幼児虐待(その9)(児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル、《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】、「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か) [社会]
幼児虐待については、7月27日に取上げた。今日は、(その9)(児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル、《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】、「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か)である。
先ずは、8月1日付け東洋経済オンラインが掲載したフリージャーナリストの有馬 知子氏による「児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/606495
・『千葉県内の元児童相談所の職員が7月、長時間労働でうつになり退職せざるをえなくなったとして、児相を所管する同県に慰謝料などを求める訴訟を起こした。職員の忙しさや人手不足が報じられる一方、虐待で子どもの命が奪われるたびに「児相は何をしていたんだ」という批判の声も巻き起こる。しかし実際に「何をしていた」かは、守秘義務の壁もあり、外からは見えづらい。 そんな「児相のリアル」を伝えようとしたのが、短編映画「ほどけそうな、息」の監督・脚本を務めた小澤雅人さんだ。小澤さんと、映画制作に協力した現場の職員たちに、児相職員や「加害」親の抱える苦悩について聞いた』、「実際に「何をしていた」かは、守秘義務の壁もあり、外からは見えづらい」ので、「児相のリアル」を、「短編映画」で「伝えようとした」とはいい試みだ。
・『職後3年で9割が職場を去る心折れる若手職員 小澤さんは「児相は虐待事件が起きるたびに悪者扱いされてきたものの、内情はあまり知られていません。職員たちが、どのような思いで親子と向き合っているかを伝えようと考えました」と、制作の動機を語る。 映画の主人公、カスミは、児相に入職して2年目の若手職員だ。小澤さんは制作にあたり、児相で働く何人もの若手・中堅職員に話を聞いた。最も驚かされたのは、若手の離職率の高さだという。 職員たちは口々に「同期の9割が入職1~3年で、離職するか異動する」「20代半ばまで残れば『中堅』扱い」「10年勤務できる人はかなりまれ」と語った。 原因の1つは忙しさや長時間労働で、「昼食も満足に取れない日がある」という訴えは、職員に共通していた。保護した子どもたちが滞在する、一時保護所の運営も職員の仕事だ。報道によれば千葉県を提訴した元職員は、一時保護所の宿直中、個室で仮眠も取れなかったと訴えている。映画の中でも、カスミのデート中に仕事の電話が鳴り、深夜に残業するなどの忙しさが描かれている。 ただ離職の最も大きな要因は、忙しさよりも精神的な負担の大きさではないかと、小澤さんは推測する。) 「中には『帰宅して家が無音だと、担当する親子のことで思い悩んでしまうので、つねにテレビをつけっ放しにして気を紛らわせている』という人もいました。24時間、仕事のことを考えずにはいられないとは、なんと大変な職業だろうと思いました」 日常業務も、精神を削られることの連続だ。親から、そして時には子ども自身からも必死で抵抗されながら、強制的に両者を引き離す。「子どもを返せ」と迫る親と信頼関係を築き、生活の立て直しを支える。両親だけでなく行政の支援機関や病院、学校、保育園、祖父母ら関係者との調整も必要だ。多くの若者は「子どもを救いたい」と考えて入職するが、子どものケアは仕事のごく一部なのだ。 「自分は何のために働いているのか」と悩んでも、守秘義務や「内情を知らない人にはわかってもらえないだろう」という諦めから、友達や家族に相談もできない。孤立した末に、彼らは心折れ、職場を去るのだという』、「多くの若者は「子どもを救いたい」と考えて入職するが、子どものケアは仕事のごく一部なのだ。 「自分は何のために働いているのか」と悩んでも、守秘義務や「内情を知らない人にはわかってもらえないだろう」という諦めから、友達や家族に相談もできない。孤立した末に、彼らは心折れ、職場を去る」、せっかくの熱意が満たされずに「職後3年で9割が職場を去る心折れる若手職員」、もったいない限りだ。
・『一時保護所は定員の「140~150%」人手不足で管理的に 映画制作に協力した児相職員、川上仁さん(仮名)にも話を聞いた。川上さんは首都圏の児相で管理職をしているが、施設の大半は、高い離職率に加えて虐待相談の急増で慢性的な人手不足に陥り、家庭を継続的にフォローする余力に乏しいという。 「緊急性の高い初動対応が一段落し、人間関係を築いた後は、家庭からの連絡待ちにならざるをえません。どうしても、つぎつぎ出てくる新規案件にエネルギーを注ぐ必要があるからです」 人手不足は一時保護所の運営にも、影響を及ぼしていると指摘する。 「首都圏の保護所は、つねに入所率140~150%と定員オーバー。少数の職員で施設を切り回すため、事故を防ぐための『管理』が重視され、1人ひとりの子どもに向き合う余裕を持てないという構造的問題があります」と、川上さん。 一部施設にはかつて、管理を優先するあまり「入所者は目を合わせてはいけない」「違反者は保護所の庭を数十周罰走」といった理不尽な規則もあったほどだ。さすがに現在は多くが撤廃されているという。 政府は2019年、児童福祉司の2000人増員をはじめとする児相の体制強化を打ち出した。しかし、せっかく採用した職員も、離職してしまっては元の木阿弥だ。川上さんは職員の待遇改善とともに、若手の孤立解消の取り組みなども必要だと訴える。 「多くの若手職員が、仲間と悩みを共有したい、ほかの児相の仕事ぶりを知りたい、と願っています。職場側が広域での合同研修などを通じて、ネットワークづくりをサポートする必要もあると思います」』、「「首都圏の保護所は、つねに入所率140~150%と定員オーバー。少数の職員で施設を切り回すため、事故を防ぐための『管理』が重視され、1人ひとりの子どもに向き合う余裕を持てないという構造的問題があります」、「多くの若手職員が、仲間と悩みを共有したい、ほかの児相の仕事ぶりを知りたい、と願っています。職場側が広域での合同研修などを通じて、ネットワークづくりをサポートする必要もあると思います」、なるほど。
