日韓関係(その17)(韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが、韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは 元駐韓大使が解説、「韓国に怒ってる日本人」に多い 超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ 元寇の謝罪」と言われても…) [外交]
日韓関係については、6月10日に取上げた。今日は、(その17)(韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが、韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは 元駐韓大使が解説、「韓国に怒ってる日本人」に多い 超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ 元寇の謝罪」と言われても…)である。
先ずは、8月9日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/609965
・『日韓関係が悪化した最大の原因となっている徴用工問題について尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後、韓国政府の動きが活発になっている。 5月の新政権誕生後、韓国側はそれまでとは打って変わって日本側に首脳会談の実現や外務相訪日を積極的に働きかけてきた。その結果、林外相と韓国の朴振(パク・チン)外相の会談は2回おこなわれ、スペインで開かれたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議出席の機会を生かして岸田首相と尹錫悦大統領の数分間の立ち話も実現した。 いずれの機会も徴用工問題が取り上げられ、問題解決に向けで協議を加速することで一致している。首脳や外相レベルがほとんど没交渉だった文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に比べると様変わりだ。 一方、韓国内では7月初めに外交部主宰で専門家のほかに原告側代表も参加する官民協議会がスタートした。問題解決に向けての対応策などを協議する場で、すでに2回、開催されている』、「尹錫悦大統領」の登場で、日韓関係は一気に前進すると思っていたが、ペースは予想外にスローだ。
・『尹錫悦政権は大法院に意見書を提出 徴用工問題は文政権下で複雑化し両国の国民感情も加わってにわかに解決することは困難とみられる。いったい、韓国政府はどうしようとしているのか、日本政府関係者も尹錫悦政権の一連の動きの意図をはかりかねていた。しかし、7月26日に韓国政府が最高裁判所にあたる大法院に徴用工問題に関する意見書を提出したことで、その意図や狙いが明らかになった。 大法院に提出する意見書というのは法的に規定されており、「国家機関や地方自治体が公益に関連した事項に関し、大法院に裁判に関する意見書を提出することを認める」とされている。 そして今回の意見書には徴用工問題に関連して、「韓国政府は韓日両国の共通の利益に合致する合理的な解決策を模索するため対日外交を続けており、被害者への賠償問題の解決策を探る官民協議会を通じて原告の意見を聴くなど多角的な外交努力を傾けている」と書かれている。 この記述の意味するところは、韓国政府は問題解決に向けて最大限の努力をしている。だから日本企業の資産の現金化を認める判断は当面、待ってほしいということなのだ。 徴用工問題に関する裁判は、原告である元徴用工の主張が認められ日本企業に損害賠償金を支払う大法院の判決が確定している。そして三菱重工など日本企業の資産が差し押さえられ現金化手続きに入ることも認められた。 これに対して日本企業側が異議を唱えて再抗告した。それに対する大法院の判断が早ければ8月中にも出される見通しとなっている。再抗告が棄却されると、日本企業の資産が競売にかけられ現金化が現実のものとなるわけで、徴用工裁判はギリギリの最終段階にきているのだ』、「大法院の判断」は9月25日付けの聯合ニュースによれば、担当判事の退官により最終決定が遅れる見通しになった、とのことである。
・『現金化をとりあえず止めて、解決策を模索する構え 徴用工問題の抜本的な解決策を短期間でまとめることは不可能に近い。しかし、現金化のタイムリミットが目の前に近づいている。現金化によって日韓関係を決定的に悪化させることは回避しなければならない。そう考えた韓国政府は、原告側との話し合いの場を動かすとともに日本政府との協議にも積極的に取り組み、その実績を意見書として大法院に伝えることで現金化決定の先送りを実現する。そのうえで少し時間をかけて当事者が合意できるような解決策を模索する、という二段構えの対応に出たのだ。 尹錫悦政権の意図が明らかになると、当然のことだが原告側は激しく反発した。原告側にとって大法院の判断延期は救済措置の延期でもある。「憲法が保障した迅速な裁判を受ける権利を侵害したものだ」「意見書提出は被害者側の権利行使を制約する重大な行為」などと批判し、発足間もない官民協議会からの離脱を決めてしまった。 当面の問題は大法院がどういう判断をするかだ。大法院は14人の裁判官で構成されているが、その大半が文在寅政権時代に選任されており、進歩系の考えの持ち主で占められている。従って保守系の尹錫悦政権の意向に沿うような判断がなされるかは予断を許さない。 仮に現金化が現実のものとなれば、日本政府は対抗措置を取らざるをえなくなり、日韓関係改善の機運は一気に消えてしまう。ウクライナ戦争に加え台湾をめぐる中国の動きが緊迫している中、日韓関係の崩壊は中国を利するだけでなく地域の安全保障にとっても深刻な問題になるだろう。それだけに現金化阻止に向けた尹錫悦政権の活発な動きは歓迎すべきことだ。 しかし、韓国政府の思惑通り当面の現金化が先送りされても、その先の見通しは甘くない。最大の理由は尹錫悦大統領の極端な不人気である。 5月に就任してわずか2カ月余りしかたっていないのだが、尹錫悦政権の支持率は当初の5割超が一気に低下し、8月初めには20%台前半まで落ち込んだ。国民感情の動きが激しいと言われる韓国でもあまり前例のないことだ』、「大法院は14人の裁判官で構成されているが、その大半が文在寅政権時代に選任されており、進歩系の考えの持ち主で占められている。従って保守系の尹錫悦政権の意向に沿うような判断がなされるかは予断を許さない」、当面の注目点は、退官した「担当判事」の後任の判断だ。
・『身内を多く登用、エリート意識が強い 不人気の理由がさらに深刻だ。世論調査結果が指摘するのは、大学時代などの同級生や検察官時代の部下など身内を数多く登用する人事、政治家としての経験や資質の不足、国民が直面している不景気やインフレなどの問題への取り組みの欠如といった政権の体質批判だ。 尹錫悦大統領は文在寅政権時代に検事総長に抜擢されたが、文大統領の側近の法相に対する捜査を進め辞任に追い込むと、一転して大統領側からの反撃にあい職務停止命令を受けるなど文大統領と戦い続けてきた経験を持つ。いかなる困難に直面してもくじけない芯の強さやエリート意識は大統領になっても変わらないようだ。 マスコミに支持率低下についての感想を聞かれると尹大統領は、「大統領選挙の時も支持率は別に気にしなかった。特に意味がない」「支持率低下の原因がわかればどの政府もうまく解決したでしょう」などと応じている。また、閣僚候補から相次いで不祥事が発覚した時には、「前政権で指名された長官の中でそれほど立派な人を見ましたか」と記者を指さして不快感を表したという。その様子がそのまま報道されるのであるから、支持率が上がりようはないだろう。 特に人事は大統領府の秘書官らに検察官や元検事を多数起用し、「ソ・オ・ナム」(ソウル大学出身の50代の男性という意味)と揶揄されている。権力中枢が同質性の高いエリートだけで構成される政権は、必然的に国民との距離ができてしまう恐れがある。 つまり発足間もない尹政権は安定的なハネムーン期間もないまま、政権基盤が不安定な状況に陥っているのだ。しかし、韓国は日本以上に政権の支持率の浮き沈みが激しく、尹政権がこのまま低迷を続けるとはかぎらない』、「「ソ・オ・ナム」・・・と揶揄」されるような側近政治は止める方がよさそうだ。
・『日本政府もできる範囲で積極的に動くべき 徴用工問題の全面的解決には、韓国政府と被害者やその支援団体などが解決案に合意すること、日韓両国政府さらには日本企業も合意すること、さらには必要に応じて韓国議会で予算などの手続きが進められることなど、この先乗り越えなければならないハードルが多い。 日本政府は、表向き徴用工問題は韓国側が一方的に起こした問題であるから、韓国側の出方を見守るという姿勢で一貫している。日本側から提案はしないというのだ。しかし、韓国政府が問題解決に積極的に取り組み始めたことは評価すべきであるし、問題解決が日本の国益に沿うものであるとともに地域の安定にも寄与することは言うまでもない。韓国側の前向きな対応を好機ととらえ、日本政府も可能な範囲で積極的に動くべきときであろう』、「韓国政府が問題解決に積極的に取り組み始めたことは評価すべきであるし、問題解決が日本の国益に沿うものであるとともに地域の安定にも寄与することは言うまでもない。韓国側の前向きな対応を好機ととらえ、日本政府も可能な範囲で積極的に動くべきときであろう」、同感である。
次に、9月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは、元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/309195
