SSブログ

鉄道(その12)(イギリス高速鉄道「未着工区間は中止」の衝撃 コスト増など理由 沿線からは失望と怒りの声、日本人が知らないサンマリノ 「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元 ブドウ畑に鳥居が、LRTか それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし 路面の白線マーカーに沿い走行) [産業動向]

鉄道については、昨年12月30日に取上げた。今日は、(その12)(イギリス高速鉄道「未着工区間は中止」の衝撃 コスト増など理由 沿線からは失望と怒りの声、日本人が知らないサンマリノ 「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元 ブドウ畑に鳥居が、LRTか それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし 路面の白線マーカーに沿い走行)である。


先ずは、昨年10月11日付け東洋経済オンラインが掲載した在英ジャーナリスト のさかい もとみ氏による「イギリス高速鉄道「未着工区間は中止」の衝撃 コスト増など理由、沿線からは失望と怒りの声」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/707413
・『イギリスのリシ・スナク首相は10月4日、ロンドンとイングランド北部を結ぶ高速鉄道「HS2(ハイスピード2)」の第2期区間の建設計画を取りやめると発表した。 HS2をめぐってはこの発表前の数週間、計画の縮小に関するうわさでざわついていたが、スナク首相はこれを追認する格好となった。首相は第2期区間計画の中止について、大幅なコストの増加、建設計画の遅延が主な理由と説明している。長期にわたって練られてきた大規模交通インフラ計画を断念するに至った流れを追ってみることにしたい』、興味深そうだ。
・『建設中の区間だけで終了へ  HS2は2020年、当時のボリス・ジョンソン首相が建設計画にGOサインを出した。移動時間の短縮のほか、輸送力の増加、雇用創出、ロンドンを中心とするイングランド南部に偏っている英国経済の均衡化などが開業効果として見込まれるとしている。 当初の計画では、HS2は南端のロンドンを起点にイングランド中部のバーミンガムを経て2方向に分岐し、北西側(左側)はマンチェスター、北東側(右側)はリーズに至るY字型の路線となっていた。分岐地点のやや南側にあるバーミンガムまでが第1期区間で、2029年の開業を目指して工事が進んでいる。その北側、左右に分かれる部分が第2期区間だ。このうち、リーズへの延伸は2021年に途中のイースト・ミッドランズ・パークウェイまでで打ち切ることが決まっていた。 今回、スナク首相が中止を決めたのは、第2期区間のバーミンガムから北側の部分すべてだ。したがって、HS2は現在建設が進んでいる区間だけで計画終了となる。) もっとも、第1期区間についても建設は大幅に遅れている。2029年予定の開業時には、ロンドン市内中心部にあるターミナル、ユーストン駅までの乗り入れが期待されている。しかし、10月に入って「十分な民間投資が確保されない限り、HS2は同駅まで乗り入れない」という報道が流れた。これを受け、ロンドンのサディク・カーン市長は改めて市内中心部へのHS2乗り入れを実現すべく、スナク首相に書簡を送ったという。 ユーストン駅まで乗り入れない場合、ロンドン北西部で建設が進むオールド・オーク・コモンという新駅が当初のターミナルとなる。建設にかかるコスト増もあり、「最終的にHS2はロンドンの街中まで乗り入れないかも」という臆測が依然飛び交っている。 第2期計画の中止が決まったとはいえ、何らかの代替案なしに頓挫したのでは開通を期待していた沿線住民に示しがつかない。スナク首相は英国の国政与党・保守党の党大会で第2期計画の中止を表明した際、次のような代替案を明らかにした。 【スナク首相が発表したHS2第2期建設中止に伴う代替案】 ・360億ポンドを投じ、陸上交通網のテコ入れを行う ・「ミッドランズ鉄道ハブ」の建設。ここから周辺駅50カ所とつなぐ ・幹線国道A1、A2、A5および高速道路M6をアップグレードする ・リーズにトラム(路面電車)を敷設する ・イングランド北部の道路70本の改良に資金を投入 ・ウェールズ北部の鉄道路線の電化 ・国内の主要道路の再舗装に着手 ・現在行われている「バス運賃の減免措置」(多くの地方路線が2ポンド=約360円で乗れる)を2024年12月末まで延長』、「スナク首相が中止を決めたのは、第2期区間のバーミンガムから北側の部分すべてだ。したがって、HS2は現在建設が進んでいる区間だけで計画終了となる・・・「ユーストン駅まで乗り入れない場合、ロンドン北西部で建設が進むオールド・オーク・コモンという新駅が当初のターミナルとなる」、こんなに短くなっては、高速鉄道の意味もかなり薄らぎざるを得ないだろう。
