イーロン・マスク(その1)(イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは、お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」、マスク氏 プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる、Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか) [イノベーション]
昨日のツイッターに続いて、今日はイーロン・マスク(その1)(イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは、お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」、マスク氏 プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる、Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか)を取上げよう。
先ずは、7月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経営コンサルタントの竹内一正氏による「イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306983
・『「自動車を作ることと、宇宙ロケットを作ることはまったく違う」と誰もが思う。ところが、イーロン・マスクがCEOを務めるEV企業「テスラ」と、宇宙ロケット企業「スペースX」には驚くほどの共通点があった。イーロン・マスクについての著書を数多く執筆する経営コンサルタントの竹内一正氏が、イーロンのモノづくりの極意を解き明かす』、興味深そうだ。
・『イーロン・マスクは業界の枠を超えてモノを見る イーロンのモノづくりの特徴の一つ目は、業界の常識に縛られず、業界の枠を超えてモノを見る力だ。 例えば、テスラはモデルSに大型17インチのタッチパネルを搭載した。これは自動車業界初であり、アップルがまだiPadを出す前のことだった。 開発段階でイーロンは技術者とともに、ノートPCをモデルSの試作車に持ち込んでアイデアをぶつけ合った結果、コンソールボックスに縦型17インチのタッチパネルを設置することに決めた。モデルSの登場以降、大手自動車メーカーは大型タッチパネルを搭載するようになった。 「クルマは納車した日の性能から良くなることはない」 これは、自動車業界の暗黙の常識だった。だが、テスラ車はソフトウエアアップデートで購入後もクルマの性能がアップしていく仕組みを打ち立てた。しかし、PCやスマホ業界ではソフトウエアアップデートで機能や性能を向上させていくことは当たり前に行われてきたことだった。業界の枠や常識を超えてモノを見る姿勢が表れている。 それは、スペースXでも見られる。 ファルコンロケットの燃料タンクには、摩擦攪拌(かくはん)接合というタンカーなどで使われていた技術が使われている。摩擦攪拌接合は、作業速度が速く製造コストを抑えられる利点があった。 高エネルギーの宇宙線を浴びる宇宙ロケットには高信頼性の電子部品が必要とされ、民生品は使えないと考えられていた。そして“宇宙仕様”の電子部品はコストが高かった。 しかし、スペースXは業界の常識にとらわれることなく、コストのこなれた民生品をいろいろ導入している。たとえば、PCでおなじみのイーサネット(PCで使われているLAN規格)や、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)などだ。FPGAはロジック・デバイスの一種で、エンジニアが現場で書き換えが可能で、カスタムLSIよりコストが安くできる。 自動車業界も宇宙ロケット業界も歴史と伝統があるゆえに、業界の枠で物事を考えてしまい、枠を超えることを良しとしない風土がある。しかし、業界の枠を超えてモノを見ることで活路が開けることをイーロンは実証している』、「自動車業界も宇宙ロケット業界も歴史と伝統があるゆえに、業界の枠で物事を考えてしまい、枠を超えることを良しとしない風土がある。しかし、業界の枠を超えてモノを見ることで活路が開けることをイーロンは実証している」、凄いことだ。
・『イーロン・マスクが目指すゴールは「自動運転」 イーロンのモノづくりの特徴の二つ目は、「自動運転」だ。 テスラのEVが目指すのは、ハンドルを人が握って運転するのではなく、AIが運転する完全自動運転である。現時点でテスラの自動運転はレベル2だが、イーロン・マスクはレベル5の完全自動運転を実現すべく開発現場の技術者たちにハッパをかけている。 そこで重要なのがソフトウエアとハードウエアの融合だ。しかもそれをテスラの社内でやってのける。AIのソフトウエア開発からAIチップの設計までテスラは内製化している。詳しくは後述するが、テスラのモデル3のECU(電子制御ユニット)は、完全自動運転を見据えた設計となっている。 一方、スペースXのロケットも“自動運転”、つまりロケットの場合は“自動操縦“だが、これを目指して開発をしてきた。2021年9月には宇宙船クルードラゴンが4人の民間人を地上約580㎞の宇宙に運び、3日間の宇宙滞在を成功させたが、これは自動操縦で行われていた。 イーロンは、「火星に人類を移住させる」という目標を掲げて、スペースXを経営してきた。高度な訓練を受けたプロの宇宙飛行士ではなく、普通の人が火星に移住する。百万人単位で文明を作るのが目的だ。そのためには、普通の人が操縦できる宇宙ロケットが必要だ。 EVもロケットも乗り物にかわりはない。誰でも乗れる乗り物のゴールは、自動運転だ。そして自動運転はシンプルな設計とも関係する』、「EVもロケットも乗り物にかわりはない。誰でも乗れる乗り物のゴールは、自動運転だ」、言われてみれば、確かにその通りだ。
・『とことん極めればシンプルな設計になる テスラのEVモデル3の内装は極めてシンプルにできている。フロアにシフトレバーがないし、サイドブレーキもない。ハンドルの前にあるはずのスピードメーターもない。 あるのは15インチの横型タッチスクリーンだけ。これで速度表示もドライビングモードも、エアコン操作も、ヘッドライトの点灯も行ってしまう。 モデル3のシンプルな設計はECUの数にも表れている。ECUとは電子制御ユニットのことで、作動させる機能ごとに搭載し管理を行う。エンジン用、パワーステアリング用などがあり車体の各部に配置し、分散管理でクルマの円滑な走行を担う。 従来のガソリン自動車だと60個以上、多ければ100個のECUが組み込まれている。ECUにはおのおの電源が必要で、そのための配線も必要となりECUが多いほど複雑化する。 しかし、テスラモデル3のECUは5個しかなく、高度な集中管理型を実現していた。 しかも、自動運転機能は1つのECUにまとめられ、その半導体はテスラが設計し、演算能力は144TOPS(毎秒144兆回)と高性能だ。ちなみに、半導体設計まで自社でやる自動車メーカーはテスラ以外にはない。そして、その先にあるのは完全自動運転であることは言うまでもない。 モデル3の少ないECUはOTA(オン・ジ・エアー)でも効果的だ。OTAとは無線通信でソフトウエアのアップデートを行う機能のことだ。