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トランプ大統領(その45)(小田嶋氏2題:トランプ大統領の島国根性、荒れるアメリカがうらやましい理由) [世界情勢]

トランプ大統領については、4月26日に取上げた。今日は、(その45)(小田嶋氏2題:トランプ大統領の島国根性、荒れるアメリカがうらやましい理由)である。

先ずは、5月8日付け日経ビジネスオンラインが掲載したコラムニストの小田嶋 隆氏による「トランプ大統領の島国根性」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00069/?P=1
・『トランプ大統領がまたぞろ奇妙なことを言い始めている。 読売新聞が伝えているところによれば、彼は、このたびのコロナ禍について 「米国が経験した最悪の攻撃だ。(旧日本軍に攻撃された)真珠湾よりひどい」と述べている。 なんと。 トランプ氏は、新型コロナウイルスによる被害が「中国による攻撃」であると言いたいようだ。 彼は、これまでにも、ツイッター上の書き込みやテレビ演説の中で「中国ウイルス」という言葉を繰り返し使うことを通じて、このたびの新型コロナウイルスが「中国発」(つまり中国で生まれて世界に伝播した)の災厄である旨をほのめかしていた。それが、ここへきて、ついに真正面からの中国攻撃に舵を切ったわけなのだろう。いずれにせよ、トランプ氏は、国務長官のポンペオ氏あたりを巻き込んだ上で、件のウイルスが武漢の研究所から外に出たものである旨を、アメリカ合衆国政府の公式見解として、あらためて真正面から主張し始めている。容易ならざる事態だ。 これは、ただごとではない。 ふつうに考えて、宣戦布告に近い言明だと思う。 思い出すのは、ブッシュ元大統領が、例の9.11の事件の直後 「これは戦争(“act of war”)だ」と断じた時のことだ。 あの時、私は 「なにを大げさな(笑)」と思って笑っていた、愚かな日本人の一人だった。というのも、ブッシュ氏の口から出てきた「戦争」という言葉を、単なる比喩以上の言葉として受け止めることができなかったからだ。 なんという愚かな耳を持ったお気楽な外国人であったことだろう』、確かにブッシュの「これは戦争だ」発言を深刻に捉えた日本人識者は少なかった。「件のウイルスが武漢の研究所から外に出たものである」証拠を「ポンペオ」は示すことができず、拍子抜けした。
・『ブッシュ氏の言った「戦争」は、もちろん比喩なんかではなかった。 大統領が「戦争」という言葉を使ったのは、彼が、航空機による自爆攻撃を、「宣戦布告」と見なしたことを意味している。ということは、米国は、あの時点ですでに、国家としての「戦争」に突入していたわけで、当然、米国による反撃も、国際法上の戦争行為として敢行されることになる。 事実、アメリカはあの後、アフガニスタンへの空爆をはじめとする文字通りの国家を挙げた軍事行動としての「戦争」を開始している。そして、その「戦争」は、やがて「対テロ戦争」という概念に拡大し、対イラク、対ターリバーン、対ISILの、より大規模な戦争に発展した。 かように、大統領の言葉は、軽んじてよいものではない。 トランプ氏の場合、ふだんから突飛な発言が多すぎるため、周囲の人間はもちろん、専門家や国際社会も含めて、彼の言いざまにどこか麻痺しているところがある。 しかし、油断してはいけない。 「なにを大げさな(笑)」などと笑っていると、いずれ、青い顔で原稿を書き直さなければならなくなる。トランプ氏の口からびっくりする言葉が飛び出すこと自体は、さして珍しいことではないし、なんなら「日常茶飯事」と表現しても差し支えない。しかしながら、中国を名指しにして、世界中を危機に陥れている具体的なウイルス被害を「攻撃」「真珠湾よりひどい」「9.11よりひどい」と言ってしまったのだからして、これは取り返しがつかない。 中国側は、アメリカ側の主張を真っ向から否定している。当然だ。こんな話をおとなしく聞き流せるはずがない。 