・『沿線自治体「不満と怒り」  長年にわたって「高速鉄道の恩恵」を期待していた沿線住民からは、当然のことながら失望や怒りの声が聞こえてくる。 イングランド北部、とくに高速鉄道でロンドンとの直結が約束されていたマンチェスターとその周辺の自治体首長からは怨嗟の声がやまない。例えば、グレーター・マンチェスター(広域市)のバーナム市長は、今回の決定を受け、イギリスの公共放送BBCに対し「不満と怒り」があると語っている。またデイビッド・キャメロン元首相は、「一世一代の機会が失われた」とX(旧ツイッター)に投稿している。) そして、実際に悲惨な目に遭っている人々もいる。イングランド北部でHS2の敷設計画による土地の強制収用に応じ、それまで保有していた住宅や農場を手放した人々だ。とくに畜産業を営んでいた人々は代替地の選定や移転に相当な労力を費やしており、「苦労の結果が敷設中止では困る」とし、補償の上乗せを求める声も聞こえてきている。今後、政府はこうした「計画の影響」を受けた人々にも丁寧に向き合うことが必要だろう。 一方、2大政党制の英国議会における野党・労働党は、もともとHS2への経済効果を疑問視していたこともあり、同党としては「計画の復活」を約束しない、仮に今後の選挙で政権を奪回しても、まずはコスト等の数字の精査が必要との見方を示している』、「HS2の敷設計画による土地の強制収用に応じ、それまで保有していた住宅や農場を手放した人々だ。とくに畜産業を営んでいた人々は代替地の選定や移転に相当な労力を費やしており、「苦労の結果が敷設中止では困る」とし、補償の上乗せを求める声も聞こえてきている・・・野党・労働党は、もともとHS2への経済効果を疑問視していたこともあり、同党としては「計画の復活」を約束しない、仮に今後の選挙で政権を奪回しても、まずはコスト等の数字の精査が必要との見方を示している」、なるほど。
・『日立製車両への影響は?  HS2に導入される車両をめぐっては2021年12月、日立製作所と仏アルストムが折半出資する共同事業体が同線向け車両の製造・保守事業の受注を決めている。受注したのは欧州最速となる最高時速360kmの高速列車54編成の設計・製造と、12年間に及ぶ保守業務で、契約金額は総額19億7000万ポンド(約3578億円)に及ぶ。 この契約ではあくまで第1期区間の運行用として結ばれたものであるため、今回の第2期延伸の中止決定が影響を及ぼすものではない。とはいえ、当然ながらメーカーとしては第2期分の納入にも期待を寄せていただけに、今回の決定は歓迎されざるものであろう。 衝撃的とも言えるイギリス政府の「高速鉄道建設打ち切り」の決定は、コロナ禍後の経済情勢の変化が遠因でもある。資材の高騰や賃金の上昇などに加え、オンライン会議の増加など、人々の「移動需要」が計画段階と比べて大きく変わっている。この決定が吉と出るか凶と出るか、結果を見るにも5年、10年といった長期戦になる。イギリス経済の行く末も含め、今後のHS2の展開はどうなるのだろうか』、「日立製作所と仏アルストムが折半出資する共同事業体が同線向け車両の製造・保守事業の受注を決めている。受注したのは欧州最速となる最高時速360kmの高速列車54編成の設計・製造と、12年間に及ぶ保守業務で、契約金額は総額19億7000万ポンド(約3578億円)に及ぶ。 この契約ではあくまで第1期区間の運行用として結ばれたものであるため、今回の第2期延伸の中止決定が影響を及ぼすものではない。とはいえ、当然ながらメーカーとしては第2期分の納入にも期待を寄せていただけに、今回の決定は歓迎されざるものであろう」、「この契約ではあくまで第1期区間の運行用として結ばれたものである」とはいえ、「第1期分」だけで終わるのであれば、採算は悪くならざるを得ない。これでは、「共同事業体」としては、馬鹿らしくてやっていられないだろう。

次に、本年1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した在英ジャーナリストのさかい もとみ氏による「日本人が知らないサンマリノ、「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元、ブドウ畑に鳥居が」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/725027
・『イタリアに周囲を囲まれた小国・サンマリノ共和国。アドリア海近くにそそり立つ岩山が国土のこの国は人口3万5000人弱、面積は"山手線の内側”ほどの60平方kmしかなく、ロープウェーこそあるものの鉄道はない。だが、「国の中枢」にあたる山頂付近のトンネルには電車が停まっており、ときおり動く姿が見られるという。 さらに、同国には欧州で初の、日本の神社本庁に認められた「神社」もある。欧州でもバチカン市国、モナコ公国に次いで面積で3番目に小さい国に、なぜ神社があるのだろう。 さまざまな疑問を解きに、現地を訪れた』、興味深そうだ。
・『「世界最古の共和国」にあった鉄道  駐日サンマリノ共和国大使館の説明によると、同国は「世界で最も古い共和国であり、唯一生き残っている都市国家」「憲法は1600年に制定され、現在も使用されているものでは世界最古」だという。 市街地に行くとまるで中世から時が止まっているかのような印象を覚える。国の創設は4世紀とされるが、これは“マリノ”という石工が石灰岩の岩山であるティターノ山の頂上に登り、そこに小さな共同体を創設したことが起源だという。 サンマリノは中世を通じて自己統治を維持、13世紀には議会に当たる最高評議会が設立され、現在もなお執政機関として存在している。近代には、ナポレオンの侵攻やイタリアとの統一運動もあったが、独立を維持。1862年に当時のイタリア王国と友好・中立条約を締結したことで都市国家として現代まで残る形となった。) 国民は、今でこそ国土のあちこちに住居を構えて住んでいるが、政治・商業の中心地はティターノ山の山頂付近に張り付く石造りの建物群が並ぶ一帯に集中している。 この中心地区の町名こそが「サンマリノ」と称されるが、海抜ほぼゼロの平地にある下界から、標高600m以上ある岩山の上まで登るための交通確保が古くからの課題であった。