・『「キーバーソン」を見誤ると、虐待は深刻化 目黒区の船戸結愛さん事件(2018年)、千葉県野田市の栗原心愛さん事件(2019年)など、悲惨な虐待死事件が起きるたびに、再発防止の重要性が叫ばれてきた。しかし今年6月にも、大阪府富田林市で2歳女児が家に放置されて死亡し、祖母らが保護責任者遺棄の疑いで逮捕された。岐阜県、広島県、神奈川県など多くの都道府県で、2021年度の虐待相談対応件数も過去最多を更新している。 なぜいたましい事件はなくならないのか。川上さんは児相側が「家庭を支配するキーパーソン」を見誤ったとき、事態が深刻化するリスクが高まると指摘する。 結愛ちゃん事件で児相が主にアクセスしていたのは、虐待を加えていた義父ではなく母親だった。 「父親は日中働いていることが多く、物理的に会いづらいという事情もあります。妻が夫に支配されている場合、児相職員が母親を通じて家庭を改善しようとすると、母親をさらに孤立させ、追い込んでしまう恐れもあります」 また心愛さん事件では、児相側は一時保護した心愛さんを祖父母宅に帰したが、加害者である父親が勝手に自宅へ連れ帰った。児相は女性比率が高いこともあり、特にキーパーソンが攻撃的な父親の場合、職員はひるんでしまいがちだという。 こんなときは経験豊富な児童福祉司(スーパーバイザー)がキーパーソンを見極め、接触するよう担当職員を指導する必要もあると、川上さんは語る。 「私たち職員は、面談の間父親に怒鳴られるだけですが、怒りが子どもに向けられたら、身体や命が危険にさらされかねません。キーパーソンに接触し『つねに見守っていますよ』という姿勢を示すことで、加害の抑止効果も期待できます」) ただ加害親は決して、理解不能な「モンスター」ではないとも、川上さんは強調する。多くは社会へのゆがんだ認識や、過去に受けた暴力のトラウマ、貧困などによって「人生がうまくいかない」という生きづらさを抱えているのに、他人を頼れない人たちなのだ。 「SOSを出せない親御さんに『お困りですよね』と声をかけ、抱える問題の解消を手助けするのが、私たち児相職員の仕事です」と、川上さんは話す。 映画にも飲酒の問題を抱える母、シノブが登場する。カスミらが家を訪れると、シノブはごみの散乱する部屋で酒を飲み、カスミたちにも反抗的な態度を示す。 外から見れば、シノブは子どもがいるのに掃除1つできず、酒も断てない「鬼母」かもしれない。しかし監督の小澤さんは「母親を悪者扱いするつもりは最初からなく、困りごとを抱えた人として描こうと考えていた」と言う』、「経験豊富な児童福祉司(スーパーバイザー)がキーパーソンを見極め、接触するよう担当職員を指導する必要もある」、「「SOSを出せない親御さんに『お困りですよね』と声をかけ、抱える問題の解消を手助けするのが、私たち児相職員の仕事です」、人生経験が浅い「職員」がやるのは難しそうだ。
・『加害の母親も苦しんでいる 小澤さんは過去にも児童虐待や性暴力などを、作品のテーマに取り上げてきた。数年前からは、川上さんらが開く勉強会などにも参加し、虐待についての学びも深めた。その中で「加害の母親も苦しんでいる。児相の介入で苦しみが和らげば、子どもとの関係も明るい方へ進み始めるはずだ」と考えるようになったからだ。 また小澤さんは「本来は父親たる男性の責任にも、目を向けるべきだ」とも訴えた。 「子どもに手を上げる母親の陰には、孤立した育児を押し付ける父親の存在があるかもしれない。もし子どもが死んだら、彼らは被害者として振る舞う可能性すらあります。映画を見た人には、表面的な『虐待事件』報道の裏に何があるのかも、考えてみてほしい」 「ほどけそうな、息」は、9月3日から都内の映画館「ポレポレ東中野」を皮切りに、随時上映される予定だ』、「子どもに手を上げる母親の陰には、孤立した育児を押し付ける父親の存在があるかもしれない。もし子どもが死んだら、彼らは被害者として振る舞う可能性すらあります。映画を見た人には、表面的な『虐待事件』報道の裏に何があるのかも、考えてみてほしい」、その通りだ。
次に、9月8日付け文春オンライン「《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/57227
・『「園長になると聞いた時は、『あいつが園長? 大丈夫なのか?』と思いました。昔からの知人はみんな心配していましたね。あいつの父親は、幼稚園の他にもお茶の工場を経営する金持ちで、いわば立義(増田立義園長)はボンボン。子供の頃からズボラな性格だったので、水戸黄門の『うっかり八兵衛』ならぬ『ええからげん(=いい加減)八兵衛』と呼ばれていました。そんな性格が災いしたのか、まさかこんな事故が起こるとは……」(増田園長の知人)』、「『ええからげん八兵衛』と呼ばれていました、「子供の頃からズボラな性格」が高齢者になっても現われたとは・・・。
・『炎天下のバス車中に取り残されて… 9月5日午後2時10分ごろ、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の通園バス内で、河本千奈ちゃん(3)が意識を失っているのを幼稚園の職員が発見した。千奈ちゃんは病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。 死因は熱中症とみられている。バスの運転手だった増田園長(73)らが園児を降車させる際、千奈ちゃんを車中に残したままであることに気づかず、3歳の女の子を5時間以上も通園バスの中に閉じ込めてしまったのだ。全国紙社会部記者が解説する。 「バスは増田園長が運転し、70代の女性職員も乗車していました。千奈ちゃんを含む6人の園児を乗せ、園には5日午前8時50分ごろ到着したようです。この日の牧之原市の最高気温は30.5度で、まさに蒸し風呂状態。午後2時10分ごろ、園児を帰宅させるため職員がバスに乗って発見した時には、千奈ちゃんは既に意識も呼吸もなく、体温も非常に高い状態でした。車内には千奈ちゃんが飲み干したとみられる空の水筒も見つかったようです」』、「6人の園児」、「増田園長が運転し、70代の女性職員も乗車」、それでもケアレスミスが起きたようだ。
・『悲劇が起こった川崎幼稚園の地元での評判は… 昨年の夏、福岡県の保育園で送迎バスに取り残された5歳の園児が命を落としてしまった事故が思い起こされる。この時は、保育園側が降車時の確認を怠っていたことが原因だったことが分かっているが、今回も同様の「過失」があったと疑われている。 「出欠管理は保護者が登園時にQRコードを端末にかざして確認するシステムでしたが、バスで通う園児は保護者がいないため職員がまとめて出席扱いにするのが慣例でした。バスに乗っていた園長と女性職員は「バスを降りる園児の数は、相手が確認すると思っていた」と言い訳しているようです。降車時の点検も出欠確認も杜撰だった可能性があり、静岡県警は業務上過失致死容疑も視野に捜査を進めています」(同前) 悲劇が起こった川崎幼稚園は1962年に認可を受けた歴史ある幼稚園だ。1976年に園長になった父の後を継ぎ、2002年に増田園長が園長に就任している。園は幼い子供で賑わい、近隣住民たちにとっては癒しの光景だったようだ。園の評判は決して悪くない』、「園の評判は決して悪くない」ようだ。
