外国人問題(その4)(コロナ禍で中国人留学生が窮地に 日本の大学入試で起きた「番狂わせ」、相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」、<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる、<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局) [社会]
外国人問題については、昨年3月12日に取上げた。今日は、(その4)(コロナ禍で中国人留学生が窮地に 日本の大学入試で起きた「番狂わせ」、相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」、<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる、<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局)である。
先ずは、昨年12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの姫田小夏氏による「コロナ禍で中国人留学生が窮地に、日本の大学入試で起きた「番狂わせ」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256868
・『この冬、大学や大学院は受験シーズンの本番を迎えたが、新型コロナウイルスの影響で例年とは異なる受験体制になり、日本在住の中国人留学生たちが翻弄されている。コロナ禍で、スケジュールが変更となったり、オープンキャンパスが中止されたり、面接や小論文がオンラインに切り替わったりしているからだ』、「外国人留学生」はさぞかし心細い思いをしているのだろう。
・『外国人留学生向けの大学入試が急に変わった 今年、都内の某美術系私立大学が突如、外国人留学生向けのAO入試を中止した。中国出身のMさんは、同大学の建築デザイン学科を受験するために、作品提示と面接の準備を黙々と進めてきたのだが、「用意してきた作品が無駄になってしまいました」と落胆する。 同大学は受験日を2021年2月に延期し、さらに国語、英語、社会の学科試験を追加した。「日本の大学なら必ずどこかに入れるだろう」と、どこか気楽なところがあったMさんだったが、現在、入試対策の練り直しを迫られている。 こうした混乱を招いた元凶は、言うまでもなく新型コロナウイルスである。この影響を受けて、今年 6月に予定されていた「日本留学試験(EJU)※1」と、7月に予定されていた「日本語能力試験(JLPT)※2」が立て続けに中止されてしまったのだ。 この両試験の結果は、外国人留学生にとってなくてはならないものだ。大学によっては、「EJUの日本語科目450点満点のうち250点以上、もしくはJLPTでN2(5段階レベルの上から2番目の評価)に合格した者」などといった出願資格を明示するところもある。しかし、今年は外国人留学生がこの2つの試験を受験できなかったため、急遽、独自の出願資格を設ける大学も出てきたというわけだ。 ※1は独立行政法人日本学生支援機構が主催 ※2は公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催) Mさんの志望校が、例年行ってきたAO入試を見直して、新たに学科試験と実技試験を伴う選抜試験を来年2月に設定したのも、こうした影響を受けたためである』、「日本留学試験」、「日本語能力試験」が「中止」された影響は確かに深刻だ。
・『「“漢字”を頼りにできない!?」、番狂わせの試験 12月上旬の段階で、すでに外国人留学生の入試を終了した大学も多数ある。その合否判定はすでに本人に伝えられているが、コロナ禍の入試は多くの外国人留学生をたじろがせた。 感染予防対策として、普通ならば対面で行う面接がオンラインに切り替わったこともその一つ。中国人専門の家庭教師として、多くの学生を指導するNさんは次のように語る。 「これまで小論文は受験校の教室内で書きましたが、今年の受験は『自宅で書き、メールで送信』させる大学もありました。午前9時にタイトルが発表され、90分以内に書いて提出するわけですが、大学側も、学生がネットで調べることを見込んでか、テーマそのものが難しいという印象でした。また、ある大学では設問を口頭で行いました。しかし、問題用紙に書かれた“漢字”を今まで頼りにしてきた中国人留学生は、これで大きく足元をすくわれました」 この冬の留学生受験では「不合格」という現実を突きつけられた中国人学生も少なくなかった。受験生の間では「大学側は外国人留学生の募集人数を削減しているのではないか」といったうわさも立った。 中国人留学生の事情に詳しい大東文化大学の田中寛教授によれば、「募集人数については、少なくとも当校は例年通り」とした上で「大学側は、コロナ禍で外国人留学生の数が激減するのではないかと危惧する一方で、米中貿易戦争の影響で来日する留学生はむしろ増えるのではないかと期待している部分がある」という』、実際の「外国人留学生の数」はどうなるのだろう。