そこで検討されたのが、イタリア領の最も近い都市で、アドリア海に面したリミニ(Rimini)とサンマリノとを結ぶ山岳鉄道「リミニ・サンマリノ鉄道」の敷設だった。 現在も乗客を乗せて動き出しそうな車両が残っているこの鉄道だが、実際には1932年から1944年までわずか12年あまりの短命で終わっている。 こうした山岳鉄道の敷設は概して、山の上で暮らしている住民が下界との行き来を楽にするために敷設運動を起こす傾向がありそうだが、リミニ・サンマリノ鉄道ではイタリア側の出資で計画が着手された。1901年ごろには鉄道敷設計画があったとされるが、第1次世界大戦の終了から約10年を経たころ、時の宰相で独裁政権を率いたムッソリーニがサンマリノを訪問したことで、敷設計画が一気に前進、国費を投入し建設を決定した』、「山岳鉄道「リミニ・サンマリノ鉄道」」は「時の宰相で独裁政権を率いたムッソリーニがサンマリノを訪問したことで、敷設計画が一気に前進、国費を投入し建設を決定した」、なるほど。
・『戦時中の誤爆で損傷、そのまま運行停止  着工は1928年で、その後約3年をかけて約32kmの路線が完成した。当時の記録によると、約19.8kmがサンマリノ領内、残りの12.2kmがイタリア領内に敷かれていた。イタリア各地で見られる軌間950mmのナローゲージで、直流3000Vで電化されていた。路線には2カ所のループを含むトンネル17カ所があり、リミニからサンマリノまで53分で走破していた。 サンマリノは第2次世界大戦の開戦に際して中立を宣言していたものの、1944年6月に連合国軍の誤爆で鉄道は損傷。修復されることなく、翌月の7月4日に定期運行がいきなり終了してしまった。記録によると、1944年7月11日から12日にかけて、電気機関車が客車2両を牽引する運行終了の記念列車が走ったという。) 第2次世界大戦終了後、リミニ・サンマリノ鉄道の復活を期待する声はあちこちから幾度となく上がったという。しかしサンマリノの人々の願いは届かず、イタリア領内にあった同鉄道の線路は1958年から1960年にかけて完全に外されてしまった。 一方で、サンマリノ側では鉄道があった痕跡を残そうとする活動が脈々と行われている。1kmに満たない長さとはいえ、保存状態のよかった旧サンマリノ駅近くのモンターレ(Montale)トンネル前後の区間が修復され、鉄道車両の動態保存区間としてよみがえった。復活したのは2012年7月21日で、1等と3等の客室を備えた合造車の電車「AB03」と、有蓋貨車1両が不定期にトンネル内を行き来している。バッテリー動力などへの改造ではなく、実際に架線に480Vの電力を通し、架線集電の「電車」として動かせるようにしているのが心憎い。 普段「AB03」は昼夜を問わずトンネル内に停めてある。出入りも自由とあって、観光客などが写真を撮る姿も見られる』、「戦時中の誤爆で損傷、そのまま運行停止」したが、「サンマリノ側・・・1kmに満たない長さとはいえ、保存状態のよかった旧サンマリノ駅近くのモンターレ(Montale)トンネル前後の区間が修復され、鉄道車両の動態保存区間としてよみがえった」、動態保存とは大したものだ。
・『動態保存区間を延長する構想も  ちなみに現在、下界とティターノ山の山頂付近にあるサンマリノの街とを結ぶ公共交通機関はロープウェーがあるほか、イタリア鉄道(トレニタリア)のリミニ駅前からはサンマリノの街への定期路線バスが運行されており、1時間ほどで中心街まで行ける。 また、リミニの南東には空の玄関、リミニ・サンマリノ空港がある。空港敷地はイタリア領に位置しながらも、サンマリノ共和国に籍を置くプライベート機がここを拠点に登録されている。 リミニ・サンマリノ鉄道の動態保存については、モンターレトンネルのふもと側(リミニ方)の先、ループ状になっているピアッジェ(Piagge)トンネルを通った先に位置するロープウェー駅(下界側)近くまで、約3km強の区間を復元し、列車を走れるようにする構想もあるというが、果たして計画はどう進むのだろうか。) 一方、もう1つの「不思議」である神社の歴史は鉄道に比べてはるかに新しい。その創建はリミニ・サンマリノ鉄道の動態保存区間復活よりも後だ。 お正月といえば「初詣は欠かせない」という人も少なくないだろう。しかし日本から遠く離れた欧州に住む邦人にとって、神社での参拝はなかなか叶わない。そんな中、サンマリノには神社本庁に認められた欧州初の神社が建てられている。 その名も「サンマリノ神社」と称し、2011年の東日本大震災の犠牲者を追悼し、日本とサンマリノの友好関係を深めるため、2014年に創建された。鎮座式には、神社本庁総長をはじめ、故安倍晋三元首相の実母・洋子さんも参列したという。 ところで「神社がなぜサンマリノにあるのか?」という疑問を持つ人もいることだろう。由来によると、2011年の東日本大震災の犠牲者を追悼するため、マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使が神社本庁にこの神社の建立を相談したことがきっかけなのだという。カデロ大使は2002年から駐日大使の職にある。全ての大使の中でも在職期間が最も長いことから外交序列筆頭の駐日外交団長でもある。ちなみに、神職は現地に住むサンマリノ人で、日本で修行したフランチェスコ・ブリガンテさんという方が宮司を務める』、「リミニ・サンマリノ鉄道の動態保存については、モンターレトンネルのふもと側(リミニ方)の先、ループ状になっているピアッジェ(Piagge)トンネルを通った先に位置するロープウェー駅(下界側)近くまで、約3km強の区間を復元し、列車を走れるようにする構想もあるというが、果たして計画はどう進むのだろうか・・・2011年の東日本大震災の犠牲者を追悼するため、マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使が神社本庁にこの神社の建立を相談したことがきっかけなのだという。カデロ大使は2002年から駐日大使の職にある・・・神職は現地に住むサンマリノ人で、日本で修行したフランチェスコ・ブリガンテさんという方が宮司を務めるサンマリノに神社本庁のお墨付きを得た「神社」があるとは心底驚いた。
