SSブログ

事業再生(その3)(マレリHDが「異例の法的整理」を選んだ理由 帝国データバンクが解説(無料部分)、H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか、旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長がハウステンボス売却へとつながった40億円の詐欺被害 巨額の資産をめぐる骨肉の争い(6)、【ギリシャ元財務大臣が解説する】「借金をチャラにする」のが経済にとても役立つワケ)

事業再生については、3月23日に取上げた。今日は、(その3)(マレリHDが「異例の法的整理」を選んだ理由 帝国データバンクが解説(無料部分)、H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか、旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長がハウステンボス売却へとつながった40億円の詐欺被害 巨額の資産をめぐる骨肉の争い(6)、【ギリシャ元財務大臣が解説する】「借金をチャラにする」のが経済にとても役立つワケ)である。

先ずは、7月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した帝国データバンク 情報統括部 情報取材課長の内藤 修氏による「マレリHDが「異例の法的整理」を選んだ理由、帝国データバンクが解説」の無料部分を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/305949
・『経営再建中の大手自動車部品メーカーの持ち株会社「マレリホールディングス」は6月24日、民事再生法に基づく簡易再生に向けた手続きを東京地裁に申し立てた。私的整理の一つである事業再生ADRを申請したものの不成立となったことから、法的整理に移行する。従来、大型案件では会社更生法を選ぶケースが多かったが、マレリは異例ともいえる簡易再生を選ぶこととなった。その背景とは』、「事業再生ADR」でやるには、「案件」が大型過ぎたのだろう。
・『マレリのADRは成立せず 民事再生法適用を申請  経営再建中の大手自動車部品メーカーの持ち株会社「マレリホールディングス」(以下マレリHD、さいたま市)は6月24日、東京地裁へ民事再生法を申請し、同日再生手続き開始決定を受けた。 帝国データバンクによれば、負債総額は1兆1856億円(2020年12月末時点)。1兆円を超える負債を抱え、2017年6月に民事再生法を申し立てたエアバッグ大手の「タカタ」(元・東証1部上場)と並び、製造業で国内最大級の負債額となった。なお、債権カットの対象は金融機関のみで、一般の商取引債権は全額弁済される見通し。 3月1日にグループ会社5社で私的整理の一種「事業再生ADR手続き(裁判外紛争解決手続き)」を申請していた。その後はスポンサー候補に対して支援要請するとともに、金融機関との交渉を進め、抜本的な合理化を内容とする事業再生計画を作成していた。 しかし、6月24日開催の第3回債権者会議において、必要となる全金融機関の同意が得られず、ADR手続きが不成立となり、マレリHDのみ民事再生法を申請。「簡易型」の民事再生手続きを選択することとなった。(以下有料)』、「負債総額は1兆1856億円」と超「大型」なのであれば、「必要となる全金融機関の同意が得られず」、「民事再生手続きを選択」したのは当然だろう。

次に、7月28日付けデイリー新潮「H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07281101/?all=1
・『7月21日、大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)が傘下のテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)を売却すると報じられた。すでに香港の投資会社PAGが株式の9割の取得を希望し、買収価格は800億円になる予定という。 新型コロナの影響で赤字が続いていたハウステンボスは、花火やパレードなどのイベントが功を奏し、2022年3月中間連結決算は3億9200万円の営業利益を計上、中間期で3年ぶりに黒字に転じた。 「なぜハウステンボスを売却しなければならないのか?それはH.I.S.の財務状況をみれば一目瞭然です」と解説するのは、ビジネス評論家の山田修氏。 「H.I.S.は、コロナ前の2019年10月期で、売上が8080億円ありました。毎年右肩上がりに成長し、いよいよ売上1兆円企業になるかと言われていました。ところがコロナの影響をもろに受け、2021年10月期の売上は1180億円まで落ち込んでしまいました」』、「売上1兆円企業になるかと言われていました。ところがコロナの影響をもろに受け、2021年10月期の売上は1180億円まで落ち込んでしまいました」、打撃は深刻だ。
