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日本の政治情勢(その43)(「勤務延長 検察官は除外」 1980年の文書が見つかる 検事長定年延長、小田嶋隆氏「最大の罪は国の文化と社会を破壊したこと」、さらば安倍晋三:75年前の失敗のツケを我々の手で清算しなければ、安倍政権が「緊急事態」を宣言したとき 私たちがすべきことは何か) [国内政治]

日本の政治情勢については、2月21日に取上げた。今日は、(その43)(「勤務延長 検察官は除外」 1980年の文書が見つかる 検事長定年延長、小田嶋隆氏「最大の罪は国の文化と社会を破壊したこと」、さらば安倍晋三:75年前の失敗のツケを我々の手で清算しなければ、安倍政権が「緊急事態」を宣言したとき 私たちがすべきことは何か)である。

先ずは、2月24日付け毎日新聞「「勤務延長、検察官は除外」 1980年の文書が見つかる 検事長定年延長」を紹介しよう。
https://mainichi.jp/articles/20200224/k00/00m/010/136000c
・『東京高検の黒川弘務検事長の定年を国家公務員法(国公法)に基づいて延長した問題で、国公法改正案が国会で審議されていた1980年当時に総理府人事局が「(検察官の)勤務延長は除外される」と明記した文書が国立公文書館で発見された。立憲民主党などの統一会派に属する小西洋之参院議員(無所属)が見つけた』、「小西洋之参院議員」のお手柄だ。
・『80年10月、内閣法制局まとめた「想定問答集」に  文書は、内閣法制局がまとめた法律案審議録にとじて保管されている「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」と題された80年10月のもの。 文書では「検察官、大学の教員については、年齢についてのみ特例を認めたのか。それとも全く今回の定年制度からはずしたのか」という問いに、「定年、特例定年、勤務の延長及び再任用の適用は除外されることとなるが、第81条の5の定年に関する事務の調整等の規定は、検察官、大学の教員についても適用されることとなる」としている。 国公法の定年制を巡っては、というのは、は81年の衆院内閣委員会で「検察官は(検察庁法で)既に定年が定められており、今回の定年制は適用されない」と答弁していた。これに関し、森雅子法相は20日の衆院予算委員会で「立法者の意思が議事録では、必ずしもつまびらかではない」と指摘した上で、「検察庁法の所管省庁として法務省が今般、(適用できると)解釈した」と説明した。 小西氏は、取材に「政府の説明を根底から覆すものだ。今回のは『解釈変更』ではなく、『解釈捏造(ねつぞう)』だ」と述べた』、「第81条の5の定年に関する事務の調整等の規定・・・」は意味不明だが、「定年、特例定年、勤務の延長及び再任用の適用は除外されることとなる」というのは、当時の「人事院」の解釈だ。「森雅子法相は20日の衆院予算委員会で・・・「検察庁法の所管省庁として法務省が今般、(適用できると)解釈した」と説明」、しかし、そうであれば、「国公法の定年制」延長時に、「検察庁法」を改正せずに放置したのは、司法を司る「法務省」にあるまじきミスだ。国会ではこうした突っ込んだ質問がなかったとすれば、野党もだらしない。

次に、コラムニストの小田嶋隆氏が2月23日付け日刊ゲンダイの取材に応じた「小田嶋隆氏「最大の罪は国の文化と社会を破壊したこと」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269468