・『日韓関係改善のために尹錫悦政権が行うべきこと 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は対日関係の改善に苦悩している。それは文在寅(ムン・ジェイン)政権が日韓の歴史問題において過去の合意を無視、安全保障問題において日本との協力をほごにし、日本に反目する行動を取ってきたからである。 具体的には、次のことが挙げられる。) 元徴用工の個人補償問題は未解決だと主張し、司法による日本企業資産の差し押さえの動きを助長し、それが現金化に進もうとする現状を放置してきた。 元慰安婦に関する2015年の合意を事実上ほごにし、日本から10億円の支出で設立された「和解・癒やし財団」を事実上解散した。 韓国海軍が海上自衛隊のP1哨戒機に対し、射撃統制用の火器レーダーを照射し、その事実を隠蔽(いんぺい)した。 海上自衛隊旗と戦前の日本軍の旭日旗と同一視、それを掲揚した自衛隊艦船を韓国の国際観艦式から締め出した。 GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の一方的終了を通告した。その後米国の圧力を受け終了通告の効力を停止した。 東京オリンピックの際、豊臣秀吉の水軍を撃破した李舜臣将軍の言葉を引用した横断幕を掲揚、また東京オリンピック組織委員会の聖火リレーマップに竹島の記載が小さくあるのを政治宣伝として削除を求めた。 福島第一原子力発電所から出た処理水の海洋放出を非難し続けている。 竹島周辺での海洋調査など一方的な行動を取り続けている。 文在寅前大統領は日本に対して対決姿勢を取り続けてきた。その過程で反日世論を盛り上げ、日本製品に対する不買運動も展開した。その結果、日本の嫌韓感情は最高潮に達し、「文在寅政権を相手にせず」の雰囲気が日本の政府内ばかりでなく国民感情としても沸き上がった。 尹錫悦政権は就任以来、政府ベースでは過去最悪となったこうした日韓関係を改善するべく取り組んできた。しかし、文在寅政権によって積み上げられた反日・嫌韓感情は容易には改善しない。当面は、これ以上の悪化を防ぎつつ、対話を増やしていく中で、関係改善を模索していくことになるだろう。 そのために急を要するものは、徴用工問題で日本企業資産の現金化を防ぐことである。もしも現金化されれば、日韓関係はしばらく修復不可能になろう。 そして東アジアの安全保障にとって障害となっている日韓関係の不安要素を除去することが必要だ。日韓の不信を助長しているのは、自衛隊機に対する射撃統制レーダーの照射、海上自衛隊旗を旭日旗として排除する姿勢、GSOMIAの終了通告などである』、「文在寅政権によって積み上げられた反日・嫌韓感情は容易には改善しない。当面は、これ以上の悪化を防ぎつつ、対話を増やしていく中で、関係改善を模索していくことになるだろう。 そのために急を要するものは、徴用工問題で日本企業資産の現金化を防ぐことである。もしも現金化されれば、日韓関係はしばらく修復不可能になろう」、「現金化」の阻止は至上課題だ。
・『日本企業資産の現金化を防ぐため 韓国政府は懸命の努力 徴用工を巡る三菱重工業への賠償命令を不服とする同社の再抗告について、審理をさらに続けるか判断する期限(8月19日)が迫る中、大法院(日本の最高裁に相当)は同日までに決定を出す可能性がある、と複数の韓国のメディアが報じていた。 その一方で、日本政府は韓国で日本企業に対する資産売却など現金化措置が取られる場合、厳しい「対抗措置」を準備しているとも報じられていた。 このため、韓国政府は、日本企業の資産の現金化を防ぐため、懸命の努力を行ってきた。 まず、韓国政府は解決策を見いだすべく、外交部(日本の外務省に相当)の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官の主宰で、徴用工支援者団体、法律代理人、学会専門家、言論・経済界から12人が参加する官民協議会を設立し、これまでに3回の会合を行った。しかし、元徴用工団体からは協力が得られていない。 外交部は大法院に対し、「徴用工問題解決に向けた外交的努力」を説明する意見書を提出した。これは、国家間の利害関係が対立する外交的事案の場合、行政府の立場が優先して反映されるべきという「司法自制の原則」を要請するメッセージだ。 朴振(パク・チン)外相は7月18日から20日まで訪日し、林芳正外相と会談し、岸田文雄首相を表敬した。両外相は会談で「韓国裁判所が日本企業の資産を現金化する最終結論を下す前に解決策を模索しなければならない」ということで認識を共有したが、具体策にまでは踏み込めなかった。日本側からはまず韓国が解決策を提示すべきと念押しされた。 尹錫悦大統領も、就任100日目の会見で、徴用工は大法院の判決で法による補償を受けることになっているが、「日本が懸念する主権問題の衝突なしに債権者が補償を受けることができる方法を模索している」と主張した。尹錫悦大統領自身が解決に努力していることを明言することで大統領の責任に転嫁し、批判を免れることができるようになった。 尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日韓国大使は、韓国特派員との懇談会で、日本企業の資産を現金化した場合、「韓国企業と日本企業との間で数百兆ウォン(数十兆円)とも言われるビジネスチャンスを失うこともあり得る」と述べたことの重大さを訴えた。 大法院は韓国政府の努力に期待し、決定を先延ばしした。それでも韓国のメディアは、この問題を担当してきた金哉衡(キム・ジェヒョン)大法官(最高裁判事)が9月4日に退官するので、その前に決定があるはずだと一斉に報じた。 しかし、結論から言えば筆者が主張した通り、金大法官は退官後にその決定が韓国経済に甚大な被害が及ぶことは望まず、決定は行わなかった。 金大法官の退官に伴い、後任の裁判部がいつ構成されるかもわからない状況となっている。オ・ソクジュン大法官候補に対する国会人事聴聞会特別委員会の報告書採択が与野党の合意の不発により、大法官の空白も長期化する展望である。 こうした事態の進展によって、尹錫悦政権は時間稼ぎをすることができるようになった。 それ以上に重要なことは、元徴用工団体として裁判を通じて早期解決の見通しが立たなくなったことで、尹錫悦政権との話し合いに応じる期待が出てくる可能性があることであろう。 こうした中、朴振外相は2日、光州を訪問、元徴用工と面会した。元徴用工を支援する市民の会は当初、外交部は朴外相との面会を求めるよりも先に大法院に出した意見書に対する謝罪が先であると主張していた。それでも朴外相と元徴用工は面会を行った。 朴外相は元徴用工と面会し、「強制徴用被害者の方々の問題をできる限り早期に誠意を持って解決していくという強い意思を持っている」「問題がうまく合理的に解決するようにしたい」と伝えた。 しかし、面会後、記者団から「意見書を撤回する意思があるのか」と問われ、「大法院の民事訴訟規則など法令と手続きに基づいて正当にしたものであり、撤回する考えはない」と回答した。 さらに「韓日交渉を通じてこの問題を合理的に解決していくため、近く日本を訪問して林外相と協議する」と述べた。 韓国政府が徴用工問題の解決を模索して設立した官民協議会の第4回会合は5日に開催される予定であるが、元徴用工支援団体はこれには参加しない予定だという。徴用工を巡る問題の解決策づくりはまだしばらく時間がかかりそうである』、「韓国政府が徴用工問題の解決を模索して設立した官民協議会の第4回会合は5日に開催される予定であるが、元徴用工支援団体はこれには参加しない予定だという。徴用工を巡る問題の解決策づくりはまだしばらく時間がかかりそうである」、なるほど。
・『レーダー照射問題は包括的に解決する意向 2018年、日本海で遭難した北朝鮮漁船を捜査中だった韓国の駆逐艦「広開土大王」は近くを飛行する日本海上自衛隊のP1哨戒機に向けて射撃統制レーダーを照射した。これに対し、韓国海軍は、日本に向けたレーダー照射は誤解、レーダー照射はしていないなど、弁明が二転三転していた。 しかし、 与党「国民の力」の申源シク(シン・ウォンシク)議員は、韓国軍当局が2019年2月に海軍へ通達した「日哨戒機対応指針」を暴露した。これは日本の自衛隊機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するよう規定したものである。しかも、同指針は青瓦台国家安保室が主導したものの由である。事件は指針の出る前であるが、日本のP1に対してレーダーが照射された高い可能性を裏付けるものだろう。 (シン・ボムチョル)国防次官は2日に報道された毎日新聞とのインタビューで「公式的に(韓国艦艇の日本哨戒機に向けた射撃統制)レーダー照射はなかったというのがわれわれの立場だが、両国関係の改善と国防協力の観点で包括的に解決する意思がある」と述べた。 この発言は韓国政府の公式の立場としてはっきりと過ちを認めたわけではないが、今後の話し合いの中で、説明するとの意向が含まれているのではないか。 申次官は、文在寅政権当時の指示について「指針ではないが、文政権は日本に対してのみ追加手続きを実施した」「適切かどうかは疑問だ」と述べた。これは事実上誤りを認めたものではないか。 日韓で安保協力を進めていくためには、自衛隊機に対するレーダー照射事件について決着をつけることは不可欠であり、韓国の国防次官の発言はその一歩となるかもしれない』、「韓国軍当局が2019年2月に海軍へ通達した「日哨戒機対応指針」を暴露した。これは日本の自衛隊機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するよう規定したものである。しかも、同指針は青瓦台国家安保室が主導したものの由である。事件は指針の出る前であるが、日本のP1に対してレーダーが照射された高い可能性を裏付けるもの」、やはり「青瓦台国家安保室が主導」したとは、「文在寅政権」らしい行動だ。
・『海上自衛隊観艦式への出席は日韓協力の再出発の象徴に 8月23日、日本政府は「11月に開かれる海上自衛隊創設70周年国際観艦式に韓国海軍を招待した」と発表した。前回2019年の観艦式の折には、自衛隊哨戒機への韓国駆逐艦からのレーダー照射問題などで日韓関係が緊迫しており、韓国海軍は招待されなかった。今回の招待は2015年以来7年ぶりのことである。 しかし、韓国海軍の参加は韓国にとっても難しい決定である。韓国では日本の海上自衛隊旗が旭日旗であり、日本帝国主義の象徴とみる向きがある。特に文在寅政権は、韓国軍の出席する行事から旭日旗の排除を求めていた。18年10月に韓国・済州島で開かれた国際観艦式では、韓国が日本に対し、旭日旗の掲揚自粛を要請。日本は参加を取りやめた経緯がある。 海自の観艦式では、旭日旗が掲揚されることから、参加には慎重であるべきとの声も韓国では少なくない。 しかし、尹錫悦政権は日本側の招待を受けて観艦式に参加し、海上捜索・救難共同訓練も行うことを前向きに検討している模様だ。 今回、韓国海軍が観艦式に出席することは、尹錫悦政権が文在寅政権の束縛から解放され、安全保障面で日韓協力の再出発の象徴となるのではないか』、「今回、韓国海軍が観艦式に出席することは」、「安全保障面で日韓協力の再出発の象徴と」なってほしいものだ。
