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幼児虐待(その9)(《虐待禁止条例を撤回》 自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が“北川景子似”受付嬢と「不倫キス」写真 「こちらのほうが子どもへの“虐待”では…」、虐待禁止条例 「不倫キス」写真に続き…》自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が政務活動費1700万円を“身内企業”に還流させた疑い 田村氏は「不適切な点はない」と主張、「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?) [社会]

幼児虐待については、本年4月25日に取上げた。今日は、(その9)(《虐待禁止条例を撤回》 自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が“北川景子似”受付嬢と「不倫キス」写真 「こちらのほうが子どもへの“虐待”では…」、虐待禁止条例 「不倫キス」写真に続き…》自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が政務活動費1700万円を“身内企業”に還流させた疑い 田村氏は「不適切な点はない」と主張、「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?)である。

先ずは、本年10月12日付け文春オンライン「《虐待禁止条例を撤回》 自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が“北川景子似”受付嬢と「不倫キス」写真 「こちらのほうが子どもへの“虐待”では…」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/66364
・『「週刊文春」が入手した4枚の写真。トレードマークの赤いネクタイを締めた男性が傍らの女性の首に手を回し、満面の笑みを浮かべながらピースサインで収まっている。テーブルの下では互いの手が重なり合い、仲睦まじい様子だ。そして、互いに頬を寄せ合うほどまでに密着すると――』、「虐待禁止条例」を期待していたのに、いきなり不倫の状況説明とは驚かされた。
・『埼玉の「虐待禁止条例」に批判が噴出  自民党の埼玉県議団が提出し、10月6日に埼玉県議会の委員会で可決された「虐待禁止条例」の一部改正案が全国的に物議を醸した。その内容は、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁じ、小学4~6年生については努力義務とするものだ。想定する禁止事項として「短時間でも子どもに留守番をさせる」「子ども同士で公園で遊ばせる」「子どもだけ家に残し、ごみ捨てに行く」などを列挙。子どもを自宅や車に放置すると「虐待」とみなされ、罰則こそないものの県民にも通報を義務づけていた。 だが、「共働きの家庭にとっては現実的でない」などの批判が噴出。その結果、13日に本会議で採決が行われ可決される見通しだったところから一転、「説明不足」だったとして10日に改正案を取り下げる事態に追い込まれた。 今回の条例改正を主導していたのが、県議団の団長を務める田村琢実県議(51)だ。1971年生まれの田村氏は埼玉県内の高校を卒業後、放送大学に進学。故・中山太郎衆議院議員の秘書として政治の世界に飛び込んだ。2003年、埼玉県議会選に挑戦するも落選。再挑戦となった2007年の県議会選で20,702票を獲得し、初当選を果たす。2019年の選挙で4期目の当選後、2020年には埼玉県議会議長に就任した』、育児の実態を無視した「虐待禁止条例」が、成立寸前まで行ったのは不思議だ。
・『若手を味方につけて委員会を押し切った  埼玉県議の1人がその人物像を語る。 「自分に従順な後輩を作るのが上手いタイプ。若手議員を20人くらい引き連れてキャバクラなどに行き、田村氏が奢るのです。そうすることで、県議団の中で彼に逆らえない雰囲気を作る。今年の4月に団長に就任してからより一層強権的になっています。現在、埼玉県議会は全国でも突出して議員提案条例が多いのですが、それを主導しているのが田村氏。条例を数多く作ることが仕事だと考えている節があり、選挙の時のアピール材料に使っている。今回の『虐待禁止条例』の改正案には『これでは虐待者をたくさん生み出してしまう』という不満が党内からも出ていましたが、結局若手を味方につけて委員会を押し切りました」』』、「「自分に従順な後輩を作るのが上手いタイプ。若手議員を20人くらい引き連れてキャバクラなどに行き、田村氏が奢るのです。そうすることで、県議団の中で彼に逆らえない雰囲気を作る。今年の4月に団長に就任してからより一層強権的になっています」、そんなことしたら、政治資金がいくらあっても足りなくなりそうだ。「埼玉県議会は全国でも突出して議員提案条例が多いのですが、それを主導しているのが田村氏」、どうせ粗製乱造なのだろうが、意欲だけは評価できそうだ。自民党の県議のなかには、子育て経験者も多いと思われるが、彼らが「虐待禁止条例」に反対しなかったのは何故だろう。
・『県議団の受付嬢と親密な関係に  ところが――。 「田村先生には奥様がいるのですが、かつて自民党県議団の受付嬢A子さんと親密な関係にありました。それを裏付ける写真があります」 田村氏の知人から、「週刊文春」編集部にそんな“通報”が入ったのは10月8日のことだった。入手した写真は全部で4枚。撮影日は2019年1月24日、場所は埼玉県内の飲食店だ。冒頭に触れたように、2人は体を密着させ、手を繋いでいる。そして、田村氏がA子さんの頬にキスまでしているのだ。 「県議団の受付は派遣会社から一日3~4人程派遣されてくるのですが、田村先生はA子さんのことをとても気に入っていました。彼女は県庁内でも北川景子似の美人で知られており、田村先生も『あの子可愛いよね』と周囲に話し、別の受付の人に『一緒に飲みたいから今度飲み会を設定してよ』と迫っていました。そうして実現したのが写真の飲み会です。ただ、2人でというわけにはいかないので、他の自民党の県議2人ともう1人受付の人が加わり、計5人の会になったのです」(同前)) 田村氏自身が改正案の“虐待”のような行動を取っていた この飲み会で2人の関係が急速に進展する。 「会が進むとお酒の力も手伝ってか、田村先生がA子さんに気に入っていることを伝えました。すると、彼女も田村先生のことがタイプだったようで意気投合。隣同士で座った2人は大胆にも手を繋ぎ、田村先生がA子さんの頬にキスをしたのです。彼女も嬉しそうにしていました。そのまま飲み会の途中で2人だけで店を出て行ってしまい……。この日から関係が始まったと聞きました。ただ、田村先生には奥様がいるし、A子さんには当時単身赴任中だった夫と子どもがいる。いわば、“ダブル不倫”のようなものです」(同前) 前出の県議が嘆息する。 「田村氏と会っている間、A子さんのお子さんには保護者の目が行き届いていないわけですよね。子どもの健全育成を掲げて『虐待禁止条例』の改正案を推し進める一方、自身は改正案でいうところの“虐待”のような行動を取っていた。言動の不一致が甚だしすぎます」 「週刊文春」は事実関係を確認するべく、10月10日昼、田村氏の事務所に質問状を送付。さらに10日夕方、本人の携帯電話にもショートメッセージで質問状を送ったところ、「開封済み」にはなったものの、期限までに返答はなかった。この間、田村氏が率いる自民党県議団は「虐待禁止条例」の改正案の撤回を発表した。 その直後の10日夜、早速、インターネットTV「ABEMA」に出演し、撤回の経緯や自説を披露してみせた田村氏。だが、「不倫キス」写真は撤回――とはいかなかったようだ』、「“ダブル不倫”」は望ましくないが、大人である以上、目くじらを立てるほどでもない。しかし、「田村氏と会っている間、A子さんのお子さんには保護者の目が行き届いていないわけですよね。子どもの健全育成を掲げて『虐待禁止条例』の改正案を推し進める一方、自身は改正案でいうところの“虐待”のような行動を取っていた。言動の不一致が甚だしすぎます」、ことは重大な問題だ。

次に、10月18日付け文春オンライン「《虐待禁止条例、「不倫キス」写真に続き…》自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が政務活動費1700万円を“身内企業”に還流させた疑い 田村氏は「不適切な点はない」と主張」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/66483
・『「虐待禁止条例」改正案の撤回を巡って物議を醸している自民党埼玉県議団の団長、田村琢実・埼玉県議(52)が、自身が過去に設立した個人企業に公金である政務活動費約1700万円を還流させている疑いがあることが、「週刊文春」の取材でわかった。田村氏は代理人弁護士を通じて「不適切な点はない」としている。 自民党の埼玉県議団が提出し、10月6日に埼玉県議会の委員会で可決された「虐待禁止条例」の一部改正案。その内容は、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁じ、小学4~6年生については努力義務とするものだ。「短時間でも子どもに留守番をさせる」などが禁止事項に挙げられ、県民にも通報を義務づけていた。だが、「共働きの家庭にとっては現実的でない」などの批判が噴出。結果、「説明不足」だったとして10日に改正案を取り下げる事態に追い込まれた。 条例改正を主導していたのが、県議団団長の田村氏だった。2007年の県議選で初当選。2019年の県議選で4期目の当選後、2020年には埼玉県議会議長に就任した。その田村氏を巡り、「週刊文春」は10月12日配信のスクープ速報で、“北川景子似”の受付嬢との「不倫キス」写真を報じている(田村氏からは期限までに回答はなかった)』、「「説明不足」だったとして10日に改正案を取り下げる事態に追い込まれた」、実際には「説明不足」というより、本質的な問題だ。
・『埼玉県議団から田村氏設立の会社への支出が次々と  今回、新たに発覚したのは、田村氏の政務活動費の使途に関する不透明な実態だ。埼玉県議には給与とは別に、1人当たり政務活動費が年間600万円分支給されている。田村氏の使途で、目立つのが「株式会社TMコーポレーション」への支出だ。例えば、昨年4月28日には、広報誌「チャレンジスピリッツ」の制作・印刷・封入代として、同社に20万5168円を支出し、このうち政務活動費から13万3884円を充当している。 加えて、埼玉県議団も今年2月28日、「県議団ニュース」の印刷費等として同社に113万9930円を支出し、このうち政務活動費から110万5732円を充当している。こうした「TMコーポレーション」への支出に充てられた政活費を合計すると、過去3年間で1700万円を超えていた。 この「TMコーポレーション」は元々、田村氏が2003年に設立した会社で、当時は「有限会社タムラコーポレーション」という名称だった。以降、代表取締役を務める傍ら、2007年に県議選に初当選。その後、2013年に「有限会社TMコーポレーション」へと商号変更している。さらに2015年に現在の「株式会社TMコーポレーション」に再び商号変更し、2018年には知人のS氏が代表取締役に就いていた』、第一の記事で「若手議員を20人くらい引き連れてキャバクラなどに行き、田村氏が奢るのです。そうすることで、県議団の中で彼に逆らえない雰囲気を作る」、原資はこうした不正、「「TMコーポレーション」への支出に充てられた政活費を合計すると、過去3年間で1700万円を超えていた」が当てられたいた可能性がある。
・『多額の公金が“身内”のようなTM社に流れている構図  県議会関係者が指摘する。 「S氏は薬局関係の会社を経営しており、名義貸しのようなもの。県議会は政活費の運用指針で、親族や本人が代表を務める会社への支出には慎重な対応を求めており、表向き代表を降りたのでしょう。ただ、現在も田村氏が、毎年同じレイアウトに文章をはめ込んでいると聞きます。しかもTM社の印刷費はネット業者の2~3倍の価格。不当に多額の公金が“身内”のようなTM社に流れている構図で、党内からも疑問の声が上がっています」 田村氏に事実関係の確認を求める質問状を送付したところ、代理人弁護士名で主に以下のような回答があった。 「有限会社TMコーポレーション(株式会社TMコーポレーションに商号変更。以下、「同社」といいます。)は、田村氏が埼玉県議会議員に就任する前の2003年に同氏が設立したものですが、2013年、田村氏が100パーセント保有していた同社株式は全て第三者に譲渡されており、同社取締役からも退任しています。妻(回答は実名)も同時に同社取締役から退任しております。それ以降、田村氏(及び妻)は同社の経営に一切関与しておらず、同社を実質的に支配しているとの事実もございません。 また、『チャレンジスピリッツ』の印刷は同社が信頼できる印刷業者である等の理由から同社に発注したものです。『県議団ニュース』については、田村氏が同社を県議団に紹介し、同社に相見積もりを依頼したことはありますが、その後の発注業務は県議団において処理されているため、同社に発注された理由の詳細については分かりかねます。 埼玉県議会制定の『政務活動費の運用指針』において、『配偶者、被扶養者、同居者など生計を一にする者や自らが代表者・役員等の地位にある法人に対する支出は、実費の弁償ではないとみなされるおそれがあるため慎重な対応を要する。』とされていますが、事実関係は上記のとおりであり、同社に対する印刷発注の支払いに政務活動費が充てられたことは、上記『政務活動費の運用指針』に何ら抵触せず、不適切な点はないものと存じます」 政活費に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。 「公金である政活費の使途には極めて高い透明性が求められます。県議が形式的に取締役を務めていなくても、実質的にその人の会社となれば、運用指針に抵触し得る。相場よりも金額が高ければ、差額分が寄附に当たりかねない。十分な説明が求められます」 10月18日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月19日(木)発売の「週刊文春」では、田村氏と受付嬢の「不倫キス」写真の詳細のほか、TMコーポレーションの現代表取締役S氏との一問一答などについても報じている』、「上脇博之教授が指摘する。「公金である政活費の使途には極めて高い透明性が求められます。県議が形式的に取締役を務めていなくても、実質的にその人の会社となれば、運用指針に抵触し得る。相場よりも金額が高ければ、差額分が寄附に当たりかねない。十分な説明が求められます」、現実には、「2013年、田村氏が100パーセント保有していた同社株式は全て第三者に譲渡されており、同社取締役からも退任しています」と形式だけ整えたようだ。「『県議団ニュース』については、田村氏が同社を県議団に紹介し、同社に相見積もりを依頼したことはありますが、その後の発注業務は県議団において処理されているため、同社に発注された理由の詳細については分かりかねます」、不利な事実は開示しない姿勢のようだ。やはり、「TMコーポレーション」は大いに問題があるようだ。

第三に、10月20日付けダイヤモンド・オンライン「「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330606
・『先日、明らかになった子どもを車内や自宅などに放置することを禁じる埼玉県虐待禁止条例の改正案は、全国から批判が殺到。罰則はないが、子どもを置いて短時間のゴミ出しなども場合によっては「虐待」にあたるという内容に「現実的ではない」「親を追い詰める」などの声があがり、改正案を提出した自民党埼玉県議団は撤回を余儀なくされた。一方、3年半前に、同じく全国的に炎上したのが「ゲームは1日60分まで」という時間の目安を盛り込んだ「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」だ。『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』(河出書房新社)を上梓した瀬戸内海放送の山下洋平記者に改めて条例の問題点と現在地を聞いた』、興味深そうだ
・『大ざっぱな条例内容と水増しされたパブコメ  「埼玉県の条例改正案について報道で知ったとき、香川県のゲーム条例とよく似ているなとまず感じました。保護者に過度な責任を押し付けるような中身もそうですが、それまであまり注目されていなかったのに成立の直前になって全国から批判が集まったところもです。ただ、大きく違うのは、埼玉では案が取り下げられたのに対し、香川県議会は強行して条例を成立させてしまったところです」 こう話すのは瀬戸内海放送の山下洋平記者だ。2020年、香川県で施行された「ネット・ゲーム依存症対策条例」について現在まで追及を続けている。ネットやゲームの利用時間などに言及した条例としては日本初。しかし、その条例の中身には問題点も多く、不透明な点が多くあった。 条例の問題点を山下氏はこう語る。) 「ネット・ゲームの依存防止という目的そのものは否定しませんが、内容や制定過程がとにかく雑です。まず、ゲーム依存症という定義自体が科学的・医学的に定まっていません。治療の現場を取材すると、長時間ゲームをしている人の中には、学校生活などでつまずきがあり、引きこもった結果としてゲームに逃げ込んでいる人がいるなど複合的な要因があり、ゲーム自体が依存の要因になっているとは必ずしもいえません。『うちの子、ゲームばかりして宿題もしないし大丈夫かしら』と親が心配するレベルの子どもたちはたくさんいると思いますが、彼らは学校に行き、社会生活もできている。条例はこの両者を一緒くたにして考えているから『ゲームは1日60分を目安に』などという対策が出てくるのだと思います」 山下氏はこうした疑問をもとに、香川県に対し、ゲームへの依存による通院、入院者の数や推移のデータを要求したこともあった。 「でも、そんなことは調べてないって言うんです。対象となる母数もわからないのに条例の効果をどうやって測定するのか。どこの誰に向けた条例なのかが、まったく判然としないのです」 実際、2020年1月に条例の素案が公表された直後には、県職員が「ネット・ゲームの規制という結論ありきで、当事者たる子どもを交えた議論のないまま県議会の委員会内で一方的に話が進められていることに強い危機感を覚え、私はこの条例の制定に反対します」という意見を実名で出した。 さらに、条例の制定過程には作為性が見られた。条例の素案にあった「ゲームは1日60分まで」という時間規制(のちに家庭でのルールづくりの目安に修正)にはネットを中心に「時代に逆行している」などという反対意見が噴出し、炎上状態となった。しかし、その後、寄せられたパブリックコメントでは8割以上が賛成意見だったのだ。しかも、通常では多くて十数件のところが、全国的に注目されたとはいえ、寄せられたのは2600件以上と異例の多さだった。 「私は8割が賛成ということに違和感を持ち、すぐにパブコメ原本を情報公開請求をしました。しかし、開示前に条例は可決。その後、開示された原本を見ると、賛成意見の中には判で押したように似たような文言が多数あったのです」 実際、「条例通過により、明るい未来を期待して賛成します」「ゲーム依存により、判断の乏しい大人を生み出さないために、賛同します」というような同じ言い回しのメールが、短い時間でそれぞれ120件以上も送られていた』、「寄せられたパブリックコメントでは8割以上が賛成意見だったのだ。しかも、通常では多くて十数件のところが、全国的に注目されたとはいえ、寄せられたのは2600件以上と異例の多さだった・・・賛成意見の中には判で押したように似たような文言が多数あった・・・「条例通過により、明るい未来を期待して賛成します」「ゲーム依存により、判断の乏しい大人を生み出さないために、賛同します」というような同じ言い回しのメールが、短い時間でそれぞれ120件以上も送られていた」、こんな不正な操作で「条例通過」を図ったとは、酷い話だ。
・『施行2年での見直し条項も その動きはまったくなし  このような不透明な制定過程に疑問を抱いた山下氏は、成立した後も取材を重ねた。条例が憲法違反にあたると県を訴えた高校生や、ゲームクリエーターらゲーム関係者、さらには知人に頼まれてパブコメで賛成意見を送ってしまったという住民などにも取材をした。 しかし、香川県議会は誠実な説明を行わないばかりか「なかったことにしよう」という姿勢すら見て取れるという。) 「ゲーム条例の付則に、施行2年を目途とした、いわゆる見直し条項があるにもかかわらず、今なおまったくその動きは見られません。国に先駆けてネット・ゲーム依存への対策をするという旗を掲げたにもかかわらず、条例施行後、新しい取り組みをしたり、その成果を発信して他の自治体に広げていったりという機運もまるでない。『作ったら作りっぱなし』という姿勢に、何のための条例なの?と感じざるを得ません。そうした怒りから、今回の書籍の執筆にも至りました」 件のゲーム条例は「子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、1日当たりの利用時間が60分まで(学校等の休業日にあっては、90分まで)」などという文言があるが、あくまでそれは親の努力義務という立て付けだ。罰則もないため、住民にとっても今や過去の産物になりつつある。 「県民に聞いても『ああ、そういえばそんな条例がありましたね』という反応なんです。議員たちも『もう触れるな』という空気です。各所から批判があり、不透明な過程があったにもかかわらず、何の説明もなく、作ったらそれで終わり。条例の価値をおとしめた条例だと思います。それでも条例に基づいた依存対策として年間約1000万円の予算が投じられ、我々の税金が使われ続けています」』、「国に先駆けてネット・ゲーム依存への対策をするという旗を掲げたにもかかわらず、条例施行後、新しい取り組みをしたり、その成果を発信して他の自治体に広げていったりという機運もまるでない。『作ったら作りっぱなし』という姿勢に、何のための条例なの?と感じざるを得ません。そうした怒りから、今回の書籍の執筆にも至りました・・・「県民に聞いても『ああ、そういえばそんな条例がありましたね』という反応なんです。議員たちも『もう触れるな』という空気です。各所から批判があり、不透明な過程があったにもかかわらず、何の説明もなく、作ったらそれで終わり。条例の価値をおとしめた条例だと思います。それでも条例に基づいた依存対策として年間約1000万円の予算が投じられ、我々の税金が使われ続けています」」、なるほど。
・『「県民が舐められている」香川県議会の高額視察費用  ちなみに、香川県議会によるこうした不透明な行いはゲーム条例以外にもある。今年11月に予定している知事と議員らの海外訪問において、議員1人当たりの費用が約263万円だという計画を発表。その高額さに市民団体や一部議員から批判の声が上がり、宿泊先ホテルのグレードを下げるなどして3割ほど減額することになった。議員の死去や辞退で参加は当初計画の半数の4人になったが、それでも知事や随行職員を含めた9人の派遣費用は1000万円を超える見込みだ』、「議員の死去や辞退で参加は当初計画の半数の4人になったが、それでも知事や随行職員を含めた9人」、「知事」、「議員」「4人」、「随行職員」は4人も行く必要があるのだろうか。
・『「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?  瀬戸内海放送の山下洋平記者の著者『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』(河出書房新社)
「香川県議会は2017年に行った欧州視察で、昼間からビールで乾杯する様子などを報じられています。裁判所はこの視察を「実質的には観光」と指摘し、旅費全額にあたる約600万円の返還を命じる判決が出たばかり。にもかかわらず、今回また高額な海外派遣費用が問題になっている。選挙で選ばれているとはいえ、県民が舐められているとしか思えません。そして、これはなにも香川県だけの問題ではなく、全国、そして国会においても同様だと思います」 しかし、メディア側にも為政者の傲慢(ごうまん)さを招いた要因があると山下氏は語る。) 「私もゲーム条例の取材を始めたのは、制定直前でした。もっと早くからメディアとして議会の動向をチェックしていれば、と反省しています。また、報道機関の運営上、仕方ないのですが、大手メディアでも短期間で異動があったり、記者の数自体が減ったりとひとつの問題に対してとことん追及することが難しくなっています。独自の報道がなく、横並びで同じようなニュースを伝えるなどマスコミの存在意義への危機も感じます。そのようなこともあり、香川県議も含めた政治家たちは『ほとぼりが冷めるのを待つ』という思考になっていると思うので、しっかり監視しているという姿勢を持っていきたいですね。そういう思いもあって、ほとんどの社が取り上げなくなった今でもゲーム条例の取材を続けています」 「そもそもが、しつこい性格なんです」と話す山下氏だが、現在はゲーム条例の他に目を光らせるテーマがある。 「旧香川県立体育館の問題についてです。世界的な建築家の丹下健三が設計し、和船のような特徴的な外観から『船の体育館』とも呼ばれる建築的価値が高い建造物です。保存を求める声や活用したいという民間団体もありましたが、解体が決まりました。この解体についての意思決定の過程も、ゲーム条例同様不透明なんです。香川県に限らず、こうした貴重な建築物が老朽化とともに壊されています。それらを守る方法や意思決定のあり方について取材をしていきたいと考えています」 「ほとぼりを冷めさせない」と話す山下氏。それは、有権者にも必要な姿勢だろう』、「「香川県議会は2017年に行った欧州視察で、昼間からビールで乾杯する様子などを報じられています。裁判所はこの視察を「実質的には観光」と指摘し、旅費全額にあたる約600万円の返還を命じる判決が出たばかり。にもかかわらず、今回また高額な海外派遣費用が問題になっている。選挙で選ばれているとはいえ、県民が舐められているとしか思えません」、「旅費全額にあたる約600万円の返還を命じる判決」、上告したので、「返還」はまだしてないのだろうか。「大手メディアでも短期間で異動があったり、記者の数自体が減ったりとひとつの問題に対してとことん追及することが難しくなっています。独自の報道がなく、横並びで同じようなニュースを伝えるなどマスコミの存在意義への危機も感じます。そのようなこともあり、香川県議も含めた政治家たちは『ほとぼりが冷めるのを待つ』という思考になっていると思うので、しっかり監視しているという姿勢を持っていきたいですね」、「丹下健三が設計し、和船のような特徴的な外観から『船の体育館』とも呼ばれる建築的価値が高い建造物です。保存を求める声や活用したいという民間団体もありましたが、解体が決まりました。この解体についての意思決定の過程も、ゲーム条例同様不透明」、ローカルメディアにも頑張って欲しいものだ。
タグ:文春オンライン「《虐待禁止条例、「不倫キス」写真に続き…》自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が政務活動費1700万円を“身内企業”に還流させた疑い 田村氏は「不適切な点はない」と主張」 「“ダブル不倫”」は望ましくないが、大人である以上、目くじらを立てるほどでもない。しかし、「田村氏と会っている間、A子さんのお子さんには保護者の目が行き届いていないわけですよね。子どもの健全育成を掲げて『虐待禁止条例』の改正案を推し進める一方、自身は改正案でいうところの“虐待”のような行動を取っていた。言動の不一致が甚だしすぎます」、ことは重大な問題だ。 「埼玉県議会は全国でも突出して議員提案条例が多いのですが、それを主導しているのが田村氏」、どうせ粗製乱造なのだろうが、意欲だけは評価できそうだ。自民党の県議のなかには、子育て経験者も多いと思われるが、彼らが「虐待禁止条例」に反対しなかったのは何故だろう。 「「自分に従順な後輩を作るのが上手いタイプ。若手議員を20人くらい引き連れてキャバクラなどに行き、田村氏が奢るのです。そうすることで、県議団の中で彼に逆らえない雰囲気を作る。今年の4月に団長に就任してからより一層強権的になっています」、そんなことしたら、政治資金がいくらあっても足りなくなりそうだ。 (その9)(《虐待禁止条例を撤回》 自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が“北川景子似”受付嬢と「不倫キス」写真 「こちらのほうが子どもへの“虐待”では…」、虐待禁止条例 「不倫キス」写真に続き…》自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が政務活動費1700万円を“身内企業”に還流させた疑い 田村氏は「不適切な点はない」と主張、「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?) 育児の実態を無視した「虐待禁止条例」が、成立寸前まで行ったのは不思議だ。 幼児虐待 「虐待禁止条例」を期待していたのに、いきなり不倫の状況説明とは驚かされた。 文春オンライン「《虐待禁止条例を撤回》 自民党埼玉県議団長・田村琢実県議が“北川景子似”受付嬢と「不倫キス」写真 「こちらのほうが子どもへの“虐待”では…」 ダイヤモンド・オンライン「「お留守番禁止」「ゲームは1日1時間」…県民をナメた条例案はなぜ生まれるのか?」 議員たちも『もう触れるな』という空気です。各所から批判があり、不透明な過程があったにもかかわらず、何の説明もなく、作ったらそれで終わり。条例の価値をおとしめた条例だと思います。それでも条例に基づいた依存対策として年間約1000万円の予算が投じられ、我々の税金が使われ続けています」」、なるほど。 『ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか』(河出書房新社) 「国に先駆けてネット・ゲーム依存への対策をするという旗を掲げたにもかかわらず、条例施行後、新しい取り組みをしたり、その成果を発信して他の自治体に広げていったりという機運もまるでない。『作ったら作りっぱなし』という姿勢に、何のための条例なの?と感じざるを得ません。そうした怒りから、今回の書籍の執筆にも至りました・・・「県民に聞いても『ああ、そういえばそんな条例がありましたね』という反応なんです。 「寄せられたパブリックコメントでは8割以上が賛成意見だったのだ。しかも、通常では多くて十数件のところが、全国的に注目されたとはいえ、寄せられたのは2600件以上と異例の多さだった・・・賛成意見の中には判で押したように似たような文言が多数あった・・・「条例通過により、明るい未来を期待して賛成します」「ゲーム依存により、判断の乏しい大人を生み出さないために、賛同します」というような同じ言い回しのメールが、短い時間でそれぞれ120件以上も送られていた」、こんな不正な操作で「条例通過」を図ったとは、酷い話だ。 「『県議団ニュース』については、田村氏が同社を県議団に紹介し、同社に相見積もりを依頼したことはありますが、その後の発注業務は県議団において処理されているため、同社に発注された理由の詳細については分かりかねます」、不利な事実は開示しない姿勢のようだ。やはり、「TMコーポレーション」は大いに問題があるようだ。 「「香川県議会は2017年に行った欧州視察で、昼間からビールで乾杯する様子などを報じられています。裁判所はこの視察を「実質的には観光」と指摘し、旅費全額にあたる約600万円の返還を命じる判決が出たばかり。にもかかわらず、今回また高額な海外派遣費用が問題になっている。選挙で選ばれているとはいえ、県民が舐められているとしか思えません」、 「「説明不足」だったとして10日に改正案を取り下げる事態に追い込まれた」、実際には「説明不足」というより、本質的な問題だ。 第一の記事で「若手議員を20人くらい引き連れてキャバクラなどに行き、田村氏が奢るのです。そうすることで、県議団の中で彼に逆らえない雰囲気を作る」、原資はこうした不正、「「TMコーポレーション」への支出に充てられた政活費を合計すると、過去3年間で1700万円を超えていた」が当てられたいた可能性がある。 「上脇博之教授が指摘する。「公金である政活費の使途には極めて高い透明性が求められます。県議が形式的に取締役を務めていなくても、実質的にその人の会社となれば、運用指針に抵触し得る。相場よりも金額が高ければ、差額分が寄附に当たりかねない。十分な説明が求められます」、現実には、「2013年、田村氏が100パーセント保有していた同社株式は全て第三者に譲渡されており、同社取締役からも退任しています」と形式だけ整えたようだ。 「議員の死去や辞退で参加は当初計画の半数の4人になったが、それでも知事や随行職員を含めた9人」、「知事」、「議員」「4人」、「随行職員」は4人も行く必要があるのだろうか。 「旅費全額にあたる約600万円の返還を命じる判決」、上告したので、「返還」はまだしてないのだろうか。「大手メディアでも短期間で異動があったり、記者の数自体が減ったりとひとつの問題に対してとことん追及することが難しくなっています。独自の報道がなく、横並びで同じようなニュースを伝えるなどマスコミの存在意義への危機も感じます。そのようなこともあり、香川県議も含めた政治家たちは『ほとぼりが冷めるのを待つ』という思考になっていると思うので、しっかり監視しているという姿勢を持っていきたいですね」、「丹下健三が設計し、 和船のような特徴的な外観から『船の体育館』とも呼ばれる建築的価値が高い建造物です。保存を求める声や活用したいという民間団体もありましたが、解体が決まりました。この解体についての意思決定の過程も、ゲーム条例同様不透明」、ローカルメディアにも頑張って欲しいものだ。
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高齢化社会(その25)(高齢者のスポーツは「早死+寝たきり」のリスクが高まる!? 医大名誉教授「運動不足以上に気をつけたいこと」 足腰を痛めて動けなくなり、あっという間に老いてしまう、これを続ければ認知症グレーゾーンからUターンできる…認知機能が平均34%アップした「インターバル速歩」 生活習慣病やうつ 睡眠障害 骨粗しょう症の改善にも役立つ、老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ) [社会]

高齢化社会については、本年9月29日に取上げた。今日は、(その25)(高齢者のスポーツは「早死+寝たきり」のリスクが高まる!? 医大名誉教授「運動不足以上に気をつけたいこと」 足腰を痛めて動けなくなり、あっという間に老いてしまう、これを続ければ認知症グレーゾーンからUターンできる…認知機能が平均34%アップした「インターバル速歩」 生活習慣病やうつ 睡眠障害 骨粗しょう症の改善にも役立つ、老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ)である。