・『安倍政権には言いたいことがいっぱいある。まず、対米追従&対露弱腰外交は「売国」という古い言葉を召喚してこないと形容しきれないと思っている。経済では、消費増税によって、アベノミクスの3本の矢を焚き付けの薪として炎上させてしまった。これだけでも退陣の理由としては十分だ。とはいえ、外交は相手あってのことだ。経済もまた、運不運の要素を含んでいる。なので、失策のすべてを安倍さんのせいにするつもりはない。ここは見逃してさしあげてもよい。 政権の罪は、むしろ、彼らの日常動作の中にある。たとえば、行政文書を前例通りに記録・保存するという行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、安倍晋三氏とその追随者たちは、政権を担当したこの8年の間に完膚なきまでに破壊した。それだけではない。彼らは、自分たちの政治資金の出納をまっとうに報告するという、政治家としての最も基本的な義務すら果たしていない。 かてて加えて、安倍政権の中枢に連なるメンバーは、正確な日本語を使い、公の場でウソをつかないという、日本の大人として守るべき規範さえ、きれいにかなぐり捨ててしまっている。おかげで、わたくしどものこの日本の社会では、日本語が意味を喪失し、行政文書が紙ゴミに変貌してしまっている。でもって、血統と人脈とおべっかと忖度ばかりがものを言う、寒々とした前近代がよみがえりつつある。 結論を述べる。安倍政権は外交と経済をしくじり、政治的に失敗しただけではない。より重要なのは、彼らがこの国の文化と社会を破壊したことだ。私はそう思っている。一刻も早くこの国から消えてもらいたいと思っている』、「政権の罪は、むしろ、彼らの日常動作の中にある」、「安倍政権は外交と経済をしくじり、政治的に失敗しただけではない。より重要なのは、彼らがこの国の文化と社会を破壊したことだ」、痛烈な安部政権批判で、全面的に同意したい。

第三に、京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)の白井聡氏が2月29日付けYahooニュースに掲載した「さらば安倍晋三:75年前の失敗のツケを我々の手で清算しなければ」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shiraisatoshi/20200229-00165212/
・『どんな鈍い頭の持ち主にも、いまや点と線がつながったことがわかるだろう。安倍政権の本質は、「私物化」である。私物化はモリカケ・「桜」問題だけのキーワードではない。モリカケ・「桜」問題それ自体はつまらない事件だ。だが、それはこの本質が氷山の一角としてこの上なく明瞭に可視化された案件なのだ。より重大な、アベノミクス(GDPの改竄を含む)、北方領土問題、対米従属問題(沖縄米軍基地問題やトランプ大統領への媚態等々)、朝鮮半島危機への対応など、すべてはこの一語で説明できる。ここにあるのは、世襲によって譲り受けた権力を手段を選ばず維持するという原理だ。 私物化は未来の日本人にも及ぶ。ピント外れの大学入試改革は、自らの学力と学歴に対する安倍の劣等感によって後押しされてきた。結果、入試制度そのものが、ベネッセを代表とする教育業界の政商の食い物にされ、台無しにされようとしている。 総仕上げは検察の私物化であり、国家権力の究極的私物化だ。ここまでくれば明らかだ。安倍が私物化しているのは、権力や利権の一部分ではない。国家そのもの、つまり国土と国民を好きなように処分できる私物として取り扱っている。ゆえに、新型コロナウイルス問題への悲惨な対応も全く驚くべきものではない。国民の生命や健康を守ることになど、そもそも何の関心もないのである。 国民の課題ははっきりしている。安倍を退陣させるだけでは不十分であり、しかるべき場所(牢獄)へと送り込まなければならない。そしてこの間この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない。75年前の失敗の根源は、国を破滅させた者どもを日本人が自らの手で罰しなかったことにある。その中に、あの「僕のおじいちゃん」(岸信介)もいた。そのツケをいまわれわれの手で清算しなければならないのである』、「安倍が私物化しているのは、権力や利権の一部分ではない。国家そのもの、つまり国土と国民を好きなように処分できる私物として取り扱っている。ゆえに、新型コロナウイルス問題への悲惨な対応も全く驚くべきものではない。国民の生命や健康を守ることになど、そもそも何の関心もないのである」、「安倍を退陣させるだけでは不十分であり、しかるべき場所(牢獄)へと送り込まなければならない」、「この間この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない」、全面的に同意したい。ただ、三番目は法的には問題ないケースが多いだけに、「処断」は実際には難しいだろう。

