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ハラスメント(その24)(イギリスBBCの続報「ジャニーズ解体のその後」で東山社長を取材した記者が“失望と苛立ち”を示した理由 「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」#1、「いなば食品祭り」明日は我が身?社員のリークが止まらない“ダダ漏れ企業”の教訓、岐阜県池田町セクハラ町長の超独善ぶり…15人の女性職員に6期20年以上“やりたい放題”) [社会]

ハラスメントについては、昨年12月4日に取上げた。今日は、(その24)(イギリスBBCの続報「ジャニーズ解体のその後」で東山社長を取材した記者が“失望と苛立ち”を示した理由 「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」#1、「いなば食品祭り」明日は我が身?社員のリークが止まらない“ダダ漏れ企業”の教訓、岐阜県池田町セクハラ町長の超独善ぶり…15人の女性職員に6期20年以上“やりたい放題”)である。

先ずは、本年4月8日付け文春オンライン「イギリスBBCの続報「ジャニーズ解体のその後」で東山社長を取材した記者が“失望と苛立ち”を示した理由 「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」#1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/70084
・『東山紀之氏が今年2月、BBCによる単独インタビューに応じ、その内容を中心に「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」がBBCニュースで日本時間3月30日に放送された。昨年のBBC番組「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」で取材に当たったモビーン・アザー記者らは、再び日本を訪れ、この1年で何が変わり、何が変わらなかったのかを取材。番組を見ると、日本のメディアとの違いが浮かび上がってきた。(執筆:ジャーナリスト・上智大学文学部新聞学科教授の水島宏明氏) 【単独取材】ジャニーズ解体のその後……SMILE-UP. 東山社長、BBCの多数の質問に答える
・『BBCにできることが、なぜ日本のメディアにはできないのか  2023年3月、ジャニー喜多川氏の性加害を告発するBBCのドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」がきっかけとなり、かつて“ジャニーズ帝国”とまで呼ばれた旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)が性加害の事実を認めて解体的出直しを迫られた。その火付け役として同番組で取材したモビーン・アザー記者が再び来日してジャニーズ事務所のその後を追ったドキュメンタリー「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」が放送された。 番組から伝わってきたのは根本的に変わろうとしない日本社会に対して、アザー記者が抱いた大きな失望と苛立ちだった。BBCの続編が強調していたのは、旧ジャニーズの事件は「child abuse(児童虐待)」の事件であり、被害者1000人近くが名乗りを上げている「日本の歴史上でも最悪の出来事」だという点だ。 それにもかかわらず、日本では旧ジャニーズ事務所もメディアも一般の国民も、その重大性を本当にはわかっていないのではないか。旧ジャニーズ事務所はメディアを誘導するような“論点ずらし”を仕掛けている可能性があり、それが児童虐待の被害者たちをますます追いつめ、SNSでの誹謗中傷を助長しているのではないか。そんな批判的な姿勢が強い続編だった。 日本史上最悪の子どもへの性虐待。まず被害者のケアこそ最優先にすべきなのに、旧ジャニーズ事務所は本気で取り組んでいるようには見えない。社長が交替しても根本的な姿勢はあまり変わっていない。そのことがBBCの続報で明らかになった。 しかもそれを許しているのは、問題を深く追及しない日本のメディアではないだろうか。旧ジャニーズ問題で散々指摘されて反省したはずのテレビなどによる「メディアの沈黙」。現在もけっして解消されていない現状が浮き彫りになった』、「日本史上最悪の子どもへの性虐待。まず被害者のケアこそ最優先にすべきなのに、旧ジャニーズ事務所は本気で取り組んでいるようには見えない。社長が交替しても根本的な姿勢はあまり変わっていない。そのことがBBCの続報で明らかになった。 しかもそれを許しているのは、問題を深く追及しない日本のメディアではないだろうか」、その通りだ。