・『自己資本比率は5.8%  H.I.S.の経常利益はどうか。 「2019年10月期で経常利益は170億円ありました。それが2020年10月期で310億円の赤字、2021年10月期は、630億円の赤字と倍増しています。かなり厳しい状況ですね。2021年には、コロナ対策の雇用調整助成金が207億円出ましたから、これで何とか救われた形です」 財務状況の健全性を示す自己資本比率も厳しい数値を示している。 「2019年10月期は、16.8%でした。2021年10月期は9.9%と落ち込み、直近の2022年4月の4半期は5.8%にまで落ち込んでいます。通常、健全な数値は40%で、50%が優良となっています。20%以下は厳しく、5.8%まで下がると、何らかの手を打たなければなりません。今回のハウステンボス売却は必然的な選択と言えるでしょう」 さらにH.I.S.グループには、大手クルーズ会社が2つある。 「1つは1999年に設立したクルーズプラネットで、社長はH.I.S.の澤田秀雄会長の妻、まゆみさんです。もう1つは2005年に設立したベストワンドットコム(ベストワンクルーズ)で、会長は澤田会長の長男・秀太氏です。新型コロナの感染拡大が始まった頃、ダイヤモンド・プリンセス号で700人以上が感染、14人が死亡しました。その影響で2社ともかなりの業績不振となっています」 H.I.S.グループはコロナの影響をもろに受けた形だが、そもそも、H.I.S.はどういう経緯でハウステンボスを買収したのか』、「自己資本比率は5.8%」とは土俵際まで追い込まれていたようだ。
・『資産は420億円  「1992年の開業以来、ハウステンボスは赤字が続き、2003年には会社更生法を申請して経営破綻。そこで野村証券系のファンドの傘下になりました。それでも赤字状態を抜け出せませんでした。実は2008年、私もハウステンボスの経営を打診されました。地方に転勤するつもりがなかったのでお断りしましたが……。そこで2010年、佐世保市長が三顧の礼で澤田会長を招いたのです。ハウステンボスの資本金は15億円でしたが、そのうちH.I.S.は67%の10億500万円を出資しています」 ハウステンボスがH.I.S.の傘下になると、わずか半年で黒字に転化した。 「イルミネーションに力を入れて集客を高めました。でも黒字になった一番の理由は、佐世保港に大型クルーズ船が接岸できるように工事を行ったことです。これで中国や韓国、台湾からのクルーズ客が一気に増えて黒字になったのです。佐世保港はインバウンドの九州の入り口となり、H.I.S.のクルーズ会社もかなり潤いました。この経営手腕は見事でしたね」 ハウステンボスの売却額は800億円程度と報じられている。 「10億500万円で買って800億円で売れたら、澤田会長としては万々歳でしょう。これで今期の赤字も解消できますからね。H.I.S.が2010年に買収した時は、ハウステンボスの資産は93億円でした。ところが現在は420億円まで増えています。800億円はその倍となるわけですから、妥当な金額だと思います。コロナの影響がなくなれば、海外からのインバウンドも増えて、ハウステンボスは大きな利益が見込めると香港の投資会社は試算しているのでしょう」』、「H.I.S.の傘下になると、わずか半年で黒字に転化」、「黒字になった一番の理由は、佐世保港に大型クルーズ船が接岸できるように工事を行ったことです。これで中国や韓国、台湾からのクルーズ客が一気に増えて黒字になったのです。佐世保港はインバウンドの九州の入り口となり、H.I.S.のクルーズ会社もかなり潤いました」、さすが見事だ。

第三に、9月21日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの高橋 篤史氏による「旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長がハウステンボス売却へとつながった40億円の詐欺被害 巨額の資産をめぐる骨肉の争い(6)」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/99865?imp=0
・『日本を代表する有名企業をつくった「創業社長」には、どこか共通するカリスマ性がある。しかし、創業社長のカリスマ性が大きければ大きいほど、その去り際、そして去ったあとには、巨大な陥穽が残されることになる。 経済事件取材のトップランナーである筆者が、その圧倒的な取材力と筆力によって構成する最上級の経済ノンフィクション『亀裂 創業家の悲劇』から、旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長の詐欺被害をお届け。 リア王やマクベスを地で行く、裏切りと転落のドラマ』、興味深そうだ。
