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日本の構造問題(その27)(「絶滅する組織」と「生き残る組織」の違い 世界トップ2に選出された経営学者が徹底解説! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(前編、終身雇用とイエスマン人生 米著名経営学者が「日本企業のジレンマ」を徹底分析! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(後編)、岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側) [経済政治動向]

日本の構造問題については、5月27日に取上げた。今日は、(その27)(「絶滅する組織」と「生き残る組織」の違い 世界トップ2に選出された経営学者が徹底解説! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(前編、終身雇用とイエスマン人生 米著名経営学者が「日本企業のジレンマ」を徹底分析! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(後編)、岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側)である。

先ずは、5月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したニューヨーク在住ジャーナリストの肥田美佐子氏による「「絶滅する組織」と「生き残る組織」の違い、世界トップ2に選出された経営学者が徹底解説! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(前編)」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/303242
・『ベストセラー『競争優位の終焉』の著者で、NYのコロンビア大学ビジネススクール教授であるリタ・マグレイス氏。「世界の経営思想家トップ50」の常連であり、2021年にはトップ2に選ばれた。競争優位とイノベーションの権威であるマグレイス教授は、『Seeing Around Corners: How to Spot Inflection Points in Business Before They Happen』(『曲がり角の先を見通す――ビジネスの変曲点を事前に見いだす』未邦訳、2019)の中で、企業の命運は「変曲点」を予見できるかどうかにかかっていると指摘。変曲点を見損なうと「破滅的結末」を迎える、と警告する同教授に話を聞いた(Qは聞き手の質問)、「ビジネスの変曲点を事前に見いだす」とは興味深そうだ。
・『「曲がり角の先」を見通せるリーダーだけが現代の市場で成功を手にできる  Q:教授のベストセラー『競争優位の終焉――市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける』(日本経済新聞出版)の原書が出版されてから約9年。テック企業による既存の業界の「破壊」やパンデミックによって、企業を取り巻く環境は過酷さを増しています。 2019年9月に上梓した『Seeing Around Corners』(『曲がり角の先を見通す』/未邦訳。企業におけるイノベーション研究における第一人者、故・クリステンセン教授が序章を担当した)では、「変曲点」が訪れる前にそれを予見し、その破壊的影響力を生かして自社の戦略的優位を築くことの重要性を、あなたは説いていますね。 (マグレイス氏の略歴はリンク先参照) この変曲点を見いだせるかどうかで、米アマゾン・ドット・コムや米ネットフリックスのように、既存の業界を「破壊」する企業になれるかどうかが決まる、と。変曲点を見いだせなければ、2010年に経営破綻した米ビデオレンタル大手・ブロックバスターのように「破滅的結末」を迎えることになると、あなたは警告しています。「曲がり角の先」を見通せるリーダーだけが、現代の市場で成功を手にできる、と。 ずばり、絶滅しそうな企業の特徴とは何でしょうか? リタ・マグレイス(以下、マグレイス) まず、「変曲点」とは、それまで当然だと思っていた状況が変化し、10倍の影響力を生み出すような大変革が起こる転換点のことです。長期的視野に立った投資に二の足を踏み、短期的視野でしか物事を見ていない企業は、変曲点に気づくことができません。 短期的視野が引き起こす弊害は2つ。まず、市場に出せるようなイノベーションを起こせないこと。次に、短期的視野に立った、間違っている前提に基づく投資決定を招くことです。苦境に陥っている企業は、代案を検討する時間を惜しむものです。 その典型的な例が、米ゼネラル・エレクトリック(GE)です。同社はかつて世界で最も称賛される企業でしたが、四半期ごとの決算を超えた視点に欠けていました。 GEは2015年11月、フランスの重電大手・アルストムのエネルギー事業を買収しました。向こう20年間は、再生エネルギーがコスト競争力のあるエネルギー源にはならないという見通しを立て、化石燃料がエネルギー源として持ちこたえられるという、誤った前提に賭けたのです。世界中の発電所にサービスを提供するというアイデアに基づく、大規模な買収でした。 