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発達障害(その4)(ベゾスやマスクが社会性は低いのに成功した理由 注目の発達障害「グレーゾーン」、「ADHDは薬が効くのに見逃されている」発達障害治療の第一人者が訴える大問題、「本当の天才」は東大理三に面接で落ちる…ホリエモン×和田秀樹が日本の教育を斬る!)

発達障害については、昨年4月17日に取上げた。今日は、(その4)(ベゾスやマスクが社会性は低いのに成功した理由 注目の発達障害「グレーゾーン」、「ADHDは薬が効くのに見逃されている」発達障害治療の第一人者が訴える大問題、「本当の天才」は東大理三に面接で落ちる…ホリエモン×和田秀樹が日本の教育を斬る!)である。

先ずは、本年2月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医・作家・医学博士の岡田尊司氏による「ベゾスやマスクが社会性は低いのに成功した理由、注目の発達障害「グレーゾーン」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/317753
・『発達障害という言葉が広く知られるようになり、自分もそうかもしれないと医療機関を訪れる人が増えている。そんな中で急増しているのが、徴候はあっても診断はおりない「グレーゾーン」。障害未満でありながら、ときに障害を抱えた人より深刻な困難になりやすいとされるが、時代の寵児であるジェフ・ベゾスやイーロン・マスクにもその気があったといわれる。彼らの抱えていた生きづらさについて、岡田尊司『発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』より一部抜粋・編集し紹介する。 ▽ものごとを図式化し分析する“知覚統合”が強い人たち(世のなかには、知覚統合が突出して強いタイプの人がいる。 知覚統合は、ものごとを図式化し分析する能力や、状況を判断し、変化や未来を予測し、損害を避け、有利な選択をする能力でもあり、また、ものごとを客観的に達観して、冷静な判断をする能力にも通じている。数学や物理の能力のベースにある能力だが、哲学者や文学者にも、意外に優れた知覚統合が推測される人もいる。 イギリスの作家で、『息子と恋人』などの傑作を遺したD・H・ロレンスは、貧しい労働者階級の出身だったため、奨学金をもらってハイスクールに進んだが、彼がそこで優秀賞をとったのは、国語(英語)ではなく数学だった。ロレンスの文章は、細密な絵画のような自然描写でも卓越していたが、その優れた描写力は、彼のイメージする力と無縁ではないだろう。 作家の安部公房は、中学高校時代、数学が得意科目で、ドストエフスキーを愛読するとともに、高木貞治の『解析概論』を読み耽っていたという。安部は、フッサールの現象学にも傾倒し、彼の文学の手法の根底には現象学の考え方があった。東大医学部に進むも、医者にならず、文学者の道を選んだのは、彼の関心が、生身の人間よりも、もっと抽象的な概念やその土台にある構造にあったからだろうか。 もっとも、数学が苦手な文学者や作家のほうが、もっとたくさんいるのは言うまでもない。 優れた知覚統合は、客観化や図式化の能力によって、複雑な現実の状況を前にしても、冷静に最適解を導き出し、賢く対処することを助ける。 ただ、知覚統合が優れている人も、いいことばかりというわけにはいかない。知覚統合が高い人は、客観視の力によって、些細なことや感情的なことで悩まない傾向はあるのだが、何ごとも行きすぎると弊害が生じる。 客観視ばかりで、共感やコミットメント(関与)が不足して、いかにも他人ごとという冷ややかな態度が見え見えだったり、分析して説明してくれるものの、自分のことは自分でやってという突き放した姿勢で、優しさが欠けていたりするのだ。 知覚統合は、パターンや規則性を見つけ出して推理したり、新しいものを構成したりする能力にかかわる。