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飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) [生活]

今日は、飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度)を取上げよう。

先ずは、昨年12月5日付け東洋経済オンライン「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393553
・『「ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります」 2019年の大晦日。このような書き出しで始まる投稿をある医師がフェイスブックで行った。その後、この発言はネットを中心に波紋を広げることになる。 投稿者は、国立精神・神経医療研究センター病院の薬物依存症センター長を務める松本俊彦氏。過激とも受け取れる発言をしたのはなぜか。インタビューをしたところ、背景にあったのは精神医療の臨床現場で感じる危機感だった(Qは聞き手の質問、Aは松本氏の回答)』、興味深そうだ。
・『エチルアルコールは依存性薬物  Q:ストロング系酎ハイを危険ドラッグとみなす発言は、ネットニュースでも大きく報じられ話題になりました。酒類メーカーの反論などありましたか。 A:メーカーからクレームを受けると思っておびえていたが、それはなかった。まあ、放っておけということなのだろう。 一方、同業である精神科医たちからは、「そうだよね」と同意してくれる声が多かった。依存症を専門とする精神科医師の間では、「ストロング系はヤバい」という認識が以前からあった。ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている。 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす。 酩酊した状態でコントロールが効かなくなり、リストカットの傷を深く入れてしまう女の子もいる。しらふだったらそこまで切らないのに、ざくざくと切ってしまって大騒ぎを起こす。精神科臨床の現場では、そういう事例をすごく見るようになった。 Q:先生の専門は薬物依存の治療です。それなのにアルコールの問題に声を上げたのはなぜですか。 A:覚醒剤などの薬物使用をがんばって断ち切っても、使いたいという欲求はやはり出てくる。そのときに「お酒ならいいだろう。薬物ではないのだから」と、酒に移行する人が一定数いる。 「酔っ払って訳がわからなくなれば薬物への欲求もなくなる」と思って一生懸命飲む。だけど、本当に訳がわからなくなって、売人に連絡を取ってしまい気づいたら注射器が腕に刺さっていました、というような人が結構いる。このようなケースは、ストロング系が出てきてから多くなったと感じる。 酒に含まれるエチルアルコールは、れっきとした依存性薬物。極端な言い方になるが、エチルアルコールは依存性という点で大麻よりもはるかに危ないと思っている』、「ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている」、「家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む」、こんな飲み方を放置すれば、かなりの人が「アルコール依存症」になってしまいそうだ。何らかの対策が必要だろう。

次に、12月6日付け東洋経済オンライン「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393675
・『「朝起きてまずストロングを飲み干す。化粧をしながら二本目のストロングを嗜む」――。 出版社で働くミナは他人に口外できない秘密を抱えていた。それは誰もがうらやむ存在だった同棲中のイケメン彼氏・行成が鬱(うつ)病で引きこもり状態になったことだ。 芥川賞作家の金原ひとみさんが文芸誌『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』。つらい現実から逃れるために、アルコール度数9%の缶チューハイ「ストロング」に依存していく女性が描かれている。 自身も愛飲しているという金原さんに、作品着想の経緯や、ストロング系飲料の魅力と落とし穴について聞いてみた(Qは聞き手の質問、Aは金原氏の回答)』、「自身も愛飲しているという金原さん」の見解とは興味深そうだ。
・『退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた  Q:まずは『ストロングゼロ』を執筆した経緯を教えてください。 A:6年間住んだフランスから2年前に帰国して以来、日本人とお酒の関係をすごく特殊に感じてきました。仕事においてもお酒が関わってくる飲み会文化があったり、お酒に酔って人前で醜態をさらすことが日常化していたりする。フランスではあまり見ない光景が、数年ぶりに見たときにすごく印象的でした。 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています。 ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感しました。自分自身も飲んでいたし、外でも日常的に目につくようになった。電車の中やコンビニの駐車場で飲んでいる人もいて、とても退廃的で興味深く感じていました。そこで、何かに依存する人々というテーマで書いてみたいと思ったんです。 Q:作中では主人公のミナがコンビニのアイスコーヒー用の氷入りカップに「ストロング」を入れて、社内でストローを使って堂々と飲むシーンがあります。「何飲んでるのと聞かれたらレモネードか炭酸水と言えばいいのだ」と妙にリアルです。 A:この方法は出版社に勤める知人の男性から聞きました。その話を別の知人にしたら、「うちの会社にもいますよ」と言う人もいて。酒飲みが考えることは同じなんだなと。「いつも酒臭くてバレバレだ」と言っていたけれども。これは依存の渦中にある人でないと思いつかない発想だなと、ありがたく使わせてもらいました。 Q:金原さん自身もお酒がお好きだそうですね。本作以外の作品にもお酒が登場することが多いように感じます。 A:自宅にはビールやワインを常備しています。基本的にビールから入って、次にチューハイやストロング、最終的にワインに行き着くという飲み方。ストロングゼロも自宅にいつも置いてあります。ネット通販で毎回1箱(24缶)を買うのですが、私も旦那も飲むので割とすぐなくなります。 Q:ストロング系の魅力はどこにありますか。 A:一番は手軽さと安さでしょうか。安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う。ニーズに合っていて、かつ、人を魅惑する商品だと思います』、「日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています」、(「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う」、「罪深い飲み物」とは言い得て妙だ。

第三に、12月7日付け東洋経済オンライン「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393679
・『自社初となるチューハイ商品を出してからわずか7カ月で商品戦略を大きく転換した企業がある。沖縄のビールメーカーであるオリオンビールだ。 同社は2019年末、自社ブランド「WATTA(ワッタ)」の商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した。ストロング系の生産停止を決断したのは、2019年7月から経営トップを率いる早瀬京鋳社長だ。 生産をやめた理由は何だったのか、オンライン形式のインタビューで真意を尋ねた(Qは聞き手の質問、Aは早瀬氏の回答)』、「ストロング系」「を出してからわずか7カ月で」「生産停止」とは何があったのだろう。
・『高アルと健康志向の商品を作る矛盾  Q:ストロング系の生産をやめた背景には何があったのですか。 A:2019年の11月頃、あるNPO団体が主催した会合でのやりとりが転機となった。社員と参加したその会合は社会問題を幅広く研究する場だった。私たちが自己紹介をすると、「今日はオリオンビールの方がいて、ちょっと言いにくいんですけど」と、参加者の1人が切り出した。 薬物やアルコールの依存症問題に関わるNPO団体の方で、次のような話をしてくれた。 「コンビニで買った高アルコール(高アル)チューハイを1~2本飲み、酔っ払って倒れるように寝る。そのような習慣を持つアルコール依存症の人はすごく多い」 ちょうどこの頃、社内ではアルコール度数の低い健康志向商品を作る企画を進めていた。われわれはアルコール依存症の温床とも指摘されている商品と同時に、健康志向のアルコール商品も作ろうとしている。そこに何か矛盾を感じた。 営業マーケティング部門や製品部門、幹部が全員集まる大きな会議がある。その場で私は「高アルをやめる?」と述べ問題提起した。 Q:突然の発言に反対の声が上がったのでは。 A:当然、その場はざわついた。「チューハイの売り上げの4割を占める商品ですよ」と。「でも4%がいちばん売れているんだよね」と返した。 実際、「ワッタ」の売り上げの4割はアルコール度数9%のストロング系だったが、度数4%の商品のほうが売れていた。つまり当社のチューハイで消費者が支持していたのは、アルコール度数ではないということ。シークヮーサーなど沖縄の県産品とコラボしていることなどを評価してくれていた。 コンビニやスーパーでぜひ確かめてほしい。お酒の売り場がどれだけ度数9%の商品で埋められているかを。 商品訴求の優先順位において、アルコール度数の位置づけを下げる会社が1社ぐらいあってもいい。しかも健康志向の商品を作っているのだから、高アルはもうやめようとなって、2019年12月に9%商品の生産を停止した』、「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ。

第四に、12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256870
・『ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか  最近、ストロング系チューハイの功罪両面についての話題が目につきます。ストロング系チューハイとは、価格が安くアルコール度数が高いチューハイの総称で、今若者を中心に大人気となっているお酒です。 功罪の「功」の面としては、ウィズコロナで低迷する消費のけん引役としての評価が高い商品だという点です。小売の酒類の現場で見れば、とにかく売れている。どれくらい売れているかというと、今年4月にストロングゼロを含むサントリーの缶チューハイ「-196℃」ブランドの売り上げが、ギネスブックで世界記録に選ばれたほどです。 ウィズコロナ期間に相当する今年4月から8月のお酒の累計課税数量は、全体で前年同期比6%のマイナスです。中でも清酒やビールなど主力製品の売れ行きが前年割れと振るわない中で、リキュール(缶チューハイはこの分類に含まれる)は対前年で16%のプラスとなっており、群を抜いています。 ひとことで言えば、世帯収入が減る中で「安くてすぐに酔えるストロング」は庶民の味方となっているわけです。 一方で功罪の「罪」の面として、そのアルコール度数の高さから、ストロング系缶チューハイの健康に対するリスクの指摘が相次いでいます。口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念です。 私は医療ではなく経済の専門家なので、まず経済の切り口で、今ストロング系缶チューハイとウィズコロナ消費について何が起きているのかを、見てみたいと思います。そのうえで、社会全体としてこの問題が何を意味するのかをまとめてみます。 私たちコンサルが世の中の消費動向を把握する手がかりとしてよく使うデータが、国が発表する『家計調査』です。9000世帯の家計簿を統計にしたものですが、これがミクロの消費動向を把握するのにはとにかく役立ちます』、「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ。
・『「ウィズコロナ消費」を理解するという意味では、今年7~9月の四半期データを見るのがいいでしょう。典型的な家計という視点で「2人以上の勤労者世帯」のデータを見ると、この期間、支出全体は前の年と比べてマイナス8.3%でした。今夏はやはりコロナの影響で、消費は停滞していたことがわかります。 品目別に前年と比べて2割近く節約されたものを見ると、外食、旅行、交際費全般、そしてファッションといったお金の使途が並びます。これらは、ウィズコロナで悲鳴を上げている業界のリストと合致しています。しかも「GoTo」で政策的に需要を創り出したうえでの2割減ですから、この先GoToの自粛や停止が広がれば、さらに需要は低迷しそうです。 そのぶん、巣ごもり消費で食料全般への支出が増えていると思うかもしれませんが、実際には、食料全体の増加分は前年比プラス1%とわずかなものです。この時期、生鮮食料品の価格全般が値上がりしていたことを考えると、むしろ食費については巣ごもりが進んだにもかかわらず、節約が徹底していたと考えるべきでしょう』、なるほど。
・『コロナ禍の巣ごもり消費で顕著に増えたのは酒とたばこ  さて、ウィズコロナのこの時期に消費が対前年比で2割以上増えた品目を探すと、4つしかありません。1つは自転車。増えた理由も何となくわかる商品ではありますが、家計に占める支出額としてはそもそも非常に小さい品目です。2つ目は健康関連の商品。これが増えるのはまあ、当然でしょう。 そして残る2つの品目が、本稿のテーマにも関係するものなのですが、酒とたばこです。 今年7~9月期の2人以上の勤労者世帯で、酒の支出は前年から24%増、そしてたばこは何と31%増となっています。ちなみにこの統計データは、今年10月のたばこの値上げ前のデータなのですが、6月も30%増となっているので、駆け込み需要というよりも、単純に喫煙者の外出が減ったぶん、たばこを吸う本数が増えたということが、この統計からは読み取れます。 自宅での酒の支出の増加については、追加の考察が必要だと思います。ここまでの話で酒の課税データを見ると、ウィズコロナでの課税数量は6%のマイナスになっています。つまり、外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多いのではないかという見方もありえます』、「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう。
・『課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実  では、酒飲みの方のアルコールの量は減ったのでしょうか、それとも増えたのでしょうか。 全体像を捉えるにあたって気を付けるべきポイントが、2つあります。1つは国税庁の課税データで、アルコール度数の少ないビールの数量が減って、アルコール度数の高い缶チューハイの数量が増えていることです。つまり、課税数量は減っていてもアルコールの量は減っていない可能性がある。これが1つ目のポイントです。 そしてもう1つは、外食が減った分、お付き合いでお酒を飲む人の消費はまるまる減ったということです。我が家は典型的にそういう家庭ですが、家族は外食するとお付き合い程度にアルコールを口にします。しかし、自宅の冷蔵庫にビールや缶チューハイは入っていません。そういった世帯のアルコール消費は、そもそも外食の自粛とともにすっかりなくなってしまいます。 そう考えると、逆に冷蔵庫にアルコールが常備されている家庭においては、ウィズコロナ期間、アルコールの消費量は増えているという風に統計を読み取るべきでしょう。 家庭内でのアルコールの支出を家計調査で見ると、緊急事態宣言が発令された4月、5月に対前年比で約3割も増加したうえで、解除後の6月以降も毎月約2割増をキープしています。それを考えると、コロナ第三波による自粛で巣ごもりが増えるであろうこの冬には、また支出が前年比3割増のラインに戻ることが予想されます。 さて、ここまでの話をまとめると、ウィズコロナ消費についての異様性が際立ちます。 平均的な国民の収入が減り、財布のひもが堅く締められている。緊急事態宣言後も旅行や外食は手控えられ、外出が減った関係で、ファッションにもお金は使わない。食費もそれなりに節約する中で、たばこと酒の量だけが増えている――。 統計を見る限り、今の日本の家庭はそういう状態になっています。結構思い当たることも多いと思いますが、これはかなり衝撃的な傾向ではないでしょうか』、「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ。
・『コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪  酒とたばこの消費が増えているというのは、当たり障りのない表現です。経済的にはその通りなのですが、社会学的に言うと、これは「精神安定剤」の需要が増大していることを意味しています。コロナで健康面でも経済面でも先行きが不安だから、酒とたばこに手を伸ばす人が増えたということに他なりません。 現在、習慣的に喫煙をしている人は17%、週3~4回以上飲酒している人は約30%というのが、社会全体におけるだいたいの構成比です。全体から見れば少数派のこういった人たちが、この半年間、ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている。だとしたら、全体の平均の数字よりも実態はさらに深刻なはずだというのが、医療関係者が問題提起し始めた警告の中身です。 その中で、特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い。フルーツの風味で口当たりがよく、350ミリリットル缶があっという間に空いてしまう。そのアルコール量は、一缶で日本酒の1.5合に相当します。 「でも、何を飲もうと個人の勝手だろう?」という疑問がわいてくるかもしれません。お酒のメーカーにとっても、「不況下の数少ないビジネスチャンスなのだから、とやかく言われたくない」という気持ちはわかります。 しかし、私にはやはりこの問題が気になってしまいます。理由は「ある本」を読んだからかもしれません。イギリス人ジャーナリストのジェームズ・ブラッドワースが著した『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』という、かなり物騒な題名の本です。これは著者が、イギリスで最底辺と言われる職場に自ら身を置いた際の体験談です。 彼は著書の中で、自身がアマゾンの倉庫で働いた時期の平均的な支出を公表しています。1週間の手取り給与が147ポンド、つまり日本円でだいたい2万円です。うち1万円が家賃に消え、残りの大半が食費に消えます。 その1万円の内訳は、3000円が食堂のランチ代に、4000円はマクドナルドやシリアル、コンビニなどのジャンクフードに、1400円がビールに、そして700円がたばこに消えていきます。 このような収支ぎりぎりの日常に身を置いてみた著者のジェームズ・ブラッドワースが実感したのは、それらの支出の中でも「ビールとたばこは削れない」ということだったのです。 彼曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」ということです』、「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」、「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」、「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」。
・『「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題  つまり、ウィズコロナの時代になった今年4月以降、急激に家庭内でのアルコール消費量が増えているという事実は、経済と健康の両面に関わる社会不安に端を発した依存症の拡大問題として、捉えるべきではないでしょうか。 そして同時に、これは政治にしか解決できない問題でもあります。企業の収益が先細る中で、酒造メーカー各社が売れ筋の製品の製造を制限するのは、簡単にできることではありません。実際には、沖縄のオリオンビールがストロングを取りやめたというニュースがありますが、4大メーカーがそれに追随する気配はありません。ただでさえ、利益の追求をやめたら、株主から訴訟を起こされるかもしれない時代です。 一方で、政治ならこの流れを変えられる。その一例が酒税の改正です。アルコール度数に応じて課税するようにルールを変更すれば、少なくとも安くて簡単に酔える商品が売れ筋になることはなくなるでしょう。ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題だと捉えることが正しいように思います。読者の皆さんはどう思うでしょうか』、「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である。
タグ:オリオンビール 東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 飲料一般 (その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) 「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」 ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります エチルアルコールは依存性薬物 ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす 「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」 金原ひと 『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』 退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感 (「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う 「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」 商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した 高アルと健康志向の商品を作る矛盾 「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ 「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」 ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか 「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ 「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう 課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実 「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪 「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」 「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」 「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」 「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題 「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である
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健康(その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない) [生活]

健康については、昨年12月18日に取上げた。今日は、(その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない)である。

先ずは、本年1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授の大平 哲也氏による「「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/394018
・『人間は環境によって左右される生き物です。実は職場にも「病気になりやすい職場」と「なりづらい職場」があることをご存知でしょうか? 「職場環境」や「上司」が健康に与える影響を福島県立医科大学医学部の大平哲也疫学講座主任教授による新書『感情を“毒”にしないコツ』から一部抜粋・再構成してお届けします。 その人が就いている仕事と病気には、何か関連性があるのでしょうか。職業ストレスと疾患の関係については、さまざまな調査があります』、興味深そうだ。
・『「ストレスフルな仕事」の条件とは?  スウェーデンで産業ストレスを研究するロバート・カラセック氏が提唱するストレスモデルでは、職業ストレスを「仕事の要求度(仕事量、時間、内容)」と「仕事のコントロール度(裁量など)」の2つの軸から分析しています。 これをそれぞれの特性から、「要求度とコントロール度がともに低い仕事(消極的な仕事)」「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」「要求度とコントロール度がともに高い仕事(積極的な仕事)」の4つに分けます。 いちばんストレスが高いのは、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」でした。仕事の量など負担が大きいのに、コントロール度が低い、つまり自分の裁量でできない仕事です。 逆にストレスをためにくいのは、「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」でした。また「要求度とコントロール度がともに高い仕事(積極的な仕事)」は、仕事は大変ですが、自分の裁量でできるため、達成感も得られ、ストレスをためにくいといわれています。 「要求度とコントロール度がともに低い仕事(消極的な仕事)」は、ストレスは低いですが、やる気が削がれてしまうようです。職場などでストレスを改善するには、要求度を下げる、仕事のコントロール度を上げるなどの調整が必要ということになります。 また、仕事のストレスが高いと脳卒中になりやすいという日本のデータもあります。ストレスがもっとも低い「要求度が低く、コントロール度が高い仕事」を1とすると、ストレスがもっとも高い「要求度が高く、コントロール度が低い仕事」は、脳卒中になるリスクが2.73倍も高くなるという研究結果が得られました(図表11、日本人従業員6553人を11年間経過観察した研究:Tsutsumi A,et al.Arch Intern Med.2009)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 「仕事のコントロール度」だけで比較した別の研究では、「仕事のコントロール度」が高い人を1とすると、「仕事のコントロール度」が低い人のほうが、自殺が4.1倍も高いことがわかりました(図表12、日本人従業員男性3125人を9年間経過観察した研究:Tsutsumi A, et al. Psychother Psychosom.2007)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右するということです。 ただ難しいのは、自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いるということです。そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります』、「仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右する」、その通りだろう。「自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いる・・・そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります」、例外的なケースにも目配りしているようだ。
・『仕事のストレスを緩和する方法  一方、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事」に就いている人はどのように対処したらよいのでしょうか。 その1つは、ソーシャルサポートです。カラセック氏らの研究によれば、たとえ職業ストレスが高い仕事であっても、上司や同僚、そして家族のサポートがあると、ストレスの影響が緩衝されて弱くなることを報告しています。つまり、仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります。 私は大阪で勤務していたときに、教員のメンタルヘルスにかかわる仕事をしていました。小学校、中学校の教員は、子どもたちの教育や生活の指導のみならず、親との対応などで年々ストレスが増加しています。 忙しくてストレスが多い職場であっても、校長先生や教頭先生など上司がしっかりサポートしてくれる学校では、教員のモチベーションが高くメンタルヘルスが保たれている印象を受けました。逆にうつ状態になってしまった教員の多くは、上司からの理解や支援がないことを強く訴えていました。 ちなみに、職業によっても病気になるリスクに違いがあるという報告もあります。スウェーデンの研究で、バス運転手、タクシー運転手、トラック運転手の心筋梗塞のなりやすさをほかの職種と比べたところ、特にストックホルム市内のタクシー運転手とバス運転手のリスクがいちばん高いことがわかりました。 ほかの職種に比べてタクシー運転手で1.65倍、バス運転手で1.55倍も心筋梗塞のリスクが高かったのです。さらに、これらの関連は喫煙や体重などの因子とは関係なく見られました。これらの運転手の8割は職業ストレスが高いことが知られており、職業ストレスの影響だと考えられています(Gustavsson P, et al. Occp Environ Med.1996)』、「仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります」、「上司」の役割は重要なようだ。
・『上司の質で「心臓病になるリスク」が変わる  上司からのストレスに悩んでいる人は多いでしょう。実際、職場の上司との関係に悩み、うつになってしまう人があとを絶ちません。あなたの上司がどんな人かによって、うつどころか、心臓病になるリスクまで上げるかもしれないといったら、驚かれるでしょうか。 上司のリーダーシップと部下の虚血性心疾患の発症との関係を調べた研究があります。部下に以下のような質問を投げて回答してもらいました。 ①私の上司は私が必要な情報を与えてくれる(情報提供) ②私の上司は仕事の目標を明確に示してくれる(目標提示) ③私の上司が私に何を期待しているのかを把握している(期待) ④私の上司は部下の育成と管理に十分な時間をかけてくれる(育成管理) その回答結果から虚血性心疾患発症の相対危険度を調べました(図表13、年齢調整済み。スウェーデン人3122人を9.7年間追跡調査した研究)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 「情報提供」してくれる上司がいる部下のリスクは0.65倍、以下「目標提示」は0.61倍、「期待」は0.77倍、「育成管理」は0.69倍と、いずれも低かったのです。つまり優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低いということになります。 上司は基本的に自分で選ぶことはできませんが、今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか』、「優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低い」、かなりハッキリした違いのようだ。「今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか」、同感である。

次に、1月20日付け東洋経済オンラインが掲載した 順天堂大学医学部名誉教授の新井 平伊氏による「夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403912
・『肝臓の数値が気になったり、血圧を毎日測る人がいても、脳の健康状態を意識している人は多くはいません。特に脳の健康で気を付けたいのが睡眠です。順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊氏が上梓した『脳寿命を延ばす―― 認知症にならない18の方法』を一部抜粋・再構成し、脳と睡眠の関係を紐解きます。 ①最適な睡眠時間は6.5~7時間  睡眠と脳の健康には、非常に深い関係があります。動物実験の結果、睡眠時間を短くしたラットの脳には、老廃物のアミロイドβが溜まってしまうことがわかっています。人間でも、一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるというデータがあります。 アミロイドβは普通、寝ている間に代謝、分解されて、脳の外へ洗い流されます。ところが睡眠時間が短いと、排泄が遅れてしまうのです。寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまうことになります。 最適な睡眠時間には、個人差があるものです。しかし疫学的なデータからみると、6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい。寝不足も寝すぎもいけないというのは、興味深い事実です』、「6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい」、私もたまたま同じ睡眠を取っている。
・『脳に悪影響を及ぼす睡眠障害  脳の健康に悪い影響を及ぼすのは、寝不足、言い換えると睡眠障害です。睡眠障害は、なかなか寝つけない入眠困難、長い時間寝ているはずなのに疲れが取れない熟眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒の3つに分けられます。 精神医学的な面から言うと、神経症の人は入眠困難が多く、うつの人には早朝覚醒が多い傾向があります。 ただし、現在は睡眠時間の短かさや質よりも、眠くて勉強や仕事ができないなど昼間の活動に支障があることを重視して、睡眠障害と定義するようになってきました。  ②昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える(1日の4分の1から3分の1に当たるわけですから、人間はかなり長い時間寝ています。身体と脳を日ごとにリセットするには、それだけ長い時間が必要なのです。その6~7時間のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠という波が交互に訪れることは、よく知られています。 レム(REM)とは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略です。レム睡眠の時間帯には身体は休んでいるのですが、その名の通り目がぴくぴく動いています。脳は覚醒状態にあって活発に働き、記憶の整理や定着を行っています。夢を見るのは、レム睡眠の間です。 目が動かないノンレム(non─REM)睡眠は深い眠りで、脳も休んでいると考えられています。ところが、脳の休息に欠かせないノンレム睡眠は、加齢とともに浅くなります。たとえばトイレに起きやすくなるのは、眠りが浅くなるせいです。睡眠障害がなくても、老化によって睡眠は浅く短くなり、質が低下していくのです。 そのため、昼間の覚醒と夜の睡眠のリズムを整えることが、若い頃より意味をもちます。昼間の過ごし方が、質の高い睡眠をもたらすからです。 なるべく太陽光線を浴びたり、運動して身体を疲れさせるなど、夜になったら眠りにつきやすい環境を整えることです。 脳には体内時計があり、習慣のリズムに沿ってセッティングがされるのです。 「何時に寝て、何時に起きればいいか」は個人差があります。早寝早起きが基本ですが、夜9時に寝れば明け方の3時か4時に目覚めてしまい、昼間は眠気と戦わなければいけなくなる場合もあります。規則正しいことは大切ですが、正しいリズムとは言えません。 生活習慣や個人のライフスタイルによりますが、現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう。 ③寝具や空調などの環境を作る(寝具や空調などの環境作りも、気になる点です。眠気が訪れるのは、身体がいったん温まってから冷めるときだと言われています。寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです。 室温はどのくらいが適当かという医学的なデータはありませんが、冬は暑すぎず、夏は涼しすぎず、身体に風が直接当たらない間接空調のほうが心地いいでしょう。いびきをかく人や副鼻腔炎がある人は、仰向けより横向きの姿勢が寝つきやすいはずです』、「現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう」、「寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです」、なるほど。
・『「楽しいこと」を思い浮かべることが大事  ④時間と気持ちの余裕を持つ  時間と気持ちの余裕をもって、睡眠に入ることが大切です。翌日がゴルフで、ワクワクして眠れないのならいいですが、「明日も仕事だから早く寝なくちゃ」とか「あと5時間しかない」と思いながらだと、精神的な圧迫になってしまい、かえって寝付けないものです。 私は患者さんに、なるべく楽しいことを思い浮かべながら眠りにつきましょう、とアドバイスしています。 一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です。 睡眠の質を高めることは、脳の老化防止になり、認知症の2次予防、3次予防にもなるのです』、「一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です」、これは心して習慣化したい。
・『⑤医師の処方で薬の服用も検討する  生活のリズムを整えても熟睡できなかったり、昼間の睡魔に悩まされる人は、薬の服用を検討してみるのもいいでしょう。睡眠薬と聞くと抵抗があるかもしれませんが、いまは安全な睡眠導入剤がたくさん出ています。 安全と言う意味は、2つあります。1つは、脳内ホルモンに作用して自然な眠り、自然なリズムを作るという意味。もう1つは、副作用が少ないという意味です。 以前の睡眠薬はベンゾジアゼピン系といって筋弛緩作用があり、身体がふらつくなどの副作用がありました。 いまは、非ベンゾジアゼピン系の薬が使われています。ルネスタ、マイスリー、アモバンなどです。筋弛緩作用による副作用が少ないので、特に高齢者に適しています。 そのほか、睡眠や体内時計に深く関わる脳内ホルモンのメラトニンに働きかけるロゼレム、覚醒の脳内ホルモンであるオレキシンをブロックするベルソムラとデエビゴ、といった薬があります。医師の処方に従って、適切に使ってください』、私の場合は「睡眠薬」なしで大丈夫だ。
・『寝酒は睡眠が浅くなる原因  ⑥寝酒はお勧めできない  寝酒はお勧めできません。寝つきをよくするような気がしますが、睡眠は浅くなり、早く目が覚めてしまいます。 旅行に行ったときなど、酒を飲んで寝ると翌朝は早く起きて、家にいるときより朝ご飯をたくさん食べられたりします。あれはアルコールの作用で、睡眠が浅くかつ短くなっただけです。 毎晩の飲酒を脳にセッティングすると、浅くて短い睡眠となり、脳の老化が進んでしまいます。 そして、飲酒の習慣が肝臓と脳を痛めることは、改めて言うまでもないでしょう』、私は「寝酒」は週1回程度やっているが、これからは出来るだけ控えるようにしたい。

