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トランプ(その51)(トランプが大統領再選したときの「危険シナリオ」 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつある、「有名大学から極左を追い出せ!」トランプ氏の主張に支持者が拍手喝采なワケ【佐藤優・池上彰対談】) [世界情勢]

トランプについては、本年1月28日に取上げた。今日は、(その51)(トランプが大統領再選したときの「危険シナリオ」 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつある、「有名大学から極左を追い出せ!」トランプ氏の主張に支持者が拍手喝采なワケ【佐藤優・池上彰対談】)である。

先ずは、本年2月24日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの岩崎 博充氏による「トランプが大統領再選したときの「危険シナリオ」 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつある」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/736164
・『今年の11月に行われるアメリカの大統領選挙が、早くもドナルド・トランプ前大統領の再選になるのではないかと心配されている。いまや、「もしトラ(もしかしたらトランプ)」から「ほぼトラ(ほぼトランプ)」に変わりつつあり、最近は「確トラ(確実にトランプ)」と言われる状況にまで事態は進んでいる。 実際に、トランプ氏が再選されるかどうかはわからない。「ブルームバーグ」が報道するように「トランプ氏、選挙開戦7月に軍資金枯渇の見通し-弁護士費用で綱渡り」(2024年2月15日配信)のように資金の枯渇で苦戦する可能性があるかもしれない。 将来のことはわからないが、ここではトランプ氏の大統領再選が実現した場合、世界はどうなるのか……、アメリカや日本の国民はどうなるのか……。トランプ再選後の状況を、最近の彼の言動や8年前の行動などを参考に、いくつかのシナリオを検証してみたい』、「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつあり、「最近は「確トラ」と言われる状況にまで事態は進んでいる」、願わくば「確トラ」は勘弁してもらいたいものだ。
・『シナリオ①ウクライナ戦争がロシア勝利で終わる?  もともとトランプ氏は、ロシアとの関わりを指摘されてきた人間だが、つい先日もロシアに有利になるような発言をして、世間を驚かせた。「相応の資金を負担しないNATO加盟国に対しては、ロシアに好きにするように言う」として、アメリカはロシアに侵略されても、防衛しない趣旨の発言をして、バイデン大統領やNATOのトップから批判されている。 かたやロシアのプーチン大統領は、「バイデン大統領のほうが予測可能で、ロシアにとっては再選が望ましい」とコメント。プーチンの本音は「コントロールできるトランプより、できないバイデンのほうが嫌だ」と言っているのではないか、とさえ指摘されている。) もともとトランプ氏が当選した2016年の大統領選挙では、ロシアが重要な役割を果たしたと指摘されている。 トランプ氏とロシアの関係については、英国オックスフォード大学の「ComputationalPropagandaProject(コンピューターによる政治宣伝研究プロジェクト)」と、ソーシャルメディア分析企業の「グラフィカ」による共同研究の報告書が、アメリカの上院で発表された。 報告書にはロシアは政治宣伝拡散のためにFacebookやTwitter(現X)など、ソーシャルメディアを駆使して(大統領選挙に)介入した」とある。「発信のすべてが、特にドナルド・トランプに利益をもたらそうとしていたのは明白だ」と、報告書は主張している(BBCニュース、2018年12月18日)』、「ロシア」の「ソーシャルメディアを駆使して(大統領選挙に)介入」は、「特にドナルド・トランプに利益をもたらそうとしていたのは明白だ」、なるほど。