真相がどうであれ(というよりも、こういうお話の「真相」は、どうせ何年かたたないとはっきりしない)、この種の論争を外部から観察する人間は、「真相」や「結論」の行方を気にする視点とは別に、とりあえずこの種の水掛け論に持ち込むことで利益を得るのが誰であるのかを見極める視点を確保した上で事態を注視せねばならない。 トランプ氏は、この種の泥仕合(彼の言葉で言えば「ディール」ということになる)の達人を自認していて、なおかつその旨を幾度となく公言している。このことはつまりトランプ氏が事態を有利に運ぶためには、どんな材料であれ(つまり「ウソ」であれ「目くらまし」であれ「脅し」であれ「泣き落とし」であれ)持ち出す人間であることを意味している。しかも、大切なポイントは、トランプ氏自身が、自分がディールの達人であることに相応の自負を抱いていることで、ということはつまり、彼は、危機に直面した場面では、平気で(というよりも「正々堂々と」)ウソをつき通せる人物なのである』、「危機に直面した場面では、平気で・・・ウソをつき通せる人物」、は「トランプ氏」に限ったことではなく、多くの政治家に共通しているように思える。
・『この先、米国と中国は、互いの言葉尻をとらえ合っては相手を誹謗するテの、不毛な言い争いを展開することになるのだろうが、無論のこと、この話は、それだけでは済まない。どうせ2大国による中傷合戦は、経済や国際政治の舞台での主導権争いに発展するはずだし、悪くすると軍事的な衝突にだってつながりかねない。 大切なのは、トランプ氏が、自国の外に敵を作るという見え透いた作戦に打って出たことだ。そして、もっと大切なのは、大国のリーダーによる外敵捏造作戦が、これまでの歴史の中で、低くない確率で成功してきたという事実だ。ちなみにここでいう「成功」とは、戦争に勝つことではなくて、戦争を起こすことそのものを指している。混乱した国家の指導者は、内政の混乱を直視させないために外敵を仮定する。で、その外敵との戦いに目を向けさせることで内政の失敗を糊塗することに成功するわけなのだが、その結果として、戦争というより巨大な失敗によって、内政の混乱という小さな失敗を埋め合わせる歴史の皮肉を達成することになる。 実は、ちょっと前に別の媒体(「日経ビジネス」本誌ですが)のために書いた原稿の中で、「ウイルスという外敵と戦う前に、われわれは、自分たちの内部にある島国根性と対峙せねばならない」という趣旨の説教をカマしたばかりで、自分ながらやや居心地の悪い気持ちを抱いている。 というのも、《自分たちが直面している災厄や不幸を「外からやってくる外敵」と見なして排除することで良しとする島国根性こそが、われら日本人の「内なる敵」なのである》と、わりと大上段に振りかぶった言い方で断言したその原稿のインクの匂いもまだ消えきらないうちに、アメリカからの外電が、トランプ大統領の島国根性を伝えてきたからだ。 なんということだろう。島国根性はうちの国の専売特許ではなかった。 むしろ、「日本はどうしようもない田舎の島国だ」と考えていた私の思い込みのほうが、典型的な島国根性だった。 いずれにせよ、米中という世界の2大国がいずれ劣らぬ視野の狭い独善に陥っているところからみても、このたび猖獗を極めている新型コロナウイルスの主たる症状が視野狭窄であることははっきりしている』、「外敵との戦いに目を向けさせることで内政の失敗を糊塗することに成功するわけなのだが、その結果として、戦争というより巨大な失敗によって、内政の混乱という小さな失敗を埋め合わせる歴史の皮肉を達成することになる」、歴史の教訓だ。「島国根性はうちの国の専売特許ではなかった。 むしろ、「日本はどうしようもない田舎の島国だ」と考えていた私の思い込みのほうが、典型的な島国根性だった」、思わず微笑んでしまった。