ところが、GEの見立ては外れ、再生エネルギーの価格は下がり、気候変動対策が一大問題になりました。これは、企業が、到来する「変曲点」を見損なった代表例です。 次に、メディア企業を例に取りましょう』、「変曲点を見いだせるかどうかで、米アマゾン・ドット・コムや米ネットフリックスのように、既存の業界を「破壊」する企業になれるかどうかが決まる、と。変曲点を見いだせなければ、2010年に経営破綻した米ビデオレンタル大手・ブロックバスターのように「破滅的結末」を迎えることになると、あなたは警告」、「GEは2015年11月、フランスの重電大手・アルストムのエネルギー事業を買収」、「向こう20年間は、再生エネルギーがコスト競争力のあるエネルギー源にはならないという見通しを立て、化石燃料がエネルギー源として持ちこたえられるという、誤った前提に賭けた」、「「変曲点」を見損なった代表例」、なるほど。
・『既存の業界を「破壊する企業」と「破壊される企業」の3つの違い  私がコロンビア大学ビジネススクールで教え始めたのは1993年ですが、当時、ビデオメッセージを1億人に届けようと思ったら、大変な労力が必要でした。何人ものスタッフがアナログカメラで撮影し、テープを世界中に郵送しなければなりませんでした。まだデジタル化のはしりで、高速ブロードバンドのインターネット回線などなかったからです。 でも今や、ティーンエージャーが持っている安価な携帯電話にもメッセージを届けられる時代です。メディア企業にとって、ネットに接続できる誰もがライバルと化したのです。 30~40年前、大手テレビ局は1つの番組で60万~70万人の視聴者を魅了したものですが、状況は激変しました。コンテンツの数が増える一方で、視聴者層は、はるかに小規模化しています。人気のある番組でも、もはや60万人の視聴者を獲得することなどできません。 メディア事業全体の「経済学」が一変したのです。 Q:既存の業界を「破壊する企業」と「破壊される企業」の違いは何でしょうか? マグレイス 3つの大きな違いがあります。最大の違いは、「マインドセット」(発想・考え方)です。 2つ目は、リーダー層が、未知の実験に挑む度胸を持っていないことです。 現況はうまくいっていても、挑戦を怠るような「怠け者にはなるまい」という気概が大切です。新しいことを試し続けなければ、と駆り立てられるような「健全なパラノイア」精神とでも言ったらいいでしょうか。 リーダー層のあり方は極めて重要です。成功している企業では、リーダー層が、自分自身の利益と自社の利益のバランスをうまく取っています。でも、多くの企業のリーダー層は、そうではありません。自分たちの利益に固執する一方で、自社がうまくいっているか? 健全か? ということには無頓着です。 3つ目の大きな違いは、自社が属しているエコシステムとの関係をどのようにかじ取りするか? ということです。 多くの企業は、エコシステムとの関係など頭になく、自社のことだけを考えて計画を立てます。エコシステムが付加価値を与えてくれるとは考えないのです。 Q:企業を取り巻く環境が変化にさらされる中、経営陣は、手遅れになるまで問題の存在を認めないことが多いそうですね。経営陣が問題を頑(がん)として認めず、過去の競争優位にしがみつき、最悪の場合、自社を破滅的な結末に至らせるのはなぜでしょう? マグレイス 経営陣が変化の到来を認めたがらない理由はたくさんありますが、第1の理由は、「人間の特性」からくるものです。システムの刷新には「変革」という難題が伴い、新しいスキルや能力が必要になるからです。 2つ目の理由は、多くのリーダーが長期的視野で経営に臨んでいないことです。米国では、最高経営責任者(CEO)の在任年数は5年以下であることが多いため、在任期間以降も続くような変革には挑もうという気にならないのです。 本物の変革は長い年月を要します。5年で交代することが多いCEO には、10年かかるような変革への意欲など湧きません』、「メディア企業にとって、ネットに接続できる誰もがライバルと化したのです。 30~40年前、大手テレビ局は1つの番組で60万~70万人の視聴者を魅了したものですが、状況は激変しました。コンテンツの数が増える一方で、視聴者層は、はるかに小規模化しています。人気のある番組でも、もはや60万人の視聴者を獲得することなどできません」、「米国では、最高経営責任者(CEO)の在任年数は5年以下であることが多いため、在任期間以降も続くような変革には挑もうという気にならないのです。 本物の変革は長い年月を要します。5年で交代することが多いCEO には、10年かかるような変革への意欲など湧きません」、なるほど。