・『帰国しても厳しい競争 一方、行き場を失った中国人留学生はどうなるのか。前出の留学生の学習指導に当たるNさんは「ビザの問題を抱える学生たちは、いったん専門学校に入り1年勉強し直すという“仮面浪人”になる可能性があります」と語っている。 その間の生活費のやりくりはどうするのか。最近は、経済的にも余裕のある中国人留学生が多いとはいえ、依然としてアルバイトに頼らなければならない学生もいる。こうした学生にとってはコロナ禍の在留生活も一苦労だ。これまでは、訪日旅行客への接客などで彼らのアルバイトの需要も高かったが、インバウンド客が来なくなった今、簡単に仕事が探せる環境ではなくなってしまったのだ。 懸念されるのは今後の展望だ。日本の学生もそうであるように、コロナ禍によって外国人留学生の展望も見通しが利かなくなっている。外国人留学生の採用について、一部上場の某大手企業の人事担当者が「あくまで優秀な人材がいれば」とするように、グローバル化を見据えたこれまでの積極採用にも陰りが出始めている。 学生の心理にも変化が起こっている。日本への進学や就職を希望して来日したとはいえ、「やはり帰国したい」と考える学生も出てくるようになった。我が子の生命を案ずる親や親戚からの「中国の方が安全だから帰ってこい」という、矢のような催促があったためでもある。必死で日本語の勉強に打ち込んでいたが日本での大学進学を諦めた学生や、単位取得に励みながらも退学した大学院生もいた。 コロナの封じ込めの成功と急速に立ち直った祖国の姿に「やはり中国にこそチャンスがあるのではないか」と思う学生も出てきた。しかし、彼らが中国に帰国したところで待っているのは、日本以上にし烈な競争社会だ。中国人留学生の学習サポートを行っている非営利団体の代表者は厳しい現実を指摘する。 「確かに、『チャンスがあるのは中国だ』と考えを変える学生もいます。でも、その中国にはさらに優秀な人材が山ほどいて、彼らが帰国したところでよりよい就職先を見つけることはもっと困難なのです」 ここ数年、中国では米中貿易戦争の影響で、一流の人材ですら仕事にあぶれるような状況だ。加えて、コロナの感染拡大で企業の倒産やリストラが相次ぎ、有名大学の卒業生すら路頭に迷っているとも報じられている。家政婦やフードデリバリーの配達業者になるなどして、窮状をしのぐ大卒者もいるくらいだ。 2008年の福田康夫内閣以来、日本政府はグローバル戦略の一環として「留学生30万人計画」を推進していた。少子高齢化の影響で、外国人留学生は定員割れを起こした大学の埋め合わせにも貢献してきた。一方で、中国では、詰め込み型の厳しい教育についていけない子どもたちが続出し、その受け皿のひとつが日本留学にもなっていた。こうした需要と供給のもとで日本における留学生は数を増し、2019年5月時点で、目標数字を超えた31万人(うち中国人留学生は12万人超、日本学生支援機構調べ)が在留する。 コロナ禍の2020年は、目まぐるしく変わる世界情勢や社会環境に、中国人留学生たちも翻弄された1年だった。日本にとどまっている学生も帰国した学生も、この先どこに活路を見いだすのか…。来年はさらなる試練が待ち構えている』、「留学生30万人計画」は「定員割れを起こした大学の埋め合わせにも貢献」したとはいえ、「中国では、詰め込み型の厳しい教育についていけない子どもたちが続出し、その受け皿のひとつが日本留学にもなっていた」、というのは問題である。「留学生30万人計画」は抜本的に見直すべきだろう。
次に、12月8日付け日刊ゲンダイが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実」:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282319
・『「日本に来て7年が経ちますが、今ほどベトナム人であることを恥ずかしく思ったことはありません」 そう話すのは、東京都内のメーカーで営業職として働くベトナム人のハインさん(28歳)だ。 「できるだけ、ベトナム人であることを隠したい。初めて会った人から『中国人?』『タイ人?』と尋ねられると、(否定せずに)『ハイ』と答えることにしているんです」 今、ハインさんと同じ思いを抱える在日ベトナム人は少なくないはずだ。その原因となったのが、最近メディアを賑わせた「子豚の盗難事件」である。 今年夏ごろから北関東で頻発していた子豚など家畜や果物の盗難に絡み、10月末にベトナム人たちの逮捕が相次いだ。まず10月26日、群馬県内で13人のグループが入管難民法違反容疑で捕まった。続いて2日後の28日には、やはり群馬県で4人が、無許可で豚を解体した、と畜場法違反容疑で逮捕された。容疑は別件だが、いずれも盗難への関与を疑われてのことだ。 「ベトナム人逮捕」のニュースは、新聞やテレビでも大きく報じられた。13人のグループの首謀者とされるベトナム人男性はスキンヘッドの迫力ある風貌で、「群馬の兄貴」と称して仲間を募っていた。グループが共同で生活していた2軒の民家からは、警察の家宅捜索で冷凍された約30羽の鶏も見つかった。そして4人グループには、豚などをSNSで在日ベトナム人に販売し、さらには子豚を丸焼きにする動画まで投稿してもいた』、「ベトナム人」はかなり悪名をとどろかせたものだ。