従来の分散型のECUだと個々にバージョンアップが必要だが、集中管理のモデル3では簡単にできる。 ECUは少ない方が配線も減らせ、省スペース化もやりやすくコストを下げられる。少ないECU化が、モデル3の3万5000ドル級の価格帯の実現に貢献している。 スペースXの再利用可能なロケット、ファルコン9の設計もシンプルにできている。 ファルコン9は2段式ロケットで、打ち上がった1段目が逆再生ビデオのように地上に帰還し、着陸後、再度打ち上げに利用できる。ファルコン9に搭載した宇宙船「クルードラゴン」は国際宇宙ステーションを往復し大気圏に再突入して洋上に着水後も、回収・修理を施して再利用がきる。 再利用を目指した設計のスペースシャトルと比較すると違いがよくわかる。 スペースシャトルは、飛行機のような形で三角翼と3基のエンジンを持つオービターと、それを背負うような巨大な外部燃料タンク。この燃料タンクはオービターのエンジンに液体燃料を供給する役目だ。そして、燃料タンクの両脇に固体ロケットブースターが2基装備され、まるで4つの巨大な物体が組み合わさったかの状態で打ち上げる。 固体ロケットブースターも外部燃料タンクも飛行途中で切り離され、使い捨てにされる。帰還し再利用されるのはオービターだけで、理論上は100回の使用に耐えるとされた。だが、再利用する際には多大な作業が必要となった。さらに飛行中に二度爆発事故を起こしたことを記憶している人は多い。 しかも、オービターの三角翼は帰還する際、グライダーのように滑空する時だけしか用をなさない。つまり、打ち上げの時は空気抵抗を増やす邪魔な代物でしかない。スペースシャトルの設計は政治的な影響もあって複雑になりすぎたのだった。 再利用をうたったスペースシャトルだったが、1回の打ち上げコストは約15億ドルもかかったのに対し、スペースXのファルコン9は0.62億ドルで、24分の1のコストで済んだ。 物理思考で原理を突き詰めれば、シンプルな設計に行き着く。これもイーロンのモノづくりの特徴のひとつだ』、「従来のガソリン自動車だと60個以上、多ければ100個のECUが組み込まれている」、「テスラモデル3のECUは5個しかなく、高度な集中管理型を実現していた。 しかも、自動運転機能は1つのECUにまとめられ、その半導体はテスラが設計し、演算能力は144TOPS・・・と高性能だ。ちなみに、半導体設計まで自社でやる自動車メーカーはテスラ以外にはない。そして、その先にあるのは完全自動運転であることは言うまでもない」、「再利用をうたったスペースシャトルだったが、1回の打ち上げコストは約15億ドルもかかったのに対し、スペースXのファルコン9は0.62億ドルで、24分の1のコストで済んだ。 物理思考で原理を突き詰めれば、シンプルな設計に行き着く。これもイーロンのモノづくりの特徴のひとつだ」、既存の常識の枠にとらわれない自由な発想には脱帽するしかない。
・『テスラもスペースXも技術革新とコストダウンを同時進行している テスラとスペースXに共通する重要で、しかも他社にはまねできない点を最後に取り上げよう。それは技術革新とコストダウンを同時に行う点だ。 テスラのEVは、従来のクルマにはない技術革新を遂げてきた。タッチパネルでの操作や、ソフトウエアアップデート機能、新型ECUの搭載などだ。しかも、これらをコストダウンと同時進行で行っていた。その結果は価格に表れている。 08年に出荷を始めたスポーツカーEVの「ロードスター」は10万ドルを超えていたが、12年に出したEVセダンの「モデルS」は7万ドル級になり、17年に登場した「モデル3」は3万5000ドルになった。 トヨタの燃料電池車「ミライ」が、いつまでたっても約700万円でもたついているのと大違いだ。 一方、スペースXのファルコン9は野口聡一宇宙飛行士たちを国際宇宙ステーションへ送ったことで日本でも有名になったが、再利用ができるロケットだ。ロケット再利用はNASAでもできなかった快挙だが、再利用以外の要素でも大幅なコストダウンも実現していた。 2011年、NASAは伝統的な方法でファルコン9を開発した場合、スペースXの約10倍のコストがかかると報告し、宇宙ロケット業界に衝撃を与えた。これは、ロケット再利用を考えない場合の試算であった。 2017年にスペースXが再利用ロケットの打ち上げに成功してからは、再利用を繰り返せば繰り返すほどロケットコストは安くなっていく。 さて、日本企業はどうかというと、まず技術革新を起こすことに注力する。そして、技術革新が成功してからコストダウンのフェーズに移る2ステップ方式が常識だった。自動車でも家電でもそうだった。 しかし、テスラとスペースXは技術革新と劇的なコストダウンを同時にやってしまう1ステップ方式だ。1ステップ方式はスピード感はあるが、その分リスクも大きい。経営トップにリスクテイクの覚悟がないとできない手法だ。しかし、グローバル競争ではこのスピード感がないと生き残れない。 リチウムイオン電池に代わるとされる「全固体電池」の開発記事を目にすることが多くあるが、重要な点は全固体電池が開発できたかどうかではない。その量産コストがいくらになるかだ。そろそろマスコミもその点に焦点を当てるべきだ。さもなければ、すぐに中韓企業に追いつき追い越され、日本企業は再び「三日天下」で終わってしまう』、「テスラとスペースXは技術革新と劇的なコストダウンを同時にやってしまう1ステップ方式だ。1ステップ方式はスピード感はあるが、その分リスクも大きい。経営トップにリスクテイクの覚悟がないとできない手法だ。しかし、グローバル競争ではこのスピード感がないと生き残れない」、その通りだ。変なモノづくり神話に囚われていたら、日本企業は取り残されるだけだ。
次に、8月17日付けNewsweek日本版がロイター記事を転載した「お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/08/u-4.php
・『米電気自動車大手中国のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は17日、英サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)を買収するとしたのは冗談だったとツイッターで明らかにした。 買収は本気かとのユーザーの問いに「いや、これはツイッターにおける長年のジョークだ。私はいかなるスポーツチームも買わない」とツイートした』、全く人騒がせな「ジョークだ」。
第三に、10月14日付けMSNが朝日新聞記事を転載した「マスク氏、プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる」を紹介しよう。
・『米ツイッターの買収意向を示している米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が最近、ロシアや中国寄りと受け取れる言動を繰り返し、懸念が強まっている。両国による情報操作の問題が指摘されるなか、マスク氏が買収した場合のツイッターの投稿管理に不安の声が上がる。 マスク氏は3日のツイートに、ウクライナ戦争をめぐる独自の和平案を投稿した。ロシアがウクライナ4州で強行した「住民投票」をやり直し、ロシアが併合したクリミア半島をロシア領にするなどロシアの主張に沿う内容で、ウクライナ側から批判が出た。 米国際政治学者のイアン・ブレマー氏は10日、自らのニュースレターで、「2週間前にイーロンと話した」と言及。マスク氏はプーチン氏と直接会話し、その際にプーチン氏がウクライナ危機について「交渉の準備がある」と述べたという。ブレマー氏は、マスク氏の和平案がプーチン氏が話した内容とほぼ同じだと指摘した』、「ツイッター」経営者に求められる政治的中立性には、まだ馴れていないのだろうか。
