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2020年の回顧(その2)(最悪の2020年 絶望的な2021年 藤井聡 京都大学都市社会工学専攻教授【特集:2020年を振り返って】、信用情報誌『TSR情報』トップニュースで振り返る 2020年の“コロナ禍”) [社会]

昨日に続いて、2020年の回顧(その2)(最悪の2020年 絶望的な2021年 藤井聡 京都大学都市社会工学専攻教授【特集:2020年を振り返って】、信用情報誌『TSR情報』トップニュースで振り返る 2020年の“コロナ禍”)を取上げよう。

先ずは、12月9日付けJACOM「最悪の2020年、絶望的な2021年 藤井聡 京都大学都市社会工学専攻教授【特集:2020年を振り返って】」を紹介しよう。
https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/2020/12/201209-48201.php
・『藤井教授は、今年を振り返り最低最悪の一年であった。そして新年においてどうなるかとみれば「絶望的な見通し以外頭をよぎることができない」と指摘しています。どうすれば日本は救われるのか? 答えを探さねばならないようです』、藤井氏は第2次安倍内閣で内閣官房参与を務めた。
・『最悪の2020年  令和2年、西暦2020年は所謂(いわゆる)戦後日本において最低最悪の一年であったと言わねばならない。 第一にコロナ感染症の拡大に怯(おび)え、我が国政府も国民も、公衆衛生学的な観点から言って経済社会の破壊という副作用の方が遙かに大きな「過剰自粛」に従事してしまい、戦後最大の国民所得の急速な減少に見舞われることになった』、「過剰自粛」とは言い得て妙だ。
・『コロナ負け組国家に  第二に、それだけ経済が疲弊したにも拘わらず、欧米先進国では当たり前というべき徹底的な所得補償、損失補填が全く行われず、激しく経済が下落したままに年を越す事になった。その結果我が国は、世界的にもコロナ死者数が極めて少ない水準に抑えられているにも拘(かか)わらず、世界有数の経済低迷を被る、ある意味「世界最大のコロナ負け組国家」になってしまった。 第三に、これだけ経済が冷え込んだ中にあっては、国内産業を第一次、第二次、第三次、そして大手中小といったあらゆる側面から「公助に基づく保護」せねばならないにも関わらず、驚くべき事に我が国において誕生した菅政権は、そうした「公助」よりもむしろ「自助」を優先すべきだという政治理念に基づいた様々な改革に着手し始めた。 例えば、中小企業の定義や過疎自治体の定義を改変し、支援せずに半ば「見ごろし」にする企業・自治体を増やしていく方針に舵(かじ)をきった。地方銀行においても、保護対象を縮小させ、銀行間の競争を激化させる事を通して弱小銀行を同じく「見ごろし」にする方向に改革を模索しはじめた。そして、一部の種苗開発農家と種苗を開発したグローバル企業達には利益がもたらされる一方、大多数の種苗を利用する農家の出費を増大させることになる方向で種苗法が改定された』、「菅政権は、そうした「公助」よりもむしろ「自助」を優先すべきだという政治理念に基づいた様々な改革に着手し始めた」、竹中平蔵が軍師として操っているようだ。これは農協の機関紙なので、「種苗法が改定」にも触れているのだろう。
・『尖閣は中国のもの是認?  そして第四に、11月に日本で行われた日中外相会談後の共同記者会見で、中国の王穀外相に尖閣諸島は「中国の領土」であり、その近隣の「中国の領海」に外国船である日本の不審な船が侵入すれば主権を守るために軍事を使った攻撃をせざるを得なくなると「恫喝(どうかつ)」されるという途轍もない日本の主権を侵害する発言が堂々となされた。それにも関わらず、その王穀外相の隣に座っていた日本の茂木外相は一言の抗議もせずに会見を終え、最後に「謝々」とニコニコしながらあいさつするという完全に常軌を逸した噴飯ものの行為に及んだ。つまり我が国は、世界に対して、とりわけ中国に対して「日本は、尖閣が中国のものであることを是認する」メッセージを送ってしまったのである。これは戦後日本の日中外交史における最大の汚点と言わねばならぬ事件であった。 つまり2020年は、経済的にも、産業的にも、外交的にも驚くべき国力国勢の衰退がもたらされた年なのであった。いわば、民主党政権、安倍政権と自民民主の共作で衰退し続けた我が国日本に、決定的な大打撃を与えたのが2020年に誕生した菅政権だった、という構図にあるわけである。 2020年は21世紀日本の衰退凋落を決定づけた年として、このままでは後世の歴史家達に刻みつけられる年となるだろう』、「王穀」「茂木」会談についてのマスコミ報道は、菅政権に最大限忖度した当たり障りのないものだった。
・『絶望的な2021年  それでは、我が国は2021年という新年においてどうなるのかを考えてみれば――絶望的な見通し以外頭をよぎることができない。 第一に、このコロナ大不況から日本が蘇(よみがえ)るためには、欧州各国の様に「財政規律」をコロナ禍が完全終息するまで一時的に凍結することが不可欠だ。さもなければ政府は国民を救うための経済対策を自由にすることが出来なくなり、コロナ不況は永遠に続くことになるからだ。しかし、菅内閣が財政規律を凍結する見込みはほとんどゼロだ。 まず、麻生太郎財務大臣は2020年度、コロナ不況が始まってから二度にわたって2025年のプライマリーバランス黒字化目標を取り下げるか否かを問われ、いずれも取り下げないと断定した。これが菅内閣の公式見解だ。それどころか、安倍内閣が主張し続けた「デフレ脱却を目指す」という台詞を、これだけコロナ禍によって激しく経済が冷え込んでいる状況下であるにも関わらず菅総理は所信表明において一言も口にしなかったのだ。そんな菅内閣が続く限り、日本がコロナ不況を終わらせることなど絶対に不可能だ。 第二に、激しい改革は菅内閣の肝いり方針であり、菅総理がこれを取り下げる事などあり得ない。 最後に中国に対する戦後最大の外交的失敗を犯した茂木首相を更迭でもすれば日本のメンツはギリギリ保てるものの、そうした気配は菅総理において全く見られない』、「藤井」氏は相当な積極財政論者のようで、これでは、「内閣官房参与」を外されたのも頷ける。
・『悪夢の菅内閣が継続  つまり、菅内閣が続く限りにおいて、2020年の悪夢は2021年においても続くことは必至でありむしろ加速するとしか考えられないのだ。では2021年に日本を救う菅政権に変わる新しい内閣が誕生するのかといえばそれも今のままなら絶望的だ。野党は恐るべき弱さを継続しており、最大のライバル石破・岸田両氏は次の総裁選には出馬しないとみられている。こうなれば安倍元総理の再出馬が菅総理に引導を渡すことになり得るが、この度の桜を見る会騒動でその芽も無くなった。 如何(いかに)にすれば日本が救われるのか――答えの見えないまま、我々は年を越さねばならないようである』、「悪夢の菅内閣」、とは官房長官時代によほど激しく対立したのかも知れない。

次に、12月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京商工リサーチ情報部の原田三寛氏による「信用情報誌『TSR情報』トップニュースで振り返る、2020年の“コロナ禍”」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258540
・『「新型コロナウイルス」感染拡大に翻弄された2020年。経営の現場にもコロナ禍が直撃した。信用情報誌「TSR情報」は、現場取材やアンケート、関係先へのヒアリングなどに基づき、事細かに日々報じてきた。コロナ禍は企業活動にどう影響を及ぼしたのか――。信用情報誌「TSR情報」(全国版・日刊)のトップニュースで2020年を振り返る』、興味深そうだ。
・『2019年の企業倒産が11年ぶりに増加  2020年の年明け早々、TSR情報は異例の誌面が展開された。 1月8日号では、国内110銀行の2020年3月期中間決算で、「リスク管理債権」が6兆5403億円(前年同期比5.1%増)に達し、中間期では2012年9月中間期以来、7年ぶりに前年同期を上回ったことを伝えた。伸び率でリスク管理債権が貸倒引当金を2.8ポイント上回ったことに注目し、「将来の貸倒引当金積み増しにつながる可能性がある」と記事中で指摘した。 1週間後の1月15日号では、2019年(1―12月)の企業倒産が、11年ぶりに増加したことを報じた。リーマンショック時に施行された中小企業金融円滑化法や金融機関の手厚い資金繰り支援で企業倒産は抑制され続け、もはや“当たり前”と受け止められていた。それが増加に転じ、与信関係者だけでなく、テレビや新聞などマスコミでも広く報じられ、衝撃を与えた。 2019年10月の消費増税や暖冬、人手不足、長引く消費不振など外部環境に鑑みても、2020年も企業倒産は増加すると予想していた。ただ、新型コロナがこの予想を大きく覆していく』、「」、どういうことだろう。
・『2月に初めての「新型コロナ」関連破綻  中国・武漢で感染が確認された新型コロナは、2月に入ると日本企業へも影響を及ぼし始める。2月6日号では、適時開示情報や独自取材に基づき、上場企業の少なくとも41社の企業活動にすでに影響を及ぼしていることを伝えた。居酒屋チェーン・ワタミが、2月4日開催の臨時取締役会で中国国内の全7店舗の撤退を決議するなど、具体的な動きも活発化した。 2月26日号では、中国人ツアー客を積極的に受け入れていた愛知県内の旅館が団体ツアーのキャンセルなどで資金繰りに変調をきたし、経営破綻したことを伝えた。春節の大型連休と重なることもあって、盛り上がりを見込んでいた需要が確保できなくなり、力尽きた。インバウンド消失の影響が直撃した。今後、相次ぐことになる「新型コロナ」関連破綻の第1号となった』、「新型コロナ」関連破綻の第1号」、は「中国人ツアー客を積極的に受け入れていた愛知県内の旅館」、とは象徴的だ。
・『宿泊業とアパレルで相次ぐ倒産  4月22日号では、コロナ禍で経営に大きな影響を受けた企業に対する制度融資など資金繰り支援策の「現場」を詳報した。都内の自治体の窓口には多くの企業が殺到し、支援認定までに、申請から2カ月以上もかかる可能性がある現状を伝えた。自治体の担当者は「(相談件数は)リーマンショックの比ではない」と話すなど、資金難に陥る企業が広範にわたる深刻さが浮かび上がった。 5月になると新型コロナが経営に本格的に牙をむき始める。5月18日号では、4月の宿泊業者の倒産が25件を記録し、前年同月の2件から「12.5倍」増加したことを伝えた。 5月19日号では、名門アパレルのレナウンが民事再生法の適用を申請し、上場企業初の「コロナ関連」破綻となったと報じた。かつての名門アパレルは、親会社の中国企業との関係悪化など複合要因によって行き詰まった。コロナ関連で破綻した企業は、以前から経営基盤に課題を抱えているケースが多いが、レナウンはそれを象徴した。』、「名門アパレルのレナウンが民事再生法の適用を申請」は、「中国企業」がスポンサーになるリスクを改めて示した。
・『5月の倒産数がまさかの激減  コロナ禍で倒産急増が懸念されるなか、6月9日号では、5月の企業倒産が314件(負債1000万円以上、前年同月比54.8%減)と、56年ぶりの記録的な低水準を伝えた。 誌面では、「倒産激減」の理由として、1)緊急事態宣言による裁判所の業務縮小、2)自治体の制度融資、3)民間金融機関の「ゼロゼロ融資」(注)、4)金融機関やリース会社の弾力的なリスケ対応、5)金融庁が示した「対応事例」による金融機関の貸し出しやリスケへの迅速な審査、6)手形の不渡り猶予、7)休業などで判断の先送り、と分析した。 緊急事態宣言による外出自粛下の状況について、倒産や事業再生に詳しい弁護士は「大手(法律)事務所を中心にテレワークに移行した。破産という一大決心を、リモートで進めることはできない」と吐露。コロナ禍が経済活動の細部にまで影響を及ぼしていることが改めて浮かび上がった。 一方、同日付の誌面で、4月1日から運用が始まった「新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール」(特例リスケ)の1次対応が、2カ月で1000件を超えたことを伝えた。特例リスケを運用窓口である中小企業再生支援協議会は、「中小企業の駆け込み寺」を自任している。駆け込み急増は、倒産減少が一時的かつ、予断を許さない状況であることを物語っている』、「企業倒産件数」は2020年4-9月に前年同期比-9.4%、10月-20.0%、11月-21.7%と前年割れが続いており、政策効果がそれなりに利いているとも思えるが、「倒産」に含まれない「休廃業・解散」が後述のように増えている可能性もある。
(注)ゼロゼロ融資:5月から開始された信用保証協会の保証付きの無利子・無担保融資。
・『休廃業・解散が過去最多ペースに  8月5日号では、コロナ禍が長引いた場合、廃業を検討する可能性がある中小企業が7.7%に及ぶとの調査結果を報じた。経済センサスによると、中小企業数は357万8176社(個人企業含む)を数え、単純計算で27万6000社近くの中小企業が廃業を検討していることになる。 調査はインターネットを通じて、毎月実施。廃業だけでなく、月次の売上高や業態転換の意向など、コロナ禍で変容する経営環境を調査し、延べ20万社近い企業に回答をいただいている。集計結果は、政府の「未来投資会議」や「全世代型社会保障検討会議」の資料にも活用されている。 9月16日号では、倒産集計対象外の負債1000万円未満の倒産が、4月以降増勢をたどっていることを伝えた。記事では、1―8月累計で432件(前年同期比27.4%増)に達したことに触れ、「負債1000万円以上の倒産動向の前兆」と分析した。 また、9月24日号では「休廃業・解散」が大幅に増加しており、最多だった2018年の4万6724件を超えて、過去最多に達する恐れがあると報じた。 代表者の高齢化や後継者不足が相まって休廃業・解散の増加は避けられず、記事では「高齢の経営者や従業員への支援など、経済政策と社会福祉を絡めた複層的な議論が必要」と指摘。コロナ禍以降の資金繰り支援は、現在の企業の存続は担保するものの、将来にわたっての持続可能性には有効打となっていない。現在の資金繰りだけでなく、多様な支援のあり方が必要との論を展開した』、「東京商工リサーチ」の2019年「休廃業・解散企業」動向調査によれば、「休廃業・解散企業」は4.3万件に対し、「倒産企業」は0.8万件と、「休廃業・解散企業」が圧倒的に多いようだ。
・『2021年は経済回復と倒産数が反比例する年に  企業倒産だけでなく、上場企業で「希望退職」や「退職勧奨」などが増加していることを11月2日号で伝えた。その中では、「選択定年制度」との呼称で実施するなど“リストラ隠し”とも受け止められるケースもあったことを明らかにした。 11月6日号では、融資のあり方が大きく変わる可能性がある「包括的担保」の導入に向け、金融庁が検討会を設置したことを報じた。担保法制の変更が必要となるため、導入までには時間がかかるが、有形資産から将来のキャッシュフローに審査の軸足が移るため、相手先との対話を通じた「事業性評価」が一層重要になると、審査担当者へ警鐘を鳴らした。 2020年の企業倒産はコロナ禍での手厚い資金繰り支援の効果から、2019年(8383件)を割り込みそうだ。 ただ、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」は2021年1月15日で受け付けが終了する。特例リスケを含め、2020年のコロナ禍での資金繰り支援について、霞が関の担当者は、「とにかく生き延びてもらいたいので、支援する。潰さないための政策だった」と振り返る。 2021年は、企業の業態転換や再編を目的とした投資に対し、最大1億円を補助する「事業再構築補助金」が動き出す。ポストコロナに向けた取り組み方次第で、企業業績、ひいては存続の明暗が分かれる可能性もある。コロナ禍の収束時期にも左右されるが、手厚い支援はいつまでも続かない。2021年は、経済の回復と倒産件数が反比例する年になりそうだ』、「経済の回復と倒産件数が反比例する年」とは、「経済」は「回復」するが、「倒産件数」は増加するということのようだ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 2020年の回顧 (その2)(最悪の2020年 絶望的な2021年 藤井聡 京都大学都市社会工学専攻教授【特集:2020年を振り返って】、信用情報誌『TSR情報』トップニュースで振り返る 2020年の“コロナ禍”) JACOM 「最悪の2020年、絶望的な2021年 藤井聡 京都大学都市社会工学専攻教授【特集:2020年を振り返って】」 第2次安倍内閣で内閣官房参与 最悪の2020年 公衆衛生学的な観点から言って経済社会の破壊という副作用の方が遙かに大きな「過剰自粛」に従事 コロナ負け組国家に 菅政権は、そうした「公助」よりもむしろ「自助」を優先すべきだという政治理念に基づいた様々な改革に着手し始めた」、竹中平蔵が軍師として操っているようだ 尖閣は中国のもの是認? 王穀外相に尖閣諸島は「中国の領土」であり、その近隣の「中国の領海」に外国船である日本の不審な船が侵入すれば主権を守るために軍事を使った攻撃をせざるを得なくなると「恫喝 茂木外相は一言の抗議もせずに会見を終え、最後に「謝々」とニコニコしながらあいさつするという完全に常軌を逸した噴飯ものの行為に及んだ 「日本は、尖閣が中国のものであることを是認する」メッセージを送ってしまった 「王穀」「茂木」会談についてのマスコミ報道は、菅政権に最大限忖度した当たり障りのないものだった 絶望的な2021年 「藤井」氏は相当な積極財政論者のようで、これでは、「内閣官房参与」を外されたのも頷ける 悪夢の菅内閣が継続 官房長官時代によほど激しく対立したのかも知れない 原田三寛 「信用情報誌『TSR情報』トップニュースで振り返る、2020年の“コロナ禍”」 2019年の企業倒産が11年ぶりに増加 2020年も企業倒産は増加すると予想していた。ただ、新型コロナがこの予想を大きく覆していく 2月に初めての「新型コロナ」関連破綻 「新型コロナ」関連破綻の第1号」、は「中国人ツアー客を積極的に受け入れていた愛知県内の旅館」、とは象徴的だ 宿泊業とアパレルで相次ぐ倒産 「名門アパレルのレナウンが民事再生法の適用を申請」は、「中国企業」がスポンサーになるリスクを改めて示した 5月の倒産数がまさかの激減 緊急事態宣言による裁判所の業務縮小 自治体の制度融資、 民間金融機関の「ゼロゼロ融資」 金融機関やリース会社の弾力的なリスケ対応 金融庁が示した「対応事例」による金融機関の貸し出しやリスケへの迅速な審査 手形の不渡り猶予 休業などで判断の先送り 政策効果がそれなりに利いているとも思えるが、「倒産」に含まれない「休廃業・解散」が後述のように増えている可能性もある 休廃業・解散が過去最多ペースに 「休廃業・解散企業」は4.3万件に対し、「倒産企業」は0.8万件と、「休廃業・解散企業」が圧倒的に多いようだ 2021年は経済回復と倒産数が反比例する年に 「経済」は「回復」するが、「倒産件数」は増加するということのようだ
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2020年の回顧(「密」と呼ばれて300日… 屋形船業者が見た悪夢とかすかな光、ヒット商品や流行語で振り返る「コロナで始まり鬼滅で終わった年、「他者の辛さ」おもんぱかる力が衰退した2020年(途中まで)) [社会]

今日は、2020年の回顧(「密」と呼ばれて300日… 屋形船業者が見た悪夢とかすかな光、ヒット商品や流行語で振り返る「コロナで始まり鬼滅で終わった年、「他者の辛さ」おもんぱかる力が衰退した2020年(途中まで))を取上げよう。

先ずは、12月14日付け日経ビジネスオンライン「「密」と呼ばれて300日… 屋形船業者が見た悪夢とかすかな光」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00215/120900001/?P=1
・『今から約1年前の2019年12月31日。いつもと変わらぬ大みそかを迎えていた日本にその外電が伝わった時、事態の深刻さを見抜けた人はいったい何人いただろう。 ■「中国で原因不明の肺炎相次ぐ――武漢で27人発症、政府が調査」(中国湖北省武漢市当局は31日、市内の医療機関で27人がウイルス性肺炎を発症したと発表した。感染源など詳しい原因は不明で、中国政府は感染状況を把握するため、専門チームを現場に派遣。発症の疑いがあれば報告するよう医療機関に求めている。(共同通信) この日の日本の産業界の話題は昼すぎから、会社法違反(特別背任)の罪などに問われていた日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の「レバノン出国」一色。数カ月後に世界を揺るがすコロナの悪夢の一報に気を留める人は少なかったはずだ。 むしろ新年を前に企業幹部の頭を占めていたのは「日本経済が五輪後どうなるか」だったに違いない。東京への五輪招致に成功してから6年余り。東日本大震災で深い傷を負った日本が小康状態を保ててこられたのは、五輪というカンフル剤への期待があったからだ。五輪が終わる2020年、日本経済は大きな節目を迎える──。これが多くの人の共通認識だった。 だが蓋を開けると、20年は節目どころではなくなった』、確かに「ゴーン被告の「レバノン出国」一色」、だったようだ。これには、「中国側の情報隠し」も大いに影響していた筈だ。
・『GDP29兆円消失、個人消費17兆円減少の衝撃  中国国営中央テレビ(CCTV)が「原因不明の肺炎の患者から新型コロナウイルスが検出された」と報じたのは、20年1月9日。2月には、横浜港のクルーズ船に乗っていた客の罹患(りかん)が確認された。そこから今日に至るまでの大混乱は、多くの人々が体験した通りだ。 緊急事態宣言に伴う外出自粛などをきっかけに、消費は低迷、企業業績は急激に悪化した。五輪もあえなく延期になった。観光・飲食業では倒産が激増し、地方経済は瓦解寸前に追い込まれつつある。 その結果、日本の実質国内総生産(GDP)は5.3%のマイナス(IMF=国際通貨基金の10月時点の予測)となる。19年比で計29兆円が失われる計算だ。とりわけ個人消費は外出自粛下の4~6月に激減、1月からの9カ月で計17兆円減った。多くの企業業績がむしばまれ、ここ数年の賃上げムードにも暗雲が垂れ込めた結果、消費の回復は一段と遠のいた。株価こそ好調に見えるが、その源泉は各国政府の財政出動と中央銀行の金融緩和にあり、実体経済を反映しているとは到底、言い難い。 戦後最大級の経済激変は、多くの人の人生を狂わせた。 「ええ、大丈夫です。またいつか、いつか落ち着いたらお越しください」 新規予約の電話は一向に鳴らない。鳴るのは役所からの問い合わせと、わずかに入っていた予約のキャンセルだけだ。屋形船を運航する東京・東日本橋の舟宿「小松屋」。昭和2年創業の歴史ある船宿は2020年、かつてない逆風にさらされ続けた。 20年初頭から猛威をふるったコロナ禍に対し、政府も地方自治体も「経済活動と感染防止を両立させる」と意気込んだものの、結局、第3波がやってきた。小松屋の主人で屋形船の組合理事長、佐藤勉氏は「コロナ禍がこんなに長引くとは……」と、ため息を漏らす。 2月、都内の屋形船を使った個人タクシーの運転手の感染が確認されて以降、業界はコロナ禍の試練をいきなり受ける形になった。船内の換気や消毒など感染防止対策をいくら徹底していても、メディアだけでなく行政までもから「まるで乗っただけでコロナに感染するかのような乗り物として扱われた」。佐藤氏はこう振り返る。 毎年のかき入れ時である花見シーズンの予約客ゼロ、夕涼みの夏のシーズンの予約客ゼロ、そして3本目の柱である忘年会シーズンも恐らくゼロ。業界にとって20年は「かつてない悪夢」としか形容しようがない。 この1年、花見客も夕涼み客もそして忘年会の客も失った(この11月下旬、そんな佐藤氏の元にまた悲しい知らせが届いた。船の燃料を届けてくれていた近所のガソリンスタンドが年内で店じまいするのだという。コロナ禍で人の移動が制限され、屋形船に限らずガソリンなど燃料需要が減少、廃業を余儀なくされた。「俺らより先にいくなよな」。佐藤氏にはやるせない思いばかりが募る』、「日本の実質国内総生産(GDP)は」の実績は、4-6月期8.3%のマイナス、7-9月期5.3%のプラスとなり、まだ落ち込みをカバーできてない。「屋形船」はコロナ禍の影響を真っ先に受けた。
・『こだわりの旅行会社、売り上げ9割減  コロナ禍の影響をもろに受けた企業はいくらでもある。 JR中野駅から程近い「風の旅行社」もその1つ。こだわりの海外旅行プランを提供してきた会社だ。 「雲上の一軒宿に泊まって絶景とヨガも楽しむネパール9日間」「タイガの森でトナカイ乗りキャラバン、モンゴル8日間」……。同社のパンフや発行誌には、同業各社も舌を巻くそんなプランが並んでいた。だが今、海外渡航は規制され、風の旅行社の売り上げも「9割減を覚悟している」(原優二代表取締役)状況にある。 原氏はコロナ禍で、とにかく「しのぎ・つなぐ経営」にかじを切った。 会社を畳まなくて済むように金融機関に頭を下げ、当座の資金を確保した。雇用調整助成金などのもらえるものはフル活用し、従業員には副業を実施するよう促した。 すずめの涙程度の売り上げだと分かっていたが、物販も始めた。「風の旅行社らしさ」がなくなるからと、敬遠していた国内旅行も充実させた。すべてはしのぎ、来るべき未来につなぐためだ』、海外旅行は「9割減を覚悟」、極めて厳しいようだ。
・『30人の従業員に告げた「その時は許してほしい」  21年夏の東京五輪開催に伴い、渡航規制が解除されるエリアが出てくるかもしれない。確かに、そんな希望は捨ててはいない。だが不安も募る。会社を支えてくれた雇用調整助成金もいずれは縮小される。各種ツアー停止に伴い、これまで長年協力してくれた現地ガイドの安否すらつかみづらくなった。渡航規制が解除されても、弱小旅行会社には航空券が回ってこないのではないか……。心配の種は尽きない。 だから30人いる社員には既にこう伝えている。 「想定外のことが続けば、いったん全員を解雇する事態が来るかもしれない。その時は許してほしい」 こうした“コロナ禍直撃産業”で働く人々はもちろん、多くの人が21年を展望するうえで思うことはもはやひとつしかないに違いない。この悪夢はそろそろ終わるのか、それともまだまだ続くのか、だ。 足元の第3波の状況を見る限り、21年も明るい1年にはならない。こう判断してしまうのは簡単だが早計だ。日本や世界、主要産業を観察するとそこには「一段の状況悪化」の兆しもあるものの、目を凝らせば「底打ち」のサインも見て取れる。 「わずかな光はある」。小松屋の佐藤氏もこう話す。屋形船の利用客はコロナ禍が少しだけ落ち着いていたこの秋、1組だけあった。11月下旬の連休、1組の家族連れが夫婦の結婚記念の祝いで小松屋の屋形船を使ってくれたのだ。 時を同じくして、屋形船の組合事業者総出で、都内4カ所から屋形船の無料試乗会を実施したところ、700人近くが利用した。「すべてが枯れたわけでも、まるっきりそっぽを向かれたわけでもない。希望はゼロでは……ない」(佐藤氏) 予測不能のとんでもない1年となった2020年。果たして2021年は多くの人の希望通り「底打ちの年」となるのか、それとも「奈落の底」に向かうことになるのか。その大きなカギとなるのは、まずは言うまでもなく「コロナがどうなるか」だ』、「ワクチン」の効果がどの程度あるかもカギを握るだろう。

次に、12月22日付け日経ビジネスオンラインが掲載したみずほ証券チーフMエコノミストの上野 泰也氏による「ヒット商品や流行語で振り返る「コロナで始まり鬼滅で終わった年」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00102/?P=1
・『もうすぐ終わる2020年(令和2年)。新型コロナウイルスの感染が拡大して世界経済が大きく落ち込んだり、生活スタイルが大きく変容したりするなど、これまでに例のない、異様とも言える年になった感が強い。ここではこの1年を、ヒット商品や流行語のランキングなどをもと基に振り返ってみたい。 私事になるが、今年の年始早々、筆者はインフルエンザにかかった。予防注射は10年以上にわたり毎年欠かさず秋に受けてきたのだが、流行するウイルスのタイプが違ったり、注射をしてから時間がたって抗体が弱くなっていたりすれば、結局かかってしまうらしい。お正月に実家でゆったりすごせなかったので、相当げんなりした。だがこの時点では、まさか世の中全体が別のウイルスによって大変なことになるとは、想像もできなかった。 「これはまずいな」と筆者が強く思い始めたのが、2月初めにソウルに私用で渡航した際の経験である。「新型肺炎」とその頃呼ばれていた問題は中国に限られた話だという意識がこの時点ではまだ強く、東京の街中でマスクをしている人はせいぜい3割ぐらいだったと記憶している。だが、「水際」の羽田空港国際線ターミナルの職員はマスク装着率100%。そして、見に行ったソウルの音楽ライブ会場では全員が完全にマスクをしていた。苦しくなってマスクを下ろして口を出すと、監視員がすかさず強い口調で注意してきた。その後、日本を含む世界中へと新型コロナウイルスが拡散していった経緯は、ご存じの通りである。 それから4カ月ほどたった6月10日の日経MJ(流通新聞)に、2020年上半期の「ヒット商品番付」が掲載された。東西の横綱は「オンライン生活ツール」と「任天堂『あつまれ どうぶつの森』」。大関は「応援消費」と「おうちごはん」。関脇は「無観客ライブ」と「テークアウト」。これらはすべて、ウイルス感染拡大をうけた「新しい生活様式」の関連である。平幕の顔ぶれを見ても、西前頭5枚目に「手作りマスク」、同12枚目には「アマビエ」が入っていた』、なるほど。
・『ウイルス退散の期待もむなしく……  上記は、緊急事態宣言が4月7日に発令されて5月25日に全面解除された後の番付なので、新型コロナウイルスが人々の生活にもたらした苦難が反映されているのだが、それでもこの時点ではまだ、「夏になって暑くなればウイルスは退散してくれるのではないか」といった、漠然とした期待感があったように思う。 「もう少しだから頑張ろう」と自分に言い聞かせるようなセリフが、あちこちで言われた時期でもあった。他人とのコミュニケーションができるほのぼのした面もあるゲーム、通称「あつ森」が西横綱になったことには、人々の心にそうは言ってもこの時点ではまだそれなりに余裕めいた部分があったからなのかもしれない。 だが、夏になっても新型コロナウイルスとの「共存」状態が続き、マスクに汗が染みる中で、このウイルスとの闘いは長期戦だということが誰の目にも明らかになっていった。東京五輪・パラリンピックの開催が1年延期されたが、結局は中止されるだろうというのが、世の中で多数意見になっていった。 猛暑日の日中に外でマスクをしていると脱水症状になりかねないという話になり、どこまでマスクをしていればよいのか、筆者も正直分からなくなった。社会的な監視の目があるから、マスクをしないわけにはいかない。そうした文字通り息苦しい日々が、人々の心にストレスをじわじわ蓄積していったように思う。 秋になり、11月3日に日経トレンディと日経クロストレンドから「2020年ヒット商品ベスト30」が発表された。 1位は「鬼滅の刃」。吾峠呼世晴氏原作の、大正時代の日本を舞台にした「血風剣戟冒険譚(けっぷうけんげきぼうけんたん)」である。「週刊少年ジャンプ」への連載は5月に終了したが、コミック本の22巻が10月2日に発売されるとシリーズの累計発行部数(電子版を含む)が1億部を突破。10月16日には映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開されて、興行収入の記録を驚異的なスピードで次々と塗り替えていった。 夏を過ぎても新型コロナウイルスが消えない、アマビエのシールをあちこちに貼って念じてもウイルスが消えてくれない中で、鬼を退治する物語に人々の思いが引き寄せられていったのだろうか。そのあたりの機微の解明は社会学者の専門分野であり、新聞などにはこの爆発的流行についての論考もいくつか出てきている』、「アマビエのシールをあちこちに貼って念じてもウイルスが消えてくれない中で、鬼を退治する物語に人々の思いが引き寄せられていったのだろうか」、面白い見方だ。
・『「鬼滅」がヒット番付総なめ  このランキングでは、2位が「マスク消費」、3位が「あつまれ どうぶつの森」。以下、「Zoom」「檸檬堂」「Air Pods Pro」「モバイルオーダー」などになった。 11月26日にはSMBCコンサルティングから「2020年ヒット商品番付」が発表された。この番付では、「鬼滅の刃」は東大関。東西の横綱は「オンライン生活」と「感染予防グッズ」で、いずれもコロナ関連である。ちなみに、西大関は「藤井聡太二冠」。筆者の周囲では、藤井君は果たして商品なのか?という感想も出ていたが、この手のランキングで芸能人やスポーツ選手も含めて、特定の人物がランクインすることはよくある。 11月30日には「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2020』」が発表された。大賞は「ぴえん」。SNSで若い女性を中心に使用頻度がかなり高くなった、泣き顔の顔文字スタンプで示される、軽度の悲しみや落胆などを示すセリフである。2位以下には「○○警察」「密」「リモート」などが選ばれた。 師走に入ると、1日に「2020年 ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。年間大賞で選ばれたのは「3密」。小池百合子東京都知事が繰り返し口にした「密です」のSNS上での注目をきっかけに、このコンセプトが一気に広がることになった。 トップ10に選ばれた残りの9つは、「愛の不時着(韓国ドラマ)」「あつ森(あつまれ どうぶつの森)」「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「鬼滅の刃」「Go To キャンペーン」「ソロキャンプ」「フワちゃん」。やはり新型コロナウイルス感染拡大に直接関連する言葉が、かなりの比率である。 12月2日には、筆者が最も注目しているヒット商品ランキングであるが発表された。東横綱は(筆者が予想していた通り)「鬼滅の刃」である。映画、コミック本に加えてコラボ商品も広く人気を集めており、マスコミ各社が「社会現象」とまで形容する状況になった。 西の横綱は「オンラインツール」。大関は「おうち料理」と「フードデリバリー」。関脇に「任天堂『あつまれ どうぶつの森』」と「アウトドア」。小結に「有料ライブ配信」と「ソニー『プレイステーション5』」がランクインした。 2020年の上半期の番付と通年の番付を比べてみると、「オンラインツール」は横綱のままだが東から西に回り、「鬼滅の刃」がランク外から一気に東横綱に上りつめたことが分かる。また、上半期には幕尻(西前頭12枚目)に入っていた「アマビエ」が、年間の番付では消えた。コロナとの闘いが夏場を含む長期戦になる中で、神頼み的な人気が下半期は続かなくなったということだろうか。 蛇足になるが、この番付を毎年チェックする際に、自分が知らないものがいくつあるかを、筆者は必ず数えている。全然知らないものが多くなるようだと、それは世の中の動きについていけなくなったということであり、もしかすると金融市場の前線から身を引く潮時だということなのかもしれない。 今年のカウントがどうだったかということだが、幸か不幸か、まだかなり少なかった。筆者が知らなかったのは、平幕の「タカラトミー『キャップ革命ボトルマン』」「アース製薬『らくハピ マッハ泡バブルーン 洗面台の排水管』」「コクヨ『しゅくだいやる気ペン』」「味源『SABACHi』」の4つだけだった。周囲の人よりも少なめで、まずは合格点だろう』、私の場合は言うまでもなくはるかに多い。
・『今年の英単語は「pandemic」  12月14日には日本漢字能力検定協会から「今年の漢字」が「密」になったことが発表された。全国から公募した結果、2万8000票以上を集めて第1位になった。これは容易に予想できた結果だろう。発表元は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて多くの人が「密」を意識し、日常生活にも大きな影響があったことなどが理由だと、解説を加えた。 ちなみに、2017年は北朝鮮の「北」、18年は自然災害が多くなった中で「災」、19年は新しい元号に入っている「令」が、「今年の漢字」だった。 この間、米国でメリアム・ウェブスター辞典が選んだ今年の単語は「pandemic(パンデミック)」になった。世界保健機関(WHO)は3月11日に、新型コロナウイルス感染症は世界的な大流行(パンデミック)であるとアナウンスした。ディクショナリー・ドットコムが選んだ今年の単語も同じである。 2020年という年は「コロナで始まり鬼滅で終わった」というのが、筆者の率直な感想であり、整理である。 新型コロナウイルスに有効とされるワクチンの開発が進み、日本でもおそらく来年の春から夏あたりにワクチン接種が進められる中で、どこまで元の生活スタイルを取り戻せるのか。あるいは取り戻せないのか。そうした中からどういうヒット商品や流行語が生まれてくるのか。興味は尽きないわけだが、来年は少しでも明るい方向へと物事が動いていくことを祈りたい』、「来年は少しでも明るい方向へと物事が動いていくことを祈りたい」、同感である。