・『近所の評判は悪くなかった 「可愛い子供がキャーキャーいいながら遊ぶ姿を毎日見かけました。一人ひとりの面倒を丁寧に見ている印象で、保育士さんも優しく子供に声をかけていましたよ。町内の行事で園長を見かけた時には、『子供は宝です。大切に育てたい』と熱弁をふるっていたのを覚えています」 住民たちは駐車場の草むしりをしたり、気さくに挨拶する園長の姿をしばしば目にしている。園長の人柄もあってか、川崎幼稚園に信頼を寄せる家庭も多かったようだ。 (園児の一日のスケジュール(川崎幼稚園HPより)はリンク先参照) 「家が近い子供は、両親や祖父母が手を引いて幼稚園に連れていきますが、最近は遠くから通う子供が増え、バスで送り迎えする家庭が増えました。千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」(近隣住民) だが一方で、増田園長を古くから知る友人は、以前から園の運営について心配していたという。増田園長の幼少期からの知人が話す』、「千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」、全く不運という他ない。
・『園長の口癖は「俺は知らない」 そんなことは言ってない」 「事故を聞いたとき、率直なところ『やってしまったな』と思いました。立義(増田園長)の父親は海軍兵学校の出身で、予科練の帽子を被り、竹刀を片手に『親を大事にしろ』『いじめはダメだ』と子供たちを厳しく指導していました。一方の立義はボンボン気質。性格は親父とは正反対で、芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』。いい加減な性格だから、子供の頃は『ええからげん八兵衛』と呼ばれていました」 2002年に川崎幼稚園の園長に就任した増田園長は、近隣の幼稚園を買収するなど経営拡大に熱を上げていた。だが手を広げすぎるあまり、肝心の子供の扱いや園の管理がなおざりになるのではないかという懸念の声は少なくなかった。 「増田さんは近隣の幼稚園をどんどん自分の傘下に収め、ついには隣町の幼稚園にまで手を出そうとしました。『そこまでやらなくていいんじゃないか』と隣町の議員が怒ったこともありましたよ。市議会や役場の職員のなかでも、『あんなに拡大して大丈夫か』『職員が足りなくなるに決まっている』と不安視する声はたくさんありました。ただ、地元の議員にうまく根回しをしたからか、結局は認められることになりましたが……」(地元関係者)』、「ボンボン気質・・・芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』、「いい加減な性格」、経営面では「近隣の幼稚園を買収するなど経営拡大に熱を上げていた。だが手を広げすぎるあまり、肝心の子供の扱いや園の管理がなおざりになるのではないかという懸念の声は少なくなかった」。
・『バスを塗りつぶす“ペインティング” 増田園長は2012年に園児を集めて静岡県警牧之原署と共同で交通安全パレードを実施しているほか、2014年には交通安全活動に尽力したとして、榛原地区安全運転管理協会から表彰状を受け取ったりするなど、“地元の名士”として知られていた。前述の知人が続ける。 「交通安全パレードも含めて、立義はパフォーマンスをするのが得意でした。今回、千奈ちゃんが死亡したバスにある窓ごと車体を塗装する“ペインティング”も、周辺地域で始めたのは、川崎幼稚園が最初だったと思います。車内が見えなくなってしまって、見送るお母さんが可哀そうだなと思っていました。あくまで可能性ではありますが、このペインティングがなければ、助けを呼ぶ千奈ちゃんに気付いた人もいて、こんな悲劇は生まれなかったのかもしれません」 炎天下のバスに取り残され、失われてしまった3歳女児の命。管理体制に不備はなかったのか。“うっかり”で済む事故ではない』、「バスにある窓ごと車体を塗装する“ペインティング”」、安全性を度外視して、目立つことだけを狙ったもので、「パフォーマンスをするのが得意」な性格が表れたものdろう。
第三に、9月9日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・人間関係コンサルタント・テレビ解説者の木村 隆志氏による「「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/617331
・『静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通う3歳の女児が通園バスの車内に取り残され、熱中症で亡くなった事件から4日、園による記者会見から2日が過ぎた今なお、さまざまな報道が飛び交う状態が続いています。 この間、テレビやネット上では多くのメディアが事件をトップニュースで扱っていました。各メディアで共通していたのは、「なぜ最悪の事態を防げなかったのか」「どこに園側のミスがあったのか」を手厚く報じていること。 主に、バス車内の確認、朝の会・部屋移動・給食時の人数確認、登園情報の確認、保護者への確認など、チェックできるタイミングが多かったにもかかわらず、それらがすべてスルーされていた。送迎だけでなく、運転自体をあまりしていない人に任せた。バスの側面がイラストで覆われているため外から車内が見えづらかった。 大半のメディアがこれらのミスを挙げ、さらに、会見での受け答えを映すことで園を断罪し、見る人々の怒りを増幅させるような報道に終始しています。ネットニュースにも、情報番組のMCが涙を流し、コメンテーターが声を荒らげた様子を報じる記事があふれていますが、このような見る人々の怒りを増幅させる“断罪劇場型”の報道に違和感を覚えざるをえません。 今回の事件は、当日のドライバーを務めた高齢の園長だけでなく、副園長、担任、副担任など園の関係者に問題があったことは誰が見ても明らか。特に記者会見で他人事のように書面を読むだけで感情が乏しく、被害園児の名前を間違えてしまう高齢の園長を断罪し、怒りをぶつけ続けることに危うさを感じてしまうのです』、私も「“断罪劇場型”の報道」には強い「違和感」を覚え、辟易した。
・『「再発防止」の割合が極端に少ない それよりも真っ先に問題視すべきは、なぜ1年前に起きた事件の教訓が生かされなかったのか。 昨年7月、「福岡県中間市の保育園で5歳の園児が通園バスに取り残されて熱中症で亡くなった」という痛ましいニュースが報じられました。当時もメディアは今回と同じように断罪と怒りを増幅させるような報じ方で、「こんなことは二度とあってはならない」という論調を繰り返していましたが、わずか1年あまりで再発してしまったのです。) 問題はメディアが、誰かを叩くことが目的のような“断罪劇場型”の報じ方をすると、それを見る人々や保育関係者ですら感情的に怒るだけで思考停止してしまうこと。「欧米では置き去り防止のセンサーがある」などの同じ事件を起こさないための対策を報じる割合が極めて少なく、けっきょくそれぞれの現場任せに終わるため、今回のようなヒューマンエラーが事件につながってしまうのです。 メディアに求められているのは明らかにミスが多かった今回の園だけでなく、他のケースも挙げながら、注意喚起していくこと。