・『メディアが飛びつきそうなネタばかり 「群馬の兄貴」と呼ばれるスキンヘッドのベトナム人、SNS、子豚の丸焼き……。いずれもメディアが飛びつきそうなネタばかりだ。 過去にもベトナム人犯罪が全国ニュースになったことはある。数年前には、全国の「ユニクロ」で万引を繰り返し、ベトナムへ密輸していた「ユニクロ窃盗団」が摘発されて話題となった。また、岐阜県で除草用に飼われていたヤギを盗んで食べ、逮捕されたベトナム人もいた。今回の「子豚」に関しては、現在まで盗難は立証されていない。それでも「ユニクロ」や「ヤギ」以上のインパクトかもしれない。 一番の被害者は「子豚」などを盗まれた農家だ。一方、「ベトナム人」のイメージも大きく傷ついた。ハインさんのように日本で真面目に暮らしているベトナム人たちまでも、非難や差別の対象になりかねない。 在日ベトナム人の数は2019年末時点で41万人を超え、12年から5倍近く急増している。約81万人の中国人、約45万人の韓国人に次ぐ数だ。 ベトナム人たちの大半は、出稼ぎのために来日する。彼らは私たちの暮らしを社会の底辺で支え、なくてはならない存在となっている。そのベトナム人社会で今、何が起きているのだろうか』、「在日ベトナム人の数は2019年末時点で41万人を超え、12年から5倍近く急増」、「5倍」とはやはり突出した急増だ。
第三に、この続きを、12月11日付け日刊ゲンダイ「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282494
・『約41万人の在日ベトナム人のうち、8割近くは実習生と留学生だ。その大半は、多額の借金を背負い来日する。しかも借金の額が、他国出身者よりも大きい。とりわけ実習生の場合はそうだ。それはなぜなのか。 ベトナム人が実習生として来日する場合、50万~100万円程度の費用が必要となる。日本へ実習生を斡旋する「送り出し機関」に支払う手数料である。 「送り出し機関」という名前には公的なイメージがあるが、実態は民間の斡旋業者に他ならない。その送り出し機関が実習生から徴収する手数料に関し、ベトナム政府は上限を「3600ドル」(約37万4000円)と定めている。しかし、ルールは全く守られておらず、100万円以上の手数料を取るような業者も少なくない。 日本であれば、法律違反を犯す業者は罰せられる。しかし、汚職と賄賂の蔓延するベトナムでは、金さえ払えば取り締まりは逃れられる。政府関係者が、副業で送り出し機関の運営に関わるケースもよくある。 留学生に至っては、来日時の費用は実習生以上に膨らむ。留学斡旋業者への手数料に加え、留学先となる日本語学校の初年度の学費や寮費の支払いで、150万円前後を用意しなくてはならない。 留学生も実習生と同様、費用は借金に頼るケースが多い。「150万円」はベトナムの庶民にとって年収の数倍に相当するが、日本で働けば返済できると甘く考えるのだ』、収入がほぼ確実に見込める「実習生」はともかく、そうでない「留学生」が借金して来るというのは無理がありそうだ。
・『経済力のない外国人にもビザ発給 こうして留学費用を借金に頼るような外国人に対し、日本政府は本来、留学ビザの発給を認めていない。だが、原則を守っていれば留学生は増えず、第2次安倍政権が「成長戦略」として進めた「留学生30万人計画」も達成できなかった。だから原則を無視して、経済力のない外国人にもビザを与え続けてきた。 筆者はある大学に講師として招かれた際、日本人の学生たちにこんな質問を投げかけてみた。 「海外へ出稼ぎに行けば、月200万円が稼げます。ただし、仕事は厳しい肉体労働で、渡航時にかかる費用の2000万円は借金しなければならない。そんな条件のもとで、皆さんは外国で働こうと思いますか?」 多額の借金を背負い来日するベトナム人の境遇を、日本の物価に当てはめ質問してみたのだ。 講義には20人ほどの学生が参加していたが、「行きたい」と答えた者は一人もいなかった。日本で働くより10倍の金が稼げても、大きな借金を背負ってまで外国に行き、その国の人が嫌がる仕事などしたくないのだ。日本人の若者であれば当然だろう。 しかしベトナム人たちは借金漬けになりながら、人生をかけて日本へとやってくる。ベトナムにいても、貧しい生活から抜け出せないからだ。だが、日本での暮らしは想像していたほど甘くない』、「留学費用を借金に頼るような外国人に対し、日本政府は本来、留学ビザの発給を認めていない。だが、原則を守っていれば留学生は増えず、第2次安倍政権が「成長戦略」として進めた「留学生30万人計画」も達成できなかった。だから原則を無視して、経済力のない外国人にもビザを与え続けてきた』、「留学生30万人計画」達成のため、「留学ビザ」の発給要件を緩めた「安倍政権」の責任は重大だ。