第三に、12月22日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「「他者の辛さ」おもんぱかる力が衰退した2020年」の無料部分を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00108/?P=1
・『連日「過去最多」という文字がSNS上に、テレビ画面に、新聞紙面に躍る中、コロナだらけだった一年が終わろうとしている。2020年元日の当コラムで「時代が動く。それが2020年ではないか、と。『2020は大きな節目』になる」と予想した通りの一年だった。 もっとも、“予想”していたあの時には、新型コロナウイルスが発生して、それが世界中を巻き込むことになるだなんて考えもしなかったが』、『2020は大きな節目』だけでも当たったのは大したものだ。
・『日常生活が消えていった  つくづく、半世紀以上も生きているといろんなことがあるなぁ、と。 阪神大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件、米国同時多発テロ、東日本大震災が起き、「これ以上何かあるとすれば、富士山大噴火か、あるいは関東大震災か」と思っていたのに、まさかまさかのパンデミック。 100年ごとにパンデミックが起きるとされているので、50年以上生きていれば一度は遭遇する出来事だったのかも、などと思ったりもする。 しかし、コロナという目に見えないウイルスがもたらした変化は、生身の人間が耐えられる限界を超えるスピードだった。 個人的にも厳しい1年だった。当たり前だった日常がことごとく消え、クロージングに少しずつ向かおうという願いは一掃された。自分が存在する意味すら分からなくなることもあった。「おかしいことをおかしいと言い続ける」ことを大切にしてきたのに、それがぶれそうになることも度々あった。 ……これは、今まで経験したことのない事態で、自分でもかなり驚いた。 光が見えては消えてを繰り返す日々に、文章をつづるという仕事を通じて自分が培ってきた感受性を失わないように、時に耳をふさぎ目を隠し、再び耳をかっぽじって目を凝らすことを繰り返した。 そんな状況だったので、予期せぬ“サンクスメール”には何度も救われました。 「やりがいの神様からは、まだ見捨てられていないんだ!」と、ギフトをくださった方たちに背中を押していただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。 というわけで、今回は2020年最後のコラム。例年通りこの一年にたくさん読まれたコラムとコメントを振り返りつつ、あれこれ考えます(集計は12月15日時点)』、「100年ごとにパンデミックが起きるとされているので、50年以上生きていれば一度は遭遇する出来事だったのかも、などと思ったりもする。 しかし、コロナという目に見えないウイルスがもたらした変化は、生身の人間が耐えられる限界を超えるスピードだった」、なるほど。
・『【2020年 最も読まれたコラムトップ5】※カッコ内はコメント数
1位:希望退職で「やる気なし若手」を量産する素人トップの罪(189)  2位:菅首相、言葉なき「しどろもどろ会見」で広がる絶望(214)  3位:増える「50代おじさん起業」と稼げない現実の過酷さ(118)  4位:働きがい問われる年、シニアのリストラが若者にも悪影響(79)
5位:新型コロナが浮き彫りにした格差社会の危険な先行き(140)  みなさんの読まれたコラムは入っていましたか? コメントを書いたコラムは? さて、いかがでしょう。 2020年は途中から有料になったり、有料になっても時折無料になったりと、サイトも変化の一年でしたが、たくさんの方に読んでいただき、たくさんのコメントもいただきました』、確かに「途中から有料になったり、有料になっても時折無料になったりと、サイトも変化の一年」、私も戸惑った。この記事も無料部分は途中までで終わるようだ。
・『自分と違う他者を「想像しない」  前述した通り、自分がぶれないために、耳をふさいだり目を覆ったりもしたけど、コメントも例年通り拝読しております。学ばせていただいたり、笑わせていただいたり、あらあらこの方大丈夫かしら?と要らぬ心配をしたりと、楽しませていただきました。 特に、上記ランク外の10位だった「『人に迷惑をかけるな』という呪いと自助社会の絶望感」にいただいた287件のコメントは、どれも貴重なご意見だった。 介護を経験した方たちがたくさん経験談を書いてくださり、とてもとても勉強になった。コメント欄に書かずに、直接連絡をくださり、その後も情報提供をしてくださった方たちもたくさんいた。心より、感謝いたします。 介護問題の最大の問題点は、「雨に降られた人しか雨の冷たさが分からない」ことで、どんなに想像をめぐらせても、他者には思い及ばないリアルがある。287件のコメントを拝見し、改めてそれを痛感した。 と同時に、この一年は介護問題に限らず、「自分とは違う他者」について想像しない人の存在を、実感することが多かった。「できない」のではない、「しない」のだ。 それがコロナ禍の不安によるものなのか? アフターコロナという言葉が象徴する新しい社会から、どうにかこぼれ落ちないようにあがいているからなのか? あるいは、以前から存在した芽が、より顕在化しただけなのか? 分からない。 ただ確実に、自分と違う他者をあえて「想像しない」という無意識の選択は広がりをみせた。 私は声にならない声を取り上げ、それが決して「不運な人の特別なエピソードではない。社会のひずみが生んだ不運である」ことを書き続けてきた。それは、書くことを生業としてから一貫して私がやってきたことだ。そう、個人の問題ではなく社会の問題なんだ、と。 コロナ前には、そういう声なき声に耳を傾け、自分とは違う他者を認め、彼らを取り巻く環境を知ろうとしていた人たちが、それをしなくなった。声なき声を取り上げることにすらアレルギーを示すコメントや、問題提起を政府批判としか捉えないコメントには、申し訳ないけど違和感を覚えたし、暗たんたる気持ちにもなった。 社会の問題として受け止めるのではなく、「自己責任、自助」という言葉で正義を語り、他者を切り捨てるように変わってしまったのだ』、「声なき声を取り上げることにすらアレルギーを示すコメントや、問題提起を政府批判としか捉えないコメント」、困ったことだ。
・『社会のひずみが拡大  新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めは、見込みを含めて7万6543人(12月11日時点、厚生労働省発表)。前の週よりも1202人増加し、アルバイトなどの非正規労働者がその6割に当たる702人を占めた。 この数字はハローワークに出向く余力がある人の数なので、氷山の一角でしかない。 10月の自殺者は2158人で、男性は前年同月比で21.3%増えたのに対し、女性は前年同月比でなんと82.6%増。人数では男性1306人、女性852人と男性が上回るが、コロナ禍がいかに女性に厳しいものかを物語っている(11月24日付厚生労働省「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」)。 さらに、4~9月の失業率は前年同期と比べて、若年者ほど上昇幅が大きく、収入も減少したことが分かっている(労働政策研究・研修機構「若年者に厳しい新型コロナの雇用・収入面への影響――JILPT個人調査の年齢別分析」)。 具体的には、 +15~19歳の失業率が最も高く、25~29歳が2番目に高い。 +企業に雇用されている労働者のうち、「コロナの影響があった」と回答した人は、20~29歳の50%弱が最も多く、30~39歳が次に多かった。 +影響があった内容のトップは「収入の減少」で、「勤務日数や労働時間の減少(休業を含む)」「業務内容の変更」と続いていた。 +20代と30代の3割以上が「収入が減った」と回答した。 非正規、女性、若者という属性で生じる問題は、コロナ前にも存在し、コロナにより顕在化した社会のひずみの一部だ。非正規や女性の問題は、何度も書いているのでご存じであろうが、若者も同様である。) 若い世代ほど、同じ年齢であっても非正規雇用者が多く(総務省「労働力調査」)、年収300万円未満層(推計)は、男性では20代で263万人(雇用者の54.6%、正規雇用者の45.2%、非正規雇用者の79.5%)、30代男性で135万人(同様に20.4%、14.5%、62.4%)、40代男性で88万人(同様に12.1%、7.5%、59.4%)。 つまり、非正規だけではなく正社員でも、20代は半数弱、30代では15%近くが300万円未満しか収入がない(ニッセイ基礎研究所「若年層の経済格差と家族形成格差-増加する非正規雇用者、雇用形態が生む年収と既婚率の違い」)。 「若者の負担を減らそう!」「若者は未来だ!」という美しい言葉とは裏腹に、若い世代を取り巻く環境は年々厳しさを増していたのだ』、その通りだ。
・『自己責任にする大義名分に  こういった社会のひずみを生んできたそもそもの原因と、今、起きている出来事に正面から向き合わなければ、問題はなかったことにされ、また繰り返される。 そのときには「私」の問題になっているかもしれないということを伝えたくて書き続けてきたけど、その問題に関心すら持たないという“変化”を、2020年は感じずにはいられなかった。 ついでに、せっかくなので6~10位も紹介しておこう。 6位:新型コロナがとどめ「人生最後の砦」介護現場は崩壊へ(129) 7位:「俺の時代は終わった」新型コロナで揺れる管理職たち(94) 8位:黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄(209) 9位:新型コロナが引き出した大衆の深層心理の闇(214) 10位:「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感(287) 「コロナってさ、自己責任にできる大義名分になってしまったんだよね」こう話すのはある経営者の方だ。 「社員の雇用を維持したいという気持ちに嘘はないし、社員の能力を引き出そうとやってきた。 でも、世の中にはどうやっても自分から動けない人がいるんですよ。コロナ前はね、そういう社員に頭を悩ませながらも、どうにかやりくりしてきました。 それがコロナで経済が失速して、できなくなってしまったんです。会社を守るには、コストカットと投資の両輪が必要なんです。(これ以下は有料)』、「コロナってさ、自己責任にできる大義名分になってしまったんだよね」、「どうにかやりくりしてきました。 それがコロナで経済が失速して、できなくなってしまったんです。会社を守るには、コストカットと投資の両輪が必要なんです」、との「ある経営者」の述懐は本当に難しい問題だ。
タグ:日経ビジネスオンライン 河合 薫 上野 泰也 2020年の回顧 (「密」と呼ばれて300日… 屋形船業者が見た悪夢とかすかな光、ヒット商品や流行語で振り返る「コロナで始まり鬼滅で終わった年、「他者の辛さ」おもんぱかる力が衰退した2020年(途中まで)) 「「密」と呼ばれて300日… 屋形船業者が見た悪夢とかすかな光」 「ゴーン被告の「レバノン出国」一色」 GDP29兆円消失、個人消費17兆円減少の衝撃 「日本の実質国内総生産(GDP)は」の実績は、4-6月期8.3%のマイナス、7-9月期5.3%のプラスとなり、まだ落ち込みをカバーできてない 「屋形船」はコロナ禍の影響を真っ先に受けた。 こだわりの旅行会社、売り上げ9割減 30人の従業員に告げた「その時は許してほしい」 「ワクチン」の効果がどの程度あるかもカギを握るだろう 「ヒット商品や流行語で振り返る「コロナで始まり鬼滅で終わった年」 ウイルス退散の期待もむなしく… 「アマビエのシールをあちこちに貼って念じてもウイルスが消えてくれない中で、鬼を退治する物語に人々の思いが引き寄せられていったのだろうか」、面白い見方だ 「鬼滅」がヒット番付総なめ 私の場合は言うまでもなくはるかに多い 今年の英単語は「pandemic」 来年は少しでも明るい方向へと物事が動いていくことを祈りたい 「「他者の辛さ」おもんぱかる力が衰退した2020年」の無料部分 『2020は大きな節目』だけでも当たったのは大したものだ 日常生活が消えていった 100年ごとにパンデミックが起きるとされているので、50年以上生きていれば一度は遭遇する出来事だったのかも、などと思ったりもする。 しかし、コロナという目に見えないウイルスがもたらした変化は、生身の人間が耐えられる限界を超えるスピードだった 【2020年 最も読まれたコラムトップ5】 「途中から有料になったり、有料になっても時折無料になったりと、サイトも変化の一年」、私も戸惑った 自分と違う他者を「想像しない」 声なき声を取り上げることにすらアレルギーを示すコメントや、問題提起を政府批判としか捉えないコメント 社会のひずみが拡大 「若者の負担を減らそう!」「若者は未来だ!」という美しい言葉とは裏腹に、若い世代を取り巻く環境は年々厳しさを増していたのだ 自己責任にする大義名分に コロナってさ、自己責任にできる大義名分になってしまったんだよね どうにかやりくりしてきました。 それがコロナで経済が失速して、できなくなってしまったんです。会社を守るには、コストカットと投資の両輪が必要なんです との「ある経営者」の述懐は本当に難しい問題だ
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諜報活動(スパイ)(その1)(CIAが採用している「スパイたちの意外な前職」とは、「アラビアのロレンス」より中東で活躍したジャック・フィルビーと スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレをつなぐ線、【追悼】元スパイ作家ル・カレに元CIA工作員から愛を込めて) [世界情勢]

今日は、諜報活動(スパイ)(その1)(CIAが採用している「スパイたちの意外な前職」とは、「アラビアのロレンス」より中東で活躍したジャック・フィルビーと スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレをつなぐ線、【追悼】元スパイ作家ル・カレに元CIA工作員から愛を込めて)を紹介しよう。

先ずは、11月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジェイソン・ハンソン氏(翻訳家: 栗木 さつき氏)による「CIAが採用している「スパイたちの意外な前職」とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/254194
・『スパイのスキルは「ビジネススキルの宝庫」だった!すばらしい実績を残したCIA諜報員におくられる賞を約10年の在職中に2度も受賞した著者が、訓練で身につけたそのスキルの中から、ビジネスでも使える実践的な技を教える『超一流の諜報員が教えるCIA式 極秘心理術』がついに発売。 佐藤優氏が「競争に勝つための表技と裏技が盛り込まれた、強いビジネスマンになるための必読書」と絶賛する同書より特別に一部公開します』、「佐藤優氏」が「絶賛」するとはどんな内容なのだろう。
・『あらゆる職業や階級の人、さまざまな学歴の人が採用されている  起業家となってもっとも胸躍る体験のひとつは、さまざまな経歴をもつビジネスマンと知りあえることだ。これまでにも、功成り名遂げたそうそうたるビジネスマンと面識を得てきたが、昔はコメディアンだった、弁護士だった、サーカスの曲芸師だったという人もいた。 諜報の世界も似たようなものだ―それはもう多様なバックグラウンドがあって、興味が尽きないような経歴の持ち主もいる。 それに、成功した起業家の大半がMBAなど取得してはいないように、世間がどう想像していようと、名門大学が未来のスパイを輩出しているわけではない。 たしかに諜報員は私の知るなかでもとびきり頭のキレる人間ばかりだが、CIAはさまざまな経歴をもつ人の価値を認め、尊重している。 映画「アルゴ」に登場するCIA職員のモデルとなったトニー・メンデスは、大学で美術を学んだ。彼はグラフィックデザイナーの求人に応募し、最終的にCIAに雇われた。また高名なシェフで、料理本の著書もあるジュリア・チャイルドは、ニューヨーク市の広告代理店でコピーライターとして働いたあと、OSS(戦略諜報局。CIAの前身)にタイピストとして入局した。そして、ついには国家機密のリサーチを任されるまでの信頼を獲得した。 またCIAの諜報員の多くが、高校卒業時には大学進学より軍隊への入隊を選んでいた(私自身は警官としてキャリアを始めた)。 スパイの一団と同席する機会があれば、これまでに一風変わった仕事をした経験はおありですかと、尋ねてみるといい。まちがいなく、意外な答えが返ってくるはずだ。 花屋の店員でした、タクシーの運転手をしていましたよ……。なかにはカウボーイだったという男もいるほどだ。CIAは当人が名門大学出身かどうかよりも、総合的な知能があるかどうか、そしてすばやく問題を解決する能力があるかどうかを重視する。 こうした知能と能力は、ビジネスの世界でも重視されるようになっている。ニュース専門放送局CNBCの先日の調査によれば、スモールビジネス経営者の大半は四年制大学の学位をもっていない。大学に通った経験のない経営者の数は、性別や年齢を問わず、大学に通った経験がある経営者の数より多い。 たしかに教育を受ける機会があるのはすばらしいことだが、卒業証書1枚あれば、経営者として成功できるわけではないのだ。(本原稿は『超一流の諜報員が教えるCIA式 極秘心理術』ジェイソン・ハンソン著、栗木さつき訳の抜粋です)』、「CIAは当人が名門大学出身かどうかよりも、総合的な知能があるかどうか、そしてすばやく問題を解決する能力があるかどうかを重視」、「こうした知能と能力は、ビジネスの世界でも重視されるようになっている」、確かにそんな「知能と能力」を持っていれば、「ビジネスの世界」でも通用しそうだ。
・『「スパイスキル」は「最高のビジネススキル」ーはじめにより  諜報員は、訓練初日から「世界一のセールスパーソン」になる方法を叩き込まれる。ただし、いわゆる商品を売るわけではない。売ろうとしているのは「国家に対する裏切り」だ。この商談成立に失敗すれば、諜報員は殺害されたり、異国の刑務所で余生を送る末路をたどりかねない。 国家を裏切ったことが発覚すれば、反逆罪に問われる。それを相手に売りつけようというのだから一筋縄ではいかない。おまけに反逆が発覚すれば、当人は容赦のない懲罰を受ける。 しかし諜報員は、そのリスクを冒すように仕向ける特別な訓練を受ける。おまけに相手には、自分の意志でそうしたと思わせるのだ。 諜報員は訓練を受け、次のような能力を身に付ける。 + どれほど奇妙で突拍子もない要請をしようと、きわめて短期のうちに、相手に応じさせる自信をもつ。 + 心から信頼できる友だちのように思わせる。秘密、心配事、胸の奥底にある恐怖心などを打ち明けられる、心の拠り所のように思わせる。 + ターゲットのふるまいをさりげなく真似て、同じことに関心をもっているように思わせる。 + 共感し、ターゲットのことを心から案じているように思わせ、信頼を獲得する。 + 大量の情報を分析し、任務遂行の「役に立つもの」と「足を引っ張るもの」の手がかりを得る。 + 厳しい鍛錬を続ける。几帳面で、仕事熱心で、献身的。身体をベストの状態にキープする努力を怠らない。 + 順応性があり、チームに協力する。計画の実行には不測の事態が付き物だが、だからといってミッションを失敗に終わらせることはない。 本書で指南するノウハウを活用すれば、製品、ブランド、会社、アイディアなど、あなたが売りたいものの売り方を変えられる。「一般の人たち」がもっていないスパイの特質は、自信をもって行動し、反応し、順応する能力だ。 CIAの諜報員として訓練を受けてきた私の知見はビジネスの世界でも大いに活用できるうえ、みなさんの日々の生活も改善できると確信している。 これだけはお約束する。巷には「これで自信がもてるようになる!」とか、「自信をもてば、もっと成果をあげられる!」といった謳い文句の自己啓発書があふれている。だが私としては、そうした月並みな本の山に新たな一冊を加えるつもりは毛頭ない。 本書では、あらゆる諜報員が隠しもっている秘密兵器を明かしていく。 それはほかでもない、諜報員の心得(マインドセット)だ。 諜報員のマインドセットとは、好感がもてる雰囲気、共感、自信、知性といった多様な特質の組み合わせだ。このマインドセットを獲得すれば、なんでも楽々とこなせるようになる。 さらに、諜報員のマインドセットにはもうひとつ大きな特徴がある。 「有能なセールスパーソン」として最強の手腕も発揮できるのだ。 あなたがどんな仕事に就いているにせよ、もっと大きな成果をあげ、その成功を継続させるために、ぜひ本書を活用してもらいたい』、「売ろうとしているのは「国家に対する裏切り」だ。この商談成立に失敗すれば、諜報員は殺害されたり、異国の刑務所で余生を送る末路をたどりかねない」、有力なスパイは、捕まっても、相手国とスパイ交換で利用されることもある。「諜報員のマインドセット」を備えていれば、「有能なセールスパーソン」になれそうだ。
・『実用的なノウハウが満載!(本の紹介はリンク先参照)』、私は英国のスパイ小説ファンだが、」最近は東西冷戦の終了で、代わりにテロものなどに移ったようだ。ただ、やはりスケールが小さくなったようだ。

次に、12月25日付けNewsweek日本版が掲載した日本エネルギー経済研究所中東センターの理事・センター長の保坂修司氏による「「アラビアのロレンス」より中東で活躍したジャック・フィルビーと、スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレをつなぐ線」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/hosaka/2020/12/post-38_1.php
・『<ル・カレの小説には、実在した英ソの二重スパイ、キム・フィルビーからのインスピレーションがみられた。だが、話はそこで終わらない。日本で知る人は少ないが、20世紀初頭の中東にはある英国人がおり、サウジが石油王国になるきっかけもその人物だったと言えるかもしれない>  12月12日、英国の小説家、ジョン・ル・カレが亡くなった。89歳だった。個人的には熱烈なファンというわけではないが、自宅の書棚にも『寒い国から帰ってきたスパイ』『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』『スクールボーイ閣下』など何冊も文庫本があった。どれも学生時代に読んだものだ。 ル・カレの本のすぐそばにグレアム・グリーンとかブライアン・フリーマントルなど英国作家が並んでいるところをみると、何となく当時の読書傾向がうかがえる。 いうまでもないが、3人ともスパイ小説の名人であり、しかも、彼らの小説で重要な役回りを果たす登場人物の多くは、イアン・フレミングのジェームズ・ボンドやトム・クランシーのジャック・ライアンのような超人的なスパイと異なり、中年や初老の地味で、さえない連中である。ル・カレのジョージ・スマイリー、グリーンのモーリス・カースル、そしてフリーマントルのチャーリー・マフィン、しかりだ。 3人の英国の著名な小説家に共通するのは、とくに彼らのスパイ小説のなかに、多かれ少なかれ、実在する英国の諜報機関で対外諜報活動を統括するMI6の幹部だったキム・フィルビーから得たインスピレーションの跡がうかがえることだ。 キム・フィルビーは1912年、インドで生まれ、名門パブリック・スクールのウェストミンスター校を経てケンブリッジ大学を卒業した。大学時代にすでに共産主義に傾倒し、ソ連の諜報機関にスパイとしてスカウトされ、ジャーナリストを経験したのち、MI6に入っている。 つまり、フィルビーは英国のスパイであると同時に、ソ連のスパイでもあった。いわゆる二重スパイ、ル・カレの使った用語では「もぐら」である。 当時、ケンブリッジやオックスフォードなど英国の名門大学では共産主義の影響が顕著で、彼らの多くがのちに政府やジャーナリズムなどで主要なポジションを得て、ときにはスパイとしてソ連に情報を提供していた。 フィルビーは、同窓で、外交官のドナルド・マクリーンやガイ・バージェス、美術史家のアンソニー・ブラントらとともに「ケンブリッジ・ファイブ」と呼ばれた。 フィルビーは何度かソ連のスパイではないかと疑われたが、1963年に英国を逃亡し、ソ連に亡命した。ソ連ではKGBで働き、1970年には名誉称号勲章、1980年にはレーニン勲章を授与された。 1988年5月11日、フィルビーはモスクワで亡くなった。キム・フィルビーが忠誠を誓ったソ連は、すでにアフガニスタンへの軍事介入などで屋台骨がガタガタになっており、彼が死んだ数日後に、尾羽うちからしてそのアフガニスタンから撤退を開始した。ソ連の崩壊はその2年半後である』、「キム・フィルビー」も若い頃夢見ていた「ソ連」の実態を見てどう思ったのだろうか。「ル・カレのジョージ・スマイリー、グリーンのモーリス・カースル、そしてフリーマントルのチャーリー・マフィン」、いずれも、私のお気に入りの主人公だ。
・『英国から離れ、後のサウジ初代国王の顧問となった父ジャック  さて、中東ともイスラームとも関係ない話を書いたが、ここからが本題である。 キム・フィルビーがインドで生まれたのは上に述べたが、それは、彼の父親であるジャック・フィルビー(ジャックは通称、本名はハリー・セントジョン〔シンジョン〕・フィルビー)が植民地官僚としてインドに赴任していたからである。 父ジャックも実は1885年にスリランカで生まれ、ウェストミンスター校、ケンブリッジ大学で学んでいる。ケンブリッジでは有名なイラン研究者、エドワード・G・ブラウンのもとでペルシア語等を学び、その後、英国の植民地省に入り、イラクの首都バグダード等に赴任した。 ちなみに、息子のケースと同様、当時の英国のエリート植民地官僚はほとんどが名門パブリック・スクールからオックスフォード・ケンブリッジのコースを辿っており(しかも場合によってはフリーメーソンでもあった)、こうした学閥・人間関係が、ある種、秘密結社的に機能しており、就職や役所等の人事に影響を及ぼしていたといわれている。 20世紀はじめの時代、英国は、オスマン帝国に対するアラブ諸国の反乱を組織しており、彼もその工作の一端に従事しており、アラブ圏を広く回っていた。 当時の英国の中東政策といえば、アラブ人やユダヤ人に矛盾する約束をした、悪名高い三枚舌政策(バルフォア宣言、フセイン・マクマホン書簡、サイクス・ピコ協定)が知られているが、ジャック・フィルビーたちもそれに否応なく巻き込まれていたのである。 しかし、当時の英国は同時に優れた専門家・植民地官僚を数多く輩出しており、ジャックは彼らとの交流を通じて、アラブ世界、とくにアラビア半島やペルシア湾情勢について学んでいった。クウェートやアラビア半島についていくつかの著作を残したハロルド・ディクソンや「砂漠の女王」とも称されたガートルード・ベルなどがそうだ。 とくに、ベルは、年下のジャックをかわいがり、姉が弟に教えるように、アラブ諸国のさまざまな情報やその入手法について教えていた。そして、ジャックはベルに敬意を示した。のちに、ジャックは、サウジアラビアの大砂漠ルブゥルハーリーを横断する大冒険を行うが、これは、ガートルード・ベルのアラビア半島横断に触発されたものといえるだろう。 しかし、英国の対中東政策に不満をもったジャックは英国政府から離れ、当時、急速に領土と影響力を拡大していたサウード家のアブドゥルアジーズ(のちサウジアラビアの初代国王)の顧問となり、ムスリムに改宗している。 実際、彼は1910年代からアブドゥルアジーズと接触、その能力を高く評価し、アラブの統一を成し遂げられるのは彼だと信じるようになっていた。このことも、彼が、ハーシム家(現ヨルダン王室)を支持する英国政府を見限る主たる原因となった。 のちの歴史が語るとおり、結果的にはジャックの主張が正しいことが証明されたわけだ(少なくともハーシム家よりもサウード家により大きな力があるという点では)』、「ジャックは英国政府から離れ、当時、急速に領土と影響力を拡大していたサウード家のアブドゥルアジーズ(のちサウジアラビアの初代国王)の顧問となり、ムスリムに改宗」、「改宗」までしたとは徹底している。英国は「ハーシム家(現ヨルダン王室)を支持」、「サウード家」に食い込めなかったのは手痛い失敗だ。
・『ソ連のスパイであった息子を気にかけ、ベイルートのキムを訪ねた  20世紀初頭の中東で活躍した英国人としてジャック・フィルビーを知る人は、少なくとも日本では一部の専門家を除けば、ほとんどいないはずだ。 しかし、実際にはサウジアラビアがアラビア半島の多くの地域を占領するうえで、彼は重要な役割を果たしており、さらにサウジアラビアが石油大国になるきっかけも彼だったといえるかもしれない。 米国のスタンダード石油カリフォルニア(通称ソーカル、現在のシェブロン)がサウジアラビアで石油利権を獲得するうえで、アブドゥルアジーズとのあいだを取り持ったのがフィルビーであった。1936年、ソーカルは米テキサコ社と組んで、アラビアン・アメリカン石油会社を設立した。現在、世界最大の石油会社であるサウジアラムコである。 日本では映画などで有名になった「アラビアのロレンス」こと、T.E.ロレンスが圧倒的に有名で、少女マンガの主人公にもなっているが、歴史的な重要度でいえば、フィルビーの足元にもおよばない。 ソ連のスパイであった息子のキムのことは当然、気にかけていたであろう。キムはスパイ容疑では何とか逮捕は免れたものの、MI6を退職し、特派員としてレバノンの首都ベイルートで働くようになった(そして二重スパイとしての活動も再開)。このときは当然、父の中東におけるコネが役立ったであろう。 1960年9月、ジャックはベイルートのキムを訪ねていた。連日のパーティー三昧で、楽しい日々を過ごしていた。そこではジャックは、若者たちに囲まれ、上機嫌であった。ある夜も、家に戻る途中にナイトクラブにいくといってきかなかったという。だが、翌日、突然苦しみだした。キムは父を緊急入院させたが、すぐに昏睡状態になってしまった。 ジャックは、一度だけ目を覚ましたものの、一言「退屈だ」といってふたたび意識を失い、二度と目を開けることはなかった。ジャック・フィルビー----アラブ世界ではシェイフ・アブダッラーとして知られる----は1960年9月30日、とても退屈とは思えない波乱の人生に幕を閉じた。 ジャックはベイルートで埋葬され、キムは、父の墓碑に「最高のアラビア探検家」と刻んだという』、「ジャック」、「キム」とも、並外れた人物だったようだ。
タグ:もぐら グレアム・グリーン 二重スパイ 諜報活動 ダイヤモンド・オンライン Newsweek日本版 ブライアン・フリーマントル (スパイ) (その1)(CIAが採用している「スパイたちの意外な前職」とは、「アラビアのロレンス」より中東で活躍したジャック・フィルビーと スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレをつなぐ線、【追悼】元スパイ作家ル・カレに元CIA工作員から愛を込めて) ジェイソン・ハンソン 「CIAが採用している「スパイたちの意外な前職」とは」 「佐藤優氏」が「絶賛」 あらゆる職業や階級の人、さまざまな学歴の人が採用されている CIAは当人が名門大学出身かどうかよりも、総合的な知能があるかどうか、そしてすばやく問題を解決する能力があるかどうかを重視 こうした知能と能力は、ビジネスの世界でも重視されるようになっている スパイスキル」は「最高のビジネススキル」 売ろうとしているのは「国家に対する裏切り」だ。この商談成立に失敗すれば、諜報員は殺害されたり、異国の刑務所で余生を送る末路をたどりかねない 実用的なノウハウが満載! 保坂修司 「「アラビアのロレンス」より中東で活躍したジャック・フィルビーと、スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレをつなぐ線」 ル・カレの小説には、実在した英ソの二重スパイ、キム・フィルビーからのインスピレーションがみられた。だが、話はそこで終わらない。日本で知る人は少ないが、20世紀初頭の中東にはある英国人がおり、サウジが石油王国になるきっかけもその人物だったと言えるかもしれない 登場人物の多くは 超人的なスパイと異なり、中年や初老の地味で、さえない連中である 彼らのスパイ小説のなかに、多かれ少なかれ、実在する英国の諜報機関で対外諜報活動を統括するMI6の幹部だったキム・フィルビーから得たインスピレーションの跡がうかがえる 大学時代にすでに共産主義に傾倒し、ソ連の諜報機関にスパイとしてスカウトされ、ジャーナリストを経験したのち、MI6に入っている キム・フィルビー」も若い頃夢見ていた「ソ連」の実態を見てどう思ったのだろうか 英国から離れ、後のサウジ初代国王の顧問となった父ジャック ジャックは英国政府から離れ、当時、急速に領土と影響力を拡大していたサウード家のアブドゥルアジーズ(のちサウジアラビアの初代国王)の顧問となり、ムスリムに改宗 ソ連のスパイであった息子を気にかけ、ベイルートのキムを訪ねた 「ジャック」、「キム」とも、並外れた人物だったようだ
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航空会社(その4)(ANAの「出向要請」は社員にも受け入れ企業にも意外に悪くない理由、エアアジア破産 日本の空から消える「第3勢力」 東京地裁に破産申請 2度目の日本参入も失敗に、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達) [産業動向]

航空会社については、9月9日に取上げた。今日は、(その4)(ANAの「出向要請」は社員にも受け入れ企業にも意外に悪くない理由、エアアジア破産 日本の空から消える「第3勢力」 東京地裁に破産申請 2度目の日本参入も失敗に、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達)である。

