ハラスメント(その21)(女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた マスコミ業界の“体質” 、ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言、【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」、市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす) [社会]
ハラスメントについては、昨年5月22日に取上げた。今日は、(その21)(女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた マスコミ業界の“体質” 、ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言、【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」、市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす)である。
先ずは、昨年5月31日付け文春オンライン「女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた、マスコミ業界の“体質”」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/54751
・『細田博之衆院議長の「セクハラ」問題。週刊文春が2週にわたり報道した。 流れをおさらいする。まず5月19日発売の週刊文春が『細田博之議長 女性記者に深夜に「今から家に来ないか」』という記事を掲載。 大勢の政治部記者から文春に“告発”が寄せられたとし、細田氏が過去に複数の女性記者らにセクハラ発言を繰り返していたと報道。たとえば女性記者が細田氏に取材をすると「添い寝をしたら教えてあげる」と言われたという話が“常識”のように記者たちの間に広まっているという。 実際に文春が被害に遭っていたといわれるA記者に話を聞くと「無かったと言えば、嘘になりますね」というコメントが。さらにB記者は「深夜に本人から『今から来ないか?』」と電話がかかってきた。断るわけにもいかず、足を運びました。自宅に呼ばれたのは、私だけではないと聞きます」と証言。 こうした話は本当なのか文春が細田事務所に事実関係を尋ねたところ、期日までに回答が無かった。しかし報道後に細田氏は「事実無根」と抗議。 すると翌週の週刊文春(5月26日発売号)で、細田セクハラ問題の第2弾を報じたのだ。タイトルと見出しはこれ』、本当に手クセが悪い人物が、何と衆議院議長というのだから、日本政治のおさとが知れ、みっともないことだ。
・『「うちに来て」細田衆院議長の嘘を暴く「セクハラ記録」 ・女性記者たちの告発「二人きりで会いたい」「愛してる」 ・党女性職員が周囲に嘆いた「お尻を触られた」 ・最も狙われた女性記者が漏らした「文春はほぼ正しい」 ・カードゲーム仲間人妻の告白「抱きしめたいと言われ…」 どれを読んでもギョッとする。細田氏はこの報道に対し、改めて抗議する文書を出し、「通常国会閉会後、訴訟も視野に入れて検討したい」などと真っ向から反論した。 ここまでが現時点の流れである』、「訴訟」は単なる脅しだろう。
・『「最も狙われている」女性記者の回答 さて、細田氏とは別に、私にはどうしても気になる点があったのです。それは取材する記者の側のことだ。 記事の後半に「H記者」が登場している。多数の記者から、細田氏に「最も狙われている」と言われていた女性記者である。 以前からH記者は国会議員のセクハラ発言に強い問題意識を持ち「女性記者は多かれ少なかれ経験している。被害が出た時に担当を外せば解決する問題ではない」と話していたという。前週の文春記事についても「文春はしっかり取材している。記事の内容はほぼ正しい」などと周囲に語っていた。 そんななか文春がH記者に事実確認のために電話をした。ここでH記者から出た言葉は、 「それについては即答できる状況にないんです」「考える時間も必要なので、またご連絡させて下さい」 というもの。 翌日、H記者から文春に電話があった。その内容は「やはり今、お答えできることはありません……」という“回答”だった』、何故なのだろう。
・『彼女たちが“告発”できない理由 記事では細田氏の「セクハラ記録」を提供した人物が次のように解説している。 「大手マスコミは、自社の女性記者が細田氏から受けたセクハラ発言を把握しているはずです。ただ、彼女たちはオフレコ取材が前提なので、同僚に迷惑がかかるのでは、とも悩んでいる。自ら名乗り出ることは容易ではありません。上層部としても“貴重な情報源”である細田氏を守りたいから、『あったこと』をなかなか報じられずにいます」 この「解説」を何度も読み返してしまった。恐ろしいことが書かれているではないか。 セクハラ、パワハラ被害にあった人が「仕事のために」被害をなかなか言いだせないという状況がもし本当なら、これは新聞業界、もしくはマスコミ業界全体の問題だと思う。 これは「マスコミ論」でもある。そう思って今回の細田氏のセクハラ疑惑をめぐる報道を新聞各紙で確認するとサラッとしている印象を受ける。 朝日新聞は社説で『細田氏の言動 衆院議長の資質欠く』(5月28日)と書いた。 《女性記者らに対するセクハラの指摘に対し、説明責任を果たそうとしない。これでは、議長の資質に欠けるというほかなく、国会に対する国民の信頼をも損ないかねない。》 確かにそうなのだが、まず自社の政治部記者に詳しく尋ねたらどうなのだろう。そのほうが何か新事実や新証言が出てくるのではないか? 「野党は、引き続き追及する構えだ」(5月27日)とも書いているが、どこか他人事である。でも、実は政治家のセクハラ問題は、マスコミがいちばん「知っている」のでは? 私はいま朝日を例に挙げたが、ほかの新聞社やテレビ局も同じだ』、「彼女たちはオフレコ取材が前提なので、同僚に迷惑がかかるのでは、とも悩んでいる。自ら名乗り出ることは容易ではありません。上層部としても“貴重な情報源”である細田氏を守りたいから、『あったこと』をなかなか報じられずにいます」、「セクハラ、パワハラ被害にあった人が「仕事のために」被害をなかなか言いだせないという状況がもし本当なら、これは新聞業界、もしくはマスコミ業界全体の問題だと思う」、「実は政治家のセクハラ問題は、マスコミがいちばん「知っている」のでは?」、まさに「マスコミ論」だ。
・『「女性の番記者を付けている社が目立ちます」 「細田氏の女性好きは昔から有名です。(略)『細田氏は女性にしか話さない』と言われ、女性の番記者を付けている社が目立ちます」(ベテラン政治記者、週刊文春5月19日発売号) 私は政治面によくある「関係者」「党幹部」「重鎮」など、匿名だからこそ言えるコメントを読むのも好きだ。役に立つと思っている。しかし女性記者がパワハラやセクハラに遭っても言いだせない上で成立するものなら、私も楽しんではいられない。 いやいや、取材はそれだけじゃないよ、ちゃんとやってるよ、と言うなら今回の「政治家のセクハラと取材者」の問題を取り上げてほしい。私は嫌味や皮肉で言ってるのではなくマスコミ内部の姿勢を見たいのです。 今回の件で2018年の「財務省セクハラ」問題を思い出した人も多いだろう。女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられて財務省事務次官・福田淳一氏が辞任した件。あれも発端は週刊誌報道だった。あのときは「週刊新潮」で、今回は「週刊文春」。女性記者へのセクハラは自社の媒体ではなく、週刊誌に訴えてやっと報じられる案件なのか。 細田セクハラ問題は、やはりマスコミ論でもある』、「女性記者へのセクハラは自社の媒体ではなく、週刊誌に訴えてやっと報じられる案件なのか。 細田セクハラ問題は、やはりマスコミ論でもある」、誠に情けないことだ。
次に、本年5月16日付け文春オンライン「ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/62859