・『ブドウ畑の一角に神社  小さいながらも本殿があり、伊勢神宮と同じ「神明造」の様式を持ち、その一部は伊勢神宮が遷宮の際に用いた木材を使用。日本で組まれたのち、サンマリノに輸送されこの地で再構築されたものだ。 神社はワイン用のブドウ畑の一角に設けられており、鳥居をくぐる際には遠くにサンマリノの象徴である3つの砦を擁したティターノ山の威容を眺めることができる。ただ、この神社の立地はサンマリノ旧市街地から遠く、険しい山道をくねくねと登りながら目指すことになる。クルマがないと行きにくいのが残念だ。とはいえ、欧州の小国にある神社という貴重さは何事にも代えがたい。 欧州大陸にある小国のうち、モナコ公国とリヒテンシュタイン公国は周辺国の鉄道幹線が国の一角を通り抜ける形で敷かれている。一方でサンマリノは岩山が国土という悪条件の下、100年近く前に鉄道で下界と中心地をつなぐ「国際列車」を通すという先見性があったことは忘れてはならない。 正直なところ、日本との縁はあまりなさそうな欧州の小国・サンマリノだが、今世紀に入って、“神社がある国”にもなった。「観光鉄道の延伸」が実現すれば、”世界最古の共和国”へ電車で登るという楽しみが増える。神社と共に、日本人観光客への関心がより高まる日が来ることを期待したい』、「「観光鉄道の延伸」が実現すれば、”世界最古の共和国”へ電車で登るという楽しみが増える。神社と共に、日本人観光客への関心がより高まる日が来ることを期待したい」、同感である。

第三に、2月24日付け東洋経済オンラインが掲載したアジアン鉄道ライターの高木 聡氏による「LRTか、それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし、路面の白線マーカーに沿い走行」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/736326
・『2月1日から4日にかけて、マレーシアの首都クアラルンプール近郊、プトラジャヤ地区にて中国中車(CRRC)株洲が開発を進めている「ART(Autonomous Rapid Transit)」の、東南アジアで初となる一般向け試乗会が開かれた。 日本ではまだほとんど知られていないART。見た目はLRTだが車輪はゴムタイヤで、さらに運転台には丸いハンドルまで付いている。車体も3連接で、最大5連接にまで伸ばせるというから驚きだ』、「中国中車(CRRC)株洲が開発を進めているART。見た目はLRTだが車輪はゴムタイヤで、さらに運転台には丸いハンドルまで付いている。車体も3連接で、最大5連接にまで伸ばせる」、中国製のようだが、興味深そうだ。
・『LRT並みの輸送力で低コスト  進路の制御は、ART専用に設置した道路上の白線マーカーを光学式センサーが読み取り、これに沿って走行する。丸いハンドル(ステアリングホイール)も設置しているが、これは搬入時や非常時、また車庫等での入れ換えなどの際に機動性を確保するためである。今回の試乗会も、ハンドルを使用したマニュアル運転となった。 動力はバッテリー駆動だ。ただ、各国のバッテリー式LRTで見られる充電用のパンタグラフはなく、車体側面に急速充電用のソケットがある。そういった点ではLRTではなくEVバスに分類されそうだ。実際に、車体前面にはナンバープレート設置用の枠がある。 CRRCはART開発の理由について、LRT並みの輸送力を保ちつつ、整備費用を大幅に削減できることを掲げている。ゴムタイヤ式のため加減速に優れ勾配にも強い。その反面、鉄車輪方式に比べてエネルギー効率は悪い。定員は一般的な連接バスの約2倍となる239名(3連接車体の場合)で、設計最高速度は時速70kmだ。 現在は、数十年来の懸案であったシンガポール―ジョホール間の越境都市鉄道(RTS)の開業に合わせる形での運行開始を目指しているが、実際の開業時期は不明である。 BRTはRTSのジョホール(マレーシア)側の起点から3方向に約50kmがフェーズ1整備区間として示されているが、先の関係者は、2023年末頃にプロジェクトの呼称がBRTからLRTに突如変わったという。RTSはもともとシンガポールのMRT(地下鉄)規格で建設予定だったが、2019年にマレーシア側の政治的理由で急遽LRT規格に変更された。そして、規定路線のごとく車両はCRRC株洲が受注した。 もし、ジョホール側の市内交通にARTが採用された場合、シンガポール―マレーシア間のわずかな区間に、MRT、LRT、ARTと3つのシステムが混在することになる。RTSにCRRC株洲製のLRT車両が導入されるとすれば、これに規格を合わせるという理由でジョホール側にもARTでなくLRTを導入できる。そのため、不要になったART車両が今回プトラジャヤに移動してきたようだ』、「道路上の白線マーカーを光学式センサーが読み取り、これに沿って走行する・・・ジョホール側の市内交通にARTが採用された場合、シンガポール―マレーシア間のわずかな区間に、MRT、LRT、ARTと3つのシステムが混在することになる。RTSにCRRC株洲製のLRT車両が導入されるとすれば、これに規格を合わせるという理由でジョホール側にもARTでなくLRTを導入できる。そのため、不要になったART車両が今回プトラジャヤに移動してきたようだ」、なるほど。
