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医療問題(その38)(「病棟内で殺人事件が発生したこともあります」「看護師はなぐられて当たり前」心神喪失で無罪になった元犯罪者の”惨い治療現場”《医療観察法再考》、「脳ドック」をITで価格破壊 楽天役員OBの目算 「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える、「胸を切らない心臓手術」を実践する世界一の心臓外科医が考えていること 天才医師・渡邊剛(前篇)、大学病院を去った「日本のブラックジャック」に手術を受けた患者の証言 天才医師・渡邊剛(後篇)) [生活]

医療問題については、8月23日に取上げた。今日は、(その38)(「病棟内で殺人事件が発生したこともあります」「看護師はなぐられて当たり前」心神喪失で無罪になった元犯罪者の”惨い治療現場”《医療観察法再考》、「脳ドック」をITで価格破壊 楽天役員OBの目算 「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える、「胸を切らない心臓手術」を実践する世界一の心臓外科医が考えていること 天才医師・渡邊剛(前篇)、大学病院を去った「日本のブラックジャック」に手術を受けた患者の証言 天才医師・渡邊剛(後篇))である。

先ずは、8月27日付け文春オンライン「「病棟内で殺人事件が発生したこともあります」「看護師はなぐられて当たり前」心神喪失で無罪になった元犯罪者の”惨い治療現場”《医療観察法再考》」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/55354
・『「うちに入院している対象者は、親や近隣住民を殺した殺人犯や、自宅に放火した人ばかりです。マスコミに報道されたような有名な事件の犯人もいますよ。彼らによるテレビなどの器物の破壊、コーヒーやつばをかけてくることなどは日常茶飯事。私たちの身体にも殴る蹴るなど、直接危害をくわえてくる人もいます」 そう語るのは、精神疾患などを中心に治療を行う大規模医療センター「X」の関係者Aさんだ。同医療センターはアルコールやゲームの依存症治療でも全国的に有名だが、厚生労働省によると、同医療センターの医療観察法(注)の対象者の病床は全国的に見ても多い』、確かにこの対象者は、既に「重大な他害行為」を行ったということであれば、「親や近隣住民を殺した殺人犯や、自宅に放火した人ばかり」、というのは当然だ。
(注)医療観察法:心神喪失者等医療観察法、心神喪失又は心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかないなど、刑事責任を問えない状態)で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、 強制性交等、強制わいせつ、傷害)を行った人に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした制度。
・『年間300人超が「心神喪失」で不起訴や無罪に  対象者とは、医療観察法により「心神喪失」や「心神耗弱」が理由で不起訴や無罪が確定した元刑事被告人のことだ。「心神喪失」とは、統合失調症など精神障害の影響で善悪を全く判断できないか、判断したとおりに行動することが全くできない状態を指す言葉で、同様の原因で判断力などが著しく低い状態を「心神耗弱」という。 過去の重大事件を振り返ると、2015年9月に埼玉県熊谷市の民家に相次いで侵入し小学生2人を含む6人を殺害した男は、1審の裁判員裁判では死刑判決だったが、2審では「心神耗弱」と認められて無期懲役となり、最高裁で同罪が確定した。 今年に入っても同様の判決が下っている。2020年1月に神奈川県大和市で生後1カ月の長男に暴行を加えて死亡させて傷害致死罪に問われた母親(39)が、2022年2月24日に沖縄県宮古島市の自宅で5歳と3歳の息子を殺害し殺人罪に問われた母親(40)が、心身耗弱から無罪となった。 令和3年版犯罪白書によると、令和2年に裁判で心神喪失と認定されて無罪になったケースは5件だが、裁判前の鑑定留置で心神喪失などと認定され、不起訴となったケースなどを含めると、年間で300人を超えている。 大手紙司法記者が解説する』、「裁判前の鑑定留置で心神喪失などと認定され、不起訴となったケースなどを含めると、年間で300人を超えている」、かなりの人数だ。
・『大きな改正もなく続く「医療観察法」  「医療観察法が施行されたのは2005年。8人の児童らが犠牲になった大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件の宅間守元死刑囚(2004年執行)がきっかけでした。彼は事件前にも10回以上も傷害事件などで逮捕されながら精神状態を理由にすべて不起訴になり、一般社会に野放しにされていたんです。彼を施設に入れるか、しっかりと治療できていればあんな大惨事は起こらなかったと急ピッチで法整備が進められたわけです。 対象者の人権や治安の維持などさまざまな問題が当初から指摘されていた医療観察法ですが、蓋を開けてみれば施行から15年以上、大きな改正もなく続いています」 重大な罪を犯しながら、罪に問われなかった元被告人たち。現在、彼らの治療はどのように進められているのか――。そうした取材の過程で話を聞けたのが、前出の医療センター「X」に勤めるAさんだ。 5月25日、同センターに管轄する厚労省が監査に入っている。Aさんは監査の理由について、「長期の隔離を問題視してのことだったのではないか」と推察する』、「施行から15年以上、大きな改正もなく続いています」、なるほど。