・『トランプが公表した「アジェンダ47」  実際にトランプ氏は、プーチン大統領の盟友である富豪の「オレグ・デリパスカ」とつながりのあるロシア企業3社の経済制裁を任期途中に解除している(BBCニュース、2019年1月28日)。トランプ氏は、自分が大統領に返り咲いたときの政策に対して、公約集として「アジェンダ47」を公表しているが、外交に関しては次のように明言している。 ・ウクライナは、ただちに停戦(アメリカ・ファーストの外交政策の復活)  ・第3次世界大戦の防止のために、圧倒的な戦力を整備する(防衛費の大幅増強)  ・NATOなどの同盟国に対しても同等の負担を要求する  ロシアと戦争をしているウクライナの戦況がどうなるかは不明だが、はっきりしていることは日本を含めた同盟国が、それ相応の負担をしなければならなくなるということだろう。前回の在任中は途中で諦めた感があるトランプ氏だが、ここで返り咲けば、前回以上に強権的な姿勢が目立つ政権になることは確実で、米軍を駐留させているNATOや韓国、日本に対しても、これまで以上の高い負担を求めてくることになるはずだ。) 今でも他国に比べて莫大なコストを負担している日本だが、さらなる負担を求められる可能性もある。何よりも、多額の財政赤字を抱える日本にとっては、防衛費の大幅増強を求められるのは大きな負担になる。政府による財政支出に頼りすぎている日本経済にとっては、大きなブレーキになるはずだ。 ちなみに、ガザ地区に侵攻したイスラエルに関しては、アメリカ国内にいるユダヤ人の献金と票がトランプ氏にとっては最重要課題であり、むしろイスラエルを強く支持する側に回るとされる。「アメリカ・ファースト」ではなく「トランプ・ファースト」が彼の政治的信条の根幹だ』、「前回の在任中は途中で諦めた感があるトランプ氏だが、ここで返り咲けば、前回以上に強権的な姿勢が目立つ政権になることは確実で、米軍を駐留させているNATOや韓国、日本に対しても、これまで以上の高い負担を求めてくることになるはずだ・・・多額の財政赤字を抱える日本にとっては、防衛費の大幅増強を求められるのは大きな負担になる。政府による財政支出に頼りすぎている日本経済にとっては、大きなブレーキになるはずだ・・・イスラエルに関しては、アメリカ国内にいるユダヤ人の献金と票がトランプ氏にとっては最重要課題であり、むしろイスラエルを強く支持する側に回るとされる。「アメリカ・ファースト」ではなく「トランプ・ファースト」が彼の政治的信条の根幹だ」、なるほど。
・『シナリオ② インフレの再燃から株価暴落へ?  トランプ氏の大統領再選は、同時にインフレの再燃でもある。というのも、トランプ氏の掲げる政策の大半は、インフレの原因になるものばかりだからだ。アメリカ経済に再びインフレをもたらせば、金利がまた上昇に転ずることになる。ドルが高くなり、世界中の通貨がまた安くなる。 アメリカだけではなく、世界中が再びインフレの波に襲われることになる。これまでにトランプ政権がとってきた政策や新たに公約として掲げているものをチェックすると次のようになり、その結果としてインフレの圧力が高まる。 ●保護貿易政策(中国からの輸入品に対して60%の関税を課す、というトランプ氏の発言が注目されているが、輸入品の価格上昇につながることになり、インフレ再燃の要因となる。 ●大幅な規制緩和(トランプ政権の誕生は、前回もそうだったように大幅な規制緩和が実施される。規制緩和によって景気が良くなり、株価が上がる。個人消費も拡大し、景気が一時的に良くなることは間違いない。経済が意図的に成長に転ずれば、自然にインフレが始まる。その結果として、インフレは再度の利上げを招き、株価低迷、個人消費の低迷をもたらす。 ●減税による個人消費の拡大(関税引き上げや規制緩和による増収などを背景に、先行して行われるのが「減税」だ。ポピュリズム(大衆迎合主義)政治の典型的なパターンだが、大幅な減税は個人消費を押し上げて、一時的には景気が良くなりインフレが再燃する。トランプ氏は、減税=国民の支持率が上がることを信じている。) ●移民政策強化による賃金上昇(今回の選挙でもトランプ氏が強くアピールしているのが、移民審査の厳格化だ。