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健康(その14)(精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 若者をメンタル不調からどう守れるか、精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣) [生活]

健康については、1月31日に取上げた。今日は、(その14)(精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 若者をメンタル不調からどう守れるか、精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣)である。

先ずは、3月16日付け東洋経済オンラインが掲載した国際ジャーナリストの高橋 浩祐氏による「精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 若者をメンタル不調からどう守れるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/416734
・『世界でメンタルヘルス(心の健康)の問題が深刻化している。世界保健機関(WHO)によると、世界では毎年約80万人が自殺している。これは40秒ごとに1人が自ら命を絶っている計算になる。いうまでもないことではあるが、自殺は家族や友人、コミュニティーに深い悲しみと計り知れない衝撃をもたらす。 WHOはさらに若者の死亡の主要な要因の1つが自殺と指摘している。日本ではコロナ禍で子供たちの自殺が大幅に増加している。2020年に自殺した小中高校生は479人に達し、過去最多となった。 アメリカでもコロナ禍で若者がうつ病になるリスクが増えている。ウォール・ストリート・ジャーナルの2020年8月12日付の記事によると、アメリカ大学保健管理協会(ACHA)などが昨年3月末から5月にかけて学生1万8764人を対象に実施した調査では、大学生の約41%がうつの症状を報告した。自殺のリスクも2019年秋の25%から27.2%に上昇したという。 筆者は昨年1月から2月にかけ、日本人約120人を含む、世界11カ国の青年約240人が参加する内閣府主催の「世界青年の船」に日本ナショナルリーダー(NL)として参加し、客船「にっぽん丸」に乗船した。その際、船上でもメンタルヘルス問題がグローバルな課題として大いに議論された。 大切な命を救い、そして、若者の精神衛生を支えるために、私たちはいったい何をどうすればよいのか。現代社会の若者のメンタルヘルスや自殺の動向を見極め、対策を考えるために、精神科医の木村好珠さんに話を聞いた。木村さんはJリーグアカデミーなどのメンタルアドバイザーを務めている。 木村さんは、今はやりのAdoさんの曲「うっせぇわ」と尾崎豊さんの1980年代のヒット曲「15の夜」とを対比し、今どきの若者は鬱憤の晴らし方がより内側にこもり出していると指摘した(Qは聞き手の質問、Aは木村氏の回答)』、厚労省の自殺白書によれば、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺、この世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみのようだ。「Adoさんの曲「うっせぇわ」」は初耳なので、YouTubeで観てみたら、衝撃的な内容だ。確かに「鬱憤の晴らし方がより内側にこもり出している」のかも知れない。
https://www.youtube.com/watch?v=Qp3b-RXtz4w
・『自己主張を苦手とする日本人の気質  Q:日本は、東アジアでは韓国に次ぎ、自殺が多い国となっています。まず、この要因についてどのようにご覧になっていますか。 A:日本人の気質によるものがいちばん大きいと思います。性格的な面で完璧主義であったり、なかなか人に物も言えなかったりする社会の雰囲気があります。自分の意見を言うことがすごく難しくなっています。 本当は自分の意見を言うことは全然間違っていることではないし、人に批判されることでもない。しかし、自分の意見を言うことがなかなかできない人が多い。「言うと嫌われるのではないか」と思い、自己主張を苦手にしている。そうすると、心の中にどんどんと(ストレスや鬱憤が)たまっていってしまう。 若者の間に「うっせぇわ」という曲がとてもはやっています。現役女子高生シンガーAdoさんが歌っており、中高生や子どもたちの間で大ヒットしています。毒々しい歌詞と社会ルールに反抗する過激さが表されています。でも、もともと「うっせぇわ」という言葉自体は上品ではないし、今すごく問題になっています。「うっせぇわ」と叫び続けていることもよくないです。 ただ、私は、この曲が日本の若者たちが抱えている、心の叫びの1つなのだろうなと思っています。曲の内容は、簡単に言ってしまうと、もともと優等生で、気がついたらそのまま大人になっていた。ルールとかマナーとかそんなの糞くらえだ!みたいな感じの曲です』、「うっせぇわ」は、「もともと優等生で、気がついたらそのまま大人になっていた。ルールとかマナーとかそんなの糞くらえだ!みたいな感じの曲」、確かに「毒々しい歌詞と社会ルールに反抗する過激さが表されています」。
・『精神科医の木村好珠さん  先日Noteにも書いてまとめたのですが、昔の尾崎豊さんの時代なら、バイクを盗んで走り出すといったように行動に表すことができた。しかし、今は、親に言われるがまま優等生のように育って、自分の本音を吐き出すことが苦手な人も多い、と私は考えています。 親など大人に何かを自分から言ったとしても、結局、「それはダメだから」とか「何とかしなさい」と言われて終わってしまう。そして、「自分がどうしたいから、これをやったのか」とか「なんでこれをしたのか」といった理由には触れずじまいになる。結果として、自己主張することがすごく苦手になってしまいます。 ですので、そのまま大人になって、急に自己の意見を出せと言われても、それは無理な話です。なかなか人には伝えられない、自己主張できなくなっているんです。 そんな中で、SNSという空間では、相手が不特定なので自分自身を吐き出すことができる。SNSは匿名性があるので、そういう人がますます集まってくるわけです。そうすると、心理学的に「リスキーシフト」という言葉があるのですが、匿名性がある中で、どんどん考えが偏っていく。そして、「私みたいな人がこんなにたくさんいる」と同調し、気持ちがさらに膨らんでいく。こうしたことが若者のメンタルにも影響していると思います』、「SNSは匿名性があるので、そういう人がますます集まってくるわけです。そうすると」、「どんどん考えが偏っていく(心理学的に「リスキーシフト」)。そして、「私みたいな人がこんなにたくさんいる」と同調し、気持ちがさらに膨らんでいく。こうしたことが若者のメンタルにも影響」、極めて危険な社会現象で、日常的に発生している。
・『自分の長所も見つけられなくなっていく  Q:「ネットいじめ」の問題もそうした背景があるように感じます。私がかつて留学していたアメリカでは、みんなの前で自己主張ができる若者を育てるために、スピーチやディベートの教育を実践していたことを思い出しました。日本も早い段階からその実践教育をやるといいでしょうか。 A:大事だと思います。日頃スポーツメンタルの分野にも関わっているのですが、子どもたちには最初に「自分の長所と短所を言って」と聞くようにしています。 すると日本人は長所が言えないんです。自慢していると周囲に思われるから、遠慮して言えないんです。自分のアピールをすることがすごく苦手。日本は謙遜の文化で、自分の長所を言ったら「出る杭は打たれる」というような雰囲気があり、これは子どもの世界にもあります。 無理してアピールする必要はないかもしれませんが、自分の長所という事実があるのであれば、それはありのままの自分ですから、隠す必要もないと思います。 そうしていく弊害は、自分のよい部分も見つけようともしなくなることです。悪いことばかり気にかける。そういう日本の文化には問題があるように思います。若者が「私っていう存在がいてもいいんだ。私ってこんなすごいことがあるんだ」というふうに思えなくなりかねない、1つの原因かなと思います。 Q:確かに私もアメリカでは自分の長所を隠すどころか、Sell yourself!(自分を売り込め!)の精神を教わりました。あと、日本では人と違ったことをすると、「人様に迷惑をかけるからやめなさい」と親に言われることが多いと思うのですが、英語のmake a difference(違いを見せる)は人と違ったことをしてよいといったポジティブな意味があります。大きな違いですね。 A:そうですね。日本では個性的という言葉がよい意味で使われないことが多いですよね』、「自分の長所という事実があるのであれば、それはありのままの自分ですから、隠す必要もないと思います。 そうしていく弊害は、自分のよい部分も見つけようともしなくなることです。悪いことばかり気にかける。そういう日本の文化には問題があるように思います」、同感である。
・『優等生でいても、自分のやりたいことがわからない  Q:コロナによる影響もあると思われる中、若者はメンタルヘルスをどのように良好に改善していったらいいのでしょうか。長期と短期でいろいろと対策があるとは思うのですが。 A:長期的な面でいえば、やはり自分の意見をきちんと言える子どもたちを育てることが重要だと思います。私の患者さんは結構10代が多いのです。彼ら彼女らは「生きている意味がわからない」とよく言っています。 Q:その子たちの家庭の状況はどうなのでしょうか。 A:とくにそうした問題はない家庭のお子さんも多いのです。以前でしたら、家庭が崩壊している子が多かったのですが、最近はそうでもありません。 先ほどの「うっせぇわ」の曲のように、優等生でいた子は、あれしなさい、これしなさいと言われて生きてきた結果、自分が何をしたいかということに向き合わないできた子がとても多くいます。優等生で褒められて生きてきた分、なんとなく自分は何でもできると思っている場合もあります。 でも、実際には自分が何をやりたいのかが見つかっていない人が多くいます。いざ大学に入って、そのことに気づく。そして、「自分は何をしたいだろう。生きている意味って何だろう」と考えこんでしまう子が一定数いるのです。大人もそこに焦点を絞った質問をしっかりと聞いてこなかったのでしょう。 そうして、大学受験に落ちたり挫折に直面すると、どうしていいかわからなくなってしまうのです。もともと親に言われたように生きてきて、何かできると思っていたのに、失敗したときにどう改善すればよいのかがわからない。ここで、うつ病になってしまう子もいます。 Q:大学生に聞いても、将来何がやりたいかが見つかっていない子はかなりいるように感じます。 A:私の患者さんの中には10代の発達障害の子もいます。彼らの悩みの1つは、コロナでリモート環境になり、いきなり自分で予定を立てなくてはならなくなったことです。 大学に通学していれば、授業がコマになっているし、友達がいるので「次の授業は一緒に受けようね」といったふうになる。授業を決めるときも友達と相談しながら、決められる。 でも、いざリモートになると、人と相談もできず、全部自分で選択し、計画も立てないといけない。それが苦しいというんです。 それを急になんとかせよといっても難しい面があります。そこで一緒にスケジュールを立てたりしています。そうしたところから、やっていくことなのかなと思います』、「自分が何をやりたいのかが見つかっていない人が多くいます。いざ大学に入って、そのことに気づく。そして、「自分は何をしたいだろう。生きている意味って何だろう」と考えこんでしまう子が一定数いるのです・・・大学受験に落ちたり挫折に直面すると、どうしていいかわからなくなってしまうのです」、困ったことだ。
・『インタビューを終えて  現役医師で、キッズ・ジュニア年代のサッカー選手のメンタルアドバイザーも務められる木村好珠さん。話をうかがい、若者のメンタルヘルスを健全に保つためには、若い頃からしっかりと自己表現や自己主張ができ、長所を伸ばす教育が今の日本には必要だと感じた。子どもたちが伸び伸びと育ち、将来の夢や目的意識をしっかりと持てるような社会環境を整えていくのは、大人たちの役割だろう。 また、心が病む人々を社会で支える環境整備が重要だろう。精神科医の樺沢紫苑さんは筆者の取材に対し、「自殺の原因は心理的『孤立』『孤独』です。家族と住んでいても、あるいは遊び友達がいても、心を打ち明けられなければ『孤立』『孤独』の状態です」と指摘する。 さらに、「自殺の予防は『孤立』『孤独』の逆。つまり、『つながり』と『コミュニケーション』です。『相談』というとハードルが高くなるので、とにかく『話す』こと。それが、『ガス抜き』となり、自殺のエネルギーを減らします。今のコロナ禍で、リアルのコミュニケーション量が大きく減っている。自殺の増加につながってくるのは当然です。意識的に、人とつながっていくことが重要。SNSでのメンタル疾患の予防効果は限定的なので、特にリアルコミュニケーションによるガス抜きが重要と考えます」と話す。 コロナ禍の外出自粛下、いかにリアルなコミュニケーションの機会を確保していくか。孤立・孤独からの解放のアイデアが問われている。 
NPO法人自殺対策支援センターライフリンクいのちSOS 0120-061-338
公的な相談機関につながる「こころの健康相談統一ダイヤル」 0570-064-556
24時間対応の「よりそいホットライン」 0120-279-338
「いのちの電話」 0570-783-556
18歳までの子どもを対象とした「チャイルドライン」 0120-99-7777
子ども向けの相談窓口の「24時間子供SOSダイヤル」(年中無休) 0120-0-78310(なやみ言おう)
文部科学省が子どもの相談先の一覧をまとめたホームページ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
厚生労働省が設けているさまざまな相談機関を検索できるサイト http://shienjoho.go.jp/』、
「若者のメンタルヘルスを健全に保つためには、若い頃からしっかりと自己表現や自己主張ができ、長所を伸ばす教育が今の日本には必要だと感じた」、「自殺の予防は『孤立』『孤独』の逆。つまり、『つながり』と『コミュニケーション』です・・・『話す』こと。それが、『ガス抜き』となり、自殺のエネルギーを減らします』、同感である。

次に、4月12日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医、作家の樺沢 紫苑氏による「精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/267831
・『コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。 ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。 19万部を突破した『ストレスフリー超大全』で、著者の精神科医・樺沢紫苑氏は、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。 「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る――(この記事は2020年7月3日付け記事を再構成したものです)』、「ストレスフリーの本質に迫る」、とは興味深そうだ。
・『「朝の30分」で人生が変わる  いま、YouTubeなどで有名人によるモーニングルーティンが話題ですが、精神科医としておすすめの最高のモーニングルーティンがあります。 それが、「朝散歩」です。 方法は簡単です。朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけです。それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられます。 ストレスフリーを目指すのに、こんなに効果的な健康習慣はありません』、「朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけです。それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられます」、ずいぶん簡単なようだ。
・『朝散歩の科学的根拠とは  私は25年間以上、精神科医として、メンタル疾患が治りやすい人と治りにくい人の特徴を観察してきました。メンタル疾患が治りにくい人の特徴は、「昼まで寝ている」ことです。 実際に「昼まで寝ている」という患者さんが、「朝散歩」をはじめた途端に、症状が急激に改善する事例を多数観察し、現在では一般の人にも「朝散歩」をおすすめしています。何年も治らなかったうつ病やパニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告をたくさんいただいています。 メンタル疾患がない人でも「朝散歩」をすることで、午前中の仕事のパフォーマンスがアップし、睡眠も深くなる効果が得られます。 朝散歩は健康になるためのすべての要素を含んでいます。朝散歩は、メンタルにおける最強の健康法といっていいのです。 朝散歩が効果的である科学的な理由を3つ紹介しましょう』、「何年も治らなかったうつ病やパニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告をたくさんいただいています」、確かに効き目はバツグンのようだ。
・『(1)セロトニンの活性化 セロトニンは、「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」によって活性化します。朝の散歩は、「朝日を浴びる」「リズム運動」(ウォーキングなどの規則的なリズムを刻む運動)の2つを兼ねているので、セロトニンを十分に活性化することができます。 セロトニンは、覚醒、気分、意欲と関連した脳内物質で、セロトニンが低下するとうつ的になります。セロトニンが活性化すると、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます。 そして、セロトニンを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作られます。セロトニンが十分に分泌されることで、結果、夜の睡眠が深まるのです。 普通の人でも、仕事が忙しくてストレスフルな生活をしていると、セロトニンを分泌するセロトニン神経が弱ってきます。朝散歩によって、毎日、セロトニン神経をしっかり活性化することで、ストレスを受け流し、脳の疲労を回復できます』、「セロトニンが活性化すると、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます。 そして、セロトニンを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作られます。セロトニンが十分に分泌されることで、結果、夜の睡眠が深まるのです」、万能の有難い物質のようだ。
・『(2)体内時計のリセット 人間には体内時計があり、平均24時間10分前後といいます。体内時計をリセットしないと、毎日10分ずつ寝つきの時間が遅くなり、昼夜逆転生活となってしまうのです。 体内時計をもとに、睡眠、覚醒、体温、ホルモン、代謝、循環、細胞分裂などがコントロールされているので、体内時計がズレると、「指揮者のいないオーケストラ」のように体内がバラバラの状態になり、高血圧、糖尿病、がん、睡眠障害、うつ病など、さまざまな病気の原因となります。 体内時計をリセットするには、太陽の光(2500ルクス以上)を5分浴びるのが効果的です。だからこそ、朝に外に出ることがいいのです』、「体内時計がズレると、「指揮者のいないオーケストラ」のように体内がバラバラの状態になり、高血圧、糖尿病、がん、睡眠障害、うつ病など、さまざまな病気の原因となります」、「太陽の光」できちんと「リセット」するのが大切なようだ。
・『(3)ビタミンD生成 ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするホルモンです。ビタミンDは、非常に欠乏しやすい栄養素として知られ、日本人の8割がビタミンD不足ぎみで、4割で欠乏していると言われます。 ビタミンDが欠乏すると、骨粗鬆症になります。骨粗鬆症になると、ちょっとした転倒で簡単に骨折します。骨折するとしばらく安静が必要なため、一気に筋肉が衰えます。高齢者の場合は、それがきっかけで「要介護」「寝たきり」になる人も多いのです。 ビタミンDは食事から摂取もできますが、必要量の半分は自分で生成することができます。原料は「紫外線」です。皮膚に日光(紫外線)が当たると、ビタミンDが生成されます。 15~30分の朝散歩をすれば、1日に必要な量のビタミンDの生成が行われます。紫外線が気になる女性も多いでしょうが、だからこそ日差しの強い昼ではなく、日光が比較的弱い朝がベストなのです』、「ビタミンDは食事から摂取もできますが、必要量の半分は自分で生成することができます・・・皮膚に日光(紫外線)が当たると、ビタミンDが生成されます。 15~30分の朝散歩をすれば、1日に必要な量のビタミンDの生成が行われます。 以上をまとめると、メンタル疾患のある人から、夜の寝つきが悪い人、仕事でパフォーマンスを上げたい人まで、すべての人に朝散歩がおすすめです。少しでも身体的・メンタル的に不調がある人は、必ず習慣として取り入れてください」、重要なことだ。
・『具体的な朝散歩の方法(基本的な方法は、「起床後1時間以内に、15~30分の散歩を行う」です。午前中(できれば10時まで)に行いましょう。雨の日でも効果があります。サングラスはかけず、紫外線を防御しすぎないのがポイントです。 健康な人であれば、15分ほどでセロトニンが活性化します。「メンタル疾患のある人」「メンタルが弱っている人」「睡眠に問題がある人」などであれば、セロトニン神経が弱っている可能性が高いので、30分を目安にしてください。 ただし、30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になるので注意しましょう。 また、起きて3時間以上が経ってから朝散歩をすると、体内時計が後ろに3時間ズレてしまうので逆効果です。必ず、起きて1時間以内に行ってください。 健康な人の場合は、室内でも日光の入る明るい部屋にいれば、ある程度体内時計はリセットされます。しかし、体調の悪い人、メンタル不調の人は室内では不十分ですので、起床後、1時間以内に屋外に出るべきです。 朝散歩の後には朝食を食べましょう。朝食を食べることで、さらに「脳の体内時計」と「体の体内時計」のズレが補正されます。 また、よく噛んで朝ご飯を食べましょう。「咀嚼」もリズム運動なので、それだけでセロトニン神経を活性化します。 「リズム運動」であれば、セロトニンは活性化するので、悪天候で外に出られないときは、室内で「ラジオ体操」で代用してもいいでしょう』、私も「朝散歩」を実践しているが、「30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になるので注意しましょう」、はショックだ。というのも、私の時間は1時間半と長すぎ、朝食後なのも、推奨の形とは違っている。私は午後の散歩と合わせて1万歩を目標にしているので、とりあえず、このままでいくつもりだ。
・『さらに効果的な方法  朝散歩なので、ジョギングをする必要はありません。歩くときの「リズム」が重要なので、「ワン、ツー、ワン、ツー」と同じテンポでリズミカルに歩きましょう。体力に余裕のある人は、「早歩き」で軽快に歩くといいでしょう。 先ほど、午前中(できれば10時まで)にすべきだと書きましたが、それは午後に散歩しても、セロトニン活性効果が小さいからです。 体内時計がリセットされてから、15~16時間後にメラトニンが分泌されて「眠気」が出ます。逆算すると、午前7時に体内時計をリセットすると、22~23時に眠気が出るということです。午前8時に体内時計をリセットすると、23~24時に眠気が出ます。だから、午前11時に朝散歩をすると、体内時計のリセットが遅れてしまいます。 サングラスをかけるのがNGなのは、セロトニン神経が活性化するためには、ある程度の明るさの光が「網膜」から入らないといけないからです。 また、肌を覆う紫外線対策(UVクリームなども含む)をすると、ビタミンDは活性化しません。注意しましょう』、なるほど。
・『まずはハードルを下げて習慣化しよう  朝散歩をするといっても、「朝5時に起きなさい」ということはありません。「朝の調子が悪い人」「お疲れモードの人」「メンタル疾患の人」が、無理して早起きをすると、逆に調子を崩す可能性があります。最初は、自分に無理のない時間に起きて、その時間から朝散歩をすれば十分です。 毎日するのがベストですが、週1~2回でも、やっただけ効果があります。不定期でも、徐々に朝の目覚めがスッキリと改善していきます。 テンポよく「リズム」に集中するために、音楽を聴きながら歩くのもいいでしょう。好きな音楽であれば、寝起きの気分も上がるでしょう。 どうしても歩くのがしんどい場合、ベランダや庭に出て日向ぼっこをすることからはじめましょう。そこから、5分の散歩、10分の散歩、15分の散歩……と、少しずつハードルを上げていけばOKです。やればやっただけ効果が出ます。(樺沢紫苑略歴はリンク先参照)』、それにしても、「30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になる」、というのはやはり気になる。もっと他の意見も調べてみるつもりだ。場合によって、改めて取上げるかも知れない。
タグ:健康 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 高橋 浩祐 樺沢 紫苑 (その14)(精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 若者をメンタル不調からどう守れるか、精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣) 「精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 若者をメンタル不調からどう守れるか」 厚労省の自殺白書によれば、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺、この世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみのようだ。 「Adoさんの曲「うっせぇわ」」は初耳なので、YouTubeで観てみたら、衝撃的な内容だ。確かに「鬱憤の晴らし方がより内側にこもり出している」のかも知れない。 「うっせぇわ」は、「もともと優等生で、気がついたらそのまま大人になっていた。ルールとかマナーとかそんなの糞くらえだ!みたいな感じの曲」、確かに「毒々しい歌詞と社会ルールに反抗する過激さが表されています 「SNSは匿名性があるので、そういう人がますます集まってくるわけです。そうすると」、「どんどん考えが偏っていく(心理学的に「リスキーシフト」)。そして、「私みたいな人がこんなにたくさんいる」と同調し、気持ちがさらに膨らんでいく。こうしたことが若者のメンタルにも影響」、極めて危険な社会現象で、日常的に発生している 「自分の長所という事実があるのであれば、それはありのままの自分ですから、隠す必要もないと思います。 そうしていく弊害は、自分のよい部分も見つけようともしなくなることです。悪いことばかり気にかける。そういう日本の文化には問題があるように思います」、同感である 自分が何をやりたいのかが見つかっていない人が多くいます。いざ大学に入って、そのことに気づく。そして、「自分は何をしたいだろう。生きている意味って何だろう」と考えこんでしまう子が一定数いるのです 大学受験に落ちたり挫折に直面すると、どうしていいかわからなくなってしまうのです」、困ったことだ 「若者のメンタルヘルスを健全に保つためには、若い頃からしっかりと自己表現や自己主張ができ、長所を伸ばす教育が今の日本には必要だと感じた」、「自殺の予防は『孤立』『孤独』の逆。つまり、『つながり』と『コミュニケーション』です 『話す』こと。それが、『ガス抜き』となり、自殺のエネルギーを減らします』、同感である。 「精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣」 「ストレスフリーの本質に迫る」、とは興味深そうだ 「朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけです。それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられます」、ずいぶん簡単なようだ 「何年も治らなかったうつ病やパニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告をたくさんいただいています」、確かに効き目はバツグンのようだ (1)セロトニンの活性化 「セロトニンが活性化すると、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます。 そして、セロトニンを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作られます。セロトニンが十分に分泌されることで、結果、夜の睡眠が深まるのです」、万能の有難い物質のようだ (2)体内時計のリセット 「体内時計がズレると、「指揮者のいないオーケストラ」のように体内がバラバラの状態になり、高血圧、糖尿病、がん、睡眠障害、うつ病など、さまざまな病気の原因となります」、「太陽の光」できちんと「リセット」するのが大切なようだ (3)ビタミンD生成 「ビタミンDは食事から摂取もできますが、必要量の半分は自分で生成することができます 皮膚に日光(紫外線)が当たると、ビタミンDが生成されます。 15~30分の朝散歩をすれば、1日に必要な量のビタミンDの生成が行われます。 以上をまとめると、メンタル疾患のある人から、夜の寝つきが悪い人、仕事でパフォーマンスを上げたい人まで、すべての人に朝散歩がおすすめです。少しでも身体的・メンタル的に不調がある人は、必ず習慣として取り入れてください」、重要なことだ 私も「朝散歩」を実践しているが、「30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になるので注意しましょう」、はショックだ。というのも、私の時間は1時間半と長すぎ、朝食後なのも、推奨の形とは違っている。私は午後の散歩と合わせて1万歩を目標にしているので、とりあえず、このままでいくつもりだ それにしても、「30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になる」、というのはやはり気になる。もっと他の意見も調べてみるつもりだ。場合によって、改めて取上げるかも知れない
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子育て(その3)(東大理三に3男1女を合格させた母親の 「超時間術」とは?、子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される、親の「夜ふかし」が子供の健康に与える大問題 家族全員での「生活リズム」の見直しが必要だ) [生活]

子育てについては、2019年11月2日に取上げた。今日は、(その3)(東大理三に3男1女を合格させた母親の 「超時間術」とは?、子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される、親の「夜ふかし」が子供の健康に与える大問題 家族全員での「生活リズム」の見直しが必要だ)である。

先ずは、昨年11月15日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元高校教師で専業主婦の佐藤亮子氏による「東大理三に3男1女を合格させた母親の 「超時間術」とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/252490
・『学受験の最難関である東大理三に、4人のお子さん全員を合格させた佐藤亮子さん。2015年の秋に佐藤さんにお会いして以来、取材や講演などで軽く100回以上お話を伺った。驚くのは話の引き出しの多さだ。 今までに幼児教育の重要性、中学受験や大学受験のサポート方法、子育て論などについてたくさんお話を伺ったが、新著『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』は「お金と時間」という新しい切り口。「佐藤さんはどのようにお金と時間を使ったか」に加え、子どもの学力を伸ばすためのさまざまな佐藤ママメソッドが紹介されている。 第一子であるご長男を授かった時、佐藤さんは「子どもの未来の可能性を拓くために重要なのは教育。本人が希望する道に進めるよう、能力を最大限に伸ばしてあげたい」と思ったという。ご長男が生まれる前から小学校の教科書に目を通し、童謡集を購入するなどの準備を始めた佐藤さんは、教育費は惜しまず、時間の無駄を省いてきた。 わが子の幸せな未来のために学力を伸ばしたい、わが子を東大に入れたいと考える方はもちろんのこと、社会人や専業主婦にとっても役に立つ情報が満載だ。5回に分けて、佐藤さんの魅力、独自の子育て、書籍の特徴などについて紹介したい。(教育ジャーナリスト 庄村敦子) 東京大学学生委員会が調査を実施し、「学生生活実態調査報告書」を公表している。最新の2018年のものをみると、東大生の母親の職業は「無職」が34.2%で一番多い。東大生のご家族の取材をしたときも、専業主婦が多かったように思う。 私の長女が通った都内の中高一貫の女子校は、東大や医学部を目指す生徒が多く、保護者会前のランチのときにお話しすると、専業主婦が思った以上に多かった。 話題は子どもや勉強のことがメイン。定期テストの暗記などを手伝ったり、勉強を教えてあげたりする母親と、「子どもに任せていて、何もしていない」という母親とに分かれた。 中学受験は「親子の受験」だから、親のサポートは必要不可欠だが、中学入学後は、引き続き母親がサポートを続けるご家庭と、子どもに任せるご家庭とに分かれるようだ。 東大理三に3男1女を合格させた佐藤亮子さんは、お子さんが生まれる前からサポートのための準備を始め、大学受験まで全力でサポートを続けた。 「きょうだい平等」を重んじ、中学受験までは同じようにサポートしてきた佐藤さんだが、中学受験以降はお子さんによってサポートの度合いが違った。それはお子さんたちの性格が違うからだ。 佐藤さんによると、ご長男は自分で計画を立て、自分で勉強するタイプで、一番手がかからなかったという。次男さん、三男さん、お嬢さんの勉強にはとことん付き合い、4人のお子さん全員の模試の整理や過去問の製本などのサポートを行った。 私はというと、長女が日能研に通っていた約2年間は仕事をセーブして、懸命に中学受験のサポートを行った。しかし、長女が志望校に合格したあとは、「勉強のやり方も教えたから、頑張って!」といった感じで、ほとんどサポートを行わなかった。セーブしていた仕事を増やしたこと、長女が中1のときに母が病気になり、看病のためにたびたび帰省していたことが主な理由だった。 佐藤さんの全力サポートの話を伺うと、「もう少し私がサポートをしてあげれば、もっと楽に勉強できたかな」と感じることもあった。今振り返ると、両親の帰りが遅いときには7歳下の妹の面倒を見てくれることもあり、よく頑張ってくれたと思う。 長女が通った学校の生徒のなかには、「勉強が趣味」「数学の問題を解くのが楽しい」というお子さんも少なくなかった。でも、そうではない子どもの方が世の中では多いだろう。その場合、佐藤さんが実践したようなサポートがあると、無駄な時間を省くことができ、勉強の効率がグンとあがる。 子どもの1日24時間をどのように使わせるか、が重要だ。 佐藤さんの口癖のひとつが「そんなの、時間の無駄でしょ」。著書『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』には、佐藤さんの「時間」に対する考え方や「時間の無駄を省く」方法がたくさん出ている。そのなかのいくつかを紹介しよう』、「東大理三に3男1女を合格させた」、とは確かに凄いことだ。「佐藤さんの「時間」に対する考え方や「時間の無駄を省く」方法」、とは興味深い。
『●子どもの睡眠時間は削らない  睡眠時間を削ると体調を崩しやすいため、佐藤さんはお子さんたちが幼い頃から睡眠時間を大切に確保してきた。受験を目前に控えた冬休み以降も、睡眠不足にならないように十分注意したという。 「寝るときにはしっかりと寝させて、起きている時間は無駄に過ごさせない」というのが、佐藤さんの考えだ。このため、お子さんが勉強にすぐに取りかかれるよう、勉強の計画や準備を担当した』、睡眠時間は、その間に勉強した知識を脳に定着する重要な役割がある。
・『●探す時間は無駄  整理整頓ができていないと、必要なものを探すのに時間を費やしてしまうのは、大人も子どもも同じだ。「必要なものを探すところから始めるという行為ほど無駄なものはない」。そう考える佐藤さんは、100円ショップでクリアケースやクリアファイルを大量に買って、模試の問題と解答、プリントなどを整理整頓した。 お子さんが中高時代には、ご長男は青、次男さんは緑、三男さんは黄色、お嬢さんはピンクとパーソナルカラーを決め、ケースやファイルの背に、それぞれのカラーのビニールテープを貼り、ひと目で誰のものかわかるように工夫した。 また、参考書や問題集を本棚から探し出す手間を省くために、100円ショップで、高さ23cm、幅12cm、奥行35cmのボックスを購入して、それぞれのボックスに英文法、物理などの教科名を大きく書いて本棚に並べた。勉強するときにはボックスごと机に持って行き、脇に置いて利用したため、お子さんたちに喜ばれたという』、「探す時間は無駄」と「整理整頓」に力を入れたのも合理的だ。
・『●子どもの勉強が終わるまでそばにいる  「勉強は孤独な作業だから、子どもたちの勉強が終わるまではそばにいて、絶対に寝ませんでした」と語る佐藤さん。 3人の息子さんが灘に同時在籍していた3年間は、布団での睡眠時間はなんと2時間半! 著書『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』にも出ている「ある日のスケジュール」の表を見てほしい。 息子さんたちと御主人のお弁当を作るため、朝4時半に起床。5時50分までお弁当を作った後、息子さんたちを起こす。7時にお嬢さんを起こして、御主人と3人で朝食。午前中は家事やお子さんのためのオリジナルノート作り。午後1時まで昼食をとって休憩したら、3時まで家事、ノート作り、お嬢さんの中学受験塾のお弁当づくり。それからお嬢さんを車で小学校に迎えに行き、塾まで送った後、近鉄奈良駅へ。 「3人の息子たちは、全員一緒に帰って来ないので、1人を駅から自宅まで送り届けたら、また連絡が入って駅に向かい、ピストン輸送を繰り返していました。子どもを待たせなくないので、早めに駅に行き、車中で爆睡していましたね」と笑う佐藤さんは、待ち時間も有効に使い、身体をいたわっていた。 夕食はピストン輸送の合間に作ることもあれば、日によっては、全員が帰宅してから作り始めることもあったという。夕食をすませた午後8時頃から午前0時までは、家事、ノート作り、勉強のサポート。お子さんの勉強が終わった0時から入浴とお弁当の下ごしらえをして、2時就寝というハードスケジュール!』、「母親」は僅か「2時就寝」とは確かにハードスケジュールだ。
・『次男さんが灘高校を卒業して上京した後は、急激に睡眠時間が増えたという。ご長男が灘中に入学し、お嬢さんが洛南高校を卒業するまでの13年間、ずっとお弁当を作り続けた佐藤さんには、「本当にお疲れ様でした」という想いしかない。 取材で4人のお子さんたちと電話で話したとき、全員が「お弁当作り」に感謝していた。 ご長男は、「毎朝4時半に起きて、お弁当だけではなく、おにぎりも作ってくれました。早朝に家を出ていたため、2時間目が終わった頃にお弁当、お昼におにぎりを食べ、高3の夏までサッカーに打ち込むことができました。勉強のサポートをはじめ、子どもたちのために時間を使ってくれ、子どもたちのやりたいことを尊重し、やらせてくれた母には感謝の気持ちでいっぱいです」と話してくれた。 もちろん、4人のお子さん全員が、教育費を惜しまずに使ってくれたこと、勉強をサポートしてくれたことに対して、異口同音に感謝の言葉を口にした。 佐藤さんのお子さんたちには、大きな反抗期はなかったという。いつも自分たちに寄り添ってくれて、お金と時間を惜しまずに使ってくれたことに感謝しているからだろう』、「子どもたちのために時間を使ってくれ、子どもたちのやりたいことを尊重し、やらせてくれた母には感謝の気持ちでいっぱいです」、「佐藤さんのお子さんたちには、大きな反抗期はなかった」、というのも当然なのかも知れない。

