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決済(その7)(日本人の現金払い主義がついに変わってきた訳 経費を減らしたい金融機関の思惑とも一致、無印 ファミマ…相次ぐ「〇〇ペイ」 自前主義が広がるスマホ決済、セブンアプリに埋め込まれたPayPayは二兎を追う、「有料になる?……やめます」加盟店離れ スマホ決済普及の正念場) [金融]

決済については、昨年9月20日に取上げた。今日は、(その7)(日本人の現金払い主義がついに変わってきた訳 経費を減らしたい金融機関の思惑とも一致、無印 ファミマ…相次ぐ「〇〇ペイ」 自前主義が広がるスマホ決済、セブンアプリに埋め込まれたPayPayは二兎を追う、「有料になる?……やめます」加盟店離れ スマホ決済普及の正念場)である。

先ずは、本年2月20日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「日本人の現金払い主義がついに変わってきた訳 経費を減らしたい金融機関の思惑とも一致」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/412760
・『新型コロナウイルスの感染拡大を契機にキャッシュレス決済への移行が加速している。 「これまでも緩やかに進行してきたキャッシュレスの流れはコロナ禍で途切れることなく、むしろ加速した様子がうかがえる」。全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は18日の会見でこう述べた』、あれだけの「キャッシュレス」獲得合戦があったので、「キャッシュレス決済への移行が加速」は納得できる。
・『あおぞら銀行は全店舗窓口で現金の取り扱いをやめる  現金での決済比率が他国と比較して高い日本では、海外からの旅行客が不便を感じるなどといった問題が以前から指摘されている。また、労働人口の減少でさらなる人手不足に陥る可能性がある中、小売りなどの現場での現金管理作業が効率化の妨げとなる。デジタル化で生産性の向上を目指す金融業界にとっても現金の取り扱いには費用がかかる。 野村総合研究所(NRI)によると、銀行やコンビニエンスストアでの現金自動預払機(ATM)の設置費用や運営経費などで年間約7000億円、銀行店舗での現金関連業務に関わる人件費は同1000億円それぞれかかる。 銀行業界では顧客への投資アドバイスなど、より付加価値の高いサービス提供に人員を充てるため、現金の取り扱いを止める店舗の拡大を進める動きも出ている。あおぞら銀行では1月から国内全店舗の窓口での現金の取り扱いをやめた。 全銀協の三毛会長は「キャッシュレスは現金のハンドリングコスト引き下げによる社会的費用削減や、決済データの利活用による新たな付加価値サービスの提供など、一つのブレークスルーにもなり得る。銀行界としても引き続き積極的に取り組みを進めていきたい」と語った。 政府は国内のキャッシュレス決済比率を現状の25%から2025年までに約40%に高める目標を掲げ、20年6月までの9カ月間、キャッシュレス決済の利用でポイントを還元する施策も実施した。新型コロナ禍で人との接触をなるべく避けることが求められていることも、キャッシュレス化の普及を後押しする』、「あおぞら銀行は全店舗窓口で現金の取り扱いをやめる」、とは思い切ったことを
したものだ。
・『減少する通貨、増える通貨、通貨にも2極化現象  日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が1月に発表した調査によると、現金の代わりにクレジットカードや電子マネーが使われる傾向は高まっている。支払金額が1000円以下の場合、現金を利用すると答えた人の割合は20年に70.8%と前の年の84%から低下した。こうした傾向を反映し、1円などの少額硬貨の流通量は減っている。 キャッシュレス化が進む一方、その動きとは逆行するような現象も起きている。日銀のデータによると、市中に出回っている1万円札の合計金額は増加傾向をたどり、1月末時点で107兆3000億円と1年前と比べて6.4%増えた。 ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「1万円札を中心に、紙幣の発行高が増加を続けている背景には低金利環境が挙げられる」と指摘。預金しても金利がほとんど得られない状況が続いているため、自宅などでの現金貯蔵、いわゆる「たんす預金」化が進んだとみられるという。 上野氏は「新型コロナ感染防止のための接触低減化の風潮もキャッシュレス化の追い風になる」として、「低金利などによって自宅などでの貯蔵が促される高額紙幣や500円玉の増加と、キャッシュレス化の影響をダイレクトに受ける少額硬貨の減少という二極化はますます進みそうだ」と述べた』、「高額紙幣や500円玉の増加と」「少額硬貨の減という二極化」が「ますます進みそうだ」とは、確かに面白い現象だ。

次に、5月27日付け日経ビジネスオンライン「無印、ファミマ…相次ぐ「〇〇ペイ」 自前主義が広がるスマホ決済」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/052600185/
・『2019年の消費増税に伴う還元事業や、コロナの感染防止を背景に広がり続けるキャッシュレス決済。大規模な還元で注目を集め、ユーザーと加盟店を増やす競争が続いていたが、ここに来て自社でしか使えない「〇〇ペイ」の存在感が高まっている。 決済事業者が陣取り合戦からマネタイズへと移る第2幕が開いた。競争を制する鍵は、どこにあるのか。3回に分けて紹介する。 5月14日、横浜市港南区の商業施設、港南台バーズの地下1階に無印良品の食料品売り場がオープンした。クイーンズ伊勢丹などと協業し、生鮮食品や総菜をそろえた。1階の雑貨・衣料品売り場と合わせた面積は約5100m²と無印良品の店舗としては関東最大となる』、なるほど。
・『無印良品はキャッシュレス決済に、顧客の来店頻度を高める効果を期待している  都市型店舗のイメージが強い無印良品だが、今後は郊外や地方の住宅地の近くでの新規出店を増やし、地方圏の中高年層を開拓する。そこで効果を期待しているのがキャッシュレス決済「MUJI passport Pay(ムジパスポートペイ)」だ。2013年に導入した自社のスマートフォンアプリに20年11月、決済機能を追加した。 アプリは顧客にお薦め商品の情報を届け、店舗で決済に使ってもらうだけでなく、インターネット通販(EC)の窓口でもある。実店舗とネットの買い物を境目なくつなぎ、「地域に新たに出店すると、その地域のEC売り上げも上がる」(良品計画の角田徹EC事業部長)という相乗効果を生んでいる。 決済機能は、ITベンダーなどの協力を仰ぎつつ、良品計画が自前で開発した。セブン&アイ・ホールディングスの「7pay(セブンペイ)」やNTTドコモの「ドコモ口座」の不正利用などでスマホ決済への不信が強まっていることから、「セキュリティーは非常に慎重に検討した」(角田氏)と説明している』、「7pay」や「ドコモ口座」の「セキュリティー」はお粗末だったが、その反省の上に出来たので、一応、大丈夫なのだろう。
・『面取りは目的にあらず  キャッシュレス決済は19年の消費増税をきっかけに普及が加速した。政府は「キャッシュレス決済・ポイント還元制度」を設け、PayPay(ペイペイ)を筆頭にした民間のキャッシュレス決済事業者も追い風に乗って、大規模な還元キャンペーンを打った。 ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏の推計では、20年にクレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったキャッシュレス決済の比率は約30%に達し、じわじわと広がっている。 「大還元祭り」を主導したスマホ決済事業者が、ユーザーと加盟店の数を増やす「面取り合戦」を進めたのに対し、良品計画は「現時点で無印良品以外での利用は検討していない」という。 21年1月に衣料品大手のユニクロで始まった「UNIQLO Pay(ユニクロペイ)」も自社グループに絞っている点で共通する。無印良品と同様、以前からあった自社アプリに決済機能を追加し、自社でセキュリティーを確保。レジ前の混雑解消を図るという狙いも同じだ。両社とも会員証と決済機能を1つのアプリに統合している。 大規模な還元策が使う人と使える場所を広げる「水平」の競争だったとすると、無印良品やユニクロの場合は顧客を深掘りする「垂直」的な試みといえる。こうした動きが相次ぐのは大規模還元で飛躍的に高まったスマホ決済の知名度が下地にある。買い物に必須の決済機能を自社アプリに加えることで利用頻度を向上。ユーザーの購買履歴を集め、アプリから来店動機や購買意欲を高める効果的な情報発信を行うという流れだ。両社とも固定ファンを抱えており、自社限定でスマホ決済を導入しても費用対効果が見合うと判断した』、「大規模な還元策が使う人と使える場所を広げる「水平」の競争だったとすると、無印良品やユニクロの場合は顧客を深掘りする「垂直」的な試みといえる」、なるほど。