移民に対する審査を強化することで、移民人口を大幅に抑えてしまう可能性が高い。アメリカの経済成長の源とも言える人口増加をストップすることになり、短期的には影響が出ないものの、中長期的には賃金が上昇することになり、飲食や運送などのサービス価格が上昇し、やはりインフレを招く。 ●金融緩和政策への大幅転換(アメリカの中央銀行であるFRB議長の任期(2026年5月)が、大統領の任期中に終わるため迫ってきているが、現在のパウエル議長よりハト派=積極的な金融緩和への転換が予想される。必要以上に金利を引き下げて、景気を刺激する政策に転換することが予想され、景気の押し上げ=インフレを招くことになる。 インフレは、ドル高を招くために、日本を含めた海外でのインフレも深刻化する。インフレは、金融引締め、株価の下落などを招くため、最終的には景気が低迷していくことになる』、「トランプ政権がとってきた政策や新たに公約として掲げているものをチェックすると次のようになり・・・・・・保護貿易政策・・・大幅な規制緩和・・・減税による個人消費の拡大・・・移民政策強化による賃金上昇・・・金融緩和政策への大幅転換」いずれも「その結果としてインフレの圧力が高まる」のは確かだ。
・『シナリオ③大統領権限の強化  トランプ氏と言えば、さまざまな裁判を抱えていることで有名だが、この2月16日にはニューヨークの司法当局が、トランプ一族企業に対して約3億5400万ドル(約533億円)の支払いを命じる判決を下している。トランプ氏は「バイデンの政敵に対する魔女狩りであり、選挙妨害だ」と主張することで選挙戦に有利になるように演出。その選挙スタイルが成功しているとはいえ、今回の民事訴訟に加えて議会襲撃など4つの刑事事件でも起訴されている。 トランプ氏は大統領に再選されなければ、犯罪者として収監される可能性が高いと予想されており、亡命するか、あるいは自分が大統領になって、自分自身に恩赦を出して免責するしか道が残っていないとも言われている。さらに、トランプ氏が大統領に返り咲けば、大統領権限をフル活用して強大な権力を獲得しようとすることが予想されている。 たとえば、大統領権限を制限した1974年の「執行留保統制法」についても、トランプ氏は合憲ではないと疑問を呈しており、大統領権限を大幅に強化することが考えられる。大統領権限で、予算執行をストップさせ歳出削減を強制的に可能にし、その財源で減税を実行するかもしれない。ウクライナ支援などアメリカの利益にならないような予算は大幅に削減してくるはずだ。) 行政に限らず、共和党に有利になるような司法制度や議会運営に対してメスを入れてくる可能性も高い。もともとトランプ氏は、前回の選挙戦で陰謀論の「ディープ・ステート(闇の政府)」を打倒するとして、国家統治の本質的な部分にまで踏み込もうとしたものの未遂に終わっている。たとえば、情報機関や連邦政府の要所を占めている官僚を解雇し、汚職を排除すると称して主要な政府職員を一掃する可能性もある。 トランプ氏は、日本製鉄がアメリカの鉄鋼大手「USスチール」を買収する構想について「絶対に阻止する」と発言して注目されたが、大統領権限の強化によって、さまざまな面でアメリカ有利のビジネス体制となり、アメリカとビジネスをするのに大きな時間とコストがかかるようになってしまうかもしれない。 このほか、内政に対しては大統領権限を大幅に強化させる可能性があると報道されている。その範囲は政府内部に限らず、マスメディアなどに対しても支配権を握ろうとしている節がある。たとえば、日経速報ニュース「高関税・脱中国から陰謀論まで『トランプ公約集』要旨」(2024年2月10日配信)などを参考にまとめると、次のような政策が考えられる。 ●大統領が予算執行を停止できる「没収権」を復活させる ●国防総省や国務省、CIA(中央情報局)の人事は忠誠心で判断し支配下に置く ●反トラスト法を監視するFTC(連邦取引委員会)、放送通信事業を所管するFCC(連邦通信委員会)を大統領指揮下において管理する ●多様性を重視した教育を否定、「トランプ大学」の設立構想 ●ジェンダー教育や批判的人種理論(白人至上主義の批判)を強要する学校に対しては補助金カット』、「『トランプ公約集』要旨」の各項目はとんでもないものばかりだ。