・『5月14日21時、ジャニーズ事務所が公式HPで動画を配信し、藤島ジュリー景子社長自らが「創業者ジャニー喜多川の性加害問題について、世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます。何よりまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます」などと語った。 ジャニー氏(享年87)の性加害については、1999年に「週刊文春」が14週にわたって報じ、キャンペーン開始直後の1999年11月、ジャニー氏とジャニーズ事務所は、小社・文藝春秋に対し名誉毀損の損害賠償を求めて提訴。2003年の東京高裁判決では、性加害が認定され、翌年、最高裁で確定した。しかし、多数の元ジャニーズ・ジュニアの証言によれば、これ以降も性加害は続いていた。判決後も性加害が続いてきた理由の一つにあると見られるのが、ジャニーズ事務所とビジネスで深くつながるメディアや広告代理店による性加害“黙殺”だ。そうした実例の一つが、日本を代表する大手広告代理店の博報堂の原稿削除問題である。本件を報じた「週刊文春」4月20日号の記事を公開する。(初出:週刊文春 2023年4月20日号 肩書きは公開時のまま)。 「ジャニーズを優先してこっちをないがしろにして。誠実ではないですよね」 そう憤るのは、批評家の矢野利裕氏である。 大手広告代理店・博報堂が発行している『広告』。 「博報堂の社員が編集に携わっています。その号の特集テーマに沿った、様々な筆者の論考・対談などが掲載される。2019年からは小野直紀氏が編集長を務めている」(博報堂社員) いま問題となっているのは、「文化」をテーマとした最新号(3月31日発売)。この号では、矢野氏と社会学者の田島悠来氏が「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで対談している。この中で、矢野氏がジャニー喜多川氏のセクシャルハラスメントや、ジャニーズ事務所のメディアへの影響力について言及した発言が、博報堂の広報室長の判断で勝手に削除されていたのだ。 この件が公になったのは、3月31日。矢野氏の「note」への投稿だった。矢野氏が語る。 「対談は去年12月1日にZoomでしました。編集長の小野氏も同席しました」』、「2003年の東京高裁判決では、性加害が認定され、翌年、最高裁で確定した。しかし・・・これ以降も性加害は続いていた。判決後も性加害が続いてきた理由の一つにあると見られるのが、ジャニーズ事務所とビジネスで深くつながるメディアや広告代理店による性加害“黙殺”だ」、「矢野氏と社会学者の田島悠来氏が「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで対談している。この中で、矢野氏がジャニー喜多川氏のセクシャルハラスメントや、ジャニーズ事務所のメディアへの影響力について言及した発言が、博報堂の広報室長の判断で勝手に削除されていた」、悪質だ。
・『「性犯罪」という言葉を「ハラスメント」に修正 英BBCがジャニー氏の問題を取り上げた番組の取材も受けていた矢野氏。話の流れで、性加害についても触れることになった。 『ジャニーズの文化は、ジャニー氏の自宅である合宿所での濃密な人間関係と共に培われた。ただそれが一方で性犯罪を生んだ』などと言いました。客観的な事実として語った。裁判で認定されたことも言った覚えがあります」(同前) 編集部から届いた原稿では性犯罪という言葉はハラスメントに修正されたが、「編集部としてはそのラインなんだと割り切った」(同前)。矢野氏は原稿に手を入れて返送。そこではジャニーズが帝国と呼ばれるほど影響力を持つことを述べた上で、こう発言している。 〈囲い込み、独占するようなコントロールをマスメディアに対して影響力を持ってやってきて……。いまの時代はとくに、メディアの独占的なコントロールやハラスメントなどはその問題性を追及されるべきところだと思います〉 矢野氏が驚いたのは、12月23日の編集部からのメールの内容だ。 「『弊社の確認により、修正が入る可能性があります。もし大きな修正となりましたらご連絡致します』などと書かれていました。この後にまだあるんだと」』、「「性犯罪」という言葉を「ハラスメント」に修正」、これだけでイメージ悪化を緩和できるので、悪質だ。
・『〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮〉 その後、連絡はなく、3月末に雑誌が届く。すると先ほどの発言が削除されており、対談の最後にこう注意書きが記されていた。 〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています〉 これを見た矢野氏は、すぐさまnoteを執筆する。 「外の人間が話している者の責任で語っていることを、広報室長の判断で削除するというのがよくわからなかった。気分としては、変ですねぇっていう」 すると小野氏も4月4日、noteに投稿。広報室長から削除要求があった際に抗議したが、聞き入れられなかったと明かした。 ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂。水島正幸社長に見解を尋ねたが、「会社の方に」と繰り返すばかり。広報室に性加害を容認したかのような判断が適切かなどと聞くと、概ね以下のように回答した。 「記事は最終的には博報堂広報室長がその内容について確認をしています。この件に限らず配慮が必要と判断した原稿に関しては、編集長と相談の上、修正の必要性などの判断をおこなっています。矢野氏へは、ご迷惑をおかけしたことにつきましてお詫びさせていただきたいと考えております」 かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく。 【動画】ジャニー氏性加害 元ジュニア橋田康氏(37)が語った13歳の時の性被害とジュリー社長の会見に感じた”問題点” ジャニー喜多川“性加害” 新たな被害者が実名顔出し告白「話をしたら両親は泣きました」 〈回答全文公開〉ジャニーズ事務所スポンサー116社+テレビ局6社独自アンケート「説明文書の評価は?」「ジャニー氏の性加害への見解は?」
「ジャニーさんに15回されました」被害少年がついに実名、顔出し告発』、「ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂」、「かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく」、情けない限りだ。「博報堂」以外にも、事実を知っていて隠蔽に協力していたマスコミの罪も重い。
第三に、5月18日付けNEWSポストセブン「【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20230518_1870283.html?DETAIL
・『厳然たる上下関係のもと、密室で繰り広げられていたのは、あられもない痴態だった──。歌舞伎俳優の市川猿之助(47才)によるセクハラ・パワハラ行為が浮かび上がってきた、いったい何があったというのだろうか。 「奮闘歌舞伎公演」の名にふさわしく、市川猿之助は舞台上を縦横無尽に立ち廻り、ワイヤーに吊られて舞う「宙乗り」には万雷の拍手が起きた。 明治座(東京・中央区)で5月3日にスタートした『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』で、猿之助は演目の異なる昼夜の2公演に出演中だ(28日まで)。昼の部では、1979年に植田紳爾の作・演出で初演されて以来、今回が2度目となる「不死鳥よ 波濤を越えて ─平家物語異聞─」を上演している。 猿之助は、“不死鳥”をほうふつとさせる白い衣装に身を包み宙乗りするほか、歌唱も披露。夜の部では三代目猿之助(現・市川猿翁・83才)が1984年に明治座で初演した「御贔屓繋馬」を、約40年ぶりに上演し、クライマックスの大喜利所作事「蜘蛛の絲宿直噺」では、6役早替わりの変化舞踊で観客を圧倒した。舞台に立つだけでなく、昼夜ともに演出も猿之助自身が務めており、名実ともに「猿之助の公演」だ。 「300人ほどいる歌舞伎役者の中でも、自分の名前を前面に出して大きな興行を打てるのは、成田屋の市川團十郎(45才)や音羽屋の尾上菊之助(45才)などほんの一握り。澤瀉屋の中心である猿之助は、歌舞伎はもちろん、大河ドラマ『風林火山』(NHK、2007年)に武田信玄役でドラマ初出演を果たして以降、『半沢直樹』(TBS系、2020年)や『鎌倉殿の13人』(NHK、2022年)などの話題作にも出演経験があり、トップレベルの人気を誇ります。当然、集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者) さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) 拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある。 「師匠と弟子、座長と役者・裏方の関係は絶対で、無言の圧力のなかで、間違っても口答えしたりすることはできません。性被害に悩んだ役者も“がまんするしかない”と無言で耐えていたといいます。厳然たる上下関係を感じ、泣き寝入りするしかないんです。澤瀉屋周辺では、そうした猿之助さんの行動は知られた話で、周囲は、“今日は彼が腕枕要員だったんだな”という目で見るばかりだと言います」(前出・劇場関係者) 別の劇場関係者が続ける。 「劇場のスタッフが、猿之助さんからキスを求められたことがあったそうです。そのスタッフは猿之助さんの公演に携わってきていた人でしたが、キスを拒否した途端、次の公演から担当を外されてしまいました。それがキスを拒絶したことが理由なのかはわかりませんが、周囲はそう理解しています」) 猿之助の周囲では、そうした証言が後を絶たない。ある澤瀉屋関係者が告白する。 「猿之助さんは陽気でチャーミングで洒脱で、“いいお兄さんキャラ”なのはその通りです。ただ、夜にお酒を飲んだ後、2人きりになるのが怖いんです。私の場合はタクシーで手をつなぐのは当たり前で、キスをされたり、下半身を好き勝手にされたりする程度でしたが、周りにはもっと深刻な接触を求められている人もいました。 拒否したらどうなるか。舞台で役を与えられなかったり、無視されたり、スタッフなら仕事を取り上げられたり……。狭い世界なので断るのは本当に勇気がいることなんです」 ハリウッド発の「#Me Too」運動を例に挙げずとも、性加害やハラスメントは許されざるべき行為で、社会の視線は厳しさを増している。 5月14日、ジャニーズ事務所は、前社長であるジャニー喜多川氏の性加害問題を巡って、現社長の藤島ジュリー景子氏が動画で謝罪し見解を発表した。ジャニー氏に対しては、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が性被害を訴えたほか、ほかの少年も被害を受けていたことを4月の記者会見で明かした。ほかにも複数の元ジャニーズJr.が性被害を証言しており、実態解明を求める世間の声に応えた格好だ。 また、宝塚歌劇団は、元演出家との間で訴訟に発展している。発端は、昨年12月に元演出家による歌劇団の演出助手への性加害や、団員へのパワハラが報じられたことだった。退団を迫られたと主張する元演出家はハラスメントを「事実無根」として、従業員としての地位確認と未払い賃金などの支払いを求める訴えを起こした。一方、歌劇団は報道当時「ハラスメント事案があったことは弊団として確認」とコメントし、毅然とした対応をとった格好だった。 いま、社会全体が性加害やハラスメントに向き合おうとしている。当事者が自身を省みることはもちろん、組織としても性加害やハラスメントの防止に目を光らせなければならないのは当然のことだ』、「集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者) さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) 拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある」、ここまで「過剰な性的スキンシップをされる」噂はかなり広まっていた筈なので、自殺した父親が注意すべきだった。