地図を読むといったことも、単に視覚的な認知の能力というよりは、視覚情報が表している意味を読みとる能力だと言える。) さらには、ものごとの根底にある構造を見抜き、その構造から世界を理解し、目の前の見えない現象を推測することを可能にする。つまり、現象をその根底にあるシステムから理解する能力だとも言える。 自閉症研究の世界的な第一人者の一人であるバロン=コーエンは、人間の脳には、共感(empathy)を得意とするEタイプと、システム(system)思考を得意とするSタイプがあり、自閉症は極端なSタイプで、共感が極度に苦手であると考えた。 コーエンによると、ルールや同一性へのこだわりも、システムで考えるのを好み、同じ規則を求めようとするためだということになる。 システム思考を好み、ものごとを一つのルールや法則で理解したがる傾向は、グレーゾーンから健常レベルの人に至るまで、Sタイプに属する人たちの重要な特徴と言えるだろう』、「人間の脳には、共感(empathy)を得意とするEタイプと、システム(system)思考を得意とするSタイプがあり、自閉症は極端なSタイプで、共感が極度に苦手であると考えた・・・システム思考を好み、ものごとを一つのルールや法則で理解したがる傾向は、グレーゾーンから健常レベルの人に至るまで、Sタイプに属する人たちの重要な特徴と言えるだろう」、なるほど。
・『Sタイプのジェフ・ベゾスが祖母を泣かせた言葉  アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは、いまや世界一のビリオネアだが、その生い立ちは、波乱に富んだものだった。 じつの父親はサーカスの団員で、一輪車乗りを得意技としていた。高校時代の後輩で、まだ16歳だった女性とつき合う仲になり、妊娠して生まれたのがベゾスだった。 しかし、父親の仕事は不安定で、二人とも家庭をもつには若すぎたと言える。結局、2年で離婚し、母親は別の男性と再婚。ジェフはその男性の養子として育てられることになる。養父となった男性はキューバからの政治難民だったが、奨学金とアルバイトで大学も出て、大手の石油会社に勤めはじめていた。一方、じつの父親との連絡はその後途絶えてしまう。 何かに熱中するとほかのことが目に入らなくなる傾向は、幼稚園児だったころから顕著だったようだ。 公園の池に浮かんだ足こぎのボートに乗ったときも、ほかの子は母親に手を振っていたのに、ベゾスは、ボートが動く仕組みを知ろうと、そちらに夢中で、母親のほうなど一顧だにしなかった。何かをやり出すと、やめさせて次のことに切り換えさせるのが至難の業で、仕方なく幼稚園の先生は、椅子ごと彼を移動させていたという。 そんな彼は、宇宙飛行士と発明家になることを夢見るメカ好きの少年に育っていく。 ジェフ少年は、あるとき祖母を泣かせてしまったことがあった。喫煙による死亡率の上昇に警鐘を鳴らす公共広告を見ていたジェフは、自分で計算して、喫煙している祖母の寿命が9年短くなるという答えを導き出し、それを祖母に告げたのだ。祖母は泣き出したが、無理もなかった。祖母は肺ガンにかかってもう何年も闘病中だったのだ。) 彼の計算結果は正しかったかもしれないが、それが祖母を傷つけることには、彼は無頓着だった。ジェフ少年の悪意のない失言に対して、祖父は孫を優しくたしなめたという。「ジェフ。賢くあるよりも優しくあるほうが難しいと、いつかわかる日が来るよ」と。 高校では科学部とチェス部に籍を置き、さまざまな賞を獲得した。負けず嫌いなベゾスは、卒業生総代になるために首席の成績を修めると公言していたが、その通り実行した。プリンストン大学に進むと、電気工学とコンピュータサイエンスで学位を取得。そして、彼が卒業後に就職先として選んだのは、株式投資の世界だった。数学とコンピュータを駆使する金融工学の手法でウォールストリートを席巻する先駆けとなった投資会社で、ベゾスは頭角を現していく。 こうしたベゾスの経歴には、彼のシステムへのこだわりと嗜好が感じられる。プログラムに従って、コンピュータが自動的に取引を行っていく手法は、情緒的な関与を一切排して、定められたルールに従って淡々と取引を行うというものだった。 