たとえば、置き去りが起きてしまう主な理由は「意識の低下」「人手不足」「ルールやシステムの不備」の3点と言われていますが、そのひと言だけで片付けられるものではありません。 今回、事件を起こした園では、「園児1人ひとりが登園確認をするシステムがありながら、けっきょく職員がまとめて入力処理していた」ことが報じられました。また、他園でも「人数確認の回数やダブルチェックを増やした結果、『他の人も確認しただろう』という意識が生まれ、個々の確認が雑になってしまった」などのケースも多いと聞きます。 人手不足が意識の低下につながっていないか。「忙しい」「余裕がない」ことを理由にルールやシステムが有名無実化していないか。「慣れる」が「なめる」につながっていないか。 保育の分野に限らず、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、ヒューマンとテクノロジーをどう組み合わせて事件や事故を防いでいくのか。真剣に考えるきっかけをメディアが提起してほしいのです』、「保育の分野に限らず、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、ヒューマンとテクノロジーをどう組み合わせて事件や事故を防いでいくのか。真剣に考えるきっかけをメディアが提起してほしい」、同感である。
・『全国の幼稚園・保育園が動揺している もう1つ、「メディアの報道で決定的に欠けている」と感じたのは、日本全国の幼稚園・保育園の現状とフォロー。今回の事件で日本全国の幼稚園・保育園が動揺していることは想像に難くありません。 実際、私の自宅近くにある保育園は、すぐに人数確認の回数を増やし、それを保護者に周知したそうですし、別の幼稚園は送迎バスのチェックを2人がかりで複数回行い、念のため施錠もやめるか検討中と聞きました。 また、事件の余波は、送迎バスの置き去りに関することだけではありません。園児が園内のどこかで身動きが取れなくなったり、園外に出てしまったりなどのケースに対応できるよう、繰り返しの人数確認はもちろん、トラブル時のシミュレーションをあらためて行っているようなのです。 それでも保護者から「こちらの幼稚園は大丈夫なのか」「人数確認はどれだけどういう形で行っているのか」などの問い合わせがあるなど、関係者の精神的・肉体的負担は増す一方。これまで丁寧に取り組んできた園ほど「やっていたのに」とやり切れない気持ちになるほか、負担が増えたことでかえってミスにつながることもありうるでしょう。 ただ、今回の事件は自分事として注意すべきである一方で、レアケースであることもまた事実。大半の園が丁寧に行っていることだけに、過剰な心配やプレッシャーは園と保護者の間に疑心暗鬼や不信感を生むなど関係性を揺るがせるだけでしょう。 メディアはいたずらに危機感ををあおるのではなく、これらのような現状やフォローも報じるべきではないでしょうか』、「メディアはいたずらに危機感ををあおるのではなく、これらのような現状やフォローも報じるべきではないでしょうか」、その通りだ。
・『文科省や厚労省のサポートが不可欠 いずれにしても、各園の個別対策だけでは限界があり、外部からのサポートが必要なのは間違いありません。 幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省、認定こども園は内閣府の管轄であり、安全管理に関しても福岡で事件が起きた1年前に通知をしていましたが、今回の事件を見る限り、それが出しっ放しの状態になり、浸透していなかったことになります。今後は継続的な通知に加えて、一斉調査や抜き打ちチェックなどの対策が行われるのではないでしょうか。 さらに、「事件の背景に、人手や教育の不足、精神・肉体の疲弊、関係者の高齢化、金銭的な経営難はなかったか」などの分析。また、同じ事件を起こさないための具体的な対策を示すほか、テクノロジーなどのサポートをこれまで以上に行っていく姿勢が求められますし、メディアはそれを注視してほしいところです。 今回、事件を起こした園の存続は、静岡県による特別監査の後に判断されるようですから、これ以上、外部の人々が怒りの声をぶつける必要性はないでしょう。前述したように、部外者の怒りは再発防止につながらず、被害園児を悼むことにもなりません。 また、この園だけでなく、あなたの街にある幼稚園や保育園も苦しい状況に陥っていないか。彼らの最大の使命は「子どもたちの命と心を守ること」であり、それに日々奮闘する姿に優しい目を向け、サポートできる社会でありたいところです』、「事件の背景に、人手や教育の不足、精神・肉体の疲弊、関係者の高齢化、金銭的な経営難はなかったか」などの分析。また、同じ事件を起こさないための具体的な対策を示すほか、テクノロジーなどのサポートをこれまで以上に行っていく姿勢が求められますし、メディアはそれを注視してほしいところです」、「あなたの街にある幼稚園や保育園も苦しい状況に陥っていないか。彼らの最大の使命は「子どもたちの命と心を守ること」であり、それに日々奮闘する姿に優しい目を向け、サポートできる社会でありたいところです」、同感である。
先ずは、8月1日付け東洋経済オンラインが掲載したフリージャーナリストの有馬 知子氏による「児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/606495
・『千葉県内の元児童相談所の職員が7月、長時間労働でうつになり退職せざるをえなくなったとして、児相を所管する同県に慰謝料などを求める訴訟を起こした。職員の忙しさや人手不足が報じられる一方、虐待で子どもの命が奪われるたびに「児相は何をしていたんだ」という批判の声も巻き起こる。しかし実際に「何をしていた」かは、守秘義務の壁もあり、外からは見えづらい。 そんな「児相のリアル」を伝えようとしたのが、短編映画「ほどけそうな、息」の監督・脚本を務めた小澤雅人さんだ。小澤さんと、映画制作に協力した現場の職員たちに、児相職員や「加害」親の抱える苦悩について聞いた』、「実際に「何をしていた」かは、守秘義務の壁もあり、外からは見えづらい」ので、「児相のリアル」を、「短編映画」で「伝えようとした」とはいい試みだ。