第三に、1月29日付けダイヤモンド・オンラインが転載したハーバード・ブジネス・レビュー「神経科学が解き明かす、仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない」を紹介しよう。
https://www.dhbr.net/articles/-/7392
・『睡眠不足が生産性やパフォーマンスにネガティブな影響を与えることは、誰しも耳にしたことがあるだろう。問題は「寝ていない」自慢に代表される、大きな認識不足だ。睡眠時間を削ってまで仕事をすることが優秀な人材としての証だというのは、大きな間違いだ。本稿では神経科学の研究成果から、睡眠不足時の脳に何が起きているのかを解説し、睡眠の質と量を改善することで、仕事に必要不可欠な力、すなわち高い集中力と注意力と忍耐力、ポジティブな気分とマインドセットを手に入れるための心構えを説く。 ほとんどのものがそうであるように、睡眠も不足した時にその大切さを最も痛感する。 残念ながら、その経験をしている人はあまりに多く、3~4割の人が睡眠不足の問題を抱え、米国では実に7000万人、欧州でも4500万人が慢性的な睡眠障害に悩まされている。 睡眠時間が短くなるのは、決まって「やむをえない状況」によるが、上記の数字は、睡眠が生活のみならず仕事に対しても、いかに利益をもたらしているかが正しく理解されていないことを示している。 さらに気がかりなのは、睡眠障害による心身の健康へのネガティブな影響に関する一般的な認識不足だ。我々の多く、すなわちリーダーも同僚も友人も、相も変わらず睡眠時間を削って働くことに誇りを見出していることが何よりの証拠である。まるで、それが優等生や優秀な社員への道であるかのように、だ。 しかし、睡眠より仕事を優先するという人が実際にしていることは、単に質より量を取っているにすぎない。 もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである。 初めて聞く助言ではないだろう。だが、睡眠の価値を理解するには、神経科学における最新の研究成果に耳を傾けるのが一番だ。神経科学は、睡眠が脳に与える影響や睡眠を十分に取らなかった場合の脳に対する影響についての研究に、多くの時間を費やしている分野だ』、「ナポレオンの睡眠は3時間」、といわれるが、昼寝を十分取っていたとの説もある。「もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである」、その通りだろう。
・『睡眠不足の脳に何が起きているのか  具体的な話に入る前に、まず眠っている時の脳の状態を簡単に説明しておこう。 脳は、それ以外の身体器官が待機状態になっている間も活動を続け、言わば「オンライン」状態を維持していることが、複数の研究によって示されている。スマートフォンのように、夜は見ていないからといって、その間、働いていないわけではないのだ。 睡眠中の脳の主な機能は、科学者がよく「脳の老廃物(mental wastage)」と呼ぶ、日中にニューロンの間に蓄積された毒素を排出することである。この老廃物は、短期的にも長期的にも正常な認識機能を損なわせる可能性がある。 脳が老廃物を廃棄するのは、より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるためだ。パソコンの「自動削除」と考えるとわかりやすい。つまりゴミ箱の中身を永久に削除してスペースをつくり、処理速度を高めるようなものだ。 老廃物の排出は、基本的な学習記憶機能を支えるほか、気分や感情、性欲をコントロールするカギでもある。言い換えると、人間にとって睡眠は給油のようなものだ。「睡眠時間を削ってもっと働けば、生産性が高まる」という発想は、給油を省けば目的地に早く到着できるという発想と同じくらい論理的、つまりは非論理的なのだ。 極度の睡眠不足は、心身と仕事の両方に、以下のような影響を及ぼす』、「睡眠中の脳の主な機能は・・・「脳の老廃物(mental wastage)」・・・毒素を排出すること」、「より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるため」、なかなかよく出来た仕組みだ。
・『簡単なことでもやり方を忘れる  たった一晩の睡眠不足でも、脳の中で記憶や学習を司る海馬の正常な働きを損なうには十分だ。海馬は、情報を短期的および長期的に保持するうえで、中心的な役割を担う。また、方向感覚や空間認識能力も左右する。これについては、ロンドンのタクシー運転手の海馬が普通よりも大きいことを明らかにした有名な調査がある。 睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする。いずれも、仕事のパフォーマンスに深刻な影響をもたらす問題だ。オートパイロットモードを使ったり、反復作業やルーチン業務をこなしたりしているだけなら別だが、比較的簡単なタスクであっても、パフォーマンスが低下している感覚はあるだろう。 睡眠不足が二日酔いとよく似ていると感じるのは、こうした理由による。集中することが苦になり、それまで当たり前にこなしていたタスクにも、かなりの集中が必要になる』、「睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする」、なるほど。
・『長期記憶が損なわれる  前述したように、睡眠によって脳は、代謝老廃物を排出する時間を与えられる。老廃物の中には、蓄積されると脳細胞の間にプラークを形成するタンパク質もある。睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている。 86の科学的研究を検証した結果、睡眠時間が長い人のほうが、敏捷性、学習効率、集中力が高い傾向にあることが明らかになっている。これは、睡眠時間が長いほうが、老化に伴う認知能力の低下が緩やかであることを説明している。 睡眠衛生、すなわち睡眠の質と量を高めるための行動や環境の改善は、勉強や仕事のパフォーマンスの向上、そして高い知的発達につながる。複雑な仕事であるほど、学習や論理的思考、新たな問題の解決が求められ、睡眠が質と量ともにより必要になるということだ』、「睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている」、「長期的」な弊害は本当に怖い。
・『攻撃性や不安感を持ちやすい  睡眠は、気分や感情のコントロールに不可欠な化学反応を脳内に引き起こす。この反応に最も関係が深い脳内ホルモンは、メラトニンと呼ばれる。 メラトニンは、夜間に多量に分泌されて睡眠を促し、朝は目覚めるために分泌量が低下する。気分の変調とも関係があるとされている。メラトニンが分泌されて眠る時間であることを知らされても、無視して起きているような時に起きることが多い。 睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ。扁桃体は、その人がポジティブな経験をしている(安心している)のか、あるいはネガティブな経験をしている(怒りや恐怖を感じる)のかを判断する感情のレーダーのようなものだと思えばよい。 不安、攻撃性、衝動的な決断はすべて、扁桃体の過活動が引き起こしている。夜間に脳のこの領域に影響を与える変化は、どれも翌朝まで持ち越され、他者に対する忍耐力や共感力を含む、あなたの行動に影響を与える。 恐怖や不安といったネガティブな感情は、怖い夢や不快な夢という形で睡眠中にも出現する。睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い。 要するに、自分が思いやりのある優しい同僚やパートナー、友人になりたければ、もっと睡眠を取るべきなのだ』、「睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ」、「睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い」、「睡眠不足」の弊害は想像以上に深刻だ。
・『人間関係を危険に晒す  睡眠不足は、恋愛や人間関係にも害を及ぼす可能性がある。 成人のほとんどは、共同生活者や同居人と同じ寝室で眠っている。こうした条件に当てはまる人は、自分の人生やキャリアだけでなく、パートナーの人生やキャリアにも影響を及ぼしている。 案に違わず、睡眠と人間関係の質との間には相関関係がある。幸せな関係性があればよく眠れ、よく眠ることで関係もよくなる。 このような研究結果が豊富にあるにもかかわらず、きっと友人や同僚の「寝ていない」自慢は今後も続くだろう。いかにも、それが生産性の向上や成功につながっているかのように。 そうした時は、科学がそれとは逆のことを証明していると思い出そう。長時間にわたって脳を途切ることなく解放すれば、目覚めた時の頭の冴え、幸福感、そして健康が増進するのである』、「「寝ていない」自慢」は錯覚でしかない。しかも、「人間関係を危険に晒す」危険極まりないものである以上、「長時間にわたって脳を途切ることなく解放」していきたいものだ。
タグ:健康 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン (その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない) 大平 哲也 「「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する」 人間は環境によって左右される生き物 「ストレスフルな仕事」の条件とは? ストレスモデル 、職業ストレスを「仕事の要求度(仕事量、時間、内容)」と「仕事のコントロール度(裁量など)」の2つの軸から分析 いちばんストレスが高いのは、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」 ストレスをためにくいのは、「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」 仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右する」、その通りだろう。「自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いる そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります」、例外的なケースにも目配りしているようだ 仕事のストレスを緩和する方法 仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります」、「上司」の役割は重要なようだ。 上司の質で「心臓病になるリスク」が変わる 「優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低い」、かなりハッキリした違いのようだ 「今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか」、同感である 新井 平伊 「夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく」 脳寿命を延ばす―― 認知症にならない18の方法 最適な睡眠時間は6.5~7時間 寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまう 6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい」、私もたまたま同じ睡眠を取っている 脳に悪影響を及ぼす睡眠障害 昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える 寝具や空調などの環境を作る 現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう」 「寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです」 「楽しいこと」を思い浮かべることが大事 一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です」、これは心して習慣化したい ⑤医師の処方で薬の服用も検討する 寝酒は睡眠が浅くなる原因 ⑥寝酒はお勧めできない ハーバード・ブジネス・レビュー 「神経科学が解き明かす、仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない」 「ナポレオンの睡眠は3時間」、といわれるが、昼寝を十分取っていたとの説もある もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである 睡眠不足の脳に何が起きているのか 睡眠中の脳の主な機能は 「脳の老廃物(mental wastage)」 毒素を排出すること 「より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるため」、なかなかよく出来た仕組みだ 簡単なことでもやり方を忘れる 睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする 長期記憶が損なわれる 睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている」、「長期的」な弊害は本当に怖い 攻撃性や不安感を持ちやすい 「睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ」 「睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い」 「睡眠不足」の弊害は想像以上に深刻だ 人間関係を危険に晒す 「寝ていない」自慢」は錯覚でしかない。しかも、「人間関係を危険に晒す」危険極まりないものである以上、「長時間にわたって脳を途切ることなく解放」していきたいものだ
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医療問題(その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」) [生活]

医療問題については、昨年12月15日に取り上げた。今日は、(その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」)である。

先ずは、昨年12月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「多すぎる病院」が、コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258104
・『現実味を帯びる医療崩壊 内情はどうなっているのか  連日のように「医療崩壊の危機」が叫ばれている。 日本医師会などは「医療の緊急事態」を宣言、日本看護協会も春の第1波の際に看護師が離職した医療機関が15.4%にのぼったという調査結果を明らかにするとともに、現在看護職員の心身の疲労がピークを迎えており、「限界に近づいている」と述べている。 かねてより懸念されていた医療崩壊がいよいよ現実味を帯びてきたことを受けて、「指定感染症の2類相当措置の見直し」(注)を主張する人も増えてきた。インフルエンザと同じような対応にすれば、医療崩壊は避けられるというのだ。 マスコミがそうした騒ぎ方をしていることで、感染症で高齢者が亡くなることがすっかり「コロナの恐ろしさを象徴する悲劇」ということになってしまったが、実は日本ではインフルエンザでコロナよりも多く人が亡くなっている。昨日、「コロナで亡くなった人が3000人を突破した」とマスコミが報じていたが、昨年インフルで亡くなった方は3575人もいるのだ。 ワクチンや治療薬があるのになぜこんなにも「助けられない命」が出てしまうのかというと、社会のあちこちでクラスターが発生して、高齢者や基礎疾患のある方が感染し、重症化するからだ。 皆さんも、昨年の今頃は少し熱っぽくても、満員電車に乗って会社へ行ってゴホゴホやっていたはずだ。日本全国の小学校や中学校も同じで、軽症の子どもたちがウイルスを広め、学級閉鎖が起きていた。こんな調子で、実はインフルエンザは年間1000万人もの感染者が出ている。 ただ、これだけ凄まじい数の感染者と重症者・死者が出ているにもかかわらず、毎年冬になるたびに「医療崩壊の危機」は叫ばれていない。その理由は明快で、季節性インフルエンザは5類感染症だからだ。 コロナのように、重症患者は指定感染症医療機関でしか受け入れてはいけない、軽症や無症状でも隔離しなさい、検査結果をすべて報告しなさい、といった縛りがない。つまり、1000万人もの感染者が出ても、医療現場の負担は極端には重くならないので、対応できているというわけだ。 実際、医療専門サイト「m3.com」が9月に医療従事者を対象に意識調査を行なったところ、7割弱の医師が「2類相当の見直しが必要」と回答したという。 これには個人的にはまったく同感だ。しかし、一方でもし仮に「2類相当の見直し」がなされたところで、そこまで状況は改善されないのではないかという気も少々している。日本の「医療崩壊の危機」を引き起こしている根本的な問題が、解決されていないからだ。 それを放置したままで、インフル相当の対応にしても、医療現場は疲弊していく一方である。よしんば今回はどうにかしのいだとしても、新たなウイルスが登場したらひとたまりもない』、「2類相当の見直し」は確かに小手先の対応といった印象だ。
(注)「指定感染症の2類相当措置の見直し」:感染症には1類から5類まである。全国保健所長会が2類相当の扱いを緩めることで、保健所の逼迫状況を解消してほしい旨を厚労省に申し入れた。
・『急性期病院が多すぎることの何が問題なのか  では、それは何かというと、「急性期病院が多すぎる」という問題だ。 「急性期病院」というのは、地域の重症患者の治療などを24時間体制で行なっている大きな病院のことだ。今回、コロナの重症患者を受け入れて、現場がひっ迫しているのはほとんどこの急性期病院だ。 というと、「日本はそういう大きな病院がたくさんあるおかげで、まだなんとか医療崩壊をしないで済んでいるんだろう」と感じる方も多いだろう。「うちの近所にはそういう大きな病院がない!多いどころか足りていないじゃないか!」と怒りの声をあげる方もいらっしゃるかもしれない。そう、われわれ日本人にとって、「病院がたくさんある=医療が充実している」というのは、小学生でもわかる「常識」だ。 これまで、筆者もそう思っていた。が、800以上の急性期病院のビッグデータをもとにして病院の経営改善支援をおこなっている、グローバルヘルスコンサルティングジャパン(以下、GHC)の分析を見ると、それは「思い込み」に近いものだった、という厳しい現実を突きつけられる。 結論から先に言ってしまうと、地域の医師や看護師といった医療従事者の数に対して、急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きているのだ。 GHCの会長で、スタンフォード大学で医療政策部を設立した国際医療経済学者のアキよしかわ氏と、GHC代表取締役社長の渡辺さちこ氏によって、今月23日に世に出された『医療崩壊の真実』(エムディエヌコーポレーション刊)には、「多すぎる急性期病院」という問題がコロナ医療をひっ迫させていることを示す、客観的なビッグデータが多く掲載されている。 たとえばわかりやすいのが、「集中治療」に関するデータだ。 コロナ患者が重症化した場合、集中治療ができるかどうかということが、患者の生死を分けることになるのは言うまでないだろう。もちろん、それは集中治療室があればいいという単純な話ではなく、ECMOや人工呼吸器などを用いての治療となるため、専門的な知識や経験のある「集中治療専門医」や「救命救急医」がいなくてはいけない』、「急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きている」、このブログの1月11日付け「パンデミック(経済社会的視点)(その12)」でも指摘した問題である。
・『「人が足りない」では片付けられない問題とは  では、日本のコロナ重症患者たちはそのような適切な治療を受けているのかというと、必ずしもそうとは言い難い現実がある。 今年の2~6月にコロナ患者を受け入れた341の病院を対象にGHCが調査をしたところ、集中治療専門医、救命救急専門医がいた病院は193病院(57%)にとどまり、これらの専門医がいない病院が4割強に上っているのだ。 日本の専門医が不足していることは事実だが、実はこれには「人が足りない」で片付けられない構造的な問題もある。コロナ患者を受け入れていない266の病院では、35病院(15%)で集中治療専門医や救命救急専門医が常勤し、89病院(39%)には呼吸器内科専門医がいた。 コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ。GHCはこの問題について、以下のように分析をしている。 《ここで、「問題の本質」はというと、集中治療専門医が全国で1955人(救急科専門医は約5000人、いずれも日本救急医学会HPより)と、それでなくとも十分ではない中、日本のこの状況は、“多すぎる急性期病院数”が「専門医の分散」に拍車をかけているという実態があるということなのです》』、「コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ」、なんともバカバカしい「ミスマッチ」だ。
・『OECD加盟国平均よりも多い日本の病床数が物語ること  そう聞くと、「ミスマッチが起きていることはわかったが、それを病院の数に結びつけるのは暴論だ!」「病院が多いことで救われる命もたくさんあるはずだ!」という意見も多く出そうだ。「病院がたくさんある=医療が充実している」という常識を持つ日本人にとって、受け入れ難い結論だろう。 ただ、残念ながらこれも客観的なデータが物語っている。同じく『医療崩壊の真実』の中に掲載されているが、日本の人口1000人あたりの病床数は13.1。OECD加盟国平均は4.7なので、それと比べて桁違いにベッドの数が多いのだ。それはつまり、病院の数もかなり多いということである。 もちろん、これは国民皆保険という日本独自の制度ゆえの多さだ。どこでも誰でも気軽に医療にアクセスできるようにする保険制度なのだから、いたるところに病院がなくては意味がない。そのような意味では、日本にこれほど病院が多いことは決して悪いことではなく、むしろ素晴らしいことだ。 乳幼児や子どももすぐに医療にかかることができるし、お年寄りや体の弱い人もアクセスしやすい。どこかの国のように、隣町の病院へ行く途中に亡くなってしまうといった悲劇も少ない。病院が圧倒的に多いことが日本人の健康や命を守ってきという事実からも、筆者は「病院が多い」ことを批難するようなつもりはまったくない。 ただ、我々患者がその素晴らしい医療の恩恵を受けることができているのは、「医療従事者の重い負担」という犠牲の上に成り立っているという現実がある、という現実を指摘したいだけだ。 人口1000人あたりの医師数は、OECD平均が3.5人のところ、日本は2.4人しかないのである。看護師も先進国の中では、多くもなく少なくもなくという感じだ。 医療従事者の人口あたりの数は、諸外国と比べてそれほど変わりがないか、むしろ平均以下のこの国において、病院が諸外国と比べてこれほど多かったら、どんな悲劇が起きるかは明らかだろう。 まず、医療現場ではブラック労働が常態化する。圧倒的に多い病院に、ただでさえ少ない医療従事者が振り分けられるので、1人あたりの負担が重くなることは容易に想像できよう。その中でも、諸外国と比べて仕事量が増えるのが看護師だ。 「第9回医師の働き方改革に関する検討会」(2018年9月3日)で配布された「諸外国の状況について」という資料の中に、諸外国の医療体制を比較した一覧がある。その「病床百床あたり臨床看護職員数」を見ると、アメリカは394.5、イギリスが302.7、ドイツが164.1、フランスが161.8であるのに対して、日本はどうかというと、83と断トツに少ない。 これだけ負担が重いと、当然心身を壊す。日本医療労働連合会の「看護職員の労働実態調査」(2017年調査)では、「慢性疲労」を訴える看護師は7割を超え、「仕事を辞めたいと思う」が74.9%にも達していた。その理由は「人手不足で仕事がきつい」が47.7%と最も多く、その次が36.6%で「賃金が安い」だった』、「看護師」の業務はまさにブラック職場そのものだ。
・『医療現場はコロナ禍前から「崩壊」の危機に瀕していた  マスコミは「コロナ感染拡大によって医療現場がひっ迫しています!」「看護師の心身が限界です!」と大騒ぎをしているが、コロナのはるか昔から、医療現場はとっくに「崩壊の危機」にさらされていたというわけだ。 それが崩壊せずにどうにか持ちこたえていたのは、現場の医療従事者たちの「頑張り」以外の何物でもない。それが今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えているのだ。 日本の医療崩壊危機は、医療従事者数に対して圧倒的に病院数が多いという「歪んだ構造」によるところが大きい。この根本的な問題を解決しないことには、「指定感染症2類相当措置の見直し」などで現場の負担を軽減しても焼け石に水だ。インフル相当にすれば当然、市中感染が広がるので、地域の急性期病院に重症患者が集中する。そうれなれば結局、医療のひっ迫は繰り返されるだろう。 もし何かしらの要因で、感染者数が減少に転じるなどして運よく乗り切っても、新手のウイルスが来たらまた同じ問題が起きる。また、高い確率で起きると予想される首都直下型地震や南海トラフ地震で多数の怪我人が出た際にも、今のまま医療従事者が「分散」していると、地域医療は機能不全に陥ってしまう恐れもある。 本当に医療従事者の負担を減らして日本の医療を守りたいのなら、「医療従事者のためにも出歩くな」「我慢だ」「GoToを止めるのが遅いのが悪い」といった感情的な議論をしているだけでは、いつまでたっても問題は解決できない。 なぜこんなにも、医療従事者が疲弊しているのか。なぜ世界一というほど医療インフラが整備されているのに、崩壊寸前になっているのか。今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要なのではないか』、「現場の医療従事者たちの「頑張り」で」「持ちこたえていた」のが、「今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えている」、「今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要」、同意したい。

次に、1月13日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏による「医療体制は根本的な立て直しが急務、今こそ動くべき「自民党厚労族」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/259401
・『新型コロナの感染拡大が止まらない。欧米に比べ感染者は圧倒的に少ない日本だが、なぜ医療崩壊が起きているのか。複雑に問題が絡み合う医療体制の本質的な問題解決のために、「自民党厚労族」がもっと動くべきではないだろうか』、「族議員」に何を期待するのだろうか。
・『医療崩壊の本質的な原因は何か  菅義偉政権は、新型コロナウイルス感染拡大が止まらない東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県を対象に緊急事態宣言を再び発令した。経済への悪影響を考慮して、宣言に基づく措置は前回より絞られたものとなった。 筆者は、「緊急事態宣言」の発令以前に政治がやるべき対策があったと思う。菅首相の対応が厳しく批判されているが、むしろ「自民党厚労族」がより前面に出て、医療体制の複雑な問題を、解きほぐして対策を立てていくべきだったと思う。 また、緊急事態宣言の再発令については、違和感がないわけではない。 欧米の新型コロナ感染者数は日本の約100倍を超えるなど、圧倒的に多い。一方、日本は感染者数が欧米に比べると少なく、人口当たりの病床数が群を抜いて世界で一番多い国だ。それにもかかわらず、医療逼迫(ひっぱく)や医療崩壊の危機が騒がれている。 つまり、緊急事態宣言まで出して、国民の行動をさらに制限しようとしているが、国民の行動そのものが医療崩壊の危機の原因というよりも、むしろ、日本の医療体制、医療行政により本質的な問題があると思う。そこに手を付けるのが難しいので、国民により一層の努力を求めているのである』、確かに「本質的な問題」には「手を付け」ずに、「国民により一層の努力を求めている」、余りに安易だ。
・『重症者対策は大病院に集中させるべきだ  この連載では、昨年夏、新型コロナの「第2波」が収まりつつあった時に、大学病院に対する重症者の病床確保の依頼を交渉してまとめておき、「第3波」を待ち構えておくべきだったと指摘した(第262回・p2)。 特に、今回、緊急事態宣言が再発令された東京都では、最初からコロナ患者を受け入れている東京医科歯科大学をはじめ、受け入れを少しずつ増やしてはいる。だが、その数はまだまだ十分とはいえない。 現状は、重症者向けの設備が整わない中規模病院が中症者等を受け入れて疲弊している一方で、重症者への対応が可能な規模と最先端の設備を持つ大学病院など大病院の多くのコロナ患者受け入れが十分ではなく、その結果、重症者向け病床が逼迫しているということだ。 逆に言えば、やはり大学病院など設備の整った大病院に、新型コロナの治療の経験を積み、ある程度治療法を理解した人を集約化して、集中的に治療に専念する体制を組むほうが、重症者の救命率を上げることができるということではないだろうか。 例えば、新型コロナの死亡率には、地域差があることが指摘されている(共同通信)。新型コロナ感染後に死亡する人の割合は、東京が1.1%にとどまるのに対して、岩手、富山、石川の3県では5%を超えるなど、地域によって違う。死亡率が高い地域は、病院や高齢者施設のクラスターの発生が多く、感染者の平均年齢が高いようだ。 それについて、筆者の知人で米国での勤務経験がある臨床医に聞くと、地方では集中治療室(ICU)や専門医が少ないからだと指摘する。一方、東京は感染者数が多いにもかかわらず死亡率が低いのは、感染が若者中心であることに加えて、これまでの治療や感染対策の経験が生かされているからだという。 要するに、やみくもに感染者を治療するよりも、ある程度経験があり治療法がわかった医師を集めて、治療にあたったほうがいいということがいえるのではないか。 これから1カ月間の緊急事態宣言でなんとか感染者数を減らし、一息つけるような状況になることを願う。そして、その間に大学病院など大病院に経験のある医師、施設を集約させて、重症者対策を充実させるべきだと、あらためて主張したい』、同感である。
・『重症者対策を集約できない理由  大学病院など大病院に新型コロナの重症者対策を集約できないのには、さまざまな理由があると考えられる(第262回・p3)。新型コロナ用の病床を増やすことで、心臓移植、肺移植など高度な医療設備を使った治療や手術ができなくなる懸念がある。 また、大学の教授会や病院内の「政治力」の問題もあると考えられる。要は、感染症関連の医師の政治力が弱いからだ。政治力を持つのは、「七大生活習慣病」の関連科である。 新型コロナの重症者を受け入れると教授会や理事会で提起しても、「七大生活習慣病」の医師から、院内感染でクラスターが発生したら、ほかの疾病の高度治療や研究に支障が出るという意見が出たら、それに抵抗するのが難しいことは容易に想像できる。 さらに、医師不足が問題となっているが、新型コロナに対応する病院に、医師を集められない現状があるという。筆者の知人の臨床医によれば、比較的忙しくないクリニックの勤務医で、新型コロナ対応を手伝いたい医師は少なくないようだ。 ところが、昨年4月の緊急事態宣言発令時に、「手伝いたい」彼らは保健所や医師会に連絡したが、手伝うことができなかったという。行けるところがあれば行きたかったというが、これまでその機会はなかった。看護師の募集はたくさん出ているが、医師のスポット勤務の募集がほとんどないのだそうだ。 彼らは、重症者対応は経験を積んだ優秀な医師が集中的に行い、外来の対応などはスポット勤務の医師で対応できると指摘している。それでも、新型コロナ対応の医師のスポット勤務の募集が出ない理由は、おそらく労災など補償の問題が生じるからだと推察される。スポット勤務した医師が、新型コロナに感染した場合、2週間隔離となる。本来の勤務先のクリニックに出勤できなくなるので、その間の金銭的な補償をどうするかという問題が発生するのだ』、「大学の教授会や病院内の「政治力」の問題もある。要は、感染症関連の医師の政治力が弱い」、これはなかなか難しい問題だ。「新型コロナ対応の医師のスポット勤務」も「感染した場合」の「2週間隔離」があるのであれば、難しそうだ。
・『医療体制立て直しのために動くべきは政治家だが  結局、医療逼迫、医療崩壊を回避するためには、このような医療体制の複雑な問題をどう解決するかが重要となる。だが、それを医師の間で行えというのは無理だろう。医師は本質的に「専門家」であり「現場の人」だ。いきなり専門分野を超えて、制度設計を考え、必要な改革を実行する行動は難しい。 それでは、医療行政に携わる厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する。 医療崩壊の危機の元凶ともいわれ、現場の医師の7割が訴えているとされる新型コロナの感染症2類相当の指定の変更を、かたくなに拒んでいるのが象徴的だ(第248回・p5)。官僚にも、医療体制の柔軟な運用はできない。 結局、現行法の改正や、補償金の決定などによる医療体制の変更は、政治家しかできないのだ。 しかし、これまで、新型コロナ対策にかかわってきた官邸の政治家は、加藤勝信官房長官(前・厚労相)や西村康稔経済再生相である。彼らは、安倍政権期から「世論対策担当」を担ってきた政治家だ(第163回・p3)。これについてまず考えたい。) 例えば、加藤官房長官は、かつて「働き方改革担当相」「一億総活躍担当相」「女性活躍担当相」「再チャレンジ担当相」「拉致問題担当相」「国土強靱化担当相」「内閣府特命担当相(少子化対策男女共同参画)」と、実に7つの閣僚職を兼務していた。これらは、まるで一貫性がなさそうだが、全て「国民の支持を受けやすい課題」だという共通点があった。 つまり、加藤氏はいわば「支持率調整担当相」であり、首相官邸に陣取って、支持率が下がりそうになったらタイミングよく国民に受ける政治課題を出していくのが真の役割だった。 また、安倍政権期から新型コロナ対策担当となったのが、西村経済再生相だ。経済再生と、基本的に経済活動を抑制して感染症の広がりを防ぐという、まるでアクセルとブレーキを同時に踏むような正反対の役割を1人で担ってきた。そのことが、官邸が仕切る新型コロナ対策の本質を象徴的に示しているのだ。 振り返ってみれば、新型コロナ対策で官僚と専門家会議が「クラスター対策」など日本独自の戦略を編み出し、一定の成果を上げた一方で、突如として科学的な根拠のない「アベノマスク」「Go Toトラベル」のような、一見「国民の受けがよさそうな対策」が突如出てきた。これは、加藤氏や西村氏という「支持率調整担当」の政治家が、官邸の意思決定にかかわってきたからにほかならない(第237回)。 そして、官邸が新型コロナ対策のために注視してきたことは、単純な感染者数の増減である。国民が、感染者数の増減にしか関心がないと思っているからだ。感染者数が増えれば恐怖し、減れば安堵する。そして、ワイドショーなどのメディアがその恐怖をあおる。それは、政権の支持率の変動に直結する。だから、新型コロナ対策は、単純な感染者数で決められていくことになる。 支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回るのは、ある意味当然だ。そういう世論調整のようなやり方は、平時にはうまくいったかもしれないが、コロナ禍という「有事」には通用しないと厳しく批判したい』、「厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する」、それを使いきれないのは、官邸の弱さもあるのではなかろうか。「支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回る」、もっとあるべき姿を実現するための対策、を考えてゆくべきだろう。
・『「自民党厚労族」が今こそ動くべきだ  新型コロナの特徴を理解し、適切な対策を決めることや、複雑な事情が絡み合った医療体制の問題を解きほぐして医療逼迫を防ぐことができるのは、日常的に医療行政に接して法律の制定や改正にかかわり、予算分捕りなどカネの流れにも精通しているはずの、自民党の厚労族議員なのではないか。 ところが、新型コロナ対策に関して、厚労族は静かなのである。むしろ、官邸の意思決定を混乱させないようにするためか、現場の医師からの声を受け止めながら、それが官邸に届かないようにしている節すらある(第242回・p8)。例えば、現場の医師からの要望が非常に強い、新型コロナの指定感染症2類の見直しを、厚労族の重鎮である田村憲久厚労相が行わないとしているのだ。 世界的に、ロックダウンという新型コロナ対策は、単に感染拡大を先送りするだけで効果がそれほどないことが明らかになっている。日本でも緊急事態宣言で、感染者数が一時的に減ったとしても、それで安堵するだけでは、問題の本質的な解決にはならない。  繰り返すが、欧米の約100分の1の感染者数にとどまりながら、欧米では起きていない医療逼迫、医療崩壊の危機に陥ってしまっているということが、日本の新型コロナ対策の本質的な問題だ。それは、世論の推移に右往左往する官邸ではなく、自民党厚労族が複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていくことで、解決すべきなのではないだろうか』、「自民党厚労族」に「複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていく」、といった芸当を期待するのは甘いようだ。もっと主体的な解決策を期待したい。
タグ:医療問題 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 上久保誠人 (その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」) 「「多すぎる病院」が、コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由」 現実味を帯びる医療崩壊 内情はどうなっているのか 「2類相当の見直し」は確かに小手先の対応といった印象だ 急性期病院が多すぎることの何が問題なのか 急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きている」、このブログの1月11日付け「パンデミック(経済社会的視点)(その12)」でも指摘した問題で 「人が足りない」では片付けられない問題とは コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ」、なんともバカバカしい「ミスマッチ」だ OECD加盟国平均よりも多い日本の病床数が物語ること 「看護師」の業務はまさにブラック職場そのものだ 医療現場はコロナ禍前から「崩壊」の危機に瀕していた 現場の医療従事者たちの「頑張り」で」「持ちこたえていた」のが、「今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えている」 今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要」 「医療体制は根本的な立て直しが急務、今こそ動くべき「自民党厚労族」」 医療崩壊の本質的な原因は何か 確かに「本質的な問題」には「手を付け」ずに、「国民により一層の努力を求めている」、余りに安易だ 重症者対策は大病院に集中させるべきだ これから1カ月間の緊急事態宣言でなんとか感染者数を減らし、一息つけるような状況になることを願う。そして、その間に大学病院など大病院に経験のある医師、施設を集約させて、重症者対策を充実させるべきだと、あらためて主張したい 重症者対策を集約できない理由 感染症関連の医師の政治力が弱い 新型コロナに対応する病院に、医師を集められない現状がある 新型コロナ対応の医師のスポット勤務」も「感染した場合」の「2週間隔離」があるのであれば、難しそうだ 医療体制立て直しのために動くべきは政治家だが 厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する」、それを使いきれないのは、官邸の弱さもあるのではなかろうか 「支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回る」、もっとあるべき姿を実現するための対策、を考えてゆくべきだろう 「自民党厚労族」が今こそ動くべきだ 「自民党厚労族」に「複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていく」、といった芸当を期待するのは甘いようだ。もっと主体的な解決策を期待したい
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健康(その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法) [生活]

健康については、11月10日に取上げた。今日は、 (その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法)である。