・『「お風呂に入ったら」 猿之助のご乱行は、それに留まらない。前出のある澤瀉屋関係者が明かす。 「コロナ禍の前から、誕生日会や新年会、忘年会、公演の打ち上げといった名目で、猿之助さんが主催するパーティーが頻繁に行われていました。参加するのは、澤瀉屋の一門にいる若手の歌舞伎役者や、猿之助さんの興行などに出演する舞台俳優やアクション俳優などです。 ただコロナ禍を迎え、飲食店など人目がある場所での大人数の集まりは憚られるようになった。そのため、ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」) 5月8日に新型コロナは感染症法上の「5類」に移行し、日常は戻りつつある。しかし、コロナが猛威を振るっていた期間中は、歌舞伎に限らず、舞台公演の関係者や、コンサートに携わる音楽関係者が細心の注意を払っていた。 「もちろん、どんなに気をつけていても感染してしまうことはあります。ですが、猿之助さんのように主役級だと、簡単に代役を立てられない。公演が中止になれば、歌舞伎興行を行う松竹にも、一門にも大打撃です。もちろん、チケットを買って観劇するお客さんにもご迷惑がかかります。にもかかわらず、人目を忍んだパーティーはコロナが猛威を振るう時期にも行われていました」(芸能関係者) 猿之助は、2021年7月30日と、2022年7月22日に新型コロナ感染を松竹を通じて発表した。1回目では、翌8月の「八月花形歌舞伎」には代役が立てられたが、2回目はほかの感染者がいたことも背景に、「七月大歌舞伎」は7日間休演になった。 「1度目の感染の直前にも、猿之助さん主催のパーティーは開かれていました」(前出・芸能関係者) 『女性セブン』が確認したところ、2021年7月7~8日に神奈川県葉山町にあるホテル、7月29~30日には、神奈川県鎌倉市材木座のホテルで内々のパーティーが行われたという。前者は東京と神奈川にまん延防止等重点措置が取られていたタイミングであり、後者に至っては、東京は緊急事態宣言下にあった。 「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。 そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。 内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者) ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ。 「一般社会では、絶対に許されませんよ。ですが、猿之助さんはそういった行為が、許されないことだと認識できていないようにも感じられるんです。澤瀉屋のリーダーという立場上、誰も“それはおかしいことだよ”と注意できない。当たり前のように行われ、それがエスカレートして、上下関係で下にあたる人の気持ちをまったく考えられなくなってしまう。まるで“裸の王様”です。 もし発覚したら社会的にも、組織のなかでも処罰されるようなことでも、誰にも指摘されないので、猿之助さんは、ある意味で無邪気に“悪気”なくやっているようなんです」(前出・劇場関係者)) 本誌『女性セブン』は5月15日夜、公演後の猿之助を直撃した。飲食店から出てきた猿之助は笑顔だったが、本誌が名乗ると途端に不機嫌な表情を浮かべ、「答える義務はありません」とだけ話した。 ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません。 (今後の対応については)ハラスメント行為は決して許されないものであり、俳優の私行においても社会規範や倫理を逸脱する行為は厳に慎むべきと考えております。公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」』、「ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」、「「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。 そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。 内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者) ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ」、「ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません」、と逃げているが、やはり責任は重大だと思う。
第四に、この続きを、5月18日付けNEWSポストセブン「市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20230518_1870314.html?DETAIL
・『歌舞伎の名門「澤瀉屋」を率いる市川猿之助(47才)の浮世離れしたハラスメント体質が浮かび上がった。歌舞伎界でもトップレベルの人気を誇る猿之助だが、劇場関係者はこう証言する。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) こういった証言は後を絶たず、ある澤瀉屋関係者はこう告白する。 「猿之助さんは陽気でチャーミングで洒脱で、“いいお兄さんキャラ”なのはその通りです。ただ、夜にお酒を飲んだ後、2人きりになるのが怖いんです。私の場合はタクシーで手をつなぐのは当たり前で、キスをされたり、下半身を好き勝手にされたりする程度でしたが、周りにはもっと深刻な接触を求められている人もいました。 拒否したらどうなるか。舞台で役を与えられなかったり、無視されたり、スタッフなら仕事を取り上げられたり……。狭い世界なので断るのは本当に勇気がいることなんです」(澤瀉屋関係者) また、猿之助はコロナ禍においてパーティーを開いていたという。 「コロナ禍の前から、誕生日会や新年会、忘年会、公演の打ち上げといった名目で、猿之助さんが主催するパーティーが頻繁に行われていました。参加するのは、澤瀉屋の一門にいる若手の歌舞伎役者や、猿之助さんの興行などに出演する舞台俳優やアクション俳優などです。 ただコロナ禍を迎え、飲食店など人目がある場所での大人数の集まりは憚られるようになった。そのため、ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」(前出・澤瀉屋関係者) そのパーティーでは、猿之助の指示で複数の参加者が入浴させられたことがあったほか、酔っ払った猿之助も一緒に入浴し、参加者にキスをしたり、体を触ったりなどのスキンシップが平然と行われていたというのだ。 「澤瀉屋」という屋号は、初代猿之助の生家が、薬草の澤瀉を扱う薬屋だったことに由来するという。初代猿之助は、九代目市川團十郎に成田屋を破門にされた後に澤瀉屋を掲げ「市川猿之助」「市川段四郎」の名跡を二枚看板としてきた。澤瀉屋には「猿翁」の名跡もあるが、「猿之助」の名を後継者に譲った人間が名乗る隠居名のため、猿之助がれっきとした中心である。 「猿之助さんは、もともとの『市川亀治郎』を終生名乗りたいと公言していたし、父親の『段四郎』を継ぐかもしれないと考えていたはずです。しかし、風向きが変わったのは、伯父で三代目猿之助(当代の猿翁)が高齢と体調不良のため猿之助を退くことになり、当時の亀治郎に白羽の矢が立ったこと。2012年に『四代目猿之助』を襲名すると、それまで古典歌舞伎ばかり演じていたのが一転、新作へと没頭していきました」(歌舞伎関係者)) かねて、「猿之助」という名跡は歌舞伎界に新風を送り込む存在だった。 「二代目は大正の時代に海外の演劇の感覚を歌舞伎に持ち込み、特にロシアバレエの要素を加えた立体感のある振り付けが反響を呼びました。三代目の功績は1986年の『スーパー歌舞伎』の旗揚げでしょう。古典芸能とは対となる現代風歌舞伎で、第1作の『ヤマトタケル』は語り継がれる名作です」(前出・歌舞伎関係者) 猿之助自身、その名跡が持つ特性を理解していた。 《僕が継承すべきは、作品をそのまま真似ることではなく、“猿之助”の精神だと思っています。