・『予算のない都市にARTは「朗報」となるか  プトラジャヤでは既存鉄道駅からのフィーダー交通(注)としてモノレール計画が存在していたが、コスト面から頓挫しており、ARTはそれに代わるシステムとして導入調査が進む模様である。それにしても、ARTがいかに「規格」を売り込むビジネスであるかがわかる。 おりしも2024年1月から5年間の任期で、ジョホール州のイブラヒム・イスカンダル氏が第17代マレーシア国王として即位した。同氏は高速鉄道推進派としても知られ、シンガポールの対岸にありながら公共交通整備に後れをとってきたジョホールはRTS開業とともに大変貌を遂げる可能性がある。LRTとは別にARTが導入される可能性もあり、目が離せない。 LRTを導入したくとも予算のない地域、バス輸送に任せるには心もとない、抵抗があるといった地域にとっては、朗報とも言える存在になるかもしれない。まずは、マレーシアでどのようなオペレーションが始まるか、続報を待ちたい。) 路線バスと普通鉄道の間に位置づけられる輸送システムは、主にBRT、またLRTとして世界の国々で確立している。世界のBRTは、日本のそれと異なり、一般車線から完全に分離されていることがほとんどだ。バス停は道路中央に「駅」として存在し、車内での料金支払いがないため、連接バスで一度に多くの乗客を運べて時間のロスがない。 ただ、あくまで一般車線とセパレーターで区切られた専用レーンを走るだけで、運行システム上は限りなく一般のバスに近い。よって整備費用が安価なため、先進国、途上国問わず多くの都市で導入、また導入計画がある。しかし、これより鉄道システムに近いガイドウェイ方式(走行路の側面にあるガイドに沿って走行する)は、専用軌道を最高時速100kmで走るOバーン(オーストラリア・アデレード)が知られているものの、採用例はあまり多くない。日本でも、名古屋のゆとりーとラインで採用されただけである』、「シンガポールの対岸にありながら公共交通整備に後れをとってきたジョホールはRTS開業とともに大変貌を遂げる可能性がある。LRTとは別にARTが導入される可能性もあり、目が離せない」、なるほど。
(注)フィーダー交通:交通網において幹線と接続し、支線の役割をもって運行される路線(Wikipedia)。
・『ゴムタイヤ式LRT、試行錯誤の歴史  ARTはLRTをバスに近づけた存在と呼べそうだが、ゴムタイヤで走るLRT自体は以前から存在し、1990年代から2000年代初めにかけてボンバルディアが「GLT(Guided Light Transit)」、フランスのロールが「トランスロール」として開発、実用化している。前者は運転台にハンドルを設置しているが、どちらのシステムも走行路の中央に設置した1本のガイドレールに従って走る仕組みである。 低コストで整備できるLRTを目指したこれらのシステムだが、採用例は少なく、特殊仕様の域を出ることはないままで、スペアパーツの供給などメンテナンスコストが高騰した。また、ゴムタイヤ走行による轍が道路上に発生するなどして、乗り心地が悪化した。 結局目立ったコスト削減効果は表れず、ほとんどが通常の鉄車輪式のLRTやトロリーバスなどに置き換えられ、GLTはすでに全廃された。両システムを開発したボンバルディア、ロールはともにアルストムに買収され、トランスロールの技術は同社に引き継がれている。 ARTを開発した中国でも、2007年に天津、2010年に上海でトランスロールのゴムタイヤ式LRTを導入したが、いずれも上記の理由で2023年に廃止された。) だが、中国におけるEVや自動運転技術の急速な発展により、トランスロールのようにガイドレールを使う高コストなシステムにこだわる必要はないと判断されたとしてもおかしくないだろう。CRRC株洲はシーメンスとのライセンス契約により鉄車輪式のLRTを製造しており、同社がゴムタイヤ式LRTのような交通機関であるARTを開発したのは自然な成り行きと言えるかもしれない。
ARTは2018年以降、中国国内では株洲市、西安市、上海市など6都市で運行中、または現在試験運行中である。海外展開も進めており、マレーシアのジョホールバル(2021年から)、クチン(2023年から)、プトラジャヤ(2024年から)、オーストラリアのパース(2023年から)で導入に向け、実車を用いた試運転を実施している。 また、アラブ首長国連邦のアブダビでは、3編成を用いた一般旅客も乗車可能な試験運行が2023年10月からスタートした。ただし、白線マーカー未設置のマニュアル運転で、自動車用ナンバープレートを付けての運転だ』、「ARTは2018年以降、中国国内では株洲市、西安市、上海市など6都市で運行中、または現在試験運行中である。海外展開も進めており、マレーシアのジョホールバル(2021年から)、クチン(2023年から)、プトラジャヤ(2024年から)、オーストラリアのパース(2023年から)で導入に向け、実車を用いた試運転を実施」、なるほど