・『職後3年で9割が職場を去る心折れる若手職員 小澤さんは「児相は虐待事件が起きるたびに悪者扱いされてきたものの、内情はあまり知られていません。職員たちが、どのような思いで親子と向き合っているかを伝えようと考えました」と、制作の動機を語る。 映画の主人公、カスミは、児相に入職して2年目の若手職員だ。小澤さんは制作にあたり、児相で働く何人もの若手・中堅職員に話を聞いた。最も驚かされたのは、若手の離職率の高さだという。 職員たちは口々に「同期の9割が入職1~3年で、離職するか異動する」「20代半ばまで残れば『中堅』扱い」「10年勤務できる人はかなりまれ」と語った。 原因の1つは忙しさや長時間労働で、「昼食も満足に取れない日がある」という訴えは、職員に共通していた。保護した子どもたちが滞在する、一時保護所の運営も職員の仕事だ。報道によれば千葉県を提訴した元職員は、一時保護所の宿直中、個室で仮眠も取れなかったと訴えている。映画の中でも、カスミのデート中に仕事の電話が鳴り、深夜に残業するなどの忙しさが描かれている。 ただ離職の最も大きな要因は、忙しさよりも精神的な負担の大きさではないかと、小澤さんは推測する。) 「中には『帰宅して家が無音だと、担当する親子のことで思い悩んでしまうので、つねにテレビをつけっ放しにして気を紛らわせている』という人もいました。24時間、仕事のことを考えずにはいられないとは、なんと大変な職業だろうと思いました」 日常業務も、精神を削られることの連続だ。親から、そして時には子ども自身からも必死で抵抗されながら、強制的に両者を引き離す。「子どもを返せ」と迫る親と信頼関係を築き、生活の立て直しを支える。両親だけでなく行政の支援機関や病院、学校、保育園、祖父母ら関係者との調整も必要だ。多くの若者は「子どもを救いたい」と考えて入職するが、子どものケアは仕事のごく一部なのだ。 「自分は何のために働いているのか」と悩んでも、守秘義務や「内情を知らない人にはわかってもらえないだろう」という諦めから、友達や家族に相談もできない。孤立した末に、彼らは心折れ、職場を去るのだという』、「多くの若者は「子どもを救いたい」と考えて入職するが、子どものケアは仕事のごく一部なのだ。 「自分は何のために働いているのか」と悩んでも、守秘義務や「内情を知らない人にはわかってもらえないだろう」という諦めから、友達や家族に相談もできない。孤立した末に、彼らは心折れ、職場を去る」、せっかくの熱意が満たされずに「職後3年で9割が職場を去る心折れる若手職員」、もったいない限りだ。
・『一時保護所は定員の「140~150%」人手不足で管理的に 映画制作に協力した児相職員、川上仁さん(仮名)にも話を聞いた。川上さんは首都圏の児相で管理職をしているが、施設の大半は、高い離職率に加えて虐待相談の急増で慢性的な人手不足に陥り、家庭を継続的にフォローする余力に乏しいという。 「緊急性の高い初動対応が一段落し、人間関係を築いた後は、家庭からの連絡待ちにならざるをえません。どうしても、つぎつぎ出てくる新規案件にエネルギーを注ぐ必要があるからです」 人手不足は一時保護所の運営にも、影響を及ぼしていると指摘する。 「首都圏の保護所は、つねに入所率140~150%と定員オーバー。少数の職員で施設を切り回すため、事故を防ぐための『管理』が重視され、1人ひとりの子どもに向き合う余裕を持てないという構造的問題があります」と、川上さん。 一部施設にはかつて、管理を優先するあまり「入所者は目を合わせてはいけない」「違反者は保護所の庭を数十周罰走」といった理不尽な規則もあったほどだ。さすがに現在は多くが撤廃されているという。 政府は2019年、児童福祉司の2000人増員をはじめとする児相の体制強化を打ち出した。しかし、せっかく採用した職員も、離職してしまっては元の木阿弥だ。川上さんは職員の待遇改善とともに、若手の孤立解消の取り組みなども必要だと訴える。 「多くの若手職員が、仲間と悩みを共有したい、ほかの児相の仕事ぶりを知りたい、と願っています。職場側が広域での合同研修などを通じて、ネットワークづくりをサポートする必要もあると思います」』、「「首都圏の保護所は、つねに入所率140~150%と定員オーバー。少数の職員で施設を切り回すため、事故を防ぐための『管理』が重視され、1人ひとりの子どもに向き合う余裕を持てないという構造的問題があります」、「多くの若手職員が、仲間と悩みを共有したい、ほかの児相の仕事ぶりを知りたい、と願っています。職場側が広域での合同研修などを通じて、ネットワークづくりをサポートする必要もあると思います」、なるほど。
・『「キーバーソン」を見誤ると、虐待は深刻化 目黒区の船戸結愛さん事件(2018年)、千葉県野田市の栗原心愛さん事件(2019年)など、悲惨な虐待死事件が起きるたびに、再発防止の重要性が叫ばれてきた。しかし今年6月にも、大阪府富田林市で2歳女児が家に放置されて死亡し、祖母らが保護責任者遺棄の疑いで逮捕された。岐阜県、広島県、神奈川県など多くの都道府県で、2021年度の虐待相談対応件数も過去最多を更新している。 なぜいたましい事件はなくならないのか。川上さんは児相側が「家庭を支配するキーパーソン」を見誤ったとき、事態が深刻化するリスクが高まると指摘する。 結愛ちゃん事件で児相が主にアクセスしていたのは、虐待を加えていた義父ではなく母親だった。 「父親は日中働いていることが多く、物理的に会いづらいという事情もあります。妻が夫に支配されている場合、児相職員が母親を通じて家庭を改善しようとすると、母親をさらに孤立させ、追い込んでしまう恐れもあります」 また心愛さん事件では、児相側は一時保護した心愛さんを祖父母宅に帰したが、加害者である父親が勝手に自宅へ連れ帰った。児相は女性比率が高いこともあり、特にキーパーソンが攻撃的な父親の場合、職員はひるんでしまいがちだという。 こんなときは経験豊富な児童福祉司(スーパーバイザー)がキーパーソンを見極め、接触するよう担当職員を指導する必要もあると、川上さんは語る。 「私たち職員は、面談の間父親に怒鳴られるだけですが、怒りが子どもに向けられたら、身体や命が危険にさらされかねません。キーパーソンに接触し『つねに見守っていますよ』という姿勢を示すことで、加害の抑止効果も期待できます」) ただ加害親は決して、理解不能な「モンスター」ではないとも、川上さんは強調する。多くは社会へのゆがんだ認識や、過去に受けた暴力のトラウマ、貧困などによって「人生がうまくいかない」という生きづらさを抱えているのに、他人を頼れない人たちなのだ。 「SOSを出せない親御さんに『お困りですよね』と声をかけ、抱える問題の解消を手助けするのが、私たち児相職員の仕事です」と、川上さんは話す。 映画にも飲酒の問題を抱える母、シノブが登場する。カスミらが家を訪れると、シノブはごみの散乱する部屋で酒を飲み、カスミたちにも反抗的な態度を示す。 外から見れば、シノブは子どもがいるのに掃除1つできず、酒も断てない「鬼母」かもしれない。しかし監督の小澤さんは「母親を悪者扱いするつもりは最初からなく、困りごとを抱えた人として描こうと考えていた」と言う』、「経験豊富な児童福祉司(スーパーバイザー)がキーパーソンを見極め、接触するよう担当職員を指導する必要もある」、「「SOSを出せない親御さんに『お困りですよね』と声をかけ、抱える問題の解消を手助けするのが、私たち児相職員の仕事です」、人生経験が浅い「職員」がやるのは難しそうだ。