第四に、この続き、12月15日付け日刊ゲンダイ「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282646
・『なぜ、ベトナム人犯罪は近年増加しているのか。その大きな原因が、ベトナム人の実習生や留学生が来日時に背負う多額の借金だ。そしてもうひとつ、大手紙やテレビが全く触れない問題がある。それはビザを取得する際の「書類の捏造」だ。 ベトナム人留学生の数は2019年末時点で約8万人に上り、12年からの7年間で9倍にも膨らんでいる。その多くがウソの書類を用いて留学ビザを取得していることは、ほとんど知られていない。 留学ビザは本来、アルバイトなしで留学生活を送れる経済力のある外国人に限って発給される。その経済力を示すため、留学希望者はビザ申請時、親の年収や預金残高の証明書を日本側に提出しなければならない。 ビザ取得には、年収と預金がそれぞれ最低でも200万円程度は必要だ。しかし、ベトナム人の留学希望者は大半が貧しく、クリアは難しい。そもそも金がないから日本へ“留学”し、出稼ぎに励もうとしているのだ。 そこでベトナム人たちは現地の留学斡旋業者を頼る。業者は、行政機関や金融機関にツテがある。そのツテで、年収や預金残高を偽造した書類を作成する。担当者に賄賂を支払ってのことだ。もちろん、賄賂は業者が留学希望者から徴収する手数料に上乗せされる。 こうして出来上がった書類は、ベトナムの業者から留学先となる日本の日本語学校へ送られる。そして日本語学校が法務省入管当局へ提出し、入管と在ベトナム日本大使館の審査を経てビザが発給される。東京都内の日本語学校での勤務歴があり、留学生事情に詳しいベトナム人のジャン君(25歳)が言う』、「現地の留学斡旋業者を頼る。業者は、行政機関や金融機関にツテがある。そのツテで、年収や預金残高を偽造した書類を作成する。担当者に賄賂を支払ってのことだ。もちろん、賄賂は業者が留学希望者から徴収する手数料に上乗せされる」、数字を都合良く改ざんしているとは驚かされた。
・『金さえ払えば捏造可能 「ベトナムでは、お金さえ払えばどんな書類でも捏造できます。ベトナムの農民の年収は日本円で20万~30万円程度なのに、書類には『300万円』と書かれている。日本語学校や入管が、そんな捏造に気づかないはずがない」 だが、捏造を問題にすれば留学生は増えず、安倍政権が進めた「留学生30万人計画」も達成されなかった。だから入管、そして在外公館も捏造を実質黙認し、ビザを発給し続けてきた。 おかげで日本語学校はボロ儲けである。一方、当の留学生たちは悲惨だ。 留学生に許される「週28時間以内」のアルバイトでは、借金を返済し、翌年分の学費を貯めることはできない。そのためアルバイトをかけ持ち、違法就労するしかない。その揚げ句、入管当局に違法就労が見つかり、母国への帰国を余儀なくされる留学生も増えている。ジャン君が続ける。 「書類を捏造したのは留学生たちが悪い。だけど、もっと悪いのは、彼らを利用して儲けている日本語学校ですよ」 日本政府の責任は日本語学校以上だ。そして書類の捏造は、実習生のケースでも当たり前のようになされている』、「捏造を問題にすれば留学生は増えず、安倍政権が進めた「留学生30万人計画」も達成されなかった。だから入管、そして在外公館も捏造を実質黙認し、ビザを発給し続けてきた。 おかげで日本語学校はボロ儲けである。一方、当の留学生たちは悲惨だ」、「日本語学校」の責任もさることながら、「日本政府」の責任はそれ以上に重大だ。
先ずは、昨年12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの姫田小夏氏による「コロナ禍で中国人留学生が窮地に、日本の大学入試で起きた「番狂わせ」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256868
・『この冬、大学や大学院は受験シーズンの本番を迎えたが、新型コロナウイルスの影響で例年とは異なる受験体制になり、日本在住の中国人留学生たちが翻弄されている。コロナ禍で、スケジュールが変更となったり、オープンキャンパスが中止されたり、面接や小論文がオンラインに切り替わったりしているからだ』、「外国人留学生」はさぞかし心細い思いをしているのだろう。