第四に、11月15日付けPRESIDENT Onlineが掲載したフリーライター・翻訳者の青葉 やまと氏による「Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/63441
・『イーロン・マスク氏の衛星通信サービスが日本で始まる テック界の革命児、イーロン・マスク氏。買収によりTwitterを手中に収めた氏の勢いが止まらない。 だが、自動運転EV開発のテスラ、宇宙開発のスペースX、そして新たにTwitterを掌握した革命児の言動に、危うさが見え隠れする。中露寄りの発言を繰り返していることに加え、一度はロシアからの防衛戦でウクライナに寄与したスターリンク衛星通信サービスが、破竹の勢いで巻き返しを進めるウクライナ軍に「壊滅的な混乱」をもたらしているとの海外報道が聞かれるようになった。 家庭で衛星インターネットを利用できるスターリンクは10月以降、日本でも順次展開している。個人や企業が手軽に衛星経由での通信を楽しめるサービスだ。 このサービスは、イーロン・マスクCEO率いる米スペースX社が提供している。高度550km前後の低軌道に多数の中継衛星を浮かべ、空からデータ通信を中継するしくみだ。空の見渡せる場所に受信用のディッシュ(アンテナ)さえ設置すれば、既存のネット回線に依存せずにインターネットを利用可能となる。 僻地では光ファイバーを延々と敷設せずとも、目的の建物単体でネット環境を導入できる利便性がある。加えて都市部でも、万一の際のバックアップとして注目が集まるだろう。仮に大規模な震災などで通信網が寸断されても、スターリンクの受信用ディッシュと家庭用発電機があればネットを利用できる。家庭はもちろんのこと、役場や消防などで導入が進んでいれば、復旧への情報収集がスムーズに進みそうだ。 価格は初期費用として、アンテナなどを含むキットが7万3000円となっている。月額利用料金は1万2300円の設定だ。現時点で沖縄を除く日本のほぼ全土で利用可能となっている。 スターリンクの登場により、衛星通信を個人で利用できる時代が訪れた。ところがこの技術は個人の生活環境だけでなく、一国の在り方すら変えようとしている』、「価格は初期費用として、アンテナなどを含むキットが7万3000円・・・月額利用料金は1万2300円の設定だ」、これで「衛星通信を個人で利用できる時代が訪れた」、とは便利な時代になったものだ。
・『ウクライナの救世主になった ロシアによる2月からの侵攻を受け、ウクライナ国内の被災地域では通信が寸断された。この状況を救ったのがスターリンクだ。ウクライナ政府の技術部門を統括するフェドロフ副首相がTwitterで支援を要請すると、スペースXのイーロン・マスク氏はわずか11時間弱で同国でのサービスを始動させた。 同時にマスク氏はウクライナには大量の受信ディッシュを送っており、病院や軍事拠点など重要施設に配備されている。ほか、市民も衛星通信経由のWi-Fiを利用しネットを再開することが可能となった。 スターリンクが戦局に大きな影響を与えたと指摘する報道もある。ウクライナ軍はロシアによる2014年のクリミア侵攻を契機として、攻撃・防御システムのIT化に力を入れてきた。現在はGIS Arta(ジーアイエス・アルタ)と呼ばれるシステムが各部隊に配備されており、ネットを通じて現在地や攻撃能力などの情報を常時共有しあっている。 英タイムズ紙の5月の報道によると、従来の常識では射撃命令から実際の攻撃までには部隊間の調整が必要であり、20分程度の時差を生じていた。だが、GIS Artaが部隊の展開状況に応じて最適な攻撃対象を自動で割り振ることで、30秒から1分程度での攻撃が可能となったという。これを支えているのがスターリンクによる通信インフラだ。 アメリカ国防契約管理局のトレント・テレンコ氏は5月、ツイートを通じ、「ウクライナの『GIS Art for Artillery(GIS Artaの別称)』アプリはスターリンクと組み合わさることで、アメリカ軍の一般的な砲術指揮統制よりもかなり優れたものをウクライナ軍にもたらした」と指摘している。氏はまた、「ウクライナ戦争は初のスターリンク戦争」だとも述べる』、「従来の常識では射撃命令から実際の攻撃までには部隊間の調整が必要であり、20分程度の時差を生じていた。だが、GIS Artaが部隊の展開状況に応じて最適な攻撃対象を自動で割り振ることで、30秒から1分程度での攻撃が可能となったという。これを支えているのがスターリンクによる通信インフラだ」、これほど短縮できるのであれば、戦闘能力は著しく向上する筈だ。
・『ネット遮断でウクライナ軍は大混乱 ところが、その後の形勢不利を経て反転攻勢に入った10月、ウクライナ軍を予期せぬ事態が襲うようになる。ロシア支配地域の奪還を進める一部部隊のあいだで、通信の途絶が報告されるようになったのだ。勢いに乗っていたウクライナ軍は、大混乱に陥った。 英フィナンシャル・タイムズ紙は10月8日、ウクライナ軍関係者および兵士らの話として、領土解放を進める最前線でスターリンクの通信機器に障害が発生し、作戦に支障をきたしていると報じた。 記事によるとウクライナ政府高官は、過去数週間でウクライナ軍の一部部隊が「壊滅的な」通信障害に陥っていると述べたという。同紙は首都キーウの別の当局者の話として、軍のヘルプラインに兵士たちから「パニック状態の電話」が相次いでいるとも報じている。 通信途絶は4~5の特定地域で発生しており、多くはロシア占領地域との境界上となっている』、「スターリンクの通信」に依存して有利に戦争を進めてきたのが、「通信途絶は4~5の特定地域で発生」とは大変だ。
・『マスク氏が意図的に遮断との見解も サービス途絶の原因は何か。最も単純な仮説として、ウクライナ軍の領土奪還の勢いが速く、スターリンク側のサービス対象地域の更新が追いつかなかった可能性が指摘されている。スペースX社はロシア占領下に落ちたエリアを通信提供エリア外としており、これはロシア軍に利用されるのを防ぐためだとみられる。 だが、マスクCEOが意図的に、両軍が激しく衝突する地域でサービスを遮断したとの見解も聞かれるようになった。上記の通信障害が発生した地域とは別になるが、少なくともクリミア半島においては、明確な意志をもってサービスを遮断したようだ。 米インサイダーは、米有力政治アナリストのイアン・ブレマー氏の見解として、プーチンが核のボタンに手を伸ばす事態を懸念したマスク氏が、クリミアでのサービス提供を断ったと報じている。 クリミア奪還を進めたいウクライナ側から同地でのサービス開始を要請されたが、米有力政治アナリストのイアン・ブレマー氏によると、マスク氏は「(事態が)エスカレーションする可能性があるため断った」という』、「マスクCEOが意図的に、両軍が激しく衝突する地域でサービスを遮断したとの見解も聞かれるようになった・・・少なくともクリミア半島においては、明確な意志をもってサービスを遮断したようだ」、「プーチンが核のボタンに手を伸ばす事態を懸念」、あり得る話だ。