その最たるものが、成功した作品でも常に洗い直す心。亀治郎時代は自分の工夫を加えることはできませんでしたが、僕はもう猿之助です》(『婦人画報』2014年11月号) 実際、猿之助はスーパー歌舞伎をさらに昇華させ、大人気コミックを基にして2015年に『ワンピース』を初演し好評を博した。2024年にはこちらも人気コミックの『鬼滅の刃』の歌舞伎上演を控えている。 「名門・澤瀉屋において『猿之助』の力は絶大です。今回の明治座の公演もそうですが、座頭として自分の名を冠する興行ですから、演目や内容の決定に始まり、キャスティングにも意見が反映されます。そればかりか、舞台を裏側で支える劇場関係者、衣装関係者、大道具関係者なども、猿之助の一言の影響力は大きく、権力が集中する立場にあるんです。トップ役者であると同時に、有力プロデューサーでもあるわけです」(前出・歌舞伎関係者) 興行の成否に重大な責任を負うからこその構図だが、歪な力関係をもたらしてしまったようだ。 「かつて、猿之助さんは一門の弟子に向かって“弟子なんか家畜だからな! お前らは家畜だよ!”と怒鳴り散らしたことがあったと言います。澤瀉屋のリーダーとして絶大な力を持っている分、一門に関係する役者たちは猿之助さんには絶対に逆らえない。そうした業務上の上下関係が、一般社会で言うハラスメント行為に発展してしまっているのです。 もちろん猿之助さんは独身なので、業務上の上下関係があっても、お互いが求め合えば自由恋愛です。ただ、業務で優越な立場にある側が性的な関係を求めることは、相手の受け止め方によってはパワハラやセクハラにあたるのはいまや常識です」(前出・劇場関係者) それでも拒絶できないのは、先述したように、猿之助が興行において絶対的な権力を持っている構図にある。こんな証言もある。 「ある俳優は猿之助と深い関係だった。ところが、あるときに関係を断ったら舞台に上げてもらえなくなったばかりか、一定期間、楽屋にさえ出入りできなくなったそうです」(別の劇場関係者) そうしたことが重なり、「猿之助さんを拒絶したら怖い」というイメージが、一門の中には充満しているのだという。 「逆に、仕事のため、将来のためと自分に言い聞かせてがまんすれば、猿之助さんの覚えがめでたくなり、芸歴や実力には不相応ともいえる『役』を与えてもらえるんです。近年はそれが露骨になっている。10年、20年と歌舞伎をやってきた役者がエキストラのような役をやり、覚えめでたい駆け出しのアクション俳優が突然、新作歌舞伎で大役を任されるんです。 一方、そうして役をもらった役者は、周囲からは“猿之助のお気に入りなんだろう”“役をもらうために媚を売っているのだろう”などとうがった見られ方をされて、それもつらい状況なんです」(前出・劇場関係者)』、「「かつて、猿之助さんは一門の弟子に向かって“弟子なんか家畜だからな! お前らは家畜だよ!”と怒鳴り散らしたことがあったと言います。澤瀉屋のリーダーとして絶大な力を持っている分、一門に関係する役者たちは猿之助さんには絶対に逆らえない。そうした業務上の上下関係が、一般社会で言うハラスメント行為に発展してしまっているのです」、こんなに増長してしまってはどうしようもない。「猿之助さんは独身なので、業務上の上下関係があっても、お互いが求め合えば自由恋愛です。ただ、業務で優越な立場にある側が性的な関係を求めることは、相手の受け止め方によってはパワハラやセクハラにあたるのはいまや常識です」、「「名門・澤瀉屋において『猿之助』の力は絶大です。今回の明治座の公演もそうですが、座頭として自分の名を冠する興行ですから、演目や内容の決定に始まり、キャスティングにも意見が反映されます。そればかりか、舞台を裏側で支える劇場関係者、衣装関係者、大道具関係者なども、猿之助の一言の影響力は大きく、権力が集中する立場にあるんです。トップ役者であると同時に、有力プロデューサーでもあるわけです」、やはりこうした異常な世界を許容していた「松竹」の責任も重大だ。
・『レモンを「甘い」と感じるまで稽古しろ 歌舞伎の伝統が長い歴史を紡ぐなかで、その世界の特殊性も醸成されていった。「師匠」と「弟子」の関係は絶対であると同時に、師匠の引き立てをもらうことで、歌舞伎役者は初めて舞台に立つことができる。しかし、「芸の相伝」と「ハラスメント」の境界が曖昧なのもまた事実だ。 「歌舞伎界には、“とにかく汗を流して、汗を流して、レモンをなめたときに『甘い』と感じるまで踊らなければ、稽古したとはいえない”という話があります。まるで昭和の部活動で、科学的とはまったく言えない。しかし、そういった考えがまかり通る世界なのです」(前出・歌舞伎関係者) 旧態依然とした上下関係に、ハラスメントは隠されている。2001年、当代一の女形と呼び声高い坂東玉三郎(73才)は、元弟子(当時19才)とその母親から1200万円を求める民事訴訟を起こされている。元弟子の入門直後の1996年、地方公演で宿泊したホテルで、玉三郎がズボンの上から弟子の股間を触ったことへの精神的苦痛にともなう慰謝料請求だった。 また、昨年8月、市川中車(香川照之、57才)の銀座クラブホステスへの性加害が『週刊新潮』で報じられた。 「表舞台から姿を消すきっかけになった性加害は銀座の夜の女性に対するものでしたが、騒動渦中には『週刊文春』で、香川さんの理詰めの叱責を繰り返し受けた若手の男性マネジャーが精神を病み、退職を余儀なくされたとも報じられました」(スポーツ紙記者) さらに本誌『女性セブン』は、今年4月27日発売号で、尾上菊之助と、一門に長年仕えた弟子・尾上音三郎(50才)の衝突を詳報した。菊之助の長男・丑之助(9才)への指導を巡って、菊之助は音三郎を繰り返し叱責。菊之助は音三郎を自宅に呼びつけたうえ散々に罵倒し、「息子に土下座しろ!」と迫ったこともあったという。 ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません。 (今後の対応については)ハラスメント行為は決して許されないものであり、俳優の私行においても社会規範や倫理を逸脱する行為は厳に慎むべきと考えております。公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」 歌舞伎は世界に轟く伝統芸能だ。守らなければならない文化である。しかし、それは時代が求める「健全性」に即していることが大前提だろう。社会が性加害やハラスメントの捉え方を変容させたように、歌舞伎界もまた、変わるべきときを迎えているのかもしれない。 ※女性セブン2023年6月1日号』、「その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません」、と責任を否定しているが、「市川猿之助」以外にも、「坂東玉三郎」、「香川照之」、「尾上菊之助と、一門に長年仕えた弟子・尾上音三郎(50才)の衝突」、など多くの問題を引き起こしている。やはり、様々な問題を放置してきた「松竹」の責任は本当に重大なようだ。
先ずは、昨年5月31日付け文春オンライン「女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた、マスコミ業界の“体質”」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/54751
・『細田博之衆院議長の「セクハラ」問題。週刊文春が2週にわたり報道した。 流れをおさらいする。まず5月19日発売の週刊文春が『細田博之議長 女性記者に深夜に「今から家に来ないか」』という記事を掲載。 大勢の政治部記者から文春に“告発”が寄せられたとし、細田氏が過去に複数の女性記者らにセクハラ発言を繰り返していたと報道。たとえば女性記者が細田氏に取材をすると「添い寝をしたら教えてあげる」と言われたという話が“常識”のように記者たちの間に広まっているという。 実際に文春が被害に遭っていたといわれるA記者に話を聞くと「無かったと言えば、嘘になりますね」というコメントが。さらにB記者は「深夜に本人から『今から来ないか?』」と電話がかかってきた。断るわけにもいかず、足を運びました。自宅に呼ばれたのは、私だけではないと聞きます」と証言。 こうした話は本当なのか文春が細田事務所に事実関係を尋ねたところ、期日までに回答が無かった。しかし報道後に細田氏は「事実無根」と抗議。 すると翌週の週刊文春(5月26日発売号)で、細田セクハラ問題の第2弾を報じたのだ。タイトルと見出しはこれ』、本当に手クセが悪い人物が、何と衆議院議長というのだから、日本政治のおさとが知れ、みっともないことだ。
・『「うちに来て」細田衆院議長の嘘を暴く「セクハラ記録」 ・女性記者たちの告発「二人きりで会いたい」「愛してる」 ・党女性職員が周囲に嘆いた「お尻を触られた」 ・最も狙われた女性記者が漏らした「文春はほぼ正しい」 ・カードゲーム仲間人妻の告白「抱きしめたいと言われ…」 どれを読んでもギョッとする。細田氏はこの報道に対し、改めて抗議する文書を出し、「通常国会閉会後、訴訟も視野に入れて検討したい」などと真っ向から反論した。 ここまでが現時点の流れである』、「訴訟」は単なる脅しだろう。