次に、本年3月7日付け東洋経済オンラインが掲載したIWA ACADEMYチーフディレクターの木村 匡宏氏による「子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/413523
・『コロナ禍で、子どもの運動不足や体力低下が懸念されています。基本的な運動は、野球やサッカーなどのスポーツへつながる運動能力をアップさせるのはもちろんのこと、脳の発達を促して学力の向上にもつながると、複合型スポーツ施設を運営するIWAアカデミーチーフディレクターで、トレーナーでもある木村匡宏氏は指摘します。では、どのように運動させるのがよいのでしょうか。『1日5分で運動能力と集中力が劇的アップ 5歳からの最新!キッズ・トレーニング』を上梓した木村氏が、その方法をお届けします』、興味深そうだ。
・『人は脳だけで生きているわけではない 「運動すると頭がよくなる」  こう言われて、どれだけの人がすんなり受け入れられるでしょうか? 運動は身体を使うことであり、それで本当に頭がよくなるの?と疑問に感じる人のほうが多いかもしれません。「頭がいい人=勉強ができる人」→「勉強ができる人は脳が発達している人」。こうやって考えていくと、運動と頭のよさは無関係のように感じるからです。 しかし、人間が脳を使うのは勉強の場面に限ったことではありません。走ったり、歩いたり、ジャンプしたりと、身体を動かす時にも、人間はすべて脳からの指令を受けています。計算問題を解いたり、漢字や英単語を覚えたりすることだけが脳の働きではなく、考える、怒る、泣く、楽しむ……これらの感情の動きもすべて、脳の働きによるものです。 人間にとって脳が極めて大事であることは誰にでも理解できると思いますが、人は脳だけで生きているわけではありません。身体があっての脳であるということを覚えておく必要があります。 とくに子どもの脳は、とてつもない勢いで育とうとしています。人間の脳はバランスよく全体的に発達するのではなく、場所によって司る役割が決まっていて、それぞれが順を追って発達していきます。 まず幼児期に発達するのが、運動をコントロールする「運動野」と呼ばれる場所。その影響で小さな子どもは、とにかく走り回ったりして動きたがります。これは脳が発達するために必要なことで、子どもは動くことで自分の身体を認識して成長していきます。つまり、幼児期から運動に親しませることは、脳の発達から考えても、とても重要なことなのです。 ところが昨今は子どもの運動不足が指摘されています。デジタル機器の普及により、日本では3~6歳の子どもの約半数が日常的にスマートフォンやタブレットを利用していると言います。スマートフォンやタブレットで動画コンテンツを見たり、ゲームをしたりしている時間は、まったく身体を動かしません。 本来、身体を使って遊ぶことが大切な時期に、身体を動かさないことが習慣化すると、深刻な運動不足になっていく危険があり、実際に子どものロコモティブシンドロームも多くみられます。これは単純に身体、運動の発達の問題だけでなく、脳の発達の問題でもあります。前述のように、運動と脳の発達には深い関係があるからです。 子どもがキャーキャー言いながら追いかけっこをしたり、サッカーやドッジボールで夢中になって遊んだりして、楽しく、気持ちよく身体を動かすことは、脳全体のネットワークが高い次元でつながることを促し、それは複雑なことを考える力へとつながっていきます。 夢中で遊んでいる時には、脳ではシナプス同士がパチパチと光を放ちながら、興奮状態に入っています。時間を忘れるくらい夢中になって遊ぶということは、物事に取り組む時の深い集中力を育みます』、「3~6歳の子どもの約半数が日常的にスマートフォンやタブレットを利用している」、「深刻な運動不足になっていく危険」、確かに深刻な問題だ。本来であれば、「夢中で遊んでいる時には、脳ではシナプス同士がパチパチと光を放ちながら、興奮状態に入っています。時間を忘れるくらい夢中になって遊ぶということは、物事に取り組む時の深い集中力を育みます」。
・『興奮を味わった脳のほうがコントロールが効く  興奮させてばかりいると、コントロールの効かない、落ち着きのない子になるのでは?と心配する方もいるかもしれません。これはまったくの逆で、正当な興奮を味わった脳のほうが、むしろコントロールが効くようになります。なぜなら「興奮」を経験することは、同時に「興奮を抑える」という経験を増やすことにもなるからです。 例えるなら、興奮を味わったことがない脳は、徐行運転の経験しかない車のようなもの。それではブレーキの使い方を練習できません。スピードを出すからこそ、ブレーキの使い方がわかるのです。興奮を味わってそれを抑えるというのは、これと同じことです。 ただし、気をつけなければいけないのは興奮の質です。スマートフォンやゲームを使って騒いでいる子どももいますが、そうした興奮は本物の興奮ではありません。スポーツのようにさまざまな感覚、身体のあらゆる場所への刺激を伴う興奮こそが本物の興奮で、子どもの脳の発達を促します。人は身体を動かすことによって、脳の発達が進んでいくのです。 子どもの成長には運動が大事だとわかっても、実際にはどんな運動をすればいいかわからないという人も多いと思います。とくに現在は新型コロナウイルスの影響もあり、制約のあるなかでの生活を余儀なくされ、大人も子どもも運動機会が減少しています。 事実、OECD(経済協力開発機構)をはじめ、多くの調査機関から日本など先進国で「子どもの運動時間、身体を使った遊びの時間が減っている」という報告がされています。 ここで誤解してはいけないのは、必ずしも「運動=スポーツ」ではないということ。ルールのあるスポーツだけが運動ではありません。 大人の場合、通勤で階段や坂道を歩く、買い物をする(荷物を持つ)、洗濯物を干すというように、日常生活の中にも運動はたくさんあります。子どもの場合は、スポーツに必要なスキルなど何も考えずに遊ぶだけでも十分な運動になります。ノンシステマティックにいろいろな遊びをすることで、身体が勝手に動きを吸収していきます』、「興奮を味わった脳のほうがコントロールが効く」、「子どもの場合は・・・ノンシステマティックにいろいろな遊びをすることで、身体が勝手に動きを吸収していきます」、言われてみれば納得できる。
・『日常生活の中に運動機会を取り入れる  「追いかける」「逃げる」「転ぶ」「駆け上がる・下りる」「投げる」「捕る」「打つ」「押す・引く」「よける」「切り返す」……無意識で遊んでいても、身体はいろいろな動きをしています。 日常生活の中に、こうした運動機会を取り入れることが、子どもには必要。それぞれの動作を上手にできるかどうかよりも、まずは機会を与えることが大事なのです。 運動機会を与えれば、子どもは自分の意思で夢中になって取り組み、うまくやるための身体の動かし方を勝手に覚えていきます。 ここで気をつけたいのは、「ああしなさい」「こうしなさい」と、大人が過剰なアドバイスをしてしまうことです。大人は安全を確保して見守っていれば十分。自主的に遊びに取り組むことで、子どもの集中力はどんどん深まっていきます。 自分で考えて取り組み、それを大人に否定することなく励まされれば、身体を通して“よい体験”として子どもの記憶に刻まれます。こうした体験を日常の中で重ねていくことで、脳の欲望や感情を扱う大脳辺縁系を刺激し、運動が「楽しい」「達成感」という意欲につながります。 そして「次は何をやろうかな?」と先の予定を計画しながらイメージを繰り返すことで、さまざまな知的活動を行う大脳皮質を使いつつ、脳全体のネットワークがつながっていきます』、なるほど「運動」は「脳」発達にとって不可欠だ。
・『体育の出席率と東大進学率には相関関係がある  こうして幼少期から運動による刺激を脳に与えながら育った子どもは、脳と身体が健全に発達していきます。運動が習慣化されると、それが勉強にも好影響を及ぼすという事例もいくつかあります。 ある有名私立中高一貫校では、体育への出席率と東京大学への進学率に相関関係があることがデータで導かれました。6年間一度も体育を休まない生徒ほど、東大への合格率が高まるというデータです。 また、0時限目に体育を取り入れた高校で、多くの生徒の成績が上がったという研究結果もあります。こうした事例は、運動することが脳や勉強にもよい影響を与えることの一つの証明と言えるでしょう。 運動能力を高めることで脳の発達を促す。これはまさしく子育ての鉄板とも呼べる一石二鳥大作戦。親として「子どもにはどんな習い事をさせたら将来のためになるか?」と考えるのもよいことですが、難しく考える必要はありません。 思い切り身体を使って遊ばせることで、子どもの身体も脳もしっかり成長していきます』、「体育の出席率と東大進学率には相関関係がある」、確かにその通りなのだろう。

第三に、3月26日付け東洋経済オンラインが掲載した 小児科医・小児神経科医の三池 輝久氏による「親の「夜ふかし」が子供の健康に与える大問題 家族全員での「生活リズム」の見直しが必要だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/417763
・『多くの家庭では、赤ちゃんが夜中に頻繁に目を覚ますことに悩まされています。いったいなぜ夜中に起きてしまうのでしょうか。小児神経科医の三池輝久氏が上梓した『赤ちゃんと体内時計』を一部抜粋・再構成してお届けします。 夜中に頻繁に目を覚まし、睡眠が細切れになる「睡眠の断片化(fragmentation)」は、私の臨床経験ではかなり心配な状態です。新生児期と同様に、眠りの深さが浅いレム睡眠のときに眠りの状態にとどまることができないために起こります。そしてその多くは夜泣き対応の不適切さと、先天的な素質が原因です。 睡眠の断片化は、母親の気分や感情をかなり損ねます。母子関係によい影響を与えず、心ならずも発作的な怒りから子どもに暴力的な行動を起こす危険性も指摘されているので、母子関係悪化の観点からも注視が必要です(Teti DM, 2016)。 非常に不思議で、またとても残念なことに、小児期の睡眠の断片化に関する信頼に足る論文はほとんど見当たりません』、「母子関係によい影響を与えず、心ならずも発作的な怒りから子どもに暴力的な行動を起こす危険性も指摘」、虐待の一因のようだ。
・『1歳を過ぎて夜間に3回以上起きる場合は要注意  私の追跡調査の結果では、睡眠の断片化はかなり大きな問題で楽観視できないものです。眠りの質を著しく低下させ、結果的に睡眠欠乏と同じ状態を作ります。それにより脳の働きのバランスを崩す可能性があるので早期の改善が必要です(Bonnet MH, 2003)。 特に1歳を過ぎても夜間に3回以上覚醒するようなときは、治療も視野に解決を図りましょう。投薬治療のデメリットよりも睡眠欠乏が脳に与える影響を重くみるべきです。 わが国では、夜一度眠りにつくと朝まで目覚めずに眠れるようになるのは、早い子どもでは4〜5カ月から、一般には1歳です。ただその後も1、2回程度の短い時間(数分)の中途覚醒は定型発達の範囲に入りますが、新生児でも、少なくとも2〜4時間程度は持続して眠ることができるので、30分ごと、あるいは1、2時間ごとに目を覚ます中途覚醒は問題と認識する必要があります。 「睡眠持続障害」は、睡眠障害の1つです(Yavuz-Kodat E, 2020)。睡眠の断片化と異なり、一度目が覚めると1時間以上も眠らない状態です。中には睡眠時間が十分でないのに、一度目が覚めると朝まで起きつづける赤ちゃんもいます。 睡眠が長時間分断されると、睡眠時間が不足します。生活のリズムも安定しません。このタイプでは昼間の機嫌や発達の進捗に留意してください。特に日中の様子はどうでしょうか。 不機嫌だったり泣いたりすることが多く、発達指数が境界領域かやや低い場合は、脳機能の発達が抑制されている恐れがあります。その時点で発達に目立った問題がなくても、安心せず新生児のときの様子や詳しい発達の状況を把握しておく必要があります。 なぜなら体内時計にずれや混乱が生じてあらわれた睡眠障害は、すぐに心身の症状がでなくてもあとになって少しずつ問題が起きることが多いからです。繰り返しますが、睡眠持続障害は発達障害の子どもがもつ睡眠障害の特徴の1つです(Krakowiak P, 2008)。専門医の治療を必要とします』、我が家では長女の「夜泣き」が酷く、次女の娘も同様なので、他人事とは思えない。ただ、幸いあとに深刻な影響はなかったようだ。
・『ADHD(注1)と睡眠の関係  「寝つき不眠」「入眠不眠(Sleep onset insomnia)」という言葉の使用は、小児科領域では2000年代から始まりました(Smits MG, 2001)。医学的には乳幼児を含む子どもたちを対象に「入眠困難」「入眠障害」または「睡眠相後退症候群」という表現が用いられています。 「不眠」とは必要に応じて入眠や睡眠の持続が困難な状態です。この入眠困難は、なかなか入眠できませんが、一度入眠すると睡眠は持続します。 治療に際してメラトニンを用いると症状が改善するので(Smits MG, 2001 およびvan Geijlswijk IM, 2011)、背景にはやはり生活リズムのずれに伴う体内時計のずれがあると考えます(Bijlenga D, 2019)。一番の心配は、この状態が将来のADHDなどと関連する可能性が高く、ADHDを含むASD児(注2)に共通して認められることです。 ここで少しADHDについて補足します。乳幼児期の睡眠の問題とADHDの関連を述べた論文数は、この3年間でゆうに450以上に及びます。それほどまでにADHDの睡眠に関心が集まってきています。 各報告を整理すると、ADHDに共通する睡眠は、①入眠時間のずれ(入眠困難・寝つき不眠)、②頻回の中途覚醒、または長時間の覚醒、③1日8時間以下の短い睡眠、④よく泣く子(持続的な泣き)です。報告では、①から③の睡眠障害のある乳幼児の20〜25%がのちにADHDと診断されています(Thumstöme M, 2002 および Wolke D, 2002)。 このように、ADHDの子どもには高頻度で概日リズムに異常があり、関連性が強く指摘されています(Coogan AN, 2016, 2017)。またこれらの睡眠問題に加えて、睡眠中の多動を指摘する報告があります(Cortese S, 2006)。) 入眠困難が要注意な睡眠障害であることがおわかりいただけたかと思います。 その原因ですが、1995年ごろ、私は乳児の寝つき不眠の一部が保護者の生活リズムと連動していることに気がつきました。きっかけとなったのは宮崎県北西部のある町での乳児健診です。 健診に際して、すべての乳児と保護者にボランティアで2週間の睡眠記録表を書いていただいたときのことです。寝つく時間が遅い乳児では母親の入眠時間も遅く、乳児と母親の生活リズムがピタリと見事に一致していたのです。さらにこの現象は、家族の生活リズムの立て直しによってきれいに改善することもわかりました』、「睡眠障害のある乳幼児の20〜25%がのちにADHDと診断」、発達障害に結びつく可能性があるとは恐ろしいことだ。「乳児の寝つき不眠の一部が保護者の生活リズムと連動している」、その通りなのかも知れない。
(注1)ADHD:注意欠陥・多動性障害(Wikipedia)
(注2)ASD:自閉症スペクトラム障害(Wikipedia)
・『午前2時過ぎに寝る生後5カ月の子  それから5年ほど経たったとき、私は生後5カ月の女の子が毎晩午前2時過ぎに眠っている睡眠記録表をみてやはりびっくりした記憶があります。夜遅くまで働く父親の帰りを母親は赤ちゃんと一緒に待っていました。その時点で臨床的な問題はありませんでしたが、赤ちゃんの将来を心配した私は家族全員で生活リズムを見直すように説明して協力を求めました。 この家族では父親が転職をし、夜9時までに家族全員で眠る努力をされました。その結果、1歳半の時点で見事に夜9時から朝7時まで眠る生活リズムを取り戻すことができました。 2012年から2014年にかけて実施した「アートチャイルドケア調査(現在も持続中)」では、夜11時以降、夜0時以降に眠る習慣のある乳児が少なからず存在し、赤ちゃんの寝つき不眠が決して珍しい現象ではないことが判明しています。 2017年に実施された、京都府木津川市における1〜6歳の乳幼児の調査でも、午後10時以降に入眠する習慣のある子どもは約30%に及ぶことがわかりました。興味深いのは、保護者は子どもの10時以降の入眠に対する問題意識がほとんどなかったことです(小西行郎、2019年)。 乳幼児期の寝つき不眠は、体内時計と生活リズムの不調和によって起こる睡眠障害です。寝ようとする時間に体内時計の準備が整っておらず、眠ることができないのです。時間が経つと眠れるし、睡眠も持続するので不眠とはいえない、という解釈です。ですが後に発達上の問題を招く原因となり、将来的にも情緒的な問題や病気に対する抵抗力を弱める免疫機能の問題を招きやすくします。 睡眠はただ眠りさえすればよいというものではなく、適切な時間帯でなければならないというルールがあるのです。 最近、私が診察した5歳の女の子の話をしましょう。彼女は日常的に午前3〜4時にならないと眠れないという状況に陥っていました。9時とか10時に寝かしつけようとしても眠れないのです。そして彼女もまた、マイペースな生活を送っていて、この時点で体調不良を抱えているわけではありませんでした。 しかし、朝、10〜11時に起こされて、ほぼ眠った状態で保護者の車で登園し、そのまま眠ったあと、午後1〜2時に目が覚めるとみんなと遊ぶ生活でした。 学校社会生活の最初でつまずくのを座視するわけにはいきません。直ちに治療を開始しました。治療の結果、女の子は、朝7時までに10時間ほど眠る生活を取り戻して、2020年に小学1年生となり、コロナ騒ぎのあと、6月から毎日元気に朝から登校しています。 ▽最大の問題は起床時間が遅くなること(寝つき不眠の最大の問題は起床時間が遅くなることです。遅寝・遅起きの生活習慣です。1日の生活リズムが遅いほうへずれると、体内時計もずれます。 実は、乳幼児の生活の時間帯が後ろにずれても、遅れて登園するといった問題はありますが、マイペースに自由な生活ができるなら目立った問題は起こらず、体調もほぼ変わりません。生活リズムと体内時計が「一緒にずれるという同調」を起こすからです。 問題は、就学を機に、学校社会生活というかなり厳格に設計された生活リズムに、そのずれた個人の生体リズムを無理やり合わせなければならないことです。 身体の中では異変がじわじわと蓄積して、結果的に大変な苦労を強いられます。合致させる作業の途中で無理が生じて、生体リズムの何もかもがバラバラになることもあります(図参照)。 散漫な注意力、低下するエネルギー産生、極度の疲れやすさなどの症状が起こり、登園、登校どころか1日を過ごすだけで精一杯です(Van der Heijden KB, 2005)。 少し長くなりますが、もう少しだけ解説をつづけさせてください。入眠が困難になると覚醒も困難になると書きました。これを専門的な用語で睡眠相後退症候群と呼びます。入眠困難と覚醒困難が慢性的につづく睡眠障害です。 この睡眠障害では夕方になると頭がすっきりとして調子が上がり、明け方近くに入眠することになります。一方で、学校や社会の活動開始時間である朝7時ごろには眠りが深くてまったく起きられません。学校社会に適した時間帯に眠り、起きる。このことが困難な状態です』、なるほど。
・『家族で早寝早起きの生活を  睡眠相後退症候群になると、生活リズムが周囲と合わないだけでなく、生命維持装置としての脳の視床下部機能に総合的な問題を抱えます。休養と活動の振幅(メリハリ)が低下する、いわば生命力の低下ともとれる現象があらわれてきます。 それが睡眠相後退症候群の小学生から高校生までの健康状態を調べたときに主訴としてみえてきた、朝の吐き気、気分の悪さ、頭痛・腹痛、めまいなどの自律神経失調症の症状です。 実は、この自律神経症状はより深刻な症状の発症を知らせる警報です。放置しておくと、目にみえない体温調節、ホルモン分泌、エネルギー産生、免疫機能、協調運動、脳機能バランス維持などの不調和と機能低下を起こし、全身のだるさや無気力などたとえようのない不調としてあらわれます。 この睡眠相後退症候群こそが「不登校」の原因背景として世界で注目されているのです(Tomoda A, 1994 およびSivertsen B, 2013 およびHochadel J, 2014 およびHysing M, 2015)。 このような体内時計と学校社会生活リズムの不一致を、乳児期という人生のスタート地点で起こさせてはいけません。寝つきが悪いと感じたら、すぐに家族全員で早寝早起きの生活を実践しましょう。素質もありますが、寝つき不眠は家族の生活(環境的要因)が影響する可能性大の睡眠障害です』、「睡眠相後退症候群こそが「不登校」の原因背景として世界で注目されている」、「不登校」になったら治癒は大変なので、「睡眠相後退症候群」の間に治しておく方がよさそうだ。「寝つきが悪いと感じたら、すぐに家族全員で早寝早起きの生活を実践しましょう」、40年早くこの記事を読んでいたらよかったのに・・・。
タグ:子育て 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 佐藤亮子 (その3)(東大理三に3男1女を合格させた母親の 「超時間術」とは?、子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される、親の「夜ふかし」が子供の健康に与える大問題 家族全員での「生活リズム」の見直しが必要だ) 「東大理三に3男1女を合格させた母親の 「超時間術」とは?」 「東大理三に3男1女を合格させた」、とは確かに凄いことだ。「佐藤さんの「時間」に対する考え方や「時間の無駄を省く」方法」、とは興味深い 子どもの睡眠時間は削らない 探す時間は無駄 子どもの勉強が終わるまでそばにいる 「母親」は僅か「2時就寝」とは確かにハードスケジュールだ 「子どもたちのために時間を使ってくれ、子どもたちのやりたいことを尊重し、やらせてくれた母には感謝の気持ちでいっぱいです」、「佐藤さんのお子さんたちには、大きな反抗期はなかった」、というのも当然なのかも知れない 木村 匡宏 「子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される」 「3~6歳の子どもの約半数が日常的にスマートフォンやタブレットを利用している」、「深刻な運動不足になっていく危険」、確かに深刻な問題だ 本来であれば、「夢中で遊んでいる時には、脳ではシナプス同士がパチパチと光を放ちながら、興奮状態に入っています。時間を忘れるくらい夢中になって遊ぶということは、物事に取り組む時の深い集中力を育みます」 「興奮を味わった脳のほうがコントロールが効く」、「子どもの場合は・・・ノンシステマティックにいろいろな遊びをすることで、身体が勝手に動きを吸収していきます」、言われてみれば納得できる なるほど「運動」は「脳」発達にとって不可欠だ 「体育の出席率と東大進学率には相関関係がある」、確かにその通りなのだろう。 三池 輝久 「親の「夜ふかし」が子供の健康に与える大問題 家族全員での「生活リズム」の見直しが必要だ」 「母子関係によい影響を与えず、心ならずも発作的な怒りから子どもに暴力的な行動を起こす危険性も指摘」、虐待の一因のようだ 我が家では長女の「夜泣き」が酷く、次女の娘も同様なので、他人事とは思えない。ただ、幸いあとに深刻な影響はなかったようだ 「睡眠障害のある乳幼児の20〜25%がのちにADHDと診断」、発達障害に結びつく可能性があるとは恐ろしいことだ。「乳児の寝つき不眠の一部が保護者の生活リズムと連動している」、その通りなのかも知れない 「睡眠相後退症候群こそが「不登校」の原因背景として世界で注目されている」、「不登校」になったら治癒は大変なので、「睡眠相後退症候群」の間に治しておく方がよさそうだ 「寝つきが悪いと感じたら、すぐに家族全員で早寝早起きの生活を実践しましょう」、40年早くこの記事を読んでいたらよかったのに・・・。
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医療問題(その28)(精神病院「情報開示に消極的」な姿勢への大疑問 公的にも自主的にも隠し 患者には評価できない、引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕、東大医学部が医師国家試験の合格率で55位の下位に沈む理由) [生活]

医療問題については、本年1月17日に取上げた。今日は、(その28)(精神病院「情報開示に消極的」な姿勢への大疑問 公的にも自主的にも隠し 患者には評価できない、引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕、東大医学部が医師国家試験の合格率で55位の下位に沈む理由)である。

先ずは、昨年12月28日付け東洋経済オンライン「精神病院「情報開示に消極的」な姿勢への大疑問 公的にも自主的にも隠し、患者には評価できない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/398941
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第8回』、「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、全く歪な姿だ。
・『情報公開に積極的な精神科病院は少数派  東京・東村山市にある「多摩あおば病院」は、206床の入院病床を持つ精神科病院だ。東村山市とその周辺地域を中心に、他県からも多くの患者が訪れる、地域精神医療の拠点である。 診療内容は幅広く、統合失調症や発達障害、気分障害のほか認知症、アルコールや薬物依存症プログラム、児童思春期の問題にも対応している。患者は10代から90代まで、疾患にかかわらず精神科の治療を必要とする人たちだ。 同院では、病院ホームページに「患者統計」として、治療を行った患者に関する統計データを公開している(https://sinsinkai.com/about/statistics/)。主な項目は以下の通りだ。 +年間入退院数 +平均在院日数 +病院の回転率 +1年後残存率 +入院患者の退院先 +外来数 +デイケア数 副院長の中島直(なおし)医師は、「情報公開は当然のこと」と語る。しかし、実際に自ら、こうした統計データを公開している病院は少数派だ。 東京都内の私立の精神科病院団体である「東京精神科病院協会」に所属する63病院のホームページを調べたところ、スタッフ数の内訳や患者の治療状況がわかるデータを公開していたのはわずか6病院のみだった。多摩あおば病院のような詳細なデータに至っては、開示している病院はほぼ皆無だ。 本連載『精神医療を問う』でも報じてきたように、精神科病院は「精神保健福祉法」に基づき、患者が拒否しても医師の診断と家族の同意で強制的に入院させる権限や、病棟の入り口が常時施錠される閉鎖病棟を持つ。 入院患者には「携帯電話を持ち込めない」「面会を制限する」「外部とのやりとりは手紙だけ」などのルールが主治医の判断で課されることもあり、患者が病院内から情報を発信することも極めて難しい。そうした状況下で、根拠なく長期入院を強いられているケースや、看護師など病院スタッフによる虐待で患者が亡くなる事件が相次いできた。 そのため精神科病院には、通常の病院よりも自主的かつ積極的な情報開示が求められるはずだが、冒頭で見たとおり、その姿勢には乏しいのが現実だ。大多数の精神科病院の内情は、今もブラックボックス状態にある。) それでは公的に行われる情報開示についてはどうか。全国の精神科病院の現状を知る手段の1つに、毎年厚生労働省が各都道府県を通じて実施する「精神医療保健資料」という調査がある。毎年6月30日時点の精神科医療機関の実態を把握する目的で行われ、通称「630調査(ロクサンマル調査)」と呼ばれる。 調査の対象は精神科病院、病床を持たないクリニック、訪問看護ステーションだ。医師などのスタッフ数や病床数、隔離病棟の数、入院料などの病院自体の情報に加え、患者の年代、診断名、在院期間、身体拘束人数、隔離措置人数といった質問項目もある。 ただし公開されているのは、病院の設立区分や都道府県ごとに集計された数値にとどまる。本来、患者や家族が知りたいのは個別病院のデータのはずだが、そうした要望に応えるものにはなっていない。 この調査を活用して、患者たちの要望に応える取り組みを行ってきたのが、全国で当事者の権利擁護を目的に活動する、精神医療人権センターなどの市民団体だ。彼らは集計前の個別病院の実態がわかる個票を、情報公開制度を利用して集め、当事者が病院を選ぶときの参考にできる『精神病院事情』という冊子を各地域で作成してきた。冊子は病院に配布したり希望者に販売したりしている』、「精神科病院」はもともと閉鎖的になりやすいだけに、「公開されているのは、病院の設立区分や都道府県ごとに集計された数値にとどまる。本来、患者や家族が知りたいのは個別病院のデータのはずだが、そうした要望に応えるものにはなっていない」、やはり要開示項目を増やすべきだろう。
・『病院ごとの個別の事情を知ることが大切  「病院ごとに治療方針や患者の待遇が大きく異なるため、個別の事情を知ることが大切です」。精神科病院での長期入院や、身体拘束の問題に長年取り組んできた市民団体、「東京都地域精神医療業務研究会(地業研)」のメンバーで看護師の飯田文子氏は、冊子を作る意義をこう説明する。 実際に地業研が刊行する『東京精神病院事情2015年版』を見てみると、東京都内の70病院について、それぞれの病床数とレーダーチャートによる評価が記載されている。レーダーチャートの評価項目は「5年以上入院者率」「1年未満入院者率」「平均在院日数」「常勤医1人当たりの患者数」「常勤看護者1人当たりの患者数」「常勤コメディカル(ソーシャルワーカーや臨床心理技術者、作業療法士など)1人当たりの患者数」の6項目。 それぞれ5段階で点数化しており、高得点であるほうが、スタッフ数が多く活動性の高い「望ましい病院」としている。 統計データを踏まえた各院の特徴には、「平均在院日数は2424日(都平均230日)と断トツで都内最長。統合失調症の平均在院日数は何と3650日(同329日)に及ぶ」「死亡退院率が65%で群を抜いている」といった、驚きの記述もある。点数が高くても、身体拘束率などが高い場合もあり、特徴とチャート図を併せて見ることが大切だ。) こうした個別病院を評価する判断材料が少ない中、患者や家族は病院選びに苦心している。 東京都内で開かれた精神障害者の家族会に参加した女性は、統合失調症を患い入退院を繰り返す娘の病院選びに悩んできたという。「精神科の場合、歯医者などと違って近所の人に『どこの病院がいいですか』と気軽に聞くこともできません」。 また同じ家族会に参加した統合失調症の息子を持つ女性も、「病院のホームページの情報だけではあてにならないと思い、これまで保健所に紹介された病院や、ケースワーカーから話を聞いた病院に入院してきました。でも入ってみると看護師が少なくケアが不十分だったり、本人が合わなくて暴れてしまったりもする。どうしたらいいかわかりません」と悩みを打ち明けた。 この女性に地業研の作成した先の冊子について話すと、メモをとり「そうしたものがあるとは知らなかった。ぜひ読んでみたいです」と話し、会場を後にした』、「地業研が刊行する『東京精神病院事情2015年版』」、は数少ない情報源のようだ。
・『「速やかに破棄」を指示  ところが、こうした冊子の作成に欠かせないロクサンマル調査の個票の情報公開が、一時、全国で相次いで非開示となった。2017年度と2018年度のデータを中心に、個人情報の保護などを理由として、15の自治体が非開示や一部開示とした。そこには、それ以前までは全面的に開示をしてきた北海道、埼玉県、神奈川県、大阪府も含まれた。 ロクサンマル調査はここ3年で2度、調査・集計方式が大きく変更されている。1度目は、2017年度と2018年度分の調査だ。これまで紙ベースで集計していたものを、各医療機関がウェブ上から調査票をダウンロードし、1人の患者ごとに1行ずつのデータを入力してそのまま厚労省に送信する方式とした。 2度目は2019年度調査からで、この1行ずつの患者データを病院内で集計し、個別のデータはわからない状態で厚労省に送信する方式になっている。 このように、全面的に開示されてきた2016年度以前から集計方法が変わっているとはいえ、患者情報はすべて匿名であり、個人情報保護法上の「特定の個人を識別できるもの」は存在していない。 突然非開示となった本当の理由はわからないが、厚労省や病院団体が市民団体によるロクサンマル調査のこうした活用法について、「苦言」を呈したのも同時期である。 2018年7月、厚労省精神・障害保健課長名義で各都道府県や政令指定都市の精神保健福祉担当部局長宛に、ロクサンマル調査の依頼協力を求める文書が送られた。 同文書の別紙では、「調査票の取扱い」として「個人情報保護の観点から、定められた保存期間の経過後に速やかに廃棄する」よう指示している。さらに「精神科医療機関の個々の調査票の内容の公表は予定しておらず」、各自治体が医療機関に調査依頼を行う際は、この点を明示すべきとする文言が付記された。) 同年10月には精神科の私立病院団体である日本精神科病院協会(日精協)が、山崎學会長名で声明文を発表した。ロクサンマル調査は「個人情報保護の観点から問題の多いものであると認識していた」とし、声明文発表の2カ月前に毎日新聞が、50年以上入院する患者が全国に1700人以上いると報じた記事に触れ、「まさにわれわれの危惧が現実となったものである」と批判した。 調査主体である厚労省が個人情報保護のための必要な措置を行わない場合は、「ロクサンマル調査への協力について再検討せざるを得ない」と、調査の存続危機をも思わせる声明となっている。 こうした情報公開に逆行するような動きに、当事者たちからは反発の声が湧き起こった。非開示や一部開示決定について不服を申し立てる審査請求の実施、日精協の声明文への批判、反対集会の開催など強い抵抗もあってか、2019年度の調査協力依頼文からは調査票の扱いを制限する文言はなくなっている。ただし、各市民団体が行った情報公開請求の結果をみると、身体拘束数などの一部のデータは依然として非開示のままだ。 前出の地業研の飯田氏は、「これまでの情報開示も、簡単に達成できたことではありませんでした。東京都や京都府でロクサンマル調査結果の情報公開を求める裁判を起こし、1999年に京都地裁が開示を認めた判決をもとに、活動に取り組んできました」と、現在に至るまでの経緯を語る。 全国的には大幅な情報の非開示は改善されてきた中、例外的に2019年度分のデータさえも全面的に開示を拒んだのがさいたま市だ』、「日精協」が「声明文発表の2カ月前に毎日新聞が、50年以上入院する患者が全国に1700人以上いると報じた記事」に触れ、「まさにわれわれの危惧が現実となったものである」と批判」したのは、不都合な事実を「個人情報保護」とは本来、無関係なのに、強引にそれを大義名分に抑制しようとするものだ。
・『今も続く非公開  埼玉県の精神医療を考える会は、さいたま市内の7つの精神科病院についてロクサンマル調査結果の情報公開請求をしていた。2020年9月にさいたま市から送られてきた「行政情報一部開示決定通知書」は、48項目に及ぶ全調査票のうち、47項目が一部または全面的に非開示とされていた。 さいたま市が非開示とした理由は、主に2つ。1つは個人を特定できる可能性があるため、もう1つは病院の運営上の正当な利益を害するおそれがあるためである。 だが、同会が埼玉県に対して行った同じ2019年度のロクサンマル調査の情報公開請求では、当時県側にデータが提出されていなかった1病院を除き、市内の6病院分のデータがすでに得られている。まったく同じ情報にもかかわらず、なぜ市は開示できないのか。 さいたま市の健康増進課の職員は取材に対し、「あくまで市の情報公開条例に基づいて判断している。埼玉県や他の自治体が開示しているかどうかは知らず、考慮していない」と回答した。同会はこの結果を不当だとして、市に対し情報の開示を求める審査請求を行っている。 同会メンバーの女性は「困ったら病院に入れるのがゴールだと安易に思ったり、精神疾患を持つ患者が社会に出てきたら困ると思い込んだりしている私たち自身の偏見に向き合うためにも、ロクサンマル調査でわかるデータは行政や病院が抱え込むものではなく、市民にとってオープンであってほしい」と話す』、「困ったら病院に入れるのがゴールだと安易に思ったり、精神疾患を持つ患者が社会に出てきたら困ると思い込んだりしている私たち自身の偏見に向き合うためにも、ロクサンマル調査でわかるデータは行政や病院が抱え込むものではなく、市民にとってオープンであってほしい」、その通りだ。
・『「恥であっても、現実」  多摩あおば病院が患者の統計を公開し始めたのは、2006年頃からだ。 中島副院長は、「ロクサンマル調査はあくまで1つの指標であり、すべてがわかるわけではありません。自分たちもどうしたら病院や患者の状況が外に伝わるか試行錯誤しています」と、院内の情報公開の方針を語る。 例えば多摩あおば病院の場合、患者が他の精神科病院に転院することはなるべく避けている。治療を途中で他の病院に丸投げすることになるからだ。ホームページ上にある、「入院患者の退院先」のデータを見るとそのことがわかる。 「ロクサンマル調査にあるような情報は、出すか出さないかではなく出すのが当たり前。長期入院などの問題は恥であったとしても、現実ですから。精神疾患を持つ人の受け皿をどう見つけていくかは、病院だけの責任ではない。そういう人がどれだけいて、みんなでどう支援していくかは社会の問題です。別に隠す必要はないんです」(中島副院長) 精神科病院に入院する当事者や家族が情報公開を求めるのは、治療や病院のあり方に対する疑問が根強いためだ。 2020年5月に設立された神奈川県精神医療人権センター(KP)の相談窓口には、電話での相談が全国から寄せられている。家族が退院できなくて困っている、テレホンカードを購入させてもらえず病院の外と連絡が取れない、院内が清潔でない、など内容はさまざまだ。弁護士と連携し、退院支援などを行っている。 さらにKPが特徴的なのは、精神障害当事者がピアスタッフとしてイベントを仕掛けたり、病院選択の情報を発信したりしていることだ。長年精神医療の実態を報じてきた、ジャーナリストの佐藤光展さんも活動に加わっている。 「精神医療の世界では、これまで患者自身が声を上げる機会は乏しかった。それゆえ、危険な存在だと見下されているのが実態です。病院の情報開示はもちろんのこと、患者自身がもっと声を上げていくことが必要だと思っています」(佐藤さん)』、「病院の情報開示はもちろんのこと、患者自身がもっと声を上げていくことが必要」、同感である。