・『秘密取引に魅入られて  じつは、(HIS創業者・)澤田(秀雄)も前章で詳述したコロワイドの蔵人金男と同様、巨額資金提供話で大火傷を負ったところだったのである。話は2018年2月に遡る。「先生」から要求された審査関係者への賄賂1億8000万円について、蔵人がはたして払うべきかどうか悩んでいた頃だ。関係者がエクセルで作成した詳細な時系列のメモがあり、それに従って事実経過を記していくことにしよう。 その月の5日、「東京プリンスホテル」の3階にある喫茶ラウンジに4人の男が集まった。まだ30歳そこそこながら香港を拠点に金取引業を手掛ける石川雄太がこの日、初めて会ったのは都内の金融コンサルティング会社で社長を務める男性で、その場には石川の古くからの知人と、その縁で2年ほど前に面識を得ていた名古屋在住の経営者も同席していた』、「4人」ともいかがわしそうだ。
・『「財務省とのミーティングを毎週水曜に霞が関で行っている」  金融コンサル会社社長はそう話し、リクルートホールディングス株の取引を持ち掛けてきた。財務省が極秘に保管する大量のリクルート株が存在し、それを1株1650円の破格値で売り渡すことが可能なのだという。さらにそれを野村證券が市場で付いた株価の1割引きで買い取る出口まで用意されているらしい。その頃の株価からすると、1株600円もの利ざやが抜ける計算だった。ただし、この取引に参加するには「復興支援金」としてデポジット4億5000万円が必要とのことである。 当たり前のことだが、財務省が極秘に保管するリクルート株などあるはずもない。言ってみれば、「M資金詐欺」の一種であり、その商材として「リクルート株」の名が騙られるというのは、じつのところ、その道ではかなりポピュラーな話だった。だがこの時、石川は得も言われぬ秘密取引にすっかり魅入られてしまう。 さっそく3日後に必要資金を用立てるため話をつないだ先が澤田だった。両者はそれ以前から金取引で親しい関係にあった。澤田が本拠とするエイチ・アイ・エスのテーマパーク子会社「ハウステンボス」は50億円相当の純金を購入し、集客の目玉として「黄金の館」なる絢爛豪華な展示施設を開業するなどしていた。石川から話を聞いた澤田は秘書の海津誠之を交渉に当たらせることにした。 3月18日、海津は新宿のエイチ・アイ・エス本社で石川と金融コンサル会社社長に会い、取引の詳細について説明を受けた。かつて石川を澤田につないだ若手経営者もその場には同席していた。この時、海津に行われた説明では、リクルート株取引が実行されるのは3月末だという。後日、「リクルートH株式売買スキーム」なる資料もメールで送信されてきている。もっともこの時、澤田はあまりに時間が短いことを理由に同月28日夕方に取引を見合わせたい旨を連絡し、いったんは話を断っている。 ただその後も金融コンサル会社社長からは例のデポジットを支払うよう催促が続いた。4月13日、石川は自身で2億円を用意し、約束の場所である三菱UFJ信託銀行本店の社員通用口付近に使いをやり、それを手渡している。このことを石川は澤田に伝えた。その結果、断ったはずのリクルート株取引は仕切り直されることとなった』、「「ハウステンボス」は50億円相当の純金を購入し、集客の目玉として「黄金の館」なる絢爛豪華な展示施設を開業するなどしていた」、「澤田は秘書の海津誠之を交渉に当たらせることにした」、「澤田はあまりに時間が短いことを理由に同月28日夕方に取引を見合わせたい旨を連絡し、いったんは話を断っている」、「石川は自身で2億円を用意し、約束の場所である三菱UFJ信託銀行本店の社員通用口付近に使いをやり、それを手渡している。このことを石川は澤田に伝えた。その結果、断ったはずのリクルート株取引は仕切り直されることとなった」、ずいぶん二転三転したようだ。
・『土壇場でひっくり返される取引  5月1日午前、澤田は海津とともに皇居近くの「パレスホテル東京」に入った。リクルート株取引について話し合いを持つためである。その場に集まったのは石川、前出の若手経営者、それに金融コンサル会社社長をあわせた計5人だ。澤田は自らが署名押印した業務委託契約書を金融コンサル会社社長に手渡した。買い手となることを決めたのだ。必要資金は50億円である。万事がつつがなく運べば、野村證券への転売で5億円が瞬時に得られる皮算用だった。もし本当ならこんな美味しい話はない。 その日の午後、金融コンサル会社社長の口座に50億円が送金された。澤田の手元にそれだけのキャッシュがあったわけではない。