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ミャンマー(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) [外交]

ミャンマーについては、4月30日に取上げた。今日は、(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている)である。

先ずは、5月14日付けNewsweek日本版が日刊ベリタを転載した「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」を紹介しよう。ただし、出所を示す注記は省略
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96281.php
・『<対ミャンマーODAビジネスの「黒幕」が昨夜、ヤンゴンに飛んだ。ミャンマー国軍の司令官と会う予定だという。出国直後にジャーナリストの北角氏が解放されたのも偶然ではない可能性がある> クーデターの首謀者であるミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官と親密な関係にある、央日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった。独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)によると、渡邉氏は首都ネピドーで国軍司令官と会う予定という。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だが、同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。日本政府のいう「独自のパイプ」の一つと見られる渡邉氏は今回の会談で、混迷を深める同国情勢の中での日本との関係について協議するものとみられる。 目撃者によると、渡邉氏は同日午後11時、成田空港の全日空ヤンゴン直通便の出国カウンターで搭乗手続きをした。 渡邉会長とミャンマーとの関係については、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕的存在、自衛隊と国軍の将官級交流プログラム、国軍トップとの合弁事業を本サイトでで取り上げてきた。クーデター後、同氏は沈黙を続けてきたが、4月に発行された日本ミャンマー協会の会員向け協会情報誌「MYANMAR FOCUS」第35号では、国営メディアが発表したクーデター後の3月30日のミンアウンフライン国軍司令官の演説内容をそのまま掲載している。今回の訪問は、クーデター後はじめてとなる。 今回の訪問目的は明らかにされていないが、最近の同協会周辺では、いくつかの奇妙な出来事が観測されている』、「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。
・『前兆はあった?  第一に、協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除されたことである。これまで、同協会が政財界とのつながりを積極的にアピールしてきたことをふまえると、非常に不可解な行動であると言わざるを得ない。 第二に、渡邉会長が将官級交流などで協力関係が強い日本財団の笹川陽平会長が、13日のブログで「沈黙の外交」と題する一文を記していることである。笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた。ところがその選挙結果を不正として国軍がクーデターを起こしたため、同氏の対応が注目されたが、沈黙を守ってきた。このため、4月22日には在日ミャンマー人らが日本財団前で抗議デモを行っていた。 このブログで笹川氏は、「今回の事態が発生した2月1日以降も人命尊重に向け、懸命の説得工作を重ねた。にもかかわらず極めて残念な事態に発展したミャンマーの現状は、痛恨の極みであり、悶々とした日々を過ごしている」とだけしか記していない。 第三に、13日の渡邉氏の出国直後、ミャンマー国営テレビが、クーデターへの抗議デモなどを取材していて「虚偽のニュースを広めた」としてミャンマー当局に逮捕・起訴されていたフリージャーナリスト北角裕樹氏が解放されたという速報を流したことである。これまで日本の外務省とミャンマー当局の間で、水面下で北角氏の解放交渉が進められてきたが、このタイミングでの発表は、今回の渡邉氏のミャンマー訪問に対する国軍側のサインとしても読み取ることができる。国軍幹部らとの北角氏の解放の見返りとして、何らかの約束が取り交わされる可能性は否定できない。 国営テレビは解放の理由として、ミャンマーと日本との友好関係が考慮されたと伝えた。 北角氏解放の前日12日には、同じようにクーデターへの抗議デモを取材中に逮捕されたDVBの記者に禁固3年の実刑判決が言い渡されている。 一連の動きをふまえると、5月の連休明けに日本政府を含めたミャンマー関係者間で、ミャンマー情勢に関するシナリオが決定されたと見ても不思議ではないだろう。軍事クーデターに関する日本政府の対応は依然としてあいまいなままだが、日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる。このため、内外のミャンマー人は今後の協会と渡邉会長の動向に注目している』、「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ。