先ずは、11月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したサイエンスライターの川口友万氏による「「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/254663
・『11月19日はボージョレ・ヌーボーの解禁日。かつては赤ワインが健康にいいといわれたものだが、最近はすっかり耳にしなくなった。百薬の長ともいわれるお酒だが、実際はどうなのだろうか。本当に適量を飲めば健康になるのだろうか。ワインと健康の関係を最新の研究から紹介する』、世間ではまだ誤解も強いので、スッキリ晴らしてもらいたいものだ。
・『赤ワインを飲めば心臓病の予防になる?  今年もボージョレ・ヌーボーの季節がやってきた。日本への輸出が始まったのは1985年。時差の関係から欧米よりも早く解禁日を迎える日本では、輸出開始とバブル期が重なったこともあり、空前のお祭り騒ぎとなった。 ボージョレ・ヌーボーブームに続いて赤ワインが健康にいいと言われ始め、中高年男性諸氏がこぞって赤ワインを飲み始めたのが90年代のことだ。忘れている方のために復習するとブームの始まりは「フレンチ・パラドックス」からだった。 フランス人は乳製品をよく食べる。国際酪農連盟日本国内委員会(JIDF)の「世界の酪農情況2019」によると、フランス人の1人あたりチーズ消費量は年間26.5キロで世界第2位(1位はデンマークで28.9キロ)。日本は2.84キロなので、10倍近い差がある。 チーズや肉には飽和脂肪酸が含まれており、LDLコレステロールを細胞が処理する邪魔をする。LDLコレステロールは悪玉コレステロールといわれ、血中に増えると酸化して過酸化脂質になる。そして血管壁にへばりつき、血管細胞の細胞膜を劣化させて動脈硬化を引き起こす。 血液の中のLDLコレステロールは細胞が吸収して血中量を調整している。飽和脂肪酸が増えると細胞はLDLコレステロールを吸収できなくなり、血中に増加、動脈硬化が始まり、生活習慣病のリスクが跳ね上がる(なお不飽和脂肪酸がLDLコレステロールの材料というのは間違いだ)。 フランス人の血中LDLコレステロール量はアメリカ人やイギリス人と変わらないのに、なぜか虚血性心疾患(いわゆる心臓まひ)での死亡率が圧倒的に低い。 1987年の人口10万人あたりの虚血性心疾患による死亡率を見ると、イギリスやデンマークなど欧州各国が軒並み200人を超えており、これを乳脂肪の摂取量と関連づけるとキレイな直線に並ぶ。乳脂肪(チーズなど乳製品)を取る国ほど死亡率は高く、乳製品をあまり食べないスペインやポルトガルは低い。ところがフランスだけがこの直線から外れるのだ。 フランスの乳脂肪摂取量はドイツをやや上回る。ところが虚血性心疾患で死ぬドイツ人は10万人あたり約160人だが、フランス人は約60人と圧倒的に少ない。同じ量の乳製品を食べ、血中LDLコレステロールも同じなのに、フランス人は他国の3分の1しか心臓まひにならない。これがフレンチ・パラドックスである。 その理由が赤ワインじゃないかという。国際ブドウ・ワイン機構によると2015年の1人あたりのワイン消費量のトップはポルトガルで54L、ついでフランスが51.8L、イタリアが41.5L。乳脂肪摂取量と虚血性心疾患の死亡率にワイン消費量を加えて補正すると、これが見事に直線上に並ぶ。ワインを飲む国ほど虚血性心疾患の死亡率が低いのだ。 この情報が日本に上陸、赤ワインブームを巻き起こしたわけだ』、「フレンチ・パラドックス」については、初めて知ったが、確かに不思議だ。
・『フレンチ・パラドックスの原因はいまだ解明されてない  なぜ赤ワインが虚血性心疾患を防ぐのか? 赤ワインの赤い色はブドウの種や皮に含まれるポリフェノールという色素の働きだとされた。ポリフェノールには抗酸化作用があるため、LDLコレステロールが酸化して過酸化脂質になるのを防ぎ、動脈硬化を引き起こす率を下げるという。 レスター王立病院のサイモン・マクスウェル医学博士らが1994年、学生にワインを飲ませ、血液中の抗酸化度を測った実験では6時間以上にわたり、抗酸化作用が持続した。さらに、同じく1994年に国立健康・栄養研究所の近藤和雄・臨床栄養部臨床栄養指導室長(当時)らが行った実験では、被験者にワイン500mlを2週間飲んでもらったところ、血中の酸化LDLコレステロールが有意に減少した。LDLコレステロールが酸化するまでの時間が延びていることもわかった。 また、山梨大学ワイン科学研究センターでも1996年に佐藤充克客員教授が、活性酸素(体内で発生する強力な酸素分子で細胞を破壊し、老化の一因とされる)の量と赤ワインのポリフェノールの量に明らかな関係があり、ポリフェノールを加えると活性酸素系での活性酸素が減ることを世界に先駆けて確認した。 こうした数々の実験結果などから疑う余地がないかに見えた赤ワインの効果だが、アバディーン大学・ローワン健康栄養研究所の化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった。フランスではこの期間にワイン消費量が大幅に低下したが、虚血性心疾患の死亡率に変化がなかったのだ。 このため、ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない』、「化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった」、「ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない」、確かに考えるほど不思議だ。
・『赤ワインも白ワインも抗酸化力は変わらない  さらにややこしいことに「白ワインの方が体にいい」という説まで出てきた。これまではポリフェノールの抗酸化作用が健康に役立つと考えられていたため、ポリフェノールが少ない白ワインは健康に関係しないと思われていた。 ところが1998年に新潟県立看護短期大学の石沢信人研究員らが赤ワインと白ワインの抗酸化力を比較したところ、両者に差はなく、むしろ一部の白ワインは赤ワインを上回る値を示した。 ポリフェノールの量自体は赤ワインが1100~2900mg/Lに対して、白ワインは250~340mg/Lと大きく異なるが抗酸化力は変わらない理由はポリフェノールの分子サイズにあるようだ。 山梨大学ワイン科学研究センターによると白ワインのポリフェノールは分子構造が小さいため、細胞の吸収率が高いという。ポリフェノールの量が少なくても白ワインに高い抗酸化力があるのはそのためのようだ。 なお、赤ワインにはポリフェノール以外にも、レスベラトロールという物質が10mg/L程度含まれている。一部の研究によれば、この物質には寿命延長作用があるらしいとの報告もある。酵母菌や線虫、小魚などで寿命延長効果が発見され、2008年には高脂肪食を食べさせたマウスにレスベラトロールを与えると普通のマウスと同じ期間生きることがわかったというのだ。 とはいえ、赤ワインを飲めば寿命が延びると喜ぶのは早計だ。 山梨大学ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克氏は『ポリフェノールと健康について』という文章でレスベラトロールに触れ、人間が赤ワインで必要な量のレスベラトロールを取ろうとすると1日1L以上になり、アルコールによって寿命が縮まると書いている。 結局のところ、赤ワインには抗酸化作用もあるし、もしかしたら寿命を延ばす効果もあるかもしれない。しかし、赤ワインを飲むだけでは心臓病の予防にはつながらないということだ。おそらく赤ワインを含むフランスの食事や生活習慣が作用しあって、フランス人の虚血性心疾患を抑えているのではないか。 飽和脂肪酸の原因としてやり玉に挙げられた乳製品にしても、厚生労働省の大規模調査では、乳製品のカルシウムをたくさん取った人は脳卒中、脳梗塞などの発症リスクが低下することもわかっている。単純に1つの食べ物を取り上げて、体に良い悪いとは言い切れないのだ。 栄養素は複雑に絡み合って体に影響する。「○○だけ飲めば健康になる」という話は眉に唾して聞いた方がいい。赤ワインによる健康ブームが過去のこととなったのは、多くの人たちがそれに気づいたからだろうか。今年はそんなことを考えつつ、ボージョレ・ヌーボーを抜栓したい』、「栄養素は複雑に絡み合って体に影響する。「○○だけ飲めば健康になる」という話は眉に唾して聞いた方がいい」、「赤ワイン」「白ワイン」ともおいしければいいのではなかろうか。

次に、12月14日付け東洋経済オンラインが掲載したメモリークリニックお茶の水理事長・院長の朝田 隆氏による「やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/392736
・『歳を取ると、「物忘れ」や「めんどうくさいと思うこと」が増えてくるもの。その原因は単に年齢によるものの場合もありますが、人によっては「ある病気の前触れ」である場合も。以前よりもやる気を出しづらくなった人を襲う病とは? 医学博士の朝田隆氏による新書『認知症グレーゾーン』より一部抜粋・再構成してお届けします。 最近、どうも人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ。そう感じている50代、60代の方は多いのではないでしょうか。もしかしたら、ご夫婦で会話をしているとき、次のような場面が増えているかもしれません。 本人:そういえば、前に新宿で会ったあの人、海外に転勤になったらしいよ。 奥さん:誰のことです? 本人:ほら、新宿のデパートで会った、あの人だよ、お前もよく知っているあの人! 奥さん:あの人って言われてもわかりませんよ』、私も「人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ」、と悩まされている。
・『「ど忘れ=認知症」というわけではない  本人としては、それが誰かわかっていて、頭の中ではちゃんと顔も浮かんでいます。その人には子どもが2人いて、ネコを飼っていることもわかっている。でも、どうしても名前だけが出てこない。 このような、いわゆる「ど忘れ」は50代、60代にもなれば、誰でも起こってくるものです。頭の中に記憶は残っているものの、どうしても名前をうまく引き出せない、もどかしい、といった感じでしょうか。同じように、物の名前も出てこなくなりがちです。それでついつい、人の名前も、物の名前も全部、「あれ」とか「これ」で済ませてしまうようになるのです。 人や物の名前だけではありません。時系列、つまり出来事の順番を間違えたり、混乱したりする場面も増えてきてはいないでしょうか。たとえば、自分の子どもが結婚した順番や、孫の生まれた順番を間違えるケースがよくあります。子どもは必ずしも年の順に結婚するわけではないですし、結婚した順に孫が生まれるわけでもありません。孫の年齢が近かったりすると、どこの孫が最初に生まれて、2番目、3番目は誰で、といった時系列が混乱しがちです。 それでも、子どもの結婚や孫の誕生というのは、人生において一大イベントです。覚えていて当然なのに、最近どうもあやしくなってきた。 なんか、ど忘れが増えてきたなぁ。まさか、これって認知症じゃないよな」 そんな不安を感じている人も少なくないのではないでしょうか。ですが、このレベルのもの忘れであれば、まだ認知症ではありません。認知症になると、子どもが結婚したことや孫が生まれたこと、そのエピソード自体を丸ごと忘れてしまうからです。 「なんだ、じゃあ自分のど忘れは単なる年のせいか」 そんなふうに安心するのもちょっと待ってください。もしかしたら、そのど忘れは認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」の初期症状かもしれないからです。 MCIというのは認知症につながるプロセスの期間で、言うなればグレーゾーンの段階です。その初期症状が出てきたということは、認知症に向かってカウントダウンが始まったと言っていいでしょう。MCIが始まってから本格的な認知症に移行するまで、平均7年と言われています。 とはいえ、進行の度合いには個人差があり、1年後に12%、4年後には約50%が認知症を発症するとも言われています。その一方で、この段階で気づき、適切な対応がなされれば、健常な状態に戻ることもできるのです。 本記事では、一般の方にもわかりやすいように、MCIのことを健常と認知症の間の状態という意味で「認知症グレーゾーン」と表現することにします』、私の場合は、「MCI」が30年近く続いていることになる。「適切な対応がなされれば」、どうすればいいのだろう。
・『「めんどうくさい」はとても危険な兆候  認知症グレーゾーンの人には、固有名詞が出てこない、時系列が混乱するといったこと以外に、もう一つ特徴的な変化が見られます。それは気力の減退です。 今まで当たり前のようにきちんとやっていたことを、なんでも「めんどうくさい」と感じるようになり、「次でいいか」と考えてサボったり、先送りしたりするようになる。もともとそういう性格の人は別として、50代、60代で急に「めんどうくさい」「今度でいいか」が増えてくることは、実はとても危険な兆候です。 認知症は記憶が失われてしまう病気ですが、その入り口は“やる気”が失われることから始まります。この時期がまさに認知症グレーゾーンの初期段階で、そのまま放っておけば、認知症に向かって一直線に進んでしまいます。 もちろん、40〜50代になると、体力的にも精神的にも衰えてきます。一方で仕事は忙しく、子どもの進路や親の介護の問題なども出てくる時期ですから、めんどうくさい気持ちは起こりやすくなります。 しかし、通常は疲れやストレスの原因が一段落したり、休養を十分に取ったりすると、気力・体力は回復します。一方、認知症グレーゾーンの特徴として見られる無気力は、もっと病的なものです。 たとえば、長年続けていた趣味を、急にやらなくなった、というのは要注意です。あくまで、長年というところが肝心で、去年から始めたとか、定年後に人からすすめられて渋々始めたものをやめたのであれば、さほど心配はいりません。 一方、20年も続けて師範にもなっていた生け花をあっさりやめてしまったり、日曜日になると毎回早起きをして出かけていた釣りに、ぱったり行かなくなったり、長年大切に育ててきた庭のバラがすっかり枯れてしまっても、水をやろうともしない。そんな変化が見られたら、認知症グレーゾーンの疑いが濃厚です。 認知症の兆候というと、人の名前が出てこないといったもの忘ればかりが注目されますが、「めんどうくさい」に由来する行動上の変化は、記憶力の低下と同じくらい重要なキーワード。もの忘れは周囲が気づきやすいのに対し、「めんどうくさい」はわかりにくい。 わかっても認知症と結び付けて考える人はほとんどいません。ふつうに暮らしているあなたや、あなたの家族の中にも、認知症グレーゾーンが潜んでいる可能性が十分にあるということです』、私もかつては、よくガーデンセンターまでドライブしたものだが、最近はクルマはホコリを被ったままである。やはり「認知症グレーゾーン」にあるようだ。
・『「TVドラマ」がつまらなくなったら要注意  認知症グレーゾーンの時期に見られる「めんどうくさい」は、日常生活のさまざまな場面で表れてきます。たとえば、私が診ている患者さんの中には、「以前はNHKの朝ドラや大河ドラマを欠かさず観ていたのに、最近はつまらなくなって観るのをやめました。でも、歌番組や大相撲は楽しく観ています」と話す方がいらっしゃいます。 連続もののドラマは、3カ月、半年といった一定期間、ストーリーをずっと記憶して追い続けるところに醍醐味があります。毎回ドラマの最後で流れる次回のあらすじを観て、「来週はどんなふうに展開するのだろう」とワクワクし、次の放送時には前回の内容の記憶がぱっと蘇り、新しい展開にのめり込んでいく。 ところが、認知症グレーゾーンになると、先週までのストーリーや、登場人物の役どころや名前をしっかり覚えられなくなったり、覚えておくことがおっくうになったりします。つまり、連続ドラマが面白くなくなるのは、ストーリーがつまらないからではなく、記憶力や気力の低下によって、興味を保ち続けことができなくなることが原因である可能性があるわけです。他方、歌番組なら、自分の記憶に残っている昔の歌が流れてきたら、「わあ、懐かしい」「これ、知っている」ということで楽しめます。 スポーツは、その場の勝ち負けでシンプルに楽しめます。とくに、わずか数分で勝負がつく相撲は、認知症の高齢者の間でも人気があります。私の患者さんの中にも相撲ファンはたくさんいます。テレビ番組の好みが変わったのは、こうしたことが原因かもしれないのです』、私は「TVドラマ」では、日本ものは半沢直樹ぐらいで、あとは欧米ものが中心だ』、「わずか数分で勝負がつく相撲は、認知症の高齢者の間でも人気があります」、その通りだろう。私もさまざまな出来事に好奇心を失わず、このブログも更新していくたい。

第三に、12月14日付けダイヤモンド・オンライン「精神科医が実践、1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法」を紹介しよう
https://diamond.jp/articles/-/256995
・『レビュー  新型コロナウイルスの流行で、突如として始まった在宅勤務。誰とも直接話ができない「ステイホーム」で、予想外にストレスを抱えてしまったという方も多いのではないだろうか。 本書『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』の著者は、現役の精神科医だ。メンタルの専門家である著者でさえも、誰とも口をきかずに過ごしているうちに孤独を強く感じてしまい、「このままではいけない」と危機感を覚えたそうだ。本書は、著者自身が試行錯誤しながら実践し、効果があると感じた対処法を集めたものである。 専門家としての視点からの解説も含まれているが、文体はやわらかく親しみやすい。専門家である著者でもすべてを投げ出したくなったり、疲れたり、コンプレックスを感じたりする。そんな著者が「効果あり」と感じている対処法は、難しいものでも特別なものでもない。紹介されているコツは、どれも気軽に取り入れられそうなものばかりだ。だからこそ、忙しい日常にもすぐに始めることができるだろうと思わせてくれる。 現在のような感染症の流行時だけでなく、今後も在宅ワークが必要になり、ひとりで過ごさなければならない日々が続くことは大いにあり得る。たとえひとりぼっちで1日誰とも話さなくても、心身ともに健やかに過ごしたいものだ。そんな時に、本書の「楽に生きるコツ」は心を落ち着けるヒントをくれることだろう。暗い気持ちになりがちな現在のような状況であっても、肩の力を抜いて穏やかに生きていける、そんな明るい気持ちにさせてくれる一冊だ』、興味深そうだ。
・『本書の要点  (1)ステイホーム以来、1日誰とも話さない日々に孤独を感じてメンタルに不調を訴える人が増加した。本書では、そんな中でも楽に生きるためのコツを精神科医の著者が紹介していく。 (2)朝起きたら日光を浴びて、体内時計を整えるとともに、幸せホルモンの分泌をうながそう。 (3)コインの裏表のように、物事の見え方は見る角度によって変わる。三日坊主も見方を変えれば「経験豊富」だ。 (4)決断力が鈍ったら、ストレスが溜まっているサインだ。好きなことをして自分をリセットし、自分の「オール」を取り戻そう』、特に(2)や(3)を中心に面白そうだ。
・『要約本文  ◆ステイホームで増加した、孤独を感じる人々 ◇1日誰とも話さなくても、楽に生きていく  2020年、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、これまでは精神科とは縁遠かった人たちの受診が急増している。特に、「ステイホーム」が叫ばれ出してからは、ひとり暮らしの人の受診が目立って多くなっているのだという。突然自宅待機でリモートワークを強いられ、あらゆる行動が制限されている中で、大きなストレスを感じたのだろう。特に一人暮らしの人は、誰かと直接言葉を交わす機会のない日々で孤独を感じやすかったに違いない。メンタル専門の現役精神科医である著者ですら、誰とも面と向かって話をしていない日々を続けているうちに、毎日がつまらなく感じ、空っぽで虚しく、叫び出したくなる気持ちになったのだという。 私たちはこれからもウイルスと共存していかなければならず、また災害などの感染症以外の理由で、今後も「巣ごもり」状態を強いられる可能性がないとも限らない。しかし、そんな状況であっても、人生に絶望しないですむ方法はあるはずだ。そう考えた著者は、1日誰とも話さなくとも猫のように楽に生きていくためのコツを本書に集めた。著者が実際に試して効くと感じた方法ばかりだ。5つのステップにわけて紹介されているコツのうち、本要約では一部を扱う。 ◆ひとりぼっちな1日を楽しむための朝の過ごし方  ◇起きたら何時でも、カーテンを開ける(朝でも昼でも、目が覚めたらとにかくカーテンを開けよう。太陽の光を部屋いっぱいに取り込めば、人間の体はビタミンDの生成作業を開始する。カルシウムの吸収を助けて骨を強くするほか、免疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待できる。) さらに、太陽光を浴びることで、体内時計を調整することができる。体温やホルモン分泌などの調整をになう体内時計(概日リズム)は、1日およそ25時間のサイクルになっている。私たちの体は日光を浴びることでこれを調整している。そのため、日の光を浴びない生活をしていると、半月もしないうちに昼夜が逆転してしまうことになる。 また、太陽光は「幸せホルモン」のひとつであるセロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用もある。 日が沈むと、セロトニンはメラトニンという睡眠ホルモンに変化する。昼のうちにたくさんセロトニンが出れば、夜にたくさんメラトニンができて、ぐっすり眠ることができる。起きたら、とにもかくにもカーテンを開けよう』、「体内時計」は知っていたが、「ビタミンDの生成作業を開始・・・免疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待」、「セロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用も」、などこ効果もあるとは初めて知った。
・『◇朝の「ブルーライト」は魔法の光(朝、スッキリと起きられず、困っている人は多いものだ。頭がボーッとしてなかなか起き出せないのは、体が「もっと寝させて」と訴えているからである。これは専門用語で「睡眠慣性」と呼ばれ、肉体的疲労やストレス、もしくはその両方で心身に疲労がたまっている時に感じやすくなる。 カーテンを開けるために窓に行くことすらできない、そんな朝にはリモコンやスマホを使って、自室を「長距離フライトの飛行機の中」のような状態にしてしまおう。飛行機の中は、寝る時間になると暗くなり、起きる時間には明るくなる。朝になると乗客が起き出して朝食が用意され、次第にあたりはガヤガヤし始める。これと似た状況を部屋の中に作り出すのだ。 起きたら手を伸ばしてテレビと照明のリモコンをオンにする。光を浴びながらテレビの音を聞いていると、だんだん目が覚めていくはずだ。 著者の知人の多忙なITエンジニアは、短時間睡眠の際はスマホを利用して起きているのだという。スマホから出るブルーライトは強烈で、脳を一気に覚醒させるほどの力がある。朝のアラームが鳴ったら、スマホを手に取りニュースを読む。すると、短時間しか寝ていなくても案外すんなりと起きられるそうだ』、「スマホから出るブルーライトは強烈で、脳を一気に覚醒させるほどの力がある」、初めて知った。目ざめが悪い時にはよさそうだ。
・『◆クタクタの自分を甘く優しくケアする方法  ◇疲れた時の「ご褒美タイム」  世間の荒波に揉まれて、クタクタに疲れてしまったら、迷わず自分を甘やかしてあげよう。ここでは、自分をいたわるためのセルフケアについて紹介する。 「頑張っているのに報われない」「最近ツイてないなあ……」と感じたら、「ご褒美タイム」を取り入れてみよう。スイーツ、アロマ、ハーブティー、買い物など、自分が癒され、ご機嫌になれるなら何でもいい。「ご褒美タイム」の活用で負のオーラを撃退できる。 ちなみに、疲れた時にスイーツに手が伸びがちになるのには、理由がある。スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ。 ご褒美は頑張る大人の特権だ。疲れた時は存分に自分を甘やかしてあげよう』、私は比較的自分に厳しい方だが、「スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ」、太らない程度に、甘やかすことにした。
・『◇ハードな大学病院勤務を乗り切った、「膝をよしよし」(優雅に見えるかもしれないが、医者という職業は過酷である。何十時間もの長時間労働に加えて、人の命がかかっているから指導医の先生からの容赦のないお叱りも当たり前だ。医者の世界は体育会系だ。疲労が蓄積してくればすべてが嫌になってしまうし、理不尽に他人のストレスのはけ口にされれば爆発しそうにもなる。 大学病院での精神科医1年目の時に、著者が同僚から教えてもらった自分をケアする技が「膝をよしよし」だ。まず、椅子に座ったままの姿勢や体育座りで、膝頭を手のひらで10秒ほどゆっくり撫でる。膝がじんわりと温かくなり、手のひらにぬくもりが伝わってくるだろう。そうしたら、次はふくらはぎを足先から心臓のほうへやさしく撫で上げよう。心地よさを感じてきたら「幸せホルモン」のオキシトシンが出ている証拠だ。 この方法は「スージングタッチ」と呼ばれ、自分のぬくもりで自分を癒すセルフケアとして注目を浴びている。撫でる部位は膝でなくても、自分がしっくりくる部位で構わない。 著者はこれをやりながら、同僚と一緒に大学病院勤務を乗り切ったのだという。疲れ切ってしまった時、ぜひお試しいただきたい』、簡単な「膝をよしよし」にも想像以上の効果がありそうなので、早速やってみたい。
・『◆明るい未来を掴む思考法  ◇「良いぞ!?」で物事を別の角度から見る(結婚式を控えたある女性は、この春の挙式に向けて1年も前から入念に準備をしてきた。しかし、折り悪くコロナウイルスの蔓延によって、無期延期を余儀なくされた。女性は放心状態になり、号泣していた。) そんな彼女に、父親は笑顔で声をかけた。「そうか、そうか。マキちゃん、これは、良いぞ!?」と。父親はさらに「マキちゃん、楽しみがずっと続くな。ずっと花嫁の父でいられるから、お父さんも嬉しいな。良いぞ!?」と続けた。 物事には必ず「陰と陽」がある。同じコインでも見る角度によって裏にも表にもなるように、同じ出来事も見方や受け取り方によって、良くも悪くもなる。 著者に披露宴の延期を伝えてくれた時の彼女は、笑顔だった。実はダイエットが間に合っていなかったのだという彼女は、来年の挙式までにキレイに痩せると決意したようだ。こうして、本番前の楽しい時間が続くことになった。「良いぞ!?」はハッピーが続くおまじないだ』、「父親」の機転の利いた言葉には感服した。
・『◇飽きっぽさも、見方を変えれば「経験豊富」(小学生の頃からめんどくさがり屋な著者は、夏休みの宿題は休みが終わるギリギリに焦って帳尻を合わせるタイプだった。面倒なことは気合いを入れないと手がつかないのに、興味を持ったことには何でもすぐに手を出したがるたちでもある。漫画を描くことやギター、将棋、囲碁、ランニングなど、いろいろやってはすぐに挫折してきた。 何をやっても長続きしないということが、著者にとっては長年コンプレックスだった。自分は挫折だらけだと思っていたが、ある時、人から「『経験豊富』なのね」と言われて驚いた。 飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている。たとえそれをものにすることができなかったとしても、気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になったのだという』、「飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている」、確かに「気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になった」、考え方を転換するのも人生の知恵だ。
・『【必読ポイント!】  ◇人生をゆったり楽に生きる方法(◆決断力が鈍ったら、自分の「好き」を思い出す(「人生は選択の連続である」はシェイクスピアの名言だ。ある日のお昼時、診療の合間を縫って駆け込んだコンビニで、著者は「うどんか蕎麦か、それが問題だ」とばかりに時間を費やして悩んでいた。) そこに颯爽と現れたスーツ姿の男性がいた。悩む著者の脇をすり抜け、男性はサッと冷やし中華に手を伸ばし、去っていった。決断力と自信にあふれた背中を見送った後、著者は気づけば冷やし中華を手にレジへ向かっていた。 たかが昼飯なのだから、好きなものを食べれば良いはずだ。そう思っていても、決められないことがある。こういうことは、自分の道を見失っている時に起きやすいのではないだろうか。自分を見失っている時には決断に迷いがない人が眩しく見えてしまう。この日の著者の目には、冷やし中華を選んだ男性がそう映ったのだろう。 著者は、決断力が鈍ってしまうのは自分を見失っているサインだと捉えることにしている。この状態を解決するためには、「自分に正直であろう」と思い直すことだ。そんな時にこそ少しでも現実を忘れる時間を取るのだ。著者の場合はカブトムシの世話であるが、「こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる』、「決断力が鈍ってしまうのは自分を見失っているサインだと捉えることにしている。この状態を解決するためには、「自分に正直であろう」と思い直すことだ・・・「こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる」、なるほど。
・『◇迷いも苦しみも全部「気のせい」にしてしまう(ストレスの多い現代社会では、気づかないうちにいろんなものを溜め込んでしまいがちだ。いっぱいいっぱいになって、「もういっそ、すべてを手放してスッキリしたい!」という心の叫びが、昨今の断捨離や禅修行ブームとなって表れているのかもしれない。 著者が勤める病院では、レクリエーションとして書道やペン習字ができる。写経が一番好きという患者さんに聞いた話では、たった262文字の般若心経は「生きるも死ぬも気のせい」という意味だそうだ。般若心経の意味を聞き、著者は「つまり、すべて気のせい」というふうに理解した。気のせいなら、悩んでも仕方がないという気持ちになる。 般若心経のような教えがあるということは、みんな同じで、同じ悩みを抱えているということだ。私たちはひとりだが、決してひとりぼっちではないのである』、「般若心経は「生きるも死ぬも気のせい」という意味だそうだ・・・気のせいなら、悩んでも仕方がないという気持ちになる」、確かにその通りだが、現実にはその割り切りは難しいようだ。
・『▽一読のすすめ  精神科受診の増加が示すように、コロナショックによって突然始まった自宅待機やリモートワークは、私たちに予想以上のストレスを与えているようだ。今、「なんとなく疲れた」と感じている人にとって、本書は元気を取り戻すための処方箋になることだろう。メンタルの専門家である著者が紹介しているものでありながら、普段使いできる技の数々は、読んだ人の生活を上向きにしてくれるに違いない。これからも続きそうな自宅中心の生活のストレスに悩んでいる方には、ぜひ本書を手にとっていただきたい。きっと、不安が軽くなることだろう。 評点以下は省略』、なかなか有用なアドバイスが満載で、読みでがあるいい記事だった。
タグ:健康 レビュー 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン フレンチ・パラドックス (その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法) 川口友万 「「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由」 赤ワインを飲めば心臓病の予防になる? フランス人の血中LDLコレステロール量はアメリカ人やイギリス人と変わらないのに、なぜか虚血性心疾患(いわゆる心臓まひ)での死亡率が圧倒的に低い フレンチ・パラドックスの原因はいまだ解明されてない 化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない 赤ワインも白ワインも抗酸化力は変わらない 朝田 隆 「やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意」 私も「人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ」、と悩まされている 「ど忘れ=認知症」というわけではない 私の場合は、「MCI」が30年近く続いていることになる。「適切な対応がなされれば」、どうすればいいのだろう めんどうくさい」はとても危険な兆候 認知症グレーゾーン 「TVドラマ」がつまらなくなったら要注意 「精神科医が実践、1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法」 「楽に生きるコツ」 本書の要点 (1)ステイホーム以来、1日誰とも話さない日々に孤独を感じてメンタルに不調を訴える人が増加した。本書では、そんな中でも楽に生きるためのコツを精神科医の著者が紹介していく。 (2)朝起きたら日光を浴びて、体内時計を整えるとともに、幸せホルモンの分泌をうながそう。 (3)コインの裏表のように、物事の見え方は見る角度によって変わる。三日坊主も見方を変えれば「経験豊富」だ (4)決断力が鈍ったら、ストレスが溜まっているサインだ。好きなことをして自分をリセットし、自分の「オール」を取り戻そう 要約本文 ステイホームで増加した、孤独を感じる人々 1日誰とも話さなくても、楽に生きていく ひとりぼっちな1日を楽しむための朝の過ごし方 起きたら何時でも、カーテンを開ける ビタミンDの生成作業を開始 疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待 セロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用も」、などこ効果もあるとは初めて知った 朝の「ブルーライト」は魔法の光 クタクタの自分を甘く優しくケアする方法 疲れた時の「ご褒美タイム」 スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ ハードな大学病院勤務を乗り切った、「膝をよしよし」 明るい未来を掴む思考法 「良いぞ!?」で物事を別の角度から見る 飽きっぽさも、見方を変えれば「経験豊富」 飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている 気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になった 【必読ポイント!】 人生をゆったり楽に生きる方法 ◆決断力が鈍ったら、自分の「好き」を思い出す 自分に正直であろう」と思い直すことだ こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる 迷いも苦しみも全部「気のせい」にしてしまう なかなか有用なアドバイスが満載で、読みでがあるいい記事だった
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医療問題(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) [生活]

医療問題については、9月24日に取上げた。今日は、(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方)である。

先ずは、9月25日付け東洋経済オンライン「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/376169
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第4回』、「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、まさに異常な「精神病院天国」だ。
・『いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた  「本当に怖かったですよ。それこそ普通に誘拐じゃないですか。まるでSF小説のような出来事が、まさか現在の日本であるとは信じられませんでした」 都内在住の元大学教員Aさん(52歳男性)は、今でもそのときのショックが忘れられない。2012年12月、たまたま実家に泊まった翌朝8時過ぎ、階下が騒がしく目を覚まして寝間着のまま階段を降りかけると、駆け上がってきた見知らぬ男2人に、両脇と足を押さえられ、家から無理やり連れ出されそうになった。 恐怖からAさんは柱や玄関の開口部を手でつかんで必死に抵抗したが、もう1人の男も加わり3人に引きはがされて抱えられたまま、家の前に停められたワゴン車に押し込められた。 「名乗りもせず、連れ出した理由もどこに行くのかも、まったく伝えられませんでした。車から降りて初めて、精神科病院に連れてこられたとわかりました」 移動中の1時間超の間も解放するよう求めて必死に抵抗したが、男たちに腕や腰を押さえつけられた。その結果、病院の診断書によれば、「加療2週間の頚部打撲および頸椎捻挫、全治3日間の頭部外傷および顔面外傷、眼球打撲傷」の傷害を負った。 事の発端は思いもかけないことだった。実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ。その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断されている。 家を出る時点では無傷だったのに、病院には顔と体が傷だらけで到着したと知ったAさんの父親が、この業者に詳しい報告を求めると、届けられた報告書にはこう結論付けられていた。 「弊社としては、本件については正当な業務行為であり、対応としても安全などの確保の観点から必要最小限の対応をしたものであると認識しております」 連れて行かれた精神科病院でのAさんのカルテには、この業者のことを「民間救急」「民救」と表現していた。本連載の第3回「夫の策略で『強制入院3カ月』妻が味わった悪夢」(2020年4月1日配信)でも触れたが精神科病院への移送を担うこれらの業者は、いったい何者なのだろうか。 精神科特有の強制入院の1つ「医療保護入院」(同制度については、連載第2回「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇」【2020年3月1日配信】で詳報)のための患者の移送については、1999年の精神保健福祉法の改正で、都道府県知事が公的責任において行う制度が新設された。Aさんのように家族等の依頼を受けた民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたためだ。 ところが、この公的移送制度は活用されていない。厚生労働省の調査によれば、施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている。年間18万件を超える医療保護入院の届出数(2018年度)からすると、ほとんど機能していない。 厚労省は実績の少ない理由として、適用の判断の難しさ、実施体制の確保の難しさなどを挙げるが、移送の実行までに自治体による事前調査や精神保健指定医の診察を要するなど、要は入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ。 その結果、法改正で排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている』、せっかくの「公的移送制度」は殆ど利用されず、「民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用」、というのはやはり問題だ。使い勝手をよくするなどの工夫の余地があるのではないだろうか。
・『移送の中心担うのは警察官OB  「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性はそう振り返る。男性は10年間でおよそ200人の移送を経験した。案件の内容によって3~5人でチームを組み、同社ではチームのリーダーは警察OBが担うことがほとんどだったという。 「精神科への移送業務には、警察官のノウハウが満載だ。移送は決まって早朝に行われたが、抵抗されにくい寝起きを狙うのは警察のガサ(家宅捜索)と一緒。硬軟織り交ぜて説得するのも取り調べ経験からお手の物だし、元警察官2人に両脇を抱えられたら身動きが取れないのも当然だ」(男性) 移送は移動時の安全確保を目的とした身辺警備(第4号警備業務)の1つという位置づけだ。そのため、「『きっちり契約書を取り交わしており、警備業法で規定のある業務である』と言われると、たとえ警察を呼ばれても問題となりにくいのでは。また警察官はOBに弱い。実際10年間で一度も警察沙汰になるようなことはなかった」(男性)とされる。 先のAさんも連れ去られるときに110番通報して警察官も到着したが、必死に抵抗して「助けてくれ」と頼んでも何もしてくれなかったという。 男性によれば、精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場だという。Aさんのケースでも父親は計21万円を支払っている。高額な分だけ融通が利くというわけだ。 その一方、公的移送制度と異なり条件の制約などもないため、悪用されるケースも当然少なくない』、「「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性」、「精神疾患のある方は2割ぐらい」、少なさに驚かされた。「精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ。
・『財産目当てで精神科病院送りに  「見知らぬ男たちに羽交い締めにされて、宇都宮ナンバーのワゴン車に連れ込まれた。財布や携帯電話などもまったく持ち出せなかった」 北陸地方で介護関連施設を経営していた70代男性のBさんは、精神科移送業者の対応について憤りをあらわにして語った。Bさんに精神疾患の既往歴は一切ない。 元警察官のBさんは定年退職後、退職金を元手に看護師の妻と一緒に介護事業を立ち上げた。経営が軌道に乗り出した頃、それまで20年近くほぼ音信不通だった長男から、自分も介護施設を経営したいと打診された。Bさんの会社名義で銀行から融資を受けたが、長男の事業構想は暗礁に乗り上げてしまった。「事件」が起きたのはそんなさなかだった。 2018年12月ある日の午前6時45分。Bさんがいつものように施設で利用者の朝食を準備していると、長男が男4人を連れて厨房に踏み込んできた。「認知症だからこれから病院に連れていく」と告げると、精神科移送業者の男たちは有無を言わせず、足と脇を抱えてBさんを引きずっていった。 やり取りを目にした施設利用者が騒ぎ出し、妻は「お父さんには認知症なんてない」「看護師だからわかるが、認知症と診断されるわけはない」と強く主張したが、問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った。 「車中では5時間半の間、ジャンパー姿の屈強な男たちに囲まれて連れていかれた。パーキングエリアでトイレ休憩した際も、自分だけは外出が許されず尿瓶の利用を強要された」(Bさん) 結局Bさんは、自宅から遠く離れた栃木県宇都宮市内の精神科病院で1カ月強の入院を余儀なくされた。 Bさん同様、遠方からの「患者」を多数受け入れている、この宇都宮市内の精神科病院で起きていることについては、今後の連載で取り上げる予定だ。 「精神科病院に入院させてしまえば、肩代わりした事業資金のこともうやむやにできるとでも考えたのだろう。それにしても、本当に認知症で大変なら妻から病院に相談があるはず。それにまったく取り合わず、一緒に住んでもいない長男の言い分のみで、こんな拉致・監禁がまかり通るとは」(Bさん) その後、長男とは再度、音信不通状態だという』、「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ。
・『難しい責任追及  実際、こうした精神科移送業者の行為に対し、賠償責任が認められたケースもある。2013年、大阪地方裁判所は離婚訴訟を有利に進めるために、医師に虚偽の説明をして元妻を精神科病院に強制入院させた元夫に損害賠償の支払いを命じた。同時に元妻の意に反する移送をしたうえ、加療を要する傷害を負わせたとして、移送業者も損害賠償責任を負うとした。 だが、精神科移送業者が表立って責任を問われることは極めてまれだ。こうした相談を何件も受けたことがあるという、内田明弁護士は「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんどで、証拠が乏しく責任追及することは現実的には難しい」と話す。 冒頭のAさんの言葉を借りれば、「まるでSF小説のような出来事」がまかり通っているのが、現代日本の精神医療の現実だ。(第5回に続く)』、「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ。