・『外国人留学生向けの大学入試が急に変わった 今年、都内の某美術系私立大学が突如、外国人留学生向けのAO入試を中止した。中国出身のMさんは、同大学の建築デザイン学科を受験するために、作品提示と面接の準備を黙々と進めてきたのだが、「用意してきた作品が無駄になってしまいました」と落胆する。 同大学は受験日を2021年2月に延期し、さらに国語、英語、社会の学科試験を追加した。「日本の大学なら必ずどこかに入れるだろう」と、どこか気楽なところがあったMさんだったが、現在、入試対策の練り直しを迫られている。 こうした混乱を招いた元凶は、言うまでもなく新型コロナウイルスである。この影響を受けて、今年 6月に予定されていた「日本留学試験(EJU)※1」と、7月に予定されていた「日本語能力試験(JLPT)※2」が立て続けに中止されてしまったのだ。 この両試験の結果は、外国人留学生にとってなくてはならないものだ。大学によっては、「EJUの日本語科目450点満点のうち250点以上、もしくはJLPTでN2(5段階レベルの上から2番目の評価)に合格した者」などといった出願資格を明示するところもある。しかし、今年は外国人留学生がこの2つの試験を受験できなかったため、急遽、独自の出願資格を設ける大学も出てきたというわけだ。 ※1は独立行政法人日本学生支援機構が主催 ※2は公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催) Mさんの志望校が、例年行ってきたAO入試を見直して、新たに学科試験と実技試験を伴う選抜試験を来年2月に設定したのも、こうした影響を受けたためである』、「日本留学試験」、「日本語能力試験」が「中止」された影響は確かに深刻だ。
・『「“漢字”を頼りにできない!?」、番狂わせの試験 12月上旬の段階で、すでに外国人留学生の入試を終了した大学も多数ある。その合否判定はすでに本人に伝えられているが、コロナ禍の入試は多くの外国人留学生をたじろがせた。 感染予防対策として、普通ならば対面で行う面接がオンラインに切り替わったこともその一つ。中国人専門の家庭教師として、多くの学生を指導するNさんは次のように語る。 「これまで小論文は受験校の教室内で書きましたが、今年の受験は『自宅で書き、メールで送信』させる大学もありました。午前9時にタイトルが発表され、90分以内に書いて提出するわけですが、大学側も、学生がネットで調べることを見込んでか、テーマそのものが難しいという印象でした。また、ある大学では設問を口頭で行いました。しかし、問題用紙に書かれた“漢字”を今まで頼りにしてきた中国人留学生は、これで大きく足元をすくわれました」 この冬の留学生受験では「不合格」という現実を突きつけられた中国人学生も少なくなかった。受験生の間では「大学側は外国人留学生の募集人数を削減しているのではないか」といったうわさも立った。 中国人留学生の事情に詳しい大東文化大学の田中寛教授によれば、「募集人数については、少なくとも当校は例年通り」とした上で「大学側は、コロナ禍で外国人留学生の数が激減するのではないかと危惧する一方で、米中貿易戦争の影響で来日する留学生はむしろ増えるのではないかと期待している部分がある」という』、実際の「外国人留学生の数」はどうなるのだろう。
・『帰国しても厳しい競争 一方、行き場を失った中国人留学生はどうなるのか。前出の留学生の学習指導に当たるNさんは「ビザの問題を抱える学生たちは、いったん専門学校に入り1年勉強し直すという“仮面浪人”になる可能性があります」と語っている。 その間の生活費のやりくりはどうするのか。最近は、経済的にも余裕のある中国人留学生が多いとはいえ、依然としてアルバイトに頼らなければならない学生もいる。こうした学生にとってはコロナ禍の在留生活も一苦労だ。これまでは、訪日旅行客への接客などで彼らのアルバイトの需要も高かったが、インバウンド客が来なくなった今、簡単に仕事が探せる環境ではなくなってしまったのだ。 懸念されるのは今後の展望だ。日本の学生もそうであるように、コロナ禍によって外国人留学生の展望も見通しが利かなくなっている。外国人留学生の採用について、一部上場の某大手企業の人事担当者が「あくまで優秀な人材がいれば」とするように、グローバル化を見据えたこれまでの積極採用にも陰りが出始めている。 学生の心理にも変化が起こっている。日本への進学や就職を希望して来日したとはいえ、「やはり帰国したい」と考える学生も出てくるようになった。我が子の生命を案ずる親や親戚からの「中国の方が安全だから帰ってこい」という、矢のような催促があったためでもある。必死で日本語の勉強に打ち込んでいたが日本での大学進学を諦めた学生や、単位取得に励みながらも退学した大学院生もいた。 コロナの封じ込めの成功と急速に立ち直った祖国の姿に「やはり中国にこそチャンスがあるのではないか」と思う学生も出てきた。しかし、彼らが中国に帰国したところで待っているのは、日本以上にし烈な競争社会だ。中国人留学生の学習サポートを行っている非営利団体の代表者は厳しい現実を指摘する。 「確かに、『チャンスがあるのは中国だ』と考えを変える学生もいます。でも、その中国にはさらに優秀な人材が山ほどいて、彼らが帰国したところでよりよい就職先を見つけることはもっと困難なのです」 ここ数年、中国では米中貿易戦争の影響で、一流の人材ですら仕事にあぶれるような状況だ。