・『リスクだらけの「トランプ2」  トランプ政権が誕生するかどうかは、まだまだ微妙だ。そもそも民主党のバイデン大統領も高齢で選挙戦を最後まで戦えるのかさえも疑問だ。そんな状況の中で、はっきりしていることはトランプ氏が共和党の候補者に正式になった場合、11月に行われる大統領選挙後も混乱が深まるということだ。最悪の場合、再びトランプ氏が選挙で負けても敗北を認めず、アメリカ国内で内戦になる可能性も完全には否定できない。つまり、トランプ氏が勝っても、負けても大混乱が避けられないということだ。 内戦が始まらない場合でも、トランプ政権の誕生はリスクだらけの日常になりそうだ。たとえば、株式や為替といった金融市場も、確かに最初は投資家の期待を受けて株価も上昇したものの、新型コロナになってからは大きく下落した。なぜ、前回のトランプ氏が選挙で負けたかと言えば、新型コロナというパンデミックの発生によって、十分な対応力を見せられなかったからだろう。 史上最高値を更新し続けているような、現在の株高の中で、今後もその勢いを維持できるかは甚だ疑問だ。超ワンマン体質では、不測の事態に直面したときに、エビデンスに基づいた正しい選択ができない可能性がある。自分の周囲をイエスマンだけで固めようとする独裁者は、いずれ馬脚を現す。 そんな状況を覚悟のうえで、与えられた時間の中で、トランプ政権の返り咲きという、これまでにない途方もないリスクに対応する方法を考えるしかない』、「超ワンマン体質では、不測の事態に直面したときに、エビデンスに基づいた正しい選択ができない可能性がある。自分の周囲をイエスマンだけで固めようとする独裁者は、いずれ馬脚を現す。 そんな状況を覚悟のうえで、与えられた時間の中で、トランプ政権の返り咲きという、これまでにない途方もないリスクに対応する方法を考えるしかない」、その通りだろう。

次に、3月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・元外務省主任分析官の佐藤 優氏とジャーナリストの池上 彰氏の対談「有名大学から極左を追い出せ!」トランプ氏の主張に支持者が拍手喝采なワケ【佐藤優・池上彰対談】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340905
・『11月に迫る米国大統領選挙で、トランプ前大統領は優勢に戦っている。なぜトランプ氏は支持されるのか。前回に続き、スペシャル版としてジャーナリストの池上彰氏を迎えて最新の世界情勢について語り尽くす』、興味深そうだ。
・『「能力より忠誠心を重視」 トランプの公約の中身  佐藤 今年11月の米国大統領選挙では、トランプ前大統領の返り咲きが現実味を帯びてきました。 池上 トランプ氏は2023年に、「アジェンダ47」という公約を発表しています。その中身を見ていくと、どんな米国を目指しているかが分かります。 まず「ディープステート(闇の政府)」を解体する。トランプ氏は前回、大統領になれば何でも好きにできるだろうと思っていたのに、さまざまな良識派に抵抗されて思い通りにならなかった。「これは闇の政府が牛耳っているからだ」と考えたわけです。 だからディープステートを支えている連中は大統領令で皆、首にする。米国の公務員において政権運営を担う3000人から4000人程度は大統領による政治任用ですが、それ以外は公務員試験に受かって入ってきた人たちです。彼らについても、能力ではなく忠誠心を確かめ、自分の言うことを聞かないやつはすぐに首にできる仕組みを作るというのです。 佐藤 かなりの新陳代謝が起きますね。トランプ氏の第一次政権時代のブレーンは、すでに誰も残っていないでしょう。そもそも、副大統領は誰になるのか。 池上 それが注目の的です。指名争いを途中で撤退した候補者はヘイリーを除いてみんな、自分を副大統領にしてほしいようです。トランプ氏の周囲では、黒人や女性にすればバイデン氏に勝てるという議論があって、トランプ氏は考えている状態です。 「アジェンダ47」には、公正取引委員会を大統領の直属にするという項目もあります。特定企業の独占が過ぎると公正取引委員会がモノ申すわけですが、大統領命令で自由にできるようにすると言っています。 