先ずは、11月4日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「ANAの「出向要請」は社員にも受け入れ企業にも意外に悪くない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/253047
・『新型コロナウイルスによって日本の「働き方」が激変している。ここまでテレワークや副業が話題となってきたが、そこに新たな働き方として「出向」が加わった。ANAホールディングスが業績悪化の対応策として、社員を他社に出向させる施策を発表したからだ。最初は苦肉の策だという印象を持ったが、よく考えてみると、この措置はなかなか良いものであるように思えてきた。その理由をお伝えする』、「転職」経験豊富な山崎氏の見解とは、興味深そうだ。
・『コロナの「時間短縮効果」が日本の働き方を激変中  新型コロナウイルス感染症のようなトラブルには、ものごとの変化のスピードを速める「時間短縮効果」がある。今回、ともすれば惰性でやり方が決まり、なかなか変化しない「働き方」に対する効果が顕著だ。 例えば、テレワークは業種・職種によっては技術的に十分可能だったし、通勤時間の削減など効果が期待できることは分かっていたはずだったが、なかなか普及しなかった。しかし、現在コロナによる「非接触」の必要性に対応して、大いに活用されつつある。 「対面」のコミュニケーションに劣る点があることも指摘されるテレワークだが、現実のニーズが広がったことで、今後技術的な進歩が加速するはずだ。テレワークはもっと便利になるだろう。 コロナが普及の時間を短縮する別の分野として、もう一つ「副業」を挙げてもいいだろう。 副業はもともと働く個人の権利であったはずだが、人を雇う側の企業は普及に対して消極的だった。副業の全面解禁に踏み切らない理由として、社員の労務管理・健康管理の問題などを理由に挙げる場合が多いが、経営者の本音は、社員を企業に依存させておきたいからだろう。 しかし、コロナで売り上げが急激に落ち込んだ業種・企業にあっては、人件費を削減したいし、社員の労働力も余剰になる。そのため、社員にこれまでよりも広い範囲での副業を認める動きが出てきた。今後、この動きは加速するのではないか。 加えて、これまでの副業は、個人的な内職のようなものだったり、アルバイトだったりが多かったが、企業の側でも副業として勤める社員を募集する会社が現れた。 例えば、ヤフーは100人規模での副業社員の募集を発表して話題を呼んでいる。副業社員を通じて、新しい発想や視点、刺激などを社内に取り入れることが会社側の目的だろう。 応募する側にとっても、ヤフーという会社の労働環境は刺激的で興味深いに違いない。競業禁止の規定などの関係から応募はできないと思うが、筆者も「ヤフーでの副業は面白そうだ」と個人的には思う(注:筆者は楽天グループの証券会社に勤めている)。 振り返ると、働き方の激変におけるもう1つの分野である「転職」は、1990年代の日本のバブル崩壊で普及が進んだ。山一証券や日本長期信用銀行(現新生銀行)のような大企業が破綻して多くの元社員が再就職を求めて転職したし、企業の盛衰に応じて人材の移動にニーズが生じた。バブル崩壊にも「時間短縮効果」があった』、「新型コロナウイルス感染症のようなトラブルには、ものごとの変化のスピードを速める「時間短縮効果」がある」、確かにその通りだ。「ヤフーは100人規模での副業社員の募集を発表」、きっと優秀な人材が集まるのだろう。
・『最初は苦肉の策という印象だったがANAの「出向」は悪くない試み  時間順に並べて、「転職」「テレワーク」「副業」に加えて、新たな働き方に「出向」が加わった。 全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングスは、5100億円の赤字に陥る業績見通しとともに、社員を他社に出向させる施策を発表した。出向は本人の意思に基づいて行い、強制ではなく、期間は半年から2年程度で、転籍は想定していない。現在受け入れ先候補の数社と交渉中だという。 正直なところ、最初はいかにも苦し紛れの苦肉の策だという印象を持ったのだが、よく考えてみると、この出向措置はなかなか良いものであるように思えてきた。 急激な減便等でANAに生じる遊休人員は、通常であれば、在宅で待機させたり、社内で別の仕事に就かせたりするのだろう。しかし、社内でいつもの仲間と一緒に時間を過ごすのでは、今後に備える経験として広がりが物足りない。 出向の形を取って他社で働き、特に異業種のビジネスの機微や組織運営、働き方などを経験することは、ビジネスパーソンとしての成長に大変いい。 転職してみると、同業種間であっても「別の会社」の仕事のやり方が、驚くほど前職の会社と違う場合が少なくない。「日本の会社は、どこに行っても同じようなものだ」という声を聞くこともあるが、転職経験のない“古い大人”の常識ではないかと思う。 他社の働き方を知ることは、ANAに戻ってからも役に立つに違いない。 通常は、転職しなければ他社の仕事を経験できないし、自分の会社を外側から眺める視点を持つこともできない。ところが、ANA社員の籍を確保したままこれらができるのだから、社員はこの機会を大いに活用するといいのではないだろうか。 出向先選びの考え方としては、将来やりたい仕事があればそれを出向の形で経験してみると一番良いだろうが、日頃の業務とは大きく異なる仕事がいいだろう。 出向受け入れ要請先として、例えばトヨタ自動車の名前が挙がっているが、ANAとトヨタとでは仕事の進め方が大いに異なるだろうから、良い経験になるだろう。 出向者を受け入れる企業の側でも、やって来るANAの社員は、自社の社員にとって良い刺激になることが期待できそうだ。 また、コロナを巡る今後の動向次第では、今回の対策だけではANAの生き残りには不十分で、将来的に人員削減の必要性に迫られる可能性がゼロではない。こうした場合、社員の一部は転職を余儀なくされるが、転職した本人にとって、1つの大きな問題は次の職場への定着だ。 複数回の転職の経験者として申し上げるが、「最初の転職」は「2回目以降の転職」よりもずっと緊張するものだし、失敗もしやすい。出向の形で職場を変える練習ができることの効果は小さくない』、「出向の形を取って他社で働き、特に異業種のビジネスの機微や組織運営、働き方などを経験することは、ビジネスパーソンとしての成長に大変いい」、同感だ。
・『日本企業がシフトしつつあるジョブ型雇用に先回りして適応しよう  コロナが後押しすることによって、「働き方」は今後変化を加速させるだろう。「転職」「テレワーク」「副業」「出向」それぞれの普及は、相乗効果を伴って、働き方の変化を推し進める。 企業の側でも、これまでの長期にわたって社員の面倒を見て処遇し続ける「メンバーシップ型」の雇用形態から、個々の仕事ごとに人を配置して処遇する「ジョブ型」のシステムを指向するようになってきた。 個々の社員の側でも、ジョブ型雇用に早く適応することが今後のキャリア形成の上で有利だろうし、今後の転職にも副業にも適応しやすく、職業人生のセキュリティー(安全性)が増す。 せっかく働き方が変化しつつあるのだから、可能な方は個人的な「副業」から一歩進めて、複数の会社に勤務する「複業」にチャレンジするのもいいだろう。また、ANAのような出向制度があれば、ぜひ「別の会社」で働くことを経験してみるといい。 今後の働き方の流動化に適応するには、自分の「人材価値」に関して戦略を持つことが重要だ。「自分のできることは何か(能力)」「自分の仕事を買ってくれるのは誰か(顧客)」の2点について、選択肢を拡大することと共に、個々の選択肢の価値を拡大する――。そのことが自分の「人材価値」を高める方法になるが、これらの努力にはそれなりの時間が必要だ。 他業種・他社で働く経験は、自分の時間と努力の投資先として大いに有望であるとお勧めしておく。 いずれにしても、1つの組織に依存しないで働く用意が肝心だ』、最後の部分はその通りだが、それが可能な人はそう多くはないだろう。

次に、11月18日付け東洋経済オンライン「エアアジア破産、日本の空から消える「第3勢力」 東京地裁に破産申請、2度目の日本参入も失敗に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/389615
・『日本航空(JAL)やANAホールディングスが巨額赤字を計上する中、LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンは11月17日、東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行った。新型コロナ影響により航空会社が経営破綻する、日本で初めてのケースとなった。 エアアジア・ジャパンは12月5日をもって全路線を廃止することを決めていた。「事業を継続することは極めて困難であると判断し、事業を廃止するという苦渋の決定をいたしました」。エアアジア・ジャパンの会田純COO(最高執行責任者)が報道各社に寄せたコメントには悲壮感が漂っていた。 同社には事実上の親会社であるマレーシアのエアアジアグループが33%を出資しているが、コロナ禍がエアアジア本体を直撃した格好だ』、確かにコロナ禍の下では、LCCの環境は普通の航空会社以上に厳しいだろう。
・『2度目の日本参入もあきらめることに  アジア各国に路線網を抱え、世界屈指のLCCグループであるエアアジアにとって、今回は2度目となる日本撤退だ。同社は2012年、国内最大手の全日本空輸(現ANAホールディングス)との合弁で日本に参入。しかし、ANAとの間で経営方針をめぐってすれ違いが生じ、搭乗率も苦戦。参入からわずか1年で撤退に追い込まれた。 2014年には楽天やノエビアホールディングス、アルペンなどをパートナーにして再参入。拠点空港には競合の少ない中部国際空港を選んだ。新千歳と仙台、台北の3路線を運航し、2020年8月には福岡線を開設した。しかし、新型コロナ影響により、春先から各路線で運休が発生。6月には社員約300人の2割強にあたる70人弱の希望退職を実施した。 本体のエアアジアグループも、新型コロナ影響で業績が急速に悪化している。2019年12月末には17.5%だった自己資本比率が2020年6月末時点で8.3%にほぼ半減した。エアアジア・ジャパンの2019年12月期は40億円の売上高に対し、42億円の営業赤字。2度目の日本参入もあきらめることになった。 しかし、エアアジア撤退は、単なるLCC市場の競争・淘汰以上に大きな意味がある。これにより、国内主要航空会社からANA、JALに続く「第3勢力」が消滅するからだ。 この記事の続きはこちら。『東洋経済プラス』では、「航空異変」としてエアライン業界の現状のレポートしています。 「ANAが迎える正念場」 「JAL『公募増資』1680億円の胸算用」』、日本では「第3勢力」が活躍する余地はないのだろうか。

第三に、12月15日付け東洋経済オンライン「ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/395578
・『この1カ月、新型コロナの影響で苦境にあえぐ航空大手2社が、競うように公募増資に乗り出した。 先手を打ったのは日本航空(JAL)だ。JALは11月6日、公募増資などにより最大で1679億円を調達すると発表。同社の公募増資は、アメリカ同時多発テロやイラク戦争、SARS(重症急性呼吸器症候群)後の2006年に実施して以来のことだ。そしてANAホールディングスも11月27日、JALに3週間の遅れを取って、公募増資などによる最大3321億円の調達を打ち出した。 2社の2021年3月期は航空需要の低迷から、JALが最大で2700億円、ANAが5100億円に上る最終赤字を計上する見込みだ。赤字と借り入れを増やしたことで、2020年3月末から9月末にかけて自己資本比率が、JAL、ANAともに10%近く低下している。そこでJALは22.8%、ANAは29.5%の希薄化を伴う形で、株式市場からの資金調達に乗り出した』、財務的余裕が少ないANAの調達額はJALの倍のようだ。
・『JALの増資発表後に“神風”  JALの増資発表直後、アメリカの製薬大手・ファイザーの臨床試験で新型コロナ向けワクチンの有効率が90%を超えたという発表があった。これが航空需要の回復につながるとの連想を生み、航空株が値を戻した。公募増資を発表した11月6日から条件決定を迎えた11月18日までに、JALの株価は7%上昇。「神風」が吹いたことで、調達額は当初見込みから147億円上振れ最大1826億円となった。逆にANA株は発表日から条件決定日まで7%下落。調達額は当初見込みを269億円下回り、最大3052億円となった。 ただ、ANAは10月に調達した劣後ローン4000億円のうち、資本性を認定される2000億円と合算することで、5100億円の最終赤字による資本の減少を補うことを重視している。この観点からすると、公募増資などによる調達額は3000億円台で及第点と言えるかもしれない。 2社は公募増資などで調達した資金を主に債務の返済と、既に契約済みの航空機代の支払いに充当する。前向きな成長投資とはいい難いが、ANAの中堀公博グループ経理・財務室長は「当社の持つ約3割の羽田国際線の発着枠は、やはり強みになる。こちらはもちろんJALさんよりも多く、(投資家から)ご評価いただいている」と語る。「ドル箱」とされる羽田空港の発着枠など、市場が資金使途以外に成長性の部分も一定程度折り込んでいることを示唆した。 当然ながら、発着枠を持っているだけでは売り上げを生まない。公募増資を終えた2社は需要が先行して回復する地域や都市を迅速に見つけ出せるのか。逆風が吹きつける中でエアラインとしての目利きや実力を改めて問われることになる。 『東洋経済プラス』では、短期連載「航空異変」で以下の記事を配信しています。 財務データでわかる「大赤字」 ANAとJALの格差 「破綻」は避けられるのか ANAが迎える正念場 JALが先手「増資」1680億円の胸算用 エアアジア撤退、消える「第3のエアライン」』、ANAは「羽田国際線の発着枠」を売り物にしているようだ。これは民主党政権でのJALの会社更生法での処理時に、銀行団に債権放棄を多目にさせたとするANAの不満を、自民党政権が発着枠の多目配分でなだめようとしたためである。

第四に、12月23日付けブルームバーグ「JALが背負う「雇用死守」という軽くない十字架 世界の航空会社が苦難の中、「賭け」となるかも」を紹介しよう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-22/QLCRFUDWRGG001
・『+従業員を裏切るな、赤坂社長に雇用の維持求めるメール-大田元専務
  +破綻後のJALは稲盛氏の下で団結し復活、
コロナ禍もリストラせず 新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい状況が続く航空業界にあって、日本航空(JAL)には「雇用の死守」という重い命題が課せられている。10年前の破綻からの再建を成し遂げたカリスマ経営者の理念を受け継いだ経営陣は、終わりが見えないコロナ禍で選択肢が限られた難しいかじ取りを迫られている。 「雇用は絶対に守ってほしい」。JALの大田嘉仁元専務執行役員は今年春、赤坂祐二社長にメールを送った。新型コロナで移動が制限され、航空業界への深刻な影響が見込まれたためだ。大田氏は2010年に会社更生法を申請したJALの会長に政府の要請で就任した京セラ創業者、稲盛和夫氏の右腕としてともに再建を主導した。 仏教徒でもある稲盛氏はJALの企業理念を「全社員の物心両面の幸福の追求」と定めて社員の信頼を勝ち取り、急激に収益力を回復させて破綻から2年半余りで再上場にこぎつけた。コロナ禍で巨額の赤字を見込む中、希望退職を公表したANAホールディングス(HD)と違ってリストラには手をつけていない。 JAL、今期最大2700億円の純損失見込む-コロナ禍で再上場後初 (3) 大田氏は都内でのインタビュ-で、JALでは業績回復後も雇用維持を重視して給料を上げてこなかったとし、「すぐにそれで希望退職とかをすると従業員を裏切ることになる」と経営陣の対応を評価。赤坂社長からの返信も雇用維持の重要性について概ね同意する内容だったと明らかにした。 世界規模の新型コロナ感染拡大で、各国が厳しい渡航制限を続ける中、航空会社の収入は激減。海外では英ヴァージンアトランティック航空など経営破綻に追い込まれる会社も出ている。 欧州最大手のルフトハンザ航空はドイツ政府の救済措置で90億ユーロ(約1兆1370億円)の資本注入を受け、エールフランスKLMもフランス、オランダ両政府から金融支援を得た。韓国では大韓航空がアシアナ航空を買収する方向だ。シンガポール航空やタイ国際航空も早期退職を募集するなど多くのエアラインが生き残りに懸命だ。 一方、JALやANAHDなど国内航空会社は金融機関の融資や空港使用の引き下げなどで支援を受ける一方、公募増資や劣後ローンによる財務強化を図っている。JALでは人員のグループ外への出向や、新規事業による売上高創出などを通じ、グループで約3万5000人の従業員の雇用に手をつけず未曽有の危機を乗り切ろうとしている』、「JAL]が「グループで約3万5000人の従業員の雇用に手をつけず未曽有の危機を乗り切ろうとしている」、大丈夫なのだろうか。
・『みんなで一緒に  経営破綻した経緯からJALは他社に比べて債務が少ない優位性があるほか、部門ごとの採算性を重視する稲盛氏の指導の下で営業利益率10%を超える航空業界でもまれな高収益企業に変貌を遂げた。 大田氏は、昔のJALは無責任体質がまん延し、社員同士の足の引っ張り合いで匿名の内部告発文が飛び交うような「腐っている」状態だったという。 再建の成功は「人としての正しさ」や「利他の心」を説いて団結を求めた稲盛氏の思想に社員が共鳴したためだとし、少し苦しくなったからといって「労働者はコストだからいらん、みたいなことを言い始めたら一体感がなくなる。調子が良くなった時にあの時は仕方なかったからごめんね、と言っても誰もついてこない」と指摘する。  大田氏によると、稲盛氏は経営理念に背いて人を切って生き残るぐらいならばむしろ倒産を選ぶとの考えを持っているという。巨額の負債を抱えて行き詰っていた破綻前と比べると今はまだましだとし、雇用を守って「それでもしつぶれるんだったら、もうみんなで一緒につぶれて行こう」というぐらいの厳しさで経営に当たるべきとした。 JAL広報担当者は雇用維持の理由について「需要回復時の反転攻勢に備えて安全やサービスの質を高めるための教育や訓練を実施する。また、これまで携わることのなかった業務に就く機会を設け、社外のノウハウ取得やマルチタスク化など、今後に活かせるように時間を有効活用する、というのが基本的な方針であるため」とコメント。需要減が長期化した場合でもリストラは「現時点では考えていない」とした』、「需要減が長期化した場合でもリストラは「現時点では考えていない」」、大丈夫なのだろうか。
・『長期化なら命取りにも  東京大学名誉教授で会社論に関する著書もある岩井克人氏はJALのスタンスについて、倒産を経験したため人材の確保などに苦労したことが影響しているのではと指摘。近年は事業拡大でANAに遅れを取っていたことが今になって「少し幸いして雇用を守るということが可能になったという皮肉な面もある」と述べた。 株主利益の最大化が会社の唯一の目的とされてきた米国でも最近は従業員などステークホルダーの利益も配慮すべきとの考え方が芽生え始めており、JALの姿勢は日本の会社の典型であると同時に世界の潮流になるかもしれないと話した。コロナ禍が長期化した場合はそれが命取りになる可能性もあり、「ある意味賭けだ」と述べた。 政府の成長戦略会議の有識者メンバーでもある竹中平蔵慶応大学名誉教授は、苦境に置かれる国内航空大手について資本注入や合併も視野に入れるべきだと主張している。 このことについて大田氏は、日本 の経済規模を考えると航空会社は2-3社は必要とし、統合で1社独占になると弊害も大きいため「競争で切磋琢磨していくのが正しい」と独立を維持すべきとの考えを示した。ANAHDも生き残る力は十分にあり、コロナ後には日本の2社の存在感が高まるのではないかと述べた。 新型コロナが今後も収束せず、「本当に最悪の事態になったらそれはそうは言ってられないときもあるのかもしれない」としながら、「今から考えても仕方がない。乗り切れると。右往左往せず腰をどんと据えてやった方がいい」と話した』、「コロナ禍が長期化した場合はそれが命取りになる可能性もあり、「ある意味賭けだ」と述べた」、「賭け」が狙い通りにいってほしいものだ。 
タグ:航空会社 東洋経済オンライン ブルームバーグ ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 (その4)(ANAの「出向要請」は社員にも受け入れ企業にも意外に悪くない理由、エアアジア破産 日本の空から消える「第3勢力」 東京地裁に破産申請 2度目の日本参入も失敗に、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達、ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達) 「ANAの「出向要請」は社員にも受け入れ企業にも意外に悪くない理由」 「転職」経験豊富な山崎氏の見解とは、興味深そうだ コロナの「時間短縮効果」が日本の働き方を激変中 新型コロナウイルス感染症のようなトラブルには、ものごとの変化のスピードを速める「時間短縮効果」がある ヤフーは100人規模での副業社員の募集を発表」、きっと優秀な人材が集まるのだろう 最初は苦肉の策という印象だったがANAの「出向」は悪くない試み 出向の形を取って他社で働き、特に異業種のビジネスの機微や組織運営、働き方などを経験することは、ビジネスパーソンとしての成長に大変いい 日本企業がシフトしつつあるジョブ型雇用に先回りして適応しよう 1つの組織に依存しないで働く用意が肝心だ それが可能な人はそう多くはないだろう 「エアアジア破産、日本の空から消える「第3勢力」 東京地裁に破産申請、2度目の日本参入も失敗に」 コロナ禍の下では、LCCの環境は普通の航空会社以上に厳しいだろう 2度目の日本参入もあきらめることに 日本では「第3勢力」が活躍する余地はないのだろうか 「ANAとJAL「巨額増資」で手にしたカネの使いみち 経営環境が悪化する中で競うように資金調達」 財務的余裕が少ないANAの調達額はJALの倍のようだ。 JALの増資発表後に“神風” ANAは「羽田国際線の発着枠」を売り物にしているようだ。これは民主党政権でのJALの会社更生法での処理時に、銀行団に債権放棄を多目にさせたとするANAの不満を、自民党政権が発着枠の多目配分でなだめようとしたためである 「JALが背負う「雇用死守」という軽くない十字架 世界の航空会社が苦難の中、「賭け」となるかも」 本航空(JAL)には「雇用の死守」という重い命題が課せられている 10年前の破綻からの再建を成し遂げたカリスマ経営者の理念を受け継いだ経営陣は、終わりが見えないコロナ禍で選択肢が限られた難しいかじ取りを迫られている 仏教徒でもある稲盛氏はJALの企業理念を「全社員の物心両面の幸福の追求」と定めて社員の信頼を勝ち取り、急激に収益力を回復させて破綻から2年半余りで再上場にこぎつけた 希望退職を公表したANAホールディングス(HD)と違ってリストラには手をつけていない 「JAL]が「グループで約3万5000人の従業員の雇用に手をつけず未曽有の危機を乗り切ろうとしている」、大丈夫なのだろうか みんなで一緒に 需要減が長期化した場合でもリストラは「現時点では考えていない」」、大丈夫なのだろうか 長期化なら命取りにも コロナ禍が長期化した場合はそれが命取りになる可能性もあり、「ある意味賭けだ」と述べた 「賭け」が狙い通りにいってほしいものだ
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日本の政治情勢(その52)(自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏、安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない、危機感不在の呆れた第3次補正予算案 菅政権「国民のために働く」はどこへ) [国内政治]

日本の政治情勢については、12月9日に取上げた。今日は、(その52)(自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏、安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない、危機感不在の呆れた第3次補正予算案 菅政権「国民のために働く」はどこへ)である。

先ずは、12月19日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/397439
・『混迷を極める「Go To政局」の陰で、ポスト菅を目指す岸田文雄前政調会長が苦悩を深めている。地元の衆院広島3区での次期衆院選与党候補をめぐって、公明党と自民党広島県連が真っ向から対立しているからだ。 長年にわたり全国の小選挙区ですみ分けを続けてきた自公両党が、特定選挙区の候補擁立をめぐって表舞台で激しくぶつかり合うのは極めて異例のことだ。 「自公両党の闇試合のような複雑な駆け引き」(閣僚経験者)の裏側には、公明との太いパイプを持つ菅義偉首相や二階俊博自民党幹事長の影もちらつき、「次期総裁選をにらんだ岸田つぶしの陰謀」(岸田派幹部)との見方も広がる』、「広島」は2010年の参院選挙で、現職だが、反安部の横手に加え、河合安里を追加公認、執行部の河合テコ入れで、横手は落選。今に至る問題を生じたところだが、衆院選がキナ臭くなったようだ。
・『宏池会の「牙城」で自公が対立  発端は、広島3区現職の河井克行元法相が巨額買収事件で検察当局に逮捕・起訴され、自民党を離党して法廷闘争を続けていることだ。自民党が同区の新たな候補者を擁立する作業を進めている最中に、公明党が先手を打つ形で斉藤鉄夫副代表(68)=衆院比例中国=の出馬を機関決定した。 慌てた自民党広島県連は、公募を経て石橋林太郎県議(42)を擁立したことで地元での自公対立が決定的となり、「県連レベルでの調整は困難」(自民選対)な事態に陥った。 そもそも、広島は宏池会(岸田派)の創始者の故池田勇人元首相や、故宮沢喜一元首相の地元として、派閥結成以来の「宏池会の牙城」(派幹部)だった。岸田氏にとって今回の公認争いで指導力を発揮できなければ、「総理・総裁候補失格の烙印」(自民幹部)を押されかねない。) 自民広島県連は、11月に河井氏に代わる同区の公認候補となる新支部長選任のための公募を始めたが、その間隙を突くように公明党が11月19日に斉藤氏の擁立を決定。すぐさま山口那津男代表が菅義偉首相や二階俊博自民党幹事長に協力を要請した。 一方、自民県連は12月8日に公募者の中から石橋氏を選び、9日に県連会長の宮沢洋一元経済産業相が党本部で二階氏と山口泰明選対委員長と会談、与党としての石橋氏一本化を要請した。 公明の斉藤氏擁立は「自民議員が買収事件を起こした選挙区では、後任の自民候補は応援できない」(幹部)のが理由。擁立決定を受けて斉藤氏も直ちに選挙区回りを始めるなど、党を挙げての選挙態勢づくりを進めている』、「公明の斉藤氏擁立は「自民議員が買収事件を起こした選挙区では、後任の自民候補は応援できない」(幹部)のが理由」、予め分かっていた筈で、自民党はどうするつもりだったのだろう。
・『『菅、二階両氏と岸田氏の「微妙な関係」  対する自民県連は「選挙区に出さない選択肢はありえない」(幹部)と、石橋氏での候補一本化を譲らない。ただ、県連会長の宮沢氏は岸田氏の従兄弟であり、「最終的には岸田氏が決断するしかない」(自民幹部)との見方が多い。 しかし、公明側は岸田氏が斉藤氏での一本化に反対すれば、「他選挙区の岸田派候補の支援は拒否する」と脅しをかけたとされる。岸田氏周辺でも「党本部裁定しかない」との声が広がっている。 そこで問題となるのが、最終的な公認決定権限をもつ菅首相(自民党総裁)、二階幹事長の両氏と岸田氏との関係だ。安倍晋三前首相の突然の退陣表明を受けた後継レースでは、岸田氏に批判的な二階氏の主導で菅政権が実現し、菅首相も党・内閣人事で岸田氏を無役に追いやった経緯がある。 今回の公明党の斉藤氏擁立について、菅首相や二階氏は「特に異論を唱えなかった」(自民幹部)とされ、候補者調整の責任者の山口選対委員長も、9日の宮沢氏の要請に「党幹部でよく相談したい」とあいまいな態度に終始した。 候補者調整で後手に回った岸田派は、8日の臨時幹部会で対応を協議したが、主戦論が出る一方で、「今回は公明に譲って石橋氏は比例に回る」「河井案里被告(参院議員)の失職による参院広島選挙区補選での公明の選挙協力の確約」など、「条件闘争に移るべきだ」(派幹部)との意見も出て、こちらも腰が定まらない状態だ。 岸田氏は、9日夜の民放BS番組に出演した際、「これは党と党で話し合う問題だ」と党本部の対応に委ねる姿勢を強調。自公両党の調整作業についても「与党が分裂して戦うことはあり得ない。私は私の立場で努力したい」と踏み込んだ発言は控えた』、「岸田氏」は本当に頼りないようだ。危機感はないのだろうか。
・『斉藤氏を与党候補とする方向で調整へ  そうした中、地元での調整が膠着状態に陥ったのを見透かすように、自民執行部は12月中旬に公明との水面下での調整を本格化。その結果、自民は次期衆院選広島3区では公認候補を立てず、斉藤氏を与党候補とする方向で12月下旬にも公明側との協議を進める構えだ。 自公両党は「与党の議席を確保することが最優先」(山口那津男代表)との立場で一致している。このため「自民候補では公明の協力が得られず、当選もおぼつかない」(自民選対)との判断から公明に譲歩する方向になったとされる。山口選対委員長は16日の岸田文雄前政調会長との会談を踏まえ、「複数の選択肢があるが、円満になるようやっていきたい」と今後の調整に自信をにじませた。 これに対し、岸田氏は17日に「簡単なことではない。ぜひ丁寧にやってもらいたい」と党執行部による一方的な調整作業を牽制した。ただ、一連の調整作業で弱腰にもみえる岸田氏に対し、自民党内では「密かに公明党と通じる菅、二階両氏による岸田つぶしに徹底抗戦する度胸はない」(細田派幹部)との厳しい見方も広がる。 その一方、次期衆院選の候補者調整をめぐる「菅・二階連合の強権的手法」(細田派幹部)には自民党内の反発も強い。多くの派閥は次期衆院選での公認調整での二階氏ら党執行部の対応に不満を隠せず、「岸田氏が簡単に降りると、他の選挙区の公認調整にも影響が出かねない」(竹下派幹部)との不安を隠さない。 特に岸田派は広島3区以外でも、静岡5区や山口3区で二階派との公認争いを展開しており、「広島で腰砕けになれば、総崩れになりかねない」(岸田氏周辺)と危機感を強める。 折しも、師走に入ってのGoTo政局は混迷の度を深めている。コロナ感染者の拡大が続き、菅首相は14日、肝いり政策だったGo Toトラベルの全国一斉停止に追い込まれた。同日夜には二階幹事長ら8人と会食し、「言ってることとやってることが正反対」との国民の批判を招いて菅首相が陳謝を余儀なくされた』、「菅・二階」が逆風にあるのに、「岸田氏」は高見の見物なのだろうか。
・『「反菅」は岸田氏の追い風になるか  これに先立つ11日のインターネット番組出演の際の「ガースーです」発言も含め、ここにきて「菅首相はやることなすこと悪手の連続」(自民長老)との批判が拡大。自民党内でも「密かに反菅のうごめきが始まっている」(閣僚経験者)とされる。 だからこそ、9月の総裁選で2位につけた岸田氏の存在が注目を集める。9月の総裁選で菅首相に大差で敗れた岸田氏だが、「ここにきての菅首相への逆風は、ポスト菅を狙う岸田氏のチャンス拡大につながる」(自民幹部)との指摘もある。岸田氏周辺でも「党内の菅・二階連合への不満が岸田政権誕生への追い風になる」(若手)との期待が広がる。 岸田氏は10月以降、当選同期で総裁選後も親交が続く安倍前首相との連携強化に向け、側近も含めて安倍氏サイドとの交流を図ってきた。ただ、その安倍氏は桜を見る会をめぐる虚偽答弁疑惑が再燃し、「身動きが取れない状況」(安倍氏周辺)となっている。 岸田氏は17日、菅首相のステーキ会食について、「コロナ対策は大変厳しい状況だ。政治家あるいは政府の関係者は自らの行動をしっかりと考えていかなければいけない」と間接的な表現で批判してみせた。ただ、「広島3区で党執行部にあっさり押し切られるようだと、党内の岸田待望論もしぼみかねない」(閣僚経験者)。「党執行部にどう対峙するかで、岸田氏の真価が問われる」(同)ことになりそうだ』、「岸田氏」は「安倍氏」に後継問題で裏切られながら、いまだに「親交」を続けているとは、本当に甘い人物だ。当面、期待できそうもない。

次に、12月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258483
・『安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した前夜祭の費用補填(ほてん)問題で、東京地検特捜部(以下、特捜)は24日、政治資金規正法違反(不記載)と公職選挙法違反(寄付行為)の両容疑で告発されていた安倍前首相を嫌疑不十分で不起訴とした。後援会代表の配川博之公設第1秘書については、政治資金収支報告書に3000万円余を記載しなかったとして、政治資金規正法違反の罪で略式起訴した。特捜は一連の捜査を終結し、安倍前首相は刑事事件に問われることはなかったが、政治責任を問われるのは必至だ』、「特捜」は検察審査会を意識して捜査した形を整えただけなのだろう。
・『安倍前首相は関与否定、秘書は認める  配川秘書の起訴内容は、後援会の2016~19年分の報告書に、前夜祭の参加者から集めた収入約1157万円、ホテルに支払った支出約1865万円を記載せずに山口県選挙管理委員会に提出したとされる事実だ。 前夜祭は13~19年に桜を見る会の前日、東京都内の二つのホテルで開催された。参考までに、昨年の前夜祭には海外の要人も利用する「超」が付く高級ホテル「ニューオータニ」で約800人が参加。会費は5000円だったが、ホームページは「立食パーティーは1人1万1000円から」としていた。 安倍前首相側が19年までの5年間でホテルに支払った総額は計約2300万円とされる。参加者の会費5000円との差額は安倍前首相が代表の資金管理団体「晋和会」が補填(ほてん)したとみられるが、後援会や晋和会には記載されていなかった。 全国紙社会部デスクによると、特捜は安倍前首相を不起訴とした理由について「収支報告書の作成に関与しておらず、不記載についても認識していたという証拠はない」とし、配川秘書を公判請求ではなく略式とした理由は「犯行形態や金額、過去の事案との比較で総合的に判断した」と説明したという。 安倍前首相は21日、特捜の任意聴取に対し「費用を補填していた事実は知らなかった」と関与を否定。配川秘書は補填と不記載の事実を認めていた。結局、刑事処分されたのは配川秘書だけで、後援会と晋和会の会計責任者はそれぞれ嫌疑不十分で不起訴、後援会の事務担当者は起訴猶予とされた。 配川秘書の起訴内容について16~19年分としたのは、山口県選管が政治資金規正法の保存期間に基づき、15年以前の分を既に廃棄しており、期間を絞ったとみられる。後援会は23日、山口県選管に17~19年分について前夜祭の収支を計上し、収支報告書を訂正した。 告発状は全国の弁護士や法律研究者が今年5月以降、相次いで提出。前夜祭の費用を補填したのは晋和会だが、収支報告書には記載がなかったため、晋和会も不記載に当たると主張していたが、特捜は証拠不十分で立件は見送った。 また補填は有権者への寄付や選挙の買収に当たり、公選法違反だと訴えたが、こちらも不起訴となった。前夜祭は立食パーティーで飲み物のほかは簡素な食事だったため、参加者が特捜の聴取に「5000円でも高いと思った」と供述したことや、衆院選の時期と離れていたため、安倍前首相側や参加者に寄付や買収の意図・認識はなかったと判断したもようだ』、「特捜」の判断は大甘だ。
・『問題発覚も「クビ」にならない秘書  この問題を巡っては、インターネットの投稿サイトなどに安倍前首相の熱烈な支援者らが「何ら問題ない」と擁護。野党支持者からは猛烈な批判が飛び交い、自民党支持者とみられる投稿にも「はっきりさせるべきだ」などとする意見も見られた。 筆者は自民支持でもアンチでもないが、国会答弁などを見ていて「説得力のない、子どもじみた説明だな」と感じていた。「補填した事実はない」「ホテルから明細はもらっていない」「各個人がそれぞれの費用で上京し、ホテルに直接、払っている」……。 補填した事実がないと言い切るなら、会費が5000円と分かっているのだから、ホテルに「1人の飲食代金はいくらか」と問い合わせれば問題は一発で解決したはずだ。立食パーティーでホテルが1人ずつ代金を徴収するはずがないということは、一般常識をわきまえた社会人なら分かるはずだ。 首相経験者を一般常識のない社会人とは思いたくない。 では、なぜ一発で解決する問い合わせをしなかったのか。理由は簡単だ。 補填していたという事実が明らかになり、国会答弁が虚偽だったと認めざるを得なくなるからだ。自分が虚偽答弁をしているという自覚があったからにほかならない。 今回の問題では結果的に、配川秘書が安倍前首相にうそをつき続けていたということになるのだが、そんなことがあり得るだろうか。安倍前首相の熱烈な支持者は「安倍前首相をだまし続けていた秘書を許せない」と言うところだろうが、常識ある方なら自民支持者でも「そんな訳ないだろう」と思っているはずだ。 配川秘書は当然、聴取を受けた段階で安倍前首相には「補填と不記載を認めた」と報告したはずだ。百歩譲って、安倍前首相が事実関係を知らなかったとしたら、その場で「勝手なことをして! クビだ!」となるはずだ。しかし、配川秘書は今も現職にとどまっている(24日夜の安前首相の記者会見で公設秘書辞任を発表)。 平たく言えば、配川秘書は雇い主(厳密に言えば公設秘書は国家公務員なので雇い主は国)に断りなく、後援会や資金管理団体の資金を勝手に流用。国会で追及されても、うその報告を続けていたということだ。結果、安倍前首相は118回の虚偽答弁をしていたということになる(衆院調査局調べ)。 これで「おとがめなし」としていること自体が異常だ。 普通に考えれば事務所やスタッフが「証拠がない」をいいことに、配川秘書に責任をすべて負わせ安倍前首相を守ろうとした、と考えるのが自然だ。これ以外に考えようがない。 現職の首相が、後援会や資金管理団体などの細かい経理に口をはさむことは考えられない。 しかし、疑惑として注目され、国会でも取り上げられるような事態になってもなお、秘書や事務所スタッフの不可解な報告を鵜呑みにするとは思えない。もし、そうだったとしたら、それは首相としてではなく、社会人としての資質を欠いていたといえるだろう』、その通りだ。
・『問題は不記載ではなく税金の私物化  もともと「桜を見る会」の問題が浮上したきっかけは、安倍前首相の公私混同が疑問視されたことだった 会は本来、首相が公費で主催する公的な行事だ。 1952(昭和27)年に始まり、八重桜が見頃となる4月中旬に新宿御苑で開催される。目的を「各界で功績や功労のあった人を招待し、慰労するもの」とし、衆参両議長・副議長や大臣、官僚や地方の知事や議員、各国の駐日大使、各界の代表者らが対象だ。参加費は無料で費用は税金から支出される。 「各界の代表者」については当初は文化人が多かったが、次第に芸能人やスポーツ選手など、どちらかというと「慰労会」というよりはテレビのワイドショー受けするイベント色が強くなっていった。 ちなみに始まった当初は4000人余で、予算は約30万円程度だった。その後、招待者は増え、2000年の森喜朗首相のころは約8000人になり、06年の小泉純一郎内閣のころには1万人を超えた。さらに第2次安倍内閣で急増し、19年は約1万8000人で支出も約5500万円と巨額になった。 その上、会には安倍前首相の地元後援会員が多く招かれたことを受け「私物化」との批判が相次いだ。 事実、安倍前首相の選挙区からツアーを組んで参加する実態が浮上。前述の全国紙社会部デスクによると、参加者から「会の費用が税金とは知らなかった。後援会の観光ツアーだと思っていた」との証言もあったという。 この参加者は「安くはないけれど、有名なスポーツ選手や芸能人に会えるから、楽しみにして出掛けた」と話すように悪意はなく、政治的な背景にも疎かったようだ。 刑事事件として立件されることなく、前科はつかなかった安倍前首相。熱烈な支持者らは「刑事的責任を問われなかった。これで身の潔白は晴れた」と投稿するだろう。しかし、刑事責任を問われなかったことで「秘書に責任を擦り付けて逃げ切った卑怯な政治家」というイメージが張り付いたのではなかろうか。 少なくとも、筆者はこの国のリーダーだった方に対して、尊敬の念はいだけない』、「国会」では118回も「虚偽答弁」していたことになる。いくら自民党が多数とはいえ、民主主義の根幹を揺るがす深刻なスキャンダルだ。