次に、その続報である6月4日付け日刊ベリタ「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」を紹介しよう。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202106041105215
・『「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」と、独立系メディア「ビルマ民主の声」(DVB)が5月29日報じた。会長の渡邉秀央氏は、ミンアウンフライン総司令官はじめ国軍との親密な関係で知られる。また息子で協会事務総長の渡邉祐介氏は、「日本は西側の体制変革政策に盲目的に同調するより、タッマドー(国軍)と米国その他の民主主義国の橋渡し役としての姿勢を示さなければならない」との見解を、The Diplomat誌に投稿した』、興味深そうだ。
・『モン州の経済特区予定地を視察か  渡邉会長は5月13日にミャンマーに向かい、DVBは首都ネピドーで国軍司令官と会う予定と報じた。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だったが、今回の続報で国軍トップであることが判明した。同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。
 DVBは周辺から得た情報として、渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談したと伝えている。会談の内容は明らかにされていないが、「秀央氏はミャンマーでティラワ経済特区プロジェクトの実現を支援した一人であり、クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問していた」と指摘、今回の訪問で「モン州内に計画されている経済特区予定地を数日以内に(視察に)行くと聞いている」という。 渡邉氏とミャンマーの関係については、以下のように紹介されている。 「民間団体である日本ミャンマー協会は、最高顧問に現在の副首相麻生太郎氏、日本政府の元官僚ら、そして日本の一流企業の執行役員らと結成された組織である。 日本政府の内閣一員であった元大臣秀央はミャンマー軍と長年の付き合いがあり、現在のクーデター軍リーダーと親子のような関係性をもっている。日本ミャンマー経済界においても名の知れ渡った人間でもある。 日本ミャンマー協会は1988年以降、ミャンマー軍人を日本の防衛大学で高度な軍教育を学ばせることをしてきた組織でもある」』、「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ。
・『「日本は西側諸国に与するな」と協会事務総長  DVBは、秀央氏のミャンマー訪問とおなじ時期に息子で協会事務総長の渡邉祐介氏がThe Diplomat誌の意見コーナーに寄せた文章も簡単に紹介した。 祐介氏の文章は「ミャンマーに関して日本は率先垂範しなければならない」と題され、欧米の対ミャンマー政策に与することなく、日本は国軍と米国などの民主主義国との橋渡し役を主張する。 氏は、「日本は数十年にわたる経済協力をテコに、いまやタッマドーと直接力を合わせて中国の地理経済的影響をくつがえすことができる」とし、さらにミャンマーへのロシアの影響力増加も警告する。また、「日本はミャンマー軍事政府を導いて、自由で開かれたインド・太平洋に貢献させる歴史的使命を達成しなければならず、たとえその行動が米国その他の民主主義的同盟国の行動と異なろうともたじろいではならない」とされる。 同誌特集ページに載ったこの記事は、ロイター通信も報じ、日本ミャンマー協会と渡邉会長のミャンマーとの関係についてくわしく説明されている。 日本ミャンマー協会は、渡邉祐介の父で政治家の渡邉秀央がミャンマーに日本の投資の波を呼び込むために支持者を結集した民間団体である。協会には元官僚や企業役員、日本の大企業が会員となっている。 元閣僚の渡邉秀央は長年、両国経済関係の東京の先鋒として、ミャンマーの巨大開発事業ティラワ経済特区を後押しし、ミンアウンフラインをふくむ国軍との緊密な関係を築き上げてきた。 ロイター電はクーデター後の日本政府の姿勢にも触れ、日本は主要な援助供与国としてミャンマーと長い結びつきがあるが、米英などの諸国と異なり、ミャンマー軍部にはっきりした制裁は科していないとしている。日本政府はミャンマーへの新規援助の交渉は停止したものの、現行の援助プロジェクトは停止していない。 ロイターは、ミャンマー国軍との急激な関係切断は中国の影響力のさらなる増強をまねく結果になるという、クーデター後の2月に日本政府高官がロイターに語った見解も紹介している』、「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ。