・『尹錫悦政権への交代で高まるGSOMIA復活の可能性 日本政府は19年7月、韓国に輸出した戦略物資が不正に中国や北朝鮮に再輸出されている懸念があるとして、韓国を包括的な輸出許可の対象から除外し、個別に許可を得る必要がある国に指定替えした。文在寅政権はこれに反発し、日本に対しGSOMIAの終了を一方的に通告した。 しかし、日韓のGSOMIAは北朝鮮の核・ミサイル実験の際の情報共有に効果を発してきたものであり、北朝鮮の核・ミサイル開発が極めて進展しているときに破棄するのは北朝鮮や中国の思うつぼである。北朝鮮の核・ミサイル開発に対して危機感の足りなかった文在寅政権ならではの判断だろう。 尹錫悦政権に代わり、韓国から中国や北朝鮮に対し戦略物資が不正に輸出される可能性は極めて低くなっている。文在寅政権の頃の戦略物資の管理体制とは根本的に改善が見られるだろう。 したがって、戦略物資の輸出問題について韓国政府と建設的な調整を行う余地は広がっており、それを受けてGSOMIAの終了を一時停止している状況を改め、完全復活させることは可能であろうし、日韓首脳会談が開かれれば、その方向で話し合いが行われるのではないか。 文在寅政権の後遺症がいまだ残る中、日韓の関係改善は一朝一夕には実現しないだろう。その第一歩として日韓首脳会談が実現したときに多くの問題を同時に解決できるよう外交当局の根回しが必要である。いずれにせよ、関係改善の糸口をつかむ前に、関係を悪化させることはぜひとも避けたいものである』、「尹錫悦政権に代わり、韓国から中国や北朝鮮に対し戦略物資が不正に輸出される可能性は極めて低くなっている」、「戦略物資の輸出問題について韓国政府と建設的な調整を行う余地は広がっており、それを受けてGSOMIAの終了を一時停止している状況を改め、完全復活させることは可能であろうし、日韓首脳会談が開かれれば、その方向で話し合いが行われるのではないか」』、「韓国を包括的な輸出許可の対象」に復活させ、「GSOMIAの」「完全復活」させてほしいものだ。
第三に、9月17日付け東洋経済オンラインが掲載した『最強の働き方』『一流の育て方』著者 のムーギー・キム氏による「「韓国に怒ってる日本人」に多い、超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ、元寇の謝罪」と言われても…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/618365
・『「そっか、日本と韓国って」と検索したことがあるだろうか? 「韓国へのイライラ、日本へのモヤモヤがいっきに解消する」「グローバルな視点で、確かな学術論文に依拠して書かれている」「爆笑エピソードが満載で、絶対にこの著者にしか書けない」と話題を呼び、『週刊ダイヤモンド』『PRESIDENT』等のビジネス誌の書評でも評価されているのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』だ。 著者は、『最強の働き方』『一流の育て方』などのベストセラーでもよく知られる、著作累計70万部のムーギー・キム氏。京都に生まれ、日韓両国の文化の中で育ち、フランス・香港・シンガポールで学び働いてきた。同書は、著者が「人生を通じて最も書きたかった1冊」という。 以下では、そのムーギー氏が、「なぜか行ったこともない韓国に大激怒している人たちにありがちな、よくある4つの残念な誤解」について考える』、「ムーギー・キム氏」は「日韓」関係を述べるには最適の人物のようだ。
・『どちらの「研究結果」を信じるかは、あなた次第 「そっか、日本と韓国って」と検索したら、韓国へのモヤモヤのすべてがクリアに解決するというのが、近頃の私の中での定説になっている。 しかし、皆様そうなされないからか、日韓関係および私、ムーギー・キムへの誤解は根強い。 前回のコラムに対しても、おそらく遺伝子研究のイの字も知らないだろう方々が、2012年の日本人類遺伝学会による発表や、2019年5月13日の国立科学博物館による発表に異を唱え、それはそれは得意げに「Y染色体D系統は、日本人が韓国人と別人種であることの証だ」などなどと1000件くらいの批判コメントを寄せられるのだ。これを読んだ私の開いた口は塞がらず、逆に閉じた瞼が二度と開くことはないのである。 D系統の割合が日本は他の東アジアより高いというだけで、それでも韓国と同様にO系統が一番多いことなど細かいことを書くと果てしないので、やめておこう。人は所詮、信じたいことを信じる生き物だ(「それはお前のことだろ!」と数多くのブーメランがコメント欄で飛び交う姿が目に浮かぶ)。 それでもネットのどこぞで目にした怪しげな「研究結果」か、2019年という最近の、我らが国立科学博物館の「研究結果」のどちらに信憑性を感じるかは、読者の皆様に委ねるしかないのだ。 それにしても、この連載コラムを書けば書くほど、ネットで熱心にコメントを書き込んでくださる皆様と私の溝が広がっているのでは、と心配になっている。 そこで、皆様の温かい、時に熱すぎる叱咤激励に感謝の気持ちを捧げつつ、今日も元気に、深すぎる教養コラムを書かせていただこう。) 日韓関係でよく問題になるのが、「韓国は国際合意を遵守していない」という議論である。 「日本政府は合意を守っている。守っていないのは韓国のほうだ」と思っている人は多いだろう。しかし韓国では、日本の政治家こそ「国際合意を無視し、過去を蒸し返す」と思っている。 こう書くと早くも大激怒されそうだが、念のため血圧を下げる薬を飲みながら、以下を読み進めていただきたい。 【誤解1】
「日本政府は国際合意を守っているのに、韓国政府が一方的に破棄してきた」 1993年の河野談話や1995年の村山談話では、「戦争の悲惨さを若い世代に語り伝え」「歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ」と語られた。 ところが、実際には、その後のタカ派による長期政権の間に、慰安婦の記述などは大半の教科書から削除または削減され、「愛国心教育」が強化された。これで、合意を守っていると言えるだろうか?』、「実際には、その後のタカ派による長期政権の間に、慰安婦の記述などは大半の教科書から削除または削減され、「愛国心教育」が強化された」、そんな事実は知らなかったので、愕然とした。
・『日本は政権がなかなか変わらないだけ 「韓国は政権が変わるたびにコロコロ変わる」と言われる。しかし、日本はたんに政権がなかなか変わらないだけで、政権を担う勢力が変われば、外交政策や歴史認識、約束ですら、コロコロ変わるのである。 2015年の慰安婦合意では、「最終的かつ不可逆的に解決される」と相互に確認された。 これは韓国側からすれば、日本政府や政権に影響のある政治家たちから、「慰安婦は嘘だった」などと、また村山談話に実質的に反する声が出てくることを牽制するものだった(ただし、私は慰安婦合意に対する韓国政府の対応を擁護するものではない)。 2015年に世界文化遺産に登録された軍艦島に関しても、強制連行等について「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と日本政府が国際的に約束している。 しかしそれにもかかわらず、その約束が守られなかったことから、ユネスコから日本政府に遺憾決議が出されて、「合意を履行するように」という批判があったのである。 また、元徴用工への慰謝料の支払い問題については、1965年の日韓基本条約での曖昧な合意が根底にある。日韓基本条約では、植民地支配の合法性・違法性に関して、日韓の間で合意はなく、棚上げされたのをご存じだろうか。 その結果、「合法論」に依拠する日本政府の立場では、元徴用工に支払われたのは「未払い賃金」であり、併合は合法なので「慰謝料は不要」ということになった。 しかし、「違法論」に依拠する韓国政府の立場では、未払い賃金は払われたが、慰謝料は払われていないという理解である』、「軍艦島に関しても、強制連行等について「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と日本政府が国際的に約束している。 しかしそれにもかかわらず、その約束が守られなかったことから、ユネスコから日本政府に遺憾決議が出されて、「合意を履行するように」という批判があった」、「日韓基本条約では、植民地支配の合法性・違法性に関して、日韓の間で合意はなく、棚上げされたのをご存じだろうか。 その結果、「合法論」に依拠する日本政府の立場では、元徴用工に支払われたのは「未払い賃金」であり、併合は合法なので「慰謝料は不要」ということになった。 しかし、「違法論」に依拠する韓国政府の立場では、未払い賃金は払われたが、慰謝料は払われていないという理解である」、いずれも恥ずかしながら知らなかった。日本のマスコミももっと丁寧に説明すべきだ。
・『「正当性」と「合法性」は違う問題 しかも韓国では、この日韓基本条約が結ばれたとき、民意を代表しない軍事独裁政権が、国民の反対を押し切ってこの問題を棚上げにしたのだった。 日韓併合の実態や経緯に関する学術的証拠に関しては、長くなるので詳細は新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』に譲ることにする。 ただし考えてみていただきたいのは、イギリスが清国に仕掛けたアヘン戦争も、侵略した側にとってみれば「合法」だった。 アメリカによるイラク侵攻も、ロシアによるウクライナ侵攻も、やっている側としては「合法」という主張である。 「正義」と「合法」、そして「正当性」と「合法性」は、また違う問題なのである。 次によく目にするのは、「日本から金をせびるために、歴史問題を蒸し返す」という言説だ。 【誤解2】「韓国は、日本から金をゆするために歴史問題を蒸し返す」 しかしながら、たとえば慰安婦合意で日本が拠出した10億円は、韓国の200兆円に迫るGDPの何%だというのだろうか(念のために言っておくと、20万分の1=0.00005%である)。 韓国内でも、「そんなはした金を受け取って、こんな合意を結ぶのか! 全額返せ!」という議論が沸騰していたし、村山談話のときの民間からの寄付金に関しても、「国家賠償という性質ではないので、受け取るな!」という反発が強かったのをご存じだろうか。 もし、いま問題になっている元徴用工への賠償で差し押さえられた資産を現金化したとしても、その時に得られる金額は全体的にはごくわずかだ。 その後の経済紛争で生じる損失に比べれば微々たる金額であり、「経済的な観点からも、この現金化は合理的ではない」と韓国国内でも議論されている』、「慰安婦合意で日本が拠出した10億円は」「韓国の200兆円に迫るGDPの」「20万分の1」、「韓国内でも、「そんなはした金を受け取って、こんな合意を結ぶのか! 全額返せ!」という議論が沸騰」、なるほど。