第三に、12月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「危機感不在の呆れた第3次補正予算案、菅政権「国民のために働く」はどこへ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258214
・『12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案。その中身をみれば、新型コロナ不況の対策には全くなっていないのは明らかだ。これらの問題点を指摘する』、興味深そうだ。
・『結論からいえば新型コロナ不況対策にはなっていない  12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案、その一般会計歳出の総額は、経済対策関係経費が19兆1761億円、税収減に伴う一般会計の地方交付税交付金の減額の補塡や地方法人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補塡等に加え、既定経費に減額分等と合わせて、15兆4271億円である。 財源となる国債は、税収の減額分8兆3880億円と合わせて22兆3950億円発行される(なお、この他に税外収入及び前年度余剰金受入あり)。 さて、この補正予算案、結論からいえば、新型コロナ不況対策には全くなっていない。なぜそう言えるのか? 本稿では第3次補正予算案編成の前提となった、12月8日に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(以下「総合経済対策」)を下地としつつ、経済に関する部分を中心に、具体的な措置について金額も含め見ていきたいと思う(なお、大元となった自民党提言のお粗末さについては、拙稿『お粗末すぎる自民党「新たな経済対策への提言」、コロナ禍の影響を無視』を参照されたい)』、「結論からいえば新型コロナ不況対策にはなっていない」、どんなにお粗末なのだろう。
・『「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい  まず、現状認識。「経済対策の考え方」には総合経済対策の肝が次のように凝縮し記載されている。 『「攻め」とは、今回のコロナ危機を契機に浮き彫りとなった課題である国・地方のデジタル化の著しい遅れや、東京一極集中、特定国に依存したサプライチェーンといった我が国の脆弱性に対処することである。そして、環境と経済の好循環を生み出すグリーン社会の実現、経済の基盤を支える中小・小規模事業者の事業再構築支援を通じた体質強化と業種・職種を越えた労働の円滑な移動、非連続なイノベーションを生み出す環境の強化など、民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、所得の持続的な拡大と成長力強化につながる施策に資源を集中投下することである。』 これは、過去20年以上にわたって行ってきたインフレ対策にしかならない構造改革という間違いをまだまだ繰り返すことになる。それどころか今回の「コロナ禍」という惨事に便乗して「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい。 今なすべきは、さまざまな影響を受けている全産業を守ること、国民の生活を下支えすること、そしてデフレ下で需要が決定的に不足しているところに有効な需要を創出すること、そのための手厚い公共投資である(民間投資はその先である)。 12月16日から1月11日の期間の協力金は月額換算最大60万円から120万円に倍増されている。ただし、日額でいえば最大4万円である上に、必ず満額支給されるとは限らない。年末年始のかき入れ時であることを考えれば、この程度の協力金で持ち堪えられる事業者はどの程度いるのだろう。 そのような中途半端なものではなく、持続化給付金の拡充(実質的な粗利補償)などにより対処した方が、事業も雇用も守ることができるはずだ』、竹中平蔵がアドバイザー役に復帰したので、新自由主義的色彩が濃くなったのだろう。
・『新型コロナ不況の対策とは無関係のものがほとんど  二つ目の柱である「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」は、各項目には「新型コロナ」の文字が目立つが、言わずもがなであるが、新型コロナ不況対策とは無関係のものがほとんどである。 例えばデジタル関係で、「教育、医療・福祉等におけるICT化等の一層の推進」として、厚生労働省関係でオンライン診療・服薬指導の恒久化等が措置されている。こうしたものも新型コロナ対応との関係で語られることが多いが、オンライン診療という名の遠隔診療では、専門医の話によれば診療・診断は困難であるようであり、遠隔診療ICTプラットフォームの利用負担と相まって、保険医療を崩壊させることにつながりかねないとの指摘もある。 さらに、服薬指導のオンライン化における「エビデンスに基づき」とは、要は医療費の削減のため、米国の保険会社が行っているようにするということであろう。そうなれば、国民の健康が着実に守れるわけもなく、弱者切り捨て、患者切り捨ての愚策と言わざるをえなくなる。 そもそもデジタル・ガバメントの確立にマイナンバーカードの普及などの「デジタル改革」なるものは、新型コロナ不況の今、補正でやるべき話なのだろうか(そうしたものが、各府省で多く措置されているのは、つまるところ一部の者だけが得をするためなのではないかと邪推したくなる)。「グリーン社会の実現」もまた然りである。 「カーボンニュートラルに向けた新技術の開発」「グリーン社会の実現のための国民のライフスタイルの転換等」とあるが、新型コロナ不況対策とどう関係があるのだろう?(環境だグリーンだと言えばなんでも許されるわけではない。筆者の目には新エネ利権のようなものを新たに創出するための措置にしか見えないが)。 そして、大いに問題なのが「経済構造の転換・イノベーション等による生産性向上」で一括りにされている措置たち。 「中小・小規模事業者の経営転換や企業の事業再構築等の支援」として、「地域の経済を支える基盤である中小・小規模事業者に対して、淘汰を目的とするものではないことは当然として、ポストコロナに向けた業態転換や新たな分野への展開等の経営転換を強力に後押しすること等を通じて、生産性の向上、賃金の継続的な上昇につなげる。」とある』、各省庁がここぞとばかりに、「新型コロナ不況の対策」とこじつけて出してきたものが多いので、「新型コロナ不況の対策」とは無関係のものがほとんど」とは当然である。
・『業態転換を事実上無理やり迫り事業再編の名の下に潰そうとしている  具体的問題点については、拙稿『菅内閣は「中小企業つぶし」という日本経済つぶしを押し進めている』を参照されたいが、「淘汰を目的とするものではない」としているものの、要は業態転換を事実上無理やり迫り、それができない企業を事業再編の名の下に潰そうとしていることは明らかである。 具体的措置として、経済産業省関係で「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を支援する。特に中堅企業に成⻑する中小企業については補助上限を1億円に引き上げて支援を重点化する。」として、中小企業等事業再構築促進事業に1兆1485億円もの予算が措置されている。需要が収縮し、かつ新型コロナ不況で多くの事業者が困窮している中で、新分野展開や業態転換を迫り、生産性の向上や賃金の上昇を迫るなど、正気の沙汰とは思えない。 同じく経済産業省関係で、「サプライチェーンの強靭化と国際競争力の向上」として、「サプライチェーン強靱化・多元化」の支援措置に2225億円計上されている。新型コロナショックにより世界的なモノの流れが止まったり鈍くなったりしており、本来はサプライチェーン、生産拠点を国内回帰させなければいけないのであるが、まだグローバル化を信じる周回遅れの発想が根強いようで、国内における増産等に寄与する設備投資も含まれているものの、海外拠点の多元化に資する設備投資も対象となっている。第2次世界大恐慌が来るとも来たとも言われているところ、まずは生産拠点の国内回帰のみを対象とした措置とすべきであるはずだ。 「地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」と銘打ち、「地方への人の流れの促進など活力ある地方創り」と言いながら、「国内観光を中心とした旅行需要の回復」を考えているようで、国土交通省関係で「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」(49億9700万円)等が措置されている。 新型コロナの感染の今後の状況も不透明である中で外国人観光客の受け入れなどもってのほかであり、非現実的である。 当面、世界的な人の動きはほとんどないか鈍化したままであろう。そうなれば、やはり国民の国内移動の利便性を高めることが必要であり、そのための公共投資を今から進めるべきであるし、それは困窮する交通事業者の救済にもつながる。 また、「民族共生象徴空間(ウポポイ)の誘客等の取組の推進」(19億8200万円)など、歴史的経緯も考証も曖昧な、単に「アイヌを観光コンテンツにする」という結論ありきの事項であり、問題外だ。 さて、具体的に取り組む施策に関し、(1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、(2)ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、および(3)防災・減災、国土強靱化の推進の3本の柱が掲げられている。これは当初の経済対策提言と同じであるが、中身がより具体的になっている。本稿では(1)および(2)を中心に見ていく。 1本目の柱である「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」については、多くが厚生労働省関係で措置されているが、内閣府関係の次の点については大いに懸念がある。 「知見に基づく感染防止対策の徹底」として、地方公共団体が酒類を提供する飲食店等に営業時間短縮要請等を行い、協力金の支払等を行う場合の柔軟な対応を可能とするため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充を行うこととし、11月24日および12月15日に発出された事務連絡『新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」の運用拡大について』により既に措置された』、「サプライチェーン強靱化・多元化」には、中国からベトナムへといったものが多いのだろう。
・『雇用確保の支援はするが業種転換や転職・再就職が前提  菅政権の中小企業政策をわかりやすく表現すれば、「観光関連産業は救ってやるが、それ以外の中小企業は潰れて構わない」「ハゲタカファンドや外資系企業の餌食になって構わない」「職に困った連中は観光業に転職して外国人観光客相手に商売しろ」と言っているようなものだ。 「新たな人の流れの促進など地域の独自の取組への支援」も規定されているが、地方への人の流れを作りたいのなら、インフラをはじめとした地方への大規模な公共投資を通じて生活や仕事の利便性を高めることである。地方への移住は長期観光ではない。生活の拠点を移すことなのであるから、テレワーク拠点等が整備されればなんとかなるという類の話ではない。東京からの流出超過が続く中(実態としては入ってこないということなのだが)、これを好機と捉えるなら、手厚い公共投資を躊躇なく進めることである。 「成長分野への円滑な労働移動等の雇用対策パッケージ」なるものも規定され、「業種転換等による雇用確保も視野に、出向や早期再就職による新たな分野への円滑な労働移動の支援や〜(中略)〜雇用対策パッケージとして総合的に取り組む。」とあるが、その心は、雇用確保の支援はするが業種転換や転職・再就職が前提であるということ。 つまりは中小企業再編政策と軌を一にしているということであるが、人はそう簡単に全く経験のない仕事に就くことなどできない。それをあたかも一つの箱に入っていたものを別の箱に移すかのように考えるのは、机上の空論であり、全く現実性のない話だ(それを強行に主張されるのなら、ご自身が全く未経験の仕事にでも直ぐに就いてみてはいかがか)。 要するに、本気で今の雇用を守る気はないということであろう。 「家計の暮らしと民需の下支え」とあるが、家計の下支えと言っても、基本は融資。携帯の料金を引き下げても、もともとさまざまなプランがある上に、無料Wi-Fiの普及で通信料のさらなる低減は可能なのだから、家計負担の大幅軽減にはつながらない。家計にとって一番の負担は消費税である。 「携帯料金値下げは消費税率○%の引き下げに相当する」といった詭弁はもういいので、早期にゼロ、少なくとも5%に引き下げるべきだ。  そして、少子化にも本気で取り組むのであれば、待機児童問題や不妊治療よりも、まずは貧困問題の解決である。そのためには、派遣労働の規制強化、コーポレートガバナンス改革をやめて元に戻すこと、四半期決算の廃止、公共投資を増加させて、例えば介護職や保育職などを公務員化して給料を上げることなどにより「家計の暮らしと民需の下支え」をすることを検討・実現すべきであろう』、「待機児童問題や不妊治療よりも、まずは貧困問題の解決である。そのためには、派遣労働の規制強化、コーポレートガバナンス改革・・・」、「コーポレートガバナンス改革」などは私は異論がある。ただ、「介護職や保育職などを公務員化」は賛成だ。
・『菅政権は何をしようとしているのか  これらのほか、「世界に開かれた国際金融センターの実現」や「更なる輸出拡大を軸とした農林水産業の活性化」といった、現下の状況を踏まえない、新型コロナ不況対策とは無関係であることが一目瞭然のものもある。 そうしたものについての問題点の解説などは文字数の関係で割愛するが、いずれにせよ、緊張感も現実感も欠ける第3次補正予算を通じて菅政権は何をしようとしているのだろうか? 筆者の頭には、「亡国」や「衰退」「荒廃」「疲弊」といった言葉しか浮かんでこないのだが…』、「新型コロナ不況対策」にかこつけて、各省庁がやりたかった政策を並べただけなので、筆者の印象も当然である。菅政権には、残念ながら全く期待できそうもないようだ。
タグ:東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 日本の政治情勢 室伏謙一 泉 宏 戸田一法 (その52)(自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏、安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない、危機感不在の呆れた第3次補正予算案 菅政権「国民のために働く」はどこへ) 「自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏」 衆院広島3区での次期衆院選与党候補をめぐって、公明党と自民党広島県連が真っ向から対立 河合安里 反安部の横手 横手は落選 宏池会の「牙城」で自公が対立 公明の斉藤氏擁立は「自民議員が買収事件を起こした選挙区では、後任の自民候補は応援できない」(幹部)のが理由」、予め分かっていた筈で、自民党はどうするつもりだったのだろう 『菅、二階両氏と岸田氏の「微妙な関係」 斉藤氏を与党候補とする方向で調整へ 「菅・二階」が逆風にあるのに、「岸田氏」は高見の見物なのだろうか 「反菅」は岸田氏の追い風になるか 「岸田氏」は「安倍氏」に後継問題で裏切られながら、いまだに「親交」を続けているとは、本当に甘い人物だ。当面、期待できそうもない。 「安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない」 「桜を見る会」前日に主催した前夜祭の費用補填(ほてん)問題 後援会代表の配川博之公設第1秘書 政治資金収支報告書に3000万円余を記載しなかったとして、政治資金規正法違反の罪で略式起訴 「特捜」は検察審査会を意識して捜査した形を整えただけなのだろう 安倍前首相は関与否定、秘書は認める 会費は5000円だったが、ホームページは「立食パーティーは1人1万1000円から」 参加者の会費5000円との差額は安倍前首相が代表の資金管理団体「晋和会」が補填(ほてん)したとみられる 「特捜」の判断は大甘だ 問題発覚も「クビ」にならない秘書 問題は不記載ではなく税金の私物化 始まった当初は4000人余で、予算は約30万円程度 19年は約1万8000人で支出も約5500万円と巨額に 会には安倍前首相の地元後援会員が多く招かれたことを受け「私物化」との批判が相次いだ 「国会」では118回も「虚偽答弁」 いくら自民党が多数とはいえ、民主主義の根幹を揺るがす深刻なスキャンダル 「危機感不在の呆れた第3次補正予算案、菅政権「国民のために働く」はどこへ」 結論からいえば新型コロナ不況対策にはなっていない 「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい 竹中平蔵がアドバイザー役に復帰したので、新自由主義的色彩が濃くなったのだろう 新型コロナ不況の対策とは無関係のものがほとんど 各省庁がここぞとばかりに、「新型コロナ不況の対策」とこじつけて出してきたものが多いので、「新型コロナ不況の対策」とは無関係のものがほとんど」とは当然 業態転換を事実上無理やり迫り事業再編の名の下に潰そうとしている 雇用確保の支援はするが業種転換や転職・再就職が前提 待機児童問題や不妊治療よりも、まずは貧困問題の解決である。そのためには、派遣労働の規制強化、コーポレートガバナンス改革 「コーポレートガバナンス改革」などは私は異論がある。ただ、「介護職や保育職などを公務員化」は賛成だ 菅政権は何をしようとしているのか 「新型コロナ不況対策」にかこつけて、各省庁がやりたかった政策を並べただけなので、筆者の印象も当然である。菅政権には、残念ながら全く期待できそうもないようだ
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韓国(文在寅大統領)(その7)(「韓国は詐欺共和国」主要紙に罵倒される文在寅政権 「願望」を「現実」のように語る指導者が招いた再びのコロナ危機、韓国・文大統領が仕掛けた検察改革の危険性 国家情報院の権限も制約 その政治的意図とは) [世界情勢]

韓国(文在寅大統領)については、11月4日に取上げた。今日は、(その7)(「韓国は詐欺共和国」主要紙に罵倒される文在寅政権 「願望」を「現実」のように語る指導者が招いた再びのコロナ危機、韓国・文大統領が仕掛けた検察改革の危険性 国家情報院の権限も制約 その政治的意図とは)である。

先ずは、12月22日付けJBPressが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤 正敏氏による「「韓国は詐欺共和国」主要紙に罵倒される文在寅政権 「願望」を「現実」のように語る指導者が招いた再びのコロナ危機」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63383
・『韓国の主要紙「朝鮮日報」が「我らの在寅がそんなはずない」というコラムを掲載した。極めて歯切れよく、文在寅(ムン・ジェイン)政権の本質を突いている論評なので、まずはその一部を紹介しよう』、タイトルは傑作だ。
・『「我らの大統領がそんなはずない」  「『大韓民国は詐欺共和国』という説は少なくない統計で裏付けられている。国ごとに違いはあるが、世界的に見て最も多く起こる犯罪は窃盗だ。ところが、韓国だけは詐欺犯罪が1位だ」 「金を借りたが返済できなかったり、約束を守らなかったりしても詐欺とは言わない。人を故意にだまして利益を得た時、詐欺だという。大統領は『公正と正義の国を作る』と約束して政権を発足させたが、守られていない。4年過ぎた今、考えてみると、当初から守る考えもないのにああ言ったようだ。大統領は『住宅価格には自信がある』と声高に叫んだが、住宅価格は高騰しており、庶民はため息ばかりついている」 「検察総長(日本の検事総長に相当)に任命状を渡し、『生きている権力に厳正に対処せよ』と言ったのに、権力不正を捜査する検察総長をやり玉に挙げた。過去の為政者たちのどんな口先だけの言葉もかなわない歴史に残る虚言だ」 「世論調査会社・韓国ギャラップの先日の世論調査で、大統領支持率は38%になった。同社の調査は、支持するかどうかを尋ねた後、『なぜそう思うのか、理由を一つだけ挙げてください』という記述式の問いがある。支持者の30%以上は理由を『一生懸命やっている』『全般的にうまくやっている』『分からない』と書いた。いくら考えても、うまくやっていることが見つからないため、支持理由を書けと言われて『一生懸命やっている』としか答えられなかったのだ」 「そんな悲しい回答をしなければならない政権支持者たちを見つつ、20年以上前に詐欺の被害を受けた遠い親族のぼうぜん自失とした表情が頭に浮かんだ。その親族は詐欺師だと発覚した人物に向かって最後まで『あの人がそんなはずない』と言っていた。詐欺の被害者は最後まで詐欺師を信じたがる傾向がある。大統領を支持した人たちもこう言うだろう。『我らのイニ(文大統領の愛称)がそんなはずない』」 国内の主要紙から「我が国は詐欺共和国」と酷評されるというのは、文政権が世論から見放されつつある証拠と見るべきであろう』、「国ごとに違いはあるが、世界的に見て最も多く起こる犯罪は窃盗だ。ところが、韓国だけは詐欺犯罪が1位だ」、初めて知った。
・『「支持率40%回復」をどう読み解くか  文在寅政権の現状を思い浮かべながらこれを読んでみると、「なるほど」と思った。私がテレビに出ている時に一緒に解説していた韓国出身の方は、今でも文在寅氏が40%近い支持を得ていることを尊重すべきだという。私も一般的な指導者についてはそう思う。しかし、前記のコラムを読んでいると、文在寅氏の場合にはそれが当てはまらないのではないかと本当に思えてくるのだ。 ちなみにギャラップによる調査で支持率が38%から40%に回復した際(調査期間:12月15~17日)では、「支持しない」と回答した人は全体の52%(2ポイント低下)であり、「支持する」とした割合をまだ12%も上回っている。 支持の理由について、「ハンギョレ新聞」が報じたところによれば、「新型コロナウイルスへの対応」(29%)や「検察改革」(11%)、「全般的にうまくやっている」(7%)などが挙げられている。 一方で、不支持の理由は、「不動産政策」(20%)や「全般的に不足」(12%)、「新型コロナへの対応の不備」(11%)、「法務部と検察の対立」(8%)だ。 支持と不支持、それぞれの理由を比較してみてどう感じるだろうか。現在の文政権の取り組みの中で、コロナ対策や検察改革の現状を見るに、これらが「うまく行っている」と韓国の国民が本気で評価しているとは到底思えない。実際、コロナ対策や検察問題を不支持の理由に挙げている人も多いのだから。 つまりこういうことだろう。文在寅政権の体質にそもそも問題があり、さらに政策がことごとく失敗していることを多くの国民は感じ始めている。しかし、それでも文在寅氏の岩盤支持層は文在寅氏支持から離脱できない。そのため、無理やり支持の理由を考えている、ということではないだろうか。 妄信的な文在寅大統領への支持は、ある日、国民がはっと目を醒ましたら、一気に雲散霧消する可能性もある。それほど現在の支持率は脆いものと受け止めたほうが良いのかもしれない』、「妄信的な文在寅大統領への支持は、ある日、国民がはっと目を醒ましたら、一気に雲散霧消する可能性もある」、「武藤」氏の希望的観測なのかも知れない。
・『K防疫を過信しすぎてコロナ対策に失敗  文政権は自身の体質の問題、政策の失敗を「K防疫」で隠し続けてきた。昨年秋から今年年頭くらいにかけては、曺国(チョ・グク)前法相のスキャンダルによって、政権に対する信頼も急低下し、4月の総選挙での与党の勝利はかなり微妙になっていた。 そこにコロナがやってきた。当初は感染拡大に手を焼く場面もあったが、その後はPCR検査の大規模な実施、クレジットカードの決済情報や携帯電話の位置情報などによる感染経路の特定、隔離治療などによって封じ込めに成功。一時はこの「K防疫」は国際的にも高く評価された。 そのため、このこと自体をもって、冒頭に紹介した朝鮮日報のコラムのように「大統領による詐欺だ」とは言えないが、政権の体質の問題、政策の問題を「K防疫」で覆い隠そうとすることは、詐欺の一種といえるだろう。加えて「K防疫」を自画自賛し、そこだけに国民の目を向けさせたのは、虚偽宣伝と非難を受けても当然であろう。 というのも、ここにきて韓国では新型コロナの感染が急拡大しているのだ。そのためマスコミでも、「文政権のK防疫成功は誤りだった」との論評が増えている。 文大統領は、新型コロナの問題について楽観的発言を繰り返してきたが、現実にはそのたびに悲観的状況が広がっていた。コロナは「遠からず終息する。K防疫は模範事例」という言葉を何度も繰り返した。最近も「長いトンネルの先が見える」と述べていたが、実際はどうかと言えば、12月15日以降、5日連続で一日の感染者が1000人を突破。第1波当時を大きく上回る感染者を日々記録している。「トンネルの先が見える」は文大統領特有の虚偽宣伝であろう。 病床確保も問題になってきた。17日の「中央日報」はソウル市で新型コロナ感染者が空き病床を待つ間に死亡する事例が発生したと報じた。この感染者は病状が急速に悪化したため、保健所を通じて2回もソウル市に緊急病床の配分を要請したのだが、結局ベッドは用意されず、自宅で亡くなっているのが発見された。 ソウル市の医療体制はそれほど逼迫している。 16日午後8時の時点でソウル市の感染専門病院の病床稼働率は86.1%。重症患者治療用の病床は計80で、使用中の病床は79、入院可能な病床は1床だけである。ソウル市は急遽専門病院を年末までに5カ所追加で指定するというが、対応の遅れは否定できない。文大統領は、これでも「K防疫の成功」を主張するつもりだろうか』、「ソウル市の医療体制はそれほど逼迫している」にも拘わらず、「「K防疫の成功」を主張」するとは、さすが「詐欺犯罪が1位」の国だけある。
・『ワクチン確保に失敗したことを謝罪しない文在寅  文大統領は10月、就任3年を迎えた際に行った演説で「K防疫が世界の標準になった」と胸を張ったが、今般の感染者急増で、大量の検査・疫学調査・隔離治療を中心とするK防疫は医療体制に負担をかけているという批判も相次いでいるようである。 もう一つ、批判が高まっているのが「ワクチン確保の遅れ」についてだ。 文大統領は12月9日、首都圏の防疫状況を点検するための会議で、「わが国にワクチンが入ってくるまでに外国で多くの接種事例が蓄積されるため、効果や副作用などを十分にモニタリングして、迅速に接種が始められるよう計画を前倒しして準備してほしい」と述べた。まるでワクチン確保が遅れたのは、政府がワクチンの安全性に慎重な姿勢で臨んでいるからだと言い訳しているように聞こえる。 18日、韓国政府は、4400万人分の海外製ワクチンを確保したと発表したが、購入契約を終えたのはアストラゼネカの1000万人分だけだという。それも導入時期さえ契約書に明記されていない。ファイザーなど製薬3社とはいつ契約できるか不透明な状況のようである。 丁世均(チョン・セギュン)首相はアストラゼネカのワクチンについて「早ければ2月」に接種が始まるとしているが、安全性検証が長期化すれば、実際のワクチン導入はそれよりさらに遅れる可能性が指摘されている。文政権はワクチン確保の問題について国民に真実を伝えているとは言えない状況だ。 ワクチン確保にこれだけ遅れた原因について丁首相はこう述べた。 「(ワクチン購入交渉に乗り出した)7月には国内の確定患者が100人程度であったため、ワクチンへの依存度を高めることを想定できなかった面がある」 「K防疫」の成功に慢心してしまい、その後の備えのために必要な手を打たなかったということだ。この失態に関して、文大統領は自らの責任をまだ認めていない。 この間、韓国政府は何をしていたのか。国内状況が安定的に維持されるだろうと判断し、来年登場する国産ワクチンと治療剤だけを頼りにしたのが実態であるという。文大統領自ら「K防疫に続きKバイオが我々にとってもう一度希望と誇りになるだろうと信じている」などと語っていたのだ。 文大統領の発言には、希望や期待と現実の間に乖離があることは日常茶飯事である。しかし、国民にとって最も緊急で重要な問題にこうした「虚言」を弄するのはもはや「詐欺」と言わざるを得まい。 文政権はコロナが急拡大する中でも対応を変えなかった。感染の急拡大に伴い、世論の批判も高まる中で慌てている』、「国内状況が安定的に維持されるだろうと判断し、来年登場する国産ワクチンと治療剤だけを頼りにしたのが実態」、とは致命的な判断ミスだ。
・『目に余る「強引な国会運営」  文政権は、一時的な「K防疫の成功」で、4月の総選挙で圧倒的な勝利を収め、その数をもって国会で強制採決を繰り返し、「公正と正義の国を作る」という文大統領の以前の発言とは真っ向から対立する「非民主的な国会」を作り上げてしまった。 その因果だろうが、文大統領の支持率が急落した。朝鮮日報が指摘するところによれば、これに慌てた与党は12月初めに、「支持層を再結集し、多くの国民と対決する粗悪な陣営政治」を解消することを解決策に挙げたという。要するに、支持率下落の原因を読み間違えているというのだ。 文陣営では、支持率の下落が、「公捜処(高位公職者犯罪捜査処)設置を強行し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長を攻撃せよ」というシグナルと解釈したのだという。 <今なお総選挙での勝利に酔い、「『180議席を与えたのに、今何をやっているのか』と民心が叱責している」との錯覚に陥っている。民心についての深刻な誤読だ>(12月20日付・朝鮮日報) 民心の誤読は公捜処や尹検事総長に関することだけではない。「不動産政策」「コロナへの対応」「経済・民生問題への対応」など政策面での失敗が支持率急落の原因であることも認めようとしていない。さらに「法務部と検察の対立」「対北朝鮮ビラ散布禁止法」などで強引な立法措置を続けたことが文政権への不支持を増やしていることにも気づいていない。 米国は韓国政府が強引に国会を通した「対北朝鮮ビラ散布禁止法」を批判し、来年早々米議会で聴聞会を開催するといった。また、トマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権状況特別報告者が「民主的機関が適切な手続きにより改正法を見直すことを勧告する」とメディアとのインタビューで語った。 これに対し韓国統一部は「国会で憲法と法律が定めた手続きにより法律を改正したことに対してこのような言及が出て遺憾」と反論した。 しかし、この法律は野党が大反対する中、強引な多数決原理で成立したものである。また、この改正の目的として「多数の境界地域の国民の生命安全保護のために」と言っているが、現実には金正恩氏の妹の金与正氏の恫喝にしり込みしたものである。 文政権の国際社会に向けた発信もこのように欺瞞に満ちている。 今の韓国国内政治は、「自分たち与党はすべて正しい、野党はすべて間違っている」との前提から出発しているのが実情だ。そうでなければ、国会でまともに審議もせずに自らの政策を通すことなど考えられない。これが「公正と正義の国」なのか』、「野党が大反対する中、強引な多数決原理で成立」、日本の自民党政治とも類似している。
・『「公正と正義の国を作る」との発言こそ最大の詐欺  「曺国黒書」と呼ばれる政権批判の書『一度も経験したことのない国』は、ジャーナリスト、弁護士、会計士ら5人の著者によるベストセラーだが、さすがにこの著者たちの指摘は厳しい。同書の10万部突破を記念して開かれたオンラインイベントでも「現政権では民主主義が事実上蒸発した」と嘆いている。 著者の一人、陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大学教授は「今の政権の人たちが信じる民主主義と、我々が知っている民主主義は言葉は同じだが、その内容は違う」、「今の政権の人間たちは運動圏(左派の市民学生運動勢力)的な民衆民主主義の観念を持っており、民主主義を単なる多数決と考え、自分たちの考えを少数に強要し、それが善であると錯覚している」と指摘。 壇国大学医学部の徐珉(ソ・ミン)教授は、「今の政権のすべてを示すのが尹美香(ユン・ミヒャン)議員だ」、「かつての政権であれば、とっくの昔に追い出されていたはずだが、現政権では尹美香氏は今も国会議員をしている。このことが、現政権がいかなる政権か示していると思う」と述べている。 慰安婦支援運動の中心にいた尹美香氏は、寄り添っていたはずの元慰安婦からそっぽを向かれ、厳しい批判に晒されている。言うなれば尹美香氏は、元慰安婦に対し最大の詐欺を働いたと言うことができよう。その人が国会議員を続けている。大統領や与党は、彼女を一生懸命擁護している。公正も正義もあったものではない。韓国国民はそれをどのように考えているのだろうか』、「元慰安婦に対し最大の詐欺を働いた」「尹美香氏」が、いまだに「国会議員を続けている」というのにも驚かされた。さすが「詐欺犯罪が1位」の面目躍如だ。