第四に、立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏が3月10日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「安倍政権が「緊急事態」を宣言したとき、私たちがすべきことは何か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/231211
・『安倍政権は「緊急事態宣言」を可能にする法案の成立を急いでいる。安倍政権が私権制限を含む「緊急事態法制」の成立を目指すことについて、納得できない、または不安な国民は少なくないだろう。そんな人を含めた全ての人に、法案が成立してしまった後こそ本当の「戦い」が始まることを伝えたい』、私は「緊急事態法制」には反対だったので、立憲民主党の枝野党首が党首会談で丸め込まれて賛成したのは残念だ。反対して造反したのは、山尾志桜里衆院議員だけだったようだ。
・『緊急事態宣言を可能にする法改正に 中国・韓国の「入国制限」強化  安倍晋三内閣は、全国の小学校・中学校・高校に臨時休校を要請して以降、新型コロナウイルス対策を矢継ぎ早に打ち出し始めた。「緊急事態条項」を柱とする既存の「新型インフルエンザ対策特別措置法」の改正を表明。首相は野党党首と会談し、早期成立へ協力を求めた。 また、安倍内閣は中国や韓国からの入国者に対し、宿泊施設や医療施設など検疫所長の指定する場所で2週間待機し、公共交通機関を利用しないことを要請した。発行済みの中国約280万件、韓国約1万7000件のビザ(査証)を無効とし、両国からの航空便の到着も成田国際空港と関西国際空港に限定する、「入国制限」の強化を行う。 急に動き始めた安倍内閣に対して、賛否入り乱れて百家争鳴状態となっている。首相の指導力発揮については肯定的な意見もないわけではない。しかし、これまで「対応が後手に回った」と批判されたことに焦り、首相主導をアピールしたいという狙いが露骨に見られる。専門家の意見を無視して「唐突」に決定を行ったことで、現場の混乱を招いたと、厳しく批判されている。 中国、韓国からの入国制限の強化は、既に水際対策を強化する段階が過ぎており、遅きに失したと散々な評価だ。「韓国の新型ウイルス感染者は516人増の累計5328人、数千人が入院待ち」(ロイター)といった記事を読むに、明らかに医療崩壊を起こしているようにみえる韓国からの入国制限はまだ理解できる。だが、新たな感染者の公表数が減少傾向の中国からの入国制限は、本当に意味があるのかと疑問視されている。 また、中国の習近平国家主席の来日延期が発表されたわずか3時間後に中韓からの入国制限強化を発表したことが問題視されている。中国への「忖度」(本連載第232回)が、国民の生命や健康よりも優先されていたのではないかという疑いが出ているのだ』、「これまで「対応が後手に回った」と批判されたことに焦り、首相主導をアピールしたいという狙いが露骨に見られる。専門家の意見を無視して「唐突」に決定を行ったことで、現場の混乱を招いたと、厳しく批判されている」、その通りだ。
・『全国一斉休校は「結果オーライ」「緊急事態宣言」の是非は?  筆者は、前回述べた通り、安倍内閣の新型肺炎対策は、後手に回ったのは確かだろうが概ね適切だと考えている。首相独断の全国一斉休校の決断も、その決定のプロセスは大問題だが、「結果オーライ」なのだろう(第234回)。 実際、3月8日現在の「感染者(死亡者数)」を確認すると、中国本土8万0895人(3097人)、韓国7134人(50人)、イタリア5883人(233人)、イラン5823人(145人)、フランス949人(16人)に対し、ダイヤモンド・プリンセス号を除く日本は455人(6人)だ(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について〈3月8日12時時点版〉」)。 日本は、早期から新型コロナウイルスが上陸していたにもかかわらず、感染者・死亡者が急増していない。