・『「ウクライナのネットを任せておくべきではない」 ウクライナ全土へのスターリンク提供についても、マスク氏はサービスの無償提供を続ける意向をツイッターで表明しているが、一時態度を硬化させた事実は見逃せない。 マスク氏は10月14日、米国政府が費用を負担しない場合、サービスを無償で無期限に提供することはできないとツイッターで警告した。ビジネスとしては当然の判断だが、重度に依存するウクライナにとっては死活問題だ。 米『ポリティコ』誌EU版によるとEUは、EU諸国が費用を負担することでウクライナへのサービス継続を要請できないか検討していると報じた。 リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相は同誌に対し、「ある朝目覚めて『もうやりたくないからやめだ』と言い、翌日には『ウクライナ人たちはネットなしでもやっていけるだろう』と言うような一人の『超強大な』人間に、ウクライナのネットアクセスを任せておくべきではない」と警告した』、「リトアニア」「外相」の発言は正論ではあるが、「米国政府」や「EU諸国」が負担するまでは、「ツイッター」に「無償提供を続け」てもらう必要がある。
・『ロシア・中国寄りの発言を繰り返してきた こうした意見が聞かれるようになった背景には、各国の政治情勢に絡めて危うい発言を繰り返してきたマスク氏の過去がある。氏は今年に入ってから、ロシア寄り・中国寄りと取れる発言を繰り返している。 1億人以上のフォロワーを持つマスク氏はTwitter上にて、「1783年以来、(フルシチョフの過ちまで)そうであったように、クリミアを公式にロシアの一部とする」ことを含む独自の和平案を提案し、投票機能を通じて賛否を問うた。ウクライナ側は激しく反発している。 中台関係をめぐっては、台湾側が支配権の一部を中国に譲ることで和平がもたらされるとの考えを披露した。マスク氏はフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、「私の提案としては……台湾の特別行政区という形で解決策を見出してはどうか。皆が納得するわけではないが、おおむね良い形だ」と語っている。 台湾の蕭美琴駐米代表はこれに反応したとみられる形でTwitter上で、「台湾は多くの製品を売っているが、自由と民主主義は売り物ではない。私たちの将来をめぐる提案はいずれも、平和的かつ強制的ではなく、そして台湾の人々の民主的な願いを尊重する形で決定されるべきである」と牽制している。 マスク氏のこれら独特な発言を念頭に、ウクライナの一部地域における衛星サービスの一時遮断についても臆測が広がった。一部の国においては、ウクライナ政府との関係が冷え込んだことから意図的に遮断に踏み切ったと取れる報道もあった』、「マスク氏」の気まぐれも困ったものだ。
・『カリスマCEOの強さと危うさ マスク氏が技術で世界を変え、人類を前進させていることに疑いはないだろう。 テスラはEVを身近にし、夢物語だった自動運転を着実に実用化へ近づけている。スペースXは個人が月旅行に出かける時代を切り拓きつつある。地下トンネルで渋滞を回避したいという冗談から生まれたザ・ボーリング・カンパニーは、ラスベガスの地下に本物のテスト用地下自動車道を開通させた。 常識を超えた発想で未来を引き寄せるカリスマCEOには、独断で企業を率いる強力なリーダーシップが求められる。社会的な価値観と相違をものともせず、自らの信念を貫くタフさこそが強みとなるだろう。 だが、その影響は社内にとどまらず、国際社会にまで波及している。そこには彼の言動に左右される危うさがある。スターリンクのインフラに依存せざるを得ないウクライナ軍は、マスク氏の衛星なしには混乱状態に陥るまでに依存性を高めている。 クリミアをめぐる住民投票案や台湾情勢についても、独特な価値観に基づく発言を繰り出すマスク氏。おそらく政治情勢に深入りする意図はなく、独自の正義を世に示しているだけなのだろう。だが、発言の対象となった各国の政府が不快感を示すなど、巨大インフラを掌握するCEOの発言が世界を揺るがしていることは明らかだ』、「マスク氏」が全能感に酔って「発言」している訳ではないとしても、その影響力は甚大なだけに、責任感を自覚してほしいところだ。
・『「マスク依存」を深める世界の危険性 こうした危うさは、マスク氏のTwitter社の買収にも当てはまる。独自の価値観による「正義」が導入されればどうなるだろうか。仮にだが買収完了後、独自の発言規制やプライバシーに影響する機能が実装されれば、日本のユーザーにおいても影響は免れないだろう。 また、ワシントンポスト紙はマスク氏本人による発言を念頭に、Twitterは「事実上の街の公共広場」であり、マスク氏はいまやその市長になったのだと指摘している。Twitterの崩壊が、民主主義にとって世界規模の脅威になり得る恐れもある。 個人への影響に目を移せば、スターリンクは月額1万数千円という価格であるため、通常4~5千円程度する通常のネットサービスから乗り換え、災害対策を兼ねてメイン回線にすることも不可能ではない。しかし、通信網の寸断に強い反面、うつり気なCEOによるサービスという別のリスクを抱えることになる。 テクノロジーで世界を変革する男、イーロン・マスク。技術の進歩を数十年加速させる功績の一方で、気まぐれな言動が与える影響は年を追うごとに大きくなっている。一人のカリスマに依存する世界が、もろく、危ういことを彼自身が教えてくれている』、全く同感である。そろそろ、口を慎んでもらいたいものだ。
先ずは、7月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経営コンサルタントの竹内一正氏による「イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306983
・『「自動車を作ることと、宇宙ロケットを作ることはまったく違う」と誰もが思う。ところが、イーロン・マスクがCEOを務めるEV企業「テスラ」と、宇宙ロケット企業「スペースX」には驚くほどの共通点があった。イーロン・マスクについての著書を数多く執筆する経営コンサルタントの竹内一正氏が、イーロンのモノづくりの極意を解き明かす』、興味深そうだ。