・『企業に求められるのは、許可不要の組織づくりと「ジグザグのキャリア」を持つリーダー  Q:『競争優位の終焉』や、「ハーバード・ビジネス・レビュー」2012年1~2月号に寄稿した「10年連続で好業績を続ける秘訣」(邦訳版はダイヤモンド社2013年1月号)で、あなたは、世界の企業4793社を対象にした研究を紹介しています。 2000~2009年にかけて、10年連続で純利益が年率5%以上増加するという異例の高成長を遂げた「アウトライヤー(外れ値)企業」は10社とのこと。日本企業では、ヤフー株式会社(当時)が入っていました。アウトライヤー企業の特徴として、リーダーシップと企業の価値観が安定していること、そして、たゆまぬイノベーションを挙げていますね。 マグレイス カギは、安定と、未来を見据えたイノベーションの組み合わせです。 絶えず何かを見直すことに、労力を費やす必要はありませんが、イノベーションの追求にどれだけ予算を組むかというダイナミックさも求められます。このバランスの取り方が難題なのです。 秘訣は、「過剰な変革を避けつつも、環境の変化に対応する」ことです。 リーダーは、従業員がイノベーションを目指して行動できるよう、(過剰な変化を抑えて)不確実性を和らげつつ、同時に、さらなる探求を奨励することが必要です。この2つのうち、いずれかを選べばいいという話ではないところがジレンマなのです。 不確実性のレベルが高まるにつれ、従業員が不確実性に立ち向かう後押しをし、「ある程度の確実性」を確保しなければなりません。 Q:不確実性が増す中、成功する企業に求められるものも変わりましたか? マグレイス この目まぐるしく変わるダイナミックな環境の下でうまくやっている企業のリーダーは、彼ら自身も往々にして、異なる環境下での経験が豊富です。 例えば、業務運営でキャリアをスタートさせ、マーケティングの分野に移り、またほかの分野に移行するといった具合です。機能的な理解の深さよりも、「ジグザグのキャリア」で体得した能力やスキルのほうが目立っています。 2つ目のポイントは、言わずもがな、デジタル全般に関する知識です。デジタル化により、人々の協働の仕方がどれだけ変わったかを理解していなければなりません。 3つ目のポイントが、迅速な意思決定を可能にする、「許可不要」の組織づくりです。組織構造自体が「競争優位」の源泉になり得るからです。 組織が多層構造から成り、上司から逐一、承認を得なければならないと、意思決定に時間がかかり、何か起こったとき、素早く対応できません。「許可不要の組織」を目指し、報告体制を刷新できれば、迅速な意思決定が可能です。 しかし、そのためには、戦略や目標を百パーセント明確にしておかねばなりません。上司の許可が要らない組織をつくるには、多くの条件を整え、その基盤を構築する必要があります。 例えば、アマゾンでは、意思決定の種類により、プロセスが異なります。 その決定が、重要な結果と高コストを招くものを「タイプ1の決定」とし、検討を重ねます。撤回できないため、時間をかけての、慎重な意思決定モデルです。 一方、「タイプ2の決定」は撤回が可能です。失敗しても、経営破綻に陥るような深刻な結果を招かないため、タイプ1のように時間をかけません。 ひるがえって多くの企業は、あらゆる意思決定を「タイプ1」として扱いがちです。5万ドルの実験の是非を問うプロセスも、6000万ドルの資本投資を決めるプロセスも同じなのです。 Q:米動画配信最大手ネットフリックスでも、上司の承認が要らないそうですね。 マグレイス そのとおりです。まず、有能な人材を雇い、同社が言うところの「能力密度を高める」企業文化を築き、何をなすべきかという指針を明確にし、裁量を与えるのがネットフリックスのやり方です。そうすれば、従業員が自ら状況の変化に適応してくれます。いわゆる「自由と責任」(F&R)文化です。 いちいち上司の承認を得る必要がない企業では、従業員が状況の変化に応じ、自ら戦略などを変えたりすることで、異なるチャンスが生まれます。そのため、多くの難題に直面しても、うまく乗り切れます。難局への対処法を熟知しているからです。 Q:アウトライヤー企業は、製薬からビール、建設、銀行まで、幅広い業界に及んでいます。 マグレイス 『競争優位の終焉』出版以降、競争が激しい分野について研究を重ねたところ、業界の垣根を超越した競争が繰り広げられていることが明らかになりました。アマゾンが好例です。 小売り企業でありながら、(米高級食品スーパーのホールフーズ・マーケット買収で)食品業界に進出し、(AWSなど)企業向けのサービスも展開し、ヘルスケア業界にまで事業を拡大しています。 つまり、今や企業を産業別にくくることなどできないのです。従来の企業戦略や、企業パフォーマンスの主要な決定要因としての「産業」という概念など、もはや通用しないのです。(後編へ続く)』、「まず、有能な人材を雇い、同社が言うところの「能力密度を高める」企業文化を築き、何をなすべきかという指針を明確にし、裁量を与えるのがネットフリックスのやり方です。そうすれば、従業員が自ら状況の変化に適応してくれます。いわゆる「自由と責任」(F&R)文化です。 いちいち上司の承認を得る必要がない企業では、従業員が状況の変化に応じ、自ら戦略などを変えたりすることで、異なるチャンスが生まれます。そのため、多くの難題に直面しても、うまく乗り切れます」、「「自由と責任」(F&R)文化」が出来上がれば、あとは楽だが、出来上がるまでには相当の困難もあるのだろう。

次に、6月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したニューヨーク在住ジャーナリストの肥田美佐子氏による「終身雇用とイエスマン人生、米著名経営学者が「日本企業のジレンマ」を徹底分析! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(後編)」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304675