次に、本年3月16日付け東洋経済オンライン「引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/415829
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第10回』、「人権上の問題が山積」とは見逃せない。
・『自立研修センターから病院へ強制連行  「今からあなたを『病院』に連れていきます。これは強制です」 2018年5月上旬、30代男性のAさんは9日間にわたり監禁状態に置かれた施設の職員にそう告げられた。施設の名は東京・新宿区にある「あけぼのばし自立研修センター」、ひきこもりの自立支援をうたう民間事業者が運営していた。いやがる当事者を自宅から無理やり連れ出し、施設に監禁・軟禁するなどで社会問題化した、いわゆる「引き出し屋」だ。 Aさんは大学卒業後、就職せず両親と同居し独学していた。親心からAさんの将来を心配し、就労することを希望していた両親は、Aさんの就職を支援するというセンターと契約し、約700万円を支払った。 職員に監視され、ドアには外からカギがかけられるなど監禁状態だったセンターの地下部屋から、職員とともにAさんを連れ出したのが、その8日前に両親と住む自宅から無理やり施設に連行した「民間救急会社」の男性たちだ(民間救急会社については、連載第4回「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験」2020年9月25日配信で詳報)。 黒いジャンパーと手袋で身なりを固めた強靭な体躯の男性2人に両脇を固められ、Aさんを乗せた車は出発した。 Aさんはセンター入所後、抗議の意を込めてほとんど食事を取っておらず体力も著しく落ちていたので、それ以前にも職員から病院で点滴する必要があると告げられていた。そのため、具体的な行き先を告げられることはなかったが、「点滴をするため、近くの内科クリニックにでも連れていかれるのだろう」と思っていた。 だが車は近場では止まらなかった。到着したのは施設のある新宿区からは離れた病院の、救急搬送口だった。施設職員に連れられ建物に入ると、救急外来用の診察室へと通された。 「ここの病院は何科ですか?」。控室のような殺風景な小部屋の雰囲気に不安を覚えたAさんはセンターの職員に尋ねた。「精神科だ」。職員はそう手短に答えた。Aさんはそのとき初めて自らが連れてこられたのが精神科病院だと知らされた。 「点滴か健康診断かと思っていたので、まさか精神科病院に連れてこられるとは思わず、想定外の事態に心中ではそうとう動揺していた」(Aさん) 強い不安の中、10分ほど小部屋で待っていると、白衣を着た医師が現れた。「どうしてここに来たんですか?」、医師からそう問われたとき、Aさんは、「ああ、これで今までのことをきちんと説明すれば助けてもらえるだろう」と安堵。センター職員の同席にも構わず、医師に自らの置かれた状況を一気に打ち明けた。 「自宅にいたら無理やりセンターに連れてこられて、9日間も監禁されていました。人道的な見地から助けてください」 決死の訴えに対して医師は、「今日からここに入院してもらいます」とのみ告げた。驚いたAさんが再度「人道的な見地から助けてください」と懇願するも、「もう決まったことだから」などと言い(病院側は「診療録の生活歴・現病歴に記載されている経過を尋ね、精神科における入院治療の必要性を伝えた」と民事訴訟における準備書面で主張)、母親から同意を得て、本人の意に反した「医療保護入院」が決定された』、「両親は、Aさんの就職を支援するというセンターと契約し、約700万円を支払った」、そのあげく僅か7日間で、「センター」から「精神病院」に入院させたとは、「両親」は知っているのだろうか。
・『Aさんに精神疾患の既往歴はなかった  医療保護入院は精神科特有の制度で、本人が同意しなくても、家族など1人の同意に加え、1人の精神保健指定医の診断があれば強制入院させられる。ちなみにAさんには精神疾患の既往歴はいっさいない。 医師が話を打ち切ると、小部屋の隣の扉が開き複数の屈強な男性看護師たちに取り囲まれた。とっさに両手を挙げて、「先生、よくわかりません、助けてください!」と叫んだが無視され、隔離室へと連行された。 施錠された隔離室に入れられて数時間後、女性を含む4人の看護師が入ってきて、Aさんに服を脱ぐよう指示した。こんな入院はおかしいと反発すると、ベッドへと誘導され身体拘束され、あっという間に上半身、ついで下半身と順に裸にさせられた。) Aさんは看護師たちにおむつを履かされ甚平のような服を着せられた。手と胴がベッドに拘束されたことで、ほとんど身動きが取れなくなった。 この間、Aさんは身体的な抵抗はいっさいしなかった。「暴れたりしたら精神疾患だと受け取られかねないと、意識的に冷静に対応するよう努めた。それに実際9日間何も食べてないので、抵抗したり暴れたりする体力も気力もなかった」。 仰向けにベッドに固定され、寝返りを打つこともできないまま3日間過ごすことになった。なにより屈辱を感じたのは、トイレに行くことが許されず、おむつへの排泄を強要されたことだ。 「結局、大便も小便もおむつにするしかなかったが、おむつ交換の回数は限られ、不快感が強く、衛生的にもどうかと思った。これを看護師に交換されるというのも、とても屈辱的だった」(Aさん) 3日間の身体拘束が終わったのちも、Aさんは閉鎖病棟での日々が続いた。 2018年5月下旬、主治医から病名は発達障害の疑いだと告げられた。その診断理由を尋ねると、「あなたは今まで10年間教会のミサに通い続けていたよね。それは社会の一般通念からずれている。それが根拠です」と説明されたとAさんは話す(民事訴訟における準備書面で、病院側は説明内容を否定)。当然承服できないと反論したが、「それはあなたに病識がないからだ」と一蹴されたという。 翌月の6月に入ると退院調整が図られるようになったが、病院側は自立研修センターへの退院を強く求めた。退院時にはセンターの職員に連れて行ってもらうことになるが、もしこれを拒否したら、再度別の病院で入院になることが予想されると説明された。 Aさんは強く反発したが、結局、センターへの退院を了承した。閉鎖病棟での生活は50日間にわたった』、「仰向けにベッドに固定され、寝返りを打つこともできないまま3日間過ごすことになった。なにより屈辱を感じたのは、トイレに行くことが許されず、おむつへの排泄を強要されたことだ」、人権侵害の極致だ。「あなたは今まで10年間教会のミサに通い続けていたよね。それは社会の一般通念からずれている。それが根拠です」と説明された」、こんなのが「発達障害の疑い」の根拠とは聞いて呆れる。
・『誓約書を強要  退院するや否や、Aさんはセンターから「誓約書」(写真)へのサインを強要された。 ① 医師の診断に従い、通院・服薬を続けること ② 実家に帰らない、家族に連絡を取らないこと ③ (センターの)カリキュラムは全参加すること という内容だ。誓約書の文末には下記の一文があった。 「上記ルールを守れない場合は、再度入院する事に同意致します。」 少なくともセンター側が、身体拘束の恐怖や強制入院の理不尽といったAさんの心身に刻まれた精神科病院でのトラウマを、指示に従わせる「道具」として活用しようとしたことは明白だ。 Aさんはその後、弁護士らの援助でセンターを抜け出し、センターと病院の職員・医師らを逮捕監禁罪などで刑事告訴。別途、民事訴訟でも損害賠償を求めて争っている。センターの運営会社は2019年末に破産した。病院への刑事告訴は正式に受理されて、現在捜査中だ。 Aさんの代理人の1人で、同センターのほかの被害者からも相談を受けている、代々木総合法律事務所の林治弁護士は、「被害者たちはみな、センターの職員から言うことを聞かないと精神科病院に入れられ、身体拘束もされると脅されていた。Aさんが身体拘束されておむつで排泄していたことはみな知っていた。精神科病院への入院が引き出し屋によって、いわば見せしめ的に使われている」と実情を語る。 内閣府によれば、ひきこもりの人数は15~39歳で54万1000人(2016年発表)、40~64歳は61万3000人(2019年発表)と推計されている。総数は100万人を超えるとみられている。ひきこもりが長期化・高齢化しているとも報告され、本人や支える家族の不安や悩みは大きい。 そうした悩みにつけこんで、「半年で自立させる」などと甘言を用いて、両親など家族から高額な費用を巻き上げる引き出し屋は、決してこのセンターだけではない』、「センターの運営会社は2019年末に破産」、「700万円」はその前に返還されたのだろうか。「本人や支える家族の不安や悩みは大きい。 そうした悩みにつけこんで、「半年で自立させる」などと甘言を用いて、両親など家族から高額な費用を巻き上げる引き出し屋は、決してこのセンターだけではない」、全く悪質極まりないビジネスだ。これと手を組んでいる筈の「精神病院」も問題がある。
・『病院が著名教授を提訴  こうした悪質業者の手先ともいえる役割を、結果的に精神科病院が果たしてしまっていることについて、当の病院側はどう考えているのか。 取材に対して、病院側は「本件は現在係争中であり、また守秘義務もありお答えできない」としている。 ちなみに病院は、民事訴訟の準備書面において、「原告(Aさん)はあたかも被告病院が研修センターと一蓮托生であるかのごとき主張をするが、まったく研修センターと被告病院とは関係はなく、連携等もおこなっていない」「研修センターへの誓約書記載の入所条件については、原告と研修センターとの問題であり、被告病院が積極的に関与したものではない」などと主張している。 なおこの病院は昨年、ひきこもり問題の第一人者で筑波大学教授の斎藤環医師を名誉棄損であるとして、300万円の損害賠償を求め提訴した。斎藤教授がAさんの刑事告訴と民事訴訟に関する報道を引用して、ツイッターでコメントしたことがその理由だ。 取材に応じた斎藤教授は「近年、統合失調症への薬物治療が進んだことなどで、精神科病院への新規入院件数は減少傾向にある。そのため多くの病院はできるだけ多様な入院ニーズを確保したい。この病院が直接それにあたるかは別にして、引き出し屋と結託すれば相応の患者数を定期的に受け入れられると考える精神科病院があっても不思議ではない」と警鐘を鳴らす』、「精神科病院への新規入院件数は減少傾向にある。そのため多くの病院はできるだけ多様な入院ニーズを確保したい。この病院が直接それにあたるかは別にして、引き出し屋と結託すれば相応の患者数を定期的に受け入れられると考える精神科病院があっても不思議ではない」、医師がこんないかさまビジネスの片棒を担ぐとは世も末だ。
・『「拷問に等しい犯罪行為」  実際、ひきこもり状態にあったところ、精神科病院に強制入院させられたケースはAさんだけではない。 「身体拘束されて隔離室に入れられたときは、閉塞感と圧迫感で絶望的な気持ちになった」。埼玉県在住の30代男性のBさんは、精神科病院への入院体験を振り返る。 男性はいじめによる強迫性障害が原因で、高校1年からひきこもり状態となった。20代後半となったある日、寝ている間に父親と親戚など5人前後の男性に養生テープで簀(す)巻きにされ、そのまま車で大学病院へと搬送された。 隔離室でテープは剥がされたものの、搬送時に口中に砂が入り服薬をためらっていると、医師に投薬拒否と判断され、室内のベッドにそのまま拘束された。 万歳した状態で、手足と胴の「5点拘束」され、投薬、食事とも経鼻経管で行われた。BさんもAさんと同じく、拘束中はトイレにも行かせてもらえず、用便はおむつでの対応を余儀なくされた。 「交換は1日2回と決められており、隔離室前を通る看護師に交換をお願いしても無視され続けた」(Bさん) Bさんは退院後に大検に合格し、今は通信制の大学で学び、福祉系の資格を取得して働こうと考えている。フルタイムで事務職のアルバイトもしている。 ただ、当時の精神科病院での体験は確実にトラウマとなっていると振り返る。「今でも隔離室でされたことは拷問に等しい犯罪行為だと思っている」(Bさん)。 成人男性ですら、何年たっても深いトラウマとして心身に刻み込まれる精神科病院での身体拘束。こうした行為が未成年の少女に、驚くべきほど長期間実施されていたケースすらある。(第11回に続く)』、親や船籍にとっては、厄介者払い的な色彩もあるだろうが、ここまで酷い人権侵害が起きていることまでは知らない筈だ。「引き出し屋」がまだ営業を続けているのであれば、刑事告発したり、民事で損害倍書訴訟をしていくことにより、息の根を止めるべきだろう。

第三に、2月19日付けYahooニュースが転載した幻冬舎OLD ONLINE「東大医学部が医師国家試験の合格率で55位の下位に沈む理由」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/92101662413bbc6756ddac0d52dc691e8c6398e6?page=1
・『灘高→東大理3→東大医学部卒。それは、日本の偏差値トップの子どもだけが許された、誰もがうらやむ超・エリートコースである。しかし、東大医学部卒の医師が、名医や素晴らしい研究者となり、成功した人生を歩むとは限らないのも事実。自らが灘高、東大医学部卒業した精神科医の和田秀樹氏と、医療問題を抉り続ける気鋭の医療ジャーナリストの鳥集徹氏が「東大医学部」について語る。本連載は和田秀樹・鳥集徹著『東大医学部』(ブックマン社)から一部を抜粋し、再編集したものです』、興味深そうだ。
・『大学病院よりも一般病院での研修をする研修医が増えた  「新臨床研修制度」がもたらしたものとは? 鳥集 2004年には、「新臨床研修制度」が導入されました。この制度が導入された背景には、1990年代以降、医局人事を握る教授への賄賂や権威主義を背景にした医療事故の隠蔽などが、メディアの告発によって表沙汰となったこともあります。 また、1998年に関西医科大学で月額6万円の奨学金と、1回あたり1万円の宿直手当だけで土日も休みなく働かされていた研修医が、急性心筋梗塞で過労死するという事件が起きたことで、大学病院における若い研修医の奴隷のような働かせ方が社会問題となりました。これも、「新臨床研修制度」導入の後押しになったと言われています。 和田 もう一つは、当時、『ブラックジャックによろしく』*という漫画作品がベストセラーとなったことも影響していると思いますね。妻夫木聡さんが主演でドラマ化もされて人気を博しました。その漫画がヒットしていた頃、私は、「大学病院の今後のあり方」といったテーマのシンポジウムに登壇したことがあったのですが、同じシンポジウムに登壇していた厚生省(当時)の役人が、『ブラックジャックによろしく』を取り上げて、「今は情報化社会です。大学の名前にあぐらをかいて、何をやってもいいわけではない」という話をしたのです。ようやく厚生省が重い腰を上げたのかと驚いた記憶があります。 『ブラックジャック~』の舞台は大学病院で、主人公は研修医です。大学の医局の医者が、いかに臨床ができなくて実験ばかりに手を出しているか、たとえば教授はミミズの解剖はしたことがあるけれど、人間の解剖はしたことがなくて、助教授がいつも尻拭いをしているというようなリアルなエピソードがたくさん出てくるのです。あの作品は、一般市民に、大学の医局の実態とともに、病気を診るが人間を診ない、診られない医師がたくさんいることを知らしめたことになります』、「新臨床研修制度」により「大学病院よりも一般病院での研修をする研修医が増えた」、のは結構なことだ。
・『◆『ブラック・ジャックによろしく』(佐藤秀峰著、2002年、講談社刊。主人公は超一流私大附属病院に勤務する1年目研修医。理想とかけ離れた日本の医療の矛盾に苦悩しつつ、病院・医師ごとの技術レベルの違い、終末期医療と医療費問題、研修医のアルバイト問題、がん治療と緩和ケアなど、現在の大学病院のさまざまな問題に直面しながら、一人前の医師へと成長していく物語。連載早々大反響を巻き起こした衝撃の医療ドラマ。) 鳥集 「新臨床研修医制度」は、こうした医局講座制の悪しき慣習を一掃する形で制度設計されたと聞いています。変革の目玉は3つありました。 最大の目玉は、2年以上の臨床研修が必修化されたことです。いわゆる専門バカを生む徒弟制度を改めて、新米医師全員にまともな臨床教育を受けさせるようにしたのです。この初期研修を終えなければ、医師は事実上臨床に従事することができなくなりました。また、この期間は研修に集中してもらうため、アルバイトは原則禁止とし、研修医が生活するのに十分な給料を病院が支払うように決められたのです。 2つ目の目玉は、アメリカで行われている「スーパーローテート」という研修方式を採り入れたことです。初期研修医たちは、この方式によって2年の間に内科や外科だけでなく、救急、地域医療、小児科、産婦人科、精神科などを6ヵ月から1ヵ月単位でくまなく回ることも義務づけられました。これ以上、専門バカを量産させないようにするためです。 3つ目の目玉は、研修病院の選択に、「マッチング」という方式を採り入れたところです。医学生たちは6年になると、病院の面接や試験を受けて、研修先の希望順位を、厚労省の下にある機関〈医師臨床研修マッチング協会〉に提出することになりました。一方、病院側も採用したい学生の希望順位を協議会に提出します。それをコンピューターにかけて、順位の高いもの同士を優先して研修先を決められるようになりました。 和田 この制度によって、何が変わったかといえば、大学病院での研修よりも一般病院での研修を希望する研修医が増えたことです。医局が手薄になった大学病院が続出しています。そのため、この制度を批判する教授も少なくありません。 たとえば、岩手医科大学の学長(当時)の小川彰氏もそうです。 要するに岩手だとか山形、秋田など、過疎地と呼ばれる地域の大学にも、昨今の医学部人気によって東京の進学校からたくさん生徒が進学してきていた。彼らは、その生徒たちがいずれ自分の大学病院で働いてくれるものと思って大事に育てていた。しかし、このマッチング制によって、ほとんど東京に帰ってしまう。それで、田舎の医者不足が深刻になった。過疎地の病院を追い込むようなこの制度を廃止しろと政府に要望書を提出したのです。 鳥集 確かにこの制度が実施される前までは、医学部を卒業した後、約7割が自分の大学の医局に入局していました。しかしこれにより、半数以上の研修医が自分の大学以外の臨床研修病院に集まるようになりました。このマッチング結果は、「医師臨床研修マッチング協議会」のHPで誰でも見ることができます。 和田 だから、岩手医科大学の要望は一見、正論に見えるかもしれません。しかしちゃんと調べてみると驚くべきことがわかったのです。岩手県全体では、臨床研修が必修化された結果、臨床研修に訪れる研修医が倍近くまで増えていたのです。 岩手医大と同じ盛岡市にある岩手県立中央病院には、定員19名のところ、平成25年度の研修第一希望者は25名でした。岩手県立中央病院は臨床を一生懸命やる病院として、研修医の間でもよく知られていたからです。つまり、岩手医科大学附属病院に研修医が3人しか集まらなかったのは研修医が東京に行ってしまうことが理由ではなく、すぐ近くの県立病院に行っていたからなのです。実際、東京都の研修医はこの制度が採用されてから2割も減りました。厚労省が発表しているデータを見ればすぐにわかる嘘を言う小川氏も小川氏なら、調べもしないで小川氏の要望を擁護する大新聞の記者たちの無能ぶりもよくわかる話ですが』、「岩手医科大学附属病院に研修医が3人しか集まらなかったのは研修医が東京に行ってしまうことが理由ではなく、すぐ近くの県立病院に行っていたからなのです」、まるで笑い話だ。
・『東大医学部が「医師国家試験」の合格率55位の理由  鳥集 これは大きな地殻変動ですよね。協議会のHPを見る限り、研修医の大学病院離れはどんどん進んでいます。ただし、彼らがそのまま研修先の病院にとどまるとは限りません。2年間の初期研修を終えた後は、自分で決めた専門分野で学ぶために同じ病院や他の病院で専門的な後期研修を受ける者もいれば、大学院生として出身大学や有名大学の医局に入り直して、博士号を取るための研究を行う医師もいます。 とはいえ、徐々にではありますが、こうしてバラエティに富んだ研修医の存在が、相撲部屋然としていた医局制度のあり方に風穴を開けていくことは間違いありません。 和田 新制度の施行以来、大学の医局は慢性的な人手不足に悩まされています。今、ほとんどの大学病院で研修医は定員割れです。東大病院も定員割れですよ。 さらに東大病院においては、2019年度のデータを見ると、大学病院における自大学出身者の比率が2割程度ととても低いことがわかります。先の役人の言葉を借りれば、「この情報化時代に、大学の名前にあぐらをかいてはいけない」ということでしょう。 その一方で、たとえば、千葉の鴨川という、決して都会とは言えない立地の亀田総合病院*の倍率は、毎年2倍前後になっています。臨床をちゃんとやっている病院には、研修医はちゃんと集まるのです。いずれ患者の集まり具合も、単なるブランド志向ではなく、同じように変わっていくことでしょう。亀田総合病院の外来の待合室の賑わいを覗けば、もはやそういう流れになっていることがわかります。くだらない病院ランキングより、研修医の集まり具合を見るほうが、臨床の質がわかると思います』、「臨床をちゃんとやっている病院には、研修医はちゃんと集まるのです。いずれ患者の集まり具合も、単なるブランド志向ではなく、同じように変わっていくことでしょう」、「くだらない病院ランキングより、研修医の集まり具合を見るほうが、臨床の質がわかる」のは確かだ。
・『◆亀田総合病院 1948 年設立。千葉県鴨川市を中心に、各地に展開する亀田メディカルセンターの中核として機能する私立病院。95年より世界に先駆けて電子カルテシステムの本格運用を開始するなど、時代に先駆けた取り組みをすることで知られる。
・『東大医学部が、国家試験の合格率55位の謎  鳥集 教授の支配力が弱まったとはいえ、医局講座制による権力構造が完全に崩れるのは、まだまだ時間がかかるでしょう。しかし伝統校を出なくても、本人の努力次第で、就職差別的な医局の壁を打ち破れる可能性が出てきたのは事実です。今後、医師は「どこの大学を出たか」ではなく、臨床技術や研究者としての実力で評価される傾向がより強くなるでしょう。 それに関連することですが、私は、2019年文春オンラインに、〈なぜ日本最難関の東大医学部が、医師国家試験*で合格率「55位」なのか〉という記事を書きました。 全大学・全学部のなかで最高の英才たちが集まる東大医学部の合格率が全国平均と同じ、普通レベルになってしまうのです。順位も中の下で55位。受験が最も得意なはずの東大医学部の人たちは何をしているのだろう? どうして国試ではこんなにもふるわないのだろう? と誰もが不思議に思うでしょう。それには、いろいろな理由が考えられると思います。 まず、東大をはじめとする旧七帝大*のような伝統ある大学では、国試対策の授業やテストをほとんど行いません。旧七帝大は事実上、医学研究者や教育者、学会リーダーの育成機関としての役割を担ってきました。なので、国試を前提とした教育には力を入れてこなかったのです。 現役時代から国試予備校に通うような人も、プライドの高い旧七帝大の学生では少ないはずです。そんな予備校に通わなくても、自分の力で受かるはずだと思っているでしょうから。つまり、ほとんど自助努力で国試に挑むことになるために、一定数が落ちてしまうと考えられます。 和田 さらに言えば、旧七帝大は伝統という名のプライドからか、カリキュラム自体が旧態依然としているところがあります。偉い教授の意向を反映しがちなので、授業内容にその教授の専門分野だけというような偏りが出るのです。アメリカではかなり統一したカリキュラムがあります。日本でもコア・カリキュラム(以下コアカリ)ができましたが、アメリカのものと比べるとまだまだだと感じます』、「現役時代から国試予備校に通うような人も、プライドの高い旧七帝大の学生では少ないはずです」、納得した。
・『◆医師国家試験(医師になるためには、医師国家試験をパスし、厚生労働大臣から医師としての免許を受ける必要がある。医師国家試験に合格すると、医籍に登録されて、医師免許証が交付される。 ◆旧七帝大(旧七帝大とは、戦前、日本の国立総合大学だった北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の7校をまとめた大学群のこと。旧帝國大学、七帝大などの呼ばれ方をしている』、
・『試験問題は臨床をろくに知らない教授が作っている  鳥集 また、臓器、器官、骨、神経、血管、組織等の名前を細かく記憶しなければならない解剖学が典型ですが、医学というのは、大量暗記を求められることの多い学問です。難しい問題を工夫して自力で解くことに快感を覚えるような高偏差値の人のなかには、大量暗記を馬鹿らしく思ってしまう学生もいるのではないかと。東大生や京大生でも、国試浪人したのに再度落ちてしまう人が毎年一定数います。あげく医師になれないで終わる人がいるのです。 和田 その見方は正しいでしょうね。国家試験の合格率が高い医学部は、きちんと大学が対策をしてくれているわけです。国家試験だって、入試と同じで過去問をやらなければ合格は難しいのです。しかし、その国家試験自体に、問題があると私は思っています。 海外の医師国家試験は、ほぼ臨床をやっているドクターが問題を作っていますが、日本においては、未だに国家試験というのはそのほとんどが、臨床をろくに知らない医学部の教授が重箱の隅をつつくような試験問題を作っているわけです。本当は、がんの問題ならばがんセンターの部長とか、循環器の問題ならば循環器病センターの人が、リアルな内容の問題を作成すればいいはずです。だけど日本では、そういうことは許されていません。だから、実際に医者になったときに、役に立たない問題がたくさんありました。現在は、臨床のリアルな症例に基づいたD問題とかE問題とかが出てきて改善されつつありますが。 私が受けた当時の国家試験というのは、先述の通り、要するに過去問を愚直にやっている奴は受かるし、やっていない奴は落ちるという、ただそれだけの試験だったのです。しかし、その事実にさえ、遊び過ぎていた私は気がつかなかった。今思えば不思議なもので、人間というのは、優等生のときは優等生の発想ができるんです。灘の高3の頃は、理3は440点満点で290点を取ればいいんだという発想ができたのに、劣等生になると、そういう発想ができなくなっていた。ただただ、朝倉書店の「内科学」*を一生懸命読むとかね。医師国家試験を前にして私は、馬鹿な受験生そのものでしたから……。 ここは誤解されたくないので恥を忍んで言っておきましょう。灘高に入ったときから頭がいいという自覚もなかった私は、東大生になっても真面目に授業も出ずに、サブカル系雑誌ライターの仕事や映画の現場の使い走りなど、勉強以外に精を出していたため、気づけば、医師国家試験の不合格が確実視されていました。 東大理3は、毎年3~4人が医師国家試験に落ちています。たいていが心の病気が理由で不合格になっているのですが、私の場合は、遊びが過ぎたという情けない理由で、国家試験の模試で不合格判定されたのです。そのときに灘の同級生で一番の秀才だった伊佐正*氏が「和田、お前、このままじゃ落ちるで」と言って、勉強会に誘ってくれたのです、そこで過去問をやる意味を認識させられた。ありがたかったですね』、「難しい問題を工夫して自力で解くことに快感を覚えるような高偏差値の人のなかには、大量暗記を馬鹿らしく思ってしまう学生もいるのではないかと。東大生や京大生でも、国試浪人したのに再度落ちてしまう人が毎年一定数います。あげく医師になれないで終わる人がいるのです」、もったいない話だ。現在は受験指導もしている「和田」氏も「灘の同級生で一番の秀才だった」友人が「勉強会に誘ってくれた」ので、「国家試験」に合格したとは初めて知った。
・『◆朝倉書店の『内科学』(現在第11版を重ねる、医師国家試験問題基準の内科関連項目を網羅する参考書。 ◆伊佐正(いさ ただし。灘高卒、1985年東京大学医学部卒。医学博士。専門は運動制御の中枢機構、意識・注意の脳内メカニズム、脳・脊髄損傷からの機能回復機構など。京都大学大学院医学研究科医学専攻教授、京都大学医学研究科脳機能総合研究センター長、京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点副拠点長など歴任』、。
・『鳥集 高3のときは自ら戦術的な勉強法を生み出した和田さんが……。またもや同級生のノートで助けられたということですか。 和田 そうなんです。その勉強会に出てみると、みんなで過去問ばかりをひたすら解いているのがわかりました。特別に高度な勉強法をやっているかと思いきや、ただ、ひたすらに。そして、勉強するのは問題に出たところの周囲の知識ばかり。それを知って、私も勉強法がわかって、無事に国家試験に合格することができました。 鳥集 追い詰められるほど、周囲が見えなくなってしまうのでしょうね。しかしこれは和田さんに限ったことではなく、東大理3の入試の段階で日本一偏差値が高かったはずなのに、国試で苦労するという人も少なからずいるわけですよね。 和田 確かに理3の人間には、今さら丸暗記の勉強なんて馬鹿馬鹿しくてやってられないよ、と考える人もいるでしょう。 鳥集 もっとも、国家試験合格率の高さと優秀な医師を輩出している大学というのはイコールとは限りません。以前、ある合格率が高い私立大医学部の名誉教授がこう話してくれました。「合格率が高いのは、早々と臨床実習を切り上げて、6年生になったら国試対策ばかりをやっているからだ。でも、本当にこれが医師になるための教育? と疑問に思う。実際の臨床は座学では教えられません。医師を育てるための本来の教育が欠けているように感じる」と。 国試合格率が7割を切ると、補助金(大学院高度化推進特別経費)がカットされる恐れもありますから、特に歴史の浅い私立大学では学生に国試対策の勉強ばかりさせて、試験も国試の形式で出すそうです。そして、国試に受かりそうにない学生は卒業させず、国試を受けさせない。成績のいい学生だけに絞って国試を受けさせるので、見かけの合格率が一定以上に維持できているのです。私立大学のなかには、100人単位で「国試浪人」が溜た まっているところもあると聞きました。 和田 一方の東大は、マニアックな研究をしている教授が多いため、国試対策どころか、趣味的な講義しかしない教授も多かったのです。つまり、講義自体が国家試験に対応できていないのです。当時はコアカリがなかったので、かなり偏っていましたよ。それはそれで、先程も申し上げたように刺激的ではありましたがね。 鳥集 コアカリというのは、2001年に文科省が出した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」のことですね。それまでは、医学部によって教える内容にバラつきがありました。たとえば、国立大学では座学が中心で臨床教育を軽視しているという批判がある一方で、一部の大学では医学生にお産を手伝わせるようなこともあったといいます。 また、先の話でも出たように、歴史の浅い私大では臨床実習をほどほどにして国試対策にばかり力を入れるところも多かったのです。こうした状況を打破するため、どの大学の医学部を出ても最低限必要な知識・技能・倫理を身につけられるように医学教育の内容を標準化しようというのが目的でした。さらに、コアカリは「よき臨床医」を育てることに主眼を置いています。今までこうした取り組みがなかったのが不思議なほどです。 これにより、医学部がより「職業訓練校」と化したと批判する向きもあるようです。確かに各大学には「良医を育てる」「医学のリーダーを養成する」といった理念の違いがあります。東大医学部のHPには、このように書かれています。 〈東京大学医学部の目的は生命科学・医学・医療の分野の発展に寄与し、国際的指導者になる人材を育成することにある。すなわち、これらの分野における問題の的確な把握と解決のために創造的研究を遂行し、臨床においては、その成果に基づいた全人的医療を実践しうる能力の涵かん養ようを目指す〉 つまり、東大医学部生は、国家試験は自助努力でなんとかしなさい、東大生なら自分たちでできるでしょ? ということなのでしょう』、「特に歴史の浅い私立大学では学生に国試対策の勉強ばかりさせて、試験も国試の形式で出すそうです。そして、国試に受かりそうにない学生は卒業させず、国試を受けさせない。成績のいい学生だけに絞って国試を受けさせるので、見かけの合格率が一定以上に維持できているのです」、「臨床実習をほどほどにして国試対策にばかり力を入れるところも多かった」、確かに見かけ上の合格率だけでは判断できないようだ。
タグ:医療問題 東洋経済オンライン yahooニュース (その28)(精神病院「情報開示に消極的」な姿勢への大疑問 公的にも自主的にも隠し 患者には評価できない、引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕、東大医学部が医師国家試験の合格率で55位の下位に沈む理由) 「精神病院「情報開示に消極的」な姿勢への大疑問 公的にも自主的にも隠し、患者には評価できない」 「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、全く歪な姿だ 「精神科病院」はもともと閉鎖的になりやすいだけに、「公開されているのは、病院の設立区分や都道府県ごとに集計された数値にとどまる。本来、患者や家族が知りたいのは個別病院のデータのはずだが、そうした要望に応えるものにはなっていない」、やはり要開示項目を増やすべきだろう 「地業研が刊行する『東京精神病院事情2015年版』」、は数少ない情報源のようだ。 「日精協」が「声明文発表の2カ月前に毎日新聞が、50年以上入院する患者が全国に1700人以上いると報じた記事」に触れ、「まさにわれわれの危惧が現実となったものである」と批判」したのは、不都合な事実を「個人情報保護」とは本来、無関係なのに、強引にそれを大義名分に抑制しようとするものだ 困ったら病院に入れるのがゴールだと安易に思ったり、精神疾患を持つ患者が社会に出てきたら困ると思い込んだりしている私たち自身の偏見に向き合うためにも、ロクサンマル調査でわかるデータは行政や病院が抱え込むものではなく、市民にとってオープンであってほしい」、その通りだ 「病院の情報開示はもちろんのこと、患者自身がもっと声を上げていくことが必要」、同感である。 「引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕」 「人権上の問題が山積」とは見逃せない 「両親は、Aさんの就職を支援するというセンターと契約し、約700万円を支払った」、そのあげく僅か7日間で、「センター」から「精神病院」に入院させたとは、「両親」は知っているのだろうか。 「仰向けにベッドに固定され、寝返りを打つこともできないまま3日間過ごすことになった。なにより屈辱を感じたのは、トイレに行くことが許されず、おむつへの排泄を強要されたことだ」、人権侵害の極致だ。「あなたは今まで10年間教会のミサに通い続けていたよね。それは社会の一般通念からずれている。それが根拠です」と説明された」、こんなのが「発達障害の疑い」の根拠とは聞いて呆れる 「センターの運営会社は2019年末に破産」、「700万円」はその前に返還されたのだろうか。「本人や支える家族の不安や悩みは大きい。 そうした悩みにつけこんで、「半年で自立させる」などと甘言を用いて、両親など家族から高額な費用を巻き上げる引き出し屋は、決してこのセンターだけではない」、全く悪質極まりないビジネスだ。これと手を組んでいる筈の「精神病院」も問題がある 「精神科病院への新規入院件数は減少傾向にある。そのため多くの病院はできるだけ多様な入院ニーズを確保したい。この病院が直接それにあたるかは別にして、引き出し屋と結託すれば相応の患者数を定期的に受け入れられると考える精神科病院があっても不思議ではない」、医師がこんないかさまビジネスの片棒を担ぐとは世も末だ 親や船籍にとっては、厄介者払い的な色彩もあるだろうが、ここまで酷い人権侵害が起きていることまでは知らない筈だ。「引き出し屋」がまだ営業を続けているのであれば、刑事告発したり、民事で損害倍書訴訟をしていくことにより、息の根を止めるべきだろう 幻冬舎OLD ONLINE 「東大医学部が医師国家試験の合格率で55位の下位に沈む理由」 和田秀樹・鳥集徹著『東大医学部』(ブックマン社) 「新臨床研修制度」により「大学病院よりも一般病院での研修をする研修医が増えた」、のは結構なことだ ブラック・ジャックによろしく 「岩手医科大学附属病院に研修医が3人しか集まらなかったのは研修医が東京に行ってしまうことが理由ではなく、すぐ近くの県立病院に行っていたからなのです」、まるで笑い話だ 「臨床をちゃんとやっている病院には、研修医はちゃんと集まるのです。いずれ患者の集まり具合も、単なるブランド志向ではなく、同じように変わっていくことでしょう」、「くだらない病院ランキングより、研修医の集まり具合を見るほうが、臨床の質がわかる」のは確かだ 「現役時代から国試予備校に通うような人も、プライドの高い旧七帝大の学生では少ないはずです」、納得した 「難しい問題を工夫して自力で解くことに快感を覚えるような高偏差値の人のなかには、大量暗記を馬鹿らしく思ってしまう学生もいるのではないかと。東大生や京大生でも、国試浪人したのに再度落ちてしまう人が毎年一定数います。あげく医師になれないで終わる人がいるのです」、もったいない話だ 現在は受験指導もしている「和田」氏も「灘の同級生で一番の秀才だった」友人が「勉強会に誘ってくれた」ので、「国家試験」に合格したとは初めて知った 「特に歴史の浅い私立大学では学生に国試対策の勉強ばかりさせて、試験も国試の形式で出すそうです。そして、国試に受かりそうにない学生は卒業させず、国試を受けさせない。成績のいい学生だけに絞って国試を受けさせるので、見かけの合格率が一定以上に維持できているのです」、「臨床実習をほどほどにして国試対策にばかり力を入れるところも多かった」、確かに見かけ上の合格率だけでは判断できないようだ
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保育園(待機児童)問題(その11)(保育園が突如閉園 広がる保護者の困惑と不安 閉園の2週間前に通知 市の通知にも応じず、川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…、保育士の「地域ごとの年収」開示が今必要な理由 「保育の質」に関わる超重要な問題だ) [生活]