次に、12月24日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「韓国・文大統領が仕掛けた検察改革の危険性 国家情報院の権限も制約、その政治的意図とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/398679
・『12月に入って韓国の国会で国の根幹を揺るがすような重要な法律が次々と成立している。文在寅大統領はこれらを「権力機関改革三法」と呼び自画自賛しているが、その内容をみると、韓国という国家が向かっている方向性に危うさを覚える。 成立した法律の一つは「高位公職者犯罪捜査処法」(以下「公捜処」)だ。名前の通り、大統領をはじめ政府高官らの不正を捜査する独立機関の設置を定めている。既存の検察組織が政府高官らを勝手に捜査しないよう、捜査権を公捜処に移してしまう。 ところが公捜処の長は大統領が任命するとされているため、大統領はこの人事権を使って自分や側近らに都合の悪い捜査を実質的に止めてしまうことができる』、「高位公職者犯罪捜査処法」は「長は大統領が任命するとされているため、大統領はこの人事権を使って自分や側近らに都合の悪い捜査を実質的に止めてしまうことができる」、みえみえの悪法だ。
・『法相と検事総長が激しく対立  残る2つは「改正国家情報院法」と「改正警察庁法」で、北朝鮮絡みの事件や国内のスパイ事件などの捜査権を国家情報院から警察に移す。その結果、国情院が専門とする北朝鮮についての情報収集も大きく制約されることになる。南北関係改善に力を入れる文大統領にとって、国情院が大きな障害になっていると考えたうえでの改正のようだ。 この他にも北朝鮮を批判するビラを風船などで散布することを禁じる「改正南北関係発展法」も成立した。北朝鮮に批判的な脱北者らの団体が風船を使い、金正恩体制を批判するビラを北朝鮮に飛ばしたことに北朝鮮が激しく反発。それを受けての対応だ。保守勢力は「北の脅しに屈した」と批判するが、韓国政府は「国境付近の韓国住民の生命を守るため」と強調している。 新法の成立だけではない。同時進行で政権内では秋美愛(チュミエ)法相と尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長の対立がすさまじい様相を呈している。刑事事件捜査に積極的と言われる尹総長が文政権の中枢や与党関係者の捜査を始めると、秋法相がそれを抑え込もうとし、尹総長が対抗措置を打つ。秋法相はとうとう、検事総長に対する懲戒処分を決定し、それに尹総長が異議を唱えるなど混乱が続いているのだ。 法律の内容から想像できる通り、文大統領は検察と国情院という組織を徹底的に嫌っている。それには長い歴史的背景がある。 文大統領は2019年2月、政府の会議で検察について次のように語っている。 「日本帝国の強占期(強制的に占領した時期)、検事と検察は日本帝国の強圧と植民地統治を下支えする機関だった。独立運動家を弾圧し、国民の考えと思想まで監視し、統制した。われわれはゆがんだ権力機関の姿を完全に捨て去らなければならない」 そして、今回の改革関連法成立後には、「民主主義の長年の宿願だった権力機関改革の制度化がいよいよ完成された」「検察はこれまで聖域であり、全能の権限を持っていた。公捜処は検察に対する民主的統制手段である」と述べた』、「文大統領は検察と国情院という組織を徹底的に嫌っている。それには長い歴史的背景がある」、文政権の「検事総長」に対する職務停止命令は、裁判所により24日付けで無効となった。
・『検察組織は「権力の侍女」  韓国は1987年に民主化し、独裁政権時代に圧倒的な権力を振り回していた陸軍を中心とする軍部の力は完全に消えた。ところが、検察と国情院(かつては大韓民国中央情報部=KCIAと呼ばれていた)の2つの組織は形を変えながら今も力を維持したまま残っている。 文大統領の言葉に示されているように、進歩派勢力にとって検察組織は保守政権の「権力の侍女」であり、かつて自分たちを弾圧してきた組織である。そして、民主化後も国民の手の届かない権力組織として生き残り、歴代政権の命運を左右してきた。特に文大統領は、師と仰ぐ廬武鉉・元大統領が大統領退任後、検察の厳しい捜査によって自殺に追い込まれた経験があり、検察にことさら厳しい見方をしている。 一方の国情院の前身は朴正煕政権時代の悪名高いKCIAであり、民主化活動家ら反政府勢力を厳しく取り締まり、命まで奪ってきた組織だ。いまは対北の諜報活動などを行い、北朝鮮の脅威を強調する組織である。したがって南北関係の改善を重視する文大統領にとっては、政権の足を引っ張る組織でしかない。 つまり、進歩勢力から見れば、検察と国情院は、韓国の民主化実現までの独裁体制を支えた組織であり、民主化後もそのまま残り、今度は保守勢力を支える組織となっている。当然、文大統領のいう「積弊清算」の代表的な対象となる。 ろうそくデモによって幅広い国民の支持を得て政権を獲得した文大統領にすれば、こうした積弊を解消し、保守勢力を弱体化させ、進歩勢力=民主勢力が政権を維持する「永久政権論」は当然のことであり、正義であるということになる。 しかし、事はそう単純ではない。 韓国では民主化後、保守派、進歩派を問わず、歴代大統領は全員、本人あるいは家族が逮捕されたり自殺するなど悲劇的な運命をたどっている。検察の捜査対象は表面的にはいずれか一方に偏っているわけではない。 秋法相と対立している現在の尹総長も、保守勢力の李明博、朴槿恵大統領に対する捜査を積極的に進め、「積弊清算に貢献した」として文大統領自身が検事総長に抜擢した人物だ。その尹総長が現政権関係者の捜査に乗り出した途端、政権は一転して尹総長の排除に血道をあげている』、「文政権」も「尹総長」に対する姿勢の急変はずいぶん勝手なようだ。
・『検察の民主的統制をどう担保するか  気に入らない捜査を進める検事総長を排除する政権が、捜査の指揮権を握る公捜処を手に入れた時、はたして政治的中立性を担保した捜査を期待できるだろうか。 大統領がトップを任命する組織が高位公職者だけを捜査するという仕組み自体に、大統領の言う民主的統制との間でそもそも矛盾がある。 検察組織の民主的統制はどの国にとっても重い課題である。そのためには捜査の政治的中立性を確保し、人事が政治から独立し、自律性を持っていることなどが必要となる。そのうえで地道に実績を積み重ねることで、権力の不正を公平、公正に摘発する機関として国民に支持され、信頼されていく。 にもかかわらず、公捜処にはこうした政治的中立性や自律性を担保する仕組みが備わっていない。 文大統領に言わせると、国民に選ばれた自分たちが検察の権力を弱め、統制するのであるから、国民の望む正義が実現できるというであろうが、これはあまりにも自己中心的すぎる。このままでは公捜処が進歩勢力にとっての「権力の侍女」になりかねない。 さらに仮に政権交代して保守勢力が権力を握ったときには、公捜処が進歩勢力を弾圧するための道具になってしまう可能性さえ秘めている。 国情院の改革についても疑問がある』、安部政権も検事総長の定年延長問題が問題化、結局は当の検事総長の賭けマージャン問題で、辞任追い込まれたように、検事総長に政権が影響力を及ぼそうとする誘因は強いようだ。
・『独裁時代と変わらぬ政治手法  改革によって北朝鮮に対する韓国の情報収集力などが格段に落ちる可能性が指摘されている。北朝鮮は核兵器やミサイルの開発を継続しており、韓国だけでなく、日本やアメリカなどの関係国にとって軍事的脅威である。この現実を文政権はどう認識しているのであろうか。 南北関係改善を重視することは選択肢の1つであるだろう。だからといって厳しい安保環境を脇においてしまうことは、韓国のみならず日本を含む北東アジア、さらには世界にとっても危険なことである。 文大統領の権力機関改革がこのようにさまざまな矛盾や問題を抱えている最大の原因は、改革の目的が純粋に政策的なものではなく、保守勢力を否定し、弱体化するという極めて政治的なものであることにある。こうした政治的目的を達成するために、国家にとって極めて重要な司法制度や安全保障政策を動員してしまった。その手法は進歩勢力が批判する独裁体制時代の政権と変わるところがない。 その結果、司法制度の政治的中立性がゆがみ、国民の信頼がゆらぐ。また、安全保障政策上のリスクが高まる可能性がある。さらには保守と進歩の対立が一層激化し、社会の分断が深刻化するであろう』、「最大の原因は、改革の目的が純粋に政策的なものではなく、保守勢力を否定し、弱体化するという極めて政治的なものであることにある。こうした政治的目的を達成するために、国家にとって極めて重要な司法制度や安全保障政策を動員してしまった」、全く飛んでもないような政策割当だ。党派色を離れて、もっと冷静に議論できないものなのだろうか。
タグ:韓国 東洋経済オンライン JBPRESS 薬師寺 克行 武藤 正敏 (文在寅大統領) (その7)(「韓国は詐欺共和国」主要紙に罵倒される文在寅政権 「願望」を「現実」のように語る指導者が招いた再びのコロナ危機、韓国・文大統領が仕掛けた検察改革の危険性 国家情報院の権限も制約 その政治的意図とは) 「「韓国は詐欺共和国」主要紙に罵倒される文在寅政権 「願望」を「現実」のように語る指導者が招いた再びのコロナ危機」 「朝鮮日報」が「我らの在寅がそんなはずない」というコラムを掲載 「我らの大統領がそんなはずない」 国ごとに違いはあるが、世界的に見て最も多く起こる犯罪は窃盗だ。ところが、韓国だけは詐欺犯罪が1位だ 「支持率40%回復」をどう読み解くか 妄信的な文在寅大統領への支持は、ある日、国民がはっと目を醒ましたら、一気に雲散霧消する可能性もある K防疫を過信しすぎてコロナ対策に失敗 「ソウル市の医療体制はそれほど逼迫している」 「「K防疫の成功」を主張」するとは、さすが「詐欺犯罪が1位」の国だけある ワクチン確保に失敗したことを謝罪しない文在寅 国内状況が安定的に維持されるだろうと判断し、来年登場する国産ワクチンと治療剤だけを頼りにしたのが実態」、とは致命的な判断ミスだ 目に余る「強引な国会運営」 「野党が大反対する中、強引な多数決原理で成立」、日本の自民党政治とも類似 「公正と正義の国を作る」との発言こそ最大の詐欺 「元慰安婦に対し最大の詐欺を働いた」「尹美香氏」が、いまだに「国会議員を続けている」というのにも驚かされた。さすが「詐欺犯罪が1位」の面目躍如だ 「韓国・文大統領が仕掛けた検察改革の危険性 国家情報院の権限も制約、その政治的意図とは」 「高位公職者犯罪捜査処法」は「長は大統領が任命するとされているため、大統領はこの人事権を使って自分や側近らに都合の悪い捜査を実質的に止めてしまうことができる」、みえみえの悪法だ 法相と検事総長が激しく対立 文政権の「検事総長」に対する職務停止命令は、裁判所により24日付けで無効となった 検察組織は「権力の侍女」 検察の民主的統制をどう担保するか 独裁時代と変わらぬ政治手法 最大の原因は、改革の目的が純粋に政策的なものではなく、保守勢力を否定し、弱体化するという極めて政治的なものであることにある。こうした政治的目的を達成するために、国家にとって極めて重要な司法制度や安全保障政策を動員してしまった 全く飛んでもないような政策割当だ。党派色を離れて、もっと冷静に議論できないものなのだろうか
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中国情勢(軍事・外交)(その10)(こんなに危うい中国の前のめり「ワクチン外交」 衛生領域のシルクロードで新たな世界秩序構築を目論む中国、オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声、中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった) [世界情勢]

中国情勢(軍事・外交)については、10月28日に取上げた。今日は、(その10)(こんなに危うい中国の前のめり「ワクチン外交」 衛生領域のシルクロードで新たな世界秩序構築を目論む中国、オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声、中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった)である。

先ずは、12月10日付けJBPressが掲載した元産経新聞北京特派員でジャーナリストの福島 香織氏による「こんなに危うい中国の前のめり「ワクチン外交」 衛生領域のシルクロードで新たな世界秩序構築を目論む中国」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63219
・『新型コロナウイルスワクチンの接種が英国でいよいよ始まった。米ファイザーと独ビオンテックの開発したワクチンで、最初の接種者は90歳の女性だった。アメリカでも年内に接種が開始される見通しだという。ロシアでも「スプートニクV」の大規模接種が始まっており、中国シノバック・バイオテック製ワクチンもインドネシアでの大規模接種にむけて第1便の120万回分が到着したことが報じられている。 ワクチン接種が始まったことは、コロナ禍にあえぐ各国にとってとりあえず朗報ではあるが、やはり気になるのは、世界のコロナワクチン市場をどこの国が制するか、ということだろう。なぜならコロナをワクチンによって制した国が、ポストコロナの国際社会のルールメーカーになる可能性があるとみられているからだ。 気になるのは、やはり中国だ。中国のシノファーム傘下のシノバック・バイオテックなどが開発する不活化ワクチンは、マイナス70度以下という厳しい温度管理が必要なファイザー製などと違い、2~8度の温度での輸送が可能なため通常のコールドサプライチェーンを利用でき、途上国でも取り扱いやすい。しかも年内に6億回分のワクチンを承認する予定であり、その流通性と量産で世界の途上国市場を圧倒しそうな勢いだ。 だが世界は、本当に中国製ワクチンに依存してよいのだろうか』、「中国製ワクチン」は「2~8度の温度での輸送が可能なため通常のコールドサプライチェーンを利用でき、途上国でも取り扱いやすい」、「途上国」にとっては魅力的だ。
・『年内に6億回分のワクチンを市場に供給  中国の王毅外相は、習近平国家主席の名代として出席した12月3日の新型コロナ対応の特別国連総会の場で、「中国が新型コロナワクチンを積極的に途上国に提供し、主要な大国としての影響力を発揮する」と強調した。中国は年内に6億回分の新型コロナワクチンを市場に供給することを12月4日に当局者が明らかにしている。要は、中国のワクチン外交宣言である。 中国の孫春蘭副首相は12月2日に北京の新型コロナウイルスワクチン研究開発生準備工作の会合の場で、今年(2020年)中に空港や港湾の職員および第一線の監督管理人員などハイリスクに分類される職業から緊急使用を認めていく、としている。軍や医療関係者にはすでに投与が始まっている。 中国工程院の王軍志院士によれば「中国の不活化ワクチンの主な特性は天然ウイルスの構造と最も近く、注射後の人体の免疫反応が比較的強く、安全性もコントロール可能」という。ファイザーやモデルナのワクチンはマイナス70度やマイナス20度といった非常に低温での厳密な温度管理が必要だが、中国の不活化ワクチンは2~8度での輸送が可能で、通常のクール便で問題ないほど手軽だ、と主張していた。 米ニューズウィーク誌サイト(12月4日付)によれば、トルコは12月後半から中国製ワクチンの接種を開始する予定である。一部南米国家でも数カ月内に中国製ワクチンの接種を開始するという。また、モロッコでは年内に国内8割の成人に中国製ワクチンを投与する準備を進めている。 さらにアラブ首長国連邦も12月9日に、正式にシノバックの不活化ワクチンを導入することを表明。同国ではシノバック・ワクチンの第3期治験を実施していたが、その結果として86%の有効性が確認されたという。明らかな副作用もなく安全性も保障された、とした。すでに閣僚たちはこのワクチンの接種を受けている』、「中国のワクチン外交宣言」とは本音丸出しだ。
・『中国製ワクチンの効果に疑問符も  一方で、中国製ワクチンに対して、中国人自身が根深い不信感を抱いていることも確かだ。たとえばウガンダの中国大使館によれば、現地のインド企業が請け負っている建設プロジェクトに従事している中国従業員47人が新型コロナ肺炎検査で陽性を示していた。このうち一部の患者は発熱、咳、倦怠感、下痢などの症状が出ている。台湾紙自由時報によれば、この47人はすでに中国製ワクチンを接種していたはずだという。だとするとワクチンの効果はなかった、ということになる。 中国の公式報道によれば、シノバックのワクチンは、海外に出国した中国人労働者に6月から優先的に投与されていた。特に中央機関直属の労務従事者およそ5.6万人には接種済みと発表されている。ウガンダのプロジェクトの従業員も当然接種済のはずだという。中国側はこの点について正式に確認はしていない。 また10月にブラジルで行われていたシノバック製ワクチンの治験が、治験者の深刻な不良反応を引き起こし死亡したという理由で一時中断されたこともあった。中国側は、この不良反応とワクチンの安全性は無関係であると主張しており、ブラジルの治験中断は多分に政治的判断である、としている。 医学誌「ランセット」に寄稿された治験結果によれば、シノバックのワクチンは1回目の接種から28日以内に新型コロナウイルスへの抗体を作り出したが、その抗体レベルは新型コロナに感染したことがある人より低い、とあり、レベルが不十分ではないか、という見方もある』、「中国側は・・・ブラジルの治験中断は多分に政治的判断である、としている」、ボルソナロ大統領が「政治的判断」をするというのは、考え難く、やはり安全性の問題なのではなかろうか。
・『ワクチンメーカー康泰生物のスキャンダル  中国のワクチンに対するネガティブなイメージは、中国の製薬業界の伝統的な不透明さのせいもある。たとえば深センの大手ワクチンメーカー、康泰生物の会長、杜偉民にまつわるスキャンダルである。 ニューヨーク・タイムズ(12月7日付)が改めて特集していた。康泰生物は自社独自で新型コロナワクチン開発を行うと同時に、英アストラゼネカ開発の新型コロナワクチン2億回分の中国国内製造を請け負うことになっている。 だが、康泰生物と杜偉民はかねてからワクチン利権の中心としてスキャンダルにまみれ、2013年に、康泰製のB型肝炎ワクチン接種後に17人の乳幼児が死んだ事件も引き起こしている。ワクチンと乳幼児の死の因果関係は科学的に証明されていないが、それは父母ら批判的言論を行う人々に当局が圧力をかけて世論をコントロールしたからだとみられており、中国社会における杜偉民とワクチンメーカーに対する不信感はずっとくすぶり続けている。 ちなみに杜偉民が関わったワクチンによる健康被害事件は2010年にも起きている。狂犬病ワクチン18万人分について効果がないことが監督管理機関の調べで分かり、大きく告知されたのだが、このワクチンを生産した当時の製薬企業は杜偉民の所有企業だった。杜偉民はこのスキャンダルから逃げるために、問題の製薬企業株を別の製薬企業に譲渡した、という。 また同じ年に、康泰製のB型肝炎ワクチンを接種した広東省の小学生数十人が嘔吐、頭痛などを訴える事件もあった。当局はこれを「集団性心因反応」とし、ワクチンの品質が原因だとはしなかった。だがその3年後に康泰製B型肝炎ワクチンを接種した乳幼児の集団死亡事件があり、庶民の心象としてはワクチンの品質が怪しい、とみている。だが、当局も報道も、ワクチンに問題があったとはせず、ワクチンに問題があるとして訴え続けた保護者や記者、学者らは、「挑発罪」「秩序擾乱罪」などの容疑で逮捕されたりデマ拡散や名誉棄損などで逆に訴えられたりして、沈黙させられた。 杜偉民は2016年に自社のワクチンの承認を早期に得るために関連部門の官僚に賄賂を贈り、その官僚は収賄罪で有罪判決を受けた。しかし、杜偉民自身は起訴されていない。ニューヨーク・タイムズもその真の理由については触れていないが、杜偉民が特別な背景を持つ人物であるとみられている。ちなみに出身は江西省の貧農の出で、苦学して衛生専門学校で学び、地元衛生官僚になったあと、改革開放の波に乗って「下海(官僚をやめて起業)」し、中国ワクチン業界のドンとなっていたことは、メディアなどでも報じられている。 これだけスキャンダルにまみれているにもかかわらず、康泰生物は、ビル・ゲイツ財団の元中国担当責任者の葉雷氏から「中国最先端のワクチン企業の1つ」と絶賛され、新型コロナワクチンでも不活化ワクチンを開発、9月には臨床に入っている。同時に、英アストラゼネカ製ワクチンの生産も請け負うことになり、深セン市政府から2万平方メートルの土地を譲渡され、新型コロナワクチン用の新しい生産工場を建設している』、「当局も報道も、ワクチンに問題があったとはせず、ワクチンに問題があるとして訴え続けた保護者や記者、学者らは、「挑発罪」「秩序擾乱罪」などの容疑で逮捕されたりデマ拡散や名誉棄損などで逆に訴えられたりして、沈黙させられた」、やはり報道の自由がない中国では、問題を隠蔽され易いようだ。
・『中国のワクチン外交に対抗せよ  こうした問題を、中国の製薬会社の地元政府との癒着体質、という一言で受け流していいのだろうか。中国製ワクチンが中国国内で使われるだけであれば、それは中国の内政問題だが、新型コロナワクチンは世界中で使用される。しかも、世界のワクチン市場をどこの国のワクチンが制するかによって、国際社会の枠組みも影響を受けることになる。 南ドイツ新聞は「中国のワクチン外交」というタイトルで次のような論評を掲載している。 「中国は各国にマスク外交を展開し、ウイルスの起源(が中国だという)議論を封じ込めようとした。現在はワクチン外交を展開中で、その目的は単なる象徴的な勝利を獲得することだけではない。今後、何カ月後かに、中国が将来的にどのような世界を想像しているかはっきりと見えてくるだろう。南米とカリブ海諸国はすでに北京から十数億ドルの借金をして中国のワクチンを購入することにしている。メキシコも3500回分のワクチン代金を支払い、ブラジル衛生相はあちこちに頭を下げまわって中国のワクチンに対する不信を打ち消そうとしている。すでに多くのアジア諸国が北京からワクチンを購入したいという意向を伝え、少なくとも16カ国が中国ワクチンの臨床試験計画に参加している。ワクチン戦略は中国指導者に言わせれば衛生領域の“シルクロード”だ」 つまり、中国が目論んでいるのは衛生版シルクロード構想、ワクチン一帯一路戦略である。中国に従順な国には優先的にワクチンを供与し、中国がゲームのルールを作る。WHOが中国に従順になってしまったように、中国からワクチンを与えらえた国々が皆、中国に従順になってしまう、という予測があると南ドイツ新聞は論じる。 民主主義国が、こうした中国のワクチン外交に対抗するために、合理的な価格で途上国でも扱いやすいワクチンを開発できなければ、結局世界の大半は中国ワクチンの生産量に高度に依存する羽目になってしまう。こうして中国は新たな政治秩序を打ち立てようと考えているのだ、という。 こんな状況を考えると、ワクチン実用化をただ、ただ喜ぶわけにはいかないだろう。日本は来年の東京五輪を実現するためになんとしてもワクチンを確保したいと考えているところだろうが、ここで中国製ワクチンに頼ろうとすることだけは避けてほしいと思う。 それよりも、日本は少し遅れてでも、やはり自前のワクチン開発を成功させなければならない。それは自国民の健康と安全のためだけでなく、ポストコロナの世界秩序にも影響するのだという意識も必要だ』、「南米とカリブ海諸国はすでに北京から十数億ドルの借金をして中国のワクチンを購入することにしている。メキシコも3500回分のワクチン代金を支払い・・・すでに多くのアジア諸国が北京からワクチンを購入したいという意向を伝え、少なくとも16カ国が中国ワクチンの臨床試験計画に参加」、「ワクチン外交」はタダではなく、しっかり「代金」を取ったり、「ツケ」払いで「借金」させているようだ。

次に、12月2日付けNewsweek日本版「オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声」を紹介しよう』、どういうことだろう。
・『<楽園のような島を買ってビーチや滑走路へのアクセスさえ禁じたのは、中国人専用の観光地にするためか?>  オーストラリアの島の土地を買い上げた中国の不動産開発業者が、オーストラリア人の立ち入りを禁じて、地元住民や観光客が不満を募らせている。 問題のケズウィック島は、人気の観光スポットとなる可能性を秘めた島だが、チャイナ・ブルームという企業がその一部を買った。島の住民は、同社が楽園のようなこの島の一部地域への立ち入りを禁じていると訴えている。住民によればチャイナ・ブルームは、住民のビーチへの立ち入りや、ボートでの着岸を禁止。滑走路へのアクセスまでも禁じたという。 島に住む複数の家族はさらに、チャイナ・ブルームはこの島の観光業を死に追いやろうとしていると訴える。住民が所有する物件をAirbnbで観光客に貸し出したり宣伝したりすることも禁じられたというのだ。 「彼らは、オーストラリア人を島から追い出したいのだと思う」と、元住民のジュリー・ウィリスは、オーストラリアのニュース番組「カレント・アフェア」に語った。「彼らはこの島を、中国人向け観光専用の島として使いたいのだろう」』、「島の一部を買った」だけなのに、「チャイナ・ブルームは、住民のビーチへの立ち入りや、ボートでの着岸を禁止。滑走路へのアクセスまでも禁じたという」、こんな勝手なことが許されるのだろうか。
・『インフラ投資を歓迎する当局  ウィリスとパートナーのロバート・リーによると、2人が抱えた問題はさらに深刻だったという。というのも、2人は2月になって、それまで6年間にわたって借りていた不動産から3日以内に退去するようチャイナ・ブルームから言い渡されたからだ。2人は物件を購入しようとしたが、チャイナ・ブルームから、物件に不具合が生じた場合の修理にあてる費用として、保証金10万オーストラリアドル(約770万円)を要求された。 ウィリスはこう語る。「彼ら(チャイナ・ブルーム)は、私たちが物件を買うのをあきらめるよう仕向けていたのだと思う。私たちにここにいて欲しくないのだ」 ケズウィック島は、ウィットサンデー諸島に属する島の1つで、オーストラリア北東部にあるクイーンズランド州の海岸線の中ほどの沖合に位置する。 ケズウィック島の大部分は国立公園に指定されている。クイーンズランド州資源局の広報担当者は、チャイナ・ブルームと住民の間に存在するいかなる問題も、解決されることを望んでいると述べた。 広報担当者は、チャイナ・ブルームが道路やボート用のスロープ、桟橋や港湾関連など島のインフラ改善に取り組んでいる点にも留意する必要があると指摘。少数の住民が申し立てている問題の大半は当事者同士で解決されるべき問題だと語った。 中国とオーストラリアの間では最近緊張が高まっている。中国政府当局者が、オーストラリア軍の兵士がアフガニスタン人の子どもを殺そうとしているように見える偽画像をツイートした件では、オーストラリア政府が中国政府に謝罪を要求している。 オーストラリアは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生源に関する調査を要求する動きの先頭に立っているほか、中国政府によるオーストラリアへの内政干渉にも神経をとがらせており、両国の関係は悪化の一途をたどっている』、「州資源局の広報担当者は、チャイナ・ブルームが道路やボート用のスロープ、桟橋や港湾関連など島のインフラ改善に取り組んでいる点にも留意する必要があると指摘」、地方自治体にとっては、「インフラ投資を歓迎」なのだろうが、「オーストラリア政府」は地方自治体の行き過ぎに目を光らせるようだ。

第三に、12月16日付けNewsweek日本版が掲載した 中国出身で日本に帰化した評論家の石平氏による「中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/sekihei/2020/12/post-13_1.php
・『<今年10月からのわずか2カ月あまりの間に、人権と安全保障をめぐる西側先進国による対中包囲網の構築が本格化した。地政学的な大変動が東アジアで起き始めている> 今年の10月初旬から12月中旬にかけて、この地球上では「中国」との関連で一連の目まぐるしい出来事が起きている。筆者の目からすればそれらは全て、今後の世界の対立構造を強く予感させるものだ。 まず10月1日、日本の茂木敏充外相が外遊先のフランスでルドリアン外相と会談。同日、ドイツのマース外相ともテレビ会議形式で協議した。この2つの会談を通じて日仏独3カ国の外相は東シナ海や南シナ海情勢について、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携強化で一致したという。 10月6日には日米豪印の外相が東京で一堂に集まり、第2回の4カ国外相会議を開いた。上述の日仏独外相会談と同様、この会議の中心テーマはやはり「自由で開かれたインド太平洋の実現」である。会談で4か国の外相は海洋進出を進める中国を念頭に、日本が提唱している「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進し、より多くの国々へ連携を広げていくことが重要だとの認識で一致した。 このように、日本の主導で欧州の主要国であるフランスとドイツ、そして環太平洋地域の主要国であるアメリカとインドと豪州が団結し、中国の覇権主義的な海洋進出を封じ込めようとする姿勢を鮮明にした。誰が見ても「中国包囲網」の構築を意味するものだ。 中国の王毅外相は同13日、外遊先のマレーシアの記者会見で日米豪印外相会議に触れ、「インド太平洋版の新たなNATO(北大西洋条約機構)の構築を企てている」「東アジアの平和と発展の将来を損なう」と批判し警戒心を露わにした。日米豪印4カ国の戦略的意図を一番分かっているのはやはり中国自身で、自分たちが包囲されつつあることに危機感を募らせているのであろう』、「日本の主導で欧州の主要国であるフランスとドイツ、そして環太平洋地域の主要国であるアメリカとインドと豪州が団結し、中国の覇権主義的な海洋進出を封じ込めようとする姿勢を鮮明にした。誰が見ても「中国包囲網」の構築を意味するものだ」、「中国」としては面白くないだろう。ただ、日本としては、インドもRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に入れようとしたが、インドは自由化に耐えられないとして参加しなかった。
・『ニューヨークで起きたもう1つの動き  前述の東京会議が開かれた当日の10月6日、太平洋を越えたニューヨークではもう1つ、中国に矛先を向ける重要な動きがあった。この日に開かれた人権を担当する国連総会第3委員会の会合で、ドイツのホイスゲン国連大使が日米英仏を含む39カ国を代表して中国の人権問題を批判する声明を発表したのだ。 声明は新疆ウイグル自治区における人権侵害の問題として、宗教に対する厳しい制限、広範で非人道的な監視システム、強制労働、非自発的な不妊手術を取り上げた。声明はまた、7月に中国共産党政権が香港で国家安全維持法を施行後、政治的抑圧が強まっていることも非難した。39カ国は、中国政府が香港住民の権利と自由を守るよう要求。チベットにおける人権侵害についても言及した。 この声明に賛同した国々は上述の日米英仏以外にも、イタリアやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが名を連ねている。G7のメンバー国の全て、そしてEUの加盟国の大半がその中に入っている。つまり、少なくとも人権問題に関していえば今、世界の先進国全体が一致団結して中国を批判する立場をとり、そして中国と対立しているのである』、「少なくとも人権問題に関していえば今、世界の先進国全体が一致団結して中国を批判する立場をとり、そして中国と対立している」、「中国」が強面の姿勢を強めていることも影響しているようだ。
・『西側先進国vs「ならず者国家」の構図  一方の中国はどのように西側先進国に対抗しているのか。実は10月5日、同じ国連総会の第3委員会において、中国は一部の国々を束ねて西側に対する「先制攻撃」を仕掛けた。その日、中国の張軍・国連大使はアンゴラ、北朝鮮、イラン、キューバ、ジンバブエ、南スーダン含む26か国を代表して、アメリカと西側諸国による「人権侵害」を批判した。 中国自身を含めて、上述の国々に「人権」を語る資格があるのか疑問だが、それにしても世界の「問題児国家」「ならず者国家」あるいは化石のような独裁国家が中国の旗下に馳せ参じ、「反欧米」で結束したこの構図は実に興味深い。それはそのまま、「中国を基軸とした独裁国家群vs西側民主主義先進国群」という、新しい冷戦構造の成立を予兆するものではないか。 11月に入ってからも中国と西側諸国との「衝突」が絶えない。11月18日、イギリス、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダの外相は、中国が香港での批判的な声を封じ込めるために組織的活動を行い、国際的な義務に違反していると非難する共同声明を発表した。それに対し、と、外交儀礼上では普段あり得ないような暴言を吐いて5カ国を批判した』、「「中国を基軸とした独裁国家群vs西側民主主義先進国群」という、新しい冷戦構造の成立を予兆するものではないか」、「中国側の国々はロクなところがないようだ。「中国外務省の趙立堅報道官は翌19日、「(5カ国は)気をつけないと、目玉を引き抜かれるだろう」」、との「批判」には、外交でこんな言葉を使っていいのかと、驚かされた。
・『オーストラリアに喧嘩を売った中国外交官  そして11月30日、今度は趙立堅報道官が5カ国の中のオーストラリアに喧嘩を仕掛けた。彼は豪兵士がアフガニスタン人の子どもの喉元にナイフを突きつけているように見える偽の合成画像をツイッターに投稿。豪州のモリソン首相は激怒して当日のうちに記者会見を開き、画像は偽造されたものだと指摘した上で、「非常に攻撃的だ。中国政府はこの投稿を恥じるべきだ」と批判。中国政府に謝罪と即時の削除を求めた。 もちろん中国政府はこうした削除と謝罪の要求にはいっさい応じない。趙報道官の投稿した映像は今でもツイッターにアップされたままであり、彼の上司にあたる華春瑩報道局長もオーストラリア政府に反論し、趙報道官の投稿を擁護した。 しかし中国側のこのような横暴な態度はさすがに先進国一部の怒りを買った。フランス外務省の報道官は同日30日、「投稿された画像は特にショッキングで、コメントは偏っており、侮辱的だ」「中国のような国の外交に期待される手法として不適当だ」と批判した。12月1日、ニュージーランドのアーダーン首相は記者団に対してこの一件に触れ、「事実として正しくない画像が使われた」と指摘した上で、中国に懸念を直接伝えたと明らかにした。 12月2日、今度はアメリカ国務省がこの件に関する態度を表明した。ブラウン報道官代理は「(中国共産党がオーストラリアに対して取った行動は)精査なしの誤情報流布と威圧的外交の一例」と厳しく批判。合成画像の投稿について「共産党であることを考えても、さらにレベルの低い行動だ」と、矛先を中国共産党に向けた。 このように、中国外務省の報道官がオーストラリアを攻撃するためにツイートした画像は、オートスラリアだけでなくその友好国からの反撃を招くこととなった。そしてこの一件はまた、中国と欧米世界との対立を浮き彫りにした』、「中国」「外交」のネジが外れてしまったようだ。
・『西太平洋上に現れた新たなプレーヤー  12月5日、産経新聞のネット版である産経ニュースは、独自の報道として重大な意味を持つ動きの1つを伝えた。日本の自衛隊と米軍、フランス軍が来年5月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することとなったというのである。 産経の記事は、「日米仏の艦艇と陸上部隊が結集し、南西方面の無人島で着上陸訓練を行う」と伝えた上で、「東シナ海と南シナ海で高圧的な海洋進出を強める中国の面前で牽制のメッセージを発信する訓練に欧州の仏軍も加わり、対中包囲網の強化と拡大を示す狙いがある」と解説した。 ここでもっとも重大な意味を持つのは、フランスがアメリカとともに参加することである。アメリカは日本の同盟国だから、日米合同で尖閣防備の軍事訓練を行うのは当たり前だが、フランスの参加は意外だ。フランスはすでに意を決して、自分たちの国益とは直接に関係のない東シナ海の紛争に首を突っ込み、中国と対抗する日米同盟に加わろうとしているのだ。もちろん中国からすれば自国に対する敵対行為であるが、フランスは一向に構わない。 実は欧州のもう一つの大国イギリスもフランスと同じような計画を考えている。共同通信は12月5日、「英海軍、空母を日本近海に派遣へ 香港問題で中国けん制」という以下のニュース記事を配信した。 「英海軍が、最新鋭空母『クイーン・エリザベス』を中核とする空母打撃群を沖縄県などの南西諸島周辺を含む西太平洋に向けて来年初めにも派遣し、長期滞在させることが5日分かった。在日米軍の支援を受けるとみられる。三菱重工業の小牧南工場(愛知県)で艦載のF35Bステルス戦闘機を整備する構想も浮上している。複数の日本政府関係者が明らかにした」』、「イギリス」はともかく、「フランス」までが乗り出してきたのには驚かされた。狙いは何なのだろう。
・『英海軍が日本近海に現れる本当の狙い  1人の日本国民として中国の軍事的膨張を真剣に憂慮している筆者は、ネット上でこの記事に接した時には大きな感動を覚えた。大英帝国としてかつて世界の海を制覇したイギリスが、空母打撃群を派遣して日本周辺の海に長期滞在させるのである。「長期滞在」だから、パフォーマンスのためでもなければ単なる示威行動でもない。イギリスは日米同盟と連携してアジアの秩序維持に加わろうとしている。その矛先の向かうところは言うまでもなく中国である。 共同通信の記事は、空母打撃群派遣の狙いについて「香港問題で中国けん制」とも解説しているが、イギリスがいまさら武力を用いてかつての植民地の香港を奪還するようなことはありえない。ロンドンの戦略家たちの目線にあるのは当然、日本周辺の海域で軍事的紛争がもっとも起きやすい場所、尖閣や台湾海峡、そして南シナ海であろう。 もちろん、老練な外交大国・軍事強国のイギリスは、一時的な思いつきでこのような意思決定を行う国ではない。むしろ、深慮遠謀の上での長期戦略だと見ていい。かつての世界の覇主だったイギリスはどうやら中国を戦略的敵国だと認定し、この新覇権国家の膨張を封じ込める陣営に加わろうとしている。 そして、この原稿を書いている12月16日、大ニュースがまた飛んできた。産経新聞の報じたところによると、ドイツのクランプカレンバウアー国防相は15日、日本の岸信夫防衛相とのオンライン対談で、独連邦軍の艦船を来年、インド太平洋に派遣する方針を表明。南シナ海での中国の強引な権益拡大をけん制するため、「自由で開かれたインド太平洋」に協力する姿勢を明確にした。 戦後は軍の対外派遣に慎重だったドイツもつい重い腰を上げて、対中国包囲網の構築に参加することになった。来年、英仏独3カ国の海軍に米海軍と日本の海上自衛隊が加わり、世界トップクラスの海戦能力を持つ5カ国海軍が日本周辺の海、すなわち中国周辺の海に集まって中国封じ込めのための「海の長城」を築こうとしているのである』、「戦後は軍の対外派遣に慎重だったドイツもつい重い腰を上げて、対中国包囲網の構築に参加することになった」、というのも驚きだ。
・『人権と安全保障という「2つの戦線」  以上、今年10月初旬から12月中旬までの2カ月間あまりにおける世界の主要国の動きを概観したが、これらの動きをつなげて考えると、世界の主な民主主義国家は今、2つの戦線において対中国包囲戦を展開していることがよく分かる。 戦線の1つは人権問題の領域である。中国共産党政権が国内で行なっている人権侵害と民族弾圧に対し、欧米諸国はもはや黙っていない。中国に「NO」を突きつけそのやりたい放題と悪行をやめさせようとして、多くの国々がすでに立ち上がっている。ドイツの国連代表が国連総会の場で、39カ国を束ねて中国の人権抑圧を厳しく批判したのはその最たる例だが、民主主義国家のリーダー格のアメリカも、香港自治法やウイグル人権法などの国内法をつくって人権抑圧に関わった中国政府の高官に制裁を加えている。 人権問題の背後にあるのは当然、人権を大事にする民主主義的価値観と人権抑圧の全体主義的価値観の対立である。今の世界で人権問題を巡って起きている「先進国vs中国」の対立はまさにイデオロギーのぶつかり合い、そして価値観の戦いである。世界史を概観すれば分かるが、価値観の戦いあるいはイデオロギーの対立には妥協の余地はあまりない。双方が徹底的に戦うのが一般的である。 欧米諸国と中国が戦うもう1つの戦線はすなわち安全保障、とりわけアジアと「インド太平洋」地域の安全保障の領域である。東シナ海と南シナ海、そして尖閣周辺や台湾海峡などで軍事的拡張を進め、この広大な地域の安全保障と秩序を破壊しようとする中国に対し、アメリカと日本、イギリスとフランスドイツ、そしてオーストラリアとニュージーランド、さらにアジアの大国のインドまでが加わって、政治的・軍事的対中国包囲網を構築している。 逆に言えば、今の中国は人権・民主主義など普遍的な価値観の大敵、世界の平和秩序とりわけインド・太平洋地域の平和秩序の破壊者となっている。今や世界の民主主義陣営の主要国であり、世界のトップクラスの軍事強国である米・英・仏・独・日・印・豪が連携して、まさに文明世界の普遍的価値を守るために、そして世界とアジアの平和秩序を守るために立ち上がろうとしている』、どうも筆者は、「中国」との対立に焦点を当てるの余り、経済面での「中国」の魅力を無視しているが、現実にはその経済力に魅せられる面も大きい。
・『世界の歴史がまさに今、動いている  しかし、2020年秋からの数カ月間で、上記2つの戦線において対中国包囲網が突如姿を現し迅速に形成されたのは一体なぜなのか。去年までは中国との経済連携に関心を集中させていたドイツやフランスは一体どうして、軍事力まで動員してはるかインド・太平洋地域に乗り込んで中国と対抗することにしたのか。そして、形が見え始めた西側諸国と中国との対立構造は、今後の世界に一体何をもたらすのか。 こういった大問題については稿を改めて論じてみたいが、2020年の秋、われわれの住むこの世界でとてつもなく大きな地殻変動が起きていることは確実であろう。歴史は今、まさに動いているのである』、確かに「対中国包囲網が突如姿を現し迅速に形成された」のは事実であるが、それは前述の通り、「対立」だけではない。協力・協調もあることを忘れるべきではないだろう。
タグ:石平 JBPRESS Newsweek日本版 中国情勢 福島 香織 軍事・外交 (その10)(こんなに危うい中国の前のめり「ワクチン外交」 衛生領域のシルクロードで新たな世界秩序構築を目論む中国、オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声、中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった) 「こんなに危うい中国の前のめり「ワクチン外交」 衛生領域のシルクロードで新たな世界秩序構築を目論む中国」 「中国製ワクチン」は「2~8度の温度での輸送が可能なため通常のコールドサプライチェーンを利用でき、途上国でも取り扱いやすい」、「途上国」にとっては魅力的だ 「中国のワクチン外交宣言」とは本音丸出しだ 中国製ワクチンの効果に疑問符も ワクチンメーカー康泰生物のスキャンダル 「当局も報道も、ワクチンに問題があったとはせず、ワクチンに問題があるとして訴え続けた保護者や記者、学者らは、「挑発罪」「秩序擾乱罪」などの容疑で逮捕されたりデマ拡散や名誉棄損などで逆に訴えられたりして、沈黙させられた」、やはり報道の自由がない中国では、問題を隠蔽され易いようだ 中国のワクチン外交に対抗せよ 南米とカリブ海諸国はすでに北京から十数億ドルの借金をして中国のワクチンを購入することにしている。メキシコも3500回分のワクチン代金を支払い すでに多くのアジア諸国が北京からワクチンを購入したいという意向を伝え、少なくとも16カ国が中国ワクチンの臨床試験計画に参加 「ワクチン外交」はタダではなく、しっかり「代金」を取ったり、「ツケ」払いで「借金」させているようだ 「オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声」を紹介しよう』 オーストラリアの島の土地を買い上げた中国の不動産開発業者が、オーストラリア人の立ち入りを禁じて、地元住民や観光客が不満を募らせている 島の一部を買った」だけなのに 「チャイナ・ブルームは、住民のビーチへの立ち入りや、ボートでの着岸を禁止。滑走路へのアクセスまでも禁じたという」、こんな勝手なことが許されるのだろうか インフラ投資を歓迎する当局 州資源局の広報担当者は、チャイナ・ブルームが道路やボート用のスロープ、桟橋や港湾関連など島のインフラ改善に取り組んでいる点にも留意する必要があると指摘」、地方自治体にとっては、「インフラ投資を歓迎」なのだろうが、「オーストラリア政府」は地方自治体の行き過ぎに目を光らせるようだ。 「中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった」 今年10月からのわずか2カ月あまりの間に、人権と安全保障をめぐる西側先進国による対中包囲網の構築が本格化した。地政学的な大変動が東アジアで起き始めている 日本の主導で欧州の主要国であるフランスとドイツ、そして環太平洋地域の主要国であるアメリカとインドと豪州が団結し、中国の覇権主義的な海洋進出を封じ込めようとする姿勢を鮮明にした。誰が見ても「中国包囲網」の構築を意味するものだ 「中国」としては面白くないだろう。ただ、日本としては、インドもRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に入れようとしたが、インドは自由化に耐えられないとして参加しなかった ニューヨークで起きたもう1つの動き 少なくとも人権問題に関していえば今、世界の先進国全体が一致団結して中国を批判する立場をとり、そして中国と対立している」 西側先進国vs「ならず者国家」の構図 「中国を基軸とした独裁国家群vs西側民主主義先進国群」という、新しい冷戦構造の成立を予兆するものではないか 中国外務省の趙立堅報道官は翌19日、「(5カ国は)気をつけないと、目玉を引き抜かれるだろう」」、との「批判」には、外交でこんな言葉を使っていいのかと、驚かされた オーストラリアに喧嘩を売った中国外交官 「中国」「外交」のネジが外れてしまったようだ 西太平洋上に現れた新たなプレーヤー 「イギリス」はともかく、「フランス」までが乗り出してきたのには驚かされた。狙いは何なのだろう 英海軍が日本近海に現れる本当の狙い 戦後は軍の対外派遣に慎重だったドイツもつい重い腰を上げて、対中国包囲網の構築に参加することになった」、というのも驚きだ 人権と安全保障という「2つの戦線」 どうも筆者は、「中国」との対立に焦点を当てるの余り、経済面での「中国」の魅力を無視しているが、現実にはその経済力に魅せられる面も大きい 世界の歴史がまさに今、動いている 確かに「対中国包囲網が突如姿を現し迅速に形成された」のは事実であるが、それは前述の通り、「対立」だけではない。協力・協調もあることを忘れるべきではないだろう
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小売業(一般)(その5)(群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破、インタビュー/ベイシア創業者 土屋嘉雄 「ベイシアは“膨張”ではなく“成長”を追求してきた」、ワークマンの経営幹部は極力出社しない、年収1000万「ワークマンフランチャイズ」の内情 狭き門FCのオーナーになるための「5つの条件」) [企業経営]