・『ベストセラー『競争優位の終焉』の著者で、NYのコロンビア大学ビジネススクール教授であるリタ・マグレイス氏。「世界の経営思想家トップ50」の常連であり、2021年にはトップ2に選ばれた。競争優位とイノベーションの権威である同教授は、日本企業をどう見ているのか? 日本企業がポストコロナ時代を乗り切るには? パーパスやESG、従業員のウェルビーイングに無頓着な企業の末路は? リスクをチャンスに変える企業の特徴は? 落ち着いた口調と冷静な分析が印象的な経営学者、マグレイス氏が日本企業のリスクと強みを語る』、興味深そうだ。 
・『ダイバーシティが欠如する企業は現地市場の顧客のニーズを理解しにくい  Q:(前編から)大きな変化が到来する「変曲点」を事前に見いだせるかどうかで企業の命運が決まる、ということですが、教授の目から見て、存続が危ぶまれる日本企業はありますか? リタ・マグレイス(以下、マグレイス) 日本の金融システムに照らしてみると、企業は、自社の意思決定が引き起こす最悪の結果から守られることが多いように見えます。 とはいえ、日本企業は大きな問題を抱えています。それは、スピードが非常に重要な時代にあって、(意思決定などの)動きが遅いことです。 また、意思決定グループにダイバーシティ(多様性)がない点も、最も大きな問題の1つです。日本企業では、依然として、女性や日本文化に属していないアウトサイダーが発言権を持つのは至難の業でしょう? 意思決定者が日本人男性ばかりでは、例えば中南米やアフリカで製品を売ろうと思っても、まったくお門違いの品ぞろえになってしまいます。ダイバーシティの欠如により、多くの日本企業は、海外市場において現地の顧客のニーズを理解しにくいという、多大なリスクを抱えています。 一方、日本企業には強みもあります』、「日本企業では」、「意思決定グループにダイバーシティ(多様性)がない点も、最も大きな問題の1つです」、「多くの日本企業は、海外市場において現地の顧客のニーズを理解しにくいという、多大なリスクを抱えています」、なるほど。
・『日本が誇る「クオリティ」は他国に追い付かれつつある  意思決定に時間がかかる分、計画が熟考され周到に練られているため、いざ実行の段階になると、素晴らしい手腕を発揮します。日本企業にはもう希望がない、などとは決して思いません。 Q:『フォーブスジャパン』2015年5月号でインタビューした際、教授は日本企業について、コンセンサスの形成や質の高い製品・サービス、仕事の正確さといった、大きな長所があると称賛しました。一方で、そうした強みは遂行に時間を要するものばかりだと指摘しています。変化の速度が加速する中、それこそが「日本企業のジレンマ」だと。 また、日本企業には「イノベーション」への障壁が多すぎると分析。ベテランの男性社員が恩恵を受ける終身雇用制度や、厳格なヒエラルキーは、女性の進出にとってマイナスだ、という指摘もしています。現在も、日本企業に関する教授の分析は変わりませんか? マグレイス そうした日本企業の構造は、ちょっとやそっとでは変わらないと思います。変わるとしても、ごくゆっくりとしたペースでしょう。 一方、日本市場は依然として大規模であり、国内市場ではうまくやっています。その点で、日本企業にもまだ優位性があるのは間違いありません。ただ、日本は、かつて世界の企業を圧倒していた「クオリティー」の点で、他国に追い付かれつつあります。 その意味で、日本企業は、次に競争優位を築ける領域を探さなければなりません。 Q:イノベーションには、平均して数年~7年を要するといわれています。従業員の勤続年数が短い米国企業と違い、長期勤続が前提の日本企業は、従業員が腰を落ち着けてイノベーションに取り組めるという点で有利でしょうか? マグレイス そう思います。終身雇用制度は、柔軟性の欠如や従業員がリスクを取ろうとしないことなど、多くの問題がある一方で、長い年月をかけて知識や能力を高めることができるという良い面もあります。会社から会社へと転職していては、そうしたことは困難です。 ただ、終身雇用制度には、同制度特有のヒエラルキーに従わなければならないという、イノベーションの阻害要因があります。そのため、変化を起こしにくいのです。 Q:大企業の終身雇用制度には、イノベーションにとってマイナスな、硬直性や惰性・怠惰を招くリスクもあります。 マグレイス 別に意地悪な見方をしているわけではありませんが、終身雇用制度の下では、チーム内のメンバーに失礼な言い方をしたり、本当の意味で信頼に足る行動を取ったりといったことを避けがちです。そうした行動を取らないことで、初めてチームの一員として歓迎される、という恩恵を得られるからです。 社内で悪いニュースを察知しても見て見ぬふりをする傾向があり、嘘をついているとまでは言いませんが、真実を言わないことに対し、おとがめも受けません。「社内の人間関係と調和」が重視されるからです。 ずっと同じ会社でやっていかなければならないため、ことのほかこうした社内政治への気配りが、(出世などの点で)大きな利点につながってしまうんですね。 同じ会社で何十年も勤め上げるということには、悲しいかな、そうした側面があります。従業員は、会社という「社会」に適応することにひたすら心を砕くのです。1社で生涯やっていくには、気難しい人だと思われたり、何かと反論してくる人だと思われたり、不愉快な人だと煙たがられたりしたら、まずいからです。 その結果、何が起こるのか? 自分のキャリアに枠がはめられ、できることが限られ、誠実な言動も、お互いに異を唱え合うこともままならず、常に「イエス」を繰り返すばかりの仕事人生になりがちです。危険人物だと見なされないように、です』、「社内で悪いニュースを察知しても見て見ぬふりをする傾向があり、嘘をついているとまでは言いませんが、真実を言わないことに対し、おとがめも受けません。「社内の人間関係と調和」が重視されるからです。 ずっと同じ会社でやっていかなければならないため、ことのほかこうした社内政治への気配りが、(出世などの点で)大きな利点につながってしまうんですね。 同じ会社で何十年も勤め上げるということには、悲しいかな、そうした側面があります」、こうしたマイナス面があることも確かだ。