・『ローソンでも使えるファミペイ  キャッシュレス決済が広がったこの2年間、小売業やサービス業が独自のスマホ決済システムを開発する例が増えてきた。垂直と水平の両にらみ戦略を採るのが、ファミリーマートが19年7月にスタートした「ファミペイ」だ。 来店頻度を高めるため、購買履歴に併せて人気商品のクーポンを毎月配信し、一部のクーポンは知人にプレゼントできるほか、ペットボトルのお茶やコーヒーなど習慣性が高い商品の回数券も用意した。 ファミペイ以前はアプリ活用に熱心でなく、「セールは店頭で十分伝わると、あぐらをかいていた」(ファミマの佐藤邦央イノベーション&アライアンス推進部長)。そこをコロナ禍が襲った。都心の店舗への来客が減り、店外で顧客とつながる一手が急務となった。 Tポイントや楽天ポイントなど共通ポイントのみでファミペイを使っていない客に比べて、ファミペイユーザーは月の来店回数が2倍ほどになっている。来店頻度が高い人がファミペイを導入する傾向はあるものの一定の成果を上げているようだ。 商品を供給するメーカー側のファミペイへの期待も高まっている。例えば、ビールのようなファンが固定化しやすい商品でも、メーカーは自社に消費者を引き寄せようとファミペイ向けにクーポンを発行する。試作品や特定商品のマーケティングにファミペイを活用する動きも増えている。 ファミペイは20年10月にファミマ以外の実店舗で使えるように機能を開放した点が無印良品やユニクロと異なる。外食や家電量販、ドラッグストアだけでなく、実はローソンでも使える。フランチャイズ加盟店から「色々なお店で使えるほうが来店客に導入を勧めやすい」という要望があったためだ。 ファミペイの決済システムを運営する子会社、ファミマデジタルワンの中野和浩社長は「ファミペイは(各種サービスのミニアプリを多数内包する)スーパーアプリでも、単なるスマホ決済アプリでもなく、ファミマ経済圏を大きくする橋頭堡(きょうとうほ)としてのアプリだ」と語る』、「ファミペイ」が「ローソンでも使える」ことが、「ファミマ経済圏を大きくする橋頭堡」になるのだろうか。
・『存在感を出せない新興フィンテック  商流を持つ企業にとって、キャッシュレス決済を自前で導入するメリットがあるとしても、なぜITと金融に詳しいフィンテック企業と協業したり、開発を任せたりする例が少ないのだろうか。 一つは、「7pay(セブンペイ)」や「ドコモ口座」の不正利用だ。国内小売り2位の超大手やITに知見があるはずの通信会社が見せた脇の甘さは、非専門であっても大手小売企業に自社開発でセキュリティーを確保することを決断させるのに十分な失態だった。 もう一つの背景は、キャッシュレス決済普及に一役買った「大還元祭り」だ。ただでさえ、「キャッシュレス事業自体は薄利多売」(野村資本市場研究所の淵田康之シニアフェロー)なところに、ユーザーを引きつけるためのキャンペーン合戦となった。 キャッシュレス決済の主要なプレーヤーはKDDIや楽天など携帯電話やECなど幅広い自社経済圏の構築を目指す大手ITとなり、スタートアップが戦い続けるには厳しくなった。いち早くスマホ決済に参入したOrigamiは経営に行き詰まり、メルカリ傘下のメルペイに買収され、LINEでさえヤフーを傘下に持つZホールディングスとの経営統合を決めた。 こうした大手はキャッシュレス事業で利益が得られずとも、経済圏拡大に貢献すれば元は取れる。キャッシュレスを専業とするフィンテック企業と異なり、自社のキャッシュレスシステムを他社にも提供して手数料を得るビジネスを展開する意義が薄い。 「〇〇ペイ」の乱立が起きそうだが、日本人はあまり苦にならないようだ。日本は世界でも数少ない「ポイント文化」が根付く国。他国はポイント付与より値引きを歓迎する傾向があるが、ポイントをためることに関心が高い日本なら、ペイアプリの使い分けも大きな障壁にならない可能性がある。 大手IT同士の経済圏競争はそう簡単に決着がつきそうになく、圧倒的なキャッシュレスの強者が不在であれば、小売業の自前開発が今後も進む可能性がある。アリペイやウィーチャットペイの2強が支配する中国と対照的に、多少不便でもバラバラに進化するのが日本のキャッシュレス業界かも知れない』、「多少不便でもバラバラに進化するのが日本のキャッシュレス業界かも知れない」、言い得て妙だ。

第三に、5月28日付け日経ビジネスオンライン「セブンアプリに埋め込まれたPayPayは二兎を追う」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/052700186/
・『2019年の消費増税に伴う還元事業や、コロナの感染防止を背景に広がり続けるキャッシュレス決済。大規模な還元策を実施したPayPayの利用者は約3900万人、小売りや外食など316万カ所で使えるまでに成長した。スマートフォン決済のシェアは5割を超え、他社を圧倒する存在感を示している。 PayPayが掲げるスーパーアプリ戦略は、今秋に有料化する加盟店からの決済手数料に加え、フードデリバリーやタクシー配車といったミニアプリの事業者から手数料を得るモデルだ。大規模な先行投資でユーザーを増やすことで、ミニアプリ提供企業や加盟店を引きつけ、それによってPayPayの利便性が高まって、さらにユーザーが集まるという好循環を狙ってきた。 そんなPayPayが今年2月、今までの戦略と一見矛盾するかのような動きをとった。「セブン-イレブンアプリ」にPayPayの決済機能が埋め込まれたのだ。スーパーアプリに取り込むのではなく、PayPayが他社アプリに入り込む狙いはどこにあるのか。 セブンアプリを開くと、ちょうど親指で押しやすい位置にある赤い「P」のロゴ。タップすると、PayPayの決済画面に移る。画面に表示されたコードをレジで読み取れば、支払いと同時にセブンアプリの会員コードも読み取り、ポイントがたまる。 会員証のバーコードと、決済に必要なコードを2度読む必要がなく、セブンアプリの利便性が高まったことは間違いない。しかし、PayPayにセブン-イレブンがミニアプリとして登場するのではなく、PayPayが決済機能を提供し、セブンアプリに入り込むというのは、ミニアプリが集まるプラットフォームであるスーパーアプリとは異なる戦略に見える。 PayPayの馬場一副社長は、「スーパーアプリ戦略の一環ではないが、矛盾するわけでもない。完全に黒子となって『7pay』(の一部)になるなら、やらなかった」と話す』、「PayPayにセブン-イレブンがミニアプリとして登場するのではなく、PayPayが決済機能を提供し、セブンアプリに入り込む」、「PayPay」としても「セブン-イレブン」の魅力が大きかったのだろう。
・『「我々が血を流すだけではなくなった」  クレジットカードの仕組みを生んだキャッシュレス先進国の米国では、「イネーブラー」と呼ばれるフィンテック企業や、銀行など金融業の免許を持つ「ライセンスホルダー」が、消費者と接点を持つ「ブランド」に、金融システムを提供する分業が進んでいる。 これらは黒子になるケースが多い一方で、PayPayはセブンアプリ内でロゴなどブランドを明示している。決済の際は「ペイペイ」という特徴的な音も鳴り、ユーザーにPayPayの使用感を残す設計とした。「本当はPayPayのアプリを使ってほしいが、セブンアプリはセブンでしか使えない(ためPayPayと大きく競合しない)」(馬場副社長)ということもあり、スマホ決済が得意とする少額決済が多いコンビニのなかで決済機能を担いながら、PayPayのブランドの認知度を高める利益を享受する選択をした。 PayPayがスマホ決済の中で存在感を高めた一方で、まだ日本では現金が非常に強いという事情もある。ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏の推計によると、日本全体のキャッシュレス比率は30%程度にとどまる。しかも、その中心はクレジットカードで、QRコード決済の比率は1%程度にすぎない。 日本は、「楽天は銀行を傘下に持てるが、銀行は楽天を持てない」と俗にいわれてきたように、大手ITが銀行を営む障壁が米国に比べ低い。EC、携帯電話、金融などさまざまなサービスをワンストップで提供する経済圏を構築しやすく、楽天やKDDIなど大手プレーヤーが競い合っているなか、中国で「アリペイ」と「ウィーチャットペイ」がスマホ決済で寡占となっている状況とは程遠い。 このためPayPayは自社アプリにミニアプリを集めるだけでなく、「PaaS(Payment as a Service)」として協業先との連携を増やすほうが、利用実績が伸び得ると判断した。PaaSを通じてPayPayの認知度が高まることは、スーパーアプリ戦略にもマイナスではない。 また、セブン&アイ・ホールディングスの「7pay(セブンペイ)」やNTTドコモの「ドコモ口座」の不正利用が起こり、スマホ決済事業に求められるセキュリティーのハードルは高まっている。 自社で高いコストを費やすことをためらう企業が、PayPayに決済機能の提供を求めるケースは今後も増える可能性がある。馬場副社長は営業先で、「キャッシュレス機能を独自に自社アプリに入れると、24時間寝られない人が続出しますよ。そちらよりCRM(顧客情報管理)や新規顧客の獲得にパワーを割いたほうが商売はうまくいくんじゃないですか。役割分担をしましょう」と呼びかけているという。 同時に、PayPayは従来のスーパーアプリ戦略も着実に進めている。20年9月から花王と、21年3月には百貨店と還元キャンペーンを実施。地方自治体との連携にも積極的に取り組んでおり、初期の全方位的なものから企業や業態、地域を絞った還元策に移行している。 その原資は連携先が負担するケースが増え、「以前のようにわれわれが血を流して頑張るだけではなくなった」(馬場副社長)。先行投資が奏功して、スマホ決済のプラットフォームとしての地位を固めつつある』、「PayPay」が「「キャッシュレス機能を独自に自社アプリに入れると、24時間寝られない人が続出しますよ。そちらよりCRM(顧客情報管理)や新規顧客の獲得にパワーを割いたほうが商売はうまくいくんじゃないですか。役割分担をしましょう」と呼びかけている」、のは実に上手いセールストークだ。
