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東京オリンピック(五輪)(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、6月1日に取上げた。開会も近づいた今日は、(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発)である。

先ずは、6月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの山田厚史氏による「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274080
・『東京五輪の開催まであと1カ月に迫るが、菅義偉首相は「開催する意義」を問われても、答えないままだ。 本当のことを言えないからだろう。「私の政治生命がかかっている。東京五輪で一発逆転を狙っています」と答えれば、世間は「なるほど」と思うだろう。 そうは言えないから、念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す。 首相周辺から聞こえてくるのは「五輪が始まれば、世の中の気分は変わる」という淡い願望。熱狂し「感動をありがとう」と支持率がV字回復することだってある、と期待を寄せているらしい。 「ニッポン、チャチャチャで世論は変わるか?」』、「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ。
・『「開催の意義」、語らず答えず 成功した「時間切れ作戦」  東京五輪は菅首相による社会実験だ。試されているのはわれわれ日本人の成熟度かもしれない。 閣僚経験のある自民党議員はこう語る。 「広島、長野、北海道の国政選挙3連敗で明らかなように、このまま総選挙に突入すれば大敗する恐れがある。五輪を中止すれば、コロナ対策の失敗を認めたことになる。開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」 コロナ禍が長引き生活不安などが鬱積する気分を、お祭りで発散させる。国民も気分が変わる刺激を求めている。開催してしまえば、ムードは一変する。日本人選手の活躍をメディアは汗と涙の物語で取り上げる。「ガンバレ、ニッポン」の渦が巻き起こる――そう思ってのことのようだ。 政府のコロナ対策分科会や医療関係者らからも五輪開催への疑問が出されているにもかかわらず、首相は語らない、訴えない、答えないダンマリ戦術で押し通した。 医療関係者が悲鳴を上げようと、新聞が「反対社説」を掲げようと、無視。国会で何を聞かれようと、決まり文句を繰り返し、論議をはぐらかした。耳と口を閉ざし、時間切れに持ち込む。その作戦は成功したようにみえる』、「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い。
・『G7で「世界への約束」に IOCとタッグ組む首相  英国・コーンウォールで開かれたG7サミットで首相は「難局を乗り越え日本から世界に発信したい」と東京五輪への決意を語った。開催は世界への約束となった。ここまで来れば、もう誰も止められない、と思っているに違いない。 次の段取りは、東京・大阪などの緊急事態宣言を解除し、開催を前提に観客などの規模を決めることだ。 分科会の尾身茂会長らによる「提言書」に待ったをかけていたのは、開催が動かない時点まで抑えるためだった。 提言は「参考にします」といんぎん無礼に処理し、来日するIOCのコーツ副会長らとの5者会談で、最終的な段取りを決める。あとはIOCと開催地・東京都に任せるということだろう。 首相とバッハIOC会長は「何がなんでも開催」で、ピタリと息を合わせてきた。バッハ会長は、4年に一度のお祭りが中止になったらIOCの収入が吹っ飛ぶ。全米に独占中継するNBC放送から放映権料が入らなくなったらIOCの屋台骨は揺らぐ。日本の事情などお構いなしだ。 IOCは「大会関係者が観戦できるように」と要求している。「五輪貴族」と呼ばれるIOC役員や王族、スポンサーなどの豪華接遇を大会の度に開催地に求めてきた。一般の外国人観客を受け入れない東京五輪の観戦は、特別扱いのサービスとなる。「五輪貴族用」の席を求めているという』、「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。
・『「観客を入れて」の開催は首相の指示だった?  菅首相も「観客を入れろ」と言っているようだ。 「無観客の覚悟を固めていたのに、いつの間にか有観客の方向で話が進み始めた。理由を組織委幹部に聞くと『総理が観客にこだわっている』。がっくりきた」という五輪組織委員会幹部の嘆きを、朝日新聞の五輪特集(6月4日「五輪 記者は考える」)は報じている。 首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である。 観客を入れる理由を「子どもたちに感動の機会を与えたい」「声援があったほうがアスリートは力を発揮できる」などと政府は言うが、子どもや選手をだしにしている。 首相が「観客」にこだわる理由は、別のところにあるようだ。 五輪開催で「世論の風向きを変える」。ならばお祭り騒ぎがいい。熱狂を誘うには、観客は必要だ。パブリックビューイングにこだわるのも「人が集まる」場面がほしい。日本選手が勝ったとき、喜ぶ観客の表情や集団観戦する人たちの熱狂ぶりをTVが伝えることが、望ましい――。 こうした官邸の意向の下で組織委員会などの事務方は疲労困憊(こんぱい)のようだ』、「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。