・『わいせつ事件の対象者が女性の胸を触って…  「対象者が入院する『司法病棟』は全室個室で、食堂やホール、体育館などがあります。依存症の座学や自己管理などの治療プログラムに参加して社会復帰を目指します。ある程度、回復していくと、対象者は近隣の商業施設に外出することもある。治療が進むと外泊も認められます。 ただ、強制わいせつ事件を起こした対象者が女性スタッフの胸を触ったり、放火事件の対象者がスタッフを殴ったり……。正直治療できているのかなと疑問を抱くこともあります。数年前ですが、外泊中の対象者が自殺してしまったこともありました」 Aさんによると、強制わいせつの罪を犯した統合失調症の20代の男性対象者Yさんは2年近く保護室で隔離されていたという。 「保護室に隔離しても、問題行動は止まっていません。昨年8月に全裸で放尿し、『水練』と称して床で滑っていました。同年10月には女性看護師が突然、胸を揉まれ、12月6日には看護師にパンチ5回、キックを3回。今年1月25日にも、看護師がいきなり首をしめられ、胸に蹴りをいれられました。その後はトイレにたてこもろうとしました」』、「看護師」などは特別手当が出ないと、人は集まらないだろう。
・『病棟内で発生した「殺人事件」  こうしたトラブルは日常茶飯事だが、対応する看護師らは「普通の人」。屈強な肉体をもっているわけでも、護身術を身につけているわけでもない。 「自宅に放火した40代の男性対象者は、幻聴がすごいため問題行動も深刻なんです。昨年12月、他の対象者に殴りかかったり、スタッフ3人に対して大暴れし、看護師はめがねを壊されたり、殴られて鼻血を出したりしました。今年に入って、自宅に放火した20代の女性対象者が強化ガラスを割ろうと椅子を投げたこともありました。10年以上前ですが、病棟内で殺人事件が発生したこともありますよ」 当時の報道などによると、2011年11月3日、千葉県内で殺人事件を起こし入院していた当時31歳の男性対象者が、入院していた56歳の男性の首を両手で絞めて殺害している。 しかしAさんは「対象者が悪いと言いたいわけではないんです」と続ける』、これでは、前述の特別手当はよほど思い切って出す必要がありそうだ。
・『「看護師はなぐられて当たり前」医療観察法の限界  「この制度では、実際に行われた治療内容に関係なく、厚労省が定めた基準に従って、1日の入院費が国から病院に対して支払われます。ですから、どんな治療を施しても、病院が得られる金額は変わらない。 暴力衝動を抑える薬などもありますが、『看護師はなぐられて当たり前』だから対象者に処方していないのではないか……。薬を処方してもしなくても国から支払われる金額が一緒なら、薬を処方しない方が儲かりますからね。ここまで改善が見られないと、必要な治療がなされていないのではないか、と疑ってしまいます」 同センターにもトラブルについての事実確認と見解などをたずねたところ、以下のような回答があった。 《当院としては個別の事案についての回答は控えますが、当院に来る対象者の性質上、職員への暴行は時には起こりえます。少なからずそのようなリスクがある中で、スタッフは日々、治療にあたっています。 必要な治療を行っていないという事実はなく、定められたルールの中で、患者さんの回復に必要な治療を行っています。 厚労省の監査については毎年の年次監査があっただけだと承知しており、内容は控えますが、医療観察法病棟として一般的に留意すべきものだったと理解しています。 当院には統合失調症の患者が多くクロザピンという治療薬をはじめ各対象者の疾患に適した新たな治療も取り入れながら、今後も患者の回復、社会復帰に向けて医学的な判断に基づく適切な治療を実施していく方針です》 Aさんは「現場スタッフのためにも、そして対象者自身のためにも、なんとかしてこの環境を変えたい」と悲痛な面持ちで語っていた。 精神医療の現場は過酷だ。その最たる例である医療観察法の対象者の治療について、議論すべき時が来ているのかもしれない。医療観察法が施行されてから17年、精神科の通院者は増え、医療観察法病棟が初めて北海道に設置されるなど拡充が続いている』、「薬を処方してもしなくても国から支払われる金額が一緒なら、薬を処方しない方が儲かりますからね。ここまで改善が見られないと、必要な治療がなされていないのではないか、と疑ってしまいます」、「必要な治療を行っていないという事実はなく、定められたルールの中で、患者さんの回復に必要な治療を行っています」、「精神科の通院者は増え、医療観察法病棟が初めて北海道に設置されるなど拡充が続いている」、「医療観察法」対象者の再犯率は、一般の再犯率より低いようだ。
http://www.kansatuhou.net/60_johonyushu/01_nyumon/02_Q&A6_10.html

次に、9月10日付け東洋経済オンライン「「脳ドック」をITで価格破壊、楽天役員OBの目算 「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/617213
・『「すごいベンチャー100」2022年最新版から7社をピックアップ。「医療」領域からは、脳ドックの価格破壊に挑む「スマートスキャン」を拡大記事で紹介する。 スマートフォンからネット予約し、受付から帰路につくまで30分。価格は相場の半値以下という1万7500円。検査結果は数日後にウェブで確認できる。脳の健康状態を検査する「スマート脳ドック」を展開するスマートスキャンが今、波に乗っている。 きっかけはバスの事故だった。2012年、楽天トラベルが送客していたバスサービスが関越道で事故を起こし、乗客7人が死亡する大惨事となった。バスの運転手には脳の異常が見られていたという。 当時楽天の執行役員だったスマートスキャン創業者の濱野斗百礼(ともあき)代表は、バスやトラックの運転手は首から下の健康診断しか受けていないことを医師から聞かされる。脳の状態を診る「脳ドック」は4万~5万円と高額で、会社も運転手も負担できない状態だった。 脳血管疾患は日本人の死因の上位に位置する。濱野氏は「必要なのに受けづらい。そこに商機があると思った」と話す』、「スマートスキャン」では「価格は相場の半値以下という1万7500円。検査結果は数日後にウェブで確認できる」、便利な新サービスだ。