保育園(待機児童)問題については、昨年7月12日に取上げた。今日は、(その11)(保育園が突如閉園 広がる保護者の困惑と不安 閉園の2週間前に通知 市の通知にも応じず、川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…、保育士の「地域ごとの年収」開示が今必要な理由 「保育の質」に関わる超重要な問題だ)である。

先ずは、昨年11月26日付け東洋経済オンライン「保育園が突如閉園、広がる保護者の困惑と不安 閉園の2週間前に通知、市の通知にも応じず」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/390512
・『「2020年10月31日をもって当施設を閉園することを判断いたしました」 千葉県印西市の小規模認可保育園「にこにこルーム原山」を利用する保護者が閉園を知らせる手紙を突然受け取ったのは、閉園2週間前の10月18日のことだった。 同園の運営会社は2020年10月末で閉園することを10月17日付で保護者に文書で通知した。保護者への説明会は一度も開かれないままだ。職員が閉園と他園への異動を通知されたのは、さらに遅い10月20日のことだった』、「保護者に文書で通知」が「閉園2週間前」、とこんな急な「閉園」が、「小規模」とはいえ、認可保育園で発生したとは驚いた。
・『「保育士不足と経営悪化」で閉園に  新しい保育園に通う場合は通常、子どもが環境に慣れるために短時間だけ子どもを預ける「慣らし保育」を行う。しかし、今回のような急な閉園の場合は十分な慣らし保育の期間を設けることができない。 同園の保護者らは「急な閉園で預かってもらえないと本当に困る。度重なる転園は子どもの精神的な負担が大きく、心配だ。子どもたちに負担がないように配慮してほしい」と当惑を隠せない。 にこにこルーム原山は少人数型の小規模保育園で、閉園の通知当時、3人の園児が在籍していた。運営するのは、東京都や千葉県で7カ所(同園含む)の小規模保育園を運営する都内の株式会社だ。運営会社は保護者宛の手紙で、「(閉園の理由は)保育士不足と経営悪化」と説明している。 認可保育園を閉園する場合、自治体首長の承認が必要になる。印西市は休園を承認しておらず、10月27日、運営会社に対して11月以降も運営を継続するよう文書で通知したが、運営会社は閉園の方針を撤回しなかった。 保育士ら3人の正社員らは運営会社に閉園の撤回を求め、11月以降も運営を続けようとしていた。 ところが、11月に入って運営会社は施設の鍵を変えたため、職員や園児の荷物が施設内に残されたまま、中に入れない状態になった。職員の保育士は「子どものことも、園を頼りにしている保護者のことも考えずに、閉園を強行するのは信じられない。運営会社は経営状況の悪化を理由にあげているが、いま閉園しようとしているのは別の理由があると思う」と話す。 ▽ベビーベッドも補修してもらえず(運営会社が正社員らに命じた異動先は、自宅から電車で片道2時間ほどかかる都内の保育園だ。職員らが個人加入している介護・保育ユニオンは、「職員はばらばらの遠い園に異動になる。閉園は団体交渉で声を上げた職員への報復の意味が大きい」と指摘する。 同園は新型コロナウイルスの影響で4~5月に休園になった。休園中も、自治体から認可保育園に支払われる委託費は変わらない。そのため、国は労働基準法に基づく平均賃金の6割の休業手当の支払いにとどまらず、通常と同水準の賃金を職員に支払うように都道府県に通知を出した。しかし、同園は職員に給料は6割しか支払っていなかった。 このため保育士らは2020年8月に同ユニオンに加入し、保育環境の改善と休園中の休業手当の支払いなどを求めて運営会社と団体交渉を行っていた。運営会社は2020年に入り、前年分の給料に過払いがあったとして、保育士らの給料から差し引くようなこともしていた。差し引かれた結果、ある正社員は月給1万7000円の月もあったという。 また、ベビーベッドが壊れても修理してもらえず、給食を作る調理員が2019年に辞めて後、補充されないなどの問題もあった。 「保育士は配置基準ぎりぎりで足りていない。1人でも欠ければ基準を満たさなくなる状態だ。畳がぼろぼろで、おもちゃを買ってあげたくてもお金がないと言われた。せめて子どもたちの設備だけでも、しっかり対応してほしい」(職員の保育士)) 保育士らから相談を受けた印西市は、2020年8月と10月、会社側に保育園の運営を改善するよう通知を出した。市は職員が配置基準に満たない日があるとして、保育士が休むときの対応方法を示すことや、園で調理を行う職員を配置するように指示した。 しかし、運営会社は市の通知に応えることもなく、職員は補充されることなく突如閉園となった』、「閉園の通知当時、3人の園児が在籍」、これでは赤字だろう。「新型コロナウイルスの影響で4~5月に休園になった。休園中も、自治体から認可保育園に支払われる委託費は変わらない」のに、「同園は職員に給料は6割しか支払っていなかった」、極めて悪質だ。
・『ハードルが低い民間保育園の閉園  それにしても、認可保育園はここまで急な閉園は可能なのだろうか。公立の認可保育園は、児童福祉法で3カ月前までに都道府県知事への届出が必要と定められているが、今回閉園した小規模認可保育園は届出から閉園までの期間の定めはなく、市区町村長の承認があれば閉園できる。 介護・保育ユニオンの三浦かおり共同代表は「規制緩和が今回の問題の背景にある。国は待機児童の解消を掲げて規制緩和を進め、2000年以降は株式会社が参入し、利益追求ありきの経営者が増えてきた。(閉園のハードルが低いため)利益が上がらないとなった時点で、閉園してしまう事業者が出てくる。今後も起こりうる問題だ」と指摘する。 小規模保育園は、通常の保育園よりも参入のハードルが低い。小規模保育園は定員が19人以下で、0歳~2歳児までを預かる。2015年の子ども・子育て支援制度で新たに国の認可事業になった。施設基準によってA型、B型、C型の3種類があり、最も定員が少ないC型では保育士資格の保有者が不要だ。 保育者や研究者ら約300人の会員で作る保育研究所の逆井直紀氏は「新たに小規模保育園を作ったのは、職員の資格要件を緩和する目的があった。認可保育園に入れない子どもの受け皿にするためだ」と指摘する。 厚生労働省の調査によると、小規模保育園の数は2016年の2429施設から、2018年には4267施設に急増している。4267施設のうち、企業立の割合が48%を占め、通常の認可保育園の割合が7%であるのと比べると、はるかに高い。 「保育園の運営は人件費と設備費が想像以上にかかる。国が定める職員の配置基準が低いため、実際には倍くらいの人手が必要だ。それを知らずに安易に開園すると、運営を見誤ることになる」(逆井氏) にこにこルーム原山は、定員9人に対して、2019年は7人、閉園時は3人の園児が在籍していた。保育士は「朝7時から19時まで開園しているため、(保育士のうちの)誰か体調不良で休めば長時間勤務を強いられることになる。会社に訴えても、園児を入れたら職員を増やすと言われるだけだった」と訴える』、「国が定める職員の配置基準が低いため、実際には倍くらいの人手が必要だ。それを知らずに安易に開園すると、運営を見誤ることになる」、「配置基準」を実態に合わせて多目にしておけば、「安易な開園」を防げる筈だ。何故なのだろう。
・『あいまいな公的責任  今回の閉園について、印西市保育課の担当者は「これまでも職員配置について改善を指導してきたが、改善されなかった。11月から休園状態になったが、市として休園を承認していないことは変わりないため、不承認での休園は児童福祉法に違反する」としている。 市は同園への認可を取り消す方向で検討している。しかし、児童福祉法違反に対する運営会社へのペナルティはない。 これに対し、運営会社の社長は「パート職員で十分に配置基準を満たしている。園児が少ないと委託費が少ないため、採算が合わない。これでは人件費を増やせない。卵が先か鶏が先かという話だ。市から安全面で指導を受けていたが、改善できなかった。子どもの安全が第一なので、そういう(市の)評価なら、潔く(運営を)やめるしかない」と話す。 民間の小規模保育園に対する公的責任はあいまいだ。通常の認可保育園は自治体が保護者から保育料を徴収し、入園する園児の調整も行う。小規模保育園も入園は自治体の調整によって決まることが多い。ただし、この調整は情報提供や紹介の域を出ないので拘束力はない。保育料も園が保護者から徴収する。 「小規模保育園については、行政は施設の入所もそこで提供される保育も、自治体は直接的な責任を負わない。公的責任において格差を是正するには、認可保育園と同じ扱いにすべきだ」(前出の逆井氏) 市によると、在籍していた園児の転園先が決まったため、廃園に向けて手続きが進んでいるという。結果的に短期間での閉園が認められる形となった。 待機児童の受け皿として増加する民間の小規模保育園だが、突然の閉園で何ら罪のない子どもたちが最もシワ寄せを受けている』、「閉園」に自治体の「認可」が必要といっても、辞める事業者には何の意味もない。「小規模保育園」の基準はやはり「認可保育園と同じ扱いにすべきだ」。

次に、本年1月8日付け東洋経済オンラインが掲載した 「保育園を考える親の会」代表の普光院 亜紀氏による「川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/399582
・『保育政策の充実度を測る指標は「待機児童数」だけではありません。過去20年にわたり主要100自治体へ保育施策に関する独自調査を行ってきた「保育園を考える親の会」の代表の普光院亜紀氏が、「入園決定率」「園庭保有率」「保育料」といった指標から、自治体ごとの真の「保育力」を分析します。第4回の今回は神奈川県川崎市です。 川崎市は、東京都と横浜市の間に帯状に広がる政令指定都市です。面積の割には人口が多く、全国の市で7位の約154万人を擁しています。市内をJRと私鉄が縦横に走り、都心部へのアクセスがよく、東京のベッドタウンとして発展してきました。代表的なエリアにはタワーマンションが林立する武蔵小杉駅があり、人口増加が続いています。 川崎市は7つの区から構成されています。保育に関する制度は川崎市全体で行われていますが、認可への入園申請は各区役所で受け付けています。川崎市民が居住区以外の区の認可保育施設を希望しても不利にはなりません。川崎市全体の数字を見ていきましょう』、興味深そうだ。
・『3つの指標で見る川崎市の保育力 入園決定率76.7%(主要89自治体*平均77.5%)園庭保有率70.7%(主要98自治体*平均71.8%) 中間的な所得階層の1歳児保育料3万3300円(主要98自治体*平均3万0587円) *首都圏の主要市区、政令指定都市100市区が調査対象だが、有効回答数は指標・年度によって若干異なる まずは入園決定率から見ていきましょう。保育園を考える親の会では、毎年、首都圏の主要市区と政令市の100市区について「100都市保育力充実度チェック」という調査を行っています。その中で、認可の保育(認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育等)に新規に入園を申し込んだ子どものうち何パーセントが入園できたかという数値「入園決定率」を算出しています。 国が発表している待機児童数は人口が多い自治体の数値が多くなり、「入れなかった児童数」からさまざまな数字を差し引いた数になっているので、実際の入園の難易度とはかけ離れたものになっているからです。) 川崎市の「入園決定率」は、76.7%。主要89自治体の平均に近い数字で、認可に入園を申し込んだ児童のうちの約4分の3が認可に入園できているということになります(2020年4月1日入園での数字)。川崎市の入園決定率は、3年前の2017年度は71.2%でしたが、わずかずつ上昇してきました。この3年間の利用申請者数が4853人伸びたのに対して、認可の保育定員は5587人増となっていますので、ニーズ増を追いかける懸命の待機児童対策が行われていることが読み取れます』、「認可の保育定員は5587人増」と努力しても、「この3年間の利用申請者数が4853人伸びた」ので、焼け石に水のようだ。
・『「待機児童」にならない6つのケース  川崎市も横浜市と同様に「保留児童数」を公表しています。これは、本来の待機児童数ともいえるものです。ここから「国が待機児童数にカウントしなくてもよいとしている定義に該当する児童」を引いた数字が「待機児童数」になります。この「国が待機児童数にカウントしなくてもよい」としているケースは6つあります。 ①国が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(企業主導型保育事業) ②自治体が補助金を出す認可外保育施設に預けている場合(地方単独事業:東京都の認証保育所など) ③保護者が育児休業を延長していて復職の意思が確認できない場合(育児休業中の者) ④通える範囲に保育施設(認可外も含む)が空いていると判断され、そこを利用していない場合(特定の保育園等のみ希望している者) ⑤再就職希望で求職活動を十分に行っていないと見なされる場合(求職活動を休止している者) ⑥その他:幼稚園の預かり保育、認可に移行するための補助を受けている認可外保育施設、特例保育などを利用している場合 川崎市の「保留児童数」つまり「認可に申し込んで認可を利用できていない児童数」は2447人になりますが、ここから上記6つのケースに当てはまる2435人が差し引かれ、待機児童数は12人と発表されています) 川崎市の待機児童数が「認可に申し込んで認可を利用できていない児童数」(保留児童数)に占める割合はわずかに0.5%で、調査対象100市区の平均8.0%に比べると極端に小さくなっています。これは、前回の横浜市の場合の0.7%をさらに下回っており、「利用できていない児童数」(保留児童数)の99.5%が待機児童数にカウントされていないという、驚きの数字になっています。 川崎市の「利用できていない児童数」の内訳で特徴的なのは、「地方単独事業を利用している者」の割合が32%と高いことです(100市区平均は18.1%)。その分、「特定の保育園等のみ希望している者」は29.7%で調査対象100市区の平均(44.3%)を下回っています。川崎市では、以前から「おなかま保育室」や「川崎認定保育園」など、認可外保育施設の助成制度(地方単独事業)を複数つくって待機児童対策を行ってきており、それが「地方単独事業を利用している者」の割合を高くしていると思います。 利用者は認可での整備を望んでいるとは思いますが、入れなかったときに市の支援を受ける認可外保育施設で保育を受けられることは助かります。川崎市では、認可の不承諾通知を受け取った家庭に、これらの認可外保育施設を丁寧に案内することも待機児童対策のひとつとして挙げています。同時に、これらの認可外保育施設を認可に移行させて認可の受け皿を増やす待機児童対策にも力を入れています。 10年前の2010年、川崎市は横浜市に次いで待機児童数全国ワースト2の1076人を記録しましたが、5年後の2015年に待機児童数ゼロを達成しました。これを聞いて武蔵小杉に引っ越した保育園を考える親の会会員が区役所で入園の相談をしたところ「入れる見込みはない」旨を伝えられたそうです。「待機児童数ゼロ」には大きな落とし穴があります』、「待機児童数ゼロ」は定義からきちんと考える必要がありそうだ。
・『困窮度をより重視する川崎市  認可保育園等への入園申し込みは市区町村別に行われ、定員を上回る園・クラスについては市区町村が選考(利用調整)を行います。選考は保護者の就労状況やその他家庭の状況を点数化し、保育の必要性が高いと判断された児童から優先的に入園が決定します。) 点数化の方法は自治体によって異なります。川崎市の選考は3段階の判定があるのが特徴です。保育の必要性の理由や勤務時間などで判定するランク(基準指数)がA?Hの8ランクあり、父母のうち低いほうのランクが適用されます。同ランクになった子どもについて、主に世帯の状況について判定する指数(調整指数)で優先順位をつけます。さらに、同ランク・同指数になった子どもについて、主に子どもの状況について判定する項目点で優先順位をつける、という形です。 ランク(基準指数)では、勤務時間が長い世帯が有利である点はほかの自治体と同様ですが、同じ勤務時間では「居宅外労働(自営以外)」と「自営(中心者)」が同じランクになり、「自営(協力者)」はランクが1段階低くなります。つまり、自ら自営業を営む場合は居宅内外を問わず会社員などと同じ扱いで、配偶者や親族が営む自営業の協力者である場合には優先順位が下がるということです。また、指数(調整指数)の判定では、とくにひとり親世帯の加点が手厚く、指数が同点で並んだときは、まず「子どもが3人以上の世帯」、次に「世帯所得が低い世帯」を優先されます。 川崎市の場合、認可外保育施設の利用や上の子が在園していることによる加点は、同ランク・同指数になった場合の項目点(3段階目)での加点になっていて、ほかの自治体に比べると、これらの加点の影響は小さいと言えます。川崎市の入園選考は、世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向にあります』、「世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向」、とは好ましい。
・『待機児童対策を進めながら保育の質も守る  国は認可保育園の園庭の広さについて、「2歳以上児1人につき3.3㎡の屋外遊技場が必要」としていますが、近くの公園等での代替も認めています。保育園を考える親の会では、認可保育園のうち基準を満たす広さの園庭を保有する園が何%かという「園庭保有率」を独自に調査しています。都市部では、この園庭保有率が年々低下していて、園庭のない認可保育園が急増しています。点数化の方法は自治体によって異なります。川崎市の選考は3段階の判定があるのが特徴です。保育の必要性の理由や勤務時間などで判定するランク(基準指数)がA?Hの8ランクあり、父母のうち低いほうのランクが適用されます。同ランクになった子どもについて、主に世帯の状況について判定する指数(調整指数)で優先順位をつけます。さらに、同ランク・同指数になった子どもについて、主に子どもの状況について判定する項目点で優先順位をつける、という形です。 ランク(基準指数)では、勤務時間が長い世帯が有利である点はほかの自治体と同様ですが、同じ勤務時間では「居宅外労働(自営以外)」と「自営(中心者)」が同じランクになり、「自営(協力者)」はランクが1段階低くなります。つまり、自ら自営業を営む場合は居宅内外を問わず会社員などと同じ扱いで、配偶者や親族が営む自営業の協力者である場合には優先順位が下がるということです。また、指数(調整指数)の判定では、とくにひとり親世帯の加点が手厚く、指数が同点で並んだときは、まず「子どもが3人以上の世帯」、次に「世帯所得が低い世帯」を優先されます。 川崎市の場合、認可外保育施設の利用や上の子が在園していることによる加点は、同ランク・同指数になった場合の項目点(3段階目)での加点になっていて、ほかの自治体に比べると、これらの加点の影響は小さいと言えます。川崎市の入園選考は、世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向にあります』、「入園選考は、世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向にあります」、望ましい傾向だ。
・『待機児童対策を進めながら保育の質も守る  国は認可保育園の園庭の広さについて、「2歳以上児1人につき3.3㎡の屋外遊技場が必要」としていますが、近くの公園等での代替も認めています。保育園を考える親の会では、認可保育園のうち基準を満たす広さの園庭を保有する園が何%かという「園庭保有率」を独自に調査しています。都市部では、この園庭保有率が年々低下していて、園庭のない認可保育園が急増しています。 川崎市の2020年度の「園庭保有率」は70.7%で、横浜市とほぼ並んでいます。川崎市は、人口密度が高く、土地の確保が困難であることを待機児童対策の課題に挙げています。今後、保育ニーズが高い主要駅周辺の整備を進めるときに園庭を確保できなければ、園庭保有率は低下していく恐れがあります。 一方で、川崎市は、待機児童対策とともに、次のような保育の質の維持・向上策も掲げています。 +保育所等の新設や運営法人の選考にあたっては、有識者が参加する選考委員会を開く +各区の公立保育園が、民間の認可保育園の支援や指導をしたり、公民の交流によって保育技術を共有したり、公開保育で学び合ったりして連携して人材育成を行う +政令市である川崎市は自身で認可外の指導監査権限をもち、認可外保育施設244カ所すべての立ち入り調査・指導を実施している 急激な待機児童対策によって、川崎市においても保育事業者が多様化しており、このような施策は非常に重要といえます』、「待機児童対策とともに」、「保育の質の維持・向上策も掲げています」、「質の維持・向上」は重要だ。
・『保育料最高額は8万円台  川崎市の保育料は、平均と比べると高めです。認可の保育料は自治体が独自に決めており、3歳以上児は無償(別途、食材料費の負担あり)、3歳未満児は世帯所得によって額が異なります。川崎市の3歳未満児の最高所得階層の保育料は8万2800円(世帯市民税所得割額47万5300円以上)で、調査対象100市区では8番目に高い額になりました。保育園を考える親の会では中間的な所得階層*の保育料も調べていますが、川崎市は3万3300円で、有効回答98市区の平均(3万0587円)を上回っています。 *中間的な所得階層=所得控除前の年収が夫525万9156円・妻100万1161円、夫の社会保険料額を73万6282円、子ども1人とした、第1子保育料(総務省「家計年報」を参考に設定)。) また、3歳未満児の食事の費用はどこでも保育料に含まれていますが、3歳以上の食材料費は別途、保護者が負担するのが国の基準になっています(所得等による免除あり)。お隣の東京都では主食費部分について都がお金を出しているため、都内の市区では主食費は無料、副食費(おかず代)は自治体や施設ごとに違っています。 これに対して川崎市は、市の補助がなく、主食費も副食費も園によってさまざまになっています。公立園の場合、主食費は1000円、副食費(おかず代)は4500円を払います(月額)。民間園はそれぞれに費用を決めていますが、公立にそろえているところも多いと思います。民間園の中には、主食のごはんなどを家庭から持参する決まりのところもあります』、なるほど。
・『川崎市の保育の今後  川崎市は子どもの権利に関する条例を日本で最初につくった自治体です(川崎市子どもの権利に関する条例)。入園選考で困窮世帯を優先する加点があったり、待機児童対策とともに保育の質の維持・向上をアピールする姿勢をみると、子どもの権利の視点からの施策の検討がされていることを感じさせます。 しかし、待機児童をすぐに解消させるのは難しいでしょう。現在、川崎市の人口は全区で増加しています。市は待機児童対策をかなり頑張っていると思いますが、人気の沿線の急行停車駅などは入園状況の厳しさが続きそうです。川崎市に引っ越しを考えているのであれば、あらかじめその地域の入園状況を区役所に確認することをお勧めします』、「川崎市の保育」充実の取り組みを注目したい。

第三に、2月26日付け東洋経済オンラインが掲載した ジャーナリストの小林 美希氏による「保育士の「地域ごとの年収」開示が今必要な理由 「保育の質」に関わる超重要な問題だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/412617
・『なかなか解決のメドが立たない、待機児童問題。その解決のため急ピッチで保育園の整備が行われるなか、保育士確保や質の維持のためにも保育士の処遇改善が重要という認識が広がっている。 ところがその処遇を改善しようにも、その人件費の実態が極めて捉えづらい。国は毎年度、公費で認可保育園に出している人件費(法定福利費は含まない年額)を通知で示しているが全国平均のため、地域によって異なる保育士の“適正な”賃金水準の手がかりがつかめないのだ』、なるほど。
・『保育士の低賃金問題の解決に向けての第一歩となるか  地域により、公費でいくら人件費が出ているかのか。具体的に「見える化」することが必要不可欠だと、筆者は約2年前から問題提起してきた。そうした中で内閣府は、初の通知改定に乗り出し、2021年度分から8つに分けた地域区分の人件費額を示す予定という。内閣府と議論を重ねてきた参議院の片山大介議員が3月の国会で質疑し、国が答える見通しだ。 国を挙げての保育士の処遇改善が始まったのは2013年度。処遇改善加算Ⅰが新設され、それから2020年度までに、保育士1人当たり月額で約4万5000円もの賃金アップが進んだ。 さらに、保育士の経験値によって最大で1人当たり月4万円も上乗せされる処遇改善加算Ⅱも設けられたが、保育士の低賃金問題が解決したわけではない。 保育士の賃金を見るうえで重要なのが、いったいいくらの賃金額が公費で保育園に給付されているかだ。認可保育園には、税金と保護者が支払う保育料が原資となる運営費の「委託費」が給付されている。委託費は、8つの地域区分、保育園の定員規模、園児の年齢別の保育単価である「公定価格」で計算される。 公定価格の「基本分内訳」として、国は毎年度「私立保育所の運営に要する費用について」という通知により、所長(園長)、主任保育士、保育士、調理員等の人件費の額を示してきた。この人件費は賞与や地域手当等を含む年額で、法定福利費や処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱを含まない。 2020年度の保育士の年間賃金は全国平均で約394万円となる(2021年1月に約395万円から約394万円に改定)。ただし金額はあくまで全国平均で、地域区分で異なる人件費の内訳は公表されてこなかった。 地域区分の人件費額と実際に支払われる金額を比較しなければ、事業者が適正に賃金を支払っているか曖昧になる。それを明確にするため、内閣府は2021年度からの通知に地域区分ごとの人件費額を掲載する前提で今、準備を進めており、筆者は2020年度の地域区分ごとの人件費の内部資料を入手した(表)。関係者によれば、「2021年度の金額も大きく変わらない」という。 この通知改定で期待されることは、保育士をはじめとした関係者が1人当たりの職員の人件費を具体的にイメージしやすくなること。もし現場の保育士や保護者が職員の待遇に疑問をもった場合に、園や事業者に説明を求めやすくなる。委託費の大部分は税金であることから、事業者側への情報開示や説明責任が一層促され、より透明性のある経営に改善されていくことが期待される』、透明性が高まるのはいいことだ。
・『地域区分別の人件費額が公表されることへの効果  ただ注意点として、公定価格を上回る賃金を払っている事業者が、賃金を切り下げる理由にしてはいけない。また、公定価格の金額はあくまで保育士の最低配置基準の人員体制に基づいている。 現場に余裕を持たせるために配置基準以上の人数の保育士を雇っている場合でも人件費総額は変わらないため、1人当たりの賃金が公定価格の金額より低くなってしまう。実際の人員配置や職員の年齢、各事業者の給与テーブルがどうなっているかも併せて見ることが必要だ。 とはいえ、地域区分別の人件費額が公表されることの効果は大きい。この通知を基準として、機械的にではあるが、本来はどの程度の賃金を各保育士が得ることが可能か計算できるからだ。公定価格の金額に処遇改善加算や自治体独自の処遇改善費を上乗せしていくと、単純計算という前提だとしても、得られるはずの賃金総額が見えてくる。 2020年度の全国平均では、おおよそ経験7年以上の保育士の年間賃金は最大で約465万円の計算となる。「公然と消える『保育士給与』ありえないカラクリ」(2020年6月17日)の記事を参照。 今回判明した、公定価格の人件費が最も高い東京23区で同様の計算してみよう。2020年度の公定価格の約443万円に、全職員対象の国の処遇改善加算Ⅰが月1万8000円つき、東京都独自の処遇改善費「東京都保育士等キャリアアップ補助金」(月額で平均4万4000円)もついた場合で足し上げると年間賃金は約517万円になる。 そこに、国のキャリアに応じた処遇改善加算Ⅱが月5000円(おおよそ経験3年以上)あるいは月4万円(同7年以上)が支給された場合、それぞれ約523万円、同約565万円に上る。 一方、内閣府「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」の2019年度調査(速報値)では、東京23区の常勤保育従事者が実際に手に取る年間賃金は約381万円(平均勤続年数7.9年)でしかない。公費上の保育士全員が対象の処遇改善費と東京都独自の処遇改善費を合わせた約517万円と比べると、その差だけでも約136万円にもなる。キャリアに応じた処遇改善が最大でつけば、差は約184万円もの開きが生じる。 この差の原因が何か、検証が必要だ。まず、賃金が低くなる正当な要因として、若い保育士が多いこと、人員体制に厚みがあることが挙げられる』、「差は約184万円もの開き」、「賃金が低くなる正当な要因として、若い保育士が多いこと、人員体制に厚みがあることが挙げられる」、なるほど。
・『保育士の平均勤続年数  待機児童の多くが東京都内で発生しており、都内の認可保育園は2015年4月の2184カ所から2020年4月には3325カ所へと、この5年で1141カ所も増えている。新規開設した保育園には新卒採用の若手が多い傾向があり平均賃金が低くなるが、実際の平均勤続年数はどうか。 前述の内閣府調査によれば、「100分の20地域」である東京23区の常勤で働く保育士の平均勤続年数(前職が保育園などの場合、その勤続年数も含まれる)は、7.9年だった。他の地域区分の平均勤続年数はほぼ9年台で、東京23区に次いで短いのが浦安市や神戸市など「100分の12地域」の8.6年、最も長いのが「その他地域」の10.6年だった。 都市部では保育士争奪戦で新卒初任給が上昇傾向にあることや、東京23区とほかの地域ともそう大きく平均勤続年数が変わらないことから、年間100万円以上もの公費との賃金差が生じることには疑問が残る。 公定価格の賃金は保育士の最低配置基準に沿ったものであるため、配置基準以上に保育士を雇って現場に余裕を持たせる努力をしている園の1人当たりの賃金が低くなるケースもある。その場合は正当な理由だと言えるだろう。 とはいえ、東京都の監査で文書指摘を受ける半数が「保育士配置違反」というのが現状だ。筆者は東京都がホームページで公開している監査結果を調べ、2017~2019年度に認可保育園に対して行われた監査を集計すると、合計153件の認可保育園で保育士配置違反の文書指摘を受けていた。そのうち7割が23区内の認可保育園だった。 東京23区の認可保育園は前述のとおり3300カ所以上あるので、その一部の例ではある。しかし、最も高い人件費を公費で受け取りながら、人員配置はギリギリである園が23区に多いことは事実だ。 保育士の平均勤続年数もそう大きく他の地域と乖離しているわけでもないのに、実際の賃金が低いということになる。こうしたことが、地域区分の人件費がわかることで分析できるため、通知改定には大きな意義がある。 ではいったい、人件費はどこに消えているのか。筆者は本媒体でも繰り返し、保育士が低賃金になる大きな原因を作る「委託費の弾力運用」という制度を問題視してきた。 委託費の大部分を占める人件費がほかに流用できる「委託費の弾力運用」という仕組みにより、本来はその保育園のために使う人件費であっても同一法人が運営するほかの施設への補填や施設整備費などに回されていき、人件費だけでなく子どもの玩具も満足に買えない状況もある』、「「委託費の弾力運用」という仕組みにより、本来はその保育園のために使う人件費であっても同一法人が運営するほかの施設への補填や施設整備費などに回されていき、人件費だけでなく子どもの玩具も満足に買えない状況もある」、なんでこのような不透明な「仕組み」があるのだろう。
・『人件費額がオープンになれば不正支出防止にも  さらには制度の網の目をかいくぐって数千万円単位の委託費が経営陣に私的流用される問題まで発覚している。 そして、事業者に性善説がまかり通らないことが新型コロナウイルス禍の中で露呈した。コロナが流行して保育園が臨時休園になったとしても、国は委託費を満額支給した。 それには保育士が休業しても人件費を通常どおり支払うことで離職を防止する意図があったが、国の通達に従わない事業者が現れ、全国各地で賃金カットが横行。事業者は人件費を切り詰めるが、自身は委託費から捻出した資金で高級外車に乗って不適切な支出を重ねる実態もある。 こうした中で各地の認可保育園の1人当たりの人件費額がわかることは、委託費の使い道の不正防止にもつながる。通知改定により、人件費が適切かと監視の目を光らせることもできるようになる。 保育士の処遇改善が一歩も二歩も前進し、保育の質の向上につながることが期待される。正しく税金が使われるようになれば、保育士にとっても、保護者にとっても、保育園を監督する自治体にとっても、通知改定は広く社会にとって意味あるものになるのではないか』、「数千万円単位の委託費が経営陣に私的流用される問題まで発覚」、「全国各地で賃金カットが横行。事業者は人件費を切り詰めるが、自身は委託費から捻出した資金で高級外車に乗って不適切な支出を重ねる実態も」、不透明さからこのような不正行為が横行しているとは、初めて知った。透明性向上で、不正の余地をなくすべきだ。
タグ:保育園 東洋経済オンライン (待機児童)問題 小林 美希 (その11)(保育園が突如閉園 広がる保護者の困惑と不安 閉園の2週間前に通知 市の通知にも応じず、川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…、保育士の「地域ごとの年収」開示が今必要な理由 「保育の質」に関わる超重要な問題だ) 「保育園が突如閉園、広がる保護者の困惑と不安 閉園の2週間前に通知、市の通知にも応じず」 「保護者に文書で通知」が「閉園2週間前」、とこんな急な「閉園」が、「小規模」とはいえ、認可保育園で発生したとは驚いた 「保育士不足と経営悪化」で閉園に 「閉園の通知当時、3人の園児が在籍」、これでは赤字だろう。 「新型コロナウイルスの影響で4~5月に休園になった。休園中も、自治体から認可保育園に支払われる委託費は変わらない」のに、「同園は職員に給料は6割しか支払っていなかった」、極めて悪質だ ハードルが低い民間保育園の閉園 「国が定める職員の配置基準が低いため、実際には倍くらいの人手が必要だ。それを知らずに安易に開園すると、運営を見誤ることになる」 「配置基準」を実態に合わせて多目にしておけば、「安易な開園」を防げる筈だ。何故なのだろう あいまいな公的責任 「閉園」に自治体の「認可」が必要といっても、辞める事業者には何の意味もない。「小規模保育園」の基準はやはり「認可保育園と同じ扱いにすべきだ」 「保育園を考える親の会」代表の普光院 亜紀氏による「川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…」 3つの指標で見る川崎市の保育力 入園決定率 園庭保有率 中間的な所得階層の1歳児保育料3万3300円 「認可の保育定員は5587人増」と努力しても、「この3年間の利用申請者数が4853人伸びた」ので、焼け石に水のようだ 「待機児童」にならない6つのケース 困窮度をより重視する川崎市 「世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向」、とは好ましい。 待機児童対策を進めながら保育の質も守る 「入園選考は、世帯や子どもの困窮度をより重視する傾向にあります」、望ましい傾向だ 「待機児童対策とともに」、「保育の質の維持・向上策も掲げています」、「質の維持・向上」は重要だ 保育料最高額は8万円台 川崎市の保育の今後 「川崎市の保育」充実の取り組みを注目したい 「保育士の「地域ごとの年収」開示が今必要な理由 「保育の質」に関わる超重要な問題だ」 保育士の低賃金問題の解決に向けての第一歩となるか 透明性が高まるのはいいことだ 地域区分別の人件費額が公表されることへの効果 「差は約184万円もの開き」、「賃金が低くなる正当な要因として、若い保育士が多いこと、人員体制に厚みがあることが挙げられる」、なるほど 保育士の平均勤続年数 「「委託費の弾力運用」という仕組みにより、本来はその保育園のために使う人件費であっても同一法人が運営するほかの施設への補填や施設整備費などに回されていき、人件費だけでなく子どもの玩具も満足に買えない状況もある」、なんでこのような不透明な「仕組み」があるのだろう 人件費額がオープンになれば不正支出防止にも 「数千万円単位の委託費が経営陣に私的流用される問題まで発覚」 「全国各地で賃金カットが横行。事業者は人件費を切り詰めるが、自身は委託費から捻出した資金で高級外車に乗って不適切な支出を重ねる実態も」、不透明さからこのような不正行為が横行しているとは、初めて知った。透明性向上で、不正の余地をなくすべきだ
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ペット(その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている) [生活]

ペットについては、2018年1月31日に取上げた。今日は、(その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている)である。