あくまで結果論ではあるが、PCR検査実施を抑制し、医療崩壊を起こさない慎重な方針は、概ねうまく進んでいる。 また、中国からの入国制限についてだが、前回指摘したように中国からの入国は事実上ゼロに近い状態だった(第234回・P4)。だが、人工衛星が映した情報によれば、中国は工場を徐々に再稼働させつつあるという(Bloomberg Green“Satellite Pollution Data Shows China Is Getting Back to Work”)。今後、中国人の移動は活発化していくだろう。中国からの入国制限強化は妥当なタイミングだと思われる。 そして、「緊急事態宣言」を可能にする立法の是非である。安倍首相は、民主党政権時の2012年に制定された「新型インフル特措法」が今回の新型コロナウイルスには適用できないというのが政府の解釈だとした上で、「同等の措置を行うことが可能になる立法措置を早急に進める」と表明した。 「新型インフル特措法」がベースだとすると、政府が「緊急事態宣言」を発令すれば、具体的には都道府県知事が「生活の維持に必要な場合を除く、住民の外出自粛」「学校、社会福祉施設、興行場(映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸などの施設)の施設の使用制限もしくは停止」「イベント開催の制限もしくは停止」「医療品、食品など物資の売り渡し」を要請できるようになる。 また、「臨時医療施設開設のため、土地、家屋の強制使用」「国民生活との関連性が高い物資などが価格の高騰や供給不足が生じないような措置」も可能になる』、「全国一斉休校は「結果オーライ」」には違和感がある。私は副作用の方が大きいと反対である。緊急事態法制については、「「新型インフル特措法」が今回の新型コロナウイルスには適用できない」との理由が理解できない。普段は法律の拡大解釈を平然とやっているのに、今回は何故、できないのか。単に、民主党が制定した法律だから、新たに新法を主張しているようにしか思えない。立憲民主党が新法に賛成したのも解せない。
・『緊急事態宣言の焦点は「私権制限」の是非  「緊急事態宣言」を巡る議論の焦点は、「私権制限」の是非である。「有事」における「私権制限」の導入は、自民党の保守派にとって長年の主張であり「悲願」である。12年の「自民党憲法草案」に私権制限は明記されている(自民党憲法改正推進本部「日本国憲法改正草案Q&A」)。また、17年10月に行われた衆議院選挙の公約における主要4項目の1つでもある。 一方、日本社会には「私権制限」に対しては強い反発がある。かつて民主党政権で「新型インフル特措法」を成立させたことがある立憲民主党・国民民主党は審議には応じる意向だ。ただし、立憲民主党の枝野幸男代表は「現状は、緊急事態宣言の要件を満たした状況ではない。安易な緊急事態宣言は避ける必要がある」と述べ、国民民主党の玉木雄一郎代表は「現行法で対応できる」とした上で、「緊急事態宣言を出す場合の事前・事後の国会報告を担保すること」などを求めるなど、私権制限には慎重な姿勢だ。 「新型インフル特措法」の採決の際に反対していた社民党・共産党は、私権制限に対してより厳しい立場だ。社民党の福島瑞穂党首は、「基本的人権への制限が行政サイドの判断で事実上できてしまうのが最大の懸念事項だ。憲法改正の緊急事態条項の地ならし、雰囲気づくりに使われたら大変だ」と懸念を示した。 共産党の志位和夫委員長は「安倍政権のもとでの『緊急事態宣言』による私権の制限には国民に疑念や不安が広範にある」と指摘し、「たとえば、施設の使用中止の要請・指示ができるようになる。普通に集まって相談をすることもできなくなる恐れがあります。集会の自由への制約になる」と主張する(しんぶん赤旗「新型インフル特措法『改正』案 志位委員長が会見 国民の不安にこたえた徹底審議が必要 人権制約への歯止めあいまい」)。 識者からも、私権制限について慎重な意見が多く出ている。例えば、前東京都知事・元厚労相の舛添要一氏は、ツイッターで「歴史に学ばねばならない」と発信。「民主的選挙で首相となったヒトラーは、ワイマール憲法48条の非常事態の時の大統領緊急命令を使って独裁者となった」と指摘し、「乱用は禁物である」と警鐘を鳴らしている』、「舛添要一氏」の「警鐘」は深刻に考慮すべきだろう。「国民民主党の玉木雄一郎代表は「現行法で対応できる」」、との考え方を示したので、先の私の解釈も的外れではないようだ。