佐藤 競争原理の市場に独禁法みたいな縛りを作って介入するほうが、むしろ不公正だという論理ですね。トランプ一族が経営する複合企業が大きくなりそうです』、「「アジェンダ47」という公約を発表・・・「ディープステート・・・」を解体する。トランプ氏は前回、大統領になれば何でも好きにできるだろうと思っていたのに、さまざまな良識派に抵抗されて思い通りにならなかった。「これは闇の政府が牛耳っているからだ」と考えたわけです。 だからディープステートを支えている連中は大統領令で皆、首にする。米国の公務員において政権運営を担う3000人から4000人程度は大統領による政治任用ですが、それ以外は公務員試験に受かって入ってきた人たちです。彼らについても、能力ではなく忠誠心を確かめ、自分の言うことを聞かないやつはすぐに首にできる仕組みを作るというのです」、「政治任用」以外の人間も「能力ではなく忠誠心を確かめ、自分の言うことを聞かないやつはすぐに首にできる仕組みを作る」、これは画期的だ。
・『トランプの主張にはそれなり説得力がある  池上 巨大な私立大学への多額の寄付金に税金をかける、という項目もあります。トランプ氏が言うには「有名大学には極左がいっぱいいて、共和党を批判している。課税することによって、大学から極左の連中を追い出す」。 佐藤 米国の大学はもうけ過ぎですから、無税はおかしい。また、連邦政府の無駄な支出を削減し、減税という形で国民に還元するというので皆、拍手喝采です。 池上 子どもの性自認やトランスジェンダーについて教えた教師は、公民権違反などで厳罰に処するとも言っています。 州議会で共和党が多数を占めるフロリダ州で、一昨年7月から性的指向や性自認に関して教えることを禁止する州法が施行されました。通称「ゲイと言うな法」です。あれを国家レベルにして、LGBTQについて学校では触れないということです。 佐藤 ローティーンの子どもたちに性自認の判断を迫ったり、性転換の手術を認めたりしていいのか、という議論もあります。トランプ氏の主張は粗野ですが、それなりに説得力があるんです。つまり、ポリティカルコレクトネスを掲げて口に出してはいけないとされている問題が、本当にタブーなんだろうかとトランプ氏は問い掛けている』、「佐藤 米国の大学はもうけ過ぎですから、無税はおかしい。また、連邦政府の無駄な支出を削減し、減税という形で国民に還元するというので皆、拍手喝采です・・・佐藤 ローティーンの子どもたちに性自認の判断を迫ったり、性転換の手術を認めたりしていいのか、という議論もあります。トランプ氏の主張は粗野ですが、それなりに説得力があるんです。つまり、ポリティカルコレクトネスを掲げて口に出してはいけないとされている問題が、本当にタブーなんだろうかとトランプ氏は問い掛けている」、もっともな部分もあるようだ。
・『米国の産業界も金融界もトランプに期待  佐藤 日本では「トランプはとんでもないやつだ。大統領に返り咲いたら、世界は大混乱になる」と思い込んでいて、「なぜ米国人は、彼を再びリーダーに担ごうとしているのか」を真剣に分析しようとしません。 池上 佐藤さんは「ウクライナへ攻め込んだロシアを非難するだけでなく、その内在的論理を理解する必要がある」と言っていますね。「トランプを生み出す米国の内在的論理」についても、知らなければならないということですね。 佐藤 米国社会では過去40年で格差が急激に広がっていて、その上医療費は恐ろしいほど高額。「金がないやつは病気になったら死ね」というのが、今の米国です。こんな社会にしたエスタブリッシュメントには責任がある。それを乱暴な言葉で訴えているのが、トランプ氏じゃないでしょうか。トランプ氏は米国第一主義で輸入に規制をかけると宣言していますから、当然、国内産業が振興し、米国内の景気は良くなるでしょう。 池上 米国の産業界も金融界もトランプ氏に期待していますね。 佐藤 そういう意味では、トランプ氏はレーニンに似ている。陰謀論的な発言は別として、なぜトランプ氏が支持されるのかを考えると、合理性があると思えるんです。 池上 なるほど、トランプ現象とはトランプ革命ですか。