・『支持率回復狙う「政治の都合」 「相棒」とも“仲たがい”  政府の姿勢に専門家たちも気が付いた。 首相の記者会見の度に横に立たされ、助け舟を求められる分科会の尾身会長は、コロナ対策で首相の「相棒」だったが、五輪が近づくにつれ“亀裂”が深まった。 お祭りを盛り上げれば、人は外に出て、はしゃぎ、大声を上げる。人の流れは膨れ、感染防止と真逆の動きが始まる。感染症の専門家は、人流を抑えることが大事だと主張し、接触機会を減らし、大声を出さないようにと言ってきた。官邸のやり方に黙っていられなくなった。 五輪が終われば後はお構いなしのIOC。政治の都合でお祭りにしたい官邸。相棒のままでいたら、いいように使われるだけ、という危機感が専門家たちにも広がったようだ。 東京五輪を「普通なら(開催は)ない」と尾身会長は語った。感染を抑え、医療体制を守る専門家の立場なら「五輪開催はコロナ対策の障害になる」と中止を主張してもおかしくない。そこまで踏み込まないのが「相棒」の限界かもしれない。 しかし、専門家が「注文」をつけたことは、大きな意味を持つ。) 菅政権は専門家のアドバイスもろくに聞かず五輪を強行した、という事実を天下に知らしめることになる。身内の意見でも、首相の意に沿うものでなければ聞く耳を持たないという政治姿勢も改めて印象づけた。 だが、菅首相には“成功体験”がある。官房長官として安倍前首相を支えた7年だ。 安倍首相夫人のなじみである学校法人森友学園に国有地を格安で売却し、公文書改ざんを局長が指示し、担当職員が自殺に追い込まれた。責任者の処分や真相解明も不十分なままだ。 首相のじっこんの理事長が経営する学校法人に官邸官僚が「首相のご意向」をかざし文科省に獣医学部の新設を認めさせた加計学園問題。「桜を見る会」の前夜祭の費用を首相の後援会が負担した問題で、首相が国会でうその証言を100回以上繰り返し、第1秘書が政治資金規正法違反に問われた事件もあった。 だがどれも安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った。 事件が取り沙汰されているとき世論は沸騰するが、終われば潮が引くように下火になる。独善だろうとうそだろうと力で押し通す。世間はすぐ忘れる。選挙に勝ちさえすれば政権は安泰だ』、「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ。確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう。
・『「池江選手がメダルを取ったら日本中が熱狂して選挙に勝てる」?  東京五輪は、首相に冷ややかな世論を「上書き」する願ってもないチャンスだ。 月刊誌でコラム子が、官邸筋の話として「池江璃花子がメダルを取れば日本中が熱狂し、コロナなど忘れて総選挙で勝てる」と首相が漏らしたと書いている(「文藝春秋」7月号)。 本当に首相がそう言ったのかは、分からない。 だが、ゴルフのマスターズで勝った松山英樹、全米オープンで「日本人同士」のプレーオフを制した笹生優花、大リーグでは大谷翔平の活躍など「日本人の活躍」はメディアが大好きな話題だ。 「五輪で池江璃花子がメダルでも取れば」というのは分かりやすい話だが、こんな願望に寄りかかっているとしたら政権は危うい。 日本選手のメダルに期待するのは分かるが、東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会ではないだろうか。 感染まん延で練習もままならない選手が世界にたくさんいる。予選に出られず出場資格を失った選手もいる。規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる。観客は日本人ばかり、日本選手が声援を受け活躍する。とても公平な大会とは言い難い』、「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。
・『最悪の事態を考え準備するのが政治リーダーの責任だ  日本のメダルラッシュが起こる。ニッポン、チャチャチャ!開催してくれてありがとう。菅人気が盛り上がる――そんな展開はないとはいえないが、楽観シナリオにすがるのはまともな政治ではない。 現状は第4波が収束に向かう局面だが、西浦博京大教授は「高齢者へのワクチン接種が7月中に完了しても、8月には東京で緊急事態宣言を出さざるを得ない恐れがある」と警鐘を鳴らしている。 五輪開催中に第5波が襲来したら人々は五輪を楽しめるだろうか。大会によって生じた人流の増加で秋には感染爆発が起こるかもしれない。 遅くとも10月には総選挙もあるが、「五輪開催」が菅政権に都合よく働くとも限らない。それでも首相は「五輪の熱狂が政治状況を変える」に政治生命をかけた。 最悪の事態を考え、さまざまな処方箋を用意して国民に示すのが政治リーダーの責任だが、残念なことに、わが国の首相は自分に都合のいいシナリオを描き、当たるかどうかを実験しようとしている。 首相が期待するように、愛国気分が盛り上がり「五輪の力」が政府への不満を吹き飛ばすか。それとも感染を広げ、政権批判に油を注ぐか。 「コロナ禍の五輪」は世の中の空気をどれほど変えるのか。 やってみなければ分からない壮大な社会実験、この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない』、「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。

