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海外事業(海外投資)(その2)(元日経のエースも参画 「深圳再開発」への疑問 宮越HD 1200億円の巨大プロジェクトの不可解、資生堂 「ドルガバ終了」から始まる欧米撤退戦 赤字続く欧米事業 ブランド整理加速の序章か、スズキが直面「インドとミャンマー」という難関 積年の課題「インド一本足」から脱却できるか) [企業経営]

海外事業(海外投資)については、2016年8月18日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その2)(元日経のエースも参画 「深圳再開発」への疑問 宮越HD 1200億円の巨大プロジェクトの不可解、資生堂 「ドルガバ終了」から始まる欧米撤退戦 赤字続く欧米事業 ブランド整理加速の序章か、スズキが直面「インドとミャンマー」という難関 積年の課題「インド一本足」から脱却できるか)である。なお、タイトルから「の失敗・不振」は削除した。

先ずは、3月17日付け東洋経済オンライン「元日経のエースも参画、「深圳再開発」への疑問 宮越HD、1200億円の巨大プロジェクトの不可解」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/416702
・『2021年に入り、東証1部上場の宮越ホールディングス(HD)の株価がにわかに上昇している。背景にあるのが中国で行うとしている巨大な再開発計画だ。 同社は長年、中国などで音響・映像機器の製造を手がけてきたが、バブル崩壊後の1990年代に業容が悪化し、その後撤退。生産工場として1987年に取得したという深圳市福田区の工場跡地13.6万平方メートル(一部譲渡し現在は12.7万平方メートル。東京ドーム3個分)を活用し、中小事業者向けのオフィスや運動場として貸し出してきた。現在は収益のすべてがこの不動産の賃貸収入だ。 それが2018年に突如、深圳の工場跡地に建設費70億元(当時の為替レートで約1200億円)を投じて大規模再開発を行うとぶち上げた。具体的には、テナントとして世界中からイノベーション企業500社を誘致し、研究開発拠点、オフィス、商業、住宅を含むアジア最大級のワールド・イノベーション・センター(WIC)に生まれ変わらせるというものだ。 当初、2019年に現地政府から開発許可を得たうえで、2020年上半期に建設工事を開始、2021年に開業するというものだったが、計画発表後、現地政府からの開発許認可が下りることはなかった。しかし2021年1月8日、「WIC開発構想進捗」「平井卓也デジタル改革担当大臣との会談」と題した情報を自社サイトで発信。時を同じくして株価も上昇しはじめた。 「ちょうどよいところに来た」 2021年2月下旬、大田区の宮越HD本社に取材に訪れると、事前の予告なしに宮越邦正会長兼社長が記者を出迎えた。「あなたはちょうどよいところに来た。中国の旧正月が明けて、2月23日に深圳市福田区の政府から今年この地域一帯を重点プロジェクトとして開発するという方針が正式に打ち出された」(宮越社長)と切り出したのだ。 会社側の説明と資料内容をまとめるとこうだった。まだ現地政府の開発許認可は下りておらず、いくつかのプロセスを経る必要があるものの、順調にいけば2021年の夏前に開発許認可を得たのち設計に入り、2022年初に既存施設を取り壊して着工、早ければ2023年半ばに4つに区分けしたうちの第1期ビルを開業する予定だという。 「傘下に設計や不動産開発会社を持つシンガポールの(政府系投資会社)テマセク・ホールディングスが事業提携をしたいという話も来ていて、彼らは2年で全部建てられるという。コロナで開発が遅れた分を取り戻せるかもしれない」「(再開発計画が軌道に乗ったら)バークシャー・ハサウェイのような少数精鋭の投資会社として本格的にやろうと」。今年で80歳の宮越社長は、はきはきとした口調で1時間近く壮大な深圳の計画を披露した。 