・『EVによる「アーキテクチャの変更」で日系グローバル企業の優位性が危ぶまれる恐れ  Q:現在も世界の市場で大きな成功を収めている唯一の主要日系グローバル企業、トヨタ自動車でさえ、「電気自動車(EV)時代を生き残れるのか? 」という声も聞かれます。 マグレイス トヨタが膨大なリソースと極めて有能な人材を抱えていることを考えると、大丈夫だとは思いますが、今後、テクノロジーで後れを取れば、どのような事態も起こり得ます。 というのも、EVは「アーキテクチャの変更」と言われる抜本的な構造変化をもたらしたからです。 例えば、ガソリン車などに比べ、メンテナンスが楽になりました。その結果、トヨタが長年誇ってきた自動車のクオリティーという大きな優位性が損なわれる可能性があります。 これまでは、車のクオリティが低いと、予想外の修理やメンテナンスにお金がかかりましたが、EVは部品の数自体が少ないため、従来の車ほどメンテナンスにコストがかかりません。ひとたびEVが自動車市場で主役を占めるようになったら、内燃エンジン車が主流だった時代に比べ、市場全体で修理の必要性が大幅に減るとみられています。 つまり、「うちの車を買えば、修理は不要ですよ」という、トヨタの売りや優位性がなくなる恐れがあります。それを避けるためには、テクノロジーへの投資が必須です。トヨタのことですから、すでに注力していると思いますが。 Q:日本企業がポストコロナ時代を乗り切るには、どうすればいいでしょうか? マグレイス もっとも重要なことは、企業のリーダーがどのようなアジェンダ(課題/計画)を持っているかです。 イノベーションや自社の成長、変革をアジェンダのトップに掲げることなく、「何でも自分で解決しなければ」というマインドセット(考え方)で日常の短期的な業務に忙殺されているようでは、リーダーとして有用な仕事をしているとは言えません。 重要なアジェンダに十分な時間を割くことができず、「未来」のために必要な投資を怠ることになるからです。 Q:リスクをチャンスに変える企業の特徴は? マグレイス 積極的に小さなリスクを取ろうとすることです。「答えは見えないが、小さな実験を重ね、そこから価値を見いだし、それをフルに生かそう」とする姿勢が大切です。小さなリスクを取って、そこから何かを学ぼうとする企業が成功を手にできます。 実験が失敗に終わり、思うような結果が得られなくても、その失敗が会社にとって許容範囲内で済むような、小さな実験を重ねることです。 成功している企業は最初から大きなリスクを取っていると考えがちですが、実際は違います。小さなリスクを数多く取って、実験やイノベーションを重ねることで成功をつかんだあと、大きなリスクを取ろうという決断に至るのです。 Q:小さなリスクを取って成功した企業の具体例を教えてください。 マグレイス 例えば、ブラインド販売専門の米EC(電子商取引)企業、Blinds.comが好例です(注:1996年創業のブラインズ・ドット・コムはテキサス州ヒューストンが本社で、もともとはカスタムメイドのブラインドを販売するスタートアップ系通販企業だったが、世界最大のブラインドEC企業に成長。米ホームセンター最大手のホーム・デポへ売却した)。 創業者で最高経営責任者(CEO)だったジェイ・スタインフェルド氏が折に触れて話していますが、彼はむしろリスク回避型で、小さな実験をたくさん行ったそうです。 「大きなリスクを取るタイプではない。大きな意思決定を迫られるような段階に至るまでには、数多くの小さなリスクを取るという経験を積んでいた」と。 スタインフェルド氏の新刊『Lead from the Core: The 4 Principles for Profit and Prosperity』(『基本理念にのっとって会社を率いる――利益と繁栄の4原則』未邦訳)にもあるように、彼はクレイジーで大きなリスクは取らず、用意周到に準備し、小さなリスクをいくつも取ったそうです』、「EVによる「アーキテクチャの変更」で日系グローバル企業の優位性が危ぶまれる恐れ」、由々しいことだ。「小さなリスクを数多く取って、実験やイノベーションを重ねることで成功をつかんだあと、大きなリスクを取ろうという決断に至るのです」、堅実なやり方だ。