・『アザー記者が注目したのは、他にも「加害者」がいたこと  昨年3月にBBCが放送して一連の報道のきっかけになったドキュメンタリー「J-POPの捕食者」。取材したアザー記者がジャニー喜多川氏による性加害にあった元ジャニーズJr.らにインタビューしているが、彼らが加害者であるジャニー氏をけっして悪く言おうとしないことから、アザー記者は、子どもの頃に性加害を受けた被害者がその事実を正当化してしまう「グルーミング」の影響下にあることを指摘した。 「グルーミング」とは、もともとは動物が仲間の毛をなめてつくろう「毛づくろい」を意味し、そこから派生して子どもに対する性虐待や性犯罪の文脈でも使われる専門用語だ。子どもたちを大人が手なずけることを意味する。 精神的な支配関係がある時に、子どもは大人からの性的な虐待要求に従順になりやすい。子どもに対する性暴力、性虐待、性犯罪などを理解しようとする時、「グルーミング」について、よく理解しておく必要がある。 昨年はメディアの前で頻繁に発言した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表だった平本淳也氏も「J-POPの捕食者」に登場していた。ジャニー氏の合宿所での行為などについて証言しつつも、自身については「僕、被害にも何にもあっていない。ただマッサージをされたレベルのほんの少しの延長」などとコメントをした。アザー記者は平本氏自身が「加害者への尊敬の念」を持ち、「グルーミング」の影響だと解説した。平本氏は昨年、様々なメディアへ登場した際、傷の深さについても発言してきた。健康状態の悪化を理由に、今年に入って代表を辞任している。 アザー記者は性的搾取や性的虐待について専門的に取材してきたジャーナリストとして、特に被害者側の心の傷を重視して追加取材している。注目したのが旧ジャニーズ事務所で経営トップのジャニー氏だけでなく、他にも「加害者」がいたことだ』、「精神的な支配関係がある時に、子どもは大人からの性的な虐待要求に従順になりやすい。子どもに対する性暴力、性虐待、性犯罪などを理解しようとする時、「グルーミング」について、よく理解しておく必要がある・・・「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表だった平本淳也氏も「J-POPの捕食者」に登場していた。ジャニー氏の合宿所での行為などについて証言しつつも、自身については「僕、被害にも何にもあっていない。ただマッサージをされたレベルのほんの少しの延長」などとコメントをした。アザー記者は平本氏自身が「加害者への尊敬の念」を持ち、「グルーミング」の影響だと解説した」、その通りだ。
・『ジャニー氏以外のスタッフ2人による性加害、積極的には動かない東山社長  アザー記者は元ジャニーズJr.でジャニー氏による性加害を受けたという二本樹顕理さんに取材し、ジャニー氏以外にも加害者たちがいたことを知る。それをインタビューで東山紀之社長にぶつけると、加害者が2人いた事実を認めたが、自ら警察に情報提供はしないという消極的な姿勢を示した。 アザー記者 少年を虐待した複数の人間がこの社内にいたと調査で明らかになったら、ただ常識としてその情報は警察に提供する必要がありませんか? 東山社長 法的なことを考えると、僕らには権限がないと思いますので、当事者の人たちが刑事告訴したら、僕らとしては全面的に協力する。 アザー記者 道義上、(警察に情報を提供するのが)正しいことではないですか。 東山社長 実際、僕も答えがわからないですね。どこの着地点が果たして正しいのか。被害に遭った人たちがどういうことを望んでいるのか……。 もっともらしい返答である。だがアザー記者が続けて質問した。 「被害に遭ったサバイバーの人たちに刑事事件としての立件を望むか、質問していますか?」 すると東山社長は、「いや、どなたなのかを理解していないです」と答えた。 会社トップとして組織内で絶対的な権力を握っていたジャニー喜多川氏が少年たちに対して日常的に性虐待を行っていたのであれば、部下が「自分たちも(少年たちに対して)同じことしても構わない」と考えることは起こりうる。