・『加害の母親も苦しんでいる 小澤さんは過去にも児童虐待や性暴力などを、作品のテーマに取り上げてきた。数年前からは、川上さんらが開く勉強会などにも参加し、虐待についての学びも深めた。その中で「加害の母親も苦しんでいる。児相の介入で苦しみが和らげば、子どもとの関係も明るい方へ進み始めるはずだ」と考えるようになったからだ。 また小澤さんは「本来は父親たる男性の責任にも、目を向けるべきだ」とも訴えた。 「子どもに手を上げる母親の陰には、孤立した育児を押し付ける父親の存在があるかもしれない。もし子どもが死んだら、彼らは被害者として振る舞う可能性すらあります。映画を見た人には、表面的な『虐待事件』報道の裏に何があるのかも、考えてみてほしい」 「ほどけそうな、息」は、9月3日から都内の映画館「ポレポレ東中野」を皮切りに、随時上映される予定だ』、「子どもに手を上げる母親の陰には、孤立した育児を押し付ける父親の存在があるかもしれない。もし子どもが死んだら、彼らは被害者として振る舞う可能性すらあります。映画を見た人には、表面的な『虐待事件』報道の裏に何があるのかも、考えてみてほしい」、その通りだ。
次に、9月8日付け文春オンライン「《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/57227
・『「園長になると聞いた時は、『あいつが園長? 大丈夫なのか?』と思いました。昔からの知人はみんな心配していましたね。あいつの父親は、幼稚園の他にもお茶の工場を経営する金持ちで、いわば立義(増田立義園長)はボンボン。子供の頃からズボラな性格だったので、水戸黄門の『うっかり八兵衛』ならぬ『ええからげん(=いい加減)八兵衛』と呼ばれていました。そんな性格が災いしたのか、まさかこんな事故が起こるとは……」(増田園長の知人)』、「『ええからげん八兵衛』と呼ばれていました、「子供の頃からズボラな性格」が高齢者になっても現われたとは・・・。
・『炎天下のバス車中に取り残されて… 9月5日午後2時10分ごろ、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の通園バス内で、河本千奈ちゃん(3)が意識を失っているのを幼稚園の職員が発見した。千奈ちゃんは病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。 死因は熱中症とみられている。バスの運転手だった増田園長(73)らが園児を降車させる際、千奈ちゃんを車中に残したままであることに気づかず、3歳の女の子を5時間以上も通園バスの中に閉じ込めてしまったのだ。全国紙社会部記者が解説する。 「バスは増田園長が運転し、70代の女性職員も乗車していました。千奈ちゃんを含む6人の園児を乗せ、園には5日午前8時50分ごろ到着したようです。この日の牧之原市の最高気温は30.5度で、まさに蒸し風呂状態。午後2時10分ごろ、園児を帰宅させるため職員がバスに乗って発見した時には、千奈ちゃんは既に意識も呼吸もなく、体温も非常に高い状態でした。車内には千奈ちゃんが飲み干したとみられる空の水筒も見つかったようです」』、「6人の園児」、「増田園長が運転し、70代の女性職員も乗車」、それでもケアレスミスが起きたようだ。
・『悲劇が起こった川崎幼稚園の地元での評判は… 昨年の夏、福岡県の保育園で送迎バスに取り残された5歳の園児が命を落としてしまった事故が思い起こされる。この時は、保育園側が降車時の確認を怠っていたことが原因だったことが分かっているが、今回も同様の「過失」があったと疑われている。 「出欠管理は保護者が登園時にQRコードを端末にかざして確認するシステムでしたが、バスで通う園児は保護者がいないため職員がまとめて出席扱いにするのが慣例でした。バスに乗っていた園長と女性職員は「バスを降りる園児の数は、相手が確認すると思っていた」と言い訳しているようです。降車時の点検も出欠確認も杜撰だった可能性があり、静岡県警は業務上過失致死容疑も視野に捜査を進めています」(同前) 悲劇が起こった川崎幼稚園は1962年に認可を受けた歴史ある幼稚園だ。1976年に園長になった父の後を継ぎ、2002年に増田園長が園長に就任している。園は幼い子供で賑わい、近隣住民たちにとっては癒しの光景だったようだ。園の評判は決して悪くない』、「園の評判は決して悪くない」ようだ。
・『近所の評判は悪くなかった 「可愛い子供がキャーキャーいいながら遊ぶ姿を毎日見かけました。一人ひとりの面倒を丁寧に見ている印象で、保育士さんも優しく子供に声をかけていましたよ。町内の行事で園長を見かけた時には、『子供は宝です。大切に育てたい』と熱弁をふるっていたのを覚えています」 住民たちは駐車場の草むしりをしたり、気さくに挨拶する園長の姿をしばしば目にしている。園長の人柄もあってか、川崎幼稚園に信頼を寄せる家庭も多かったようだ。 (園児の一日のスケジュール(川崎幼稚園HPより)はリンク先参照) 「家が近い子供は、両親や祖父母が手を引いて幼稚園に連れていきますが、最近は遠くから通う子供が増え、バスで送り迎えする家庭が増えました。千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」(近隣住民) だが一方で、増田園長を古くから知る友人は、以前から園の運営について心配していたという。増田園長の幼少期からの知人が話す』、「千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」、全く不運という他ない。
・『園長の口癖は「俺は知らない」 そんなことは言ってない」 「事故を聞いたとき、率直なところ『やってしまったな』と思いました。立義(増田園長)の父親は海軍兵学校の出身で、予科練の帽子を被り、竹刀を片手に『親を大事にしろ』『いじめはダメだ』と子供たちを厳しく指導していました。一方の立義はボンボン気質。性格は親父とは正反対で、芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』。いい加減な性格だから、子供の頃は『ええからげん八兵衛』と呼ばれていました」 2002年に川崎幼稚園の園長に就任した増田園長は、近隣の幼稚園を買収するなど経営拡大に熱を上げていた。だが手を広げすぎるあまり、肝心の子供の扱いや園の管理がなおざりになるのではないかという懸念の声は少なくなかった。 「増田さんは近隣の幼稚園をどんどん自分の傘下に収め、ついには隣町の幼稚園にまで手を出そうとしました。『そこまでやらなくていいんじゃないか』と隣町の議員が怒ったこともありましたよ。市議会や役場の職員のなかでも、『あんなに拡大して大丈夫か』『職員が足りなくなるに決まっている』と不安視する声はたくさんありました。ただ、地元の議員にうまく根回しをしたからか、結局は認められることになりましたが……」(地元関係者)』、「ボンボン気質・・・芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』、「いい加減な性格」、経営面では「近隣の幼稚園を買収するなど経営拡大に熱を上げていた。だが手を広げすぎるあまり、肝心の子供の扱いや園の管理がなおざりになるのではないかという懸念の声は少なくなかった」。