・『メルカリでの売買をなめらかに  一方、PayPayやLINE Payなどと競うように、高還元キャンペーンを打ち出していたフリマアプリのメルカリ傘下のメルペイは、PayPayとは全く違った方向性を打ち出している。 その意図が表れているのが、19年4月に導入した後払いサービス「メルペイスマート払い」だ。山本真人COO(最高執行責任者)は、「(PayPayやLINE Payなどと)競合ではないと言い続けてきた」と語る。 このスマート払いは、銀行口座などからアプリに事前入金せずともフリマや小売店で買い物ができ、利用額は翌月に一括払いか分割払いを選択する。フリマでの売り上げを清算に充てられるのも特徴だ。利用上限額はメルカリの利用実績を人工知能(AI)が分析して決まり、銀行などと違って勤務先など属性情報に依存しない。 メルカリのヘビーユーザーほど利用しやすい仕組みとなっており、後払いサービスの利用者の51%が清算原資にメルカリでの売上金を使っている。フリマでの売買体験を活発化させるための仕掛けとして、保有するお金を支払うという単純な決済にとどまらない仕組みを築こうとしている。 さらに20年11月には「ふえるお財布」と銘打ち、貸し付け投資サービスのFundsにメルペイの残高を利用できるようにした。メルカリの売上金を金融商品で増やし、次の買い物を促す効果を狙う。 PayPayのようにスーパーアプリとしての魅力を高めて、ユーザーや加盟店、ミニアプリ業者を引きつけるのではなく、メルカリというプラットフォームを活性化させるためにお金の流れをなめらかにする役割を担うメルペイ。還元競争が落ち着いた今、大手キャッシュレス事業者の戦略の違いが明確化している』、「メルカリ」が「20年11月には「ふえるお財布」と銘打ち、貸し付け投資サービスのFundsにメルペイの残高を利用できるようにした。メルカリの売上金を金融商品で増やし、次の買い物を促す効果を狙う」、まるで銀行のようだ。「PayPayやLINE Pay」も含めた今後の競争はどう展開するのだろうか。

第四に、5月31日付け日経ビジネスオンライン「「有料になる?……やめます」加盟店離れ、スマホ決済普及の正念場」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/052800187/?n_cid=nbpnb_mled_mpu
・『2019年の消費増税に伴う還元事業や、新型コロナウイルスの感染防止を背景に広がり続けるキャッシュレス決済。20年にはキャッシュレス決済比率は3割に達したとみられ、政府が掲げる「2025年に4割程度」の達成にじわじわと近づいている。 ただ、QRコードを使ったスマートフォン決済は今年、普及の正念場を迎える。スマホ決済の大手が加盟店の開拓を優先して無料にしてきた決済手数料を有料化するからだ。 決済事業者はユーザー獲得などに費やした先行投資を回収する必要があるが、「有料になるならやめる」(中小小売店の関係者)との声が漏れる。加盟店を引き留められるのだろうか。 決済手数料とは、電子マネーやクレジットカード、スマホ決済サービスを提供する事業者が、導入した加盟店から得る手数料だ。 例えば、Suicaなど交通系電子マネーは3.25%(米Squareの場合)、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。PayPayは10月に有料化を検討し、料率は未定としている。 クレジットカードは導入店舗ごとに与信を判断するため、1~6%程度と幅がある。経済産業省が18年4月にまとめた「キャッシュレス・ビジョン」によれば、中央値は3.00%となっている。 19年の消費増税に伴う「キャッシュレス決済・ポイント還元事業」では、キャッシュレス事業者は決済手数料を3.25%まで抑えることが参加要件だった。還元事業は20年6月に終了したが、3.25%が一つの目安になり、今に至る。 しかし、この水準でも中小企業には苦しい。中小企業実態基本調査(2019年度決算実績、速報)によると、スマホ決済が得意な少額決済が多い小売業の経常利益率は1.5%、宿泊業・飲食サービス業も同じく1.5%にとどまる。クレジットカードに比べて初期コストが低いことを売りに導入を訴えてきたスマホ決済事業者だが、有料化が進めば、決済回数が増えるたびに、利用者の利益が目減りしていってしまう。 ある小売店の関係者は、「事前にチャージして使う前払い式が多いスマホ決済は、クレジットカードのように与信コストが必要ないから有料になるにしても、それより安くしてほしいと話したが反応は芳しくなかった」と明かす』、「「事前にチャージして使う前払い式が多いスマホ決済は、クレジットカードのように与信コストが必要ないから有料になるにしても、それより安くしてほしいと話したが反応は芳しくなかった」、主張は合理的にみえる。「反応は芳しくなかった」理由は何なのだろう。
・『「手数料10分の1」を実現したスーパー連合  相次ぐ有料化でスマホ決済大手からの離脱が増えれば、独立系キャッシュレスが注目を集めるかもしれない。中堅・中小スーパーを運営する約200社が加盟するシジシージャパン(CGC、東京・新宿)が開発したカード型電子マネー「CoGCa(コジカ)」はその一つといえそうだ。
・『コジカは手数料を抑えて電子マネーを提供している  コジカは15年3月にスタートした。当時主流だった鉄道会社や大手スーパーの汎用的な電子マネーはタッチするだけで支払いができる便利さから来店客からの導入希望の声が寄せられていたが、決済手数料はクレジットカード以上。「手数料が高い」という加盟スーパーの不満を受け、コジカの手数料は他のキャッシュレスの10分の1程度に抑えた。 その要因は、ポイント還元制度を設けていない点だ。ほかの電子マネーやスマホ決済と違って還元に必要な原資が手数料に反映されていないため料率が低い。還元は必要なら、加盟スーパーが個々に実施する。 CGC関連会社のエス・ビー・システムズの堀内秀起カード事業推進リーダーは「コジカの利用率が高まっても加盟スーパーに負担をかけないことを最優先にした」と話す。 キャッシュレス普及の壁とされる加盟店への入金方法も独特だ。ほかの汎用的なキャッシュレス決済では、ユーザーが支払った額が店舗に入金されるまで15~30日かかり、加盟店の手元資金が心もとなくなる。コジカは店舗でチャージをするのが基本で、店舗がチャージ金を預かる。その預かり金と利用額を精算するため、キャッシュフローに大きな影響はない。 そもそもQRコード決済は、スーパーの店舗運営にとって課題が大きい。スマホのアプリを立ち上げ、レジでコードを読み取る一連の流れは、タッチするだけで済むカード型電子マネーに比べて手間だ。また、来店客がレジに設置したQRコードを読み取って代金をアプリに入力する場合、来店客が入力した数字を従業員が確認しづらいという課題もある。 野村資本市場研究所の淵田康之シニアフェローは「無料期間中にキャッシュレスを導入した実店舗はコロナで非常に苦しい。無料期間終了が迫り、キャッシュレス普及に向けて、これからが正念場だ」と指摘する。 少額決済が中心のスマホ決済事業者は、スーパーやコンビニを重視しているが、有料化で離反を招けば大きな痛手となる。コジカのような手数料を抑えたシステムが増えれば、そちらに流れる可能性がある。コジカは、スーパーが安価に利用できるスマホアプリも検討している』、「コジカ」は「ポイント還元制度を設けていない」、「店舗でチャージをするのが基本で、店舗がチャージ金を預かる。その預かり金と利用額を精算するため、キャッシュフローに大きな影響はない」、など優れた方式のようだ。