・『導入は「温暖な人工的都市」  試運転はいずれも、人口集中が穏やか、かつ人工的で整然とした近代的都市計画に成功している地域が選定されていることがわかる。また、温暖な地域というのも1つのポイントだろう。降雪地区では白線の読み取りができず、スリップなどの恐れもあるため、ARTは導入できないためだ。 2018年にはインドネシア鉄道(KAI)とも導入に関わる協力覚書を結んだ。KAIの廃線跡も活かしつつ、バンドン、スラバヤ、マランなどの地方都市やバリ島に導入する計画が持ち上がったが、道路環境の悪さなどの理由で具体化には至っていない。 それでも引き続き導入に向けた調査検討が進められ、法的な部分もクリアし、最終報告書が運輸省に提出された。2020年に協力覚書は延長された。そして2024年、運輸省は現在建設中の新首都・ヌサンタラへの導入意向を示し、運輸大臣が中国で試乗もしている。道路環境がよく、人口が少ない新首都への導入は容易だろう。 現在、開業に向けて最も具体化が進んでいるのはマレーシア、サラワク州クチンの「クチン・アーバン・トランスポート・システム(KUTS)」プロジェクトだ。クチンは同州の州都であるが、人口は約33万人、人口密度は300人/平方キロメートルを超える程度で、一般的な路線バスで十分輸送を賄える都市規模である。軌道系交通の導入が計画されること自体に驚きを隠せないが、だからこそARTが採用されたとも言える。) 018年に同プロジェクトは中国によるLRT方式での整備を前提に構想されたが、高額なコストを理由に実現には至らず、翌2019年にART方式での建設が決定した。KUTSの運営主体となるサラワクメトロは、LRT方式に比べ、3分の1のコストで整備が可能であると発表している。 KUTSはスマートシティ構想の一環であるとしており、ART停留所からはフィーダー交通として自動運転バスも導入し、全ての人がARTにアクセスできるようにするという。しかも、このARTは、他都市で導入されているタイプとは異なり、水素を動力源とする全く新しい車両になっている。東南アジア初のサステナブルシティを目指す構えだが、都市開発全体を中国が売り込んでいるという背景もある。 サラワク州はKUTSプロジェクトを総額60億リンギット(約1884億円)と見積もり、ナジブ首相の提唱で設立されたサラワク開発銀行を経由し融資され、公共事業として実施される。計70kmにも及ぶフェーズ1区間のうち、クチン市中心部と隣接するサマラハン市を結ぶブルーライン(27.6km)と、クチン市中心部と空港方面を結ぶレッドライン(12.3km)の路線、車両基地建設や車両、信号システムなどの調達について、2023年末までに業者選定を済ませ着工している』、「試運転はいずれも、人口集中が穏やか、かつ人工的で整然とした近代的都市計画に成功している地域が選定されていることがわかる。また、温暖な地域というのも1つのポイントだろう。降雪地区では白線の読み取りができず、スリップなどの恐れもあるため、ARTは導入できないためだ・・・KUTSはスマートシティ構想の一環であるとしており、ART停留所からはフィーダー交通として自動運転バスも導入し、全ての人がARTにアクセスできるようにするという。しかも、このARTは、他都市で導入されているタイプとは異なり、水素を動力源とする全く新しい車両になっている。東南アジア初のサステナブルシティを目指す構えだが、都市開発全体を中国が売り込んでいるという背景もある」、中国が大手を振って受注しているのは要注意だ。
・『技術はユニークだが法的課題も  いずれもマレーシア企業と中国企業のJVが落札しており、車両は当然、CRRC株洲が納入することになるが、書類上はマレーシアの民間投資会社ECCAZとCRRC子会社の合弁会社Mobilusが受注している。このパッケージには水素式ART車両38編成、信号システム一式、ホームドア、車両基地設計などが含まれており、契約額は14億2500万リンギット(約447億6200万円)だ。 ART自体がCRRCとMobilusの共同開発であるとも説明されており、公式ページにはMobilusは今後、マレーシアのみならず、近隣諸国への営業を強化すると記載されている。KUTSのARTは、高速道路や高規格道路の一部を専用レーンとして自律走行し、交通量の多い交差点は立体交差、一部区間には高架駅も設けられる。道路信号に従って進む区間では、ART優先信号が導入される。 車両は1編成がプロトタイプとして2023年8月に到着、試運転が続けられており、2025年末までに先行区間の開業を目指している。クチンが中国国外で初のART営業区間となる可能性が高い。政治的意図はあるとは言え、ART技術は注目に値するだろう。) 一方で、課題も多いとマレーシアの運輸関係者は指摘する。まずは法令上の問題で、鉄道車両なのかバスなのかをはっきりさせないと一般運行は難しいのではないかという点である。白線マーカーから逸脱して接触事故などが起きたときの責任範囲も現状では不明で、新たな法律を作るか、法規制の緩い国や地域での導入に限られるのではないかということだ。プトラジャヤではイベント期間中、交通を規制しての運行となった。 その点で、サラワク州のクチンで具体化が進んでいることは納得がいく。同州は歴史的経緯から、マレーシアでありながら独立した強い自治権を持っており、本土のマレー半島側との行き来にはパスポートが必要で、ほぼ外国という扱いのためだ。本土側の運輸行政とも全く別の管理下にあり、本土側ではどのようなプロセスで建設を進めているかわからないという。 そして、ARTというシステムを現状でCRRCしか持っていないことを懸念しているという。導入仕様書にARTと指定された場合、必然的にCRRC車両を導入することになってしまい、結果的にコスト高になる可能性があるためだ』、「ARTというシステムを現状でCRRCしか持っていないことを懸念しているという。導入仕様書にARTと指定された場合、必然的にCRRC車両を導入することになってしまい、結果的にコスト高になる可能性があるためだ」、中国に首根っこを押さえられてしまう。