・『「最も狙われている」女性記者の回答 さて、細田氏とは別に、私にはどうしても気になる点があったのです。それは取材する記者の側のことだ。 記事の後半に「H記者」が登場している。多数の記者から、細田氏に「最も狙われている」と言われていた女性記者である。 以前からH記者は国会議員のセクハラ発言に強い問題意識を持ち「女性記者は多かれ少なかれ経験している。被害が出た時に担当を外せば解決する問題ではない」と話していたという。前週の文春記事についても「文春はしっかり取材している。記事の内容はほぼ正しい」などと周囲に語っていた。 そんななか文春がH記者に事実確認のために電話をした。ここでH記者から出た言葉は、 「それについては即答できる状況にないんです」「考える時間も必要なので、またご連絡させて下さい」 というもの。 翌日、H記者から文春に電話があった。その内容は「やはり今、お答えできることはありません……」という“回答”だった』、何故なのだろう。
・『彼女たちが“告発”できない理由 記事では細田氏の「セクハラ記録」を提供した人物が次のように解説している。 「大手マスコミは、自社の女性記者が細田氏から受けたセクハラ発言を把握しているはずです。ただ、彼女たちはオフレコ取材が前提なので、同僚に迷惑がかかるのでは、とも悩んでいる。自ら名乗り出ることは容易ではありません。上層部としても“貴重な情報源”である細田氏を守りたいから、『あったこと』をなかなか報じられずにいます」 この「解説」を何度も読み返してしまった。恐ろしいことが書かれているではないか。 セクハラ、パワハラ被害にあった人が「仕事のために」被害をなかなか言いだせないという状況がもし本当なら、これは新聞業界、もしくはマスコミ業界全体の問題だと思う。 これは「マスコミ論」でもある。そう思って今回の細田氏のセクハラ疑惑をめぐる報道を新聞各紙で確認するとサラッとしている印象を受ける。 朝日新聞は社説で『細田氏の言動 衆院議長の資質欠く』(5月28日)と書いた。 《女性記者らに対するセクハラの指摘に対し、説明責任を果たそうとしない。これでは、議長の資質に欠けるというほかなく、国会に対する国民の信頼をも損ないかねない。》 確かにそうなのだが、まず自社の政治部記者に詳しく尋ねたらどうなのだろう。そのほうが何か新事実や新証言が出てくるのではないか? 「野党は、引き続き追及する構えだ」(5月27日)とも書いているが、どこか他人事である。でも、実は政治家のセクハラ問題は、マスコミがいちばん「知っている」のでは? 私はいま朝日を例に挙げたが、ほかの新聞社やテレビ局も同じだ』、「彼女たちはオフレコ取材が前提なので、同僚に迷惑がかかるのでは、とも悩んでいる。自ら名乗り出ることは容易ではありません。上層部としても“貴重な情報源”である細田氏を守りたいから、『あったこと』をなかなか報じられずにいます」、「セクハラ、パワハラ被害にあった人が「仕事のために」被害をなかなか言いだせないという状況がもし本当なら、これは新聞業界、もしくはマスコミ業界全体の問題だと思う」、「実は政治家のセクハラ問題は、マスコミがいちばん「知っている」のでは?」、まさに「マスコミ論」だ。
・『「女性の番記者を付けている社が目立ちます」 「細田氏の女性好きは昔から有名です。(略)『細田氏は女性にしか話さない』と言われ、女性の番記者を付けている社が目立ちます」(ベテラン政治記者、週刊文春5月19日発売号) 私は政治面によくある「関係者」「党幹部」「重鎮」など、匿名だからこそ言えるコメントを読むのも好きだ。役に立つと思っている。しかし女性記者がパワハラやセクハラに遭っても言いだせない上で成立するものなら、私も楽しんではいられない。 いやいや、取材はそれだけじゃないよ、ちゃんとやってるよ、と言うなら今回の「政治家のセクハラと取材者」の問題を取り上げてほしい。私は嫌味や皮肉で言ってるのではなくマスコミ内部の姿勢を見たいのです。 今回の件で2018年の「財務省セクハラ」問題を思い出した人も多いだろう。女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられて財務省事務次官・福田淳一氏が辞任した件。あれも発端は週刊誌報道だった。あのときは「週刊新潮」で、今回は「週刊文春」。女性記者へのセクハラは自社の媒体ではなく、週刊誌に訴えてやっと報じられる案件なのか。 細田セクハラ問題は、やはりマスコミ論でもある』、「女性記者へのセクハラは自社の媒体ではなく、週刊誌に訴えてやっと報じられる案件なのか。 細田セクハラ問題は、やはりマスコミ論でもある」、誠に情けないことだ。
次に、本年5月16日付け文春オンライン「ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/62859
・『5月14日21時、ジャニーズ事務所が公式HPで動画を配信し、藤島ジュリー景子社長自らが「創業者ジャニー喜多川の性加害問題について、世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます。何よりまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます」などと語った。 ジャニー氏(享年87)の性加害については、1999年に「週刊文春」が14週にわたって報じ、キャンペーン開始直後の1999年11月、ジャニー氏とジャニーズ事務所は、小社・文藝春秋に対し名誉毀損の損害賠償を求めて提訴。2003年の東京高裁判決では、性加害が認定され、翌年、最高裁で確定した。しかし、多数の元ジャニーズ・ジュニアの証言によれば、これ以降も性加害は続いていた。判決後も性加害が続いてきた理由の一つにあると見られるのが、ジャニーズ事務所とビジネスで深くつながるメディアや広告代理店による性加害“黙殺”だ。そうした実例の一つが、日本を代表する大手広告代理店の博報堂の原稿削除問題である。本件を報じた「週刊文春」4月20日号の記事を公開する。(初出:週刊文春 2023年4月20日号 肩書きは公開時のまま)。 「ジャニーズを優先してこっちをないがしろにして。誠実ではないですよね」 そう憤るのは、批評家の矢野利裕氏である。 大手広告代理店・博報堂が発行している『広告』。 「博報堂の社員が編集に携わっています。その号の特集テーマに沿った、様々な筆者の論考・対談などが掲載される。2019年からは小野直紀氏が編集長を務めている」(博報堂社員) いま問題となっているのは、「文化」をテーマとした最新号(3月31日発売)。この号では、矢野氏と社会学者の田島悠来氏が「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで対談している。この中で、矢野氏がジャニー喜多川氏のセクシャルハラスメントや、ジャニーズ事務所のメディアへの影響力について言及した発言が、博報堂の広報室長の判断で勝手に削除されていたのだ。 この件が公になったのは、3月31日。矢野氏の「note」への投稿だった。矢野氏が語る。 「対談は去年12月1日にZoomでしました。編集長の小野氏も同席しました」』、「2003年の東京高裁判決では、性加害が認定され、翌年、最高裁で確定した。しかし・・・これ以降も性加害は続いていた。判決後も性加害が続いてきた理由の一つにあると見られるのが、ジャニーズ事務所とビジネスで深くつながるメディアや広告代理店による性加害“黙殺”だ」、「矢野氏と社会学者の田島悠来氏が「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで対談している。この中で、矢野氏がジャニー喜多川氏のセクシャルハラスメントや、ジャニーズ事務所のメディアへの影響力について言及した発言が、博報堂の広報室長の判断で勝手に削除されていた」、悪質だ。
・『「性犯罪」という言葉を「ハラスメント」に修正 英BBCがジャニー氏の問題を取り上げた番組の取材も受けていた矢野氏。話の流れで、性加害についても触れることになった。 『ジャニーズの文化は、ジャニー氏の自宅である合宿所での濃密な人間関係と共に培われた。ただそれが一方で性犯罪を生んだ』などと言いました。客観的な事実として語った。裁判で認定されたことも言った覚えがあります」(同前) 編集部から届いた原稿では性犯罪という言葉はハラスメントに修正されたが、「編集部としてはそのラインなんだと割り切った」(同前)。矢野氏は原稿に手を入れて返送。そこではジャニーズが帝国と呼ばれるほど影響力を持つことを述べた上で、こう発言している。 〈囲い込み、独占するようなコントロールをマスメディアに対して影響力を持ってやってきて……。いまの時代はとくに、メディアの独占的なコントロールやハラスメントなどはその問題性を追及されるべきところだと思います〉 矢野氏が驚いたのは、12月23日の編集部からのメールの内容だ。 「『弊社の確認により、修正が入る可能性があります。もし大きな修正となりましたらご連絡致します』などと書かれていました。この後にまだあるんだと」』、「「性犯罪」という言葉を「ハラスメント」に修正」、これだけでイメージ悪化を緩和できるので、悪質だ。