この日の取材には日本経済新聞社で経済部長兼日経フィナンシャル編集長を務めていた矢沢俊樹氏が、宮越HDの広報IR担当者として同席。矢沢氏は日経新聞の中では社長候補とも目されたエースだったが、 2021年2月に宮越HDの常務執行役員経営企画本部長に就任している。 業容拡大に必要な陣容を整えるため、 宮越HDは、ほかにも大手ゼネコンや証券会社の元幹部などを次々に迎え入れている。 その後、3月8日の朝に「2030年に時価総額1兆円 少数精鋭のエクセレントな投資会社へ飛躍」と題したトップメッセージが同社のホームページ掲載されると、宮越HDの株価はストップ高となった。2020年末に666円(終値)だった株価は3月11日のザラバで一時1366円まで急騰した。 だが、深圳での巨大な再開発計画について、関係者に取材を進めていくと不可解な点がいくつか出てきた』、「平井卓也デジタル改革担当大臣との会談」は、同社のHPから削除されたようだ。社長はかなり山っ気がありそうだ。株価は足元でも1068円と高値圏にある。HPの「深センプロジェクトは下記の通り。
http://www.miyakoshi-holdings.com/project/
・『入居意向書に記された有名企業に尋ねた  取材当日、宮越社長が「これは、本当は見せてはいけないから、ささっと飛ばしますけども」と前置きしつつも、記者にぱらぱらとめくってみせる中国語のタイトルが書かれた赤い装丁の立派な冊子には、有名な東証1部上場の企業名とハンコがずらり。日本の大手企業の入居意向を取り付け現地政府に提出したとする「意向書」をまとめた名簿だという。 取材時、宮越社長は「時価総額10兆円以上もあるあの会社も、出てくるとは言いませんけど、この名簿の中にはそれに似たような会社さんが全部入っています」「(日本企業の誘致目標100社のうち)すでに7割超を取り付けた。なかなかのものでしょう?」と説明した。 記者は後日、宮越社長から見せられた冊子の中で社名が目視で確認できた複数の上場企業に、匿名を条件に事実関係の確認を申し込んだ。深圳市福田区で計画されている不動産再開発について、テナントとして入居する意向書を提出している事実もしくは予定があるかを、中国の関連子会社も含めて照会してもらったのだ。 すると、いずれの企業も進出を否定。「そのような事実は確認できませんでした。計画もないと聞いています」という答えのほか、「海外事業の統括部門や中国子会社の経営陣にも確認しましたが、そういった情報はありません。そもそもうちは深圳に進出できておらず……。他社との間違いではないですか?」という困惑した回答もあった。 宮越HDは、1966年に宮越社長が25歳で東邦電器製作所を創業、電子部品の製造を開始したのが発祥だ。その後オーディオメーカーのユニセフグループとして業容を拡大。1983年にはダイエーから東証1部上場の音響機器メーカーであったクラウンを買収、1984年には東芝から東証2部上場の冷凍機器メーカー・田尻機械工業の経営権を取得するなど新興の投資グループとしても名を馳せた。 だが音響機器の基幹事業は新興国との価格競争で1990年代以降、大幅に縮小。財テクの失敗が追い打ちをかけ、バブル崩壊とともに凋落の一途をたどった。株価操縦を狙った仕手筋が暗躍していた銘柄として取り沙汰されたこともある。そんな中、生産工場向けに取得したという深圳市の土地が、今やハイテク都市の一角となったことで億円単位の賃料収入を生んでいる。 実は宮越HDによる深圳での再開発計画が浮上したのはこれが初めてではない。現地メディアによれば、宮越社長は2006~2007年に深圳をたびたび訪問。当時の陳応春副市長と面談し、19億元(現在の為替レートで約310億円)を投じて「ハイテク企業園区」へと再開発し、日本企業100社前後を誘致する計画だと報じられた。 2010年には深圳市省エネ協会と省エネルギー・環境保護事業で提携し合弁会社「深圳国際省エネセンター(仮称)」を設立するとのリリースを出している』、「テナントとして入居する意向書を提出」、については裏付けが取れないようだ。同社の1980年代以降の戦略をみると「山っ気」が伺える。「深圳市の土地が・・・億円単位の賃料収入」、これが主たる収入源のようだ。