・『中国の影響力に懸念  2009年のナジブ政権以降、マレーシア政府が突出して中国寄りの姿勢を見せていることに、先述の関係者は懸念を示している。事実上の国鉄であるマレー鉄道(KTM)は、今やCRRC株洲の独占的利権になっており、今後も同社以外からの車両調達はできないだろうと言う。 RRCはマレーシアに子会社を持ち、車両調達からその後のメンテナンスまでを一手に引き受けている。「一帯一路」の肝煎りの政策でもある東海岸鉄道(ECRL)も順調に工事が進んでおり、一度は白紙に戻ったマレーシア―シンガポール間の高速鉄道も、中国規格での着工が有力視されている。乗り入れのために中国と規格を合わせるという点ではECRLも高速鉄道も中国規格の採用は理にかなっているが、独立した存在である都市鉄道やLRTは、CRRCにとって参入障壁がある。 実際に都市鉄道の分野は、欧州メーカーが存在感を示しており、中国が十分に入り込めていない分野だった。ただ、2015年にクアラルンプールの高架式LRT、Rapid KLのアンパン線の旧型車置き換えをCRRC株洲が受注したのを皮切りに、徐々に攻勢を強めている。現在建設中のサーアラム線も同社が受注している。 今回のART試乗会に供された車両は、もともと2021年にジョホールバルで試運転を行っていた車両である。当時は自動車用ナンバーを取得し、白線マーカーによる自律走行を実施していた。2017年に当時のナジブ首相によって立ち上げられた「イスカンダル マレーシアBRT」プロジェクトとしてART導入に向けた調査が進んでおり、高速鉄道の開業及び接続を前提に2021年までの開業を目指していた。) 現在は、数十年来の懸案であったシンガポール―ジョホール間の越境都市鉄道(RTS)の開業に合わせる形での運行開始を目指しているが、実際の開業時期は不明である。 BRTはRTSのジョホール(マレーシア)側の起点から3方向に約50kmがフェーズ1整備区間として示されているが、先の関係者は、2023年末頃にプロジェクトの呼称がBRTからLRTに突如変わったという。RTSはもともとシンガポールのMRT(地下鉄)規格で建設予定だったが、2019年にマレーシア側の政治的理由で急遽LRT規格に変更された。そして、規定路線のごとく車両はCRRC株洲が受注した。 もし、ジョホール側の市内交通にARTが採用された場合、シンガポール―マレーシア間のわずかな区間に、MRT、LRT、ARTと3つのシステムが混在することになる。RTSにCRRC株洲製のLRT車両が導入されるとすれば、これに規格を合わせるという理由でジョホール側にもARTでなくLRTを導入できる。そのため、不要になったART車両が今回プトラジャヤに移動してきたようだ』、いずれにしても、中国系企業が受注するようだ。
・『予算のない都市にARTは「朗報」となるか  プトラジャヤでは既存鉄道駅からのフィーダー交通としてモノレール計画が存在していたが、コスト面から頓挫しており、ARTはそれに代わるシステムとして導入調査が進む模様である。それにしても、ARTがいかに「規格」を売り込むビジネスであるかがわかる。 おりしも2024年1月から5年間の任期で、ジョホール州のイブラヒム・イスカンダル氏が第17代マレーシア国王として即位した。同氏は高速鉄道推進派としても知られ、シンガポールの対岸にありながら公共交通整備に後れをとってきたジョホールはRTS開業とともに大変貌を遂げる可能性がある。LRTとは別にARTが導入される可能性もあり、目が離せない。 LRTを導入したくとも予算のない地域、バス輸送に任せるには心もとない、抵抗があるといった地域にとっては、朗報とも言える存在になるかもしれない。まずは、マレーシアでどのようなオペレーションが始まるか、続報を待ちたい』、「LRT」、「ART」いずれにしても、中国系企業が受注、日本企業はカヤの外なのは腹が立つ。
タグ:鉄道 (その12)(イギリス高速鉄道「未着工区間は中止」の衝撃 コスト増など理由 沿線からは失望と怒りの声、日本人が知らないサンマリノ 「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元 ブドウ畑に鳥居が、LRTか それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし 路面の白線マーカーに沿い走行) 東洋経済オンライン さかい もとみ氏による「イギリス高速鉄道「未着工区間は中止」の衝撃 コスト増など理由、沿線からは失望と怒りの声」 「スナク首相が中止を決めたのは、第2期区間のバーミンガムから北側の部分すべてだ。したがって、HS2は現在建設が進んでいる区間だけで計画終了となる・・・「ユーストン駅まで乗り入れない場合、ロンドン北西部で建設が進むオールド・オーク・コモンという新駅が当初のターミナルとなる」、こんなに短くなっては、高速鉄道の意味もかなり薄らぎざるを得ないだろう。 「HS2の敷設計画による土地の強制収用に応じ、それまで保有していた住宅や農場を手放した人々だ。とくに畜産業を営んでいた人々は代替地の選定や移転に相当な労力を費やしており、「苦労の結果が敷設中止では困る」とし、補償の上乗せを求める声も聞こえてきている・・・野党・労働党は、もともとHS2への経済効果を疑問視していたこともあり、同党としては「計画の復活」を約束しない、仮に今後の選挙で政権を奪回しても、まずはコスト等の数字の精査が必要との見方を示している」、なるほど。 「日立製作所と仏アルストムが折半出資する共同事業体が同線向け車両の製造・保守事業の受注を決めている。受注したのは欧州最速となる最高時速360kmの高速列車54編成の設計・製造と、12年間に及ぶ保守業務で、契約金額は総額19億7000万ポンド(約3578億円)に及ぶ。 