・『〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮〉 その後、連絡はなく、3月末に雑誌が届く。すると先ほどの発言が削除されており、対談の最後にこう注意書きが記されていた。 〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています〉 これを見た矢野氏は、すぐさまnoteを執筆する。 「外の人間が話している者の責任で語っていることを、広報室長の判断で削除するというのがよくわからなかった。気分としては、変ですねぇっていう」 すると小野氏も4月4日、noteに投稿。広報室長から削除要求があった際に抗議したが、聞き入れられなかったと明かした。 ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂。水島正幸社長に見解を尋ねたが、「会社の方に」と繰り返すばかり。広報室に性加害を容認したかのような判断が適切かなどと聞くと、概ね以下のように回答した。 「記事は最終的には博報堂広報室長がその内容について確認をしています。この件に限らず配慮が必要と判断した原稿に関しては、編集長と相談の上、修正の必要性などの判断をおこなっています。矢野氏へは、ご迷惑をおかけしたことにつきましてお詫びさせていただきたいと考えております」 かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく。 【動画】ジャニー氏性加害 元ジュニア橋田康氏(37)が語った13歳の時の性被害とジュリー社長の会見に感じた”問題点” ジャニー喜多川“性加害” 新たな被害者が実名顔出し告白「話をしたら両親は泣きました」 〈回答全文公開〉ジャニーズ事務所スポンサー116社+テレビ局6社独自アンケート「説明文書の評価は?」「ジャニー氏の性加害への見解は?」
「ジャニーさんに15回されました」被害少年がついに実名、顔出し告発』、「ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂」、「かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく」、情けない限りだ。「博報堂」以外にも、事実を知っていて隠蔽に協力していたマスコミの罪も重い。
第三に、5月18日付けNEWSポストセブン「【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」」を紹介しよう。
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・『厳然たる上下関係のもと、密室で繰り広げられていたのは、あられもない痴態だった──。歌舞伎俳優の市川猿之助(47才)によるセクハラ・パワハラ行為が浮かび上がってきた、いったい何があったというのだろうか。 「奮闘歌舞伎公演」の名にふさわしく、市川猿之助は舞台上を縦横無尽に立ち廻り、ワイヤーに吊られて舞う「宙乗り」には万雷の拍手が起きた。 明治座(東京・中央区)で5月3日にスタートした『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』で、猿之助は演目の異なる昼夜の2公演に出演中だ(28日まで)。昼の部では、1979年に植田紳爾の作・演出で初演されて以来、今回が2度目となる「不死鳥よ 波濤を越えて ─平家物語異聞─」を上演している。 猿之助は、“不死鳥”をほうふつとさせる白い衣装に身を包み宙乗りするほか、歌唱も披露。夜の部では三代目猿之助(現・市川猿翁・83才)が1984年に明治座で初演した「御贔屓繋馬」を、約40年ぶりに上演し、クライマックスの大喜利所作事「蜘蛛の絲宿直噺」では、6役早替わりの変化舞踊で観客を圧倒した。舞台に立つだけでなく、昼夜ともに演出も猿之助自身が務めており、名実ともに「猿之助の公演」だ。 「300人ほどいる歌舞伎役者の中でも、自分の名前を前面に出して大きな興行を打てるのは、成田屋の市川團十郎(45才)や音羽屋の尾上菊之助(45才)などほんの一握り。澤瀉屋の中心である猿之助は、歌舞伎はもちろん、大河ドラマ『風林火山』(NHK、2007年)に武田信玄役でドラマ初出演を果たして以降、『半沢直樹』(TBS系、2020年)や『鎌倉殿の13人』(NHK、2022年)などの話題作にも出演経験があり、トップレベルの人気を誇ります。当然、集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者) さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) 拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある。 「師匠と弟子、座長と役者・裏方の関係は絶対で、無言の圧力のなかで、間違っても口答えしたりすることはできません。性被害に悩んだ役者も“がまんするしかない”と無言で耐えていたといいます。厳然たる上下関係を感じ、泣き寝入りするしかないんです。澤瀉屋周辺では、そうした猿之助さんの行動は知られた話で、周囲は、“今日は彼が腕枕要員だったんだな”という目で見るばかりだと言います」(前出・劇場関係者) 別の劇場関係者が続ける。 「劇場のスタッフが、猿之助さんからキスを求められたことがあったそうです。そのスタッフは猿之助さんの公演に携わってきていた人でしたが、キスを拒否した途端、次の公演から担当を外されてしまいました。それがキスを拒絶したことが理由なのかはわかりませんが、周囲はそう理解しています」) 猿之助の周囲では、そうした証言が後を絶たない。ある澤瀉屋関係者が告白する。 「猿之助さんは陽気でチャーミングで洒脱で、“いいお兄さんキャラ”なのはその通りです。ただ、夜にお酒を飲んだ後、2人きりになるのが怖いんです。私の場合はタクシーで手をつなぐのは当たり前で、キスをされたり、下半身を好き勝手にされたりする程度でしたが、周りにはもっと深刻な接触を求められている人もいました。 拒否したらどうなるか。舞台で役を与えられなかったり、無視されたり、スタッフなら仕事を取り上げられたり……。狭い世界なので断るのは本当に勇気がいることなんです」 ハリウッド発の「#Me Too」運動を例に挙げずとも、性加害やハラスメントは許されざるべき行為で、社会の視線は厳しさを増している。 5月14日、ジャニーズ事務所は、前社長であるジャニー喜多川氏の性加害問題を巡って、現社長の藤島ジュリー景子氏が動画で謝罪し見解を発表した。ジャニー氏に対しては、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が性被害を訴えたほか、ほかの少年も被害を受けていたことを4月の記者会見で明かした。ほかにも複数の元ジャニーズJr.が性被害を証言しており、実態解明を求める世間の声に応えた格好だ。 また、宝塚歌劇団は、元演出家との間で訴訟に発展している。発端は、昨年12月に元演出家による歌劇団の演出助手への性加害や、団員へのパワハラが報じられたことだった。退団を迫られたと主張する元演出家はハラスメントを「事実無根」として、従業員としての地位確認と未払い賃金などの支払いを求める訴えを起こした。一方、歌劇団は報道当時「ハラスメント事案があったことは弊団として確認」とコメントし、毅然とした対応をとった格好だった。 いま、社会全体が性加害やハラスメントに向き合おうとしている。当事者が自身を省みることはもちろん、組織としても性加害やハラスメントの防止に目を光らせなければならないのは当然のことだ』、「集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者) さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) 拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある」、ここまで「過剰な性的スキンシップをされる」噂はかなり広まっていた筈なので、自殺した父親が注意すべきだった。
・『「お風呂に入ったら」 猿之助のご乱行は、それに留まらない。前出のある澤瀉屋関係者が明かす。 「コロナ禍の前から、誕生日会や新年会、忘年会、公演の打ち上げといった名目で、猿之助さんが主催するパーティーが頻繁に行われていました。参加するのは、澤瀉屋の一門にいる若手の歌舞伎役者や、猿之助さんの興行などに出演する舞台俳優やアクション俳優などです。 ただコロナ禍を迎え、飲食店など人目がある場所での大人数の集まりは憚られるようになった。そのため、ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」) 5月8日に新型コロナは感染症法上の「5類」に移行し、日常は戻りつつある。しかし、コロナが猛威を振るっていた期間中は、歌舞伎に限らず、舞台公演の関係者や、コンサートに携わる音楽関係者が細心の注意を払っていた。 「もちろん、どんなに気をつけていても感染してしまうことはあります。ですが、猿之助さんのように主役級だと、簡単に代役を立てられない。公演が中止になれば、歌舞伎興行を行う松竹にも、一門にも大打撃です。もちろん、チケットを買って観劇するお客さんにもご迷惑がかかります。にもかかわらず、人目を忍んだパーティーはコロナが猛威を振るう時期にも行われていました」(芸能関係者) 猿之助は、2021年7月30日と、2022年7月22日に新型コロナ感染を松竹を通じて発表した。1回目では、翌8月の「八月花形歌舞伎」には代役が立てられたが、2回目はほかの感染者がいたことも背景に、「七月大歌舞伎」は7日間休演になった。 「1度目の感染の直前にも、猿之助さん主催のパーティーは開かれていました」(前出・芸能関係者) 『女性セブン』が確認したところ、2021年7月7~8日に神奈川県葉山町にあるホテル、7月29~30日には、神奈川県鎌倉市材木座のホテルで内々のパーティーが行われたという。前者は東京と神奈川にまん延防止等重点措置が取られていたタイミングであり、後者に至っては、東京は緊急事態宣言下にあった。 「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。 そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。 