・『イーロン・マスクは業界の枠を超えてモノを見る イーロンのモノづくりの特徴の一つ目は、業界の常識に縛られず、業界の枠を超えてモノを見る力だ。 例えば、テスラはモデルSに大型17インチのタッチパネルを搭載した。これは自動車業界初であり、アップルがまだiPadを出す前のことだった。 開発段階でイーロンは技術者とともに、ノートPCをモデルSの試作車に持ち込んでアイデアをぶつけ合った結果、コンソールボックスに縦型17インチのタッチパネルを設置することに決めた。モデルSの登場以降、大手自動車メーカーは大型タッチパネルを搭載するようになった。 「クルマは納車した日の性能から良くなることはない」 これは、自動車業界の暗黙の常識だった。だが、テスラ車はソフトウエアアップデートで購入後もクルマの性能がアップしていく仕組みを打ち立てた。しかし、PCやスマホ業界ではソフトウエアアップデートで機能や性能を向上させていくことは当たり前に行われてきたことだった。業界の枠や常識を超えてモノを見る姿勢が表れている。 それは、スペースXでも見られる。 ファルコンロケットの燃料タンクには、摩擦攪拌(かくはん)接合というタンカーなどで使われていた技術が使われている。摩擦攪拌接合は、作業速度が速く製造コストを抑えられる利点があった。 高エネルギーの宇宙線を浴びる宇宙ロケットには高信頼性の電子部品が必要とされ、民生品は使えないと考えられていた。そして“宇宙仕様”の電子部品はコストが高かった。 しかし、スペースXは業界の常識にとらわれることなく、コストのこなれた民生品をいろいろ導入している。たとえば、PCでおなじみのイーサネット(PCで使われているLAN規格)や、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)などだ。FPGAはロジック・デバイスの一種で、エンジニアが現場で書き換えが可能で、カスタムLSIよりコストが安くできる。 自動車業界も宇宙ロケット業界も歴史と伝統があるゆえに、業界の枠で物事を考えてしまい、枠を超えることを良しとしない風土がある。しかし、業界の枠を超えてモノを見ることで活路が開けることをイーロンは実証している』、「自動車業界も宇宙ロケット業界も歴史と伝統があるゆえに、業界の枠で物事を考えてしまい、枠を超えることを良しとしない風土がある。しかし、業界の枠を超えてモノを見ることで活路が開けることをイーロンは実証している」、凄いことだ。
・『イーロン・マスクが目指すゴールは「自動運転」 イーロンのモノづくりの特徴の二つ目は、「自動運転」だ。 テスラのEVが目指すのは、ハンドルを人が握って運転するのではなく、AIが運転する完全自動運転である。現時点でテスラの自動運転はレベル2だが、イーロン・マスクはレベル5の完全自動運転を実現すべく開発現場の技術者たちにハッパをかけている。 そこで重要なのがソフトウエアとハードウエアの融合だ。しかもそれをテスラの社内でやってのける。AIのソフトウエア開発からAIチップの設計までテスラは内製化している。詳しくは後述するが、テスラのモデル3のECU(電子制御ユニット)は、完全自動運転を見据えた設計となっている。 一方、スペースXのロケットも“自動運転”、つまりロケットの場合は“自動操縦“だが、これを目指して開発をしてきた。2021年9月には宇宙船クルードラゴンが4人の民間人を地上約580㎞の宇宙に運び、3日間の宇宙滞在を成功させたが、これは自動操縦で行われていた。 イーロンは、「火星に人類を移住させる」という目標を掲げて、スペースXを経営してきた。高度な訓練を受けたプロの宇宙飛行士ではなく、普通の人が火星に移住する。百万人単位で文明を作るのが目的だ。そのためには、普通の人が操縦できる宇宙ロケットが必要だ。 EVもロケットも乗り物にかわりはない。誰でも乗れる乗り物のゴールは、自動運転だ。そして自動運転はシンプルな設計とも関係する』、「EVもロケットも乗り物にかわりはない。誰でも乗れる乗り物のゴールは、自動運転だ」、言われてみれば、確かにその通りだ。
・『とことん極めればシンプルな設計になる テスラのEVモデル3の内装は極めてシンプルにできている。フロアにシフトレバーがないし、サイドブレーキもない。ハンドルの前にあるはずのスピードメーターもない。 あるのは15インチの横型タッチスクリーンだけ。これで速度表示もドライビングモードも、エアコン操作も、ヘッドライトの点灯も行ってしまう。 モデル3のシンプルな設計はECUの数にも表れている。ECUとは電子制御ユニットのことで、作動させる機能ごとに搭載し管理を行う。エンジン用、パワーステアリング用などがあり車体の各部に配置し、分散管理でクルマの円滑な走行を担う。 従来のガソリン自動車だと60個以上、多ければ100個のECUが組み込まれている。ECUにはおのおの電源が必要で、そのための配線も必要となりECUが多いほど複雑化する。 しかし、テスラモデル3のECUは5個しかなく、高度な集中管理型を実現していた。 しかも、自動運転機能は1つのECUにまとめられ、その半導体はテスラが設計し、演算能力は144TOPS(毎秒144兆回)と高性能だ。ちなみに、半導体設計まで自社でやる自動車メーカーはテスラ以外にはない。そして、その先にあるのは完全自動運転であることは言うまでもない。 モデル3の少ないECUはOTA(オン・ジ・エアー)でも効果的だ。OTAとは無線通信でソフトウエアのアップデートを行う機能のことだ。従来の分散型のECUだと個々にバージョンアップが必要だが、集中管理のモデル3では簡単にできる。 ECUは少ない方が配線も減らせ、省スペース化もやりやすくコストを下げられる。少ないECU化が、モデル3の3万5000ドル級の価格帯の実現に貢献している。 スペースXの再利用可能なロケット、ファルコン9の設計もシンプルにできている。 ファルコン9は2段式ロケットで、打ち上がった1段目が逆再生ビデオのように地上に帰還し、着陸後、再度打ち上げに利用できる。ファルコン9に搭載した宇宙船「クルードラゴン」は国際宇宙ステーションを往復し大気圏に再突入して洋上に着水後も、回収・修理を施して再利用がきる。 再利用を目指した設計のスペースシャトルと比較すると違いがよくわかる。 スペースシャトルは、飛行機のような形で三角翼と3基のエンジンを持つオービターと、それを背負うような巨大な外部燃料タンク。この燃料タンクはオービターのエンジンに液体燃料を供給する役目だ。そして、燃料タンクの両脇に固体ロケットブースターが2基装備され、まるで4つの巨大な物体が組み合わさったかの状態で打ち上げる。 固体ロケットブースターも外部燃料タンクも飛行途中で切り離され、使い捨てにされる。帰還し再利用されるのはオービターだけで、理論上は100回の使用に耐えるとされた。だが、再利用する際には多大な作業が必要となった。さらに飛行中に二度爆発事故を起こしたことを記憶している人は多い。 しかも、オービターの三角翼は帰還する際、グライダーのように滑空する時だけしか用をなさない。つまり、打ち上げの時は空気抵抗を増やす邪魔な代物でしかない。スペースシャトルの設計は政治的な影響もあって複雑になりすぎたのだった。 再利用をうたったスペースシャトルだったが、1回の打ち上げコストは約15億ドルもかかったのに対し、スペースXのファルコン9は0.62億ドルで、24分の1のコストで済んだ。 物理思考で原理を突き詰めれば、シンプルな設計に行き着く。これもイーロンのモノづくりの特徴のひとつだ』、「従来のガソリン自動車だと60個以上、多ければ100個のECUが組み込まれている」、「テスラモデル3のECUは5個しかなく、高度な集中管理型を実現していた。 しかも、自動運転機能は1つのECUにまとめられ、その半導体はテスラが設計し、演算能力は144TOPS・・・と高性能だ。ちなみに、半導体設計まで自社でやる自動車メーカーはテスラ以外にはない。そして、その先にあるのは完全自動運転であることは言うまでもない」、「再利用をうたったスペースシャトルだったが、1回の打ち上げコストは約15億ドルもかかったのに対し、スペースXのファルコン9は0.62億ドルで、24分の1のコストで済んだ。 物理思考で原理を突き詰めれば、シンプルな設計に行き着く。これもイーロンのモノづくりの特徴のひとつだ」、既存の常識の枠にとらわれない自由な発想には脱帽するしかない。