・『では、韓国が求めているのは? 韓国側の当事者が求めているのは、「お金」よりも「許し、前に進むための名分」であり、村山談話や河野談話のときのように、あとでその趣旨を覆すような発言をしたり、骨抜きにされたりすることがない、「真心」すなわち「チンジョンソン(真の意志)」がこもった謝罪の気持ちなのである。 ちなみに、日韓基本条約のときに日本から韓国に「経済協力金」が流れているが、その資金の使途は、特定の日本企業からの購入費用に充てられることになっていた。 その後、毎年のように何兆円もの巨額の貿易黒字を日本が韓国からずっと獲得することの遠因になっていることも、理解しておきたい。日韓基本条約で、結果的に日本側も恒常的に儲けていたともいえるのだ。 また、「大日本帝国」に占領され、かつ日本が負けなければ、朝鮮半島が南北に分断されることもなかったわけだが、その分断コストと統一コストは、どれほど巨額だろうか? これを鑑みたとき、日韓基本条約で払った金額ばかりに目を向けるのではなく、巨額の分断・統一コストにも目を向けた、歴史に対する謙虚さは必要であろう。 そして一番多い誤解にもとづく批判は、なんと「『元寇』のときに高麗は対馬を侵略した! 『応永の外寇』でも対馬を侵略した! 謝罪せよ!!」というものである。 これらの怒りも「誤解」に基づくか、重要な文脈を省いてしまっている。 【誤解3】「『元寇』と『応永の外寇』は朝鮮側起点の一方的侵略だったから、秀吉の朝鮮出兵も正当化でき、そもそも朝鮮側が悪い!」 そもそも「元寇」では、高麗軍および三別抄(さんべつしょう/モンゴルへの服属を拒んだ高麗国軍の一部の勢力)が約40年にわたってモンゴル軍に対抗したおかげで、日本へのモンゴル(元)の襲来は大幅に遅れた。 当初高麗は、モンゴルが日本を攻めれば自分たちが巻き込まれるので、日本にモンゴルに服属するよう遣いを送っていた。また、これとは別に三別抄は、モンゴルに対抗していたときに、日本に「モンゴルへの共闘」を呼び掛けた。 鎌倉幕府はこの相反する状況を理解できず、幕府と朝廷で指揮系統が混乱していたこともあって、回答しなかった。 そんな文脈のなか、当時の高麗王朝はモンゴルに対する姿勢で派閥争いがあったので、モンゴルをバックに高麗王朝に君臨しようとした忠烈王(ちゅうれつおう)が、フビライハンの歓心を買うべく自国民を犠牲にし、日本の大宰府攻めを進言したと言われている。 これは、日本にとっては大迷惑だが、反モンゴル派の高麗人にとってもたまったものではなかっただろう。 「元寇」から約150年後の室町時代にあった「応永の外寇」は、倭寇が朝鮮を襲い、これに対抗するために朝鮮軍が遠征したものである。 そのどちらも、秀吉による朝鮮出兵や、明治政府による「日韓併合」を正当化する類のものでもないのだが、近年ネットで「元寇と応永の外寇は朝鮮側起点の一方的侵略だったから、秀吉の朝鮮出兵も正当化でき、そもそも朝鮮側が悪い!」などという誤解がかなり広まっているので、念のため解説しておくこととした。 それにしても、「元寇」や「応永の外寇」で、なんで私が非難されなければならないのだろうか』、「「大日本帝国」に占領され、かつ日本が負けなければ、朝鮮半島が南北に分断されることもなかったわけだが、その分断コストと統一コストは、どれほど巨額だろうか?」、「分断コストと統一コスト」を日本に責任があるとする考えにはついてゆけない。「『元寇』のときに高麗は対馬を侵略した! 『応永の外寇』でも対馬を侵略した! 謝罪せよ!!」、こんな馬鹿な主張をしている日本人は仮にいたとしても、ごく少数で、こんなところで取上げるべきなのだろうか。
・『なんと筆者に「元寇」の賠償要求も! なかでも私に対する批判の中でも衝撃的なケースでは、「元寇のとき、高麗軍に私の先祖が4人殺されたので、1人1億円で合計4億円、筆者(つまり私)が賠償せよ!」というものもあった。 さらに、比較的面倒見のいい私でも付き合いきれないのが、「刀伊(とい)の入寇」への謝罪要求だ。これ、1000年くらい前に中国大陸に住む北方民族の女真族(じょしんぞく)を中心とした海賊が攻め込んできたときの話だから、いくら何でも私には関係ないのではなかろうか。 それでも、私が謝ることで気が済むのなら、謝罪いたしましょう。「刀伊の入寇、なんか知らないけど、ごめんね」。 ここまでお読みくださったかたの中には、プンスカ激怒されている人もいらっしゃることだろう。「反日韓国人が、また嘘を垂れ流している!」と。 ちなみに私は、「北朝鮮のスパイ」とも書かれている。「一人南北統一」で、八面六臂の大活躍ではないか。 【誤解4】「ムーギー・キムは在日だから韓国批判はしない」 しかし私は『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』では、韓国の擁護だけでなく、数多くの韓国批判も行っている。 韓国側は、ぜひ次のような点をきちんと記憶すべきであろう。 ・韓国は、戦後の日本からの経済協力がなければ、漢江の奇跡をあの速さで起こせなかった ・日本には、韓国が感謝すべき「有り難い人」がたくさんいる ・韓国は的外れな怒り方で自爆している ・当事者でもない今の若い日本人に、いつまでも謝罪を求めるのは的外れ ・過度な旭日旗批判は、私が見ても失笑ものの言いがかりに見える ・元徴用工への慰謝料は、日本に支払わせるべきでない 他にも、高麗王朝の魂を元に売った忠列王は大迷惑などうしようもない人物だと思うし、ベトナム戦争での民間人虐殺にも、私は極めて批判的である。 私はこれまでも、一部の韓国人にとっては私が「親日派の嫌韓主義者」と批判されるようなこともたくさん書いているし、韓国人コミュニティの掲示板で私が猛批判をされることもある』、間に立っている人間が、双方から批判されるのは、よくあることだ。
・『日本と韓国双方に愛情を抱くからこそ書けた1冊 私は重ね重ね、日本側の読者にさえおもねればいい一部の作家や、韓国側の読者さえ喜ばせればいい韓国の一部の政治家は、なんとラクな商売かと思ってきたものである。 しかし、両国双方の読者に認知不協和を起こし、猛批判と罵詈雑言を受けようとも、両国の「言い分」と「誤解」をそれぞれ知っている私が、そして何よりも日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている私が、「これを書かなければ誰が書くのか」という覚悟で執筆したのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』である。 今回のコラムをお読みくださったあなたは、「そっか、日本と韓国って」と検索しながらすっくと立ち上がり、「ムーギー・キムよ、見直した、その通りや!」とスタンディングオベーションをして、周りの人に奇異な目で見られているだろうか。 それとも、「やはり『反日韓国人』とはわかり合えない。国際合意を無視した裁判所の判決を、私は忘れていませんよ?(ニヤリ)国交断絶に限ります」とネットでコメントして、コメント欄を焦土にされているだろうか? その答えは、いま本コラムを読んでおられる、あなたのみぞ知る、である』、「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている私が、「これを書かなければ誰が書くのか」という覚悟で執筆したのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』である」、前述のように、同氏が記述する韓国人の日本批判には、私が知らなかった点もあり、興味深いが、日本人の韓国批判には、そんな批判が本当にあるのかと疑問に思うものもある。それでも、全治としては、「「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている」筆者らしい力作だ。今後のさらなる著作に期待したい。
先ずは、8月9日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/609965
・『日韓関係が悪化した最大の原因となっている徴用工問題について尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後、韓国政府の動きが活発になっている。 5月の新政権誕生後、韓国側はそれまでとは打って変わって日本側に首脳会談の実現や外務相訪日を積極的に働きかけてきた。その結果、林外相と韓国の朴振(パク・チン)外相の会談は2回おこなわれ、スペインで開かれたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議出席の機会を生かして岸田首相と尹錫悦大統領の数分間の立ち話も実現した。 いずれの機会も徴用工問題が取り上げられ、問題解決に向けで協議を加速することで一致している。首脳や外相レベルがほとんど没交渉だった文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に比べると様変わりだ。 一方、韓国内では7月初めに外交部主宰で専門家のほかに原告側代表も参加する官民協議会がスタートした。問題解決に向けての対応策などを協議する場で、すでに2回、開催されている』、「尹錫悦大統領」の登場で、日韓関係は一気に前進すると思っていたが、ペースは予想外にスローだ。
・『尹錫悦政権は大法院に意見書を提出 徴用工問題は文政権下で複雑化し両国の国民感情も加わってにわかに解決することは困難とみられる。いったい、韓国政府はどうしようとしているのか、日本政府関係者も尹錫悦政権の一連の動きの意図をはかりかねていた。しかし、7月26日に韓国政府が最高裁判所にあたる大法院に徴用工問題に関する意見書を提出したことで、その意図や狙いが明らかになった。 大法院に提出する意見書というのは法的に規定されており、「国家機関や地方自治体が公益に関連した事項に関し、大法院に裁判に関する意見書を提出することを認める」とされている。 そして今回の意見書には徴用工問題に関連して、「韓国政府は韓日両国の共通の利益に合致する合理的な解決策を模索するため対日外交を続けており、被害者への賠償問題の解決策を探る官民協議会を通じて原告の意見を聴くなど多角的な外交努力を傾けている」と書かれている。 この記述の意味するところは、韓国政府は問題解決に向けて最大限の努力をしている。だから日本企業の資産の現金化を認める判断は当面、待ってほしいということなのだ。 徴用工問題に関する裁判は、原告である元徴用工の主張が認められ日本企業に損害賠償金を支払う大法院の判決が確定している。そして三菱重工など日本企業の資産が差し押さえられ現金化手続きに入ることも認められた。 これに対して日本企業側が異議を唱えて再抗告した。それに対する大法院の判断が早ければ8月中にも出される見通しとなっている。再抗告が棄却されると、日本企業の資産が競売にかけられ現金化が現実のものとなるわけで、徴用工裁判はギリギリの最終段階にきているのだ』、「大法院の判断」は9月25日付けの聯合ニュースによれば、担当判事の退官により最終決定が遅れる見通しになった、とのことである。