・『当局は重点プロジェクトを発表していない  しかしその後、再開発計画は進展が見られなかった。会社側は「(2012年に起きた)尖閣諸島の反日デモ問題が影響した」(板倉啓太常務取締役)と説明してきたが、現地の不動産関係者からは、「深圳市政府は外資単独での開発は支持できないというのが一貫した態度。宮越側も過大な要求を続けて立ち消えになった」という話が聞かれる。 近年の状況についても、「現地のパートナー企業である美芝電器(宮越HDの子会社で深圳の不動産賃貸事業を手がける皇冠電子に10%出資)の創業者が亡くなり、 現地政府が同社の過去の放漫経営を問題視。(皇冠電子が所有するという)工場用地に関しても、当局の資産調査が入るかもしれない」(前出の関係者)といった不穏な指摘も聞かれる。 宮越社長が語った同社の工場用地一帯が「重点プロジェクトに認定されることになった」という情報は、少なくとも現時点では現地政府から対外的な発表はされていない。宮越HDはホームページで「できるだけ速やかに正式な開発許可を取得すべく精力的に協議」としているが、当局から開発許可が下りるかどうかは定かでない。 宮越HDが深圳での再開発計画を進めるとした場合、もう一つハードルになりそうなのが開発資金だ。総額1200億円(4区画の合算、1区画300億円)もの巨大プロジェクトを実現するには、同社の財務規模では自己資金(2020年末の現預金は114億円)と事業収益だけでまかなうのは現実的に不可能で、今後、何らかの資金調達が必要になる。 実際、宮越HDは再開発計画を公表した2018年、大株主クラウンユナイテッド(宮越社長一族が100%の議決権を保有するネットホールディングの完全子会社)に対する第三者割当増資で77.4億円を調達している。 このスキームはやや複雑で、まず東京スター銀行が宮越社長個人に対して融資を行い、その後、宮越社長がクラウンユナイテッドに融資。同社への第三者割当増資により宮越HDに資金が入るという形式をとっている。クラウンユナイテッドは、第三者割当増資で取得した宮越HDの株式を担保として東京スター銀行に提供している』、「東京スター銀行が宮越社長個人に対して融資」から「スキーム」が始まっているのは、同社そのものより「社長個人」の方は信用力があるともいたためだろう。なお、同社HPの「深センプロジェクト」は以下。
http://www.miyakoshi-holdings.com/project/
・『日経の元経済部長を財務担当に  なぜ宮越社長個人を介して融資する必要があるのか。会社側は「クラウンユナイテッドが債務超過で融資審査基準に適さないため」(板倉常務)と説明している。 宮越社長は2月下旬の取材時、金融業界に幅広いネットワークを持つ日本経済新聞出身の矢沢氏に財務本部長を兼任させる予定だと語っていた。「(再開発の資金として)自己資金のほか、国内金融機関や政府系金融機関から調達していきたい」(宮越社長)としているが、矢沢氏はその責務を担うことになるのだろうか。 時価総額1兆円を目指すというホームページ上の社長メッセージは、「さて、次はどんな宮越流の一手をポケットから取り出そうか。山あり谷ありの人生でしたが、私は今ほど胸がワクワクしていることはありません」と締めくくられている』、「日本経済新聞出身の矢沢氏」を獲得というのは驚きだが、FACTA Online4月号によれば、「昨年11月下旬、矢沢氏は突如、依願退職してしまう。その真相は謎だが、社内での女性ハラスメント問題が一因だったともされる ………」、もっともらしい説明ではあるが、やはり「真相は謎だ」。いずれにせよ、壮大なプロジェクトの今後が注目される。

次に、5月11日付け東洋経済オンライン「資生堂、「ドルガバ終了」から始まる欧米撤退戦 赤字続く欧米事業、ブランド整理加速の序章か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/427335