加えて、コロナの感染拡大で企業の倒産やリストラが相次ぎ、有名大学の卒業生すら路頭に迷っているとも報じられている。家政婦やフードデリバリーの配達業者になるなどして、窮状をしのぐ大卒者もいるくらいだ。 2008年の福田康夫内閣以来、日本政府はグローバル戦略の一環として「留学生30万人計画」を推進していた。少子高齢化の影響で、外国人留学生は定員割れを起こした大学の埋め合わせにも貢献してきた。一方で、中国では、詰め込み型の厳しい教育についていけない子どもたちが続出し、その受け皿のひとつが日本留学にもなっていた。こうした需要と供給のもとで日本における留学生は数を増し、2019年5月時点で、目標数字を超えた31万人(うち中国人留学生は12万人超、日本学生支援機構調べ)が在留する。 コロナ禍の2020年は、目まぐるしく変わる世界情勢や社会環境に、中国人留学生たちも翻弄された1年だった。日本にとどまっている学生も帰国した学生も、この先どこに活路を見いだすのか…。来年はさらなる試練が待ち構えている』、「留学生30万人計画」は「定員割れを起こした大学の埋め合わせにも貢献」したとはいえ、「中国では、詰め込み型の厳しい教育についていけない子どもたちが続出し、その受け皿のひとつが日本留学にもなっていた」、というのは問題である。「留学生30万人計画」は抜本的に見直すべきだろう。
次に、12月8日付け日刊ゲンダイが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実」:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282319
・『「日本に来て7年が経ちますが、今ほどベトナム人であることを恥ずかしく思ったことはありません」 そう話すのは、東京都内のメーカーで営業職として働くベトナム人のハインさん(28歳)だ。 「できるだけ、ベトナム人であることを隠したい。初めて会った人から『中国人?』『タイ人?』と尋ねられると、(否定せずに)『ハイ』と答えることにしているんです」 今、ハインさんと同じ思いを抱える在日ベトナム人は少なくないはずだ。その原因となったのが、最近メディアを賑わせた「子豚の盗難事件」である。 今年夏ごろから北関東で頻発していた子豚など家畜や果物の盗難に絡み、10月末にベトナム人たちの逮捕が相次いだ。まず10月26日、群馬県内で13人のグループが入管難民法違反容疑で捕まった。続いて2日後の28日には、やはり群馬県で4人が、無許可で豚を解体した、と畜場法違反容疑で逮捕された。容疑は別件だが、いずれも盗難への関与を疑われてのことだ。 「ベトナム人逮捕」のニュースは、新聞やテレビでも大きく報じられた。13人のグループの首謀者とされるベトナム人男性はスキンヘッドの迫力ある風貌で、「群馬の兄貴」と称して仲間を募っていた。グループが共同で生活していた2軒の民家からは、警察の家宅捜索で冷凍された約30羽の鶏も見つかった。そして4人グループには、豚などをSNSで在日ベトナム人に販売し、さらには子豚を丸焼きにする動画まで投稿してもいた』、「ベトナム人」はかなり悪名をとどろかせたものだ。
・『メディアが飛びつきそうなネタばかり 「群馬の兄貴」と呼ばれるスキンヘッドのベトナム人、SNS、子豚の丸焼き……。いずれもメディアが飛びつきそうなネタばかりだ。 過去にもベトナム人犯罪が全国ニュースになったことはある。数年前には、全国の「ユニクロ」で万引を繰り返し、ベトナムへ密輸していた「ユニクロ窃盗団」が摘発されて話題となった。また、岐阜県で除草用に飼われていたヤギを盗んで食べ、逮捕されたベトナム人もいた。今回の「子豚」に関しては、現在まで盗難は立証されていない。それでも「ユニクロ」や「ヤギ」以上のインパクトかもしれない。 一番の被害者は「子豚」などを盗まれた農家だ。一方、「ベトナム人」のイメージも大きく傷ついた。ハインさんのように日本で真面目に暮らしているベトナム人たちまでも、非難や差別の対象になりかねない。 在日ベトナム人の数は2019年末時点で41万人を超え、12年から5倍近く急増している。約81万人の中国人、約45万人の韓国人に次ぐ数だ。 ベトナム人たちの大半は、出稼ぎのために来日する。彼らは私たちの暮らしを社会の底辺で支え、なくてはならない存在となっている。そのベトナム人社会で今、何が起きているのだろうか』、「在日ベトナム人の数は2019年末時点で41万人を超え、12年から5倍近く急増」、「5倍」とはやはり突出した急増だ。
第三に、この続きを、12月11日付け日刊ゲンダイ「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282494