次に、12月11日付け東洋経済オンライン「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393818
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第7回』、興味深そうだ。
・『統合失調症と診断された彼が服用していた薬  曜日ごとに服用する薬が入れられたピルケースは、「水曜日」の分までが空になっていた――。このピルケースを使っていたのは、プロボクサーの武藤通隆さん(享年28)だ。通隆さんは2016年4月14日の木曜日、自宅のマンションから飛び降りて亡くなった。残されたピルケースは、通隆さんが亡くなる前日まで医師の指示通りにきちんと薬を飲んでいたことを物語っていた。 それまで一度も精神科病院にかかったことがなかった通隆さんは、統合失調症と診断されてわずか2カ月後に亡くなった。精神科病院を退院し自宅で療養中のことだった。 連載第6回「自殺した28歳ボクサーの父が精神病院と闘う訳」(2020年11月20日配信)で報じたとおり、退院前日に身体拘束を受けるほどの興奮状態にあった通隆さんだが、主治医の判断で当初の予定通り退院した。退院後、入院前にはなかった衝動的な言動が多くなり、父親や通隆さんが病院に再入院を求めたが、主治医からは「病院の経営上の理由」として認められなかった。 父親は、退院時に十分な検討を怠り、再入院を認めなかったとして病院を提訴。裁判で開示された病院のカルテによって、通隆さんが入院中に受けていた治療が初めて明らかになった。退院前日、暴れた通隆さんは入院中で最大量の薬が投与されていた。これは父親も知らされていない事実だった。 統合失調症は、自殺に至るリスクが高い病気として知られている。裁判では、退院のタイミングと、再入院をさせてもらえなかった点が争点になっている。しかし、通隆さんの父親は「本当の(自殺の)原因は薬だったのではないか」という疑問を拭えない。 通隆さんは2016年2月、記憶がなくなったり、同じ動作を繰り返したりする異変が起こり、精神科病院を受診した。主治医からは統合失調症の可能性があると告げられ、即日入院となった。診察室で、統合失調症の治療薬である抗精神病薬であるセレネースの筋肉注射を受けた。その日から抗精神病薬のロナセンの服薬も始まった。 父親は言う。 「統合失調症の主症状は妄想や幻聴だという知識はありましたが、息子にはそんな症状は一切ありませんでした。症状について尋ねようとすると、『統合失調症はなんでもありだから、個々の症状はあまり意味がない』と質問を遮られました。患者の具体的な症状を軽視するような態度に違和感を持ちましたが、専門家の判断に任せるしかないと思いました」 病院のカルテによると、入院中、通隆さんの薬の量は徐々に増加していた。ロナセンが増加される一方、同じ系統の抗精神病薬であるリスパダールも状態が悪化したときに使われていた。入院5日目からはベンゾジアゼピン系睡眠薬のレンドルミンも常用していた。 そして退院前日、薬の投与量は急激に増加した。身体拘束を受けた通隆さんは、普段飲んでいた抗精神病薬や睡眠薬に加え、入院時に打たれた抗精神病薬のセレネースの筋肉注射を再度受けた。さらに、抗不安薬のワイパックスと抗パーキンソン病薬のアキネトンが投与された。ただ、翌日の退院当日は、ロナセンとレンドルミンのみの服用に戻っていた』、本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ。
・『薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」  埼玉県の精神科病院に勤務する薬剤師は、「退院前日に薬の量が急激に増えている。体が薬に適応した状態から、一気に薬が抜けると離脱症状(薬が急に減ることによる症状)が起こる。薬を減らすならば経過を慎重に見る必要があった」と指摘する。 通隆さんは退院後、再び抗精神病薬の量が増加されていった。退院から5日後の3月1日、「死にたい」と言うなどの通隆さんの興奮状態を心配した父親が電話で主治医に相談すると、抗精神病薬のロナセンを増量するように指示された。3月3日に通院した際には、診察中に退院前日と同じセレネースを注射された。さらに、服用として同系統の抗精神病薬のリスパダールも追加された。 抗精神病薬の多剤併用処方が問題になっている日本では、抗精神病薬の量が適正かどうかの目安を知るために「クロルプロマジン換算」という方法がある。クロルプロマジンという最も古い抗精神病薬に、さまざまな抗精神病薬を換算することで、その人が内服しているおおよその抗精神病薬の量を把握する方法だ。 この換算によると、通隆さんが3月3日の通院時に投与された1日の抗精神病薬の量は900mgになる。クロルプロマジン換算では300~600mgが適正な量とされるため、通隆さんの投与量は適正量を超えていた可能性がある。 父親は、通隆さんの様子を正確に医師に伝えるために、通隆さんが入院する直前から症状や服薬量について詳細なメモをとっている。メモによれば、通隆さんは退院後、入院前にはなかった「死にたい」という発言や、ベランダから飛び降りようとするなど、衝動的な行動を取るようになったという。父親は退院後の通隆さんの様子についてこう話す。 「午前中はいつもボーとしていて、意識があるのかないのか、わからないような状態でした。午後になると、足がむずかゆいと言って部屋中を歩き回り、苦しそうに足踏みを繰り返していました」 この足踏みを繰り返す動作は、「アカシジア」と呼ばれる抗精神病薬の副作用の一種だ。じっとしてはいられない焦燥感に襲われ、足踏みをしたり動き回ったりする症状が表れる。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」には、アカシジアについて「あまりに苦しくて衝動的に自分を傷つけたり、自殺したいとさえ感じ危険な行為に及ぶ場合さえもあります」と記されている』、「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ。
・『「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き  薬の添付文書によると、抗精神病薬のロナセンとリスパダールは、重要な使用上の注意として、「自殺念慮(死にたいという願望)のある患者への投与は、症状を悪化される恐れがある」と記されている。 また、入院直後から服用し続けていた睡眠薬のレンドルミンは、依存性があるのに加え、添付文書には副作用として、「不穏や興奮が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと」と記されている。 厚生労働省は2017年発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で、レンドルミンを含むベンゾジアゼピン受容体作動薬について、「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと」と、注意喚起を行った。 しかし、こうした薬の副作用について父親は病院から説明を受けていなかった。 「統合失調症には自殺のリスクがあることや、処方した薬の副作用を家族である私に教えてくれていていれば、自殺を防げていたのではないでしょうか」。父親は無念でならないという。そしてこう続ける。 「入院中のカルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」。 父親の代理人である大前治弁護士はこう話す。「精神科の治療は薬物療法だけではなく、カウンセリングや生活技能訓練、さらには家族および地域社会を含めた支援体制の構築などの心理社会的療法も重要となってくる。生活上の悩みを聞くことも治療の本体部分だ。精神科治療の現場で薬剤処方ばかりが偏重されていないか、点検が必要だ」 病院側は裁判の中で、薬の副作用(アカシジア)に対しては、「アキネトン(錐体外路症状止め)の薬を追加投与するなど、対処していた」としている』、「カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」、薬漬けに対する痛烈な批判だ。
・『処方した薬を飲むしかない  抗精神病薬や睡眠薬など、向精神薬の副作用に苦しむ患者は多い。通隆さんのように、抗精神病薬だけでも2種類以上を併用されるケースはざらにある。日本は、単剤ではなく複数の薬を併用する傾向が国際的にみて高いことはかねて指摘されてきた。多剤併用は大量処方にもつながりやすく、治療効果よりも副作用が強まる可能性も高い。しかし、こうした薬の副作用やリスクについて、患者や家族への情報提供は積極的に進められてはいない。 精神障害の当事者と支援者で作る「YPS横浜ピアスタッフ協会」に所属する当事者の堀合研二郎さんは、「医療者側が薬物療法以外の選択肢を持っていないため、それに頼りがちになっている」と訴える。堀合さんは、20代のとき統合失調症と診断され、向精神薬の副作用に苦しんだ経験がある。 「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」 堀合さんは、症状が安定していた時期にもかかわらず、医師に薬を飲んでいないという疑いをかけられ、再び入院をさせられた経験がある。「処方された薬を飲むしかないため、患者側には自由はない」(堀合さん)。 病院への収容か、大量処方された薬を飲むか――。どちらも患者の意思は置き去りにされたままだ。(第8回に続く)』、「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」、厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して
いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ。

第三に、12月6日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医・作家の樺沢 紫苑氏による「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382852
・『日本では現在、100万人以上の人がうつ病で治療を受けています。うつ病(気分障害を含める)の生涯有病率は6.7%。つまり、15人に1人はうつ病になる可能性があるわけです。 ここに追い打ちをかけて、新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。「大切なのは、うつ病の手前の段階で症状を食い止めること」と精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は言います。 今回は、著書『ブレイン メンタル 強化大全』から、科学的にうつを予防する方法を紹介します。 うつ病は、「心の風邪」といいますが、それは早期発見、早期治療した場合の話。こじらせると非常にやっかいで、職場復帰、社会復帰するのに数年かかる場合も珍しくありません。心の風邪というよりは、「心の骨折」。再発率は約50%ともいわれ、一度かかると極めてやっかいな病気です。 健康だった人が、ある日突然、うつ病になるということはありません。「前うつ」「軽うつ」と呼ばれる「予備軍」の状態を経て、数カ月かけて、うつ病に至ります。 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります』、「日本では・・・15人に1人はうつ病になる可能性がある」、予想以上に割合は高いようだ。「うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります」、「うつ予備軍」の段階で「治す」のが重要なようだ。
・『大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと  「うつ予備軍」とは「風船がはちきれそうな状態」で、「うつ病」とは「風船が破裂した状態」。予備軍の段階で膨らんだ風船の空気を抜くのは簡単ですが、破裂した風船を完全に修復してもとに戻すのは極めて難しいのです。 つまり、予備軍の段階で、きちんと対応すればうつ病には進行しません。うつ病は、予備軍の状態で必ず治す。これだけは、覚えておいてほしいです。 うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」です。私は、「睡眠・運動・朝散歩」こそが、「究極のうつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」と考えます。ですから、元気なときから、つまりメンタル的になんの問題もないときから、「睡眠・運動・朝散歩」を当たり前の習慣にしてほしいのです。 うつ予備軍の状態から、健康の状態に戻す方法もまた、「睡眠・運動・朝散歩」です。「飲酒・喫煙」も重要なメンタルの悪化因子。そして、「休養」「ストレス解消」も必須です。「休養」とは、頭の中を空っぽにすることです。 家に帰っても、「会社での失敗」「会社での人間関係」「不安なこと」を考えていては、休養にもリラックスにもなりません。「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」を、普段からの習慣にしてください』、私は、「「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」」のうち、「禁煙」も最近踏み切ったので、全てやっていることになる。
・『「うつ予備軍」の3つの兆候  明らかにうつ病になる前に、うつ予備軍の状態で発見したい。私の経験から導かれた、予備軍の兆候を3つお伝えします。 ①ミスが増える(「ミスが増える」というのは、非常に多いです。会議の予定をすっぽかす。書類の提出を忘れていた。電車の棚にカバンや荷物を置き忘れる、というのも多いです。 ミスが増えるというのは、うつの兆候というよりは、脳が疲れている「脳疲労」の兆候です。ここで、きちんと睡眠、休息をとって脳の疲れを回復すれば、うつ病への進行を食い止められます。 ②朝、起きるのがつらい(朝、起きるのがつらい。午前中の調子、気分が悪い。これらの兆候は、セロトニンが低下している兆候です。これが何カ月も続くと、うつ病に進行する可能性もあります。また、「ぐっすり眠れない」「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」という睡眠障害も、うつ病の前兆の可能性があります。 ③全身倦怠感などの身体症状(身体が重だるい。全身倦怠感。睡眠で疲れがとれない。慢性的に疲労がたまった感じがするのも同様です。それらが局所的に現れると、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりという訴えも多い。 うつ病患者の6割は、最初に精神科ではなく内科などの身体科を受診します。そこで一通り検査をして異常がない場合は、メンタルが疑われます。 うつ病というのは「精神症状」への影響がメインと思われるかもしれませんが、「精神症状」と「身体症状」が半々で、後者が初発症状として出る場合が多いのです) 以上の3つの症状に当てはまる人は、非常に多いのではないでしょうか。いずれも脳疲労や身体的疲労がたまっている状態で、うつ病に限らず、多くのメンタル疾患や生活習慣病の予備軍の症状にも通じます。 ということで、これらの兆候が見られた方は、「睡眠、運動、朝散歩、節酒・禁煙、休養、ストレス発散」。6つの生活習慣改善を徹底して行ってください』、現役時代は、「朝散歩」「禁煙」は出来てなかったので、「予備軍の兆候」のうち、①、②が時々出現した。ただ、「予備軍」のままで終わったのはラッキーだった。
・『「朝15分の散歩」をするだけで予防できる  睡眠や運動などの生活習慣を変えるのは大変かもしれませんが、最もてっとり早く取り入れられておすすめなのが「朝15分の散歩」です。 朝、太陽の光を浴びながら散歩をすると、セロトニンが活性化します。セロトニンは、私たちの心と身体の健康のために不可欠な脳内物質です。 セロトニンは、「心の安定」「癒やし」「やすらぎ」のもととなる静かな幸福物質。脳内物質の指揮者ともいわれ、ドーパミンやノルアドレナリンなどを調整し、気分や感情を安定させます。ストレスに対する緩和作用もあり、セロトニンが十分に出ていれば、多少のストレスで動じることもありません。ノルアドレナリンとともに集中力にも深く関与しており、集中力やパフォーマンスを高めて、バリバリ仕事をするためにも必須の物質です。 「本当にたった15分の散歩で、そんなに効果があるの?」と半信半疑の方も多いと思います。しかし私の元には +適応障害がよくなり再就職できた +仕事のパフォーマンスが2倍になった +うつ病が改善した +朝散歩で劇的に体調が変わった などの体験談が多く寄せられています。 医師としてのこれまでの経験から、薬を飲んでもうつ症状がよくならない人には「夜型生活」「昼夜逆転の生活」を送っている人が非常に多いことがわかっています。 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです。だまされたと思って試してみてください。数日続けると、体と心が軽くなっていくのが実感できるはず。 もしそれでも効果がなく、「気分の落ち込み」「何をしても楽しくない」「意欲の低下」などうつ病の症状が見られる場合は、すぐに精神科を受診してください』、「朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです」、同感だ。体内時計も「朝日」でセットされるので、夜中には眠くなるのだろう。
タグ:医療問題 東洋経済オンライン 精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める (その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) 「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」 いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた 実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断 1999年の精神保健福祉法の改正 都道府県知事が公的責任において行う制度が新設 民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたため 施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている 入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ 排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている 移送の中心担うのは警察官OB 自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ 財産目当てで精神科病院送りに 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場 「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ 難しい責任追及 「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ 「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」 統合失調症と診断された彼が服用していた薬 本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ 薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」 「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ 「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが…… 処方した薬を飲むしかない 患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい 厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ 樺沢 紫苑 「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」 15人に1人はうつ病になる可能性がある ブレイン メンタル 強化大全 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります 大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと 「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」 「うつ予備軍」の3つの兆候 ①ミスが増える ②朝、起きるのがつら ③全身倦怠感などの身体症状 「朝15分の散歩」をするだけで予防できる 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです
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健康(その11)(「有酸素運動」で脂肪を落とそうとする人の盲点 減量するのが先か 筋肉をつけるのが先か、うつ病の発症予防に「筋トレ」が効く!?リスボン大の調査研究より、7時間睡眠の人が「ウイルスに強い」決定的証拠 免疫機能を高める驚くべきパワーのカラクリ) [生活]

健康については、9月8日に取上げた。今日は、(その11)(「有酸素運動」で脂肪を落とそうとする人の盲点 減量するのが先か 筋肉をつけるのが先か、うつ病の発症予防に「筋トレ」が効く!?リスボン大の調査研究より、7時間睡眠の人が「ウイルスに強い」決定的証拠 免疫機能を高める驚くべきパワーのカラクリ)である。

先ずは、9月22日付け東洋経済オンラインが掲載した 医学博士/池谷医院院長の池谷 敏郎氏による「「有酸素運動」で脂肪を落とそうとする人の盲点 減量するのが先か、筋肉をつけるのが先か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/372789
・『せっかく頑張っているトレーニングやランニングも、「代謝の知識」があるかないかで、その効果が変わってきます。内科・循環器科の専門医である池谷敏郎氏(近著に『代謝がすべて やせる・老いない・免疫力を上げる』がある)に、体を動かすときに気をつけたいポイントを、「代謝」という観点から解説してもらいます。 せっかく運動を行うなら効率のいい方法で行いたいですよね。でも、皆さんも日頃から感じているかもしれませんが、食事でエネルギーを摂取するのは簡単なのに、運動でエネルギーを消費するのは大変です。 例えば、おにぎり1個はほんの数分、下手をすれば数十秒で食べ終わりますが、おにぎり1個分のエネルギー(200キロカロリー前後)をジョギングで消費しようと思ったら、体重80キログラムの人なら20分ほど走り続けなければいけません』、「食事でエネルギーを摂取するのは簡単なのに、運動でエネルギーを消費するのは大変です」、その通りだ。
・『目先の消費エネルギーに一喜一憂しなくていい  トレッドミル(ランニングマシン)やフィットネスバイクには、運動を終了すると消費したエネルギー量(カロリー)とともに、そのエネルギー量を食品に換算したときの目安を表示してくれるものがあります。 スポーツジムのランニングマシンで頑張って走って、いい汗をかいたなと思っていたら、「バナナ1本分」などと表示されて、「え?たったそれだけ?」とがっかりした経験はありませんか。脂肪燃焼効率の高い運動を行っても、1回の運動で消費できるエネルギー量には限りがあるのです。 ですから、目先の消費エネルギーに一喜一憂する必要はありません。 たとえ、頑張って運動をして「バナナ1本分」や「おにぎり1個分」のエネルギーしか消費できなかったとしても、それが基礎代謝を高めることにつながれば、普段からエネルギーを消費しやすくなります。 運動は、エネルギーを効率よく消費すると同時に、必ず基礎代謝の向上にもつながる可能性があることを意識する必要があるわけです。つまりは、筋肉がつく(=基礎代謝が向上する)ような運動を選ぶこと。それが、活動代謝を増やすうえで大切な考え方です』、「筋肉がつく・・・ような運動を選ぶこと。それが、活動代謝を増やすうえで大切な考え方」、確かに合理的だ。
・『「やせるには有酸素運動が不可欠」ではない理由  エネルギーを消費することよりも、筋肉を増やして基礎代謝を上げることに注目したトレーニングをまさに実践しているのが、「結果にコミットする」でおなじみの、あのパーソナルトレーニングジムです。基本的に有酸素運動は行わず、筋力トレーニングと糖質制限を中心とした食事改善で、エネルギー供給を減らしながらも筋肉は落とさずに基礎代謝を上げることで結果を出しています。 ダイエットといえば「走る運動」が定番ですが、走るって結構大変ですよね。しんどいうえに、まとまった時間をつくらなければいけません。その点、「走らなくてもやせる」「有酸素運動をしなくてもやせる」ことを実践した画期的なダイエット方法だったからこそ、こんなにもブームになったのでしょう。 ジョギングやランニングのような有酸素運動と、無酸素運動の筋トレを比べると、エネルギー消費量は有酸素運動のほうが上です。だから、体脂肪を落とすには有酸素運動が効果的と言われます。 ただ、覚えておいてほしいのは、「運動でエネルギーを消費して体脂肪を落とすこと」と、「運動で代謝を高めること」は別であるということ。繰り返しになりますが、これは分けて考えなければいけません。 意外にも、多くのエネルギーを消費する有酸素運動は、基礎代謝の高い体づくり(=燃費の悪い体づくり)にはちょっと不十分なのです。一方で、筋トレは、エネルギー消費量を比べると有酸素運動に劣りますが、燃費の悪い体づくりにつながり、長い目で見ると代謝を上げてくれます。 「やせるには有酸素運動を」というのは、前述の2つのうちの「エネルギーを消費すること」のほうしか見ていない不完全なアプローチなのです』、「有酸素運動」と「筋トレ」の違いがよく理解できた。
・『有酸素運動も筋トレも組み合わせることが大事  私は、食事に気をつけることと筋力トレーニングを基本にしつつ、暖かくなってきて薄着のシーズンにさしかかってきたら、追い込みで、冬の間についた脂肪を落とすために走るようにしています。 走り込み前の筋肉を増やす時期には、食べ方には気を配りますが、食べる量(エネルギー摂取量)は減らしません。なぜなら、エネルギーが不足するとタンパク質までエネルギー源にまわってしまい、タンパク質が筋肉の合成に使われなくなってしまうからです。ですから、筋力トレーニングを頑張る時期は、少し脂肪もつけつつ筋肉を増やし、その後の追い込み期に、食事ではタンパク質はしっかり摂って糖質と脂質を少し減らし、ランニングで脂肪を燃焼するようにしています。そうすると、筋肉だけが残って理想的な体になりやすいのです。 「走るだけ」「食事制限だけ」のダイエットでは、やせはするものの筋肉も脂肪も両方落ちていき、残念な体になってしまいます。しかも、過度な食事制限は続きませんし、基礎代謝を下げるので、最終的にはリバウンドしやすく、リバウンドしたあとにやせにくい体になってしまう。その失敗は私はすでに経験済みなので、今は、代謝のいい体づくりと脂肪を落とすことを必ずセットで行うようにしているのです。 ちなみに、燃費の悪い体の筆頭のようなボディビルダーの人たちは、オフシーズンの冬場は食べる量を増やして、あえて一度太るケースが多いようです。この時期は筋肉も脂肪も同時に増やすことにしているというのです。その後、脂肪の材料になりやすい糖質や脂質は減らして、筋肉の材料となるタンパク質と、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な野菜を中心とした食事に替えていくことで、筋肉だけを残し、大会などの本番に合わせてあの肉体をつくり上げています。 ただ、あれだけムキムキの筋肉を維持するには相当なエネルギーが必要なので、しばらくするとエネルギーが不足して筋肉も落ちていきます。だから、もう一度あえて太ったあとで脂肪だけ落としていくということを繰り返すのです。ずっと保つことはできないからこそ、ボディビルダーの世界にはオンとオフがあるのでしょう。 では、いわゆる中年太りと言われるような、若い頃に比べて筋肉は減り、脂肪がたまった状態になっている人は、エネルギーを消費して体脂肪を落とすことと、筋肉を増やして代謝を高めることのどちらから取り組んだほうがいいのでしょうか。 答えは、「両方同時に行うべき」です。 重たい体で運動をすればひざなどに負担がかかりそうだから、脂肪を落としてから運動に取り組んだほうがいいのではないか、と心配する人もいるかもしれません。実際、太っている人は、重たい荷物を抱え続けているのと同じなので、ひざや股関節を悪くしやすいものです。だからこそ、とくに下半身の筋肉を使う運動を上手に取り入れることが大事です』、「あれだけムキムキの筋肉を維持するには相当なエネルギーが必要なので、しばらくするとエネルギーが不足して筋肉も落ちていきます。だから、もう一度あえて太ったあとで脂肪だけ落としていくということを繰り返すのです。ずっと保つことはできないからこそ、ボディビルダーの世界にはオンとオフがあるのでしょう」、あの体つきには持続性がないとは、初めて知った。
・『ジムでいちばん活動代謝が上がるのは  スポーツジムに行ってランニングマシンで運動をするなら、心拍数を意識して脂肪燃焼効率を高めるとともに、傾斜をつけて少し負荷をかけること。負荷がかかることで、より筋肉がつきやすくなります。そうすると、脂肪を落とす有酸素運動と、筋肉をつける運動を同時に行えて一石二鳥ですね。 水泳も、水圧で自然に負荷がかかるので、有酸素運動だけではなく筋トレ効果もあり、よいと思います。もちろん、マシントレーニングで筋トレを行って、ランニングマシンで有酸素運動を行うなど、両方をそれぞれ行うこともおすすめです。 その際、筋トレから行ったほうがいいのか、有酸素運動から行ったほうがいいのか、順番を気にする人もいるかもしれません。「筋トレをしてから有酸素運動を行ったほうが、成長ホルモンが分泌されて、有酸素運動時の脂肪燃焼効率が高まる」といった話も耳にしますが、科学的根拠は不十分です。 筋トレが先でも有酸素運動が先でも順番はどちらでも構いません。それよりも、両方の要素を取り入れることが大事と考えてください。 ついでにいえば、「1日のうちでどの時間帯に行うべきか」も、とくにこだわる必要はありません。いつでも、できる時間帯でかまいません。ただし、おすすめできない時間帯はあります。自律神経がリラックスモードの副交感神経優位からアクティブモードの交感神経優位へと切り替わる早朝は、体がギアを上げて血圧が上がり、心拍数も増加しているタイミングなので、激しい運動はおすすめできません。また、寝る前も、運動で交感神経を刺激すると眠れなくなってしまうので避けたほうがいいでしょう。 私の場合、ある程度まとまった時間が取れるのは診療後なので、運動は仕事終わりに行っています。ただ、なかなかまとまった時間が取れる日ばかりではありませんよね。ですから、日中の生活のなかで小まめに筋肉を動かす機会を増やすことも大切です』、「早朝」や「寝る前」を避けて、「日中の生活のなかで小まめに筋肉を動かす機会を増やすことも大切です」、明日から心して努力することにしよう。

次に、9月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した医学ライターの井手ゆきえ氏による「うつ病の発症予防に「筋トレ」が効く!?リスボン大の調査研究より」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/249797
・『思うように気晴らしができない日々が続き、心の調子は下向き加減。そんなときこそお勧めしたいのが「レジスタンス運動(以下、筋トレ)」である。 運動が抑うつ症状を軽減し、予防に働くことはよく知られている。ただ、ウオーキングやジョギングなど有酸素運動に偏る報告が多く、筋トレとの関係はあまり注目されてこなかった。 ポルトガル・リスボン大学の研究者らは、うつ病もしくは抑うつ状態と筋力(マッスル・ストレングス)の関係を調べた423本の調査研究から、日本の研究を含む良質の21本を選び総合的に解析。最終的に26カ国、8万7508人(18歳以上の成人)のデータが対象となった。 その結果、筋力は「身体活動の量」とは関係なく、単独で抑うつ状態のリスクを低下させ、有意に抑うつ症状を軽減させることがわかった。つまり、健康な人は筋トレに励み筋力アップを図ることで、精神的な落ち込みを防ぐ可能性がある一方、既に抑うつ症状に悩まされている人も、筋トレで気持ちが上向きになるわけだ。 採用された日本の研究は40~79歳の地域住民4312人(平均年齢66.3歳、女性58.5%)が対象で、筋力は握力計で計測された(平均29.8kg)。 握力の低値群(平均25.6kg)と高値群(平均35.5kg)で比較した結果、試験に参加した時点で既に抑うつ症状があった人の比率は、低値群で31.3%、高値群は25.8%だった。また、低値群の人たちは登録時に健康であっても、1年後に抑うつ症状が生じるリスクが明らかに高かった。 うつ病の主な症状は(1)抑うつ気分(2)興味や楽しいといった感情の消失(3)体重の極端な増減(4)不眠、あるいは過眠などの睡眠障害だ。 思い当たる節がある方は、発症予防に「自宅で筋トレ=宅トレ」を始めてみよう。最近は「宅トレ」用の動画がアップされているので飽きずに続けられる。 SNSで仲間を募ってもいいだろう。自粛下のコミュニケーション不足にも効きそうだ。少なくとも「宅飲みニケーション」より家庭内の評判は良さそうである』、「健康な人は筋トレに励み筋力アップを図ることで、精神的な落ち込みを防ぐ可能性がある一方、既に抑うつ症状に悩まされている人も、筋トレで気持ちが上向きになる」、「筋トレ」には確かに効き目がありそうだ。