優雅に暮らしていた帝政ロシアの貴族たちには教養があったのに、農民や工場労働者、下っ端の兵隊たちで構成されるボルシェビキによって、ひっくり返されました』、「佐藤 米国社会では過去40年で格差が急激に広がっていて、その上医療費は恐ろしいほど高額。「金がないやつは病気になったら死ね」というのが、今の米国です。こんな社会にしたエスタブリッシュメントには責任がある。それを乱暴な言葉で訴えているのが、トランプ氏じゃないでしょうか・・・トランプ氏はレーニンに似ている。陰謀論的な発言は別として、なぜトランプ氏が支持されるのかを考えると、合理性があると思えるんです。 池上 なるほど、トランプ現象とはトランプ革命ですか。優雅に暮らしていた帝政ロシアの貴族たちには教養があったのに、農民や工場労働者、下っ端の兵隊たちで構成されるボルシェビキによって、ひっくり返されました」、確かに主張にもまともな部分もあるようだ。
・『戦争に自国の兵を送らない米国の狡さ  佐藤 ウクライナ戦争について、他国の領土を侵略したロシアは明らかに間違っています。しかし西側は、ウクライナに「われわれの自由や民主主義や価値観を守るために戦え」と言って、お金と武器だけ貸し付ける。死ぬのはウクライナ人とロシア人だけ。これがモラル的に正しいのか。 ひと昔前の米国だったら、自分たちが戦いました。自由社会を守るためにベトナムへ行き、テロと戦うためにアフガニスタンへ行きました。最近の米国には狡さと嘘があるでしょう。トランプ氏は、そこも巧みについていると思います。 池上 米国の狡さでいうと、オバマ時代に過激派組織「イスラム国」(IS)が勢力を拡大したときも、米兵が死なないようにクルド人に武器や金を送って戦わせましたね。クルドの民兵に万単位の犠牲が出て、ようやくISを鎮めることができました。米軍はクルド人を支援するため後方にいたんですが、トランプ氏が大統領になったら撤退させました。 佐藤 台湾有事が現実になれば、ウクライナ戦争の繰り返しになるかもしれません。台湾人が民主主義を守るために、中国人と戦う。気をつけないといけないのは、憲法9条を改正して日本が参戦できるようになれば、「武器と金は提供するから戦ってこい」と言われるかもしれないことです。米国的な価値観を守るために、日本が中国と戦うことになりかねません。 トランプ氏が「自由や民主主義を守るために、米軍が他国へ行く必要はない。北大西洋条約機構(NATO)だって、ロシアが怖いなら自分たちで対応しろ」というのは突き放した表現ですが、素朴な正しさがあります』、「ひと昔前の米国だったら、自分たちが戦いました。自由社会を守るためにベトナムへ行き、テロと戦うためにアフガニスタンへ行きました。最近の米国には狡さと嘘があるでしょう。トランプ氏は、そこも巧みについていると思います・・・台湾人が民主主義を守るために、中国人と戦う。気をつけないといけないのは、憲法9条を改正して日本が参戦できるようになれば、「武器と金は提供するから戦ってこい」と言われるかもしれないことです。米国的な価値観を守るために、日本が中国と戦うことになりかねません」、台湾がらみでは、日本は注意深く行動すべきだ。
・『トランプは常軌を逸しているが「怪しげな人」しか革命は起こせない  池上「なぜ米国人は、トランプの言うことを信じるんですか?」とよく聞かれます。「大統領がおっしゃってるんだから、正しいに違いない」と、米国大統領の権威というものを信じている人たちが多いですね。 佐藤 正当な選挙結果を暴力で覆そうと試みたわけだから、普通の法治国家なら政治劇場への入場券を失うはずです。それなのに彼は、失っていない。そう考えると米国では、規格外のことが起きているんです。 レーニンがインテリで貴族だったように、考えてみればトランプ氏もエスタブリッシュメント側の人です。ところが何かの巡り合わせによって、虐げられた階級の代表者になっています。トランプ氏は常軌を逸したような人物ですが、歴史を振り返ると、こういうタイプにしか革命はできません。歴史を動かすのはいつも怪しげな人たちです。レーニンだって既成概念を否定するダダイストだし、奥さんと愛人と一緒に住んでいました。 池上 スターリンは銀行強盗をやったし、売春宿を経営してすごくもうけた。レーニンから「革命の資金集めのための売春宿経営はいいけど、そっちが本業じゃないからいいかげんにしておけ」とたしなめられたという話があります』、「レーニンがインテリで貴族だったように、考えてみればトランプ氏もエスタブリッシュメント側の人です。ところが何かの巡り合わせによって、虐げられた階級の代表者になっています。トランプ氏は常軌を逸したような人物ですが、歴史を振り返ると、こういうタイプにしか革命はできません。歴史を動かすのはいつも怪しげな人たちです」、なるほど。