ベゾスのある部下は、彼の思考や行動が、極めて論理的で、「どのようなことでも体系的に(システマティックに)対処する」という特徴があることを指摘している。ベゾスは女性との出会いにさえ、「ウーマンフロー」(投資案件と出会う機会を表すディールフローに対して、女性との出会いの機会をそう呼んだ)を増やすという方法を実践していたという。 こうしたエピソードからも、システムでものごとを考え、制御しようとするSタイプの思考がはっきり見てとれると言えるだろう』、「何かに熱中するとほかのことが目に入らなくなる傾向は、幼稚園児だったころから顕著だったようだ。 公園の池に浮かんだ足こぎのボートに乗ったときも、ほかの子は母親に手を振っていたのに、ベゾスは、ボートが動く仕組みを知ろうと、そちらに夢中で、母親のほうなど一顧だにしなかった・・・ベゾスは女性との出会いにさえ、「ウーマンフロー」(投資案件と出会う機会を表すディールフローに対して、女性との出会いの機会をそう呼んだ)を増やすという方法を実践していたという」、なるほど。
・『1日10時間読書に没頭したイーロン・マスクの幼少期  ベゾスと並んで、驚異的な成功を成し遂げてきた時代の寵児に、イーロン・マスクがいる。電気自動車で世界をリードするテスラ社のみならず、夢物語と思われていた民間での宇宙事業に突破口を開いたスペースX社を創立し、一大企業に育て上げた型破りの人物だ。 歴史に匹敵する人物を探すとすれば、アレクサンダー大王やチンギス・ハンをもち出すしかないかもしれない。2人の英雄の事業は、軍事的な征服によるものだったが、マスクは、科学技術と経営力によって、誰も成し得なかったような事業を成し遂げようとしている。こうした偉業を可能にしたのは、いかなる情熱と能力だったのだろうか。 イーロン・マスクは南アフリカ共和国の首都プレトリアで生まれた。父親は電気や機械のエンジニア、母親は栄養士だったが、学校時代には理科や数学が得意な、いわゆるリケジョだった。両親ともに理系の能力に恵まれていたということになる。) 少年イーロンは、好奇心旺盛で、活発な子だったが、ときどき自分の世界に入ると、呼びかけてもまったく反応がなくなることがあった。両親は心配して、耳鼻科の医者に診てもらったこともあるが、別に聴力に異常は見つからなかった。 こうしたエピソードは、自閉的な傾向をもつ子どもで、ときに見られるものである。内的世界に没入し、自分の考えに過集中するため、外界からの声や物音がまったく耳に入らなくなってしまうのだ。外からはうかがい知れないことだったが、イーロンのなかでは、その後の彼の能力の源となるようなことが起きていた。イーロンはインタビューに答えてこう述べている。 「5~6歳のころ、外界と断絶して一つのことに全神経を集中させる術を身につけた」 「脳のなかには普通ならば、目から入ってきた視覚情報の処理にしか使われない部分があるが、その部分が思考プロセスに使われるような感じかな。とにかく、視覚情報を処理する機能の大部分がものごとを思考する過程に使われていた。いまはいろいろなことに注意を払わなければならない身なので、以前ほどではなくなったが、子ども時代は頻繁にハマっていた」 視覚情報を処理する脳の領域で思考すること、それは、まさしく視覚統合の働きにほかならない。イーロン少年は白昼夢に耽りながら、視覚統合の能力をフル活用するようになっていたのだ。視覚統合は、現実にはないものをイメージし、思考を展開する能力でもある。イーロンはこうも述べている。 「イメージとか数字の場合は、相互の関係や数学的な関連性を把握・処理できる。加速度とか運動量とか運動エネルギーなんかが物体にどういう影響を与えるのか、鮮明に浮かんでくるんだ」 彼はイメージによって思考する技を、子どものころから身につけていた。 そんなイーロンは、ただ空想に耽っているだけではなかった。彼が子どものころから熱中したもう一つのことは、読書だった。いつも片手に本をもっていたという。 弟の証言によると、1日10時間読書に没頭することも珍しくなかったし、週末には必ず2冊の本を1日で読破していたという。