小売業(一般)については、7月21日に取上げた。今日は、(その5)(群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破、インタビュー/ベイシア創業者 土屋嘉雄 「ベイシアは“膨張”ではなく“成長”を追求してきた」、ワークマンの経営幹部は極力出社しない、年収1000万「ワークマンフランチャイズ」の内情 狭き門FCのオーナーになるための「5つの条件」)である。

先ずは、12月17日付け東洋経済オンライン「群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/396908
・『「本年10月をもって総売上1兆円を達成いたしました」 2020年11月19日、群馬に本拠を置く小売り企業主体のベイシアグループは、静かに1兆円(2019年11月~2020年10月の総売上高)到達のお知らせをホームページに掲載した。 売上高1兆円を超える小売りグループは、国内に10もない。直近の決算期ベースで売上高の上位を見ると、イオン、セブン&アイホールディングス(HD)、ファーストリテイリング、パン・パシフィック・インターナショナルHD(旧・ドンキホーテHD)といった誰もが知る上場企業が名を連ねる。その中で、非上場のベイシアグループは7位。まさに異色の存在である。 ベイシアグループで唯一上場するのが作業服チェーンで急成長を続けるワークマンだ。ホームセンター業界で売上高トップのカインズもグループの一角をなす。カインズとワークマンが“きょうだい”であることは、あまり知られていないだろう』、私も初めて知った。
・『M&Aをせずに1兆円に到達  ベイシアグループは1959年に群馬県伊勢崎市で服地屋として創業した「いせや」を前身とする小売り主体の企業集団で、グループ会社は28社を数える。創業者である土屋嘉雄氏(88)が会見などの表舞台に出てくる機会はほぼない。創業者一代で築き上げたグループは孤高の流通小売り集団ともいえる。 小売り業界では事業拡大の切り札としてM&Aを積極的に行ってきた企業が多い。だが、ベイシアグループはM&Aを一切行わず、自前での着実な成長路線を歩んできた。創業者の土屋嘉雄氏は、東洋経済の取材に対し「(M&Aを)否定してきたのではなく、これまで選択する必要性がなかった。規模だけの追求はしたくない」と答えた。 現在、ベイシアグループ全体をとりまとめる旗振り役はカインズの土屋裕雅会長(創業者の長男)が担っており、新たなグループ経営を見据えた取り組みが着々と進んでいる。孤高の小売り集団は売上高1兆円を達成した先に、どのような変貌を遂げるのか。 『東洋経済プラス』の短期連載「群馬の巨人 ベイシアグループの正体」ではこの記事の続きを無料でお読みいただけます。 以下の記事を配信しています。 知られざる「1兆円小売り集団」の全貌 インタビュー①/創業者・土屋嘉雄氏がすべてを語る インタビュー②/カインズ・土屋裕雅会長を直撃 インタビュー③/ワークマン・土屋哲雄専務を直撃 カインズ、ワークマン“真逆”の経営スタイル データ/3つの指標でわかるベイシアグループの実力』、「M&Aを一切行わず、自前での着実な成長路線を歩んできた」、とは大したものだ。

次に、上記記事の最後に紹介したもののうち、第一のインタビューである、12月17日付け東洋経済オンライン「インタビュー/ベイシア創業者 土屋嘉雄 「ベイシアは“膨張”ではなく“成長”を追求してきた」」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/25503
・『26歳のときに群馬県の伊勢崎市でいせやを創業し、一代で1兆円の流通グループを築いた土屋嘉雄氏。どのような思いで大目標の到達を受け止め、そして今後のベイシアグループや小売業の将来をどう考えているのかを聞いた。(インタビューは書面で行った、Qは聞き手の質問、Aは土屋嘉雄氏の回答) Q:少子高齢化やネット通販台頭の影響を受け、競争の激しい国内小売市場において、ここまで成長できた理由、大手の同業他社と決定的に違う強みをどう見ていますか。 A:10月末におかげさまで1兆円を達成いたしました(2019年11月~2020年10月の年間売上高)。要約すれば「継続」「原理原則の徹底追求」「人材の育成」「情報収集と時代への対応」ということに尽きるかと思います。 「継続」とは、潰れたりせずに事業を続けるということ。一緒に働いてくれる社員に対する責任、支持してくれるお客様のためにも、会社が継続されなければならないということです。当社の標語に「継続は力」というのがありますが、続けるところから新しい力も生まれてくると思っています。 これを実現するために、いたずらに規模の拡大を求めず、身の丈に合った成長を守り続ける。そのためにも人を育て、“膨張”でなく“成長”を追求してきました。 そして、広く情報を集め、的確に時代に反応する。いうなれば、当たり前のことですが、そのための原理原則を愚直に、徹底的に追求してきました。振り返れば、それがベイシアグループの一番の特色であると思います。 一方で「1兆円構想」「商業の工業化」「地域格差の解消」といった大きな目標を掲げて自分たちの目指す方向性や社会的な使命を意識づけてきました』、「いたずらに規模の拡大を求めず、身の丈に合った成長を守り続ける。そのためにも人を育て、“膨張”でなく“成長”を追求してきました」、ずいぶん堅実にやってきたようだ。
・『成長に2つの要因  Q:創業以来、時代や消費環境の変化に応じて見直してきた経営戦略、逆にあえて変えずに守り通してきた戦略は何ですか。 A:いろいろと社会の変化に対応して変えてきましたが、最も大きかったのは「分社経営」と「PB(プライベートブランド)化」です。 もともとベイシア(当時は「いせや」)はGMS(総合スーパー)として成長してきました。衣食住の生活必需品を総合的に扱い、店舗も8000平方メートルから1万平方メートルと大型でした。 しかし、1973年に「大店法」が施行され、1978年にはこれが強化されて500平方メートル以上の大型店の出店が強く規制されました。これを機にベイシアは分社経営に転換しました。 最初は、住関連部門を「いせやホームセンター」として専門店化し、その後「カインズ」として分社しました。「ワークマン」はフランチャイズチェーンとして1982年に分社・独立。その後、カー用品を「オートアールズ」、家電部門を「ベイシア電器」として分社、急拡大していたコンビニ部門で「セーブオン」を設立しました。 それぞれが専門性を追求、独自に成長した結果、カインズはホームセンター業界でのトップ企業、「ワークマン」は“第2のユニクロ”とマスコミから言われるような特色ある企業に成長しました。 経営理念を共有化する以外、グループとしてとくにコントロールすることもなく専門性を追求してきて、他に例を見ない企業集団になったと思います。ここからベイシアグループ独特のシナジーも生まれています。 オリジナル商品化(PB商品)への取り組みでは、最初は「商工分離」で、作るのはメーカーに任せ、自分たちは販売に徹するという方針でしたが、アメリカなど海外からの直輸入を経てオリジナル商品化に取り組みました。これは一般的に低価格化が目的でしたが、カインズは機能、デザインなどNB(ナショナルブランド)を超える価値を追求、多くの賞もとって、オリジナル商品化をリードする企業になっています。 守り通してきたものは、「よりいいものをより安く」という基本理念です。これはいつの時代にも、どこでも普遍的な理念だと思います。 もう1つ、当グループには「クリーンポリシー」というものがあります。取引先との饗応、社員間での金銭の貸借を一切禁じたもので、その徹底ぶりは全産業でみてもトップクラスのものだといえます』、「分社経営」で「それぞれが専門性を追求、独自に成長した結果、カインズはホームセンター業界でのトップ企業、「ワークマン」は“第2のユニクロ”とマスコミから言われるような特色ある企業に成長」、大したものだ。「「クリーンポリシー」・・・取引先との饗応、社員間での金銭の貸借を一切禁じたもの」、ここまで徹底するとは驚かされた。
・『規模だけの追求はしない  Q:大手小売企業では珍しく、M&Aに頼らず自社成長にこだわってきた理由を教えてください。また、グループ企業の統一感を打ち出すのではなく、それぞれ異なる形で業態を独立させた意図は何だったのでしょうか。 A:吸収合併などを一切行わずに、オーガニックに成長してきたことは、ベイシアグループのきわめて大きな特色です。 しかし、M&Aを否定してきたものではなく、これまでのところ、選択する必要性がなかったから、といったほうが正しいと思います。いたずらに規模の拡大を追求しないという方針に沿ったものです。 今後、戦略的に必要であれば(M&Aを)行うこともあります。デジタル時代になって専門的な知識、機能が必要になり、それを社内で育てるには時間がかかりそうだという場合には、そのような企業を吸収や合併することも必要になるでしょう。 しかし、規模だけの追求はしたくありません。機能、技術などで一体になることで企業価値が上がるものでなければ意味がありません。合併しても、企業理念は共有できなければならないと思います。 異なる業態で独立したのは、専門性を追求することで特色のある企業となり、グループ全体として世界観が広がるからです。そのうえで、お互いが切磋琢磨して競うほうがいいと思っています。グループシナジーもそのほうがより広いものとなるでしょう。 Q:カインズ会長の長男・土屋裕雅氏は、PB開発やIT戦略の強化を推進しています。こうした裕雅氏の経営をどうみていますか。 (裕雅氏は)デジタル時代に果敢に挑戦し、新しい小売業のスタイルを創造しようとしています。「IT小売業」と言っていますが、小売業の特性を最大限に活かした企業像を作ってもらいたいと思います。 また、積極的に広い世界の人たちとコミュニケーションをとっています。異業態の人たちとも交流しています。これからの時代に大切なことです。今後はグループ全体をどうリードし、何を創り出すか、楽しみにしています。 Q:三井物産出身でご自身の甥に当たる土屋哲雄氏を2012年にワークマンに招聘した背景には、どのような狙いがあったのですか。 ワークマン専務(哲雄氏)に対しては、三井物産という世界企業で培われた視野はこれからのベイシアグループにとっても極めて貴重なものだと楽しみです。若い人たちにとっても大きなインパクトを持ち、目標になる人材です。 結果として、これまで純血主義できたベイシアグループも変わっていくべきで、必要なら外部のすぐれた人たちを積極的に招聘していくべきでしょう。そのほうが、若い人たちも大きく育つと思います。 Q:企業経営において、創業家が担うべき、もしくは創業家に求められる役割は何だと考えていますか。 A:創業家というものをあえて意識してきたわけではありませんが、創業の歴史は極めて重要な企業文化だと思います。 根がしっかりしていなければ樹は大きくなれない、という例えの通り、企業文化をしっかりと守り、継承することは大切だと思います』、「ワークマン専務」へのインタビューは第三の記事で紹介するが、なかなかの人物のようだ。
・『新しい小売業が誕生する  Q:アマゾンを筆頭にEC(ネット通販)が拡大し、GMSやコンビニ業態の成長が頭打ちとなる中、画一的なサービスや品ぞろえでの店舗運営は限界にあるとも言われています。チェーンストア経営のメリットとデメリットをどう考えていますか。 地域により需要も異なる。当然のことながら、地域のニーズに合った品ぞろえは小売業の原点です。 一方で、商品開発や調達、とくに海外開発などではチェーンストアとしての統一性と一定のスケールが重要です。運営面でのチェーンストア方式と地域ニーズへの対応は、両方ともますます重要になるもので矛盾するものではありません。 ECとリアルは両方を融合して最もお客様にとって便利なシステムを追求するべきで、それはITの活用で可能です。新しい小売業のスタイルが誕生すると思っています。 Q:消費者のニーズはこれからどう変化していき、今後の国内小売市場で生き残る企業の条件は何だと考えていますか。 A:一人ひとりのお客様のニーズに的確に応えるということは、どのような時代になってもサービス業の究極です。そのためにECやリアルを、それぞれの利点を活かして融合していくべきでしょう。 ECにはECならではの便利さがあり、リアルにはECにはない楽しさがあります。フードコートのような憩いの場や商品体験ができる場を提供することは、ECにはないものです。 また、小売業は「膨大な人たちが集まる」という、他の産業にはない特色があります。この、人との出会いとそこから生まれるデータの蓄積は、これからの楽しい社会をつくるうえで極めて貴重なものです。それをいかに活用していくかが、これからのサービス業の大きな使命であり、楽しみでもあると思います。 グループシナジーも、それぞれの企業にそれぞれのニーズを持ったお客様が集まります。そこから面白い結果が生まれるでしょう。(カインズやベイシアが出店している商業施設「くみまちモール」のような)さまざまな機能を持つ企業の集積となるモールは、これからの地域の活性化に大きな役割を果たせると思います』、今後の「ベイシア」グループの展開が楽しみだ。

第三に、11月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した株式会社ワークマン専務取締役の土屋哲雄氏による「ワークマンの経営幹部は極力出社しない」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/252734
・『今、最も注目を集める急成長企業ワークマン。 10月16日、横浜・桜木町にオープンした次世代店舗「#ワークマン女子」1号店には、3時間の入店待ち行列ができたという。 そんなワークマンは「しない会社」だ。◎社員のストレスになることはしない 残業しない。仕事の期限を設けない。ノルマと短期目標を設定しない。◎ワークマンらしくないことはしない 他社と競争しない。値引をしない。デザインを変えない。顧客管理をしない。取引先を変えない。加盟店は、対面販売をしない、閉店後にレジを締めない、ノルマもない。 ◎価値を生まない無駄なことはしない 社内行事をしない。会議を極力しない。経営幹部は極力出社しない。幹部は思いつきでアイデアを口にしない。目標を定め、ノルマを決め、期限までにやりきるといった多くの企業がやっていることは一切しない。とりわけ「頑張る」はしないどころか、禁止だ。 それでも業績は、10期連続最高益を更新中だ。 2020年3月期は、チェーン全店売上(ワークマンとワークマンプラス)が1220億円(前年同期比31.2%増)。営業利益192億円(同41.7%増)、経常利益207億円(同40%増)、純利益134億円(同36.3%増)となった。 なぜ、コロナ禍でも業績が伸び続けているのか。 「データ活用ゼロ」だったワークマンが、どうやって自分の頭で考える社員を育てたのか。 このたびワークマン急成長の仕掛け人である土屋哲雄専務が、Amazonに負けない戦略など4000億円の空白市場を切り拓いた秘密を語り尽くした初の著書『ワークマン式「しない経営」』がジュンク堂書店池袋本店、ブックファースト中野店などでビジネス書ランキング1位となり、発売たちまち重版。日経新聞にも掲載された。 なぜ、「しない経営」が最強なのか?(スタープレーヤーを不要とする「100年の競争優位を築く経営」とは何か。 ワークマン急成長の仕掛け人、土屋哲雄専務が初めて口を開いた』、普通はXXする経営が一般的なのに、「しない経営」をモットーにしているとは、素晴らしい会社だ。
・『なぜ経営幹部は極力出社しないのか  (土屋哲雄氏の略歴はリンク先参照) 会社の中で付加価値を生まない時間をどんどん削っても、生産性が上がらないのはなぜか。 それは付加価値を生まない時間をつくる人がいるから。 その犯人は経営者や幹部だ。 優秀な経営者や幹部ほど、社員の余計な仕事をつくる。思いついたことをまわりに言うと、経営者や幹部の言うことだから関心を持たざるをえない。 たまたまエチオピア経済のニュースを見た経営者が、「エチオピアが熱いというが、アパレルは生産しているのか?」と部長に聞く。 部長は忖度(そんたく)して「さっそく調べます」と言って、自分の部下に「明日までにエチオピアで生産しているアパレル業者についてレポートをまとめてくれないか」と仕事を振る。 部下は自分の仕事をいったん止め、ネットでエチオピアのビジネスをリサーチする。 結果として、エチオピアは関税面でアメリカにもヨーロッパにも有利に輸出できる有望な産地であることがわかる。 でも会社には差し迫ったニーズはない。なにしろ遠すぎる。 たまたま聞きかじったトレンドの調査を部下に投げるなんて一番やってはいけないことだ。その分、継続的な重要テーマへの時間が削がれる。必要なら部下に振らないで、自分で調べればいい。 そのために、経営者や幹部は現場に行って極力出社しなければいい。 現場で発見したことは長短あるが、どこかで聞きかじったテーマより重要性が高い。 現場には改善と改革のヒントが隠されている。経営者が新しいテーマを出してもいいが、1年で数回程度にすべきだ。それまでじっと我慢してため込む。その間に忘れたら重要性が低い証拠だ』、「付加価値を生まない時間をつくる人がいるから。 その犯人は経営者や幹部だ。 優秀な経営者や幹部ほど、社員の余計な仕事をつくる。思いついたことをまわりに言うと、経営者や幹部の言うことだから関心を持たざるをえない」、「現場には改善と改革のヒントが隠されている。経営者が新しいテーマを出してもいいが、1年で数回程度にすべきだ。それまでじっと我慢してため込む。その間に忘れたら重要性が低い証拠だ」、その通りだ。。
・『稟議中も発議者は座らない  当社の属するベイシアグループでは、創業時から現場主義が徹底されている。 社長が会社にいるのは週1回、私は週2回だ。 出社したときには稟議がある。ワークマンの稟議は発議者が決裁者のデスクの前に立って説明する。 私は最初その現場を見て、上下関係が際立ってよくないと思ったが、実際に立って説明すると、余計なことを言わないからすぐ終わっていい。社長の出社を週1回にするためにも立ち稟議は必要だ。 私は出社しない日は、加盟店で販売や在庫状況をチェックして自動発注の精度を確認したり、地方の不動産を見て、売れる場所かどうかを判断したりしている』、「社長が会社にいるのは週1回、私は週2回だ」、よくこんなもので回るものだとも思うが、通常はどうでもいい質問や指示で現場を混乱させているのだろう。「稟議は発議者が決裁者のデスクの前に立って説明する・・・実際に立って説明すると、余計なことを言わないからすぐ終わっていい」、なるほど。
・『幹部は思いつきでアイデアを口にしない  幹部が思いつきで何かを始めることほど会社にとってマイナスなことはない。 社員はやらなくてもいい仕事に時間を取られて迷惑だ。 ビジネス書を読んで思いついたこと、セミナーや勉強会で聞きかじったことなどを、すぐに自社に当てはめて実施しようとしても成果は出ない。 「これからはAIだ」「ビッグデータだ」「DXだ」と2年くらいで消えていく言葉(バズワードという専門用語)に惑わされ続ける。 経営者が思いつきでいろいろやろうとすると、本当に仕事に没頭している社員には迷惑だ。 フラフラする社長を見るにつけ社員はイライラする。 「しない経営」を実施するのは、感度がよく、いい経営者ほどつらい。 「しない経営」は私への戒(いましめ)でもある。 本書で触れたように、私は何にでもすぐに飛びつくジャングル・ファイターだった。 元来やりたがりで、おいしそうな話があるとすぐにやってみたくなり、ちょこちょこ仕掛けるのが大好き。トレンドには乗りたい。One to Oneマーケティングの顧客管理や、お客様に応じて値段を変えるダイナミック・プライシングも試してみたくて興味津々。 だが、ワークマンのような一つのことを深掘りするのが得意な会社には有害だ。 だからじっと堪えた。 私が会社にいる間は、客層拡大という目標と、それを支える「しない経営」と「エクセル経営」だけでいい。絶対にやるまい。 いい経営者ほどアイデアが浮かぶ。 ビジネス書を1冊読むたびに新しい事業アイデアや改革案が浮かぶ。 それを封印するのは結構つらい。でも、未熟な私が並みの経営者になるには、そのつらさを乗り越えなければいけない。 鈍感に見えるくらい愚直に一つの目標しか持たず、それに没頭するのが本当にいい経営者だ。 この8年間、ずっとそう自分を戒めてきた』、「いい経営者ほどアイデアが浮かぶ。 ビジネス書を1冊読むたびに新しい事業アイデアや改革案が浮かぶ。 それを封印するのは結構つらい。でも、未熟な私が並みの経営者になるには、そのつらさを乗り越えなければいけない。 鈍感に見えるくらい愚直に一つの目標しか持たず、それに没頭するのが本当にいい経営者だ」、自分らしさを「封印して」いるのは、大変だろう。
・『【著者からのメッセージ】  急成長ワークマンの仕掛け人が初めて全てを語る! ワークマンは「しない会社」だ。 ◎社員のストレスになることはしない(残業しない。仕事の期限を設けない。ノルマと短期目標を設定しない。 ◎ワークマンらしくないことはしない(他社と競争しない。値引をしない。デザインを変えない。顧客管理をしない。取引先を変えない。加盟店は、対面販売をしない、閉店後にレジを締めない、ノルマもない。 ◎価値を生まない無駄なことはしない(社内行事をしない。会議を極力しない。経営幹部は極力出社しない。幹部は思いつきでアイデアを口にしない。目標を定め、ノルマを決め、期限までにやりきるといった多くの企業がやっていることは一切しない。とりわけ「頑張る」はしないどころか、禁止だ。 それでも業績は10期連続最高益を更新中だ。 2020年3月期は、チェーン全店売上(ワークマンとワークマンプラス)が1220億円(前年同期比31.2%増)。営業利益192億円(同41.7%増)、経常利益207億円(同40%増)、純利益134億円(同36.3%増)となった。 2020年9月末現在、ワークマンとワークマンプラスの店舗数は885店舗(ワークマン663店舗、ワークマンプラス222店舗)となり、ユニクロの国内店舗数を抜いた』、「しない会社」のなかでも、「目標を定め、ノルマを決め、期限までにやりきるといった多くの企業がやっていることは一切しない。とりわけ「頑張る」はしないどころか、禁止だ」、それで「10期連続最高益を更新中」、とは恐れ入った。
・『「しない会社」が、どのようにブルーオーシャン市場を発見し、客層拡大して業績を上げたのか。どのように自分の頭で考える社員を育てたのか。 これが本書のテーマである。 このテーマを解読する上で大切なのが、本書で初めて紹介する「しない経営」と「エクセル経営」だ。 「しない経営」により「社員よし」「加盟店よし」「取引先よし」「会社よし」の”四方よしの経営”ができている。 「しない」とは、相手の立場で考えると、「されない」ということだ。 無用な干渉をされないことで、自分の時間を有効に使えるので、ストレスフリーで売上を上げ、自分のペースで楽しく働くことができる。 ワークマンにきてびっくりしたのが、データ活用ゼロの会社だったことだ。 店舗在庫の数量データすらなかった会社が、高度なAIソフトやデータサイエンティストを使わずに、ただのエクセルを活用することで、どのように変わったか。 ワークマンプラスの品揃えは「エクセル経営」で決まった。 2012年以来、8年間飽きずにコツコツとデータ活用研修をやり続けている。 「継続は力なり」とはよく言ったもので、社員のデータ活用力は年々高まっている。 まったく自信のなかった人、存在感のなかった人、店長に信頼されていなかった人が、いまやトップクラスの人材になり、会社を引っ張るリーダーになった。 この本の最終章には、早稲田大学大学院・ビジネススクールの入山章栄(いりやま・あきえ)教授との対談で、いま話題の「両利きの経営(知の探索×知の深化)」はどうすれば実現するかを考察した。 本書で紹介する方法は特別なものではない。すべての企業で実施できるものばかりだ。 ビジネスに携わる方には企業変革のケーススタディとして、経営者や幹部の方には、経営変革の参考材料として活用いただければと思う。 この本は私の初めての本だ。成功談や美談を書く気は一切ない。 還暦直前に入社した私が、拙い頭でどう考え、実行したか。 それだけをありのままに書こうと思う。 ps.【だから、この本。】で5回、インタビューを受けました。こちらもぜひご覧ください』、時間が出来たら読んでみたい。 
タグ:東洋経済オンライン 小売業 ダイヤモンド・オンライン (一般) 【著者からのメッセージ】 (その5)(群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破、インタビュー/ベイシア創業者 土屋嘉雄 「ベイシアは“膨張”ではなく“成長”を追求してきた」、ワークマンの経営幹部は極力出社しない、年収1000万「ワークマンフランチャイズ」の内情 狭き門FCのオーナーになるための「5つの条件」) 「群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破」 カインズとワークマンが“きょうだい”であることは、あまり知られていないだろう M&Aをせずに1兆円に到達 M&Aを一切行わず、自前での着実な成長路線を歩んできた 「インタビュー/ベイシア創業者 土屋嘉雄 「ベイシアは“膨張”ではなく“成長”を追求してきた」」 一代で1兆円の流通グループを築いた土屋嘉雄氏 いたずらに規模の拡大を求めず、身の丈に合った成長を守り続ける。そのためにも人を育て、“膨張”でなく“成長”を追求してきました 成長に2つの要因 「分社経営」と「PB(プライベートブランド)化」 れぞれが専門性を追求、独自に成長した結果、カインズはホームセンター業界でのトップ企業、「ワークマン」は“第2のユニクロ”とマスコミから言われるような特色ある企業に成長しました 「クリーンポリシー」 取引先との饗応、社員間での金銭の貸借を一切禁じたもの 規模だけの追求はしない 新しい小売業が誕生する 今後の「ベイシア」グループの展開が楽しみだ 土屋哲雄 「ワークマンの経営幹部は極力出社しない」 普通はXXする経営が一般的なのに、「しない経営」をモットーにしているとは、素晴らしい会社だ なぜ経営幹部は極力出社しないのか 付加価値を生まない時間をつくる人がいるから。 その犯人は経営者や幹部だ。 優秀な経営者や幹部ほど、社員の余計な仕事をつくる。思いついたことをまわりに言うと、経営者や幹部の言うことだから関心を持たざるをえない 現場には改善と改革のヒントが隠されている。経営者が新しいテーマを出してもいいが、1年で数回程度にすべきだ。それまでじっと我慢してため込む。その間に忘れたら重要性が低い証拠だ 稟議中も発議者は座らない 社長が会社にいるのは週1回、私は週2回だ 稟議は発議者が決裁者のデスクの前に立って説明する 実際に立って説明すると、余計なことを言わないからすぐ終わっていい」 幹部は思いつきでアイデアを口にしない いい経営者ほどアイデアが浮かぶ。 ビジネス書を1冊読むたびに新しい事業アイデアや改革案が浮かぶ。 それを封印するのは結構つらい。でも、未熟な私が並みの経営者になるには、そのつらさを乗り越えなければいけない。 鈍感に見えるくらい愚直に一つの目標しか持たず、それに没頭するのが本当にいい経営者だ 「しない会社」のなかでも、「目標を定め、ノルマを決め、期限までにやりきるといった多くの企業がやっていることは一切しない。とりわけ「頑張る」はしないどころか、禁止だ」、それで「10期連続最高益を更新中」、とは恐れ入った
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ソーシャルメディア(その8)(ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態 「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない、SNS上の凶暴な言葉の刃、なぜ「漫画家は漫画だけやってろ」と書かれるのか、「バイデン大統領誕生」に貢献したSNSが抱える深刻な問題とは) [メディア]

ソーシャルメディアについては、8月29日に取上げた。今日は、(その8)(ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態 「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない、SNS上の凶暴な言葉の刃、なぜ「漫画家は漫画だけやってろ」と書かれるのか、「バイデン大統領誕生」に貢献したSNSが抱える深刻な問題とは)である。