先ずは、本年10月7日付けPRESIDENT Onlineが掲載した浜松医科大学名誉教授 医学博士の高田明和氏による「高齢者のスポーツは「早死+寝たきり」のリスクが高まる!? 医大名誉教授「運動不足以上に気をつけたいこと」 足腰を痛めて動けなくなり、あっという間に老いてしまう」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/72574
・『うつや認知症を招く老化を遅らせるにはどうすればいいか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「65歳以降、いわゆる老化に伴い多くなる孤立状態になると、うつの症状が出てくる。また、うつになると認知症を引き起こしやすくなる。これらの負の連鎖を避けるためには、生涯現役が理想という幻想を捨て、日々のちょっとした生きがいを持つといい」という――。 ※本稿は、高田明和『65歳からの孤独を楽しむ練習 いつもハツラツな人』(三笠書房)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『「不安」「孤独感」「うつ」の相関関係  肉体の衰えと孤独感には、非常に深い関係があります。 やはりちょうど肉体の耐用年数を超えた65歳くらいから、心を病む人が非常に増えてきます。 私の周りで多いのは、うつ病になるケースで、不眠の症状が出る人が増えています。社会的地位を失ったことや、人間関係を損なってしまっただとか、自分が陥った状況についてくよくよと思い悩んでいるうちに、寝つけなくなってしまうのでしょう。 それから、妻に先立たれて一人になった夫は、認知症になってしまうケースが多くあります。孤独感を忘れよう、亡くなった妻のことは考えないようにしようとするせいか、思考停止の状態が、だんだんと認知機能を衰えさせるのでしょう。 「不安」と「孤独感」と「うつ」は、いずれも脳の扁桃体と帯状回(注)という部分が関連しています。 人が孤立状態に置かれると、脳の帯状回がだんだんと正常に機能しなくなり、その影響で、不安障害の傾向が出てきて、やがて、やる気や食欲も低下し、うつの症状が出てきます。 さらには、うつになると、「アミロイドβ」と呼ばれる、脳内に生じるゴミのようなタンパク質が脳から排除されなくなります。これがどんどん蓄積していくと、脳細胞が壊れ、アルツハイマー型認知症が引き起こされます』、「人が孤立状態に置かれると、脳の帯状回がだんだんと正常に機能しなくなり、その影響で、不安障害の傾向が出てきて、やがて、やる気や食欲も低下し、うつの症状が出てきます。 さらには、うつになると、「アミロイドβ」と呼ばれる、脳内に生じるゴミのようなタンパク質が脳から排除されなくなります。これがどんどん蓄積していくと、脳細胞が壊れ、アルツハイマー型認知症が引き起こされます」、なるほど。 (注)帯状回:大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回(Wikipedia)
・『老化を遅らせる練習  ここから逆算して考えれば、年を取ったら、うつを引き起こす原因となる状態を避けることで、認知症になるリスクをかなり減らせることになります。 そのために重要なことの1つめが、本書で詳しく述べている「腸内環境を整えること」です。食事を改善することが、腸内環境を整え、認知症の対策にもなることが、最近の研究でわかってきました。 2つめは、「生きがいを持つこと」。生きがいを持っている人であれば、こうした「孤立→不安→うつ」の悪循環に陥りにくいことはすでにわかっています。 のんびりお茶でも飲もうかと思ったら、仕事の依頼の電話がくる――そんな忙しい人であれば、不安になっている暇なんてないでしょう。 こう書くと「仕事がない人はどうするんだ?」と思うでしょうが、たとえば、これまで専業主婦として会社勤めの経験がない女性でも、孤立からうつになる人は、男性よりもずっと少ないことが判明しています。 それは、たとえ誰とも会わなくても、食事を作ったり掃除をしたり、家事のさまざまな「やるべきこと」があるせいで、十分に生きがいのある忙しい毎日を過ごしているからです。 「生きがい」とは、時が経つのを忘れるほど夢中になれる“特別なもの”ばかりを指すのではないのです。スーパーの特売日に目的のものを特価で買うこと、植木に花を咲かせること、道のごみを拾うことなど、どんな小さなことでも十分に当てはまるのです。 孤立感から、認知症などの病気になる人とならない人の違いは、年を取ってからのライフスタイルや考え方に大きく左右されるということです。 ほかにどんなライフスタイルや考え方が孤独感を招くのか、どんどん明かしていきましょう』、「うつを引き起こす原因となる状態を避けることで、認知症になるリスクをかなり減らせる・・・そのために重要なことの1つめが・・・「腸内環境を整えること」です。食事を改善することが、腸内環境を整え、認知症の対策にもなることが、最近の研究でわかってきました」、「認知症」や「うつ」と関係なさそうな「腸内環境を整えること」、とは「腸」は重要な臓器のようだ。「2つめは、「生きがいを持つこと」。生きがいを持っている人であれば、こうした「孤立→不安→うつ」の悪循環に陥りにくいことはすでにわかっています。「生きがい」とは、時が経つのを忘れるほど夢中になれる“特別なもの”ばかりを指すのではないのです。スーパーの特売日に目的のものを特価で買うこと、植木に花を咲かせること、道のごみを拾うことなど、どんな小さなことでも十分に当てはまるのです。」、なるほど。
・『孤独な寝たきりになる高齢者の共通点  肉体が衰えて病気になると、ときには死へと誘導するような致命的な孤独感が生じます。だとすれば、私たちにできる「老化を遅らせる練習」の3つめは、「体を酷使しないこと」です。 高齢者に対しては、「日々、足腰を鍛えなさい」と、運動を推奨する風潮があります。でも私は、そんなに無理をする必要などない、と考えます。 今88歳の私がしている「運動」といえば、スーパーまで歩いて買い物に行くことと、都心にある出版社に電車に乗って出向くことくらいです。 ただ、マンションの外に出るときは、エレベーターは目的の1階手前の階で降りるようにしています。そして1階分12段の階段を自分の足で上ったり下りたりしています。このようにして一日4往復くらいすれば、十分体力を維持できます。 また、このくらいの軽い運動をすれば、自分の体力がまだまだ衰えていないことを確認できますし、何かのスポーツをするよりずっと簡単で、確たる自信にもなります。 この程度でまったく構わないのではないか、と思っているのです。 ウォーキングはおろか、少しの散歩すら、本当は必要ないのではないでしょうか。 足腰の関節などの耐用年数からいっても、世の中の筋トレブームにつられて無理に「運動しよう」なんて考える必要は、まったくないと思っています。 もちろん、苦もなく楽しく動けるならば、それに越したことはありません。山登りもいいし、マラソンだっていい。若いころにしていたスポーツを、年寄り仲間と楽しむことは否定しません。 ただ、私の周りで、高齢になってまでスポーツをやっていた人は、どういうわけか皆、早くに亡くなっているのです。あるいは、寝たきりになっています。 そういう事実ともあいまって、「運動すれば健康的になる」という常識は、「軽い運動をすれば健康的になる」という程度に解釈して、汗だくになって息があがるほどのハードな運動はやめておいたほうがいいと思うのです。 苦痛に顔をゆがめてまで健康になろうとする必要はないし、日々練習をして「大会で優勝しよう」なんて気張る必要もないでしょう』、「私たちにできる「老化を遅らせる練習」の3つめは、「体を酷使しないこと」です。 高齢者に対しては、「日々、足腰を鍛えなさい」と、運動を推奨する風潮があります。でも私は、そんなに無理をする必要などない、と考えます。 今88歳の私がしている「運動」といえば、スーパーまで歩いて買い物に行くことと、都心にある出版社に電車に乗って出向くことくらいです。 ただ、マンションの外に出るときは、エレベーターは目的の1階手前の階で降りるようにしています。そして1階分12段の階段を自分の足で上ったり下りたりしています。このようにして一日4往復くらいすれば、十分体力を維持できます」、「私の周りで、高齢になってまでスポーツをやっていた人は、どういうわけか皆、早くに亡くなっているのです。あるいは、寝たきりになっています。 そういう事実ともあいまって、「運動すれば健康的になる」という常識は、「軽い運動をすれば健康的になる」という程度に解釈して、汗だくになって息があがるほどのハードな運動はやめておいたほうがいいと思うのです」、やはり過ぎたるは及ばざるが如しのようだ。
・『運動不足以上に気をつけるべきリスク  こう書くと、ゴルフとかテニス、マラソンなど、あらゆるスポーツを生きがいとしている人たちから批判されるかもしれません。 楽しんでやっている分には構わないし、私はそういう方に対して「やめなさい」とまで言うつもりはありません。 しかし、高齢になっても続けている以上は、「それができなくなったとき」のことを想定しておいてほしいとは思います。 というのも、体力もあって積極的にスポーツを楽しんでいた方が、身体機能の衰えや足腰を痛めたことをきっかけに、思うように運動ができなくなり、孤独感を増してしまうケースがとても多いからです。 特にチームスポーツをやっていた人は、元気に運動を続けている仲間の姿と自分を比較して、チームに迷惑をかける心配も含め、まるで自分が脱落してしまったかのような疎外感を覚えてしまいがちです。そこから、うつになってしまう方が多くいます。 だから運動を楽しむのであれば、あまり「競い合うこと」や「チームプレー」に熱心にならないこと。 ゴルフのスコアも、マラソンのタイムも、一日に歩く歩数も、年を取ったら下がるのが当たり前なのです。ただ、その下がり具合を誰かと競い合っても意味がありません。 運動をしてはいけないというのではなく、人間の体は、高齢になっても若い時と同じようにハードな運動ができるようにはできていないことを知っておいてください。 運動不足で老いてしまうこと以上に、「無理な運動をしたせいで足腰を痛めて動けなくなり、それがきっかけで、あっという間に老いてしまうリスク」のほうを、心配するべきでしょう』、「特にチームスポーツをやっていた人は、元気に運動を続けている仲間の姿と自分を比較して、チームに迷惑をかける心配も含め、まるで自分が脱落してしまったかのような疎外感を覚えてしまいがちです。そこから、うつになってしまう方が多くいます。 だから運動を楽しむのであれば、あまり「競い合うこと」や「チームプレー」に熱心にならないこと」、「人間の体は、高齢になっても若い時と同じようにハードな運動ができるようにはできていないことを知っておいてください。 運動不足で老いてしまうこと以上に、「無理な運動をしたせいで足腰を痛めて動けなくなり、それがきっかけで、あっという間に老いてしまうリスク」のほうを、心配するべきでしょう」、なるほど。
・『「生涯現役」という幻想も、孤独感を招く  年を取ってから執着してはいけないのは、運動の強度だけでなく、仕事や社会的な役割についても同じかもしれません。 もちろん、経済的な事情から「仕事をして収入を得なくてはいけない」人はいるでしょう。でも、そうではないのに、何歳になっても「仕事をするべきだ」ということはないですし、いつまでも現役でいる人が偉いわけでも、幸せなわけでもありません。 医学の分野にはいつまでも現役の人が多いのですが、早期に引退したからといって悪いわけではないし、仕事を辞めたって人生を大いに楽しんでいる人は大勢います。 世の中は、「高齢でも、仕事をしている人が素晴らしい」と、むやみやたらに崇め奉るのですが、そんな幻想に惑わされてはいけません。 すでに述べたように、私たちの肉体は70歳や80歳を超えたら、正常に使えるようにはできていません。したがって仕事年齢だって、本来は70歳以上を想定してはいないわけです。だから一般的には65歳くらいで定年になっています。 しかし、人生が長くなった結果、私たちは想定外の努力をしなければならなくなりました。 たとえばあるマンションで、高校の校長先生だった方が、管理人の仕事を引き受けていたとしましょう。そうやって仕事をしていることは賞賛されるべきことですし、管理人よりも校長先生のほうが偉いということもありません。時間に余裕があるし、本人が楽しんでやっているならば、何も問題はないことです。 しかし、もし、「なんで校長だった私が、この仕事をしなければいけないんだ」とか、「校長までやった人間に世の中は冷たい」などと感じるようであれば、そこからたちまち疎外感や孤独感が、広がっていきます。 それに、家でのんびりしている状態とくらべれば、やはり体に負担がかかるのは事実です。なんだかんだいって管理人さんの仕事は忙しいものですから、それなりに体をケアしながら、無理をせずに仕事をしていく必要があるでしょう。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の4つめは、「生涯現役が理想! という幻想を捨てること」です』、「あるマンションで、高校の校長先生だった方が、管理人の仕事を引き受けていたとしましょう。そうやって仕事をしていることは賞賛されるべきことですし、管理人よりも校長先生のほうが偉いということもありません。時間に余裕があるし、本人が楽しんでやっているならば、何も問題はないことです。 しかし、もし、「なんで校長だった私が、この仕事をしなければいけないんだ」とか、「校長までやった人間に世の中は冷たい」などと感じるようであれば、そこからたちまち疎外感や孤独感が、広がっていきます」、「「老化を遅らせる練習」の4つめは、「生涯現役が理想! という幻想を捨てること」です」、なるほど。
・元部下との関係性の変化は当然  引退後も仕事を続けることは、生きがいにもなるし、人間関係を維持したり新しく築いたりするきっかけにもなりますから推奨すべきことです。私も執筆の仕事をしているおかげで、心身ともに健康な生活ができているのは確かです。 ただ、多くの場合、現役のころよりも権限は少なくなるし、言い分も通らなくなります。現役時代にそれなりの地位にいて部下たちから丁重に扱われていたのに、引退して顧問のような立場になったとたん、部下が持ち上げてくれなくなり、言うことを聞いてくれなくなることは、よくあります。 現役時代は上下関係が厳格だったので、部下もそれなりに気をつかわなければならなかったのが、そうした関係性がなくなれば、元部下も自分の仕事があるから、いちいちあなたに構ってばかりもいられません。 ときには元部下に、これみよがしに邪険にされることがあるかもしれませんが、それは現役時代にあなたが相手に辛く当たっていたからでしょう。多くの場合は親子関係と同じで、必ずしも元部下がリスペクトの気持ちを忘れたわけではないのです。ただ、関係性が変化しただけです。 こうした変化を素直に受け入れられるならば、年を取って仕事をしても問題はありません。けれども、「現役と同じように自分は大切に扱われるべきだ」と心のどこかで思っていれば、そうならない現状を淋しく感じ、自信を喪失していくことは多くなります』、「必ずしも元部下がリスペクトの気持ちを忘れたわけではないのです。ただ、関係性が変化しただけです。 こうした変化を素直に受け入れられるならば、年を取って仕事をしても問題はありません。けれども、「現役と同じように自分は大切に扱われるべきだ」と心のどこかで思っていれば、そうならない現状を淋しく感じ、自信を喪失していくことは多くなります」、なるほど。
・『90歳で元気な人が認知症になった理由  私の知人に、100歳近くまで現役で、非常に健康だったある大学の名誉教授の方がいました。 ところがキャリアの最後で、大きなミスを犯してしまったのです。人間関係における判断を間違えたのです。 偉くなると、周りにあれこれいろいろな企みや思惑、嫉妬を抱えた人たちが近づいてきます。そうした人たちに、あることないこと吹き込まれ、自分が一番信頼していた部下を、自らの手で排除するように唆されてしまったのです。 その後、彼は自分の過ちに気づいたのですが、もはやあとの祭りです。野に下った部下を、呼び戻すことはかないませんでした。 すると突然、彼は認知症になり、施設に入って2年ほどで亡くなってしまいました。 90歳を超えてもあれほど頭の切れた人が、まさか認知症になるとは、私は考えもしませんでした。てっきり、仕事中にポックリ逝くのだろうと思っていたくらいです。 そのときは、年を取ることの怖さを感じたものです』、「100歳近くまで現役で、非常に健康だったある大学の名誉教授の方がいました。 ところがキャリアの最後で、大きなミスを犯してしまったのです・・・偉くなると、周りにあれこれいろいろな企みや思惑、嫉妬を抱えた人たちが近づいてきます。そうした人たちに、あることないこと吹き込まれ、自分が一番信頼していた部下を、自らの手で排除するように唆されてしまったのです。 その後、彼は自分の過ちに気づいたのですが、もはやあとの祭りです。野に下った部下を、呼び戻すことはかないませんでした。 すると突然、彼は認知症になり、施設に入って2年ほどで亡くなってしまいました」、考えようによっては、「自分の過ち」で苦しめられるよりは、「認知症」になって幸せだったのかも知れない。
・『高齢になったら執着は捨てる  アルツハイマー病による認知症(アルツハイマー型認知症)は、一般的には加齢とともに脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積していき、それが脳細胞に影響を与えるために起こるとされていますが、若年でかかる人もおり、なぜ、アミロイドβが蓄積するのか正確な原因はわかっていません。 ちなみに、「認知症」というのは病名ではなく、表面に現れた症状のことを指します。そして、認知症を引き起こす原因は1つではありません。 頭部の外傷で起こることもあるし、糖尿病などの生活習慣病やアルツハイマー病が原因であることもあるし、レビー小体の蓄積や遺伝性の場合もあります。 すでに述べたように、アルツハイマー型認知症には、うつが大きくかかわっています。孤独感や自信喪失、挫折感などで、耐えられないほどの精神的な苦しみがある人は、アルツハイマー型認知症になりやすいわけです。 実際に、アルツハイマー型認知症になった人を見れば、「人生をかけて、自分が立ててきた学説がダメになった」とか、「今までの自分の功績が否定された」など、何か取り返しのつかない大きな失敗をしたと思い込んでいる場合が多くあります。もちろん、伴侶を失ったことに対する喪失感が、認知症の発症を促すこともあるでしょう。 だからアルツハイマー型認知症を避けるために大切なのは、高齢になったら、もう執着は捨てることです。 世の中は変化していくのですから、仕事で成し遂げたことも日々どんどん更新されるし、下の人間が上の人間をどんどん追い越していくのも当然だ――そのように認識を改めましょう。そうした変化は、人類にとってむしろ喜ばしい進化発展であり、自分が否定されているわけでは決してないのです。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の5つめは、「過去の実績に執着しない」ということです。 それでも、どうしても執着が捨てられないのなら、いっそ自分が属していた世界から完全に離れることです。 いつまでも「尊敬されていたい」とか、「下の人間に優越感を持ちたい」と考えているかぎり、現実とのギャップに打ちのめされるだけ。 だから、そうした苦しい思いをしないですむように、その世界から離れるのです。引退者は引退者として、まったく違った人生を楽しむほうが、きっと心穏やかでいられ、楽しくもあるはずです』、「世の中は変化していくのですから、仕事で成し遂げたことも日々どんどん更新されるし、下の人間が上の人間をどんどん追い越していくのも当然だ――そのように認識を改めましょう。そうした変化は、人類にとってむしろ喜ばしい進化発展であり、自分が否定されているわけでは決してないのです。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の5つめは、「過去の実績に執着しない」ということです」、確かにその通りだろう。
・『本当に「脳に効くトレーニング」の中身  最近は、認知症を予防するために、パズルや間違い探し、クイズや計算ドリルを解くといった、いわゆる「脳トレーニング(脳トレ)」が流行っています。ただ、これが実際に予防に効果あるかといえば、大いに疑問です。 というのも、脳の一部分を酷使したところで認知症対策にならないことは、すでに医学的に証明されているからです。それは、コンピューターのように優秀で明晰な頭脳を日々鍛えている囲碁や将棋の名人でさえも、認知症になることからも明らかです。 逆に、無理に好きでもない脳トレをして、それ自体がストレスになるのであれば、うつの原因になってしまうことすらあるでしょう。 それよりも、積極的に新しい知識を吸収したり、今、あなたがしているように本を読んだり、文章を書いたり絵を描いたりといった活動をするほうが、よほど脳の海馬の細胞は増えていきます。 そんなふうに好奇心や創作欲を満たしていくことこそ、本当の意味での「脳トレーニング」ではないでしょうか。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の6つめは、「好奇心や創作意欲を満たしていく」です。 ちなみに、認知症の原因の中でも上位を占めるアルツハイマー病は、脳神経が変性し、脳細胞が萎縮していく病です。 最近になり、アルツハイマー型認知症は薬で進行を遅くすることができるようになりました。でも高額なわりに、遅らせる程度は20~25%のみ。たとえば85歳くらいで始まる認知症が、88歳くらいで始まるようにする効果しか、今のところありません。 しかも、認知症を引き起こす病気は、ほかにいくつもあるわけです。ですから、「アルツハイマー型認知症だけの発症を延ばしたところでリスクは変わらない」とする考え方もあります。 でも、「3年も遅らせることができるなら、朗報だ」と考えることもできます。そのご家族にしてみれば、3年間の介護負担があるかないかの差は大きいからです。 ところで、今、世界は、アルツハイマー病と腸内細菌との関係に注目しています(残念ながら日本での研究は遅れています)。 アルツハイマー病を発生させる要因が解明されれば、将来はかなりの割合で認知症を抑えることができるでしょう』、「無理に好きでもない脳トレをして、それ自体がストレスになるのであれば、うつの原因になってしまうことすらあるでしょう。 それよりも、積極的に新しい知識を吸収したり、今、あなたがしているように本を読んだり、文章を書いたり絵を描いたりといった活動をするほうが、よほど脳の海馬の細胞は増えていきます。 そんなふうに好奇心や創作欲を満たしていくことこそ、本当の意味での「脳トレーニング」ではないでしょうか。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の6つめは、「好奇心や創作意欲を満たしていく」です」、「世界は、アルツハイマー病と腸内細菌との関係に注目しています(残念ながら日本での研究は遅れています)」、この分野の研究がもっと進むことを願うばかりだ。

次に、10月16日付けPRESIDENT Onlineが掲載した認知症専門医の朝田 隆氏による「これを続ければ認知症グレーゾーンからUターンできる…認知機能が平均34%アップした「インターバル速歩」 生活習慣病やうつ、睡眠障害、骨粗しょう症の改善にも役立つ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/74656?page=1
・『認知症には、健常者と認知症の中間にあたるグレーゾーン(軽度認知障害)の段階がある。認知症専門医の朝田隆さんは「認知症の予防には筋肉を鍛えることが重要だ。筋肉が動くときに分泌されるマイオカインが脳の神経細胞を増やす働きをする。歩き方を少し変えるだけで、筋力も認知機能もアップさせることができる」という――。 ※本稿は、朝田隆『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム)の一部を再編集したものです』、「歩き方を少し変えるだけで、筋力も認知機能もアップさせることができる」、とは有り難い話だ。
・『筋トレで頭の回転がよくなったQさん  脳の働きを高めるには、運動も欠かせません。広告代理店に勤務しているQさん(62歳・男性)は、持ち前のひらめきやアイディアを生かして、数多くのクライアントの広告を手掛け、高い評価を得てきました。 ところが、40歳を過ぎた頃から頭の回転が鈍くなってきたことを自覚し、「もう第一線から退くしかないのかな」と悩んでいたそうです。そんなとき、健康診断で血圧と血糖値、肥満度の指標であるBMI値が高いことを指摘され、日常的に運動することをすすめられました。 そこで気分転換も兼ねてジムへ通い、マシンを使ったウォーキングと筋トレを始めたところ、パソコンに向かっているときはまったく思い浮かばなかったアイディアが、運動している最中にふっとひらめくことが増えたといいます。 運動を続けるうちに、仕事の勘がどんどん戻ってきて、また自信をもって働けるようになったことがうれしいと、Qさんは話します。 また、健康診断の数値も改善され、筋トレによって体が引き締まったことから、家族の間で「お父さんカッコよくなった」と大評判。そのことがまた運動を続けるモチベーションとなり、最近は奥さんと一緒にジムへ行き、帰りにレストランで食事をするという新たな楽しみが増えたとおっしゃっていました』、「40歳を過ぎた頃から頭の回転が鈍くなってきたことを自覚し、「もう第一線から退くしかないのかな」と悩んでいたそうです。そんなとき、健康診断で血圧と血糖値、肥満度の指標であるBMI値が高いことを指摘され、日常的に運動することをすすめられました。 そこで気分転換も兼ねてジムへ通い、マシンを使ったウォーキングと筋トレを始めたところ、パソコンに向かっているときはまったく思い浮かばなかったアイディアが、運動している最中にふっとひらめくことが増えた」、素晴らしい効果だ。「運動を続けるうちに、仕事の勘がどんどん戻ってきて、また自信をもって働けるようになったことがうれしい・・・健康診断の数値も改善され、筋トレによって体が引き締まったことから、家族の間で「お父さんカッコよくなった」と大評判。そのことがまた運動を続けるモチベーションとなり、最近は奥さんと一緒にジムへ行き、帰りにレストランで食事をするという新たな楽しみが増えた」、これほど運動が効果あるとは、私も驚かされた。
・『筋肉が増えると、脳の神経細胞も増える  Qさんのように、「運動を始めてから頭の働きがよくなった」とおっしゃる人はたくさんいます。認知症に対しても運動の効果はバツグンで、日常的な活動量の多い高齢者ほど、認知症の発症率が低い傾向にあることが知られています。 運動によって脳の働きが高まる理由としては、脳の血流が増えることがよくあげられます。もちろん、それは確かですが、それ以上に注目したいのが“筋肉”です。筋肉が動くときに分泌されるマイオカインという物質のなかには、脳の神経細胞が減るのを防ぐだけでなく、脳の神経細胞を増やす働きをするものが存在するという研究が報告されているのです。 以前は、筋肉は脳からの一方的な指令で動いていると思われていました。 しかし実際には、筋肉からも絶えず脳にシグナルが送られていて、筋肉が動くこと自体が脳の活性化に寄与することがわかってきています。 つまり、筋肉を鍛えている人は脳の神経細胞も一緒に増やしているということです。 「脳の神経細胞って、大人になってからでも増えるの?」と、驚く人もいるでしょう。 おっしゃるように、少し前までは、脳の神経細胞は成人後に増えることはないと考えられていました。しかし現在は、脳の神経細胞は年をとっても増えることがわかっており、ハーバード大学医学部のレイティ博士は、「運動こそが、脳の神経細胞を増やすために最も効果が期待できる」と述べています』、「運動によって脳の働きが高まる理由としては、脳の血流が増えることがよくあげられます・・・それ以上に注目したいのが“筋肉”です。筋肉が動くときに分泌されるマイオカインという物質のなかには、脳の神経細胞が減るのを防ぐだけでなく、脳の神経細胞を増やす働きをするものが存在する・・・以前は、筋肉は脳からの一方的な指令で動いていると思われていました。 しかし実際には、筋肉からも絶えず脳にシグナルが送られていて、筋肉が動くこと自体が脳の活性化に寄与することがわかってきています。 つまり、筋肉を鍛えている人は脳の神経細胞も一緒に増やしているということです」、「脳」や「筋肉」についてのこれまでの知識が陳腐化してることに、改めて驚かされた。
・『筋肉が萎縮したマウスは記憶障害になった  さらに運動には、感情や思考に関係するドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌を促す効果もあるといわれており、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の初期に見られる「めんどうくさい」を改善するうえでも最適です。 逆に、運動不足によって筋肉(骨格筋)が萎縮すると、それだけでアルツハイマー型認知症の発症につながることが、富山大学の東田とうだ千尋教授らの動物実験で明らかにされています。マウス(若齢のアルツハイマー病モデルマウス)に筋肉の萎縮を誘発したところ、そうでないマウスにくらべて若年例でも記憶障害が発症していたというのです。 認知症の予防、および認知症グレーゾーンからの回復を果たすうえで、運動習慣は不可欠といえます』、「運動には、感情や思考に関係するドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌を促す効果もあるといわれており、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の初期に見られる「めんどうくさい」を改善するうえでも最適です・・・認知症の予防、および認知症グレーゾーンからの回復を果たすうえで、運動習慣は不可欠といえます」、「運動」の重要性を再認識した。 
・『認知機能が平均34%アップした「すごい歩き方」  中高年の方から「足腰を鍛えるために、毎日ウォーキングをしています」という声がよく聞かれます。ウォーキングは、呼吸で取り入れた酸素を使って脂肪を燃やす有酸素運動。健康増進やダイエットには最適です。 しかし、ただ歩くだけのウォーキングでは、認知症対策に必要な「筋力の増強」にまではつながらないことが、中高年を対象とした調査で明らかにされています。せっかく歩くなら、しっかりと筋肉をつけて、認知症予防にも役立てましょう。 そこでおすすめなのが、ウォーキングよりも、「インターバル速歩」です。 インターバル速歩とは、筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を交互に繰り返すウォーキング法の一つ。筋力や持久力を無理なく高めることができる中高年向けのトレーニング法として、信州大学大学院特任教授の能勢博先生らが提唱しているものです。 高齢者を対象にインターバル速歩を5カ月間行ってもらった研究によると、参加した人の体力が平均6%向上したといいます。さらに、参加者のうち2割は認知症グレーゾーンと診断されていましたが、インターバル速歩を行ったあとは、認知機能が平均34%も改善されていたそうです(能勢先生が理事長を務めるNPO法人 熟年体育大学リサーチセンターの研究より)』、「ただ歩くだけのウォーキングでは、認知症対策に必要な「筋力の増強」にまではつながらない・・・そこでおすすめなのが、ウォーキングよりも、「インターバル速歩」です。 インターバル速歩とは、筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を交互に繰り返すウォーキング法の一つ。筋力や持久力を無理なく高めることができる中高年向けのトレーニング法として、信州大学大学院特任教授の能勢博先生らが提唱しているものです。 高齢者を対象にインターバル速歩を5カ月間行ってもらった研究によると、参加した人の体力が平均6%向上したといいます。さらに、参加者のうち2割は認知症グレーゾーンと診断されていましたが、インターバル速歩を行ったあとは、認知機能が平均34%も改善されていたそうです」、「認知機能が平均34%も改善されていた」、とは効能あらたかだ。ただ、私の場合、散歩は後ろ向き歩きも組み合わせているので、「インターバル速歩」を採り入れる余地は残念ながら殆どない。
・『「ちょっとキツい」と感じる程度がいい  また、インターバル速歩は、認知症および認知症グレーゾーンの危険因子とされている生活習慣病やうつ、睡眠障害、骨粗しょう症などの改善にも役立つことが明らかにされています』、「インターバル速歩は、認知症および認知症グレーゾーンの危険因子とされている生活習慣病やうつ、睡眠障害、骨粗しょう症などの改善にも役立つ」、ここまで効果が大きいのであれば、前向きの過程で、「インターバル速歩」を採り入れてみたい。
・『インターバル速歩のやり方  ① 3分間「さっさか歩き」をしたあと、次の3分間は「ゆっくり歩き」をします。 ② ①を1日5セット以上行います(1セットずつ、時間を空けて行ってもOK)。 ③ 週4日以上を目標に行い、5カ月以上続けます。 さっさか歩きは「ちょっとキツい」と感じる程度が目安。ゆっくり歩くときは、呼吸を整えながら、自分にとって「ラクなペース」で。ただし、目線や姿勢、歩幅などは、図表1で示した正しいフォームを崩さないように意識しましょう。 【図表1】インターバル速歩のやり方出所=『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』 インターバル速歩によって太ももの筋力が向上すると、転倒予防にも役立ちます。最近は、インターバル速歩の歩く速さを切り替えるタイミング(3分)を教えてくれたり、歩行ペースを記録できるスマートフォン用の無料アプリもあります。 ストップウォッチや腕時計でもよいですが、歩くことに意識を集中するうえでは、スマホアプリを使ったほうが便利です。なお、持病があって通院している人は、主治医と相談してから行ってください』、私は携帯を持たない主義だが、「スマホ」がここまで便利になってくると、考え直さざるを得ない。
・『「フラダンス」がインナーマッスルをフル稼働させる  「時間を測りながら歩くなんてめんどう」 「もっとラクで楽しい筋トレ法はないの?」 「めんどうくさい脳」になっている方からは、そんな声が聞こえてきそうですね。 インターバル速歩は、決してめんどうなトレーニングではありません。とはいえ、まずは運動に興味をもっていただくことが大事なので、エモーショナルなときめきがプラスされた楽しい筋トレとして、フラダンスを紹介しましょう。 フラダンスは、「ハンドモーション」と呼ばれるしなやかで美しい手の動きが特徴的な、ハワイの伝統的な踊りです。ゆっくりとした優雅な動きは、一見、筋トレとはかけ離れた印象がありますが、下半身の負荷は結構なものです。 はだしの足裏と足指で地面をしっかりとらえながら、重心を低くした姿勢でひざを曲げて立ち、絶えず腰を左右に振ってステップを踏む。こうした姿勢で踊っていると、足の指先から太もも、お尻、腰、背中に至るまで、インナーマッスルがフル稼働を余儀なくされます。筋肉のなかでいちばん大きな太ももの筋肉が鍛えられることで、基礎代謝が上がり、太りにくい体になっていきます。 【図表2】筋トレになるフラダンス出所=『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』 優雅な手の動きも見た目よりハードで、腕の筋トレになるほか、その繊細な動きを覚えるために脳も大いに刺激されます。また、長く続けるうちに体幹が鍛えられて体のバランスが安定し、転倒しにくい体づくりにもつながります。 活気を取り戻し、マイナス感情を低下させる効果も さらに、福岡大学スポーツ科学部の森口哲史教授が40~50代の女性を対象に行った調査では、フラダンスのレッスンを2時間受けた人は、「活気」が高まった一方で、「緊張」「抑うつ」「疲労」などのマイナスの感情は低下していたと報告されています。 フラダンスは、心理面にもよい影響を及ぼすということです。 フラダンスは、もともと文字をもたなかったハワイの人たちが、自分の気持ちを伝えるために踊ったものといわれています。華やかな衣装を身にまとって踊れば、よりエモーショナルなときめきが高まり、脳の活性化につながります。日本では、フラダンスというと女性のイメージが強いですが、男性の筋トレ、脳トレとしても最適です。 実際に、最近はフラダンス教室へ通う男性も少しずつ増えているようです』、「ゆっくりとした優雅な動きは、一見、筋トレとはかけ離れた印象がありますが、下半身の負荷は結構なものです・・・足の指先から太もも、お尻、腰、背中に至るまで、インナーマッスルがフル稼働を余儀なくされます。筋肉のなかでいちばん大きな太ももの筋肉が鍛えられることで、基礎代謝が上がり、太りにくい体になっていきます・・・日本では、フラダンスというと女性のイメージが強いですが、男性の筋トレ、脳トレとしても最適です」、私も一度、試してみたい。