・『テスラもスペースXも技術革新とコストダウンを同時進行している テスラとスペースXに共通する重要で、しかも他社にはまねできない点を最後に取り上げよう。それは技術革新とコストダウンを同時に行う点だ。 テスラのEVは、従来のクルマにはない技術革新を遂げてきた。タッチパネルでの操作や、ソフトウエアアップデート機能、新型ECUの搭載などだ。しかも、これらをコストダウンと同時進行で行っていた。その結果は価格に表れている。 08年に出荷を始めたスポーツカーEVの「ロードスター」は10万ドルを超えていたが、12年に出したEVセダンの「モデルS」は7万ドル級になり、17年に登場した「モデル3」は3万5000ドルになった。 トヨタの燃料電池車「ミライ」が、いつまでたっても約700万円でもたついているのと大違いだ。 一方、スペースXのファルコン9は野口聡一宇宙飛行士たちを国際宇宙ステーションへ送ったことで日本でも有名になったが、再利用ができるロケットだ。ロケット再利用はNASAでもできなかった快挙だが、再利用以外の要素でも大幅なコストダウンも実現していた。 2011年、NASAは伝統的な方法でファルコン9を開発した場合、スペースXの約10倍のコストがかかると報告し、宇宙ロケット業界に衝撃を与えた。これは、ロケット再利用を考えない場合の試算であった。 2017年にスペースXが再利用ロケットの打ち上げに成功してからは、再利用を繰り返せば繰り返すほどロケットコストは安くなっていく。 さて、日本企業はどうかというと、まず技術革新を起こすことに注力する。そして、技術革新が成功してからコストダウンのフェーズに移る2ステップ方式が常識だった。自動車でも家電でもそうだった。 しかし、テスラとスペースXは技術革新と劇的なコストダウンを同時にやってしまう1ステップ方式だ。1ステップ方式はスピード感はあるが、その分リスクも大きい。経営トップにリスクテイクの覚悟がないとできない手法だ。しかし、グローバル競争ではこのスピード感がないと生き残れない。 リチウムイオン電池に代わるとされる「全固体電池」の開発記事を目にすることが多くあるが、重要な点は全固体電池が開発できたかどうかではない。その量産コストがいくらになるかだ。そろそろマスコミもその点に焦点を当てるべきだ。さもなければ、すぐに中韓企業に追いつき追い越され、日本企業は再び「三日天下」で終わってしまう』、「テスラとスペースXは技術革新と劇的なコストダウンを同時にやってしまう1ステップ方式だ。1ステップ方式はスピード感はあるが、その分リスクも大きい。経営トップにリスクテイクの覚悟がないとできない手法だ。しかし、グローバル競争ではこのスピード感がないと生き残れない」、その通りだ。変なモノづくり神話に囚われていたら、日本企業は取り残されるだけだ。
次に、8月17日付けNewsweek日本版がロイター記事を転載した「お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/08/u-4.php
・『米電気自動車大手中国のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は17日、英サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)を買収するとしたのは冗談だったとツイッターで明らかにした。 買収は本気かとのユーザーの問いに「いや、これはツイッターにおける長年のジョークだ。私はいかなるスポーツチームも買わない」とツイートした』、全く人騒がせな「ジョークだ」。
第三に、10月14日付けMSNが朝日新聞記事を転載した「マスク氏、プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる」を紹介しよう。
・『米ツイッターの買収意向を示している米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が最近、ロシアや中国寄りと受け取れる言動を繰り返し、懸念が強まっている。両国による情報操作の問題が指摘されるなか、マスク氏が買収した場合のツイッターの投稿管理に不安の声が上がる。 マスク氏は3日のツイートに、ウクライナ戦争をめぐる独自の和平案を投稿した。ロシアがウクライナ4州で強行した「住民投票」をやり直し、ロシアが併合したクリミア半島をロシア領にするなどロシアの主張に沿う内容で、ウクライナ側から批判が出た。 米国際政治学者のイアン・ブレマー氏は10日、自らのニュースレターで、「2週間前にイーロンと話した」と言及。マスク氏はプーチン氏と直接会話し、その際にプーチン氏がウクライナ危機について「交渉の準備がある」と述べたという。ブレマー氏は、マスク氏の和平案がプーチン氏が話した内容とほぼ同じだと指摘した』、「ツイッター」経営者に求められる政治的中立性には、まだ馴れていないのだろうか。
第四に、11月15日付けPRESIDENT Onlineが掲載したフリーライター・翻訳者の青葉 やまと氏による「Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/63441
・『イーロン・マスク氏の衛星通信サービスが日本で始まる テック界の革命児、イーロン・マスク氏。買収によりTwitterを手中に収めた氏の勢いが止まらない。 だが、自動運転EV開発のテスラ、宇宙開発のスペースX、そして新たにTwitterを掌握した革命児の言動に、危うさが見え隠れする。中露寄りの発言を繰り返していることに加え、一度はロシアからの防衛戦でウクライナに寄与したスターリンク衛星通信サービスが、破竹の勢いで巻き返しを進めるウクライナ軍に「壊滅的な混乱」をもたらしているとの海外報道が聞かれるようになった。 家庭で衛星インターネットを利用できるスターリンクは10月以降、日本でも順次展開している。個人や企業が手軽に衛星経由での通信を楽しめるサービスだ。 このサービスは、イーロン・マスクCEO率いる米スペースX社が提供している。高度550km前後の低軌道に多数の中継衛星を浮かべ、空からデータ通信を中継するしくみだ。空の見渡せる場所に受信用のディッシュ(アンテナ)さえ設置すれば、既存のネット回線に依存せずにインターネットを利用可能となる。 僻地では光ファイバーを延々と敷設せずとも、目的の建物単体でネット環境を導入できる利便性がある。加えて都市部でも、万一の際のバックアップとして注目が集まるだろう。仮に大規模な震災などで通信網が寸断されても、スターリンクの受信用ディッシュと家庭用発電機があればネットを利用できる。家庭はもちろんのこと、役場や消防などで導入が進んでいれば、復旧への情報収集がスムーズに進みそうだ。 価格は初期費用として、アンテナなどを含むキットが7万3000円となっている。月額利用料金は1万2300円の設定だ。現時点で沖縄を除く日本のほぼ全土で利用可能となっている。 スターリンクの登場により、衛星通信を個人で利用できる時代が訪れた。ところがこの技術は個人の生活環境だけでなく、一国の在り方すら変えようとしている』、「価格は初期費用として、アンテナなどを含むキットが7万3000円・・・月額利用料金は1万2300円の設定だ」、これで「衛星通信を個人で利用できる時代が訪れた」、とは便利な時代になったものだ。