創業社長の一声で、子会社ハウステンボスの余裕資金を流用したのである。リクルート株の受け渡しは連休明けの月曜日とされた。 5月7日、受け渡し場所である三菱UFJ信託銀行本店1階の窓口前に海津と石川らは向かった。取引当事者の代理人である海津だけが2階の応接室に通された。しかし、その海津を前に、金融コンサル会社社長は「株がまとまらない」と土壇場になって言い始める始末だ。結局この日の取引は流れた。 翌8日、海津と石川らは再び同じ場所に赴いた。しかしこの時も金融コンサル会社社長は取引ができないと煮え切らない態度である。財務省の担当者が折から国会で論戦となっていた森友学園問題に関する大臣答弁の準備のため来られなくなったのだという。 さらに9日と10日の2日間、海津らはパレスホテル東京に集まったが、やはり取引に進展はなかった。ただこの時、新たな関係者が登場する。都内で「QUALITY」なる会社を経営する社長だという。金融コンサル会社社長の紹介によれば「取引の仲介者」とのことだった。 結局、5月14日、リクルート株取引は中止された。この時、50億円はハウステンボスに返金されている。しかしそれでも金融コンサル会社社長は石川に対し取引の仕切り直しを求めてきた。4日後、石川は言われるまま東京駅八重洲口から歩いて数分のところにある雑居ビルに向かった。そこの3階に入るQUALITYの事務所を訪ねるためだ。社長のほか取締役の計2人が対応に出てきた。 2日後、石川はQUALITYの両名と再び会った。すると、唐突にひとりの女を紹介される。年齢は50歳前後といったところだ。何でも、例のリクルート株取引は海外在住の日本人にしか認められていないのだという。そこでその資格を持つ件の女が直接あたることになったらしく、いったんはリクルート株をその名義にするらしい。そこで石川には共同事業契約を結んでほしいという。今後のメールやメッセージアプリのやりとりはすべて英語で行うとのことだ。この後、交渉の中心はなぜか金融コンサル会社社長らからこの50がらみの女に移っていく。 5月23日、石川は澤田の名代たる海津にあらためて会い、取引への協力を求めた。その後、両者はメールで手続きなどについて確認作業を行い、翌24日夕方までに海津は送金を約束した。「先ほど、澤田に確認をし、お取引に同行させて頂くことになりました」―。海津はメールにそう記していた。 5月25日、ハウステンボスから石川の金取引会社に再び50億円が送金された。石川は三井住友銀行本店で額面50億円の小切手を振り出してもらい、それを女に手渡した。その場にはQUALITYの両名もいた。女は小切手を窓口に持ち込み、50億円を自分の口座に入金した。しかし当たり前の話だが、その後、リクルート株取引が実行されることはない。そうした間の同月26〜30日、女の銀行通帳と印鑑は夕方から翌朝まで海津が預かることとなった。保全のためのせめてもの措置である』、なるほど。
・『40億円の大損害  石川が取引に不審の念をようやく抱き始めたのは50億円の小切手を手渡してから2週間近くが経った6月6日になってからだ。 「共同資金者に説明を入れないといけないのですが……本当に困ってます」 石川は例の50がらみの女宛てにそうメールを送っている。「共同資金者」とは言うまでもなく澤田のことだ。しかし、女は森友学園問題で財務省職員の処分があり取引が遅れているなどと、のらりくらりとかわすばかりだった。この後、石川はリクルート株取引を諦め、50億円の返金を求めていくこととなる。 6月15日、石川の口座にようやく女から返金があった。しかし、それは11億4230万円だけだった。しかも送金してきたのは「エヌ・エス・ティー」という見ず知らずの会社だ。前日夕方にQUALITYのふたりから会社事務所で受けた説明によると、残りは海外から3500万ドルが送金されてくるという。これに伴い石川は要求されるままQUALITYに対し報酬として1億円を別途送金している。 続く同月22 日、ここでまた新たな関係者が登場する。女と親しい間柄にある男で、その肩書は前述したエヌ・エス・ティーなる会社の「海外事業部部長」なのだという。この後、石川は残金回収のため、この海外事業部部長を名乗る男と頻繁にメールのやりとりを行うようになる。 とはいえ、両者のやりとりは嚙み合わなかった。たとえば、こんな調子だ。 石川「●●様(=海外事業部部長のこと)、一点確認です。Citi bank NYから送金済みですか? それとも送金予約済みですか? 説明が大きく異なりますので、回答お願いいたします」 海外事業部部長「了解致しました。確認をし回答致します!」 石川「お手数おかけ致します」 海外事業部部長「上記のシティバンクの件にての回答です。送金予約の書類はサイン済みにて完了してます。現在、送金にはなって無いとの事で、送金スタートの連絡待ちとの事でした。