・『ただ、視野が狭いとか広いとかいうこととは別に、国際社会は、軍事力と経済力を備えた大国のエゴが動かすものだ。 その意味で、大国の島国根性は一笑に付して片付けられるものではない。 どっちにしても、スタンダードは彼らが決めることになっている。 その意味で、私は、米国と中国がどのあたりで折り合いをつけるのかという問題とは別に、この先、うちの国が、ウイルス収束という物語(←個人的には「パンデミック」がリアルな脅威であったのに比べて「収束」は、よりフィクションの要素を多く持った「物語」として共有されるものなのであろうと考えています)の一員に加えてもらえるのかどうかを、心配している。 日本には日本の物語がある。 その物語は、日本の国内ではなんとか通用するかもしれない。 でも、その、エビデンスやファクトに乏しいドメスティックでセンチメンタルな物語を、国際社会がシェアしてくれるのかどうかは、わからない。 へたをすると、しばらくの間、鎖国を余儀なくされるかもしれない。 「Stay Home」も「新しい生活様式」も、そう考えてみれば、鎖国を示唆しているようにも思える。 してみると、次の開国までの間、私たちは、しばらく、歌舞伎と浄瑠璃と落語(あとは浮世絵くらいでしょうか)あたりで憂さを晴らすことになるのだろうか。 まあ、それも悪くないのかなと思い始めている』、「日本には日本の物語がある・・・その、エビデンスやファクトに乏しいドメスティックでセンチメンタルな物語を、国際社会がシェアしてくれるのかどうかは、わからない」、「次の開国までの間、私たちは、しばらく、歌舞伎と浄瑠璃と落語・・・あたりで憂さを晴らすことになるのだろうか」、傑作な落ちだ。

次に、同じ小田嶋氏による6月5日付け日経ビジネスオンライン「荒れるアメリカがうらやましい理由」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00073/?P=1
・『アメリカが大変なことになっている。 海外のニュースサイトやTwitter経由で流れてくる動画を見る限り、ほとんど内戦が勃発しているように見える。 こういう時は、頭を冷やさないといけない。 現地で暮らしている複数の日本人の証言に耳を傾けると、デモが暴徒化しているのはあくまでも一部のできごとであるようで、アメリカ全土に火が放たれているわけではない。報道メディアのカメラが、武装した警官隊と群衆との衝突のような、扇情的な映像をとらえるのは、彼らの責務でもあれば商売でもある。しかし、その映像をリビングの液晶画面越しに視聴しながら、全米がニュース映像そのままの混乱に陥っていると考えるのは、やはり早計だ。 とはいえ、トランプ大統領のTwitterを眺めていると、やはり心配になる。彼は、デモのために集まっている市民や、暴徒化しつつある一部の人々をむしろ煽りにかかっている。それどころか、この混乱に乗じて、全米の市民をトランプ派と反トランプ派に分断することを画策しているようにさえ見える。 太平洋をはさんだこちら側から事態を傍観していて、とりわけ物騒に感じられるのは、トランプ大統領が、このたびのデモの暴徒化を「ANTIFA(アンティファ)」のせいだと、いとも無造作に決めつけているその、ものの言い方だ。 トランプ大統領は、5月31日に自身のTwitter経由で 《The United States of America will be designating ANTIFA as a Terrorist Organization.》(アメリカ合衆国は、ANTIFAをテロ組織として指定することになる)と断言している。 このトランプ大統領の無思慮なツイートを鵜呑みにして、わが国でも、ANTIFAをまっすぐに「テロ組織」と断定したうえで、そのANTIFAと関係のありそうな団体や組織をあげつらいにかかっている論客や、アメリカ政府がANTIFAを「テロ組織」として公式に認定したかのごとく、既定の事実とした前提で原稿を書きはじめてしまう軽率な人々がポツポツとあらわれている。なんともバカな反応だと思う。トランプさんのツイートは、最低でも3日は「寝かせて」からでないと実戦使用できない。この程度のことは、ぜひ心にとめておきたいものだ』、「ANTIFA」は、「ファシストに反対する勢力」という意味で、通常緩やかに構造化された左派から極左までを含む様々な自主的潮流の総称。中心組織や指導者がない(Wikipedia)。それを「テロ組織として指定することになる」、余りに無理が多い主張だ。