・『利益一辺倒の組織はもはや生き残れない  Q:脱炭素戦略や気候変動への取り組みなど、企業のパーパス(存在意義)が重視されるようになりました。消費者を含めたステークホルダー(利害関係者)が企業にパーパスを求める中、利益一辺倒の組織は、もはや生き残れない時代になるのでしょうか? マグレイス そう思います。例えば、インスリン製剤を扱う米製薬会社は、企業の強欲が常軌を逸してしまった典型的な例です。(医療保険に入っていても)薬価の自己負担額が高すぎ、インスリンを買えず、(糖尿病患者などが)命を落とすケースも出ています。 その一方で、製薬会社は自社株を買い戻して株価を上げ、株主に大きな便益を図っています。もはや、非倫理的なボーダーラインを越えてしまっているのです。そうした企業は今後、人材の獲得やフランチャイズ事業の維持などに苦労することになるでしょう。 Q:パンデミックで社会や人々の価値観が急速に変わる中、最優良企業でさえ、パーパスや企業倫理、ESG(環境・社会・ガバナンス)、従業員のウェルビーイング(幸福/心身の健康)などに無頓着だと、今後は衰退の一途をたどることになるのでしょうか? マグレイス そうですね。企業は、社会に対して筋の通った行いをすることを前提に、事業を許可されているのですから、その基準にかなわない企業は衰退を余儀なくされます。   例えば、米国の電子たばこ会社は未成年の若年層をターゲットに大いにもうけるつもりでしたが、米政府が規制し、基本的に高収益を上げる道が閉ざされてしまいました。(社会問題化している)麻薬性鎮痛剤オピオイドの蔓延(まんえん)を引き起こした米製薬会社も同じです。 これらは、社会に有害な企業の行動を示す極端な例ですが、人々が耐えられないようなコストを課すような企業は、衰退の一途をたどるしかありません』、「企業は、社会に対して筋の通った行いをすることを前提に、事業を許可されているのですから、その基準にかなわない企業は衰退を余儀なくされます」、その通りだ。

第三に、6月25日付け東洋経済オンライン「岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/599204
・『6月22日、参院選が公示され、7月10日の投開票日に向けた選挙戦が始まった。 岸田文雄政権が発足してから約8カ月が経過した。岸田首相の経済ブレーンとして知られ、国内経済その他特命事項担当の首相補佐官を務めてきたのが村井英樹議員だ。 官邸での経験から、日本の課題の根幹がどこにあると見定めたのか。出身元である財務省など霞が関への注文を含め、今後の政権運営を占ううえで重要となる考え方について聞いた(Qは聞き手の質問、Aは村井氏の回答)』、「首相補佐官を務めてきたのが村井英樹議員」、初めて知った。
・『最大の課題は「将来不安の軽減」  Q:物価上昇への批判などから足元では若干低下傾向にありますが、各種世論調査における内閣支持率は50〜60%程度と比較的高い水準を維持しています。7月10日の参院選後は、しばらく国政選挙の予定がなく、政治的に安定した「黄金の3年」になるとも言われています。 A:メディアの方は「黄金の3年」とおっしゃるが、そういう感覚はあまり持っていない。まずは、参院選をしっかりと戦うことが大前提だ。 政権運営の一端を担っている側からすれば、安全保障やコロナ対策、経済や社会保障の問題などの課題に、とにかく日々懸命に対応しているというのが正直なところだ。私は官邸の末席に名を連ねているが、それでも政権発足後の8カ月は、人生の中で最も長く感じた8カ月だった。 過去の政権を振り返っても、政権や政局が落ち着いている時期というものは本当にあったのかというのが、偽らざる実感だ。「永田町は、一寸先は闇」。参院選投開票日までのわずかの間も含めて、気を引き締めていかなければならないと日々感じている。 (村井氏の略歴はリンク先参照) Q:首相補佐官として、広く経済政策を担当してきました。日本経済の最大の課題はどこにあるのでしょうか。 A:一言でいうと、将来不安だ。日本においては、企業収益が増加しているにもかかわらず、その果実が成長分野への投資や賃金引き上げに十分に回らず、また、家計においても消費が低迷してきた。その根本には将来不安がある。 企業が将来の市場の不透明感から投資や賃上げを躊躇し、個人は将来不安から消費を控えてしまう。それが日本経済の長期低迷の原因だと思う。 Q:マインドを変えるのはなかなか難しい。どんな手を打ちますか。 A:将来の市場の不透明感に対しては、岸田首相もたびたび言及しているが、官か民かではなく、官が呼び水となって、民間の投資や消費を促すことが重要だ。例えば、グリーン分野では、10年間で150兆円の投資を実現するべく、政府が20兆円規模の大胆な政策支援を行うことを決めた。 また、賃上げについても、賃上げ税制の抜本的拡充や看護・保育士など公的に決まる賃金を引き上げることで、賃上げを促す環境を作ってきた。実際、今年の春闘の賃上げ率は現時点で2.09%と、ここ数年の低迷が一気に反転上昇した』、「将来の市場の不透明感に対しては、岸田首相もたびたび言及しているが、官か民かではなく、官が呼び水となって、民間の投資や消費を促すことが重要だ。例えば、グリーン分野では、10年間で150兆円の投資を実現するべく、政府が20兆円規模の大胆な政策支援を行うことを決めた」、なるほど。