第三に、10月9日付け東洋経済オンラインが掲載したライターの堀尾 大悟氏による「老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/706946
・『いくつになっても、旅行に出かけたり、好きなものを食べたりし続けたりしたいもの。そのためには、タンパク質を積極的にとりながら運動をすることで「筋力」を蓄えることが重要だと、諏訪中央病院の名誉院長、鎌田實氏は説く。 同氏と生島ヒロシ氏との共著書である『70歳からの「貯筋」習慣』では、高齢者が長く健康を保つために、体の筋肉を蓄える「貯筋」の大切さを提唱している。「がんばらない健康法」を提唱する鎌田さんに、その「貯筋」に長く取り組む食事や運動のポイントを聞いた(Qは聞き手の質問、Aは鎌田氏の回答)』、「がんばらない健康法」とは興味深そうだ。
・『お金よりも「筋力」が減るほうが大変  Q:40~50代の世代にとって、両親は70~80代に差し掛かっていて、この先いつまで健康でいてくれるか気になります。 A:誰しも、80歳、90歳を超えても、自由に旅行したり、食事を楽しめるような老後を過ごしたいものだし、息子さん、娘さんもそれを望むのは当然ですよね。 そのためには遊ぶお金を貯めておく「貯金」ももちろん大事ですが、おいしいカツ丼を食べるのも、日帰り温泉に行くのも1000円札があればできること。実はお金よりも、「筋肉」が減ることのほうが、老後の楽しみを奪ってしまうのです。 40歳を過ぎると筋肉は毎年1~2%ずつ減っていき、 70歳を過ぎると「サルコペニア」に陥る人が増えていきます。サルコペニアとは加齢に伴い筋肉量が減少し、身体機能が低下する現象のことです。東京都健康長寿医療センター研究所は、75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当する、との調査結果を発表しています。) Q:サルコペニアになると、どういった支障が生じるのでしょうか。 A:サルコペニアになると、歩く、立ち上がるといった日常生活の基本動作に支障が生じ、転倒や骨折のリスクが高まります。そして、要介護の一歩手前の虚弱な状態である「フレイル」に至ります。サルコペニア、そしてフレイルを避けるためにも、日ごろの「貯筋」が70歳からの人生の充実度を決めるといってもいいでしょう。 Q:高齢者が人生を楽しむためにも「貯筋」が必要だということがわかりました。具体的にはどのように「貯筋」を実践すればよいですか? A:「貯筋」には大きく2つの柱があります。「たん活」と「運動」です。「たん活」とは、「タンパク質いっぱいの食生活」のこと。タンパク質は、言うまでもなく筋肉をつくる材料です。しかし、高齢になるとともに食が細くなってしまい、タンパク質が不足しがちになると、サルコペニアに陥るリスクが高まります。 タンパク質を摂取する目安は、体重1キログラムあたり1グラム以上とされていますが、これでは今ある筋肉をキープするので精一杯。体重1キログラムあたり1.2グラム以上を目標としましょう。 60キログラムの人であれば72グラムですね』、「実はお金よりも、「筋肉」が減ることのほうが、老後の楽しみを奪ってしまうのです。 40歳を過ぎると筋肉は毎年1~2%ずつ減っていき、 70歳を過ぎると「サルコペニア」に陥る人が増えていきます。サルコペニアとは加齢に伴い筋肉量が減少し、身体機能が低下する現象のことです。東京都健康長寿医療センター研究所は、75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当する、との調査結果」、「75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当」、かなり高い割合だ。「サルコペニアになると、歩く、立ち上がるといった日常生活の基本動作に支障が生じ、転倒や骨折のリスクが高まります。そして、要介護の一歩手前の虚弱な状態である「フレイル」に至ります。サルコペニア、そしてフレイルを避けるためにも、日ごろの「貯筋」が70歳からの人生の充実度を決めるといってもいいでしょう」、「貯筋」には大きく2つの柱があります。「たん活」と「運動」です。「たん活」とは、「タンパク質いっぱいの食生活」のこと。タンパク質は、言うまでもなく筋肉をつくる材料です。しかし、高齢になるとともに食が細くなってしまい、タンパク質が不足しがちになると、サルコペニアに陥るリスクが高まります。 タンパク質を摂取する目安は、体重1キログラムあたり1グラム以上とされていますが、これでは今ある筋肉をキープするので精一杯。体重1キログラムあたり1.2グラム以上を目標としましょう。 60キログラムの人であれば72グラムですね」、なるほど。
・『「たん活」のイチオシは高野豆腐  Q:「たん活」のためには何を食べればよいですか。 A:肉・魚の動物性タンパク質が基本となります。動物性の油は生きていくうえでの活力にもつながります。僕の周りを見ても、90歳を過ぎても元気な人にはお肉が好きな人が多いです。共著者の生島ヒロシさんは、毎日肉と魚を食べる「ダブルたん活」を実践しています。 でも、お肉には脂肪が含まれるので、食べ過ぎずに植物性タンパク質で補うことも大事です。特に、豆腐や納豆などの大豆製品がお勧めです。 僕のイチオシは、高タンパクで低糖質の高野豆腐。高野豆腐には中性脂肪や悪玉コレステロールの上昇を抑える「レジスタントタンパク」が豊富に含まれているので、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も防いでくれます。 さらに、亜鉛、鉄、カルシウムといったミネラルも豊富。高野豆腐を 粉末状にした粉豆腐は小麦粉の代わりにもなり、僕はお好み焼きを作るときに使っています。間食が好きな人には大豆チップスもお勧めですよ。) Q:食べ過ぎて肥満を気にする人もいると思います。 A:確かに肥満は糖尿病や高血圧といった生活習慣病の原因の1つではありますが、僕は著書や講演で「ダイエットしましょう」と言ったことがありません。 なぜなら、日本人の多くは、メタボ健診の刷り込みが強く、肥満を過度に気にする「肥満パラドックス」に陥っているからです。 60歳、70歳を過ぎてから躍起になって体重を落とす必要はありません。食事制限で痩せようなんてもってのほか。気にすべきは「太っていないか」より「筋肉が落ちていないか」です。 Q:「たん活」と並ぶ、「貯筋」のもう1つの柱が「運動」です。 A:運動は、筋肉をつくるだけでなくさまざまな「いいこと」をもたらしてくれます。 運動すると、筋肉から「マイオカイン」という筋肉作動性物質が分泌されます。マイオカインには30種類ほどあり、その1つであるイリシンが血流に乗って脳に届くと、神経細胞を活性化し、血圧や、血糖値を下げる働きをします。 がんや認知症のリスクも下げる「究極の若返りホルモン」ともいわれています。 また、筋トレをすると男性ホルモンの「テストステロン」が分泌されます。 僕は「なにくそホルモン」と言っているのですが、人生の壁にぶつかっても、その壁を壊して前に進むことができるチャレンジング・ホルモンです。 生島ヒロシさんは、多額の借金を抱えながらも仕事が減ってきてピンチだった時期に、空いた時間で筋トレをしていたそうです。結果、ぐっすり眠ることができ、その後の仕事でいい循環が生まれ、借金も完済できた。その頃の生島さんは、筋トレすることで「なにくそホルモン」が出ていたのでしょうね』、「僕のイチオシは、高タンパクで低糖質の高野豆腐。高野豆腐には中性脂肪や悪玉コレステロールの上昇を抑える「レジスタントタンパク」が豊富に含まれているので、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も防いでくれます」、「運動すると、筋肉から「マイオカイン」という筋肉作動性物質が分泌されます。マイオカインには30種類ほどあり、その1つであるイリシンが血流に乗って脳に届くと、神経細胞を活性化し、血圧や、血糖値を下げる働きをします。 がんや認知症のリスクも下げる「究極の若返りホルモン」ともいわれています。 また、筋トレをすると男性ホルモンの「テストステロン」が分泌されます。 僕は「なにくそホルモン」と言っているのですが、人生の壁にぶつかっても、その壁を壊して前に進むことができるチャレンジング・ホルモンです」、なるほど。
・『犬の散歩は「ウォーキング」ではない  Q:高齢者の運動といえば「ウォーキング」が代名詞ですね。 A:確かにウォーキングは気軽に取り組みやすいのですが、よく犬の散歩を「ウォーキング」と称している人がいますね。申し訳ないけど、これは間違った考えです。犬のペースに合わせて散歩してもほとんど筋肉はつきませんから。 東京都健康長寿医療センター研究所の発表によると、歩幅が狭い人は広い人に比べて認知機能低下のリスクが3倍以上高く、特に女性の場合は通常の5.8倍も高い、とされています。 だから犬の散歩とは別に、歩幅をできるだけ広くとってウォーキングを行ってください。 ただ、歩幅を広くといっても70歳を過ぎると頑張りすぎてひざを痛めたり、呼吸が乱れてしまいます。僕が考案した「鎌田式ウォーキング」は、速歩きと遅歩きを組み合わせた「速遅歩き」。 3分間の速歩きの後は3分間の遅歩きでゆっくり腹式呼吸をしながら副交感神経を刺激して血圧や脈拍を整え、また3分間の速歩きに戻る、を繰り返します』、「犬の散歩を「ウォーキング」と称している人がいますね。申し訳ないけど、これは間違った考えです。犬のペースに合わせて散歩してもほとんど筋肉はつきませんから・・・歩幅が狭い人は広い人に比べて認知機能低下のリスクが3倍以上高く、特に女性の場合は通常の5.8倍も高い、とされています。 だから犬の散歩とは別に、歩幅をできるだけ広くとってウォーキングを行ってください。 ただ、歩幅を広くといっても70歳を過ぎると頑張りすぎてひざを痛めたり、呼吸が乱れてしまいます。僕が考案した「鎌田式ウォーキング」は、速歩きと遅歩きを組み合わせた「速遅歩き 。 3分間の速歩きの後は3分間の遅歩きでゆっくり腹式呼吸をしながら副交感神経を刺激して血圧や脈拍を整え、また3分間の速歩きに戻る、を繰り返します」、「速遅歩き」は第二の記事での「インターバル速歩」と同じだ。
・『「貯筋」はウォーキングだけではできない  Q:この「速遅歩き」なら、運動習慣のない高齢者でも実践できそうですね。 A:「貯筋」のためにはウォーキングだけでは不十分で、筋トレも必要です。でも、筋トレも多くの高齢者にとってはハードルが高いですよね。僕が勧めるのは「鎌田式スロー・スクワット」と「鎌田式かかと落とし」。スロー・スクワットでお尻や太ももなどの大きな筋肉を、かかと落としで「第二の心臓」といわれるふくらはぎを刺激し、全身の血流を促します。筋トレに慣れないうちは、テーブルなどにつかまりながらやってもかまいません。 Q:高齢者でも取り組みやすい筋トレを教えていただきました。ただ、特に運動習慣のないの人にとってはよほど頑張って取り組まないと……。 A:いえいえ、頑張りすぎるとかえって長続きしませんよ。僕の健康法は「食べるな」とか「ダイエットしろ」なんて言ったことがありません。基本的にはおいしいものを食べるために僕たちは生きているのだから、「頑張って運動しなきゃ」と思わずに「体を動かしておけばこれからもおいしいお酒やごはんを楽しめるぞ」と思えたほうが、長続きすると思います。) 運動が苦手な人に僕が勧めているのは「ながら運動」。例えば歯磨きしながらスクワットをする。料理のとき、お鍋に火が回るのを待つ間にかかと落としをする。テレビの野球中継を観ていてチェンジになったらスクワットをする――と決めてしまうのです。 この「ながら運動」は高齢者だけでなく、忙しいビジネスパーソンの方にも有効です。通勤中に、電車の吊り革につかまった時にかかと落としをする。駅から会社に行くまでの間に「幅広ウォーキング」をする。お昼休憩のとき、少し遠回りをして「鎌田式ウォーキング」をして、レストランまで行く――。「ながら運動」を日常生活に上手に取り入れればだんだんと習慣化できて、今度はやっているうちに楽しくなってきます』、「「貯筋」のためにはウォーキングだけでは不十分で、筋トレも必要です。でも、筋トレも多くの高齢者にとってはハードルが高いですよね。僕が勧めるのは「鎌田式スロー・スクワット」と「鎌田式かかと落とし」。スロー・スクワットでお尻や太ももなどの大きな筋肉を、かかと落としで「第二の心臓」といわれるふくらはぎを刺激し、全身の血流を促します。筋トレに慣れないうちは、テーブルなどにつかまりながらやってもかまいません」、なるほど。
・『運動を続ける「コツ」  Q:運動が楽しくなってくるんですか? A:運動を続けると「ドーパミン」という快感ホルモンが分泌されます。子どもがテストでいい点数を取ったときにほめてあげると、子どもが「もっと頑張っていい点数を取ろう」とうれしくなってもっと勉強しますよね。それがドーパミンです。 僕はスポーツジムに通っていますが、50キロのバーベルを担いでスクワットができると、トレーナーから「50キロのバーベルを担げる70歳以上の人なんかいませんよ!」とほめられる。そうするとうれしくなって「50キロ以上の重さにチャレンジしよう」と思える。これもドーパミンの仕業です。 運動を続けるコツは、夫婦間でほめ合う、あるいは「オレ、すごいかもしれないな」と自分で自分をほめ、ドーパミンを出すこと。気づかないうちに運動が楽しくなり、習慣化していきますよ』、「運動を続けるコツは、夫婦間でほめ合う、あるいは「オレ、すごいかもしれないな」と自分で自分をほめ、ドーパミンを出すこと。気づかないうちに運動が楽しくなり、習慣化していきますよ」、確かにこれならヤル気が出そうだ。
タグ:朝田 隆氏による「これを続ければ認知症グレーゾーンからUターンできる…認知機能が平均34%アップした「インターバル速歩」 生活習慣病やうつ、睡眠障害、骨粗しょう症の改善にも役立つ」 というわけで、「老化を遅らせる練習」の6つめは、「好奇心や創作意欲を満たしていく」です」、「世界は、アルツハイマー病と腸内細菌との関係に注目しています(残念ながら日本での研究は遅れています)」、この分野の研究がもっと進むことを願うばかりだ。 PRESIDENT ONLINE (その25)(高齢者のスポーツは「早死+寝たきり」のリスクが高まる!? 医大名誉教授「運動不足以上に気をつけたいこと」 足腰を痛めて動けなくなり、あっという間に老いてしまう、これを続ければ認知症グレーゾーンからUターンできる…認知機能が平均34%アップした「インターバル速歩」 生活習慣病やうつ 睡眠障害 骨粗しょう症の改善にも役立つ、老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ) 高齢化社会 「無理に好きでもない脳トレをして、それ自体がストレスになるのであれば、うつの原因になってしまうことすらあるでしょう。 それよりも、積極的に新しい知識を吸収したり、今、あなたがしているように本を読んだり、文章を書いたり絵を描いたりといった活動をするほうが、よほど脳の海馬の細胞は増えていきます。 そんなふうに好奇心や創作欲を満たしていくことこそ、本当の意味での「脳トレーニング」ではないでしょうか。 ただ、私の場合、散歩は後ろ向き歩きも組み合わせているので、「インターバル速歩」を採り入れる余地は残念ながら殆どない。 「世の中は変化していくのですから、仕事で成し遂げたことも日々どんどん更新されるし、下の人間が上の人間をどんどん追い越していくのも当然だ――そのように認識を改めましょう。そうした変化は、人類にとってむしろ喜ばしい進化発展であり、自分が否定されているわけでは決してないのです。 というわけで、「老化を遅らせる練習」の5つめは、「過去の実績に執着しない」ということです」、確かにその通りだろう。 運動不足で老いてしまうこと以上に、「無理な運動をしたせいで足腰を痛めて動けなくなり、それがきっかけで、あっという間に老いてしまうリスク」のほうを、心配するべきでしょう」、なるほど。 「特にチームスポーツをやっていた人は、元気に運動を続けている仲間の姿と自分を比較して、チームに迷惑をかける心配も含め、まるで自分が脱落してしまったかのような疎外感を覚えてしまいがちです。そこから、うつになってしまう方が多くいます。 だから運動を楽しむのであれば、あまり「競い合うこと」や「チームプレー」に熱心にならないこと」、「人間の体は、高齢になっても若い時と同じようにハードな運動ができるようにはできていないことを知っておいてください。 そういう事実ともあいまって、「運動すれば健康的になる」という常識は、「軽い運動をすれば健康的になる」という程度に解釈して、汗だくになって息があがるほどのハードな運動はやめておいたほうがいいと思うのです」、やはり過ぎたるは及ばざるが如しのようだ。 ただ、マンションの外に出るときは、エレベーターは目的の1階手前の階で降りるようにしています。そして1階分12段の階段を自分の足で上ったり下りたりしています。このようにして一日4往復くらいすれば、十分体力を維持できます」、「私の周りで、高齢になってまでスポーツをやっていた人は、どういうわけか皆、早くに亡くなっているのです。あるいは、寝たきりになっています。 「私たちにできる「老化を遅らせる練習」の3つめは、「体を酷使しないこと」です。 高齢者に対しては、「日々、足腰を鍛えなさい」と、運動を推奨する風潮があります。でも私は、そんなに無理をする必要などない、と考えます。 今88歳の私がしている「運動」といえば、スーパーまで歩いて買い物に行くことと、都心にある出版社に電車に乗って出向くことくらいです。 「2つめは、「生きがいを持つこと」。生きがいを持っている人であれば、こうした「孤立→不安→うつ」の悪循環に陥りにくいことはすでにわかっています。「生きがい」とは、時が経つのを忘れるほど夢中になれる“特別なもの”ばかりを指すのではないのです。スーパーの特売日に目的のものを特価で買うこと、植木に花を咲かせること、道のごみを拾うことなど、どんな小さなことでも十分に当てはまるのです。」、なるほど。 ほかにどんなライフスタイルや考え方が孤独感を招くのか、どんどん明かしていきましょう』、「うつを引き起こす原因となる状態を避けることで、認知症になるリスクをかなり減らせる・・・そのために重要なことの1つめが・・・「腸内環境を整えること」です。食事を改善することが、腸内環境を整え、認知症の対策にもなることが、最近の研究でわかってきました」、「認知症」や「うつ」と関係なさそうな「腸内環境を整えること」、とは「腸」は重要な臓器のようだ。 「生きがい」とは、時が経つのを忘れるほど夢中になれる“特別なもの”ばかりを指すのではないのです。スーパーの特売日に目的のものを特価で買うこと、植木に花を咲かせること、道のごみを拾うことなど、どんな小さなことでも十分に当てはまるのです。 孤立感から、認知症などの病気になる人とならない人の違いは、年を取ってからのライフスタイルや考え方に大きく左右されるということです。 (注)帯状回:大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回(Wikipedia) 「人が孤立状態に置かれると、脳の帯状回がだんだんと正常に機能しなくなり、その影響で、不安障害の傾向が出てきて、やがて、やる気や食欲も低下し、うつの症状が出てきます。 さらには、うつになると、「アミロイドβ」と呼ばれる、脳内に生じるゴミのようなタンパク質が脳から排除されなくなります。これがどんどん蓄積していくと、脳細胞が壊れ、アルツハイマー型認知症が引き起こされます」、なるほど。 高田明和『65歳からの孤独を楽しむ練習 いつもハツラツな人』(三笠書房) 高田明和氏による「高齢者のスポーツは「早死+寝たきり」のリスクが高まる!? 医大名誉教授「運動不足以上に気をつけたいこと」 足腰を痛めて動けなくなり、あっという間に老いてしまう」 「実はお金よりも、「筋肉」が減ることのほうが、老後の楽しみを奪ってしまうのです。 40歳を過ぎると筋肉は毎年1~2%ずつ減っていき、 70歳を過ぎると「サルコペニア」に陥る人が増えていきます。サルコペニアとは加齢に伴い筋肉量が減少し、身体機能が低下する現象のことです。東京都健康長寿医療センター研究所は、75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当する、との調査結果」、 「がんばらない健康法」とは興味深そうだ。 堀尾 大悟氏による「老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ」 東洋経済オンライン すると突然、彼は認知症になり、施設に入って2年ほどで亡くなってしまいました」、考えようによっては、「自分の過ち」で苦しめられるよりは、「認知症」になって幸せだったのかも知れない。 「100歳近くまで現役で、非常に健康だったある大学の名誉教授の方がいました。 ところがキャリアの最後で、大きなミスを犯してしまったのです・・・偉くなると、周りにあれこれいろいろな企みや思惑、嫉妬を抱えた人たちが近づいてきます。そうした人たちに、あることないこと吹き込まれ、自分が一番信頼していた部下を、自らの手で排除するように唆されてしまったのです。 その後、彼は自分の過ちに気づいたのですが、もはやあとの祭りです。野に下った部下を、呼び戻すことはかないませんでした。 「必ずしも元部下がリスペクトの気持ちを忘れたわけではないのです。ただ、関係性が変化しただけです。 こうした変化を素直に受け入れられるならば、年を取って仕事をしても問題はありません。けれども、「現役と同じように自分は大切に扱われるべきだ」と心のどこかで思っていれば、そうならない現状を淋しく感じ、自信を喪失していくことは多くなります」、なるほど。 しかし、もし、「なんで校長だった私が、この仕事をしなければいけないんだ」とか、「校長までやった人間に世の中は冷たい」などと感じるようであれば、そこからたちまち疎外感や孤独感が、広がっていきます」、「「老化を遅らせる練習」の4つめは、「生涯現役が理想! という幻想を捨てること」です」、なるほど。 「あるマンションで、高校の校長先生だった方が、管理人の仕事を引き受けていたとしましょう。そうやって仕事をしていることは賞賛されるべきことですし、管理人よりも校長先生のほうが偉いということもありません。時間に余裕があるし、本人が楽しんでやっているならば、何も問題はないことです。 高齢者を対象にインターバル速歩を5カ月間行ってもらった研究によると、参加した人の体力が平均6%向上したといいます。さらに、参加者のうち2割は認知症グレーゾーンと診断されていましたが、インターバル速歩を行ったあとは、認知機能が平均34%も改善されていたそうです」、「認知機能が平均34%も改善されていた」、とは効能あらたかだ。 「ただ歩くだけのウォーキングでは、認知症対策に必要な「筋力の増強」にまではつながらない・・・そこでおすすめなのが、ウォーキングよりも、「インターバル速歩」です。 インターバル速歩とは、筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を交互に繰り返すウォーキング法の一つ。筋力や持久力を無理なく高めることができる中高年向けのトレーニング法として、信州大学大学院特任教授の能勢博先生らが提唱しているものです。 「運動には、感情や思考に関係するドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌を促す効果もあるといわれており、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の初期に見られる「めんどうくさい」を改善するうえでも最適です・・・認知症の予防、および認知症グレーゾーンからの回復を果たすうえで、運動習慣は不可欠といえます」、「運動」の重要性を再認識した。 逆に、運動不足によって筋肉(骨格筋)が萎縮すると、それだけでアルツハイマー型認知症の発症につながることが、富山大学の東田とうだ千尋教授らの動物実験で明らかにされています。マウス(若齢のアルツハイマー病モデルマウス)に筋肉の萎縮を誘発したところ、そうでないマウスにくらべて若年例でも記憶障害が発症していたというのです。 認知症の予防、および認知症グレーゾーンからの回復を果たすうえで、運動習慣は不可欠といえます』、 つまり、筋肉を鍛えている人は脳の神経細胞も一緒に増やしているということです」、「脳」や「筋肉」についてのこれまでの知識が陳腐化してることに、改めて驚かされた。 ・『筋肉が萎縮したマウスは記憶障害になった  さらに運動には、感情や思考に関係するドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌を促す効果もあるといわれており、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の初期に見られる「めんどうくさい」を改善するうえでも最適です。 「運動によって脳の働きが高まる理由としては、脳の血流が増えることがよくあげられます・・・それ以上に注目したいのが“筋肉”です。筋肉が動くときに分泌されるマイオカインという物質のなかには、脳の神経細胞が減るのを防ぐだけでなく、脳の神経細胞を増やす働きをするものが存在する・・・以前は、筋肉は脳からの一方的な指令で動いていると思われていました。 しかし実際には、筋肉からも絶えず脳にシグナルが送られていて、筋肉が動くこと自体が脳の活性化に寄与することがわかってきています。 「運動を続けるうちに、仕事の勘がどんどん戻ってきて、また自信をもって働けるようになったことがうれしい・・・健康診断の数値も改善され、筋トレによって体が引き締まったことから、家族の間で「お父さんカッコよくなった」と大評判。そのことがまた運動を続けるモチベーションとなり、最近は奥さんと一緒にジムへ行き、帰りにレストランで食事をするという新たな楽しみが増えた」、これほど運動が効果あるとは、私も驚かされた。 「40歳を過ぎた頃から頭の回転が鈍くなってきたことを自覚し、「もう第一線から退くしかないのかな」と悩んでいたそうです。そんなとき、健康診断で血圧と血糖値、肥満度の指標であるBMI値が高いことを指摘され、日常的に運動することをすすめられました。 そこで気分転換も兼ねてジムへ通い、マシンを使ったウォーキングと筋トレを始めたところ、パソコンに向かっているときはまったく思い浮かばなかったアイディアが、運動している最中にふっとひらめくことが増えた」、素晴らしい効果だ。 「歩き方を少し変えるだけで、筋力も認知機能もアップさせることができる」、とは有り難い話だ。 筋肉のなかでいちばん大きな太ももの筋肉が鍛えられることで、基礎代謝が上がり、太りにくい体になっていきます・・・日本では、フラダンスというと女性のイメージが強いですが、男性の筋トレ、脳トレとしても最適です」、私も一度、試してみたい。 「ゆっくりとした優雅な動きは、一見、筋トレとはかけ離れた印象がありますが、下半身の負荷は結構なものです・・・足の指先から太もも、お尻、腰、背中に至るまで、インナーマッスルがフル稼働を余儀なくされます。 、私は携帯を持たない主義だが、「スマホ」がここまで便利になってくると、考え直さざるを得ない。 「インターバル速歩は、認知症および認知症グレーゾーンの危険因子とされている生活習慣病やうつ、睡眠障害、骨粗しょう症などの改善にも役立つ」、ここまで効果が大きいのであれば、前向きの過程で、「インターバル速歩」を採り入れてみたい。 「運動を続けるコツは、夫婦間でほめ合う、あるいは「オレ、すごいかもしれないな」と自分で自分をほめ、ドーパミンを出すこと。気づかないうちに運動が楽しくなり、習慣化していきますよ」、確かにこれならヤル気が出そうだ。 「「貯筋」のためにはウォーキングだけでは不十分で、筋トレも必要です。でも、筋トレも多くの高齢者にとってはハードルが高いですよね。僕が勧めるのは「鎌田式スロー・スクワット」と「鎌田式かかと落とし」。スロー・スクワットでお尻や太ももなどの大きな筋肉を、かかと落としで「第二の心臓」といわれるふくらはぎを刺激し、全身の血流を促します。筋トレに慣れないうちは、テーブルなどにつかまりながらやってもかまいません」、なるほど。 ただ、歩幅を広くといっても70歳を過ぎると頑張りすぎてひざを痛めたり、呼吸が乱れてしまいます。僕が考案した「鎌田式ウォーキング」は、速歩きと遅歩きを組み合わせた「速遅歩き 。 3分間の速歩きの後は3分間の遅歩きでゆっくり腹式呼吸をしながら副交感神経を刺激して血圧や脈拍を整え、また3分間の速歩きに戻る、を繰り返します」、「速遅歩き」は第二の記事での「インターバル速歩」と同じだ。 「犬の散歩を「ウォーキング」と称している人がいますね。申し訳ないけど、これは間違った考えです。犬のペースに合わせて散歩してもほとんど筋肉はつきませんから・・・歩幅が狭い人は広い人に比べて認知機能低下のリスクが3倍以上高く、特に女性の場合は通常の5.8倍も高い、とされています。 だから犬の散歩とは別に、歩幅をできるだけ広くとってウォーキングを行ってください。 「運動すると、筋肉から「マイオカイン」という筋肉作動性物質が分泌されます。マイオカインには30種類ほどあり、その1つであるイリシンが血流に乗って脳に届くと、神経細胞を活性化し、血圧や、血糖値を下げる働きをします。 がんや認知症のリスクも下げる「究極の若返りホルモン」ともいわれています。 また、筋トレをすると男性ホルモンの「テストステロン」が分泌されます。 僕は「なにくそホルモン」と言っているのですが、人生の壁にぶつかっても、その壁を壊して前に進むことができるチャレンジング・ホルモンです」、なるほど。 「僕のイチオシは、高タンパクで低糖質の高野豆腐。高野豆腐には中性脂肪や悪玉コレステロールの上昇を抑える「レジスタントタンパク」が豊富に含まれているので、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も防いでくれます」、 「たん活」と「運動」です。「たん活」とは、「タンパク質いっぱいの食生活」のこと。タンパク質は、言うまでもなく筋肉をつくる材料です。しかし、高齢になるとともに食が細くなってしまい、タンパク質が不足しがちになると、サルコペニアに陥るリスクが高まります。 タンパク質を摂取する目安は、体重1キログラムあたり1グラム以上とされていますが、これでは今ある筋肉をキープするので精一杯。体重1キログラムあたり1.2グラム以上を目標としましょう。 60キログラムの人であれば72グラムですね」、なるほど。 「75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当」、かなり高い割合だ。「サルコペニアになると、歩く、立ち上がるといった日常生活の基本動作に支障が生じ、転倒や骨折のリスクが高まります。そして、要介護の一歩手前の虚弱な状態である「フレイル」に至ります。サルコペニア、そしてフレイルを避けるためにも、日ごろの「貯筋」が70歳からの人生の充実度を決めるといってもいいでしょう」、「貯筋」には大きく2つの柱があります。
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本日は更新を休むので、明日にご期待を!

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認知症(その2)(中高年に多い「前頭側頭型認知症」 発症が疑われる“10の行動”とは、「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想、「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説) [生活]

認知症については、本年5月5日に取上げた。今日は、(その2)(中高年に多い「前頭側頭型認知症」 発症が疑われる“10の行動”とは、「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想、「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説)である。

先ずは、5月9日付けダイヤモンド・オンライン「中高年に多い「前頭側頭型認知症」、発症が疑われる“10の行動”とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/321449
・『「ダイ・ハード」「アルマゲドン」などの作品で知られる米俳優、ブルース・ウィリスが「前頭側頭型認知症」を公表した。40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多いという「前頭側頭型認知症」。一体どのような病なのか。認知症専門医の長谷川嘉哉医師に話を聞いた』、「40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多い」のであれば、深刻だ。
・『異常行動があっても認知症診断が難しい理由  先日68歳の誕生日を迎えたばかりのブルース・ウィリス。2022年に失語症のため俳優引退を発表し、惜しまれつつ表舞台を去ったハリウッドの名俳優だ。そして約1年後、ブルースの家族によって公表されたのが、「前頭側頭型認知症」の発症だった。聞き慣れない病名だが、どのような認知症なのか。 「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」 そう話すのは、認知症専門医の長谷川嘉哉医師だ。前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという。) 「前頭側頭型認知症の特徴は人格変化です。急に怒りっぽくなる、他人を思いやる気持ちがなくなり善悪の判断が曖昧になる、といった症状が顕著に出ます。ただ初期の段階では記憶障害や認知機能の異常などはあまり見られず、本人も病気の自覚がなかなか持てないため、認知症と診断するには時間がかかることも多いのです」 以下は長谷川医師による、前頭側頭型認知症のチェックリストだ。 ・状況に合わない行動…場所や状況に不適切な悪ふざけ、身勝手な行動をする ・意欲減退…引きこもり、何もしないなどの状態が続く ・無関心…周囲の出来事に無関心、身だしなみに気を使わない ・逸脱行為…万引などの軽犯罪に当たる行為をしても、それについて説明や反省ができない ・繰り返し行動…散歩や食事、入浴などを決まった時間に行う、やめさせると怒る ・食べ物へのこだわり…毎日同じものしか食べない。際限なく食べる場合も ・言葉の繰り返し…同じ言葉の繰り返しや、他人の言葉をオウム返ししたりする ・好みの変化…食などの好みが大きく変わる。酒やたばこを大量にとるなど ・発語の障害…無口、語彙(ごい)が少なくなる。品物の名前や使い方がわからない ・短期記憶の維持…最近の出来事など短期記憶は保たれる。日時も間違わない 上記に三つ以上あてはまる場合、前頭側頭型認知症の疑いがあるという。 「たとえば食事などに異常なこだわりを持ち始めます。同じメニューを毎日食べたり、味付けが極端になったり、それを周囲の人に注意されても聞く耳を持ちません。機嫌もコロコロ変わります。ニコニコしていたと思ったら怒ったり、声を荒らげたり、また理屈に合わないことを口走り、行動するようになります。このような症状が続くので、前頭側頭型認知症は家族や周囲との人間関係の崩壊を招くことも少なくありません」 ブルース・ウィリスの家族はSNSで「残念ながら、コミュニケーションの難しさは、ブルースが直面している病気の症状の一つに過ぎません」とつづっている。とはいえ、いくら行動面での異常があっても、認知機能に大きな変化がみられなければ、認知症と診断することは難しいのだ。) 「兆候があっても経過観察をしないことには、なかなか判断できないのが、前頭側頭型認知症の厄介な点。また人格変化が進行すると、周囲に迷惑をかけるだけでなく、医療機関への受診のハードルも上がっていく。若年で発症した患者は体力がありあまっているため、施設への入所も難しい。家族もどう対応すればいいのかわからず、悲観しているケースも多いのです」』、「「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」・・・前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという」、恐ろしい病気だ。
・『反社会的な逸脱行為の有無が前頭側頭型認知症の見極めポイント  そんな「前頭側頭型認知症」の大きなポイントは「反社会的な逸脱行為」だ。 「反社会的な逸脱行為というのは、たとえば万引をする、痴漢行為、信号無視、部屋を片付けられず家がゴミ屋敷化する……といった行動です。前頭側頭型認知症は、理性や感情のコントロールができなくなるので、暴力や反社会的行動をちゅうちょなく行えるようになってしまうのです」 こうした症状は、実は医師の間でもいまだに認知が広まっておらず、この病気が理解されにくい一つの要因となっているという。 「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです」 日本の認知症患者は600万人以上と推計され、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている。もし身近に万引や窃盗、ゴミ屋敷化や信号無視など問題行動が表れるようになった人がいたら、「認知症」の可能性も考えたほうがいいだろう』、「「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです・・・2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている」、「周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります」、本当に深刻だが、これという打開策もないようだ。

次に、5月29日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/700681
・『65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です。 しかし人生100年時代では、65歳はまだ後半が始まったばかり。いわば人生の黄金期です。 ベストセラー『80歳の壁』の和田秀樹さんが、不安やストレスのもとを消し去り、心を若く機嫌よく保つことで、うつや認知症を寄せつけないための《50の「気づき」》を提言する新刊『65歳から始める 和田式 心の若がえり』より、一部を紹介します』、「65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です」、なるほど。
・『夫婦の関係を一度リセットする  ◎ストレスを抱えながら付き合い続けるのは人生のムダ うつ病など心の病の原因は、およそ4割が対人関係にあるとされています。老人性うつを防ぐ、あるいは改善していくには、対人関係を見直していく必要があります。そういう意味で、現役をリタイアしたあとは、わずらわしい人間関係を解消するのに、最適な時期です。 ところが、定年退職したのちも、現役時代の人間関係を変えられない人がいます。 上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです。 もう1つ、65歳以降になったら見直したほうがよいのが、「夫婦関係」です。) 理解する必要があるのは、男女の体の仕組みです。男性は加齢とともに男性ホルモンの分泌が減り、活動意欲も停滞します。一方、女性は閉経後から男性ホルモンの分泌が増えて、活動意欲も社交性も高まっていきます。 ところが、現在の高年世代の男性は、家事をあまりせず、妻任せにしている人が目立ちます。妻は社交性が増していてどんどん外に出て行きたいのに、「家のこともせずに、出かけてばかりいる」と夫に恨みごとをいわれ続ければ、「いい加減、別の人生を歩みたい」と思うようになって当然です。 人生100年時代といわれる現代です。「残りの人生も、この人の面倒を見ながら生きていくのか」と思えば、「離婚」の2文字が頭に浮かびます。しかし、リタイア後は妻とゆっくり過ごそうと思っていた夫は、「裏切られた」との思いに陥るでしょう。 ▽ガマンの毎日は人生の無駄遣い(お互いを理解し合えていない状態で夫婦関係を続けても、幸せな晩年が過ごせるでしょうか。家という場所が、ストレスの原因になったときの精神的負担は計り知れません。何より、我慢しながら毎日を過ごすのは、人生のムダ遣いです。 ◎「つかず離れず婚」が心を健康にする(熟年離婚や卒婚は、よく考えてみると、起こるべくして起こる現象といえます。 そもそも一夫一妻制は、人間の自然な本能に沿った制度ではなく、人類が社会化するにつれて、さまざまなルールとともに生まれた制度です。子孫を残し、子育てをしていくという本能を、高度化した人間社会に定着させるために、一夫一妻制が合理的であっただけのことです。 それも人生50年の時代であれば、問題は起こりませんでした。しかし、寿命が大幅に延びたうえに、価値観が多様化した現在、人生100年を添い遂げるべきとする従来の婚姻制度には、明らかに無理があります。 それならば、子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります。 離婚の道を選ぶにしても、憎み合って別れるのでないのならば、ときどき会って食事をするといった、よき友人のような関係を築き直すこともできます。 夫婦関係を続ける場合には家事の分担はもちろんのこと、お互いに相手を束縛することなく自由に生きていくことが、心の健康にとって大切です。 それぞれ好きなものを食べ、好きなところへ出かけ、好きな仲間と交際し、ときには一緒に外食を楽しむ――。そんな「つかず離れず婚」こそが、65歳以降のよき夫婦のあり方ではないでしょうか。 ◎一人暮らしは認知症を予防する最高の方法(人生を楽しむうえで、高年者の思考を邪魔するのが、「孤独」への恐れです。高年になると、「一人ぼっちにはなりたくない」「孤独死したらどうしよう」という発想が強くなります。これも予期不安が起こす恐れです。 現在、一人暮らしの65歳以上の高年者は、日本では670万人を超えています(少年、青年、中年を経て緩やかに移行していった先にあるという意味で、ここでは65歳以上の人々を高齢者ではなく「高年者」と呼びます)。単身の高年者が大きな事件・事故などを起こすと、高年者の孤立や孤独の問題がメディアで大きく取り上げられます。しかし、実際には、独居の高年者全員が孤独感に苛まれているわけではありません。) 一人暮らしで誰にも看取られず、何日も経ってから発見される、という「孤独死」を恐れる人も多いでしょう。しかし、よくよく考えてみれば、数日経ってから発見されるということは、死ぬ直前まで元気だった可能性が高いわけです。 今は、要介護認定を受けた高年者であれば、ほぼ例外なく、なんらかの福祉サービスとつながっています。日常的な支援が行われているので、体調が悪ければすぐに病院に連れて行かれて、孤独死はなかなかできないのです。 孤独死したということは、自殺などのケースを除き、理想の生き方とされる「ピンピンコロリ」が実現できたということ。直前まで寝たきりにもならず、元気に生き、眠るように最期を迎えるという、なかなかできない死に方ができたわけです』、「上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです」、「「つかず離れず婚」が心を健康にする・・・子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります」、なるほど。
・『一人暮らしの人ほど認知症は進まない  皆さんは「認知症になりたくない」とおっしゃいますが、一人暮らしは認知症予防の最高の方法です。私は、一人暮らしを続けている認知症の患者さんもおおぜい診ていますが、独居の人ほど、認知症の症状は進みにくいと思っています。 一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます』、「「一人暮らしの人ほど認知症は進まない・・・一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます」、なるほど。
・『孤独の楽しみ方を少しずつ覚えよう  「認知症になると1人で生活できなくなるのでは」と思う人も多いのですが、不思議なことに、認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります。 「計算ができなくなるから、買い物もできなくなるだろう」と不安になる人もいますが、これもいらぬ心配です。認知症になると、自分の身を守るために、より安全に振る舞おうとする傾向が強くなるからです。 計算が間違っていたら恥ずかしいし、店員からとがめられるのも怖いため、お店ではとりあえず、お札を出すようになります。なんでもお札で買い物するようになるので、財布が小銭だらけになります。それでも、上手に買い物をしている証です。 私は、一人暮らしを無理にお勧めしているわけではありません。家族と一緒にいることが幸せな人もいれば、1人が好きな人もいます。配偶者と死別して1人になる人もいます。「みんな違って、みんないい」のです。 ただし、老人ホームなどへの入居を決めない限り、高年になれば子どもは巣立ち、親や配偶者と死別し、独居になる可能性は高まります。 孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです。 実践こそが予期不安を解消し、心の余裕を増やす最良の方法といえます』、「認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります」、なるほど。「孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです」、「予行演習」とはいいアイデアだ。