先ずは、10月8日付け東洋経済オンラインが掲載した国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口 真一氏による「ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態 「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/378777
・『ネットを見ていると、「極端な人」に高頻度で出会う。「コイツ頭おかしいだろ」「○○は人間の最下層だ」――。このような罵詈雑言は、わざわざ探そうと思わなくても、否応なしに目に入ってくることがある。 ネット上に誹謗中傷や批判あふれる現象―ネット炎上―は、年間1200件程度発生している(デジタル・クライシス総合研究所調べ)。1年は365日しかないので、1日あたり3回以上、どこかで誰かが「燃えている」のが現実といえる。 最近世間をにぎわせている新型コロナウイルスも、この不寛容さを加速させる。ひとたび感染が報じられれば、あたかも感染者が罪人かのようにバッシングされる。SNSや掲示板では、感染者やその家族の個人情報を拡散され、熾烈な誹謗中傷攻撃が始まる。4月の炎上件数は、前年同月比でなんと3.4倍に増加した。 「自粛警察」という言葉を聞いたことのある人も多いだろう。自粛警察とは、緊急事態宣言の下で外出や営業の自粛要請に応じない個人や企業に対し、通報する・中傷ビラを貼る・電話をする・ネットで攻撃するなどで、私的に取り締まりを行う人たちのことだ。 こうしてみると、「極端な人」が、時にSNS上の誹謗中傷投稿者として、時に自粛警察として、時にネット炎上に加担する人として、その力をふるっているように見える。 その影響は甚大だ。進学・結婚が取り消しになった人、活動自粛せざるをえなくなった芸能人、倒産してしまった企業……中には、誹謗中傷を苦に亡くなってしまうような例もある。 拙著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』では、このように社会に大きな影響を与える「極端な人」がどういった人でどれくらいいるのか、なぜ極端な態度になるのか。その正体に、事例分析とデータ分析から迫っている』、「ネット炎上」が「1日あたり3回以上」発生、「4月の炎上件数は、前年同月比でなんと3.4倍に増加」、かなり増えているようだ。
・『「極端な人」は低学歴の引きこもり?  「極端な人」というのは、どういう人たちなのだろうか。年がら年中ネットをしている、低学歴のひきこもりの人だろうか。あるいは、比較的時間があってネットにも精通している若い学生だろうか。 その「正体」を追うのに、いくつか適した事例がある。例えば、「弁護士懲戒請求問題」では、被害にあった弁護士が「極端な人」の正体に触れている。 弁護士懲戒請求問題は、東京弁護士会が「朝鮮学校への適正な補助金交付を求める会長声明」を出したことを快く思わなかった人々が、特定の弁護士に約1000通の懲戒請求を送った事例である(ちなみに、被害にあった弁護士は声明と関係がなかった)。 この弁護士は、損害賠償請求訴訟を提起することになるわけだが、その結果明らかになったのが、懲戒請求を送ったのは若い人どころか、なんと高齢者がほとんどということであった。これについては、被害者となった弁護士も意外だったようで、「驚くことに」と表現している。 ほかに、お笑い芸人のスマイリーキクチさんがある凶悪事件の犯人というデマをもとに、長年にわたり心無い誹謗中傷を受け続けた事件でも、「極端な人」の素顔がわかっている。この事件では19人が書類送検されたが、彼らは年齢も性別も職業もバラバラであり、サラリーマンから妊娠中の主婦まで、多種多様な属性であったらしい。 新型コロナウイルス関連でもある。ネット掲示板に大阪府知事への殺害予告を書いた男性が、脅迫容疑で大阪府警に逮捕された事件では、年齢は35歳、飲食店経営というプロフィールがわかっている。動機としては、休業要請に応じないパチンコ店の店名を、知事が公表したことへの不満とみられている』、「弁護士懲戒請求問題」では「懲戒請求を送ったのは若い人どころか、なんと高齢者がほとんどということであった」、確かに意外だ。
・『炎上参加者は「年収が高い」  誰が「極端な人」なのか。私が2014年と2016年に実施した、それぞれ2万人と4万人のデータを使ったネット炎上に関する実証研究も、「極端な人」の驚くべき実態を示している。 なんと、「男性」「年収が高い」「主任・係長クラス以上」といった属性であると、炎上に参加する(書き込む)傾向にあるという結果になったのだ。事例だけでなく、データ分析結果からも、旧来言われていたような「極端な人」の属性が、的外れだったことが示されたといえる。その「正体」を追うのに、いくつか適した事例がある。例えば、「弁護士懲戒請求問題」では、被害にあった弁護士が「極端な人」の正体に触れている。 弁護士懲戒請求問題は、東京弁護士会が「朝鮮学校への適正な補助金交付を求める会長声明」を出したことを快く思わなかった人々が、特定の弁護士に約1000通の懲戒請求を送った事例である(ちなみに、被害にあった弁護士は声明と関係がなかった)。 この弁護士は、損害賠償請求訴訟を提起することになるわけだが、その結果明らかになったのが、懲戒請求を送ったのは若い人どころか、なんと高齢者がほとんどということであった。これについては、被害者となった弁護士も意外だったようで、「驚くことに」と表現している。 ほかに、お笑い芸人のスマイリーキクチさんがある凶悪事件の犯人というデマをもとに、長年にわたり心無い誹謗中傷を受け続けた事件でも、「極端な人」の素顔がわかっている。この事件では19人が書類送検されたが、彼らは年齢も性別も職業もバラバラであり、サラリーマンから妊娠中の主婦まで、多種多様な属性であったらしい。 新型コロナウイルス関連でもある。ネット掲示板に大阪府知事への殺害予告を書いた男性が、脅迫容疑で大阪府警に逮捕された事件では、年齢は35歳、飲食店経営というプロフィールがわかっている。動機としては、休業要請に応じないパチンコ店の店名を、知事が公表したことへの不満とみられている』、「大阪府知事への殺害予告」の容疑者は、「年齢は35歳、飲食店経営」には意外感はない。
・『炎上参加者は「年収が高い」  誰が「極端な人」なのか。私が2014年と2016年に実施した、それぞれ2万人と4万人のデータを使ったネット炎上に関する実証研究も、「極端な人」の驚くべき実態を示している。 なんと、「男性」「年収が高い」「主任・係長クラス以上」といった属性であると、炎上に参加する(書き込む)傾向にあるという結果になったのだ。事例だけでなく、データ分析結果からも、旧来言われていたような「極端な人」の属性が、的外れだったことが示されたといえる。 まず、「男性が多い」という点について見てみると、炎上参加者の7割は男性であった。社会においても、この調査においても男女比はほとんど半々であることを考えると、この偏りは大きい。 次に、年収を見てみよう。世帯年収を比較すると、炎上参加者の世帯年収は平均して670万円であったのに対し、炎上に参加していない人は平均して590万円であった。つまり、炎上参加者のほうが、世帯年収が80万円も高かったのである(図1)。 最後に、炎上参加者の肩書の内訳を見ると、図2のようになる。これを見ると、肩書が非常にばらけていることがわかるだろう。主任・係長クラス以上が31%、一般社員が30%、個人事業主・店主が9%、無職・主婦・バイト・学生が30%だ。 しかしこれを、炎上に参加していない人の肩書と比較するとその傾向が見えてくる。なんと、炎上に参加していない人の中では、主任・係長クラス以上の役職の人は18%しかいなかったのである』、「主任・係長クラス以上」が「炎上参加者」の割合が高いのは、何故なのだろう。
・『自分の中の正義で他人を裁く  データ分析から「極端な人」の正体が明らかになってきた。しかし気になる点が1つある。それは、なぜこのような人たちが「極端な人」となって過剰な批判や誹謗中傷を書いてしまうのかという点だ。 私がその「動機」について研究したところによると、どのような炎上事例でも、書き込んでいる人の60~70%の人が「許せなかったから」や「失望したから」といったような、正義感から書き込んでいることがわかった。 「他人を誹謗中傷したり、極端な言説で罵倒したりすることが正義なのか!」と思う人もいるかもしれない。しかしここで注意しなければいけないのは、これは社会的正義ではなく、あくまで個人個人が持っている軸・価値観での正義感であるということである。 正義感とは、人によってバラバラである。ある物事を許せる人もいれば、まったく気にしない人もいる。ある物事を不快に感じたときに、それがたとえ第三者のまったく関係のない人であったとしても批判したり誹謗中傷したりするのが正しいと思う人もいれば、第三者に対してそのようなことをしない人もいる。 結局、「極端な人」というのは、己の中の正義に従って他者に攻撃を加えている、不寛容な人なのである。実際、先述のスマイリーキクチさんの事件でも、デマを信じて「正義感からやった」と供述している人がほとんどだったようだ。 中には、毎朝決まった時間に必ず投稿するような人もいたようである。その人は普通のサラリーマンだったという。そのような行為をしていた理由は、凶悪犯人についてネット上で言及することで社会に貢献できると考えていたかららしい』、「「極端な人」というのは、己の中の正義に従って他者に攻撃を加えている、不寛容な人なのである」、困ったことだ。
・『正義による快楽の連鎖  ここまで明らかになった炎上参加者の属性や書き込んでいる動機から、炎上の1つの姿が見えてくる。このような人々は、それなりに知識があり、情報に触れる機会も多い。分析では、ラジオ聴取時間が長いといったような特徴も出ていた。 そのように知識がある中で、政治やジェンダーなど、関心のある問題に対して確固たる信念や、ロジックを抱くようになる。○○は正しい、△△は間違っている……。 そして、そのような自分の考えと異なる発言を見たときに、批判をする。批判をするだけならばよいが、一部の「極端な人」は、そこから感情的に人格攻撃までしてしまうというわけだ。 そしてもう1つ、企業の不正行為や、一般人の悪ふざけ、芸能人の不祥事などに対しては、「悪いことをしている人(企業)を叱りつけている」ということがある。「こんな人・企業には制裁を加えなきゃいけない」「こういうことをする人は教育しなきゃいけない」。こういう気持ちで、心無い言葉を大量に書き込んでいくのである。 「正義中毒」という言葉がある。脳科学者の中野信子氏は、人間は正義感をもとに他人に制裁を科すと、快楽物質「ドーパミン」が分泌されることを指摘している。この快楽に溺れてしまうと、やがて極端に不寛容になり、他人を許さずに正義感から裁くことで快楽を得ようとし続けてしまう、正義中毒になるというわけである。 しかも、この正義感から裁く快楽は、ネットは現実社会よりも強いものとなる。なぜならば、ネットには自分と同じようにその人・企業を「許せない」と思い、同じように正義感から攻撃を仕掛けている人が少なからず存在するためだ。仲間と共に悪に対して正義の裁きを下している図式になるわけである。 思い思いの正義感から寄ってたかってバッシングを加える――。これは私刑(リンチ)と変わらない』、「正義中毒」とは言い得て妙だが、本当に困った現象だ。
・『満たされていない「極端な人」たち  先述の調査結果で判明した属性を聞くと、なぜそのような人が「極端な人」になるのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。 しかし、そのような属性と、その人が満たされているかは実はそれほど関係がない。家庭内で不和を抱えているかもしれない。若いときは目標をもっていろいろ取り組んでいたが、今はただ日々の降ってくる業務に追われているだけかもしれない。 実は、近年の研究では、年収や健康といった環境が幸福感に与える影響は限定的であることがわかっている。より重要なのは、自分で何かをなそうとするなどの自分を主体とした変化や、人間関係のようだ。特に重要なのは家族など親密な人たちとの関係であり、端的にいえば幸福には愛が必要なのである。 つまり、人間関係がうまくいっていなかったり、能動的に物事に取り組んでいなかったりする人は、たとえ外面上は人からうらやましがられるような立場でも、内面では満たされているとは言いがたい状態なのだ。 常磐道あおり運転事件で逮捕された容疑者からも、そのような傾向が見られる。当該事件の容疑者は会社経営者であり、親族が所有するマンションを受け継いで不動産の管理や賃貸業をしていた。さらに、高級外国車を乗り回し、インスタグラムには高級な飲食店の写真を載せ、ぜいたくな暮らしをしていたらしい。 その人が、あおり運転をした揚げ句、被害者男性に対して数発殴打を繰り返すような「極端な人」だったのである。 以前、私が企業のエグゼクティブ向けに講演をしたときに、その聴衆の1人から興味深い話を聞くことがあった。曰く、その人の知り合いの他社のエグゼクティブが、まさにネット炎上に積極的に参加しており、かつ、それを自慢げに「正してやった」と言ってくるらしい。 その理由についてその方は、「ある程度成功を収める一方で、定年も見えてくるなか、自分の限界が見えてきて不満を感じているのではないか」と考察していた。「極端な人」とは、一見すると幸せそうに見えても、実はまったく満たされていない人たちなのである』、「「極端な人」とは、一見すると幸せそうに見えても、実はまったく満たされていない人たちなのである」との結論は、その通りなのだろう。

次に、10月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した漫画家、文筆家のヤマザキマリ氏による「SNS上の凶暴な言葉の刃、なぜ「漫画家は漫画だけやってろ」と書かれるのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/250462
・『続くSNSでの誹謗中傷。コロナ禍で閉じこもる生活の中、その過激さはさらに増し、もはや社会問題化しつつある。一方、夫がイタリア人で、1年の半分をイタリアで暮らしてきた世界派の漫画家・ヤマザキマリ氏も、イタリアに戻ることができず、約10カ月、東京の自宅に閉じこもってきた。その生活の中、改めて言葉の持つ「暴力性」を、日本人はいまだに使いこなせていないのでは、と感じているそうだ。自粛生活中における自身の「気づき」をまとめた新著『たちどまって考える』(中公新書ラクレ)を上梓したヤマザキ氏が、思いの丈をつづる』、「ヤマザキ氏」の視点が新鮮なので、楽しみだ。
・『日本人はなぜSNSで“タガ”が外れがちなのか  今現在、過去のパンデミックにはなかったものがいくつか存在しています。たとえばSNSもその1つです。世界の大都市がロックダウンしていた間、自宅隔離されていた人々が作成した動画が、フェイスブックなどを賑わしていました。日本でも、外出を自粛する人たちのコミュニケーションツールとして、SNSは平時にも増して機能していたようです。 しかしその最中、プロレスラーの木村花さんが自ら命を絶つ事件がありました。緊急事態宣言が解除される数日前のことですが、SNSを通じ、出演していたテレビ番組の内容をもとにした誹謗中傷が起きたのが原因だったと見られています。 匿名での投稿が可能なSNSは、書き込みに対する責任のタガが簡単に外れやすいものです。特に自粛期間という社会的縛りを強いられる中、人の内面に溜まった不安や欲求不満が爆発し、SNS上に心ない言葉として表現された可能性も大いにあります。 日本のように世間体の戒律が厳しく、空気を読む必然性が高い国だと、普段思っていることをなかなか言語化できない。お酒の力を借りてやっと本音を言えるような環境にあるからこそ、日本におけるSNSの使い勝手は、普段から言いたいことを言語化できている他の国々とは、どこか違っているように感じられるのです。  一方、我家のイタリア人義父母などは、しょっちゅう夫婦喧嘩をしていますし、私も夫とネット越しだろうと、ガミガミやり合います。大抵、私のほうが「これ以上話しても無理だ」と押し黙るわけですが、夫はそれを「言語化への拒絶」と指摘します。 「君はどうしてそんなにすぐ会話を遮断するんだ」というので、「会話じゃない、これは喧嘩だ」と答えれば、「喧嘩も立派なコミュニケーションであり、お互い思っていることをしっかり相手に伝えない限り、何も解決しない」というわけです』、「日本のように世間体の戒律が厳しく、空気を読む必然性が高い国だと、普段思っていることをなかなか言語化できない。お酒の力を借りてやっと本音を言えるような環境にあるからこそ、日本におけるSNSの使い勝手は、普段から言いたいことを言語化できている他の国々とは、どこか違っているように感じられるのです」、確かに日本の方が深刻化するリスクが大きそうだ。
・『繰り返されるネット炎上は言葉の取り扱いの「不慣れさ」の表れ  日本が西洋化する前までは、すべてを言葉に置き換えるわけではない日本人の精神性に見合った、それなりに柔和な社会環境があったはずだと思います。しかし、近代になって「誰でも自由に思ったことを発言するのがデモクラシー」という西洋式の習慣が推奨されるようになった一方で、肝心の日本人はいまだに言語の持つ「凶暴性」を扱い慣れていない。 もちろん、SNS特有の無責任性と凶暴性は世界共通の問題ですが、言語の取り扱いに慣れていないという日本人の性質が、頻繁に起こるネット上の炎上に現れているような気がしてなりません』、「近代になって「誰でも自由に思ったことを発言するのがデモクラシー」という西洋式の習慣が推奨されるようになった一方で、肝心の日本人はいまだに言語の持つ「凶暴性」を扱い慣れていない」、「言語の取り扱いに慣れていないという日本人の性質が、頻繁に起こるネット上の炎上に現れているような気がしてなりません」、鋭い指摘で、その通りだろう。
・『「漫画家は漫画だけ書いてろ」という意見は短絡的すぎる  話はやや変わりますが、私は10代半ばからイタリアへ渡り、油絵と美術史を学びました。その後外国人の家族を持ち、古代ローマ史と日本の比較文化漫画を描き、30年以上世界数ヵ国で暮らしてきた経験があることから、テレビや雑誌、このようなウェブメディアなどで、俯瞰で日本を見たときに感じられる自分の考えや意見を語る機会があります。 そこではもちろん専門家とは違う、海外での日常や風習という私なりの視点を通じて考えたことを述べるようにしていますが、4月に放送されたパンデミックに関する番組に出演した際には、「漫画家がこんなところに出てきて、偉そうなことをしゃべるな」といった反応が、SNSに上がっていました。 「漫画家は漫画だけ描いてりゃいいんだよ」という書き込みは、今までも頻繁にあったので、もう気にもしてはいませんが、それにしても「漫画家は漫画だけを描けばいい」という短絡的な見解には、考えさせられてしまいます。 それはつまり、「人間は社会において認識されている“役割”以外の行動を取るべきではない」という、狭窄的で怠惰な想像力に甘んじている傾向を示しているのではないでしょうか』、「狭窄的で怠惰な想像力に甘んじている傾向を示している」とは痛烈な批判だ。
・『「有名人の発信に簡単に影響される」ほうが問題である  「#検察庁法改正案に抗議します」のリツイートが話題になったときも、そのハッシュタグを付けた人たちを中心に、「俳優や歌手である前に、人間であることをなぜ注視してもらえないのか」といった議論が起きていました。 「有名人は発信力と影響力があるから、思ったことを何でも口にするべきではない」ということだとしたら、そんな発信にいとも簡単に影響を受け、左右される可能性に怯む人にも問題はあるのではないでしょうか。 本当に発信者が有名なだけで国民の思想が動かされてしまうのなら、むしろそういう人間が育ってしまう社会自体を問題視するべきですし、何より政治家や専門家のみに発言や判断を委ねればいいという考え方が定着するようになると、現在の政治の形態そのものを変えなければならないでしょう。 「俳優や歌手や漫画家はそれぞれの仕事だけやってりゃいい、余計なことを言葉にして発信するな」という人々の見解は、独裁者が君臨する社会主義国ならまだしも、民主主義の先進国を謳う国のものではありません。「疫病が発生した際には、ウイルスの専門家の意見だけをあてにすればいい」といった短絡的な考え方に囚われていたら、問題の解決策は永遠に生み出されないでしょう』、同感である。
・『自分なりの判断と考えを持たないとこの危機は乗り越えられない  イタリアで新型コロナの感染拡大が深刻化したときも、イタリア人の家族と長く暮らしてきた私には、イタリアにおける高齢者との同居率の高さや、激しい日常会話の頻度、医療環境の限界、そして家族や友人との抱擁を含む接触率の高さなどが、感染拡大の要因としてすぐさま頭に思い浮かびました。 しかし私は、感染症の専門家ではありませんから、私のこうした見方はそれほど重要視されません。人々が専門家以外の言葉に耳を傾けたがらないという傾向は、世界中の人々に少なからずありますし、かくいう私もそのうちの1人であるのを自覚しています。 つまり我々は、無意識のうちに人々の言語化や思想にこうした意識の規制を張り、自分の知りたい言葉を知りたい人からだけ吸収しようとしているという実態に気づかされます。しかし、今回のパンデミックも含め、メディアだけを頼れない状況下では、人々それぞれが今までにない想像力を持って、あらゆる人の言葉を受け入れ、咀嚼し、自分なりの判断と考えを持つという必要性に、いつになく迫られているようにも感じるのです』、その通りだろう。

第三に、12月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した国際政治評論家・翻訳家の白川 司氏による「「バイデン大統領誕生」に貢献したSNSが抱える深刻な問題とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/257914
・『ドナルド・トランプ大統領が大統領選での敗北を認めない中、12月14日の選挙人投票でジョー・バイデン前副大統領が過半数を上回り、次期大統領に就任することが確定した。前回と今回の大統領選で大きな役割を果たしたのは、フェイスブックやツイッターなどのSNSだ。だが、SNSが自由な言論の場として成長するとともに、深刻な課題も浮き彫りになりつつある』、「深刻な課題」とは何だろう。
・『世論調査結果を左右するバイアス  安倍晋三前首相が今夏に辞任を表明した後、朝日新聞の世論調査で安倍政権を「評価する」が71%をマークして、「あの朝日の調査なのに?」と驚いた人も多かっただろう。 安倍政権の支持率は40~50%台で推移しており、新型コロナウイルス禍では30%台まで落ち込んでいたことを考えると、71%はあまりに高い数字だ。これはどういうことなのだろうか。 一つ考えられることがある。それは「そもそもこれまでの支持率調査がおかしかった」ということだ。もちろん数字をいじっていたということではなく、問題は調査方法だ。 たとえば、「あなたは安倍政権を支持しますか、支持しませんか」の二択であれば、71%という数字はおかしくない。だが、もし3月に調査したとして、「安倍首相が2月末に唐突に全国一斉休校を要請したことに批判が集まっています。安倍首相は説明不足だったと思いますか」と質問したあとに、「あなたは安倍政権を支持しますか」と聞かれたら、支持率はかなり下がるはずだ。それは、「休校要請は間違いだった」と刷り込まれると、それがバイアス(偏り)となって「支持する」と答えにくくなるからだ。 世論調査にはこういったバイアスがよく使われる。本来であれば、できるだけ実態に近い数字を出すためにバイアスになるものは排除して調査しなければならないのだが、日本のマスコミの多くは反安倍政権であったので、むしろ積極的にバイアスになるものを作り上げて世論の反発を引き出して、支持率調査に活用して支持率を低下させてきたというのが実態に近いだろう。 既存マスコミが信頼されなくなった理由として、そういったバイアスを意識的に使って、自分たちの都合のいいように情報を操作していったことが挙げられる。トランプ大統領が既存マスコミと渡り合えたのは、バイアスのない生の声をツイッターでアメリカ国民に届けられたからにほかならない。 ところが、2020年、既存マスコミのバイアスが、自由の象徴だったSNSにも持ち込まれ始めている。SNSにも既存マスコミと同じ危機が襲っているのだ』、「既存マスコミのバイアスが、自由の象徴だったSNSにも持ち込まれ始めている」、どういうことだろう。
・『フェイスブックで「いいね」を押すリスク  2016年、共和党の一泡沫候補にすぎなかったドナルド・トランプが共和党の有名候補を出し抜いて勝ち残り、圧倒的な実績と知名度を誇る民主党候補のヒラリー・クリントンを破ったときも、その奇跡の逆転劇の舞台となったのがSNS、とくにフェイスブックだった。 フェイスブックの利用者は、同社に知らず知らずのうちに莫大な個人情報を与えている。たとえば、フェイスブックのアプリで利用者情報の分析モデルを構築したマイケル・コジンスキー(現、スタンフォード大学教授)は、利用者の「いいね」を68個分析するだけで、その利用者の人物像がかなりのところまで絞り込めると述べている。肌の色、性的指向、支持政党、薬物・アルコール摂取、両親と片親のどちらで育ったかまで予測できるというのだ。 さらに、70個の「いいね」でその利用者の友人より、150個の「いいね」で親より、300個の「いいね」でパートナーより多くのことがわかり、さらに多くの「いいね」があれば利用者本人よりその人物のことがわかると述べている。 フェイスブックは以前、他社が付属のアプリなどによってフェイスブックを通じ、個人情報を集めることを認めていた。本格的なゲームアプリだけでなく、性格診断や占い、あるいは「30年後あなたの貯金は?」「あなたの値段は?」など、たわいもないアプリが多数を占めて、結果はフェイスブック上で共有できた。 「30年後の貯金は100億円です」などといった結果が出るとうれしくなる人が多かったようで、どんどん共有されて多くの利用者が使った。読者の皆さんもインターネット上で性格診断やアンケートなどをしたことがある人がいるのではないだろうか。 だが、アプリを使うことで、利用者本人だけではなく、「友達」としてつながっている他人の情報までごっそり抜かれていたのである。このことはアプリを使用する前に提示される「使用許諾契約」に含まれているのだが、無味乾燥な文章がいくつも羅列されているため、ざっとでもすべてに目を通す人は少なく、しっかりと読んでいる人はほとんどいなかったはずだ』、「利用者の「いいね」を68個分析するだけで、その利用者の人物像がかなりのところまで絞り込める・・・肌の色、性的指向、支持政党、薬物・アルコール摂取、両親と片親のどちらで育ったかまで予測できるというのだ。 さらに、70個の「いいね」でその利用者の友人より、150個の「いいね」で親より、300個の「いいね」でパートナーより多くのことがわかり、さらに多くの「いいね」があれば利用者本人よりその人物のことがわかる」、「いいね」を押せば押すほど、裸になっていくようだ。
・『フェイスブックがトランプ大統領を誕生させた  このフェイスブックの個人情報を大統領選挙で利用したのが、イギリスにあった選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」だった。同社は2016年のイギリスのEU離脱を問う国民投票でも、ブレグジット派勝利に貢献したと言われている。 同社はトランプ大統領やボリス・ジョンソン英首相など保守派側のコンサルティングで実績を上げたために、その後、アメリカ民主党からフェイスブックとともに徹底的に締め上げられて、2018年には廃業に追い込まれている。 ケンブリッジ・アナリティカはデータサイエンティストや心理学者など研究者を多く抱えて、データマイニングという手法で分析を行った。データマイニングとは、大量のデータからある一定のパターンや知見を見つけ出して、別のことに役立てようとすることを指している。 フェイスブックのアクティブユーザー(登録だけでなく使っている者)の数は2020年に27億人を突破しており、大量の個人情報を集めて、「ある行動をさせるためには、人にどういう“きっかけ”を与えればいいか」といったことを研究するには、最もふさわしいSNSだと言える。それを最大限に活用したのがケンブリッジ・アナリティカだった。 ドナルド・トランプの選挙参謀だった戦略家のスティーブ・バノンは、ケンブリッジ・アナリティカにいち早く注目し、出資して幹部に収まっていた。 バノン氏は「民主党支持者は自分たちが選挙に勝つためにマイノリティーを利用しており、本音は別にある」と考えて、ポリティカル・コレクトネスなどの平等運動が、その本音を覆い隠すための装置にすぎないと考えていた。 そこで、ポリティカル・コレクトネスという理想を追求するのではなく、「行き過ぎたポリティカル・コレクトネスのせいで社会がおかしくなった」というアメリカ人の本音を引き出すための工夫をすることにした。そのために利用されたのが、ターゲット広告という手法である。  ターゲット広告とは、その人の属性から考えて、最も効果を発揮するであろう人たちに絞って広告を打つという手法だ。 バノン氏がたくらんだのは「本当は現状に不満を持っているのに、その本音を言えない」という状態を刺激することだった。 相手のヒラリー・クリントンは典型的なエリート出身の成功者であると同時に、マイノリティー運動などを熱心に進める「ポリティカル・コレクトネスの代表的な推進者」でもある。そこで、バノン氏は「ヒラリー氏のような人物こそがアメリカ社会を悪くしたのであり、その現状を変革できる人物はワシントンにもウォール街にもシリコンバレーにも染まっていないドナルド・トランプだ」という認識を、ターゲット広告で広めようとした。 この企みが本当に成功したのかどうかはエビデンスの出しようがなく、専門家にはケンブリッジ・アナリティカの役割については懐疑的な者もかなりいる。ただ、もともと泡沫候補にすぎなかったドナルド・トランプが大統領になり、ツイッターを武器に既存メディアと戦い、キリスト教的価値観が駆逐されそうになっていたアメリカのキリスト教徒たちを勇気づけて、多くのアメリカ人に自信を取り戻させたことも事実だろう』、「バノン氏」が「ターゲット広告で広めようとした」「認識」は、確かによく練られていたようだ。
・『今回の大統領選ではSNSがトランプ再選を阻止  トランプ大統領誕生に危機感を持った民主党は、今度はケンブリッジ・アナリティカとフェイスブックに対して集中砲火を浴びせた。たしかに、情報社会において個人情報は何より貴重なものであるにもかかわらず、ケンブリッジ・アナリティカの情報収集の仕方は強引であり、フェイスブックの個人情報に対する扱いはあまりにお粗末だった。 ただ、両社に対する民主党の攻撃は個人情報保護を重視した結果というより、両社がトランプ大統領を誕生させる原動力となったからだろう。そのため、ケンブリッジ・アナリティカは左派リベラルから悪魔のように批判されて、民主党支持の社員から内部告発までされて、会社ごとこの世から抹殺されてしまうことになった。 フェイスブックのザッカーバーグCEOは何度も公聴会に呼ばれては締め上げられ、揚げ句の果てに民主党支持者の多い社員からも突き上げられて、内外で孤立無援となりついに屈服した。2020年の大統領選挙では政治広告を禁止して、フェイク判定をすることに同意する。なお、「フェイク判定」とはトランプ大統領の主張に制限をかけることとほぼ同じことを意味した。 2020年の米大統領選挙は郵便投票をめぐる戦いだったと言っていいだろう。通常の投票所投票だけであれば、圧倒的な人気を誇るトランプ大統領に、「トランプでないほう」に過ぎないジョー・バイデンが勝てる可能性は低くなる。だが、郵便投票であれば有権者本人の意思かどうか確かめようがないので、貧困層やマイノリティーにネットワークがある民主党が有利になるわけである。 トランプ大統領は郵便投票の欠陥を訴えたが、約3億人のアクティブユーザーがいる「ツイッター」がこれにフェイクニュース警告をつけ始めた。郵便投票が正しいものとして、トランプ大統領の投稿を露骨に邪魔しはじめたのである。 トランプ大統領はこれまでSNSをフル活用して大統領になり、メディアにも対抗したが、今度はそのSNSがトランプ大統領の再選阻止に回る側となった。終盤にバイデン氏の息子に政治生命を脅かすほどの大スキャンダルが発覚するが、既存メディアではまともに報道されず、唯一それを報道した記事のリンクをツイッターはブロックしてしまう。 SNSのメリットを最も享受しているのは、実は保守層である。既存メディアの大半は左派かリベラルであり、また、市民団体や人権団体など左派リベラルは組織力が圧倒的に強く、その多くがネットワーク化して連携してきた。一方、保守層は団体や組織も少なく、有力メディアも一部の雑誌などにとどまっていた。そのため、保守支持の国民のほうが数は多いのにもかかわらず、左派政策が多く実現するという偏りが生じてきた。 SNSはそういった左派優位の状況の不満を集約して、保守層が結集できる場となり、保守層の逆襲のための「集会所」の役目を果たした。SNSは図らずも保守層のネットワーク化と連携を促進する役目を担うことになったのである。だが、そのSNSに大きな危機が訪れているのである』、「トランプ大統領はこれまでSNSをフル活用して大統領になり、メディアにも対抗したが、今度はそのSNSがトランプ大統領の再選阻止に回る側となった」、なるほど。
・『既存メディア化するSNSが抱える課題  共和党の有力上院議員であるテッド・クルーズは、バイデン氏の息子の記事をブロックした問題で公聴会に召喚されたツイッター社CEOのジャック・ドーシーに対し、「選挙で選ばれていないおまえに、なぜ言論をゆがめる権利があるのだ」と激怒して、ドーシー氏を震え上がらせている。バイデン氏の息子の記事がリンクできるようになったのはその直後のことだ。実際、今回の米大統領選挙で、SNSは言論をいくらでも操作できることがあらわになってしまった。 もう一つのSNSの問題点として、「自分に近い立場の言論にしか触れられなくなる」という点が挙げられる。たとえば、フェイスブックでは政治的に自分に近い立場の人ばかりを「友達」として推薦してくるし、ユーチューブでは自分が好む内容のものばかりを「オススメ動画」として提示する。そうやって提示される人物や動画ばかりになれば、それ以外の立場の人たちの声に触れられなくなってしまう。 しかも、これまで保守派の立て直しに一役買ったSNSが、今度は左派リベラルにバイアスがかかるようになれば、保守層の声はだんだん小さなものになり、長い時間を掛けて少数派に転落する可能性すらないとはいえないだろう。 既存マスコミの枠組みを壊し、民主主義の新たなメディアとして期待されるSNSが「バイアスのメディア」になってしまえば、これまでと同じ過ちを繰り返すだけでなく、民主主義で最も大事な「譲り合って接点を見つける」という作業ができなくなってしまう。まさに民主主義の危機だ。 私たちはSNSを民主主義に役立つものとして自由な言論場として成長させなければならない。ツイッターやフェイスブックが「既存メディア」と同じになってしまったら、「元の木阿弥(もくあみ)」である』、「SNSの問題点として、「自分に近い立場の言論にしか触れられなくなる」、というのであれば、「バイアスのメディア」となってしまい、分断を拡大する懸念もある。SNSの在り方が改めて問われている。
タグ:東洋経済オンライン ヤマザキマリ ソーシャルメディア ダイヤモンド・オンライン 白川 司 『たちどまって考える』 (その8)(ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態 「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない、SNS上の凶暴な言葉の刃、なぜ「漫画家は漫画だけやってろ」と書かれるのか、「バイデン大統領誕生」に貢献したSNSが抱える深刻な問題とは) 山口 真一 「ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態 「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない」 『正義を振りかざす「極端な人」の正体』 「ネット炎上」が「1日あたり3回以上」発生、「4月の炎上件数は、前年同月比でなんと3.4倍に増加」 「極端な人」は低学歴の引きこもり? 「弁護士懲戒請求問題」では「懲戒請求を送ったのは若い人どころか、なんと高齢者がほとんどということであった」、確かに意外だ 炎上参加者は「年収が高い」 「大阪府知事への殺害予告」の容疑者は、「年齢は35歳、飲食店経営」には意外感はない 「主任・係長クラス以上」が「炎上参加者」の割合が高いのは、何故なのだろう 自分の中の正義で他人を裁く 「「極端な人」というのは、己の中の正義に従って他者に攻撃を加えている、不寛容な人なのである」 正義による快楽の連鎖 「正義中毒」とは言い得て妙だが、本当に困った現象だ 満たされていない「極端な人」たち 「「極端な人」とは、一見すると幸せそうに見えても、実はまったく満たされていない人たちなのである」 「SNS上の凶暴な言葉の刃、なぜ「漫画家は漫画だけやってろ」と書かれるのか」 日本人はなぜSNSで“タガ”が外れがちなのか 日本のように世間体の戒律が厳しく、空気を読む必然性が高い国だと、普段思っていることをなかなか言語化できない。お酒の力を借りてやっと本音を言えるような環境にあるからこそ、日本におけるSNSの使い勝手は、普段から言いたいことを言語化できている他の国々とは、どこか違っているように感じられるのです 確かに日本の方が深刻化するリスクが大きそうだ 繰り返されるネット炎上は言葉の取り扱いの「不慣れさ」の表れ 近代になって「誰でも自由に思ったことを発言するのがデモクラシー」という西洋式の習慣が推奨されるようになった一方で、肝心の日本人はいまだに言語の持つ「凶暴性」を扱い慣れていない 言語の取り扱いに慣れていないという日本人の性質が、頻繁に起こるネット上の炎上に現れているような気がしてなりません 「漫画家は漫画だけ書いてろ」という意見は短絡的すぎる 「狭窄的で怠惰な想像力に甘んじている傾向を示している」とは痛烈な批判 「有名人の発信に簡単に影響される」ほうが問題である 自分なりの判断と考えを持たないとこの危機は乗り越えられない 今回のパンデミックも含め、メディアだけを頼れない状況下では、人々それぞれが今までにない想像力を持って、あらゆる人の言葉を受け入れ、咀嚼し、自分なりの判断と考えを持つという必要性に、いつになく迫られているようにも感じるのです 「「バイデン大統領誕生」に貢献したSNSが抱える深刻な問題とは」 「深刻な課題」 世論調査結果を左右するバイアス 既存マスコミのバイアスが、自由の象徴だったSNSにも持ち込まれ始めている フェイスブックで「いいね」を押すリスク 利用者の「いいね」を68個分析するだけで、その利用者の人物像がかなりのところまで絞り込める 肌の色、性的指向、支持政党、薬物・アルコール摂取、両親と片親のどちらで育ったかまで予測できるというのだ。 さらに、70個の「いいね」でその利用者の友人より、150個の「いいね」で親より、300個の「いいね」でパートナーより多くのことがわかり、さらに多くの「いいね」があれば利用者本人よりその人物のことがわかる 「いいね」を押せば押すほど、裸になっていくようだ フェイスブックがトランプ大統領を誕生させた 「バノン氏」が「ターゲット広告で広めようとした」「認識」は、確かによく練られていたようだ 今回の大統領選ではSNSがトランプ再選を阻止 トランプ大統領はこれまでSNSをフル活用して大統領になり、メディアにも対抗したが、今度はそのSNSがトランプ大統領の再選阻止に回る側となった 既存メディア化するSNSが抱える課題 「SNSの問題点として、「自分に近い立場の言論にしか触れられなくなる」、というのであれば、「バイアスのメディア」となってしまい、分断を拡大する懸念もある。SNSの在り方が改めて問われている
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人生論(その7)(池上彰「人生に必要な“読解力”を『聞く』と『伝える』で鍛える」 社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?(3)、西和彦氏へのインタビュー:1ミリの“ごまかし”でも一発アウト! ビル・ゲイツ「驚愕のマネジメント法」、Googleがフェイル・ベルを鳴らし「さっさと失敗しろ」というワケ) [人生]