・『試験導入の20枠に500人が殺到  脳ドックの価格が高かった原因は、MRIの初期投資や固定費の高さにあった。そこで減価償却が終わったMRIを保有する医療機関の協力を得て、楽天の会員向けに1万円の脳ドックを試験的に案内すると、20の枠に500人ほどの応募があったという。 ただMRIを空き時間に安く提供してくれる医療機関を探しても、取り合ってくれる医師は少なかった。脳ドックは自由診療だ。あえて安く提供するメリットが医師側にはない。「脳ドックをやるといっても、放射線技師やMRI画像の読影(所見の診断)をする医師も必要。当時は何もわかっていなかった。IT業界が入り込む余地がないと感じた」と濱野氏は振り返る。 それでも需要はあるし、ビジネスチャンスも大きい。楽天では「LTV(ライフタイムバリュー)」という言葉がよく使われる。中長期で顧客がどれくらいお金を落としてくれるかという指標だ。 「検査であれば、40歳で初めて受けてもらい、ウェブサイトのマイページでデータを蓄積・管理できれば、長く付き合ってもらえ、別の検査で売り上げも伸ばせる。起業するのであれば、この分野でやりたい」。濱野氏はそう強く思った。) 脳ドックを試験提供してから4年が経った2016年、濱野氏は本腰を入れて起業に動き出した。 「MRIを提供してくれる医療機関がなければ、自分でやろう」。楽天の仕事でかかわりのあった東芝から、MRIの開発・製造を手がける東芝メディカルシステムズ(現・キヤノンメディカルシステムズ)の瀧口登志夫社長を紹介され、交渉の末、MRIを安く販売してもらえることになった。 さらに脳画像を読影してくれる医師も必要だった。知人のつてで、クラウド上で医師が遠隔で読影するサービスを提供するベンチャーのエムネスとの連携につながった。そこまで準備をしたうえで、2017年2月に起業。翌3月末に楽天を退職した』、「楽天を退職」する前の「準備」は周到なようだ。
・『MRIの「稼働率」を極限まで高める  脳ドックを安く提供するには、MRIの稼働率を極限まで高める必要がある。1台のMRIで1時間に4人を検査するという高回転のオペレーションを目指した。まず自社で脳ドック専門のクリニックをプロデュースし、2018年1月に第1号となる「メディカルチェックスタジオ銀座」を開業した。 ウェブの検索広告に出稿したり、SEO(検索エンジン最適化)で「脳ドック」や脳疾患に関する検索でサイトの順位を押し上げたりして、集客を強化。スムーズなネット予約で枠を埋め、MRIの高稼働を実現した。その後、新宿や大阪梅田にも進出した。 当初は神奈川や千葉、埼玉などにも、自前のクリニックを広げる計画だった。だがコロナ禍で集客が難しくなり、MRIへの投資回収でスピードが出せないと判断。そこで、以前は一度諦めた医療機関との連携、”MRIシェアリング”のモデルに舵を切った。 「クリニック側にも簡単に予約を受けてもらえるよう、ウェブの管理画面を徹底的にわかりやすくした。もともとIT屋なのでマーケティングもシステムの作り込みも得意。医療のDXを進めている」(濱野氏)) 集客や予約管理はスマートスキャンが行うため、医療機関側は放射線技師さえいれば、MRIの空き時間に客を受け入れて検査をするだけ。読影もエムネスや自社が抱える医師がクラウド上で行ため、検査だけで手数料が入る。そうしたメリットを提示しながら交渉を進め、直近の提携機関数は全国で130に達した。 2022年4月には出光興産やキヤノンメディカルシステムズ、クレディセゾンなどの事業会社やベンチャーキャピタルから、総額約13億円となるシリーズBの資金調達を完了。この春から夏にかけてはテレビCMを大々的に展開するなど、大胆な投資を進める。 出光興産とは協業も始まっており、MRIを積んだ車両をガソリンスタンドに設置し、地域住民やトラック運転手などに脳ドックを提供する施策を展開する。「クリニックだけでなく、皆がどこでも検査を受けられる環境を作りたい」(濱野氏)』、「集客や予約管理はスマートスキャンが行うため、医療機関側は放射線技師さえいれば、MRIの空き時間に客を受け入れて検査をするだけ。読影もエムネスや自社が抱える医師がクラウド上で行ため、検査だけで手数料が入る。そうしたメリットを提示しながら交渉を進め、直近の提携機関数は全国で130に達した」、「出光興産やキヤノンメディカルシステムズ、クレディセゾンなどの事業会社やベンチャーキャピタルから、総額約13億円となるシリーズBの資金調達を完了。この春から夏にかけてはテレビCMを大々的に展開するなど、大胆な投資を進める」、順調なスタートだ。