トップの行為を知っていた社員が同様の行為をしていたとしたら、それは「モラルハザード(倫理観の欠如)」という組織の問題である。当然ながら会社のトップならば徹底的に究明する義務だとするのが当然と考える。 旧ジャニーズ事務所の性加害では、主な加害者であるジャニー氏はすでに亡くなっている。だが、社員として加害をした人物が存命ならば、警察に情報提供などを行うことは可能だといえる。それなのに東山社長は後ろ向きだった。旧ジャニーズ事務所を引き継いだ会社トップとして疑問が残った。 BBCの続報の後、日本のメディア各社がSMILE-UP.社に問い合わせ、加害者2名のうち1人は東山社長の元マネージャーだと判明した(すでに退社)。新聞もテレビもBBCによる東山社長インタビューを引用し、旧ジャニーズ事務所の性加害問題が久しぶりに報道された。 東山氏の元マネージャーらによる性加害はどのくらいの期間、いったい何人の未成年に対して行われていたのか。犯罪ともいえる案件であるにもかかわらず、事務所は自ら詳細について発表しようとせず、メディアも追及しようとしないため、真相は今も闇に葬られたままだ』、「東山社長 法的なことを考えると、僕らには権限がないと思いますので、当事者の人たちが刑事告訴したら、僕らとしては全面的に協力する。 アザー記者 道義上、(警察に情報を提供するのが)正しいことではないですか。 東山社長 実際、僕も答えがわからないですね。どこの着地点が果たして正しいのか。被害に遭った人たちがどういうことを望んでいるのか……」、驚くべき無責任ぶりだ。しかも、「加害者2名のうち1人は東山社長の元マネージャーだと判明した(すでに退社)」、これでは、共同正犯と見做すことも可能だろう。こんな「東山社長」をのさばらせてはいけない。厳しく糾弾すべきだ。

次に、4月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「いなば食品祭り」明日は我が身?社員のリークが止まらない“ダダ漏れ企業”の教訓」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342812
・『企業の不祥事、「社員のリーク」によって新たな展開へ  「CIAOちゅ〜る」で知られる、いなば食品の社内情報の“タダ漏れ”が止まらない。 今春入社予定だった新卒社員の9割が、社員寮として「ボロ家」をあてがわれるなど待遇の不満から内定辞退をした、という文春報道を皮切りに、同編集部への内部告発窓口「文春リークス」や、暴露系インフルエンサーとして知られる滝沢ガレソ氏のもとに、「現役社員」から続々とタレコミが寄せられているというのだ。 それらの一部は、順次公表されSNSで拡散されている。例えば、週刊文春がいなば食品の「女帝」と報じた稲葉優子会長に関しては、社員への嫌がらせをした時の音声や写真、さらには社員に掃除をさせるという自宅内を撮影した動画までが出回って、ちょっとした「祭り」になっている。 さて、こういうニュースを聞くと、企業の危機管理担当者は「我が社がこんなことになったらと想像するだけで恐ろしい」と暗い気持ちになるだろう。 無理もない。当初、いなば食品が批判されていたのは「新卒社員へのひどい扱い」というピンポイントな問題だった。しかし、現役社員たちが経営一族の横暴な振る舞いや、社内の「謎ルール」をメディアやインフルエンサーにリークしたことによって、「企業体質」へと問題が拡大してしまったのだ。 つまり、「社員のタレコミ」によって新しい燃料が続々と投下されていくことで、不祥事や不正がどうこうではなく、「反社会的企業」というイメージが定着して、全国民から叩かれるようになったのである。 その典型的なケースが、ビッグモーターだ。こちらも当初問題になったのは保険金の不正請求だったが、相次ぐ社員のタレコミで、ブラック企業体質や、前社長の息子の常軌を逸したパワハラへと注目がシフトして、主にそちらが叩かれるようになった。 つまり、令和の企業危機管理というのは、迅速に謝罪文を出すとか、社長の謝罪会見を開いてどうこうというレベルではなく、「社員のリーク」をどこまで抑えていくかということが、成否を分ける鍵となってきているのだ』、「令和の企業危機管理というのは、迅速に謝罪文を出すとか、社長の謝罪会見を開いてどうこうというレベルではなく、「社員のリーク」をどこまで抑えていくかということが、成否を分ける鍵となってきているのだ」、その通りだ。