学校の図書館の本を読み尽くして、読むものがなくなったため、ブリタニカ百科事典を読み耽った。小学生の間に、2つのシリーズの百科事典を読破していたイーロンは、「歩く百科事典」と言われるほどのもの知り少年になっていた。) 一方、イーロン少年にも苦手なことがあった。それは社会性の面と運動だった。 イーロン少年は相手がどう思うかよりも、正しいかどうかを優先するところがあり、間違っていることを指摘せずにはいられなかったのだ。そのため、相手をいらだたせ、鬱陶しがられることも多かった。 友だちはおらず、いつもひとりぼっちだった。弟でさえ、兄と遊ぼうとしなかった。「お兄ちゃんと遊ぶの楽しくないんだもん」というわけだ。何年もいじめを受けたのも、そうした特性が関係していたのだろうか。  さらにイーロン少年を孤独にしたのは、両親の関係が悪化し、やがて離婚してしまったことだ。イーロンは最初母親と暮らしたが、そのとき、仕事で忙しい母親の代わりにイーロンの面倒を見てくれたのは祖母だった。学校の送り迎えも、ゲームの相手も祖母が務めたのだ。 数年後、父親と暮らすことを選ぶことになる。しかし、父親も相当な変わり者だったらしく、イーロンが期待したような愛情や優しさが与えられることはあまりなかった。 イーロンはやがて南アフリカを捨てて、アメリカを目指すが、父親と暮らしたころのことを振り返って、こう述べている。 「いいことがまったくなかったわけではないが、幸せではなかった。惨めというのかな。父は、人の人生を惨めにする特技の持ち主。それは確か。どんないい状況でも、ダメにしてしまう」 高い知覚統合の能力をもってしても、父親から受けた愛情のない仕打ちを乗り越えることは、イーロン・マスクにとっても容易ではなかったということだろうか。 しかし、その満たされない思いを、宇宙に対する野心へと昇華させたマスクは、大事業を着々と進めていくのである』、「1日10時間読書に没頭することも珍しくなかったし、週末には必ず2冊の本を1日で読破していたという。学校の図書館の本を読み尽くして、読むものがなくなったため、ブリタニカ百科事典を読み耽った。小学生の間に、2つのシリーズの百科事典を読破していたイーロンは、「歩く百科事典」と言われるほどのもの知り少年になっていた」、「2つのシリーズの百科事典を読破とは凄い。「イーロン少年は白昼夢に耽りながら、視覚統合の能力をフル活用するようになっていたのだ。視覚統合は、現実にはないものをイメージし、思考を展開する能力でもある。イーロンはこうも述べている。 「イメージとか数字の場合は、相互の関係や数学的な関連性を把握・処理できる。加速度とか運動量とか運動エネルギーなんかが物体にどういう影響を与えるのか、鮮明に浮かんでくるんだ・・・父親から受けた愛情のない仕打ちを乗り越えることは、イーロン・マスクにとっても容易ではなかったということだろうか。 しかし、その満たされない思いを、宇宙に対する野心へと昇華させたマスクは、大事業を着々と進めていくのである」、なるほど。

次に、3月4日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した昭和大学医学部精神医学講座主任教授、同大学烏山病院院長の岩波 明氏へのインタビュー「「ADHDは薬が効くのに見逃されている」発達障害治療の第一人者が訴える大問題」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/317899
・『ここ10数年ですっかり世に浸透した「発達障害」。しかし第一人者によれば、未だに適切な診断・治療が行われているとは言い難く「権威でも誤診するケースは多い」という。特集『選ばれるクスリ』(全36回)の#12では、昭和大学烏山病院の岩波明院長が、日本における発達障害治療の大問題を説く』、興味深そうだ。