次に、6月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274194
・『40年後の日本の子どもたちは「東京五輪は日本を元気にした」と教えられる?  2060年の日本――。 ある小学校で、日本の近代史を学ぶ授業が開かれている。子どもたちに向けて、教師が誇らし気な顔でこんな説明をした。 「えー、前回勉強したように、2021年の日本は前年から続くコロナ禍よって経済が止められ、多くの国民は大変苦しい思いをしていました。しかし、そんな日本を元気にしたのは…そう、オリンピックですね。その理由はなんでかわかる?」 教師が子どもたちを見渡すと、1人の少女が手を挙げて、ハキハキとした口調でよどみなく答えた。 「はい!日本のアスリートたちによるメダルラッシュで、過去最多の金メダルを獲得するなど、スポーツの力によって国民を勇気づけたからです。また、大会前には感染拡大の恐れがあると言われていましたが、菅義偉総理がリーダーシップを発揮して『安心安全な五輪』を見事成功させるというレガシーをつくって、日本のすごさを世界中に見せつけたからです」 教師は満足そうにうなずくと、「そう、ここは日本人なら知っておかないといけない常識だからな。テストにも出るからしっかり覚えておくように」とつけ加えた。 未来の日本で、こんな北朝鮮みたいな「ナショナリズム丸出しの思想教育」をしているわけがないだろ…とあきれる方もいらっしゃるだろうが、最近の社会ムードに鑑みれば、そこまで荒唐無稽な話ではない』、幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。
・『手のひら返しでお祭り騒ぎするマスコミ… そうして「サクセスストーリー」だけが刷り込まれる。 TVプロデューサーのデーブ・スペクター氏が自身のツイッターで、皮肉たっぷりにつぶやいて話題になった。 「東京五輪が始まるまでにタレントやコメンテーターがコメント予習 イ)なんだかんだ言ってオリンピックっていいな! ロ)割り切ってスポーツとして見ましょう! ハ)やっぱり開催してよかった!」 *https://twitter.com/dave_spector/status/1404731084428898306より 実はこれはかなり鋭い指摘だ。 スポンサーなどで五輪に関わるマスコミには、「どうせやるなら盛り上がってくれないと困る」という大人の事情がある。開催すれば「安心安全」などどうでもよくて、手のひら返しでお祭り騒ぎを始めるだろう。テレビは朝から晩まで「日本のアスリートはスゴイ!」「感動をありがとう!」と世論を盛り上げていくのだ。 このような形になると、開催に至るまでの組織委員会のゴタゴタや、国民に犠牲を強いていたことなどネガティブな話は徐々に忘れられていく。そうして10年、20年と時が経過すれば、「五輪はコロナ禍の日本人を勇気づけた」という日本人好みの「サクセスストーリー」だけが語り継がれていく。そして気がつけば、それが「正史」として国民の頭に刷り込まれて、ゆくゆくは冒頭のように子どもたちにまで「ナショナリズム丸出しの思想教育」を施してしまうおそれがある。 そういう意味では、未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である。「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。
・『小学校低学年向けの指導案から見える東京五輪の「真実」  五輪を盛り上げるだけで、そんなことにはならないでしょ、と思う人もいるかもしれない。しかし、現実問題として、すでにわれわれはオリンピックで、子どもたちに「ナショナリズム」を押し付けている。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、全国の小中学校・高等学校向けに作成した「オリンピック教育」のための教材がある。その中で、小学校低学年向けの教師用指導案「東京1964大会のレガシー」という資料を見てみよう。 「東京1964大会が日本に残したものについて理解する」ことを狙いとしたこの授業では最後に10分間の「まとめ」が行われる。そこで、教師は「東京1964大会は日本の社会を元気にしたことを理解する」という方向性で持っていく。さらに、「指導上の留意点」には「東京2020大会も日本の社会を変えていくことを考えさせる」とある。 世界では子どもたちに何かを教える時には、多面的に物事を考えていく力を育むことを意識するのが一般的だ。だから、はじめに結論ありきではなく、各自が自分の頭で考えるように導き、ディスカッションなども活発だ。しかし、この教育はそうではない。 「五輪は日本を元気にするものであって、これからの日本には絶対に必要なものだ」という結論へと子どもたちを導いていく。たかがスポーツ大会が、国家に必要不可欠なものだと、幼い頭にたたき込ませるのだ。 これは「教育」ではなく「洗脳」である』、「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。