・『「かん口令」を敷くのは逆効果のワケ  では、いなば食品やビッグモーターのように「社員のリークが止まらないダダ漏れ企業」にならないためにはどうすべきか。 まず、大前提として「かん口令を敷かない」ということがある。これまで筆者はいろいろな企業の危機管理を手伝ってきたが、「社員の言論封殺」や「内部情報を漏らした犯人捜し」などの対応がプラスに働いたのを見たことがない。 そういう社内の動きも、ほぼ間違いなく、メディアやネット・SNSに漏れる。そして、場合によってはバッシングを過熱させる。つまり、かん口令とは「我が社としては今回の問題に非常に神経を尖らせて、とにかく必死に握りつぶそうとしていますよ」と全世界に公表しているようなものなのだ。 だが、それよりもこの対応が逆効果なのは、かん口令によって「社員の中に強い反抗心が芽生える」ということがある。 昔、記者をしていた時、不祥事企業の社員からたびたび「内部告発」を受けた。彼らは「会社のため」「仲間のため」と義憤にかられてタレコミをすることがほとんどだが、そこで最後に背を押すのが「会社への不満」である。その中の具体的な例としてよく挙げられるのは、「社員には、かん口令をしいて、握りつぶそうとしている」ということだ。 つまり、何か問題が起きた時に、会社の上層部は「かん口令」を敷きたがるが、逆にそれは愛社精神のある社員たちの不満をふくらませているだけに過ぎない。むしろ、かん口令を重ねていけばいくほど、彼らの反抗心は強くなって「怒りの内部告発」へとつながっていくのだ。 この悪循環は、いなば食品を見ても明らかだ。滝沢ガレソ氏のもとに持ち込まれた内部のメールだという画像によれば、退職者がネットで同社の悪口を書いている可能性がある、ということを全従業員に対して報告し、「醜い行為」として釘をさしている。また、転職サイトに批判的な書き込みをした「在職者」がいるとして、「今ただ直ちに名乗り出れば情状酌量とする」と犯人捜しまでしている。 こういう画像がたくさん「流出」していることからもわかるように、かん口令に効果はない。むしろ、社員の反抗心を刺激して、後々は「攻撃材料」としてイジられるのがオチなのだ』、「何か問題が起きた時に、会社の上層部は「かん口令」を敷きたがるが、逆にそれは愛社精神のある社員たちの不満をふくらませているだけに過ぎない。むしろ、かん口令を重ねていけばいくほど、彼らの反抗心は強くなって「怒りの内部告発」へとつながっていくのだ。 この悪循環は、いなば食品を見ても明らかだ。滝沢ガレソ氏のもとに持ち込まれた内部のメールだという画像によれば、退職者がネットで同社の悪口を書いている可能性がある、ということを全従業員に対して報告し、「醜い行為」として釘をさしている。また、転職サイトに批判的な書き込みをした「在職者」がいるとして、「今ただ直ちに名乗り出れば情状酌量とする」と犯人捜しまでしている。 こういう画像がたくさん「流出」していることからもわかるように、かん口令に効果はない。むしろ、社員の反抗心を刺激して、後々は「攻撃材料」としてイジられるのがオチなのだ」、その通りだ。
・『ワケのわからない「謎ルール」のある会社に勤める社員が爆発  もちろん、問題は「かん口令」だけではない。これまで「社員のリークが止まらないダダ漏れ企業」を見てきた経験から言わせていただくと、ひとつのチェックポイントとして挙げられるのは「謎ルール」だ。 一般常識とかけ離れたワケのわからない謎の社内ルールが多い会社というのは、社員の内部リークが一度始まるとダムが決壊したように、タレコミが止まらないというパターンが非常に多い。 「社畜」などと揶揄される日本のビジネスマンですら、「謎ルール」は会社をやめたくなるほど強いストレスを感じるものだからだ。 ハラスメント対策研修などをおこなう、ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社が実施した「職場での謎ルールに関する調査」によれば、400名以上の企業に勤める非管理職社員319名の中で43.3%が「謎ルール」があると回答し、そのうちの74.6%がストレスを感じていたという結果がでた。さらに、この「謎ルール」のせいで約5割が退職を検討したことがあるというのだ。 こういうストレスフルな環境で働いている社員たちの不満が、自社の不祥事報道をきっかけに爆発したらどうなるだろうか。 ネットやSNSに会社の悪口を書き込むのは当たり前として、「文春リークス」や滝沢氏のようなインフルエンサーにタレコミをする者もいるはずだ。その中には、これまでストレスの原因だった「謎ルール」も含まれるというのは容易に想像できよう。 