・『手数料に見合う「納得」  キャッシュレス決済が伸び続けるかどうかの分水嶺を迎える中、米国にヒントがみえる。小売りや外食など幅広い業態に決済システムを提供する大手のSquareだ。 Squareはガラス工芸家のジム・マッケルビー氏が自分の作品を販売する際、クレジットカードでの支払いを受け付けられず、販売機会を逃したことをきっかけに設立した。「Squareの存在意義は、中小企業や十分なサービスを受けられない人々が経済活動に参加できるようにすること」(Squareゼネラル・マネージャーのデイビッド・タラック氏)として、決済だけでなく従業員の給与支払い、顧客管理など経営支援につながるサービスへと領域を広げてきた。 その柱の一つが、事業者向け融資だ。日々の売り上げを基に借入可能額を自動ではじき出し、事業者は最短、翌日に融資が入金される。返済額も売り上げが少ない日は少なく、多い日は多くなる仕組みだ。伝統的な金融機関の融資審査が画一的な一方、店舗の実情に鑑みて資金を融通しており、女性など「マイノリティー」が経営する事業者への融資比率が高い。 このように単に支払い機能だけでなく、加盟店が納得しやすい付加価値の提供にまで踏み込めば、自然とキャッシュレス普及率も高まっていくだろう。 大規模還元や手数料ゼロをうたって、勢力を広げる第1幕は終わった。物珍しさやコストの低さで利用してきたユーザーや加盟店も、使い続けるメリットが薄まれば根強い現金信仰に押し戻される恐れがある。キャッシュレス決済を軸に、付加価値をいかに高めていくか。次の競争が始まっている』、有料化される今後こそが勝負だ。どこが生き残るのだろうか。
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リーダーシップ(その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!) [国内政治]

今日は、リーダーシップ(その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!)を取上げよう。

先ずは、4月27日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00127/
・『今回は「リーダーシップ」についてあれこれ考えてみる。 先日、「ついに!」というか、「あらら~」というべきか、新型コロナウイルス感染疑惑が私事となる“事件”が起きた。 私自身は、かなり徹底した感染防止策を1年以上続けているのだが、たまたま先週会った友人から、「昨夜から体がだるく、熱が38度もあるので、コロナに感染しているかもしれない」と連絡が来たのである』、顔の広い「河合氏」ならありそうな話だ。
・『初のPCR検査、だが結果が来ない…  友人と会ったときには二人ともマスクはしていたのだが、その後、私のクルマに乗せたりしたので、感染の可能性はゼロではない。私は、自宅から徒歩2分のところにあるマンションに住む母と頻繁に接しているので、万が一感染していたら母の命が危なくなると、一気に青ざめた。 その後、友人はかかりつけ医のところに行き、熱以外に疑わしき症状はないし、レントゲン検査も受けたところ「大丈夫でしょう」との診断だったそうだ。ところが、夕方からさらに熱が上がり、「自費でPCR検査を受けに行くことにした」と連絡がきた。 一応、私も研究者の端くれなので、「コロナ感染リスク」の知識は国内外の論文でチェックして蓄積しているけど、改めて、信頼できる医師たちに確認したところ、「発症2日前から感染させるリスクあり」「症状なしでも陽性になり、2~3日以内に症状が出る」ということで、「やはりそうなのか」と不安が増した。 そこで、とりあえず発熱外来に電話して状況を伝えたところ、近所のコロナ対応ができる病院を紹介され、相談するようにと指示を受けた。で、電話を切るや否や即行で電話をかけたが、18時半をギリギリ過ぎてしまっていたので、どこもかしこも「明日、ご連絡ください」の音声が流れるばかりだった。 翌日まで待とうかとも思ったが、仕事もあるし、関係する人に迷惑をかけることもできない。そこであれこれ調べたところ、近所に22時までPCR検査をやってくれる病院を発見! “猛ダッシュ”で電話し、人生初のPCR検査を受け、「結果は明日の午前中にメールで送ります。万が一、陽性の場合は、電話で連絡します」と言われた。 で、翌朝。友人からは「陰性! 熱も下がった」と連絡がきたのに、私には待てど暮らせどメールがこない。「友人が陰性」と聞いても、SNSを見ると「陰性になった2日後に発熱し、陽性が確認された」との書き込みも見つかるので全く安心できない。 結局、昼を過ぎてもメールがこないので、病院に電話したところ、なんと送信ミス! 「陰性」だったことが無事確認され、やっと、本当にやっとフツーに息をすることができ、平常心を取り戻せた。 しかしながら、PCR検査にかかった費用は、3万3000円だ! べらぼうに高い! おまけに「送信ミス」って……、トホホ。) コロナ前なら熱が出ても「知恵熱!」と笑えたのに、今は発熱した途端に「コロナの疑い」になる。「周りに感染させていたら……」と心配になるので、とにもかくにも検査をしたい。なのに、医師に「コロナの可能性がある」と診断された場合にしかPCR検査はしてもらえないのだ。 なぜ、こんなにPCR検査のハードルが高いんだ? 「無症状の人から感染が拡大している」「発症2日前から人に感染させる」ことが、1年以上にわたるコロナ禍により蓄積されたデータ分析でわかっているのに、なぜ、検査を拡充しない? 米国や欧州に住む知人たちは、「PCR検査は簡単に受けられる」と口をそろえるのに、いったい日本はなぜ、こうなのか? “謎”としか言いようがない』、私は検査入院する際に、病院の手配と費用負担で「PCR検査」を受けたが、唾液で検査する方式で、唾液がなかなか出てこないので苦労した記憶がある。
・『データに基づく対策を実行する米国  先月、米保健福祉省が、全米の学校で新型コロナウイルスのサーベイランス検査の実施を支援するため、各州向けに100億ドル(約1兆788億円)の予算を確保したと発表した(資料)。バイデン大統領は就任100日以内に大半の学校で対面授業を再開させるとの目標を掲げており、幼稚園年長から高校3年生までを対象にサーベイランス検査を実施することで、目標を実現させたいと考えているのだという。 日本では米国の“感染対策のゆるさ”ばかりが伝えられるが、実は昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施している。その詳細は朝日新聞の記者が3月29日付の夕刊で報じているが、米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策だという。 研究者らは分析結果から、「無症状の人が後から感染したことが判明し、感染を拡大させた」としてサーベイランス検査の重要性を訴えた。そこで同大学は「感染予測モデル」を構築するとともに、短時間で検査結果がわかる体制を整備。「エビデンスに基づく政策実行」が根付いているだけに、多くの大学がサーベイランス検査を実施し、それぞれの大学がその都度「対策の検証」を行い、論文でその結果を発表するなど、「成果」の蓄積を行っている。 日本ではPCR検査で偽陽性や偽陰性が出ることから、「検査をやたらめったら実施するのは良策ではない」といった指摘があるが、サーベイランス検査の結果から、その確率は極めて低いことがわかっている。 つまり、「データ分析→仮説→モデル構築→実証研究→データ分析→モデル改善→実証研究」という流れの対策を講じることで、「何が必要で、何が必要じゃないか」の情報共有を行い、国も予算をつけ、米疾病対策センター(CDC)がサーベイランス検査の適切な運用の指針や技術的支援を提供するなど、協働作業が行われているのである。 かたや日本はどうだろうか? 研究者たちが検証作業やシミュレーションを行うなど、科学的にわかったことをその都度発信しているのに、“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策ばかりだ。 「無症状の感染者を早期に発見し、隔離する」という科学的根拠に基づく「感染対策」に予算を投じ、実効性のある政策を進める気配が、“リーダー”から全く伝わってこない。 ワクチンについても、“リーダー”は「確保できた!」と胸を張るけど、ワクチンさえ打てば感染がゼロになるわけじゃない。そのことは、感染症の専門家や医師たちが口を酸っぱくして言っている。ましてや、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンで血栓が生じる事例が報告されたことで、欧米では集団免疫が獲得されるスケジュールの修正が行われ、欧州連合(EU)では当初の9月30日から12月8日に、米国では7月22日から9月17日にずれ込むと予想されている(資料)』、「昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施・・・米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策」、なんとアメリカは「クルーズ船」「感染」から正しく学んだのに、日本は「“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策ばかりだ」、やれやれだ。