第三に、11月1日付け東洋経済オンラインが掲載した医師・医学博士の根来 秀行氏による「7時間睡眠の人が「ウイルスに強い」決定的証拠 免疫機能を高める驚くべきパワーのカラクリ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/383085
・『新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、食事や運動の重要性だけでなく睡眠に対する注目度が高まった。しかし、日本人の多くは睡眠が重要であることを知っているが、具体的な対策を講じていなかったり、誤った認識をしていたりするケースが目立つ。 ハーバード大学やソルボンヌ大学、日本では東京大学などで最先端の医学研究を行いつつ、その成果をいち早く診療に生かす医師、根来秀行氏の著書『ウイルスから体を守る』の内容から睡眠と免疫機能の関係について、その一部を公開する』、興味深そうだ。
・『薬を飲んでも風邪は治らない、というのは間違い  ちょっとのどが痛くて「風邪かな?」と思ったから、暖かくして早めに寝たら翌日にはすっかり調子がよくなった、というような経験はありませんか。これがウイルス性の症状なら、自然免疫の力で睡眠中にウイルスを倒した証しです。 反対に、ひどいせきが出たり高熱にうなされたりしてよく眠れず、翌朝には体調が悪化したという経験もあるかもしれません。これは、せきや発熱で睡眠が浅くなり、体が持つウイルスを倒す力を活用できなくなっていたからです。 たとえば仕事や家事をする際に、高熱が出ていて頭痛や吐き気、せきや鼻水が止まらなかったとしたら、どうなるでしょうか。おそらく本来の力を発揮できず、やりたいことの半分もできないと思います。 免疫の力も、それは同じ。さまざまな症状や睡眠時の環境によって睡眠が妨害されれば、免疫細胞のはたらきを高める「体内環境」が悪化することになります。 風邪を引いたらとにかく汗をかいたほうがいい、とばかりに厚着して何枚もふとんをかぶる人がいますが、それで眠りが浅くなったら本末転倒です。たしかに体温を上げると免疫細胞は活性化し、代謝はよくなってウイルスの増殖は抑えられます。しかし体温が上がりすぎてうまく眠れなくなると、ウイルスを倒したり細胞を修復したりする力は大幅に低下してしまうのです。 風邪薬には治療効果がないし症状を抑えるだけだから飲んでも意味がないという話を耳にすることがありますが、これは誤解です。症状を軽くすることで睡眠の質を高め体に備わっている免疫機能を充分に発揮させるという点では、薬は重要な役割を果たしています。 免疫機能が高まった状態をつくるには、毛細血管の血流をよくし体のすみずみまで免疫細胞が届いていること、そしてその免疫細胞が活発にはたらく時間をしっかり確保することが非常に有効です。良質な睡眠には、この状態をつくる力があります。 では良質な睡眠を得るには、どうしたらいいのでしょうか。 まず押さえるべきは、睡眠中に副交感神経(注)を優位にすることです。副交感神経が優位ならウイルスを倒すリンパ球が血液中に増えますし、毛細血管へのルートも開くことでリンパ球が体のすみずみまで届くようになるからです。 また睡眠中は、健全な細胞を酸化させたり、毛細血管を傷つけて劣化させたりする活性酸素を、効率的に除去できるタイミングでもあります。活性酸素は、ストレス過多で交感神経優位が続きすぎたり睡眠不足だったりすると大量に発生する物質です。この活性酸素が体内に増えすぎると免疫機能が低下してしまうため、できるだけ留めておきたくありません。 ここで活躍するのが「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンです。メラトニンは非常に強い抗酸化作用を持つため、睡眠中に活性酸素を除去し、毛細血管の劣化と体の酸化を防いでくれます。同じ睡眠時間を確保しても、メラトニンがしっかり分泌された状態で眠るのと分泌されずに眠るのとでは、疲れの取れ方もウイルスを倒す力も圧倒的な差がつくと考えてください。メラトニンを活用し、リンパ球を増やす対策が必要です』、「免疫細胞が活発にはたらく時間をしっかり確保することが非常に有効です」、「免疫機能が高まった状態をつくるには、毛細血管の血流をよくし体のすみずみまで免疫細胞が届いていること、そしてその免疫細胞が活発にはたらく時間をしっかり確保することが非常に有効です。良質な睡眠には、この状態をつくる力があります」、「睡眠中に副交感神経を優位にすること」、「「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンです。メラトニンは非常に強い抗酸化作用を持つため、睡眠中に活性酸素を除去し、毛細血管の劣化と体の酸化を防いでくれます」、本当によくできた仕組みだ。
(注)副交感神経:自律神経のうち、リラックスしたり、休息状態のときに活躍。交感神経は、緊張状態、興奮状態、ストレスで活躍(SGS総合栄養学院)。
・『睡眠時間が短いほど免疫機能は落ちやすい?  世の中には、風邪を引きやすい人と引きにくい人がいます。免疫機能に影響するような薬を服用していたり持病があったりしたら、それが関係していそうですが、健康上の問題を指摘されていない働きざかりでも、しょっちゅう風邪を引いてしまう人がいます。この背景には、いったい何があるのでしょうか。 最近では「働き方改革」が叫ばれるようになり、リモートで労働時間をコントロールする人も増えました。しかし、いまも残業や長い通勤時間に苦しむ人は多いかもしれませんし、仕事でなくても、やりたいことがあると削られがちなのが睡眠です。1日は24時間と決まっているので、どうしてもそうなってしまうのでしょう。しかし最も大切な資産である体が知らぬ間に消耗し衰えてしまうことを考えると、7時間は確保したいところです。 7時間というのは、世界中のさまざまな研究によって導き出された値です。私が勤務するブリガム・アンド・ウイメンズ病院で睡眠時間と寿命の関連性を調べたところ、睡眠時間が7時間の人に比べると、5~6時間の人と8時間以上の人は死亡率が15%も高いという結果が出ました。また、6時間以下の睡眠を1週間続けると、免疫や炎症、ストレス反応などに関連する711個もの遺伝子に悪影響が出たというイギリスでの研究結果もあります。 ウイルスを攻撃するリンパ球の最大の活動時間は副交感神経のはたらきが高まる睡眠中で、睡眠時間が減れば減るほどウイルスと戦うための時間も減ります。 それを端的に示すものとして、徹夜するとリンパ球の比率が10%下がり顆粒球の比率が10%上がったという研究結果もあるからこそ、睡眠時間の確保が重視されるのです。もちろん7時間眠りさえすればいいかというと、答えはNO。 良質な睡眠でなければ、体に備わった免疫機能を活かせません。 現代人は睡眠時間が減っているだけでなく、睡眠の質も大きく低下しています。 「ベッドに入ってもなかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「寝足りないのに朝早く目覚めてしまう」「たくさん寝ているのに疲れが取れない」「眠りが浅い気がする」などは睡眠の質が低下したシグナルです。 睡眠時間は確保できているのに、眠りを良質にできず体を弱らせ続けている人の多さには、日々の診療でも強い危機感を覚えています。特に中年を過ぎてからは、睡眠の質を上げられるかどうかが人生を楽しめる時間の長さを大きく左右する、と言っても過言ではありません』、「中年を過ぎてからは、睡眠の質を上げられるかどうかが人生を楽しめる時間の長さを大きく左右する」、その通りだ。
・『そもそも「良質な睡眠」とは  では睡眠の質とは、具体的には何を指しているのでしょうか。それを知っていただくには、まず睡眠中に体内で何が起きているかの把握が必要です。 個人差はあるものの、睡眠中はおよそ90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。細胞の修復を促すホルモンは、眠りに落ちてから90~180分後のいちばん深いノンレム睡眠中に最も多く分泌されるという特徴があり、それが毛細血管を介して全身くまなく運ばれて体の修復が進むというのが大まかな流れです。だいたい午前3~4時が、骨や肌、筋肉が再生される細胞分裂のピークとされています。 傷つき疲弊した細胞にホルモンという修復指示が行き渡るのに3時間、酸素や栄養素という材料が届いて細胞呼吸を繰り返しながらジワジワと修復が進むのに4時間程度は必要と考えると3時間プラス4時間。これが推奨する7時間睡眠の内訳です。 では良質な睡眠を確保するには、どうすればいいのでしょうか。 実は朝まで熟睡できなかったり眠りが浅くなったりする方の多くは、本来睡眠中に優位になるはずの副交感神経のはたらきが上がっていません。 これまで数千人の被験者に協力いただき睡眠中の自律神経の変動を測定してきましたが、よく眠れていない自覚のある方の多くに睡眠中の副交感神経のはたらきが充分に上がらず、交感神経優位の傾向が見られました。そういう方に多いのが、ふとんに入っても手や足の先が冷えたままでなかなか眠れないというケースです。これは交感神経優位の時間が続きすぎて、末梢の毛細血管への血流が低下している証拠の1つです。 赤ちゃんは眠くなると手足がポカポカと温かくなるのを、ご存じでしょうか。赤ちゃんほど顕著ではありませんが、大人でも通常は眠くなると手や足などの体表温度が上がります。これは副交感神経が優位になって毛細血管が開き、末梢への血流が増えるからです。日中は、体を活動状態にするために脳や心臓、筋肉など体の中心部に血液が集まっていますが、夜になると体を休め修復するために血液が中心から末梢へと分散されます。 この、温かい血液の移動とともに体の中心部の熱は下がり、体の末端が温かくなって手先や足先などの表面から熱が放出されるのです。よく聞く「深部体温を下げる」とは、これを指します。 眠り始めに手足が温かくなるのは、自律神経が副交感神経優位に切り替わったサインです。冷え性で寝つきが悪くて困っている人の多くは、交感神経が高ぶって自律神経の切り替えがうまくいかなくなっています』、「傷つき疲弊した細胞にホルモンという修復指示が行き渡るのに3時間、酸素や栄養素という材料が届いて細胞呼吸を繰り返しながらジワジワと修復が進むのに4時間程度は必要と考えると3時間プラス4時間。これが推奨する7時間睡眠の内訳」、なるほど説得的だ。
・『なぜ眠る数時間前からが大事と言われるのか  睡眠に問題のある人の診察で生活習慣を確認すると、自律神経のバランスやパワーを損ねる要因が隠れていることがほとんどです。非常に多いのは、仕事やプライベートで強いストレスを抱えていたり、朝早くから夜遅くまで忙しく活動しすぎていたりするケースで、この傾向がある人は交感神経優位が続きすぎているため、夜になっても下がりきらず深く眠れないのです。 夜遅くにたくさん食べる、寝酒をする、テレビやパソコン、スマートフォンからの光を見るなど、寝る直前の習慣も見過ごせません。呼吸法などで瞬時に交感神経と副交感神経のバランスを整えることも可能ですが、体にとって自然なのは体内時計にしたがって夕方から夜にかけて交感神経が徐々に鎮まり、副交感神経のはたらきが高まる流れです。 これが夕方以降も、仕事などで神経が高ぶる状態が続いたり夜遅く食事を摂ったりして、眠る直前まで脳や内臓をフル稼働させていると寝つきが悪くなり、睡眠中も交感神経優位の状態がしばらく続きます。 睡眠の質を高めるには、夕方以降は副交感神経の働きを邪魔する行動をなるべく避け、副交感神経のはたらきを上げる行動に変えていくのが効果的です』、「体にとって自然なのは体内時計にしたがって夕方から夜にかけて交感神経が徐々に鎮まり、副交感神経のはたらきが高まる流れです」、「体内時計」に従った行動を心がけよう。
タグ:健康 有酸素運動 筋トレ 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 井手ゆきえ 池谷 敏郎 (その11)(「有酸素運動」で脂肪を落とそうとする人の盲点 減量するのが先か 筋肉をつけるのが先か、うつ病の発症予防に「筋トレ」が効く!?リスボン大の調査研究より、7時間睡眠の人が「ウイルスに強い」決定的証拠 免疫機能を高める驚くべきパワーのカラクリ) 「「有酸素運動」で脂肪を落とそうとする人の盲点 減量するのが先か、筋肉をつけるのが先か」 代謝の知識 食事でエネルギーを摂取するのは簡単なのに、運動でエネルギーを消費するのは大変です 目先の消費エネルギーに一喜一憂しなくていい 筋肉がつく・・・ような運動を選ぶこと。それが、活動代謝を増やすうえで大切な考え方 「やせるには有酸素運動が不可欠」ではない理由 有酸素運動も筋トレも組み合わせることが大事 あれだけムキムキの筋肉を維持するには相当なエネルギーが必要なので、しばらくするとエネルギーが不足して筋肉も落ちていきます。だから、もう一度あえて太ったあとで脂肪だけ落としていくということを繰り返すのです。ずっと保つことはできないからこそ、ボディビルダーの世界にはオンとオフがあるのでしょう ジムでいちばん活動代謝が上がるのは 日中の生活のなかで小まめに筋肉を動かす機会を増やすことも大切です 「うつ病の発症予防に「筋トレ」が効く!?リスボン大の調査研究より」 筋力は「身体活動の量」とは関係なく、単独で抑うつ状態のリスクを低下させ、有意に抑うつ症状を軽減させる 健康な人は筋トレに励み筋力アップを図ることで、精神的な落ち込みを防ぐ可能性がある一方、既に抑うつ症状に悩まされている人も、筋トレで気持ちが上向きになる 根来 秀行 「7時間睡眠の人が「ウイルスに強い」決定的証拠 免疫機能を高める驚くべきパワーのカラクリ」 薬を飲んでも風邪は治らない、というのは間違い 免疫細胞が活発にはたらく時間をしっかり確保することが非常に有効です 免疫機能が高まった状態をつくるには、毛細血管の血流をよくし体のすみずみまで免疫細胞が届いていること、そしてその免疫細胞が活発にはたらく時間をしっかり確保することが非常に有効です。良質な睡眠には、この状態をつくる力があります 睡眠中に副交感神経を優位にすること」、「「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンです。メラトニンは非常に強い抗酸化作用を持つため、睡眠中に活性酸素を除去し、毛細血管の劣化と体の酸化を防いでくれます 睡眠時間が短いほど免疫機能は落ちやすい? 中年を過ぎてからは、睡眠の質を上げられるかどうかが人生を楽しめる時間の長さを大きく左右する そもそも「良質な睡眠」とは 傷つき疲弊した細胞にホルモンという修復指示が行き渡るのに3時間、酸素や栄養素という材料が届いて細胞呼吸を繰り返しながらジワジワと修復が進むのに4時間程度は必要と考えると3時間プラス4時間。これが推奨する7時間睡眠の内訳 なぜ眠る数時間前からが大事と言われるのか 体にとって自然なのは体内時計にしたがって夕方から夜にかけて交感神経が徐々に鎮まり、副交感神経のはたらきが高まる流れです
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医療問題(その25)(大前研一「アフターコロナは遠隔診療を新常識にせよ」 オンライン診療が日本で遅れるワケ、安倍政権は厳しい医療費抑制策を復活させた 日本福祉大の二木立名誉教授に聞く医療政策、東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳) [生活]

医療問題については、5月11日に取上げた。今日は、(その25)(大前研一「アフターコロナは遠隔診療を新常識にせよ」 オンライン診療が日本で遅れるワケ、安倍政権は厳しい医療費抑制策を復活させた 日本福祉大の二木立名誉教授に聞く医療政策、東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳)である。

先ずは、プレジデント 2020年6月12日号が掲載したビジネス・ブレークスルー大学学長の大前 研一氏による「大前研一「アフターコロナは遠隔診療を新常識にせよ」 オンライン診療が日本で遅れるワケ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/35617
・『オンライン診療はなぜ日本で遅れているのか  2020年4月13日から初診患者のオンライン(遠隔)診療が解禁された。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染拡大を予防し、医療崩壊を防ぐための特別措置として、感染が収束するまでに限定して、初診患者へのオンライン診療が公的医療保険の対象になったのだ。 オンライン診療とは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの画像通話機能を活用して診療するシステムのことだ。診療予約から実際の診断、決済までネット上で完結するので、患者は病院に出向く必要は一切ない。当然、院内感染のリスクもない。 オンライン診療はアメリカやカナダなど国土が広く、医師や医療機関へのアクセスが困難な患者が発生しやすい国で早くから発達してきた。電子政府化を進めて今や電子カルテの普及率が100%に達しているフィンランドなども、オンライン診療の先進国といえる。 日本では離島や僻地でのオンライン診療から始まって、段階的に条件が緩められてきたものの、なかなか広がってこなかった。既得権を脅かされることを嫌う医師会の圧力もあるのだが、最大の理由は医師法の壁である。 「医師は、自ら診療しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し……または自ら検案をしないで検案書を交付してはならない」 医師法第20条にこうある。いわゆる「無診察治療」の禁止を定めた条文で、つまり触診なり、聴診なり、問診なり、医師は自分で「診察」したうえで、治療や処方をしなければならないのである。 そもそも無診察治療が禁じられている理由は、患者に適切な医療サービスを提供するためだ。たとえば、問診は電話でも可能だとしても、患者の顔色や容態を視診したり、あるいは同じ部屋で対面して触診や聴診してみなければ、正しい診断を下して処方することができない場合もある。 その後、2018年度の診療報酬改定で「オンライン診療料」が創設されて、オンライン診療の保険適用が始まった。ただし、健康保険が適用される「保険診療」の場合、初診は対面診療に限られてきた。 ということで、情報通信技術(ICT)が日進月歩の進化を遂げているにもかかわらず、日本ではオンライン診療がなかなか広がってこなかったのだ。 今回のコロナ禍で医療現場が逼迫し、医療従事者と患者がリスクにさらされる状況になったために、オンライン診療の有用性が広く認知され、ようやく門戸が少し開いたといえる』、「コロナ禍」の思わぬ副産物だ。
・『門前薬局で待たなくてよくなる  20年4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で、パンデミックが収束するまでの間、初診でのオンライン診療を認める方針が示された。 解禁された20年4月13日以降、患者からオンライン診療を求められた医師は、診断や処方が可能と医学的に判断すれば、初診の患者でもオンライン診療が行える(初診料の自己負担額は3割負担で642円)。処方には制限があって、麻薬性の鎮痛薬や向精神薬などは認められていない。 また患者のなりすましや、虚偽の申告による処方を防止するために、受診する患者、診察する医師双方ともに顔写真付きの身分証明書や保険証などによる本人確認を行うことが実施要件になっている。 今後、厚労省はウイルス感染の状況、医療現場での実用性や実効性、安全性などの観点から3カ月ごとに検証を行うという。初診患者へのオンライン診療は時限的な措置にとどまって、対面医療を補完するツールに戻るのだろうか。私はそうは思わない。アフターコロナの新常識として定着する可能性は少なくないと見ている。 オンライン診療で薬の処方や受け取りはどうなるのか。薬は医師が書いた処方せんに則って調剤される。処方には病院の中で薬が処方される「院内処方」と、病院が発行する処方せんを調剤薬局に持ち込んで薬を受け取る「院外処方」がある。 最近は院外処方が圧倒的に多い。院外処方にすれば、病院としては薬剤師を雇わずに済むし、院内に薬局用のスペースを設けたり、薬の在庫を持つ必要もなくなるからだ。 病院と院外薬局の蜜月関係もある。病院前にある院外薬局は「門前薬局」とも呼ばれるが、病院と裏でつながっていることが多い。病院はキックバックをもらったり、接待を受けている、という指摘もある。 さて、今回の「コロナ特例」では、初診患者へのオンライン診療解禁とともに、薬剤師による電話などでの服薬指導も解禁された。処方された薬を自宅に送ってもらうことも初診から可能になった。 院外処方の場合でいえば、オンライン診療を受けた後に処方せんの原本が自宅などに送られてきて、それを持って調剤薬局に行って薬を処方してもらう、というのがこれまでの手順だった。「医師は患者に処方せんの原本を提供しなければならない」という決まりがあるからだ。 しかし今回の特例では、オンライン診療を受けた患者の希望する薬局に病院がファクシミリなどで処方せんの情報を送って、それに基づいて薬局が薬を調剤できるようになった。薬ができたら薬局は患者に電話などで連絡を入れて、服薬指導が必要な場合はそれを行ってから、郵送などで薬を送付する。患者はわざわざ薬局に出向かなくていいのだ。 処方せんの原本は、病院と薬局の間でやりとりしてまとめて保管しておく。会計は後日に来局して支払ったり、代金引き換えやクレジットカードなども利用できる。 これもあくまで新型コロナウイルス感染症の流行が収まるまでの特例措置だが、気が気でないのは門前薬局だろう。こうした院外処方が定着して身近な薬局に処方せん情報を送ってもらいたいという患者が増えたら、高い地代や高いコミッションを支払って病院のそばで薬局を経営する“うまみ”がなくなるからだ』、恒常的措置にする場合でも、「門前薬局」の既得権は考慮する必要はないだろう。
・『アメリカではAmazonが薬を届けてくれる  米国サンフランシスコに「プラクティスフュージョン」という電子カルテを管理するクラウドサービスを無料で提供している新興企業がある。この会社は全米の開業医に声を掛けて、約15万の開業医と提携した。開業医が高額な電子カルテのシステムを導入するのは厳しい。それがタダで使えるのだから、開業医がこぞって導入するのも当然だ。 プラクティスフュージョンがどこから収益を得ているかといえば、薬を売る側である。同社の電子カルテシステムを使えば、患者のスマホに診療データや処方せんが送られてくる。必要な薬が近場のどのドラッグストアで売っているかまで表示されるのだ。 今やプラクティスフュージョンのシステムは総合医療の巨大プラットフォームとなり、アメリカの医療システムは激変した。 これに目を付けたのがアマゾンである。アマゾンは18年に「ピルパック」という新興のオンライン薬局を買収した。アメリカは今やプラクティスフュージョンから引き出した処方せんをアマゾンに転送するだけで薬が届く時代になっているのだ。しかも月10ドル払ってアマゾンプライム会員になれば配送無料。月に何度でもOK。さらに「当日お急ぎ便」や「日時指定便」といったサービスまで無料とくれば、ユーザーが殺到しないわけがない』、日本では「アマゾン」経由で薬を受け取るのは、規制上無理だろう。
・『コロナ危機が日本医療システムに与えた、数少ないプラスの貢献  日本薬剤師会が一番恐れているのは、アマゾンが日本でも薬の流通に入り込んでくることだろう。もちろん既得権益と規制の壁は相当に高く、容易には入り込めない。それでも今回のコロナ禍によって、世界から遅れに遅れた日本の医療システムに小さな風穴が開いたのは確かだ。 私はコロナ危機を奇貨としてオンライン医療を患者中心の考え方に根本から見直すべきと考える。カルテが患者のものだ、という認識からクラウド上にすべての個人医療情報を集める。病院が替われば診断や検査をやり直すということも禁じる。遠隔診療のためには医者側が使うAIの充実も欠かせない。検査結果が出たらどのような治療をするべきか、医者の判断を側面支援するデータベースを構築する。 アメリカでは野戦病院で診断結果が出ると、治療に関しては専門家がいない場合が多いので20年も前からこのようなシステムを使っている。医者の処方もすべて個人医療情報システムに入力させ、これを時系列的に追跡できるようにする。このようなデータベースをお互いに共有すればオンラインでも“初診”ということはなくなる。すべての患者は日本の医療システムデータベースでは既存の患者、となるからだ。 今までの医者・病院という提供者の論理から患者中心のシステムに転換する。これができれば、長い間を経た後に、コロナ危機が日本医療システムに与えた数少ないプラスの貢献、と見返す日が来ることを期待しよう』、「医療システムデータベース」は確かに効率的だが、ハッカー攻撃などに抵抗力がなければ、重要なプライバシー情報が流出するリスクがある。

次に、9月18日付け東洋経済オンライン「安倍政権は厳しい医療費抑制策を復活させた 日本福祉大の二木立名誉教授に聞く医療政策」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/376217
・『新型コロナウイルス対策への課題が山積されたまま、安倍晋三・前首相は退陣を表面した。コロナ禍によって医療への関心は高まっているが、安倍政権下で日本の医療界はどのように変わったのか。  安倍政権の7年8カ月を振り返る連続インタビューの4回目は、医療経済や医療政策が専門の二木立・日本福祉大学名誉教授。安倍政権の医療政策を振り返ってもらうとともに、9月16日に発足した菅政権の課題を聞いた(Qは質問、Aは二木氏の回答』、興味深そうだ。
・『ステルス作戦で医療費を抑制  Q:二木さんは、安倍政権が厳しい医療費抑制政策を復活させたと指摘していますが、あまり一般には知られていませんね。 A:今回、私自身も調べてみて驚いた。アベノミクスの成果かどうかは別にして、第2次安倍政権で国内総生産(GDP)の成長率は上昇した。だが、国民医療費の伸び率は、直前の民主党政権の時はもちろん、その前の3代の自民党政権のときよりも低い。医療費を抑制したといわれる小泉純一郎政権の時代でさえ、医療費の対GDP比は微増していた。 経済の伸びに合わせて医療費も大きくなるというのが医療経済学の常識だが、第2次安倍政権でその関係が完全に失われているのは、歴史的にも極めて異例なことだ。 安倍政権が診療報酬全体のマイナス改定を断行した2014年度、2016年度、2018年度の医療費伸び率は改定前より明らかに低下している。このことは、診療報酬の引き下げがストレートに医療費に影響していることを示している。 Q:小泉政権と安倍政権の違いは何だったのでしょうか。 A:小泉政権はいわば劇場的な手法で、日本医師会や自民党の厚労族などを「抵抗勢力」に見立てて敵をつくり、医療分野への市場原理の導入や患者負担の大幅増加を推し進めようとした。 それに対して、安倍政権の医療費抑制政策には小泉政権のような派手さはまったくない。ステルス(秘密)作戦のように、4回あった診療報酬改定ですべて下げて医療費抑制の実を取った』、「経済の伸びに合わせて医療費も大きくなるというのが医療経済学の常識」、医療業界の肩を持った主張だ。下記にみるように医療費と介護費のGDP比は一貫して上昇し、2018年で59.9%とOECDで6番目に多い(日医総研リサーチエッセイ77)。今後の高齢化を踏まえれば、抑制が必要なのは明らかだ。
https://www.jmari.med.or.jp/download/RE077.pdf
・『Q:新型コロナウイルス禍で、医療機関の経営難が広く報道されています。厳しい医療費抑制政策が影響したのでしょうか。 A:厳しい医療費抑制政策が2013年度以降、7年間も続き、医療機関、特に民間の急性期病院の利益率は急減した。福祉医療機構のデータによると、急性期の民間病院の経常利益率は小泉政権のときに0%までに低下した。民主党政権で3%台まで持ち直したと思ったら、安倍政権の医療政策で再び下がり、2016年には0.6%まで低下した。 これではとてもではないが内部留保を蓄積できない。そこに新型コロナが襲い、収入減と費用増によって多くの病院が経営危機に直面している』、「民間の急性期病院の利益率は急減」は確かに問題だが、要因をもっと詳しく分析する必要がある。

第三に、7月16日付け東洋経済オンラインが掲載した ジャーナリストの岩澤 倫彦氏による「東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/363372
・『東京は、7月になって新型コロナウイルスの新規感染者が連日200人を超え、16日には過去最高となる280人以上の感染を確認。すでに「第2波」に突入した状態だ。 中でも新宿・歌舞伎町は、ホストクラブやキャバクラ、ライブハウスでの集団感染が相次ぎ、新型コロナの「震源地」として警戒されている。 この歌舞伎町から、東へ約1キロメートルに位置する東京女子医科大学病院が、いま大きく揺れている。 新型コロナの診療にあたる、医師、看護師などの医療スタッフに対して、大学は夏のボーナスをゼロに。これに対して、約400人の看護師が一斉に退職の意向を表明したという。 新型コロナの感染拡大を、最後の砦で食い止める医療スタッフが、大幅に収入を減らされてしまう不条理。この背景に存在する、名門大学病院の知られざる実態を追った──』、新聞では簡単に報じられただけだったので、「実態」を是非知りたいところだ。
・『新型コロナと向き合う大学病院  女子医大病院の「総合外来センター」エントランス前には、武骨な白いテントが2つ並ぶ。 通院患者は、発熱やせきなと?の症状がある場合、ここで新型コロナの初期診断を受けなければならない。医師が必要と判断した場合には、PCR検査も行う。 しばらく見ていると、うつむき加減の中年男性を、看護師が別棟の関連施設に誘導していった。看護師が装着しているのは、立体的な形状の特殊なマスク。「N95」と呼ばれる飛沫感染を防止するタイプだ。 「うちの病院は、感染症指定医療機関ではないので、当初は新型コロナ患者を受け入れていませんでした。しかし、東京都から再三の要請を受けて、新型コロナ専用病棟を設置して、約30床のベッドを確保したのです。非常事態ですから当然の対応ですが、病院の経営的には打撃でしたし、マンパワー的にも大変です」 内情を証言してくれたのは、女子医大に勤務する関係者だ。新型コロナの患者は、1つの病室に1人が原則。そのため、病室の稼働率が悪くなり、収益が大きく圧迫されている。 国は新型コロナ患者の重症・中等症患者の病床に1日当たり4万1000円を補助するとしているが、収支が改善する効果はないという。 新型コロナ専用病棟の看護師として、各診療科から有志を集めたが、感染症の専門的なトレーニングを積んだ看護師は限られていた。 海外では診療中に、新型コロナに感染した医療関係者のケースが報じられ、看護師には精神的にも体力的にも強いプレッシャーがかかった。幼い子どもを持つ看護師も多く、互いに励まし合いながら立ち向かう日々。 ようやく感染拡大の第1波を乗り切ったところへ、大学側から職員に非情な通告が突きつけられた──。 「今期の上半期賞与は支給しない」 6月11日、団体交渉に臨んだ女子医大の労働組合に対して、大学当局はボーナスゼロの回答を行った。対象は、医師、看護師、検査技師から事務職まで全職員だ。 労働組合には、生活に対する不安と、大学当局に対する怒りや不信の声が寄せられた。 「奨学金の返金もできません。食費の確保もできません。生きていけません。毎日、不安で不安で、正直眠れないです」(20代・女性) 「説明もなしに、いきなりボーナス全額カットなんて詐欺もいいところ。職員はボランティアですか?」(20代・看護師) 「私たちが必死でやってきたことに、感謝すら感じていないのだと思い、本当に涙が出ます」(30代・看護師) 「どこまで頑張る職員を侮辱し、痛めつければ気が済むのですか?職員が病気になりますよ」(30代・医療技術者) 実は、ボーナスゼロには伏線があった。 新型コロナの第1波を受けて、外来患者が大きく減少したため、女子医大は職員の一部を「一時帰休」させた。 いわゆる自宅待機だが、その期間の給与は4割減。当然、職員からは反発の声が上がったが、方針は変わらなかった。 女子医大には、新宿の本院のほかに2つの病院があり、看護師だけで2206人が働く(女子医大HPより)。今回のボーナスゼロ回答を受けて、全看護師の5分の1にあたる約400人が退職の意向を示したという。 6月25日、再交渉に臨んだ労働組合に対し、大学当局の代理人である弁護士からは、神経を逆なでする発言が繰り返された』、「国は新型コロナ患者の重症・中等症患者の病床に1日当たり4万1000円を補助するとしているが、収支が改善する効果はない」、引き受けて損がないよう十分に補助すべきだろう。しかし、「大学当局」の姿勢は極めて高圧的だ。
・『「足りなければ補充するしかない」  組合:「女子医大よりも減収額が大きい大学でもボーナスは出ている」 大学:「減収と赤字は違う。うちは30億円の赤字だ」 組合:「中小の病院も赤字に苦しんでいる。それでも職員のことを考えて、借りてでもボーナスを支給しているところもある」 大学:「女子医大も借りて支給せよということですか。そんな不健全な経営は間違っているし、やるつもりもない」 組合:「看護師の希望退職者が400人を超えることについてどう考える?」 大学:「深刻だと思うが、足りなければ補充するしかない。現在はベッドの稼働率が落ちているので、仮に400人が辞めてもなんとか回るのでは。これは完全に経営の問題であり、組合に心配してもらうことではない」 今期、30億円の赤字になる、という弁護士の主張について、女子医大関係者に聞くと、意外なカラクリがあるという。 「30億円の赤字は、ボーナスを前年並みに支給した場合の推計値です。結局、ボーナスはゼロだったわけですから、30億円の赤字は理屈に合いませんね」 女子医大関係者は、看護師の離職について、大学側の認識を明かした。 「毎年、ウチでは300人前後の看護師が入れ替わっています。若い看護師にブランド病院として人気が高く、キャリアを積んで比較的短期間で辞めていく人が多いからです」 また、若い看護師を次々に入れ替えるほうが、人件費は安く済むという現実もある。 実際、女子医大では来年度に向けて、すでに330人の看護師を募集していた。 ただし、今回は例年を超える大量の離職者が出ることが必至。現場にも悪影響が出ているという声が、労働組合に寄せられている。 「ただでさえ看護師が足りていないのに、ここから辞めてしまったら経験者もいなくなり、患者の安全も守れないでしょう」(30代・看護師) 「私たち看護職がいなくなったら、誰が看護をするんですか?看護の質も下がり、インシデント(※)の数は増えていませんか?このままでよいのですか?」(20代・看護師) (※)重大な事件・事故に発展する可能性がある事象やミス  同じ新宿区内にある東京医科大学病院では、ボーナスは例年と変わらず、さらにコロナ特別手当として医師、看護師などに月額2万円が支給されている。都内の別の大学病院でもコロナ手当があり、今夏のボーナスがゼロというところはない。 東京女子医大だけがなぜ違うのか。探っていくと、名門大学病院の知られざる「裏の顔」が浮かび上がってきた』、「「毎年、ウチでは300人前後の看護師が入れ替わっています。若い看護師にブランド病院として人気が高く、キャリアを積んで比較的短期間で辞めていく人が多いからです」、「東京女子医大」の強行な姿勢の背後には、思い上がりの強さがあるようだ。
・『名門大学病院の凋落を招いた、医療事故と同族経営  外科医の本田宏氏は弘前大学医学部を卒業後、1981年に女子医大の医局に入った。 「心臓、肝臓、腎臓などの外科手術で、日本トップレベルの医者たちが女子医大に集まっていました。当時、自他共に認める名門大学病院だったのです。ここで私は肝臓の移植医になるつもりでした。でも、実際に入ってみると、まるで西部劇のような大学で、給料も安く、若手の医者や看護師はディスポーザブル(使い捨て)のように扱われていたのです」 当時、ガチガチの“男社会”だった日本の医療界。東京女子医大でさえ、生え抜きの女医が教授になるケースは多くなかった。 そこで、腕に自信のある医者たちが、全国各地から一旗あげようと東京女子医大に集まっていたのである。これが本田医師の目には「西部劇」のように映ったという。 腎臓移植や人工心肺装置の開発などで、女子医大は日本を代表する大学病院の地位を確立。1日の外来患者数は、約4000人と人気が高かった。 しかし、名門病院のブランドは、2001年に起きた心臓手術の死亡事故を契機に一変する。 2人の医師が逮捕され、執刀医(講師)は患者のカルテを改ざんした証拠隠滅罪で有罪判決が確定。もう1人の医師(助手)は、女子医大による内部報告書で、事故原因の責任を押しつけられたが、刑事裁判では無罪判決となった。裁判の過程で、組織ぐるみの隠蔽工作が明らかになり、後に女子医大は助手だった医師に謝罪と損害賠償を支払っている。 ガバナンスの欠如を重視した厚生労働省は、女子医大の特定機能病院の指定を取り消した。外来患者数が急減した女子医大は、一気に赤字経営へと転落したのである。 特定機能病院の指定は2007年に再承認されたが、2014年に再び重大な死亡事故が発覚する。 2014年、女子医大のICU(集中治療室)で治療中の2歳児が、プロポフォールという鎮静薬を大量投与され、3日後に死亡した。プロポフォールは、ICUで人工呼吸中の子どもに使用を禁止されていたことから、女子医大の管理責任が問われた。 さらに女子医大では、ほかに63人の子どもにもプロポフォールを投与、そのうち12人が投与後3年以内に死亡していたことが明らかになる(女子医大側は、投与と死亡の因果関係を否定)。 この問題をめぐって、女子医大の理事長と学長の内部対立をさらけ出し、遺族への対応のまずさも目立った。 「女子医大は2度死んだ」と、勤務する医師が嘆くほど、2つの事故によって、かつての栄光は地に堕ちたのである。 厚生労働省は、改めて女子医大の特定機能病院の承認を取り消した。外来患者の減少と評価の高い看板医師の流出が起こり、女子医大は3期連続の赤字に逆戻りする。経営立て直しのために、人件費の抑制が行われ、職員のボーナスは、2013年から2016年までの3年間で、最大123万円も減額された(労働組合調べ)。このとき、労務担当理事として大なたを振るったのが、去年から理事長に就任している岩本絹子氏である。 「岩本氏は、東京・江戸川区の産婦人科クリニックで院長をしていましたが、創業者一族として女子医大の運営に乗り出してきました。厳しい人で、書類を投げつけるときもあるそうです。誰も意見できない雰囲気で、まるで独裁者だと揶揄する職員もいます」(女子医大関係者)』、「外科手術で、日本トップレベルの医者たちが女子医大に集まっていました。当時、自他共に認める名門大学病院だった」、のに、「2つの事故によって、かつての栄光は地に堕ちた」、「経営立て直しのために、人件費の抑制が行われ、職員のボーナスは、2013年から2016年までの3年間で、最大123万円も減額」、「労務担当理事として大なたを振るったのが、去年から理事長に就任している岩本絹子氏」、「創業者一族として女子医大の運営に乗り出してきました」、「まるで独裁者だと揶揄する職員も」、病院のガバナンスがまるで機能してないようだ、これを放置している当局の姿勢も問題だ。
・『人件費切り詰めの一方で施設整備に巨額費用投下  岩本理事長に対する女子医大職員の反発は大きい。それは、ボーナスカットなど強引に人件費を切り詰める一方で、総額1000億円と言われる、莫大な資金を投入して、大学施設の建て替えや移転などの再整備を進めているからだ。 極めつきは、今年2月に完成した新校舎の改修工事である。職員によると、6億2000万円をかけて、新たに理事長室などを設置しているという。 「赤字だったら理事長室にかけるお金もないはず。コロナに便乗して、本当はもらえるはずのお金を経営に回しているだけ。職員を駒扱いにして働かせるだけ働かせて、報酬なしなんてありえません」(30代・看護師)」 「理事諸室の工事さえ始めさえしなければ、億単位の無駄遣いは減らせたと思います」(20代女性)※労働組合に寄せられた投稿より 学内では、岩本理事長の強気な大学運営を可能にしているのは、自民党との強いパイプだと言われている。 批判を浴びている新校舎の竣工式には、二階俊博幹事長が駆けつけた。ちなみに、二階氏の母親は女子医大出身の医師だったという。 日本医療労働組合連合会の調査によると、夏のボーナスについて回答した全国の医療機関338のうち、約3割が去年より支給額が下がった。 ただし、「ボーナスゼロ」は、女子医大のみ。 新型コロナによって通院を控える患者が多く、大半の医療機関が前年より収益が激減している現実もある。 民間の船橋二和病院(千葉県)は、新型コロナの対応で発熱外来や専用病床を用意するなど、職員たちは対応に追われてきた。しかし、夏のボーナスは、前年の1.5カ月分から、0.9カ月に減額されたという。 一方、約100億円の費用をかけて、病院の建て替え計画は予定どおり進む。 このまま黙っていると、いずれボーナスがなくなるかもしれない。強い危機感から、たった9人の小さな労働組合が、今月10日にストライキを決行した。 「自治体から要請されて、頑張って新型コロナの対応をした。病院の減収分を自治体は補填してくれないので(病院が)自前でやるしかない。だからボーナス削減、というのが病院経営者の言い分。 でも、『なぜ私たちのボーナスを削るの?』という疑問があって、今回のストライキ行動では、千葉県や船橋市にも要請を行いました」(書記長の内科医・柳澤裕子氏) ▽人件費を削られる医療スタッフにも生活がある(「いま医療機関は、どこも人件費を削らないと経営できない状況になっています。でも、職員たちにも生活があるわけです。高校生や大学生の子どもには学費、親の介護。住宅ローンがあれば、ボーナス期にたくさん支払いがあるわけで、本当に切実な問題なのです」(組合員の医師・関口麻理子氏) 茨城県つくば市の地域医療を支える「坂根Mクリニック」。 坂根みち子院長によると、外来患者の受診控えなどの影響で、去年同期と比較して利益は3割減。それでも、ボーナスは内部留保を取り崩して、例年どおり支給した。 「新型コロナで、職員は大変な思いをしてきたから、ボーナスを出すのは当然のことだと思っています。国は診療所に対して1人当たり5万円の慰労金を出すそうですが、私たちに必要なのは、1回きりの慰労金ではなく、持続可能なシステムにするための抜本的な診療報酬の見直しです」(坂根院長) 厚生労働省は医療費の削減に躍起だが、相次ぐ診療報酬の切り下げで、医療機関はどこもギリギリの経営を続けてきた。 新型コロナの「第2波」で、とどめを刺されて経営破綻する医療機関が続出する可能性も出てきた。欧米で起きた医療崩壊は、すぐそこに迫っている。 ところで、女子医大関係者によると、大学当局は銀行から借り入れして夏のボーナスを支給する方向で準備を進めているという。 医療スタッフたちの苦労が、少しでも報われることを願うばかりだ』、「人件費切り詰めの一方で施設整備に巨額費用投下」、経営のガバナンスはデタラメのようだ。「自民党との強いパイプ・・・新校舎の竣工式には、二階俊博幹事長が駆けつけた。ちなみに、二階氏の母親は女子医大出身の医師」、これでは厚労省など手も足も出ないのも納得である。「大学当局は銀行から借り入れして夏のボーナスを支給する方向で準備を進めている」、目先は混乱を収拾できても、「二階氏」がバックにいるのであれば、ガバナンスの問題解決は期待できなそうだ。
タグ:医療問題 大前 研一 東洋経済オンライン プレジデント 東京女子医科大学病院 (その25)(大前研一「アフターコロナは遠隔診療を新常識にせよ」 オンライン診療が日本で遅れるワケ、安倍政権は厳しい医療費抑制策を復活させた 日本福祉大の二木立名誉教授に聞く医療政策、東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳) 「大前研一「アフターコロナは遠隔診療を新常識にせよ」 オンライン診療が日本で遅れるワケ」 オンライン診療はなぜ日本で遅れているのか 門前薬局で待たなくてよくなる アメリカではAmazonが薬を届けてくれる コロナ危機が日本医療システムに与えた、数少ないプラスの貢献 医療システムデータベース」は確かに効率的だが、ハッカー攻撃などに抵抗力がなければ、重要なプライバシー情報が流出するリスクがある 「安倍政権は厳しい医療費抑制策を復活させた 日本福祉大の二木立名誉教授に聞く医療政策」 ステルス作戦で医療費を抑制 経済の伸びに合わせて医療費も大きくなるというのが医療経済学の常識」、医療業界の肩を持った主張 「民間の急性期病院の利益率は急減」は確かに問題だが、要因をもっと詳しく分析する必要 岩澤 倫彦 「東京女子医大病院「400人退職」の裏にある混沌 医療スタッフのボーナスをカットした本当の訳」 夏のボーナスをゼロに。これに対して、約400人の看護師が一斉に退職の意向を表明 新型コロナと向き合う大学病院 国は新型コロナ患者の重症・中等症患者の病床に1日当たり4万1000円を補助するとしているが、収支が改善する効果はないという 引き受けて損がないよう十分に補助すべきだろう 「大学当局」の姿勢は極めて高圧的 足りなければ補充するしかない 「毎年、ウチでは300人前後の看護師が入れ替わっています。若い看護師にブランド病院として人気が高く、キャリアを積んで比較的短期間で辞めていく人が多いからです 名門大学病院の凋落を招いた、医療事故と同族経営 外科手術で、日本トップレベルの医者たちが女子医大に集まっていました。当時、自他共に認める名門大学病院だった 2つの事故によって、かつての栄光は地に堕ちた 経営立て直しのために、人件費の抑制が行われ、職員のボーナスは、2013年から2016年までの3年間で、最大123万円も減額 労務担当理事として大なたを振るったのが、去年から理事長に就任している岩本絹子氏 創業者一族として女子医大の運営に乗り出してきました まるで独裁者だと揶揄する職員も 病院のガバナンスがまるで機能してないようだ 人件費切り詰めの一方で施設整備に巨額費用投下 自民党との強いパイプ 新校舎の竣工式には、二階俊博幹事長が駆けつけた。ちなみに、二階氏の母親は女子医大出身の医師 厚労省など手も足も出ないのも納得である 大学当局は銀行から借り入れして夏のボーナスを支給する方向で準備を進めている 目先は混乱を収拾できても、「二階氏」がバックにいるのであれば、ガバナンスの問題解決は期待できなそうだ
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健康(その10)(「よく走る人ほど風邪ひきやすい訳」 「免疫力UP」の誘い文句は疑ったほうがいい、「熱中症」で見落とされがちな3つのポイント 水やお茶だけでは「水分補給」には不十分だ、高齢者の脳の若返りに有酸素運動が有効な理由、浅い眠り「レム睡眠」の長さが寿命に影響する?) [生活]