これは、いなば食品にもあてはまる。 滝沢氏へのタレコミによれば、同社には稲葉敦央社長が定めた500ページを超える社員規範がある。その中には、「有給休暇を取得する際には正当な理由を示せ」や「競合への転職禁止」などがあった。もしこれが事実ならば、労働基準法的にアウトなものもあるが、それ以上にネットやSNSで話題になったのが、以下のような「謎ルール」だ。 ・茶髪や金髪にしたら直ちに解雇 ・長髪は35歳まで ・安い焼き肉屋にはいかない(肉に亜硝酸ナトリウムが入っているので) ・カツ丼やハンバーガーの油は赤血球をベタベタにして酸欠にさせるので危険 ・不健康にならないため、ファストフードは楽しみ以外食べないこと この一覧を見て「まるで宗教」「カルトじゃないか」とドン引きをしている人も多いが、非上場の同族経営企業や、カリスマ的な社長が君臨をしているような企業ではこの手の「謎ルール」は珍しくない。 そして、そのような企業の多くが、いなば食品のように何かしらの問題が起きると、社員たちが「待ってました」と言わんばかりに、メディアやインフルエンサーへのタレコミを止められなくなる』、「非上場の同族経営企業や、カリスマ的な社長が君臨をしているような企業ではこの手の「謎ルール」は珍しくない。 そして、そのような企業の多くが、いなば食品のように何かしらの問題が起きると、社員たちが「待ってました」と言わんばかりに、メディアやインフルエンサーへのタレコミを止められなくなる」、なるほど。
・『傲慢な経営者が陥りがち、「自分の思想を受け入れるべき」  では、こういう“ダダ漏れ企業”にならないためにはどうすべきか。根本的なところを言わせていただくと、経営者が「社員ならば経営者である自分の思想を受け入れるべき」という傲慢な考え方を捨てることが重要だ。 例えば、いなば食品の「謎ルール」の中に食事に関するものが多かったが、これは稲葉社長の思想が色濃く現れている。会社のホームページで稲葉社長は、「創業以来、全てのフードでの化学物資の無添加、無着色、保存料・殺菌剤一切なしを徹底してきました」と述べているが、それはビジネス的なこだわりではなく、若い時から大切にしてきた「人間」としてのこだわりでもある。稲葉社長は副社長時代、メディアで以下のように語っていた。 「食生活には人一倍気を配る。コーヒーは飲まず、添加物を多く含んでいそうな食品は避けるという」(日経産業新聞1994年3月7日) こういう「こだわり」を理解すれば、「謎ルール」は稲葉社長が心の底から信じている思想を、社員にも同じように受け入れてもらいたいという強い思いから作られたものだとわかるだろう。もちろん、それは「良かれ」と思ってだ。 実際、同社のホームページで、稲葉社長が掲げる経営目的として「社員と社員の家族を物心両面で守る」ということを掲げている。安い焼き肉屋、カツ丼やハンバーガー、ファストフードの危険性を説いているのも、稲葉社長からすれば、「社員と社員の家族を守る」という親心からなのだ』、「「謎ルール」は稲葉社長が心の底から信じている思想を、社員にも同じように受け入れてもらいたいという強い思いから作られたものだとわかるだろう。もちろん、それは「良かれ」と思ってだ。 実際、同社のホームページで、稲葉社長が掲げる経営目的として「社員と社員の家族を物心両面で守る」ということを掲げている。安い焼き肉屋、カツ丼やハンバーガー、ファストフードの危険性を説いているのも、稲葉社長からすれば、「社員と社員の家族を守る」という親心からなのだ」、「謎ルール」は「稲葉社長」の「「社員と社員の家族を守る」という親心からなのだ」、「社員」からしたらうっとうしい話だ。
・『会社は「家族」で、社長は「父」という家族主義経営の末路  このような「家族主義経営」は高度経済成長期の企業では当たり前のように行われてきて、今も同族経営企業や中小企業には根強く残っている。 会社という「家族」の中で、社長は「父」であり、社員は「子」である。だから、社員は「家長」である社長の思想を素直に受け入れて、クローンのように動かなくてはいけない。そんなワンマン経営企業は、ビジネスモデルが当たれば急速に成長できる。経営にスピードがあって結束力も強いからだ。 「いい時」のビッグモーターがそうだ。同社にも「謎ルール」が多かったが、中でも話題になったのが、社員に配布されていた経営計画書だ。この中には、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について「今、すぐ辞めてください」とも記載されていた。 