第三に、10月7日付け東洋経済オンラインが掲載した 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長の奥村 歩氏による「「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説」を紹介しよう。
・『日本では認知症患者が増える中で、認知症は睡眠障害と密接な関係がある、と指摘されています。日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長の、奥村歩氏の新著『スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』を一部抜粋・再構成し、認知症の原因と、予防につながる質の高い睡眠について解説します』、興味ふかそうだ。
・『認知症と睡眠障害の関係 「日本人は世界ワーストレベルで睡眠時間が短い」  日本人の平均睡眠時間は7時間22分。加盟国など平均と比べると1時間3分も、短いのです(OECD2・2018データより)。 さらに認知症と睡眠障害の密接な関係は、以前から指摘されています。 人口1000人当たりの認知症患者数について、OECD諸国とその他主要国計44カ国の2021年の実績と2050年の予測値を示したデータによると、その数はOECD平均で15.7人。それに比べて日本は最多ダントツの26.7人です。さらに2050年の予測値では、OECD平均29.4人に対して日本は44.7人と、ますます認知症患者が増えると考えられています。 これまでにも認知症患者増加に対する警告はありました。 エビデンスに基づいた第1報は、2012年、朝田隆先生の研究チームによる調査報告を厚生労働省が発表したデータです。) 日本の認知症患者数が約462万人。認知症予備軍のMCIもほぼ同数の約400万人。そして、2025年の認知症患者数は約700万人を超えると予測されています。高齢者65歳以上で5人に1人というものすごい数です。 認知症になるかどうかの運命の分かれ道は、「この65歳の壁をいかにうまく乗り越えることができるかにある」とも言えるでしょう。 これらのデータからもわかるように、日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています。まさに、睡眠障害と認知症との関係は、「鶏が先か?卵が先か?」。日本人は睡眠時間が極端に短いのですが、実はそれ以上に、熟睡できていない人が多いことのほうが問題なのです』、「日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています」、「睡眠負債国」の是正が急務だ。
・『アルツハイマー病の元凶は赤ちゃんでも発生する!  認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)。統計ではすべての認知症の70%も占めると言われています。このアルツハイマー型認知症は、睡眠負債との因果関係がとても深いのです!この脳のゴミ(老人斑)は、高齢者だけに発生するものではありません。最近の研究で、赤ちゃんでも子どもでもアミロイドβは発生することがわかっています。しかし、赤ちゃんや子どもの脳にゴミはたまりません。なぜなら、若いうちは脳のゴミを掃除する機能がしっかりしているからです。 一方、高齢になってゴミ掃除が思うようにできなくなるとアミロイドβは脳のいたるところで凝集化(フィブリル)し、次第に“認知症予備軍”と言われるMCIの状態になっていきます。) 現在では、アミロイドPETという検査で生体脳のアミロイドβを可視化することができます。このような技術の進歩で、私たちの脳には、何歳くらいからアミロイドβがたまり始めるのかが正確にわかるようになりました。 研究では、アミロイドβは40歳からたまり始めることがわかっています。この時期は、睡眠負債を自覚する時期と重なっていて、また心身ともに疲れが蓄積してくる時期なのです。 つまり、この世代になると発生するゴミの量にゴミ掃除が追いつけなくなって、じわじわとアミロイドβがたまり始めるのです』、「認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」、なるほど。
・『脳のゴミ掃除の仕組み  「脳は神秘のベールに包まれている」と言われます。 一般的には、「脳が人体の臓器の中でも特に仕組みが複雑で、いまだ十分に解明されていない」という感覚的なイメージ表現として使われますが、医療の実際では「神秘のベール」はイメージではなく、現実的に物理的に、まさに脳は神秘のベールに包まれているのです。 そのベールとは、「脳脊髄液」と呼ばれる透明の液体です。 私は脳神経外科手術をする際、患者さんやご家族に、以下のような例え話をします。 「脳は頭蓋骨の中で、脳脊髄液と呼ばれる無色透明な液体に包み込まれています。その状態は、例えばスーパーで売っている“水の入った密閉パックの中の豆腐”を思い浮かべていただくといいでしょう。密閉パックが頭蓋骨で、豆腐が脳です。脳は頭蓋骨の中でパック内の豆腐と同じように、水に満たされているのです」 この例え話は、実はかなり的確に脳の構造を表しています。 もし誤って豆腐のパックを落としても豆腐がつぶれないように、パックの中の水がクッションの役割を果たしています。同様に私たちの脳は、堅く分厚い頭蓋骨とともに、しなやかな脳脊髄液によって、頭部の衝撃から脳を護っています。 ただし、脳脊髄液と豆腐パックの水には、大きな違いがあります。豆腐パックの水は一度パッキングされたらそのままなのに対して、脳脊髄液は、周期的に、たえず入れ替わっているのです。) 脳脊髄液は、脳室(脳の深部にある部屋)と呼ばれる場所で1日に約500?作り出され、深部から脳表に循環して脳脊髄全体を覆い尽くし、そして古くなった脳脊髄液は、脳表の静脈へと排出されます。 日々、排出される脳脊髄液の量は、作り出される500?と同じ。つまりつねに同じ量が脳内に存在するものの、脳脊髄液自体は1日に約4回程度(500÷120≒4)入れ替わっていることになります。 このように、ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです。 人の体内の老廃物は血液やリンパ液によって体外へ排出されますが、脳にはリンパ管が存在しないため、従来は、脳に老廃物を排出するリンパ系はないと考えられてきました。 ところが、最近になって、脳にも身体のリンパ系と同じような働きをして、老廃物を排出させるユニークな仕組みがあることが発見されたのです。 それが、2012年にロチェスター大学のネーデルガード氏らが発見したグリンファティックシステム(Glymphatic System)です』、「ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです」、なるほど。
・『脳脊髄液がアミロイドβを水洗いする仕組み  グリンファティックシステムは以下にあるように、睡眠と認知症が密接につながっていることを証明することになりました。 脳表を循環する脳脊髄液は、動脈の血管周囲腔に沿って脳内に流入します。そして脳脊髄液は、血管周囲に密着している神経膠細胞(グリア)の水門(アクアポリン4)から脳内に流入して、脳脊髄液=グリンファティック液となります。この液は、図の「[→]」のように、静脈側の血管周囲腔の方向に流れます。(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) 「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です』、「「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です」、やはり「質の良い睡眠」がカギのようだ。
・『脳のゴミ掃除には、「上質な睡眠」が絶対条件  このことを証明する2019年10月に『サイエンス』誌で発表されたボストン大学の研究を見てみましょう。 研究対象は人間。実験は生理的な睡眠を再現するため、夜中の0時から行われ、被検者に脳波計をつけてMRIの中で眠ってもらったのです。つまり、睡眠の状態を脳波でチェックしつつ、同時に脳血流量や脳脊髄液の動態も測定したわけです。 その結果は「人が熟睡(ノンレム睡眠)するときに、ノルアドレナリンに連動する神経細胞の活動が減少し、脳の血流は停滞する。逆に脳脊髄液の流れが活発になる」というものでした。 つまり、「熟睡中にはグリアがアクアポリン4から脳脊髄液を積極的に取り込み、脳内組織は空間を拡大させ、組織抵抗を減少させ、アミロイドβの解毒の場を拡大する」ことが示唆されたのです。 スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます』、「スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、「アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、そうなってほしいものだ。
タグ:「日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています」、「睡眠負債国」の是正が急務だ。 奥村 歩氏による「「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説」 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです」、「予行演習」とはいいアイデアだ。 「認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります」、なるほど。「孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 「「一人暮らしの人ほど認知症は進まない・・・一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます」、なるほど。 「「つかず離れず婚」が心を健康にする・・・子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります」、なるほど。 「上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです」、 「65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です」、なるほど。 『80歳の壁』の和田秀樹 和田 秀樹氏による「「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想」 東洋経済オンライン 「周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります」、本当に深刻だが、これという打開策もないようだ。 「「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです・・・2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている」、 「「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」・・・前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという」、恐ろしい病気だ。 「40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多い」のであれば、深刻だ。 ダイヤモンド・オンライン「中高年に多い「前頭側頭型認知症」、発症が疑われる“10の行動”とは」 「認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」、なるほど。 「スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、「アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、そうなってほしいものだ。 「「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です」、やはり「質の良い睡眠」がカギのようだ。 「ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです」、なるほど。
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キシダノミクス(その9)(ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身、れぞ岸田自民党!レイシスト杉田水脈氏とエッフェル松川るい氏が“復活”のメチャクチャ、【独自】自民党情勢調査で「自民41減」「公明10減」…岸田首相は絶句 11月解散を本当に決断できるのか) [社会]

キシダノミクスについては、本年9月23日に取上げた。今日は、(その9)(ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身、れぞ岸田自民党!レイシスト杉田水脈氏とエッフェル松川るい氏が“復活”のメチャクチャ、【独自】自民党情勢調査で「自民41減」「公明10減」…岸田首相は絶句 11月解散を本当に決断できるのか)である。

先ずは、8月26日付け現代ビジネスが掲載した教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師の清水 克彦政治氏による「ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115129?imp=0
・『岸田政権は「危険水域」で動けず  「本日、ここに、我々3人は、日米韓パートナーシップの新時代を開いていく決意を示します」 8月18日、ワシントン郊外にあるアメリカ大統領専用の別荘、キャンプ・デービッドで、バイデン大統領や韓国の尹錫悦大統領とともに共同会見に臨んだ岸田首相は、満足そうな表情を見せた。 キャンプ・デービッドは、歴代のアメリカの大統領が、重視する外国の首脳を招き、打ち解けた雰囲気で会談を行う際に利用されてた場所だ。1986年には中曽根首相が招かれ、レーガン大統領と「ロン・ヤス」関係を築き、2001年には小泉首相がブッシュ大統領とキャッチボールを楽しんだことでも知られている。 そのような由緒ある場所に招かれたこと、そしてそこで、中国などを念頭に、日米韓3か国による安全保障面での連携を強化し、「政権が代わっても協力関係を継続する」などとする「キャンプ・デービッド原則」を打ち出せたことは、岸田首相にとって、今年5月のG7広島サミットに次ぐ晴れ舞台にはなった。 とはいえ、岸田首相の前途には暗雲が立ち込めているままだ。 「解散? やれるわけがないよ。ガソリン価格の高騰だって、不満の矛先は岸田さんに向けられる。解散したら自民党は惨敗。10月解散の可能性なんて99%ないね」 とは、自民党議員から聞こえてくる本音である。実際、岸田政権への支持率は、毎日新聞や時事通信による世論調査で、「危険水域」とされる20%台まで落ち込んでいる。 ここで想起されるのが、先ごろ東京・永田町で出回った、岸田政権の低空飛行を受けての怪文書だ。それにはこんな記述が見られた。) 「(来年の)総裁選には出ないかもな…。首相はポツリとこう漏らした」 「衆院解散・総選挙について、今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、退陣を余儀なくされる」 さすがにこの内容を鵜呑みにする議員や記者はいないものの、現在の岸田首相を取り巻く状況を思えば、「こんな風に書かれるのもむべなるかな」と言うほかない。なぜなら、やることなすこと、理解が得られないものばかりだからだ』、「岸田政権への支持率は、毎日新聞や時事通信による世論調査で、「危険水域」とされる20%台まで落ち込んでいる。 ここで想起されるのが、先ごろ東京・永田町で出回った、岸田政権の低空飛行を受けての怪文書だ。それにはこんな記述が見られた。 「(来年の)総裁選には出ないかもな…。首相はポツリとこう漏らした」 「衆院解散・総選挙について、今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、退陣を余儀なくされる」 さすがにこの内容を鵜呑みにする議員や記者はいないものの、現在の岸田首相を取り巻く状況を思えば、「こんな風に書かれるのもむべなるかな」と言うほかない」、「首相は」かなり追い込まれているようだ。
・『反転攻勢の糸口すらない岸田政権  政治が高校野球やラグビーなら、どんなに押されているゲームでも、試合中、1度や2度は反転攻勢の流れが来ることがあるものだ。ところが、岸田首相には、現在はもとより、近未来も、支持率を好転させる材料がない。 ・最側近、木原誠二官房副長官をめぐる疑惑が払拭できない  ・自民党内で汚職疑惑やフランス「物見遊山」研修問題が尾を引く』、「現在はもとより、近未来も、支持率を好転させる材料がない」、これは深刻だ。
・『現在のマイナス材料は理解が得られないものばかり ・マイナンバー問題で収束の兆しが見えない(8月8日に公表した総点検の中間報告では累計8000件超の誤りを確認。目標どおり11月末までに総点検を完了できたとしても、その後にミスが発覚すれば完全に信頼を失う。特にマイナ保険証に関しては、各種世論調査で過半数の人が「必要」と感じていない)。 ・最側近、木原誠二官房副長官をめぐる疑惑が払拭できない(「週刊文春」で木原氏の“愛人と隠し子問題”が表面化。続いて、妻の元夫の“不審死問題”問題。も浮上。木原氏が何の説明もしていないという問題に加え、岸田首相の傍に、頼れる側近が不在となった点も大打撃。)・自民党内で汚職疑惑やフランス「物見遊山」研修問題が尾を引く(秋本真利衆院議員が風力発電をめぐる収賄疑惑で離党。松川るい女性局長(その後、辞任)らのフランス研修も「まるで観光」と批判を浴びた。秋本、松川両氏の議員辞職を求める声に、「出処進退は政治家本人が…」などと常套句で返せば、支持率はさらに下がる可能性がある』、「現在のマイナス材料は理解が得られないものばかり」、その通りだ。
・近未来のマイナス材料も理解が得られそうにない  ・福島第1原発処理水の海洋放出で批判を浴びるのは不可避(8月20日、岸田首相の福島訪問、そして22日の関係閣僚会議で処理水の海洋放出が決まり、24日から放出が始まった。 政府と東京電力は2015年、福島県の漁協に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」と約束している。風評被害対策や漁業継続への基金(約800億円)創設だけでは、十分な理解を得たとは言いがたい。早速、中国は、「日本の海産物全面禁輸」という岸田政権も想定外の措置に踏み切った。 また、多核種除去設備(ALPS)で取り除くセシウムやストロンチウム等の放射性物質を最終的にどのように処分するのか明示されていない点も問題。 ・レギュラーガソリン「1L=200円」時代への怒り(ガソリン価格の急騰で、9月末で打ち切られる石油元売り各社への補助金の延長は不可避。ガソリン価格は物価全体の高騰につながるため、国民の実質賃金を減らさない施策、たとえば、ガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」発動、もしくは、ガソリン・電気・ガス料金への補助金継続に踏み切らなければ、二重課税を余儀なくされている国民の不満は岸田政権に向けられる。 ・中国の不動産大手の中国恒大集団のアメリカ連邦破産法の適用申請での余波(中国の不動産バブル崩壊で、日本企業の中国向け輸出が減る。それだけでなく、中国富裕層が日本の不動産に投資するようになり、マンション価格がアップしてしまう。岸田政権としては「注視する」だけでは済まなくなる。 ・難しくなった電撃的訪朝(小泉訪朝時のようなパイプ役が存在せず協議が進んでいない。仮に訪朝できたとしても、訪朝に見合う拉致被害者や特定失踪者の帰国が期待できない。ただ、岸田首相は5月27日、「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べており、結果が求められる。 ・自民党役員人事と内閣改造は両刃の剣(茂木敏充幹事長の交代、小渕優子元経産相の抜擢などがあれば波紋を拡げる。特に小渕氏を重要ポストに起用すれば、女性抜擢になる一方、「ドリル問題」(政治資金規正法違反事件で、証拠隠滅のため、会計書類などを保存したパソコンにドリルで穴を開けた疑惑)が再燃する』、「難しくなった電撃的訪朝」については、何か「パイプ」の当てがあるのかと思っていたら、どうもなさそうだ。いずれにしろ、余りいい材料はなさそうだ。
・『頼みの綱は、安倍派の内紛と菅グループの失速  そうした中で、唯一、頼みの綱と言えるのが、自民党最大派閥、安倍派の内紛と「ポスト岸田」に影響を与える菅グループの失速であろう。 このうち、安倍元首相死去のあと「会長」不在の安倍派は、8月17日、総会を開き、代表となる「座長」に塩谷立会長代理が就く新体制を了承した。当面は会長を置かず、主なメンバーが参加する「常任幹事会」を設け、その取りまとめ役を塩谷氏が担うというものだ。 新設される「常任幹事会」は、「5人衆」と呼ばれる、松野博一官房長官、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相、高木毅国会対策委員長、世耕弘成参院幹事長、そして、当選回数ごとの代表者らで運営されるが、こういう集団指導体制は脆い。 筆者が在京ラジオ局で政治キャップを務めていた頃、最大派閥だった小渕派は、2000年に小渕元首相、竹下元首相が亡くなったのを契機に、派閥の求心力と党内への影響力が著しく低下した。 「5人衆」と下村博文元文部科学相ら古株の議員との間で確執が続く安倍派も同じ運命をたどるように思えてならない。 「誰かがトップになれば混乱に拍車がかかる。萩生田氏では統一教会の影が残り、過去に女性下着窃盗疑惑が浮上した高木氏だと『安倍派=パンツ派』と呼ばれかねない。西村氏のように、2025年までに首相になるという野心を隠さず、自家用車のナンバーを『2025』にするような人もちょっと…」(総会を取材した在京局政治記者) 「マスメディアは、亀裂だ、分裂だと騒ぐが、安倍派の状況は1年前と全く変わっていない。去年の記事を今もそのまま掲載できるくらい変化がない。所属議員が100人もいる大派閥が簡単に割れたりしない」(安倍派中堅議員) つまり、安倍派は分裂せず存続する反面、来年秋の自民党総裁選挙で岸田首相の対抗馬を、派閥として擁立できないということだ。これまでどおり、最大派閥の安倍派が岸田首相支持を継続するなら、第4派閥のトップにすぎない岸田首相にとってはプラスになる。) もう1つは菅グループの失速である。前回の総裁選挙で菅氏らが支持した河野行革相(当時)は、デジタル相としてマイナカード問題の渦中にあり、菅氏を「政界のおやじ」と慕い、河野氏の側近を自認してきた秋本氏は、先に述べた収賄疑惑で離党を余儀なくされた。これらの影響で菅氏は倒閣に動きにくくなった。これも岸田首相には好材料だ』、「頼みの綱は、安倍派の内紛と菅グループの失速」、敵失しかないというのは情けない限りだ。
・『高い「壁」だらけの岸田首相が手にした本とは?  岸田首相は、夏休みに入る前、10冊程度の本を購入している。その中の1冊が、村上春樹氏の長編小説『街とその不確かな壁』(新潮社)である。 ネタバレにならない程度に言えば、「壁」と「影」がキーワードの作品で、「弱いぼく」が、自分という存在の不確かさなどを深掘りしていくというストーリーだ。 高校野球で言えば、守備でエラーが続き無死満塁、ラグビーで言えば、ゴールライン寸前まで押し込まれている状況にある岸田首相。最大の壁は、国民の理解を得ることである。 その意味では高い「壁」だらけだが、岸田首相が、現在の「弱いぼく」をどう見つめ、首相という地位や支持率という不確かさをどのように感じたのか、読後の感想を聞いてみたいものである。 ・・・・・ さらに関連記事『自民党に大激震…!麻生太郎が地方紙でベラベラ語った「次の総理候補、オレならこう評価する」』では、いま起きている“もうひとつの異変”について、紹介する』、購入した1冊が、「村上春樹氏の長編小説『街とその不確かな壁』」で、「「弱いぼく」が、自分という存在の不確かさなどを深掘りしていくというストーリーだ」。確かに「読後の感想を聞いてみたいものである」、その通りだ。

次に、9月30日付け日刊ゲンダイ「これぞ岸田自民党!レイシスト杉田水脈氏とエッフェル松川るい氏が“復活”のメチャクチャ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/329884
・『 自民党最大派閥に性懲りもなく配慮したのか、その後ろに控える岩盤保守層への媚なのか。 岸田首相が実施した内閣改造・党役員人事に伴い、29日の総務会で残りのポストが決まった。札幌法務局に「レイシスト」と断じられたも同然の杉田水脈衆院議員(比例中国)や、“エッフェル姉さん”とあだ名される松川るい参院議員(大阪選挙区)がそこそこの役職をゲット。いずれも安倍派で、ハレーションを引き起こしている。 政界で一、二を争うネトウヨの杉田氏は先日、アイヌ民族らへの差別投稿をめぐって札幌法務局から「人権侵犯」を認定されたばかり。一連の言動で昨年末に総務政務官を更迭されて無役だったが、環境部会長代理に就いた。部会長に次ぐナンバー2だ。自民の部会は政策分野ごとに設けられ、政府提出法案の審査や政策立案に携わる。選良を辞すべき人間が環境政策に影響力を持つなんて、メチャクチャだ。 「当初は外交部会長代理で調整されていましたが、人事案が漏れ伝わると、あちこちから反発の声が上がった。ネトウヨ丸出しでギャンギャンやられたら、関係国と不要な摩擦を引き起こしかねない。それで、格下の環境部会へ差し替えられた。もっとも、本人は反省の色ゼロ。法務局から〈アイヌ文化を学んで発言を注意するように〉と啓発されたとの報道に、〈アイヌ文化を学ぶようにとか、具体的な啓発なんかなかった〉と文句を垂れています」(自民党中堅議員)) 副幹事長に就任した“エッフェル姉さん”もしかり。問題のフランス研修を「まじめな研修だった」と言い張ったものの、報告書などを公表することもなく、8月下旬に女性局長を辞任して雲隠れ。ケジメをつけずに表舞台に復帰した。 「あの騒動前はBSの報道番組などに引っ張りダコ。米国隷従で、中韓に対して強硬発言を繰り返していました。改憲、防衛費大幅増、敵基地攻撃能力の保有、非核三原則の見直しに賛成するタカ派。地元・大阪では冷たい視線を向けられていますが、タカ派ウケする“論客”としてまだ使い道があるということでしょう」(与党関係者) 岸田自民党が「女性活躍社会」を実現するなんて、どだいムリなのだ』、「ネトウヨの杉田氏・・・「当初は外交部会長代理で調整されていましたが、人事案が漏れ伝わると、あちこちから反発の声が上がった。ネトウヨ丸出しでギャンギャンやられたら、関係国と不要な摩擦を引き起こしかねない。それで、格下の環境部会へ差し替えられた」、当然だろう。「“エッフェル姉さん”・・・「あの騒動前はBSの報道番組などに引っ張りダコ。米国隷従で、中韓に対して強硬発言を繰り返していました。改憲、防衛費大幅増、敵基地攻撃能力の保有、非核三原則の見直しに賛成するタカ派。地元・大阪では冷たい視線を向けられていますが、タカ派ウケする“論客”としてまだ使い道があるということでしょう」、外務省出身でもこんな右翼がいるとは驚かされた。

第三に、10月9日付けYahooニュースが現代ビジネスを転載した「【独自】自民党情勢調査で「自民41減」「公明10減」…岸田首相は絶句、11月解散を本当に決断できるのか」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f769889954dfd429efa88360bf63fe9c54f83790
・『リサーチ会社の数字を何度も確認した首相 「びっくりしたね。こんなに人気がないとは……」と話すのは、自民党の閣僚経験者のひとりだ。この人物が手にしていたのは、岸田文雄首相が解散総選挙のタイミングを計るため、自民党が複数のリサーチ会社に依頼していた世論調査の結果だ。 その数字は以下だ。 現有議席→選挙後議席 自民 261→220(41議席減) 公明 32→22(10議席減) 立民 96→108(12議席増) 維新 41→69(28議席増) 国民 10→16(6議席増) 共産 10→14(4議席増) 2021年10月に投開票された前回の衆議院選挙は、岸田首相の就任間もなく実施され、当初「大幅減」とされた予想を覆して、自民党は単独過半数を得た。連立を組む公明党も3議席を伸ばして、与党圧勝に終わった。 だが今回、自民党の世論調査によれば、現在から40議席以上を失う驚きの結果だ。公明党は10議席減と、自民党以上の「惨敗」というのだ。 かたや野党に目を向けると、立憲民主党は12議席を上積みし、100の大台を超える。今年春の統一地方選でも躍進した維新は、30議席近くアップする予想だ。自公の連立入りも囁かれる国民民主党は6議席を増やし、共産党も4議席増える調査結果だ。 前出の閣僚経験者が打ち明ける。 「いま出回っているこの世論調査の数字は、いくつかあるリサーチ会社のうちの1つのもの。数字を見た岸田首相は何度も数字を確認したといい、『うーん』とうなったままだったそうだ。 岸田首相が総裁選まで1年を切る中で、追い込まれた形での解散総選挙は避けたい。衆議院選挙に勝って国民の信任を得たうえ、総裁選では無投票再選を果たすのがベストシナリオだ。来年春をすぎれば、追い込まれた印象を受け、総裁選にはマイナスになる。あと半年ほどで解散総選挙を打たないと、首相の座が危ういことになります」』、「自民党の世論調査によれば、現在から40議席以上を失う驚きの結果だ。公明党は10議席減と、自民党以上の「惨敗」というのだ。 かたや野党に目を向けると、立憲民主党は12議席を上積みし、100の大台を超える。今年春の統一地方選でも躍進した維新は、30議席近くアップする予想だ。自公の連立入りも囁かれる国民民主党は6議席を増やし、共産党も4議席増える調査結果だ」、「岸田首相が総裁選まで1年を切る中で、追い込まれた形での解散総選挙は避けたい。衆議院選挙に勝って国民の信任を得たうえ、総裁選では無投票再選を果たすのがベストシナリオだ。来年春をすぎれば、追い込まれた印象を受け、総裁選にはマイナスになる。あと半年ほどで解散総選挙を打たないと、首相の座が危ういことになります」、なるほど。
・『公明党幹部「うちだけは的中」  10議席減が予測された公明党は、自民党以上に厳しい。 これまで公明党は、大阪と兵庫に限っては自公連立の掟を破ったうえで維新と組んできた。しかし維新は「公明党との『握り』はもうしない」と、公明党が大阪・兵庫で維持する6小選挙区の候補者を発表した。維新の勢いから、公明党が勝てる道筋はまるで見えない。 公明党幹部は肩を落としてこう語る。 「この世論調査の数字は、自民党内で解散総選挙を先延ばししたい勢力が『盛った』感があります。自民党はここまでは減らさないでしょう。しかし、うち(公明党)だけは、ほぼ的中している数字ではないか。ひょっとするとこれ以上減らすかもしれない。もし10議席落とせば党の存亡にかかわります」 問題は、この状況下で岸田総理が解散をいつ決断するかだ。もちろん鍵は総裁選にある。 「自民党の総裁選というのは、選挙に勝てる顔かどうかです。歴史を見ればよくわかります」 こう語るのは、宏池会(現岸田派)のスタッフを経て自民党の政務調査役として敏腕をふるった政治評論家の田村重信氏だ。 近年の自民党で長期政権だったのは安倍晋三元首相、小泉純一郎元首相が代表的で、どちらも選挙に強いことで知られた。岸田首相は2021年の衆議院選挙、2022年の参議院選挙と2連勝中だ』、「これまで公明党は、大阪と兵庫に限っては自公連立の掟を破ったうえで維新と組んできた。しかし維新は「公明党との『握り』はもうしない」と、公明党が大阪・兵庫で維持する6小選挙区の候補者を発表した。維新の勢いから、公明党が勝てる道筋はまるで見えない」、「公明党幹部は・・・「この世論調査の数字は、自民党内で解散総選挙を先延ばししたい勢力が『盛った』感があります。自民党はここまでは減らさないでしょう。しかし、うち(公明党)だけは、ほぼ的中している数字ではないか。ひょっとするとこれ以上減らすかもしれない。もし10議席落とせば党の存亡にかかわります」、なるほど。
・『10月22日の補選が試金石  だが、来年9月に予定される自民党総裁選まで、2連勝の神通力が保たれるかは不透明だ。9月には内閣改造と自民党役員人事を行ったものの、新鮮味もサプライズもない人選で、支持率が浮上することはなかった。 秋の臨時国会の会期は明確になっていないが、10月20日頃召集の方針だ。ここでの「冒頭解散」だけでなく、臨時国会で経済対策と補正予算案を審議してから11月に解散して12月に投開票するという「想定日程」も出回っている。 《11月の第3週、20日ころに解散して、12月5日公示、17日投票》《11月24日に補正予算案を採決、本会議で解散》 という「総務省案」が、繰り返し何度もバージョンアップされて出回っている。 自民党の代議士からは、もはや選挙モードだという声も挙がる。 「いつ解散があってもおかしくない。夜も誰かと一杯飲んで、情報収集をしないと、落ち着かない」 「解散総選挙がいつあってもいいように、ポスター用の撮影をやったばかりです。5月ごろにも撮ったから2度目になります。仕方ないですが……」 10月22日は、参院徳島・高知と衆院長崎4区の補選の投開票日となっている。2つの選挙区とも自民党VS野党候補の激突だ。 10月5日に告示された参院徳島・高知選挙区は、与党が西内健氏(前高知県議)、野党は広田一氏(元衆議院議員)の戦い。9月末実施の世論調査では西内氏が30・6%で、野党・広田氏の38・4%に差を付けられている。 10月14日には岸田首相自ら徳島入りする予定だが「逆転は厳しい」(自民党の徳島県議)との声しきりだ。 選挙の責任者は「ドリル優子」こと、小渕優子選対委員長。岸田派の国会議員は言う。 「この補選を落とせば、ドリル優子の責任論が噴出して岸田首相の任命責任も問われる。小渕氏は選挙応援に行こうとしているが、イメージが最悪なので来ないでほしいと、当の陣営から呼ばれていない。岸田首相以上の人気のなさで、ドリル優子の抜擢は大失敗​だ」 前出の評論家・田村氏はこう見る。 「解散総選挙が近いか、来年に先延ばしするか補選の結果次第でしょう。国政選挙ですから、非常に重い。補選に2つとも勝てば年内解散はありえますが、一つでも落とせば早期にはやれない」 とりあえずは10月22日の補選に注目ということのようだ。 ・・・・ さらに関連記事『ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身』では、いま起きている“もうひとつの異変”について、詳報しています』、「参院徳島・高知選挙区・・・9月末実施の世論調査では与党の西内氏が30・6%で、野党・広田氏の38・4%に差を付けられている・・・「逆転は厳しい」(自民党の徳島県議)との声しきりだ・・・補選に2つとも勝てば年内解散はありえますが、一つでも落とせば早期にはやれない」 とりあえずは10月22日の補選(参院徳島・高知選挙区)に注目ということのようだ」、やはり早期の総選挙は難しそうだ。
タグ:「参院徳島・高知選挙区・・・9月末実施の世論調査では与党の西内氏が30・6%で、野党・広田氏の38・4%に差を付けられている・・・「逆転は厳しい」(自民党の徳島県議)との声しきりだ・・・補選に2つとも勝てば年内解散はありえますが、一つでも落とせば早期にはやれない」 とりあえずは10月22日の補選(参院徳島・高知選挙区)に注目ということのようだ」、やはり早期の総選挙は難しそうだ。 自民党はここまでは減らさないでしょう。しかし、うち(公明党)だけは、ほぼ的中している数字ではないか。ひょっとするとこれ以上減らすかもしれない。もし10議席落とせば党の存亡にかかわります」、なるほど。 「これまで公明党は、大阪と兵庫に限っては自公連立の掟を破ったうえで維新と組んできた。しかし維新は「公明党との『握り』はもうしない」と、公明党が大阪・兵庫で維持する6小選挙区の候補者を発表した。維新の勢いから、公明党が勝てる道筋はまるで見えない」、「公明党幹部は・・・「この世論調査の数字は、自民党内で解散総選挙を先延ばししたい勢力が『盛った』感があります。 「岸田首相が総裁選まで1年を切る中で、追い込まれた形での解散総選挙は避けたい。衆議院選挙に勝って国民の信任を得たうえ、総裁選では無投票再選を果たすのがベストシナリオだ。来年春をすぎれば、追い込まれた印象を受け、総裁選にはマイナスになる。あと半年ほどで解散総選挙を打たないと、首相の座が危ういことになります」、なるほど。 「自民党の世論調査によれば、現在から40議席以上を失う驚きの結果だ。公明党は10議席減と、自民党以上の「惨敗」というのだ。 かたや野党に目を向けると、立憲民主党は12議席を上積みし、100の大台を超える。今年春の統一地方選でも躍進した維新は、30議席近くアップする予想だ。自公の連立入りも囁かれる国民民主党は6議席を増やし、共産党も4議席増える調査結果だ」、 現代ビジネスを転載した「【独自】自民党情勢調査で「自民41減」「公明10減」…岸田首相は絶句、11月解散を本当に決断できるのか」 yahooニュース 清水 克彦政治氏による「ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身」 現代ビジネス 「“エッフェル姉さん”・・・「あの騒動前はBSの報道番組などに引っ張りダコ。米国隷従で、中韓に対して強硬発言を繰り返していました。改憲、防衛費大幅増、敵基地攻撃能力の保有、非核三原則の見直しに賛成するタカ派。地元・大阪では冷たい視線を向けられていますが、タカ派ウケする“論客”としてまだ使い道があるということでしょう」、外務省出身でもこんな右翼がいるとは驚かされた。 (その9)(ついに国民の「大ブーイング」を”無視”しはじめた岸田総理…もはや「危険レベル」の総理に永田町で出回る「怪文書」の衝撃中身、れぞ岸田自民党!レイシスト杉田水脈氏とエッフェル松川るい氏が“復活”のメチャクチャ、【独自】自民党情勢調査で「自民41減」「公明10減」…岸田首相は絶句 11月解散を本当に決断できるのか) 「ネトウヨの杉田氏・・・「当初は外交部会長代理で調整されていましたが、人事案が漏れ伝わると、あちこちから反発の声が上がった。ネトウヨ丸出しでギャンギャンやられたら、関係国と不要な摩擦を引き起こしかねない。それで、格下の環境部会へ差し替えられた」、当然だろう。 日刊ゲンダイ「これぞ岸田自民党!レイシスト杉田水脈氏とエッフェル松川るい氏が“復活”のメチャクチャ」 キシダノミクス 購入した1冊が、「村上春樹氏の長編小説『街とその不確かな壁』」で、「「弱いぼく」が、自分という存在の不確かさなどを深掘りしていくというストーリーだ」。確かに「読後の感想を聞いてみたいものである」、その通りだ。 「頼みの綱は、安倍派の内紛と菅グループの失速」、敵失しかないというのは情けない限りだ。 「難しくなった電撃的訪朝」については、何か「パイプ」の当てがあるのかと思っていたら、どうもなさそうだ。いずれにしろ、余りいい材料はなさそうだ。 「現在のマイナス材料は理解が得られないものばかり」、その通りだ。 「現在はもとより、近未来も、支持率を好転させる材料がない」、これは深刻だ。 さすがにこの内容を鵜呑みにする議員や記者はいないものの、現在の岸田首相を取り巻く状況を思えば、「こんな風に書かれるのもむべなるかな」と言うほかない」、「首相は」かなり追い込まれているようだ。 「岸田政権への支持率は、毎日新聞や時事通信による世論調査で、「危険水域」とされる20%台まで落ち込んでいる。 ここで想起されるのが、先ごろ東京・永田町で出回った、岸田政権の低空飛行を受けての怪文書だ。それにはこんな記述が見られた。 「(来年の)総裁選には出ないかもな…。首相はポツリとこう漏らした」 「衆院解散・総選挙について、今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、退陣を余儀なくされる」
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外国人問題(その10)(埼玉県川口市や蕨市に住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」が ついに重い口を開いた!県警の機動隊まで出動した「クルド人騒動」…そのウラで起きていたこと、埼玉の川口市や蕨市に移り住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」がはじめて明かした 「壮絶すぎる過去」、「殺されるかもしれない…」埼玉県川口市や蕨市で暮らす「ワラビスタン」の「ビッグボス」が感じた恐怖と「たった一つの願い」) [社会]

昨日に続いて、外国人問題(その10)(埼玉県川口市や蕨市に住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」が ついに重い口を開いた!県警の機動隊まで出動した「クルド人騒動」…そのウラで起きていたこと、埼玉の川口市や蕨市に移り住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」がはじめて明かした 「壮絶すぎる過去」、「殺されるかもしれない…」埼玉県川口市や蕨市で暮らす「ワラビスタン」の「ビッグボス」が感じた恐怖と「たった一つの願い」)を取上げよう。