・『全ての元凶は1964年 世論誘導で「成功体験」に激変  世界には五輪にそこまで興味のない国もたくさんある。放映されていても見ない人もたくさんいる。にもかかわらず、なぜ日本だけに「オリンピック教」とでもいうべき薄気味悪い思想が育まれたのかというと、1964年の東京五輪が「元凶」だ。 ご存じの方も多いだろうが、この時の五輪も開催する前は批判的な声や反対する声もかなり多かった。当時、日本はまだ貧しくて、海外に見栄を張るようなことに金を費やすなら困っている人間に回すべきだという意見もあった。また、政府は「清潔なオリンピック」を掲げたが、五輪直前まで集団赤痢が相次いで発生しており、無理に背伸びして国際イベントなどを開いても、国民に得はないというムードもあったのだ。 だが、そんな「逆風」が開催した途端にガラリと変わった。テレビ、新聞、ラジオが朝から晩まで日本人選手の活躍を流して「やっぱオリンピックっていいな!」と繰り返し連呼しているうちに、本当にそのようなムードになったのだ。 それがうかがえる調査がある。1967年に日本放送協会放送世論調査所から刊行された「東京オリンピック」によれば、閉幕直後の64年11月に行った世論調査で、東京五輪が成功したか否かを質問したところ、東京ではなんと84.6%が「立派に行われた」と回答し、「大体は立派にいった」を合わせると、驚異の100%に達したのである。 つまり、開催前はかなりシラけていた国民も、マスコミの「いろいろあったけど、やっぱり開催した方がよかったね」という世論誘導にまんまと乗っかってしまったというわけだ。 このあまりにも極端すぎるサクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった。だから、開催前に指摘されていたネガティブな話はもちろん、開催後に噴出したさまざまな問題も、時が経てば歴史の闇に葬り去られた』、私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。
・『「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」という指摘、日本はスルー  闇に葬られている問題として代表的なものが、「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」への指摘だ。 1964年の東京五輪の後、世界ではじめて「国際スポーツ科学会議」が開催された。そこでは、世界中の研究者から「成功、成功、大成功」と日本人が浮かれていた東京五輪に対して次のような批判が相次いだ。  「“すべての人のスポーツ”というオリンピック憲章の精神が忘れられた選手強化」、「大衆から離れてゆく日本のアマ・スポーツ」、「スポーツのナショナリズム化」(読売新聞1964年10月6日) しかし、日本社会的には「東京五輪は大成功」なので、臭いものには蓋をするということでこのようなネガティブな側面が真剣に議論されることなく、スルーされていった。 68年に東京五輪で銅メダルを取ったマラソンの円谷幸吉が、メキシコ五輪の前にメダル獲得のプレッシャーに押し潰されて自ら命を絶ったことからもわかるように、日本のアマチュアスポーツの世界では「過度な選手強化」「スポーツのナショナリズム化」は現在まで放置され続けている。 メダル獲得がすべてでアスリートは「国を背負う」ので、メダルを有力視されている人がそこに届かないと、なぜか涙ながらに「すみません」と国民に謝罪をしなくてはいけない、という北朝鮮のような気持ちの悪いムードもある。 このような「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要なのだ』、「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。
・『戦後日本の発展は五輪開催によるものではなかった マスコミに勘違いさせられているだけ  「さっきから東京五輪を悪者にしているが、日本が東京五輪によって大きな発展を遂げたのは事実だろ、それを無視するのか」と食い下がる人もいるかもしれないが、残念ながらそれはまったく事実ではない。 「アジア初だった64年東京大会 高度成長の礎築く」(日本経済新聞2013年9月8日)のような報道をマスコミがいまだにするので勘違いをしている人も多いが、日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である。 今、中国のGDPが成長をしていることからもわかるように、ある程度の経済規模になった国のGDPは人口の大きさに比例する。 実際、主要先進国のGDPランキングの並びは、人口3億2000万人のアメリカ、人口1億2000万人の日本、そして8300万人のドイツという具合に、きれいに人口と比例している。戦後、日本の人口は右肩上りで増え続けて1967年には1億人を突破し、同じタイミングでGDPもドイツを抜いて世界2位になった。この人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ。 五輪が公共事業やインフラ整備の背中を押したのは事実だが、日本経済成長のエンジンだったわけではない。 むしろ、多くの五輪開催国が「五輪不況」に陥ったように、日本でも五輪を境に成長にブレーキがかかる。五輪開催の翌年度、戦後初の赤字国債が発行され、ここを起点にして日本の債務残高は先進国の中で最も高い水準となっていくのだ。 「五輪で日本が元気になった」というのが幻想以外の何物でもないことは、当時の日本人の多くも感じていた。先ほどの「東京オリンピック」によれば、閉幕から2カ月後に行った調査で、「五輪は景気を維持するのに大変役立ったと思いますか」という質問に対して、「そうだ」と回答したのが31.7%なのに対して、「そうではない」は59.2%だった。 「日本が元気になる」などと大それたものではないということは、庶民はよくわかっていたのだ。 このような歴史を振り返れば、マスコミの「東京五輪やっぱり最高!」