・『トランプ大統領のツイートのかなりの部分は、その時々の感情にまかせて口走った捨て台詞以上のものではない。根拠のない断定や、八つ当たりの罵詈雑言も少なくない。年間を通してウォッチしている者として言わせてもらうなら、あの人のツイートは、介護スタッフのスタンスで受け止めるべき言葉だ。 「はいはいそうですねおじいちゃん。お昼のお薬はもう飲みましたか?」てな調子で、適当に受け流しておかないといけない。いちいち鵜呑みにして騒ぎ立てたり走り回ったりするのは感情の浪費以外のナニモノでもない。 トランプ大統領のTwitter発言に関しては、これまでにも事実と異なった言及が散見されていたり、大統領としての権限を踏み外した発言がたびたび問題視されたりしてきたわけなのだが、ツイッター社は、この5月の「郵送投票に関する誤解を招くツイート」に「要事実確認」の警告ラベルを付与した。で、この時の注意喚起を皮切りに、トランプ大統領のツイート姿勢に正面から対峙する姿勢を明らかにしつつある。 このツイッター社の強硬な対応に反応するカタチで、トランプ大統領は、5月28日、ツイッター社などのソーシャルメディアプラットフォーム企業の法的保護を制限することを目的とした大統領令に署名した。大統領は、この時の記者会見で、 《「現在、Twitterのようなソーシャルメディアの巨人は、彼らが中立的なプラットフォームであり、編集者ではないという前提に基づいて、前例のない保護を受けている。私の大統領令は、Communications Decency Actのセクション230に基づく新たな規制を要求し、検閲や政治的コンテキストにかかわるSNS企業の保護を維持できないようにする」》と述べている。 大統領としては、新たな規制を持ち出すことで、ツイッター社をはじめとするSNSの企業活動に制限を加える可能性を示唆したカタチだ。 もちろん、ツイッター社とて、大統領に圧力をかけられて、そのままおとなしく引き下がるわけにはいかない。 マッチョの国では、脅された側がそのまま尻尾を巻いたら、永遠に見限られる。脅されたら、脅し返さないといけない。めんどうくさいやり取りだが、仕方がないのだ』、「ツイッター社は、この5月の「郵送投票に関する誤解を招くツイート」に「要事実確認」の警告ラベルを付与した」、勇気ある行動だ。他方で、フェイスブック社は、投稿に対し意見を付けることに否定的だが、社内では反乱が起きたようだ。
・『ツイッター社は、このたびのミネアポリスでの事態(黒人男性ジョージ・フロイド氏が、白人の警察官に殺された事件)に関する大統領の一連のツイートに対して、「暴力賛美」の警告ラベルを付与して、一時的に非表示とする措置(ユーザーがクリックすることで再表示される)を発動することで報いている。一歩も引き下がらずに全面対決の構えを示したわけだ。 当該のツイートには、《This Tweet violated the Twitter rules about glorifying violence.However, Twitter determined that it may be the public's interest for the Tweet to remain accessible. (このツイートは、暴力を賛美することに関するツイッター社のルールに違反しています。ただしツイッター社は、このツイートがアクセス可能な状態を維持することが公共の利益になる可能性があると判断しました。)》 という表示が付け加えられる。 昔なつかしい西部劇のガンファイトそのまんまだ。 相手が構えている拳銃に縮み上がっていないことを証明するためには、結局のところ、自分のガンの引き金を引くほかに選択肢がない。物語はそういう筋立てで動いている。だから、誰もが引き金に指をかけながらものを言う。そういうふうにしてあの国における交渉事は展開されることになっている。 こういうやり取りを見ていて、毎度のことながら感心せずにおれないのは、アメリカの国民が、様々な問題を、「対立と分断」という過程を経て解決して行くそのダイナミズムのあざやかさと危うさについてだ。 見ているこっちはハラハラする。 「どうしてそういうふうにわざわざコトを荒立てるのだろうか?」と、海外で暮らした経験を持たない私のような小心者は、彼の国の人々が、トラブルに直面するや、いきなり声を荒らげ、あるいは、互いの胸ぐらをつかむことも辞さない勢いで、自らの思うところを主張しにかかるマナーの激越さに、他人事ながら、いちいち身の縮む思いを味わう。 