先ずは、本年10月8日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの野田 洋人氏による「埼玉県川口市や蕨市に住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」が、ついに重い口を開いた!県警の機動隊まで出動した「クルド人騒動」…そのウラで起きていたこと」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/117032#lnsjwlofps6ozmm46g
・『前の記事「『アパートの共用廊下には食べ残しの弁当が放置され、腐敗臭が…埼玉県川口市や蕨市の「ワラビスタン」に怯えて暮らす、在日クルド人たちの意外すぎる「日常生活と本音」』では、クルド人がひそかに抱える苦悩について紹介した。 この記事では、『埼玉県川口市、蕨市…通称「ワラビスタン」!日本に暮らす2000人以上のクルド人をまとめる「ビッグボス」の正体』で触れた、「ビッグボス」への接触に成功、そのインタビューを公開する』、「ワラビスタン」の「ビッグボスへの「インタビュー」とは興味深そうだ。
・『なぜ彼らの多くは解体業に従事するのか  日本に住むクルド人の多くは、解体業を主な仕事としている。埼玉県川口市内には解体業を専門とした会社が多数設立され、その多くがクルド人による経営という。 なぜ、解体業にクルド人が集まるのか。 外環道に近い一帯(赤芝新田)には、解体業者の集まったエリアがある。起伏に富んだ土地には学校や個人の住宅、造園業者の敷地もあるが、一際目を引くのが、背の高い金属のプレートで周囲を覆って内部を見ることができないようにした、通称「ヤード」と呼ばれる解体業者の資材置き場である。 彼らに取材をかけたが、明らかにこちらを敵視した様子のまま、話を聞くことができなかったので、その地域に長年居を構える日本人住民に声をかけてみた』、「背の高い金属のプレートで周囲を覆って内部を見ることができないようにした、通称「ヤード」と呼ばれる解体業者の資材置き場である」、何やら取材には勇気が入りそうだ。
・『「日本ではないみたいな光景」  「15年くらい前から彼らが入ってきたのですよ。もともとは畑しかなかったこの地域に、外国人の乗る車が増えてきた時には驚きましたよ。彼らはすぐ近くに住んでいるわけではないので、あいさつをする程度。話すことはしていません。 朝の5時頃になると、従業員たちがどんどん集まります。その光景はまるで日本ではないみたいです。あの高い塀があるので中がどうなっているのか、詳しい様子は分かりませんが、重機やダンプ、砂利などが積んでありました。 朝の出勤前と夕方の仕事終わりの時間帯には、ダンプやトラック、乗用車も入り乱れるものだから、このあたりは激しく渋滞します。歩く人はそれほどいないけれど、時間帯によっては学校に通う子どもたちの通学路にもなりますので、事故がないかヒヤヒヤしています。 それと、音楽はうるさいね。何もない静かなところでしょう。週末や平日の仕事終わりに大音量で音楽をかけてお肉かなんかを焼いて食べたりしているのです。そんな音楽を耳にしていると、日本も変わってきたなと心から思いますよ。少子高齢化で外国人の力を借りなければならないのですよね。 その彼らを『追い出せ』という日本人もいますが、それは違うのではないかと思いますよ。安い賃金で働いてくれる彼らの代わりなど、いないでしょう。しっかりと税金も納めてくれてますしね。 地域に住んでいる我々にとっては、過激な排斥運動など、在日のクルド人と衝突をするのはやめてほしい。そういう活動をしている連中は地元の人間ではないし、決して責任取りませんからね。お願いだからこのまま静かにしてほしいですよ」 川口市内の工務店社長もこう語る。) 「解体屋をやっているのは、ほとんどクルド人です。日本の業者より安いし、仕事が早いからどんどん増えていった。危ないし、利益を出すことが難しいから、日本人はやりたがらないのです。奴らは力も強いし、重機の扱いも上手い。どこかで親玉がいるはずだよ」 なかなかクルド人に接触できない中、「解体業の会社を川口で最初に始めたクルド人が今もいるらしい」といった情報が、市内のある金融関係に従事する男性から寄せられた。 「若い人は別かもしれませんが、川口のクルド人の中で彼を知らない人などいないはずですよ。彼らは横のつながりが濃密ですからね。クルド人のほぼ全ての男性が解体業関係で働いています。その解体業を最初に始めた人です』、「クルド人のほぼ全ての男性が解体業関係で働いています。その解体業を最初に始めた人」、なるほど。
・『一大産業の礎を築き上げた「ビッグボス」  国内に住むクルド人であれば、彼の存在を知らない者はほとんどいないという。 1990年代初頭に入国し、川口市に居住したクルド人の第1世代。日本人女性と結婚し、多くの職を渡り歩いた末に、自ら起業した。クルド系初の解体業の会社の経営者となってから約15年――。 多くのクルド人が彼の会社で経験を積み、独立起業した。その数は100社を超える。そのほぼ全てが、川口市に本社や資材置き場を置いている。まさに一大産業の礎を築き上げた張本人ということになる。 あるクルド人は彼を「ビックパパ」と呼び、またあるクルド人は「ビックボス」と称した。 そんな彼と、川口市内にある彼の会社のヤード(資材置き場)で会うことになった』、「1990年代初頭に入国し、川口市に居住したクルド人の第1世代。日本人女性と結婚し、多くの職を渡り歩いた末に、自ら起業した。クルド系初の解体業の会社の経営者となってから約15年――。 多くのクルド人が彼の会社で経験を積み、独立起業した。その数は100社を超える。そのほぼ全てが、川口市に本社や資材置き場を置いている。まさに一大産業の礎を築き上げた張本人ということになる」、まさに「ビックボス」だ。
・『中肉中背で瞳は薄いグリーン  何度か断られたが、彼に近い複数の人物に話を通してから、話を伺いに行きたいこと、もし、断るならそれで構わないことを伝えてもらい日時を決め、足を運んだ。 約束の時間前に到着すると、「ビッグボス」はすでに待機していた。筆者が名刺を差し出すと、彼も日本式の挨拶をしながら名刺を差し出した。諸般の事情があって、彼の名前を出すことはできない。入り口からヤードに入ると、ユンボやダンプが視界に入る。解体で使われる道具類は整理され、棚に収納されていた。 中肉中背の「ビッグボス」は、薄いグリーンの瞳でジッとこちらの目を見て「何を聞きたいの?」と口にした。 先日の事件のこと、その後緊張状態にあるクルド人と日本人との関係について、在日クルド人を代表して話を聞きたいと伝えた。 彼はしばし考えた後、「どうぞ」と静かに記者を椅子に座らせると、ゆっくりとした口調で話し始めた』、なるほど。
・『喧嘩を止めるために集まっていた  「あの事件のことですね。ここで結婚をしていたクルド人夫婦がいたのです。二人はとても仲が良かったのです。でも、女性が別のクルド人男性を好きになってしまって、(その男性と)二人で埼玉から神奈川に逃げてしまいました。 その後、時間が経って女性はトルコに帰り、男性だけが川口に戻ってきた。彼は私のところで勉強して、3年くらい前に親族と一緒に会社を作った人です。彼が戻って来たことを知った女性の弟とその親族が、彼を追いかけてナイフを使ったわけです。 クルド社会では日本よりも男女の関係には厳しいのです。それと、帰ってきた男性のお金に関わるトラブルもあって、その両方の原因があって喧嘩になったのです。 マスコミでは、病院前でクルド人100人が乱闘騒ぎをしたという報道になっていますが、本当は、それ以上の喧嘩にならないよう、双方の親族や友人たちが集まったのです。 喧嘩を止めるために集まったのに、大勢で喧嘩をしたという逆の報道になってしまった。その場で警察がたくさん出てきて、互いに興奮した結果があの騒ぎだと思ってます。 もちろん病院や川口市民に迷惑をかけてしまったことは心から申し訳ないと考えています。事件後、すぐに関係者を通じてクルド人を代表して病院や役所の関係者に謝りに行きました」』、「マスコミでは、病院前でクルド人100人が乱闘騒ぎをしたという報道になっていますが、本当は、それ以上の喧嘩にならないよう、双方の親族や友人たちが集まったのです。 喧嘩を止めるために集まったのに、大勢で喧嘩をしたという逆の報道になってしまった。その場で警察がたくさん出てきて、互いに興奮した結果があの騒ぎだと思ってます」、「マスコミが表面的な報道だけだったのは残念だ。 「もちろん病院や川口市民に迷惑をかけてしまったことは心から申し訳ないと考えています。事件後、すぐに関係者を通じてクルド人を代表して病院や役所の関係者に謝りに行きました」、群れを作るのはよくない。また、ナイフなどの刃物を持ち歩くのも、日本では危険で避けるべき習慣だ。
・『ビッグボスの「本当の気持ち」  「日本人に対して申し訳ないです。ごめんなさい。でも、これ本当の私の気持ち。日本のメディアはクルド人のことであれば、ほんの小さなことでも大きく報道します。内容が事実ではなくても、クルド人が悪いように報道します。 それはどういうことかというと、クルド人に対する日本マスコミの考え方なのだと思います。クルド人に話を聞いていないことも理由です。 もちろん、ナイフを使って喧嘩をしたことはよくないことです。彼らも話し合って解決すればよかったのです。そうしたらあんなことにはならなかった。喧嘩はどこの国でもありますが、よくないことです。 怒ってしまったまま、我慢できないまま、それを止められない人同士が喧嘩になります。悲しいことですが、クルド人の中にもそういう人がいたのです。喧嘩の後、病院に大勢で集まったこともよくない事でした。そのことについても心から謝ります。ごめんなさい。 私たちクルド人の中にも、良くない人はいます。私は以前から日本に住むのであれば、この国のルールを守るよう、みんなに伝えています。車のルールや日本の法律のことなどを教えていますが、守らない人もいる。そういう人は日本から出ていけばいいとも思います。 真面目に仕事をして暮らしているクルド人も迷惑をしています。そういう真面目な人がほとんどなのです。このことでクルド人全体を悪い人たちだと考えないでほしいのです」・・・・・ 次の記事『埼玉の川口市や蕨市に移り住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」がはじめて明かした、「壮絶すぎる過去」』では、トルコから日本に逃れたあと、いまや日本に暮らす2000人以上のクルド人をまとめるまでの存在となった「ビッグボス」の、現在に至るまでの日々をさらに紹介します』、「クルド人に対する日本マスコミの考え方なのだと思います。クルド人に話を聞いていないことも理由です」、当事者の話も聞かずに記事にするては問題だ。「怒ってしまったまま、我慢できないまま、それを止められない人同士が喧嘩になります。悲しいことですが、クルド人の中にもそういう人がいたのです。喧嘩の後、病院に大勢で集まったこともよくない事でした。そのことについても心から謝ります。ごめんなさい。 私たちクルド人の中にも、良くない人はいます。私は以前から日本に住むのであれば、この国のルールを守るよう、みんなに伝えています。車のルールや日本の法律のことなどを教えていますが、守らない人もいる。そういう人は日本から出ていけばいいとも思います」、なるほど。

次に、この続きを10月8日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの野田 洋人氏による「埼玉の川口市や蕨市に移り住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」がはじめて明かした、「壮絶すぎる過去」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/117029#lnsjxcorerqirgys3tj
・『この前の記事『埼玉県川口市や蕨市に住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」が、ついに重い口を開いた!県警の機動隊まで出動した「クルド人騒動」…そのウラで起こっていたこと』では、今年7月に埼玉県・川口市の救急指定病院前で起きた、約100人のクルド人による騒動発生の「本当の理由」について紹介した。 この記事では、トルコから日本に逃れたあと、いまや日本に暮らす2000人以上のクルド人をまとめるまでの存在になった「ビッグボス」が明かした、壮絶な過去を紹介します』、興味深そうだ。
・『どこまでいっても「外人」  「日本のメディアはクルド人に対して、悪い気持ちのまま報道してしまうのではないかと思います。私たちは犯罪者ではないです。自分たちの国がなくて普通に暮らすことができなかったから日本に来たのです。 もちろん迷惑をかけるために来たのではないです。日本語は難しいです。私は仕事を通じて話が出来るようになりましたけれど、言葉の出来ないクルド人もたくさんいます。 勉強をしたくても、その機会を得られないクルド人もたくさんいます。この国に暮らすのであれば、日本人達との関係を大事にしなければならない。 でも、日本人と同じようなことをしてはダメですよ。この国で働いて、税金を納めているから、何をしてもいいということは違うの。 日本語を話せても、日本人と結婚していても、一緒に仕事をしていても、友だちになっても、どこまでいっても『外人』なのです。日本はアメリカやヨーロッパとは違うのです。日本ではいつまでたっても『外人』のままなのです。そういう気持ちが、どうしてもたくさんの日本人の中にはあるのだと思う。 あくまで『外人』なのです。悲しいです」』、「この国で働いて、税金を納めているから、何をしてもいいということは違うの。 日本語を話せても、日本人と結婚していても、一緒に仕事をしていても、友だちになっても、どこまでいっても『外人』なのです。日本はアメリカやヨーロッパとは違うのです。日本ではいつまでたっても『外人』のままなのです」、「あくまで『外人』なのです。悲しいです」、なるほど。
・『いちばん考えていたのは「生きること」  「一緒に働いていても、私が外国人ですから、日本人は差別をします。でも、それは当たり前なのかもしれない。私が働くことで、日本人たちの仕事を奪っていることになりますから。 仕事をするときには時間を守ることは当たり前です。決められた時間前に現場について準備をします。ゴミなどを残したりしないで早く、丁寧に仕事をします。 少しでもミスをすると『外人だから』と言われてしまう。仕事をもらうためには、少しのミスもなくしっかりとやらなければ。すぐに暇になってしまう。だから必死に働きます。 私はこの国に来て間違えたと思っています。ごめんなさい。でも仕方がなかったのです。 私は、1990年代初頭に日本に来ました。23歳でした。トルコからマレーシアに行き、それから日本に来ました。日本のことはほとんど知らなかった。 一番考えていたのは生きること。仕事をして、普通の生活をしたかったのです。ビザのことなど何も知らなかったです。難民という言葉も知らなかった。日本では入管に行くことなども何も知らなかった。 私より少しだけ先に(来た親戚の)おじさんが日本にいました。彼はイランにいて、ヨーロッパから日本に来たのです。 当時、イラン人がたくさん日本に来ていて、『やさしい国だ』と聞いていて、それで来たのです。おじさんも生活をするところが必要だった。それは私も同じ。おじさんはいま、日本を離れてトルコとは別の国で生活をしています」』、「私は、1990年代初頭に日本に来ました。23歳でした。トルコからマレーシアに行き、それから日本に来ました。日本のことはほとんど知らなかった。 一番考えていたのは生きること。仕事をして、普通の生活をしたかったのです。ビザのことなど何も知らなかったです。難民という言葉も知らなかった。日本では入管に行くことなども何も知らなかった。 私より少しだけ先に(来た親戚の)おじさんが日本にいました。彼はイランにいて、ヨーロッパから日本に来たのです。 当時、イラン人がたくさん日本に来ていて、『やさしい国だ』と聞いていて、それで来たのです・・・おじさんはいま、日本を離れてトルコとは別の国で生活をしています」、なるほど。
・『トルコでは普通に暮らすのが難しい  「トルコでは普通に暮らすことが難しかった。目の前でクルド人の知り合いが殴られたり、殺されたりするのはいつもでした。 生活をするための仕事をすることも難しかった。私のいた村では半年分の食糧を貯蔵します。貯蔵したら、すぐに軍隊が来て食糧も家も潰してしまうこともありました。いくつもの村が潰されました。 命を守るために山に逃げることもありました。そのあたりのことは、日本人には分からないと思う。『普通に生活できますよ、差別などありませんよ』という人もいると思いますが、もしそうであれば、これだけ世界中にクルド人が移動して問題が広がらないでしょう。世界の中でクルド人だけが難しい立場のままです。 日本の空港に着いた時には、荷物は小さなものが一つだけ。成田空港から東京駅までバスで向かいました。東京駅は大きな駅です。バスターミナルを降りると、どこに行けば良いか分かりませんでした。 日本語も何も分かりません。日本語の看板を見ても、何もわからない。東京に着けばなんとかなるだろうと思っていたのです。たくさんの人が忙しそうにしていました。誰も私のことを知らないですし、日本の言葉も分かりませんので、話しかけても無駄でした。 携帯電話のない時代でした。親戚がいる場所を探そうと思ってもどこに行けば良いのか分かりませんでした。このまま駅の近くで寝ようと思っていたところで、一人のパキスタン人から声をかけられました。 英語で彼に話をすると、『自分の住んでいるところに来て探したらいい』と提案をしてくれました。それが川口でした。それから叔父を探すことになりました。 川口にいる外国人に声をかけて、クルド人を探しました。当時はほとんどクルド人は住んでいませんでした。おじさんを探し出すのに、3ヵ月間かかりました。その間、パキスタンの彼は私からお金をとることなく、寝る場所と食事を与えてくれました。本当に感謝をしています」』、「世界の中でクルド人だけが難しい立場のままです」、国を持たない「クルド人」には本当に同情する他ない。「東京駅は大きな駅です。バスターミナルを降りると、どこに行けば良いか分かりませんでした。 日本語も何も分かりません。日本語の看板を見ても、何もわからない。東京に着けばなんとかなるだろうと思っていたのです。たくさんの人が忙しそうにしていました。誰も私のことを知らないですし、日本の言葉も分かりませんので、話しかけても無駄でした。・・・このまま駅の近くで寝ようと思っていたところで、一人のパキスタン人から声をかけられました。 英語で彼に話をすると、『自分の住んでいるところに来て探したらいい』と提案をしてくれました。それが川口でした。それから叔父を探すことになりました。 川口にいる外国人に声をかけて、クルド人を探しました。当時はほとんどクルド人は住んでいませんでした。おじさんを探し出すのに、3ヵ月間かかりました。その間、パキスタンの彼は私からお金をとることなく、寝る場所と食事を与えてくれました。本当に感謝をしています」、親切な「パキスタン」人に助けてもらったのは幸運だった。
・『心から感謝している日本人  「おじさんと出会ってから、仕事を探しに毎日歩きました。たまたま出会った日本人の親方夫妻がとてもやさしくしてくれて、私に仕事を与えてくれました。建設業です。家をつくる大工さんでした。 仕事はきつかったですし、休みはありませんでしたが、生活のためのお金を与えてくれました。それまでそういう仕事をしたことはありませんでしたが、朝から夜まで休みなく働きました。 親方の奥さんは、私のために食事や衣服の世話などをしてくれて、日本語や日本のルールなども教えてくれました。仕事が終わって、夜に部屋に帰るときに洗濯をしてくれたものを渡してくれたり、とても良くしてくれました。 今でも親交がありますが、心から感謝しています。心のやさしい日本人がいたので、今の私がいるのだと思います。たくさんの日本人は私のことを奴隷のように使いました。でも中には親方の奥様のように、人間の気持ちのある方もいたのです。 建築の仕事が暇になると、下水管の埋設の仕事などをしました。肉体労働です。労働はきつく、朝早くから夜まで働きました。怪我をすることもありました」』、「親方の奥さんは、私のために食事や衣服の世話などをしてくれて、日本語や日本のルールなども教えてくれました。仕事が終わって、夜に部屋に帰るときに洗濯をしてくれたものを渡してくれたり、とても良くしてくれました。 今でも親交がありますが、心から感謝しています」、「日本語や日本のルールなども教えてくれました」、というのは本当にラッキーだった。
・『日本にはいい人もいるけど、悪い人もいる  「日本人の中には、私のことを『外人だから』ということで馬鹿にする人が多かったです。同じ人間として認めてくれない。いい人もいるのだけれど、悪い人の方が多い。 仕事はしっかりとやらなければならないです。手を抜くとすぐに仕事がもらえなくなります。いくら仕事をしても、騙されてお金をもらえない時もありました。このままこの国にいては死んでしまう。『身体は元気でも、心が死んでしまう』と思った時期が続きました。 15年前に独立して自分で仕事をしようと思ったきっかけは、日本人の女性と付き合い、結婚をしたことが大きかったです。 解体業は建設関係の中でも日本人のいやがる仕事です。もともと外国人が働くことも多かったです。きつくて危険な仕事ですが、だからこそ真面目にやればいいのではないかと考えました。 アルバイトで少しだけ経験もありましたし、とにかく生きるために必死でした。日本の友人たちも協力をしてくれて会社を設立することができました」』、「15年前に独立して自分で仕事をしようと思ったきっかけは、日本人の女性と付き合い、結婚をしたことが大きかったです。 解体業は建設関係の中でも日本人のいやがる仕事です。もともと外国人が働くことも多かったです。きつくて危険な仕事ですが、だからこそ真面目にやればいいのではないかと考えました・・・日本の友人たちも協力をしてくれて会社を設立することができました」、なるほど。
・『川口にあるクルド人の解体業者は100社以上!  「一人で会社を設立しても仕事をもらわないとお金になりません。毎日、『仕事はありませんか』と尋ねて回りました。ほとんど無駄に終わりましたが、中には仕事を回してくれる人もいました。 私はこの国では外国人ですし、日本人以上に真面目に仕事をしないと信用してもらえません。時間を守ること、現場のルールを守ること、嘘をつかないで丁寧に仕事をしました。私にはそれしかなかったのです。 だんだんと私の仕事のやり方を分かってくれる人が多くなりました。それで仕事の量が増えていったのです。今は営業しなくても、日本の会社から仕事の依頼がたくさん来ます。 私の会社だけでなく、私のところから独立した会社にも仕事を回しています。ここ川口では、クルド人の会社だけで100社以上の解体業の会社があります。みんな私のところで経験を積んで独立をしました。 連載最終回となる記事『「殺されるかもしれない…」埼玉県川口市や蕨市で暮らす「ワラビスタン」の「ビッグボス」が感じた恐怖と「たった一つの願い」』では、「ビッグボス」が明かした「恐怖の理由」と「唯一の願い」について、詳しくお伝えします』、「私はこの国では外国人ですし、日本人以上に真面目に仕事をしないと信用してもらえません。時間を守ること、現場のルールを守ること、嘘をつかないで丁寧に仕事をしました。私にはそれしかなかったのです。 だんだんと私の仕事のやり方を分かってくれる人が多くなりました。それで仕事の量が増えていったのです。今は営業しなくても、日本の会社から仕事の依頼がたくさん来ます」、大したものだ。「ここ川口では、クルド人の会社だけで100社以上の解体業の会社があります。みんな私のところで経験を積んで独立をしました」、のれん分けした「会社だけで100社以上の解体業の会社があります」、これも立派なものだ。

第三に、この続きを、10月8日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの野田 洋人氏による「「殺されるかもしれない…」埼玉県川口市や蕨市で暮らす「ワラビスタン」の「ビッグボス」が感じた恐怖と「たった一つの願い」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/117031#lnsjy2x11mcmmjbauxk
・『前の記事『埼玉の川口市や蕨市に移り住む「ワラビスタン」の「ビッグボス」がはじめて明かした、「壮絶すぎる過去」』では、クルド人としてトルコから日本に逃れたあと、いまや日本に暮らす2000人以上のクルド人をまとめるまでの存在になった「ビッグボス」の過去について、紹介した。 これまで5回にわたってお届けしてきた「ワラビスタン」連載の最終回となるこの記事では、そんな「ビッグボス」が明かした「恐怖の理由」と「たった一つの願い」について、お伝えします』、興味深そうだ。
・『「日本の親方は怒鳴るが、私は怒鳴らない」  「解体の仕事は簡単ではありません。たくさんの危険がありますし、とても疲れます。日本の会社では親方が怒鳴ったりすることが多くありますが、私のところではそういうことはありません。 仕事のやり方がわからない人には、知っている人が丁寧に教えます。決められた期間内に、なるべく早く安全に仕事が終わるようにします。そのためには、機械の扱いやチームワークを大切にしています。一人で普通の日本人の3人分以上の仕事ができるように教育します。 個人の住宅だけではなく、大きな工場やパチンコ屋、ビルの解体もやります。500坪、1000坪単位の大きな現場もあります。最初は私も目で見て仕事を覚えました。機械の使い方、現場での動き方、誰も教えてくれないから全て自分で覚えました。 そして、自分で学んだことをどんどんクルドの仲間に教えました」』、「日本の会社では親方が怒鳴ったりすることが多くありますが、私のところではそういうことはありません」、どならないとは大したことだ。「機械の扱いやチームワークを大切にしています。一人で普通の日本人の3人分以上の仕事ができるように教育します」、「一人で普通の日本人の3人分以上の仕事ができるように教育」とは素晴らしい。 「最初は私も目で見て仕事を覚えました。機械の使い方、現場での動き方、誰も教えてくれないから全て自分で覚えました。 そして、自分で学んだことをどんどんクルドの仲間に教えました」、やはりon the jobで「教えている」ようだ。
・『「仕事のできない人」はクルド人にも日本人にもいる  「現場で出るゴミは、ルールに従ってお金を払って処分しなければなりません。そういう手続き(各種申請書など)など、クルド人には難しいこともあります。 私の会社には日本人も働いています。彼らの助けがあって仕事ができているのです。よい仕事をしたら、それだけお金を支払います。だからクルド人以外の人も働いています。彼らの生活のためにも仕事には手を抜かないで、誰からも文句を言われないように気をつけています。 在留資格を持っていても外人、クルド人ですから、少しのミスもしないように気をつけています。何度教えても理解しない人は、クルド人にも日本人にもいます。そういう人には辞めてもらいます。生きるための仕事です。遊びではありません。だから真剣なのです。 人間は何もすることがないと悪い方に物事を考えてしまいます。どんなにいい人でも、いいことを考えられなくなるのです。私だけでなく、他のクルド人も日本人もそうだと思います。 私にはこの仕事しかなかった。だから寝る時間を削って頑張ります。この仕事以外の仕事は出来ませんから。本当は先生になったり別の仕事もしたかったです。 でも、それは日本では許されない」』、「在留資格を持っていても外人、クルド人ですから、少しのミスもしないように気をつけています。何度教えても理解しない人は、クルド人にも日本人にもいます。そういう人には辞めてもらいます。生きるための仕事です。遊びではありません。だから真剣なのです」、「仕事」に対する姿勢は大したものだ。
・『「殺されるかもしれない」恐怖  「仕事が終わると、眠るまでが自分の自由な時間になります。私たちは仲間同士で話しをすることを何よりも大切に思っています。仕事のこと、悩みのこと、これから先の不安のこと、家族のことなど話す事はたくさんあります。 お酒は飲まないですし、お店に入るとお金がかかるので、外で話すことが多いです。夜まで話すことも多いので、そういう姿が日本人にはいやなのかもしれません。 私たちもできるだけこの国のルールを守ろうとしていますが、話をしているだけで警察が来て「どいてください」と邪魔に扱われることも多いです。ただ、話しをしているだけです。それでも日本の人は私たちを嫌います。どんな人でも楽しみは必要です。 日本の人の中には、『早くトルコに帰れ』と言う人もいます。この30年で、私は親に会うために2回トルコに帰りました。どちらの時にも空港で逮捕されました。10日間くらい刑務所に置かれました。 『もしかしたらこのまま自由になれないかもしれない』『トルコにいる家族と二度と会えないかもしれない』『もしかしたら殺されてしまうかもしれない』と考えてしまって、本当に怖かったです。 日本の人は、『トルコはいい国で普通に暮らせるだろう』と言います。日本人にはそうだと思います。でもクルド人には違うのです」』、「お酒は飲まないですし、お店に入るとお金がかかるので、外で話すことが多いです。夜まで話すことも多いので、そういう姿が日本人にはいやなのかもしれません。 私たちもできるだけこの国のルールを守ろうとしていますが、話をしているだけで警察が来て「どいてください」と邪魔に扱われることも多いです」、夜、大勢で集まっておしゃべりするのは、日本人にとっては耐え難そうだ。
・『自分たち以外に信用できなくなったワケ  「トルコではいつも危険がありました。いつ家族が殺されるか分からないし、家畜のように殴られたり、蹴られたりすることもありました。人間として認めてくれなかったのです。テロリストのように扱われることもあります。 クルド人の苦しみは、一部の日本人が私たちの代わりに話をしてくれていますが、経験をしていないと本当のところは分からないのだと思います。 日本は昔、戦争があって、それからは平和な国になっています。殺される危険もなく、普通に仕事ができて、友だちと自由に話ができて、家族と暮らすことができます。 でも、クルド人はいつも力のある国に利用され、捨てられてきました。長い時間、そうだったので自分たちの他に誰も信用できなくなってしまったのかもしれません。 日本人でもトルコ人でも、いろいろな考えがある。でもみんな、生きなければならないのです。どこの国でも温かい人はいます。これまでは仕事をして頑張ってきました。 でも、それは私の家族のためでした。本当に大事なのはクルド人全体のことを考えて行動することです。それができなかったら、私の人生に意味などありません。 生活はできるようになりましたが、子供たちのために学校も作りたいですし、もっと平和になるように頑張りたいです。クルド人だけでなくて、日本人もみんなが幸せになって暮らしてくことが大事です。一人だけで生きていくことなど意味がありません」』、「クルド人はいつも力のある国に利用され、捨てられてきました。長い時間、そうだったので自分たちの他に誰も信用できなくなってしまったのかもしれません・・・クルド人だけでなくて、日本人もみんなが幸せになって暮らしてくことが大事です。一人だけで生きていくことなど意味がありません」、なるほど。
・『「クルドの国ができるなら、いつ死んでもいい」  「どんなときでもできることがあります。クルド人、あと5年たつと、人口がもっと増えます。世界のクルド人がもっと増えれば、発言力が大きくなって、少し自由になるかもしれません。いつかはクルド人の国ができるといいです。 今はまだ世界のどこに行ってもクルド人は差別されます。だからいつかはクルド人の国をつくらなければならないと思います。安心して自由に暮らせる国が欲しい。それは当たり前のことなのです。私は解体の仕事もなくしてしまってもいいと思っています。 クルドの国ができるならいつ死んでも、命もいらない。 今、日本から出て行くクルド人も多いです。ドイツなどに移動するクルド人も多いです。私は世界中にいるクルドの仲間と連絡を取り合っています。 日本は数年前から国の力が階段を降りるように落ちています。観光客以外の外国人が日本に来ることはありますが、大きく数が減りました。彼らは日本以外の国を選ぶようになっています。そういう状態はこれからも続きます。 日本人が国を世界の中でどうしたらいいのか、真剣に考えた方がいいと思います。私は自分が生きるために日本に来ました。必死に働いて、結婚して、会社をつくって、クルド人が多いけれど、日本人などたくさんの人を雇って頑張ってきました。自分のためだけの会社ではないのです。 奥さんには大きな迷惑をかけました。私がクルド人だからということで、彼女の人生にも大きく迷惑をかけてしまった。そのことがあるので、私が生きている限りは彼女のためにも生きます」』、「今、日本から出て行くクルド人も多いです。ドイツなどに移動するクルド人も多いです。私は世界中にいるクルドの仲間と連絡を取り合っています・・・奥さんには大きな迷惑をかけました。私がクルド人だからということで、彼女の人生にも大きく迷惑をかけてしまった。そのことがあるので、私が生きている限りは彼女のためにも生きます」、なるほど。
・『「ビッグボス」の言葉をどう受け止めるか  「ビッグボス」による告白は以上である。 昨今、批判を浴びているクルド人の中にも、彼のような人物がいた。身体一つで異国に降り立ち、言葉を覚え、才覚のみを頼りにこの日本で人生を切り開いてきたのだ。 その生き方は多くのクルド人に尊敬され、地域住民との関係も良好に保っている。これまで彼は日本人に対して自らのことを語ってこなかった。今回、正直な気持ちを吐露してくれたのは、日本人との間で急速に顕在化した軋轢がきっかけである。 昨年2月のトルコ大地震、そして10月の入国規制の緩和以降、多くのクルド人が川口エリアを目指している。生活のスタイルを変えない彼らを受け入れる地域住民は、忍耐を強いられる場面もあるだろう。 「異質」を受け入れがたい日本人は、彼らの存在を拒絶するかもしれない。すでにその兆しはあるが、感情に端を発した排斥運動ほど、醜いものはないと思う。 日本各地で移民問題が起きている。「多様性」や「共生社会」を目指すのであれば、国も現実を直視し、取り締まりの強化だけでなく共生を促す仕組みを真剣に考えるべきなのだ。 これまでも「移民排斥」は世界のあらゆる場所で行われてきた。明治以降、日本人も南北アメリカ大陸やハワイなどへ移民として海を超えていった。現地では安価な労働力として需要が増し、人口も増えていった。 その結果、人種的偏見などから差別され、日本人排斥運動にまで高まることとなった。排斥運動の背景には、ナショナリズムの台頭と不況からくる生活苦が存在する。現在、その条件は整っている。 自分の国がない人々の気持ちを理解することは難しい。だが、彼らの育った環境を想像し、共感することは我々にもできるだろう。今後も国内には隣人として多くの外国人が住み続けることになる。彼らとの生活を円滑に進めていくためにも、改めて自分の中の差別意識を意識し、確認しておきたい』、「移民」のなかでも「クルド人」は帰る祖国もない気の毒な存在だ。「彼らの育った環境を想像し、共感することは我々にもできるだろう。今後も国内には隣人として多くの外国人が住み続けることになる。彼らとの生活を円滑に進めていくためにも、改めて自分の中の差別意識を意識し、確認しておきたい」、同感である。
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外国人問題(その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴) [社会]

外国人問題については、本年3月29日に取上げた。今日は、(その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴)である。

先ずは、7月6日付けAERAdot「「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/articles/-/194815?page=1
・『名古屋入管で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマさんの監視カメラ映像が法廷で上映された。だが彼女の死後も、命を軽視する入管の体質は変わっていない。弁護士が指摘する「特高マインド」とは何か。AERA 2023年7月10日号の記事を紹介する。 ウィシュマさんの遺族代理人の高橋済(わたる)弁護士は、根底には入管に横たわる「特高マインド」があると指摘する。 特別高等警察、略して「特高」。戦前、思想犯や反政府活動などを弾圧してきた秘密警察だ。戦後、特高は解体されるが、その関係者の少なからぬ部分が入管に携わるようになったといわれる。その特高マインドが今も脈々と入管に流れていると感じると、高橋弁護士は言う。 「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります。収容者を『制圧行為』と称し、多数の職員で暴行を加えるなど人権を無視する事例は施設内で度々起きています。これは、外国人は取り締まりの対象であり社会に危害を加える存在だという、戦前の特高のマインドが今も引き継がれているからだと思います」 同時に、こうした入管の体質を許してきたのは、日本人が少なからず持っている外国人への差別心とも関係しているという。 5月、日本維新の会の梅村みずほ議員は国会で、ウィシュマさんは「ハンストによる体調不良で亡くなったかもしれない」などと発言した。根拠のない発言にウィシュマさんの遺族は強く抗議したが、こうした言動の根っこには、外国人に対する差別心があると高橋弁護士は話す。 「日本は同質性が高い社会のため、多かれ少なかれ、外国人は自分たちの社会に危害を加えるという、漠然とした差別心があると思います」 そうした中、6月9日に改正入管法が国会で成立した。難民申請が3回目以降の申請者は「相当の理由」が示されなければ送還できるようになる。今後は入管への収容者も増えていくと考えられ、このままでは第2、第3のウィシュマさんが出る恐れがある。 STARTの松井さんは、「今まで以上に収容者への基本的人権の侵害は許されないと発信していく必要がある」と話す。 「救済されるべき人たちは救済されなければならず、強制的に送り返すことは絶対にしてはいけない。そのためにも、強制的に送り返すという入管の方針を転換していく必要があります」』、「根底には入管に横たわる「特高マインド」があると指摘する。 特別高等警察、略して「特高」。戦前、思想犯や反政府活動などを弾圧してきた秘密警察だ。戦後、特高は解体されるが、その関係者の少なからぬ部分が入管に携わるようになったといわれる。その特高マインドが今も脈々と入管に流れていると感じると、高橋弁護士は言う」、いまだに「「特高マインド」がある」とは恐ろしい話だ。 「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります」、飛んでもない話だ。
・『根本的な見直しが必要  STARTの千種さんは、「施設内で起きる問題を可視化していくことが重要」と話した。 「入管が一番恐れているのは、収容されている当事者たちが団結して自分たちに向かってくることです。そのためにも、入管で起きている問題を、収容されている人たちと一緒に取り上げて声にして社会的に明らかにし、入管が変わらざるを得ない状況をつくりあげていくことです。それが、これ以上、施設で亡くなる人を出さないためにも重要です」 高橋弁護士は、まずは「制度の土台から変えていく必要がある」と指摘する。 「小手先の改革で常勤医師を配置しても何も変わりません。いまは全ての権限が入管に集中しているため、収容するかしないかは入管の裁量次第で決まります。本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」 そして最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行政の見直しが不可欠だ、と。 「同時に、日本人の中にある外国人に対する差別心をなくしていく教育を子どもも大人も行うなど、社会全体で変わっていく必要があります」(高橋弁護士)』、「いまは全ての権限が入管に集中しているため、収容するかしないかは入管の裁量次第で決まります。本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」、「最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行政の見直しが不可欠だ、」、その通りだ。