・『「ドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」――。キャッチーなフレーズと独特のハスキーボイスで一躍ヒット曲となった、瑛人の「香水」。この歌詞を思わず口ずさんでしまいそうな動きが、化粧品メーカー最大手の資生堂で起きた。 資生堂は4月28日、2021年12月期に350億円の特別損失を計上する見込みとなったと発表した。原因となったのは、ドルチェ&ガッバーナ社との香水などに関するライセンス契約の解消だった。 ドルチェ&ガッバーナはバッグや化粧品を展開するイタリアの高級ファッションブランド。資生堂は2016年にドルチェ&ガッバーナ社と、香水やメイク化粧品などの開発・生産、販売などを世界各国で行う契約を締結した。しかし、2021年12月31日をもって、その契約を解消するという』、出資した時は威勢良かったが、撤退する時は悲惨だ。
・『国内で販路拡大を進めていたが・・・  350億円という特別損失の額は、アメリカの子会社・ベアエッセンシャルの減損損失などで811億円を計上した2017年12月期以来の大きさとなる。資生堂が期初に示した2021年12月期の純利益予想は115億円。5月12日に予定している2021年1~3月期の決算発表時に、7月の日用品事業売却(譲渡額は1600億円)と併せて、通期業績への影響が説明される見込みだ。 「豪華なおまけなどを付けて販促を頑張っていたし、私の店舗では売れていたブランドだった。まさか契約を解消するとは」。資生堂のある美容部員は驚きを隠せない様子だ。 2019年にはドルチェ&ガッバーナのブランドで国内の常設店舗をオープン。その後も取り扱い店舗を増やしてきた。注力していたブランドを手放す展開にはちぐはぐな印象を受けるが、国外に目を移すと厳しい事情が見えてくる。ドルチェ&ガッバーナは中国で苦戦を強いられていた。きっかけは2018年に起きた広告をめぐる騒動。本国のドルチェ&ガッバーナ社が、箸を使ってピザやスパゲッティを不器用に食べる中国人女性の動画を公開したところ、侮蔑した内容であり人種差別的だとして、中国で批判の的となった。 批判の矛先はドルチェ&ガッバーナ社に向けられたとはいえ、資生堂も影響を免れなかった。中国の大手ECサイトでは、今もドルチェ&ガッバーナの商品が販売されていないからだ。アリババの「天猫(Tモール)」や京東集団の「JD.com」では、同ブランドを検索しても「関連する商品は見つかりません」と表示される。事実上、中国市場から締め出されているのだ。 また、ドルチェ&ガッバーナが得意とする香水やメイク化粧品は外出時に使用することが多く、コロナ禍で売り上げの落ち込みが激しかった。資生堂における、同ブランドの2020年12月期の売り上げは前期比28%減。これは日本国内の化粧品市場の20%減やアメリカの同市場の8%減(2020年、イギリスの市場調査会社ユーロモニター調べ)を大きく上回る』、「本国のドルチェ&ガッバーナ社が、箸を使ってピザやスパゲッティを不器用に食べる中国人女性の動画を公開したところ、侮蔑した内容であり人種差別的だとして、中国で批判の的となった」、海外投資の難しさだ。
・『欧米での拡大策は惨憺たる結果に  資生堂は2010年のベアエッセンシャル社買収を皮切りに、欧米で積極的な拡大策を続けてきた。メイク化粧品のローラ メルシエや自然派スキンケアのドランクエレファントを立て続けに買収した。 しかし、結果は惨憺たるものだ。2016年以降、アメリカ事業とヨーロッパ事業で計上した営業赤字は累計1000億円を超える。加えて、今まで稼ぎ頭だった日本と中国事業がコロナ禍の影響で低迷し、欧米事業の赤字をカバーできなくなってしまった。今年2月に開催された決算説明会で、魚谷雅彦社長は「欧米の収益性の改善は最大の課題」と危機感をあらわにした。 「欧米事業はブランドの価値を上げるために採算度外視で進出しており、もともと赤字体質だった。さらにM&Aを中心とした拡大戦略によって、のれん償却などのコストがかさみ、赤字幅が拡大していた」。