・『年金を「見える化」し、不安を解消  Q:個人の将来不安を軽減するためには、どのような施策を考えていますか。 A:難しい課題だが、私はまずは「年金の見える化」が大切だと考えている。老後の生活の柱は公的年金だ。公的年金については、「どうせ将来もらえない」という方も依然として多いが、将来の年金受給の予定額をお知らせすると、実は多くの方、特に厚生年金加入の方からは「思ったより多いね」という反応がある。 将来不安解消に向けて、まずは公的年金について、できるだけ正しく認識していただくことが大切だと思う。 Q:3年前には「老後に2000万円が不足する」という金融庁の審議会報告書(その後、事実上撤回)が炎上しました。確かに乱暴な試算でミスリーディングなものでしたが、いずれにしても個人の老後不安は蔓延しています。 A:この問題の背景には、多くの方にとって、自分自身が将来どれくらい公的年金を受給できるかわからないということがあった。老後の生活の柱である公的年金が具体的にいくら受給できるかわからない中で、政府から「年金の制度は安心です、100年安心です」と言われても、将来不安が解消されないのは無理もない。 そのため、2022年4月に「公的年金シミュレーター」を公開した。これを使っていただければ、皆さんの将来の公的年金額が簡便にわかる。是非活用してほしい。) 加えて、岸田政権は今春、資産所得倍増を打ち出した。 所得には、大きく労働所得と資産所得がある。先ほど申し上げたとおり、労働所得を押し上げていくことはもちろんだが、資産所得も併せて増やすことが必要だ。 わが国個人の金融資産は約2000兆円と言われているが、その半分以上が預現金で保有されている。この結果、過去20年間でアメリカの家計金融資産が3倍、イギリスでは2.3倍になったのに対し、日本は1.4倍にとどまっている』、「「公的年金シミュレーター」を公開した。これを使っていただければ、皆さんの将来の公的年金額が簡便にわかる。是非活用してほしい」、「シミュレーター」を一度試してみたい。
・『国民運動で資産所得を倍増  Q:その差は、この間の経済成長力の差の結果と言ってしまえばそれまでですが、あえて資産所得倍増を打ち出した背景には「老後不安」の軽減という狙いもある? A:まずは、公的年金シミュレーターを多くの方に活用していただき、それをきっかけに老後の生活設計・資産形成に一歩足を踏み出していただきたい。 また、年末には、NISA(少額投資非課税制度)の拡充などを含めた「資産所得倍増プラン」を策定することとなっている。こうした施策を積み重ね、民間も巻き込んだ国民運動を展開することで、資産所得の倍増につなげていきたい。 Q:日本の企業や組織における課題も強調されていますね。 A:二極化が進んできているように思う。柔軟な組織構造を取り入れて、社員のやる気と挑戦を引き出しどんどん伸びる企業と、硬直的な組織文化を維持して、閉塞感にあえぐ組織だ。日本経済社会にとっては、前者のような企業を応援するとともに、後者のような組織に変革を促すことが重要だと思う。 私は、さいたま市で3人の息子を育てているが、子育て仲間のパパ友との話が非常におもしろい。伸びているベンチャー企業に勤めているようなお父さんは、なぜか時間に余裕があり、子育てにも積極的に参加していることが多い。 他方、役所や古式ゆかしい企業にお務めのお父さんは、なぜか帰りが遅く、子育ては「週末だけ」といったケースが多い。 Q:よくありがちな話ですが、企業の子育て支援とイノベーションの関係など、今後の政策を考えると興味深い話ですね。 A:よくよく聞いてみると、前者の企業は、時短・テレワークなど多様な働き方を積極的に認める、年齢・役職に関係なくおもしろいアイデアを採用するといったようなことをしており、働く側の満足度も総じて高い。 他方で、後者の企業は、年功序列を維持するなど、硬直的な組織になっていることが多いようだ。 民間に活性化を促す国の省庁自体が変わっているのか? Q:村井さんは、財務省出身ですが、やはり後者の組織になりますか。 A:残念ながら、後者の代表選手だと思います(笑)。昭和60年入省の財務省事務次官(事務方トップ)が退官するので、その次は昭和61年入省の人が財務事務次官といった、厳格な年功序列人事を、若手に至るまで、毎年やり続けている。 こうしたことをやる組織は、不思議と働き方も社員目線になっていない。実は最近、財務省時代の後輩から、民間企業で働くと連絡があった。非常に優秀な方だが、財務省的な働き方に疑問を感じたのも偽らざるところのようだ。 Q:霞が関は、全体として組織が硬直的ですね。 A:おっしゃるとおりだ。ただ実は、霞が関の中でも、働き方改革の進捗度・組織の硬直度は違いがあるように感じる。こうした組織改革は簡単ではないし、変に政治が出しゃばるとマイナスも大きいが、変革に向けた刺激を与え続けていきたいと思う。また、国会改革などを実行に移し、永田町が霞が関の働き方改革の足を引っ張っている部分を解消していかなければならない。 Q:冒頭で「黄金の3年」は否定されましたが、いずれにしろ課題は山積ですね。 A:何といっても、岸田政権を安定政権として、内憂外患ともいえるさまざまな課題に1つひとつ結果を出していくことだ。21世紀になって、森喜朗政権から、菅政権まで10の政権があったが、1年以上安定して政権運営できたのは、小泉純一郎政権と第2次安倍晋三政権の2つだけだ。それくらい、安定政権として腰を据えて政策課題に臨むことは簡単ではない。岸田首相を中心に、できるだけ多くの成果を上げていきたい』、「変革に向けた刺激を与え続けていきたいと思う。また、国会改革などを実行に移し、永田町が霞が関の働き方改革の足を引っ張っている部分を解消していかなければならない」、「霞が関の働き方改革」に向けた活躍を期待したい。