・『今も見えない「リーダーの仕事」  昨年末、英医療調査会社エアフィニティーが公表した、各国の「集団免疫獲得時期の予測」で、日本は先進国の中でビリ。主要先進国がいずれも21年内だったのに対し、日本は22年4月。来年の春だ。先のJ&Jの事例や、今の日本の状況を鑑みれば、22年4月より遅れると考えたほうがいいであろう。 問題はそれだけではない。 ドイツに赴任中の知人が、昨年末に日本に帰国した際に、「冗談でしょ?」という事態に遭遇したと教えてくれた。なんと14日間にわたる隔離中の連絡先を登録するときに、ドイツの携帯電話番号は桁数が多すぎて登録できなかったというのだ。 まあ、4カ月前の話なので、今は改善されているかもしれない。だが、他にも「冗談?」のような案件があるかもしれないとの疑念は払えず、これってオリンピックやるやらない以前の問題では? と思ったりする。 いずれにせよ、新型コロナウイルスの感染拡大という、災害レベルの事態で、首相や都道府県の知事など、“リーダー”の役割は極めて重大なのに、“リーダーのお仕事”が全く見えてこない。 リーダーが明確なメッセージを迅速、かつ具体的に発信するから「私たち」は安心する。「ああ、このリーダーが言うなら」とリーダーを信頼し、「お願い」に精いっぱい協力しようという気持ちになる。にもかかわらず、科学的根拠に基づいた先手の対策もせず、検証もせず、ひたすら1年前と同じ「出るな、動くな、接するな!」のお願いばかりだ。 そもそも“リーダーのお仕事”は、「宣言を出すかどうか」の決断だけではない。 優れた決断には、準備、判断、実行という3つのフェーズからなる意思決定のプロセスが存在する。 第1フェーズの「準備」とは、解決しなければならない問題を見極め、「その問題を解決するための判断が、なぜ必要なのか?」をチームのメンバー全員に理解させる段階である。当然ながら、意味ある準備を行うには、「目指すべきゴール」を明確にし、メンバーと共有しなくてはならない。 もし、メンバーに理解を求める過程で反対意見が相次いだら、「問題の本質」をリーダーが見落としている可能性がある。なので、ここでは繰り返し、「今、何をすべきか? 何が求められているのか?」を周りの意見や置かれている状況、取り巻く環境から包括的、かつ具体的に再考する必要がある』、菅首相は頻繁にコロナ対応の記者会見を開いているが、およそ政策決定の理由などを殆ど説明せず、結論だけなので、およそ説得力がない。まるで大本営発表だ。
・『危機のときこそ、適切な軌道修正  ここで手を抜くと、完全に判断を誤る。3つのフェーズの中で、最も大切で、手間暇がかかるフェーズが「準備」なのだ。 そして、メンバーへの理解が徹底され、メンバーが「よし、やってみよう!」と熱意をかき立てられたところで、次のフェーズの「判断」を下す。判断は明快で、具体性のある中身を伴っていなくてはならない。 最後のフェーズ、「実行」では、自らが積極的に関わり、絶えずフィードバックと検証とができる環境を整え、問題があれば軌道修正を行う。 「一度決めたことを軌道修正するなんて……」とかたくなに拒むリーダーもいるが、優れたリーダーほど結果を最優先に考え、迅速かつ柔軟に対応する。特に緊急時においては、最優先事項が時間とともに変わる可能性もあり、適切な軌道修正が要求される。 こういった一連のプロセスが、「腑(ふ)に落ちる流れ」で行われたとき、初めてリーダーシップを発揮したと評価されるのだ。 ドイツではコロナ感染拡大が始まった当初から、メルケル首相の手腕が評価されていたが、実際に「準備が徹底されていた」のだという。 「10万人当たりの新規感染者数によって、発動する対策メニューがすでに決まっているので、日本のように、その都度、政府がうんうんうなりながら、緊急事態宣言出そうかな、どうしようかな? なんて考えなくて済むシステムになっている。我々も3日移動平均の新規感染者数を見て、来週からこのメニューかな、と予想がつくので、私なんかは、お天気チェックみたいな感覚になってきました」 ドイツ在住の知人はこう教えてくれた。 現在は、「第3波を抑制するための措置」として、「過去7日間で、新規感染者が3日連続で人口10万人当たり100人を超えた場合」という基準値が、テレビや新聞、企業や地域のメルマガなどを通じて4月21日付で通達されたため、基準値ごとに決められた対策メニューに沿って、市民は行動するそうだ。 メニューの項目は、「私的な集まり」「店舗・サービス業等」「レストラン、ホテル、娯楽・文化」「外出制限」「学校・保育施設」「ホームオフィス」に分かれていて、実に具体的に記されている。 例えば、基準値である10万人当たり100人を超えた場合、「レストラン、ホテル、娯楽、文化施設は閉鎖、スポーツは自身のみ、または2人、あるいは自身の家族のみと行うことができる」「午後10時から午前5時までの間は、仕事や医療など、正当な理由がある者だけが外出できる。午前0時までは、1人でのジョギングや散歩は認められる」といった具合に、「できないこと」だけではなく、「できること」もきちんと具体的に示されている。 以前、メルケル首相の感染拡大防止に協力してほしいと国民に訴える「熱弁」が注目を集めたけれど、これだけちゃんと「準備」し、その準備した基準に基づき「判断」したからこそ、熱く、ときに怒りをにじませながらも国民に訴えることができた。徹底的に準備したからこそ、リーダーというポジションについた人だけが手に入れることができる、「言葉の力」という最高の武器を行使できたのだ』、菅首相の場合、「準備」もしておらず、「言葉の力」は全く感じられない。
・『精神論は不要、してほしいのは「仕事」  ドイツではワクチン入手に手間取ったこともあり、接種の遅れが指摘されているが、4月22日現在、ワクチン接種率は21%。2回目終了が6.8%。一方、日本は4月21日時点で、少なくとも1回接種した人は1.2%で、先進国では驚くほど極端に低い水準だ。 3回目の緊急事態宣言が発令され、“リーダー”は「変異ウイルスが~」という文言を繰り返している。 だが、前回の緊急事態宣言が解除されるとき、すでに「変異ウイルスのリスク」は伝えられていた。誰もがそのことを案じていた。なのに、菅義偉首相は「新規感染者数が8割以上減少し、病床使用率も改善されている」と解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている。「人の命か経済か」と散々いわれてきたけど、命でもなければ経済でもない。「選挙のことしか考えてないのでは?」などと、思ったりする。 リーダーがリーダーシップを発揮するには、メンバーたちからの「信頼」が必要不可欠なのに、リーダーが信頼できない。自分たちの無策を「変異ウイルス」のせいにしないでほしい。 だいたい「医療崩壊」という4文字が、どれだけ重いものなのか? “リーダー”たちは本当にわかっているのだろうか。現場にいるのは「人」、「人」なのだ。 目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ』、「菅義偉首相は・・・解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている」、「目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ」、同感である。

次に、5月3日付け東洋経済オンラインが掲載したコミュニケーション・ストラテジストの岡本 純子氏による「もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426143
・『日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。 たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。 その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。 コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「日本人がもう心底『日本政府のコロナ対策』にウンザリしている根本理由」について解説する』、「コミュニケーション戦略研究家」の見方とは興味深そうだ。
・『「モヤモヤ」が拭えない3回目の「緊急事態宣言」  3回目の「緊急事態宣言」が発令されました。しかし、緊張感のあった2020年の1回目とは大分、様相が違うようです。 多くの国民が、「もんもん」とし、「モヤモヤ」し、「イライラ」しています。街の人出はそれほど減っている印象もないし、都内でも酒を提供している店や夜遅くまで開いている飲食店もあります。 「マンボウ?」「宣言?」いったい何が違って、何をしてはいけないのかももはや、わかりません。 「防疫体制」「医療体制の構築」「ワクチン接種の体制整備」……。日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません。 4月28日の時点で、あれだけ、感染者が激増しているインドが流行国に指定されておらず、水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」と自民党内から声が出ました。 後手後手で、つぎはぎだらけの対策。国民はもはやサジを投げたというか、諦めムードさえ漂っています。 この「モヤモヤ感の根源」にあるものは何でしょうか。今回は今、この国に絶望的に欠如している「リーダーシップ」と「信頼」について考えてみましょう。 ロイター通信によれば、日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず、日本の接種率はまだわずか1.6%で先進国随一の低さ。日本より遅く接種が始まった韓国でさえ、人口の4.7%の接種が済んでいるのだそうです。 巨大な会場での大規模接種の話が出ていますが、報道によれば、先週ぐらいに浮上したアイディアだとか。他国は1年も前から接種体制について入念に準備を進めてきたというのに、いったいどういうことなのでしょう。もう開いた口がふさがりません。 次から次へと明らかになるポンコツぶり。いやいや、大変なのは、日本だけではないかもしれない。そう思って、私は海外に住む友人たちに現在の各国のコロナ対策について尋ねてみました』、「日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません」、「水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」」、「日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず」、「開いた口がふさがりません」もその通りだ。