内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者) ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ。 「一般社会では、絶対に許されませんよ。ですが、猿之助さんはそういった行為が、許されないことだと認識できていないようにも感じられるんです。澤瀉屋のリーダーという立場上、誰も“それはおかしいことだよ”と注意できない。当たり前のように行われ、それがエスカレートして、上下関係で下にあたる人の気持ちをまったく考えられなくなってしまう。まるで“裸の王様”です。 もし発覚したら社会的にも、組織のなかでも処罰されるようなことでも、誰にも指摘されないので、猿之助さんは、ある意味で無邪気に“悪気”なくやっているようなんです」(前出・劇場関係者)) 本誌『女性セブン』は5月15日夜、公演後の猿之助を直撃した。飲食店から出てきた猿之助は笑顔だったが、本誌が名乗ると途端に不機嫌な表情を浮かべ、「答える義務はありません」とだけ話した。 ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません。 (今後の対応については)ハラスメント行為は決して許されないものであり、俳優の私行においても社会規範や倫理を逸脱する行為は厳に慎むべきと考えております。公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」』、「ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」、「「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。 そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。 内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者) ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ」、「ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません」、と逃げているが、やはり責任は重大だと思う。
第四に、この続きを、5月18日付けNEWSポストセブン「市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす」を紹介しよう。
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・『歌舞伎の名門「澤瀉屋」を率いる市川猿之助(47才)の浮世離れしたハラスメント体質が浮かび上がった。歌舞伎界でもトップレベルの人気を誇る猿之助だが、劇場関係者はこう証言する。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) こういった証言は後を絶たず、ある澤瀉屋関係者はこう告白する。 「猿之助さんは陽気でチャーミングで洒脱で、“いいお兄さんキャラ”なのはその通りです。ただ、夜にお酒を飲んだ後、2人きりになるのが怖いんです。私の場合はタクシーで手をつなぐのは当たり前で、キスをされたり、下半身を好き勝手にされたりする程度でしたが、周りにはもっと深刻な接触を求められている人もいました。 拒否したらどうなるか。舞台で役を与えられなかったり、無視されたり、スタッフなら仕事を取り上げられたり……。狭い世界なので断るのは本当に勇気がいることなんです」(澤瀉屋関係者) また、猿之助はコロナ禍においてパーティーを開いていたという。 「コロナ禍の前から、誕生日会や新年会、忘年会、公演の打ち上げといった名目で、猿之助さんが主催するパーティーが頻繁に行われていました。参加するのは、澤瀉屋の一門にいる若手の歌舞伎役者や、猿之助さんの興行などに出演する舞台俳優やアクション俳優などです。 ただコロナ禍を迎え、飲食店など人目がある場所での大人数の集まりは憚られるようになった。そのため、ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」(前出・澤瀉屋関係者) そのパーティーでは、猿之助の指示で複数の参加者が入浴させられたことがあったほか、酔っ払った猿之助も一緒に入浴し、参加者にキスをしたり、体を触ったりなどのスキンシップが平然と行われていたというのだ。 「澤瀉屋」という屋号は、初代猿之助の生家が、薬草の澤瀉を扱う薬屋だったことに由来するという。初代猿之助は、九代目市川團十郎に成田屋を破門にされた後に澤瀉屋を掲げ「市川猿之助」「市川段四郎」の名跡を二枚看板としてきた。澤瀉屋には「猿翁」の名跡もあるが、「猿之助」の名を後継者に譲った人間が名乗る隠居名のため、猿之助がれっきとした中心である。 「猿之助さんは、もともとの『市川亀治郎』を終生名乗りたいと公言していたし、父親の『段四郎』を継ぐかもしれないと考えていたはずです。しかし、風向きが変わったのは、伯父で三代目猿之助(当代の猿翁)が高齢と体調不良のため猿之助を退くことになり、当時の亀治郎に白羽の矢が立ったこと。2012年に『四代目猿之助』を襲名すると、それまで古典歌舞伎ばかり演じていたのが一転、新作へと没頭していきました」(歌舞伎関係者)) かねて、「猿之助」という名跡は歌舞伎界に新風を送り込む存在だった。 「二代目は大正の時代に海外の演劇の感覚を歌舞伎に持ち込み、特にロシアバレエの要素を加えた立体感のある振り付けが反響を呼びました。三代目の功績は1986年の『スーパー歌舞伎』の旗揚げでしょう。古典芸能とは対となる現代風歌舞伎で、第1作の『ヤマトタケル』は語り継がれる名作です」(前出・歌舞伎関係者) 猿之助自身、その名跡が持つ特性を理解していた。 《僕が継承すべきは、作品をそのまま真似ることではなく、“猿之助”の精神だと思っています。その最たるものが、成功した作品でも常に洗い直す心。亀治郎時代は自分の工夫を加えることはできませんでしたが、僕はもう猿之助です》(『婦人画報』2014年11月号) 実際、猿之助はスーパー歌舞伎をさらに昇華させ、大人気コミックを基にして2015年に『ワンピース』を初演し好評を博した。2024年にはこちらも人気コミックの『鬼滅の刃』の歌舞伎上演を控えている。 「名門・澤瀉屋において『猿之助』の力は絶大です。今回の明治座の公演もそうですが、座頭として自分の名を冠する興行ですから、演目や内容の決定に始まり、キャスティングにも意見が反映されます。そればかりか、舞台を裏側で支える劇場関係者、衣装関係者、大道具関係者なども、猿之助の一言の影響力は大きく、権力が集中する立場にあるんです。トップ役者であると同時に、有力プロデューサーでもあるわけです」(前出・歌舞伎関係者) 興行の成否に重大な責任を負うからこその構図だが、歪な力関係をもたらしてしまったようだ。 「かつて、猿之助さんは一門の弟子に向かって“弟子なんか家畜だからな! お前らは家畜だよ!”と怒鳴り散らしたことがあったと言います。澤瀉屋のリーダーとして絶大な力を持っている分、一門に関係する役者たちは猿之助さんには絶対に逆らえない。そうした業務上の上下関係が、一般社会で言うハラスメント行為に発展してしまっているのです。 もちろん猿之助さんは独身なので、業務上の上下関係があっても、お互いが求め合えば自由恋愛です。ただ、業務で優越な立場にある側が性的な関係を求めることは、相手の受け止め方によってはパワハラやセクハラにあたるのはいまや常識です」(前出・劇場関係者) それでも拒絶できないのは、先述したように、猿之助が興行において絶対的な権力を持っている構図にある。こんな証言もある。 「ある俳優は猿之助と深い関係だった。ところが、あるときに関係を断ったら舞台に上げてもらえなくなったばかりか、一定期間、楽屋にさえ出入りできなくなったそうです」(別の劇場関係者) そうしたことが重なり、「猿之助さんを拒絶したら怖い」というイメージが、一門の中には充満しているのだという。 「逆に、仕事のため、将来のためと自分に言い聞かせてがまんすれば、猿之助さんの覚えがめでたくなり、芸歴や実力には不相応ともいえる『役』を与えてもらえるんです。近年はそれが露骨になっている。10年、20年と歌舞伎をやってきた役者がエキストラのような役をやり、覚えめでたい駆け出しのアクション俳優が突然、新作歌舞伎で大役を任されるんです。 一方、そうして役をもらった役者は、周囲からは“猿之助のお気に入りなんだろう”“役をもらうために媚を売っているのだろう”などとうがった見られ方をされて、それもつらい状況なんです」(前出・劇場関係者)』、「「かつて、猿之助さんは一門の弟子に向かって“弟子なんか家畜だからな! お前らは家畜だよ!”と怒鳴り散らしたことがあったと言います。澤瀉屋のリーダーとして絶大な力を持っている分、一門に関係する役者たちは猿之助さんには絶対に逆らえない。そうした業務上の上下関係が、一般社会で言うハラスメント行為に発展してしまっているのです」、こんなに増長してしまってはどうしようもない。「猿之助さんは独身なので、業務上の上下関係があっても、お互いが求め合えば自由恋愛です。ただ、業務で優越な立場にある側が性的な関係を求めることは、相手の受け止め方によってはパワハラやセクハラにあたるのはいまや常識です」、「「名門・澤瀉屋において『猿之助』の力は絶大です。今回の明治座の公演もそうですが、座頭として自分の名を冠する興行ですから、演目や内容の決定に始まり、キャスティングにも意見が反映されます。そればかりか、舞台を裏側で支える劇場関係者、衣装関係者、大道具関係者なども、猿之助の一言の影響力は大きく、権力が集中する立場にあるんです。トップ役者であると同時に、有力プロデューサーでもあるわけです」、やはりこうした異常な世界を許容していた「松竹」の責任も重大だ。