日本人なら、とりあえず相手の話に耳を傾けているふりをしつつ善後策を考えているはずのタイミングで、アメリカの人たちは、いきなり旗幟鮮明に自分の側の主張を明らかにし、先方との対立点をはっきりさせにかかる。 みごとと言えばみごとなのだが、家族以外の人間と対立することに慣れていないわたくしども街場の日本人は、彼我の主張の当否や勝ち負けの見込みを勘案する以前に、人間同士が異なった旗を掲げて対決している状況そのものに神経を擦り減らしてしまう。 アメリカで始まった反レイシズムの運動(なのか、人種間対立なのか、でなければ、より広い範囲の矛盾を踏まえたより根源的な対立なのか)が、この先、どんなカタチで展開し、どういうふうにして収束に向かうのかは、正直なところ、現段階ではほとんどまったく想像がつかない』、「家族以外の人間と対立することに慣れていないわたくしども街場の日本人は・・・人間同士が異なった旗を掲げて対決している状況そのものに神経を擦り減らしてしまう」、確かにその通りだ。
・『現時点でわりとはっきりしているのは、人種をめぐる社会的な対立の問題がこれほどまでに明白な亀裂をあらわにしてしまった以上、新型コロナウイルスがアメリカ社会に投げかけているかに見えた諸問題は、むしろ背景に引っこんでしまうだろうということだ。 もちろん、ウイルスとの戦いが解決したということではない。終了したわけでもないし忘れてもかまわない話になり変わってしまったのでもない。 ウイルスが引き起こすであろう様々なトラブルの中で、感染症の問題は、もはや喫緊の課題というよりは、腰を据えて取り組むべき長期的な宿題になって行くはずだということだ。われわれは、むしろ、ウイルス禍によって蓋を開けられた社会的、政治的、経済的な問題への対応に追われることになる。 結局、新型コロナウイルスは、その感染圧力によって、パンデミック以前の社会に潜在していた、より深刻な問題をあぶり出したことになる。 同じ事態を、ウイルスの側から観察してみると、ウイルスは、自らが掘り起こした問題の深刻さによって、脇役の位置に退くことになるわけだ。 かように、新型コロナウイルスは、様々な場所で、その息苦しくも無差別な圧力によって、それまで隠されていた社会の問題を顕在化させている。 新型コロナウイルス以前に、アメリカに人種問題が存在していなかったわけではない。人種をめぐる問題は、あの国の歴史が始まって以来、常に底流していた。当然だ。1964年に公民権法が成立した後も、社会のあらゆる場所で対立と緊張を生み出していたというふうに考えなければならない。 それが、今回、ウイルスがもたらした緊張と不安の中で爆発したわけだ。 あるタイプのウイルスは、感染者の免疫力がなんらかの理由で低下したタイミングで突然、症状を明らかにしはじめる。 面白いのは(いや、実際には面白くもなんともないのだが)、アメリカ社会において、人種問題に着せかけられていたマスクを剥ぎ取る役割を果たした新型コロナウイルスが、日本では、むしろ既にある様々な矛盾や不都合を隠蔽する方向の圧力として機能していることだ』、「新型コロナウイルスは、様々な場所で、その息苦しくも無差別な圧力によって、それまで隠されていた社会の問題を顕在化させている」、鋭い指摘だ。「新型コロナウイルスが、日本では、むしろ既にある様々な矛盾や不都合を隠蔽する方向の圧力として機能していることだ」、どういうことだろう。
・『既に報道されているところによれば、中小企業に最大二百万円を支給する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の再委託を受けた広告大手の電通がさらに、人材派遣のパソナやIT業のトランスコスモスに業務を外注していたことが判明している。 さらに、新型コロナウイルスをめぐる専門家会議の初回と3回目について、議事録が作成されていなかったのみならず、速記者さえ入っていなかったことが明らかになっている。 