先ずは、昨年10月29日付け東洋経済オンラインが掲載したネコ心理学者・麻布大学特別研究員の高木 佐保氏による「猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/383369
・『近年急速に進む猫の研究。そのなかで、これまで謎に包まれていた「猫の能力」が明らかになってきている。猫専用ヒーリングミュージックCD付きの『猫がゴロゴロよろこぶCDブック』を著した猫の心理学者が最新の研究から解説する』、興味深そうだ。
・『猫の鳴き声は人好みにかわいく進化した!?  仕事に集中していると、すたすたと歩いてきて、「にゃお~ん」とかわいく鳴く猫。ついついかまってあげては仕事が進まず……なんていう経験をしている飼い主は、私だけじゃないはず……。 猫の「ミャオ」という鳴き声は、意外にも大人になった猫同士ではほとんど使われません。本来、仔猫が母親の気を引くための鳴き声だからです。 つまり、大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っているのですね。 それではその鳴き声は、昔からかわいかったのでしょうか? 祖先種と比較して、本当にかわいくなっているのかを調べた論文があります。 アメリカのコーネル大学の研究者は、ヤマネコの「ミャオ」という鳴き声と猫の「ミャオ」という鳴き声の音響解析を行いました。 すると、猫の「ミャオ」の方がより短く、高くなっていることがわかりました。 一般的に高い声は「小さな生き物」を示唆します。 この解析結果からも、猫の声がかわいい鳴き声になっているといえそうです。 この研究のおもしろい点は、それを実際に人に聞かせて、「どれくらい心地よいのか」を評定してもらったところです。この評定を行うことで、人が聞いて「かわいい」声に進化したのかどうかが明らかになります。 その結果、ヤマネコの鳴き声よりも、猫の鳴き声の方がより心地よいと判断されました。 猫は人と共生するようになって、人が好むような声に変化させてきたといえます。 おそらく、猫と人の共生が始まった頃に、たくさんいる猫のなかでも、たまたま人が聞いてかわいい声で鳴く猫に、人が多くの餌をあげたりしたのでしょう。その猫の栄養状態はよくなり、より多くの子孫を残したと推測されます。 もしくは、甘え上手な猫が屋内で大切に育てられたなどの経緯があったのかもしれません。そのような共生の歴史のなかで、かわいく鳴く猫が多く生き残っていったのだと考えられます。 みなさんは、猫が窓の外を見ながら物思いにふけっているような様子を見たことはありませんか? このような猫の様子を見ていて、1つ気になることがありました。 それは、猫も人のように、楽しかった思い出などをなつかしく思い出したりするのだろうか?ということです。 いわゆる「思い出」を心理学では「エピソード記憶」と呼びます。 猫のエピソード記憶を調べる方法は次の通りです。 4つのさまざまなお皿を用意して、すべてにごはんを入れます。 お皿の前に猫を連れて行き、お皿に入ったごはんのうち2つは食べさせますが、残りの2つのお皿からは匂いを嗅がせるだけで、食べさせません。 その後15分程度、他の部屋で違う実験をしたり、一緒に遊んだりしてごはんのことをいったん忘れてもらいます。 15分後、もう一度お皿の置いてある部屋に猫を入れ、自由に探索させます。 猫が記憶を頼りに探索行動ができるように、お皿の中身は実験者によって取り除かれています(もしごはんがそのまま放置してあると、猫はごはんという外部の手掛かりを用いてしまうため)』、「大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っている」、「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定とは初めて知った。確かに巧な戦略だ。
・『猫が探索したお皿は?  さて、猫はどのお皿を探索したでしょうか? 結果は、猫は先ほど食べ損ねたお皿を長く探索することがわかりました。 「あれ?さっき食べ残したはずなのに……」とでも思っているのでしょうか。 このような実験から、「猫もエピソード記憶をもつ」ということがわかりました。 実はこの実験は犬でも行われたのですが、結果は猫とほとんど一緒でした。 犬も猫もお留守番中や、ふとした瞬間に「昨日飼い主さんと遊んで楽しかったなあ」「さっきもらったおやつ、おいしかったな」などと思い出しているのかもしれませんね。 また、エピソード記憶は、未来に向けた想像力との関連も指摘されています。 もしかしたら窓の外や飼い主を見つめている猫は、これまでの猫生のいろいろな回想をしたり、「明日、あのおやつをもらえたらいいなあ」と思ったりしているのかもしれません。 猫と暮らしていると、猫の自由奔放な行動に悩まされることもあります。 そこで、日々の暮らしから疑問が湧いてきました。 猫は人の表情(顔色)を読むのでしょうか?そんな疑問に答えた研究があります。 2015年にアメリカの研究者が「猫は人の感情を区別できるのか」についての論文を発表しました。 実験はすごくシンプルです。 飼い主と知らない人がそれぞれ、楽しそうな表情/怒った表情を表出し、その際の猫の行動を観察します。 この実験のポイントは、声の効果を除外するために、表情のみを表出するところです。 怒り声を出してしまうと、本当に猫が表情を読んだのか、声を手掛かりにしたのかがわからないからです』、「猫」や「犬」に「エピソード記憶」があるのであれば、「窓の外や飼い主を見つめている」時には、「いろいろな回想をしたり」「しているのかもしれません」、と想像するだけで楽しくなる。
・『知らない人の表情には関心がない  その結果、猫は飼い主が楽しそうな表情をしているときによく接近し、猫自身ポジティブな行動(耳を前に向ける、リラックスした姿勢をとるなど)をよく見せることがわかりました。 一方で、知らない人が楽しそうな表情を見せても怒りの表情を見せても、猫の行動は変化しませんでした。大変おもしろい結果です。 おそらく猫は、人の表情を一般化して理解してはいないのでしょう。 「飼い主さんがこんな感じの顔をしているときは、近寄っていくといいことがある!」と個別の学習をしていると考えられます。 そのため、知らない人が同じ表情を見せても、猫にはなんのことかわからなかったのかもしれません。もしくは、知らない人に対しては親しくしてほしくなかった可能性もありますが……。 犬の場合、たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できるといわれています。犬はより一般的な「人の表情の理解」が見られるといってもよいのかもしれません。 犬に対して猫は、飼い主の表情を地道に学んでくれているとすると、とってもかわいい結果だなと思います』、「犬」の場合は「猫」と違って、猟犬や犬ぞり牽引などのように、「飼い主」が複数になる場合もあるので、「たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できる」ようになったのだろう。歴史的経緯がペットの世界にもあるようだ。

次に、本年1月4日付け東洋経済オンラインが掲載した獣医師の奥田 順之氏による「「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/397957
・『「犬は家族に順位を付けている」という話が、実際は異なることが最近の研究で明らかになっています。獣医師の奥田順之氏の『“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾』より一部抜粋・編集してお届けします』、「俗説」には「要注意」のものもあるようだ。
・『しつけに関する俗説に要注意  かむ犬に対するしつけに関しては、さまざまな俗説が聞かれます。 「かむ犬には上下関係を教えないといけない」 「リーダーウォークが大切」 「かまれたら、手を口の中に押し込め!」 よく聞くこのようなアドバイスは、本当にかむ行動を解決できるのでしょうか?結論からいいますと、これらの俗説を信じて対応することは、意味がないばかりか、攻撃行動を悪化させることすらあります。 もちろん、たまたまうまくいく場合もありますが、深刻な攻撃行動に対しては、大抵はうまくいきません。その理由は犬がかむ行動の原因に目を向けていないからです。 犬がかむ原因はひとつではなく、多様な要因が絡み合っており、改善には、それぞれの要因に合わせた対応を行う必要があります。かむ原因に目を向けずに、「かむ犬には〇〇をすればいい」という、短絡的な対応をしても、かみつきが改善されることは稀です。 たとえば、車が動かなくなった時、エンジンが悪いのか、タイヤが悪いのか、電気系統が悪いのか、バッテリーが悪いのか、わからずに対処するエンジニアはいません。 犬と人の関係も同じです。犬がかむ、人がかまれるという関係は、決して良い共生関係とはいえません。その共生関係の破綻がどのようにして起こっているか、その原因もわからずに、「リーダーウォークで上下関係を教える」という対処をしても、エンジントラブルで動かない車のタイヤ交換をするようなものです。 かむ行動には理由があります。それもとても多くの要因があり、親犬からの遺伝、胎児の時の発達、母犬の子育ての仕方、社会化などの発達の問題や、脳や身体の疾患が関わっていることもあります。 そして、どんな攻撃行動でも、飼い主との相互学習の影響は大きいといえます。そのうえ、それぞれの家庭において、それぞれ独自の学習が起こっています。それぞれの攻撃行動は、個々の環境で多様な要因が積み重なって発生しています。これらの要因を知らずして、攻撃行動への対処はできないわけです。 「犬は家族に順位をつけて、自分が上に立つからかむんでしょ?」という話は、飼い主さんからよく聞きますし、半ば常識化しているような気がしますが、この話は迷信だということをご存じでしょうか。 犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません。さらにその順位を理由にして、犬が上位だから、下位の家族を攻撃するという考え方はとても無理があります』、「犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません」、なるほど。
・『オオカミの行動研究を犬に当てはめていた  では、この順位づけの迷信はどこから生まれたのでしょうか。これはオオカミの行動研究を犬に当てはめて考えたことに起因しています。従来、オオカミの行動観察は、飼育下での行動を中心に研究されてきました。 飼育下のオオカミの群れでは、社会的階層構造が築かれることが知られています。群れの最上位の個体のことをα(アルファ)、その次の個体をβ(ベータ)、その次をθ(シータ)と呼称し、食事の摂取や心地よい寝床の使用など、資源が競合する場面で、順位が上の個体が優先権を持つことが観察されています。 そして、群れのなかはαの座を巡って常に緊張関係にあり、順位関係の挑戦に基づく攻撃行動が観察されたため、オオカミの群れでは、直線的で絶対的な順位関係が存在すると考えられてきました。 しかし、近年、野生のオオカミの群れを観察した研究によって、この考えは覆されました。野生のオオカミの群れは基本的に血縁のある家族であり、両親と子どもたちによって構成され、直線的で絶対的な順位関係を築くのではなく、親や若い個体が、幼い子どもに食餌を与えるなど、互いに支え合いながら生活していることがわかってきました。 「犬は家族との間に序列を作る」という話は、従来の絶対的順位関係を作ると考えられてきたオオカミ像を、犬に当てはめて考えるようになったことがきっかけでした。オオカミの群れのように、人と犬の間でも、人が犬のαにならなければならない、人が犬の絶対的上位者にならなければならないという考え方が広まったのです。 さらに、この考えを攻撃行動に当てはめたものが、アルファシンドローム(権勢症候群)です。アルファシンドロームは、犬が認識している自らの社会的順位が脅かされることによって生じる、もしくはその順位を誇示するためにみせるとして定義されてきました。 たとえば、犬が何か自分にとって嫌なことが起こりそうになった時、食べ物など良いものを取られそうになった時、ソファなど気持ちの良い寝床からどかされそうになった時などに、家族に対して攻撃する状態を指し、その原因について、犬が家庭内でαになってしまったためだと解釈されていました』、「アルファシンドローム」など「俗説」は、一見、もっともらしいだけに騙され易いようだ。
・『「犬が上に立っているからかむ」は迷信  犬をαにしてはいけない、飼い主がαにならなければならないという考え方は旧来行われてきた体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化し、また、飼い主にそうしたトレーニングを指導するうえで、都合のいい考え方でした。 そのうえ、オオカミが順位を作り、犬も同じように順位を作るという話は、正しいかどうかは別として、専門家や飼い主にとってわかりやすかったため、世界的にもてはやされました。そして、日本では今でも信じられているという状況です。 しかしながら、野生のオオカミの群れの観察で、α理論の根拠となっている従来のオオカミ像が否定されたうえに、オオカミと犬の行動も大きく異なっていることがわかっている現在、α理論を、人と犬の関係を説明するために用いることは不適切であると考えられています。 かつて、アルファシンドロームと診断された犬でも、あらゆる場面で攻撃的になるわけではなく、攻撃的になる場面では、フードを守る、居場所を守る、触られるのが嫌・怖い等、それぞれに特定の原因が存在します。 
このことから、個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています。「犬が上に立っているからかむんだ」という指摘は、根拠のない、迷信なのです』、「個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています」、今回の「迷信」は「世界的」だったとはいえ、今だに信じる日本人が多いのは、残念なことだ。

第三に、2月14日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーライターの圓岡 志麻氏による「島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/409909
・『コロナによるライフスタイルの変化は、動物にも大きな影響を与えている。家にいる時間が長くなったことでペット需要が高まり、ペットショップでの販売数や、保護団体への譲渡申し込みが増えたというのだ。 国全体の犬猫の殺処分数は減っているものの、まだゼロには至っていない。共生社会に向けて、動物と暮らすという選択肢が増えるのは望ましいことだ。 ただ、ペットを巡る社会状況は大きな矛盾もはらんでいる。生きる場を与えられず処分されてしまう犬や猫がいるいっぽうで、ペットを販売するペットショップや繁殖させるブリーダーがいる。一概にどうとは言えず、簡単には答えの出ない問題だ。 こうした状況に一石を投じたのが、ホームセンターの島忠である』、日本は主要先進国のなかでも、「ペットショップ」で「ペット」が「販売」されている数少ない国だ。
・『ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に  島忠では2020年7月1日より、与野店、浦和南店においてのペット陳列販売を廃止。同店での販売方法を、島忠の認可を得たブリーダーを通じての紹介に切り換えた。また、ペットの陳列販売が行われていた、店内のケージの並ぶスペースは、両店で月に2~3回実施される保護動物譲渡会の場として活用する。 ペットをビジネスとする事業者にとって大きな決断であり、ここまで至るにはさまざまな障壁があったことだろう。それらを越えて一歩を踏み出した思いの強さもまた感じられる。 さいたま市の島忠本社を訪ね、今回の経緯や意図、今後の見通しなどについても聞いた。なお、以下レポートは2020年10月29日に取材した内容をもとに構成している。 まず同社での保護動物に関する一連の取り組みについて、島忠セールスインキュベーション部(取材当時)重田賢一氏は次のように説明する。 「当社での保護動物譲渡会などの取り組みは2017年からです。活動を行うなかで、社会の変化につれ、取り組みを応援するリアルなお客様の声がSNSなどを通じて寄せられるようになりました。もとは1人の社員の熱意から始まったことですが、社内でも意識が変わってきました。今、保護動物が家族としての新しい選択肢として当たり前になろうとしている。そうした大きな潮流を感じています」(重田氏) 同社ではさいたま市ほか都内近郊18店舗(2021年2月現在は実施店舗が増え、28店舗)で保護猫譲渡会を行うほか、「犬猫フード募金」として、犬猫フードの売り上げの一部を保護動物団体に寄付している。 譲渡会については、コロナによりイベント等が中止されていた状況下でも、「流れを止めてはいけない」という思いから、コロナウイルスの感染対策を講じ、6月末から開始していたそうだ。 2回目の宣言が発令されている現時点でも、「イベントではなく、保護動物を救うための社会貢献事業」(同社ホームページより)としての位置づけであるため、一部店舗を除いて、感染症対策に一層の留意をしながら継続させている』、昨年7月から「ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に」、とは思い切った戦略だ。
・『動物との共生社会…譲渡会を行う意義  同社の立場の難しさが、ペットやペットグッズでビジネスを行っている企業であるいっぽうで、保護動物活動に取り組んでいるところである。皮相的な見方をすれば、保護猫などを里親に譲渡する譲渡会は、ペットショップにとっては競争相手になるともいえる。 しかし同社は、「動物との共生社会」という、より大きな目標に向けて、取り組みを進めていこうとしている。 まず、譲渡会に関しては、全店舗中のペットショップのない店舗に限り行うこととしている。 また譲渡会には、地域における動物愛護活動や、保護猫活動にまつわる意識啓発という面もあるという。今はずいぶん意識が高まっているものの、昔は飼えなくなった動物を無責任に誰かにあげたり、捨てたりするのは当たり前に行われていた。こうしたことも結果的に行き場のない猫や、不幸な猫を増やす原因になる。 「まず地域地域で、意識を高めていく必要があります。その点で、店舗での譲渡会がお客様にとっては気づきの機会になると考えています」(重田氏) もちろん、譲渡会で里親になってくれる家庭が増える利点も大きい。地域にとってはいわゆる「野良猫」が減り、活動団体にとってはレスキューする猫が減るから助かる。そしてペットを飼う家庭ではペットフードやグッズが必要になるが、島忠ではペットフードについては売上金の一部が募金になるので、保護活動と地域の間でお金が循環する仕組みができあがる。 島忠という企業、保護団体、地域や飼い主という3者が連携しながら、共生社会へ向けて取り組みを継続させていくイメージだ。 そして、2020年7月の一部店舗における展示販売廃止はさらに2歩も3歩も先へ行く取り組みだ。同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する。 このことについて、同じくセールスインキュベーション部の君島雄貴氏は次のように説明する。 「動物と飼い主が正しく出会う場の選択肢を増やしたいという思いがありました。ブリーダーがわが子のように手塩にかけて育てた動物たちを新しい家族に引き合わせる。命を大量生産して陳列するのではなく、地域のお客様と新しい家族のマッチングの場となるような場所にしたいです」(君島氏) また、ペットショップにとってもメリットがある、と君島氏は説明する。 「地域に飼い主が増えれば、動物病院よりはもう少し身近な相談所が必要になるはずです。現に、コロナ禍では病院が休みになったり、受け入れ制限があったりで、ペットショップに相談に来られた飼い主さんも増えたんですね。また療法食といったプロ用の商品の品揃えや、ケアなどのサービスも含めた、ペットに関する知識に裏付けられたより細やかな接客が求められるようになると考えます」(君島氏) ペットショップ側でも、展示販売といってもただ並べて売っているだけではない。動物の世話をしたり健康を維持する、いわば動物園で言う「バックヤード」の部分が存在する。そのバックヤード機能を前面に出し、より付加価値の高いサービスへと進化させていくということだろう』、「同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する」、なるほど。
・『島忠の活動は「エポックメイキングな取り組み」  島忠の今回の取り組みには、ブリーダーの選別という利点もあるそうだ。ブリーダーの中には悪質な業者もあり、十分なスペースがない環境で飼ったり、動物の健康に配慮せず無理な繁殖をさせるところもあるという。 今は全国60店舗のうち2店舗で実験的に始めた取り組みだが、SNSなどでも消費者からポジティブな反響を受けており、広げていくことを願っているそうだ。 こうした島忠の活動について、保護猫団体にも話を聞いた。同社に2017年から協力している川越市の団体「ねこかつ」だ。 「島忠さんはわれわれにとっては希望の光です。島忠さんで譲渡会を開催していただいていることは、世の中をガラッと変える、エポックメイキングな取り組みだと思いますよ」(ねこかつ代表の梅田達也氏) 梅田氏は小学生の頃から「保健所などに送られる猫を助ける仕事がしたい」という目標をもち、会社員時代は休日を保護猫ボランティアに費やしていた。 2011年、東日本大震災における動物レスキューにボランティアで参加。 しかし、収容するための人手も場所も不足し「助けたくても助けられない」という悲しさ、悔しさを噛みしめた。このことをきっかけとし、保護すべき猫をゼロにすることを目標に、2013年、保護猫カフェである「ねこかつ」を始めた。 団体名には、猫の保護活動を「婚活」「就活」のように当たり前のこととしたい、という思いが込められている。 島忠と連携するようになったきっかけは、島忠側から保護猫譲渡会の依頼があったことだそうだ。 「いろいろな施設にご協力いただいて譲渡会を行ってきました。動物愛護に関する施設側の熱意や取り組みはそれぞれ異なりますが、その中でも島忠さんは一貫して続けてこられていて、しかも年を追うごとに、熱意が強くなっていった感じがしています」(梅田氏) 2017年当時窓口になっていた1人の担当者の思いが社内に広がっていったことを感じたという。 「社員の方による動物愛護センターの視察も不定期に行っており、私も3回ほど立ち会っています。つまり、殺処分を待っている動物たちがいる現場ということです。私たち保護活動家はかわいそうで見られないんです。でも、島忠の社員さんは『実際に見ないといけない』という覚悟を持っていらっしゃるようですね」(梅田氏) なお島忠ではこうした活動のほか、2019年には海外の現地調査も実施。社員を派遣し、アメリカの動物愛護活動に取り組んでいる企業を視察した。一般的に、動物保護の法制度や体制に関しては欧米のほうが先進的であるとされている』、「ブリーダーの中には悪質な業者もあり」、今回の措置は「ブリーダーの選別という利点もあるそうだ』、「悪質な業者」を淘汰する意義は大きそうだ。
・『コロナ禍でのペットブームとこれから  最後に、島忠、ねこかつ両者にコロナ禍でのペットブームについても聞いてみた。ペットを受け入れたものの、実際には飼えなくなるケースも出ているのでは、と考えたためだ。 「緊急事態宣言下では、HC(ホームセンター)の売り上げ同様、ペットの生体販売やペット用品の売り上げは伸長しておりました。また保健所への問い合わせが増えたということは耳にしました。都内近郊は保護団体が活発なのですが、地方に行くほど団体が少なくなるし、動物保護に対する意識も遅れているように感じます。自粛期間(筆者注:2020年4〜5月の緊急事態宣言期間)はまた保護団体も譲渡などの活動ができなくなりましたし……。近県での動物愛護センターが犬や猫で満杯になった、という話です」(君島氏) 一方、ねこかつでは里親を希望する家庭の面接をし、飼うのが難しいと判断した場合は譲渡を断る場合もある。そのため飼い続けられない、という相談は入っていないそうだ。 今は改定動物愛護法のもと、動物を捨てることは犯罪として禁じられている。また動物保護団体はねこかつのように、飼い主の家庭環境を見極めたうえで譲渡するところがほとんどだ。愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきているのだろう。 コロナ禍など社会の変化があったとしても、この流れを中断させるようなことがあってはならない。企業の保護活動についても、その火が絶えることのないよう、消費者自身も手を携えて守っていかねばならないだろう』、「愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきている」、他の先進国に比べ遅れていた日本も漸く変わりだしたのは好ましいことだ。広く定着してほしいものだ。
タグ:ペット 東洋経済オンライン (その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている) 高木 佐保 「猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力」 『猫がゴロゴロよろこぶCDブック』 猫の鳴き声は人好みにかわいく進化した!? 「大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っている」 猫が探索したお皿は? 「猫」や「犬」に「エピソード記憶」があるのであれば、「窓の外や飼い主を見つめている」時には、「いろいろな回想をしたり」「しているのかもしれません」、と想像するだけで楽しくなる 知らない人の表情には関心がない 「犬」の場合は「猫」と違って、猟犬や犬ぞり牽引などのように、「飼い主」が複数になる場合もあるので、「たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できる」ようになったのだろう。歴史的経緯がペットの世界にもあるようだ。 奥田 順之 「「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化」 『“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾』 しつけに関する俗説に要注意 「犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません」 オオカミの行動研究を犬に当てはめていた 「アルファシンドローム」など「俗説」は、一見、もっともらしいだけに騙され易いようだ 「犬が上に立っているからかむ」は迷信 「個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています」、今回の「迷信」は「世界的」だったとはいえ、今だに信じる日本人が多いのは、残念なことだ 圓岡 志麻 「島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている」 日本は主要先進国のなかでも、「ペットショップ」で「ペット」が「販売」されている数少ない国だ ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に 昨年7月から「ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に」、とは思い切った戦略だ 動物との共生社会…譲渡会を行う意義 「同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する」 島忠の活動は「エポックメイキングな取り組み」 「ブリーダーの中には悪質な業者もあり」、今回の措置は「ブリーダーの選別という利点もあるそうだ』、「悪質な業者」を淘汰する意義は大きそうだ コロナ禍でのペットブームとこれから 「愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきている」、他の先進国に比べ遅れていた日本も漸く変わりだしたのは好ましいことだ。広く定着してほしいものだ。
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飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) [生活]

今日は、飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度)を取上げよう。

先ずは、昨年12月5日付け東洋経済オンライン「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393553
・『「ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります」 2019年の大晦日。このような書き出しで始まる投稿をある医師がフェイスブックで行った。その後、この発言はネットを中心に波紋を広げることになる。 投稿者は、国立精神・神経医療研究センター病院の薬物依存症センター長を務める松本俊彦氏。過激とも受け取れる発言をしたのはなぜか。インタビューをしたところ、背景にあったのは精神医療の臨床現場で感じる危機感だった(Qは聞き手の質問、Aは松本氏の回答)』、興味深そうだ。
・『エチルアルコールは依存性薬物  Q:ストロング系酎ハイを危険ドラッグとみなす発言は、ネットニュースでも大きく報じられ話題になりました。酒類メーカーの反論などありましたか。 A:メーカーからクレームを受けると思っておびえていたが、それはなかった。まあ、放っておけということなのだろう。 一方、同業である精神科医たちからは、「そうだよね」と同意してくれる声が多かった。依存症を専門とする精神科医師の間では、「ストロング系はヤバい」という認識が以前からあった。ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている。 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす。 酩酊した状態でコントロールが効かなくなり、リストカットの傷を深く入れてしまう女の子もいる。しらふだったらそこまで切らないのに、ざくざくと切ってしまって大騒ぎを起こす。精神科臨床の現場では、そういう事例をすごく見るようになった。 Q:先生の専門は薬物依存の治療です。それなのにアルコールの問題に声を上げたのはなぜですか。 A:覚醒剤などの薬物使用をがんばって断ち切っても、使いたいという欲求はやはり出てくる。そのときに「お酒ならいいだろう。薬物ではないのだから」と、酒に移行する人が一定数いる。 「酔っ払って訳がわからなくなれば薬物への欲求もなくなる」と思って一生懸命飲む。だけど、本当に訳がわからなくなって、売人に連絡を取ってしまい気づいたら注射器が腕に刺さっていました、というような人が結構いる。このようなケースは、ストロング系が出てきてから多くなったと感じる。 酒に含まれるエチルアルコールは、れっきとした依存性薬物。極端な言い方になるが、エチルアルコールは依存性という点で大麻よりもはるかに危ないと思っている』、「ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている」、「家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む」、こんな飲み方を放置すれば、かなりの人が「アルコール依存症」になってしまいそうだ。何らかの対策が必要だろう。

次に、12月6日付け東洋経済オンライン「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393675
・『「朝起きてまずストロングを飲み干す。化粧をしながら二本目のストロングを嗜む」――。 出版社で働くミナは他人に口外できない秘密を抱えていた。それは誰もがうらやむ存在だった同棲中のイケメン彼氏・行成が鬱(うつ)病で引きこもり状態になったことだ。 芥川賞作家の金原ひとみさんが文芸誌『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』。つらい現実から逃れるために、アルコール度数9%の缶チューハイ「ストロング」に依存していく女性が描かれている。 自身も愛飲しているという金原さんに、作品着想の経緯や、ストロング系飲料の魅力と落とし穴について聞いてみた(Qは聞き手の質問、Aは金原氏の回答)』、「自身も愛飲しているという金原さん」の見解とは興味深そうだ。
・『退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた  Q:まずは『ストロングゼロ』を執筆した経緯を教えてください。 A:6年間住んだフランスから2年前に帰国して以来、日本人とお酒の関係をすごく特殊に感じてきました。仕事においてもお酒が関わってくる飲み会文化があったり、お酒に酔って人前で醜態をさらすことが日常化していたりする。フランスではあまり見ない光景が、数年ぶりに見たときにすごく印象的でした。 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています。 ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感しました。自分自身も飲んでいたし、外でも日常的に目につくようになった。電車の中やコンビニの駐車場で飲んでいる人もいて、とても退廃的で興味深く感じていました。そこで、何かに依存する人々というテーマで書いてみたいと思ったんです。 Q:作中では主人公のミナがコンビニのアイスコーヒー用の氷入りカップに「ストロング」を入れて、社内でストローを使って堂々と飲むシーンがあります。「何飲んでるのと聞かれたらレモネードか炭酸水と言えばいいのだ」と妙にリアルです。 A:この方法は出版社に勤める知人の男性から聞きました。その話を別の知人にしたら、「うちの会社にもいますよ」と言う人もいて。酒飲みが考えることは同じなんだなと。「いつも酒臭くてバレバレだ」と言っていたけれども。これは依存の渦中にある人でないと思いつかない発想だなと、ありがたく使わせてもらいました。 Q:金原さん自身もお酒がお好きだそうですね。本作以外の作品にもお酒が登場することが多いように感じます。 A:自宅にはビールやワインを常備しています。基本的にビールから入って、次にチューハイやストロング、最終的にワインに行き着くという飲み方。ストロングゼロも自宅にいつも置いてあります。ネット通販で毎回1箱(24缶)を買うのですが、私も旦那も飲むので割とすぐなくなります。 Q:ストロング系の魅力はどこにありますか。 A:一番は手軽さと安さでしょうか。安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う。ニーズに合っていて、かつ、人を魅惑する商品だと思います』、「日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています」、(「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う」、「罪深い飲み物」とは言い得て妙だ。

第三に、12月7日付け東洋経済オンライン「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393679
・『自社初となるチューハイ商品を出してからわずか7カ月で商品戦略を大きく転換した企業がある。沖縄のビールメーカーであるオリオンビールだ。 同社は2019年末、自社ブランド「WATTA(ワッタ)」の商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した。ストロング系の生産停止を決断したのは、2019年7月から経営トップを率いる早瀬京鋳社長だ。 生産をやめた理由は何だったのか、オンライン形式のインタビューで真意を尋ねた(Qは聞き手の質問、Aは早瀬氏の回答)』、「ストロング系」「を出してからわずか7カ月で」「生産停止」とは何があったのだろう。
・『高アルと健康志向の商品を作る矛盾  Q:ストロング系の生産をやめた背景には何があったのですか。 A:2019年の11月頃、あるNPO団体が主催した会合でのやりとりが転機となった。社員と参加したその会合は社会問題を幅広く研究する場だった。私たちが自己紹介をすると、「今日はオリオンビールの方がいて、ちょっと言いにくいんですけど」と、参加者の1人が切り出した。 薬物やアルコールの依存症問題に関わるNPO団体の方で、次のような話をしてくれた。 「コンビニで買った高アルコール(高アル)チューハイを1~2本飲み、酔っ払って倒れるように寝る。そのような習慣を持つアルコール依存症の人はすごく多い」 ちょうどこの頃、社内ではアルコール度数の低い健康志向商品を作る企画を進めていた。われわれはアルコール依存症の温床とも指摘されている商品と同時に、健康志向のアルコール商品も作ろうとしている。そこに何か矛盾を感じた。 営業マーケティング部門や製品部門、幹部が全員集まる大きな会議がある。その場で私は「高アルをやめる?」と述べ問題提起した。 Q:突然の発言に反対の声が上がったのでは。 A:当然、その場はざわついた。「チューハイの売り上げの4割を占める商品ですよ」と。「でも4%がいちばん売れているんだよね」と返した。 実際、「ワッタ」の売り上げの4割はアルコール度数9%のストロング系だったが、度数4%の商品のほうが売れていた。つまり当社のチューハイで消費者が支持していたのは、アルコール度数ではないということ。シークヮーサーなど沖縄の県産品とコラボしていることなどを評価してくれていた。 コンビニやスーパーでぜひ確かめてほしい。お酒の売り場がどれだけ度数9%の商品で埋められているかを。 商品訴求の優先順位において、アルコール度数の位置づけを下げる会社が1社ぐらいあってもいい。しかも健康志向の商品を作っているのだから、高アルはもうやめようとなって、2019年12月に9%商品の生産を停止した』、「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ。

第四に、12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256870
・『ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか  最近、ストロング系チューハイの功罪両面についての話題が目につきます。ストロング系チューハイとは、価格が安くアルコール度数が高いチューハイの総称で、今若者を中心に大人気となっているお酒です。 功罪の「功」の面としては、ウィズコロナで低迷する消費のけん引役としての評価が高い商品だという点です。小売の酒類の現場で見れば、とにかく売れている。どれくらい売れているかというと、今年4月にストロングゼロを含むサントリーの缶チューハイ「-196℃」ブランドの売り上げが、ギネスブックで世界記録に選ばれたほどです。 ウィズコロナ期間に相当する今年4月から8月のお酒の累計課税数量は、全体で前年同期比6%のマイナスです。中でも清酒やビールなど主力製品の売れ行きが前年割れと振るわない中で、リキュール(缶チューハイはこの分類に含まれる)は対前年で16%のプラスとなっており、群を抜いています。 ひとことで言えば、世帯収入が減る中で「安くてすぐに酔えるストロング」は庶民の味方となっているわけです。 一方で功罪の「罪」の面として、そのアルコール度数の高さから、ストロング系缶チューハイの健康に対するリスクの指摘が相次いでいます。口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念です。 私は医療ではなく経済の専門家なので、まず経済の切り口で、今ストロング系缶チューハイとウィズコロナ消費について何が起きているのかを、見てみたいと思います。そのうえで、社会全体としてこの問題が何を意味するのかをまとめてみます。 私たちコンサルが世の中の消費動向を把握する手がかりとしてよく使うデータが、国が発表する『家計調査』です。9000世帯の家計簿を統計にしたものですが、これがミクロの消費動向を把握するのにはとにかく役立ちます』、「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ。
・『「ウィズコロナ消費」を理解するという意味では、今年7~9月の四半期データを見るのがいいでしょう。典型的な家計という視点で「2人以上の勤労者世帯」のデータを見ると、この期間、支出全体は前の年と比べてマイナス8.3%でした。今夏はやはりコロナの影響で、消費は停滞していたことがわかります。 品目別に前年と比べて2割近く節約されたものを見ると、外食、旅行、交際費全般、そしてファッションといったお金の使途が並びます。これらは、ウィズコロナで悲鳴を上げている業界のリストと合致しています。しかも「GoTo」で政策的に需要を創り出したうえでの2割減ですから、この先GoToの自粛や停止が広がれば、さらに需要は低迷しそうです。 そのぶん、巣ごもり消費で食料全般への支出が増えていると思うかもしれませんが、実際には、食料全体の増加分は前年比プラス1%とわずかなものです。この時期、生鮮食料品の価格全般が値上がりしていたことを考えると、むしろ食費については巣ごもりが進んだにもかかわらず、節約が徹底していたと考えるべきでしょう』、なるほど。
・『コロナ禍の巣ごもり消費で顕著に増えたのは酒とたばこ  さて、ウィズコロナのこの時期に消費が対前年比で2割以上増えた品目を探すと、4つしかありません。1つは自転車。増えた理由も何となくわかる商品ではありますが、家計に占める支出額としてはそもそも非常に小さい品目です。2つ目は健康関連の商品。これが増えるのはまあ、当然でしょう。 そして残る2つの品目が、本稿のテーマにも関係するものなのですが、酒とたばこです。 今年7~9月期の2人以上の勤労者世帯で、酒の支出は前年から24%増、そしてたばこは何と31%増となっています。ちなみにこの統計データは、今年10月のたばこの値上げ前のデータなのですが、6月も30%増となっているので、駆け込み需要というよりも、単純に喫煙者の外出が減ったぶん、たばこを吸う本数が増えたということが、この統計からは読み取れます。 自宅での酒の支出の増加については、追加の考察が必要だと思います。ここまでの話で酒の課税データを見ると、ウィズコロナでの課税数量は6%のマイナスになっています。つまり、外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多いのではないかという見方もありえます』、「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう。
・『課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実  では、酒飲みの方のアルコールの量は減ったのでしょうか、それとも増えたのでしょうか。 全体像を捉えるにあたって気を付けるべきポイントが、2つあります。1つは国税庁の課税データで、アルコール度数の少ないビールの数量が減って、アルコール度数の高い缶チューハイの数量が増えていることです。つまり、課税数量は減っていてもアルコールの量は減っていない可能性がある。これが1つ目のポイントです。 そしてもう1つは、外食が減った分、お付き合いでお酒を飲む人の消費はまるまる減ったということです。我が家は典型的にそういう家庭ですが、家族は外食するとお付き合い程度にアルコールを口にします。しかし、自宅の冷蔵庫にビールや缶チューハイは入っていません。そういった世帯のアルコール消費は、そもそも外食の自粛とともにすっかりなくなってしまいます。 そう考えると、逆に冷蔵庫にアルコールが常備されている家庭においては、ウィズコロナ期間、アルコールの消費量は増えているという風に統計を読み取るべきでしょう。 家庭内でのアルコールの支出を家計調査で見ると、緊急事態宣言が発令された4月、5月に対前年比で約3割も増加したうえで、解除後の6月以降も毎月約2割増をキープしています。それを考えると、コロナ第三波による自粛で巣ごもりが増えるであろうこの冬には、また支出が前年比3割増のラインに戻ることが予想されます。 さて、ここまでの話をまとめると、ウィズコロナ消費についての異様性が際立ちます。 平均的な国民の収入が減り、財布のひもが堅く締められている。緊急事態宣言後も旅行や外食は手控えられ、外出が減った関係で、ファッションにもお金は使わない。食費もそれなりに節約する中で、たばこと酒の量だけが増えている――。 統計を見る限り、今の日本の家庭はそういう状態になっています。結構思い当たることも多いと思いますが、これはかなり衝撃的な傾向ではないでしょうか』、「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ。
・『コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪  酒とたばこの消費が増えているというのは、当たり障りのない表現です。経済的にはその通りなのですが、社会学的に言うと、これは「精神安定剤」の需要が増大していることを意味しています。コロナで健康面でも経済面でも先行きが不安だから、酒とたばこに手を伸ばす人が増えたということに他なりません。 現在、習慣的に喫煙をしている人は17%、週3~4回以上飲酒している人は約30%というのが、社会全体におけるだいたいの構成比です。全体から見れば少数派のこういった人たちが、この半年間、ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている。だとしたら、全体の平均の数字よりも実態はさらに深刻なはずだというのが、医療関係者が問題提起し始めた警告の中身です。 その中で、特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い。フルーツの風味で口当たりがよく、350ミリリットル缶があっという間に空いてしまう。そのアルコール量は、一缶で日本酒の1.5合に相当します。 「でも、何を飲もうと個人の勝手だろう?」という疑問がわいてくるかもしれません。お酒のメーカーにとっても、「不況下の数少ないビジネスチャンスなのだから、とやかく言われたくない」という気持ちはわかります。 しかし、私にはやはりこの問題が気になってしまいます。理由は「ある本」を読んだからかもしれません。イギリス人ジャーナリストのジェームズ・ブラッドワースが著した『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』という、かなり物騒な題名の本です。これは著者が、イギリスで最底辺と言われる職場に自ら身を置いた際の体験談です。 彼は著書の中で、自身がアマゾンの倉庫で働いた時期の平均的な支出を公表しています。1週間の手取り給与が147ポンド、つまり日本円でだいたい2万円です。うち1万円が家賃に消え、残りの大半が食費に消えます。 その1万円の内訳は、3000円が食堂のランチ代に、4000円はマクドナルドやシリアル、コンビニなどのジャンクフードに、1400円がビールに、そして700円がたばこに消えていきます。 このような収支ぎりぎりの日常に身を置いてみた著者のジェームズ・ブラッドワースが実感したのは、それらの支出の中でも「ビールとたばこは削れない」ということだったのです。 彼曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」ということです』、「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」、「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」、「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」。「「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合」、確かにその通りなのかも知れない。
・『「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題  つまり、ウィズコロナの時代になった今年4月以降、急激に家庭内でのアルコール消費量が増えているという事実は、経済と健康の両面に関わる社会不安に端を発した依存症の拡大問題として、捉えるべきではないでしょうか。 そして同時に、これは政治にしか解決できない問題でもあります。企業の収益が先細る中で、酒造メーカー各社が売れ筋の製品の製造を制限するのは、簡単にできることではありません。実際には、沖縄のオリオンビールがストロングを取りやめたというニュースがありますが、4大メーカーがそれに追随する気配はありません。ただでさえ、利益の追求をやめたら、株主から訴訟を起こされるかもしれない時代です。 一方で、政治ならこの流れを変えられる。その一例が酒税の改正です。アルコール度数に応じて課税するようにルールを変更すれば、少なくとも安くて簡単に酔える商品が売れ筋になることはなくなるでしょう。ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題だと捉えることが正しいように思います。読者の皆さんはどう思うでしょうか』、「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である。
タグ:オリオンビール 東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 飲料一般 (その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) 「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」 ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります エチルアルコールは依存性薬物 ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす 「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」 金原ひと 『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』 退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感 (「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う 「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」 商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した 高アルと健康志向の商品を作る矛盾 「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ 「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」 ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか 「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ 「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう 課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実 「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪 「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」 「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」 「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」 「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題 「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である
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健康(その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない) [生活]