どうぞ宜しくお願い致します」 石川「何故、送金されてないのでしょうか? 理由はなぜでしょうか? 50億の資金を預けている身なので説明頂きたいのですが! 一度、お電話可能でしょうか?」 海外事業部部長「申し訳ございません。理由等は私聞けて無いので……再度確認いたします」 1ヵ月以上が経った7月24日、石川は東京・恵比寿の「ウェスティンホテル東京」で海外事業部部長を名乗る男とようやく初めて会うことができた。男は残金分として西武信用金庫を引受人とする額面40億円の為替手形を持参していた。しかしその後、この為替手形が現金化されることはなかった。真っ赤な偽物だったからだ。事ここに至り、石川、そして金主である澤田は騙されたことを悟るが、もはや後の祭りである。(文中敬称略)』、「澤田」も結局、「騙されて「40億円」を騙し取られたようだ。第二の記事の「ハウステンボス」の売却代金で埋めるのだろう。そもそも「M資金」もどきの詐欺事件に引っかかるとは、責任重大だ。

第四に、9月22日付けダイヤモンド・オンライン「【ギリシャ元財務大臣が解説する】「借金をチャラにする」のが経済にとても役立つワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/309325
・『混沌を極める世界情勢のなかで、将来に不安を感じている人が多いのではないだろうか。世界で起きていることを理解するには、経済を正しく学ぶことが重要だ。とはいえ、経済を学ぶのは難しい印象があるかもしれない。そこでお薦めするのが、2015年のギリシャ財政危機のときに財務大臣を務めたヤニス・バルファキス氏の著書『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』だ。本書は、これからの時代を生きていくために必要な「知識・考え方・価値観」をわかりやすいたとえを織り交ぜて、経済の本質について丁寧にひも解いてくれる。2022年8月放送のNHK『100分de名著 for ティーンズ』も大きな話題となった。本稿では本書の内容から、なぜ市場社会の中で借金が免除されることがあるのかを伝えていく』、興味深そうだ。
・『借金が返せなくなったらどうする?  あなたが借金を返済できなくなった場合について考えてみよう。 最初は努力して一生懸命返していくけれど、利子がかさんで返済ができなくなったら最終的にはどうなるだろう? 正解は、この借金はチャラになる。法律用語で言えば「債務免除」が適用される。 複数の金融機関から借りて多重債務になり、莫大になった借金を払えずに「自己破産」した人の話を聞いたことがあるのではないだろうか。 この処置は、「あなたはもう払えないのだから許してあげますよ」という多重債務者に対する温情や倫理的なことのように見えるが、そうではない。もちろん、債務者が借りたお金を踏み倒して良いということでもない。 債務免除は、単なる実務的な処理でしかない。 お金がなくて借金を返済できない人に、いつまでも「金を返せ」と催促し続けても、ないものは払えない。 借金をした側も貸した側も手間と時間が無駄になるだけだから、事務的にご破算にするということだ』、「債務免除は、単なる実務的な処理でしかない。 お金がなくて借金を返済できない人に、いつまでも「金を返せ」と催促し続けても、ないものは払えない。 借金をした側も貸した側も手間と時間が無駄になるだけだから、事務的にご破算にするということだ」、いわば生活の知恵のようなものだ。
・『「チャラにする」のは社会にとっても有益なこと  もしあなたが、借金の返済を免除されないままになっていたら、永久に破綻した状態で生きていかなければならなくなる。 再起するために新しい事業を立ち上げることもできないし、当然どこからも借金はできない。 カードも作れないし、家や車をローンで買うこともできなくなってしまう。生活に支障をきたすところまで追い込まれる可能性がある。 返済不可能な借金に永遠に囚われていたら、企業も個人も国家も復活できない。聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてあるのも、同じ理由からだ(P.109) 「借金をしたら必ず返済しなければならない」と債務者をいつまでも責めていたら、市場社会でのお金の循環は滞り、結局誰も得をしないことになる。 ならば債務者には、ある程度返済したら無罪放免にしてあげて、できるだけ早く再起してもらった方が良い。 その人がふたたび事業を起こしてお金を回すようになれば、社会にとってよほど有益である』、「返済不可能な借金に永遠に囚われていたら、企業も個人も国家も復活できない。聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてあるのも、同じ理由からだ」、「聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてある」、初めて知った。