・『免許剥奪でも報道をつづける「ビルマ民主の声」  DVB(Democratic Voice of Burma)は非営利メディア団体で、軍事政権時代にノルウェーのオスロで登録し、活動の本拠地となっていたが、2011年以降の民主化の進展とともにミャンマー国内でも活動可能となった。今年2月1日の国軍クーデター後は、国民の民主化回復運動を積極的に伝えてきたが、軍(情報省)は3月8日付けでDVBの免許を剥奪、他の4メディアも免許剥奪された。現在、免許を剥奪されたメディア機関は8社に上り、80名以上の記者が不当に拘束・逮捕・訴訟されているが、各メディアは軍の監視の目をかいくぐり、拠点を移しながら報道をつづけている』、「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。

第三に、6月2日付けPRESIDENT Onlineが掲載した東京外国語大学教授の篠田 英朗氏による「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46504
・『ミャンマー国軍のクーデターを世界中が批判するなか、日本政府は正面からの批判を避け続けている。なぜなのか。東京外国語大学の篠田英朗教授は、ミャンマーの軍事政権に対するODA(政府開発援助)は日本が世界一多く、一度約5000億円の円借款債務を取り消したうえでさらに援助をしてきていると指摘。「過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる」という――』、事実上の債務免除までしたとは初めて知った。
・『情報封鎖のもとで続く市民への弾圧  ミャンマーの混乱は続いている。国軍が、インターネット回線の遮断を含めて市民の国外への情報発信を妨害しているため、以前ほどの情報は流れてこなくなった。それでもクーデターに反対する職場放棄などの不服従運動やデモはやんでいない。そして、国軍による拘留・拷問を含めた抑圧も続いている。 自由主義諸国による一連のミャンマー国軍非難の共同声明に対して、日本は参加を避け続けている。アメリカの同盟国で加わっていないのは、日本くらいだ。日本が参加したことがあるのは、各国の参謀長による共同声明くらいで、つまり防衛省管轄のときだ。つまり日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど。
・『自由主義諸国の協調に背を向ける外務省  なぜ日本の外務省は、唯一の同盟国・アメリカが「民主主義vs専制主義」の世界観で米中対立の時代を多国間主義で乗り切ろうとしている最中において、徹底して自由主義諸国の協調に背を向け、ミャンマー国軍に配慮し続けようとするのか。 「日本独自の外交を進める」といった抽象的な説明は、中身がなく、的を射ない。「国軍に忖度そんたくしないとミャンマーがいっそう中国寄りになる」といった話も流布させているが、自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない。 実質的な問題は、やはり政府開発援助(ODA)であろう。在日のミャンマーの人々や市民社会組織の方々は、国軍の利益につながっているODAの停止を求めている。だが外務省の反応は鈍い』、「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。
・『ODA打ち切りのインパクトは大きいが  巨額のODA案件の全てを打ち切る措置は、非常に大きなインパクトを、日本の企業などに与える。政府の役人のキャリアにも響くだろう。どうしても続けたい、と思う気持ちはわからないではない。だがただ祈り続けているだけでは、袋小路に陥っていくだけだ。 本稿では、あらためて日本のミャンマー向けODAの状況を概観するとともに、何を検討していくべきなのかについて、考察を加えることを試みてみたい』、興味深そうだ。
・『日本のミャンマー向けODAの概観  日本は、毎年1000億円以上のODAをミャンマーに提供し続けている。2019年の経済協力開発機構(OECD)のデータでいうと、日本の拠出金額は6億4690万ドルで、2位の世界銀行2億2080万ドル、3位のアメリカ1億4640万ドルに大きく差をつけて首位である(図表1。ただし統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている)。 ミャンマー向けODA拠出額上位10(2018~2019年度)出所=OECD資料を参考に筆者が作成 これだけを見ると、日本の外務省が国内メディアに説明していたように、日本のODA額は圧倒的であり、ミャンマー政府関係者に対する日本の影響力は他のドナーよりも大きいように見える(もっともODA額が大きくて影響力もあるため、日本は他のドナーよりもいっそう慎重に国軍に配慮をしなければならないという説明には説得力がないのだが)。 そこでもう少し日本のODAの内訳を見てみることにしよう。まず気づくのは、圧倒的な円借款の比率の高さである。2019年度を例にとれば、ODA総額の9割以上が円借款である(図表2、3)』、日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか。