人生論については、11月17日に取上げた。今日は、(その7)(池上彰「人生に必要な“読解力”を『聞く』と『伝える』で鍛える」 社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?(3)、西和彦氏へのインタビュー:1ミリの“ごまかし”でも一発アウト! ビル・ゲイツ「驚愕のマネジメント法」、Googleがフェイル・ベルを鳴らし「さっさと失敗しろ」というワケ)である。

先ずは、11月23日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの池上彰氏による「「人生に必要な“読解力”を『聞く』と『伝える』で鍛える」 社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?(3)」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77490?imp=0
・『「日本人の読解力が急落」――2019年のそのニュースは各新聞を賑わせ、日本中に大きな衝撃を与えた。では、そもそも“読解力”とは何を指すのか、人生においてどう位置づけられるのか…。 たとえば、「場違いな発言や行動をしてしまう人がいるけれど、いったいどうして?」「仕事がうまくいく人といかない人の違いは何?」「すぐ人と打ち解けられる人はどこが違うの?」などなど……その答えが「読解力」。 池上先生が、人生でいちばん身につけたい生きる力=「読解力」のつけ方を伝授。社会に出たらこの力こそ最大の武器です。 講談社+α新書『なぜ、読解力が必要なのか?』から注目の章を3日連続でピックアップ!』、「読解力」とは興味深そうだ。
・『「聞く力」を上げる質問のコツ  他者とのコミュニケーションの「場」を読み解く力を鍛えるために、「聞く力」と「伝える力」を鍛えていきましょう。 私の場合、NHKで「週刊こどもニュース」に11年間携わり、毎週生放送で小学生や中学生にものごとを説明してきた経験が、「聞く力」と「伝える力」を鍛えるのに役立ったと思います。相手が何を言いたいのか、質問の意味はどういうことで、本当に知りたいことは何だろうかと思案したり、あるいはこういう伝え方でわかるだろうかと試行錯誤したりしてきた経験です。 第一に大切なのは、「相手が何を言いたいのか」を常に考えながら聞くということです。相手がよほどプロの伝え手でもなければ、会話においては普通、言葉足らずな言い方をしているに違いないのです。 ちょっと言葉足らずな説明や報告を受けたときに、「たぶんこういう意味だろうな」と自己完結してその場を流してしまうのではなく、「それってどういうことなの?」「何か説明が抜けているんじゃないの?」などといち早く察知し、聞き返す習慣をつけましょう。ポイントを突いた「いい質問」ができるようになれば、読解力が身につきます。 日本人は引っ込み思案というか遠慮するというのか、みんなの前であまり質問をしません。それではダメです。わからないところをわからないで済ませないで、「何がわからないのか」を常に考えて質問することが大事です。 ただ上司に関しては、その上司に人間的な包容力があるかないかで対処法が変わります。包容力がある上司なら、何を質問しても答えてくれます。しかし包容力のない上司なら、大人数の会議の場などで「部長、それはどういうことですか?」などと質問をすると、「お前はそんなこともわからないのか」とけなしてきたり、さらにひどい場合には「お前は俺に恥をかかせて、逆らう気か」なんて言い出したりしかねません。 そんな器の小さい上司に対する処世術としては、会議が終わったあとなどに「すみません部長、私の理解力が足りなくて、ここのところがわからなかったんですけど」とへりくだりつつ聞くほうがいい場合があります』、「ポイントを突いた「いい質問」ができるようになれば、読解力が身につきます」、私が非常勤で教えていた時に、「質問」を促して「いい質問」には点を上げていたが、それでも「質問」は少なく、ガッカリしたものである。
・『聞き上手な人のリアクション  質問に関しては、リアクションで補う手もあります。相手が言葉足らずな説明をしたときに「それはどういうことですか」「意味がわかりません」などと言ったら、相手によっては萎縮しますし、人間関係にもヒビが入るかもしれません。そこで活用できるのが、ノンバーバルコミュニケーションという言語以外での身体表現です。 よくわからないときは「え?」と言いたげに首を傾げる、わかったときには「うんうん」としきりに頷く。これは実は、テレビの世界に入って学んだことです。 通常の会話で私たちは、「はい」「うん」などと声であいづちを打っています。そうしないと相手もしゃべりにくい。あいづちを打って初めて会話が成立します。 しかしテレビカメラを持って相手にインタビューする場合、聞き手がいちいち声であいづちを打っていると、それが全部音として入ってしまい、相手の話のみで編集したいのにできなくなってしまいます。一方であいづちを一切打たないでマイクを向けると、相手がしゃべりづらくなります。 そこで、ノンバーバルコミュニケーションです。聞き手の自分はカメラに映らないところで、身振り手振りであいづちを打つのです。相手の話す内容がよくわからなかったら、表情で「え?」という顔をする。よくわかるときにはしきりに頷く。結果的に、相手がこの「声を出さないあいづち」に励まされてしゃべってくれます。 つまりコミュニケーションにおいて「よい聞き手」になるということは、全身を使ってよい聞き手になるということです。 テレビ番組で画面の隅に小さな窓のようなものが出て、出演者の表情が映っているのを「ワイプ」と言います。そこに映るその表情は大変参考になります。出演者たちは、頷いたり、小首を傾げたりしながら映っています。話し手はそういった表情を見ると「あ、ちょっとわかりづらかったんだな。じゃあもうちょっと説明しよう」という気になります。これが聞き上手への第一歩です。 特に小首を傾げるときには、下の方から上目遣いで見上げてみてください。そうすると相手に威圧を感じさせず、へりくだった立場で「教えてください」というふうに受け取ってもらえます』、私の講義の際に熱心な学生が、大事な部分で頷いたりする「ノンバーバルコミュニケーション」は、張り合いがあったが、一部のよく出来る学生に合わせるのは、その他大勢を無視したことになると、あとから反省させられた。
・『プロカウンセラーの聞き方  聞き上手とは、相手と同じ気持ちに立って、相手が一体何を言いたいのか、相手の言うことを一生懸命理解しよう、というように共感が上手な人を指します。そうだよね、自分もそう思うよ、遠慮しないでもっと言ってね、という態度を出すことによって、相手の言葉を引き出すことができるのです。 カウンセラーはそういうことに長けている人で、共感力が最も必要です。いろいろな相談に対して「あなたの気持ちはわかりますよ」「そうだよね、大変だよね」と頷くことで、相手を「もうちょっとしゃべってみようか」という気持ちにさせる。 優れたカウンセラーは不思議なもので、アドバイスをする必要がないんだそうです。ただひたすら共感力をにじませながら聞いていて、相手は自分の思いをありったけしゃべれたことで満足したり、しゃべるうちに自分で解決策を見つけたりして、満足して帰るのです。 NHK「週刊こどもニュース」では、スタジオ収録で子役の子たちと会話をするだけでなく、実際の学校に行って小学生や中学生と会話をする機会もありました。 そのときに心がけていたことは、常に視線の高さを同じにするということです。普通に立って、子どもたちを上から見下ろすかたちで会話をするのではなく、膝をつくなどして相手の視線と同じになるようにします。それによって相手を理解したいという気持ちが相手の子どもにも伝わるのです。大人同士であれば、しっかりと視線を合わせるということです。自然と動作にも表れる「理解しようとする心」こそが、読解力だとも言えるでしょう。 ちなみにテレビ取材では、子どもを撮影するときにはカメラマンも膝をついて撮っています。子どもの顔を真正面から撮ると、よりかわいらしく撮れるのです』、「優れたカウンセラーは不思議なもので、アドバイスをする必要がないんだそうです。ただひたすら共感力をにじませながら聞いていて、相手は自分の思いをありったけしゃべれたことで満足したり、しゃべるうちに自分で解決策を見つけたりして、満足して帰るのです」、「聞き上手」の極致なのだろう。「テレビ取材では、子どもを撮影するときにはカメラマンも膝をついて撮っています。子どもの顔を真正面から撮ると、よりかわいらしく撮れるのです」、いいことを教えてもらった。早速、実践してみよう。

次に、12月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した西和彦氏へのインタビュー「1ミリの“ごまかし”でも一発アウト! ビル・ゲイツ「驚愕のマネジメント法」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256739
・『ビル・ゲイツとともにマイクロソフトの礎を築き、創業したアスキーを日本のIT産業の草分けに育てるなど、偉大な足跡を残しながら、その後、両社から追い出され全てを失った西和彦氏。そんな西氏の「半生」を『反省記』として著した本が大きな話題となっている。 ビル・ゲイツという世界的な成功をおさめた人物と、西氏ほど深く付き合った日本人はいないだろう。その「仕事術」を間近に観察した西氏に、ビル・ゲイツが、どのように人と付き合い、仕事をしているのかを聞いた。さらに、ビジネスの最前線を生きてきた西氏だからこそ体験した、「ビジネスの実相」「人間模様」について、生々しい本音を聞いた(qは聞き手の質問、Aは西氏の回答)。 Q:ものすごく大きな成功や失敗をたくさん体験してきた西さんの『反省記』は、衝撃的なまでに面白かったです。そもそも登場人物がすごい。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、稲盛和夫さん、孫正義さんなど、超一級のビジネスマンが次々に登場して、圧倒されました。中でも、マイクロソフトの礎を一緒に築いたビル・ゲイツに対する、西さんの思い入れは半端ではないですね。西さんから見て、ビル・ゲイツの仕事の仕方できわだって印象的だったことは? A:とにかく、恐ろしく記憶力がいい。そんな印象が強くあります。前に言ったことは必ず覚えていて、ちょっと違うことを言ったら、「前に言ったことと違うじゃないか」と突いてくる。そこは本当にすごいと思います。 彼は仕事をしているとき、黄色いパッドにメモを取っているんですが、あれはメモを取っているというより、メモを取りながら完璧に記憶しているんです。そして、一度覚えたことは絶対忘れない。 それと、人から話を聞いても、すぐに鵜呑みにすることは絶対にせず、徹底して裏を取る。それが彼の仕事のやり方なんですよ。 それも一人ではなくて、何人もの人にチェックして、裏を取る。その人が言っていることが正しいのか、ウソはないのか。そういうところに徹底してこだわって仕事をしています。 それで、少しでも疑問を感じたら、とことん質問する。その質問にきちんと答えられなかったり、ウソがあったり、ごかましがあったら、アウト。二度と会ってはもらえません。そういう厳しさがあるタイプでした。 Q:怖いですね……。 A:僕なんかから見ると、ちょっと厳しすぎるんじゃないかなと思うこともありましたし、人間だから間違うこともあるし、「そこまで言わなくても……」と思うこともありましたけど、そういう厳しさを積み重ねていくことで、その人の信頼性を測るというか、その人間の言っていることがどれだけ信用できるかを見極めていたんでしょうね。そして、そのマネジメント力があったからこそ、マイクロソフトをあれだけの大企業に育て上げることができたのでしょう。 Q:なるほど。西さんから見て、ビル・ゲイツというのは人を一言で表現すると「どういう人」なんでしょうか。 A:一言で言うなら「戦う人」じゃないですか。 特にマイクロソフトをやっているときは、いろんな競争相手がいて、その相手と戦い、勝っていかなきゃいけないから、とにかく「戦う人」だった。 そうやって戦うことに疲れたから、近年は戦って稼いだお金を「配る人」になっていたんですよ。でも、コロナの問題が起こってからは、また「自分でなんとかするんだ」という戦闘モードに入ってるなという感じはありますね』、「ビル・ゲイツ」が「「配る人」になっていた」が、「コロナの問題が起こってからは、また「自分でなんとかするんだ」という戦闘モードに入ってる」、何に結実するのか楽しみだ。
・『「嫌なもの嫌」「ダメなものはダメ」と言い切る!  Q:ビル・ゲイツの「人を見るときの厳しさ」を伺ってきたんですが、西さん自身は「人を見るとき」のポイントのようなものは何かあるんですか? A:僕は何もないです。 Q:何もないんですか? A:だって、人を見て、評価したり、選ぶようなことをしていたら、ギクシャクするじゃないです。だから、僕は会社の採用面接とか、そういうことにもほとんど立ち会わなかったんです。 縁があって、会社に入ってきてもらったり、仕事で付き合うようになったら、それはもう、僕がどうこう判断する以前に、そういうふうに決まっているんだと思っていました。 この人は「信用できる、信用できない」というところをあんまり厳しくやっちゃうと、付き合いが狭まっちゃうから、そういうことはできるだけしないようにはしていました。 Q:そのなかでも、西さんから見て「この人とのビジネスはうまくいきそうだ」とか、「あんまりよくない」という感覚のようなものはあるんですか? A:「この人と一緒にやったら、関係がうまくいきそうだ」とか、そういうところはわかります。そういうのって、すぐにわかるじゃないですか。「黒いもの」「悪いもの」を背負ってる人っていうのは、すぐにわかります。 Q:「黒いもの」「悪いもの」を感じるときって、よくあるんですか? A:そりゃあ、ときどきはあります。たとえば、僕はマスコミとか、メディアにもよく呼ばれるんですけど、悪意のある見出しを立てて「おもしろがってやろう!」っていう雰囲気の取材とか、テレビの番組ってときどきありますからね。 Q:そういう「悪意」とか「黒いもの」を感じたときはどうするんですか? A:それはもう席を立って、帰ります。 Q:番組に出ないで、帰っちゃうんですか? A:そうです。そんな悪意に満ちて、人を笑い者にしようとするなんて、失礼な話じゃないですか。「嫌なものは嫌」「ダメなものはダメ」。『半沢直樹』の大和田常務風に言えば「死んでも嫌だね!」ってところです。そういう価値観や行動は昔から変わってないです。 以前、あるテレビ局の有名な番組に呼ばれたんですけど、出演料の問題で揉めたことがあるんです。最初に、金額交渉をしておかなかったこっちも悪いんですけど、僕は単純に「○○円以下なら、出ません」ということをお伝えしたんです。 そしたら番組のプロデューサーがやってきて、「そんなこと言ったら、二度のウチの局には出られなくなりますよ」って脅すんですよ。 テレビ局は他にいくらでもあるし、そもそも僕は、テレビに出るのが仕事の芸人さんとは違いますからね。その番組がどれほど視聴率を取ってるか知らないけど、僕にはそんなの関係ないんです。 向こうが僕に「出てほしい」と言って、僕は「○○円以下なら、出ません」って言っているだけなんですけど、そういうときに相手の人としての本質が見えることがあります。 Q:え、それで出演を断ったんですか? A:もちろん。そうしたら、「出てくれ、払うから」だって』、「そんな悪意に満ちて、人を笑い者にしようとするなんて、失礼な話じゃないですか。「嫌なものは嫌」「ダメなものはダメ」。『半沢直樹』の大和田常務風に言えば「死んでも嫌だね!」ってところです」、自分に自信があるからこそ出来るのでろう。
・『「合理性」を超えたものが、ビジネスを動かしている  Q:『反省記』のなかでも、リアルな人間関係がいろいろ描かれていて、ドラマを見ているようなおもしろさがあるんですが、本の中では触れていない「人とのエピソード」で印象に残っていることはありますか? A:人というか、企業そのものとの付き合いの話も含まれるんですが、僕がアスキーの社長だったとき、支払い遅延を起こしてしまったことがあるんです。ある月に64億円のお金が足りなくなってしまった。 自分の車や絵画を売ったり、いろいろやってなんとか3億円くらいは調達して、かろうじて給料は払ったんですけど、他がいろいろと支払いができなかったんです。 そのとき、K社という大企業に対する150万円の支払いが遅延してしまったんですが、2日後に、向こうの担当者が「今すぐ払ってくれ」と言って、請求書を再発行して持ってきたことがありました。 ウチがそのK社のフロッピーディスクを買っていたんですけど、その支払い料金が150万円。その担当者は「払ってくれるまで、今日は帰らない」と言って、ロビーに居座っているんですよ。 Q:弱りましたね……。 A:そうですね。まぁ、払えないこっちが悪いんだけど、払いたくても「ない」ものは「ない」んでね。 それでしょうがないから、僕は「枕と毛布を用意しなさい。泊まっていただきましょう」と言いましたよ。実際、K社の担当者は、150万円の未払金を回収するために、夜の12時くらいまでロビーにいました。 その一件があってから、当然K社との取り引きはやめました。一切、出入り禁止にしました。 Q:なるほど……。 A:それで、別の会社Mに話をして、「こんな潰れそうな会社ですけど、御社の製品を売ってくれませんか」と言ったら、「もちろん、いいですよ。西さん、会社なんてそんなにすぐに潰れるもんじゃないから、なんぼでも売りますよ。ウチの商品を使って、どんどん儲けてください」って言ってくれたんです。 人によって、会社によって、そういうところで差が出てくるということを強く感じたエピソードですね。 Q:こちらが苦しいときに、どんな態度を示してくるのか。そういうとき、相手の本質が見えるものなんでしょうね。 A:本当にそうですよ。 もっとすごい話があります。実は、さっき言った64億円の未払金のうち30億円は、D社という大手印刷会社のものだったんです。だから、僕はオーナー社長に会いに行って「大変申し訳ないんですが、お金がなくて今月の30億円お支払いできません。ちょっと待っていただけませんか。必ず払います」と言ったんです。 そしたら、その社長はなんと言ったと思います? 「アスキーさん、おたくとウチは、おたくの会社ができた頃からのつきあいで、もう20年になるじゃないですか。だから、ぜひウチへの支払いは最後にしてください。ウチはね、20年の付き合いのある会社に、30億円払ってもらえないくらいでキーキー言う会社ではありません」って言ってくれたんです。 すごくないですか? 「いつでもいいとは言わないけど、とにかく最後で結構。だから、西さん、キーキー言う会社に払ってあげたらいいじゃないですか」って言ってもらった。 当然、それ以降、アスキーから出す新雑誌のほとんどをD社にお願いするようにしました。ぼくのビジネスって、そういうことがたくさんありました。 Q:「情」のようなものが、ビジネスに及ぼす影響は大きいと? A:そうそう。まぁ、これは僕が反省するところでもあるんですけどね。 Q:どういうことですか? A:いや、これは『反省記』にも書いたことなんだけど、アスキーの経営が危機に陥って、いろんな銀行に融資をお願いして回ったときに、最初はすごくドライな対応をされたんですよ。 なぜかというと、アスキーの業績がよかったころに、僕たちは、ずっと、そのときに一番いい条件を提示した銀行から借りるというドライな付き合い方をしていたからなんです。会社の調子がいい時はそれでよかったんですが、窮地に立たされると立場は逆転。今度は、こっちがドライな対応をされるということになりました。 Q:因果応報のようなものですか? A:そういうことですね。ビジネスは合理性だけで動いているわけではないということですよ。 Q:とてもリアルで、非常におもしろい話です。実際『反省記』の中にも、そんなリアルで、興味深いエピソードがほかにもたくさん出てきますね。 A:長年ビジネスをやっていれば、そんな話はいくらでもありますよ。ビジネスにおいて合理性はきわめて重要だけど、それだけで世界が動いているわけではない。『半沢直樹』を見て、人間模様とか、人と人とのやりとりを面白かったと思った人には、ぜひ『反省記』を読んでもらいたいですね。きっと、楽しんでいただけると思いますよ』、「アスキーの経営が危機に陥って、いろんな銀行に融資をお願いして回ったときに、最初はすごくドライな対応をされたんですよ。 なぜかというと、アスキーの業績がよかったころに、僕たちは、ずっと、そのときに一番いい条件を提示した銀行から借りるというドライな付き合い方をしていたからなんです」、まさに「因果応報」で、文句を言えた義理ではない。
・『【ダイヤモンド社編集部からメッセージ】(西和 彦:著 価格:本体1600円+税 『反省記』 西和彦氏――。 これほど劇的な成功と挫折を経験した「経営者」がいたでしょうか? ビル・ゲイツとともに、マイクロソフト帝国の「礎」を築き、アスキーを史上最年少で上場させるなど、IT黎明期に、20代にして絶大な存在感を誇った西和彦氏。 しかし、その後、ビル・ゲイツと大喧嘩をしてマイクロソフトを追い出されたほか、資金難、創業メンバーとの訣別、主要役員の造反、アスキー社長からの陥落など、数多くの挫折を経験しました。 その西氏が、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、中山素平氏、大川功氏、稲盛和夫氏、孫正義氏など、超大物たちと織り成したリアル・ビジネスの裏舞台を綴りながら、自身の「成功と失敗」の要因をついに明かしたのが『反省記』です。これほど赤裸々で、切実な反省を記した経営者はかつていなかったでしょう。 本書は、IT黎明期の産業史そのものであるとともに、いつの時代も変わらないビジネスという営みの本質を示唆するとともに、今を生きるビジネスパーソンが多くの知恵を得ることができるに違いありません。ぜひ、ご一読ください』、興味深そうだ。

第三に、12月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したGoogle 最高位パートナー/イーテ?ィーエル株式会社代表取締役の平塚知真子氏による「Googleがフェイル・ベルを鳴らし「さっさと失敗しろ」というワケ」を紹介しよう』、興味深そうだ。
・『2020年もあとわずか。コロナ第三波が到来する中、ビジネスパーソンの中でも、リモートワーク大歓迎の「リモート強者」とリモート化になじめない「リモート弱者」に二極化しつつある。 あなたは「リモート強者」か?「リモート弱者」か? そんな時、心強い味方が現れた。 ITビギナーから「Google最高位パートナー」と呼ばれ、絶大な信頼を得ている平塚知真子氏だ。 平塚氏は、Googleが授与する資格(Google認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。 初の単著『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』が発売たちまち重版。本日日経新聞にも掲載された。大胆にもGoogleの70近いアプリを「10」に厳選。「10%改善するより10倍にするほうがカンタン」というGoogle急成長の秘密「10X(テンエックス)」で成果を10倍にする「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」をフルカラーで初めて公開した。 “日本一のマーケッター”の神田昌典氏(マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員)が「全部無料! こんな使い方、あったのか」と大絶賛。曽山哲人氏(サイバーエージェント常務執行役員CHO)も「想像以上に知らない機能があった」というノウハウとはどんなものか。 では、“リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう』、どんなことなのだろう。
・『★質問 挑戦への恐怖心をどうやって克服すればいいのでしょうか?  新しいことに興味があり、挑戦してみたいです。 でも、もし行動して失敗したら、誰かに「笑われるかもしれない」「見放されるかもしれない」と思うと、怖くてあきらめてしまいます。 でもやらない後悔もあり、この思考停止状態をなんとかしたいのですが…。 ☆回答 「さっさと失敗しましょう」  「失敗が怖い」のは、誰もが感じている当たり前のことなので心配しないでください。 ただ、現代は変化への対応力が、あなたの武器になる時代。 やはり何もしないで後悔するよりも、新しい状況にどんどん挑戦していけたほうがいいですよね。 参考になると思うのが、2019年に日本で初めて開催された Google 主催のイノベーターアカデミーに参加した方から聞いたエピソードです。 イノベーターアカデミーは、テクノロジーを使って重要な課題の解決に取り組む熱意あふれる教育者を認定する研修です。 ここでは「デザイン思考(Design thinking)」がGoogle のアプリ群を革新的に活用するために紹介されました。 デザインというと、「デザイナー以外関係ない話では?」と思いがちですが、本来この言葉には「設計する」という意味があり、創造的な問題解決のプロセスを指すものです。 デザイン思考とは、Google をはじめ大企業が多数採用している「利用者がまだ気づいていない本質的なニーズを見つけ、変革させるためのイノベーション思考」といえます。 世の中には綿密に計画し、正確な予測を立て、正確な企画書をつくり、リスクを考えてからでないと始められない人が多いのですが、そうしていると時間だけがすぎていきます。 デザイン思考のワークでは、「観察」→「アイデア出し」→「試作」→「テスト」を繰り返し、できるだけ早く実行することが求めれます。  Google では「Fail fast.(さっさと失敗しろ)」が合言葉。 失敗を避けようとするのではなく、むしろすぐに失敗してその失敗から学ぶべしということです。 次のアクションにつながるうまくいくものといかないものを見分けるために、失敗が必要という考え方です。 Google では、フェイル・ベル(失敗の鐘)という失敗をお祝いする文化まであります。 これは Googleのイノベーターアカデミーに参加した先生からお預かりした実物。 誰かが失敗すると、「失敗、おめでとう!」とベルを鳴らして盛大に祝うのです。 こうしたオープン・マインドな文化が、 Google の10X を支えています。 今までの常識では、完成させ、完璧な状態になってから人に見せるべきところですが、Google では、「できていないところ、未完成な部分があっても大丈夫! 全部見せ合い、仲間の力を借りて、もっとよくする」「早く学ぶことが大事」という考え方が大切にされているのです。 こんな Google の考え方がわかり、 Google の無料のアプリ群を使って生産性を劇的向上させる方法を初の単著に書きました。ご一読いただけたらと思います。)(著者略歴はリンク先参照)』、「失敗を避けようとするのではなく、むしろすぐに失敗してその失敗から学ぶべしということです。 次のアクションにつながるうまくいくものといかないものを見分けるために、失敗が必要という考え方です。 Google では、フェイル・ベル(失敗の鐘)という失敗をお祝いする文化まであります:、「フェイル・ベル」で「お祝いする」とはさすが徹底している。
・『【著者からのメッセージ】(Google 最高位パートナーが”リモート弱者”が”リモート強者”に変わる史上最強「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」を初公開! はじめまして。Google 最高位パートナーの平塚知真子です。 このたび、『Google式10Xリモート仕事術』を出版しました。 これまでのアプリ本の大半は、操作法を解説しているだけでした。 しかし、それらを熟読しても、仕事の生産性を劇的に向上させることはできません。なぜなら、生産性を劇的に向上させるには、「複数のアプリを連携させて使う」そして、「1つのアプリを関係者全員と使う」という新常識=「マルチアプリ・マルチユース」に頭を切り替える必要があるからです。 その「幹」を学ばずして、アプリという「枝」だけを学んでも、「ITを効率的・主体的に活用する」大目的には決して近づけないのです。 そこで、 Google が認定する最高位パートナーである著者が、リアルならパフォーマンスを発揮できるけれど、リモートは苦手という”意識高い系アナロガー”のあなたへ、対面よりリモートのほうが成果10倍になる「10X(テンエックス)の思考法とノウハウ」を一挙初公開しました。 執筆期間は実に1年半。 Google 最高位パートナーの私が、これだけは! というノウハウを凝縮した188ページ決定版。 マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員で、経済誌で”日本一のマーケッター”と評された神田昌典氏も、「こんな使い方、あったのか」と大絶賛のノウハウです。 Google が認定する最高位のパートナー資格とは、個人においては Google 認定トレーナー、法人パートナーにおいては、Google Cloud Partner Specialization Education になります。 いずれも Google の厳しい審査基準をクリアし、 Google のアプリ群をどのように活用すれば問題解決ができるのか。指導、成果の実績があると公式に証明されたものです。 私は、ITの活用を初学者に指導する教育活動を20年以上、現在では教育者を中心に年間3000人、のべ2万人超の教育者およびビジネスパーソンに体系的な研修を行ってきました。 そのため日頃から、組織や受講生の悩みを解消するITを活用した解決策を熟知しています。 チームメンバーの一人ひとりが、自分にもできる! というやる気と自信を引き出す”10Xリモート仕事術”を駆使して成果を挙げています。 その経験を活かし、本書では、70近くある Google の無料アプリ群を大胆にも「10」に厳選。 「コミュニケーション」「コラボレーション」「マネジメント」の3つの「CCM」を軸とした「10X・10アプリ(テンエックス・テンアプリ)」であなたの仕事を成果10倍にするノウハウを凝縮。 さらに、アプリ本嫌いなあなたのために、読み物として最後まで面白く読める工夫を随所に散りばめました。 「さすがに70近い Google のアプリは使いこなせない!」 そうですよね。 ですから、無駄な9割を大胆カットし、成果を挙げる1割の本質だけを抽出しました。 だから、本書1冊だけ読めばいいのです。 ただ、ページ数を可能な限り薄くしましたが、中身は一切妥協していません。 とりわけ Google を活用した「ITの段差」をなくす活用術は、これまでの常識をくつがえすものかと思います。  Google アカウントを取得して、Google の全アプリで仕事をしてみるだけで、誰もが時代の進化にスイスイ乗って生産性を劇的向上できます。 もし、あなたが今、「withコロナ時代のリモートワーク」に不安があるなら、本書を読み終える頃にはそんな不安は一掃されているでしょう。 効果検証済の体系的な理論と使えるノウハウが身につき、今まで誰も教えてくれなかったIT活用の「イメージ」がはっきりと手に入るからです。 それに、こんな秘密、知りたくありませんか? ●なぜ、ほとんどの人は、ホントの Google を知らないのか? ●なぜ、Google を使うだけでは「劇的な成果」が出せないのか?●Google はホントに安全なのか? 実は、これらの答えは、すでに Google 公式サイトに一般公開されています。 しかしながら、これまで誰もその内容について解説してくれませんでした。 その要因の1つが、 Google のビジネスモデルです。 Google の収入は、その9割が広告。Google のアプリ群は無料。誰もが使える。 なのに、その使い方や機能はすべてがブラックボックスのまま! さらに、一つひとつのアプリを熟知する人はいても、70という膨大な Google アプリの全体像を把握している人はそうはいません。 そこで、Google 最高位パートナーの著者が、どうすれば Google で生産性を向上させることができるのか、という法則を本邦初公開したのが本書です。 その法則を明かすうえでキーワードが3つあります。 コミュニケーション、コラボレーション、マネジメント。 頭文字を取って10Xを実現する「Google式CCM」です。 本書をフル活用すれば、今までより10倍速く、10倍の成果を挙げられるようになります。 「理解する」→「使ってみる」→「成果を挙げる」の順で本書をフル活用すれば、必ず結果が出ます。  そうするとどんどん面白くなり、Google式 10Xで”リモート弱者”が”リモート強者”に変わる! あなた自身も、まわりの方も、ゾクゾクする瞬間を楽しみにしていてください。(以下の紹介は省略)』、余りにもPR臭が強く、肝心のことは本を読まないと分からないので、フラストレーションがたまってしまった。結果的につまらないものを紹介したことをお詫びしたい。
タグ:池上彰 人生論 ダイヤモンド・オンライン ノンバーバルコミュニケーション 現代ビジネス 『反省記』 (その7)(池上彰「人生に必要な“読解力”を『聞く』と『伝える』で鍛える」 社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?(3)、西和彦氏へのインタビュー:1ミリの“ごまかし”でも一発アウト! ビル・ゲイツ「驚愕のマネジメント法」、Googleがフェイル・ベルを鳴らし「さっさと失敗しろ」というワケ) 「「人生に必要な“読解力”を『聞く』と『伝える』で鍛える」 社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?(3)」 「日本人の読解力が急落」 講談社+α新書『なぜ、読解力が必要なのか?』 「聞く力」を上げる質問のコツ ポイントを突いた「いい質問」ができるようになれば、読解力が身につきます 聞き上手な人のリアクション 熱心な学生が、大事な部分で頷いたりする「ノンバーバルコミュニケーション」は、張り合いがあった 一部のよく出来る学生に合わせるのは、その他大勢を無視したことになると、あとから反省 プロカウンセラーの聞き方 優れたカウンセラーは不思議なもので、アドバイスをする必要がないんだそうです。ただひたすら共感力をにじませながら聞いていて、相手は自分の思いをありったけしゃべれたことで満足したり、しゃべるうちに自分で解決策を見つけたりして、満足して帰るのです」、「聞き上手」の極致なのだろう テレビ取材では、子どもを撮影するときにはカメラマンも膝をついて撮っています。子どもの顔を真正面から撮ると、よりかわいらしく撮れるのです 西和彦氏へのインタビュー 「1ミリの“ごまかし”でも一発アウト! ビル・ゲイツ「驚愕のマネジメント法」」 「ビル・ゲイツ」が「「配る人」になっていた」が、「コロナの問題が起こってからは、また「自分でなんとかするんだ」という戦闘モードに入ってる」、何に結実するのか楽しみだ 「嫌なもの嫌」「ダメなものはダメ」と言い切る! そんな悪意に満ちて、人を笑い者にしようとするなんて、失礼な話じゃないですか。「嫌なものは嫌」「ダメなものはダメ」。『半沢直樹』の大和田常務風に言えば「死んでも嫌だね!」ってところです 「合理性」を超えたものが、ビジネスを動かしている アスキーの経営が危機に陥って、いろんな銀行に融資をお願いして回ったときに、最初はすごくドライな対応をされたんですよ。 なぜかというと、アスキーの業績がよかったころに、僕たちは、ずっと、そのときに一番いい条件を提示した銀行から借りるというドライな付き合い方をしていたからなんです 「因果応報」 ダイヤモンド社編集部からメッセージ 平塚知真子 「Googleがフェイル・ベルを鳴らし「さっさと失敗しろ」というワケ」 “リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう 質問 挑戦への恐怖心をどうやって克服すればいいのでしょうか? 回答 「さっさと失敗しましょう」 失敗を避けようとするのではなく、むしろすぐに失敗してその失敗から学ぶべしということです。 次のアクションにつながるうまくいくものといかないものを見分けるために、失敗が必要という考え方です。 Google では、フェイル・ベル(失敗の鐘)という失敗をお祝いする文化まであります 「フェイル・ベル」で「お祝いする」とは徹底している 【著者からのメッセージ】
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