健康については、3月6日に取上げた。今日は、(その10)(「よく走る人ほど風邪ひきやすい訳」 「免疫力UP」の誘い文句は疑ったほうがいい、「熱中症」で見落とされがちな3つのポイント 水やお茶だけでは「水分補給」には不十分だ、高齢者の脳の若返りに有酸素運動が有効な理由、浅い眠り「レム睡眠」の長さが寿命に影響する?)である。

先ずは、5月10日付け東洋経済オンラインが掲載した神戸大学教授(感染症内科)の岩田 健太郎氏による「岩田健太郎「よく走る人ほど風邪ひきやすい訳」 「免疫力UP」の誘い文句は疑ったほうがいい」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/348107
・『なぜよく走る人ほど風邪をひきやすいのか? 日本人が知らない「免疫力の基本」について、2月に横浜港に停泊したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の内情を告発して注目を集めた、神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授が解説。新書『新型コロナウイルスの真実』から一部抜粋・再構成してお届けする。  巷では「〇〇を食べたら治った!」みたいな話が出回っているようですが、基本的に取るに足りません。今のところ、新型コロナウイルスに関して「これをやったら治る」とか「予防に効く」ような食品はありません。 何しろ、現在の段階では、堅牢な臨床試験で証明された治療薬が存在しないわけですから、「私はこれ飲んだら大丈夫だった」みたいな納豆とかヨーグルトとか、ホメオパシーのレメディみたいなやつも全部でたらめだと思っていい。 そもそも、一般論として「免疫力アップ」という言葉はだいたいインチキだと思っていいんです。 ステロイドとか免疫抑制剤のように、免疫力を「下げるもの」の候補は世の中にたくさんあります。あとで説明しますが、免疫力を下げる行動もたくさんあります』、医薬品にも広告規制があるのに、「免疫力アップ」などの誇大広告が横行しているのは、下記のような厚労省の規制が緩過ぎるためなのだろう。有力医師のかなりが製薬業界から金をもらっていることもあって、「岩田」氏のような勇気ある告発は貴重だ。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html
・『そもそも「免疫力」とは何か?  でも、免疫力を総合的に上げる方法って、ないんです。それを理解してもらうために、「そもそも免疫力とは何なのか」についてお話ししましょう。 「免疫力」とは病原体に対抗する力、つまり生体防御反応の強さのことです。これは、強くなれば強くなるほどいいものではなく、むしろ害になります。 例えばアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、関節リウマチなどの症状は「自己免疫疾患」に分類されますが、これらは全部免疫力が高すぎるがゆえに起きた弊害です。 つまり、免疫力ってバランスなので、高すぎても低すぎてもダメなので、「免疫力アップ」を売り物にしている時点で、既に間違いです。 ぼくも学生の頃に、免疫細胞の機能に関する実験をしていましたけど、一般的に免疫力アップを謳う医者がいたら、その人はインチキだと決めつけてほぼ間違いないでしょう。 それではインチキでなく免疫力を上げる方法はないのかというと、一つだけあります(専門家であれば「他にもある」と反論するでしょうが、一般の方が知っておいたほうがいいのは「一つだけ」です)。それはワクチンです。 ワクチンは、特定の病原体に対する免疫力を高めて防御するもので、典型的なものは麻疹のワクチンです。 麻疹は普通の感染防御が全く通用しない、たいへん怖い感染症ですが、ワクチンはすごく効く。だからみんな麻疹に罹らなくて済んでいるんですね。 麻疹のウイルスは新型コロナウイルスなんかよりもはるかに感染力が強いですから、ワクチンがなかったら世界中麻疹だらけになって大変なことになっているわけで、我々が麻疹にならなくて済んでいるのは、ワクチンがあり、ちゃんと接種しているからなんです。 日本の感染症でいえば、日本脳炎も同様です。日本脳炎ウイルスは豚の中に生息していて、夏になると蚊を介して人間に感染します。じつは、豚の体内のウイルスを排除できないので、日本中、ウイルスだらけなんですよ。 でも日本脳炎って、今の日本ではめったに起きないですよね。それは子供の頃にちゃんと日本脳炎ワクチンを打ってるからなんです。 このようにワクチンは、我々は普段自覚はしないですけど、ちゃんと我々の体を守ってくれているんです』、「免疫力ってバランスなので、高すぎても低すぎてもダメなので、「免疫力アップ」を売り物にしている時点で、既に間違いです」、その通りなのだろう。
・『調子が悪い=ただの疲労  「免疫力」は、目に見えないので、自覚できないものです。「お酒を飲み過ぎて肝臓の調子が悪い」とか「食い過ぎて胃の調子が悪い」とかは自覚できるけど、「いま免疫が弱ってる」みたいなことは自覚できない。体の調子が悪いときに「ちょっと免疫が落ちてるな」みたいに言っちゃうこともあるでしょうが、それは免疫とはまた無関係な、ただの疲労のことが多いですね。 それではワクチン以外では免疫は変わらないかというと、一過的に下がることはよくあります。例えばぼくはマラソンをしますが、一般的に、フルマラソンをした後は数週間、免疫が下がるといわれてます。だからフルマラソンの後は風邪をひきやすくなるんですね。 マラソンのような無理をして免疫力が下がることはよくあるんですけど、かといってアップする方法はない。でもあえて言うならば、免疫力をメンテナンスする、正常な状態に維持する方法ならあります。 それは休養、睡眠、適度な運動……「適度」というのは、マラソンみたいな過度な運動じゃなくて普通の運動ですね、そして食事栄養のバランスです。食事も特別なサプリメントとか必要なくて、果物とか野菜に入っているビタミンを摂れば十分です。休養、睡眠、運動、食事……要するに普通にするのが一番なんです。 特別なことをする必要は一切ありません。と言われても「その普通が難しいんだよ!」と思う方も多いですよね。日本の社会の場合、「普通のこと」ができないから、その結果として病気になる人も多い。けれども、残念ですが、睡眠不足を睡眠以外の方法で補うことはできません』、「フルマラソンをした後は数週間、免疫が下がるといわれてます。だからフルマラソンの後は風邪をひきやすくなる」、初めて知った。「免疫力をメンテナンスする、正常な状態に維持する方法ならあります。 それは休養、睡眠、適度な運動」、なるほど。
・『栄養ドリンクもあまり意味がない  睡眠不足が原因で病気になりやすい人は寝るのが一番だし、疲労がたまっている人は休養を取るしかない。疲れているときに栄養ドリンクを飲んでも意味はありません。あれにはビタミン以外にもアルコールとかカフェインとかが入っていて、「疲れてないよ」と錯覚を与える効果があるんです。 なんか元気になった気分になるけど、疲労そのものを取ってるわけではなく、単に自分をごまかしてるだけなんです。昔、よく鉱山とかでヒロポン注射を打って、疲労困憊の人たちを無理やり働かせたわけですけど、やっていることはそれと一緒です。 繰り返しますが、疲れている人は休養、寝不足の人は睡眠、栄養が足りない人は栄養、運動してない人は適度な運動と、普通のことをするしかない。バランスなのです。免疫力はメンテナンスするものであって、アップするものではない、という考え方が大事になってきます』、「栄養ドリンク・・・にはビタミン以外にもアルコールとかカフェインとかが入っていて、「疲れてないよ」と錯覚を与える効果があるんです。 なんか元気になった気分になるけど、疲労そのものを取ってるわけではなく、単に自分をごまかしてるだけなんです』、私は「栄養ドリンク」は飲まないようにしているが、やはり「自分をごまかしてるだけ」、なのに、堂々とテレビCMを流しているとは悪質だ。

次に、8月31日付け東洋経済オンラインが掲載した 医師・産業医の上原 桃子氏による「「熱中症」で見落とされがちな3つのポイント 水やお茶だけでは「水分補給」には不十分だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/371085
・『首都圏では連日最高気温30度以上が続き、1週間で1万人以上が熱中症で搬送されるなど酷暑が続いています。 近年は、在宅勤務の増加に伴い、炎天下での運動による熱中症だけでなく、屋内で発症する熱中症が増えてきていることが問題視されています。子どもや高齢者のみならず働く若い世代でも注意が必要です』、夕方のTVニュースで、ある小学校で運動会の練習で多くの生徒が熱中症で救急搬送されたとあったが、こんな暑いなかで運動会の練習とは全く馬鹿な学校だ。これ以前にも同様の例があったのに、同じ過ちを繰り返すとは・・・。
・『熱中症とは?  以前は日射病・熱射病・熱失神・熱痙攣などさまざまな呼び方がありましたが、現在はこれらをまとめて「熱中症」と呼び、その重症度を1~3度の3段階に分けて表しています。 1度:(日射病)「自身で対処できる段階」 めまい、立ち眩み、生あくび、大量発汗、強いのどの渇き 2度:(熱疲労)「医療機関の受診をすすめる段階」 頭痛、嘔吐、倦怠感、軽い意識障害 3度:(熱射病)「入院が必要な段階」 重い意識障害とともに肝臓や腎臓、脳など臓器に影響 ただし、これらはあくまでもガイドラインに沿った分類です。一口に倦怠感といっても「ちょっとだるい」「ぐったりして動けない」というように症状はさまざまで、症状も刻一刻と変わるため、いつ受診するべきかを日常生活で判断するのは大変難しいことです。 すると元気に歩いてきて「なんとなくだるい」とおっしゃるような不要な救急受診が起こる一方、命に関わる症状にもかかわらず受診しないケースも出てしまい、医療機関側でこれをすべてケアするのは非常に困難です。 したがって、「まず熱中症にならないよう自分自身で予防する」ことが重要です。熱中症の予防には3つのポイントがあります。それは「水分補給」「暑い環境からの回避」「冷却」です。 熱中症では汗などで水分とともに塩分が失われるため、0.1~0.2%の食塩水、つまり1Lの水に対して1~2g(およそひとつまみ)の食塩が含まれるものがよいとされています。水やお茶だけでは「水分」は補給できても塩分を含まないためうまく身体に吸収されません。 最適な飲みものは経口補水液(いわゆる「OS-1」)であり、これには医療用の輸液に近い成分が含まれています。最近では高齢者でも安心して飲めるよう、誤嚥のしにくいゼリータイプのものも市販されているようです。こちらももちろん同様の効果があります。 市販のスポーツドリンクも塩分が含まれるため熱中症予防に効果的ですが、経口補水液に比べて塩分が少なく、糖分が多いことに注意する必要があります。飲みすぎは「ペットボトル症候群」と呼ばれるような、血糖値が上がるためにのどが渇き、またスポーツドリンクを飲むという悪循環に陥る可能性があります。 経口補水液の味が苦手な方は、スポーツドリンクに頼りすぎることなく、梅干しやお味噌汁、塩飴と一緒に水やお茶を摂取することで水分と塩分を同時に補うようにしましょう。 逆に水分補給として不適切なものは、コーヒーなどカフェインを含むもの、そしてお酒です。嗜好品としておいしく飲むのはいいことですが、カフェインやアルコールには利尿作用があるため、水分補給という意味ではむしろ脱水になってしまうのです。 飲み物を飲むタイミングは「のどが渇く前に、こまめに」が基本です。とくに寝起きやお風呂上りには身体が脱水状態になっているため、コップ1杯の飲料を必ず飲むようにしましょう。1日の目安となる水分量は約1.2Lです』、「ペットボトル症候群」まであるとは初めて知った。
・『暑い環境からの回避と冷却の方法  熱中症は、身体の外への熱放出がうまくできず体温が著しく上昇した状態をいいますが、これには温度・湿度・風速・太陽からの日射が関係します。見落とされがちなのは湿度で、湿度が高いと汗が蒸発せず熱がこもってしまいます。湿度の高い日は、たとえ曇りでも水分補給を十分行うようにしましょう。 室内の環境を適切に涼しく整えることも、熱中症予防には非常に重要です。室内ではやはりエアコンが素早く効果的です。温度調節はもちろん、除湿機能で湿度を下げて風量調節で適度な風を送ることも可能です。 ここで毎年問題視されているのは「エアコン嫌い」の方が多くいることです。熱中症で搬送された人の8割がエアコンをつけていないという報道もありました。にもかかわらず使用しない方が案外多いという印象です。 理由はさまざまですが、風が身体に当たるのが不快であれば風向き調節で吹き出し口を上方向にする、ブランケットを羽織ることで対策になります。電気代が気になる場合は、カーテンなどで外からの熱を遮断する、サーキュレーター(空気を循環させるもの)を併用することで冷房効率を上げることができます。 また、加齢に伴って体温調節機能が低下するため暑さを感じにくく、エアコンなどの必要性を感じなくなってしまう方も多くいらっしゃいます。温度計や湿度計を設置することで、視覚的に目標の温度・湿度をわかりやすくして温度調節をするとよいでしょう。 それでも室内が暑くつらい日は、保冷剤などをタオルに包んで首・わきの下・足の付け根といった太い血管が通る場所を中心に冷やしましょう。冷えた血液が全身に回りやすくなり、たいへん効果的です。 熱中症予防の3つのポイントを押さえ、残暑の季節も健康に乗り切っていきましょう』、私も「エアコン嫌い」なので、大いに気を付けたい。

第三に、5月31日付けダイヤモンド・オンラインがヘルスデーニュースを転載した「高齢者の脳の若返りに有酸素運動が有効な理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/238846
・『有酸素運動が高齢者の脳を若返らせる?  たとえ長い間、座ってばかりいる生活を送っていた高齢の人でも、有酸素運動を半年間行うことで、思考力や記憶力は向上する可能性があるとする研究結果を、カルガリー大学医学部(カナダ)のMarc Poulin氏らが報告した。有酸素運動により脳への血流が増大し、加齢による影響にも対抗できるのだという。Poulin氏は「どんな人でも、加齢とともに頭脳や身体は衰えるものだ。しかし、年をとってからでも運動を始めることは、脳にとても大きなベネフィットをもたらす可能性がある」と述べている。この研究論文は「Neurology」5月13日オンライン版に掲載された。 この研究は、記憶障害や心疾患の既往がない成人206人(平均年齢66歳)を対象にしたもの。Poulin氏らは、思考力と記憶力に関する試験を研究の開始時と終了後に実施して、対象者の認知機能を評価したほか、経頭蓋超音波検査で脳の血流速度を測定した。対象者は、週3回の監督つき運動プログラムを6カ月間行った。運動量は、1日平均20分から始めて、1日平均40分以上まで徐々に増やしていった。さらに、対象者は週に1回、自分自身で運動するようにとの指示を受けていた』、私も1日1万歩をしているので、「思考力や記憶力は向上する可能性がある」とは嬉しいニュースだ。
・『言語流暢性の領域では5歳の若返りに相当する効果も  その結果、運動プログラム終了時点で、対象者の実行機能に5.7%の改善が認められた。実行機能には、集中する、計画する、指示を思い出す、並行作業を行うなどに関する能力が含まれる。また、情報処理速度の指標である言語流暢性は2.4%向上していた。Poulin氏は「この言語流暢性の改善は、5歳の若返りに相当するものだ」と述べている。 さらに、試験終了後の脳への血流は、試験開始前と比べて平均2.8%増大しており、通常、加齢とともに低下する思考力の改善に関連していた。Poulin氏は「われわれの研究から、活発な運動を6カ月間続けることで、脳への血流が増大し、言語能力のほか、記憶力や頭脳明晰さも向上する可能性が示された」とした上で、「年齢的には、正常な老化により低下していくはずのこうした能力が、逆に向上したという事実は非常に興味深い」と述べている。 Poulin氏は「有酸素運動が全身の血流改善に寄与することは分かっていたが、今回の研究で、脳内の、特に言語流暢性や実行機能に関わる領域への血流も改善する可能性のあることが分かった。この知見は、アルツハイマー病をはじめとする、認知症や脳疾患のリスクがある高齢者には特に重要だと思われる」との見方を示している。(HealthDay News 2020年5月15日)』、「この言語流暢性の改善は、5歳の若返りに相当するものだ」、1日1万歩への意欲がますます高まった。

第四に、7月18日付けダイヤモンド・オンラインがヘルスデーニュースを転載した「浅い眠り「レム睡眠」の長さが寿命に影響する?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/243488
・『「レム睡眠」の長さは寿命に影響する?  健康を保つには深い眠りが欠かせないとされるが、浅い眠りであっても、短すぎると健康に影響するようだ。米スタンフォード大学のEileen Leary氏らの研究から、浅い眠りの「レム睡眠」の時間が短すぎると寿命が短縮する可能性があることが分かった。研究結果の詳細は「JAMA Neurology」7月6日オンライン版に掲載された。 レム睡眠とは、眠っていても眼球が動いている浅い眠りの状態で、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字をとって「REM(レム)」と呼ばれる状態の睡眠のこと。レム睡眠中には夢をよく見るとされ、この間に身体の疲労回復を図っていると考えられている。 Leary氏らは今回、平均年齢76.3歳の男性2,675人を中央値で12.1年追跡したデータと、別の研究に参加した成人男女1,386人(男性54.3%、平均年齢51.5歳)を中央値で20.8年追跡したデータを分析し、レム睡眠の長さと死亡リスクとの関連について調べた。 その結果、総睡眠時間に占めるレム睡眠の割合が低いことが、心血管疾患などによる死亡リスクだけでなく、あらゆる原因による早期死亡リスクの上昇と関連することが明らかになった。高齢男性のコホートのデータからは、総睡眠時間に占めるレム睡眠の割合が5%減るごとに、心血管疾患による死亡率、および全死亡率がいずれも13%上昇することが示された。また、このような関連は、より年齢が若い男女のコホートでも同様に認められた。 Leary氏は、「数多くの研究で、睡眠不足は健康に重大な影響を及ぼすことが報告されている。ところが、いまだに睡眠を軽視し、十分な睡眠を取ろうとしない人も少なくない」と指摘。その上で、「忙しくペースの速い生活を送る中で、睡眠は時間の無駄だと感じてしまうこともあるかもしれない。しかし、今回の研究から、独立した2つの集団でレム睡眠の時間が短いと死亡率が上昇する可能性が示された」と説明している。 また、Leary氏は、「レム睡眠は信頼性の高い死亡の予測因子だと考えられる。レム睡眠を保つためのアプローチは、治療の効果にも影響を及ぼし、死亡リスクの低下につながる可能性がある。そのようなアプローチは、特に、レム睡眠の比率が睡眠時間全体の15%にも満たない成人の死亡リスク低減にとって有望だと思われる」と述べている。 ただし、Leary氏は、この研究は、レム睡眠が短いことと早期死亡リスク上昇の因果関係を証明したものではないとし、「今回の研究結果のみに基づいてレム睡眠の時間を延ばすことを推奨するのは時期尚早だ」と断っている。 付随論評の著者の一人で、米フロリダ大学神経学准教授のMichael Jaffee氏は、「これまでの研究は総睡眠時間に着目したものがほとんどで、睡眠時間は長すぎても短すぎても早期死亡リスクの上昇と関連するとされていた。しかし、今回のLeary氏らの研究からは、総睡眠時間だけでなく、レム睡眠を含めて、さまざまな段階の睡眠時間のバランスを取ることも重要である可能性が示された」とこの研究の意義を強調する。 今回の結果を踏まえJaffee氏は、医師に対し、患者が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)などの、レム睡眠に影響を与える疾患を有しているかどうかを確認するよう求めている。また、「一部の処方薬は、レム睡眠を減らすように作用することも知っておくべきだ」としている。さらに、一般の人々に対しては、「睡眠に問題を抱えていたり、ひどいいびきに悩んだりしている人は、かかりつけ医に相談してほしい」と助言している。(HealthDay News 2020年7月7日)』、「これまでの研究は・・・睡眠時間は長すぎても短すぎても早期死亡リスクの上昇と関連するとされていた。しかし、今回のLeary氏らの研究からは、総睡眠時間だけでなく、レム睡眠を含めて、さまざまな段階の睡眠時間のバランスを取ることも重要である可能性が示された」、深い睡眠のノンレム睡眠については、どんな研究成果が出てくるのだろう。楽しみだ。
タグ:健康 ノンレム睡眠 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 熱中症とは? (その10)(「よく走る人ほど風邪ひきやすい訳」 「免疫力UP」の誘い文句は疑ったほうがいい、「熱中症」で見落とされがちな3つのポイント 水やお茶だけでは「水分補給」には不十分だ、高齢者の脳の若返りに有酸素運動が有効な理由、浅い眠り「レム睡眠」の長さが寿命に影響する?) 岩田 健太郎 「岩田健太郎「よく走る人ほど風邪ひきやすい訳」 「免疫力UP」の誘い文句は疑ったほうがいい」 「ダイヤモンド・プリンセス号」の内情を告発して注目 『新型コロナウイルスの真実』 医薬品にも広告規制があるのに、「免疫力アップ」などの誇大広告が横行しているのは、下記のような厚労省の規制が緩過ぎるためなのだろう そもそも「免疫力」とは何か? 免疫力ってバランスなので、高すぎても低すぎてもダメなので、「免疫力アップ」を売り物にしている時点で、既に間違いです 調子が悪い=ただの疲労 フルマラソンをした後は数週間、免疫が下がるといわれてます。だからフルマラソンの後は風邪をひきやすくなる 免疫力をメンテナンスする、正常な状態に維持する方法ならあります。 それは休養、睡眠、適度な運動 栄養ドリンクもあまり意味がない ビタミン以外にもアルコールとかカフェインとかが入っていて、「疲れてないよ」と錯覚を与える効果があるんです。 なんか元気になった気分になるけど、疲労そのものを取ってるわけではなく、単に自分をごまかしてるだけなんです 堂々とテレビCMを流しているとは悪質だ 上原 桃子 「「熱中症」で見落とされがちな3つのポイント 水やお茶だけでは「水分補給」には不十分だ」 飲みすぎは「ペットボトル症候群」と呼ばれるような、血糖値が上がるためにのどが渇き、またスポーツドリンクを飲むという悪循環に陥る可能性があります 暑い環境からの回避と冷却の方法 「エアコン嫌い」 ヘルスデーニュース 「高齢者の脳の若返りに有酸素運動が有効な理由」 有酸素運動が高齢者の脳を若返らせる? 思考力や記憶力は向上する可能性がある 言語流暢性の領域では5歳の若返りに相当する効果も 「浅い眠り「レム睡眠」の長さが寿命に影響する?」 「レム睡眠」の長さは寿命に影響する? レム睡眠中には夢をよく見るとされ、この間に身体の疲労回復を図っていると考えられている これまでの研究は総睡眠時間に着目したものがほとんどで、睡眠時間は長すぎても短すぎても早期死亡リスクの上昇と関連するとされていた 今回のLeary氏らの研究からは、総睡眠時間だけでなく、レム睡眠を含めて、さまざまな段階の睡眠時間のバランスを取ることも重要である可能性が示された
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発達障害(その1)(29歳東大院生が「書類選考」で落ち続けたワケ 80社応募して内定を1社も得られなかった、発達障害「専門医の多くが誤診してしまう」理由 そもそも白黒つけられる簡単な症状ではない、これほど違う自閉症の現れ方 3歳男児と4歳女児の例) [生活]

今日は、発達障害(その1)(29歳東大院生が「書類選考」で落ち続けたワケ 80社応募して内定を1社も得られなかった、発達障害「専門医の多くが誤診してしまう」理由 そもそも白黒つけられる簡単な症状ではない、これほど違う自閉症の現れ方 3歳男児と4歳女児の例)を取上げよう。