・『脳ドック費用を補助する企業が増加  近年では個人だけでなく、福利厚生として従業員の検査代の全額や一部を補助する企業が増えている。 起業のきっかけとなった運送系も変わってきた。バス会社のウィラー・エクスプレスは、脳ドック費用を全額負担。都内のタクシー会社・葵交通も費用の一部を補助するなど、運転手の健康管理に対する意識が高まっている。また、健康保険組合や生命保険との連携も視野に入れる。 さらに脳ドックで撮影された画像は初めからデジタル化されている。スマート脳ドックの登録時には将来の研究開発のためにこのデータを使うことに対し、ユーザーの同意を取得するようにしている。 「画像データが貯まっていけば、将来的にAIによる読影や診断もできるようになる」(濱野氏)。横浜市立大学などと共同でMRI画像を用いた研究を行い、学会発表も始めている。 「誰も病気にならない世界を作る」というスローガンを掲げる。「検査を受けた人は皆、それを生活改善のきっかけにしている。MRIの稼働を高めるためにはこれまで、人が”病気になる”必要があった。そうではなくて、MRIは”健康になる”ために使うべき。未病のビジネスが大きくなれば、医療費の削減にも貢献できる」と濱野氏は意気込む』、「バス会社のウィラー・エクスプレスは、脳ドック費用を全額負担。都内のタクシー会社・葵交通も費用の一部を補助するなど、運転手の健康管理に対する意識が高まっている」、確かにバスやタクシー「運転手」が突然の脳の発作を引き金に事故を起こした例もあり、予防は必須だ。

第三に、9月16日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの木野 活明氏による「「胸を切らない心臓手術」を実践する世界一の心臓外科医が考えていること 天才医師・渡邊剛(前篇)」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/99794?imp=0
・『日本で初めてダビンチ手術を実施  「世界ではいま私にしかできない心臓手術があります。どんな困難な症例や再手術も受け入れています。いま日本で受けられる最高の手術を提供し、必ず元気になって帰っていただくことが私の手術を希望する方との約束です」 病んだ心臓を抱え手術を待つ患者にとってこれほど心強い言葉はあるまい。命の危険にさらされ、断ち切られようとしている患者の人生の糸をもう一度結び直す仕事を請け負っているのが、心臓血管外科医・渡邊剛医師。ロボットを用いた心臓外科手術・ダビンチ手術の世界的権威で、「ニューハート・ワタナベ国際病院」の病院長だ。 井の頭線浜田山駅の改札を出て徒歩5分。突き当りの井之頭通りを右折して100mほど行くと、ニューハート・ワタナベ国際病院の5階建てビルが見える。 1階受付横の通路の壁には、渡邊医師が憧れ、医師を目指したきっかけとなった手塚治虫のマンガ「ブラック・ジャック」のイラストがかかる。ちなみに5階院長室の壁際の棚にも80cm大のブラック・ジャックのフィギュアが鎮座する。 厚さ10cm程の一枚板のテーブルの上にはクリスタルの盾が3帖並ぶ。ダビンチを開発した米国のIntuitive Surgical社が、世界で最もダビンチ手術を行ったドクターに贈る表彰盾だ。渡邊医師は2019年から3年連続世界一。世界で最も多くのダビンチ手術の経験を持つナンバーワンドクターなのである。 ダビンチを用いたロボット手術については後で詳しく述べるが、体に1cmほどの小さな穴を4つ開け、アームに付けた内視鏡ですべての操作を行う超精密鍵穴(キーホール)心臓手術だ。従来のように胸を大きく開けて肋骨を切る必要がないため術中の出血が少なく、術後の痛みも軽く、患者の負担を大幅に軽減する超低侵襲の手術である。 「お待たせしました」と入ってきた渡邊医師は、スマートで都会的なセンスを漂わせる。白衣を着ていなければエリートビジネスマンとして通りそうだ。柔和な語り口は、よくある医者の偉そうなところを感じさせない。暖かい笑顔に思わずほっとほっとさせられ、患者が安心する雰囲気をすぐに感じた。 (渡邊剛医師とニューハート・ワタナベ国際病院の概要はリンク先参照) 「日本で初めてダビンチを使って心臓手術を行ったのは2005年のことです。金沢大学医学部に教授として在籍していた時でした。その後昨年末(2021年12月)までに1162件のダビンチを使った心臓手術を経験してきました。 現在、週に5件、多い時には10件、コロナの影響のなかで昨年も約200件のダビンチ手術を行っています。これだけダビンチで心臓手術をしている病院は世界でもありません」(渡邊医師)』、「ダビンチを開発した米国のIntuitive Surgical社が、世界で最もダビンチ手術を行ったドクターに贈る表彰盾だ。渡邊医師は2019年から3年連続世界一。世界で最も多くのダビンチ手術の経験を持つナンバーワンドクターなのである」、「週に5件、多い時には10件、コロナの影響のなかで昨年も約200件のダビンチ手術を行っています。これだけダビンチで心臓手術をしている病院は世界でもありません」、大したものだ。 
・『心臓弁膜症との戦い  渡邊医師が手掛ける心臓手術で最も多いのは弁膜症と冠動脈バイパス、動脈瘤だが、動脈瘤ではダビンチはほとんど使わず、従来型の小切開手術となる。 ダビンチを使った手術症例は弁膜症の僧帽弁形成術が685件と最多で、さらに冠動脈バイパス191件、僧帽弁形成+三尖弁形成135件、心房中隔欠損閉鎖98件、三尖弁形成20件、腫瘍切除16件と続く。 「弁膜症は僧帽弁の閉鎖不全による逆流と大動脈弁の逆流、狭窄症がほとんどです。 僧帽弁は心臓の中にある左心房と左心室の間にある弁で、これが開閉することで肺から来た血液が心臓の僧帽弁を通って入り、心臓の収縮と供に全身に回る仕組みになっている重要な弁です。 ところが、僧帽弁を構成している弁尖や腱索、乳頭筋などが何らかの原因で弁尖が裂けたり穴を開けたり、腱索が切れたり伸びたり、乳頭筋が傷ついたりする、心臓の収縮期に弁がぴたりと閉じなくなる。こうした収縮期に左心房への血液の逆流が生じるのが僧帽弁閉鎖不全症です」 渡邊院長が続ける。 「初期症状は息切れですね。階段や坂道を上がったり走ったり、あるいは自転車をこぐと息切れがする。