・『ウクライナの救世主になった ロシアによる2月からの侵攻を受け、ウクライナ国内の被災地域では通信が寸断された。この状況を救ったのがスターリンクだ。ウクライナ政府の技術部門を統括するフェドロフ副首相がTwitterで支援を要請すると、スペースXのイーロン・マスク氏はわずか11時間弱で同国でのサービスを始動させた。 同時にマスク氏はウクライナには大量の受信ディッシュを送っており、病院や軍事拠点など重要施設に配備されている。ほか、市民も衛星通信経由のWi-Fiを利用しネットを再開することが可能となった。 スターリンクが戦局に大きな影響を与えたと指摘する報道もある。ウクライナ軍はロシアによる2014年のクリミア侵攻を契機として、攻撃・防御システムのIT化に力を入れてきた。現在はGIS Arta(ジーアイエス・アルタ)と呼ばれるシステムが各部隊に配備されており、ネットを通じて現在地や攻撃能力などの情報を常時共有しあっている。 英タイムズ紙の5月の報道によると、従来の常識では射撃命令から実際の攻撃までには部隊間の調整が必要であり、20分程度の時差を生じていた。だが、GIS Artaが部隊の展開状況に応じて最適な攻撃対象を自動で割り振ることで、30秒から1分程度での攻撃が可能となったという。これを支えているのがスターリンクによる通信インフラだ。 アメリカ国防契約管理局のトレント・テレンコ氏は5月、ツイートを通じ、「ウクライナの『GIS Art for Artillery(GIS Artaの別称)』アプリはスターリンクと組み合わさることで、アメリカ軍の一般的な砲術指揮統制よりもかなり優れたものをウクライナ軍にもたらした」と指摘している。氏はまた、「ウクライナ戦争は初のスターリンク戦争」だとも述べる』、「従来の常識では射撃命令から実際の攻撃までには部隊間の調整が必要であり、20分程度の時差を生じていた。だが、GIS Artaが部隊の展開状況に応じて最適な攻撃対象を自動で割り振ることで、30秒から1分程度での攻撃が可能となったという。これを支えているのがスターリンクによる通信インフラだ」、これほど短縮できるのであれば、戦闘能力は著しく向上する筈だ。
・『ネット遮断でウクライナ軍は大混乱 ところが、その後の形勢不利を経て反転攻勢に入った10月、ウクライナ軍を予期せぬ事態が襲うようになる。ロシア支配地域の奪還を進める一部部隊のあいだで、通信の途絶が報告されるようになったのだ。勢いに乗っていたウクライナ軍は、大混乱に陥った。 英フィナンシャル・タイムズ紙は10月8日、ウクライナ軍関係者および兵士らの話として、領土解放を進める最前線でスターリンクの通信機器に障害が発生し、作戦に支障をきたしていると報じた。 記事によるとウクライナ政府高官は、過去数週間でウクライナ軍の一部部隊が「壊滅的な」通信障害に陥っていると述べたという。同紙は首都キーウの別の当局者の話として、軍のヘルプラインに兵士たちから「パニック状態の電話」が相次いでいるとも報じている。 通信途絶は4~5の特定地域で発生しており、多くはロシア占領地域との境界上となっている』、「スターリンクの通信」に依存して有利に戦争を進めてきたのが、「通信途絶は4~5の特定地域で発生」とは大変だ。
・『マスク氏が意図的に遮断との見解も サービス途絶の原因は何か。最も単純な仮説として、ウクライナ軍の領土奪還の勢いが速く、スターリンク側のサービス対象地域の更新が追いつかなかった可能性が指摘されている。スペースX社はロシア占領下に落ちたエリアを通信提供エリア外としており、これはロシア軍に利用されるのを防ぐためだとみられる。 だが、マスクCEOが意図的に、両軍が激しく衝突する地域でサービスを遮断したとの見解も聞かれるようになった。上記の通信障害が発生した地域とは別になるが、少なくともクリミア半島においては、明確な意志をもってサービスを遮断したようだ。 米インサイダーは、米有力政治アナリストのイアン・ブレマー氏の見解として、プーチンが核のボタンに手を伸ばす事態を懸念したマスク氏が、クリミアでのサービス提供を断ったと報じている。 クリミア奪還を進めたいウクライナ側から同地でのサービス開始を要請されたが、米有力政治アナリストのイアン・ブレマー氏によると、マスク氏は「(事態が)エスカレーションする可能性があるため断った」という』、「マスクCEOが意図的に、両軍が激しく衝突する地域でサービスを遮断したとの見解も聞かれるようになった・・・少なくともクリミア半島においては、明確な意志をもってサービスを遮断したようだ」、「プーチンが核のボタンに手を伸ばす事態を懸念」、あり得る話だ。
・『「ウクライナのネットを任せておくべきではない」 ウクライナ全土へのスターリンク提供についても、マスク氏はサービスの無償提供を続ける意向をツイッターで表明しているが、一時態度を硬化させた事実は見逃せない。 マスク氏は10月14日、米国政府が費用を負担しない場合、サービスを無償で無期限に提供することはできないとツイッターで警告した。ビジネスとしては当然の判断だが、重度に依存するウクライナにとっては死活問題だ。 米『ポリティコ』誌EU版によるとEUは、EU諸国が費用を負担することでウクライナへのサービス継続を要請できないか検討していると報じた。 リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相は同誌に対し、「ある朝目覚めて『もうやりたくないからやめだ』と言い、翌日には『ウクライナ人たちはネットなしでもやっていけるだろう』と言うような一人の『超強大な』人間に、ウクライナのネットアクセスを任せておくべきではない」と警告した』、「リトアニア」「外相」の発言は正論ではあるが、「米国政府」や「EU諸国」が負担するまでは、「ツイッター」に「無償提供を続け」てもらう必要がある。
・『ロシア・中国寄りの発言を繰り返してきた こうした意見が聞かれるようになった背景には、各国の政治情勢に絡めて危うい発言を繰り返してきたマスク氏の過去がある。氏は今年に入ってから、ロシア寄り・中国寄りと取れる発言を繰り返している。 1億人以上のフォロワーを持つマスク氏はTwitter上にて、「1783年以来、(フルシチョフの過ちまで)そうであったように、クリミアを公式にロシアの一部とする」ことを含む独自の和平案を提案し、投票機能を通じて賛否を問うた。ウクライナ側は激しく反発している。 中台関係をめぐっては、台湾側が支配権の一部を中国に譲ることで和平がもたらされるとの考えを披露した。マスク氏はフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、「私の提案としては……台湾の特別行政区という形で解決策を見出してはどうか。皆が納得するわけではないが、おおむね良い形だ」と語っている。 台湾の蕭美琴駐米代表はこれに反応したとみられる形でTwitter上で、「台湾は多くの製品を売っているが、自由と民主主義は売り物ではない。私たちの将来をめぐる提案はいずれも、平和的かつ強制的ではなく、そして台湾の人々の民主的な願いを尊重する形で決定されるべきである」と牽制している。 マスク氏のこれら独特な発言を念頭に、ウクライナの一部地域における衛星サービスの一時遮断についても臆測が広がった。一部の国においては、ウクライナ政府との関係が冷え込んだことから意図的に遮断に踏み切ったと取れる報道もあった』、「マスク氏」の気まぐれも困ったものだ。