次に、7月10日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの中島 恵氏による「じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112850?imp=0
・『東京に拠点を持つ中国人  近年、国内の政治情勢などを背景に、日本に移住する中国人が増えているが、在日中国人が最も多く住んでいる地域はどこか、ご存じだろうか。法務省の在留外国人統計(2022年6月末時点)によると、それは東京都で、約22万2000人となっている。在日中国人総数は約75万人なので、約3~4分の1が東京都に居住していることになる(続いて多いのは、埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県の順)。 さらに、都内での居住地域を細かく見てみると、最も多いのは江東区だった。2位は足立区、3位は江戸川区、4位は新宿区、5位は板橋区となっており、新宿区を除いて住宅地のイメージが強い地区となっている。中華料理店が多いイメージがある池袋を含む豊島区などはトップ5には入っていない。 なぜ、中国人はこれらの地域に多く住んでいるのか。同じ在日中国人でも、居住地域によって住んでいる人の特徴に違いはあるのか。各行政区の中国人に関する詳細な情報はないが、私はこれらの地区に住む中国人の知人に話を聞き、そこに住む理由を聞いてみた。そこから浮かび上がってきたものは――』、「在日中国人が最も多く住んでいる地域は・・・東京都で、約22万2000人・・・在日中国人総数は約75万人なので、約3~4分の1が東京都に居住・・・続いて多いのは、埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県の順」、「大阪府」は意外に少ないようだ。
・『「亀戸は庶民的で中国食材店も多い」  「中国人の友人から、この付近(江東区亀戸)はとにかく物価が安くて、庶民的で、中国食材店も多いから住みやすいよ、と勧められたので、数年前に移り住みました。会社は新宿なので、最寄りのJR総武線亀戸駅から1本で行けるし、出張のときには東京駅にも10分ほどでアクセスできるので、かなり便利ですよ」 こう語るのは、IT企業に勤務する30代の中国人男性Aさん。10年以上前、中国の東北部から来日し、日系、中国系企業に勤務してきた。以前は千葉県に住んでいたが、勤務先がある新宿に少しでも近いほうがよいと考えて、亀戸に移ったという。 亀戸は、「亀戸天神」や「亀戸餃子」などがあり、下町の庶民的なイメージがある。 その通り、駅から徒歩5分の距離には「亀戸五丁目中央通商店街」があり、レタスが2個で98円など激安の青果店や、Aさんが話していた中国食材店が数軒ある。連続して商店が軒を連ねているわけではないため、同じ総武線の(荒川を超えた江戸川区にある)新小岩、小岩などの商店街と比べると賑わっているというほどではなく、「中国人比率」はそれほど高くないように感じる。 だが、Aさんによると、同商店街から西方向に数分歩いた距離にある「亀戸二丁目団地」では中国人を多く見かけるという。 「私自身もそこに住んでいるのですが、とにかく中国人が多いですよ。家賃が安いし、ここには中国の団地みたいな雰囲気があるんです。団地の真ん中に中庭があり、クルマが中まで入ってこないので、小さな子どもが遊んでいても安心。交通量の多い道路に面したマンションよりも、建物に囲われている分、安心感があるんです」(Aさん) 私もこの団地に足を運んだことがあるが、UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)の物件で、保証人が不要であること、家賃が比較的安いこと(UR都市機構のウェブサイトによると、1LDK~3Kまでで約8万4000円~約13万3000円)、敷地内に激安スーパーがあるという諸条件が、中国人比率が全体の5割近い埼玉県川口市の芝園団地と酷似している』、「東京」のなかでは、「江東区亀戸はとにかく物価が安くて、庶民的で、中国食材店も多いから住みやすいよ、と勧められたので、数年前に移り住みました。会社は新宿なので、最寄りのJR総武線亀戸駅から1本で行けるし、出張のときには東京駅にも10分ほどでアクセスできるので、かなり便利ですよ」(IT企業に勤務する30代の中国人男性)、なるほど。
・『中国人ネットワーク  同じ江東区に、もう一ヵ所、中国人が急速に増えている地域がある。豊洲だ。 地下鉄有楽町線の豊洲駅に降り立つと、高層ビルやタワーマンションが複数そびえ立っており、亀戸と違って、生活感はまったく感じられない。) 私は今年5月に出版した『中国人が日本を買う理由』の中で、豊洲のタワーマンション(約7000万円)を購入した20代の若者のことを書いた。この若者が豊洲に引っ越してきたのは22年春。 彼は私に「中国人の友人から、中国人の間でいま豊洲の人気が上がっていると聞き、20年に一室購入しました。上層階から海が見渡せる眺望も気に入りました」と話していた。 このように、江東区内には、下町風情が漂い、激安店が多い亀戸と、新興都市としてオフィスビルが立ち並ぶ豊洲という2つの対照的な地区がある。公共交通機関も、JR総武線、地下鉄有楽町線、東西線、都営新宿線があり、いずれも都心へのアクセスがいい。それが(在日中国人が住む地域として)1位にランクインした理由の一つかもしれないと感じた。では、2位以下はどうなっているのか。 江東区の次に中国人が多いのは足立区だ。以前はあまりイメージがよくないという日本人もいたが、リクルートが実施している「SUUMO住みたい町ランキング2023首都圏版」では北千住が28位にランクインするなど、近年は人気が上がっている。 駅前にはルミネやマルイなどのファッションビルも立ち並んでいる北千住。駅前に中国をイメージするものはほとんどないが、住宅街や、近隣の竹ノ塚駅のほうまで行ってみると、中華食材店、中華料理店が増えている。 私の知人の中国人も北千住に住んでいるが、彼は「知り合いの中国人不動産屋から、建売のいい一軒家があると紹介されたのが北千住でした。庭つきの家で子どもを伸び伸びと育てたいと、ここにしました。日比谷線の沿線に勤務先があるので便利なんです」と、引っ越してきた理由を話した。 3位の江戸川区は前述した江東区と同じ路線上にあり、千葉県に近い。江東区と同じく、庶民的な商店が多く、家賃や物価が安い。JR総武線の平井駅付近には外国人留学生向けの日本語学校や、中国人専門の大学受験予備校があり、亀戸や小岩と並んで中国人率が非常に高い。 同じ江戸川区葛西に住む知人の中国人は「東西線の葛西や行徳にも中国人が多いですが、平井は第二の高田馬場になるような気がする」と話す。 その高田馬場があるのが4位の新宿区だ。歌舞伎町、大久保などの歓楽街のイメージがあるが、中国人にとっては、日本語学校や専門学校が多いところというイメージ。3年前に中国の高校を卒業後に来日した女性、Bさんは、高田馬場にある日本語学校に入学するのと同時に、同じ駅前にある大学受験予備校にも入学。その予備校の担当者から住居を紹介され、高田馬場にマンションを借りた。日本語学校、大学受験予備校、不動産店のいずれの担当者も中国人だ。 高田馬場駅前を降りると、大学受験予備校の看板が多数並んでいる。そこに通う中国人留学生を目当てにした「ガチ中華」の店も多く、早稲田大学まで続く早稲田通り沿いには、中国で人気の飲食チェーン店が軒を連ねている。 以前、駅前の大学受験予備校でアルバイトをしていたという中国人男性は、「この町が気に入り、受験が終わっても、この町に住み続けるという友だちが少なくないです」と話していた。5位は板橋区。板橋区は池袋がある豊島区に隣接しており、JR埼京線、都営三田線、東武東上線、地下鉄有楽町線・副都心線が走っている。都営三田線を除いた路線はすべて池袋駅につながっており、通勤に便利な割に家賃が比較的安く、庶民的なエリアだ。 このように、中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ。これらの情報は中国人が頻繁に使っているSNS、ウィーチャットで流れてくる。それを見て、さらに、そこに人が集住するという流れになっている。 【後編】『日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」』では、これまでの在日中国人とは様相の異なる「在日中国人」が増えてきたことについて説明する』、「同じ江東区に、もう一ヵ所、中国人が急速に増えている地域がある。豊洲だ・・・江東区内には、下町風情が漂い、激安店が多い亀戸と、新興都市としてオフィスビルが立ち並ぶ豊洲という2つの対照的な地区がある」、「3位の江戸川区は前述した江東区と同じ路線上にあり、千葉県に近い。江東区と同じく、庶民的な商店が多く、家賃や物価が安い。JR総武線の平井駅付近には外国人留学生向けの日本語学校や、中国人専門の大学受験予備校があり、亀戸や小岩と並んで中国人率が非常に高い」、「高田馬場があるのが4位の新宿区だ。歌舞伎町、大久保などの歓楽街のイメージがあるが、中国人にとっては、日本語学校や専門学校が多いところというイメージ」、「5位は板橋区。板橋区は池袋がある豊島区に隣接しており、JR埼京線、都営三田線、東武東上線、地下鉄有楽町線・副都心線が走っている。都営三田線を除いた路線はすべて池袋駅につながっており、通勤に便利な割に家賃が比較的安く、庶民的なエリアだ」、「中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。

第三に、7月10日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの中島 恵氏による「日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112849?imp=0
・・・「馴染みのある地区」を選ばない  だが、近年来日した富裕層の人の中には、これら、長年日本に住んでいる在日中国人にとって「馴染みのある地区」を選ばない人が増えている。タワーマンションが多い豊洲だけは例外だが、近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた。 むろん、「中国人富裕層が住む地区の統計」といったものは存在しないので、あくまでも私が取材した範囲内の話だが、彼らは、日本在住歴が長い中国人とは異なるネットワークを持っており、そこで得た情報によって居住区を決めているようだ。) 2年前、日本にある大手中国系IT企業に駐在員としてやってきた30代の男性は、会社の総務部の手配で港区を推薦されたため、そこに住み始めたと話してくれた。 「会社は大手町にあり、そこから近いので六本木の賃貸マンションに住んでいます。私は東京に詳しくなく、地理もよくわかりませんが、ここは治安もいいし、ステータスの面でも満足できると思いました。家賃は30万円以上しますが、会社負担です。 いまは駐在員ですけど、1年以内に、投資目的でこの近くにマンションを購入しようと考えています。他の駐在員仲間も六本木や麻布に多く住んでいますよ。仕事で遅くなっても、タクシーですぐに帰宅できるし、東京タワーも見える眺めのいいマンションなので気に入っています」 その男性によると、富裕層の友人の中には、森ビルが手掛けている高級マンション「麻布台ヒルズ」を購入している人が何人もいるという。彼が入っている駐在員や富裕層のSNSグループには、頻繁に高級物件の情報が流れてくるので、彼自身も投資用に購入したいと話していた』、「近年来日した富裕層の人の中には、これら、長年日本に住んでいる在日中国人にとって「馴染みのある地区」を選ばない人が増えている。タワーマンションが多い豊洲だけは例外だが、近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた」、なるほど。
・『通勤する必要のない富裕層の在日中国人  また、近年来日した富裕層の特徴として挙げられるのが、「日本語があまりできない」ことだ。10年以上前に来日した中国人は、日本の大学を卒業し、日本企業に勤務している人が多い。 彼らは日本社会にある程度溶け込んでおり、日本人と同等の給料を得て生活していることから、日本人と似たような消費意識を持っている。記事の前半で紹介したように、物価が安く、商店街があり、勤務先へのアクセスがいいところに住みたいという日本人のような考え方の人が多いが、近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ。 彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた。品川区に住む私の知人の中国人も、子どもが虎ノ門にあるインターナショナル幼稚園に通っているため、その近くで物件を探したと言っていた。 これらの富裕層はまだごく一握りしかおらず、在日中国人の中で少数派だが、今後、中国の情勢によって、移住者はもっと増える可能性もある。だが、すでに約75万人に上っている在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向があることがわかる。 こうした傾向は、東京都の次に多い埼玉県、神奈川県などでも同様で、埼玉県でいえば川口市、神奈川県でいえば横浜市がそれに当たる。ふだん、すぐそばに住んでいても、その存在について深く考える機会の少ない在日中国人。 だが、その居住地区をよく見てみると、来日した時期や収入などによる彼らの傾向や層、最近の特徴といったものが見えてくるのではないだろうか』、「10年以上前に来日した中国人は、日本の大学を卒業し、日本企業に勤務している人が多い。 彼らは日本社会にある程度溶け込んでおり、日本人と同等の給料を得て生活していることから、日本人と似たような消費意識を持っている。記事の前半で紹介したように、物価が安く、商店街があり、勤務先へのアクセスがいいところに住みたいという日本人のような考え方の人が多いが、近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ・・・彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた・・・これらの富裕層はまだごく一握りしかおらず、在日中国人の中で少数派だが、今後、中国の情勢によって、移住者はもっと増える可能性もある。だが、すでに約75万人に上っている在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向がある」、「在日中国人の大半は・・・一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向がある」、全体としてはやはり堅実なようだ。
タグ:「高田馬場があるのが4位の新宿区だ。歌舞伎町、大久保などの歓楽街のイメージがあるが、中国人にとっては、日本語学校や専門学校が多いところというイメージ」、「5位は板橋区。板橋区は池袋がある豊島区に隣接しており、JR埼京線、都営三田線、東武東上線、地下鉄有楽町線・副都心線が走っている。都営三田線を除いた路線はすべて池袋駅につながっており、通勤に便利な割に家賃が比較的安く、庶民的なエリアだ」、 「同じ江東区に、もう一ヵ所、中国人が急速に増えている地域がある。豊洲だ・・・江東区内には、下町風情が漂い、激安店が多い亀戸と、新興都市としてオフィスビルが立ち並ぶ豊洲という2つの対照的な地区がある」、「3位の江戸川区は前述した江東区と同じ路線上にあり、千葉県に近い。江東区と同じく、庶民的な商店が多く、家賃や物価が安い。JR総武線の平井駅付近には外国人留学生向けの日本語学校や、中国人専門の大学受験予備校があり、亀戸や小岩と並んで中国人率が非常に高い」、 彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた・・・ 「東京」のなかでは、「江東区亀戸はとにかく物価が安くて、庶民的で、中国食材店も多いから住みやすいよ、と勧められたので、数年前に移り住みました。会社は新宿なので、最寄りのJR総武線亀戸駅から1本で行けるし、出張のときには東京駅にも10分ほどでアクセスできるので、かなり便利ですよ」(IT企業に勤務する30代の中国人男性)、なるほど。 「10年以上前に来日した中国人は、日本の大学を卒業し、日本企業に勤務している人が多い。 彼らは日本社会にある程度溶け込んでおり、日本人と同等の給料を得て生活していることから、日本人と似たような消費意識を持っている。記事の前半で紹介したように、物価が安く、商店街があり、勤務先へのアクセスがいいところに住みたいという日本人のような考え方の人が多いが、近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ・・・ 「在日中国人が最も多く住んでいる地域は・・・東京都で、約22万2000人・・・在日中国人総数は約75万人なので、約3~4分の1が東京都に居住・・・続いて多いのは、埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県の順」、「大阪府」は意外に少ないようだ。 中島 恵氏による「じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」」 現代ビジネス 政の見直しが不可欠だ、」、その通りだ。 「いまは全ての権限が入管に集中しているため、収容するかしないかは入管の裁量次第で決まります。本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」、「最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行 「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります」、飛んでもない話だ。 「近年来日した富裕層の人の中には、これら、長年日本に住んでいる在日中国人にとって「馴染みのある地区」を選ばない人が増えている。タワーマンションが多い豊洲だけは例外だが、近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた」、なるほど。 「根底には入管に横たわる「特高マインド」があると指摘する。 特別高等警察、略して「特高」。戦前、思想犯や反政府活動などを弾圧してきた秘密警察だ。戦後、特高は解体されるが、その関係者の少なからぬ部分が入管に携わるようになったといわれる。その特高マインドが今も脈々と入管に流れていると感じると、高橋弁護士は言う」、いまだに「「特高マインド」がある」とは恐ろしい話だ。 AERAdot「「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質」 これらの富裕層はまだごく一握りしかおらず、在日中国人の中で少数派だが、今後、中国の情勢によって、移住者はもっと増える可能性もある。だが、すでに約75万人に上っている在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向がある」、「在日中国人の大半は・・・一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向がある」、全体としてはやはり堅実なようだ。 「中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。 中島 恵氏による「日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴」 (その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴) 外国人問題
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中国経済(その19)(中国が臭いものにフタ?若年失業率の公表「突然中止」で中国経済不信が止まらない、習近平 まさかの「愚策」…!ついに政府が認めた「不動産バブル」のヤバすぎる実態と「経済見殺し政策」の悲惨な中身、習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と 「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身) [世界経済]

中国経済については、本年8月31日に取上げた。今日は、(その19)(中国が臭いものにフタ?若年失業率の公表「突然中止」で中国経済不信が止まらない、習近平 まさかの「愚策」…!ついに政府が認めた「不動産バブル」のヤバすぎる実態と「経済見殺し政策」の悲惨な中身、習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と 「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身)である。

先ずは、9月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「中国が臭いものにフタ?若年失業率の公表「突然中止」で中国経済不信が止まらない」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328656
・『人民元の下落が止まらない。一部では「年末までにさらに下落し、歴史的安値になる」との観測も。中国人民銀行は、為替介入などで対策しているものの、今のところ目立った効果はない。8月、共産党政権は推計方法の改善を理由に、若年層の失業率の公表を一時中止したが、「公表できないほど中国経済は悪化している」との見方が広まった。中国経済の構造問題を、世界の投資家はシビアに見ている』、「若年層の失業率の公表を一時中止」、やはり中国経済の実態は予想以上に酷いようだ。
・『中国・人民元の下落に歯止めがかからない  8月以降、人民元の下落に歯止めがかからない。中央銀行である中国人民銀行は、為替介入などで人民元安に歯止めをかけようとしているものの、今のところ目立った効果はない。共産党政権が人民元安を食い止める姿勢は強いとの見方がある一方、足元では海外投資家の売りによって人民元に先安観があり、不安定さは払拭できていない。 人民元下落の背景には、中国経済の閉塞感が日増しに強くなっていることがある。中国経済の高成長を支えたメカニズム(経済構造)は限界を迎えている。不動産バブルは崩壊に向かいつつあり、それに伴い、高金利の信託商品や理財商品のデフォルト懸念が上昇している。 また、半導体分野における米中対立や地政学リスクの上昇、人件費上昇など複数の要因が絡み合い、中国が誇った「世界の工場」としての地位は低下した。 習近平政権は、何よりもまず不良債権処理を進める必要があるはずだが、今のところ、当該分野での進展は限定的だ。これでは、成長期待の高い分野にヒト・モノ・カネをうまく回すことは難しい。習政権にとって、中国経済の構造問題を解決に向かわせることが喫緊の課題であり、何よりそのスピード感が求められる。今後の展開次第では、人民元の下落が一段と進み、中国発の世界的なリスクオフが進むことも考えられる』、「人民元下落の背景には、中国経済の閉塞感が日増しに強くなっていることがある。中国経済の高成長を支えたメカニズム(経済構造)は限界を迎えている。不動産バブルは崩壊に向かいつつあり、それに伴い、高金利の信託商品や理財商品のデフォルト懸念が上昇している。 また、半導体分野における米中対立や地政学リスクの上昇、人件費上昇など複数の要因が絡み合い、中国が誇った「世界の工場」としての地位は低下した」、なるほど。
・『若年層失業率を公表できないほど経済悪化?  2023年初来からの人民元の推移を振り返ってみよう。2月頃までは米金利の上昇によって、人民元への売り圧力が高まったとみられる。その後、ドル金利の上昇だけで説明が付きにくい人民元売りが続き、5月上旬から6月下旬にかけて人民元は1ドル=6.9ドル台から7.26元台に下落した。 7月、共産党政権は通貨安に対応するため、中国人民銀行の総裁に潘功勝氏を任命した。同氏は、易綱前総裁と同じく党内の序列は低いものの、海外の金融機関での勤務経験を持ち海外投資家の動向に明るいとみられていた。習政権は、相対的に海外経験が豊富でグローバルな金融実務に精通した人物を中銀トップに置き、主要投資家への配慮を示そうとしたのだろう。新総裁の金融政策を見極めたいとの思惑も加わり、7月上旬、人民元の売り圧力はやや弱まった。 しかし、それはごく一時的だった。7月下旬以降、人民元の下落圧力は強まった。不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)や、恒大集団(エバーグランデ)の経営不安が上昇したからだ。債務不履行への懸念が、信託商品や理財商品のデフォルトリスクを急上昇させた。一部の信託商品は実際にデフォルトしデモも起きた。 8月15日、共産党政権は推計方法の改善を理由に、若年層の調査失業率の公表を一時中止すると発表した。「公表できないほど中国経済は悪化し、かなり厳しい状況に追い込まれている」との見方が広まり、同日、人民元は1ドル=7.30元台に下落した。 その後、習政権は国有銀行に為替介入(人民元の買い支え)を強化するよう指示した。一部の銀行に対し、海外投資を控えるよう指導したとも報じられた。売り圧力は中国の共産党政権が影響力を強める香港ドルにも波及した』、「7月下旬以降、人民元の下落圧力は強まった。不動産開発大手の碧桂園・・・や、恒大集団・・・の経営不安が上昇したからだ。債務不履行への懸念が、信託商品や理財商品のデフォルトリスクを急上昇させた。一部の信託商品は実際にデフォルトしデモも起きた)、なるほど。
・『深刻化する中国経済が抱える構造問題  人民元下落の背景として、経済成長を支えたメカニズムの機能不全が起きていることがある。中国のGDPの需要項目を見ると、投資(総資本形成)の割合は、個人や政府の消費を上回る。これまで、中国経済は投資の増加によって高い成長を実現してきた。 ところが、不動産バブルが崩壊に向かい不動産投資による成長は難しくなった。これまで地方政府は、不動産開発業者に土地の利用権を売却し、歳入を確保してきたし、共産党政権もマンションの供給増加を支援してきた。世界的な低金利の長期化も、不動産価格上昇への期待を支えた。投機熱も盛り上がり、カントリー・ガーデンなどの開発企業は借り入れによって建設を増やした。 こうした不動産投資の増加が、生産、雇用と所得の機会、地方政府の税収などを支えた。産業補助金政策も強化され、企業の設備投資が活発になり、インフラ投資も増えた。コロナ禍が発生するまで、投資を出発点に中国経済は高い成長を実現してきたわけだ。 中国全土の工業化も00年代以降、加速した。農村部から沿海部の工業地帯へ、安価で豊富な労働力が供給された。海外企業からの技術移転も加速し、中国は世界の工場の地位を確立。リーマンショック後は、世界最大の消費市場としての重要性も高まり、海外からの対中直接投資も増えた。 しかし、20年8月の「3つのレッドライン」(注)をきっかけに、不動産バブルは崩壊に向かい始めた。不動産業界、地方政府の債務問題は深刻化し、理財商品などがデフォルトする懸念が高まった。「理財商品には政府の“暗黙の保証”が付いている」といった個人投資家の思い込みは強く、それもあってなおさら理財商品や信託商品市場の悪化が、共産党政権の求心力の低下につながるとみられている。 また、米中対立や、台湾辺境の緊迫感が上昇するなどの地政学リスク、人件費高騰などを背景に、グローバル企業は脱中国の動きを見せるようになった。産業支援策が強化されている別の国や、人件費が安いインドやベトナムなどに生産拠点を移す多国籍企業が増えている。この点も、中国の雇用や所得環境の悪化につながっている』、「20年8月の「3つのレッドライン」をきっかけに、不動産バブルは崩壊に向かい始めた。不動産業界、地方政府の債務問題は深刻化し、理財商品などがデフォルトする懸念が高まった。「理財商品には政府の“暗黙の保証”が付いている」といった個人投資家の思い込みは強く、それもあってなおさら理財商品や信託商品市場の悪化が、共産党政権の求心力の低下につながるとみられている」、なるほど。
(注)3つのレッドライン:中国政府が2020年8月、不動産大手企業に対し、財務指標で規制(エコノミストOnline)。
・『高まる中国発の世界的なリスクオフの懸念  8月25日、米ジャクソンホール会合での講演で、FRBのパウエル議長が「インフレ率は高すぎ、追加利上げの用意がある」と発言した。目先、米中の金利差の拡大などを背景に、人民元の為替レートの不安定感は高まる可能性がある。 共産党政権の政策スタンスも懸念材料だ。現在、中国の年金や医療など、社会保障制度に対する国民の不安は徐々に高まっているようだ。そうした状況下、習政権は金融緩和によって不動産企業や、地方政府傘下の融資平台(LGFV)などの投資会社の借り入れを支援し、経済環境の悪化を食い止めようとしている。 今のところ、金融緩和政策の効果は顕在化していない。むしろ、債務問題は深刻化しそうだ。習政権は不良債権処理や構造改革に関する踏み込んだ政策を発表していない。経済よりも政治基盤の強化を重視しているようにもみえる。 債務問題が深刻化すると、支出を減らして負債の返済を急ぐ企業や国民が増えるだろう。バランスシート調整(資産価格が大幅に下落した場合、その後の経済主体の支出活動が抑圧されるプロセスのこと)へのプレッシャーが強まり、デフレ経済が深刻化する可能性は高い。 それが現実になると、わが国やドイツ、アジア新興国などの対中輸出に少なからぬ影響が出るだろう。世界全体でも、経済成長率が低下する懸念が高まる。主要投資家も企業経営者も、リスク回避的な行動を取るようになるだろう。 そのタイミングで、中国経済が一段と低迷するようだと、中国株を売却する主要投資家は増え、人民元はさらに下落することが想定される。そして今後の展開次第では、世界の株式、低格付けを中心とする債券、米国の商業用不動産、新興国通貨、中国が一定需要を占める銅や鉄鉱石、原油などの価格が下落する恐れが高まる。そうなると世界経済の先行き不透明感は急上昇する。 人民元の下落をきっかけに、世界的にリスクオフが発生する可能性は無視できない』、「現在、中国の年金や医療など、社会保障制度に対する国民の不安は徐々に高まっているようだ。そうした状況下、習政権は金融緩和によって不動産企業や、地方政府傘下の融資平台(LGFV)などの投資会社の借り入れを支援し、経済環境の悪化を食い止めようとしている。 今のところ、金融緩和政策の効果は顕在化していない。むしろ、債務問題は深刻化しそうだ。習政権は不良債権処理や構造改革に関する踏み込んだ政策を発表していない。経済よりも政治基盤の強化を重視しているようにもみえる・・・債務問題が深刻化すると、支出を減らして負債の返済を急ぐ企業や国民が増えるだろう。バランスシート調整・・・へのプレッシャーが強まり、デフレ経済が深刻化する可能性は高い・・・人民元の下落をきっかけに、世界的にリスクオフが発生する可能性は無視できない」、恐ろしいシンリオだ。

次に、10月10日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平、まさかの「愚策」…!ついに政府が認めた「不動産バブル」のヤバすぎる実態と「経済見殺し政策」の悲惨な中身」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/117447?imp=0
・『中国の長期停滞は、マジでヤバい  中国が日本の「失われた30年」のように長期停滞へ入ろうとしている。 それは、世界の経済学者から「日本化だ」と指摘されるが、ここにきて「日本化」どころではない、さらにひどい状況に陥りそうだと言われ始めている。 日本では、80年代バブルの崩壊後に長期停滞入りしデフレに見舞われた。しかし、低成長期には物価が安定し、ロストジェネレーションと呼ばれる世代を生みだしたとはいえ、社会は比較的混乱の少ない時代だった。 一方の中国では日本のようなデフレ耐性がなく、社会混乱を招くと懸念されている。 昨今ようやく改善が見えはじめた経済指標だが、それでも不安は尽きないのだ』、「世界の経済学者から「日本化だ」と指摘されるが、ここにきて「日本化」どころではない、さらにひどい状況に陥りそうだと言われ始めている・・・中国では日本のようなデフレ耐性がなく、社会混乱を招くと懸念されている」、恐ろしいことだ。
・『経済指標の改善は「期待外れ」に終わる  景気後退の懸念が高まる中国だが、このところ経済指標の改善が続いている。 中国国家統計局が9月30日に発表した9月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.2となり、景気拡大・悪化の分かれ目となる50を6が月ぶりに上回った。8月の工業利益も大幅に増加し、輸出のマイナス幅も縮小した。消費者物価指数(CPI)も前年比0.1%増となり、デフレ圧力が若干緩和したと言われている。 不動産市場にも改善の兆しが出ている。 民間不動産調査企業によれば、政府の支援策の効果もあって、9月の新築住宅価格は5ヵ月ぶりに上昇し、住宅販売額の減少率も縮小したという。 これらを受けて市場関係者の間では「中国経済は最悪期を脱した」との観測が出ているが、筆者は「期待外れに終わる可能性が高い」と考えている。 中国経済の屋台骨を担ってきた不動産市場の闇が、とてつもなく深いからだ』、「市場関係者の間では「中国経済は最悪期を脱した」との観測が出ているが、筆者は「期待外れに終わる可能性が高い」と考えている。 中国経済の屋台骨を担ってきた不動産市場の闇が、とてつもなく深いからだ」、なるほど。
・『中国「不動産バブル」が長期停滞のトリガー  中国国家統計局の元高官は9月23日「(現在国内にあるマンションの空室や空き家について)中国の人口14億人でさえ全てを埋めることが不可能だ」との見方を示した。 中国における不動産の過剰供給はかねてから知られていたが、政府関係者がこのことを追認したことの意味は大きいだろう。不動産業界全体を苦境に陥れた中国恒大集団の再建の道筋もいまだ立っていない。 それどころか、創業者の許家印会長が犯罪に関与した疑いで警察の監視下に置かれるという異常事態となっている。 「中国経済の日本化」という指摘は、不動産バブルの崩壊が災いして長期不況に陥るリスクが生じているという懸念から生じたものだ。だが、ここに来て「『日本化』すら達成できないのではないか」との危惧の念が高まっている』、「「中国経済の日本化」という指摘は、不動産バブルの崩壊が災いして長期不況に陥るリスクが生じているという懸念から生じたものだ。だが、ここに来て「『日本化』すら達成できないのではないか」との危惧の念が高まっている」、なるほど。
・『「日本より、もっと悪くなる」  このことを最初に述べたのはノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏だ。同氏は7月25日に公開されたニューヨーク・タイムズへの寄稿文の中で「中国は日本のようにはならない。もっと悪くなるだろう」と述べている。 日本経済を長年ウオッチしてきたイエスパー・コール氏も同意見だ。 「バブル崩壊後の日本は高成長を続ける中国への輸出拡大で恐慌を回避できたが、今の中国には輸出拡大が期待できる国が見当たらない」というのがその理由だ(9月29日付日本経済新聞)。 膨大な需要が高まり輸出で自国経済を維持する装置が中国には見当たらない…。事態は最悪の状況に向かいつつある。) しかし、筆者はこうした状況を放置し、景気対策に後ろ向きな中国政府の姿勢に、長期停滞の最大の要因があると考えている。 それは「経済見殺し政策」と言っても過言ではない最低の悪手である。 後編『習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と、「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身』にて、その状況をじっくりと解説していこう』、「「バブル崩壊後の日本は高成長を続ける中国への輸出拡大で恐慌を回避できたが、今の中国には輸出拡大が期待できる国が見当たらない」というのがその理由だ(9月29日付日本経済新聞)」、なるほど。「筆者はこうした状況を放置し、景気対策に後ろ向きな中国政府の姿勢に、長期停滞の最大の要因があると考えている。 それは「経済見殺し政策」と言っても過言ではない最低の悪手である」、同感である。

第三に、この続きを、10月10日付け現代ビジネスが掲載した経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦氏による「習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と、「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/117448?imp=0
・・・・『習近平のヤバすぎる「妄想」  1990年代の日本政府は、景気下支えのために大規模な景気刺激策を打ち続けたが、中国政府は需要を喚起する景気刺激策を講ずる気配を一向に見せていない。 政府関係者の間でも、「大規模な財政出動が必要」との声が出てきている(9月19日付日本経済新聞)のにもかかわらずに、である。 その原因として挙げられるのは、「習近平国家主席が2008年に実施された4兆元規模の景気刺激策のことを苦々しく思っている」との見立てだ。 習氏の景気刺激策に対する評価は、「中国の国民は苦労せずに資金を得ることばかりを考える『パラサイト(寄生虫)』になった。社会全体に浪費と汚職が蔓延し、巨額の債務だけが残った」という散々なものだからだ(9月27日付ニューズウイーク日本版)。) 輸出拡大も期待できず、政府の下支えがなければ、中国経済が深刻なデフレに陥るのは時間の問題だろう。 日本は長期にわたりデフレに苦しんだが、賃金が上がらなくても労働意欲の目立った低下はなく、幸いなことに、社会全体に深刻な混乱が起きることはなかった。日本には「デフレ耐性」があったというわけだが、中国にこのような耐性があるとは思えない(9月28日付日本経済新聞)』、「習氏の景気刺激策に対する評価は、「中国の国民は苦労せずに資金を得ることばかりを考える『パラサイト(寄生虫)』になった。社会全体に浪費と汚職が蔓延し、巨額の債務だけが残った」という散々なものだからだ・・・。) 輸出拡大も期待できず、政府の下支えがなければ、中国経済が深刻なデフレに陥るのは時間の問題だろう・・・日本には「デフレ耐性」があったというわけだが、中国にこのような耐性があるとは思えない」、なるほど。
・『中国「EV墓場」問題がさらに深刻になる  足元の動向で気になるのは、資金繰りに窮した地方政府が庶民の懐を圧迫し始めていることだ。地方政府は資金の確保に焦るあまり、意味不明の罰金や違反切符を科していることが問題になっている(9月27日付BUSINESS INSIDER JAPAN)。 筆者は以前のコラムで「電気自動車(EV)の大量廃棄(EV墓場)」を取り上げたが、この問題はさらに深刻化しそうな気配だ。) 9月21日付中国新聞週刊は「中国各地のEV充電スタンドの料金が2倍となり、EVを手放す所有者が出始めている」と報じた。値上げの原因は、電気料金そのものではなく、充電サービスのための料金だ。 充電サービス料金は「設備の運営費用を賄うために充当される」とされているが、カネ不足に悩む地方政府が「取れるところから取る」とばかりに理不尽な値上げを実施しているのかもしれない。 日々の生活が苦しくなっている中、「お上」の搾取にあえぐ人々の不満は高まるばかりだろうが、これに対し、中国政府は思想や行動に対する「引き締め」のさらなる強化で乗り切ろうとしている』、「「中国各地のEV充電スタンドの料金が2倍となり、EVを手放す所有者が出始めている」と報じた。値上げの原因は、電気料金そのものではなく、充電サービスのための料金だ。 充電サービス料金は「設備の運営費用を賄うために充当される」とされているが、カネ不足に悩む地方政府が「取れるところから取る」とばかりに理不尽な値上げを実施しているのかもしれない・・・カネ不足に悩む地方政府が「取れるところから取る」とばかりに理不尽な値上げを実施しているのかもしれない。 日々の生活が苦しくなっている中、「お上」の搾取にあえぐ人々の不満は高まるばかりだろうが、これに対し、中国政府は思想や行動に対する「引き締め」のさらなる強化で乗り切ろうとしている』、「経済」を軽視する「習近平」ならやりかねない。
・『犯罪の増加が止まらない…!  中国政府は「我が国の犯罪率は世界最低水準だ」と豪語しているが、刑事裁判で審理された人数が2001年の約74万人から2021年には170万人超に急増したという「不都合な真実」がある。 中国政府は近年、国防費を上回る予算を社会秩序維持のために投じているが、犯罪者数の増加は止まらない。刑務所も過密化し、再犯を防ぐ更生の役割を果たせていない有様だ(9月30日付共同通信)。 治安悪化に歯止めがかからない状態の下で深刻なデフレが発生すれば、耐性を持たない中国社会は大混乱に陥ってしまうのではないだろうか。 さらに連載記事『習近平、打つ手なし…!中国製EVが「バカ売れ」するウラで、中国で「EV墓場」が大問題になっていた!』では、EV先進国と称される中国が抱える本当の姿を詳しくお伝えしよう』、「刑事裁判で審理された人数が2001年の約74万人から2021年には170万人超に急増したという「不都合な真実」がある・・・治安悪化に歯止めがかからない状態の下で深刻なデフレが発生すれば、耐性を持たない中国社会は大混乱に陥ってしまうのではないだろうか」、「経済」音痴の「習近平」の自業自得ともいえるが、隣国の日本としては「大混乱」は何とか回避してほしいところだ。
タグ:藤 和彦氏による「習近平、まさかの「愚策」…!ついに政府が認めた「不動産バブル」のヤバすぎる実態と「経済見殺し政策」の悲惨な中身」 現代ビジネス 経済よりも政治基盤の強化を重視しているようにもみえる・・・債務問題が深刻化すると、支出を減らして負債の返済を急ぐ企業や国民が増えるだろう。バランスシート調整・・・へのプレッシャーが強まり、デフレ経済が深刻化する可能性は高い・・・人民元の下落をきっかけに、世界的にリスクオフが発生する可能性は無視できない」、恐ろしいシンリオだ。 「現在、中国の年金や医療など、社会保障制度に対する国民の不安は徐々に高まっているようだ。そうした状況下、習政権は金融緩和によって不動産企業や、地方政府傘下の融資平台(LGFV)などの投資会社の借り入れを支援し、経済環境の悪化を食い止めようとしている。 今のところ、金融緩和政策の効果は顕在化していない。むしろ、債務問題は深刻化しそうだ。習政権は不良債権処理や構造改革に関する踏み込んだ政策を発表していない。 (注)3つのレッドライン:中国政府が2020年8月、不動産大手企業に対し、財務指標で規制(エコノミストOnline)。 「「中国各地のEV充電スタンドの料金が2倍となり、EVを手放す所有者が出始めている」と報じた。値上げの原因は、電気料金そのものではなく、充電サービスのための料金だ。 充電サービス料金は「設備の運営費用を賄うために充当される」とされているが、カネ不足に悩む地方政府が「取れるところから取る」とばかりに理不尽な値上げを実施しているのかもしれない・・・カネ不足に悩む地方政府が「取れるところから取る」とばかりに理不尽な値上げを実施しているのかもしれない。 「習氏の景気刺激策に対する評価は、「中国の国民は苦労せずに資金を得ることばかりを考える『パラサイト(寄生虫)』になった。社会全体に浪費と汚職が蔓延し、巨額の債務だけが残った」という散々なものだからだ・・・。) 輸出拡大も期待できず、政府の下支えがなければ、中国経済が深刻なデフレに陥るのは時間の問題だろう・・・日本には「デフレ耐性」があったというわけだが、中国にこのような耐性があるとは思えない」、なるほど。 「20年8月の「3つのレッドライン」をきっかけに、不動産バブルは崩壊に向かい始めた。不動産業界、地方政府の債務問題は深刻化し、理財商品などがデフォルトする懸念が高まった。「理財商品には政府の“暗黙の保証”が付いている」といった個人投資家の思い込みは強く、それもあってなおさら理財商品や信託商品市場の悪化が、共産党政権の求心力の低下につながるとみられている」、なるほど。 「「中国経済の日本化」という指摘は、不動産バブルの崩壊が災いして長期不況に陥るリスクが生じているという懸念から生じたものだ。だが、ここに来て「『日本化』すら達成できないのではないか」との危惧の念が高まっている」、なるほど。 「7月下旬以降、人民元の下落圧力は強まった。不動産開発大手の碧桂園・・・や、恒大集団・・・の経営不安が上昇したからだ。債務不履行への懸念が、信託商品や理財商品のデフォルトリスクを急上昇させた。一部の信託商品は実際にデフォルトしデモも起きた)、なるほど。 の藤 和彦氏による「習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と、「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身」 「人民元下落の背景には、中国経済の閉塞感が日増しに強くなっていることがある。中国経済の高成長を支えたメカニズム(経済構造)は限界を迎えている。不動産バブルは崩壊に向かいつつあり、それに伴い、高金利の信託商品や理財商品のデフォルト懸念が上昇している。 また、半導体分野における米中対立や地政学リスクの上昇、人件費上昇など複数の要因が絡み合い、中国が誇った「世界の工場」としての地位は低下した」、なるほど。 「世界の経済学者から「日本化だ」と指摘されるが、ここにきて「日本化」どころではない、さらにひどい状況に陥りそうだと言われ始めている・・・中国では日本のようなデフレ耐性がなく、社会混乱を招くと懸念されている」、恐ろしいことだ。 「市場関係者の間では「中国経済は最悪期を脱した」との観測が出ているが、筆者は「期待外れに終わる可能性が高い」と考えている。 中国経済の屋台骨を担ってきた不動産市場の闇が、とてつもなく深いからだ」、なるほど。 「若年層の失業率の公表を一時中止」、やはり中国経済の実態は予想以上に酷いようだ。 真壁昭夫氏による「中国が臭いものにフタ?若年失業率の公表「突然中止」で中国経済不信が止まらない」 ダイヤモンド・オンライン 「「バブル崩壊後の日本は高成長を続ける中国への輸出拡大で恐慌を回避できたが、今の中国には輸出拡大が期待できる国が見当たらない」というのがその理由だ(9月29日付日本経済新聞)」、なるほど。「筆者はこうした状況を放置し、景気対策に後ろ向きな中国政府の姿勢に、長期停滞の最大の要因があると考えている。 それは「経済見殺し政策」と言っても過言ではない最低の悪手である」、同感である。 「刑事裁判で審理された人数が2001年の約74万人から2021年には170万人超に急増したという「不都合な真実」がある・・・治安悪化に歯止めがかからない状態の下で深刻なデフレが発生すれば、耐性を持たない中国社会は大混乱に陥ってしまうのではないだろうか」、「経済」音痴の「習近平」の自業自得ともいえるが、隣国の日本としては「大混乱」は何とか回避してほしいところだ。 日々の生活が苦しくなっている中、「お上」の搾取にあえぐ人々の不満は高まるばかりだろうが、これに対し、中国政府は思想や行動に対する「引き締め」のさらなる強化で乗り切ろうとしている』、「経済」を軽視する「習近平」ならやりかねない。
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JR一般(その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が ここまで「誹謗中傷」された理由【牧久×森功対談】、「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】、JR東日本 “列車内へ持ち込み禁止の危険物 改めて周知”) [産業動向]