資生堂の元役員の1人はそう指摘する。) 資生堂は戦略の転換を余儀なくされている。「(ブランド)ポートフォリオを変更し、『SHISEIDO』や『クレ・ド・ポー ボーテ』など日本発の収益性の高いスキンケアブランドを徹底的に強化していく」と、魚谷社長は2月の決算説明会で表明した。欧米事業ではドルチェ&ガッバーナ以外にもブランドの撤退や売却を進めることが予想される。 次の売却ブランドはどこになるのか。それを探る手がかりとなるのが、「(欧米では)メーキャップとフレグランス事業は抜本的に収益構造の改革をしていく」という魚谷社長の発言だ。 資生堂はドルチェ&ガッバーナ以外にも、2020年1月にアメリカのファッションブランド・トリーバーチとライセンス契約を結び、香水などの製造・販売を行っている。ただ香水の原料となる香料やアルコールは、化粧品としては原価が高い。容器などの包装にもコストがかかり利益率は低い。 「利益率を高めるのであれば採算性の低い香水から撤退し、儲かるスキンケアの売上比率を高める戦略は正しい」(あるOB)。このような見方に立てば、トリーバーチからの撤退も十分に考えられる』、「「欧米事業はブランドの価値を上げるために採算度外視で進出しており、もともと赤字体質だった。さらにM&Aを中心とした拡大戦略によって、のれん償却などのコストがかさみ、赤字幅が拡大していた」、そんな甘い姿勢では、「欧米での拡大策は惨憺たる結果に」、なったのは当然の結果だ。
・『最大の焦点はベアエッセンシャル  とはいえ、売却対象の最有力候補はなんといってもアメリカのベアエッセンシャルだ。 2010年に1800億円で買収したものの、その直後から業績が悪化。2013年3月期と2017年12月期に、計900億円を超える減損を計上した。現在も店舗の縮小などを続けている「お荷物ブランド」だ。一刻も早く手放したいのはやまやまだろうが、問題は売却先が見つかるかどうかだ。 香水やメイク化粧品からの撤退を進め、利益率が高い高価格帯スキンケア領域の比率を上げていく構えを取る資生堂。一方で、この新戦略を不安視する向きもある。「香水が中心のヨーロッパやメイクが中心のアメリカで、スキンケア商品が売れるとは考えづらい」。前出とは別のOBはその実現性に疑問を投げかける。 資生堂は2020年に7年ぶりの最終赤字に転落し、大手化粧品メーカーでは"独り負け"となった。「プロ経営者」として2014年に就任した魚谷社長は、同社の業績を復活させ長期的な成長に向けた道筋を示すことができるのか。その手腕が問われる正念場を迎えている』、「香水が中心のヨーロッパやメイクが中心のアメリカで、スキンケア商品が売れるとは考えづらい」、との懸念ももっともだ。「プロ経営者」の化けの皮が剥がれたようだ。

第三に、5月29日付け東洋経済オンライン「スズキが直面「インドとミャンマー」という難関 積年の課題「インド一本足」から脱却できるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/430792
・『今年、どういうふうにインド市場が回復していくのか、明確に生産計画を言えない状況にある」 国内軽自動車大手・スズキが5月13日に開いた決算説明会。鈴木俊宏社長は終始厳しい表情で語った。 スズキの2021年3月期決算は、売上高が前期比8.9%減の3兆1782億円、営業利益は同9.6%減の1944億円に沈んだ。3期連続の営業減益となる』、「インド市場」が「低迷」しては打つ手もなさそうだ。