・『ディープステートは日本を含めて実在する  佐藤 トランプ氏の発言を、もっと真面目に捉えなければいけないと思います。彼の言うディープステートは、日本を含めて実在します。近代的な国家システムは、選挙によって選ばれた政治家と、資格試験によって登用された官僚で成り立っています。しかし影の陰謀団ではないにせよ、正規の手続きを経ていないのに政治や経済政策の決定に関与する人たちがいます。日本で言えば、しばしば政府の諮問会議や有識者会議のメンバーになっていた、ヤマト運輸の故小倉昌男さんやJR東海の故葛西敬之さん。 池上 古くは、故中曽根康弘元首相のブレーンだった故瀬島龍三さんとか。 佐藤 さらに中高一貫校のつながりなど、表に一切出てこない事実上のブレーンもいます。彼らの主張が政策に採用されたら、誰がどう責任を取るのか。民主的統制を経ていないエスタブリッシュメントたちが国家意思を形成するのは、世界的な傾向ですが、そこには問題も孕んでいます。 われわれは今、時代の転換点にいます。革命家であるトランプ氏に対して忌避感を持つのは、旧世代のエスタブリッシュメントの感覚ではないでしょうか。 池上 4年後にトランプ氏の評価は一変しているかもしれませんね』、「日本」では、「政府の諮問会議や有識者会議のメンバーになっていた、ヤマト運輸の故小倉昌男さんやJR東海の故葛西敬之さん」など大勢いる。「民主的統制を経ていないエスタブリッシュメントたちが国家意思を形成する」のは確かに問題だ。「トランプ氏」の言動を巡って「日本」側の問題まで炙り出されたようだ。 
タグ:トランプ イスラエルに関しては、アメリカ国内にいるユダヤ人の献金と票がトランプ氏にとっては最重要課題であり、むしろイスラエルを強く支持する側に回るとされる。「アメリカ・ファースト」ではなく「トランプ・ファースト」が彼の政治的信条の根幹だ」、なるほど。 「前回の在任中は途中で諦めた感があるトランプ氏だが、ここで返り咲けば、前回以上に強権的な姿勢が目立つ政権になることは確実で、米軍を駐留させているNATOや韓国、日本に対しても、これまで以上の高い負担を求めてくることになるはずだ・・・多額の財政赤字を抱える日本にとっては、防衛費の大幅増強を求められるのは大きな負担になる。政府による財政支出に頼りすぎている日本経済にとっては、大きなブレーキになるはずだ・・・ 「ロシア」の「ソーシャルメディアを駆使して(大統領選挙に)介入」は、「特にドナルド・トランプに利益をもたらそうとしていたのは明白だ」、なるほど。 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつあり、「最近は「確トラ」と言われる状況にまで事態は進んでいる」、願わくば「確トラ」は勘弁してもらいたいものだ。 岩崎 博充氏による「トランプが大統領再選したときの「危険シナリオ」 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつある」 東洋経済オンライン (その51)(トランプが大統領再選したときの「危険シナリオ」 「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わりつつある、「有名大学から極左を追い出せ!」トランプ氏の主張に支持者が拍手喝采なワケ【佐藤優・池上彰対談】) ダイヤモンド・オンライン 「超ワンマン体質では、不測の事態に直面したときに、エビデンスに基づいた正しい選択ができない可能性がある。自分の周囲をイエスマンだけで固めようとする独裁者は、いずれ馬脚を現す。 そんな状況を覚悟のうえで、与えられた時間の中で、トランプ政権の返り咲きという、これまでにない途方もないリスクに対応する方法を考えるしかない」、その通りだろう。 