先ずは、昨年3月28日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの藤田 和恵氏による「29歳東大院生が「書類選考」で落ち続けたワケ 80社応募して内定を1社も得られなかった」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/271725
・『現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。 今回紹介するのは「大学院を卒業し一般枠で正社員として就労しているものの、適応障害を発症し勤怠が不安定で何度も休職しています。転職して障害者枠に落ち着くべきか悩んでいます」と編集部にメールをくれた、29歳の独身男性だ』、どういう事情があったのだろう。
・『聞いたそばから忘れてしまう…  「物理の面白さですか?物ごとの理(ことわり)を知ること、でしょうか。もっと具体的に?そうですね――。例えば、コップに注いだ水の温度は時間がたつと、周囲と同じになりますよね。物理を学べば、その理屈を知ることができます。すべての自然現象の根底。それが物理だと言ってもいいでしょう」 東京大学大学院で物理を専攻していたフユキさん(29歳、仮名)に言わせると、数多くある三角関数の公式も「sin2θ+cos2θ=1」と「tanθ=sinθ/cosθ」さえ覚えていれば十分なのだという。 「そのほかの公式は、計算すれば導き出せるので、覚える必要はないんです」 一方で、フユキさんは買い物や飲食店などでの会計時に、金額を伝えられても、払うことができない。発達障害の1つ、自閉症スペクトラムで、耳から聞いた言葉をそのまま記憶する能力「聴覚的短期記憶」が低いからだ。金額を口頭で言われただけでは、聞いたそばから忘れてしまうのだという。 「それ以外にも、繰り上がりがあるような足し算もダメですね。『800+200は?』と聞かれても、すぐには答えられない。耳から入ってきた情報を、頭の中で処理したり、文字に書き起こそうとすると、ラグが生じるようなイメージです」 学生時代、ノートを取ったことがないという。というより、教師が話したことを、文字にして書き記すという作業ができない。自宅に戻ってから、教師が話した、大まかな内容を思い出しながら、教科書や参考書を読んで確認する――。これが、フユキさんの勉強方法だった。それでも、成績はいつもトップクラスだったという。 「幼い頃から、自分はヘンな人間だという自覚はありました」とフユキさん。集団で行動することが苦痛で、自室で独り、動植物の図鑑などを読んでいるほうが好きだった。心配した母親からよく「ほかの子と遊んできなさい!」と言われたことを、覚えているという。 「いじめに遭ったこともありました。クラスの中心にいるような、活発な子が苦手だったのは、そうした経験の影響だったようにも思います。いつも限られた友達2、3人と一緒にいる、おとなしいタイプの子どもでした」 将来の夢は研究者になることで、そのために大学院に進んだ。しかし、全国から優秀な学生が集まる最高学府において、早々に「自分の能力では、研究者として生き残るのは厳しい」と悟ったという。このため、卒業後の進路を就職へと変更。理工系出身者のニーズが高いとされる金融機関のリスク管理などを担当する部門などを目指すことにした』、「「聴覚的短期記憶」が低いからだ。金額を口頭で言われただけでは、聞いたそばから忘れてしまう」、というのでは、研究者はどう考えても無理だろう。
・『就職活動で内定を得られなかった原因とは  ところが、いざふたを開けてみると、就職活動は難航した。ほとんどが書類選考で落ちてしまうのだ。中堅と言われる規模の会社や、金融以外の職種にもエントリー先を広げたが、結果は同じ。80社近く応募して、1社も内定を得られなかった。 原因は、適性検査の一部である性格検査にあったのではないかと、フユキさんは言う。現在、多くの企業は面接前の選考過程で、さまざまな適性検査を実施している。主に基礎学力などを測る能力検査と、その人の考え方や行動パターンなどをチェックする性格検査で構成され、このうち性格検査は、200問以上の設問に短時間で答えることが求められる。 「能力検査は、できたという手応えがありました。となると、性格検査の結果に問題があったとしか考えられないんです」。正直に答えたつもりだが、ストレス耐性や協調性に難ありとみなされたのではないかと、フユキさんは考えている。 不採用が続く中、次第にうつ状態に陥り、医療機関で向精神薬などの処方を受けながら、就職活動を続けた。秋頃には、数日間にわたって食事も水も処方薬も喉を通らなくなり、さらに処方薬を断ったことによる離脱症状に襲われる――、といった状態を繰り返すようになり、やむなくその年の就職を諦めたという。 医療機関に通う際、フユキさんは同時に「自分は発達障害なのではないか」という相談も持ちかけていた。当初、臨床心理士からは、発達障害に特徴的なコミュニケーションにおける問題は見られないと言われたが、念のために専門の検査を受けた。 その結果、「計算力」「長期記憶」などの項目が平均水準をはるかに上回ったのに対し、「聴覚的短期記憶」「結果を予測する力」などは平均以下であることが判明。得意なことと、不得意なことの差が大きいのは、発達障害の特徴の1つである。 「検査の中でも、4、5枚のイラストをストーリー順に並べ替えよ、という問題がまったくできませんでした。(結果を示す)折れ線グラフが、とにかく凹凸の激しい形状だったことを覚えています」 翌年、フユキさんは服薬治療とカウンセリングを受けながら、再び就職活動に挑戦。今度は、ほぼ希望どおりの会社への採用が決まった。しかし、一難去ってまた一難。卒業前、臨床心理士から「学歴が高いので、周囲からの期待も高い。それに伴うストレスもまた大きいでしょう」と言われていたのだが、その予想が、入社後、見事に的中したのだ』、合格した会社では、「性格検査」がなかったのかも知れない。
・『仕事の失敗が重なると不調を来し、休職しがちに  会社組織において、新入社員に任されがちなのは、会議録の作成と電話応対。しかし、フユキさんは、この2つがまったくと言っていいほどできない。「聴覚的短期記憶」が低いので、会議中にメモを取ることはほぼ不可能。かといって、いったん録音したものをメモに書き起こすような時間的な余裕もない。電話の相手から、会社名や名前、用件などを伝えられても、受話器を置いたときにはほとんど忘れてしまっている。 未完成の会議録を提出するたび、上司はあきれたような、戸惑ったような複雑な表情を見せたという。電話応対にいたっては、「まともに取り次げたことがない」。 「もとから眠りは浅いほうだったのですが、就職してからは、作業に追われたり、得体のしれない怪物に追われたり、『何かに追われる』という悪夢を、毎日見るようになりました」とフユキさん。 仕事の失敗が重なると、「自分は欠陥人間」「存在価値などない」と思い詰め、さらには食欲不振や頭痛など身体にも不調を来し、そのたびに休職。休職期間は2、3週間と比較的短いものの、すでにこうしたことを何度も繰り返しているという。 会社では、怒鳴らたり、パワハラを受けたりしたことはない。人事部などには発達障害のことは報告しており、フユキさんの勤怠が不安定になると、担当者のほうから休職してはどうかと促してくる。最近は、電話応対の少ない部署への異動もなされた。 会社は決して障害への理解がないわけではないように見えるが、フユキさんに言わせると、「理解してくれているというよりは、見逃してくれているという感じ。人事部の対応もごく事務的なもので、そろそろ(解雇や退職勧奨などについて)何か言われるのではないかと恐れています」といった受け止めになる。 不安がピークに達したある日、いっそ障害者枠で働いたほうがよいのではと考え、専門の転職サイトに登録してみた。しかし、担当者からはきっぱりと「収入は間違いなく下がります。今の会社から支援を受けられるなら、転職は勧めません」と言われたという。 現在、フユキさんの年収は約400万円。自分でも調べたが、障害者枠で転職した場合、収入は悪ければ半減、そもそも正規雇用の求人がほとんどないことがわかった。非正規雇用では、つねに雇い止めの不安におびえなくてはならない。 「社内には居場所がないと感じます。かといって、転職しても、(雇い止めの恐れがある)非正規雇用では、かえってメンタルは悪化するでしょう」。会社にとどまるのも苦痛、転職しても待っているのは貧困――。そう考えると、絶望感しかないという。 フユキさんの話しぶりは終始、穏やかだった。物理や三角関数の説明をするときも、典型的な文系人間の私が、ちゃんと話についてきているかを確認しながら、ゆっくりと話を進めてくれた。臨床心理士の見立てと同じく、私もフユキさんからは、発達障害のある人特有のコミュニケーションの取りづらさは、まったく感じなかった』、せっかく「正社員」として入社、「人事部などには発達障害のことは報告」しているのであれば、能力に見合った仕事を「人事部など」と相談しながら探していくほかないようだ。
・『他人ができることを自分ができないつらさ  最後に、会社の同僚や上司たちに望むことはありますか、と尋ねると、フユキさんは「広い心を持ってほしい。みんなが同じことを、同じだけできるわけじゃないことを理解してほしいです。私の場合は、(人並み以上に)得意な分野もあります」という。 これに対し、私が「会議録の作成や電話対応が不得手だと、打ち明けたのですか」と聞くと、話していないという。理由は、「たぶん、理解してもらえない。『え?そんなこともできないの』と言われてしまうと思うから」。 広い心を持ってほしいと言いながら、自分ができないことを伝えないのは、少し矛盾しているのではないか――。そう言いかけ、私は取材中の自分のある振る舞いを思い出した。 レジで金額が記憶できない、会議録の作成や電話応対ができないというフユキさんに対し、私は繰り返し「一瞬でも記憶できないのですか」「意味がわからなくても、とりあえずメモするということも難しいですか」「(電話相手の)名前だけでも覚えていられないのですか」と尋ねたのだ。 このとき、フユキさんは、大学ノートにメモを取る私の手元を見つめながら、「みんなが普通にできることを、自分はできないんだなって思います」と言ってため息をついていた。 自分が当たり前にできることを、他人ができないということを理解することは意外に難しい。そして、自分はできないことを、多くの人が当たり前にできていることを目の当たりすることのしんどさを思った。 本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください』、「私が「会議録の作成や電話対応が不得手だと、打ち明けたのですか」と聞くと、話していないという。理由は、「たぶん、理解してもらえない。『え?そんなこともできないの』と言われてしまうと思うから」、難しいだろうが、正直に打ち明け、会社と一緒になって能力を発揮できる職務を探していくほかなさそうだ。

次に、本年8月4日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の岩波 明氏による「発達障害「専門医の多くが誤診してしまう」理由 そもそも白黒つけられる簡単な症状ではない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/363663
・『近年注目を集める「発達障害」。実は医師による「誤診」も少なくないという。発達障害の患者が誤診によって受ける被害の実態とは?精神科医の岩波明氏による新書『医者も親も気づかない 女子の発達障害』から抜粋・再構成してお届けします。 実のところ、著名な精神科医や発達障害の専門医であっても誤診がまれではありません。例えば「うつ病と診断したけれども、発達障害だった」「ASD(注1)だと診断したが、本当はADHD(注2)だった」などということは、しばしば見られています。 もちろん、私たち自身の診断が絶対に正しいということはありませんし、誤った判断もあることでしょう。 ただ、私たちの外来に紹介されて受診する患者さんを見ていると、多くの先生方には、発達障害の基本的な点が浸透していないように思えます』、なるほど。
(注1)ASD:自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群。自閉スペクトラム症は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、人口の1%に及んでいるとも言われています(e-ヘルスネット)。
(注2)ADHD:注意欠如・多動症は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。ADHDを持つ小児は家庭・学校生活で様々な困難をきたすため、環境や行動への介入や薬物療法が試みられています(e-ヘルスネット)。
・『「誤診」で発達障害が見逃されたケース  発達障害に関する誤診には、いくつかの理由があります。1つは、うつ病をはじめとして、対人恐怖症(社交不安障害)やパニック障害などの不安障害、躁うつ病など、発達障害が原因で起こるさまざまなトラブルをきっかけに生じる、2次障害との関連が問題となります。 このような場合、そうした2次障害に対する診断と治療が先行してしまい、根本的な原因である発達障害が見逃されがちです。こうなると、適切な治療が難しくなることが珍しくありません。 例えば、うつ病と診断されて抗うつ薬を飲み続けたが症状が改善されない、ADHDの治療薬に切り替えたら劇的に改善した、といったケースが実際に存在しています。「うつ病と診断されたものの、実は発達障害だった」ということは、よくある話です。 患者本人が「私はADHDだと思いますが、どうなのでしょうか?」と主治医に言っているにもかかわらず、「いえ、うつ病であることは確実です」「発達障害というのは考えすぎ」などと言って、正しい診断に行き着かない例が後を絶たないのが現状です。 また、ADHDとASDの区別も、非常に曖昧で難しい面があります。ADHDなら多動・衝動性と不注意、ASDなら対人関係のトラブルとこだわりの症状など、それぞれ典型的な特性があるのは確かですが、臨床の場面では、両方を同時に示すようなケースにも頻繁に出合います。 例えば「話し出したら止まらない」のは、ADHDにもASDにも見られる症状です。ADHDの場合は「思いついたことを言わずにいられない」衝動性が原因であるのに対して、ASDの場合は「他人に対する無関心、配慮のなさ」が原因ですが、見かけの症状は同じなのです。 さらに付け加えるなら、子どもの場合は両親からの虐待が引き金になり、「愛着障害」といって、ADHDやASDによく似た症状が表れるケースも見られます。 医師の側の問題もあります。もともと発達障害の専門医の多くは、自閉症やアスペルガー症候群などのASDを専門としていました。そのため、診断もASD寄りになる傾向があるのですが、実際にはASDよりもADHDのほうが何倍も症例が多いのです。 しかし、これはある程度やむをえない面があるのかもしれません。というのは、これまでの児童精神科において治療の対象としていた発達障害は、ASDの中でも最も重症の自閉症であり、さらにその多くが知的障害を伴うケースだったからです。 これに対して現在、成人の女性の発達障害においては、主な疾患はADHDであることに加えて、知的レベルは正常かそれ以上の例が大部分です。つまり、対象としている患者層が、以前とはまったく異なっているのです』、「患者本人が「私はADHDだと思いますが、どうなのでしょうか?」と主治医に言っているにもかかわらず、「いえ、うつ病であることは確実です」「発達障害というのは考えすぎ」などと言って、正しい診断に行き着かない例が後を絶たないのが現状です」、「もともと発達障害の専門医の多くは、自閉症やアスペルガー症候群などのASDを専門としていました。そのため、診断もASD寄りになる傾向があるのですが、実際にはASDよりもADHDのほうが何倍も症例が多いのです」、なかなか難しい問題のようだ。
・『「グレーゾーン」の患者も多くいる  さらに厄介なことに、「発達障害か、そうでないか」についても、線引きが曖昧です。そもそも精神科の診断には、白黒はっきりつけがたい「グレーゾーン」が多く含まれています。 発達障害も、発達障害という確定的な診断はつかないにしても、発達障害的な特性によって、日常生活に問題を抱えているケースがよくあります。つまり、ASDもADHDも、「スペクトラム」なのです。 例えば、ADHDと断定はできないけれども落ち着きがなくて忘れ物が多い人、ASDと診断するほどではなくても空気が読めずに人の輪に入れない人などは、たくさんいます。 発達障害とそうでない人の間には明確な区別が存在しているわけではなく、さまざまなグラデーションが存在しています。そのため、「この一線を超えたら発達障害」という線引きは、医師ごと、病院ごとに委ねられています。 ある病院では「発達障害でない」と言われ、別の病院では「発達障害だ」と言われるケースも少なくありません。 しかし、発達障害に限らず、ほとんどの精神科の疾患には数値で表せる明確な指標は存在していません。血液検査の数値など、なんらかの検査で白黒つけられるわけではないのです。 それでも、現在の症状とこれまでの経過について多くの「情報」が手に入るなら、ほぼ間違いのない診断が下せると思います。しかし、それには本人の子ども時代にまでさかのぼって、話を聞かなくてはなりません。本人の記憶が曖昧なことも多いし、本人は「私は普通の子だった」と思っていても、周囲は「すごく変わった子だった」と思っているケースも多く、なかなか簡単なことではありません』、「発達障害とそうでない人の間には明確な区別が存在しているわけではなく、さまざまなグラデーションが存在しています。そのため、「この一線を超えたら発達障害」という線引きは、医師ごと、病院ごとに委ねられています」、確かに診断がばらつくのは不可避のようだ。
・『家族が当てにならない問題も  現実には、情報不足によりグレーゾーンとして扱わなければいけないケースであっても、情報がそろったことで、後になってから発達障害だと確定するケースがあることは、十分に考えられます。 さらに、情報を得るにあたって、親などの近親者が必ずしも当てにならないことも、大きな問題です。非常に熱心な家族も存在している一方で、子ども時代のことはよく覚えていないという親や、そもそも発達障害の存在そのものを頭から否定する人も存在しているからです。 繰り返しになりますが、発達障害は生まれつきのものですから、「治す」という言い方は適切ではありません。しかし、本人にその意志があるなら、日常生活で問題が起こらないように、問題となる部分をカバーすることは可能です。 それにはまず、自分の特性を理解することが大切です。さまざまなトラブルは、その自らの特性が原因で起きている、ということを知る。そのうえで、どうしたらトラブルを防げるか、具体的に考えていくことになります。) 例えば「上司の指示をすぐ忘れてしまう」なら、すぐに「メモを取る」。「マルチタスクが苦手」なら、「複数の仕事を同時に進めるのではなく、1つの仕事を終えてから次の仕事にとりかかる」習慣をつける。 自分が上司の立場なら、ASDの人に出す指示は、できる限り具体的にします。例えば、期日はいつなのか、ほかの仕事より優先するべきなのか。「適当にやっておいて」は、ASDの人には厳禁です。文字どおりに解釈して、「いい加減に」仕事をしてしまうかもしれません。 こうした工夫そのものが難しい環境であるなら、今度は環境を変えることを考えます。極端な話ですが、対人関係が苦手なASDの人も、「研究室にこもりきりで、他人と交流しなくていい」といった環境で働けるのであれば、問題は顕在化しないかもしれません。実際、高名な科学者や研究者において、ASDの特徴を持つ人は少なくありません。 ASDでもADHDでも、多くの場合、理解力自体は普通に持っています。何が問題で、どうすれば解決できるのかさえ理解できれば、対処できる場合が大半です』、「多くの場合、理解力自体は普通に持っています。何が問題で、どうすれば解決できるのかさえ理解できれば、対処できる場合が大半です」、とはいうものの、現実には「何が問題で、どうすれば解決できるのかさえ理解できれば」、が難しいのだろう。
・『「変えようがない人間」もいる  一方で、こんなケースもあります。ADHDの人には、わからないというより、アドバイスを「受け入れたくない」人が全体の2?3割はいます。 アドバイスの内容そのものは理解できでも、やりたくない、やろうとしない。人の言うことを聞きたくないのです。これには自分の意志を押し通そうとする傾向が強いこともありますが、そもそも他の人の話を聞くことが得意ではないのです。 ASDの人は、変えたくても、「変えようがない」ケースもあります。いくら能力が高くても、「マイルール」へのこだわりが強いと、変えたほうがいいとわかっていても、なかなか変えられません。 あるASDの女性は、非常に高い能力がありました。大学を卒業して10年以上のブランクのある主婦だったのですが、大学の研究室でアルバイトを始めると、英語論文を書いて海外の雑誌に掲載されるほどになりました。 しかし、対人関係がまるで苦手でした。研究室のトップに理解があるため長く勤めていられるのですが、対人関係が改善する様子は見られません。 「こうしてみたら」と私がアドバイスをしているのですが、なかなか周囲との関係を変えることができません。そのため、研究成果を上げてはいますが、彼女はほとんど1人で仕事をしています』、「アドバイスを「受け入れたくない」人が全体の2?3割はいます」、「あるASDの女性」の例は「研究室のトップに理解がある」という幸運に恵まれた稀有な例なのだろう。

第三に、6月9日付け日経ビジネスオンラインが掲載した文筆家の川端 裕人氏による「これほど違う自閉症の現れ方、3歳男児と4歳女児の例」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00112/00039/?P=1
・『発達障害である自閉症は、人口の2%に及び、“グレーゾーン”も入れると1割を超すという。現在の診断名は「自閉スペクトラム症」で、かつてのアスペルガー症候群も含め、その現れ方は様々だ。そんな自閉症への理解を深めるために、日本の研究と治療と支援をリードしてきた医師、神尾陽子先生の研究室に行ってみた!その2回目。 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所で発達障害をめぐる研究と行政への提案を行い支援の社会実装を主導してきた神尾陽子さん(現・発達障害クリニック附属発達研究所・所長)に自閉スペクトラム症について伺っている。前回は、やや抽象的な議論に終わってしまった感があるので、今回は、自閉スペクトラム症を持つ子どもたちに、それがどんなふうに現れるかもっと具体的に教えてもらおう。 「実はすごく説明しにくいんです。自閉スペクトラム症の人って、知能に遅れのある人から、とても知能の高い人までいて、『こういう行動をする』って一言では記載はできません。おまけに、同じ人でも1歳のときから亡くなるまで、年齢によっても症状は違います。だから、具体的に説明するとしたら、やっぱり発達水準、性別、年齢などを想定しないといけないんです」 神尾陽子さんは、発達障害の研究はもちろん、行政への提案や支援の社会実装を主導してきた。 そこで「人と年齢」を設定する。「3歳の知的な遅れのある男の子」と「遅れのない4歳の幼稚園に行っている女の子」の2ケースだ。 「3歳で遅れのあるお子さんは、一番典型的です。3歳になると普通のお子さんはいっぱいしゃべるようになりますけど、まず言葉が遅れるので気づかれやすいんです。そして、言葉が出てきても、特徴的なのはおうむ返しといって、誰かが言ったのをそのまんま返すので、会話にならなかったりします。単語はたくさん覚えるけれども、あんまり人の動作や状態にかかわるようなことを言いません。『おなかすいた』『食べる』『飲む』という、自分がしたいことを伝えることがあんまりできないんです」 こういう言葉の出方を「機能的ではない言語」というそうだ。語彙が多くても、言葉の最大の「機能」であるコミュニケーションのためにうまく使えない。喉がかわいてジュースを飲みたいときにも、「ジュースを飲みたい」と言うかわりに自分で冷蔵庫に行って勝手に飲むようなイメージだ。 「子どもは、言葉を獲得していく中で自分の要求が伝わるようになったり、『あ、ブーブー』とか言うと、お母さんがそっちを見て『ああ、ブーブーだね』って一緒に喜んでくれたりして、共有する喜びを知るわけです。そういったことが対人関係の一番基礎ですよね。でも、遅れがある場合は、言葉が出てきてもそういうことに使わず、一人で黙々と本読んでいるとか、基本的には一人遊びが好きです。お母さんが一緒に何かしようと思って、子どもが遊んでいるものに手を触れたらパッと手を払っちゃう。たとえば何かを自分で楽しく並べていたとしたら、崩されるのがいやだから一人遊びの方がいいと、こだわりの部分もかかわっています。お母さんはすごい悲しいし、何とかして遊ぼうと思ってかかわると、子どもは余計嫌がって泣いたり怒ったりするんです」』、「自閉症は、人口の2%に及び、“グレーゾーン”も入れると1割を超す」、そんなに多いとは改めて驚かされた。「遅れがある場合は、言葉が出てきてもそういうことに使わず、一人で黙々と本読んでいるとか、基本的には一人遊びが好きです。お母さんが一緒に何かしようと思って、子どもが遊んでいるものに手を触れたらパッと手を払っちゃう。たとえば何かを自分で楽しく並べていたとしたら、崩されるのがいやだから一人遊びの方がいいと、こだわりの部分もかかわっています。お母さんはすごい悲しいし、何とかして遊ぼうと思ってかかわると、子どもは余計嫌がって泣いたり怒ったりするんです」、親の対応もなかなか難しそうだ。
・『自閉症という言葉は、Autismという英語の訳だ。接頭辞のAut(o)は「自動的」「自律的」を意味するもので、それを「閉じている」と訳すのが適切なのかどうか分からないが、自分で完結しているというようなニュアンスなら、今紹介してもらったような事例にはよく当てはまるかもしれない。それにしても、親が「愛情」の表出である共感を持って接しようとしても、それが本人にとっては不快なことが多いとしたら、いろいろ悲しいことが起きそうだ。特に、自閉スペクトラム症が母親の育て方の問題だとされたりすると、母親は必死に関わろうとするあまり子どもが嫌がることをしてしまうことになる。 また、自閉スペクトラム症特有の「こだわり」や「感覚過敏」が日常生活の中でもしばしば大きな困難に発展することがある。 「その子を連れてどこか買い物に行こうとすると、いつもの道で工事をしていたとします。じゃあ、違う道から行こうっていったら、もうパニックです。そこでひっくり返って、泣いたり怒ったり。だから、もう予定していた外出が全然できないとか、もう外出自体がお母さんのストレスになっちゃって、2人でこもりっきりっていう方もいらっしゃいます。味や臭いについて感覚過敏で偏食がすごいから生きてくために何とか食べさせようとするけど食べないとか、ちょっとした刺激ですぐに目覚めてしまってぜんぜん寝ないっていう人もいます。いったん寝付いても、ちょっと物音がするとすぐ起きちゃうんです」 では、もう一つのシナリオ、「遅れのない4歳で、幼稚園に行っている女の子」の場合はどうだろう。 「そういう子は、見かけは遅れがないからわりと見逃されますが、とにかく幼稚園みたいな場になじめません。家の中でよく知った環境ではそれほど困らなくても、幼稚園に行くといろんな子どもたちがいるでしょう。子どもって一番予測できない人たちだから、自分がこれで遊ぼうと思っても他の子が来て取ったりされるし、一緒に遊ぶのもあんまり楽しくないし。それでワーッと泣く子もいれば、泣かないでじっと耐えて、だんだん耐えられなくなってくると、行きしぶります。そうすると、親は無理やり連れていって悪循環になってしまいがちです。何で嫌なのか、どういうふうにしたら楽しくなるのかというのを、わりと見逃されているのが多いんですね」 遅れがないがゆえに問題が見えにくくなることは皮肉なことである。これもまた親だけでなく、社会の問題でもある』、「子どもって一番予測できない人たちだから、自分がこれで遊ぼうと思っても他の子が来て取ったりされるし、一緒に遊ぶのもあんまり楽しくないし。それでワーッと泣く子もいれば、泣かないでじっと耐えて、だんだん耐えられなくなってくると、行きしぶります。そうすると、親は無理やり連れていって悪循環になってしまいがちです」、普通はあきらめて、別の遊びに切り替えるのに、こだわりが強くあきらめられないのだろうか。
・『「幼稚園や保育園によっては『いや、この子は、全然、遅れはないし、発達障害じゃない』と言われたり、やっぱりお母さんが気にしすぎだとか、ちょっと過保護だってスルーされちゃうことも多いんです。結局、小学校に行ったらもっと問題が大きくなるので、そういうパターンもあり得るということを幼稚園や保育園でも知っていただいて、合うような環境で対応していってほしいんですが」 さらにもう一点、神尾さんは「不安」について付け加えた。 「不安というのは、よくある精神障害ですけど、自閉スペクトラム症にもこの合併が多いんです。子どもの不安って、恐怖に近いから、さっきまで普通にしていても、あるときに爆発的に出たりします。不安がある子はそういう場を徹底的に避けるようになるので、見えないだけで。本人は本当に生きづらくて、世界が怖くて、場合によっては怒りとかまで感じて、やっぱり自分の中にためていくので、親も含めてそこで悪いループに入っていくわけです」 ほんとうに様々なケースがある中で、それらを早めに見つけて早めに対処するというのが神尾さんの立場だ。古典的な知的な遅れを伴う自閉スペクトラム症も、この2、30年のうちにクローズアップされた、知的な遅れを伴わない「高機能」な自閉スペクトラム症も、放置しておくとのちのち大変なことになることがある。それこそ、つらい場所に置かれ続けて、本来伸ばし得たはずの様々な特徴をスポイルされた上で、うつや不眠や不安など、ありとあらゆる穏やかならざる合併に悩まされ、本来、過ごせるはずだったかもしれない豊かな生き方が想像できなくなるほどの深みに落ち込んでしまうことだってありうる。やがて重たい精神症状を合併して、精神病院で隔離されて一生を終えるというようなことも、20世紀にはありえたのである。 自閉スペクトラム症に早いうちから対処できれば、重い合併症を防げ、伸ばし得る特徴を伸ばしやすいという。 今、この問題にかかわる世界中の専門家たちは、適切な診断に基づいた治療や支援を早期から始めたり、それ以前のところで良い環境(発達障害の子も定型発達の子も、ともにメンタルヘルスを保ちやすい環境)を作ることで事態を改善できると信じ、努力をしている。神尾さんも、その流れに棹さす一人だ。 そして、そのためには、今、わたしたちの社会の中で、自閉スペクトラム症の子どもたちがどれくらいいて、診断や治療や支援や環境の改善を必要としているか知らなければならない。臨床の現場からは、一歩引いて、いわゆる疫学的な調査が大事になる局面だ。 国立の研究機関にいた神尾さんは、その点でも、時代を画する研究を行っているので次回以降の議論で教えてもらおう。(づづく)』、「知的な遅れを伴わない「高機能」な自閉スペクトラム症も、放置しておくとのちのち大変なことになることがある。それこそ、つらい場所に置かれ続けて、本来伸ばし得たはずの様々な特徴をスポイルされた上で、うつや不眠や不安など、ありとあらゆる穏やかならざる合併に悩まされ、本来、過ごせるはずだったかもしれない豊かな生き方が想像できなくなるほどの深みに落ち込んでしまうことだってありうる。やがて重たい精神症状を合併して、精神病院で隔離されて一生を終えるというようなことも、20世紀にはありえた」、現在ではそんな最悪の事態に辿り着く前に、「精神科医」の治療があるということなのだろうが、「精神科医療」の重要性を再認識した。
タグ:AsD 発達障害 東洋経済オンライン ADHD 日経ビジネスオンライン 藤田 和恵 川端 裕人 (その1)(29歳東大院生が「書類選考」で落ち続けたワケ 80社応募して内定を1社も得られなかった、発達障害「専門医の多くが誤診してしまう」理由 そもそも白黒つけられる簡単な症状ではない、これほど違う自閉症の現れ方 3歳男児と4歳女児の例) 「29歳東大院生が「書類選考」で落ち続けたワケ 80社応募して内定を1社も得られなかった」 聞いたそばから忘れてしまう 東京大学大学院で物理を専攻 発達障害の1つ、自閉症スペクトラムで、耳から聞いた言葉をそのまま記憶する能力「聴覚的短期記憶」が低いからだ。金額を口頭で言われただけでは、聞いたそばから忘れてしまう 就職活動で内定を得られなかった原因とは 「性格検査」 仕事の失敗が重なると不調を来し、休職しがちに 「聴覚的短期記憶」が低いので、会議中にメモを取ることはほぼ不可能 人事部などには発達障害のことは報告 他人ができることを自分ができないつらさ 私が「会議録の作成や電話対応が不得手だと、打ち明けたのですか」と聞くと、話していないという。理由は、「たぶん、理解してもらえない。『え?そんなこともできないの』と言われてしまうと思うから」 岩波 明 「発達障害「専門医の多くが誤診してしまう」理由 そもそも白黒つけられる簡単な症状ではない」 「誤診」で発達障害が見逃されたケース 「うつ病と診断されたものの、実は発達障害だった」ということは、よくある話です 患者本人が「私はADHDだと思いますが、どうなのでしょうか?」と主治医に言っているにもかかわらず、「いえ、うつ病であることは確実です」「発達障害というのは考えすぎ」などと言って、正しい診断に行き着かない例が後を絶たないのが現状 もともと発達障害の専門医の多くは、自閉症やアスペルガー症候群などのASDを専門としていました。そのため、診断もASD寄りになる傾向があるのですが、実際にはASDよりもADHDのほうが何倍も症例が多いのです 「グレーゾーン」の患者も多くいる 発達障害とそうでない人の間には明確な区別が存在しているわけではなく、さまざまなグラデーションが存在しています 「この一線を超えたら発達障害」という線引きは、医師ごと、病院ごとに委ねられています」 家族が当てにならない問題も 多くの場合、理解力自体は普通に持っています。何が問題で、どうすれば解決できるのかさえ理解できれば、対処できる場合が大半です 「変えようがない人間」もいる アドバイスを「受け入れたくない」人が全体の2?3割はいます 「これほど違う自閉症の現れ方、3歳男児と4歳女児の例」 発達障害である自閉症は、人口の2%に及び、“グレーゾーン”も入れると1割を超すという 遅れがある場合は、言葉が出てきてもそういうことに使わず、一人で黙々と本読んでいるとか、基本的には一人遊びが好きです。お母さんが一緒に何かしようと思って、子どもが遊んでいるものに手を触れたらパッと手を払っちゃう。たとえば何かを自分で楽しく並べていたとしたら、崩されるのがいやだから一人遊びの方がいいと、こだわりの部分もかかわっています。お母さんはすごい悲しいし、何とかして遊ぼうと思ってかかわると、子どもは余計嫌がって泣いたり怒ったりするんです 子どもって一番予測できない人たちだから、自分がこれで遊ぼうと思っても他の子が来て取ったりされるし、一緒に遊ぶのもあんまり楽しくないし。それでワーッと泣く子もいれば、泣かないでじっと耐えて、だんだん耐えられなくなってくると、行きしぶります。そうすると、親は無理やり連れていって悪循環になってしまいがちです 知的な遅れを伴わない「高機能」な自閉スペクトラム症も、放置しておくとのちのち大変なことになることがある。それこそ、つらい場所に置かれ続けて、本来伸ばし得たはずの様々な特徴をスポイルされた上で、うつや不眠や不安など、ありとあらゆる穏やかならざる合併に悩まされ、本来、過ごせるはずだったかもしれない豊かな生き方が想像できなくなるほどの深みに落ち込んでしまうことだってありうる。やがて重たい精神症状を合併して、精神病院で隔離されて一生を終えるというようなことも、20世紀にはありえた
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医療問題(その24)(精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 現場医師の裁量で強制長期入院も可能になる、夫の策略で「強制入院3カ月」妻が味わった悪夢 精神疾患の既往歴なしの人が精神科病院に幽閉、コロナ下で医療崩壊危機を高める「都立病院の独法化」は必要なのか) [生活]