創業者である「父」の思想を素直に受け入れることが「子」である社員の務めであるという「一体感」が、同社の成長エンジンになってきた側面もあるのだ。 これは、いなば食品にもあてはまる。創業一族ではあるが、稲葉社長は缶詰事業だけでは先細りだとして、ペットフード事業に注力して今主力となっているブランド「CIAO」を誕生させてここまで会社を大きくさせてきた。そういう「偉大な父」の思想を「子」である社員たちが受け入れるのが当然だ、という企業文化であるということは、数々のタレコミが物語っている。 ただ、このような「家族主義経営」は、残念ながら今の時代にマッチしない。「父のもとで一体感がある」という美徳がある一方で、パワハラ、セクハラ、低賃金、時間外労働みたいなことも「父の威厳」でねじ伏せて、「家族内の問題」として内々で処理してしまう傾向がどうしても強くなってしまうからだ。 これは現実の家族関係に置き換えるとわかりやすい。とにかく威圧的でなんでもかんでも自分の思想に従わせようとする「父」のもとで育てられた子どもは、成長につれて反抗心が芽生えるはずだ。そして、父が何か理不尽なことをした時に怒りが爆発、積年の恨みをぶちまけるのではないか。それが社員の場合、メディアやインフルエンサーへの「怒りの内部告発」になっているのだ。 日本企業は99.7%が中小企業で、9割は同族経営だ。それはつまり、高圧的な「父」のもとでワケのわからない「謎ルール」を押し付けてくる、いなば食品やビッグモーターのような会社だらけということだ。 社員が週刊誌やSNSに怒りの内部告発をしないかとビクビクしている社長は、ぜひそっと胸に手を当てて、「自分の思想を社員に無理に押し付けていないか」と自問自答しみていただきたい』、「日本企業は99.7%が中小企業で、9割は同族経営だ。それはつまり、高圧的な「父」のもとでワケのわからない「謎ルール」を押し付けてくる、いなば食品やビッグモーターのような会社だらけということだ。 社員が週刊誌やSNSに怒りの内部告発をしないかとビクビクしている社長は、ぜひそっと胸に手を当てて、「自分の思想を社員に無理に押し付けていないか」と自問自答しみていただきたい」、同感である。

第三に、4月25日付け日刊ゲンダイ「岐阜県池田町セクハラ町長の超独善ぶり…15人の女性職員に6期20年以上“やりたい放題”」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/339408
・『「町長は辞職するのが相当だ」 第三者委員会は町長のセクハラを認定し、辞職勧告を突き付けた。 地方自治体の首長によるハラスメントが相次いで発覚している。「育休を1年取ったら殺すぞ」などと男性職員に発言していた愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)に続き、隣県の岐阜県池田町でも、岡崎和夫町長(76)が複数の女性職員にセクハラを繰り返していたことが判明した。 池田町の第三者委は24日、虚偽の弁明をした町長を「事実発見に非協力的態度を示した。言動を内省し、改善する態度が見受けられない」と非難し、調査報告書を町に提出した。 第三者委は昨年10月から職員や元職員の男女計843人を対象にアンケートを実施。回答したのは475人で、回答率は56.3%だった』、「岐阜県池田町でも、岡崎和夫町長(76)が複数の女性職員にセクハラを繰り返していたことが判明した。 池田町の第三者委は24日、虚偽の弁明をした町長を「事実発見に非協力的態度を示した。言動を内省し、改善する態度が見受けられない」と非難し、調査報告書を町に提出した」、酷い話だ。
・『職員からあがった悲痛な叫び  報告書によると、20年ほど前から女性職員15人が、町長に手や胸を触られたり、抱きつかれていた。そのうちの1人はズボンの上から直接陰部に触れられ、町長から「なんか思うか?」と尋ねられたという。) 報告書には<4日連続でCを町長室に呼び出し、手を握る行為に始まり、衣服の上から二の腕、太股を両手で揉むように触り、陰部を触るまでエスカレートされた>とある。Cと表記された女性が他の女性職員に相談したところ、町長室に呼ばれ、「済まんかった」と謝罪を受け、「誰にも言わんといてくれ」と口止めされたという。2人の間では示談が成立しているが町長は「示談したことはない」と否定している。 アンケートには町長に対する職員の悲痛な叫びが、多数寄せられている。 <「職員は自分の女」という感覚でいるので、他の職員(町長のタイプな)も被害に遭っている><告発しようにも潰され、退職に追い込まれる><キスやプライベートゾーンにも触れる話は聞いている。ほとんどが町長室や人けのないところで行われている><入職して間もない女子職員は、町長室で町長の膝の上に乗せられていた><町長は騒がない相手を見極めてやっています><セクハラもだが、パワハラもひどい> 岡崎町長は池田町の元職員。総務課長を含め、30年以上の勤務歴があり、町長に初当選した2003年以降、6期20年以上にわたって町政を担い、その影響力は絶大だった。) 調査にあたった第三者委委員長の幅隆彦弁護士がこう言う。 「町長は最終的な決定権だけでなく、ほぼ人事異動全般に関する権限を握り、独断で職員を異動させることも可能でした。被害者らは、誰かに相談して被害申告を町長に知られることで報復人事などの不利益を被るのではないか、批判するようなことを言えば、町長支持者から圧力をかけられるのではないかという不安があり、誰にも相談できなかったそうです。加えてセクハラ自体、なかなか口にしにくい性質のものです。職員の多くが町長に対して萎縮し、真実を語ることができない状態にありました」 町長は「辞職相当を重く受け止める」として、きょう(25日)、議長に辞職願を提出する。よくもまぁ、20年以上もやりたい放題できたものだ』、「岡崎町長は池田町の元職員。総務課長を含め、30年以上の勤務歴があり、町長に初当選した2003年以降、6期20年以上にわたって町政を担い、その影響力は絶大だった・・・「町長は最終的な決定権だけでなく、ほぼ人事異動全般に関する権限を握り、独断で職員を異動させることも可能でした。被害者らは、誰かに相談して被害申告を町長に知られることで報復人事などの不利益を被るのではないか、批判するようなことを言えば、町長支持者から圧力をかけられるのではないかという不安があり、誰にも相談できなかったそうです」、「町長」の行為は、単なる「セクハラ」というより、むしろ刑法上の犯罪だ。こんな「町長」を「20年以上もやりたい放題できた」、これまで黙認してきたマスコミの責任も重い。 
タグ:文春オンライン「イギリスBBCの続報「ジャニーズ解体のその後」で東山社長を取材した記者が“失望と苛立ち”を示した理由 「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」#1」 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「「いなば食品祭り」明日は我が身?社員のリークが止まらない“ダダ漏れ企業”の教訓」 「東山社長 法的なことを考えると、僕らには権限がないと思いますので、当事者の人たちが刑事告訴したら、僕らとしては全面的に協力する。 アザー記者 道義上、(警察に情報を提供するのが)正しいことではないですか。 東山社長 実際、僕も答えがわからないですね。どこの着地点が果たして正しいのか。被害に遭った人たちがどういうことを望んでいるのか……」、驚くべき無責任ぶりだ。しかも、「加害者2名のうち1人は東山社長の元マネージャーだと判明した(すでに退社)」、これでは、共同正犯と見做すことも可能だろう。こんな「東山社長 「岐阜県池田町でも、岡崎和夫町長(76)が複数の女性職員にセクハラを繰り返していたことが判明した。 池田町の第三者委は24日、虚偽の弁明をした町長を「事実発見に非協力的態度を示した。言動を内省し、改善する態度が見受けられない」と非難し、調査報告書を町に提出した」、酷い話だ。 「町長」の行為は、単なる「セクハラ」というより、むしろ刑法上の犯罪だ。こんな「町長」を「20年以上もやりたい放題できた」、これまで黙認してきたマスコミの責任も重い。 「岡崎町長は池田町の元職員。総務課長を含め、30年以上の勤務歴があり、町長に初当選した2003年以降、6期20年以上にわたって町政を担い、その影響力は絶大だった・・・「町長は最終的な決定権だけでなく、ほぼ人事異動全般に関する権限を握り、独断で職員を異動させることも可能でした。被害者らは、誰かに相談して被害申告を町長に知られることで報復人事などの不利益を被るのではないか、批判するようなことを言えば、町長支持者から圧力をかけられるのではないかという不安があり、誰にも相談できなかったそうです」、 日刊ゲンダイ「岐阜県池田町セクハラ町長の超独善ぶり…15人の女性職員に6期20年以上“やりたい放題”」 「日本企業は99.7%が中小企業で、9割は同族経営だ。