また、赤羽一嘉国交相は、6月3日の衆院国交委員会で、新型コロナウイルスで需要が落ち込んだ観光や飲食産業を支援する政府の「Go Toキャンペーン事業」で、事業者を選定する第三者委員会についても、メンバーや議事録などを公表する予定がないことを明らかにしている。 日米両国のニュース報道を見比べていると、「対立と分断」を繰り返しつつ、その軋轢と矛盾を乗り越えることで社会の基盤を整えてきた国と、「忖度と同調」を第一とし、危機に陥れば陥るほど、いよいよあらゆるものを隠蔽しにかかる国の違いに、しばし呆然としてしまう。 われわれは、この先、誰かにとって都合の悪いすべてのものを隠蔽し、曖昧にし、忘却し、廃棄し、改ざんしながら、寄ってたかって歴史を推敲して行くことになるはずだ。 混乱している国の荒れ果てた現状をうらやむのが、奇妙な心理であることは承知している。 でも、互いの顔色をうかがってはウソばかりを言い合っている不潔な食卓よりは、口論の多い食卓のほうが健康的だ、と私はそう考えています。 イエローなライブはマターではないのかもしれないので』、安部政権の「新型コロナウイルス」対策での、徹底した隠蔽体質には呆れ果てた。「互いの顔色をうかがってはウソばかりを言い合っている不潔な食卓よりは、口論の多い食卓のほうが健康的だ、と私はそう考えています」、同感である。「イエローなライブはマターではないのかもしれないので」、イエロー・モンキーに関連しているようだが、私には残念ながら意味不明だ。
タグ:アメリカ合衆国は、ANTIFAをテロ組織として指定することになる)と断言 フェイスブック社は、投稿に対し意見を付けることに否定的だが、社内では反乱が起きた トランプ大統領 小田嶋 隆 ツイッター社は、この5月の「郵送投票に関する誤解を招くツイート」に「要事実確認」の警告ラベルを付与した 「荒れるアメリカがうらやましい理由」 「テロ組織として指定することになる」、余りに無理が多い主張 事業者を選定する第三者委員会についても、メンバーや議事録などを公表する予定がない (その45)(小田嶋氏2題:トランプ大統領の島国根性、荒れるアメリカがうらやましい理由) 互いの顔色をうかがってはウソばかりを言い合っている不潔な食卓よりは、口論の多い食卓のほうが健康的だ、と私はそう考えています 持続化給付金 「Go Toキャンペーン事業」 次の開国までの間、私たちは、しばらく、歌舞伎と浄瑠璃と落語・・・あたりで憂さを晴らすことになるのだろうか の、エビデンスやファクトに乏しいドメスティックでセンチメンタルな物語を、国際社会がシェアしてくれるのかどうかは、わからない 新型コロナウイルスが、日本では、むしろ既にある様々な矛盾や不都合を隠蔽する方向の圧力として機能している 専門家会議の初回と3回目について、議事録が作成されていなかったのみならず、速記者さえ入っていなかった ファシストに反対する勢力」という意味で、通常緩やかに構造化された左派から極左までを含む様々な自主的潮流の総称。中心組織や指導者がない 日本には日本の物語がある 島国根性はうちの国の専売特許ではなかった。 むしろ、「日本はどうしようもない田舎の島国だ」と考えていた私の思い込みのほうが、典型的な島国根性だった ANTIFA 外敵との戦いに目を向けさせることで内政の失敗を糊塗することに成功するわけなのだが、その結果として、戦争というより巨大な失敗によって、内政の混乱という小さな失敗を埋め合わせる歴史の皮肉を達成することになる 危機に直面した場面では、平気で・・・ウソをつき通せる人物 家族以外の人間と対立することに慣れていないわたくしども街場の日本人は・・・人間同士が異なった旗を掲げて対決している状況そのものに神経を擦り減らしてしまう 新型コロナウイルスは、様々な場所で、その息苦しくも無差別な圧力によって、それまで隠されていた社会の問題を顕在化させている 「トランプ大統領の島国根性」 安部政権の「新型コロナウイルス」対策での、徹底した隠蔽体質には呆れ果てた サービスデザイン推進協議会から事業の再委託を受けた広告大手の電通がさらに、人材派遣のパソナやIT業のトランスコスモスに業務を外注 日経ビジネスオンライン
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