夜中に小水で度々起きてしまうなど心不全の兆候も出てきます。 さらに進行してくると、心房に血液が多く逆流してくる結果心房が肥大し、心不全が現れます。そこで脈が不正になる心房細動の症状が出始める。こうした場合は根治に向けた治療が必要になります。そして、超音波検査で50%以上の逆流が見られる場合は手術適応となります」 一般的な心臓心臓外科手術は人工心肺で心臓を止め胸骨を真ん中から大きく切開して手術をする胸骨正中切開手術。胸骨は切らずに胸のわきの乳房の下を6~7cm切開する小切開手術(MICS)、そして内視鏡を使った内視鏡手術、その延長でのロボットを使い内視鏡を遠隔操作して手術をするダビンチ手術の3つの方法がある。 開胸手術では胸の真ん中を喉元からみぞおちにかけて切るため約20cmから30cmの傷が残り、骨を切って胸を大きく開くため、術後に骨が付くまで数ヵ月かかる。この間スポーツなど運動は出来ず、大きな荷物も持つことは出来ない。それでも90%以上の心臓手術が胸骨正中切開で行われているのが現状だ。 これに対し切開する範囲を最小限にとどめ、骨を切らず傷跡を小さくするのが小切開手術。そしてロボットを用いて完全内視鏡による手術を行うのがダビンチ心臓外科手術だ。 「医者になって以来考え続けてきた患者さんへの超低侵襲手術の集大成がダビンチを使って行う全内視鏡手術・鍵穴(キーホール)手術です。手術中の輸血量は胸骨正中切開ではどうしても500ccは使う。MICSは200cc使いますがダビンチは50ccで無輸血もある。輸血はすればするほど寿命は短くなります。輸血量は患者さんのその後の人生に大きく影響してくるんです」(渡邊医師)』、「手術中の輸血量は胸骨正中切開ではどうしても500ccは使う。MICSは200cc使いますがダビンチは50ccで無輸血もある。輸血はすればするほど寿命は短くなります。輸血量は患者さんのその後の人生に大きく影響してくるんです」、「輸血量」だけでみても、「ダビンチ」は優れているようだ。
・『ダビンチ手術の実際  ダビンチは術者が遠隔操作で手術を行うサージョンコンソールと、術野に挿入するロボットアームが装着されたサージカルカート、そしてアームに装着された内視鏡から送られてくる術野の画像からハイビジョンの3D画像を作成するビジョンカートという3つの機械から成り立っている。 ダビンチは元々1991年の湾岸戦争の時に前線で負傷した兵士の治療に外科手術のロボットの遠隔操作で治療ができないかという事で米国国防総省が研究開発していた。戦後米国のIntuitive Surgical社が外科手術のできるロボットシステムを開発、1999年に完成させたのがダビンチだ。  胸に1cmほどの穴を3つ開け、そこから3本のアームが挿入されている。そのうち2本のアームには術者が操作するメス、ハサミなど手術具が取り付けられ、他の1本には手術の部位を示す「眼」となる内視鏡が先端に付けられていて、サポート役の助手が操作し、術者に手術具などを渡すアームだ。 ダビンチの操作は、術者は全身麻酔が効いて仰向けに寝ている患者のベッドから3mほど離れたところにあるサージョンコンソールの前に患者に背を向けて座る。患者の胸には3本のアームが挿入され、術者はサージョンコントロールの二本のレバーを操って連動した手術具の装着されたロボットアームを3画像を見ながら遠隔操作していく。 「普通の内視鏡出手術は平面の2D画像ですが、ダビンチは3D画像ですから立体感がまるで違う。心臓手術は奥行き感やより正確な手術が求められるため、術野を10倍以上に拡大した3次元画像を見ながらの手術が可能です。 また、これまでの内視鏡では鉗子の動きは90度が限界でしたが、3次元では鉗子の動く範囲は360度動かすことができる。米粒に字が書けるほど細かい1mm半の血管を縫うことができるのがダビンチなんです。その結果安全で確実な手術成績を出せるようになり、ロボット手術は超低侵襲の鍵穴(キーホール)手術をやるのに最もふさわしい手術です」(渡邊医師) 手術スタッフはコンソールを操作する術者の渡邊医師と手術をサポートする助手の外科医、麻酔医、看護士、人工心肺士の6人がチーム渡邊として連携して行われる。 「私のところに来る患者さんはがん患者のグレードで言えばステージ3から4の手術をしなければ危険だというかなり症状が厳しい患者さんが多い。 それでも私の治療治癒率は99.6%。他の病院の平均は97%ですが、失敗する倍率が他の施設は3%でうちの5倍です。つまりうちは他の施設より5倍安全な手術をしている。患者さんは5倍安全な手術を受けるか、5倍危険な手術のどちらを選択しますかということです」 後篇では、渡邊医師がいかにしてトップドクターとなったか、その過程と、さらに渡邊医師の手術を最近受けた患者の驚きの証言を紹介しよう。(記事の後篇につづく)』、「「普通の内視鏡出手術は平面の2D画像ですが、ダビンチは3D画像ですから立体感がまるで違う。心臓手術は奥行き感やより正確な手術が求められるため、術野を10倍以上に拡大した3次元画像を見ながらの手術が可能です。 また、これまでの内視鏡では鉗子の動きは90度が限界でしたが、3次元では鉗子の動く範囲は360度動かすことができる。米粒に字が書けるほど細かい1mm半の血管を縫うことができるのがダビンチなんです」、確かに優れた手術法だ。アメリカ生まれでも、日本人が手術数でトップというのは、手先の器用さが影響しているのかも知れに。

第四に、この続き、9月16日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの木野 活明氏による「大学病院を去った「日本のブラックジャック」に手術を受けた患者の証言 天才医師・渡邊剛(後篇)」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/99795