・『「侵略戦争を起こしたならず者国家」だった歴史を忘れてはならない  これまでも、「安全保障関連」の法案が政治課題となるとき、保守派は常に「諸外国では当たり前のことだ」と訴えてきた。確かに、さまざまな国で、戦争や内乱、大災害など、国家が存立の危機にさらされる事態にどのように対処するのかを定めた「緊急事態法制」が設けられている(防衛省 情報検索サービス「解説 諸外国の緊急事態法制」)。だから、「日本も緊急事態法制を定めて、自分の国を自分で守れる『普通の国』になるべきだ」というのが保守派の主張である。 だが、日本が「普通の国」となるには、簡単には乗り越えられない高いハードルがある。日本は「かつて侵略戦争を起こした、ならず者国家」であり、日本国憲法が制定されたのは、再び軍事的冒険に走ることがないように抑え込むためであったことを忘れてはならない(第59回)。 言い換えれば、日本国憲法で抑え込まれているから日本は「平和国家」のフリをしているのであって、戦争放棄を定めた「憲法9条」が撤廃される改憲が行われれば、再び「ならず者国家」に戻るのではないかと、近隣諸国や国内の左派勢力から疑われてきたのだ。 要するに、日本政府は先の大戦での過ちによって、基本的に他の民主主義国と比べて国内外で「信頼性」が低いということだ。かつての自民党政権の指導者は、そのことをよく自覚し、権力・権限の行使には、極めて抑制的であった。 ところが、近年の自民党は、「ならず者国家」と見なされてきたことに「無自覚」である。むしろ、「他国では当たり前」の暴力装置を自分たちにも持たせろと声高に主張する。その上、権力の私的乱用を平気で行い、批判されたら開き直ったような態度をとる。品格のかけらもなく、先人たちがコツコツと築き直してきた国内外の「信頼」を、崩し続けてきたのだ(第233回)。 だから、安倍内閣が私権制限を含む「緊急事態法制」の成立を目指すことについて、納得できない国民は少なくないと思う。安倍首相に私権制限の強力な権限を行使させるのは危険であり、不安なのだ。だが、安倍政権は衆参両院で「一強」と呼ばれる圧倒的な多数派を形成している。国民がどんなに懸念を強めても、数の力の前には無力感を持たざるを得ないように思える』、日本はいまだに太平洋戦争を自ら公式には総括してない稀有な国だ。「日本政府は先の大戦での過ちによって、基本的に他の民主主義国と比べて国内外で「信頼性」が低いということだ」、「近年の自民党は・・・先人たちがコツコツと築き直してきた国内外の「信頼」を、崩し続けてきた」、その通りだ。
・『「緊急事態法制」を持ったときに見習うべき英国のシステムとは?  だが、日本国民は安倍内閣が「緊急事態法制」を持つことに、なすすべがないわけではない。緊急事態法制を持つ国では政府が無制限に権限を行使できているかといえば、そうではないからだ。 この連載では、英国の「政権交代ある民主主義」が、権力に対する厳しいチェック機能を果たしていることを論じたことがある(第72回)。英国政治の特徴は「密室」での意思決定であり、「交代可能な独裁」だ。 英国民の民主主義に対する基本的な考え方は「選挙によってある人物なりある党に委ねた以上、原則としてその任期いっぱいは、その人物なり党の判断に任せるべき。間違っていたら、次の選挙で交代させればいい」というものだ。英国人は政治の「独裁」を認める一方で、「失政を犯した政権は交代させることができる」ということに、強い自信を持っている。そして、実際に政権を交代させた豊富な実績を持っている(第9回)。 また、英国には反権力で、非常に批判精神の強いジャーナリズムが存在していることも重要だ。英国は階級社会で、ジャーナリストは伝統的に階級が低く、社会的地位や名誉、財産のない家庭に生まれ、学歴の低い人たちだった。だから、上流階級出身の権力者に媚びることはなく徹底的な権力批判ができる。もちろん、現在ではジャーナリストも高学歴者だが、反権力の伝統は今も生きている(第72回・P3)。 