・『約41万人の在日ベトナム人のうち、8割近くは実習生と留学生だ。その大半は、多額の借金を背負い来日する。しかも借金の額が、他国出身者よりも大きい。とりわけ実習生の場合はそうだ。それはなぜなのか。 ベトナム人が実習生として来日する場合、50万~100万円程度の費用が必要となる。日本へ実習生を斡旋する「送り出し機関」に支払う手数料である。 「送り出し機関」という名前には公的なイメージがあるが、実態は民間の斡旋業者に他ならない。その送り出し機関が実習生から徴収する手数料に関し、ベトナム政府は上限を「3600ドル」(約37万4000円)と定めている。しかし、ルールは全く守られておらず、100万円以上の手数料を取るような業者も少なくない。 日本であれば、法律違反を犯す業者は罰せられる。しかし、汚職と賄賂の蔓延するベトナムでは、金さえ払えば取り締まりは逃れられる。政府関係者が、副業で送り出し機関の運営に関わるケースもよくある。 留学生に至っては、来日時の費用は実習生以上に膨らむ。留学斡旋業者への手数料に加え、留学先となる日本語学校の初年度の学費や寮費の支払いで、150万円前後を用意しなくてはならない。 留学生も実習生と同様、費用は借金に頼るケースが多い。「150万円」はベトナムの庶民にとって年収の数倍に相当するが、日本で働けば返済できると甘く考えるのだ』、収入がほぼ確実に見込める「実習生」はともかく、そうでない「留学生」が借金して来るというのは無理がありそうだ。
・『経済力のない外国人にもビザ発給 こうして留学費用を借金に頼るような外国人に対し、日本政府は本来、留学ビザの発給を認めていない。だが、原則を守っていれば留学生は増えず、第2次安倍政権が「成長戦略」として進めた「留学生30万人計画」も達成できなかった。だから原則を無視して、経済力のない外国人にもビザを与え続けてきた。 筆者はある大学に講師として招かれた際、日本人の学生たちにこんな質問を投げかけてみた。 「海外へ出稼ぎに行けば、月200万円が稼げます。ただし、仕事は厳しい肉体労働で、渡航時にかかる費用の2000万円は借金しなければならない。そんな条件のもとで、皆さんは外国で働こうと思いますか?」 多額の借金を背負い来日するベトナム人の境遇を、日本の物価に当てはめ質問してみたのだ。 講義には20人ほどの学生が参加していたが、「行きたい」と答えた者は一人もいなかった。日本で働くより10倍の金が稼げても、大きな借金を背負ってまで外国に行き、その国の人が嫌がる仕事などしたくないのだ。日本人の若者であれば当然だろう。 しかしベトナム人たちは借金漬けになりながら、人生をかけて日本へとやってくる。ベトナムにいても、貧しい生活から抜け出せないからだ。だが、日本での暮らしは想像していたほど甘くない』、「留学費用を借金に頼るような外国人に対し、日本政府は本来、留学ビザの発給を認めていない。だが、原則を守っていれば留学生は増えず、第2次安倍政権が「成長戦略」として進めた「留学生30万人計画」も達成できなかった。だから原則を無視して、経済力のない外国人にもビザを与え続けてきた』、「留学生30万人計画」達成のため、「留学ビザ」の発給要件を緩めた「安倍政権」の責任は重大だ。
第四に、この続き、12月15日付け日刊ゲンダイ「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282646
・『なぜ、ベトナム人犯罪は近年増加しているのか。その大きな原因が、ベトナム人の実習生や留学生が来日時に背負う多額の借金だ。そしてもうひとつ、大手紙やテレビが全く触れない問題がある。それはビザを取得する際の「書類の捏造」だ。 ベトナム人留学生の数は2019年末時点で約8万人に上り、12年からの7年間で9倍にも膨らんでいる。その多くがウソの書類を用いて留学ビザを取得していることは、ほとんど知られていない。 留学ビザは本来、アルバイトなしで留学生活を送れる経済力のある外国人に限って発給される。その経済力を示すため、留学希望者はビザ申請時、親の年収や預金残高の証明書を日本側に提出しなければならない。 ビザ取得には、年収と預金がそれぞれ最低でも200万円程度は必要だ。しかし、ベトナム人の留学希望者は大半が貧しく、クリアは難しい。そもそも金がないから日本へ“留学”し、出稼ぎに励もうとしているのだ。 そこでベトナム人たちは現地の留学斡旋業者を頼る。業者は、行政機関や金融機関にツテがある。そのツテで、年収や預金残高を偽造した書類を作成する。担当者に賄賂を支払ってのことだ。もちろん、賄賂は業者が留学希望者から徴収する手数料に上乗せされる。 こうして出来上がった書類は、ベトナムの業者から留学先となる日本の日本語学校へ送られる。そして日本語学校が法務省入管当局へ提出し、入管と在ベトナム日本大使館の審査を経てビザが発給される。東京都内の日本語学校での勤務歴があり、留学生事情に詳しいベトナム人のジャン君(25歳)が言う』、「現地の留学斡旋業者を頼る。業者は、行政機関や金融機関にツテがある。そのツテで、年収や預金残高を偽造した書類を作成する。担当者に賄賂を支払ってのことだ。もちろん、賄賂は業者が留学希望者から徴収する手数料に上乗せされる」、数字を都合良く改ざんしているとは驚かされた。