健康については、昨年12月18日に取上げた。今日は、(その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない)である。

先ずは、本年1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授の大平 哲也氏による「「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/394018
・『人間は環境によって左右される生き物です。実は職場にも「病気になりやすい職場」と「なりづらい職場」があることをご存知でしょうか? 「職場環境」や「上司」が健康に与える影響を福島県立医科大学医学部の大平哲也疫学講座主任教授による新書『感情を“毒”にしないコツ』から一部抜粋・再構成してお届けします。 その人が就いている仕事と病気には、何か関連性があるのでしょうか。職業ストレスと疾患の関係については、さまざまな調査があります』、興味深そうだ。
・『「ストレスフルな仕事」の条件とは?  スウェーデンで産業ストレスを研究するロバート・カラセック氏が提唱するストレスモデルでは、職業ストレスを「仕事の要求度(仕事量、時間、内容)」と「仕事のコントロール度(裁量など)」の2つの軸から分析しています。 これをそれぞれの特性から、「要求度とコントロール度がともに低い仕事(消極的な仕事)」「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」「要求度とコントロール度がともに高い仕事(積極的な仕事)」の4つに分けます。 いちばんストレスが高いのは、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」でした。仕事の量など負担が大きいのに、コントロール度が低い、つまり自分の裁量でできない仕事です。 逆にストレスをためにくいのは、「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」でした。また「要求度とコントロール度がともに高い仕事(積極的な仕事)」は、仕事は大変ですが、自分の裁量でできるため、達成感も得られ、ストレスをためにくいといわれています。 「要求度とコントロール度がともに低い仕事(消極的な仕事)」は、ストレスは低いですが、やる気が削がれてしまうようです。職場などでストレスを改善するには、要求度を下げる、仕事のコントロール度を上げるなどの調整が必要ということになります。 また、仕事のストレスが高いと脳卒中になりやすいという日本のデータもあります。ストレスがもっとも低い「要求度が低く、コントロール度が高い仕事」を1とすると、ストレスがもっとも高い「要求度が高く、コントロール度が低い仕事」は、脳卒中になるリスクが2.73倍も高くなるという研究結果が得られました(図表11、日本人従業員6553人を11年間経過観察した研究:Tsutsumi A,et al.Arch Intern Med.2009)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 「仕事のコントロール度」だけで比較した別の研究では、「仕事のコントロール度」が高い人を1とすると、「仕事のコントロール度」が低い人のほうが、自殺が4.1倍も高いことがわかりました(図表12、日本人従業員男性3125人を9年間経過観察した研究:Tsutsumi A, et al. Psychother Psychosom.2007)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右するということです。 ただ難しいのは、自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いるということです。そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります』、「仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右する」、その通りだろう。「自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いる・・・そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります」、例外的なケースにも目配りしているようだ。
・『仕事のストレスを緩和する方法  一方、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事」に就いている人はどのように対処したらよいのでしょうか。 その1つは、ソーシャルサポートです。カラセック氏らの研究によれば、たとえ職業ストレスが高い仕事であっても、上司や同僚、そして家族のサポートがあると、ストレスの影響が緩衝されて弱くなることを報告しています。つまり、仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります。 私は大阪で勤務していたときに、教員のメンタルヘルスにかかわる仕事をしていました。小学校、中学校の教員は、子どもたちの教育や生活の指導のみならず、親との対応などで年々ストレスが増加しています。 忙しくてストレスが多い職場であっても、校長先生や教頭先生など上司がしっかりサポートしてくれる学校では、教員のモチベーションが高くメンタルヘルスが保たれている印象を受けました。逆にうつ状態になってしまった教員の多くは、上司からの理解や支援がないことを強く訴えていました。 ちなみに、職業によっても病気になるリスクに違いがあるという報告もあります。スウェーデンの研究で、バス運転手、タクシー運転手、トラック運転手の心筋梗塞のなりやすさをほかの職種と比べたところ、特にストックホルム市内のタクシー運転手とバス運転手のリスクがいちばん高いことがわかりました。 ほかの職種に比べてタクシー運転手で1.65倍、バス運転手で1.55倍も心筋梗塞のリスクが高かったのです。さらに、これらの関連は喫煙や体重などの因子とは関係なく見られました。これらの運転手の8割は職業ストレスが高いことが知られており、職業ストレスの影響だと考えられています(Gustavsson P, et al. Occp Environ Med.1996)』、「仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります」、「上司」の役割は重要なようだ。
・『上司の質で「心臓病になるリスク」が変わる  上司からのストレスに悩んでいる人は多いでしょう。実際、職場の上司との関係に悩み、うつになってしまう人があとを絶ちません。あなたの上司がどんな人かによって、うつどころか、心臓病になるリスクまで上げるかもしれないといったら、驚かれるでしょうか。 上司のリーダーシップと部下の虚血性心疾患の発症との関係を調べた研究があります。部下に以下のような質問を投げて回答してもらいました。 ①私の上司は私が必要な情報を与えてくれる(情報提供) ②私の上司は仕事の目標を明確に示してくれる(目標提示) ③私の上司が私に何を期待しているのかを把握している(期待) ④私の上司は部下の育成と管理に十分な時間をかけてくれる(育成管理) その回答結果から虚血性心疾患発症の相対危険度を調べました(図表13、年齢調整済み。スウェーデン人3122人を9.7年間追跡調査した研究)。『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)より 「情報提供」してくれる上司がいる部下のリスクは0.65倍、以下「目標提示」は0.61倍、「期待」は0.77倍、「育成管理」は0.69倍と、いずれも低かったのです。つまり優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低いということになります。 上司は基本的に自分で選ぶことはできませんが、今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか』、「優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低い」、かなりハッキリした違いのようだ。「今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか」、同感である。

次に、1月20日付け東洋経済オンラインが掲載した 順天堂大学医学部名誉教授の新井 平伊氏による「夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403912
・『肝臓の数値が気になったり、血圧を毎日測る人がいても、脳の健康状態を意識している人は多くはいません。特に脳の健康で気を付けたいのが睡眠です。順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊氏が上梓した『脳寿命を延ばす―― 認知症にならない18の方法』を一部抜粋・再構成し、脳と睡眠の関係を紐解きます。 ①最適な睡眠時間は6.5~7時間  睡眠と脳の健康には、非常に深い関係があります。動物実験の結果、睡眠時間を短くしたラットの脳には、老廃物のアミロイドβが溜まってしまうことがわかっています。人間でも、一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるというデータがあります。 アミロイドβは普通、寝ている間に代謝、分解されて、脳の外へ洗い流されます。ところが睡眠時間が短いと、排泄が遅れてしまうのです。寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまうことになります。 最適な睡眠時間には、個人差があるものです。しかし疫学的なデータからみると、6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい。寝不足も寝すぎもいけないというのは、興味深い事実です』、「6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい」、私もたまたま同じ睡眠を取っている。
・『脳に悪影響を及ぼす睡眠障害  脳の健康に悪い影響を及ぼすのは、寝不足、言い換えると睡眠障害です。睡眠障害は、なかなか寝つけない入眠困難、長い時間寝ているはずなのに疲れが取れない熟眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒の3つに分けられます。 精神医学的な面から言うと、神経症の人は入眠困難が多く、うつの人には早朝覚醒が多い傾向があります。 ただし、現在は睡眠時間の短かさや質よりも、眠くて勉強や仕事ができないなど昼間の活動に支障があることを重視して、睡眠障害と定義するようになってきました。  ②昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える(1日の4分の1から3分の1に当たるわけですから、人間はかなり長い時間寝ています。身体と脳を日ごとにリセットするには、それだけ長い時間が必要なのです。その6~7時間のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠という波が交互に訪れることは、よく知られています。 レム(REM)とは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略です。レム睡眠の時間帯には身体は休んでいるのですが、その名の通り目がぴくぴく動いています。脳は覚醒状態にあって活発に働き、記憶の整理や定着を行っています。夢を見るのは、レム睡眠の間です。 目が動かないノンレム(non─REM)睡眠は深い眠りで、脳も休んでいると考えられています。ところが、脳の休息に欠かせないノンレム睡眠は、加齢とともに浅くなります。たとえばトイレに起きやすくなるのは、眠りが浅くなるせいです。睡眠障害がなくても、老化によって睡眠は浅く短くなり、質が低下していくのです。 そのため、昼間の覚醒と夜の睡眠のリズムを整えることが、若い頃より意味をもちます。昼間の過ごし方が、質の高い睡眠をもたらすからです。 なるべく太陽光線を浴びたり、運動して身体を疲れさせるなど、夜になったら眠りにつきやすい環境を整えることです。 脳には体内時計があり、習慣のリズムに沿ってセッティングがされるのです。 「何時に寝て、何時に起きればいいか」は個人差があります。早寝早起きが基本ですが、夜9時に寝れば明け方の3時か4時に目覚めてしまい、昼間は眠気と戦わなければいけなくなる場合もあります。規則正しいことは大切ですが、正しいリズムとは言えません。 生活習慣や個人のライフスタイルによりますが、現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう。 ③寝具や空調などの環境を作る(寝具や空調などの環境作りも、気になる点です。眠気が訪れるのは、身体がいったん温まってから冷めるときだと言われています。寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです。 室温はどのくらいが適当かという医学的なデータはありませんが、冬は暑すぎず、夏は涼しすぎず、身体に風が直接当たらない間接空調のほうが心地いいでしょう。いびきをかく人や副鼻腔炎がある人は、仰向けより横向きの姿勢が寝つきやすいはずです』、「現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう」、「寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです」、なるほど。
・『「楽しいこと」を思い浮かべることが大事  ④時間と気持ちの余裕を持つ  時間と気持ちの余裕をもって、睡眠に入ることが大切です。翌日がゴルフで、ワクワクして眠れないのならいいですが、「明日も仕事だから早く寝なくちゃ」とか「あと5時間しかない」と思いながらだと、精神的な圧迫になってしまい、かえって寝付けないものです。 私は患者さんに、なるべく楽しいことを思い浮かべながら眠りにつきましょう、とアドバイスしています。 一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です。 睡眠の質を高めることは、脳の老化防止になり、認知症の2次予防、3次予防にもなるのです』、「一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です」、これは心して習慣化したい。
・『⑤医師の処方で薬の服用も検討する  生活のリズムを整えても熟睡できなかったり、昼間の睡魔に悩まされる人は、薬の服用を検討してみるのもいいでしょう。睡眠薬と聞くと抵抗があるかもしれませんが、いまは安全な睡眠導入剤がたくさん出ています。 安全と言う意味は、2つあります。1つは、脳内ホルモンに作用して自然な眠り、自然なリズムを作るという意味。もう1つは、副作用が少ないという意味です。 以前の睡眠薬はベンゾジアゼピン系といって筋弛緩作用があり、身体がふらつくなどの副作用がありました。 いまは、非ベンゾジアゼピン系の薬が使われています。ルネスタ、マイスリー、アモバンなどです。筋弛緩作用による副作用が少ないので、特に高齢者に適しています。 そのほか、睡眠や体内時計に深く関わる脳内ホルモンのメラトニンに働きかけるロゼレム、覚醒の脳内ホルモンであるオレキシンをブロックするベルソムラとデエビゴ、といった薬があります。医師の処方に従って、適切に使ってください』、私の場合は「睡眠薬」なしで大丈夫だ。
・『寝酒は睡眠が浅くなる原因  ⑥寝酒はお勧めできない  寝酒はお勧めできません。寝つきをよくするような気がしますが、睡眠は浅くなり、早く目が覚めてしまいます。 旅行に行ったときなど、酒を飲んで寝ると翌朝は早く起きて、家にいるときより朝ご飯をたくさん食べられたりします。あれはアルコールの作用で、睡眠が浅くかつ短くなっただけです。 毎晩の飲酒を脳にセッティングすると、浅くて短い睡眠となり、脳の老化が進んでしまいます。 そして、飲酒の習慣が肝臓と脳を痛めることは、改めて言うまでもないでしょう』、私は「寝酒」は週1回程度やっているが、これからは出来るだけ控えるようにしたい。

第三に、1月29日付けダイヤモンド・オンラインが転載したハーバード・ブジネス・レビュー「神経科学が解き明かす、仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない」を紹介しよう。
https://www.dhbr.net/articles/-/7392
・『睡眠不足が生産性やパフォーマンスにネガティブな影響を与えることは、誰しも耳にしたことがあるだろう。問題は「寝ていない」自慢に代表される、大きな認識不足だ。睡眠時間を削ってまで仕事をすることが優秀な人材としての証だというのは、大きな間違いだ。本稿では神経科学の研究成果から、睡眠不足時の脳に何が起きているのかを解説し、睡眠の質と量を改善することで、仕事に必要不可欠な力、すなわち高い集中力と注意力と忍耐力、ポジティブな気分とマインドセットを手に入れるための心構えを説く。 ほとんどのものがそうであるように、睡眠も不足した時にその大切さを最も痛感する。 残念ながら、その経験をしている人はあまりに多く、3~4割の人が睡眠不足の問題を抱え、米国では実に7000万人、欧州でも4500万人が慢性的な睡眠障害に悩まされている。 睡眠時間が短くなるのは、決まって「やむをえない状況」によるが、上記の数字は、睡眠が生活のみならず仕事に対しても、いかに利益をもたらしているかが正しく理解されていないことを示している。 さらに気がかりなのは、睡眠障害による心身の健康へのネガティブな影響に関する一般的な認識不足だ。我々の多く、すなわちリーダーも同僚も友人も、相も変わらず睡眠時間を削って働くことに誇りを見出していることが何よりの証拠である。まるで、それが優等生や優秀な社員への道であるかのように、だ。 しかし、睡眠より仕事を優先するという人が実際にしていることは、単に質より量を取っているにすぎない。 もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである。 初めて聞く助言ではないだろう。だが、睡眠の価値を理解するには、神経科学における最新の研究成果に耳を傾けるのが一番だ。神経科学は、睡眠が脳に与える影響や睡眠を十分に取らなかった場合の脳に対する影響についての研究に、多くの時間を費やしている分野だ』、「ナポレオンの睡眠は3時間」、といわれるが、昼寝を十分取っていたとの説もある。「もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである」、その通りだろう。
・『睡眠不足の脳に何が起きているのか  具体的な話に入る前に、まず眠っている時の脳の状態を簡単に説明しておこう。 脳は、それ以外の身体器官が待機状態になっている間も活動を続け、言わば「オンライン」状態を維持していることが、複数の研究によって示されている。スマートフォンのように、夜は見ていないからといって、その間、働いていないわけではないのだ。 睡眠中の脳の主な機能は、科学者がよく「脳の老廃物(mental wastage)」と呼ぶ、日中にニューロンの間に蓄積された毒素を排出することである。この老廃物は、短期的にも長期的にも正常な認識機能を損なわせる可能性がある。 脳が老廃物を廃棄するのは、より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるためだ。パソコンの「自動削除」と考えるとわかりやすい。つまりゴミ箱の中身を永久に削除してスペースをつくり、処理速度を高めるようなものだ。 老廃物の排出は、基本的な学習記憶機能を支えるほか、気分や感情、性欲をコントロールするカギでもある。言い換えると、人間にとって睡眠は給油のようなものだ。「睡眠時間を削ってもっと働けば、生産性が高まる」という発想は、給油を省けば目的地に早く到着できるという発想と同じくらい論理的、つまりは非論理的なのだ。 極度の睡眠不足は、心身と仕事の両方に、以下のような影響を及ぼす』、「睡眠中の脳の主な機能は・・・「脳の老廃物(mental wastage)」・・・毒素を排出すること」、「より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるため」、なかなかよく出来た仕組みだ。
・『簡単なことでもやり方を忘れる  たった一晩の睡眠不足でも、脳の中で記憶や学習を司る海馬の正常な働きを損なうには十分だ。海馬は、情報を短期的および長期的に保持するうえで、中心的な役割を担う。また、方向感覚や空間認識能力も左右する。これについては、ロンドンのタクシー運転手の海馬が普通よりも大きいことを明らかにした有名な調査がある。 睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする。いずれも、仕事のパフォーマンスに深刻な影響をもたらす問題だ。オートパイロットモードを使ったり、反復作業やルーチン業務をこなしたりしているだけなら別だが、比較的簡単なタスクであっても、パフォーマンスが低下している感覚はあるだろう。 睡眠不足が二日酔いとよく似ていると感じるのは、こうした理由による。集中することが苦になり、それまで当たり前にこなしていたタスクにも、かなりの集中が必要になる』、「睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする」、なるほど。
・『長期記憶が損なわれる  前述したように、睡眠によって脳は、代謝老廃物を排出する時間を与えられる。老廃物の中には、蓄積されると脳細胞の間にプラークを形成するタンパク質もある。睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている。 86の科学的研究を検証した結果、睡眠時間が長い人のほうが、敏捷性、学習効率、集中力が高い傾向にあることが明らかになっている。これは、睡眠時間が長いほうが、老化に伴う認知能力の低下が緩やかであることを説明している。 睡眠衛生、すなわち睡眠の質と量を高めるための行動や環境の改善は、勉強や仕事のパフォーマンスの向上、そして高い知的発達につながる。複雑な仕事であるほど、学習や論理的思考、新たな問題の解決が求められ、睡眠が質と量ともにより必要になるということだ』、「睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている」、「長期的」な弊害は本当に怖い。
・『攻撃性や不安感を持ちやすい  睡眠は、気分や感情のコントロールに不可欠な化学反応を脳内に引き起こす。この反応に最も関係が深い脳内ホルモンは、メラトニンと呼ばれる。 メラトニンは、夜間に多量に分泌されて睡眠を促し、朝は目覚めるために分泌量が低下する。気分の変調とも関係があるとされている。メラトニンが分泌されて眠る時間であることを知らされても、無視して起きているような時に起きることが多い。 睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ。扁桃体は、その人がポジティブな経験をしている(安心している)のか、あるいはネガティブな経験をしている(怒りや恐怖を感じる)のかを判断する感情のレーダーのようなものだと思えばよい。 不安、攻撃性、衝動的な決断はすべて、扁桃体の過活動が引き起こしている。夜間に脳のこの領域に影響を与える変化は、どれも翌朝まで持ち越され、他者に対する忍耐力や共感力を含む、あなたの行動に影響を与える。 恐怖や不安といったネガティブな感情は、怖い夢や不快な夢という形で睡眠中にも出現する。睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い。 要するに、自分が思いやりのある優しい同僚やパートナー、友人になりたければ、もっと睡眠を取るべきなのだ』、「睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ」、「睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い」、「睡眠不足」の弊害は想像以上に深刻だ。
・『人間関係を危険に晒す  睡眠不足は、恋愛や人間関係にも害を及ぼす可能性がある。 成人のほとんどは、共同生活者や同居人と同じ寝室で眠っている。こうした条件に当てはまる人は、自分の人生やキャリアだけでなく、パートナーの人生やキャリアにも影響を及ぼしている。 案に違わず、睡眠と人間関係の質との間には相関関係がある。幸せな関係性があればよく眠れ、よく眠ることで関係もよくなる。 このような研究結果が豊富にあるにもかかわらず、きっと友人や同僚の「寝ていない」自慢は今後も続くだろう。いかにも、それが生産性の向上や成功につながっているかのように。 そうした時は、科学がそれとは逆のことを証明していると思い出そう。長時間にわたって脳を途切ることなく解放すれば、目覚めた時の頭の冴え、幸福感、そして健康が増進するのである』、「「寝ていない」自慢」は錯覚でしかない。しかも、「人間関係を危険に晒す」危険極まりないものである以上、「長時間にわたって脳を途切ることなく解放」していきたいものだ。
タグ:健康 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン (その13)(「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する、夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく、神経科学が解き明かす 仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない) 大平 哲也 「「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差 上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する」 人間は環境によって左右される生き物 「ストレスフルな仕事」の条件とは? ストレスモデル 、職業ストレスを「仕事の要求度(仕事量、時間、内容)」と「仕事のコントロール度(裁量など)」の2つの軸から分析 いちばんストレスが高いのは、「要求度が高く、コントロール度が低い仕事(緊張を強いられる)」 ストレスをためにくいのは、「要求度が低く、コントロール度が高い仕事(緊張性は低い)」 仕事を自分のペースでおこなえることも、ストレスを左右する」、その通りだろう。「自分のペースではなく、決められた仕事をきちんとおこなったり、単純作業を繰り返したりするのが好きだという人も一定数いる そういう人にとっては、自分の裁量でおこなうことがストレスになります」、例外的なケースにも目配りしているようだ 仕事のストレスを緩和する方法 仕事のストレスが多い職場こそ、まわりの人のサポートが病気の予防のために重要なのです。 逆に上司のサポートがないどころか、上司がストレスになっているような職場だと、より病気になる可能性が高くなります」、「上司」の役割は重要なようだ。 上司の質で「心臓病になるリスク」が変わる 「優秀な上司のもとで働いている部下は、そうでない人に比べて心臓病になるリスクが23?35%低い」、かなりハッキリした違いのようだ 「今、上司との関係でストレスを抱えている人は、自分の健康のためにも、部署の異動、あるいは転職を真剣に考えてもいいのではないでしょうか」、同感である 新井 平伊 「夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事 ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく」 脳寿命を延ばす―― 認知症にならない18の方法 最適な睡眠時間は6.5~7時間 寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまう 6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい」、私もたまたま同じ睡眠を取っている 脳に悪影響を及ぼす睡眠障害 昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える 寝具や空調などの環境を作る 現代社会では、身体にとっては11時ごろに寝て、6?7時ごろに起きるのが自然でしょう」 「寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。身体のリズムは、うまく利用すべきです」 「楽しいこと」を思い浮かべることが大事 一定のルーティンを作っておくと、脳がそれを覚えて「これから眠りにつくんだな」と学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です」、これは心して習慣化したい ⑤医師の処方で薬の服用も検討する 寝酒は睡眠が浅くなる原因 ⑥寝酒はお勧めできない ハーバード・ブジネス・レビュー 「神経科学が解き明かす、仕事より睡眠を優先すべき理由 「寝ていない」自慢は自己満足でしかない」 「ナポレオンの睡眠は3時間」、といわれるが、昼寝を十分取っていたとの説もある もしあなたが、仕事や勉強、家庭生活においてベストコンディションで臨みたいと思うならば、夜間に十分な休息を取り、それによって得られる力を活用するのが得策だ。すなわち、より高い集中力と注意力と忍耐力、そしてよりポジティブな気分とマインドセットである 睡眠不足の脳に何が起きているのか 睡眠中の脳の主な機能は 「脳の老廃物(mental wastage)」 毒素を排出すること 「より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるため」、なかなかよく出来た仕組みだ 簡単なことでもやり方を忘れる 睡眠不足になると、忘れっぽくなったり、集中できなくなったり、数字を覚えられなくなったり、あるいは事実認識が困難になったりする 長期記憶が損なわれる 睡眠不足は、短期的には知能指数(IQ)の低下、長期的にはアルツハイマー病に関係すると考えられている」、「長期的」な弊害は本当に怖い 攻撃性や不安感を持ちやすい 「睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ」 「睡眠不足の時にイライラして怒りっぽくなり、さらに質の悪い睡眠によって気分が不安定になり、悪夢という形で睡眠が妨げられるという悪循環に陥る人も多い」 「睡眠不足」の弊害は想像以上に深刻だ 人間関係を危険に晒す 「寝ていない」自慢」は錯覚でしかない。しかも、「人間関係を危険に晒す」危険極まりないものである以上、「長時間にわたって脳を途切ることなく解放」していきたいものだ
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医療問題(その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」) [生活]

医療問題については、昨年12月15日に取り上げた。今日は、(その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」)である。

先ずは、昨年12月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「多すぎる病院」が、コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258104
・『現実味を帯びる医療崩壊 内情はどうなっているのか  連日のように「医療崩壊の危機」が叫ばれている。 日本医師会などは「医療の緊急事態」を宣言、日本看護協会も春の第1波の際に看護師が離職した医療機関が15.4%にのぼったという調査結果を明らかにするとともに、現在看護職員の心身の疲労がピークを迎えており、「限界に近づいている」と述べている。 かねてより懸念されていた医療崩壊がいよいよ現実味を帯びてきたことを受けて、「指定感染症の2類相当措置の見直し」(注)を主張する人も増えてきた。インフルエンザと同じような対応にすれば、医療崩壊は避けられるというのだ。 マスコミがそうした騒ぎ方をしていることで、感染症で高齢者が亡くなることがすっかり「コロナの恐ろしさを象徴する悲劇」ということになってしまったが、実は日本ではインフルエンザでコロナよりも多く人が亡くなっている。昨日、「コロナで亡くなった人が3000人を突破した」とマスコミが報じていたが、昨年インフルで亡くなった方は3575人もいるのだ。 ワクチンや治療薬があるのになぜこんなにも「助けられない命」が出てしまうのかというと、社会のあちこちでクラスターが発生して、高齢者や基礎疾患のある方が感染し、重症化するからだ。 皆さんも、昨年の今頃は少し熱っぽくても、満員電車に乗って会社へ行ってゴホゴホやっていたはずだ。日本全国の小学校や中学校も同じで、軽症の子どもたちがウイルスを広め、学級閉鎖が起きていた。こんな調子で、実はインフルエンザは年間1000万人もの感染者が出ている。 ただ、これだけ凄まじい数の感染者と重症者・死者が出ているにもかかわらず、毎年冬になるたびに「医療崩壊の危機」は叫ばれていない。その理由は明快で、季節性インフルエンザは5類感染症だからだ。 コロナのように、重症患者は指定感染症医療機関でしか受け入れてはいけない、軽症や無症状でも隔離しなさい、検査結果をすべて報告しなさい、といった縛りがない。つまり、1000万人もの感染者が出ても、医療現場の負担は極端には重くならないので、対応できているというわけだ。 実際、医療専門サイト「m3.com」が9月に医療従事者を対象に意識調査を行なったところ、7割弱の医師が「2類相当の見直しが必要」と回答したという。 これには個人的にはまったく同感だ。しかし、一方でもし仮に「2類相当の見直し」がなされたところで、そこまで状況は改善されないのではないかという気も少々している。日本の「医療崩壊の危機」を引き起こしている根本的な問題が、解決されていないからだ。 それを放置したままで、インフル相当の対応にしても、医療現場は疲弊していく一方である。よしんば今回はどうにかしのいだとしても、新たなウイルスが登場したらひとたまりもない』、「2類相当の見直し」は確かに小手先の対応といった印象だ。
(注)「指定感染症の2類相当措置の見直し」:感染症には1類から5類まである。全国保健所長会が2類相当の扱いを緩めることで、保健所の逼迫状況を解消してほしい旨を厚労省に申し入れた。
・『急性期病院が多すぎることの何が問題なのか  では、それは何かというと、「急性期病院が多すぎる」という問題だ。 「急性期病院」というのは、地域の重症患者の治療などを24時間体制で行なっている大きな病院のことだ。今回、コロナの重症患者を受け入れて、現場がひっ迫しているのはほとんどこの急性期病院だ。 というと、「日本はそういう大きな病院がたくさんあるおかげで、まだなんとか医療崩壊をしないで済んでいるんだろう」と感じる方も多いだろう。「うちの近所にはそういう大きな病院がない!多いどころか足りていないじゃないか!」と怒りの声をあげる方もいらっしゃるかもしれない。そう、われわれ日本人にとって、「病院がたくさんある=医療が充実している」というのは、小学生でもわかる「常識」だ。 これまで、筆者もそう思っていた。が、800以上の急性期病院のビッグデータをもとにして病院の経営改善支援をおこなっている、グローバルヘルスコンサルティングジャパン(以下、GHC)の分析を見ると、それは「思い込み」に近いものだった、という厳しい現実を突きつけられる。 結論から先に言ってしまうと、地域の医師や看護師といった医療従事者の数に対して、急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きているのだ。 GHCの会長で、スタンフォード大学で医療政策部を設立した国際医療経済学者のアキよしかわ氏と、GHC代表取締役社長の渡辺さちこ氏によって、今月23日に世に出された『医療崩壊の真実』(エムディエヌコーポレーション刊)には、「多すぎる急性期病院」という問題がコロナ医療をひっ迫させていることを示す、客観的なビッグデータが多く掲載されている。 たとえばわかりやすいのが、「集中治療」に関するデータだ。 コロナ患者が重症化した場合、集中治療ができるかどうかということが、患者の生死を分けることになるのは言うまでないだろう。もちろん、それは集中治療室があればいいという単純な話ではなく、ECMOや人工呼吸器などを用いての治療となるため、専門的な知識や経験のある「集中治療専門医」や「救命救急医」がいなくてはいけない』、「急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きている」、このブログの1月11日付け「パンデミック(経済社会的視点)(その12)」でも指摘した問題である。
・『「人が足りない」では片付けられない問題とは  では、日本のコロナ重症患者たちはそのような適切な治療を受けているのかというと、必ずしもそうとは言い難い現実がある。 今年の2~6月にコロナ患者を受け入れた341の病院を対象にGHCが調査をしたところ、集中治療専門医、救命救急専門医がいた病院は193病院(57%)にとどまり、これらの専門医がいない病院が4割強に上っているのだ。 日本の専門医が不足していることは事実だが、実はこれには「人が足りない」で片付けられない構造的な問題もある。コロナ患者を受け入れていない266の病院では、35病院(15%)で集中治療専門医や救命救急専門医が常勤し、89病院(39%)には呼吸器内科専門医がいた。 コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ。GHCはこの問題について、以下のように分析をしている。 《ここで、「問題の本質」はというと、集中治療専門医が全国で1955人(救急科専門医は約5000人、いずれも日本救急医学会HPより)と、それでなくとも十分ではない中、日本のこの状況は、“多すぎる急性期病院数”が「専門医の分散」に拍車をかけているという実態があるということなのです》』、「コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ」、なんともバカバカしい「ミスマッチ」だ。
・『OECD加盟国平均よりも多い日本の病床数が物語ること  そう聞くと、「ミスマッチが起きていることはわかったが、それを病院の数に結びつけるのは暴論だ!」「病院が多いことで救われる命もたくさんあるはずだ!」という意見も多く出そうだ。「病院がたくさんある=医療が充実している」という常識を持つ日本人にとって、受け入れ難い結論だろう。 ただ、残念ながらこれも客観的なデータが物語っている。同じく『医療崩壊の真実』の中に掲載されているが、日本の人口1000人あたりの病床数は13.1。OECD加盟国平均は4.7なので、それと比べて桁違いにベッドの数が多いのだ。それはつまり、病院の数もかなり多いということである。 もちろん、これは国民皆保険という日本独自の制度ゆえの多さだ。どこでも誰でも気軽に医療にアクセスできるようにする保険制度なのだから、いたるところに病院がなくては意味がない。そのような意味では、日本にこれほど病院が多いことは決して悪いことではなく、むしろ素晴らしいことだ。 乳幼児や子どももすぐに医療にかかることができるし、お年寄りや体の弱い人もアクセスしやすい。どこかの国のように、隣町の病院へ行く途中に亡くなってしまうといった悲劇も少ない。病院が圧倒的に多いことが日本人の健康や命を守ってきという事実からも、筆者は「病院が多い」ことを批難するようなつもりはまったくない。 ただ、我々患者がその素晴らしい医療の恩恵を受けることができているのは、「医療従事者の重い負担」という犠牲の上に成り立っているという現実がある、という現実を指摘したいだけだ。 人口1000人あたりの医師数は、OECD平均が3.5人のところ、日本は2.4人しかないのである。看護師も先進国の中では、多くもなく少なくもなくという感じだ。 医療従事者の人口あたりの数は、諸外国と比べてそれほど変わりがないか、むしろ平均以下のこの国において、病院が諸外国と比べてこれほど多かったら、どんな悲劇が起きるかは明らかだろう。 まず、医療現場ではブラック労働が常態化する。圧倒的に多い病院に、ただでさえ少ない医療従事者が振り分けられるので、1人あたりの負担が重くなることは容易に想像できよう。その中でも、諸外国と比べて仕事量が増えるのが看護師だ。 「第9回医師の働き方改革に関する検討会」(2018年9月3日)で配布された「諸外国の状況について」という資料の中に、諸外国の医療体制を比較した一覧がある。その「病床百床あたり臨床看護職員数」を見ると、アメリカは394.5、イギリスが302.7、ドイツが164.1、フランスが161.8であるのに対して、日本はどうかというと、83と断トツに少ない。 これだけ負担が重いと、当然心身を壊す。日本医療労働連合会の「看護職員の労働実態調査」(2017年調査)では、「慢性疲労」を訴える看護師は7割を超え、「仕事を辞めたいと思う」が74.9%にも達していた。その理由は「人手不足で仕事がきつい」が47.7%と最も多く、その次が36.6%で「賃金が安い」だった』、「看護師」の業務はまさにブラック職場そのものだ。
・『医療現場はコロナ禍前から「崩壊」の危機に瀕していた  マスコミは「コロナ感染拡大によって医療現場がひっ迫しています!」「看護師の心身が限界です!」と大騒ぎをしているが、コロナのはるか昔から、医療現場はとっくに「崩壊の危機」にさらされていたというわけだ。 それが崩壊せずにどうにか持ちこたえていたのは、現場の医療従事者たちの「頑張り」以外の何物でもない。それが今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えているのだ。 日本の医療崩壊危機は、医療従事者数に対して圧倒的に病院数が多いという「歪んだ構造」によるところが大きい。この根本的な問題を解決しないことには、「指定感染症2類相当措置の見直し」などで現場の負担を軽減しても焼け石に水だ。インフル相当にすれば当然、市中感染が広がるので、地域の急性期病院に重症患者が集中する。そうれなれば結局、医療のひっ迫は繰り返されるだろう。 もし何かしらの要因で、感染者数が減少に転じるなどして運よく乗り切っても、新手のウイルスが来たらまた同じ問題が起きる。また、高い確率で起きると予想される首都直下型地震や南海トラフ地震で多数の怪我人が出た際にも、今のまま医療従事者が「分散」していると、地域医療は機能不全に陥ってしまう恐れもある。 本当に医療従事者の負担を減らして日本の医療を守りたいのなら、「医療従事者のためにも出歩くな」「我慢だ」「GoToを止めるのが遅いのが悪い」といった感情的な議論をしているだけでは、いつまでたっても問題は解決できない。 なぜこんなにも、医療従事者が疲弊しているのか。なぜ世界一というほど医療インフラが整備されているのに、崩壊寸前になっているのか。今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要なのではないか』、「現場の医療従事者たちの「頑張り」で」「持ちこたえていた」のが、「今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えている」、「今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要」、同意したい。