・『「借りた側」にも「貸した側」にも責任がある  そんなことを言うと、お金を貸した側が黙っていないだろう。 債権者は「債務免除」という言葉を耳にするだけでわめき散らして抗議する。中でも一番大きな声で反対するのが銀行だ。(P.109) 返済不可能な状況になってしまったならば、借りた側に悪い部分があるのは事実だろう。 しかし、貸した側も相手の状況を正確に把握せずに貸付を行っている点で、非があるのは否めない。 債務免除を言い渡される状況に追い込んだのは、債権者自身とも言えるのではないか。 そこで、借金が返済不可能になってしまったことに関しては、債務者にも債権者にもお互いに悪い点があったことを認めることが大切だ』、「借金が返済不可能になってしまったことに関しては、債務者にも債権者にもお互いに悪い点があったことを認めることが大切だ」、その通りだろう。
・『「すべてを失わない」ためのルール作り  かつて、借金を返済できない人や会社を倒産させた起業家は、投獄された上に財産を身ぐるみはがされたという。 そんな仕打ちを受けてしまうのでは、多額の借金を背負うことになる大規模な事業なんてリスクが高くて誰もやろうとは思わなくなってしまう。 そこで市場社会では、起業家が発電所や鉄道といった大規模な施設を作った後に事業に失敗したとしても、その事業に関わる所有物が没収されるだけで済むような法律が作られた。 これにより、起業家は事業がうまくいかず会社が倒産した場合でも、個人の所有財産までは取られないようになり、リスクの高い大事業にも安心して取り組めるようになった』、「起業家は事業がうまくいかず会社が倒産した場合でも、個人の所有財産までは取られないようになり、リスクの高い大事業にも安心して取り組めるようになった」、その通りだ。
・『19世紀に金融危機や不況を乗り越えられた理由  事実、19世紀に市場社会が金融危機や不況を乗り越えられたのは、事業に関わる部分だけ責任を取れば良いという「有限責任」が適用されたからだ。 事業の部分だけ責任を取れば良いというのは、市場社会を成長させる意味でも重要なことなのである。 こんな苦境に陥った時に我々市民を救済してくれるのは国家しかない。国家に介入してもらって借金を帳消しにしてもらって初めて債務が消えて回復の道を歩めるようになる。(P.109) 借金したらすべて返さなければならないという考えに固執しすぎると、何も生み出さないし、進歩を遅らせてしまう。債務免除や有限責任は、それを防ぐための施策なのである』、「借金したらすべて返さなければならないという考えに固執しすぎると、何も生み出さないし、進歩を遅らせてしまう。債務免除や有限責任は、それを防ぐための施策なのである」、上手い知恵だ。
・『経済を自分の問題として捉える――訳者より  本書は、ギリシャで財務大臣を務めたヤニス・バルファキスが、十代半ばの娘に向けて、「経済についてきちんと話すことができるように」という想いから、できるだけ専門用語を使わず、地に足のついた、血の通った言葉で経済について語ったものです。 本書を原書で読み、「圧倒された」というブレイディみかこさんは、「優しく、易しく、そして面白く資本主義について語った愛と叡智の書」と評しています。 その語りは、娘からの「なぜ格差が存在するのか」という問いに、著者なりの答えを出していくかたちで進んでいきます。その過程で、経済がどのように生まれたかにさかのぼり、金融の役割や資本主義の歴史と功罪について、小説やSF映画などの例を挙げながら平易な言葉で説いていきます。 原書の評判は経済を論じた本らしくなく、「一気読みしてしまった」「読むのを止められない」といった声が多数あがっていますが、実際、本書はまるで小説のように章を追うごとに話が深まっていき、ついついページをめくり続けてしまうみごとな構成になっています。 バルファキスは本書で、「誰もが経済についてしっかりと意見を言えること」が「真の民主主義の前提」であり、「専門家に経済をゆだねることは、自分にとって大切な判断をすべて他人にまかせてしまうこと」だと言っています。 大切な判断を他人まかせにしないためには、経済とは何か、資本主義がどのように生まれ、どんな歴史を経ていまの経済の枠組みが存在するようになったのかを、自分の頭で理解する必要があるのです。 本書のバルファキスのこの言葉を、私も若い人たちに贈りたいと思います。 「君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒り続けてほしい。そして、機が熟したらそのときに、必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするために」』、「ギリシャ」は2010年以降、債務危機に見舞われ、最終的には債務の一部切り捨て、財政緊縮化などでかろうじて乗り切った。この際の債務切り捨てはやはり大きな問題となった。