・『バスを塗りつぶす“ペインティング” 増田園長は2012年に園児を集めて静岡県警牧之原署と共同で交通安全パレードを実施しているほか、2014年には交通安全活動に尽力したとして、榛原地区安全運転管理協会から表彰状を受け取ったりするなど、“地元の名士”として知られていた。前述の知人が続ける。 「交通安全パレードも含めて、立義はパフォーマンスをするのが得意でした。今回、千奈ちゃんが死亡したバスにある窓ごと車体を塗装する“ペインティング”も、周辺地域で始めたのは、川崎幼稚園が最初だったと思います。車内が見えなくなってしまって、見送るお母さんが可哀そうだなと思っていました。あくまで可能性ではありますが、このペインティングがなければ、助けを呼ぶ千奈ちゃんに気付いた人もいて、こんな悲劇は生まれなかったのかもしれません」 炎天下のバスに取り残され、失われてしまった3歳女児の命。管理体制に不備はなかったのか。“うっかり”で済む事故ではない』、「バスにある窓ごと車体を塗装する“ペインティング”」、安全性を度外視して、目立つことだけを狙ったもので、「パフォーマンスをするのが得意」な性格が表れたものdろう。
第三に、9月9日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・人間関係コンサルタント・テレビ解説者の木村 隆志氏による「「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/617331
・『静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通う3歳の女児が通園バスの車内に取り残され、熱中症で亡くなった事件から4日、園による記者会見から2日が過ぎた今なお、さまざまな報道が飛び交う状態が続いています。 この間、テレビやネット上では多くのメディアが事件をトップニュースで扱っていました。各メディアで共通していたのは、「なぜ最悪の事態を防げなかったのか」「どこに園側のミスがあったのか」を手厚く報じていること。 主に、バス車内の確認、朝の会・部屋移動・給食時の人数確認、登園情報の確認、保護者への確認など、チェックできるタイミングが多かったにもかかわらず、それらがすべてスルーされていた。送迎だけでなく、運転自体をあまりしていない人に任せた。バスの側面がイラストで覆われているため外から車内が見えづらかった。 大半のメディアがこれらのミスを挙げ、さらに、会見での受け答えを映すことで園を断罪し、見る人々の怒りを増幅させるような報道に終始しています。ネットニュースにも、情報番組のMCが涙を流し、コメンテーターが声を荒らげた様子を報じる記事があふれていますが、このような見る人々の怒りを増幅させる“断罪劇場型”の報道に違和感を覚えざるをえません。 今回の事件は、当日のドライバーを務めた高齢の園長だけでなく、副園長、担任、副担任など園の関係者に問題があったことは誰が見ても明らか。特に記者会見で他人事のように書面を読むだけで感情が乏しく、被害園児の名前を間違えてしまう高齢の園長を断罪し、怒りをぶつけ続けることに危うさを感じてしまうのです』、私も「“断罪劇場型”の報道」には強い「違和感」を覚え、辟易した。
・『「再発防止」の割合が極端に少ない それよりも真っ先に問題視すべきは、なぜ1年前に起きた事件の教訓が生かされなかったのか。 昨年7月、「福岡県中間市の保育園で5歳の園児が通園バスに取り残されて熱中症で亡くなった」という痛ましいニュースが報じられました。当時もメディアは今回と同じように断罪と怒りを増幅させるような報じ方で、「こんなことは二度とあってはならない」という論調を繰り返していましたが、わずか1年あまりで再発してしまったのです。) 問題はメディアが、誰かを叩くことが目的のような“断罪劇場型”の報じ方をすると、それを見る人々や保育関係者ですら感情的に怒るだけで思考停止してしまうこと。「欧米では置き去り防止のセンサーがある」などの同じ事件を起こさないための対策を報じる割合が極めて少なく、けっきょくそれぞれの現場任せに終わるため、今回のようなヒューマンエラーが事件につながってしまうのです。 メディアに求められているのは明らかにミスが多かった今回の園だけでなく、他のケースも挙げながら、注意喚起していくこと。たとえば、置き去りが起きてしまう主な理由は「意識の低下」「人手不足」「ルールやシステムの不備」の3点と言われていますが、そのひと言だけで片付けられるものではありません。 今回、事件を起こした園では、「園児1人ひとりが登園確認をするシステムがありながら、けっきょく職員がまとめて入力処理していた」ことが報じられました。また、他園でも「人数確認の回数やダブルチェックを増やした結果、『他の人も確認しただろう』という意識が生まれ、個々の確認が雑になってしまった」などのケースも多いと聞きます。 人手不足が意識の低下につながっていないか。「忙しい」「余裕がない」ことを理由にルールやシステムが有名無実化していないか。「慣れる」が「なめる」につながっていないか。 保育の分野に限らず、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、ヒューマンとテクノロジーをどう組み合わせて事件や事故を防いでいくのか。真剣に考えるきっかけをメディアが提起してほしいのです』、「保育の分野に限らず、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、ヒューマンとテクノロジーをどう組み合わせて事件や事故を防いでいくのか。真剣に考えるきっかけをメディアが提起してほしい」、同感である。
・『全国の幼稚園・保育園が動揺している もう1つ、「メディアの報道で決定的に欠けている」と感じたのは、日本全国の幼稚園・保育園の現状とフォロー。今回の事件で日本全国の幼稚園・保育園が動揺していることは想像に難くありません。 実際、私の自宅近くにある保育園は、すぐに人数確認の回数を増やし、それを保護者に周知したそうですし、別の幼稚園は送迎バスのチェックを2人がかりで複数回行い、念のため施錠もやめるか検討中と聞きました。 また、事件の余波は、送迎バスの置き去りに関することだけではありません。園児が園内のどこかで身動きが取れなくなったり、園外に出てしまったりなどのケースに対応できるよう、繰り返しの人数確認はもちろん、トラブル時のシミュレーションをあらためて行っているようなのです。 それでも保護者から「こちらの幼稚園は大丈夫なのか」「人数確認はどれだけどういう形で行っているのか」などの問い合わせがあるなど、関係者の精神的・肉体的負担は増す一方。これまで丁寧に取り組んできた園ほど「やっていたのに」とやり切れない気持ちになるほか、負担が増えたことでかえってミスにつながることもありうるでしょう。 ただ、今回の事件は自分事として注意すべきである一方で、レアケースであることもまた事実。大半の園が丁寧に行っていることだけに、過剰な心配やプレッシャーは園と保護者の間に疑心暗鬼や不信感を生むなど関係性を揺るがせるだけでしょう。 メディアはいたずらに危機感ををあおるのではなく、これらのような現状やフォローも報じるべきではないでしょうか』、「メディアはいたずらに危機感ををあおるのではなく、これらのような現状やフォローも報じるべきではないでしょうか」、その通りだ。