「『トランプ公約集』要旨」の各項目はとんでもないものばかりだ。 「トランプ政権がとってきた政策や新たに公約として掲げているものをチェックすると次のようになり・・・・・・保護貿易政策・・・大幅な規制緩和・・・減税による個人消費の拡大・・・移民政策強化による賃金上昇・・・金融緩和政策への大幅転換」いずれも「その結果としてインフレの圧力が高まる」のは確かだ。 「佐藤 米国の大学はもうけ過ぎですから、無税はおかしい。また、連邦政府の無駄な支出を削減し、減税という形で国民に還元するというので皆、拍手喝采です・・・佐藤 ローティーンの子どもたちに性自認の判断を迫ったり、性転換の手術を認めたりしていいのか、という議論もあります。トランプ氏の主張は粗野ですが、それなりに説得力があるんです。 だからディープステートを支えている連中は大統領令で皆、首にする。米国の公務員において政権運営を担う3000人から4000人程度は大統領による政治任用ですが、それ以外は公務員試験に受かって入ってきた人たちです。彼らについても、能力ではなく忠誠心を確かめ、自分の言うことを聞かないやつはすぐに首にできる仕組みを作るというのです」、「政治任用」以外の人間も「能力ではなく忠誠心を確かめ、自分の言うことを聞かないやつはすぐに首にできる仕組みを作る」、これは画期的だ。 「「アジェンダ47」という公約を発表・・・「ディープステート・・・」を解体する。トランプ氏は前回、大統領になれば何でも好きにできるだろうと思っていたのに、さまざまな良識派に抵抗されて思い通りにならなかった。「これは闇の政府が牛耳っているからだ」と考えたわけです。 池上 彰氏の対談「有名大学から極左を追い出せ!」トランプ氏の主張に支持者が拍手喝采なワケ【佐藤優・池上彰対談】」 佐藤 優氏 池上 なるほど、トランプ現象とはトランプ革命ですか。優雅に暮らしていた帝政ロシアの貴族たちには教養があったのに、農民や工場労働者、下っ端の兵隊たちで構成されるボルシェビキによって、ひっくり返されました」、確かに主張にもまともな部分もあるようだ。 「佐藤 米国社会では過去40年で格差が急激に広がっていて、その上医療費は恐ろしいほど高額。「金がないやつは病気になったら死ね」というのが、今の米国です。こんな社会にしたエスタブリッシュメントには責任がある。それを乱暴な言葉で訴えているのが、トランプ氏じゃないでしょうか・・・トランプ氏はレーニンに似ている。陰謀論的な発言は別として、なぜトランプ氏が支持されるのかを考えると、合理性があると思えるんです。 つまり、ポリティカルコレクトネスを掲げて口に出してはいけないとされている問題が、本当にタブーなんだろうかとトランプ氏は問い掛けている」、もっともな部分もあるようだ。 「レーニンがインテリで貴族だったように、考えてみればトランプ氏もエスタブリッシュメント側の人です。ところが何かの巡り合わせによって、虐げられた階級の代表者になっています。トランプ氏は常軌を逸したような人物ですが、歴史を振り返ると、こういうタイプにしか革命はできません。歴史を動かすのはいつも怪しげな人たちです」、なるほど。 べきだ。 「ひと昔前の米国だったら、自分たちが戦いました。自由社会を守るためにベトナムへ行き、テロと戦うためにアフガニスタンへ行きました。最近の米国には狡さと嘘があるでしょう。トランプ氏は、そこも巧みについていると思います・・・台湾人が民主主義を守るために、中国人と戦う。気をつけないといけないのは、憲法9条を改正して日本が参戦できるようになれば、「武器と金は提供するから戦ってこい」と言われるかもしれないことです。米国的な価値観を守るために、日本が中国と戦うことになりかねません」、台湾がらみでは、日本は注意深く行動す 「日本」では、「政府の諮問会議や有識者会議のメンバーになっていた、ヤマト運輸の故小倉昌男さんやJR東海の故葛西敬之さん」など大勢いる。「民主的統制を経ていないエスタブリッシュメントたちが国家意思を形成する」のは確かに問題だ。「トランプ氏」の言動を巡って「日本」側の問題まで炙り出されたようだ。
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