・『金さえ払えば捏造可能 「ベトナムでは、お金さえ払えばどんな書類でも捏造できます。ベトナムの農民の年収は日本円で20万~30万円程度なのに、書類には『300万円』と書かれている。日本語学校や入管が、そんな捏造に気づかないはずがない」 だが、捏造を問題にすれば留学生は増えず、安倍政権が進めた「留学生30万人計画」も達成されなかった。だから入管、そして在外公館も捏造を実質黙認し、ビザを発給し続けてきた。 おかげで日本語学校はボロ儲けである。一方、当の留学生たちは悲惨だ。 留学生に許される「週28時間以内」のアルバイトでは、借金を返済し、翌年分の学費を貯めることはできない。そのためアルバイトをかけ持ち、違法就労するしかない。その揚げ句、入管当局に違法就労が見つかり、母国への帰国を余儀なくされる留学生も増えている。ジャン君が続ける。 「書類を捏造したのは留学生たちが悪い。だけど、もっと悪いのは、彼らを利用して儲けている日本語学校ですよ」 日本政府の責任は日本語学校以上だ。そして書類の捏造は、実習生のケースでも当たり前のようになされている』、「捏造を問題にすれば留学生は増えず、安倍政権が進めた「留学生30万人計画」も達成されなかった。だから入管、そして在外公館も捏造を実質黙認し、ビザを発給し続けてきた。 おかげで日本語学校はボロ儲けである。一方、当の留学生たちは悲惨だ」、「日本語学校」の責任もさることながら、「日本政府」の責任はそれ以上に重大だ。
タグ:外国人問題 (その4)(コロナ禍で中国人留学生が窮地に 日本の大学入試で起きた「番狂わせ」、相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」、<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる、<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局) ダイヤモンド・オンライン 姫田小夏 「コロナ禍で中国人留学生が窮地に、日本の大学入試で起きた「番狂わせ」」 外国人留学生向けの大学入試が急に変わった 「日本留学試験」、「日本語能力試験」が「中止」された影響は確かに深刻だ “漢字”を頼りにできない!?」、番狂わせの試験 実際の「外国人留学生の数」はどうなるのだろう 帰国しても厳しい競争 「留学生30万人計画」は「定員割れを起こした大学の埋め合わせにも貢献」したとはいえ、「中国では、詰め込み型の厳しい教育についていけない子どもたちが続出し、その受け皿のひとつが日本留学にもなっていた」、というのは問題である 「留学生30万人計画」は抜本的に見直すべきだろう 日刊ゲンダイ 出井康博 「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実」:<1>子豚盗難事件が原因「ベトナム人であること隠したい」 「ベトナム人」はかなり悪名をとどろかせたものだ メディアが飛びつきそうなネタばかり 「在日ベトナム人の数は2019年末時点で41万人を超え、12年から5倍近く急増」、「5倍」とはやはり突出した急増だ 「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<4>他国出身者より借金漬け 100万円超の手数料が苦しめる」 約41万人の在日ベトナム人のうち、8割近くは実習生と留学生 ベトナム人が実習生として来日する場合、50万~100万円程度の費用が必要 「送り出し機関」に支払う手数料 送り出し機関が実習生から徴収する手数料に関し、ベトナム政府は上限を「3600ドル」(約37万4000円)と定めている。しかし、ルールは全く守られておらず、100万円以上の手数料を取るような業者も少なくない 収入がほぼ確実に見込める「実習生」はともかく、そうでない「留学生」が借金して来るというのは無理がありそうだ 経済力のない外国人にもビザ発給 「留学生30万人計画」達成のため、「留学ビザ」の発給要件を緩めた「安倍政権」の責任は重大だ 「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:<6>ベトナム業者が捏造した書類を黙認する法務省入管当局」 「現地の留学斡旋業者を頼る。業者は、行政機関や金融機関にツテがある。そのツテで、年収や預金残高を偽造した書類を作成する。担当者に賄賂を支払ってのことだ。もちろん、賄賂は業者が留学希望者から徴収する手数料に上乗せされる 数字を都合良く改ざんしているとは驚かされた 金さえ払えば捏造可能 捏造を問題にすれば留学生は増えず、安倍政権が進めた「留学生30万人計画」も達成されなかった。だから入管、そして在外公館も捏造を実質黙認し、ビザを発給し続けてきた。 おかげで日本語学校はボロ儲けである。一方、当の留学生たちは悲惨だ 日本語学校」の責任もさることながら、「日本政府」の責任はそれ以上に重大だ