・『現金化をとりあえず止めて、解決策を模索する構え 徴用工問題の抜本的な解決策を短期間でまとめることは不可能に近い。しかし、現金化のタイムリミットが目の前に近づいている。現金化によって日韓関係を決定的に悪化させることは回避しなければならない。そう考えた韓国政府は、原告側との話し合いの場を動かすとともに日本政府との協議にも積極的に取り組み、その実績を意見書として大法院に伝えることで現金化決定の先送りを実現する。そのうえで少し時間をかけて当事者が合意できるような解決策を模索する、という二段構えの対応に出たのだ。 尹錫悦政権の意図が明らかになると、当然のことだが原告側は激しく反発した。原告側にとって大法院の判断延期は救済措置の延期でもある。「憲法が保障した迅速な裁判を受ける権利を侵害したものだ」「意見書提出は被害者側の権利行使を制約する重大な行為」などと批判し、発足間もない官民協議会からの離脱を決めてしまった。 当面の問題は大法院がどういう判断をするかだ。大法院は14人の裁判官で構成されているが、その大半が文在寅政権時代に選任されており、進歩系の考えの持ち主で占められている。従って保守系の尹錫悦政権の意向に沿うような判断がなされるかは予断を許さない。 仮に現金化が現実のものとなれば、日本政府は対抗措置を取らざるをえなくなり、日韓関係改善の機運は一気に消えてしまう。ウクライナ戦争に加え台湾をめぐる中国の動きが緊迫している中、日韓関係の崩壊は中国を利するだけでなく地域の安全保障にとっても深刻な問題になるだろう。それだけに現金化阻止に向けた尹錫悦政権の活発な動きは歓迎すべきことだ。 しかし、韓国政府の思惑通り当面の現金化が先送りされても、その先の見通しは甘くない。最大の理由は尹錫悦大統領の極端な不人気である。 5月に就任してわずか2カ月余りしかたっていないのだが、尹錫悦政権の支持率は当初の5割超が一気に低下し、8月初めには20%台前半まで落ち込んだ。国民感情の動きが激しいと言われる韓国でもあまり前例のないことだ』、「大法院は14人の裁判官で構成されているが、その大半が文在寅政権時代に選任されており、進歩系の考えの持ち主で占められている。従って保守系の尹錫悦政権の意向に沿うような判断がなされるかは予断を許さない」、当面の注目点は、退官した「担当判事」の後任の判断だ。
・『身内を多く登用、エリート意識が強い 不人気の理由がさらに深刻だ。世論調査結果が指摘するのは、大学時代などの同級生や検察官時代の部下など身内を数多く登用する人事、政治家としての経験や資質の不足、国民が直面している不景気やインフレなどの問題への取り組みの欠如といった政権の体質批判だ。 尹錫悦大統領は文在寅政権時代に検事総長に抜擢されたが、文大統領の側近の法相に対する捜査を進め辞任に追い込むと、一転して大統領側からの反撃にあい職務停止命令を受けるなど文大統領と戦い続けてきた経験を持つ。いかなる困難に直面してもくじけない芯の強さやエリート意識は大統領になっても変わらないようだ。 マスコミに支持率低下についての感想を聞かれると尹大統領は、「大統領選挙の時も支持率は別に気にしなかった。特に意味がない」「支持率低下の原因がわかればどの政府もうまく解決したでしょう」などと応じている。また、閣僚候補から相次いで不祥事が発覚した時には、「前政権で指名された長官の中でそれほど立派な人を見ましたか」と記者を指さして不快感を表したという。その様子がそのまま報道されるのであるから、支持率が上がりようはないだろう。 特に人事は大統領府の秘書官らに検察官や元検事を多数起用し、「ソ・オ・ナム」(ソウル大学出身の50代の男性という意味)と揶揄されている。権力中枢が同質性の高いエリートだけで構成される政権は、必然的に国民との距離ができてしまう恐れがある。 つまり発足間もない尹政権は安定的なハネムーン期間もないまま、政権基盤が不安定な状況に陥っているのだ。しかし、韓国は日本以上に政権の支持率の浮き沈みが激しく、尹政権がこのまま低迷を続けるとはかぎらない』、「「ソ・オ・ナム」・・・と揶揄」されるような側近政治は止める方がよさそうだ。
・『日本政府もできる範囲で積極的に動くべき 徴用工問題の全面的解決には、韓国政府と被害者やその支援団体などが解決案に合意すること、日韓両国政府さらには日本企業も合意すること、さらには必要に応じて韓国議会で予算などの手続きが進められることなど、この先乗り越えなければならないハードルが多い。 日本政府は、表向き徴用工問題は韓国側が一方的に起こした問題であるから、韓国側の出方を見守るという姿勢で一貫している。日本側から提案はしないというのだ。しかし、韓国政府が問題解決に積極的に取り組み始めたことは評価すべきであるし、問題解決が日本の国益に沿うものであるとともに地域の安定にも寄与することは言うまでもない。韓国側の前向きな対応を好機ととらえ、日本政府も可能な範囲で積極的に動くべきときであろう』、「韓国政府が問題解決に積極的に取り組み始めたことは評価すべきであるし、問題解決が日本の国益に沿うものであるとともに地域の安定にも寄与することは言うまでもない。韓国側の前向きな対応を好機ととらえ、日本政府も可能な範囲で積極的に動くべきときであろう」、同感である。
次に、9月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは、元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/309195
・『日韓関係改善のために尹錫悦政権が行うべきこと 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は対日関係の改善に苦悩している。それは文在寅(ムン・ジェイン)政権が日韓の歴史問題において過去の合意を無視、安全保障問題において日本との協力をほごにし、日本に反目する行動を取ってきたからである。 具体的には、次のことが挙げられる。) 元徴用工の個人補償問題は未解決だと主張し、司法による日本企業資産の差し押さえの動きを助長し、それが現金化に進もうとする現状を放置してきた。 元慰安婦に関する2015年の合意を事実上ほごにし、日本から10億円の支出で設立された「和解・癒やし財団」を事実上解散した。 韓国海軍が海上自衛隊のP1哨戒機に対し、射撃統制用の火器レーダーを照射し、その事実を隠蔽(いんぺい)した。 海上自衛隊旗と戦前の日本軍の旭日旗と同一視、それを掲揚した自衛隊艦船を韓国の国際観艦式から締め出した。 GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の一方的終了を通告した。その後米国の圧力を受け終了通告の効力を停止した。 東京オリンピックの際、豊臣秀吉の水軍を撃破した李舜臣将軍の言葉を引用した横断幕を掲揚、また東京オリンピック組織委員会の聖火リレーマップに竹島の記載が小さくあるのを政治宣伝として削除を求めた。 福島第一原子力発電所から出た処理水の海洋放出を非難し続けている。 竹島周辺での海洋調査など一方的な行動を取り続けている。 文在寅前大統領は日本に対して対決姿勢を取り続けてきた。その過程で反日世論を盛り上げ、日本製品に対する不買運動も展開した。その結果、日本の嫌韓感情は最高潮に達し、「文在寅政権を相手にせず」の雰囲気が日本の政府内ばかりでなく国民感情としても沸き上がった。 尹錫悦政権は就任以来、政府ベースでは過去最悪となったこうした日韓関係を改善するべく取り組んできた。しかし、文在寅政権によって積み上げられた反日・嫌韓感情は容易には改善しない。当面は、これ以上の悪化を防ぎつつ、対話を増やしていく中で、関係改善を模索していくことになるだろう。 そのために急を要するものは、徴用工問題で日本企業資産の現金化を防ぐことである。もしも現金化されれば、日韓関係はしばらく修復不可能になろう。 そして東アジアの安全保障にとって障害となっている日韓関係の不安要素を除去することが必要だ。日韓の不信を助長しているのは、自衛隊機に対する射撃統制レーダーの照射、海上自衛隊旗を旭日旗として排除する姿勢、GSOMIAの終了通告などである』、「文在寅政権によって積み上げられた反日・嫌韓感情は容易には改善しない。当面は、これ以上の悪化を防ぎつつ、対話を増やしていく中で、関係改善を模索していくことになるだろう。 そのために急を要するものは、徴用工問題で日本企業資産の現金化を防ぐことである。もしも現金化されれば、日韓関係はしばらく修復不可能になろう」、「現金化」の阻止は至上課題だ。