・『ADHDで薬物治療が施されない裏に自閉症スぺクトラム障害との誤診  われわれ精神科領域では、臨床試験で有効性が認められている薬でも、いざ現場で患者さんに処方してみると効果がないケースが少なくありません。 例えばうつ病の場合、外来の患者さんで抗うつ剤が著効するケースは残念ながらその3~4割というのが、現場の精神科医の実感です。一方で、ADHD(注意欠如多動性障害)は、薬物療法が最も奏功する疾患の一つです。 しかし、誤診によって適切な投薬がされていないケースが数多く見られ、最も多いのは同じ発達障害の一種で、アスペルガー症候群などを含む「ASD(自閉症スぺクトラム障害)」と誤診されているケースです。』、「同じ発達障害の一種で、アスペルガー症候群などを含む「ASD(自閉症スぺクトラム障害)」と誤診されているケース」、それでは「適切な投薬がされていないケースが数多く見られ」るのは当然だ。
・『児童精神医療のメインは重度自閉症だった だからASDと結び付けがちになる  ASDには、抗不安薬や抗うつ剤を対症療法として使うことはありますが、対人関係の障害などの中核症状に有効な薬はありません。 当院の発達障害外来には、他の病院でASDと診断された方も多く来られますが、およそ3分の2は他の疾患です。その中にはADHDも多く見られますが、ASDと診断されていたということは、これまで必要な薬物治療は受けてこなかったことを意味します。 確かにADHDとASDには、横断面では、ミスや忘れ物が多い、衝動的で対人関係がうまくいかないなどの共通点があり(下図参照)、見分けるのは難しいのですが、実は“大家”といわれる医師でも、ADHDをASDと誤診してしまうケースが多々存在しています。 なぜ権威も間違うのか。これは、児童精神医療の分野が伝統として重度の自閉症をメインに扱ってきた歴史的背景から、診断にバイアスが生じ、発達障害に関連する症状があれば真っ先にASDを考える傾向があるためです。 特に、対人関係に問題が見られるとASDと結び付けられがちなのですが、学校で孤立して不登校になり、一見ASDのように見える子供が、ADHDの薬物治療を行うと見違えるように復活して、進学校や名門大学に合格するケースも複数見てきました。 だからこそ薬が効かない症例の多い精神科領域で、ADHDをしっかり診断して適切な投薬に導くことが極めて重要なのです。 現状の小児に対するガイドライン(『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』)の記載も問題です』、「確かにADHDとASDには、横断面では、ミスや忘れ物が多い、衝動的で対人関係がうまくいかないなどの共通点があり・・・、見分けるのは難しいのですが、実は“大家”といわれる医師でも、ADHDをASDと誤診してしまうケースが多々存在しています。 なぜ権威も間違うのか。これは、児童精神医療の分野が伝統として重度の自閉症をメインに扱ってきた歴史的背景から、診断にバイアスが生じ、発達障害に関連する症状があれば真っ先にASDを考える傾向があるためです」、「現状の小児に対するガイドライン(『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』)の記載も問題です」、どういうことなのだろう。
・『成人は薬物治療の必要性が高い 「ビバンセ」は成人に適応拡大を  ガイドラインでは「ADHDの治療・支援は環境調整に始まる多様な心理社会的治療から開始すべきであり、薬物療法ありきの治療姿勢を推奨しない」とされていますが、小児においても投薬は重要な治療法であり、成人であれば、なおさら薬物治療の必要性は高いものです。 「環境調整」といっても、成人の場合、職場や家庭など周囲の環境を変えることは極めて難しいのが現実ですから、薬に抵抗感が強くない限り、多くの場合、成人のADHDには薬物治療をお勧めしています。 個人的には、本邦で保険適用されているADHD治療薬4剤のうち、6歳以上18歳未満への処方に限られている「ビバンセ」(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)の適応を成人に拡大することが必要であると考えています。 