この契約ではあくまで第1期区間の運行用として結ばれたものであるため、今回の第2期延伸の中止決定が影響を及ぼすものではない。とはいえ、当然ながらメーカーとしては第2期分の納入にも期待を寄せていただけに、今回の決定は歓迎されざるものであろう」、 「この契約ではあくまで第1期区間の運行用として結ばれたものである」とはいえ、「第1期分」だけで終わるのであれば、採算は悪くならざるを得ない。これでは、「共同事業体」としては、馬鹿らしくてやっていられないだろう。 さかい もとみ氏による「日本人が知らないサンマリノ、「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元、ブドウ畑に鳥居が」 「山岳鉄道「リミニ・サンマリノ鉄道」」は「時の宰相で独裁政権を率いたムッソリーニがサンマリノを訪問したことで、敷設計画が一気に前進、国費を投入し建設を決定した」、なるほど。 「戦時中の誤爆で損傷、そのまま運行停止」したが、「サンマリノ側・・・1kmに満たない長さとはいえ、保存状態のよかった旧サンマリノ駅近くのモンターレ(Montale)トンネル前後の区間が修復され、鉄道車両の動態保存区間としてよみがえった」、動態保存とは大したものだ。 「リミニ・サンマリノ鉄道の動態保存については、モンターレトンネルのふもと側(リミニ方)の先、ループ状になっているピアッジェ(Piagge)トンネルを通った先に位置するロープウェー駅(下界側)近くまで、約3km強の区間を復元し、列車を走れるようにする構想もあるというが、果たして計画はどう進むのだろうか・・・2011年の東日本大震災の犠牲者を追悼するため、マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使が神社本庁にこの神社の建立を相談したことがきっかけなのだという。カデロ大使は2002年から駐日大使の職にある・・・ 神職は現地に住むサンマリノ人で、日本で修行したフランチェスコ・ブリガンテさんという方が宮司を務めるサンマリノに神社本庁のお墨付きを得た「神社」があるとは心底驚いた。 「「観光鉄道の延伸」が実現すれば、”世界最古の共和国”へ電車で登るという楽しみが増える。神社と共に、日本人観光客への関心がより高まる日が来ることを期待したい」、同感である。 高木 聡氏による「LRTか、それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし、路面の白線マーカーに沿い走行」 「中国中車(CRRC)株洲が開発を進めているART。見た目はLRTだが車輪はゴムタイヤで、さらに運転台には丸いハンドルまで付いている。車体も3連接で、最大5連接にまで伸ばせる」、中国製のようだが、興味深そうだ。 「道路上の白線マーカーを光学式センサーが読み取り、これに沿って走行する・・・ジョホール側の市内交通にARTが採用された場合、シンガポール―マレーシア間のわずかな区間に、MRT、LRT、ARTと3つのシステムが混在することになる。RTSにCRRC株洲製のLRT車両が導入されるとすれば、これに規格を合わせるという理由でジョホール側にもARTでなくLRTを導入できる。そのため、不要になったART車両が今回プトラジャヤに移動してきたようだ」、なるほど。 「シンガポールの対岸にありながら公共交通整備に後れをとってきたジョホールはRTS開業とともに大変貌を遂げる可能性がある。LRTとは別にARTが導入される可能性もあり、目が離せない」、なるほど。 (注)フィーダー交通:交通網において幹線と接続し、支線の役割をもって運行される路線(Wikipedia)。 「ARTは2018年以降、中国国内では株洲市、西安市、上海市など6都市で運行中、または現在試験運行中である。海外展開も進めており、マレーシアのジョホールバル(2021年から)、クチン(2023年から)、プトラジャヤ(2024年から)、オーストラリアのパース(2023年から)で導入に向け、実車を用いた試運転を実施」、なるほど 「試運転はいずれも、人口集中が穏やか、かつ人工的で整然とした近代的都市計画に成功している地域が選定されていることがわかる。また、温暖な地域というのも1つのポイントだろう。降雪地区では白線の読み取りができず、スリップなどの恐れもあるため、ARTは導入できないためだ・・・KUTSはスマートシティ構想の一環であるとしており、ART停留所からはフィーダー交通として自動運転バスも導入し、全ての人がARTにアクセスできるようにするという。 KUTSはスマートシティ構想の一環であるとしており、ART停留所からはフィーダー交通として自動運転バスも導入し、全ての人がARTにアクセスできるようにするという。しかも、このARTは、他都市で導入されているタイプとは異なり、水素を動力源とする全く新しい車両になっている。東南アジア初のサステナブルシティを目指す構えだが、都市開発全体を中国が売り込んでいるという背景もある」、中国が大手を振って受注しているのは要注意だ。 「ARTというシステムを現状でCRRCしか持っていないことを懸念しているという。導入仕様書にARTと指定された場合、必然的にCRRC車両を導入することになってしまい、結果的にコスト高になる可能性があるためだ」、中国に首根っこを押さえられてしまう。 いずれにしても、中国系企業が受注するようだ。 「LRT」、「ART」いずれにしても、中国系企業が受注、日本企業はカヤの外なのは腹が立つ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。