次に、1月13日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏による「医療体制は根本的な立て直しが急務、今こそ動くべき「自民党厚労族」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/259401
・『新型コロナの感染拡大が止まらない。欧米に比べ感染者は圧倒的に少ない日本だが、なぜ医療崩壊が起きているのか。複雑に問題が絡み合う医療体制の本質的な問題解決のために、「自民党厚労族」がもっと動くべきではないだろうか』、「族議員」に何を期待するのだろうか。
・『医療崩壊の本質的な原因は何か  菅義偉政権は、新型コロナウイルス感染拡大が止まらない東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県を対象に緊急事態宣言を再び発令した。経済への悪影響を考慮して、宣言に基づく措置は前回より絞られたものとなった。 筆者は、「緊急事態宣言」の発令以前に政治がやるべき対策があったと思う。菅首相の対応が厳しく批判されているが、むしろ「自民党厚労族」がより前面に出て、医療体制の複雑な問題を、解きほぐして対策を立てていくべきだったと思う。 また、緊急事態宣言の再発令については、違和感がないわけではない。 欧米の新型コロナ感染者数は日本の約100倍を超えるなど、圧倒的に多い。一方、日本は感染者数が欧米に比べると少なく、人口当たりの病床数が群を抜いて世界で一番多い国だ。それにもかかわらず、医療逼迫(ひっぱく)や医療崩壊の危機が騒がれている。 つまり、緊急事態宣言まで出して、国民の行動をさらに制限しようとしているが、国民の行動そのものが医療崩壊の危機の原因というよりも、むしろ、日本の医療体制、医療行政により本質的な問題があると思う。そこに手を付けるのが難しいので、国民により一層の努力を求めているのである』、確かに「本質的な問題」には「手を付け」ずに、「国民により一層の努力を求めている」、余りに安易だ。
・『重症者対策は大病院に集中させるべきだ  この連載では、昨年夏、新型コロナの「第2波」が収まりつつあった時に、大学病院に対する重症者の病床確保の依頼を交渉してまとめておき、「第3波」を待ち構えておくべきだったと指摘した(第262回・p2)。 特に、今回、緊急事態宣言が再発令された東京都では、最初からコロナ患者を受け入れている東京医科歯科大学をはじめ、受け入れを少しずつ増やしてはいる。だが、その数はまだまだ十分とはいえない。 現状は、重症者向けの設備が整わない中規模病院が中症者等を受け入れて疲弊している一方で、重症者への対応が可能な規模と最先端の設備を持つ大学病院など大病院の多くのコロナ患者受け入れが十分ではなく、その結果、重症者向け病床が逼迫しているということだ。 逆に言えば、やはり大学病院など設備の整った大病院に、新型コロナの治療の経験を積み、ある程度治療法を理解した人を集約化して、集中的に治療に専念する体制を組むほうが、重症者の救命率を上げることができるということではないだろうか。 例えば、新型コロナの死亡率には、地域差があることが指摘されている(共同通信)。新型コロナ感染後に死亡する人の割合は、東京が1.1%にとどまるのに対して、岩手、富山、石川の3県では5%を超えるなど、地域によって違う。死亡率が高い地域は、病院や高齢者施設のクラスターの発生が多く、感染者の平均年齢が高いようだ。 それについて、筆者の知人で米国での勤務経験がある臨床医に聞くと、地方では集中治療室(ICU)や専門医が少ないからだと指摘する。一方、東京は感染者数が多いにもかかわらず死亡率が低いのは、感染が若者中心であることに加えて、これまでの治療や感染対策の経験が生かされているからだという。 要するに、やみくもに感染者を治療するよりも、ある程度経験があり治療法がわかった医師を集めて、治療にあたったほうがいいということがいえるのではないか。 これから1カ月間の緊急事態宣言でなんとか感染者数を減らし、一息つけるような状況になることを願う。そして、その間に大学病院など大病院に経験のある医師、施設を集約させて、重症者対策を充実させるべきだと、あらためて主張したい』、同感である。
・『重症者対策を集約できない理由  大学病院など大病院に新型コロナの重症者対策を集約できないのには、さまざまな理由があると考えられる(第262回・p3)。新型コロナ用の病床を増やすことで、心臓移植、肺移植など高度な医療設備を使った治療や手術ができなくなる懸念がある。 また、大学の教授会や病院内の「政治力」の問題もあると考えられる。要は、感染症関連の医師の政治力が弱いからだ。政治力を持つのは、「七大生活習慣病」の関連科である。 新型コロナの重症者を受け入れると教授会や理事会で提起しても、「七大生活習慣病」の医師から、院内感染でクラスターが発生したら、ほかの疾病の高度治療や研究に支障が出るという意見が出たら、それに抵抗するのが難しいことは容易に想像できる。 さらに、医師不足が問題となっているが、新型コロナに対応する病院に、医師を集められない現状があるという。筆者の知人の臨床医によれば、比較的忙しくないクリニックの勤務医で、新型コロナ対応を手伝いたい医師は少なくないようだ。 ところが、昨年4月の緊急事態宣言発令時に、「手伝いたい」彼らは保健所や医師会に連絡したが、手伝うことができなかったという。行けるところがあれば行きたかったというが、これまでその機会はなかった。看護師の募集はたくさん出ているが、医師のスポット勤務の募集がほとんどないのだそうだ。 彼らは、重症者対応は経験を積んだ優秀な医師が集中的に行い、外来の対応などはスポット勤務の医師で対応できると指摘している。それでも、新型コロナ対応の医師のスポット勤務の募集が出ない理由は、おそらく労災など補償の問題が生じるからだと推察される。スポット勤務した医師が、新型コロナに感染した場合、2週間隔離となる。本来の勤務先のクリニックに出勤できなくなるので、その間の金銭的な補償をどうするかという問題が発生するのだ』、「大学の教授会や病院内の「政治力」の問題もある。要は、感染症関連の医師の政治力が弱い」、これはなかなか難しい問題だ。「新型コロナ対応の医師のスポット勤務」も「感染した場合」の「2週間隔離」があるのであれば、難しそうだ。
・『医療体制立て直しのために動くべきは政治家だが  結局、医療逼迫、医療崩壊を回避するためには、このような医療体制の複雑な問題をどう解決するかが重要となる。だが、それを医師の間で行えというのは無理だろう。医師は本質的に「専門家」であり「現場の人」だ。いきなり専門分野を超えて、制度設計を考え、必要な改革を実行する行動は難しい。 それでは、医療行政に携わる厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する。 医療崩壊の危機の元凶ともいわれ、現場の医師の7割が訴えているとされる新型コロナの感染症2類相当の指定の変更を、かたくなに拒んでいるのが象徴的だ(第248回・p5)。官僚にも、医療体制の柔軟な運用はできない。 結局、現行法の改正や、補償金の決定などによる医療体制の変更は、政治家しかできないのだ。 しかし、これまで、新型コロナ対策にかかわってきた官邸の政治家は、加藤勝信官房長官(前・厚労相)や西村康稔経済再生相である。彼らは、安倍政権期から「世論対策担当」を担ってきた政治家だ(第163回・p3)。これについてまず考えたい。) 例えば、加藤官房長官は、かつて「働き方改革担当相」「一億総活躍担当相」「女性活躍担当相」「再チャレンジ担当相」「拉致問題担当相」「国土強靱化担当相」「内閣府特命担当相(少子化対策男女共同参画)」と、実に7つの閣僚職を兼務していた。これらは、まるで一貫性がなさそうだが、全て「国民の支持を受けやすい課題」だという共通点があった。 つまり、加藤氏はいわば「支持率調整担当相」であり、首相官邸に陣取って、支持率が下がりそうになったらタイミングよく国民に受ける政治課題を出していくのが真の役割だった。 また、安倍政権期から新型コロナ対策担当となったのが、西村経済再生相だ。経済再生と、基本的に経済活動を抑制して感染症の広がりを防ぐという、まるでアクセルとブレーキを同時に踏むような正反対の役割を1人で担ってきた。そのことが、官邸が仕切る新型コロナ対策の本質を象徴的に示しているのだ。 振り返ってみれば、新型コロナ対策で官僚と専門家会議が「クラスター対策」など日本独自の戦略を編み出し、一定の成果を上げた一方で、突如として科学的な根拠のない「アベノマスク」「Go Toトラベル」のような、一見「国民の受けがよさそうな対策」が突如出てきた。これは、加藤氏や西村氏という「支持率調整担当」の政治家が、官邸の意思決定にかかわってきたからにほかならない(第237回)。 そして、官邸が新型コロナ対策のために注視してきたことは、単純な感染者数の増減である。国民が、感染者数の増減にしか関心がないと思っているからだ。感染者数が増えれば恐怖し、減れば安堵する。そして、ワイドショーなどのメディアがその恐怖をあおる。それは、政権の支持率の変動に直結する。だから、新型コロナ対策は、単純な感染者数で決められていくことになる。 支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回るのは、ある意味当然だ。そういう世論調整のようなやり方は、平時にはうまくいったかもしれないが、コロナ禍という「有事」には通用しないと厳しく批判したい』、「厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する」、それを使いきれないのは、官邸の弱さもあるのではなかろうか。「支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回る」、もっとあるべき姿を実現するための対策、を考えてゆくべきだろう。
・『「自民党厚労族」が今こそ動くべきだ  新型コロナの特徴を理解し、適切な対策を決めることや、複雑な事情が絡み合った医療体制の問題を解きほぐして医療逼迫を防ぐことができるのは、日常的に医療行政に接して法律の制定や改正にかかわり、予算分捕りなどカネの流れにも精通しているはずの、自民党の厚労族議員なのではないか。 ところが、新型コロナ対策に関して、厚労族は静かなのである。むしろ、官邸の意思決定を混乱させないようにするためか、現場の医師からの声を受け止めながら、それが官邸に届かないようにしている節すらある(第242回・p8)。例えば、現場の医師からの要望が非常に強い、新型コロナの指定感染症2類の見直しを、厚労族の重鎮である田村憲久厚労相が行わないとしているのだ。 世界的に、ロックダウンという新型コロナ対策は、単に感染拡大を先送りするだけで効果がそれほどないことが明らかになっている。日本でも緊急事態宣言で、感染者数が一時的に減ったとしても、それで安堵するだけでは、問題の本質的な解決にはならない。  繰り返すが、欧米の約100分の1の感染者数にとどまりながら、欧米では起きていない医療逼迫、医療崩壊の危機に陥ってしまっているということが、日本の新型コロナ対策の本質的な問題だ。それは、世論の推移に右往左往する官邸ではなく、自民党厚労族が複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていくことで、解決すべきなのではないだろうか』、「自民党厚労族」に「複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていく」、といった芸当を期待するのは甘いようだ。もっと主体的な解決策を期待したい。
タグ:医療問題 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 上久保誠人 (その27)(「多すぎる病院」が コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由、医療体制は根本的な立て直しが急務 今こそ動くべき「自民党厚労族」) 「「多すぎる病院」が、コロナ禍で医療現場の危機を招きかねない理由」 現実味を帯びる医療崩壊 内情はどうなっているのか 「2類相当の見直し」は確かに小手先の対応といった印象だ 急性期病院が多すぎることの何が問題なのか 急性期病院が多すぎるため、結果として、一つひとつの急性期病院の医療体制を脆弱にして「崩壊の危機」を招いている、というなんとも皮肉な現象が起きている」、このブログの1月11日付け「パンデミック(経済社会的視点)(その12)」でも指摘した問題で 「人が足りない」では片付けられない問題とは コロナ重症患者が押し寄せて、死ぬか生きるかという戦いをしている病院に、その鍵を握る専門医がおらず、コロナ患者が1人もこないような病院に、コロナ治療に必要不可欠な専門知識や技術を有する医師がいる。需要と供給が噛み合わないミスマッチが生じてしまっているのだ」、なんともバカバカしい「ミスマッチ」だ OECD加盟国平均よりも多い日本の病床数が物語ること 「看護師」の業務はまさにブラック職場そのものだ 医療現場はコロナ禍前から「崩壊」の危機に瀕していた 現場の医療従事者たちの「頑張り」で」「持ちこたえていた」のが、「今回のコロナ危機で、いよいよ限界を迎えている」 今こそ、医療が抱える構造的な問題に目を向けて、客観的なデータに基づいた分析が必要」 「医療体制は根本的な立て直しが急務、今こそ動くべき「自民党厚労族」」 医療崩壊の本質的な原因は何か 確かに「本質的な問題」には「手を付け」ずに、「国民により一層の努力を求めている」、余りに安易だ 重症者対策は大病院に集中させるべきだ これから1カ月間の緊急事態宣言でなんとか感染者数を減らし、一息つけるような状況になることを願う。そして、その間に大学病院など大病院に経験のある医師、施設を集約させて、重症者対策を充実させるべきだと、あらためて主張したい 重症者対策を集約できない理由 感染症関連の医師の政治力が弱い 新型コロナに対応する病院に、医師を集められない現状がある 新型コロナ対応の医師のスポット勤務」も「感染した場合」の「2週間隔離」があるのであれば、難しそうだ 医療体制立て直しのために動くべきは政治家だが 厚労省の技官はどうか。官僚は基本的に、現行のルールの範囲内で何を行うかを考える人たちだ。ルールの変更は基本的に考えず、今できることを守ろうとする。むしろ、ルールの変更には徹底して抵抗する」、それを使いきれないのは、官邸の弱さもあるのではなかろうか 「支持率重視で対策を決めるようになると、対策そのものが後手に回る」、もっとあるべき姿を実現するための対策、を考えてゆくべきだろう 「自民党厚労族」が今こそ動くべきだ 「自民党厚労族」に「複雑な医療体制の問題を丁寧に解いていく」、といった芸当を期待するのは甘いようだ。もっと主体的な解決策を期待したい
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健康(その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法) [生活]

健康については、11月10日に取上げた。今日は、 (その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法)である。

先ずは、11月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したサイエンスライターの川口友万氏による「「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/254663
・『11月19日はボージョレ・ヌーボーの解禁日。かつては赤ワインが健康にいいといわれたものだが、最近はすっかり耳にしなくなった。百薬の長ともいわれるお酒だが、実際はどうなのだろうか。本当に適量を飲めば健康になるのだろうか。ワインと健康の関係を最新の研究から紹介する』、世間ではまだ誤解も強いので、スッキリ晴らしてもらいたいものだ。
・『赤ワインを飲めば心臓病の予防になる?  今年もボージョレ・ヌーボーの季節がやってきた。日本への輸出が始まったのは1985年。時差の関係から欧米よりも早く解禁日を迎える日本では、輸出開始とバブル期が重なったこともあり、空前のお祭り騒ぎとなった。 ボージョレ・ヌーボーブームに続いて赤ワインが健康にいいと言われ始め、中高年男性諸氏がこぞって赤ワインを飲み始めたのが90年代のことだ。忘れている方のために復習するとブームの始まりは「フレンチ・パラドックス」からだった。 フランス人は乳製品をよく食べる。国際酪農連盟日本国内委員会(JIDF)の「世界の酪農情況2019」によると、フランス人の1人あたりチーズ消費量は年間26.5キロで世界第2位(1位はデンマークで28.9キロ)。日本は2.84キロなので、10倍近い差がある。 チーズや肉には飽和脂肪酸が含まれており、LDLコレステロールを細胞が処理する邪魔をする。LDLコレステロールは悪玉コレステロールといわれ、血中に増えると酸化して過酸化脂質になる。そして血管壁にへばりつき、血管細胞の細胞膜を劣化させて動脈硬化を引き起こす。 血液の中のLDLコレステロールは細胞が吸収して血中量を調整している。飽和脂肪酸が増えると細胞はLDLコレステロールを吸収できなくなり、血中に増加、動脈硬化が始まり、生活習慣病のリスクが跳ね上がる(なお不飽和脂肪酸がLDLコレステロールの材料というのは間違いだ)。 フランス人の血中LDLコレステロール量はアメリカ人やイギリス人と変わらないのに、なぜか虚血性心疾患(いわゆる心臓まひ)での死亡率が圧倒的に低い。 1987年の人口10万人あたりの虚血性心疾患による死亡率を見ると、イギリスやデンマークなど欧州各国が軒並み200人を超えており、これを乳脂肪の摂取量と関連づけるとキレイな直線に並ぶ。乳脂肪(チーズなど乳製品)を取る国ほど死亡率は高く、乳製品をあまり食べないスペインやポルトガルは低い。ところがフランスだけがこの直線から外れるのだ。 フランスの乳脂肪摂取量はドイツをやや上回る。ところが虚血性心疾患で死ぬドイツ人は10万人あたり約160人だが、フランス人は約60人と圧倒的に少ない。同じ量の乳製品を食べ、血中LDLコレステロールも同じなのに、フランス人は他国の3分の1しか心臓まひにならない。これがフレンチ・パラドックスである。 その理由が赤ワインじゃないかという。国際ブドウ・ワイン機構によると2015年の1人あたりのワイン消費量のトップはポルトガルで54L、ついでフランスが51.8L、イタリアが41.5L。乳脂肪摂取量と虚血性心疾患の死亡率にワイン消費量を加えて補正すると、これが見事に直線上に並ぶ。ワインを飲む国ほど虚血性心疾患の死亡率が低いのだ。 この情報が日本に上陸、赤ワインブームを巻き起こしたわけだ』、「フレンチ・パラドックス」については、初めて知ったが、確かに不思議だ。
・『フレンチ・パラドックスの原因はいまだ解明されてない  なぜ赤ワインが虚血性心疾患を防ぐのか? 赤ワインの赤い色はブドウの種や皮に含まれるポリフェノールという色素の働きだとされた。ポリフェノールには抗酸化作用があるため、LDLコレステロールが酸化して過酸化脂質になるのを防ぎ、動脈硬化を引き起こす率を下げるという。 レスター王立病院のサイモン・マクスウェル医学博士らが1994年、学生にワインを飲ませ、血液中の抗酸化度を測った実験では6時間以上にわたり、抗酸化作用が持続した。さらに、同じく1994年に国立健康・栄養研究所の近藤和雄・臨床栄養部臨床栄養指導室長(当時)らが行った実験では、被験者にワイン500mlを2週間飲んでもらったところ、血中の酸化LDLコレステロールが有意に減少した。LDLコレステロールが酸化するまでの時間が延びていることもわかった。 また、山梨大学ワイン科学研究センターでも1996年に佐藤充克客員教授が、活性酸素(体内で発生する強力な酸素分子で細胞を破壊し、老化の一因とされる)の量と赤ワインのポリフェノールの量に明らかな関係があり、ポリフェノールを加えると活性酸素系での活性酸素が減ることを世界に先駆けて確認した。 こうした数々の実験結果などから疑う余地がないかに見えた赤ワインの効果だが、アバディーン大学・ローワン健康栄養研究所の化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった。フランスではこの期間にワイン消費量が大幅に低下したが、虚血性心疾患の死亡率に変化がなかったのだ。 このため、ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない』、「化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった」、「ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない」、確かに考えるほど不思議だ。
・『赤ワインも白ワインも抗酸化力は変わらない  さらにややこしいことに「白ワインの方が体にいい」という説まで出てきた。これまではポリフェノールの抗酸化作用が健康に役立つと考えられていたため、ポリフェノールが少ない白ワインは健康に関係しないと思われていた。 ところが1998年に新潟県立看護短期大学の石沢信人研究員らが赤ワインと白ワインの抗酸化力を比較したところ、両者に差はなく、むしろ一部の白ワインは赤ワインを上回る値を示した。 ポリフェノールの量自体は赤ワインが1100~2900mg/Lに対して、白ワインは250~340mg/Lと大きく異なるが抗酸化力は変わらない理由はポリフェノールの分子サイズにあるようだ。 山梨大学ワイン科学研究センターによると白ワインのポリフェノールは分子構造が小さいため、細胞の吸収率が高いという。ポリフェノールの量が少なくても白ワインに高い抗酸化力があるのはそのためのようだ。 なお、赤ワインにはポリフェノール以外にも、レスベラトロールという物質が10mg/L程度含まれている。一部の研究によれば、この物質には寿命延長作用があるらしいとの報告もある。酵母菌や線虫、小魚などで寿命延長効果が発見され、2008年には高脂肪食を食べさせたマウスにレスベラトロールを与えると普通のマウスと同じ期間生きることがわかったというのだ。 とはいえ、赤ワインを飲めば寿命が延びると喜ぶのは早計だ。 山梨大学ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克氏は『ポリフェノールと健康について』という文章でレスベラトロールに触れ、人間が赤ワインで必要な量のレスベラトロールを取ろうとすると1日1L以上になり、アルコールによって寿命が縮まると書いている。 結局のところ、赤ワインには抗酸化作用もあるし、もしかしたら寿命を延ばす効果もあるかもしれない。しかし、赤ワインを飲むだけでは心臓病の予防にはつながらないということだ。おそらく赤ワインを含むフランスの食事や生活習慣が作用しあって、フランス人の虚血性心疾患を抑えているのではないか。 飽和脂肪酸の原因としてやり玉に挙げられた乳製品にしても、厚生労働省の大規模調査では、乳製品のカルシウムをたくさん取った人は脳卒中、脳梗塞などの発症リスクが低下することもわかっている。単純に1つの食べ物を取り上げて、体に良い悪いとは言い切れないのだ。 栄養素は複雑に絡み合って体に影響する。「○○だけ飲めば健康になる」という話は眉に唾して聞いた方がいい。赤ワインによる健康ブームが過去のこととなったのは、多くの人たちがそれに気づいたからだろうか。今年はそんなことを考えつつ、ボージョレ・ヌーボーを抜栓したい』、「栄養素は複雑に絡み合って体に影響する。「○○だけ飲めば健康になる」という話は眉に唾して聞いた方がいい」、「赤ワイン」「白ワイン」ともおいしければいいのではなかろうか。

次に、12月14日付け東洋経済オンラインが掲載したメモリークリニックお茶の水理事長・院長の朝田 隆氏による「やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/392736
・『歳を取ると、「物忘れ」や「めんどうくさいと思うこと」が増えてくるもの。その原因は単に年齢によるものの場合もありますが、人によっては「ある病気の前触れ」である場合も。以前よりもやる気を出しづらくなった人を襲う病とは? 医学博士の朝田隆氏による新書『認知症グレーゾーン』より一部抜粋・再構成してお届けします。 最近、どうも人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ。そう感じている50代、60代の方は多いのではないでしょうか。もしかしたら、ご夫婦で会話をしているとき、次のような場面が増えているかもしれません。 本人:そういえば、前に新宿で会ったあの人、海外に転勤になったらしいよ。 奥さん:誰のことです? 本人:ほら、新宿のデパートで会った、あの人だよ、お前もよく知っているあの人! 奥さん:あの人って言われてもわかりませんよ』、私も「人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ」、と悩まされている。
・『「ど忘れ=認知症」というわけではない  本人としては、それが誰かわかっていて、頭の中ではちゃんと顔も浮かんでいます。その人には子どもが2人いて、ネコを飼っていることもわかっている。でも、どうしても名前だけが出てこない。 このような、いわゆる「ど忘れ」は50代、60代にもなれば、誰でも起こってくるものです。頭の中に記憶は残っているものの、どうしても名前をうまく引き出せない、もどかしい、といった感じでしょうか。同じように、物の名前も出てこなくなりがちです。それでついつい、人の名前も、物の名前も全部、「あれ」とか「これ」で済ませてしまうようになるのです。 人や物の名前だけではありません。時系列、つまり出来事の順番を間違えたり、混乱したりする場面も増えてきてはいないでしょうか。たとえば、自分の子どもが結婚した順番や、孫の生まれた順番を間違えるケースがよくあります。子どもは必ずしも年の順に結婚するわけではないですし、結婚した順に孫が生まれるわけでもありません。孫の年齢が近かったりすると、どこの孫が最初に生まれて、2番目、3番目は誰で、といった時系列が混乱しがちです。 それでも、子どもの結婚や孫の誕生というのは、人生において一大イベントです。覚えていて当然なのに、最近どうもあやしくなってきた。 なんか、ど忘れが増えてきたなぁ。まさか、これって認知症じゃないよな」 そんな不安を感じている人も少なくないのではないでしょうか。ですが、このレベルのもの忘れであれば、まだ認知症ではありません。認知症になると、子どもが結婚したことや孫が生まれたこと、そのエピソード自体を丸ごと忘れてしまうからです。 「なんだ、じゃあ自分のど忘れは単なる年のせいか」 そんなふうに安心するのもちょっと待ってください。もしかしたら、そのど忘れは認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」の初期症状かもしれないからです。 MCIというのは認知症につながるプロセスの期間で、言うなればグレーゾーンの段階です。その初期症状が出てきたということは、認知症に向かってカウントダウンが始まったと言っていいでしょう。MCIが始まってから本格的な認知症に移行するまで、平均7年と言われています。 とはいえ、進行の度合いには個人差があり、1年後に12%、4年後には約50%が認知症を発症するとも言われています。その一方で、この段階で気づき、適切な対応がなされれば、健常な状態に戻ることもできるのです。 本記事では、一般の方にもわかりやすいように、MCIのことを健常と認知症の間の状態という意味で「認知症グレーゾーン」と表現することにします』、私の場合は、「MCI」が30年近く続いていることになる。「適切な対応がなされれば」、どうすればいいのだろう。
・『「めんどうくさい」はとても危険な兆候  認知症グレーゾーンの人には、固有名詞が出てこない、時系列が混乱するといったこと以外に、もう一つ特徴的な変化が見られます。それは気力の減退です。 今まで当たり前のようにきちんとやっていたことを、なんでも「めんどうくさい」と感じるようになり、「次でいいか」と考えてサボったり、先送りしたりするようになる。もともとそういう性格の人は別として、50代、60代で急に「めんどうくさい」「今度でいいか」が増えてくることは、実はとても危険な兆候です。 認知症は記憶が失われてしまう病気ですが、その入り口は“やる気”が失われることから始まります。この時期がまさに認知症グレーゾーンの初期段階で、そのまま放っておけば、認知症に向かって一直線に進んでしまいます。 もちろん、40〜50代になると、体力的にも精神的にも衰えてきます。一方で仕事は忙しく、子どもの進路や親の介護の問題なども出てくる時期ですから、めんどうくさい気持ちは起こりやすくなります。 しかし、通常は疲れやストレスの原因が一段落したり、休養を十分に取ったりすると、気力・体力は回復します。一方、認知症グレーゾーンの特徴として見られる無気力は、もっと病的なものです。 たとえば、長年続けていた趣味を、急にやらなくなった、というのは要注意です。あくまで、長年というところが肝心で、去年から始めたとか、定年後に人からすすめられて渋々始めたものをやめたのであれば、さほど心配はいりません。 一方、20年も続けて師範にもなっていた生け花をあっさりやめてしまったり、日曜日になると毎回早起きをして出かけていた釣りに、ぱったり行かなくなったり、長年大切に育ててきた庭のバラがすっかり枯れてしまっても、水をやろうともしない。そんな変化が見られたら、認知症グレーゾーンの疑いが濃厚です。 認知症の兆候というと、人の名前が出てこないといったもの忘ればかりが注目されますが、「めんどうくさい」に由来する行動上の変化は、記憶力の低下と同じくらい重要なキーワード。もの忘れは周囲が気づきやすいのに対し、「めんどうくさい」はわかりにくい。 わかっても認知症と結び付けて考える人はほとんどいません。ふつうに暮らしているあなたや、あなたの家族の中にも、認知症グレーゾーンが潜んでいる可能性が十分にあるということです』、私もかつては、よくガーデンセンターまでドライブしたものだが、最近はクルマはホコリを被ったままである。やはり「認知症グレーゾーン」にあるようだ。
・『「TVドラマ」がつまらなくなったら要注意  認知症グレーゾーンの時期に見られる「めんどうくさい」は、日常生活のさまざまな場面で表れてきます。たとえば、私が診ている患者さんの中には、「以前はNHKの朝ドラや大河ドラマを欠かさず観ていたのに、最近はつまらなくなって観るのをやめました。でも、歌番組や大相撲は楽しく観ています」と話す方がいらっしゃいます。 連続もののドラマは、3カ月、半年といった一定期間、ストーリーをずっと記憶して追い続けるところに醍醐味があります。毎回ドラマの最後で流れる次回のあらすじを観て、「来週はどんなふうに展開するのだろう」とワクワクし、次の放送時には前回の内容の記憶がぱっと蘇り、新しい展開にのめり込んでいく。 ところが、認知症グレーゾーンになると、先週までのストーリーや、登場人物の役どころや名前をしっかり覚えられなくなったり、覚えておくことがおっくうになったりします。つまり、連続ドラマが面白くなくなるのは、ストーリーがつまらないからではなく、記憶力や気力の低下によって、興味を保ち続けことができなくなることが原因である可能性があるわけです。他方、歌番組なら、自分の記憶に残っている昔の歌が流れてきたら、「わあ、懐かしい」「これ、知っている」ということで楽しめます。 スポーツは、その場の勝ち負けでシンプルに楽しめます。とくに、わずか数分で勝負がつく相撲は、認知症の高齢者の間でも人気があります。私の患者さんの中にも相撲ファンはたくさんいます。テレビ番組の好みが変わったのは、こうしたことが原因かもしれないのです』、私は「TVドラマ」では、日本ものは半沢直樹ぐらいで、あとは欧米ものが中心だ』、「わずか数分で勝負がつく相撲は、認知症の高齢者の間でも人気があります」、その通りだろう。私もさまざまな出来事に好奇心を失わず、このブログも更新していくたい。