という手のひら返しにかなり警戒すべきだということがわかっていただけだろう。冒頭のデーブ・スペクター氏は既に「五輪」が日本のイメージダウンになっていると指摘している。 <今も、海外メディアが五輪関連で報じるとしたらワクチンの遅れなどトラブルばかり。海外の人はみんなあきれている。1年延期になったために、しかも強引に開催することになったために、日本のイメージダウンになっている。あれ?日本はあんなに経済大国になって何でも一生懸命賢くやってきたのに、なんでワクチン接種が進まなくて病床が逼迫するのって。みんな驚いている。>(ニューズウィーク 6月9日) こんな調子で世界がシラけている中で、日本人が「見たか、これが日本の底力だ!」とか「日本人を勇気づけてくれました」と五輪でお祭り騒ぎになったらどうか。イメージダウンというより、もはや完全に「恥」ではないか。 果たして、日本人はマスコミによる「東京五輪やっぱり最高!」という世論誘導にのっかって、1964年の時と同じく、ここまで噴出した様々な問題を闇に葬ってしまうのか。それとも今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保つことができるのか。注目したい』、「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。

第三に、6月8日付け日刊ゲンダイ「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」を鍾愛しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290237
・『東京五輪開催を46日後に控えた7日、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が飛び込み自殺――というショッキングなニュースに衝撃が広がった。 7日午前9時20分ごろ、東京都品川区の都営地下鉄浅草線中延駅で、JOCの経理部長、森谷靖さん(52)が2番線ホームから線路に飛び込み、普通列車にはねられた。森谷さんは病院に搬送されたが、2時間後に死亡が確認された。森谷さんはスーツ姿で、遺書は見つかっていない』、悲惨な事件だが、何があったのだろう。
・『ネット上ではさまざまな憶測が  世論の多くが東京五輪の中止を求める一方、政府は強行開催に突き進んでいることから、ネット上ではさまざまな臆測が入り乱れている。 〈「経理部長」職ということは、既に帳簿が「紛失」したりとか、表に出せない事情や事態が山盛りあるのでは……?〉〈公にはできない秘密を隠し続けることが耐えられなかったのか〉 先月26日に行われた衆院文科委員会では、東京五輪組織委員会が広告代理店に委託している会場運営のディレクターの1日当たりの人件費が35万円と、あまりにも高額だという指摘が野党議員からあった。さらに今月5日には、会場準備を担当する組織委員会の現役職員がJNNの「報道特集」に出演。会場運営の業務委託を受けた広告代理店に、10~15%の「管理費」を支払うという不透明な金の流れを証言した。 そのため〈国会でも追及が始まった「不審なカネの流れ」と自殺との間に何らかの関連性があるのではと推察せざるを得ない〉〈先週末の報道特集で匿名で洗いざらい証言してたJOC職員ってひょっとすると……〉といった書き込みがあったが、組織委員会とJOCは全く別の組織で、自殺した経理部長とテレビで証言した現役職員は、職種も違えば立場も異なる』、なるほど。
・『とにかくマジメで優秀と評判だった  亡くなった森谷さんは、どのような人だったのか。 埼玉の名門進学校・県立浦和高を出て、法政大に進学した。卒業後は堤義明氏が実質オーナーを務めていた国土計画に就職しました。とにかくマジメで優秀と評判でしたから、こんな五輪のゴタゴタなどで、自ら命を落とすなんて考えられません」(五輪担当記者) 森谷さんは90年代前半、国土計画からJOCに出向。国土計画を辞職後、そのまま再雇用され、以来、経理を担当していた。 2007年以降、JOCの加盟団体である日本スケート連盟や全日本柔道連盟、日本ホッケー協会、日本体操協会、日本フェンシング協会など競技団体の不正受給が相次ぎ、その際、会計監査から呼び出されることもあったようだ。これを受け、JOCは、文科省から東京五輪に向け、さらなるガバナンス強化策を求められていた。 JOCの職員たちは森谷さんの自殺の原因について思い当たるようなフシはなく、ショックを受けているそうだ。遺書が出てくれば動機が判明する』、「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。

第四に、6月17日付け日刊ゲンダイ「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290672