・『「心臓手術は勝負が一瞬で決まる」  ロボットを用いた心臓外科手術・ダビンチ手術の世界的権威で、「ニューハート・ワタナベ国際病院」の病院長・渡邊剛氏は、「世界ではいま私にしかできない心臓手術がある」と断言する。前篇に引き続き、今回は渡邊医師の手術を実際に受けた患者の証言も紹介しよう。 渡邊医師を心臓外科医へと導いたのは、麻布中学3年生の時に読んだ手塚治虫氏が「少年チャンピオン」に連載していた「ブラック・ジャック」との出会いだっだ。神業のテクニックで難病に苦しむ患者を救う主人公の天才外科医ブラック・ジャックの生き方に浸透し傾倒していった。 金沢大学医学部に進学し心臓外科を選択した。 「がんは術後1年で再発があるなど、その時の手術だけでは勝負が決まりません。しかし心臓手術は一番やりがいがあるし勝負が一瞬で決まる​。また肝臓、すい臓、脳外科も臓器は動いていませんが、心臓はダイナミックに動いています」(渡邊医師) 金沢大学卒業後、ドイツ・ハノーファ医科大学に留学、ここで渡邊の心臓外科技術のすべての基礎を学ぶ。留学中の2年半の間に2000件以上の手術に入り、週3件以上の手術を執刀、移植手術も経験している。 実力主義の欧米で自らの存在を周囲に認めさせるには手術の技術を高めるほかないと、夜も下宿先のアパートに帰らず、ひたすらブタの心臓を使い血管の縫合やメスの使い方の練習に没頭したという。 帰国後金沢大学から富山医科薬科大学へ転籍となるが、この富山時代に世界で初めての人工心肺を使わず心臓が動いた状態で執刀する「オフポンプ手術」をはじめ、局所麻酔により患者の意識下で行う「アウェイク手術」、胸の横に小さく開けた穴から内視鏡を挿入して行う「完全内視鏡下手術」といった術式を開発した。オフポンプ手術は現在はスタンダードな治療法となっている。 そして、41歳で若くして金沢大学医学部外科学第一講座教授に就任。2005年には東京医科大学に新設した心臓外科の教授を兼任する。その年は金沢大学、東京医大でダビンチを導入し、渡邊がダビンチを用いた完全内視鏡による鍵穴式キーホール手術を始めた年だ。しかし、当時ロボット手術についての医学会の認識は「ロボットというのは宇宙空間か戦争中でしか有効ではない」という程度のものでしかなかった。 2007年にはロボット外科学会が設立され、ダビンチ手術の症例数によりライセンスを国際Aから国内Bまでの4段階に設定し、人材の育成が始まった。渡邊医師がニューハート・ワタナベ国際病院を開設するのは2014年のことだ。 ダビンチ手術は心臓外科に限らず他の部位でも行われているが、最も多いのが前立腺がんの手術で、次いで肺がん、子宮がんの治療などで実施されている。現在ダビンチ手術のライセンスを持つ専門医は全体で597名。ライセンス別に国際A11名。国際B25名、国内A63名、国内B498名だ。このうち心臓外科で300以上の症例を経験した「国際A」のライセンスを持つ専門医は渡邊と渡邊の片腕となっている同病院の石川紀彦医師の二人だけだ』、「実力主義の欧米で自らの存在を周囲に認めさせるには手術の技術を高めるほかないと、夜も下宿先のアパートに帰らず、ひたすらブタの心臓を使い血管の縫合やメスの使い方の練習に没頭した」、地道な努力が花開いたようだ。
・『命がけの手術  現在ダビンチは全国の施設で350台入り、ダビンチの手術をする医師は増えている。ところが心臓外科となると極めて少なくなる。 「泌尿器は最も普及して20例ぐらいこなすと相当できるようになりラーニングカーブで成長が早い。ところが心臓外科は150から200例をこなしてやっと成績が安定して手術時間も短くなりそこそこダビンチ手術をやっていると言えるレベルになる。しかし、一度合併症などを起こし失敗するとそこで諦め辞めてしまう医者が多いんです」(渡邊医師)  2021年の心臓疾患による死亡者は21万4623人と日本人の死因でのトップのがんに次いで2番目の死亡者数だ。患者全体の約15%が死亡している。(厚労省人口動態統計)。また、日本循環器学会が公表した脳卒中と循環器病克服第二次5ヵ年計画の中で、2030年には狭心症、心筋梗塞の患者は331万人に増えると推定されている。 心臓外科手術は他の病気より数段命にかかわる比重が大きい。手術に向かう術者にとってもそれは命がけの経験となる。治療治癒率99.6%のチームワタナベの手術と、97%という成功率が5倍の開きのある他の施設とでは患者の選択肢は当然決まってくるはずだ。 最後にチームワタナベのダビンチ手術を受けた患者さんの二人の話を紹介する。お二人とも手術を受けられたのは2月7日のこと。それから10日後の16日にご自宅にいるお二人に電話で話を伺った。術後10日ということに驚かされたが、電話口から伝わる力強い声にチームワタナベの実力を垣間見た。 「今日から仕事を始めようと思っていたんです」というのは横浜在住で機械メーカー幹部の森田博司氏(仮名・54歳)だ。 昨年5月の会社の健康診断で心臓に雑音が見つかり、、近くの病院で精密検査を受けると僧帽弁閉鎖不全症と診断され、「症状は中から重レベルで軽くはありません。このままで治ることはないので手術を受けますか」と医師から心臓手術を奨められたのだ。急に心臓手術といわれ驚き、決断できないまま11月に再度検査し手術をするかどうか決めることになった。 「ジョギングで2km走るのが日課でしたが前年から走れなくなり、階段の上り下りも息切れするようになってきました。夜中にトイレの回数も増えていましたが、年齢と運動不足だろうと気にしていませんでした」(森田氏) 再検査では悪化はしていないが心不全、不整脈が起きる状況になっている。