覚醒剤に似た構造を持つため、厚生労働省が適応の拡大に後ろ向きのようですが、ビバンセは欧米では成人に対しても第一選択薬になっています。 日本で最も多く使われている「コンサータ」(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)より有効性が高いという報告も見られ、成人にも適応が拡大されれば、コンサータが効かない患者さんにとっては貴重な治療の選択肢になるでしょう。(談)』、「覚醒剤に似た構造を持つため、厚生労働省が適応の拡大に後ろ向きのようですが、ビバンセは欧米では成人に対しても第一選択薬になっています」、「厚生労働省」の余りに保守的な姿勢には驚かされる。

第三に、4月2日付け現代ビジネスが掲載した堀江 貴文氏と 和田 秀樹氏の対談「「本当の天才」は東大理三に面接で落ちる…ホリエモン×和田秀樹が日本の教育を斬る!」を紹介しよう。
・『経営者と医者──それぞれの視点から「医療と健康」について分析した書籍が話題を呼んでいる。堀江貴文の『不老不死の研究』と、2022年に最も売れた本となった和田秀樹の『80歳の壁』、そして今年1月に発売し、たちまち10万部を突破した『ぼけの壁』だ。 今回、「堀江貴文 ホリエモン」チャンネルにて、堀江氏と和田氏の特別対談が実現した。その模様を、一部編集のうえお届けする(第一回)。
https://gendai.media/articles/-/108096?imp=0
・『学校に行かなくても、自習でいい  堀江 僕は基本的に学校教育って、いまの時代には全く不適合だと思っているんですね。和田さん、小学校とか行きました? 和田 あ、僕ね、小学校は6回転校しているんです。 堀江 (笑) 和田 もともとADHDの気がすごく強くて「立ち歩き」したから、親がすごく心配して。授業を座って聞いていられない生徒でした。いまだったら、まず間違いなしにADHDで「特別支援学級にいきなさい」みたいになっていたかもしれないですけど。 堀江 でもね、別に学校行かなくても、学力という意味で言ったら自習でいいわけじゃないですか。自習をして、それこそメンター的な人に会えるようにしておけば、それでいい。 東大の先端科学技術研究センターには、変な奴らを集めたクラスみたいなのがあって。メンターとかにたまに会えて、「こういうことやったらいいよ」って言われるだけで「あとは学校なんか行かないよ」みたいな人たちがいるそうです。 俺はそういう人って、結構な人数いると思うんですよ。そういう人をのびのびと伸ばすだけでも全然違う。いまなんて学校に行ったら「給食の時にマスクして黙って食いなさい」みたいな感じですから。耐えられないと思うんですよね。 和田 いまの学校のシステムは、僕もおかしいと思う。僕なんか特に「発達障害」で、みんなと一緒にしてられない人たちだから。 堀江 僕はそれ、障害じゃないと思うんですけどね』、「和田 もともとADHDの気がすごく強くて「立ち歩き」したから、親がすごく心配して。授業を座って聞いていられない生徒でした。いまだったら、まず間違いなしにADHDで「特別支援学級にいきなさい」みたいになっていたかもしれないですけど」、「和田氏」が「ADHD」だとは初めて知った。「堀江 東大の先端科学技術研究センターには、変な奴らを集めたクラスみたいなのがあって。メンターとかにたまに会えて、「こういうことやったらいいよ」って言われるだけで「あとは学校なんか行かないよ」みたいな人たちがいるそうです。 俺はそういう人って、結構な人数いると思うんですよ」、なるほど。