JR一般については、昨年4月24日に取上げた。今日は、(その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が ここまで「誹謗中傷」された理由【牧久×森功対談】、「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】、JR東日本 “列車内へ持ち込み禁止の危険物 改めて周知”)である。

先ずは、本年2月6日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの森 功氏と牧久氏の対談「「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/105635?imp=0
・『「国商」という耳慣れない言葉がいま話題になっている。ジャーナリスト森功氏の最新刊『国商 最後のフィクサー葛西敬之』に由来する言葉だ。 日本有数とはいえ、一企業のトップにすぎない葛西氏がなぜ、フィクサーとして長きにわたり安倍政権を裏で操ることができたのか。『国商』はその理由を膨大な取材とともに精緻に描き出している。同書にも出てくるが、葛西氏がJR内で大きな力を持てた源泉は、「国鉄分割民営化」を先頭に立って進めたことにある。「国鉄改革三人組」と呼ばれた男たちがいる。葛西氏、JR東日本元会長・社長の松田昌士氏、JR西日本元会長・社長の井手正敬氏の三人だ。 「国鉄改革」は、当時組合の第二勢力だった「動労」の協力なくしては果たせなかった。動労とはすなわち革マル勢力であり、そのトップが松崎明だった。 松崎と改革三人組の関係は、これまでも様々に論じられてきた。だが、本当のところはいまひとつよくわからない。 今回、森氏と、『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』著者の牧久氏が、松崎と三人組の「本当の関係」についてとことん語り合う。 前回記事【ばら撒かれた不倫写真…「革マル」松崎明が、自分を裏切ったJR東海・葛西敬之への復讐と、「国鉄改革三人組」との本当の関係 牧久×森功対談】』、興味深そうだ。
・『松崎は葛西をどうしても許せなかった  牧 葛西氏はね、国鉄改革の際に、あまりにもいいように松崎を使ってしまったんです。それがあったから、裏切ったあとの反動も大きかった。 森 労使共同宣言ですね。国鉄改革のときに葛西たちが松崎に協力を仰ぎ、動労が分割民営化賛成に回った。それは労働界を牛耳りたい松崎にとって最大勢力の労働組合だった国労が邪魔だったという裏返しなのでしょうね。 牧 はい。とにかく最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です。 森 松崎は「膨大な余剰人員の雇用をどう確保するのか。まず労使の決意を示し、世間にお願いするほかない。雇用確保のためなら、蛇といわれ仏といわれようが、この姿勢は貫く」と声明を出し、労使共同宣言に調印します』、「国鉄改革のときに葛西たちが松崎に協力を仰ぎ、動労が分割民営化賛成に回った。それは労働界を牛耳りたい松崎にとって最大勢力の労働組合だった国労が邪魔だったという裏返しなのでしょうね。 牧 はい。とにかく最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です」、「動労」がライバル「国労」を潰すため、「分割民営化賛成に回った」というのは労働者への裏切りもいいところだ。
・『JR東の初代社長はこうして革マルに絡めとられた  牧 葛西氏は当時、職員局次長という立場でしたが、あれは見事でした。国労を含め動労、鉄労、全施労など主要組合の委員長を国鉄総裁室まで呼び入れて、「労使共同宣言にお前、ハンコつけ」って迫ったわけです。 森 労使共同宣言は、「これからはもうストやりません」という内容だったわけで、国労には呑めないですよね。 牧 葛西氏がうまかったのは、国労にも分裂する要素があったんです。いくつかの派閥に分かれていて、労使共同宣言に調印すべき、という穏健派もあった。しかし、共産党系や、社会党系のなかでも向坂派と呼ばれる強硬派は反対だった。 森 そういう背景をわかっていたからこそ、「ハンコをつけ」と無理やり迫ったら、国労が分裂することも読めていたんですね。当時、葛西氏は40そこそこだったことを考えると、相当の策謀家だと認めざるをえない。 牧 策謀は過激派の専売特許ですから、葛西にいいように利用され操られた挙げ句、裏切られたとなっては、松崎としても革マル内での立場を失う。そこで、「葛西はとんでもない変節漢で人間のクズのような男である」と言いふらし、嫌がらせを始めたというわけです。 森 井手さんは松崎を最初から最後まで信用していなくて、葛西はおそらく、一度は本気で手を組んだけど、手に負えなくて裏切った。これまでの話を総合するとそういうことになりますが、では、JR東日本(元会長・社長)の松田昌士さんはどうだったのでしょう。 牧 かつて週刊文春が「JR東日本に巣食う革マル」というキャンペーンをやってキオスクから排除されたり、その後もジャーナリストの西岡研介氏が『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』という本を出版し、革マルにいちばんやられたのはJR東日本、というイメージが一般的にはあります。しかし私は、改革三人組の中で松田氏こそが、松崎と本当に人間として付き合い、最後まで一定の信頼関係を築いていた人だったと思うのです。 森 ほう、それは非常に興味深い。松田さんと松崎の関係については、巷間伝えられるほど単純ではない気がしてなりません。古手のJR東日本元役員たちに取材すると、「松崎に抱き込まれたというのは東海の葛西が意図的に流しているだけだ」と口をそろえて言いました。そこは不明な点が今も多い。 牧 松田さんの話に入る前に、まずはJR東日本初代社長の住田正二氏の話をしなければなりません。) 森 国鉄改革を進めた中曽根康弘に非常に近く、旧運輸省の元事務次官として、JR東日本の初代社長に収まった住田氏ですね。 牧 そもそも住田氏が運輸次官として国鉄分割民営化にあそこまで協力したのは、国鉄官僚たちが嫌いだったからです。運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです。 森 なるほど、それもあって、中曽根は住田氏を分割民営化に利用したわけですね。そしてJR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう。最初に松崎と関係を築いたのは松田ではなく住田だったわけですね。 牧 そうです。松崎は組合大会に住田氏を呼ぶんです。そうして、これからの労使関係はどうあるべきかということを、松崎がぶつわけです。労使はある意味対等だ、「ニアリーイコールだ」とね。 森 対決ではなくニアリーイコールだ、というのは、労使関係を曖昧にする松崎のうまい戦略です。 牧 組合員の前で、「それでよろしいですね、住田さん」とまず先にやられて、住田氏は「その通りだ」と言っちゃって、後戻りができなくなるわけです。 「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】に続きます』、「労使共同宣言は、「これからはもうストやりません」という内容だったわけで、国労には呑めないですよね。 牧 葛西氏がうまかったのは、国労にも分裂する要素があったんです。いくつかの派閥に分かれていて、労使共同宣言に調印すべき、という穏健派もあった。しかし、共産党系や、社会党系のなかでも向坂派と呼ばれる強硬派は反対だった。 森 そういう背景をわかっていたからこそ、「ハンコをつけ」と無理やり迫ったら、国労が分裂することも読めていたんですね。当時、葛西氏は40そこそこだったことを考えると、相当の策謀家だと認めざるをえない」、なるほど。「運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです。 森 なるほど、それもあって、中曽根は住田氏を分割民営化に利用したわけですね。そしてJR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう」、「運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあった」、初めて知った。

次に、この続きを、2月6日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの森 功氏と牧久氏の対談「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/105636?imp=0
・『・・・前回記事【「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由 牧久×森功対談】 森 松田さんに近い元JR東日本の役員たちを取材すると、北海道出身で北海道大卒でもある松田さんは分割民営化されたあとはJR北海道の赴任を希望していたそうです。あまり野心のない人だったといいます。その後、松田さんがJR東日本の社長になって否応なく松崎と対峙しなければならなくなったわけですが、住田前社長時代にズブズブだった松崎との関係を、松田さんは清算しようとしなかったんですか? 牧 そもそも、松田さんは最初、鉄労と手を組もうとしていました。しかし、途中から松崎率いる総連とベッタリになる。その時に何があったんだ、というのは、当時からいろんな憶測が流れました。その中でやはり世間の耳目を引いたのは、「松田が革マルに脅された」という説です。 森 松田さんが日経新聞に書いた「私の履歴書」も話題になりましたね。孫が水を怖がるようになって、理由を聞いたら、プールの監視員に頭を押さえつけれた、と……。 牧 でもあれは、よく読むと、明らかに「犯人は国労の組合員じゃないか」ということを松田さんは匂わせていました。) 森 そうですね。私が松田さんの元秘書に聞いた時も、「あれは国労の話ですよ」とハッキリ言っていました。ただし、嫌がらせの時期が不明なので、犯人が国労なのか、動労なのか、よくわからない書き方をしています。なのでJR東海の幹部は「あれはあからさまに動労に脅されたとか書けないから、松田さんが曖昧にしたのではないか」とも話していました。 牧 たしかに国労の仕業と断定はしていない。そしてもう一つ、強烈な情報が流れます。松田さんの孫が誘拐されて、高速道路の中央分離帯に置かれていた、というのです。 森 私も、話としては小耳に挟んだことはあります。そういうことが、本当にあったんですか。 牧 そういう情報が流れたのは事実です。一生懸命流していたのは、読売新聞社会部の某記者でした。当時、我々社会部(註・牧氏は当時、日経新聞社会部の国鉄担当)は当然、裏取りに奔走しました。 森 さすがに、孫が誘拐されて高速道路の真ん中に置かれたりしたら、警察に言わないわけはない。裏取りは警察筋ということになりますね。 牧 そうです。警察にさんざん裏取りをした結果、その情報はガセだと、私たち担当記者は判断しました。でもこの話は情報としてかなり広まったから、井手さんなんかも最初は事実だと信じちゃっていました。その意味では、情報を流した人間が「松田は革マルの脅しに屈した」と広めるのが目的だったとしたら、その目的はある程度果たされたことになります。 森 「松田が松崎の脅しに屈して、JR東日本は革マルに支配された」という情報が流れて得をする人間は誰か。もちろん、葛西氏の性格からしてデタラメな情報を自ら流すということはあり得ないですが、得をするという意味では、葛西氏も当てはまりますね。 牧 そうですね、自分もさんざん脅されて恥をかいたから、そのことを払拭したいという思いを葛西氏は当時、抱いていたのは間違いない。 森 JR東海関係者の中には、JR東日本が革マルにめちゃめちゃにされている、という話を嬉々として語る人が結構います。天皇・葛西氏好みの話だからかもしれませんね。 東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? R東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】に続きます』、「松田さんの孫が誘拐されて、高速道路の中央分離帯に置かれていた、というのです・・・警察にさんざん裏取りをした結果、その情報はガセだと、私たち担当記者は判断しました・・・自分もさんざん脅されて恥をかいたから、そのことを払拭したいという思いを葛西氏は当時、抱いていたのは間違いない」、「ガセ」までが流れるとは泥沼の争いだったようだ。

第三に、この続きを、2月6日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの森 功氏と牧久氏の対談「東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/105637?imp=0
・『・・・松田昌士が死の間際に残した証言  牧 話が少し逸れましたが、それで肝心の、松田さんの話です。僕が『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』を書いていたとき、松田さんはもうかなり身体を悪くしていました。だから、これが最後の取材になるかも、という思いでハッキリと聞いたんです。 「結局、松崎とあなたの関係は、いつからどうだったんですか。みんな、あなたが脅されていたと言うけれど、本当のところはどうだったんですか」と。 森 ほう、それに松田さんは答えたのでしょうか。 牧 彼は、鉄労の志摩委員長を裏切ったあとに、松崎明と二人きりで酒を酌み交わした、と明かしてから、こんな話をしました。 「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ。松崎が死んだときには、俺は花束を持ってたった一人で松崎の墓参りに行ってきたんだ」) 森 それはすごい証言です。牧さんの本にも、そこまでは書いてませんでしたね。 牧 あのときは松田さんは存命だったからここまで詳しくは書けなかったけれども、松崎を人間として信頼していたという肝になる部分を文章にして、松田さんに持って行って、確認までしているんです。「松田さん、こう書きますけどよろしいですか」って。そうすると松田さんは「この通りだ。これはこの通りだから。俺はあそこでお互いに信用して、手を結んだんだ」と。 森 死の間際にそこまで言うのなら、真実味があります。 牧 改革三人組の、松崎に対するスタンスの違いを見てもわかるように、葛西氏は「謀略家」の側面があり、権力欲が非常に強く、森さんの「国商」という表現はとても的を射ていると思う。彼がこれまでやってきたことは礼讃されるばかりではなく、きちんと検証されなければなりません。 森 そうですね、本人も『未完の国鉄改革』という本を書いていますが、国鉄分割民営化はあくまで「組合潰し」を目的にやったことで、経営を突き詰めて考えてやったわけじゃない。その歪が、JR本州3社以外の経営の逼迫に如実に表れています。 牧 もう一つの問題が、リニア(中央新幹線)です。葛西氏がいなくなった今、リニア本当にやるんですかって話にまでいくんじゃないかと思ってますけどね。 森 そうですね、これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします。 連載第1回【安倍晋三を裏で操った「最後のフィクサー」JR東海・葛西敬之の知られざる正体…安倍が「国士」と称えた男が最期に抱えていた“爆弾”】から読む)』、「「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ」、なるほど。「これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします」、私も「リニア」不要論である。

第四に、10月10日付けNHK「JR東日本 “列車内へ持ち込み禁止の危険物 改めて周知”」を紹介しよう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231010/k10014220901000.html
・『9日に、東北新幹線の車内で乗客のかばんから薬品が漏れて6人が病院に搬送されたトラブルを受け、JR東日本の深澤社長は、列車内への持ち込みが禁止されている危険物について、改めてポスターや構内放送を通じて周知していく考えを示しました。 9日に仙台駅付近を走行していた東北新幹線の車内で、乗客のかばんから薬品が漏れ、5歳の子どもら4人がやけどをしたほか、2人が体調不良を訴えて病院に搬送されました。 薬品は、乗客の会社員が仕事に使うため、ペットボトルのような容器に入れて持ち込んだもので、現場で調べたところ、硫酸の可能性がある成分が検出されたことが消防への取材でわかっています。 当時の対応について、JR東日本の深澤祐二社長は10日の定例会見で「今後、検証したいが、まず現場に駆けつけた車掌からの情報が、運転士や指令に共有され、駅に停車したあと速やかに対応できたと思う」と述べました。 JR東日本は、列車内への危険物の持ち込みについて規則を設けていて、硫酸などは密閉した容器に入れ、破損するおそれのないようにした500ミリリットル以内のもの以外は禁止しています。 これについて深澤社長は「飛行機のような全員への手荷物検査は難しい」としたうえで、ポスターや構内放送を通じて改めて周知していくほか、今後、警備犬の配置なども検討する考えを示しました』、「硫酸などは密閉した容器に入れ、破損するおそれのないようにした500ミリリットル以内のもの以外は禁止」、今回のは「ペットボトルのような容器に入れて持ち込んだ」、というのでは、ルール違反になるのではなかろうか。
・『専門家「持ち込み禁止の危険物 改めて発信を」  鉄道の安全対策に詳しい関西大学の安部誠治 名誉教授は「走行中の新幹線の中で持ち込んでいた薬品が漏れて複数の乗客が負傷したケースは非常に珍しい。仕事として薬品を運ぶ場合は多くの人が利用する新幹線ではなく、自社の車や専用車などで運ぶことが適当だ。今回、漏れた原因を調べ、新幹線に持ち込むべきでない危険なものであれば、同じような会社などに対しても持ち込まないことなどルールを守るよう改めて呼びかける必要がある」と指摘しています。 また、同様のトラブルを防ぐための安全対策について、新幹線で手荷物検査を行うことはコストや運行への影響の面で現実的ではないとしたうえで「鉄道事業者も持ち込みを禁止している危険物について駅構内にわかりやすく掲示するなど広報を強化するほか、利用する側も安全に利用するため自分の手荷物が持ち込んでいいものかどうかしっかり確認する必要がある」と話しています』、今回は地質調査会社の社員が職務上の必要性で持ち込んだようだ。いずれにしても、ルールを明確化し、周知させる必要がありそうだ。
タグ:だから、俺が社長のときに、彼らが俺に大きな迷惑をかけるような大闘争をやったこともないし、俺が聞いてくれって言ったら聞いてくれるところもたくさんあった。だから、俺はそれから松崎を信用して、手を結んだんだ」、なるほど。「これから人口も減って、リモートワークも当たり前になる中で、東海道新幹線のほかにリニアが必要ですか、という声が上がるのは当然です。葛西さんはリニアのような国家プロジェクトは俺がやらなければ他にできない、とまで言ってきた自信家でした。 その葛西氏が「国商」として最後に見ていた夢が、リニアでした。彼が天皇として君臨していた間にはできなかった本質的な議論を、いまこそすべきでしょうし、今年はリニアの検証元年になる気がします」、私も「リニア」不要論である。 JR一般 「労使共同宣言は、「これからはもうストやりません」という内容だったわけで、国労には呑めないですよね。 牧 葛西氏がうまかったのは、国労にも分裂する要素があったんです。いくつかの派閥に分かれていて、労使共同宣言に調印すべき、という穏健派もあった。しかし、共産党系や、社会党系のなかでも向坂派と呼ばれる強硬派は反対だった。 「動労」がライバル「国労」を潰すため、「分割民営化賛成に回った」というのは労働者への裏切りもいいところだ。 森 功氏と牧久氏の対談「東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論」 (その2)(「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が ここまで「誹謗中傷」された理由【牧久×森功対談】、「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】、東海道新幹線があるのに、本当にリニアが必要なのか? JR東海の天皇・葛西敬之なき今だからこそすべき議論【牧久×森功対談】、JR東日本 “列車内へ持ち込み禁止の危険物 改めて周知”) 「国鉄改革のときに葛西たちが松崎に協力を仰ぎ、動労が分割民営化賛成に回った。それは労働界を牛耳りたい松崎にとって最大勢力の労働組合だった国労が邪魔だったという裏返しなのでしょうね。 牧 はい。とにかく最大労組の国労を潰すためには、それ以外の労組と手を組まなければならない。そこで、国労に対する意地悪な動きを全部やるわけです。国労が分裂するように持っていくんだね。その総仕上げとも言えるのが、労使共同宣言です」、 「松田さんの孫が誘拐されて、高速道路の中央分離帯に置かれていた、というのです・・・警察にさんざん裏取りをした結果、その情報はガセだと、私たち担当記者は判断しました・・・自分もさんざん脅されて恥をかいたから、そのことを払拭したいという思いを葛西氏は当時、抱いていたのは間違いない」、「ガセ」までが流れるとは泥沼の争いだったようだ。 森 功氏と牧久氏の対談「JR東日本・松田昌士の孫が誘拐されて高速道路の中央分離帯に置かれた」…読売新聞社会部の記者が流したウワサの真実【牧久×森功対談】」 森 なるほど、それもあって、中曽根は住田氏を分割民営化に利用したわけですね。そしてJR東の初代社長となった住田氏は、まんまと松崎に籠絡されてしまう」、「運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあった」、初めて知った。 「「とんでもない変節漢で人間のクズ」…JR東海・葛西敬之が、ここまで「誹謗中傷」された理由」 森 そういう背景をわかっていたからこそ、「ハンコをつけ」と無理やり迫ったら、国労が分裂することも読めていたんですね。当時、葛西氏は40そこそこだったことを考えると、相当の策謀家だと認めざるをえない」、なるほど。「運輸省から国鉄が公共事業体として分かれた時に、優秀な官僚はみんな国鉄に行ったと言われた。そこで運輸省に残された住田氏には、国鉄官僚に対する強烈なコンプレックスがあったんです。 「硫酸などは密閉した容器に入れ、破損するおそれのないようにした500ミリリットル以内のもの以外は禁止」、今回のは「ペットボトルのような容器に入れて持ち込んだ」、というのでは、ルール違反になるのではなかろうか。 今回は地質調査会社の社員が職務上の必要性で持ち込んだようだ。いずれにしても、ルールを明確化し、周知させる必要がありそうだ。 NHK「JR東日本 “列車内へ持ち込み禁止の危険物 改めて周知”」 「「松崎に革マル疑惑を単刀直入に問い質したら、『自分は今でも革マル派である』と率直に告白をした。そのうえで、『あなたは住田のあと社長になるんだ。社長になった時に、我々(革マル)はあなたに迷惑は一切かけない。ストもやらない。あなたに協力する。だからあなたも我々の言うことを聞いてくれ』と言うから、お互いに協力し合おうということで手を結んだんだ。 現代ビジネス
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携帯・スマホ(その13)(「楽天ってやばいんでしょ モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #1、楽天カードマンでも、米倉涼子でもない…楽天・三木谷浩史の「テレビCM嫌い」を変えた“意外な人物”の正体 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #2、楽天に蔓延する「不正連鎖」の闇 今度はモバイル部門で発覚した金銭着服の全構図) [イノベーション]

携帯・スマホについては、本年9月10日に取上げた。今日は、(その13)(「楽天ってやばいんでしょ モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #1、楽天カードマンでも、米倉涼子でもない…楽天・三木谷浩史の「テレビCM嫌い」を変えた“意外な人物”の正体 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #2、楽天に蔓延する「不正連鎖」の闇 今度はモバイル部門で発覚した金銭着服の全構図)である。

先ずは、本年9月11日付け文春オンラインが掲載したノンフィクション作家の大西 康之氏による「「楽天ってやばいんでしょ。モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/65584?logly=&ref=article_link
・『2022年度の通期決算で、モバイル事業の営業損益は4928億円の赤字……。現状は多くの日本人から「失敗事業」と捉えられている楽天モバイル。しかし同事業の成功を、三木谷浩史が信じる理由とは? ノンフィクション作家の大西康之氏の新刊『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)』、興味深そうだ。
・『商談  2023年2月27日、スペイン・バルセロナで世界最大の通信ビジネス国際見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が始まった。 会場の「フィラ・デ・バルセロナ」は36万平方メートルという広大な敷地に巨大なホールが立ち並ぶ。MWCには毎年、世界200ヵ国から6万~8万人の通信事業の関係者が集まり、最先端のテクノロジーを競い合う。 午前11時15分、「楽天グループ」会長兼社長の三木谷浩史を乗せた黒いベンツのワンボックスカーがVIP受け付けの車寄せに滑り込んできた。初日ということもあり、入り口は黒塗りの車でごった返し、三木谷の到着は予定より少し遅れた。 三木谷を出迎えたのは、2022年にグローバルセールス・マーケティング統括として楽天グループに加わったラビー・ダブーシ。米通信大手「シスコシステムズ」の幹部でスマートシティ戦略を推進してきた。シスコ中興の祖ジョン・チェンバースの懐刀だったが、チェンバースが引退するとき、シスコの同僚だった楽天グループ副社長、平井康文の誘いで「楽天モバイル」に移籍した。世界の通信業界で、このジェイソン・ステイサム風のスキンヘッドの男を知らない者はいない。 三木谷は会場で待ち受けていた広報担当者に手渡されたミーティング資料に目を通しながら、人の波をかき分け猛烈なスピードで進む。後ろから三木谷の秘書が駆け足で追いかける。突然、三木谷が振り向く。 「えっと、この人のファースト・ネームはなんだっけ?」 「こちらです」 すかさず広報がファイルの当該ページを指す。 「これ、なんて読むの?」 欧州の携帯電話大手のCFOだ。楽天モバイルのブースに到着すると、楽天モバイルCEOのタレック・アミンと楽天シンフォニーのアメリカ支社長、アジータ・アルバニが待ち構えていた。アミンはヨルダン出身で米国、インドの通信大手を渡り歩き、「携帯電話ネットワークの完全仮想化」という画期的なアイデアを携えて2018年に楽天入りした。優雅にブロンドを靡かせるアルバニは、フィンランドの携帯大手「ノキア」でイノベーション事業を担当していた。 4人は一言二言、言葉をかわすと、顧客が待つブースの会議室に入った。 「お待たせして申し訳ありません。車がものすごく混んでしまって」 三木谷はいつものように英語で商談を始めた。 MWCの楽天ブースで次から次へと商談をこなしていた三木谷は、一瞬だけブースの部屋から顔を出し、筆者に声をかけてきた。 「連れション行かない?」 個別インタビューの時間が取れないから、三木谷なりに気を遣ったのだろう。2人でトイレを目指す。 「すごい過密スケジュールですね」 「そうね。関心を持ってもらっているのはありがたい」』、「この人のファースト・ネームはなんだっけ?」・・・ 「これ、なんて読むの?」、確かにスペリングだけでは、「発音」は分からない。「三木谷は、一瞬だけブースの部屋から顔を出し、筆者に声をかけてきた。 「連れション行かない?」 個別インタビューの時間が取れないから、三木谷なりに気を遣ったのだろう」、マスコミ対策もずいぶん凝った仕掛けだ。
・『世界が「楽天モバイル」に注目する理由  アジアの東の端で、最後発で携帯電話事業に参入した楽天モバイルが、世界中の注目を集めている。それは「携帯ネットワークの完全仮想化」という、これまで誰もやったことのないイノベーションを商用ベースで実現したからだ。 「仮想化」とは簡単に言うと、ハードをソフトに置き換えることだ。たとえば、1980年代初めは、誰もが「書院」とか「オアシス」といったワープロ専用機を使っていたが、1985年ころからはパソコンにインストールされた「一太郎」や「ワード」といった日本語ワープロソフトを立ち上げて文書を作成するようになった。「キーボードを叩いて文字を書く」という作業がハードウェアからソフトウェアに置き換わったわけだ。 どんなパソコンでも文書が作成できるようになったように、楽天モバイルの通信技術は、基地局に高価な専用機器を使わなくても、汎用サーバとソフトウェアだけで携帯電話の通信を可能にした。この状況は、かつて大企業や中央官庁で標準的に使われた大型コンピューターを中心とする「メインフレーム・システム」が、1990年代にはパソコンとサーバをネットワークした「クライアント・サーバ・システム」に置き換わっていったこととよく似ている。 中央集権的なメインフレーム・システムの場合、それにつながる端末からデータを蓄積するストーレージ、果てはプリンターまで周辺機器を含め、すべてをひとつのメーカーの仕様に合わせなくてはならなかった。その生態系の頂点に君臨したのが米IBMであり、IBMのメインフレームを選んだユーザーは、システム丸ごとの構築をIBMに委ねるしかなかった。 これに対して、ほとんどのデータ処理をソフトウェアがこなすクライアント・サーバ・システムでは、ユーザーはさまざまなメーカーの機器を自由に組み合わせて使用することが可能になった。競争状態が生まれることでシステムの投資負担は劇的に引き下がる。 既存の携帯ネットワークはメインフレーム・システムと同じ中央集権型である。携帯電話事業者は、通信機器メーカーの大手─「ノキア」、「エリクソン」、「華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)」の3社で世界シェアの8割を占める─に通信設備を発注すると、メーカー1社にすべてを丸投げすることになる。) 一方、楽天モバイルの完全仮想化ネットワークはクライアント・サーバ・システムと同じ分散型だ。携帯電話会社は好きなメーカーの安い汎用サーバを自由に組み合わせてネットワークを構築することができる。業界用語でこれを「Open RAN(オープン・ラン=機器の組み合わせが自由な無線アクセス・ネットワーク)」と呼ぶ。 設備投資は既存の通信ネットワークに比べ30%安くなり、運用・管理コストは40%安くなる。楽天は「楽天シンフォニー」という会社を作り、この技術をパッケージにして海外の通信会社に売り込んでいる』、「楽天モバイルの完全仮想化ネットワークはクライアント・サーバ・システムと同じ分散型だ。携帯電話会社は好きなメーカーの安い汎用サーバを自由に組み合わせてネットワークを構築することができる・・・設備投資は既存の通信ネットワークに比べ30%安くなり、運用・管理コストは40%安くなる」、なるほど。
・『追い風  場面をバルセロナのMWCに戻そう。トイレに着くと三木谷は用を足しながらこう呟いた。 「去年まで(の商談相手)は、お手並み拝見という感じだったけど、今年は本気で導入を考えている。真剣さが違う」 装置産業である携帯電話事業は設備に莫大なカネがかかる。日本の通信大手で言えば、年間のインフラ投資は5000億円近い。それが3割安ければ3500億円で済む。 ワープロと同じように携帯電話ネットワークもハードからソフトに置き換わる。それは通信業界共通の認識だった。しかし、ランダムに移動する何千万台もの端末を捕まえる携帯ネットワークの仮想化は物理的には凄まじくむずかしい。通信大手のほとんどがこの技術に取り組んでいたが、「実用化するのはまだ数年は先のこと」だと考えていた。 ところが門外漢の楽天が世界で初めてこれに挑戦した。2020年春にサービスを本格的に開始したとき、世界の通信会社は「絶対失敗する」とたかを括っていた。だが、小さな事故はいくつか起きたものの、ネットワーク全体が何日にもわたって止まるような大きな事故はこれまでのところ起きていない。日本ではすでに500万人近い利用者が、毎日、ふつうに楽天モバイルを使っている。 「どうやらできちゃったみたいだぞ、って感じでしょ」 用を足し終えた三木谷は満足げに言った』、「ランダムに移動する何千万台もの端末を捕まえる携帯ネットワークの仮想化は物理的には凄まじくむずかしい。通信大手のほとんどがこの技術に取り組んでいたが、「実用化するのはまだ数年は先のこと」だと考えていた。 ところが門外漢の楽天が世界で初めてこれに挑戦した。2020年春にサービスを本格的に開始したとき、世界の通信会社は「絶対失敗する」とたかを括っていた。だが、小さな事故はいくつか起きたものの、ネットワーク全体が何日にもわたって止まるような大きな事故はこれまでのところ起きていない。日本ではすでに500万人近い利用者が、毎日、ふつうに楽天モバイルを使っている」、大したものだ。
・『「米中摩擦」の追い風  楽天モバイルにはもうひとつの追い風が吹いている。「米中摩擦」だ。 中国の台頭に神経を尖らせる米国は、中国の通信大手、ファーウェイを自国市場から締め出した。そこへロシアのウクライナ侵攻が重なる。 「次は中国による台湾侵攻か」と誰もが懸念せざるを得ない状況で、安全保障の要となる通信インフラで中国企業への依存を減らしたいという思惑が各国に働いている。いわゆる「チャイナ・フリー」だ。かといって価格の安いファーウェイから欧米の老舗メーカーに戻せば設備投資のコストが跳ね上がる。そこに登場したのが、安くて、地政学的に安全な日本の楽天モバイルが開発した「完全仮想化」だ。「試してみたい」と考えている国や地域は少なくない。 世界の通信大手が「完全仮想化」「Open RAN」に乗り換えた場合、その市場規模は15兆~20兆円とされる。もちろん楽天シンフォニーがそのすべてを手に入れるわけではないが、世界で最初の完全仮想化を成し遂げたアドバンテージは間違いなく存在する。) この日、三木谷は夕方の6時までぶっ通しで5件の商談を続けた。その後、アミンたち、リアルではなかなか会えない楽天幹部を集めて1時間ほどミーティングをこなし、そのまま顧客の接待に出かけた。この夜はディナーが2件。そこから、仲のいい欧州の大物起業家とバルセロナの街に繰り出し深夜まで痛飲した』、「世界の通信大手が「完全仮想化」「Open RAN」に乗り換えた場合、その市場規模は15兆~20兆円とされる。もちろん楽天シンフォニーがそのすべてを手に入れるわけではないが、世界で最初の完全仮想化を成し遂げたアドバンテージは間違いなく存在する」、確かに売り物になりそうだ。
・『世界標準の赤字  日本ではさかんに「経営難」が喧伝される楽天が海外の携帯市場では台風の目になりつつある。 三木谷は楽天市場や楽天カードで稼いだ利益を携帯事業に注ぎ込み、日本で「完全仮想化」「Open RAN」を実証した。しかし技術的に「できた」ことと「稼ぐ」ビジネスではわけが違う。2022年12月期の連結決算は最終損益が3728億8400万円の赤字。最終赤字は4期連続だ。 この赤字、三木谷にすれば「世界進出」の野望に向けたベット(賭け金)なのだが、日本のメディアは危機的な「業績不振」と見る。 〈楽天グループが苦境〉(日本経済新聞電子版2022年2月18日) 「楽天ってやばいんでしょ。モバイルの借金がすごくて」 筆者の周りでも、そう話す人が増えている。 2022年度の通期決算。モバイル事業の営業損益は4928億円の赤字だった。三木谷自身も「危機といえば危機」と認める。楽天が2022年11月と2023年1月に発行したドル建て無担保社債の利率は10.25%。2019年に発行したドル建て債の利率(3.5%)と比べると約3倍の高利、資金需要の逼迫ぶりが分かる。 だが、世界標準の見方をすれば、新規事業に挑む企業が抱える赤字としては、「健全な数字」だ。 EC(インターネット通販)大手の「アマゾン・ドット・コム」も、EV(電気自動車)の「テスラ」も創業からしばらくは大赤字が続いた。どんな企業でも、新たな事業を始めようと思えば先行投資で最初は赤字が続く。その苦しい期間を支えるのがベンチャー投資家であり銀行だ。冬の時代を耐え抜いた起業家、投資家、銀行は、事業が花開いたときに莫大な利益を手にする。これが資本主義のダイナミズムである。) テスラが廉価モデル「モデル3」の量産に苦戦し「プロダクション・ヘル(生産地獄)」に嵌まり込んでいた2017年、米国の著名なベンチャー投資家はこういった。 「われわれは鼻血が出そうな損失、涙が出そうなキャッシュ・バーン(現金燃焼)、頻繁に公表される胸が躍るようなニュースに慣れっこになっている」 3ヵ月ごとに3000億~4000億円を「燃やしていた」とされる、あの頃のテスラに比べれば、今の楽天グループの赤字など「可愛いもの」とさえ言える。 全国に7万局の基地局を開設し、販売・サービス体制を整える。全国を網羅する携帯ネットワークをゼロから作っているのだから、最初の数年が大赤字になるのは当たり前だ』、「全国に7万局の基地局を開設し、販売・サービス体制を整える。全国を網羅する携帯ネットワークをゼロから作っているのだから、最初の数年が大赤字になるのは当たり前だ」、ただ、「2023年1月に発行したドル建て無担保社債の利率は10.25%。2019年に発行したドル建て債の利率(3.5%)と比べると約3倍の高利」と、マーケットは厳しく見ているようだ。
・『「今年が山場かな」  2022年度、国内ECの営業損益は前期比36.6%増の956億円の黒字、「楽天カード」に代表されるフィンテック事業の営業損益も10.8%増の987億円の黒字。ひとつのプロジェクトが完成してキャッシュが手に入るまで何年もかかるゼネコンなどと違い、ECもフィンテックも日銭が入る商売なので、利払いに詰まることはまずない。貸し手からすれば、取りはぐれの少ないビジネスだ。 それでも銀行出身で用心深い三木谷は、外部からの出資受け入れや、楽天銀行の上場などで資本を分厚くしようとしている。 「今年(2023年)が山場かな」 苦しい資金繰りを強いられるのは2023年度まで、と三木谷は言う。その後は、設備投資が一段落し、自社のアンテナが届かない場所でKDDIのアンテナを借りている「ローミング」のコストも劇的に下がる。そして海外の通信会社に「完全仮想化」の技術が売れ始める。 楽天シンフォニーは3月1日、サウジアラビアの通信大手ザインKSAと携帯ネットワーク仮想化技術での提携を発表した。MWCの期間中、日本メディアのぶら下がり取材を受けた三木谷は、楽天シンフォニーの受注残高が4500億円に達していることを明かした。 さらに今回、三木谷はバルセロナに滞在した3日間で北米、欧州、中東、アジアの通信大手14社と商談をこなした。三木谷以外の幹部が対応した案件を加えれば100社以上とコンタクトした。やがてこれらの商談の中からも新たな成果が生まれてくる』、「「今年(2023年)が山場かな」 苦しい資金繰りを強いられるのは2023年度まで、と三木谷は言う。その後は、設備投資が一段落し、自社のアンテナが届かない場所でKDDIのアンテナを借りている「ローミング」のコストも劇的に下がる。そして海外の通信会社に「完全仮想化」の技術が売れ始める」、なるほど。