・『実質5000億円の債務を取り消し  ミャンマーでまだ円借款の返還がなされていない事情を説明するためには、償還期限が来ていない、という技術論的な答えだけでは不十分である。償還期限が来ていないのは、それまで累積していた未返還の貸付金のうち1989億円を、新規貸し付けと抱き合わせで形式的に即時返還させたからである。さらに残りの債務についても、図表2にあるように、2012年には1149億円、2013年に1886億円分の債務の免除を行った。両者を合わせると、総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる。 1988年の国軍による苛烈な市民弾圧の後、ミャンマーは国際的に孤立した。しかし2010年代に入り、国軍は経済的苦境から逃れるため、民主化の兆しを見せることにした。ミャンマーに食い込みたい日本は、そこで回復する国際援助の潮流に乗るため、新規援助の障害となっていた累積債務を上記のスキームで解消させたのである。 国軍出身のテイン・セイン前大統領と、その後にミンアウンフライン国軍司令官と24回にわたって会談したという、日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長が暗躍していたとされるのは、そのときである(永井浩「利権がつなぐ日本とミャンマー『独自のパイプ』 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業」日刊ベリタ 2021年5月7日)』、「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。
・『大型事業の発注先は全て日本企業  日本の円借款が、日本企業のアジア進出の足掛かりとしての意味を持つものであったことは、よく知られている。ミャンマー向けの円借款も同じような意味を持たされている。公開されている10億円以上のミャンマー向けの大型案件の契約者は、全て日本企業である』、「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。
・『協会の公式サイトから役員一覧が消えた  なおこの点は前回の記事でもふれたのだが、その際に、私は、「日本ミャンマー協会の役員には、政・財・官界の大物がずらっと並ぶ。(中略)ODA契約企業リストにも登場する財閥系の企業名が目立つ」、と書いた(「日本政府が『ミャンマー軍の市民虐殺』に沈黙を続ける根本的理由」プレジデントオンライン2021年4月27日)。するとその後、日本ミャンマー協会のウェブサイトの役員一覧は空欄になってしまった。もっともちょうど同じときに、「Tansa」の渡辺周氏も記事で同一覧を取り上げていた。(「国軍所有地に年2億円支払い/日本政府系銀行「JBIC」の融資プロジェクト(1)」) 前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧 その後空欄になってしまった役員一覧その後空欄になってしまった役員一覧』、本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。
・『顕在化した投資リスクを認めたがらない人々  日本は、返済不能になったというので借金を取り消してあげた相手に、さらに追加的に巨額の借金を貸し出し続けているわけである。常識で考えれば、かなりリスクの高い行動だといわざるを得ない。他のドナーが日本のように貸付金中心の巨額のODAをミャンマーに投入していないのは、投資家の視点で、そのようにリスク計算しているからだともいる。 日本政府は、リスクを承知で、ミャンマーを「アジア最後のフロンティア」と見込んで大規模な円借款を投入し続けたはずであり、それは元大臣が会長を務める協会で政府とつながりながらODA事業に次々と参入した日本企業にとっても同じはずである。 こうした動きに関係した人々が、今年2月のクーデターによってリスクが顕在化したことを認めたくない心理を働かせ、ODAを停止せずに何とか危機が立ち去ってくれないか、と祈るような気持ちになるのも当然かもしれない。だがそれは、無責任な現実逃避以外の何ものでもない』、「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。
・『このまま円借款を続けていいのか  この機会に、これまでの日本のミャンマー向けODAのあり方について考え直して見るべきなのは、当然ではないかと思う。その際にポイントとなるのは、円借款の比率、連邦制に向けた少数民族地域向けの配慮。そしてもちろん国軍の蛮行を食い止めるための運用であろう。 第一に、円借款の比率が大きいことについては、すでに見た通りである。これがミャンマーの実情を見て適切だったかどうかは、大きな検討課題である。結果論でいえば、クーデター後の情勢において、円借款の形態がリスク対応には不都合な仕組みであることが日本外交の足かせになっている。 経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている。市民の不服従運動が拡大して経済活動が停滞し、銀行は引き出し制限をしている。食糧危機も訪れており、世界食糧計画(WFP)は、ミャンマー国内で数百万人が食糧不足に直面すると警告している。それにもかかわらず、必ず回収するといいながら延々と貸付金を流し続けることが、果たして本当に適切だろうか。 国軍報道官は、4月に当局が拘束したジャーナリストの北角祐樹氏を、『笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表の要請』で5月14日に解放した、と明言している。同時期、渡邊秀央会長がミンアウンフライン国軍司令官と極秘会談をしたとも報道された。その同じ5月14日、日本政府がヤンゴン市民への食糧援助を支援するため、WFPに400万ドルの寄付を行うと発表したことは、波紋を呼んだ。 市民への人道支援は良いことだが、「一回限り」「ヤンゴン向け」だけでは、直接ミャンマー当局にではなくWFPへの寄付とはいえ、国軍に配慮したように見えてしまう。日本政府は、国軍管轄下ではない地域のミャンマー市民も対象に含めた「緊急人道援助」を今後も継続的に行っていく道義的義務を負ったと考えるべきだろう』、「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、経済が理解できない「軍部」には危機感が薄いようだ。