・『「共感脳」と「システム化脳」  和田 おっしゃる通りですよ。名前は発達障害だけど、いまの考え方だとそれを「ダイバーシティ」だって言ってるわけだから。 人間の脳には「2つの脳」のパターンがあるとされています。1つが「共感脳」っていって、他人とうまくコミュニケーションをとったり、合わせたり、人の気持ちがわかるの。もう1つが「システム化脳」っていって、何かあったときに「システムがどんな風な仕組みになっているのか」ばかり興味を持ってしまう脳。 「共感脳」が全然ダメで、「システム化脳」がすごい人たちが自閉症になるらしいのね。でも、そういう人たちの方が天才として活躍する。両方の脳を持っている人もごく稀にいるんだけども、多くの人は「共感脳」で、言ってみれば日本的、文系的な人たちです。でも、「共感脳」ばかりが世の中を牛耳っているのはマズいんじゃないのって思うんです。 堀江 「共感脳」の人たちが(システム化脳の人のことを)わからないだけだと思うんですよ。だって、見た目は一緒じゃないですか。見た目が一緒だから、そんな考えになるってことが、まったく想定されていない。 和田 おっしゃる通りで、「共感脳」の人たちというのは、世の中の暗黙のルールみたいなものにわりと素直に順応できちゃう。「システム化脳」のとんがった考え方っていうか、「世の中にはこんな風な仕組みがあるはずだ」とか、「この考え方はおかしい」とかって思っている人のことを、わからないんだと思うんだけど』、「人間の脳には「2つの脳」のパターンがあるとされています。1つが「共感脳」っていって、他人とうまくコミュニケーションをとったり、合わせたり、人の気持ちがわかるの。もう1つが「システム化脳」っていって、何かあったときに「システムがどんな風な仕組みになっているのか」ばかり興味を持ってしまう脳」、第一の記事での「イーロン・マスク氏」は「システム化脳」が大きく進化しているのだろう。
・『「頭が固い医者」が生まれる理由  和田 だけど例えば全国に82の国公立の医学部があってね、医学部の中で「入試面接」をやらない学校がなくなっちゃったんですよ。そうすると医者でも、「共感脳」の人たちがすごい多くなるんですね。彼らはこれが正しいと決めたら「血圧下げろ」だの、「塩分摂るな」だの、何でもかんでも決めてかかってくる。 堀江 じゃあ、「システム化脳」の人たちどこに行ってるんですか? 和田 僕がYouTubeで見た限りでは、東大の理3の面接で落とされた子は、慶應に受かったって言っていましたね。 堀江 東大理3に面接で落とされるって結構辛いですね。 和田 辛いでしょう。(試験は)合格者の最低点の20点ぐらい上だったって、その子が言ってたけど。 堀江 それ超ヤバいっすね。 第二回『堀江貴文×和田秀樹が語る「情報との正しいつきあい方」…なぜ日本人は“まともじゃない医者”を信じるのか?』に続く…』、「医学部の中で「入試面接」をやらない学校がなくなっちゃったんですよ。そうすると医者でも、「共感脳」の人たちがすごい多くなるんですね・・・東大の理3の面接で落とされた子は、慶應に受かったって言っていましたね」、「慶應」がいながらにして上手い汁をすすったようだ。
タグ:堀江 貴文氏と 和田 秀樹氏の対談「「本当の天才」は東大理三に面接で落ちる…ホリエモン×和田秀樹が日本の教育を斬る!」 現代ビジネス 「覚醒剤に似た構造を持つため、厚生労働省が適応の拡大に後ろ向きのようですが、ビバンセは欧米では成人に対しても第一選択薬になっています」、「厚生労働省」の余りに保守的な姿勢には驚かされる。 「現状の小児に対するガイドライン(『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』)の記載も問題です」、どういうことなのだろう。 「確かにADHDとASDには、横断面では、ミスや忘れ物が多い、衝動的で対人関係がうまくいかないなどの共通点があり・・・、見分けるのは難しいのですが、実は“大家”といわれる医師でも、ADHDをASDと誤診してしまうケースが多々存在しています。 なぜ権威も間違うのか。これは、児童精神医療の分野が伝統として重度の自閉症をメインに扱ってきた歴史的背景から、診断にバイアスが生じ、発達障害に関連する症状があれば真っ先にASDを考える傾向があるためです」、 「堀江 東大の先端科学技術研究センターには、変な奴らを集めたクラスみたいなのがあって。メンターとかにたまに会えて、「こういうことやったらいいよ」って言われるだけで「あとは学校なんか行かないよ」みたいな人たちがいるそうです。 俺はそういう人って、結構な人数いると思うんですよ」、なるほど。 