・『文科省や厚労省のサポートが不可欠 いずれにしても、各園の個別対策だけでは限界があり、外部からのサポートが必要なのは間違いありません。 幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省、認定こども園は内閣府の管轄であり、安全管理に関しても福岡で事件が起きた1年前に通知をしていましたが、今回の事件を見る限り、それが出しっ放しの状態になり、浸透していなかったことになります。今後は継続的な通知に加えて、一斉調査や抜き打ちチェックなどの対策が行われるのではないでしょうか。 さらに、「事件の背景に、人手や教育の不足、精神・肉体の疲弊、関係者の高齢化、金銭的な経営難はなかったか」などの分析。また、同じ事件を起こさないための具体的な対策を示すほか、テクノロジーなどのサポートをこれまで以上に行っていく姿勢が求められますし、メディアはそれを注視してほしいところです。 今回、事件を起こした園の存続は、静岡県による特別監査の後に判断されるようですから、これ以上、外部の人々が怒りの声をぶつける必要性はないでしょう。前述したように、部外者の怒りは再発防止につながらず、被害園児を悼むことにもなりません。 また、この園だけでなく、あなたの街にある幼稚園や保育園も苦しい状況に陥っていないか。彼らの最大の使命は「子どもたちの命と心を守ること」であり、それに日々奮闘する姿に優しい目を向け、サポートできる社会でありたいところです』、「事件の背景に、人手や教育の不足、精神・肉体の疲弊、関係者の高齢化、金銭的な経営難はなかったか」などの分析。また、同じ事件を起こさないための具体的な対策を示すほか、テクノロジーなどのサポートをこれまで以上に行っていく姿勢が求められますし、メディアはそれを注視してほしいところです」、「あなたの街にある幼稚園や保育園も苦しい状況に陥っていないか。彼らの最大の使命は「子どもたちの命と心を守ること」であり、それに日々奮闘する姿に優しい目を向け、サポートできる社会でありたいところです」、同感である。
タグ:「事件の背景に、人手や教育の不足、精神・肉体の疲弊、関係者の高齢化、金銭的な経営難はなかったか」などの分析。また、同じ事件を起こさないための具体的な対策を示すほか、テクノロジーなどのサポートをこれまで以上に行っていく姿勢が求められますし、メディアはそれを注視してほしいところです」、「あなたの街にある幼稚園や保育園も苦しい状況に陥っていないか。彼らの最大の使命は「子どもたちの命と心を守ること」であり、それに日々奮闘する姿に優しい目を向け、サポートできる社会でありたいところです」、同感である。 「メディアはいたずらに危機感ををあおるのではなく、これらのような現状やフォローも報じるべきではないでしょうか」、その通りだ。 「保育の分野に限らず、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、ヒューマンとテクノロジーをどう組み合わせて事件や事故を防いでいくのか。真剣に考えるきっかけをメディアが提起してほしい」、同感である。 私も「“断罪劇場型”の報道」には強い「違和感」を覚え、辟易した。 木村 隆志氏による「「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か」 「バスにある窓ごと車体を塗装する“ペインティング”」、安全性を度外視して、目立つことだけを狙ったもので、「パフォーマンスをするのが得意」な性格が表れたものdろう。 「ボンボン気質・・・芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』、「いい加減な性格」、経営面では「近隣の幼稚園を買収するなど経営拡大に熱を上げていた。だが手を広げすぎるあまり、肝心の子供の扱いや園の管理がなおざりになるのではないかという懸念の声は少なくなかった」 「千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」、全く不運という他ない。 「園の評判は決して悪くない」ようだ。 「6人の園児」、「増田園長が運転し、70代の女性職員も乗車」、それでもケアレスミスが起きたようだ。 「『ええからげん八兵衛』と呼ばれていました、「子供の頃からズボラな性格」が高齢者になっても現われたとは・・・。 文春オンライン「《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】」 「子どもに手を上げる母親の陰には、孤立した育児を押し付ける父親の存在があるかもしれない。もし子どもが死んだら、彼らは被害者として振る舞う可能性すらあります。映画を見た人には、表面的な『虐待事件』報道の裏に何があるのかも、考えてみてほしい」、その通りだ。 「経験豊富な児童福祉司(スーパーバイザー)がキーパーソンを見極め、接触するよう担当職員を指導する必要もある」、「「SOSを出せない親御さんに『お困りですよね』と声をかけ、抱える問題の解消を手助けするのが、私たち児相職員の仕事です」、人生経験が浅い「職員」がやるのは難しそうだ。 「「首都圏の保護所は、つねに入所率140~150%と定員オーバー。少数の職員で施設を切り回すため、事故を防ぐための『管理』が重視され、1人ひとりの子どもに向き合う余裕を持てないという構造的問題があります」、「多くの若手職員が、仲間と悩みを共有したい、ほかの児相の仕事ぶりを知りたい、と願っています。職場側が広域での合同研修などを通じて、ネットワークづくりをサポートする必要もあると思います」、なるほど。 「多くの若者は「子どもを救いたい」と考えて入職するが、子どものケアは仕事のごく一部なのだ。 「自分は何のために働いているのか」と悩んでも、守秘義務や「内情を知らない人にはわかってもらえないだろう」という諦めから、友達や家族に相談もできない。孤立した末に、彼らは心折れ、職場を去る」、せっかくの熱意が満たされずに「職後3年で9割が職場を去る心折れる若手職員」、もったいない限りだ。 有馬 知子氏による「児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル」 (その9)(児童相談所職員と虐待親の世に知られていない姿 短編映画「ほどけそうな、息」が伝えるリアル、《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】、「3歳園児バス置き去り」過熱報道に欠けた視点 同じ事件を二度と起こさないために何が必要か) 東洋経済オンライン 幼児虐待 「実際に「何をしていた」かは、守秘義務の壁もあり、外からは見えづらい」、「児相のリアル」を、「短編映画」で「伝えようとした」とはいい試みだ。