・『「借金」の拡大を拒否していたアウンサンスーチー氏  さらに、800人以上の市民を虐殺し、4000人以上を不当に拘束し続けながら、悪いのは全てアウンサンスーチー氏だといった類いのうそを垂れ流している国軍が権力を握っている。この状況でなお、「ミンアウンフライン国軍司令官は、たとえ人殺しをしても日本への借金の返済だけは絶対に行う」と主張する準備のある人は、よほどのお人よしか、さもなくば単なるうそつきだろう。 もともと国家顧問としてのアウンサンスーチー氏は、「借金は嫌だ」という意思表明をし続けていた。NLD政権は、円借款以外の方法での援助を繰り返し要請していた。それに対して、国策として決定していることなので変更できない、とかたくなな態度をとり続けたのは、日本の側であった。 渡辺周氏は前出のTansaの記事の中で、アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った、と伝える。それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏(2012年の日本ミャンマー協会の発足時から副会長・理事長代行として運営に深く関与)は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論したという』、「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。
・『無責任を通り越して日本の国益に反する  このように民主化支援を名目にしながら、民主化の旗頭であったアウンサンスーチー氏の反対を押し切り、国軍との協議のうえで、巨額の債務の取り消しと引き続きの巨額の円借款を進めてきたのが、日本である。今、明白な民主化の破綻を目の前にして、「状況が変わったのはミャンマー側のせいだ。国軍が改心しないなら、市民が抵抗をやめればいいじゃないか」と言わんばかりの態度をとっているという印象を国際的に広めるのは、無責任を通り越して、日本の国益に反する。 とはいえ、今債務の帳消しをするわけにはいかない。人をだますことなど何とも思っていない国軍幹部にだまされ続けた後で、国軍の利益になる形で、ただ日本の納税者に全ての泥をかぶせて、また債務帳消しにするしかなくなったら、最悪である。 リスクを承知で民主化の後押しをする貸し付けをしたということ自体を責めるべきではないかもしれない。だがその言い訳は、今はもう通用しないのだ。 過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる。円借款であっても、リスクに迅速に対応する措置をとる政治判断の是非について真剣に検討すべきだ』、その通りだ。
・『連邦制と民主化の合体こそミャンマーが進むべき道  第二に、ミャンマーの真の民主化の定着を日本のODAが助けてきたのか、検証が必要だろう。 今回の騒乱の中で、昨年の選挙で当選した議員たちが国軍の迫害を逃れながらバーチャル空間に国民統一政府(NUG)を立ち上げた。そして本格的な連邦制を導入する新憲法の設置を目指すことを表明し、市民勢力や少数民族勢力から熱烈な歓迎を受けた。この流れの中で、数多くのビルマ人系の組織等から、ロヒンギャ迫害の際に沈黙していたことを悔いる声明などが相次いで出されたことも注目に値する。 ミャンマーの紛争の構造を考えれば、平和構築の道筋が、この方向性にあることは確かだ。NUGが掲げる連邦制のビジョンは、あらためて必要不可欠な平和構築の方向性を模索する決意表明であるといってよい。「連邦制」の目標が、「民主化」勢力によって掲げられていることの意味は大きい。「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない。
・『民主化勢力が描く正しい道筋を支援すべきだ  連邦制の考え方自体は建国時から存在していた。それが「ビルマ建国の父」として敬愛されたアウンサンの暗殺と、その後の国軍による権力掌握によって、立ち消えになってしまっただけなのだ。国軍支配下で、民主化が進んでいたはずの2010年代ですら、中央政府と少数民族勢力との間には不協和音が絶えなかった。NUGは、ミャンマーの未来にとって正しいビジョンを打ち出している。 日本のODAは、こうした正しい道筋を支援するものであるべきだ。ビルマ人が多数派の大都市を結ぶヤンゴン・マンダレー鉄道の建設、ヤンゴン都市圏浄水整備、日本企業が多数参加するヤンゴン郊外のティラワ経済特別区開発・関連インフラ整備などは「民主化と連邦制を合体させた平和構築」のビジョンから見れば、関連度が薄い。初等教育カリキュラム改善事業などについても、「国際的な援助の潮流に合わせて」「ミャンマー政府の主導で」行うことに邁進まいしんするあまり、少数民族地域の教育の底上げという課題を軽視するものになっていなかったかどうか、検証すべきだ』、冷徹な立場で「検証すべきだ」。