タグ:日本の構造問題 (その27)(「絶滅する組織」と「生き残る組織」の違い 世界トップ2に選出された経営学者が徹底解説! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(前編、終身雇用とイエスマン人生 米著名経営学者が「日本企業のジレンマ」を徹底分析! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(後編)、岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側) ダイヤモンド・オンライン 肥田美佐子氏による「「絶滅する組織」と「生き残る組織」の違い、世界トップ2に選出された経営学者が徹底解説! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(前編)」 「ビジネスの変曲点を事前に見いだす」とは興味深そうだ。 「変曲点を見いだせるかどうかで、米アマゾン・ドット・コムや米ネットフリックスのように、既存の業界を「破壊」する企業になれるかどうかが決まる、と。変曲点を見いだせなければ、2010年に経営破綻した米ビデオレンタル大手・ブロックバスターのように「破滅的結末」を迎えることになると、あなたは警告」、「GEは2015年11月、フランスの重電大手・アルストムのエネルギー事業を買収」、「向こう20年間は、再生エネルギーがコスト競争力のあるエネルギー源にはならないという見通しを立て、化石燃料がエネルギー源として持ちこたえ 「メディア企業にとって、ネットに接続できる誰もがライバルと化したのです。 30~40年前、大手テレビ局は1つの番組で60万~70万人の視聴者を魅了したものですが、状況は激変しました。コンテンツの数が増える一方で、視聴者層は、はるかに小規模化しています。人気のある番組でも、もはや60万人の視聴者を獲得することなどできません」、「米国では、最高経営責任者(CEO)の在任年数は5年以下であることが多いため、在任期間以降も続くような変革には挑もうという気にならないのです。 本物の変革は長い年月を要します。5年で交 「まず、有能な人材を雇い、同社が言うところの「能力密度を高める」企業文化を築き、何をなすべきかという指針を明確にし、裁量を与えるのがネットフリックスのやり方です。そうすれば、従業員が自ら状況の変化に適応してくれます。いわゆる「自由と責任」(F&R)文化です。 いちいち上司の承認を得る必要がない企業では、従業員が状況の変化に応じ、自ら戦略などを変えたりすることで、異なるチャンスが生まれます。そのため、多くの難題に直面しても、うまく乗り切れます」、「「自由と責任」(F&R)文化」が出来上がれば、あとは楽だが、 肥田美佐子氏による「終身雇用とイエスマン人生、米著名経営学者が「日本企業のジレンマ」を徹底分析! リタ・マグレイス教授(コロンビア大学ビジネススクール)インタビュー(後編)」 『競争優位の終焉』 「日本企業では」、「意思決定グループにダイバーシティ(多様性)がない点も、最も大きな問題の1つです」、「多くの日本企業は、海外市場において現地の顧客のニーズを理解しにくいという、多大なリスクを抱えています」、なるほど。 「社内で悪いニュースを察知しても見て見ぬふりをする傾向があり、嘘をついているとまでは言いませんが、真実を言わないことに対し、おとがめも受けません。「社内の人間関係と調和」が重視されるからです。 ずっと同じ会社でやっていかなければならないため、ことのほかこうした社内政治への気配りが、(出世などの点で)大きな利点につながってしまうんですね。 同じ会社で何十年も勤め上げるということには、悲しいかな、そうした側面があります」、こうしたマイナス面があることも確かだ。 「EVによる「アーキテクチャの変更」で日系グローバル企業の優位性が危ぶまれる恐れ」、由々しいことだ。「小さなリスクを数多く取って、実験やイノベーションを重ねることで成功をつかんだあと、大きなリスクを取ろうという決断に至るのです」、堅実なやり方だ。 「企業は、社会に対して筋の通った行いをすることを前提に、事業を許可されているのですから、その基準にかなわない企業は衰退を余儀なくされます」、その通りだ。 東洋経済オンライン「岸田ブレーンが語る日本経済低迷の「真犯人」 村井英樹首相補佐官が語る「岸田政策」の裏側」 「首相補佐官を務めてきたのが村井英樹議員」、初めて知った。 「将来の市場の不透明感に対しては、岸田首相もたびたび言及しているが、官か民かではなく、官が呼び水となって、民間の投資や消費を促すことが重要だ。例えば、グリーン分野では、10年間で150兆円の投資を実現するべく、政府が20兆円規模の大胆な政策支援を行うことを決めた」、なるほど。 「「公的年金シミュレーター」を公開した。これを使っていただければ、皆さんの将来の公的年金額が簡便にわかる。是非活用してほしい」、「シミュレーター」を一度試してみたい。 「変革に向けた刺激を与え続けていきたいと思う。また、国会改革などを実行に移し、永田町が霞が関の働き方改革の足を引っ張っている部分を解消していかなければならない」、「霞が関の働き方改革」に向けた活躍を期待したい。
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