・『日本企業資産の現金化を防ぐため 韓国政府は懸命の努力 徴用工を巡る三菱重工業への賠償命令を不服とする同社の再抗告について、審理をさらに続けるか判断する期限(8月19日)が迫る中、大法院(日本の最高裁に相当)は同日までに決定を出す可能性がある、と複数の韓国のメディアが報じていた。 その一方で、日本政府は韓国で日本企業に対する資産売却など現金化措置が取られる場合、厳しい「対抗措置」を準備しているとも報じられていた。 このため、韓国政府は、日本企業の資産の現金化を防ぐため、懸命の努力を行ってきた。 まず、韓国政府は解決策を見いだすべく、外交部(日本の外務省に相当)の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官の主宰で、徴用工支援者団体、法律代理人、学会専門家、言論・経済界から12人が参加する官民協議会を設立し、これまでに3回の会合を行った。しかし、元徴用工団体からは協力が得られていない。 外交部は大法院に対し、「徴用工問題解決に向けた外交的努力」を説明する意見書を提出した。これは、国家間の利害関係が対立する外交的事案の場合、行政府の立場が優先して反映されるべきという「司法自制の原則」を要請するメッセージだ。 朴振(パク・チン)外相は7月18日から20日まで訪日し、林芳正外相と会談し、岸田文雄首相を表敬した。両外相は会談で「韓国裁判所が日本企業の資産を現金化する最終結論を下す前に解決策を模索しなければならない」ということで認識を共有したが、具体策にまでは踏み込めなかった。日本側からはまず韓国が解決策を提示すべきと念押しされた。 尹錫悦大統領も、就任100日目の会見で、徴用工は大法院の判決で法による補償を受けることになっているが、「日本が懸念する主権問題の衝突なしに債権者が補償を受けることができる方法を模索している」と主張した。尹錫悦大統領自身が解決に努力していることを明言することで大統領の責任に転嫁し、批判を免れることができるようになった。 尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日韓国大使は、韓国特派員との懇談会で、日本企業の資産を現金化した場合、「韓国企業と日本企業との間で数百兆ウォン(数十兆円)とも言われるビジネスチャンスを失うこともあり得る」と述べたことの重大さを訴えた。 大法院は韓国政府の努力に期待し、決定を先延ばしした。それでも韓国のメディアは、この問題を担当してきた金哉衡(キム・ジェヒョン)大法官(最高裁判事)が9月4日に退官するので、その前に決定があるはずだと一斉に報じた。 しかし、結論から言えば筆者が主張した通り、金大法官は退官後にその決定が韓国経済に甚大な被害が及ぶことは望まず、決定は行わなかった。 金大法官の退官に伴い、後任の裁判部がいつ構成されるかもわからない状況となっている。オ・ソクジュン大法官候補に対する国会人事聴聞会特別委員会の報告書採択が与野党の合意の不発により、大法官の空白も長期化する展望である。 こうした事態の進展によって、尹錫悦政権は時間稼ぎをすることができるようになった。 それ以上に重要なことは、元徴用工団体として裁判を通じて早期解決の見通しが立たなくなったことで、尹錫悦政権との話し合いに応じる期待が出てくる可能性があることであろう。 こうした中、朴振外相は2日、光州を訪問、元徴用工と面会した。元徴用工を支援する市民の会は当初、外交部は朴外相との面会を求めるよりも先に大法院に出した意見書に対する謝罪が先であると主張していた。それでも朴外相と元徴用工は面会を行った。 朴外相は元徴用工と面会し、「強制徴用被害者の方々の問題をできる限り早期に誠意を持って解決していくという強い意思を持っている」「問題がうまく合理的に解決するようにしたい」と伝えた。 しかし、面会後、記者団から「意見書を撤回する意思があるのか」と問われ、「大法院の民事訴訟規則など法令と手続きに基づいて正当にしたものであり、撤回する考えはない」と回答した。 さらに「韓日交渉を通じてこの問題を合理的に解決していくため、近く日本を訪問して林外相と協議する」と述べた。 韓国政府が徴用工問題の解決を模索して設立した官民協議会の第4回会合は5日に開催される予定であるが、元徴用工支援団体はこれには参加しない予定だという。徴用工を巡る問題の解決策づくりはまだしばらく時間がかかりそうである』、「韓国政府が徴用工問題の解決を模索して設立した官民協議会の第4回会合は5日に開催される予定であるが、元徴用工支援団体はこれには参加しない予定だという。徴用工を巡る問題の解決策づくりはまだしばらく時間がかかりそうである」、なるほど。
・『レーダー照射問題は包括的に解決する意向 2018年、日本海で遭難した北朝鮮漁船を捜査中だった韓国の駆逐艦「広開土大王」は近くを飛行する日本海上自衛隊のP1哨戒機に向けて射撃統制レーダーを照射した。これに対し、韓国海軍は、日本に向けたレーダー照射は誤解、レーダー照射はしていないなど、弁明が二転三転していた。 しかし、 与党「国民の力」の申源シク(シン・ウォンシク)議員は、韓国軍当局が2019年2月に海軍へ通達した「日哨戒機対応指針」を暴露した。これは日本の自衛隊機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するよう規定したものである。しかも、同指針は青瓦台国家安保室が主導したものの由である。事件は指針の出る前であるが、日本のP1に対してレーダーが照射された高い可能性を裏付けるものだろう。 (シン・ボムチョル)国防次官は2日に報道された毎日新聞とのインタビューで「公式的に(韓国艦艇の日本哨戒機に向けた射撃統制)レーダー照射はなかったというのがわれわれの立場だが、両国関係の改善と国防協力の観点で包括的に解決する意思がある」と述べた。 この発言は韓国政府の公式の立場としてはっきりと過ちを認めたわけではないが、今後の話し合いの中で、説明するとの意向が含まれているのではないか。 申次官は、文在寅政権当時の指示について「指針ではないが、文政権は日本に対してのみ追加手続きを実施した」「適切かどうかは疑問だ」と述べた。これは事実上誤りを認めたものではないか。 日韓で安保協力を進めていくためには、自衛隊機に対するレーダー照射事件について決着をつけることは不可欠であり、韓国の国防次官の発言はその一歩となるかもしれない』、「韓国軍当局が2019年2月に海軍へ通達した「日哨戒機対応指針」を暴露した。これは日本の自衛隊機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するよう規定したものである。しかも、同指針は青瓦台国家安保室が主導したものの由である。事件は指針の出る前であるが、日本のP1に対してレーダーが照射された高い可能性を裏付けるもの」、やはり「青瓦台国家安保室が主導」したとは、「文在寅政権」らしい行動だ。
・『海上自衛隊観艦式への出席は日韓協力の再出発の象徴に 8月23日、日本政府は「11月に開かれる海上自衛隊創設70周年国際観艦式に韓国海軍を招待した」と発表した。前回2019年の観艦式の折には、自衛隊哨戒機への韓国駆逐艦からのレーダー照射問題などで日韓関係が緊迫しており、韓国海軍は招待されなかった。今回の招待は2015年以来7年ぶりのことである。 しかし、韓国海軍の参加は韓国にとっても難しい決定である。韓国では日本の海上自衛隊旗が旭日旗であり、日本帝国主義の象徴とみる向きがある。特に文在寅政権は、韓国軍の出席する行事から旭日旗の排除を求めていた。18年10月に韓国・済州島で開かれた国際観艦式では、韓国が日本に対し、旭日旗の掲揚自粛を要請。日本は参加を取りやめた経緯がある。 海自の観艦式では、旭日旗が掲揚されることから、参加には慎重であるべきとの声も韓国では少なくない。 しかし、尹錫悦政権は日本側の招待を受けて観艦式に参加し、海上捜索・救難共同訓練も行うことを前向きに検討している模様だ。 今回、韓国海軍が観艦式に出席することは、尹錫悦政権が文在寅政権の束縛から解放され、安全保障面で日韓協力の再出発の象徴となるのではないか』、「今回、韓国海軍が観艦式に出席することは」、「安全保障面で日韓協力の再出発の象徴と」なってほしいものだ。
・『尹錫悦政権への交代で高まるGSOMIA復活の可能性 日本政府は19年7月、韓国に輸出した戦略物資が不正に中国や北朝鮮に再輸出されている懸念があるとして、韓国を包括的な輸出許可の対象から除外し、個別に許可を得る必要がある国に指定替えした。文在寅政権はこれに反発し、日本に対しGSOMIAの終了を一方的に通告した。 しかし、日韓のGSOMIAは北朝鮮の核・ミサイル実験の際の情報共有に効果を発してきたものであり、北朝鮮の核・ミサイル開発が極めて進展しているときに破棄するのは北朝鮮や中国の思うつぼである。北朝鮮の核・ミサイル開発に対して危機感の足りなかった文在寅政権ならではの判断だろう。 尹錫悦政権に代わり、韓国から中国や北朝鮮に対し戦略物資が不正に輸出される可能性は極めて低くなっている。文在寅政権の頃の戦略物資の管理体制とは根本的に改善が見られるだろう。 したがって、戦略物資の輸出問題について韓国政府と建設的な調整を行う余地は広がっており、それを受けてGSOMIAの終了を一時停止している状況を改め、完全復活させることは可能であろうし、日韓首脳会談が開かれれば、その方向で話し合いが行われるのではないか。 文在寅政権の後遺症がいまだ残る中、日韓の関係改善は一朝一夕には実現しないだろう。その第一歩として日韓首脳会談が実現したときに多くの問題を同時に解決できるよう外交当局の根回しが必要である。いずれにせよ、関係改善の糸口をつかむ前に、関係を悪化させることはぜひとも避けたいものである』、「尹錫悦政権に代わり、韓国から中国や北朝鮮に対し戦略物資が不正に輸出される可能性は極めて低くなっている」、「戦略物資の輸出問題について韓国政府と建設的な調整を行う余地は広がっており、それを受けてGSOMIAの終了を一時停止している状況を改め、完全復活させることは可能であろうし、日韓首脳会談が開かれれば、その方向で話し合いが行われるのではないか」』、「韓国を包括的な輸出許可の対象」に復活させ、「GSOMIAの」「完全復活」させてほしいものだ。
第三に、9月17日付け東洋経済オンラインが掲載した『最強の働き方』『一流の育て方』著者 のムーギー・キム氏による「「韓国に怒ってる日本人」に多い、超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ、元寇の謝罪」と言われても…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/618365
・『「そっか、日本と韓国って」と検索したことがあるだろうか? 「韓国へのイライラ、日本へのモヤモヤがいっきに解消する」「グローバルな視点で、確かな学術論文に依拠して書かれている」「爆笑エピソードが満載で、絶対にこの著者にしか書けない」と話題を呼び、『週刊ダイヤモンド』『PRESIDENT』等のビジネス誌の書評でも評価されているのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』だ。 著者は、『最強の働き方』『一流の育て方』などのベストセラーでもよく知られる、著作累計70万部のムーギー・キム氏。京都に生まれ、日韓両国の文化の中で育ち、フランス・香港・シンガポールで学び働いてきた。同書は、著者が「人生を通じて最も書きたかった1冊」という。 以下では、そのムーギー氏が、「なぜか行ったこともない韓国に大激怒している人たちにありがちな、よくある4つの残念な誤解」について考える』、「ムーギー・キム氏」は「日韓」関係を述べるには最適の人物のようだ。