手術しなければ症状は治らないと言われ、手術するなら体力のあるいまと手術を決断。ニューハート・ワタナベ国際病院を紹介された。 「病院や製薬会社の建設も請け負うなかでロボットのダビンチ手術があることは聞いていました。仕事が忙しいので手術後の職場復帰が早いこと、手術の傷跡が小さいこと。そして安全な手術と思っていたので渡邊先生のホームページを見て安心しました。ダビンチ手術でなければ手術はしていなかったと思います」(森田氏) 病院に行ったのは1月18日、超音波検査などを行った後の渡邊の診断は「手術は早めにした方がいい」。ということで2月4日に入院し、3日後の7日に手術を行った 「手術時間は1時間半ぐらいだったと思います。翌日にはICUから歩いて。個室に移動しました。体に入っていたドレーンなどの管が抜かれる度に元気になっていく気がしました。9日にはすべての管が抜かれ術後1週間後の昨日退院しました。明日(17日)から仕事に復帰です」(森田氏)』、「「手術時間は1時間半ぐらいだったと思います。翌日にはICUから歩いて。個室に移動しました。体に入っていたドレーンなどの管が抜かれる度に元気になっていく気がしました。9日にはすべての管が抜かれ術後1週間後の昨日退院しました。明日(17日)から仕事に復帰です」、驚異的な回復の速さだ。
・『だから私は渡邊先生の手術を選んだ  渡邊医師が森田氏の治療を振りかえる。 「1月下旬に検診で心雑音を指摘され、横浜の病院にて僧帽弁閉鎖不全症と診断されました。仕事ざかりであり早期の手術を希望しておられました。来院時のデータ的には逆流率は64%と非常に高度な逆流を示しており、本人と相談の上手術と言うことにいたしました。 2月7日受診から3週間後に手術となりました。手術は僧帽弁の腱索断裂に対して五箇所の人工腱索を縫着し、手術を終わることができました。心停止時間が37分で手術時間は1時間36分でした輸血は行っておりません。術後は逆流がなく元気に退院されています」 一方、12年前から不整脈と心房細動に苦しんでいたのは黒田啓介氏だ(神戸在住・67歳)。黒田氏が証言する。 「すでに僧帽弁閉鎖不全症で弁の置換手術がすぐに必要といわれていました。調べると置換手術は胸を大きく切り開き、機械弁を入れると生涯ワーファリンを飲まなければならず、生体弁なら15年が持つ限界で将来自分がどこまで生きるかを考えると手術の決断はできなかった。しかし、不整脈と心房細動​が出ると突然気分が悪くなって動悸が激しくなり、体が動きにくくなると薬とアブレーション、電気ショックでいままで持ってきていました」(黒田氏) 昨年改めて以前の病院で手術を進められ心臓手術について調べた。 「手術を受けると決めましたが、年齢も若くはないので外部の傷は出来るだけ小さし手術という事でダビンチ手術をまず決め、次は全国の施設の手術症例数を調べました。すると、ニューハートワタナベ国際病院の渡邊先生が他の症例より圧倒的に多いことが分かりお願いすることを決めました」(黒田氏)。 病院には前の病院の地域連携化課が連絡をしてくれ、昨年9月21日に渡邊氏に面会、検査の結果、僧帽弁閉鎖不全症と三尖弁不全があると診断され、手術の必要を言われた。 手術は2月7日、2時間余りで手術は終わり、ICUを出たのは2日後の9日、退院は術後1週間の15日だった。 「術後もそうでしたが不快感はいまも全くありません。日々元気になっていくのが分かりますし、手前より体調がよく元気です」(黒田氏) 黒田氏の手術について、渡邊医師はこう言う。 「昨年の7月末神戸よりいらっしゃいました。2010年より10年来の弁膜症でその間心房細動と言う不整脈を発症し、カテーテルアブレーション(カテーテル治療)を3回受けています。心房細動は、長年僧帽弁閉鎖不全症を患うとよく併存して発症します。検査では僧帽弁逆流率は62%と高度であり、三尖弁閉鎖不全も合併しておりました。この方は睡眠時無呼吸や甲状腺機能低下もありました。 手術は2月7日行いました僧帽弁閉鎖不全症に対する形成術、三尖弁形成術、不整脈に対するメイズ手術と左心耳閉鎖術と言う術式です。手術時間は2時間24分で心停止時間は53分でした。この方も術後の逆流はなく元気に退院されています」 渡邊医師のニューハート・ワタナベ国際病院では、今年5月からは、人工心肺を使わない弁膜症手術「心拍動下僧帽弁形成術」も開始している。僧帽弁閉鎖不全症の患者に対し、人工心肺を使わず、心臓を動かしたまま僧帽弁を人工腱索再建によって形成する術式で、日本で唯一、この術式の独立施行施設の認定を受けている。 渡邊医師の挑戦は終わらない』、「人工心肺を使わない弁膜症手術「心拍動下僧帽弁形成術」も開始している。僧帽弁閉鎖不全症の患者に対し、人工心肺を使わず、心臓を動かしたまま僧帽弁を人工腱索再建によって形成する術式で、日本で唯一、この術式の独立施行施設の認定を受けている」、「術式」は日々進歩しているようだ。今後の発展が楽しみだ。