それはつまり、高圧的な「父」のもとでワケのわからない「謎ルール」を押し付けてくる、いなば食品やビッグモーターのような会社だらけということだ。 社員が週刊誌やSNSに怒りの内部告発をしないかとビクビクしている社長は、ぜひそっと胸に手を当てて、「自分の思想を社員に無理に押し付けていないか」と自問自答しみていただきたい」、同感である。 からなのだ」、「謎ルール」は「稲葉社長」の「「社員と社員の家族を守る」という親心からなのだ」、「社員」からしたらうっとうしい話だ。 「「謎ルール」は稲葉社長が心の底から信じている思想を、社員にも同じように受け入れてもらいたいという強い思いから作られたものだとわかるだろう。もちろん、それは「良かれ」と思ってだ。 実際、同社のホームページで、稲葉社長が掲げる経営目的として「社員と社員の家族を物心両面で守る」ということを掲げている。安い焼き肉屋、カツ丼やハンバーガー、ファストフードの危険性を説いているのも、稲葉社長からすれば、「社員と社員の家族を守る」という親心からなのだ」、「謎ルール」は「稲葉社長」の「「社員と社員の家族を守る」という親心 「非上場の同族経営企業や、カリスマ的な社長が君臨をしているような企業ではこの手の「謎ルール」は珍しくない。 そして、そのような企業の多くが、いなば食品のように何かしらの問題が起きると、社員たちが「待ってました」と言わんばかりに、メディアやインフルエンサーへのタレコミを止められなくなる」、なるほど。 また、転職サイトに批判的な書き込みをした「在職者」がいるとして、「今ただ直ちに名乗り出れば情状酌量とする」と犯人捜しまでしている。 こういう画像がたくさん「流出」していることからもわかるように、かん口令に効果はない。むしろ、社員の反抗心を刺激して、後々は「攻撃材料」としてイジられるのがオチなのだ」、その通りだ。 「何か問題が起きた時に、会社の上層部は「かん口令」を敷きたがるが、逆にそれは愛社精神のある社員たちの不満をふくらませているだけに過ぎない。むしろ、かん口令を重ねていけばいくほど、彼らの反抗心は強くなって「怒りの内部告発」へとつながっていくのだ。 この悪循環は、いなば食品を見ても明らかだ。滝沢ガレソ氏のもとに持ち込まれた内部のメールだという画像によれば、退職者がネットで同社の悪口を書いている可能性がある、ということを全従業員に対して報告し、「醜い行為」として釘をさしている。 「令和の企業危機管理というのは、迅速に謝罪文を出すとか、社長の謝罪会見を開いてどうこうというレベルではなく、「社員のリーク」をどこまで抑えていくかということが、成否を分ける鍵となってきているのだ」、その通りだ。 」をのさばらせてはいけない。厳しく糾弾すべきだ。 」を持ち、「グルーミング」の影響だと解説した」、その通りだ。 「精神的な支配関係がある時に、子どもは大人からの性的な虐待要求に従順になりやすい。子どもに対する性暴力、性虐待、性犯罪などを理解しようとする時、「グルーミング」について、よく理解しておく必要がある・・・「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表だった平本淳也氏も「J-POPの捕食者」に登場していた。ジャニー氏の合宿所での行為などについて証言しつつも、自身については「僕、被害にも何にもあっていない。ただマッサージをされたレベルのほんの少しの延長」などとコメントをした。アザー記者は平本氏自身が「加害者への尊敬の念 「日本史上最悪の子どもへの性虐待。まず被害者のケアこそ最優先にすべきなのに、旧ジャニーズ事務所は本気で取り組んでいるようには見えない。社長が交替しても根本的な姿勢はあまり変わっていない。そのことがBBCの続報で明らかになった。 しかもそれを許しているのは、問題を深く追及しない日本のメディアではないだろうか」、その通りだ。 (その24)(イギリスBBCの続報「ジャニーズ解体のその後」で東山社長を取材した記者が“失望と苛立ち”を示した理由 「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」#1、「いなば食品祭り」明日は我が身?社員のリークが止まらない“ダダ漏れ企業”の教訓、岐阜県池田町セクハラ町長の超独善ぶり…15人の女性職員に6期20年以上“やりたい放題”) ハラスメント
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