次に、この続き、9月11日付け文春オンラインが掲載したノンフィクション作家の大西 康之氏による「楽天カードマンでも、米倉涼子でもない…楽天・三木谷浩史の「テレビCM嫌い」を変えた“意外な人物”の正体『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #2」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/65585
・『楽天カードマンや楽天モバイルの米倉涼子さんなど、見る人の心に残る「印象的なCM」を発信しつづける楽天グループ。ところが、代表の三木谷浩史氏はかつて「広告もネットの時代。テレビCMは時代遅れ」と思っていたことも……。 そんな三木谷氏の心を変えた、楽天グループの超重要人物とは一体? ノンフィクション作家の大西康之氏の新刊『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)』、興味深そうだ。
・『楽天モバイル新社長は「駅前留学」の営業マン  「楽天モバイルは次のステップに進む」 三木谷がそう宣言したのが、2022年3月30日付で発令された楽天モバイルのトップ人事である。会長兼CEOだった三木谷が会長に退き、副社長のタレック・アミンがCEO、同じく副社長の矢澤俊介が社長に就任した。アミン49歳、矢澤41歳。40代のツートップである。 完全仮想化の立役者で、世界の通信業界に顔が効くアミンのCEO就任は分かる。しかしなぜ「たたき上げ」の矢澤が社長なのか。そう尋ねると、三木谷は「当たり前だろ」という表情でこう言った。 「あいつは楽天流の体現者だから」 三木谷が言う「楽天流」とは、大学の体育会さながらの「身体性」を指す。その典型が、週に1度、全スタッフが行うデスクまわりの掃除だ。三木谷以下、役員・社員の全員が、自分の机やイスの脚まで、雑巾できれいに拭く。 三木谷は楽天グループが事業を通じて実現しようとしている価値観を「ブランド・コンセプト」と称して5つの四文字熟語で表現している。 「大義名分」「品性高潔」「用意周到」「信念不抜」 この4つを三木谷の父・良一が息子に授け、三木谷がそこに「一致団結」を加えた。ネット企業らしからぬ古めかしい標語こそ、三木谷という経営者が持つもうひとつの特性を象徴している。 三木谷はデータに基づき、ロジックで経営判断を下す。しかし、学生時代、一橋大学テニス部主将として弱小チームを率い、その後就職した興銀(日本興業銀行、現・みずほ銀行)の9年間、実務に携わった三木谷は、大きな判断を実現するのはひとつひとつの小さな行動の積み重ねであることを知っている。 だから「頭でっかちにならず、体を動かせ」と社員に説き、自ら雑巾を持って社員と同じ作業をする。グーグル、アマゾンといったシリコンバレーのテック・ジャイアントを思わせる二子玉川の洒落たオフィスで、全社員が腰をかがめて雑巾掛けをする様子は、楽天の企業文化が米欧と日本のハイブリッドであることを示している。 三木谷は人事でも「身体性」を大切にする。その象徴が矢澤俊介だ。長身痩躯で色白の矢澤は、目から鼻に抜けるようなタイプではなく、まわりを安心させるほんわかした雰囲気を持つ。仕事になると、理屈を並べる前にとにかく体を動かす。) 東京の中堅どころの私大を出た矢澤は、営業マンとして「駅前留学」で有名な英会話のNOVAに入社した。入社3年目のとき、自分の面倒を見てくれていたNOVAのマネージャーが楽天に転職した。矢澤は見捨てられたような気持ちになったが、1ヵ月後、そのマネージャーから「お前も来いよ」と誘われ、楽天に入った。2005年6月のことだ』、「実務に携わった三木谷は、大きな判断を実現するのはひとつひとつの小さな行動の積み重ねであることを知っている。 だから「頭でっかちにならず、体を動かせ」と社員に説き、自ら雑巾を持って社員と同じ作業をする。グーグル、アマゾンといったシリコンバレーのテック・ジャイアントを思わせる二子玉川の洒落たオフィスで、全社員が腰をかがめて雑巾掛けをする様子は、楽天の企業文化が米欧と日本のハイブリッドであることを示している」、「三木谷は、大きな判断を実現するのはひとつひとつの小さな行動の積み重ねであることを知っている。 だから「頭でっかちにならず、体を動かせ」と社員に説き、自ら雑巾を持って社員と同じ作業をする・・・二子玉川の洒落たオフィスで、全社員が腰をかがめて雑巾掛けをする」、初めて知った。
・『クルマも半額、カニも半額  楽天に入社した矢澤の仕事は「ECコンサルタント」。ネット通販(EC)の楽天市場に出店する店舗からの「どうやったらネットで売り上げを伸ばせるか」という相談に乗る役回りだ。北海道から沖縄まで週の半分は全国を飛び回り、地方の中小企業経営者と知恵を絞った。 矢澤が担当した店舗の中に名古屋に本社を置く「オークローンマーケティング」という会社があった。社長のロバート・ローチは学生時代に交換留学で名古屋の南山大学に来たことがあり、デンバー大学を卒業後、名古屋に戻ってテレビ通販のビジネスを始めた。 そのオークローンマーケティングが通販で細々と売っていたのが「ビリーズブートキャンプ」。米国出身の黒人格闘家、ビリー・ブランクスが米軍の新兵向け基礎訓練をベースに考案したエアロビクス体操のインストラクション・ビデオだ。 「さあ行こう!」「もう一回!」「グッジョブ!」 ビートの効いた音楽とビリー隊長の掛け声に乗せられ、きついトレーニングを楽しく続けられるところがミソだ。 「これはいける!」と矢澤は直感。名古屋に飛んで行ってローチに掛け合い、楽天市場で大々的に売り出した。これが月に1億円売れるおばけ商材になった。あまりに売れたのでプロモーションで来日したビリー隊長が、当時は六本木ヒルズにあった楽天本社を表敬訪問したほどだ。この成功で「楽天市場に矢澤あり」と社内で認められるようになり、三木谷の目にも止まった。 2011年の年末、31歳でペット用品のマネージャーになっていた矢澤は、三木谷に呼び出された。 「アリババが1日で1兆円売ったらしいぞ」) ジャック・マー(馬雲)が創業し孫正義が出資した中国のEC大手、アリババ・ドット・コムは1が4つ並ぶ11月11日の「独身の日」に、大安売りのセールを始めた。 日本を抜きGDPで世界第2位に躍り出た中国大衆の購買力は凄まじく、独身の日はアメリカでクリスマスセールの初日に当たる11月第4金曜日、「ブラック・フライデー」を抜いて「世界でいちばんものが売れる日」になった。 「うちもやるぞ。お前、考えろ。来年の1月。とりあず1日100億円な」 「いや1月ってのは、ちょっと……」 「いつならできる?」と迫る三木谷の圧力に負け、矢澤は「じゃあ3月」とつい答えてしまった』、「ビリーズブートキャンプ」を「「これはいける!」と矢澤は直感。名古屋に飛んで行ってローチに掛け合い、楽天市場で大々的に売り出した。これが月に1億円売れるおばけ商材になった・・・この成功で「楽天市場に矢澤あり」と社内で認められるようになり、三木谷の目にも止まった」、「独身の日はアメリカでクリスマスセールの初日に当たる11月第4金曜日、「ブラック・フライデー」を抜いて「世界でいちばんものが売れる日」になった。 「うちもやるぞ。お前、考えろ。来年の1月。とりあず1日100億円な」・・・「いつならできる?」と迫る三木谷の圧力に負け、矢澤は「じゃあ3月」とつい答えてしまった」、なるほど。
・『1日で100億円を集めるための秘策  楽天市場で空前のヒットとなった「ビリーズブートキャンプ」の売り上げが1ヵ月で1億円であることを考えれば、1日100億円がいかに途方もない数字であるかがわかるだろう。 このときの矢澤は一介のカテゴリー・マネージャーにすぎない。「1日に100億円売ろう」と言ってもまわりは「お前が勝手に社長と約束しただけだろ」と動いてくれない。当時の楽天市場の1日の最高売り上げは50億円である。 「だいたい、1日100億円なんて、できるわけないだろ」 周囲の冷たい視線を浴びながら、矢澤は楽天市場の全国の有力店舗に足を運び、「目玉商品を出してください」「半額セールに協力してください」と頭を下げて回った。当時、楽天が本社を構える品川シーサイドのビルに1000人の店舗関係者を集め、お揃いのTシャツを配った。胸には「この日、日本の景気が動く」の文字。矢澤が音頭を取り「えい、えい、おー!」と気勢を上げた。 1日100億円を達成するため、矢澤は三木谷に一つだけ頼みごとをした。 「テレビ・コマーシャルを使わせてください」 前職のNOVAも爆発的に顧客が増えたのは、「いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる」の歌に乗って踊る「NOVAうさぎ」のテレビCMがきっかけだった。三木谷は「広告もネットの時代。テレビCMは時代遅れ」と考えていたが、矢澤は「多くの人にリーチする力はテレビCMのほうが上」であることを経験で知っていた』、「「1日に100億円売ろう」と言ってもまわりは「お前が勝手に社長と約束しただけだろ」と動いてくれない。当時の楽天市場の1日の最高売り上げは50億円である・・・矢澤は楽天市場の全国の有力店舗に足を運び、「目玉商品を出してください」「半額セールに協力してください」と頭を下げて回った・・・矢澤は「多くの人にリーチする力はテレビCMのほうが上」であることを経験で知っていた」、なるほど。
・『「クルマも半額、カニも半額」  矢澤が案を出したド派手な楽天市場のテレビCMは、消費者の心を掴んだ。今や毎年恒例になっている「楽天スーパーセール」の始まりだ。あらゆるジャンルで「半額」の目玉商品を並べ、楽天市場の中で通貨として使える「楽天スーパーポイント(現在は楽天ポイント)」も大盤振る舞い。これまで楽天市場を使ったことのない人々がドッと押し寄せ、1日127億円を売る大成功を収めた。 三木谷もテレビCMが好きになり、川平慈英を使った「楽天カードマン」や米倉涼子を起用した「楽天モバイル」などの、ド派手な映像が楽天のテレビCMの系譜になる』、「矢澤が案を出したド派手な楽天市場のテレビCMは、消費者の心を掴んだ。今や毎年恒例になっている「楽天スーパーセール」の始まりだ。あらゆるジャンルで「半額」の目玉商品を並べ、楽天市場の中で通貨として使える「楽天スーパーポイント(現在は楽天ポイント)」も大盤振る舞い。これまで楽天市場を使ったことのない人々がドッと押し寄せ、1日127億円を売る大成功を収めた。 三木谷もテレビCMが好きになり、川平慈英を使った「楽天カードマン」や米倉涼子を起用した「楽天モバイル」などの、ド派手な映像が楽天のテレビCMの系譜になる」、なるほど。
・『なぜ「楽天はダサい」のか?  楽天市場とアマゾンのサイトを比べ「楽天はダサい」という声を聞く。テレビCMも洗練されているとは言い難い。だがそこには三木谷なりの狙いがある。 「うちのサイトはニューヨークの五番街じゃなくて、アジアのバザール。スッキリしてないけど猥雑で、なんか面白いものがあるんじゃないかとワクワクする。かっこよくしなくてもいいんだ」 こうした大衆心理を楽天の中でいちばん理解しているのが矢澤である。臆面もなく「カニも半額」とやれる矢澤は、入社7年目、32歳の若さで営業統括の執行役員に抜擢された。以来、三木谷は矢澤を懐刀として常にそばに置くことになる』、「「うちのサイトはニューヨークの五番街じゃなくて、アジアのバザール。スッキリしてないけど猥雑で、なんか面白いものがあるんじゃないかとワクワクする。かっこよくしなくてもいいんだ」 こうした大衆心理を楽天の中でいちばん理解しているのが矢澤である。臆面もなく「カニも半額」とやれる矢澤は、入社7年目、32歳の若さで営業統括の執行役員に抜擢された。以来、三木谷は矢澤を懐刀として常にそばに置くことになる」、凄い人物が「懐刀」のようだ。

第三に、9月20日付けダイヤモンド・オンライン「【無料公開】楽天に蔓延する「不正連鎖」の闇、今度はモバイル部門で発覚した金銭着服の全構図」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/329385
・『楽天グループの携帯電話子会社、楽天モバイルで基地局建設の工事発注を巡って下請け業者を巻き込んだ大規模な不正が発覚した。この構図は、日本郵政との提携と引き換えに切り捨てた物流事業「楽天エクスプレス」で明らかになった金銭着服の不正と酷似する。楽天の内部で腐敗がまん延するのはなぜなのか。特集『楽天 解体の序章』(全6回)の#2では、楽天グループを覆う「不正連鎖」の闇に迫る。 ※2022年12月27日に公開した有料会員向け記事を、期間限定で無料公開します。全ての内容は初出時のまま』、興味深そうだ。
・『中堅物流会社の経営破綻で発覚したモバイル部門の不正請求は巨大化の可能性  日本最大級の物流倉庫が立ち並ぶ千葉県流山市。巨大物流倉庫群「アルファリンク」の一角に、楽天グループの携帯電話子会社、楽天モバイルが基地局の資材を保管している「流山センター」という物流拠点がある。 この倉庫では、楽天モバイルの発注に応じて、基地局工事に必要な資材をワンパッケージに梱包し、全国各地の基地局工事業者に配送する作業が行われていた。流山センターの運営は2022年8月30日付で民事再生法の適用を申請した中堅物流会社の日本ロジステック(東京都千代田区)である。 楽天モバイル側で日本ロジへの発注業務を担っていたのが、部長職にあった元従業員のA氏だった。しかし、この業務の裏でA氏は巨額の水増し請求により金銭を着服していたことが発覚。楽天モバイルはA氏を懲戒解雇して刑事告訴しており、楽天グループを揺るがす巨額不正に発展しようとしている。 不正発覚のきっかけとなった日本ロジの再生手続きの関連資料によると、楽天モバイルが日本ロジからの不正請求で被った損害額は総額46億円。A氏と日本ロジ役員らの「共謀」により、19年10月から22年3月にかけて水増し請求が繰り返されていたとしている。まさに20年4月に携帯電話サービスを開始した楽天モバイルが基地局建設を加速したさなかに、不正が行われていた。 この不正取引に詳しい内部関係者は「日本ロジの経営破綻で表沙汰になった不正は氷山の一角」と証言する。楽天モバイルの基地局工事を巡って横領された金額は46億円をはるかに上回る規模になる可能性があるというのだ。 ダイヤモンド編集部は、複数の関係者の証言を通じて、楽天モバイルの内部で行われていた「不正な金銭着服の構図」をひもといた。次ページでは、その全体像を明らかにする。同時に、楽天グループ内で不正連鎖の温床となった組織の問題点に迫る』、「楽天モバイルが日本ロジからの不正請求で被った損害額は総額46億円。A氏と日本ロジ役員らの「共謀」により、19年10月から22年3月にかけて水増し請求が繰り返されていた・・・横領された金額は46億円をはるかに上回る規模になる可能性がある」、これは大変だ。
・『小さな運送会社と築いた巨大な不正請求スキーム  関係者によると、楽天モバイルの基地局建設の裏で、不正金銭授受に関わった人物は主に3人。楽天モバイル元従業員のA氏、神奈川県相模原市を拠点にする運送会社T社社長のB氏、日本ロジで楽天を担当していた元役員のC氏だ。このうち不正取引を首謀したのはA氏とB氏の2人だったという。 楽天モバイルの委託を受けて、日本ロジの流山センターでは、基地局資材の保管と全国の基地局業者への配送を行っていたが、この作業を実際に担っていたのはT社だった。基地局資材を運ぶ車両とドライバーを用意するとともに、流山センターで作業するスタッフのほとんどは、T社100%子会社の人材派遣会社IMAX(アイマックス)から派遣されていた。 首謀者の2人が繰り返した水増し請求の流れはこうだ。(1)A氏は、楽天モバイルの予算に応じて、B氏に水増し請求書の作成を指示、(2)B氏は楽天モバイルの「元請け」の立場にいた日本ロジに請求書を発行、(3)日本ロジがマージンを乗せて発注元の楽天モバイルに請求――という枠組みだった。 (図表:楽天モバイル不正な資金還流スキーム はリンク先参照) この枠組みが動きだしたのは、19年10月ごろで、まさに楽天モバイルの通信ネットワーク整備の遅れが表面化したタイミングに重なる。 当時、楽天モバイルは10月から予定していた携帯サービスを開始できず、基地局を急ぎ建設することが最重要課題となっていた。その裏で、資材配送に関わっていた2人は不正にいそしんでいたことになる。関係者によると「すでにこの頃からT社は、A氏の指名によって楽天モバイルの基地局資材の配送業務のほとんどを担うようになっていた」という。 しかし、T社は相模原市で運送事業を営む小規模事業者にすぎなかった。運送業界での知名度は全くなく、楽天モバイルで増加する配送業務を直接受託するだけの信用がない。このためA氏とB氏にとっては「仕方なく、(業界で実績のある)日本ロジを中間業者として挟む必要があった」(前出の関係者)のだ。 日本ロジのC氏は2人の共謀を把握しながら、楽天モバイルの発注をT社に丸投げする元請け業者として、いわば“トンネル”の役割を果たしていたようだ。C氏の主な狙いは、楽天モバイルとT社をつなぐ中間マージンを得て、売り上げを増やすことにあったとみられる。 実際に日本ロジの売上高は、楽天モバイルの携帯サービス開始とともに急増。19年3月期の売上高は106億円だったのに対し、翌20年3月期に133億円、21年3月期に220億円、22年3月期に405億円と3年間で売上高が4倍近くまで膨れ上がった。この増加分のほとんどは、楽天モバイルとの取引が底上げしたのは間違いない。 こうして楽天モバイルの基地局資材の保管や配送を一挙に担うことになったB氏は20年ごろから、本業の運送業務に加え、楽天モバイルの基地局工事の受託業務にも手を広げている。 もちろん、これもA氏との強い関係で受託した事業だ。運送会社のT社に基地局工事の知見はないが、長崎県出身のB氏は地元の知り合いなどに声を掛けて2次請け基地局工事業者を集め、九州の基地局工事を受注する中間業者として売り上げを増やしていった。 この結果、T社の業容も見る見るうちに拡大。19年3月期に9億円だった売上高は20年3月期に26億円、21年3月期は92億円、22年3月期は192億円まで急増した。 だが、こうした巨大な不正のスキームは突如崩壊した。22年に入って内部告発を受けた楽天モバイルはA氏の調査に着手し、不正な金銭授受を把握。8月12日付でA氏を懲戒解雇した上で、19日付で日本ロジの預金口座を差し押さえたことで、取引先への支払いができなくなった日本ロジが経営破綻に追い込まれた。 T社に近い関係者によると、ここで楽天モバイルはT社の預金も差し押さえたようだ。この結果、T社は9月1日以降、ほぼ全ての事業を停止。10月29日付で全従業員を解雇しており、いまや事業会社としての実態はない。100%子会社のアイマックスも、9月1日以降に事業を停止して同15日付で全従業員を解雇した。 前述の通り、楽天モバイルが中間業者の日本ロジの不正請求で受けた損害が46億円なら、A氏とB氏が共謀した器となったT社から受けた損害額は、日本ロジをはるかに上回る可能性が高い。 実際に、楽天モバイルがT社から被った損害はどのくらいの規模だったのか。ダイヤモンド編集部の取材に対して楽天モバイルは「現在(当局の)捜査中のため、詳細の回答を控えさせていただきます」と書面で回答。詳しい資金の流れや金銭授受の解明は、警視庁の捜査を待つだけという姿勢である。 いまだ楽天モバイルとT社の関係は闇の中だが、基地局工事を巡る金銭着服は、グループを揺るがす巨大な規模に発展する恐れがある。実は、T社は楽天グループ内部の別の不正にも関与していたのだ』、「楽天モバイルが中間業者の日本ロジの不正請求で受けた損害が46億円なら、A氏とB氏が共謀した器となったT社から受けた損害額は、日本ロジをはるかに上回る可能性が高い・・・いまだ楽天モバイルとT社の関係は闇の中だが、基地局工事を巡る金銭着服は、グループを揺るがす巨大な規模に発展する恐れがある」、なるほど。
・『三木谷氏肝いり2事業は不正連鎖の温床だった  これだけ大掛かりな不正のスキームを築き上げたA氏とB氏は何者なのか。 業界関係者によるとA氏は、楽天グループに入社する以前は、アマゾンジャパンで物流を担当していたという。楽天グループが携帯サービスを開始するのに合わせて楽天本体から楽天モバイルに異動したが、経歴の“本職”は物流だ。 一方のB氏のキャリアは日本ロジの倉庫でのフォークリフトの運転手から始まった。日本ロジ退社後に運送会社を立ち上げ、当初は、アマゾンジャパンの物流業務を受託して事業を軌道に乗せてきた。 このとき、アマゾンの運送業務をB氏に委託した担当者が、他ならぬA氏だった。以来、アマゾンジャパンの発注元と委託先運送会社として関係を深めた2人は、A氏が楽天グループに転職して以降も、発注元・委託先の関係を継続することになった。 こうしてA氏は、楽天モバイルを舞台にした巨大な不正のスキームをB氏と共に作り上げるに至ったが、実はA氏は楽天モバイルに異動する前に、ある新規事業に関わっていた。 それが21年5月に突如として終了した自前物流サービス「楽天エクスプレス」だ。16年11月から試験的に始まったこの事業を巡っては、担当していた元執行役員が18~20年の事業拡大とともに下請けの運送会社に水増し請求させて、金銭を不正に着服していたことが発覚している。 元執行役員がヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸から楽天に転職したのは15年以降。最初に配属された部署の上司だったのがA氏だった。 その後、元執行役員は楽天エクスプレス事業を本格的に任されて、業務を委託した下請けの運送会社に業務委託料をキックバックさせる不正行為に手を染めていく。そこで重要な事実が、楽天エクスプレスの委託先の運送会社の一社に名前を連ねていたのがT社だったことである。 元楽天で2人を良く知る人物は「入社はA氏の方が古く、2人は非常に親密な上下の関係にあった」と証言する。別の内部関係者も「楽天エクスプレスと楽天モバイルの水増し請求は連続した不祥事だ」と話す。 楽天エクスプレスで不正を働いた元執行役員と、楽天モバイルでの不正が発覚したA氏。そして2人が共通して運送業務を委託していたのがT社だったということだ。 つまり、楽天エクスプレスと楽天モバイルの二つの金銭着服の根はつながっており、楽天グループ内部で不正行為が連鎖した構図があらわになったのだ。 だが楽天グループは、この点についての詳細をあいまいにしたままだ。そもそも、先行して発覚した楽天エクスプレスの不正行為については、内部で何が行われていたかという実態が公表されないまま、元執行役員は21年3月末までにひっそりと楽天グループを去っている。 その時点で徹底した真相究明が行われないまま、今回のモバイル事業の不正行為が発覚したのは、楽天グループの「組織としての隠蔽体質」が招いた結果である。 今回も楽天モバイルは、懲戒解雇して刑事告訴したA氏について「取引先を含めて不正請求に関与した者に、刑事上および民事上の責任追及を行っていく予定」として、あくまで個人の責任追及にとどめようとする姿勢を示している。一方で「社内で調査委員会は設置していて、引き続き事実関係の確認、原因究明および再発防止の策定等は行っている」としているが、その情報開示には極めて消極的である。 二つの不正に関与した人物、舞台となった企業につながりがある以上、組織的関与が疑われるべきだ。徹底した真相究明なくして、楽天グループにまん延する「不正の闇」が根絶されることはないだろう。 かつて楽天エクスプレスは三木谷浩史会長兼社長の肝いり事業だったが、日本郵政との提携をきっかけに、あっさりとその事業を切り捨てている。そして今また、三木谷氏が命運を懸ける楽天モバイル事業で巨大な不正が広がりを見せていることは、グループの先行きに暗い影を落とすことだけは間違いない』、「先行して発覚した楽天エクスプレスの不正行為については、内部で何が行われていたかという実態が公表されないまま、元執行役員は21年3月末までにひっそりと楽天グループを去っている。 その時点で徹底した真相究明が行われないまま、今回のモバイル事業の不正行為が発覚したのは、楽天グループの「組織としての隠蔽体質」が招いた結果である」、「楽天エクスプレスと楽天モバイルの二つの金銭着服の根はつながっており、楽天グループ内部で不正行為が連鎖した構図があらわになったのだ。 だが楽天グループは、この点についての詳細をあいまいにしたままだ」、「二つの不正に関与した人物、舞台となった企業につながりがある以上、組織的関与が疑われるべきだ。徹底した真相究明なくして、楽天グループにまん延する「不正の闇」が根絶されることはないだろう」。「組織としての隠蔽体質」の打破が解決のカギになるのだろう。
タグ:「独身の日はアメリカでクリスマスセールの初日に当たる11月第4金曜日、「ブラック・フライデー」を抜いて「世界でいちばんものが売れる日」になった。 「うちもやるぞ。お前、考えろ。来年の1月。とりあず1日100億円な」・・・「いつならできる?」と迫る三木谷の圧力に負け、矢澤は「じゃあ3月」とつい答えてしまった」、なるほど。 「実務に携わった三木谷は、大きな判断を実現するのはひとつひとつの小さな行動の積み重ねであることを知っている。 だから「頭でっかちにならず、体を動かせ」と社員に説き、自ら雑巾を持って社員と同じ作業をする。グーグル、アマゾンといったシリコンバレーのテック・ジャイアントを思わせる二子玉川の洒落たオフィスで、全社員が腰をかがめて雑巾掛けをする様子は、楽天の企業文化が米欧と日本のハイブリッドであることを示している」、 大西 康之氏による「楽天カードマンでも、米倉涼子でもない…楽天・三木谷浩史の「テレビCM嫌い」を変えた“意外な人物”の正体『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #2」 「ビリーズブートキャンプ」を「「これはいける!」と矢澤は直感。名古屋に飛んで行ってローチに掛け合い、楽天市場で大々的に売り出した。これが月に1億円売れるおばけ商材になった・・・この成功で「楽天市場に矢澤あり」と社内で認められるようになり、三木谷の目にも止まった」、 「「今年(2023年)が山場かな」 苦しい資金繰りを強いられるのは2023年度まで、と三木谷は言う。その後は、設備投資が一段落し、自社のアンテナが届かない場所でKDDIのアンテナを借りている「ローミング」のコストも劇的に下がる。そして海外の通信会社に「完全仮想化」の技術が売れ始める」、なるほど。 「全国に7万局の基地局を開設し、販売・サービス体制を整える。全国を網羅する携帯ネットワークをゼロから作っているのだから、最初の数年が大赤字になるのは当たり前だ」、ただ、「2023年1月に発行したドル建て無担保社債の利率は10.25%。2019年に発行したドル建て債の利率(3.5%)と比べると約3倍の高利」と、マーケットは厳しく見ているようだ。 「先行して発覚した楽天エクスプレスの不正行為については、内部で何が行われていたかという実態が公表されないまま、元執行役員は21年3月末までにひっそりと楽天グループを去っている。 その時点で徹底した真相究明が行われないまま、今回のモバイル事業の不正行為が発覚したのは、楽天グループの「組織としての隠蔽体質」が招いた結果である」、 徹底した真相究明なくして、楽天グループにまん延する「不正の闇」が根絶されることはないだろう」。「組織としての隠蔽体質」の打破が解決のカギになるのだろう。 「楽天モバイルが中間業者の日本ロジの不正請求で受けた損害が46億円なら、A氏とB氏が共謀した器となったT社から受けた損害額は、日本ロジをはるかに上回る可能性が高い・・・いまだ楽天モバイルとT社の関係は闇の中だが、基地局工事を巡る金銭着服は、グループを揺るがす巨大な規模に発展する恐れがある」、なるほど。 「「うちのサイトはニューヨークの五番街じゃなくて、アジアのバザール。スッキリしてないけど猥雑で、なんか面白いものがあるんじゃないかとワクワクする。かっこよくしなくてもいいんだ」 こうした大衆心理を楽天の中でいちばん理解しているのが矢澤である。臆面もなく「カニも半額」とやれる矢澤は、入社7年目、32歳の若さで営業統括の執行役員に抜擢された。以来、三木谷は矢澤を懐刀として常にそばに置くことになる」、凄い人物が「懐刀」のようだ。 三木谷もテレビCMが好きになり、川平慈英を使った「楽天カードマン」や米倉涼子を起用した「楽天モバイル」などの、ド派手な映像が楽天のテレビCMの系譜になる」、なるほど。 「矢澤が案を出したド派手な楽天市場のテレビCMは、消費者の心を掴んだ。今や毎年恒例になっている「楽天スーパーセール」の始まりだ。あらゆるジャンルで「半額」の目玉商品を並べ、楽天市場の中で通貨として使える「楽天スーパーポイント(現在は楽天ポイント)」も大盤振る舞い。これまで楽天市場を使ったことのない人々がドッと押し寄せ、1日127億円を売る大成功を収めた。 「「1日に100億円売ろう」と言ってもまわりは「お前が勝手に社長と約束しただけだろ」と動いてくれない。当時の楽天市場の1日の最高売り上げは50億円である・・・矢澤は楽天市場の全国の有力店舗に足を運び、「目玉商品を出してください」「半額セールに協力してください」と頭を下げて回った・・・矢澤は「多くの人にリーチする力はテレビCMのほうが上」であることを経験で知っていた」、なるほど。 大西 康之氏による「「楽天ってやばいんでしょ。モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #1」 文春オンライン (その13)(「楽天ってやばいんでしょ モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #1、楽天カードマンでも、米倉涼子でもない…楽天・三木谷浩史の「テレビCM嫌い」を変えた“意外な人物”の正体 『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』 #2、楽天に蔓延する「不正連鎖」の闇 今度はモバイル部門で発覚した金銭着服の全構図) 「三木谷は、大きな判断を実現するのはひとつひとつの小さな行動の積み重ねであることを知っている。 だから「頭でっかちにならず、体を動かせ」と社員に説き、自ら雑巾を持って社員と同じ作業をする・・・二子玉川の洒落たオフィスで、全社員が腰をかがめて雑巾掛けをする」、初めて知った。 「楽天エクスプレスと楽天モバイルの二つの金銭着服の根はつながっており、楽天グループ内部で不正行為が連鎖した構図があらわになったのだ。 だが楽天グループは、この点についての詳細をあいまいにしたままだ」、「二つの不正に関与した人物、舞台となった企業につながりがある以上、組織的関与が疑われるべきだ。 「楽天モバイルが日本ロジからの不正請求で被った損害額は総額46億円。A氏と日本ロジ役員らの「共謀」により、19年10月から22年3月にかけて水増し請求が繰り返されていた・・・横領された金額は46億円をはるかに上回る規模になる可能性がある」、これは大変だ。 ダイヤモンド・オンライン「【無料公開】楽天に蔓延する「不正連鎖」の闇、今度はモバイル部門で発覚した金銭着服の全構図」 携帯・スマホ 「世界の通信大手が「完全仮想化」「Open RAN」に乗り換えた場合、その市場規模は15兆~20兆円とされる。もちろん楽天シンフォニーがそのすべてを手に入れるわけではないが、世界で最初の完全仮想化を成し遂げたアドバンテージは間違いなく存在する」、確かに売り物になりそうだ。 だが、小さな事故はいくつか起きたものの、ネットワーク全体が何日にもわたって止まるような大きな事故はこれまでのところ起きていない。日本ではすでに500万人近い利用者が、毎日、ふつうに楽天モバイルを使っている」、大したものだ。 「ランダムに移動する何千万台もの端末を捕まえる携帯ネットワークの仮想化は物理的には凄まじくむずかしい。通信大手のほとんどがこの技術に取り組んでいたが、「実用化するのはまだ数年は先のこと」だと考えていた。 ところが門外漢の楽天が世界で初めてこれに挑戦した。2020年春にサービスを本格的に開始したとき、世界の通信会社は「絶対失敗する」とたかを括っていた。 「楽天モバイルの完全仮想化ネットワークはクライアント・サーバ・システムと同じ分散型だ。携帯電話会社は好きなメーカーの安い汎用サーバを自由に組み合わせてネットワークを構築することができる・・・設備投資は既存の通信ネットワークに比べ30%安くなり、運用・管理コストは40%安くなる」、なるほど。 「この人のファースト・ネームはなんだっけ?」・・・ 「これ、なんて読むの?」、確かにスペリングだけでは、「発音」は分からない。「三木谷は、一瞬だけブースの部屋から顔を出し、筆者に声をかけてきた。 「連れション行かない?」 個別インタビューの時間が取れないから、三木谷なりに気を遣ったのだろう」、マスコミ対策もずいぶん凝った仕掛けだ。 大西康之氏の新刊『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)
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