・『コロナで3000店舗が営業停止に  スズキはこの2年間、インド市場の低迷に苦しんできた。スズキにとってインドは世界販売台数の半分以上、売上高の約3割を占める主要マーケットだ。インドでは銀行の不良債権問題が発端となり、自動車ローンを提供するノンバンクの貸し渋りが2019年に発生。自動車販売が大きく減少し、これに引きずられてスズキの業績も大きな打撃を受けた。 2019年末にはいったん販売が上向き、市場回復の兆しが見えていたが、その矢先に新型コロナウイルスがインド全土を直撃した。厳格なロックダウンが実施され、スズキがインドで展開する約3000店の自動車販売店も全店営業できず、インド国内に3カ所ある生産工場も稼働停止を強いられた。 2020年4月にはインドに展開する全自動車メーカーの販売台数合計がゼロ台となる前代未聞の出来事も起きた。その結果、スズキは2期連続の減収減益決算に陥った。 しかもスズキは国内の自動車メーカーで唯一、2022年3月期の業績予想を公表できなかった。2020年5月に2021年3月期の業績予想を公表できたのは最大手のトヨタ自動車だけだったが、2021年はスズキを除く各社とも業績予想を発表している。 他社と同様、半導体不足や原材料費の高騰といった不安要素を抱えてのスタートとなったスズキだが、他社と大きく異なるのがインドに収益を大きく依存していることだ。 インドが好調だった2018年3月期、スズキは営業利益の4割以上をインド子会社のマルチスズキで稼いでいた。それが2021年3月期には17%まで低下した。日本市場のこれ以上の成長が厳しい中、スズキが大きな成長を期待できる市場がインドなのだ。 インドの感染状況は深刻だ。陽性者数は5月27日時点で240万人以上、累計で31万人以上が死亡している。インドでは感染拡大当初から、症状が出てもPCR検査を受けない人もいることなどから陽性者数のカウント漏れが指摘されており、実態はより厳しいとみられる。 インド国内に36ある州のうち、5月13日時点で28州がロックダウンを行っている。2020年の厳格な措置とは違い、物流など一部機能は維持されているが、スズキの販売店は13日時点で8割が休業を余儀なくされている』、「8割が休業」とは深刻だ。
・『酸素不足で自動車生産を一時停止  感染者が一気に増加したことで2020年にはなかった問題も発生した。医療用酸素の不足だ。自動車の生産にも部品製造の段階などで工業用酸素を使用する工程がある。各事業者はインド政府からの要請で工業用酸素を医療向けに提供しており、自動車の生産が難しくなった。 スズキもこれを受けて、現地の生産拠点すべての稼働を5月1日から停止した。当初は6月に予定していたメンテナンスの前倒しという形で5月9日までの停止としていたが、最終的には減産期間を5月16日まで延長した。 5月17日には酸素を使わない生産方式に切り替え、全工場の稼働を再開した。とはいえ、フル稼働ではなく、販売店の休業も続いている。そうした状況でも財政赤字を抱える政府の企業支援策は手薄だ。ジェトロの村橋靖之ニューデリー事務所長は「今回の第2波はあまりに短期間に感染者が急増したため、政府支援も酸素の確保や医療体制支援等に集中した。企業活動の一部も継続しているので、現時点で具体的な企業支援策は講じられていない」と指摘する。 インド経済に詳しい日本総合研究所の熊谷章太郎副主任研究員も「政府が景気刺激策を実施しても、そのために必要な国債の増発により、長期金利が上昇して景気浮揚効果を打ち消してしまう展開も想定される」と話す。かえって景気の悪化が長引くことになってしまううえ、2019年にインド減速の原因となった金融不安も残る。 悩ましいのは、スズキの「外患」がインドだけでないことだ。2月に国軍がクーデターを起こし、現在も市民の弾圧を続けるミャンマーも大きなリスクを抱えている』、「ミャンマーも大きなリスク」とは踏んだり蹴ったりだ。
・『ミャンマー工場は稼働停止に  スズキがミャンマーで自動車生産を始めたのは1999年のこと。現在は4輪車工場が2カ所あり、スイフトやキャリイなど4車種を年間約1.3万台、生産している。2019年の市場シェアは約60%とトップシェアを誇っており、2020年には120億円を投じ、年間4万台の生産能力を持つ新工場の建設をヤンゴン市南東にあるティラワ工業団地で進めていた。 ティラワ新工場の稼働予定は2021年9月だったが、鈴木社長は「(ミャンマーは)先行きが読める状況ではない、ミャンマーの情勢をしっかりみながら、どの時期に生産を開始するのがいいか判断する。常識的に考えると9月の稼働は難しい」と話す。