・『どちらの「研究結果」を信じるかは、あなた次第 「そっか、日本と韓国って」と検索したら、韓国へのモヤモヤのすべてがクリアに解決するというのが、近頃の私の中での定説になっている。 しかし、皆様そうなされないからか、日韓関係および私、ムーギー・キムへの誤解は根強い。 前回のコラムに対しても、おそらく遺伝子研究のイの字も知らないだろう方々が、2012年の日本人類遺伝学会による発表や、2019年5月13日の国立科学博物館による発表に異を唱え、それはそれは得意げに「Y染色体D系統は、日本人が韓国人と別人種であることの証だ」などなどと1000件くらいの批判コメントを寄せられるのだ。これを読んだ私の開いた口は塞がらず、逆に閉じた瞼が二度と開くことはないのである。 D系統の割合が日本は他の東アジアより高いというだけで、それでも韓国と同様にO系統が一番多いことなど細かいことを書くと果てしないので、やめておこう。人は所詮、信じたいことを信じる生き物だ(「それはお前のことだろ!」と数多くのブーメランがコメント欄で飛び交う姿が目に浮かぶ)。 それでもネットのどこぞで目にした怪しげな「研究結果」か、2019年という最近の、我らが国立科学博物館の「研究結果」のどちらに信憑性を感じるかは、読者の皆様に委ねるしかないのだ。 それにしても、この連載コラムを書けば書くほど、ネットで熱心にコメントを書き込んでくださる皆様と私の溝が広がっているのでは、と心配になっている。 そこで、皆様の温かい、時に熱すぎる叱咤激励に感謝の気持ちを捧げつつ、今日も元気に、深すぎる教養コラムを書かせていただこう。) 日韓関係でよく問題になるのが、「韓国は国際合意を遵守していない」という議論である。 「日本政府は合意を守っている。守っていないのは韓国のほうだ」と思っている人は多いだろう。しかし韓国では、日本の政治家こそ「国際合意を無視し、過去を蒸し返す」と思っている。 こう書くと早くも大激怒されそうだが、念のため血圧を下げる薬を飲みながら、以下を読み進めていただきたい。 【誤解1】
「日本政府は国際合意を守っているのに、韓国政府が一方的に破棄してきた」 1993年の河野談話や1995年の村山談話では、「戦争の悲惨さを若い世代に語り伝え」「歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ」と語られた。 ところが、実際には、その後のタカ派による長期政権の間に、慰安婦の記述などは大半の教科書から削除または削減され、「愛国心教育」が強化された。これで、合意を守っていると言えるだろうか?』、「実際には、その後のタカ派による長期政権の間に、慰安婦の記述などは大半の教科書から削除または削減され、「愛国心教育」が強化された」、そんな事実は知らなかったので、愕然とした。
・『日本は政権がなかなか変わらないだけ 「韓国は政権が変わるたびにコロコロ変わる」と言われる。しかし、日本はたんに政権がなかなか変わらないだけで、政権を担う勢力が変われば、外交政策や歴史認識、約束ですら、コロコロ変わるのである。 2015年の慰安婦合意では、「最終的かつ不可逆的に解決される」と相互に確認された。 これは韓国側からすれば、日本政府や政権に影響のある政治家たちから、「慰安婦は嘘だった」などと、また村山談話に実質的に反する声が出てくることを牽制するものだった(ただし、私は慰安婦合意に対する韓国政府の対応を擁護するものではない)。 2015年に世界文化遺産に登録された軍艦島に関しても、強制連行等について「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と日本政府が国際的に約束している。 しかしそれにもかかわらず、その約束が守られなかったことから、ユネスコから日本政府に遺憾決議が出されて、「合意を履行するように」という批判があったのである。 また、元徴用工への慰謝料の支払い問題については、1965年の日韓基本条約での曖昧な合意が根底にある。日韓基本条約では、植民地支配の合法性・違法性に関して、日韓の間で合意はなく、棚上げされたのをご存じだろうか。 その結果、「合法論」に依拠する日本政府の立場では、元徴用工に支払われたのは「未払い賃金」であり、併合は合法なので「慰謝料は不要」ということになった。 しかし、「違法論」に依拠する韓国政府の立場では、未払い賃金は払われたが、慰謝料は払われていないという理解である』、「軍艦島に関しても、強制連行等について「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と日本政府が国際的に約束している。 しかしそれにもかかわらず、その約束が守られなかったことから、ユネスコから日本政府に遺憾決議が出されて、「合意を履行するように」という批判があった」、「日韓基本条約では、植民地支配の合法性・違法性に関して、日韓の間で合意はなく、棚上げされたのをご存じだろうか。 その結果、「合法論」に依拠する日本政府の立場では、元徴用工に支払われたのは「未払い賃金」であり、併合は合法なので「慰謝料は不要」ということになった。 しかし、「違法論」に依拠する韓国政府の立場では、未払い賃金は払われたが、慰謝料は払われていないという理解である」、いずれも恥ずかしながら知らなかった。日本のマスコミももっと丁寧に説明すべきだ。
・『「正当性」と「合法性」は違う問題 しかも韓国では、この日韓基本条約が結ばれたとき、民意を代表しない軍事独裁政権が、国民の反対を押し切ってこの問題を棚上げにしたのだった。 日韓併合の実態や経緯に関する学術的証拠に関しては、長くなるので詳細は新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』に譲ることにする。 ただし考えてみていただきたいのは、イギリスが清国に仕掛けたアヘン戦争も、侵略した側にとってみれば「合法」だった。 アメリカによるイラク侵攻も、ロシアによるウクライナ侵攻も、やっている側としては「合法」という主張である。 「正義」と「合法」、そして「正当性」と「合法性」は、また違う問題なのである。 次によく目にするのは、「日本から金をせびるために、歴史問題を蒸し返す」という言説だ。 【誤解2】「韓国は、日本から金をゆするために歴史問題を蒸し返す」 しかしながら、たとえば慰安婦合意で日本が拠出した10億円は、韓国の200兆円に迫るGDPの何%だというのだろうか(念のために言っておくと、20万分の1=0.00005%である)。 韓国内でも、「そんなはした金を受け取って、こんな合意を結ぶのか! 全額返せ!」という議論が沸騰していたし、村山談話のときの民間からの寄付金に関しても、「国家賠償という性質ではないので、受け取るな!」という反発が強かったのをご存じだろうか。 もし、いま問題になっている元徴用工への賠償で差し押さえられた資産を現金化したとしても、その時に得られる金額は全体的にはごくわずかだ。 その後の経済紛争で生じる損失に比べれば微々たる金額であり、「経済的な観点からも、この現金化は合理的ではない」と韓国国内でも議論されている』、「慰安婦合意で日本が拠出した10億円は」「韓国の200兆円に迫るGDPの」「20万分の1」、「韓国内でも、「そんなはした金を受け取って、こんな合意を結ぶのか! 全額返せ!」という議論が沸騰」、なるほど。
・『では、韓国が求めているのは? 韓国側の当事者が求めているのは、「お金」よりも「許し、前に進むための名分」であり、村山談話や河野談話のときのように、あとでその趣旨を覆すような発言をしたり、骨抜きにされたりすることがない、「真心」すなわち「チンジョンソン(真の意志)」がこもった謝罪の気持ちなのである。 ちなみに、日韓基本条約のときに日本から韓国に「経済協力金」が流れているが、その資金の使途は、特定の日本企業からの購入費用に充てられることになっていた。 その後、毎年のように何兆円もの巨額の貿易黒字を日本が韓国からずっと獲得することの遠因になっていることも、理解しておきたい。日韓基本条約で、結果的に日本側も恒常的に儲けていたともいえるのだ。 また、「大日本帝国」に占領され、かつ日本が負けなければ、朝鮮半島が南北に分断されることもなかったわけだが、その分断コストと統一コストは、どれほど巨額だろうか? これを鑑みたとき、日韓基本条約で払った金額ばかりに目を向けるのではなく、巨額の分断・統一コストにも目を向けた、歴史に対する謙虚さは必要であろう。 そして一番多い誤解にもとづく批判は、なんと「『元寇』のときに高麗は対馬を侵略した! 『応永の外寇』でも対馬を侵略した! 謝罪せよ!!」というものである。 これらの怒りも「誤解」に基づくか、重要な文脈を省いてしまっている。 【誤解3】「『元寇』と『応永の外寇』は朝鮮側起点の一方的侵略だったから、秀吉の朝鮮出兵も正当化でき、そもそも朝鮮側が悪い!」 そもそも「元寇」では、高麗軍および三別抄(さんべつしょう/モンゴルへの服属を拒んだ高麗国軍の一部の勢力)が約40年にわたってモンゴル軍に対抗したおかげで、日本へのモンゴル(元)の襲来は大幅に遅れた。 当初高麗は、モンゴルが日本を攻めれば自分たちが巻き込まれるので、日本にモンゴルに服属するよう遣いを送っていた。また、これとは別に三別抄は、モンゴルに対抗していたときに、日本に「モンゴルへの共闘」を呼び掛けた。 鎌倉幕府はこの相反する状況を理解できず、幕府と朝廷で指揮系統が混乱していたこともあって、回答しなかった。 そんな文脈のなか、当時の高麗王朝はモンゴルに対する姿勢で派閥争いがあったので、モンゴルをバックに高麗王朝に君臨しようとした忠烈王(ちゅうれつおう)が、フビライハンの歓心を買うべく自国民を犠牲にし、日本の大宰府攻めを進言したと言われている。 これは、日本にとっては大迷惑だが、反モンゴル派の高麗人にとってもたまったものではなかっただろう。 「元寇」から約150年後の室町時代にあった「応永の外寇」は、倭寇が朝鮮を襲い、これに対抗するために朝鮮軍が遠征したものである。 そのどちらも、秀吉による朝鮮出兵や、明治政府による「日韓併合」を正当化する類のものでもないのだが、近年ネットで「元寇と応永の外寇は朝鮮側起点の一方的侵略だったから、秀吉の朝鮮出兵も正当化でき、そもそも朝鮮側が悪い!」などという誤解がかなり広まっているので、念のため解説しておくこととした。 それにしても、「元寇」や「応永の外寇」で、なんで私が非難されなければならないのだろうか』、「「大日本帝国」に占領され、かつ日本が負けなければ、朝鮮半島が南北に分断されることもなかったわけだが、その分断コストと統一コストは、どれほど巨額だろうか?」、「分断コストと統一コスト」を日本に責任があるとする考えにはついてゆけない。「『元寇』のときに高麗は対馬を侵略した! 『応永の外寇』でも対馬を侵略した! 謝罪せよ!!」、こんな馬鹿な主張をしている日本人は仮にいたとしても、ごく少数で、こんなところで取上げるべきなのだろうか。