・『「海外在住」の日本人に「コロナ対策」を聞く
【アメリカ】(カリフォルニア州在住) +住民の37%がワクチン接種を完了し、20.3%は1回目の接種を済ませている。 +レストランはすでにインドア、アウトドアとも条件付きで再開。学校の再開も進む。このまま順調に行けば6月15日に経済活動の全面再開の予定。ただしマスク着用義務は残る。 【ドイツ】(ベルリン市在住) +2回接種済みは7.4%、1回接種済みは24.7%。 +スーパーかドラッグストア等生活必需品を取り扱うお店ぐらいしかオープンしていない。小学校は分散登校、中学校以上は原則オンライン授業、公共空間および屋内はN95相当のマスク着用義務(布マスクや医療用マスクは不可)、夜間外出禁止。
【イギリス】(ロンドン在住) +収束しつつある +国民の約半数が1回目の接種を終わった。 
【オーストラリア】(シドニー在住) +ずっと感染者ゼロが続いている。 +ワクチン接種は全人口の7%ぐらい。しかし感染者もいないので、特に急ぐ必要がない。 +レストランもジムも普通に営業。日常生活に制約はほぼなし 
【シンガポール】 +3月後半より45-59歳、6月1日からは16‐45歳もワクチン接種の対象に。
【ロシア】(モスクワ在住) +人口の7%(1回接種が8.3%)と聞いている
 いずれも「ワクチン接種」は日本よりは進んでいるようです。 一方で、ドイツの状況はずいぶん厳しく、「半年以上ロックダウン」という状態が続いていますし、他の多くのヨーロッパの国々も状況は厳しいままです。 アメリカもイギリスも大変な数の犠牲者を出し、長らく厳しい規制下に置かれていたことを考えると、日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」(ベルリン市在住の冨永真実子さん)とも言えるわけですが、そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています。 今回、10人の海外在住の日本人に話を聞きましたが、8人が「感染は収束している」と回答。驚いたのは、9人が「その国の政権やリーダーを信頼している」と答えたことでした。ひどい状況の続くドイツでさえ、メルケル首相への支持率はそれほど下がっていないというのです。 その理由を冨永さんは「少なくとも『説明責任を果たしている』と認識されている」と分析しています。 「トップのメッセージがクリアで、市民にはリーダーシップがあると映る」「メディアとの関係が良好で、政権の方針に対して、国民も社会もメディアも協力的。結果、滞っていたいろいろなことがスムーズに流れている」(アメリカ)、「首相が定期的に状況のアップデートを3カ国語で会見。国民目線に立って語りかけ、一体感を感じさせてくれた」(シンガポール)と手放しの評価です』、「日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」・・・そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています」、その通りだ。
・『「国と国民との信頼関係」が欠如している日本  日本人のモヤモヤポイントはたくさんあるわけですが、根本にあるのは「国」と「国民」との間の「コミュニケーション」、そしてそこから生まれるはずの「信頼関係」が「決定的に欠如している」ということではないでしょうか。 「信頼(Trust)の欠如」。これは今の日本の多くの問題の根幹にあるのかもしれません。 「組織の運営や企業の経営において特に重要なもの。それが信頼である」。アメリカの神経経済学者で、クレアモント大学院大学のポール・ザック教授は、こうした学説を唱え、「信頼」についての多くの学術的研究を発表しています。 「リーダーや社員間の信頼関係が高い企業」は低い企業に比べて、ストレスが74%減り、生産性は50%、人生への満足度が29%上がったそうです。 そこには「幸せホルモン」と言われる「オキシトシン」が深く関係していると彼は指摘します。 「信頼」は「幸せホルモン」「オキシトシン」の分泌を促進し、「人生の幸福感」「満足度」を高め、オキシトシンは「共感力」を高め、他人を信頼することへの「恐怖心を削ぐ」という相乗効果があるそうです。 他方、日本ではこの「信頼」の度合いが世界的に見ても圧倒的に低いという現実があります。PR会社エデルマンが毎年行っている「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果でした。 「日本の安倍政権だけが『コロナ危機で支持率低下』という残念さ」(「プレジデントオンライン」2020年4月17日)でも指摘したように、危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました(2020年4月時点)』、「「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果」、「危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました」、日本は酷いものだ。「メディアへの信頼度」が低いのも政府広報的になったことも影響しているのかも知れない。
・『日本はあらゆる組織で「リーダーシップ不在」  こうした不信感の源泉のひとつに「リーダーの資質」や「コミュニケーション不全」といった要素があるように感じます。 「納得のいく説明が何ひとつない」。これは我々がとみに感じるところでしょう。 「なぜ、医療体制が整備されてこなかったのか」 「なぜ、水際対策がこれほどまでに遅く、ゆるゆるなのか」「ワクチン接種体制の構築がなぜこれほど遅いのか」「オリンピックは安全に開くことができるのか」などなど、国民は尽きぬ不安と疑問に溺れかけています。 菅義偉首相ひとりを責めて片付く問題ではないでしょう。大臣、政治家、官僚、医師会、あらゆる組織において「リーダーシップ不在」であり、何も動かない。国民はただただ、「自制」し、「自己防衛」をしていくしかないということです。 ザック教授は、「信頼」を醸成し、「オキシトシン」を高める方法として、以下の8つを推奨しています。 ①(人々の)働きや努力を認める ②難しいけれど、達成可能なチャレンジを与え、適度なストレスを誘発する ③仕事のやり方について自主裁量権を与える ④自分でやりたいと思う仕事ができるようにする ⑤広く情報を共有する ⑥意識的に関係性を強化する ⑦人格的な成長を促す ⑧(リーダーが)弱さを認め、人々に助けを乞う これらの方策はすべて、「国のコミュニケーション」に応用ができそうですよね。結局のところ、医療体制も接種体制も防疫体制も、意思疎通や指示伝達などが機能しなければ、変わりようはないわけで、コロナ対策のすべての場面において、「戦略的なコミュニケーション」が絶対的に必要ということです』、同感である。
・『日本人にはもっと「きっちり言語化し伝える力」が必要だ  一つひとつのパーツはいいのに、全体となるとなぜかぐだぐだ。これが日本の「あるある」です。それはそうしたパーツをつなぐ役割を果たす「コミュニケーション」が機能していないからかもしれません。 「以心伝心」「忖度」「阿吽の呼吸」といったお家芸に頼っているから、物事は進まない。この視界不良の社会においては、「きっちりと言語化し伝える」という、血のにじむ「コミュニケーションの努力」「話し方の技術」が、どのリーダーや組織にも求められている――いまのコロナ禍は、この真実を私たち日本人につきつけているのです』、菅首相や官邸には「コミュニケーション」の専門家もついている筈だが、一体、何をやっているのだろう。「きっちり言語化し伝える力」は確かに求められているようだ。