医療問題については、2月10日に取上げた。今日は、(その24)(精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 現場医師の裁量で強制長期入院も可能になる、夫の策略で「強制入院3カ月」妻が味わった悪夢 精神疾患の既往歴なしの人が精神科病院に幽閉、コロナ下で医療崩壊危機を高める「都立病院の独法化」は必要なのか)である。

先ずは、3月1日付け東洋経済オンライン「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 現場医師の裁量で強制長期入院も可能になる」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/331577
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。本連載では日本の精神医療の抱える現実をレポートしていく。 「緊急の帝王切開で手術室に入り、出てきたときには卵管結紮されていました。自分のまったく知らないところで不妊手術をされていたと聞いたときはショックでした」 今年1月30日、日本弁護士連合会に人権救済の申立書を提出した米田恵子さん(43歳)は、その心中を吐露した。申し立ては旧優生保護法下での強制不妊手術の救済策が議論される一方、条項の削除後も、精神障害者などに不妊手術が行われている実態を告発するものだ。 連載第1回「精神病院に4年閉じ込められた彼女の壮絶体験」(2020年1月28日配信)で詳しく報じたとおり、米田さんは今年1月上旬まで、精神科病院に長期入院していた。最後の子どもを分娩し不妊手術が実施されてから1年後の2016年2月に入院し、その後院内での生活はおよそ4年間にわたった』、「自分のまったく知らないところで不妊手術をされていた」、「院内での生活はおよそ4年間にわたった」、こんな人権侵害があるとは「精神医療」の闇だ。
・『当事者からの声が140件以上集まった  これを報じた記事への反響は大きく、本連載の情報提供フォーム(文末に設置)には、すでに140件を超える当事者や医師、看護師、精神保健福祉士など医療関係者からの切実な声が寄せられている。どれも日本の精神医療の抱える問題を告発するものばかりだ。また、「本人も家族も退院を望んでいるのに、なぜ退院できなかったのか。その理由を知りたい」という読者からの声も多く届いた。今回はその理由に迫りたい。 米田さん自身も、入院当初はすぐに退院できるものだと思っていたという。ところが主治医からは「何でも自分の思うとおりになると思わないでください。私はあなたのことを信用していません」と言われ、「パーソナリティ障害」との診断名を付けられた。退院の見通しが立つまで、まだ1年近くかかると通知された。 「せいぜい1~2カ月だと思って同意したのに、まさかこんなに長くなるとは思わなかった」。思った以上に長い入院計画に驚いたのは、当初入院に同意した米田さんの妹も同様だった。 米田さんを支援した佐藤暁子弁護士は、病院側とのやり取りをこう振り返る。「精神科に入院している場合、まず弁護士につながることが非常に難しい。今回弁護士が介入しても、病院側は『社会に迷惑をかける』などと、極めて抽象的で法的根拠のない理由を繰り返し、なかなか退院に向けた話が進まなかった」』、「弁護士が介入しても・・・なかなか退院に向けた話が進まなかった」、人権侵害の極致だ。
・『極めて使い勝手がよい制度  妹や弁護士のバックアップがあったにもかかわらず、米田さんが4年近くも入院を余儀なくされた背景にあるのが、精神科特有の入院制度である「医療保護入院」だ。医療保護入院は精神保健福祉法が定める強制入院の1つ。本人が入院に同意しない場合に、家族など1人の同意に加え、同じく1人の精神保健指定医の診断があれば、強制入院させられる。 自由の制約という点では同じ刑事事件の場合、逮捕・勾留には現行犯以外は令状が必要で、その発行には裁判所の判断が介在するが、医療保護入院にはそれがない。刑期の決まっている刑事事件に対して、医療保護入院には入院期間の定めがない。 「刑事法になぞらえて言えば、医療保護入院は、入院期間の決定をすべて指定医の判断にゆだねる絶対的不定期刑に等しく、近代法では罪刑法定主義の原則上、許されないとされているもの。本人の不利益があまりに大きすぎる制度だ」。同制度に詳しい小笠原基也弁護士は話す。 また同じ強制入院でも自傷や他害のおそれがある場合に適用される「措置入院」は、2人の指定医の診断を受け、都道府県知事が入院を決める制度だ。複数の医師と行政が介在することで、ある程度は第三者の視点が入りやすいが、医療保護入院にはそれもない。 つまり、医療保護入院はある人を入院させたいと考える側にとって極めて使い勝手がよい制度で、実際その件数は年々増加している。厚生労働省によれば、2018年度の医療保護入院の届け出数は18万7683件(「衛生行政報告例」)。6万件前後で推移した1990年代前半と比べ、3倍超に膨らんでいる。 さらに家族1人の同意が必要というのも、入院する時点に限ってのものだ。いったん入院してしまったら、その後家族が同意を撤回しても、入院継続の必要性の判断はあくまで指定医に委ねられることになる。米田さんのケースでも妹が退院を求めても、なかなか出られなかったのはそのためだ。 また米田さんのように主治医の指示で、家族とも一切の面会、そして通話すら禁止された場合、家族は本人の意向を確認することが難しく、結局は医師の判断に委ねざるをえないケースがほとんどだろう。 つまり医療保護入院の仕組みは、入院や行動制限の要否を判定する精神保健指定医の判断の正当性がすべての前提となっている。指定医の患者に対する権限は絶大だ。だが、同資格をめぐっては数年前に制度の根幹を揺るがすような大きな不祥事が起きている。 2015年、聖マリアンナ医科大学病院で、組織的な指定医資格の不正取得が発覚した。指定医資格を得るには、5年以上医師として働き、うち3年以上は精神障害の診断、治療に従事することが前提だ。そのうえで、自ら担当として診断、治療した症例について作成されたケースレポートで審査される。 あろうことかこのレポートで、ほかの医師が診察して作成したものを使い回していたことが明らかとなった。審査対象のレポートが大量に「コピペ」されていたというわけだ。その後の厚生労働省の全国調査で、100人強の不正が認定され、その多くが指定取り消し処分に加え、戒告・業務停止などの行政処分を受けることになった』、「医療保護入院はある人を入院させたいと考える側にとって極めて使い勝手がよい制度で・・・2018年度の医療保護入院の届け出数は18万7683件・・・6万件前後で推移した1990年代前半と比べ、3倍超に膨らんでいる」、「医療保護入院の仕組みは、入院や行動制限の要否を判定する精神保健指定医の判断の正当性がすべての前提となっている。指定医の患者に対する権限は絶大だ」、医師性善説を前提にしているのだろうが、病床の稼働率を上げため、「判断」が歪むことが背景にある筈だ。少なくとも「措置入院」のように、「2人の指定医の診断を受け、都道府県知事が入院を決める」といった歯止めが必要だ。
・『第三者機関も形骸化  また入院後に患者や家族が、第三者機関である精神医療審査会に対して、退院請求や処遇改善請求を行う制度もあるが、「ほとんど形骸化している」と、同制度に詳しい関係者は口をそろえる。 審査会の構成は指定医である医療委員が過半を占めるものが大多数で、「審査会は非公開で、あたかも本人の出席を原則としないかのような運用で、請求しても認められないことが多く、しかも事実認定が裁判基準からすると緩すぎる」と、審査会の法律委員を務めた経験のある佐藤弁護士は批判する。 実際、昨年5月には、米田さんの退院請求、処遇改善請求とも退けられている。退院が認められない理由は、「入院者に病識や自省がなく、その治療の必要性に関する認識が不十分であるため」だとされたが、その判断の具体的な根拠は示されていない。 東京都の精神医療審査会が2018年度の退院請求審査206件のうち、退院を認めたのはたったの1件。もはや「開かずの扉」となっている』、「第三者機関も形骸化」、「審査会の構成は指定医である医療委員が過半を占めるものが大多数」、まずは「構成」に弁護士などを増やすべきだろう。
・『「問答無用で徹底的に痛めつける」  日本社会事業大学大学院の古屋龍太教授はこう批判する。 「一精神科医の判断と家族等の同意によって、一個人を公権力によらず強制的に精神科病院に入院させる制度は、この日本にしか存在しない。裁判所等が関与する治療のための強制入院制度は他国にもあるが、『保護』のための強制入院制度は、ほかの諸外国にはない制度だ。 多くの精神医療関係者は、医療保護入院制度の存在は当たり前のものと考え疑問を持たない。だがそうした日本の精神医療の常識は、人権を尊ぶ世界には通用しない」 実際、日本の医療保護入院をモデルに制度を導入した韓国では、人権上問題視され、精神障害者当事者団体を中心に法改正を求める運動が本格化。当事者団体は憲法裁判所へ医療保護入院の違憲申請を提出。2016年、韓国憲法裁判所は制度の悪用と濫用の可能性を排除できないとして、身体の自由を定めた憲法12条に反して違憲であるとした。 世界には通用しない日本の精神医療の常識の、筆頭格にあたるこの医療保護入院。絶大な権限をもつ精神保健指定医がひとたび暴走したら歯止めはきかず、取り返しのつかない人権侵害へと直結することになりかねない。 今年2月、最高裁判所は診療報酬詐欺で一審、二審と有罪判決を受けていたある精神科医の上告を棄却した。懲役2年執行猶予4年の有罪判決が確定したこの医師は、一審の有罪判決後、こうした内容のメールを送っていたという。 「僕は1つだけやってやろうと決めてることがある。捜査機関の奴らが認知症やら何やらで精神科に来たら問答無用で隔離室に放り込んで、徹底的に痛めつける。絶対出さないしいくらでもいてもらう。完全に壊してから自宅に引き取らせる。厚労省関係者も同じ」(2019年5月18日付メール) 精神保健指定医の資格を有し、日本精神神経学会認定の専門医および指導医でもあるこの医師は、精神医療の現場を追われることなく、一審判決時にも複数の病院、クリニックで勤務していたという。 有罪が確定したことで、今後、厚生労働省の医道審議会に行政処分が諮られることになるが、通常は診療報酬の不正請求の場合、医師免許停止数カ月程度の処分が相場。こうした医師が指定医の資格で強大な権限を行使しているのが、日本の精神医療のまぎれもない現実だ。(第3回に続く)』、「『保護』のための強制入院制度は、ほかの諸外国にはない制度だ。 多くの精神医療関係者は、医療保護入院制度の存在は当たり前のものと考え疑問を持たない。だがそうした日本の精神医療の常識は、人権を尊ぶ世界には通用しない」、制度の早急な見直しが不可欠だろう。「有罪判決が確定したこの医師」、恐ろしい医師もいるものだと驚かされるが、これも制度の歪みがもたらしたものだ。

次に、この続きを、4月1日付け東洋経済オンライン「夫の策略で「強制入院3カ月」妻が味わった悪夢 精神疾患の既往歴なしの人が精神科病院に幽閉」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/340162
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第3回。 「精神疾患の既往歴などいっさいない自分が、まさか精神科病院に強制入院させられるなんて、夢にも思いませんでした」 西日本のある県で看護師として働く30代後半の女性Aさんは、6年前にわが身に降りかかった出来事を、「今でも信じられない悪夢のようでした」と振り返る。2014年4月、双極性障害(そううつ病)で以前から入退院を繰り返していた夫の症状が悪化したため、Aさんは当時住んでいた四国地方の精神科病院を訪れた。 その1年前に結婚した夫は、結婚当初から躁(そう)状態になると、「お前に俺は釣り合わない」など暴言を吐く、必要な生活費を渡さないなど、精神的・経済的なDVを繰り返していたという。長男が生まれた後もそれは変わらず、病院に行く数日前にも、夫はまた精神状態が悪化していた。 だが、通院や入院を拒否。躁状態が続く夫への対応に、Aさんは困り果てていたところ、夫はAさんが一緒に行くなら診察を受けると約束したため、病院に同行することになった。 「はい、入院です」 「薬の量を減らしてから、精神状態が悪化しております」。夫と2人で診察室に入ったAさんは、「どうされましたか?」と目の前に座る医師に問われたため、夫の症状を話し始めた。だが、話し始めるやいなや、医師はAさんの話を遮り、思いもよらない一言を告げた。 「あなたのことですよ」 その言葉の意味がわからずAさんが医師に「何のことですか?」と聞き直したところ、医師は「支離滅裂がありますね」「ふわふわしていますね」と矢継ぎ早に言葉を並べた。Aさんが不穏な雰囲気を感じ、「ちょっと話がおかしいので、ほかの医師に診察をお願いできますか」と病院スタッフに話しかけると、この医師は大きなハンコを取り出し、紙のカルテにドンと音を立てて判を押して、こう告げたという。 「はい、入院です」) 抵抗する間もなく、両手、両肩を2人の男性看護師につかまれて、診察室から閉鎖病棟内の隔離室へと連れられた。隔離室内ではいきなり鎮静剤を注射されそうにもなった。「夫の診察に付き添ってきただけのはずが、なぜか私が入院、しかも隔離室に入れられたという現実が、当初まったく理解できませんでした」とAさん。医師からは入院の必要性もその形態の説明もなかったが、退院後にカルテの開示を受け、医師が押したハンコに書かれていた入院形態が「医療保護入院」だということがわかった。 連載第2回「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇」(2020年3月1日配信)で詳しく触れたとおり、医療保護入院は精神保健福祉法が定める精神科特有の強制入院の1つだ。家族など1人の同意に加え、同じく1人の精神保健指定医の診断があれば、本人が入院に同意しなくても強制入院させられる。ある人を入院させたいと考える側にとって極めて使い勝手がよい制度で、その件数は右肩上がりに増加を続けている。厚生労働省によれば、2018年度の医療保護入院の届け出数は18万7683件に至っている』、「双極性障害」をもつ「夫」についていったら、「看護師として働く」自分が入院させられたとは、信じられないような事件だ。
・『不仲の夫でも「同意権者」に  Aさんの医療保護入院に同意したのは夫だ。自らの強制入院の経験に加え、身内に精神科医のいる夫は、同制度を熟知していた。「夫とその親族が、離婚や息子の親権の取得を有利に進めるために、この制度を悪用したのではないか」とAさんはいぶかる。法律上、夫婦間が係争中の場合などには同意権限は認められないが、この2人のように夫婦仲が悪かっただけでは欠格事由には該当しない。離婚調停を申し立てている場合であっても同様だ。 私物の持ち込みが一切出来ず、布団と便器だけがある隔離室の中で、Aさんがひたすら不安に思っていたのが、引き離された生後9カ月の息子のことだ。「精神状態が悪化した夫のもとに子供を残して、本当に心配だった」。 女性は結局、3カ月後の退院時まで隔離室で過ごした。病院側は「攻撃性、多弁、多動、易刺激性(ささいなことで不機嫌になる性質)が認められた」ことなどを、その理由として挙げる。だがAさんは「必要性や理由が何ら説明されないまま、突然強制的に入院させられ、しかも隔離室に入れられたら、誰だって強く反発するに決まっています」と憤る。カルテなどによれば、診断名は入院中の3カ月間で、統合失調症、双極性障害、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害などへと、たびたび変遷している。 Aさんは、今は地元を離れ息子と2人で暮らしている。夫とは離婚調停中だ。向精神薬の服用はいっさいしていない。「看護師として精神病床のある総合病院でも働いたことがあり、あんなことがあるまで精神医療はかつてとは比べものにならないぐらいよくなっているものだとばかり思っていました。ですが、実際被害に遭ってわかったのは、健常者でさえも精神医療の被害に遭っている現実でした」』、「「夫とその親族が、離婚や息子の親権の取得を有利に進めるために、この制度を悪用したのではないか」、極めて悪質だが、それに加担した「精神科医」の責任も重大だ。損害賠償請求をしれば、勝訴する可能性もありそうだ。幸い「3カ月後の退院」、と短期だったからよかったものの、「健常者でさえも精神医療の被害に遭っている現実」、はやはり問題だ。
・『見知らぬ男たちに突如、連れて行かれた  既往歴もないのに、何の前触れもなく精神科病院に強制入院させられる。そんな経験をしたのはAさんだけではない。 「寝起きでまだ部屋着姿でいたところ、突然自宅に屈強な男が数人上がり込んできて、靴も履けないまま、玄関前に止まっていた車に連れ込まれました。あまりに突然のことで、スマホを持ち出すことさえもできませんでした」 都内在住の50代女性のBさんは、その日のことを鮮明に覚えていると話す。2011年の冬、普段はパジャマ姿のままで娘の保育園の送り迎えをするような夫が、その日はなぜか早朝から着替えて人を待つような様子だったので、不思議に思っていたと振り返る。夫はその数年前に発達障害の1つのアスペルガー症候群と診断されており、夫婦間にはいさかいが絶えなかった。 見知らぬ男たちによって有無を言わせず車に乗せられ、連れて行かれたのが都内の精神科病院だった。ちなみに「民間移送業者」と呼ばれるこの男たちが、いったい何者なのかについては、今後の連載中で詳しく取り上げていく予定だ。 医師のごく短時間の診察で、夫を同意者として、Bさんの医療保護入院が決まった。その後すぐに隔離室へと連行されたのはAさんと同様だ。「アスペルガーの夫は児童相談所や保健所、警察に私が娘を虐待していると巧妙な嘘をついて、それを真に受けた保健所が協力し、事前に入院の手はずを整えていたことが後でわかりました」(Bさん)。夫が事前に、警察や保健所などに入念に根回しをしていたのは、やはりAさんのケースとそっくりだ。 退院後に開示されたカルテによって、ほぼ夫からの情報だけによって、統合失調症の疑いと診断され、医療保護入院が決まった経緯が明らかとなっている。 結局、5日間の経過観察を経て、「特記すべき精神病症状を認めない」として退院が決まった。「夫は離婚が避けられないなら、子供の親権を取るために私を強制入院させようと画策したようです。もめ事は絶えませんでしたが、まさかここまでやるとは。それに法治国家の日本で本当にこんな拉致・監禁がまかり通っている現実にもショックを受けました」(Bさん)』、「Bさん」も「5日間の経過観察を経て・・・退院」、と短かったようだが、「アスペルガーの夫」に騙された「児童相談所や保健所、警察」の責任も重い。
・『DV夫の格好の「武器」に  DV被害者支援と加害者更生に取り組む、一般社団法人エープラスの吉祥眞佐緒代表理事によれば、離婚を有利に進め子供の親権を得るために、この医療保護入院が悪用される事例の相談は、ほぼ切れ間なくコンスタントに寄せられるという。 いま吉祥代表が支援しているのは下記のようなケースだ。首都圏在住の30代派遣社員の女性Cさんは、夫からの数年にわたるDVで不安定となり、精神科クリニックに通院していた。ある時言い争いの末のショックで、精神安定剤などをオーバードーズ(大量服薬)したことで、夫の同意で精神科病院に医療保護入院となった。 入院から3カ月経って、ようやく一時帰宅が許され自宅に戻ると、すでに自宅はもぬけの殻で、夫と子供の行方がわからなくなってしまった。住民票にも閲覧制限がかけられ探す手段がなく、途方に暮れているという。「数日間で出られれば子供を奪われずに済んだはず。医師はその時々の症状をちゃんと診断し、社会での生活能力があれば退院させるべきです。家族の意見ばかり聞くのではなく、本人の意見もしっかり聞いてほしい」(Cさん)。 「DV加害者の夫はたいてい外づらが非常によく、病院関係者だけでなく、行政職員や警察も女性を虐待加害者だと欺く話術を持っている。ヒステリックな妻と穏やかな夫というイメージの演出に長けている」と吉祥代表は実情を語る。 医療保護入院制度は、そんな彼らには格好の「武器」となっている。(第4回に続く)』、「DV夫の格好の「武器」に」「医療保護入院が悪用」、やはり制度の抜本的見直しが急務だ。

第三に、4月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの北 健一氏による「コロナ下で医療崩壊危機を高める「都立病院の独法化」は必要なのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/235969
・『新型コロナウイルスの感染者の拡大が日本でもっとも深刻な東京都で、3月31日、8つの都立病院と6つの公社病院を、2022年度内をめどに地方独立行政法人(独法)にする方針が決まった。実施されれば、都立病院は東京都の直営から独立行政法人に経営形態が変わる。 独法というのは、以前は国や自治体が行っていた事業を国や自治体から独立して行う法人で、大学や病院などに多い。国や自治体が直接運営する公営と株式会社が運営する民営との中間的な経営形態といえる』、「新型コロナ」対応は大丈夫なのだろうか。
・『東京都が病院を独法化する理由  東京都は何のために病院を独法化するのか。 都は「今後、超高齢化社会になるなかで深刻化する医療課題に応え、(採算が取りにくい)行政的医療を安定的、継続的に提供するという役割を将来にわたって果たし続けるのが独法化の目的です」(東京都病院経営本部)ときれいに説明する。 もっと明快な解説もある。「都立病院独法化 医療経営、自由度を向上」という見出しが躍った日本経済新聞(2018年1月18日付)記事だ。 「東京都立病院の経営形態を議論する有識者委員会は……独立行政法人化を促す報告案をまとめた。都立病院は慢性的な赤字体質で、年間400億円程度を都が一般会計から繰り入れている。独法化で経営の自由度を高め、効率化することで赤字を圧縮し、必要な医療サービスを維持するのが狙いだ」 しかし、都立病院の現場からは、小池都政幹部の意向を反映したこの記事に「フェイクに近い」と反発する声が上がる。 都立病院の経常収支は黒字基調で、年間400億円ほどの都一般会計からの繰り入れは、島しょ、周産期、感染症、精神科など採算が取りにくいが公共性の高い医療(行政的医療)に取り組むため法律にもとづいて都が負担しているもので、赤字補てんとは違うからだ。 日経記事から約1年半後の19年6月19日。小池百合子知事は知事室で、東京都病院経営本部の幹部から独法化についてレクを受けた。レク資料には「都の財政負担を軽減、独法化による効果を生かし病院のワイズスペンディングを実現」と記されていた。ワイズスペンディングとは「賢い支出」を意味する経済学者ケインズの言葉だ』、「日経記事」に対して、「都立病院の現場からは、小池都政幹部の意向を反映したこの記事に「フェイクに近い」と反発する声」、日経も一方的な記事で「フェイクに近い」と批判されるようでは、落ちたものだ。
・『新型コロナ問題で感染症対応の最前線に  日経新聞が「赤字体質」と非難し、都幹部も「ワイズ」ではないと小池知事に吹き込んだ都立病院。 だが、その存在意義が誰の目にもはっきりしたのが、新型コロナ感染症対応だった。 都立・公社病院はもともと備えていた感染症病棟をフル稼働させて感染患者を受け入れたばかりではなく、小池知事の要請に応じて次々と感染者を受け入れるためのベッドを増やしたからだ。 明治期にはコレラやチフスの、戦後は結核などの感染症治療に貢献してきた都立病院は、今また、感染爆発を食い止める最前線に立っている。それでも小池知事は、都立病院独法化の旗を降ろそうとはしていない』、「旗を降ろ」さずに「新型コロナ感染症対応」は上手くいくのだろうか。
・『人件費削減で収益率を向上  大阪では2006年、5つの府立病院が独法化され大阪府立病院機構の下に置かれた。都道府県立病院では初めての独法化で、公立病院独法化の「成功モデル」ともいわれる。独法化当時の府知事は通産官僚出身の太田房江氏だ。東京都も大阪を参考にしている。 大阪での独法化が「成功例」とされたのは、独法化初年度に17.2億円もの収支改善に成功したことが大きい。だが、その理由は単純だった。人件費のカットである。 府立病院機構は「地方独立行政法人の特性を活かして、業務運営の改善及び効率化に取り組」んだ結果だと胸を張った。ところが、初年度の人件費削減が17.2億円に上っており、収支改善はもっぱらその効果による。 効率化やアウトソーシングによって事務部門で76人減らしたのが大きいが、さらに、賃金カーブをフラット化した独立行政法人国立病院機構の給与表に合わせ、看護師ら職員の賃金が勤続年数によって上がるのを抑えたのも見逃せない。 独法化後、府立病院改革の旗を振った松下電器(現パナソニック)出身の徳永幸彦副理事長(当時)は「病院“運営”から病院“経営”に変えていこう」と唱えた。 病院機構の内部文書「(平成)19年度計画必達に向けて経営改善のポイント」には、府立病院の人員について「福祉ではない。基本は減少が時代の流れ」「医師、看護師は聖域としてきたが、看護師については、生産性が低い」(から増やさない)、「医師については、優秀な人材は確保」と記されている。また、中期計画に関して「給与比率は前年より下回ること」とされ、「自治体病院は給与比率50%を目指すが合言葉。国立は40%台になっている」ともある。 大阪府関係職員労働組合(大阪府職労)の小松康則書記長は「独法化時点で20%だった非正規職員が30%を超えました。これも人件費を抑えるためでしょう」と説明する。 2019年には労働基準監督署の指摘で、この2~3年だけで総額約12億円もの残業代未払いがあることが発覚、病院機構は約3000人に支給した』、「独法化時点で20%だった非正規職員が30%を超えました」、「この2~3年だけで総額約12億円もの残業代未払いがあることが発覚」、など「人件費」抑制には必死のようだ。
・『高級ホテル以上の料金の病室も  府立病院は、高度専門医療への重点化と効率的・効果的な医療サービスの提供を基本方針に掲げて医業収入を増やしていった。 独法化後、大阪城を見下ろす13階建て(地下2階)に建て替えられたがんセンターでは、7500円だった個室代が1万5000円になり、「最高の部屋は約5万9000円。(ホテル)ニューオータニより高い」(がんセンター勤務の看護師)という。) さらに個室料だけではなく、セカンドオピニオン料、母子センターでの分娩料などさまざまな料金が独法化後に上がった。 大阪府立5病院の独法化後の財務の変化をまとめたのが下のグラフだ。 独法化後の大阪府立病院の財務の変化(リンク先参照) 大阪府が出す「運営負担金」は約144億円から約85億円へ4割以上もカットされるなか、医業収入を懸命に上げてきた。 そして独法化3年目の08年をピークに一貫して下がり続けたのが、折れ線グラフが示す「給与費比率(給与総額÷医業収益×100)」である。 18年度は給与比率50.5%と、徳永副理事長が掲げた「50%」をほぼ達成した。 他方、入院単価は直営最後の年(05年度)の3万7116円から18年度には6万5743円まで、ほぼ2倍になった。民間の営利企業なら万々歳かもしれないが、「単価」が患者と健康保険組合の負担であることを考えれば、こうした「成功」を手放しでは評価できない』、「入院単価」の倍増は「手放しでは評価できない」のは確かだ。
・『感染症対応に追われる中で独法化の準備を開始  患者、そして都民には、行政的医療の後退や負担増の不安を振りまく独法化だが、独法化への移行は大きなビジネスチャンスでもある。 都立病院の現場が武漢からの帰国者受け入れなど新型コロナ感染症対応に追われ始めた2月3日、「独法化への移行を準備する業務」の入札申請がひっそりと開始された。委託のための予算さえ都議会に出される前の見切り発車だ。そして3月18日、あずさ監査法人が落札した。 あずさ監査法人は、国鉄、郵政の民営化支援や独法化支援に豊富な実績を持つ。ホームページに掲載している「公的セクター関連サービス」には、「公立病院の地方独立行政法人化に際しては、経営改善を第1の目標としながら、短期間で広範な作業が求められます」と書かれ、支援項目には「人事・給与システム」の構築もある。他方、オリンパス事件では巨額の粉飾を見逃し続け、金融庁から業務改善命令を受けたこともあった』、「あずさ監査法人」にとっては、大きな「ビジネスチャンス」だろう。
・『橋下徹元知事のツイートに医療現場から怨嗟の声も  前述の日経記事では「東京都に先行し2010年度に県立5病院を独法化した神奈川県は従来、運営費として131億円(09年度)を一般会計から繰り入れていたが、16年度には104億円と約2割減った」と先行例を示し、独法化を持ち上げた。 だが、その神奈川県立病院機構は2018年度、25億1200万円の経常赤字を出し、繰越欠損金は94億6700万円に及んだ。 3月9日の都議会予算特別委員会で白石たみお都議(共産党)から「これで(神奈川が)うまくいっていると言えるのか」と問われた小池知事は答弁せず、代わりに立った堤雅史東京都病院経営本部長も「神奈川県立病院機構は……努力している」と答えるのが精いっぱいだった。 独法化の成功例とされた大阪でも、府立病院の現場はマスクや手袋、防護服の不足に悩む。その渦中の4月3日、橋下徹元府知事はこうツイートした。 「僕が今更言うのもおかしいところですが……徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など。そこは……見直しをよろしくお願いします」 これに対し、大阪の医療現場からは「ほんまに何を今さら」「怒りで吐きそう」といった怨嗟(えんさ)の声がもれる。 橋下氏は「平時のときの改革の方向性は間違っていたとは思っていません」とも付け加えたが、むしろ「平時」の改革の誤りが「有事」に露呈したようにも見える。 新型コロナ感染者を多数受け入れる都立駒込病院で働く看護師で、都庁職病院支部書記長でもある大利英昭さんはこう話す。 「福祉や医療を切り捨ててきたツケが今、回ってきています。新自由主義的な政策を推進してきた金持ちではなく私たち普通の労働者が、そのツケを自分のいのちで払わされようとしている。その瀬戸際まで来ているのです」』、「「平時」の改革の誤りが「有事」に露呈したようにも見える」、その通りなのかも知れない。いずれにしろ、「独法化」の真価が問われることになりそうだ。
タグ:日本経済新聞 大阪 医療問題 東洋経済オンライン 人権侵害 ダイヤモンド・オンライン 「医療保護入院」 (その24)(精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 現場医師の裁量で強制長期入院も可能になる、夫の策略で「強制入院3カ月」妻が味わった悪夢 精神疾患の既往歴なしの人が精神科病院に幽閉、コロナ下で医療崩壊危機を高める「都立病院の独法化」は必要なのか) 「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 現場医師の裁量で強制長期入院も可能になる」 精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める 人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積 連載第1回「精神病院に4年閉じ込められた彼女の壮絶体験」 自分のまったく知らないところで不妊手術をされていた 院内での生活はおよそ4年間にわたった 当事者からの声が140件以上集まった 弁護士が介入しても なかなか退院に向けた話が進まなかった 極めて使い勝手がよい制度 本人が入院に同意しない場合に、家族など1人の同意に加え、同じく1人の精神保健指定医の診断があれば、強制入院させられる 入院期間の定めがない 6万件前後で推移した1990年代前半と比べ、3倍超に膨らんでいる 医療保護入院の仕組みは、入院や行動制限の要否を判定する精神保健指定医の判断の正当性がすべての前提となっている。指定医の患者に対する権限は絶大だ 第三者機関も形骸化 審査会の構成は指定医である医療委員が過半を占めるものが大多数 「問答無用で徹底的に痛めつける」 ある精神科医の上告を棄却 僕は1つだけやってやろうと決めてることがある。捜査機関の奴らが認知症やら何やらで精神科に来たら問答無用で隔離室に放り込んで、徹底的に痛めつける。絶対出さないしいくらでもいてもらう。完全に壊してから自宅に引き取らせる。厚労省関係者も同じ 『保護』のための強制入院制度は、ほかの諸外国にはない制度だ。 多くの精神医療関係者は、医療保護入院制度の存在は当たり前のものと考え疑問を持たない。だがそうした日本の精神医療の常識は、人権を尊ぶ世界には通用しない 「夫の策略で「強制入院3カ月」妻が味わった悪夢 精神疾患の既往歴なしの人が精神科病院に幽閉」 数は18万7683件に至っている』、「双極性障害」をもつ「夫」についていったら、「看護師として働く」自分が入院させられた 不仲の夫でも「同意権者」に 健常者でさえも精神医療の被害に遭っている現実 見知らぬ男たちに突如、連れて行かれた DV夫の格好の「武器」に 医療保護入院が悪用 北 健一 「コロナ下で医療崩壊危機を高める「都立病院の独法化」は必要なのか」 8つの都立病院と6つの公社病院を、2022年度内をめどに地方独立行政法人(独法)にする方針が決まった 東京都が病院を独法化する理由 都立病院の現場からは、小池都政幹部の意向を反映したこの記事に「フェイクに近い」と反発する声 新型コロナ問題で感染症対応の最前線に 人件費削減で収益率を向上 都道府県立病院では初めての独法化で、公立病院独法化の「成功モデル」 人件費のカット 独法化時点で20%だった非正規職員が30%を超えました この2~3年だけで総額約12億円もの残業代未払いがあることが発覚 高級ホテル以上の料金の病室も がんセンターでは、7500円だった個室代が1万5000円になり、「最高の部屋は約5万9000円 入院単価」の倍増 手放しでは評価できない 感染症対応に追われる中で独法化の準備を開始 橋下徹元知事のツイートに医療現場から怨嗟の声も 「平時」の改革の誤りが「有事」に露呈したようにも見える
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