・『カリスマCEOの強さと危うさ マスク氏が技術で世界を変え、人類を前進させていることに疑いはないだろう。 テスラはEVを身近にし、夢物語だった自動運転を着実に実用化へ近づけている。スペースXは個人が月旅行に出かける時代を切り拓きつつある。地下トンネルで渋滞を回避したいという冗談から生まれたザ・ボーリング・カンパニーは、ラスベガスの地下に本物のテスト用地下自動車道を開通させた。 常識を超えた発想で未来を引き寄せるカリスマCEOには、独断で企業を率いる強力なリーダーシップが求められる。社会的な価値観と相違をものともせず、自らの信念を貫くタフさこそが強みとなるだろう。 だが、その影響は社内にとどまらず、国際社会にまで波及している。そこには彼の言動に左右される危うさがある。スターリンクのインフラに依存せざるを得ないウクライナ軍は、マスク氏の衛星なしには混乱状態に陥るまでに依存性を高めている。 クリミアをめぐる住民投票案や台湾情勢についても、独特な価値観に基づく発言を繰り出すマスク氏。おそらく政治情勢に深入りする意図はなく、独自の正義を世に示しているだけなのだろう。だが、発言の対象となった各国の政府が不快感を示すなど、巨大インフラを掌握するCEOの発言が世界を揺るがしていることは明らかだ』、「マスク氏」が全能感に酔って「発言」している訳ではないとしても、その影響力は甚大なだけに、責任感を自覚してほしいところだ。
・『「マスク依存」を深める世界の危険性 こうした危うさは、マスク氏のTwitter社の買収にも当てはまる。独自の価値観による「正義」が導入されればどうなるだろうか。仮にだが買収完了後、独自の発言規制やプライバシーに影響する機能が実装されれば、日本のユーザーにおいても影響は免れないだろう。 また、ワシントンポスト紙はマスク氏本人による発言を念頭に、Twitterは「事実上の街の公共広場」であり、マスク氏はいまやその市長になったのだと指摘している。Twitterの崩壊が、民主主義にとって世界規模の脅威になり得る恐れもある。 個人への影響に目を移せば、スターリンクは月額1万数千円という価格であるため、通常4~5千円程度する通常のネットサービスから乗り換え、災害対策を兼ねてメイン回線にすることも不可能ではない。しかし、通信網の寸断に強い反面、うつり気なCEOによるサービスという別のリスクを抱えることになる。 テクノロジーで世界を変革する男、イーロン・マスク。技術の進歩を数十年加速させる功績の一方で、気まぐれな言動が与える影響は年を追うごとに大きくなっている。一人のカリスマに依存する世界が、もろく、危ういことを彼自身が教えてくれている』、全く同感である。そろそろ、口を慎んでもらいたいものだ。
タグ:「自動車業界も宇宙ロケット業界も歴史と伝統があるゆえに、業界の枠で物事を考えてしまい、枠を超えることを良しとしない風土がある。しかし、業界の枠を超えてモノを見ることで活路が開けることをイーロンは実証している」、凄いことだ。 (その1)(イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは、お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」、マスク氏 プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる、Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか) 「テスラとスペースXは技術革新と劇的なコストダウンを同時にやってしまう1ステップ方式だ。1ステップ方式はスピード感はあるが、その分リスクも大きい。経営トップにリスクテイクの覚悟がないとできない手法だ。しかし、グローバル競争ではこのスピード感がないと生き残れない」、その通りだ。変なモノづくり神話に囚われていたら、日本企業は取り残されるだけだ。 「再利用をうたったスペースシャトルだったが、1回の打ち上げコストは約15億ドルもかかったのに対し、スペースXのファルコン9は0.62億ドルで、24分の1のコストで済んだ。 物理思考で原理を突き詰めれば、シンプルな設計に行き着く。これもイーロンのモノづくりの特徴のひとつだ」、既存の常識の枠にとらわれない自由な発想には脱帽するしかない。 「従来のガソリン自動車だと60個以上、多ければ100個のECUが組み込まれている」、「テスラモデル3のECUは5個しかなく、高度な集中管理型を実現していた。 しかも、自動運転機能は1つのECUにまとめられ、その半導体はテスラが設計し、演算能力は144TOPS・・・と高性能だ。ちなみに、半導体設計まで自社でやる自動車メーカーはテスラ以外にはない。そして、その先にあるのは完全自動運転であることは言うまでもない」、 「EVもロケットも乗り物にかわりはない。誰でも乗れる乗り物のゴールは、自動運転だ」、言われてみれば、確かにその通りだ。 「価格は初期費用として、アンテナなどを含むキットが7万3000円・・・月額利用料金は1万2300円の設定だ」、これで「衛星通信を個人で利用できる時代が訪れた」、とは便利な時代になったものだ。 青葉 やまと氏による「Twitter買収を手放しでは喜べない…「世界一の富豪」イーロン・マスクに世界中が冷視線を向けるワケ なぜ中国・ロシア寄りの発言を繰り返すのか」 PRESIDENT ONLINE 「マスク氏」の気まぐれも困ったものだ。 「リトアニア」「外相」の発言は正論ではあるが、「米国政府」や「EU諸国」が負担するまでは、「ツイッター」に「無償提供を続け」てもらう必要がある。 「マスクCEOが意図的に、両軍が激しく衝突する地域でサービスを遮断したとの見解も聞かれるようになった・・・少なくともクリミア半島においては、明確な意志をもってサービスを遮断したようだ」、「プーチンが核のボタンに手を伸ばす事態を懸念」、あり得る話だ。 「スターリンクの通信」に依存して有利に戦争を進めてきたのが、「通信途絶は4~5の特定地域で発生」とは大変だ。 「従来の常識では射撃命令から実際の攻撃までには部隊間の調整が必要であり、20分程度の時差を生じていた。だが、GIS Artaが部隊の展開状況に応じて最適な攻撃対象を自動で割り振ることで、30秒から1分程度での攻撃が可能となったという。これを支えているのがスターリンクによる通信インフラだ」、これほど短縮できるのであれば、戦闘能力は著しく向上する筈だ。 MSNが朝日新聞記事を転載 全く人騒がせな「ジョークだ」 「お騒がせ野郎イーロン・マスク「マンU買収は冗談、どんなスポーツチームも買わない」」 ロイター Newsweek日本版 イーロン・マスク 「ツイッター」経営者に求められる政治的中立性には、まだ馴れていないのだろうか。 「マスク氏、プーチン氏と会話 中ロに接近 ツイッター所有懸念強まる」 全く同感である。そろそろ、口を慎んでもらいたいものだ。 「マスク氏」が全能感に酔って「発言」している訳ではないとしても、その影響力は甚大なだけに、責任感を自覚してほしいところだ。 竹内一正氏による「イーロン・マスク「テスラ&スペースX」の隠れた共通点、モノづくりの極意とは」 ダイヤモンド・オンライン