ミャンマーの現状を考えると稼働延期の可能性が高く、既存工場も2月から稼働停止が続いている。 5月の決算説明会で鈴木社長は「(インド以外の新市場といっても)他の市場はリスクが低いかというと、ミャンマーの例があったりする。新しい市場に行くというのは簡単に見えて非常にリスクが高い。僕はインド以上に(新市場は)リスクが高いと思っている」と語り、インドに収益を依存した現状からの脱却には否定的な考えだ。 6月の株主総会で鈴木社長の実父である鈴木修会長が引退し、スズキの舵取りは鈴木社長の肩に全面的にのしかかる。インドの新経営体制は発足して早々、難題が突きつけられることになった』、「インド」の「感染拡大」は、ワクチンが遅れていることもあって、当面、続きそうだ。「スズキ」としては、固定費負担圧縮などで耐え忍ぶほかなさそうだ。
タグ:「平井卓也デジタル改革担当大臣との会談」は、同社のHPから削除されたようだ。社長はかなり山っ気がありそうだ。株価は足元でも1068円と高値圏にある。HPの「深センプロジェクトは下記の通り。 http://www.miyakoshi-holdings.com/project/ 「8割が休業」とは深刻だ。 「香水が中心のヨーロッパやメイクが中心のアメリカで、スキンケア商品が売れるとは考えづらい」、との懸念ももっともだ。「プロ経営者」の化けの皮が剥がれたようだ。 「スズキが直面「インドとミャンマー」という難関 積年の課題「インド一本足」から脱却できるか」 「「欧米事業はブランドの価値を上げるために採算度外視で進出しており、もともと赤字体質だった。さらにM&Aを中心とした拡大戦略によって、のれん償却などのコストがかさみ、赤字幅が拡大していた」、そんな甘い姿勢では、「欧米での拡大策は惨憺たる結果に」、なったのは当然の結果だ。 「インド市場」が「低迷」しては打つ手もなさそうだ。 「本国のドルチェ&ガッバーナ社が、箸を使ってピザやスパゲッティを不器用に食べる中国人女性の動画を公開したところ、侮蔑した内容であり人種差別的だとして、中国で批判の的となった」、海外投資の難しさだ。 東洋経済オンライン 「インド」の「感染拡大」は、ワクチンが遅れていることもあって、当面、続きそうだ。「スズキ」としては、固定費負担圧縮などで耐え忍ぶほかなさそうだ。 出資した時は威勢良かったが、撤退する時は悲惨だ。 「元日経のエースも参画、「深圳再開発」への疑問 宮越HD、1200億円の巨大プロジェクトの不可解」 「テナントとして入居する意向書を提出」、については裏付けが取れないようだ。同社の1980年代以降の戦略をみると「山っ気」が伺える。「深圳市の土地が・・・億円単位の賃料収入」、これが主たる収入源のようだ。 「日本経済新聞出身の矢沢氏」を獲得というのは驚きだが、FACTA Online4月号によれば、「昨年11月下旬、矢沢氏は突如、依願退職してしまう。その真相は謎だが、社内での女性ハラスメント問題が一因だったともされる ………」、もっともらしい説明ではあるが、やはり「真相は謎だ」。いずれにせよ、壮大なプロジェクトの今後が注目される。 「東京スター銀行が宮越社長個人に対して融資」から「スキーム」が始まっているのは、同社そのものより「社長個人」の方は信用力があるともいたためだろう。なお、同社HPの「深センプロジェクト」は以下。 http://www.miyakoshi-holdings.com/project/ 「資生堂、「ドルガバ終了」から始まる欧米撤退戦 赤字続く欧米事業、ブランド整理加速の序章か」 「ミャンマーも大きなリスク」とは踏んだり蹴ったりだ。 海外事業 (海外投資) (その2)(元日経のエースも参画 「深圳再開発」への疑問 宮越HD 1200億円の巨大プロジェクトの不可解、資生堂 「ドルガバ終了」から始まる欧米撤退戦 赤字続く欧米事業 ブランド整理加速の序章か、スズキが直面「インドとミャンマー」という難関 積年の課題「インド一本足」から脱却できるか)
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