例えば、英紙「ガーディアン」は、米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員から内部資料の提供を受け、米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)による通信傍受の実態をスクープした。 デービッド・キャメロン英首相(当時)は、警察を動員して英ロンドンのガーディアン本社のホストコンピューターを破壊する強硬措置に出たが、ガーディアンは「データは世界中に保存してある」と言い放ち、徹底抗戦を貫いた。 要するに、英国のジャーナリストは権力が言論統制を試みても委縮することはない。たとえ、言論弾圧で500人、1000人と逮捕されようが、会社が潰れてしまおうが、英国のジャーナリズムは権力に屈することはないということだ。 そして、英国では政権が言論封殺によってジャーナリストを抑え込もうとし、国民がそれを不当な権力乱用と見なした場合、政権は容赦なく次の選挙で敗れ、政権の座を失ってしまう。言い換えれば、政権と国民・ジャーナリズムの間で緊張関係が保たれてこそ、政権は権力・権限を適切に運用することができるのだ』、英国は成文憲法がないので、「政治の「独裁」を認める」しかないが、日本には憲法の制約がある。他方で、「英国のジャーナリズムは権力に屈することはない」、というのも大きな違いだ。このように、日英の政治風土には大きな相違がある。
・『「記者クラブ」は権力との馴れ合いを ジャーナリストは首相との会食をやめよ  衆参両院で圧倒的多数派を形成する安倍政権は、私権制限を可能にする緊急事態法制を問題なく成立させるだろう。しかし、日本のジャーナリズム・国民の戦いがこれで終わりであってはならない。 権力による情報統制がどんなに強まっても、ジャーナリズムは怯まず権力批判を続けなければならないのだ。「記者クラブ」は権力との馴れ合いをやめる必要がある。メディア各社の幹部や大物ジャーナリストが安倍首相と会食していたりもするが、こうしたこともすぐにやめるべきだ。 また、国民も「安倍一強」と弱小野党という構図によって気付いていないが、小選挙区比例代表並立制の定着により、「政権交代のある民主主義」が自らの手中にあることをしっかりと自覚することが重要だ。 安倍政権が権力の乱用を行ったら、国民は次の選挙で安倍政権を引きずり下ろして、国会で法律を廃止させることは可能なのである。国民がその厳しさを持ち続けることで政権が緊張感を失うことがなければ、民主主義は守られるのである』、「べき論」としてはその通りだが、現実を踏まえた「だろう論」では空念仏のようだ。
・『私権制限を含む緊急事態法制に筆者が賛成である理由  最後に、筆者は日本が私権制限を含む緊急事態法制を持つことに賛成であることを明確にしておきたい。それは、一般的な賛成派が語る「権力を自由に行使できるようにする」という主張とは一線を画している。 筆者は「日本が権力を抑制的に行使でき、決して私的乱用に陥らないこと」を証明するために、あえて緊急事態法制を持つべきだと考えている。 繰り返すが、日本は「ならず者国家」のレッテルを貼られているために緊急事態法制を持つことができないでいた。そのレッテルをはがすには、緊急事態法制を持ち、かつ決して権限の乱用に陥ることなく、抑制的に運用できることを50年くらい海外諸国に見せ続ける必要がある。 緊急事態法制を持つことは、「世界で最も権力を抑制的に使える民主国家」としての国際的地位を確立し、二度と国内外から言われなき批判を受けることがないようにするために行うべきだ。日本の政治家、メディア、国民がその覚悟を持てるかどうかが、何よりもまず問われるべきなのである』、「上久保」氏が「政策科学部教授」の割には、「「ならず者国家」のレッテルを・・・はがすには、緊急事態法制を持ち、かつ決して権限の乱用に陥ることなく、抑制的に運用できることを50年くらい海外諸国に見せ続ける必要がある」との願望だけで、日本のジャーナリズムを空念仏で英国に近づけたことにして、「緊急事態法制に筆者が賛成」するとは、信じられないような暴論だ。途中までの立論は筋が通っていただけに、残念でならない。
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