・『「今の状況でやるというのは普通はない」――と、五輪開催に突っ走る菅政権を牽制していた、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長の“反乱”は結局、鎮圧されてしまったようだ。16日の分科会後に会見が行われ、どんな言葉が出てくるのか注目が集まったが、見せどころはゼロ。「やってる感」と「今さら感」が漂う会見に終わった。 「ウィーシュ」 会見開始の直前、こう小さく気合を入れた尾身会長。分科会が政府に提言した「科学とICTを用いた対策」の説明から始めたが、肝心の中身は、感染状況を把握するための下水調査など、どれも聞いたことのある対策ばかり。1年以上もコロナ対策の最前線にいるはずなのに、今さら「科学技術をフルに活用する時代になってきた」と熱弁を振るっていた。 変異株の登場を踏まえ、行動変容を改めて訴えたものの、「鼻にフィットしたマスクの着用」「大声を避ける」など、こちらも目新しさは皆無だった。 中身スカスカの「提言」をよそに、記者の質問はイベントの人数制限に集中。7、8月のイベントを「最大1万人」とする政府案を分科会が認めたからだ。 現行の基準では、緊急事態宣言や重点措置の対象地域には「5000人または定員の50%以内の小さい方」、解除後は「5000人または50%の大きい方」を適用することになっている。ところが尾身会長は、人数を増やす「1万人案」をアッサリ了承。あれほど「(五輪を)やるなら強い覚悟でやってもらう必要がある」と菅政権にクギを刺していたのに、観客を入れて五輪を開催したい政府に“敗北”した格好だ。 誰がどう見ても、政府案は五輪開催をにらんだ人数制限の緩和だが、尾身会長は会見で「五輪とは関係ないとの前提で了承した」の一点張り。五輪の観客数にも「1万人」を当てはめるかどうか聞かれても、「(五輪を開催した場合のリスクや対策をまとめた提言を)近日中に発表する」と繰り返すだけだった』、「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。
・『大会期間中の再宣言もあり得る  しかし、このまま政権の思惑通りに観客を入れて五輪を開催したら、感染拡大は避けられない。16日に開かれた厚労省のアドバイザリーボードで、国立感染症研究所や京大などの専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算した。 厄介なのは、インド株の症状が分かりづらいことだ。英国の研究によると、その症状は従来株で見られた「咳・発熱」「味覚・嗅覚の喪失」とは違い、「頭痛」「のどの痛み」「鼻水」がメインだという。季節の変わり目によくある、軽い風邪や体調不良とほとんど同じだ。 五輪に「1万人」もの観客を入れて感染爆発なんてことになったら、尾身会長はどう責任を取るのか』、「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
タグ:東京オリンピック 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 山田厚史 (五輪) (その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) 「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」 「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ 「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い 「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。 「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。 「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ 確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう 「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。 「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。 「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」 幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。 未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である 「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。 「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。 私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。 「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。 「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。 「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」 悲惨な事件だが、何があったのだろう 「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。 「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」 「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。 「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
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