「医学部の中で「入試面接」をやらない学校がなくなっちゃったんですよ。そうすると医者でも、「共感脳」の人たちがすごい多くなるんですね・・・東大の理3の面接で落とされた子は、慶應に受かったって言っていましたね」、「慶應」がいながらにして上手い汁をすすったようだ。 「同じ発達障害の一種で、アスペルガー症候群などを含む「ASD(自閉症スぺクトラム障害)」と誤診されているケース」、それでは「適切な投薬がされていないケースが数多く見られ」るのは当然だ。 「和田 もともとADHDの気がすごく強くて「立ち歩き」したから、親がすごく心配して。授業を座って聞いていられない生徒でした。いまだったら、まず間違いなしにADHDで「特別支援学級にいきなさい」みたいになっていたかもしれないですけど」、「和田氏」が「ADHD」だとは初めて知った。 岩波 明氏へのインタビュー「「ADHDは薬が効くのに見逃されている」発達障害治療の第一人者が訴える大問題」 宙に対する野心へと昇華させたマスクは、大事業を着々と進めていくのである」、なるほど。 (その4)(ベゾスやマスクが社会性は低いのに成功した理由 注目の発達障害「グレーゾーン」、「ADHDは薬が効くのに見逃されている」発達障害治療の第一人者が訴える大問題、「本当の天才」は東大理三に面接で落ちる…ホリエモン×和田秀樹が日本の教育を斬る!) 発達障害 「イーロン少年は白昼夢に耽りながら、視覚統合の能力をフル活用するようになっていたのだ。視覚統合は、現実にはないものをイメージし、思考を展開する能力でもある。イーロンはこうも述べている。 「イメージとか数字の場合は、相互の関係や数学的な関連性を把握・処理できる。加速度とか運動量とか運動エネルギーなんかが物体にどういう影響を与えるのか、鮮明に浮かんでくるんだ・・・父親から受けた愛情のない仕打ちを乗り越えることは、イーロン・マスクにとっても容易ではなかったということだろうか。 しかし、その満たされない思いを、宇 「人間の脳には「2つの脳」のパターンがあるとされています。1つが「共感脳」っていって、他人とうまくコミュニケーションをとったり、合わせたり、人の気持ちがわかるの。もう1つが「システム化脳」っていって、何かあったときに「システムがどんな風な仕組みになっているのか」ばかり興味を持ってしまう脳」、第一の記事での「イーロン・マスク氏」は「システム化脳」が大きく進化しているのだろう。 「1日10時間読書に没頭することも珍しくなかったし、週末には必ず2冊の本を1日で読破していたという。学校の図書館の本を読み尽くして、読むものがなくなったため、ブリタニカ百科事典を読み耽った。小学生の間に、2つのシリーズの百科事典を読破していたイーロンは、「歩く百科事典」と言われるほどのもの知り少年になっていた」、「2つのシリーズの百科事典を読破とは凄い。 「何かに熱中するとほかのことが目に入らなくなる傾向は、幼稚園児だったころから顕著だったようだ。 公園の池に浮かんだ足こぎのボートに乗ったときも、ほかの子は母親に手を振っていたのに、ベゾスは、ボートが動く仕組みを知ろうと、そちらに夢中で、母親のほうなど一顧だにしなかった・・・ベゾスは女性との出会いにさえ、「ウーマンフロー」(投資案件と出会う機会を表すディールフローに対して、女性との出会いの機会をそう呼んだ)を増やすという方法を実践していたという」、なるほど。 「人間の脳には、共感(empathy)を得意とするEタイプと、システム(system)思考を得意とするSタイプがあり、自閉症は極端なSタイプで、共感が極度に苦手であると考えた・・・システム思考を好み、ものごとを一つのルールや法則で理解したがる傾向は、グレーゾーンから健常レベルの人に至るまで、Sタイプに属する人たちの重要な特徴と言えるだろう」、なるほど。 岡田尊司氏による「ベゾスやマスクが社会性は低いのに成功した理由、注目の発達障害「グレーゾーン」」 ダイヤモンド・オンライン
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