・『レモンを「甘い」と感じるまで稽古しろ 歌舞伎の伝統が長い歴史を紡ぐなかで、その世界の特殊性も醸成されていった。「師匠」と「弟子」の関係は絶対であると同時に、師匠の引き立てをもらうことで、歌舞伎役者は初めて舞台に立つことができる。しかし、「芸の相伝」と「ハラスメント」の境界が曖昧なのもまた事実だ。 「歌舞伎界には、“とにかく汗を流して、汗を流して、レモンをなめたときに『甘い』と感じるまで踊らなければ、稽古したとはいえない”という話があります。まるで昭和の部活動で、科学的とはまったく言えない。しかし、そういった考えがまかり通る世界なのです」(前出・歌舞伎関係者) 旧態依然とした上下関係に、ハラスメントは隠されている。2001年、当代一の女形と呼び声高い坂東玉三郎(73才)は、元弟子(当時19才)とその母親から1200万円を求める民事訴訟を起こされている。元弟子の入門直後の1996年、地方公演で宿泊したホテルで、玉三郎がズボンの上から弟子の股間を触ったことへの精神的苦痛にともなう慰謝料請求だった。 また、昨年8月、市川中車(香川照之、57才)の銀座クラブホステスへの性加害が『週刊新潮』で報じられた。 「表舞台から姿を消すきっかけになった性加害は銀座の夜の女性に対するものでしたが、騒動渦中には『週刊文春』で、香川さんの理詰めの叱責を繰り返し受けた若手の男性マネジャーが精神を病み、退職を余儀なくされたとも報じられました」(スポーツ紙記者) さらに本誌『女性セブン』は、今年4月27日発売号で、尾上菊之助と、一門に長年仕えた弟子・尾上音三郎(50才)の衝突を詳報した。菊之助の長男・丑之助(9才)への指導を巡って、菊之助は音三郎を繰り返し叱責。菊之助は音三郎を自宅に呼びつけたうえ散々に罵倒し、「息子に土下座しろ!」と迫ったこともあったという。 ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません。 (今後の対応については)ハラスメント行為は決して許されないものであり、俳優の私行においても社会規範や倫理を逸脱する行為は厳に慎むべきと考えております。公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」 歌舞伎は世界に轟く伝統芸能だ。守らなければならない文化である。しかし、それは時代が求める「健全性」に即していることが大前提だろう。社会が性加害やハラスメントの捉え方を変容させたように、歌舞伎界もまた、変わるべきときを迎えているのかもしれない。 ※女性セブン2023年6月1日号』、「その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません」、と責任を否定しているが、「市川猿之助」以外にも、「坂東玉三郎」、「香川照之」、「尾上菊之助と、一門に長年仕えた弟子・尾上音三郎(50才)の衝突」、など多くの問題を引き起こしている。やはり、様々な問題を放置してきた「松竹」の責任は本当に重大なようだ。
タグ:「訴訟」は単なる脅しだろう。 本当に手クセが悪い人物が、何と衆議院議長というのだから、日本政治のおさとが知れ、みっともないことだ。 文春オンライン「女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた、マスコミ業界の“体質”」 「セクハラ、パワハラ被害にあった人が「仕事のために」被害をなかなか言いだせないという状況がもし本当なら、これは新聞業界、もしくはマスコミ業界全体の問題だと思う」、「実は政治家のセクハラ問題は、マスコミがいちばん「知っている」のでは?」、まさに「マスコミ論」だ。 「彼女たちはオフレコ取材が前提なので、同僚に迷惑がかかるのでは、とも悩んでいる。自ら名乗り出ることは容易ではありません。上層部としても“貴重な情報源”である細田氏を守りたいから、『あったこと』をなかなか報じられずにいます」、 何故なのだろう。 ハラスメント (その21)(女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた マスコミ業界の“体質” 、ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言、【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」、市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす) 「女性記者へのセクハラは自社の媒体ではなく、週刊誌に訴えてやっと報じられる案件なのか。 細田セクハラ問題は、やはりマスコミ論でもある」、誠に情けないことだ。 文春オンライン「ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言」 「2003年の東京高裁判決では、性加害が認定され、翌年、最高裁で確定した。しかし・・・これ以降も性加害は続いていた。判決後も性加害が続いてきた理由の一つにあると見られるのが、ジャニーズ事務所とビジネスで深くつながるメディアや広告代理店による性加害“黙殺”だ」、「矢野氏と社会学者の田島悠来氏が「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで対談している。この中で、矢野氏がジャニー喜多川氏のセクシャルハラスメントや、ジャニーズ事務所のメディアへの影響力について言及した発言が、博報堂の広報室長の判断で 勝手に削除されていた」、悪質だ。 「「性犯罪」という言葉を「ハラスメント」に修正」、これだけでイメージ悪化を緩和できるので、悪質だ。 「ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂」、「かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく」、情けない限りだ。「博報堂」以外にも、事実を知っていて隠蔽に協力していたマスコミの罪も重い。 NEWSポストセブン「【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」」 「集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者) さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者) 拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある」、ここまで「過剰な性的スキンシップをされる」噂はかなり広まっていた筈なので、自殺した父親が注意すべきだった。 「ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」、「「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。 そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。 内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者) ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ」、 「ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません」、と逃 げているが、やはり責任は重大だと思う。 NEWSポストセブン「市川猿之助の浮世離れしたハラスメント体質 「お前らは家畜だよ!」と弟子を怒鳴り散らす」 「「かつて、猿之助さんは一門の弟子に向かって“弟子なんか家畜だからな! お前らは家畜だよ!”と怒鳴り散らしたことがあったと言います。澤瀉屋のリーダーとして絶大な力を持っている分、一門に関係する役者たちは猿之助さんには絶対に逆らえない。そうした業務上の上下関係が、一般社会で言うハラスメント行為に発展してしまっているのです」、こんなに増長してしまってはどうしようもない。 「猿之助さんは独身なので、業務上の上下関係があっても、お互いが求め合えば自由恋愛です。ただ、業務で優越な立場にある側が性的な関係を求めることは、相手の受け止め方によってはパワハラやセクハラにあたるのはいまや常識です」、「「名門・澤瀉屋において『猿之助』の力は絶大です。今回の明治座の公演もそうですが、座頭として自分の名を冠する興行ですから、演目や内容の決定に始まり、キャスティングにも意見が反映されます。 そればかりか、舞台を裏側で支える劇場関係者、衣装関係者、大道具関係者なども、猿之助の一言の影響力は大きく、権力が集中する立場にあるんです。トップ役者であると同時に、有力プロデューサーでもあるわけです」、やはりこうした異常な世界を許容していた「松竹」の責任も重大だ。 「その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握して おりません」、と責任を否定しているが、「市川猿之助」以外にも、「坂東玉三郎」、「香川照之」、「尾上菊之助と、一門に長年仕えた弟子・尾上音三郎(50才)の衝突」、など多くの問題を引き起こしている。やはり、様々な問題を放置してきた「松竹」の責任は本当に重大なようだ。