第三に、12月14日付けダイヤモンド・オンライン「精神科医が実践、1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法」を紹介しよう
https://diamond.jp/articles/-/256995
・『レビュー  新型コロナウイルスの流行で、突如として始まった在宅勤務。誰とも直接話ができない「ステイホーム」で、予想外にストレスを抱えてしまったという方も多いのではないだろうか。 本書『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』の著者は、現役の精神科医だ。メンタルの専門家である著者でさえも、誰とも口をきかずに過ごしているうちに孤独を強く感じてしまい、「このままではいけない」と危機感を覚えたそうだ。本書は、著者自身が試行錯誤しながら実践し、効果があると感じた対処法を集めたものである。 専門家としての視点からの解説も含まれているが、文体はやわらかく親しみやすい。専門家である著者でもすべてを投げ出したくなったり、疲れたり、コンプレックスを感じたりする。そんな著者が「効果あり」と感じている対処法は、難しいものでも特別なものでもない。紹介されているコツは、どれも気軽に取り入れられそうなものばかりだ。だからこそ、忙しい日常にもすぐに始めることができるだろうと思わせてくれる。 現在のような感染症の流行時だけでなく、今後も在宅ワークが必要になり、ひとりで過ごさなければならない日々が続くことは大いにあり得る。たとえひとりぼっちで1日誰とも話さなくても、心身ともに健やかに過ごしたいものだ。そんな時に、本書の「楽に生きるコツ」は心を落ち着けるヒントをくれることだろう。暗い気持ちになりがちな現在のような状況であっても、肩の力を抜いて穏やかに生きていける、そんな明るい気持ちにさせてくれる一冊だ』、興味深そうだ。
・『本書の要点  (1)ステイホーム以来、1日誰とも話さない日々に孤独を感じてメンタルに不調を訴える人が増加した。本書では、そんな中でも楽に生きるためのコツを精神科医の著者が紹介していく。 (2)朝起きたら日光を浴びて、体内時計を整えるとともに、幸せホルモンの分泌をうながそう。 (3)コインの裏表のように、物事の見え方は見る角度によって変わる。三日坊主も見方を変えれば「経験豊富」だ。 (4)決断力が鈍ったら、ストレスが溜まっているサインだ。好きなことをして自分をリセットし、自分の「オール」を取り戻そう』、特に(2)や(3)を中心に面白そうだ。
・『要約本文  ◆ステイホームで増加した、孤独を感じる人々 ◇1日誰とも話さなくても、楽に生きていく  2020年、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、これまでは精神科とは縁遠かった人たちの受診が急増している。特に、「ステイホーム」が叫ばれ出してからは、ひとり暮らしの人の受診が目立って多くなっているのだという。突然自宅待機でリモートワークを強いられ、あらゆる行動が制限されている中で、大きなストレスを感じたのだろう。特に一人暮らしの人は、誰かと直接言葉を交わす機会のない日々で孤独を感じやすかったに違いない。メンタル専門の現役精神科医である著者ですら、誰とも面と向かって話をしていない日々を続けているうちに、毎日がつまらなく感じ、空っぽで虚しく、叫び出したくなる気持ちになったのだという。 私たちはこれからもウイルスと共存していかなければならず、また災害などの感染症以外の理由で、今後も「巣ごもり」状態を強いられる可能性がないとも限らない。しかし、そんな状況であっても、人生に絶望しないですむ方法はあるはずだ。そう考えた著者は、1日誰とも話さなくとも猫のように楽に生きていくためのコツを本書に集めた。著者が実際に試して効くと感じた方法ばかりだ。5つのステップにわけて紹介されているコツのうち、本要約では一部を扱う。 ◆ひとりぼっちな1日を楽しむための朝の過ごし方  ◇起きたら何時でも、カーテンを開ける(朝でも昼でも、目が覚めたらとにかくカーテンを開けよう。太陽の光を部屋いっぱいに取り込めば、人間の体はビタミンDの生成作業を開始する。カルシウムの吸収を助けて骨を強くするほか、免疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待できる。) さらに、太陽光を浴びることで、体内時計を調整することができる。体温やホルモン分泌などの調整をになう体内時計(概日リズム)は、1日およそ25時間のサイクルになっている。私たちの体は日光を浴びることでこれを調整している。そのため、日の光を浴びない生活をしていると、半月もしないうちに昼夜が逆転してしまうことになる。 また、太陽光は「幸せホルモン」のひとつであるセロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用もある。 日が沈むと、セロトニンはメラトニンという睡眠ホルモンに変化する。昼のうちにたくさんセロトニンが出れば、夜にたくさんメラトニンができて、ぐっすり眠ることができる。起きたら、とにもかくにもカーテンを開けよう』、「体内時計」は知っていたが、「ビタミンDの生成作業を開始・・・免疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待」、「セロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用も」、などこ効果もあるとは初めて知った。
・『◇朝の「ブルーライト」は魔法の光(朝、スッキリと起きられず、困っている人は多いものだ。頭がボーッとしてなかなか起き出せないのは、体が「もっと寝させて」と訴えているからである。これは専門用語で「睡眠慣性」と呼ばれ、肉体的疲労やストレス、もしくはその両方で心身に疲労がたまっている時に感じやすくなる。 カーテンを開けるために窓に行くことすらできない、そんな朝にはリモコンやスマホを使って、自室を「長距離フライトの飛行機の中」のような状態にしてしまおう。飛行機の中は、寝る時間になると暗くなり、起きる時間には明るくなる。朝になると乗客が起き出して朝食が用意され、次第にあたりはガヤガヤし始める。これと似た状況を部屋の中に作り出すのだ。 起きたら手を伸ばしてテレビと照明のリモコンをオンにする。光を浴びながらテレビの音を聞いていると、だんだん目が覚めていくはずだ。 著者の知人の多忙なITエンジニアは、短時間睡眠の際はスマホを利用して起きているのだという。スマホから出るブルーライトは強烈で、脳を一気に覚醒させるほどの力がある。朝のアラームが鳴ったら、スマホを手に取りニュースを読む。すると、短時間しか寝ていなくても案外すんなりと起きられるそうだ』、「スマホから出るブルーライトは強烈で、脳を一気に覚醒させるほどの力がある」、初めて知った。目ざめが悪い時にはよさそうだ。
・『◆クタクタの自分を甘く優しくケアする方法  ◇疲れた時の「ご褒美タイム」  世間の荒波に揉まれて、クタクタに疲れてしまったら、迷わず自分を甘やかしてあげよう。ここでは、自分をいたわるためのセルフケアについて紹介する。 「頑張っているのに報われない」「最近ツイてないなあ……」と感じたら、「ご褒美タイム」を取り入れてみよう。スイーツ、アロマ、ハーブティー、買い物など、自分が癒され、ご機嫌になれるなら何でもいい。「ご褒美タイム」の活用で負のオーラを撃退できる。 ちなみに、疲れた時にスイーツに手が伸びがちになるのには、理由がある。スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ。 ご褒美は頑張る大人の特権だ。疲れた時は存分に自分を甘やかしてあげよう』、私は比較的自分に厳しい方だが、「スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ」、太らない程度に、甘やかすことにした。
・『◇ハードな大学病院勤務を乗り切った、「膝をよしよし」(優雅に見えるかもしれないが、医者という職業は過酷である。何十時間もの長時間労働に加えて、人の命がかかっているから指導医の先生からの容赦のないお叱りも当たり前だ。医者の世界は体育会系だ。疲労が蓄積してくればすべてが嫌になってしまうし、理不尽に他人のストレスのはけ口にされれば爆発しそうにもなる。 大学病院での精神科医1年目の時に、著者が同僚から教えてもらった自分をケアする技が「膝をよしよし」だ。まず、椅子に座ったままの姿勢や体育座りで、膝頭を手のひらで10秒ほどゆっくり撫でる。膝がじんわりと温かくなり、手のひらにぬくもりが伝わってくるだろう。そうしたら、次はふくらはぎを足先から心臓のほうへやさしく撫で上げよう。心地よさを感じてきたら「幸せホルモン」のオキシトシンが出ている証拠だ。 この方法は「スージングタッチ」と呼ばれ、自分のぬくもりで自分を癒すセルフケアとして注目を浴びている。撫でる部位は膝でなくても、自分がしっくりくる部位で構わない。 著者はこれをやりながら、同僚と一緒に大学病院勤務を乗り切ったのだという。疲れ切ってしまった時、ぜひお試しいただきたい』、簡単な「膝をよしよし」にも想像以上の効果がありそうなので、早速やってみたい。
・『◆明るい未来を掴む思考法  ◇「良いぞ!?」で物事を別の角度から見る(結婚式を控えたある女性は、この春の挙式に向けて1年も前から入念に準備をしてきた。しかし、折り悪くコロナウイルスの蔓延によって、無期延期を余儀なくされた。女性は放心状態になり、号泣していた。) そんな彼女に、父親は笑顔で声をかけた。「そうか、そうか。マキちゃん、これは、良いぞ!?」と。父親はさらに「マキちゃん、楽しみがずっと続くな。ずっと花嫁の父でいられるから、お父さんも嬉しいな。良いぞ!?」と続けた。 物事には必ず「陰と陽」がある。同じコインでも見る角度によって裏にも表にもなるように、同じ出来事も見方や受け取り方によって、良くも悪くもなる。 著者に披露宴の延期を伝えてくれた時の彼女は、笑顔だった。実はダイエットが間に合っていなかったのだという彼女は、来年の挙式までにキレイに痩せると決意したようだ。こうして、本番前の楽しい時間が続くことになった。「良いぞ!?」はハッピーが続くおまじないだ』、「父親」の機転の利いた言葉には感服した。
・『◇飽きっぽさも、見方を変えれば「経験豊富」(小学生の頃からめんどくさがり屋な著者は、夏休みの宿題は休みが終わるギリギリに焦って帳尻を合わせるタイプだった。面倒なことは気合いを入れないと手がつかないのに、興味を持ったことには何でもすぐに手を出したがるたちでもある。漫画を描くことやギター、将棋、囲碁、ランニングなど、いろいろやってはすぐに挫折してきた。 何をやっても長続きしないということが、著者にとっては長年コンプレックスだった。自分は挫折だらけだと思っていたが、ある時、人から「『経験豊富』なのね」と言われて驚いた。 飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている。たとえそれをものにすることができなかったとしても、気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になったのだという』、「飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている」、確かに「気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になった」、考え方を転換するのも人生の知恵だ。
・『【必読ポイント!】  ◇人生をゆったり楽に生きる方法(◆決断力が鈍ったら、自分の「好き」を思い出す(「人生は選択の連続である」はシェイクスピアの名言だ。ある日のお昼時、診療の合間を縫って駆け込んだコンビニで、著者は「うどんか蕎麦か、それが問題だ」とばかりに時間を費やして悩んでいた。) そこに颯爽と現れたスーツ姿の男性がいた。悩む著者の脇をすり抜け、男性はサッと冷やし中華に手を伸ばし、去っていった。決断力と自信にあふれた背中を見送った後、著者は気づけば冷やし中華を手にレジへ向かっていた。 たかが昼飯なのだから、好きなものを食べれば良いはずだ。そう思っていても、決められないことがある。こういうことは、自分の道を見失っている時に起きやすいのではないだろうか。自分を見失っている時には決断に迷いがない人が眩しく見えてしまう。この日の著者の目には、冷やし中華を選んだ男性がそう映ったのだろう。 著者は、決断力が鈍ってしまうのは自分を見失っているサインだと捉えることにしている。この状態を解決するためには、「自分に正直であろう」と思い直すことだ。そんな時にこそ少しでも現実を忘れる時間を取るのだ。著者の場合はカブトムシの世話であるが、「こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる』、「決断力が鈍ってしまうのは自分を見失っているサインだと捉えることにしている。この状態を解決するためには、「自分に正直であろう」と思い直すことだ・・・「こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる」、なるほど。
・『◇迷いも苦しみも全部「気のせい」にしてしまう(ストレスの多い現代社会では、気づかないうちにいろんなものを溜め込んでしまいがちだ。いっぱいいっぱいになって、「もういっそ、すべてを手放してスッキリしたい!」という心の叫びが、昨今の断捨離や禅修行ブームとなって表れているのかもしれない。 著者が勤める病院では、レクリエーションとして書道やペン習字ができる。写経が一番好きという患者さんに聞いた話では、たった262文字の般若心経は「生きるも死ぬも気のせい」という意味だそうだ。般若心経の意味を聞き、著者は「つまり、すべて気のせい」というふうに理解した。気のせいなら、悩んでも仕方がないという気持ちになる。 般若心経のような教えがあるということは、みんな同じで、同じ悩みを抱えているということだ。私たちはひとりだが、決してひとりぼっちではないのである』、「般若心経は「生きるも死ぬも気のせい」という意味だそうだ・・・気のせいなら、悩んでも仕方がないという気持ちになる」、確かにその通りだが、現実にはその割り切りは難しいようだ。
・『▽一読のすすめ  精神科受診の増加が示すように、コロナショックによって突然始まった自宅待機やリモートワークは、私たちに予想以上のストレスを与えているようだ。今、「なんとなく疲れた」と感じている人にとって、本書は元気を取り戻すための処方箋になることだろう。メンタルの専門家である著者が紹介しているものでありながら、普段使いできる技の数々は、読んだ人の生活を上向きにしてくれるに違いない。これからも続きそうな自宅中心の生活のストレスに悩んでいる方には、ぜひ本書を手にとっていただきたい。きっと、不安が軽くなることだろう。 評点以下は省略』、なかなか有用なアドバイスが満載で、読みでがあるいい記事だった。
タグ:健康 レビュー 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン フレンチ・パラドックス (その12)(「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由、やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意、精神科医が実践 1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法) 川口友万 「「赤ワインが健康に良い」という不可思議なブームが終わった理由」 赤ワインを飲めば心臓病の予防になる? フランス人の血中LDLコレステロール量はアメリカ人やイギリス人と変わらないのに、なぜか虚血性心疾患(いわゆる心臓まひ)での死亡率が圧倒的に低い フレンチ・パラドックスの原因はいまだ解明されてない 化学者メアリー・ベリッツイらが、1970~1987年にさかのぼり、虚血性心疾患の死亡率とワイン消費量の関係を調べたところ、関係ないことがわかった ベリッツイらは、赤ワインではなくビタミンEに含まれるα-トコフェロールの消費量の多さが虚血性心疾患を抑えているのではないかという「ヨーロッパ・パラドックス」を主張している。 そうなるとα-トコフェロールの摂取量が少ない日本人の虚血性心疾患の死亡率が低いのはなぜかという新たな疑問も起きる。「ジャパニーズパラドックスではないか」などの声も上がっているが、いずれにせよ、何が正しいのかはいまだ解明されていない 赤ワインも白ワインも抗酸化力は変わらない 朝田 隆 「やる気が出ない人が疑うべき「ある病気」の正体 「最近TVドラマが退屈になった人」ほど要注意」 私も「人の名前や物の名前がすっと出てこないなぁ」、と悩まされている 「ど忘れ=認知症」というわけではない 私の場合は、「MCI」が30年近く続いていることになる。「適切な対応がなされれば」、どうすればいいのだろう めんどうくさい」はとても危険な兆候 認知症グレーゾーン 「TVドラマ」がつまらなくなったら要注意 「精神科医が実践、1日誰とも話さなくても心健やかにいられる方法」 「楽に生きるコツ」 本書の要点 (1)ステイホーム以来、1日誰とも話さない日々に孤独を感じてメンタルに不調を訴える人が増加した。本書では、そんな中でも楽に生きるためのコツを精神科医の著者が紹介していく。 (2)朝起きたら日光を浴びて、体内時計を整えるとともに、幸せホルモンの分泌をうながそう。 (3)コインの裏表のように、物事の見え方は見る角度によって変わる。三日坊主も見方を変えれば「経験豊富」だ (4)決断力が鈍ったら、ストレスが溜まっているサインだ。好きなことをして自分をリセットし、自分の「オール」を取り戻そう 要約本文 ステイホームで増加した、孤独を感じる人々 1日誰とも話さなくても、楽に生きていく ひとりぼっちな1日を楽しむための朝の過ごし方 起きたら何時でも、カーテンを開ける ビタミンDの生成作業を開始 疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待 セロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用も」、などこ効果もあるとは初めて知った 朝の「ブルーライト」は魔法の光 クタクタの自分を甘く優しくケアする方法 疲れた時の「ご褒美タイム」 スイーツに含まれる糖質は、脳を刺激して、「幸せホルモン」であるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させる。また、疲れてくると血糖値が下がり、脳がすぐにエネルギー源になる糖分を欲する。だから、疲れた時に、甘いものはもってこいなのだ ハードな大学病院勤務を乗り切った、「膝をよしよし」 明るい未来を掴む思考法 「良いぞ!?」で物事を別の角度から見る 飽きっぽさも、見方を変えれば「経験豊富」 飽きっぽくていつも計画倒れに終わる自分。そんな自分も考えようによっては「あれこれやったことのある経験豊富な自分」になる。 考え方を変えた今では、開き直って少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジすることにしている 気軽に凹んで、気軽にチャレンジすればいい。そう考えたら、著者は生きることがずっと楽になった 【必読ポイント!】 人生をゆったり楽に生きる方法 ◆決断力が鈍ったら、自分の「好き」を思い出す 自分に正直であろう」と思い直すことだ こういうことをしている自分が楽しい」という気持ちを思い出せたら、自分の人生の「オール」を取り戻すことができる 迷いも苦しみも全部「気のせい」にしてしまう なかなか有用なアドバイスが満載で、読みでがあるいい記事だった
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医療問題(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) [生活]

医療問題については、9月24日に取上げた。今日は、(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方)である。

先ずは、9月25日付け東洋経済オンライン「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/376169
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第4回』、「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、まさに異常な「精神病院天国」だ。
・『いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた  「本当に怖かったですよ。それこそ普通に誘拐じゃないですか。まるでSF小説のような出来事が、まさか現在の日本であるとは信じられませんでした」 都内在住の元大学教員Aさん(52歳男性)は、今でもそのときのショックが忘れられない。2012年12月、たまたま実家に泊まった翌朝8時過ぎ、階下が騒がしく目を覚まして寝間着のまま階段を降りかけると、駆け上がってきた見知らぬ男2人に、両脇と足を押さえられ、家から無理やり連れ出されそうになった。 恐怖からAさんは柱や玄関の開口部を手でつかんで必死に抵抗したが、もう1人の男も加わり3人に引きはがされて抱えられたまま、家の前に停められたワゴン車に押し込められた。 「名乗りもせず、連れ出した理由もどこに行くのかも、まったく伝えられませんでした。車から降りて初めて、精神科病院に連れてこられたとわかりました」 移動中の1時間超の間も解放するよう求めて必死に抵抗したが、男たちに腕や腰を押さえつけられた。その結果、病院の診断書によれば、「加療2週間の頚部打撲および頸椎捻挫、全治3日間の頭部外傷および顔面外傷、眼球打撲傷」の傷害を負った。 事の発端は思いもかけないことだった。実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ。その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断されている。 家を出る時点では無傷だったのに、病院には顔と体が傷だらけで到着したと知ったAさんの父親が、この業者に詳しい報告を求めると、届けられた報告書にはこう結論付けられていた。 「弊社としては、本件については正当な業務行為であり、対応としても安全などの確保の観点から必要最小限の対応をしたものであると認識しております」 連れて行かれた精神科病院でのAさんのカルテには、この業者のことを「民間救急」「民救」と表現していた。本連載の第3回「夫の策略で『強制入院3カ月』妻が味わった悪夢」(2020年4月1日配信)でも触れたが精神科病院への移送を担うこれらの業者は、いったい何者なのだろうか。 精神科特有の強制入院の1つ「医療保護入院」(同制度については、連載第2回「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇」【2020年3月1日配信】で詳報)のための患者の移送については、1999年の精神保健福祉法の改正で、都道府県知事が公的責任において行う制度が新設された。Aさんのように家族等の依頼を受けた民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたためだ。 ところが、この公的移送制度は活用されていない。厚生労働省の調査によれば、施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている。年間18万件を超える医療保護入院の届出数(2018年度)からすると、ほとんど機能していない。 厚労省は実績の少ない理由として、適用の判断の難しさ、実施体制の確保の難しさなどを挙げるが、移送の実行までに自治体による事前調査や精神保健指定医の診察を要するなど、要は入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ。 その結果、法改正で排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている』、せっかくの「公的移送制度」は殆ど利用されず、「民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用」、というのはやはり問題だ。使い勝手をよくするなどの工夫の余地があるのではないだろうか。
・『移送の中心担うのは警察官OB  「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性はそう振り返る。男性は10年間でおよそ200人の移送を経験した。案件の内容によって3~5人でチームを組み、同社ではチームのリーダーは警察OBが担うことがほとんどだったという。 「精神科への移送業務には、警察官のノウハウが満載だ。移送は決まって早朝に行われたが、抵抗されにくい寝起きを狙うのは警察のガサ(家宅捜索)と一緒。硬軟織り交ぜて説得するのも取り調べ経験からお手の物だし、元警察官2人に両脇を抱えられたら身動きが取れないのも当然だ」(男性) 移送は移動時の安全確保を目的とした身辺警備(第4号警備業務)の1つという位置づけだ。そのため、「『きっちり契約書を取り交わしており、警備業法で規定のある業務である』と言われると、たとえ警察を呼ばれても問題となりにくいのでは。また警察官はOBに弱い。実際10年間で一度も警察沙汰になるようなことはなかった」(男性)とされる。 先のAさんも連れ去られるときに110番通報して警察官も到着したが、必死に抵抗して「助けてくれ」と頼んでも何もしてくれなかったという。 男性によれば、精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場だという。Aさんのケースでも父親は計21万円を支払っている。高額な分だけ融通が利くというわけだ。 その一方、公的移送制度と異なり条件の制約などもないため、悪用されるケースも当然少なくない』、「「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性」、「精神疾患のある方は2割ぐらい」、少なさに驚かされた。「精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ。
・『財産目当てで精神科病院送りに  「見知らぬ男たちに羽交い締めにされて、宇都宮ナンバーのワゴン車に連れ込まれた。財布や携帯電話などもまったく持ち出せなかった」 北陸地方で介護関連施設を経営していた70代男性のBさんは、精神科移送業者の対応について憤りをあらわにして語った。Bさんに精神疾患の既往歴は一切ない。 元警察官のBさんは定年退職後、退職金を元手に看護師の妻と一緒に介護事業を立ち上げた。経営が軌道に乗り出した頃、それまで20年近くほぼ音信不通だった長男から、自分も介護施設を経営したいと打診された。Bさんの会社名義で銀行から融資を受けたが、長男の事業構想は暗礁に乗り上げてしまった。「事件」が起きたのはそんなさなかだった。 2018年12月ある日の午前6時45分。Bさんがいつものように施設で利用者の朝食を準備していると、長男が男4人を連れて厨房に踏み込んできた。「認知症だからこれから病院に連れていく」と告げると、精神科移送業者の男たちは有無を言わせず、足と脇を抱えてBさんを引きずっていった。 やり取りを目にした施設利用者が騒ぎ出し、妻は「お父さんには認知症なんてない」「看護師だからわかるが、認知症と診断されるわけはない」と強く主張したが、問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った。 「車中では5時間半の間、ジャンパー姿の屈強な男たちに囲まれて連れていかれた。パーキングエリアでトイレ休憩した際も、自分だけは外出が許されず尿瓶の利用を強要された」(Bさん) 結局Bさんは、自宅から遠く離れた栃木県宇都宮市内の精神科病院で1カ月強の入院を余儀なくされた。 Bさん同様、遠方からの「患者」を多数受け入れている、この宇都宮市内の精神科病院で起きていることについては、今後の連載で取り上げる予定だ。 「精神科病院に入院させてしまえば、肩代わりした事業資金のこともうやむやにできるとでも考えたのだろう。それにしても、本当に認知症で大変なら妻から病院に相談があるはず。それにまったく取り合わず、一緒に住んでもいない長男の言い分のみで、こんな拉致・監禁がまかり通るとは」(Bさん) その後、長男とは再度、音信不通状態だという』、「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ。
・『難しい責任追及  実際、こうした精神科移送業者の行為に対し、賠償責任が認められたケースもある。2013年、大阪地方裁判所は離婚訴訟を有利に進めるために、医師に虚偽の説明をして元妻を精神科病院に強制入院させた元夫に損害賠償の支払いを命じた。同時に元妻の意に反する移送をしたうえ、加療を要する傷害を負わせたとして、移送業者も損害賠償責任を負うとした。 だが、精神科移送業者が表立って責任を問われることは極めてまれだ。こうした相談を何件も受けたことがあるという、内田明弁護士は「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんどで、証拠が乏しく責任追及することは現実的には難しい」と話す。 冒頭のAさんの言葉を借りれば、「まるでSF小説のような出来事」がまかり通っているのが、現代日本の精神医療の現実だ。(第5回に続く)』、「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ。

次に、12月11日付け東洋経済オンライン「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393818
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第7回』、興味深そうだ。
・『統合失調症と診断された彼が服用していた薬  曜日ごとに服用する薬が入れられたピルケースは、「水曜日」の分までが空になっていた――。このピルケースを使っていたのは、プロボクサーの武藤通隆さん(享年28)だ。通隆さんは2016年4月14日の木曜日、自宅のマンションから飛び降りて亡くなった。残されたピルケースは、通隆さんが亡くなる前日まで医師の指示通りにきちんと薬を飲んでいたことを物語っていた。 それまで一度も精神科病院にかかったことがなかった通隆さんは、統合失調症と診断されてわずか2カ月後に亡くなった。精神科病院を退院し自宅で療養中のことだった。 連載第6回「自殺した28歳ボクサーの父が精神病院と闘う訳」(2020年11月20日配信)で報じたとおり、退院前日に身体拘束を受けるほどの興奮状態にあった通隆さんだが、主治医の判断で当初の予定通り退院した。退院後、入院前にはなかった衝動的な言動が多くなり、父親や通隆さんが病院に再入院を求めたが、主治医からは「病院の経営上の理由」として認められなかった。 父親は、退院時に十分な検討を怠り、再入院を認めなかったとして病院を提訴。裁判で開示された病院のカルテによって、通隆さんが入院中に受けていた治療が初めて明らかになった。退院前日、暴れた通隆さんは入院中で最大量の薬が投与されていた。これは父親も知らされていない事実だった。 統合失調症は、自殺に至るリスクが高い病気として知られている。裁判では、退院のタイミングと、再入院をさせてもらえなかった点が争点になっている。しかし、通隆さんの父親は「本当の(自殺の)原因は薬だったのではないか」という疑問を拭えない。 通隆さんは2016年2月、記憶がなくなったり、同じ動作を繰り返したりする異変が起こり、精神科病院を受診した。主治医からは統合失調症の可能性があると告げられ、即日入院となった。診察室で、統合失調症の治療薬である抗精神病薬であるセレネースの筋肉注射を受けた。その日から抗精神病薬のロナセンの服薬も始まった。 父親は言う。 「統合失調症の主症状は妄想や幻聴だという知識はありましたが、息子にはそんな症状は一切ありませんでした。症状について尋ねようとすると、『統合失調症はなんでもありだから、個々の症状はあまり意味がない』と質問を遮られました。患者の具体的な症状を軽視するような態度に違和感を持ちましたが、専門家の判断に任せるしかないと思いました」 病院のカルテによると、入院中、通隆さんの薬の量は徐々に増加していた。ロナセンが増加される一方、同じ系統の抗精神病薬であるリスパダールも状態が悪化したときに使われていた。入院5日目からはベンゾジアゼピン系睡眠薬のレンドルミンも常用していた。 そして退院前日、薬の投与量は急激に増加した。身体拘束を受けた通隆さんは、普段飲んでいた抗精神病薬や睡眠薬に加え、入院時に打たれた抗精神病薬のセレネースの筋肉注射を再度受けた。さらに、抗不安薬のワイパックスと抗パーキンソン病薬のアキネトンが投与された。ただ、翌日の退院当日は、ロナセンとレンドルミンのみの服用に戻っていた』、本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ。
・『薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」  埼玉県の精神科病院に勤務する薬剤師は、「退院前日に薬の量が急激に増えている。体が薬に適応した状態から、一気に薬が抜けると離脱症状(薬が急に減ることによる症状)が起こる。薬を減らすならば経過を慎重に見る必要があった」と指摘する。 通隆さんは退院後、再び抗精神病薬の量が増加されていった。退院から5日後の3月1日、「死にたい」と言うなどの通隆さんの興奮状態を心配した父親が電話で主治医に相談すると、抗精神病薬のロナセンを増量するように指示された。3月3日に通院した際には、診察中に退院前日と同じセレネースを注射された。さらに、服用として同系統の抗精神病薬のリスパダールも追加された。 抗精神病薬の多剤併用処方が問題になっている日本では、抗精神病薬の量が適正かどうかの目安を知るために「クロルプロマジン換算」という方法がある。クロルプロマジンという最も古い抗精神病薬に、さまざまな抗精神病薬を換算することで、その人が内服しているおおよその抗精神病薬の量を把握する方法だ。 この換算によると、通隆さんが3月3日の通院時に投与された1日の抗精神病薬の量は900mgになる。クロルプロマジン換算では300~600mgが適正な量とされるため、通隆さんの投与量は適正量を超えていた可能性がある。 父親は、通隆さんの様子を正確に医師に伝えるために、通隆さんが入院する直前から症状や服薬量について詳細なメモをとっている。メモによれば、通隆さんは退院後、入院前にはなかった「死にたい」という発言や、ベランダから飛び降りようとするなど、衝動的な行動を取るようになったという。父親は退院後の通隆さんの様子についてこう話す。 「午前中はいつもボーとしていて、意識があるのかないのか、わからないような状態でした。午後になると、足がむずかゆいと言って部屋中を歩き回り、苦しそうに足踏みを繰り返していました」 この足踏みを繰り返す動作は、「アカシジア」と呼ばれる抗精神病薬の副作用の一種だ。じっとしてはいられない焦燥感に襲われ、足踏みをしたり動き回ったりする症状が表れる。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」には、アカシジアについて「あまりに苦しくて衝動的に自分を傷つけたり、自殺したいとさえ感じ危険な行為に及ぶ場合さえもあります」と記されている』、「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ。
・『「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き  薬の添付文書によると、抗精神病薬のロナセンとリスパダールは、重要な使用上の注意として、「自殺念慮(死にたいという願望)のある患者への投与は、症状を悪化される恐れがある」と記されている。 また、入院直後から服用し続けていた睡眠薬のレンドルミンは、依存性があるのに加え、添付文書には副作用として、「不穏や興奮が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと」と記されている。 厚生労働省は2017年発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で、レンドルミンを含むベンゾジアゼピン受容体作動薬について、「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと」と、注意喚起を行った。 しかし、こうした薬の副作用について父親は病院から説明を受けていなかった。 「統合失調症には自殺のリスクがあることや、処方した薬の副作用を家族である私に教えてくれていていれば、自殺を防げていたのではないでしょうか」。父親は無念でならないという。そしてこう続ける。 「入院中のカルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」。 父親の代理人である大前治弁護士はこう話す。「精神科の治療は薬物療法だけではなく、カウンセリングや生活技能訓練、さらには家族および地域社会を含めた支援体制の構築などの心理社会的療法も重要となってくる。生活上の悩みを聞くことも治療の本体部分だ。精神科治療の現場で薬剤処方ばかりが偏重されていないか、点検が必要だ」 病院側は裁判の中で、薬の副作用(アカシジア)に対しては、「アキネトン(錐体外路症状止め)の薬を追加投与するなど、対処していた」としている』、「カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」、薬漬けに対する痛烈な批判だ。
・『処方した薬を飲むしかない  抗精神病薬や睡眠薬など、向精神薬の副作用に苦しむ患者は多い。通隆さんのように、抗精神病薬だけでも2種類以上を併用されるケースはざらにある。日本は、単剤ではなく複数の薬を併用する傾向が国際的にみて高いことはかねて指摘されてきた。多剤併用は大量処方にもつながりやすく、治療効果よりも副作用が強まる可能性も高い。しかし、こうした薬の副作用やリスクについて、患者や家族への情報提供は積極的に進められてはいない。 精神障害の当事者と支援者で作る「YPS横浜ピアスタッフ協会」に所属する当事者の堀合研二郎さんは、「医療者側が薬物療法以外の選択肢を持っていないため、それに頼りがちになっている」と訴える。堀合さんは、20代のとき統合失調症と診断され、向精神薬の副作用に苦しんだ経験がある。 「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」 堀合さんは、症状が安定していた時期にもかかわらず、医師に薬を飲んでいないという疑いをかけられ、再び入院をさせられた経験がある。「処方された薬を飲むしかないため、患者側には自由はない」(堀合さん)。 病院への収容か、大量処方された薬を飲むか――。どちらも患者の意思は置き去りにされたままだ。(第8回に続く)』、「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」、厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して
いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ。

第三に、12月6日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医・作家の樺沢 紫苑氏による「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382852
・『日本では現在、100万人以上の人がうつ病で治療を受けています。うつ病(気分障害を含める)の生涯有病率は6.7%。つまり、15人に1人はうつ病になる可能性があるわけです。 ここに追い打ちをかけて、新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。「大切なのは、うつ病の手前の段階で症状を食い止めること」と精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は言います。 今回は、著書『ブレイン メンタル 強化大全』から、科学的にうつを予防する方法を紹介します。 うつ病は、「心の風邪」といいますが、それは早期発見、早期治療した場合の話。こじらせると非常にやっかいで、職場復帰、社会復帰するのに数年かかる場合も珍しくありません。心の風邪というよりは、「心の骨折」。再発率は約50%ともいわれ、一度かかると極めてやっかいな病気です。 健康だった人が、ある日突然、うつ病になるということはありません。「前うつ」「軽うつ」と呼ばれる「予備軍」の状態を経て、数カ月かけて、うつ病に至ります。 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります』、「日本では・・・15人に1人はうつ病になる可能性がある」、予想以上に割合は高いようだ。「うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります」、「うつ予備軍」の段階で「治す」のが重要なようだ。
・『大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと  「うつ予備軍」とは「風船がはちきれそうな状態」で、「うつ病」とは「風船が破裂した状態」。予備軍の段階で膨らんだ風船の空気を抜くのは簡単ですが、破裂した風船を完全に修復してもとに戻すのは極めて難しいのです。 つまり、予備軍の段階で、きちんと対応すればうつ病には進行しません。うつ病は、予備軍の状態で必ず治す。これだけは、覚えておいてほしいです。 うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」です。私は、「睡眠・運動・朝散歩」こそが、「究極のうつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」と考えます。ですから、元気なときから、つまりメンタル的になんの問題もないときから、「睡眠・運動・朝散歩」を当たり前の習慣にしてほしいのです。 うつ予備軍の状態から、健康の状態に戻す方法もまた、「睡眠・運動・朝散歩」です。「飲酒・喫煙」も重要なメンタルの悪化因子。そして、「休養」「ストレス解消」も必須です。「休養」とは、頭の中を空っぽにすることです。 家に帰っても、「会社での失敗」「会社での人間関係」「不安なこと」を考えていては、休養にもリラックスにもなりません。「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」を、普段からの習慣にしてください』、私は、「「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」」のうち、「禁煙」も最近踏み切ったので、全てやっていることになる。
・『「うつ予備軍」の3つの兆候  明らかにうつ病になる前に、うつ予備軍の状態で発見したい。私の経験から導かれた、予備軍の兆候を3つお伝えします。 ①ミスが増える(「ミスが増える」というのは、非常に多いです。会議の予定をすっぽかす。書類の提出を忘れていた。電車の棚にカバンや荷物を置き忘れる、というのも多いです。 ミスが増えるというのは、うつの兆候というよりは、脳が疲れている「脳疲労」の兆候です。ここで、きちんと睡眠、休息をとって脳の疲れを回復すれば、うつ病への進行を食い止められます。 ②朝、起きるのがつらい(朝、起きるのがつらい。午前中の調子、気分が悪い。これらの兆候は、セロトニンが低下している兆候です。これが何カ月も続くと、うつ病に進行する可能性もあります。また、「ぐっすり眠れない」「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」という睡眠障害も、うつ病の前兆の可能性があります。 ③全身倦怠感などの身体症状(身体が重だるい。全身倦怠感。睡眠で疲れがとれない。慢性的に疲労がたまった感じがするのも同様です。それらが局所的に現れると、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりという訴えも多い。 うつ病患者の6割は、最初に精神科ではなく内科などの身体科を受診します。そこで一通り検査をして異常がない場合は、メンタルが疑われます。 うつ病というのは「精神症状」への影響がメインと思われるかもしれませんが、「精神症状」と「身体症状」が半々で、後者が初発症状として出る場合が多いのです) 以上の3つの症状に当てはまる人は、非常に多いのではないでしょうか。いずれも脳疲労や身体的疲労がたまっている状態で、うつ病に限らず、多くのメンタル疾患や生活習慣病の予備軍の症状にも通じます。 ということで、これらの兆候が見られた方は、「睡眠、運動、朝散歩、節酒・禁煙、休養、ストレス発散」。6つの生活習慣改善を徹底して行ってください』、現役時代は、「朝散歩」「禁煙」は出来てなかったので、「予備軍の兆候」のうち、①、②が時々出現した。ただ、「予備軍」のままで終わったのはラッキーだった。
・『「朝15分の散歩」をするだけで予防できる  睡眠や運動などの生活習慣を変えるのは大変かもしれませんが、最もてっとり早く取り入れられておすすめなのが「朝15分の散歩」です。 朝、太陽の光を浴びながら散歩をすると、セロトニンが活性化します。セロトニンは、私たちの心と身体の健康のために不可欠な脳内物質です。 セロトニンは、「心の安定」「癒やし」「やすらぎ」のもととなる静かな幸福物質。脳内物質の指揮者ともいわれ、ドーパミンやノルアドレナリンなどを調整し、気分や感情を安定させます。ストレスに対する緩和作用もあり、セロトニンが十分に出ていれば、多少のストレスで動じることもありません。ノルアドレナリンとともに集中力にも深く関与しており、集中力やパフォーマンスを高めて、バリバリ仕事をするためにも必須の物質です。 「本当にたった15分の散歩で、そんなに効果があるの?」と半信半疑の方も多いと思います。しかし私の元には +適応障害がよくなり再就職できた +仕事のパフォーマンスが2倍になった +うつ病が改善した +朝散歩で劇的に体調が変わった などの体験談が多く寄せられています。 医師としてのこれまでの経験から、薬を飲んでもうつ症状がよくならない人には「夜型生活」「昼夜逆転の生活」を送っている人が非常に多いことがわかっています。 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです。だまされたと思って試してみてください。数日続けると、体と心が軽くなっていくのが実感できるはず。 もしそれでも効果がなく、「気分の落ち込み」「何をしても楽しくない」「意欲の低下」などうつ病の症状が見られる場合は、すぐに精神科を受診してください』、「朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです」、同感だ。体内時計も「朝日」でセットされるので、夜中には眠くなるのだろう。
タグ:医療問題 東洋経済オンライン 精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める (その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) 「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」 いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた 実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断 1999年の精神保健福祉法の改正 都道府県知事が公的責任において行う制度が新設 民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたため 施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている 入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ 排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている 移送の中心担うのは警察官OB 自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ 財産目当てで精神科病院送りに 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場 「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ 難しい責任追及 「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ 「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」 統合失調症と診断された彼が服用していた薬 本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ 薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」 「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ 「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが…… 処方した薬を飲むしかない 患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい 厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ 樺沢 紫苑 「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」 15人に1人はうつ病になる可能性がある ブレイン メンタル 強化大全 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります 大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと 「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」 「うつ予備軍」の3つの兆候 ①ミスが増える ②朝、起きるのがつら ③全身倦怠感などの身体症状 「朝15分の散歩」をするだけで予防できる 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです
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