タグ:リーダーシップ 東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン 河合 薫 岡本 純子 (その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!) 「信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々」 顔の広い「河合氏」ならありそうな話だ 私は検査入院する際に、病院の手配と費用負担で「PCR検査」を受けたが、唾液で検査する方式で、唾液がなかなか出てこないので苦労した記憶がある。 「昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施・・・米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策」、なんとアメリカは「クルーズ船」「感染」から正しく学んだのに、日本は「“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策 菅首相は頻繁にコロナ対応の記者会見を開いているが、およそ政策決定の理由などを殆ど説明せず、結論だけなので、およそ説得力がない。まるで大本営発表だ。 菅首相の場合、「準備」もしておらず、「言葉の力」は全く感じられない。 「菅義偉首相は・・・解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている」、「目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ」、 「もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!」 「コミュニケーション戦略研究家」の見方とは興味深そうだ。 「日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません」、「水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」」、「日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず」、「開いた口がふさがりません」もその通りだ。 「海外在住」の日本人に「コロナ対策」を聞く 「日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」・・・そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています」、その通りだ。 「「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果」、「危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました」、日本は酷いものだ。「メディアへの信頼度」が低いのも政府広報的になったことも影響しているのかも知れない。 コロナ対策のすべての場面において、「戦略的なコミュニケーション」が絶対的に必要ということです』、同感である。 菅首相や官邸には「コミュニケーション」の専門家もついている筈だが、一体、何をやっているのだろう。「きっちり言語化し伝える力」は確かに求められているようだ。
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中国経済(その8)(「世論を操作していいのは政府だけ」中国共産党がアリババを追い詰めるすごい理由 制裁金は約8500億円になる恐れも、大手商社 メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴、記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国 デフォルト容認、信頼維持ため救済 悩める政府) [世界情勢]

中国経済については、1月22日に取上げた。今日は、(その8)(「世論を操作していいのは政府だけ」中国共産党がアリババを追い詰めるすごい理由 制裁金は約8500億円になる恐れも、大手商社 メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴、記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国 デフォルト容認、信頼維持ため救済 悩める政府)である。

先ずは、3月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリスト/千葉大学客員准教授の高口 康太氏による「「世論を操作していいのは政府だけ」中国共産党がアリババを追い詰めるすごい理由 制裁金は約8500億円になる恐れも」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/44409
・『中国政府がIT大手アリババ・グループに巨額の制裁金を検討している。3月11日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。金額は最大で約8500億円になる恐れもある。ジャーナリストの高口康太氏は「表向きは独占禁止法違反に対する制裁金だが、中国当局の本当の狙いは、政府以外の勢力に世論操作をさせないことだ」という――』、「中国当局の本当の狙いは、政府以外の勢力に世論操作をさせないこと」、ありそうな話だ。
・『約8500億円の制裁金が検討されているアリババ  中国EC(電子商取引)大手アリババ・グループに対する逆風が続いている。独占禁止法違反容疑での調査が続くなか、最大で約8500億円という巨額の制裁金が科される可能性も浮上してきた。 アリババは昨秋以来、多くの問題に直面してきた。まず金融関連企業のアント・グループは11月3日、当局の指導によりIPO(新規株式公開)が延期された。IPO前日の延期発表という前代未聞の事態は世界的な注目を集めた。さらに12月24日には独占禁止法違反容疑で、浙江省杭州市にある本社への立ち入り調査が行われた。 アリババの張勇(ダニエル・チャン)CEOは2月3日の四半期業績発表会で、この2つの問題について言及し、当局の調査に積極的に協力しているとアピール。改善計画を策定し、当局の認可を得られ次第、ただちに発表すると約束した。すなわち、現時点ではまだ先行きは不透明なままであることを認めた格好だ。 IPO延期、独占禁止法違反のいずれについても、当局は詳細な“容疑”を明かしてはいない。しかし、張CEOの発言からはアリババはなにがしかの改善計画を策定することが求められており、かつ、その計画は当局の了承を得る必要があることがわかる。 中国政府はアリババの何を問題視しているのか。何を変えさせようとしているのか』、「アリババ」もいい気になり過ぎていたのかも知れない。
・『メディア事業は中国IT企業の生命線に  さまざまな憶測が飛び交うなか、意外な論点が浮上してきた。それはアリババが保有するメディア、ソーシャルメディアの売却を求める動きだ。 アリババはEC(電子商取引)を祖業とする企業だが、現在ではクラウドコンピューティング、物流ソリューション、出前代行、口コミサイト、ゲーム、エンターテインメントなど幅広い事業を傘下に擁する。これはアリババだけの特徴ではない。米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が特定の分野に経営資源を集中しつつも事業範囲を全世界に拡大しているのに対し、中国の大手IT企業は地域的には中国本土に集中しつつも、カバーする分野は複数領域に広げている。 中国IT業界には「トラフィックは王」という言葉がある。新サービスを育てるにはユーザーを集める必要がある。どんなに優れた機能を開発しても、集客で負ければそれで終わりだ。集客のための導線をいかに確保するか、メディアやソーシャルメディアはIT企業にとってきわめて重要なポジションにある。 だが、アリババは長らくこの分野で劣勢に立たされてきた。 アリババのライバル企業であるテンセントはQQ、ウィーチャットというソーシャルメディア、メッセージアプリを持つほか、騰訊網というポータルサイトを持つ。一方のアリババは2005年にヤフー中国を買収したものの、ユーザー数を伸ばせずサービスを停止した。また、同社の持つ決済アプリ「アリペイ」のメッセージ機能を強化し、ソーシャルメディア化する構想もあったが、こちらも失敗している。 自社では有力なメディア、ソーシャルメディアを生み出せなかったアリババは、戦略出資を通じて巻き返しを図る。2013年には中国SNS大手「ウェイボー」に出資。2015年には大手動画配信サイトの優酷土豆を買収。同年、中国大手メディアコングロマリットの上海メディアグループと戦略提携、さらに香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストを買収と影響力を拡大してきた』、「自社では有力なメディア、ソーシャルメディアを生み出せなかったアリババは、戦略出資を通じて巻き返しを図る」、なるほど。
・『ネットメディアに脅かされる中国共産党の権力  なぜ、今になってアリババのメディア事業が問題視されたのか。 中国の独占禁止法に詳しい、神戸大学の川島富士雄教授は2020年4月の不倫事件が引き金になったと指摘する。 アリババの蒋凡(ジャン・ファン)副総裁と有名女性インフルエンサーの不倫スキャンダルが発覚し、中国のネットでは爆発的な話題となった。ところが、アリババが出資するSNS「ウェイボー」は、この話題がホットトレンドランキングに掲載されないように手配した。 この動きに怒りをあらわにしたのが中国共産党だ。中国共産党は1949年の建国以来、メディアを厳重な支配下に置いてきた。すべての新聞、雑誌はなんらかの党機関の直接的管轄に置かれており、自由に出版することはできない』、「アリババ」も寝た子を起こすような馬鹿なことをしたものだ。