タグ:内藤 修氏による「マレリHDが「異例の法的整理」を選んだ理由、帝国データバンクが解説」 ダイヤモンド・オンライン 「石川は自身で2億円を用意し、約束の場所である三菱UFJ信託銀行本店の社員通用口付近に使いをやり、それを手渡している。このことを石川は澤田に伝えた。その結果、断ったはずのリクルート株取引は仕切り直されることとなった」、ずいぶん二転三転したようだ。 「「ハウステンボス」は50億円相当の純金を購入し、集客の目玉として「黄金の館」なる絢爛豪華な展示施設を開業するなどしていた」、「澤田は秘書の海津誠之を交渉に当たらせることにした」、「澤田はあまりに時間が短いことを理由に同月28日夕方に取引を見合わせたい旨を連絡し、いったんは話を断っている」、 「4人」ともいかがわしそうだ。 高橋 篤史氏による「旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長がハウステンボス売却へとつながった40億円の詐欺被害 巨額の資産をめぐる骨肉の争い(6)」 高橋 篤史 現代ビジネス 「黒字になった一番の理由は、佐世保港に大型クルーズ船が接岸できるように工事を行ったことです。これで中国や韓国、台湾からのクルーズ客が一気に増えて黒字になったのです。佐世保港はインバウンドの九州の入り口となり、H.I.S.のクルーズ会社もかなり潤いました」、さすが見事だ。 「自己資本比率は5.8%」とは土俵際まで追い込まれていたようだ。 「売上1兆円企業になるかと言われていました。ところがコロナの影響をもろに受け、2021年10月期の売上は1180億円まで落ち込んでしまいました」、打撃は深刻だ。 ダイヤモンド・オンライン「【ギリシャ元財務大臣が解説する】「借金をチャラにする」のが経済にとても役立つワケ」 デイリー新潮「H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか」 「負債総額は1兆1856億円」と超「大型」なのであれば、「必要となる全金融機関の同意が得られず」、「民事再生手続きを選択」したのは当然だろう。 「事業再生ADR」でやるには、「案件」が大型過ぎたのだろう。 「澤田」も結局、「騙されて「40億円」を騙し取られたようだ。第二の記事の「ハウステンボス」の売却代金で埋めるのだろう。そもそも「M資金」もどきの詐欺事件に引っかかるとは、責任重大だ。 (その3)(マレリHDが「異例の法的整理」を選んだ理由 帝国データバンクが解説(無料部分)、H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか、旅行業界の風雲児・HIS澤田秀雄会長がハウステンボス売却へとつながった40億円の詐欺被害 巨額の資産をめぐる骨肉の争い(6)、【ギリシャ元財務大臣が解説する】「借金をチャラにする」のが経済にとても役立つワケ) 事業再生 「債務免除は、単なる実務的な処理でしかない。 お金がなくて借金を返済できない人に、いつまでも「金を返せ」と催促し続けても、ないものは払えない。 借金をした側も貸した側も手間と時間が無駄になるだけだから、事務的にご破算にするということだ」、いわば生活の知恵のようなものだ。 「返済不可能な借金に永遠に囚われていたら、企業も個人も国家も復活できない。聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてあるのも、同じ理由からだ」、「聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてある」、初めて知った。 「借金が返済不可能になってしまったことに関しては、債務者にも債権者にもお互いに悪い点があったことを認めることが大切だ」、その通りだろう。 「起業家は事業がうまくいかず会社が倒産した場合でも、個人の所有財産までは取られないようになり、リスクの高い大事業にも安心して取り組めるようになった」、その通りだ。 「借金したらすべて返さなければならないという考えに固執しすぎると、何も生み出さないし、進歩を遅らせてしまう。債務免除や有限責任は、それを防ぐための施策なのである」、上手い知恵だ。 「ギリシャ」は2010年以降、債務危機に見舞われ、最終的には債務の一部切り捨て、財政緊縮化などでかろうじて乗り切った。この際の債務切り捨てはやはり大きな問題となった。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感