・『なんと筆者に「元寇」の賠償要求も! なかでも私に対する批判の中でも衝撃的なケースでは、「元寇のとき、高麗軍に私の先祖が4人殺されたので、1人1億円で合計4億円、筆者(つまり私)が賠償せよ!」というものもあった。 さらに、比較的面倒見のいい私でも付き合いきれないのが、「刀伊(とい)の入寇」への謝罪要求だ。これ、1000年くらい前に中国大陸に住む北方民族の女真族(じょしんぞく)を中心とした海賊が攻め込んできたときの話だから、いくら何でも私には関係ないのではなかろうか。 それでも、私が謝ることで気が済むのなら、謝罪いたしましょう。「刀伊の入寇、なんか知らないけど、ごめんね」。 ここまでお読みくださったかたの中には、プンスカ激怒されている人もいらっしゃることだろう。「反日韓国人が、また嘘を垂れ流している!」と。 ちなみに私は、「北朝鮮のスパイ」とも書かれている。「一人南北統一」で、八面六臂の大活躍ではないか。 【誤解4】「ムーギー・キムは在日だから韓国批判はしない」 しかし私は『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』では、韓国の擁護だけでなく、数多くの韓国批判も行っている。 韓国側は、ぜひ次のような点をきちんと記憶すべきであろう。 ・韓国は、戦後の日本からの経済協力がなければ、漢江の奇跡をあの速さで起こせなかった ・日本には、韓国が感謝すべき「有り難い人」がたくさんいる ・韓国は的外れな怒り方で自爆している ・当事者でもない今の若い日本人に、いつまでも謝罪を求めるのは的外れ ・過度な旭日旗批判は、私が見ても失笑ものの言いがかりに見える ・元徴用工への慰謝料は、日本に支払わせるべきでない 他にも、高麗王朝の魂を元に売った忠列王は大迷惑などうしようもない人物だと思うし、ベトナム戦争での民間人虐殺にも、私は極めて批判的である。 私はこれまでも、一部の韓国人にとっては私が「親日派の嫌韓主義者」と批判されるようなこともたくさん書いているし、韓国人コミュニティの掲示板で私が猛批判をされることもある』、間に立っている人間が、双方から批判されるのは、よくあることだ。
・『日本と韓国双方に愛情を抱くからこそ書けた1冊 私は重ね重ね、日本側の読者にさえおもねればいい一部の作家や、韓国側の読者さえ喜ばせればいい韓国の一部の政治家は、なんとラクな商売かと思ってきたものである。 しかし、両国双方の読者に認知不協和を起こし、猛批判と罵詈雑言を受けようとも、両国の「言い分」と「誤解」をそれぞれ知っている私が、そして何よりも日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている私が、「これを書かなければ誰が書くのか」という覚悟で執筆したのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』である。 今回のコラムをお読みくださったあなたは、「そっか、日本と韓国って」と検索しながらすっくと立ち上がり、「ムーギー・キムよ、見直した、その通りや!」とスタンディングオベーションをして、周りの人に奇異な目で見られているだろうか。 それとも、「やはり『反日韓国人』とはわかり合えない。国際合意を無視した裁判所の判決を、私は忘れていませんよ?(ニヤリ)国交断絶に限ります」とネットでコメントして、コメント欄を焦土にされているだろうか? その答えは、いま本コラムを読んでおられる、あなたのみぞ知る、である』、「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている私が、「これを書かなければ誰が書くのか」という覚悟で執筆したのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』である」、前述のように、同氏が記述する韓国人の日本批判には、私が知らなかった点もあり、興味深いが、日本人の韓国批判には、そんな批判が本当にあるのかと疑問に思うものもある。それでも、全治としては、「「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている」筆者らしい力作だ。今後のさらなる著作に期待したい。
タグ:『最強の働き方』『一流の育て方』著者 「韓国政府が問題解決に積極的に取り組み始めたことは評価すべきであるし、問題解決が日本の国益に沿うものであるとともに地域の安定にも寄与することは言うまでもない。韓国側の前向きな対応を好機ととらえ、日本政府も可能な範囲で積極的に動くべきときであろう」、同感である。 「「ソ・オ・ナム」・・・と揶揄」されるような側近政治は止める方がよさそうだ。 「大法院は14人の裁判官で構成されているが、その大半が文在寅政権時代に選任されており、進歩系の考えの持ち主で占められている。従って保守系の尹錫悦政権の意向に沿うような判断がなされるかは予断を許さない」、当面の注目点は、退官した「担当判事」の後任の判断だ。 ムーギー・キム氏による「「韓国に怒ってる日本人」に多い、超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ、元寇の謝罪」と言われても…」 「尹錫悦政権に代わり、韓国から中国や北朝鮮に対し戦略物資が不正に輸出される可能性は極めて低くなっている」、「戦略物資の輸出問題について韓国政府と建設的な調整を行う余地は広がっており、それを受けてGSOMIAの終了を一時停止している状況を改め、完全復活させることは可能であろうし、日韓首脳会談が開かれれば、その方向で話し合いが行われるのではないか」』、「韓国を包括的な輸出許可の対象」に復活させ、「GSOMIAの」「完全復活」させてほしいものだ。 「今回、韓国海軍が観艦式に出席することは」、「安全保障面で日韓協力の再出発の象徴と」なってほしいものだ。 「韓国軍当局が2019年2月に海軍へ通達した「日哨戒機対応指針」を暴露した。これは日本の自衛隊機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合、「追跡レーダー照射」で対抗するよう規定したものである。しかも、同指針は青瓦台国家安保室が主導したものの由である。事件は指針の出る前であるが、日本のP1に対してレーダーが照射された高い可能性を裏付けるもの」、やはり「青瓦台国家安保室が主導」したとは、「文在寅政権」らしい行動だ。 「大法院の判断」は9月25日付けの聯合ニュースによれば、担当判事の退官により最終決定が遅れる見通しになった、とのことである。 「尹錫悦大統領」の登場で、日韓関係は一気に前進すると思っていたが、ペースは予想外にスローだ。 「慰安婦合意で日本が拠出した10億円は」「韓国の200兆円に迫るGDPの」「20万分の1」、「韓国内でも、「そんなはした金を受け取って、こんな合意を結ぶのか! 全額返せ!」という議論が沸騰」、なるほど。 「日韓基本条約では、植民地支配の合法性・違法性に関して、日韓の間で合意はなく、棚上げされたのをご存じだろうか。 その結果、「合法論」に依拠する日本政府の立場では、元徴用工に支払われたのは「未払い賃金」であり、併合は合法なので「慰謝料は不要」ということになった。 しかし、「違法論」に依拠する韓国政府の立場では、未払い賃金は払われたが、慰謝料は払われていないという理解である」、いずれも恥ずかしながら知らなかった。日本のマスコミももっと丁寧に説明すべきだ。 「軍艦島に関しても、強制連行等について「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と日本政府が国際的に約束している。 しかしそれにもかかわらず、その約束が守られなかったことから、ユネスコから日本政府に遺憾決議が出されて、「合意を履行するように」という批判があった」、 「実際には、その後のタカ派による長期政権の間に、慰安婦の記述などは大半の教科書から削除または削減され、「愛国心教育」が強化された」、そんな事実は知らなかったので、愕然とした。 それでも、全治としては、「「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている」筆者らしい力作だ。今後のさらなる著作に期待したい。 「日韓両国を「自分の故郷」だと思って愛情を抱いている私が、「これを書かなければ誰が書くのか」という覚悟で執筆したのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』である」、前述のように、同氏が記述する韓国人の日本批判には、私が知らなかった点もあり、興味深いが、日本人の韓国批判には、そんな批判が本当にあるのかと疑問に思うものもある。 間に立っている人間が、双方から批判されるのは、よくあることだ。 「『元寇』のときに高麗は対馬を侵略した! 『応永の外寇』でも対馬を侵略した! 謝罪せよ!!」、こんな馬鹿な主張をしている日本人は仮にいたとしても、ごく少数で、こんなところで取上げるべきなのだろうか。 「「大日本帝国」に占領され、かつ日本が負けなければ、朝鮮半島が南北に分断されることもなかったわけだが、その分断コストと統一コストは、どれほど巨額だろうか?」、「分断コストと統一コスト」を日本に責任があるとする考えにはついてゆけない。 「ムーギー・キム氏」は「日韓」関係を述べるには最適の人物のようだ。 「韓国政府が徴用工問題の解決を模索して設立した官民協議会の第4回会合は5日に開催される予定であるが、元徴用工支援団体はこれには参加しない予定だという。徴用工を巡る問題の解決策づくりはまだしばらく時間がかかりそうである」、なるほど。 「文在寅政権によって積み上げられた反日・嫌韓感情は容易には改善しない。当面は、これ以上の悪化を防ぎつつ、対話を増やしていく中で、関係改善を模索していくことになるだろう。 そのために急を要するものは、徴用工問題で日本企業資産の現金化を防ぐことである。もしも現金化されれば、日韓関係はしばらく修復不可能になろう」、「現金化」の阻止は至上課題だ。 武藤正敏氏による「韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは、元駐韓大使が解説」 ダイヤモンド・オンライン 薬師寺 克行氏による「韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが」 東洋経済オンライン (その17)(韓国・尹錫悦政権が模索する徴用工問題の出口 尹大統領の就任早々の不人気は不安材料だが、韓国・尹大統領を苦しめる日韓関係の「負の遺産」とは 元駐韓大使が解説、「韓国に怒ってる日本人」に多い 超残念な4大誤解 「4億円を賠償せよ 元寇の謝罪」と言われても…) 日韓関係