・『長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ  およそ「民主化支援」をうたうのであれば、クーデター後は国軍の利益になる行為を慎むのでなければ、一貫性がない。ただしそれが数千億円規模のODAの全面停止であるのかどうかは、影響をこうむる人々の数の多さを考えれば、悩ましいのは確かである。だが悩ましいからといって、「このことについてはなるべく表で議論しないようにする」、という態度をとるだけで「調整した」ことにするわけにはいかない。 悪いのが国軍である以上、欧米諸国が主導する「標的制裁」に参加し、国軍幹部および国軍系企業に対する狙いを定めた制裁を行うのが、正しい。現在、有志の国会議員が、日本として人権侵害を行った者に対して制裁を加えることを可能にする「日本版マグニツキー法」を制定しようとしている。実効性のある法律制定を目指すと同時に、ODAにも影響が及ぶことを、当然のこととして受け入れて準備をするべきだ。 国会議員らは、「外務省が最大の抵抗勢力」と公言している。「面倒な法律は作らないでほしい、少なくとも私が担当から外れた後にしてほしい」、という官僚機構の態度は、国益を危うくする。そうした怪しい態度のままでは、「ODAを続けるか全面中止か」「北風か太陽か」といった、袋小路が約束されている選択肢だけを迫られるので、逃げ回るしか手がなくなってしまう。 議論すべきは、ODAを全面中止にせずとも実施できる標的制裁の方法である。その研究こそが、長期的にはODAに携わる善良な人々を救っていく。 もちろん立法措置は、JICAの仕事でも、外務省の仕事でもない。不穏な抵抗勢力を排して長期的な国益の確保を見据えた政策を導入する責務を持つ政治家の仕事だ。政治的なリーダーシップが求められている』、「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
タグ:ミャンマー PRESIDENT ONLINE Newsweek日本版 篠田 英朗 (その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) 日刊ベリタ 「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」 日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった 国軍司令官と会う予定 「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。 「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。 「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ 「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」 「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ 「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ 「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。 「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」 事実上の債務免除までしたとは初めて知った。 日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど 「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。 日本のミャンマー向けODAの概観 日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか 「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。 「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。 本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。 「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。 「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、「軍部」には危機感が薄いようだ。 「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。 「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない 冷徹な立場で「検証すべきだ」 「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
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