうしてみると、先ほど小池都知事が「移転延期」を決定したことで、「進むも地獄、退くも地獄」となり、彼女によほどの「策」と「才」がないかぎり、厳しい立場に追い込まれるだろうと申しました。しかし、もし彼女に一発逆転があるとしたら、それは「延期」している間に、この「豊洲新市場」の“闇”を暴くことができるかどうかにかかっている、と言えるかもしれません。すなわち、なぜ建設費用が当初の試算より1700億円も膨れあがったのか。そしてその「1700億円」は誰のポケットに入ったのかを、白日の下にさらけ出すのです。
・もしそれが実現できたならば、都民の怒りは一気にそちらに向かい、小池都知事の支持は、もはや老害議員たちが手がつけられないほど絶大なものとなるでしょう。これで小池都知事は現状の窮地から一気に一発逆転、起死回生、捲土重来、名誉恢復。
・前々回コラム「対決は都議会有利? 小池都知事が前途多難な歴史的理由」で、小池都知事と都議会の対決は、都議会が有利と申しましたが、これにより都議会もひれ伏すでしょう。しかし、それができるか否や。今後の小池都知事の動向に目が離せません。
http://www.newsjs.com/url.php?p=http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/jinno_masafumi/090600020/

第三に、9月8日付け日刊ゲンダイ「何を今さら 豊洲移転延期に大騒ぎするメディアの体たらく」を紹介しよう。
・「築地市場の移転延期 小池都知事“改革”の一歩」「今後の小池都政 築地移転 問題解決の道」――。  テレビが連日、競い合うように小池都知事を追いかけ、豊洲市場移転問題を取り上げている。とりわけ熱心なのが、情報番組や情報バラエティー。地下水のモニタリング調査未了を理由に延期を決めた小池をジャンヌ・ダルクのごとく持ち上げ、お笑い芸人まで移転問題を語るのだから、見ている方がおっかなビックリだ。
・評論家の川崎泰資氏(元NHK政治部記者)は言う。 「正直言って、最近のテレビは見ていられません。市場移転問題は前回の都知事選以前から都政の争点だったのに、一部のメディアしか力を入れてこなかった。それが“人気者”の小池知事が動きだした途端、大々的に扱い、一挙手一投足まで垂れ流す。社の見解も何もなくしたかのようです」
・そもそも、都が豊洲移転を決定したのは2001年のこと。その後、土壌汚染が判明し、反対派の声を受けた民主党(当時)が09年の都議選でマニフェストに「強引な移転反対」を盛り込み、都議会第1党に躍進。移転積極派で「都議会のドン」とも呼ばれる内田茂都議を落選に追い込み、直後の衆院選で自民を下野させた。それぐらい都政の一大テーマだったのに、報道は多くなかった。
・「特に危険なのが、視聴率優先で番組を制作しがちな情報番組や情報バラエティーです。知事会見なんかもひどいありさま。都政や市場運営に通じていないリポーターが小池知事とのやりとりを放送したいがため、流れを無視して分かりきったことを繰り返し質問している。これでは問題を掘り下げることができない。劇場型の演出にたけた小池知事の手玉に取られるのがオチです」(川崎泰資氏)
・JNNの世論調査では62%が小池都政を「評価する」と回答。これだけ小池寄りのニュースがあふれているのだから、当然の数字だ。誰が言ったか、テレビはバカ製造機なのか。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189377/1

豊洲新市場の欠陥として指摘されている、動線計画、床の積載荷重の限度、海水の使用禁止、作業スペースの狭さ、などは日建設計としたらいくら丸投げされたにしても、利用実態を調べるのは設計者としての基本中の基本だと思う。また、プロポーザル方式で上がってきた日建設計の案を、業者にチェックさせずに業務知識を欠く自分たちだけで判断した東京都の所轄部署の責任も極めて重大で、信じられないような大失態だ。
フリードリヒ2世の話や後漢末期の売官法の話は、初めて知ったが、やや今回の問題に結び付けるのはいささか無理もある感じもしたが、話自体は面白かった。
日刊ゲンダイによる、『テレビはバカ製造機なのか』、の指摘には全面的に同意で、何とかならないものかとつくづく思う。ただ、2009の都議選で民主党が、『マニフェストに「強引な移転反対」を盛り込み、都議会第1党に躍進』したのに、最終的に移転を決定した経緯はこの記事では不明である。東京都中央卸売市場のホームページの「豊洲市場のあゆみ」(下記)を見ても当然のことながらさっぱり分からない。この不明点はやがて報道され次第、改めて取上げることとしたい。いずれにしろ、『劇場型の演出にたけた小池知事』の今後の手綱さばきを注目したい。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/project/
タグ:東京都の諸問題 (その1)豊洲新市場移転 ダイヤモンド・オンライン 豊洲新市場、移転延期でも解決できない根本的欠陥 築地市場 豊洲への移転 工事をやり直すわけにもいかず、延期だけでは解決しそうもない 延期では到底解決できない根本的な欠陥が、豊洲の建物に存在 動線計画の致命的なまずさだ 各地から商品を仕入れて市場に運ぶ卸売業者 これらを仕入れる仲卸業者 豊洲では別々の棟に分断 エレベーターは少なく、スロープには傾斜がある上、急カーブで危険 日建設計に丸投げ 最悪の動線計画 日本の食文化を破壊 床の積載荷重の限度 700キログラム ターレは2トン、フォークリフトは4トンの重量 市場関係者のニーズをくまずに豊洲移転を計画 細部の詰めは設計を請け負った日建設計に丸投げしたからだ プロポーザル方式 無責任体制による失敗の連鎖 日経BPnet 「“劇薬”に手を出した小池都知事、築地市場移転延期からの一発逆転なるか 欠陥のオンパレード 喜びいさんで視察にやってきた業者たちは愕然 こんな市場、使い物にならない 海水の使用は禁止 作業スペースが狭すぎてマグロがさばけない……というよりそもそもマグロが店舗に入らない! 維持費だけで黙っていても1日700万円 進むも地獄、退くも地獄」の迷走に入ったことになります スーパー天才フリードリヒ2世 それにはそれ相応の「政才」が必要になります。彼女に“それ”があるのかどうかが試金石 建設当初は「4300億円」という試算 費用が6000億円 後漢末期の売官法 日本の現状は後漢王朝末期とそっくりです 彼女に一発逆転があるとしたら、それは「延期」している間に、この「豊洲新市場」の“闇”を暴くことができるかどうかにかかっている 日刊ゲンダイ 何を今さら 豊洲移転延期に大騒ぎするメディアの体たらく 川崎泰資 正直言って、最近のテレビは見ていられません。市場移転問題は前回の都知事選以前から都政の争点だったのに、一部のメディアしか力を入れてこなかった。それが“人気者”の小池知事が動きだした途端、大々的に扱い、一挙手一投足まで垂れ流す。社の見解も何もなくしたかのようです 民主党(当時)が09年の都議選でマニフェストに「強引な移転反対」を盛り込み、都議会第1党に躍進 都政や市場運営に通じていないリポーターが小池知事とのやりとりを放送したいがため、流れを無視して分かりきったことを繰り返し質問している。これでは問題を掘り下げることができない 劇場型の演出にたけた小池知事の手玉に取られるのがオチです
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