タグ:現代ビジネス 「バス会社のウィラー・エクスプレスは、脳ドック費用を全額負担。都内のタクシー会社・葵交通も費用の一部を補助するなど、運転手の健康管理に対する意識が高まっている」、確かにバスやタクシー「運転手」が突然の脳の発作を引き金に事故を起こした例もあり、予防は必須だ。 「集客や予約管理はスマートスキャンが行うため、医療機関側は放射線技師さえいれば、MRIの空き時間に客を受け入れて検査をするだけ。読影もエムネスや自社が抱える医師がクラウド上で行ため、検査だけで手数料が入る。そうしたメリットを提示しながら交渉を進め、直近の提携機関数は全国で130に達した」、「出光興産やキヤノンメディカルシステムズ、クレディセゾンなどの事業会社やベンチャーキャピタルから、総額約13億円となるシリーズBの資金調達を完了。この春から夏にかけてはテレビCMを大々的に展開するなど、大胆な投資を進める 「楽天を退職」する前の「準備」は周到なようだ。 「スマートスキャン」では「価格は相場の半値以下という1万7500円。検査結果は数日後にウェブで確認できる」、便利な新サービスだ。 東洋経済オンライン「「脳ドック」をITで価格破壊、楽天役員OBの目算 「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える」 http://www.kansatuhou.net/60_johonyushu/01_nyumon/02_Q&A6_10.html) 「薬を処方してもしなくても国から支払われる金額が一緒なら、薬を処方しない方が儲かりますからね。ここまで改善が見られないと、必要な治療がなされていないのではないか、と疑ってしまいます」、「必要な治療を行っていないという事実はなく、定められたルールの中で、患者さんの回復に必要な治療を行っています」、「精神科の通院者は増え、医療観察法病棟が初めて北海道に設置されるなど拡充が続いている」、「医療観察法」対象者の再犯率は、一般の再犯率より低いようだ。 これでは、前述の特別手当はよほど思い切って出す必要がありそうだ。 「看護師」などは特別手当が出ないと、人は集まらないだろう。 「施行から15年以上、大きな改正もなく続いています」、なるほど。 「裁判前の鑑定留置で心神喪失などと認定され、不起訴となったケースなどを含めると、年間で300人を超えている」、かなりの人数だ。 (注)医療観察法:心神喪失者等医療観察法、心神喪失又は心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかないなど、刑事責任を問えない状態)で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、 強制性交等、強制わいせつ、傷害)を行った人に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした制度。 確かにこの対象者は、既に「重大な他害行為」を行ったということであれば、「親や近隣住民を殺した殺人犯や、自宅に放火した人ばかり」、というのは当然だ。 「人工心肺を使わない弁膜症手術「心拍動下僧帽弁形成術」も開始している。僧帽弁閉鎖不全症の患者に対し、人工心肺を使わず、心臓を動かしたまま僧帽弁を人工腱索再建によって形成する術式で、日本で唯一、この術式の独立施行施設の認定を受けている」、「術式」は日々進歩しているようだ。今後の発展が楽しみだ。 文春オンライン「「病棟内で殺人事件が発生したこともあります」「看護師はなぐられて当たり前」心神喪失で無罪になった元犯罪者の”惨い治療現場”《医療観察法再考》」 「「手術時間は1時間半ぐらいだったと思います。翌日にはICUから歩いて。個室に移動しました。体に入っていたドレーンなどの管が抜かれる度に元気になっていく気がしました。9日にはすべての管が抜かれ術後1週間後の昨日退院しました。明日(17日)から仕事に復帰です」、驚異的な回復の速さだ。 「実力主義の欧米で自らの存在を周囲に認めさせるには手術の技術を高めるほかないと、夜も下宿先のアパートに帰らず、ひたすらブタの心臓を使い血管の縫合やメスの使い方の練習に没頭した」、地道な努力が花開いたようだ。 木野 活明氏による「大学病院を去った「日本のブラックジャック」に手術を受けた患者の証言 天才医師・渡邊剛(後篇)」 (その38)(「病棟内で殺人事件が発生したこともあります」「看護師はなぐられて当たり前」心神喪失で無罪になった元犯罪者の”惨い治療現場”《医療観察法再考》、「脳ドック」をITで価格破壊 楽天役員OBの目算 「MRIシェアリング」ベンチャーが医療を変える、「胸を切らない心臓手術」を実践する世界一の心臓外科医が考えていること 天才医師・渡邊剛(前篇)、大学病院を去った「日本のブラックジャック」に手術を受けた患者の証言 天才医師・渡邊剛(後篇)) 医療問題 木野 活明氏による「「胸を切らない心臓手術」を実践する世界一の心臓外科医が考えていること 天才医師・渡邊剛(前篇)」 「「普通の内視鏡出手術は平面の2D画像ですが、ダビンチは3D画像ですから立体感がまるで違う。心臓手術は奥行き感やより正確な手術が求められるため、術野を10倍以上に拡大した3次元画像を見ながらの手術が可能です。 また、これまでの内視鏡では鉗子の動きは90度が限界でしたが、3次元では鉗子の動く範囲は360度動かすことができる。米粒に字が書けるほど細かい1mm半の血管を縫うことができるのがダビンチなんです」、確かに優れた手術法だ。アメリカ生まれでも、日本人が手術数でトップというのは、手先の器用さが影響しているの 「手術中の輸血量は胸骨正中切開ではどうしても500ccは使う。MICSは200cc使いますがダビンチは50ccで無輸血もある。輸血はすればするほど寿命は短くなります。輸血量は患者さんのその後の人生に大きく影響してくるんです」、「輸血量」だけでみても、「ダビンチ」は優れているようだ。 「ダビンチを開発した米国のIntuitive Surgical社が、世界で最もダビンチ手術を行ったドクターに贈る表彰盾だ。渡邊医師は2019年から3年連続世界一。世界で最も多くのダビンチ手術の経験を持つナンバーワンドクターなのである」、「週に5件、多い時には10件、コロナの影響のなかで昨年も約200件のダビンチ手術を行っています。これだけダビンチで心臓手術をしている病院は世界でもありません」、大したものだ。
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