・『ウェイボーへの規制を強める中国当局  映画やテレビの内容も厳しく検閲されている。しかし、近年誕生したネットメディアについては伝統的メディアほどの規制はいまだに整備されていない。また、メディアの商業化改革が進むなか、出資という形でIT企業と伝統的メディアが提携するケースも増えている。 きっかけは不倫スキャンダルではあったものの、自分たち以外の勢力が世論操縦を可能にする力を持っている。この事実が中国共産党に強い警戒感を引き起こした。昨年はロシアや中国が米国のネット世論に干渉し、米大統領選に影響力を行使しようとした疑惑が注目されたが、中国民間企業が中国国内で世論操縦を可能にする実力を擁していることを発見し、強い危機感を覚えた。 米紙ウォールストリートジャーナルによると、不倫事件を受けて中国共産党中央ネットワークセキュリティ・情報化委員会弁公室が策定した非公開の報告書では、アリババが「世論操作のために」資本を利用していると指摘された。そして、6月には中国国家インターネット情報弁公室は、「(不倫事件において)ネットの情報伝播を秩序に干渉」したとして、微博に対応を命じ、ホットトレンドランキング機能を1週間にわたり停止するよう命じた』、「中国共産党中央ネットワークセキュリティ・情報化委員会弁公室」に「アリババが「世論操作のために」資本を利用していると指摘」、されるようでは「アリババ」にも大きな手落ちがあった。
・『「資本による世論操縦のリスクを断固抑止しなければならない」  だが、この処罰だけでは中国共産党の懸念は解消されなかった。メディアと世論の監視を担当する、中国共産党中央宣伝部の徐麟(シュー・リィン)副部長は11月19日に登壇したイベントで、「融合的発展に名を借りて、中国共産党の領導を弱体化させる動きを断固防止しなければならない。資本による世論操縦のリスクを断固抑止しなければならない」と、さらに追撃する。 この言葉に呼応するように、昨年12月の中国共産党中央政治局会議および中央経済工作会議、今年3月の全国人民代表大会政治活動報告には「独占禁止の強化と資本の無秩序な拡張の抑止」という言葉が盛り込まれた。 「“資本の無秩序な拡張の抑止”という、一見して独占禁止法との関連が不明瞭な文言がなぜ盛り込まれたのか。この一節は徐副部長の発言と関連していることは明らかだろう。重要な政治方針に盛り込まれたことを見ると、世論掌握の分野でプラットフォーム企業が強い影響力を持ったことに、中国共産党が強い危機感を抱いていることがわかる」(川島教授)』、「中国共産党が強い危機感を」抱かせた以上、やりたいようにやられるのだろう。
・『独占法とは無関係のメディア事業が標的に  日本など先進国では、特定の企業が多くのマスメディアを支配し、世論を操作することがないよう、「マスメディア集中排除原則」を定めている。しかし、中国では従来、中国共産党がメディアを支配し、その対抗者が出ることは想定されていなかった。民間企業によるニュース編集介入禁止や外資規制は存在するが、民間企業によるメディア支配を十分に抑止する法制度は整備されていない。 では、アリババなどプラットフォーム企業によるメディアへの影響力をいかにして弱めるのか。川島教授は独占禁止法違反とセットにする形が考えられると予想される。 アリババに対する独占禁止法違反について詳細な問題点は明らかにされていないが、「二選一」(二者択一)などが問題視されているもようだ。これはアリババの“独身の日”セール等に参加する企業に対し、他のEC企業のセールには参加しないよう強制することを意味する。この問題について、アリババが改善計画を策定し、当局が了承するという形で決着する可能性もある。 「この改善計画は“自主的”に策定することがポイントだ。企業が自発的に作ったという立て付けのため、独占禁止法違反で槍玉に挙げられた問題以外の内容を含むこともありうる」(川島教授)。 実例もある。2011年に通信キャリアのチャイナテレコム、チャイナユニコムは独占禁止法違反に対する改善計画を提出した。もともとは競争事業者に対する接続料のつり上げが問題となったにもかかわらず、改善計画には一般ユーザーに対する通信料引き下げというまったく無関係の条件が盛り込まれていた。 独占禁止法違反にかこつけて、通信料引き下げという産業政策を実施したという次第だ。同様に、「二選一」とはまったく関係のない、メディア事業の売却が、アリババの“自主的”な改善計画の一項目となることは十分に考えられる』、当局のやり放題になりそうだ。
・『8500億円超の制裁金も、中国共産党の打つ次の一手  メディア事業の売却、特にユーザーの集客導線となるソーシャルメディアや動画配信サイトを手放すことになれば、アリババにとっては大きな痛手だ。だが、それだけでは終わらない可能性が高いと川島教授は指摘する。加えて、巨額の制裁金を科される可能性が高い。 中国の独占禁止法第47条では、「違法所得の没収、および年間売上の1~10%の行政制裁金」を課すことが定められている。米半導体大手クアルコムの独占禁止法違反が認定された2015年のケースでは、年間売上の8%にあたる60億8800万元(約1010億円)の行政制裁金が科された。 アリババの2020年会計年度(2019年4月~2020年3月)の売上高は5097億1100万元(約8兆5100億円)。最大でその10%、約8500億円もの制裁金が科されることになる。 アリババにとっては厳しい逆風が続く。その事業を国が接収し、国有企業化するのではないかとの憶測もあるが、川島教授は違う見方を示す。 「昨秋以来、プラットフォーム企業に対する規制強化が打ち出されている一方で、民間企業によるイノベーションを守る方針も示されている。中国を代表する民間企業であるアリババを国有化するようなことがあれば、その影響はあまりにも大きい。規制は強化されるが、致命傷を与えるようなことはないだろう」』、確かに金の卵を産む鳥を絞め殺しては元も子もなくなってしまうので、ほどほどのところで手を放すだろう。

次に、4月6日付けエコノミストOnline「大手商社、メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴」を紹介しよう。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210405/se1/00m/020/003000d
・『日本を代表する大手商社、メガバンク、大手化学企業の中国支店には、多数の中国共産党員が在籍しているのをご存じだろうか。党に高い忠誠を誓っている彼らが日本経済の安全保障上の脅威にならないか、今一度考える必要がある』、由々しいことだ。
・『「在外公館に中国共産党員はいるか」を国会で質問した山尾議員  国民民主党の山尾志桜里衆議院議員が、3月17日の衆議院外務委員会で外務省に対して中国にある日本の大使館をはじめとする在外公館における現地採用職員の中に「中国共産党員はいるのか」と質問した。 外務省は「お答えは差し控える」として明確な答えは得られなかった。 この質問の背景には2020年12月12日に「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が「中国共産党上海市部会員登録簿の漏えいしたデータベースについての声明」を発表したことに端を発している。IPAC(Inter-Parliamentary Alliance on China)とは中国と民主主義諸国間の交渉のあり方の改革を目的に、民主主義諸国の国会議員らによって昨年、設立された国際議員連盟である。日本からの参加代表者は、自民党の中谷元元防衛大臣と国民民主党の山尾志桜里議員が努めている』、「山尾議員」もいい質問をしたものだ。
・『党員は9200万人  中国共産党員の数は2020年時点でおよそ9200万人と推計されているが、中国共産党がその詳細を公表したことは、過去一度もない。その名簿が「アクティビスト(活動家)の手によって漏えいしたようだ。 IPACが入手したデータは、中国共産党上海支部が所有する「MYSQL」というデータベースから抽出したものとされているが、真偽のほどはわかっていない。インターネット経由ではデータベースにアクセスできないことから、物理的にデータベースに直接アクセスできた者がデータ抽出したと推測されている』、よくぞ入手できたものだ。
・『中国共産党は「漢民族」が支配する党  筆者はあるルートから、そのデータを入手した。 データには、上海を中心にした約8万の中国共産党支部とそれらに所属する党員の名前、性別、民族、出身地、所属する中国共産党の支部、住所、党員番号、最終学歴と電話番号が記載されている。 今回、漏えいしたデータは、中国共産党全党員の2・1%に過ぎないが、このデータからでも中国共産党の実像を窺うことができる。 まず、このデータからわかる事は、中国共産党員のほとんどは漢民族であるというとだ。名簿の98・9%は漢民族であり、まれに朝鮮族、蒙古族などが散見される程度だ』、なるほど。
・『よくぞ入手できたものだ  所属する中国共産党の支部名から所属している企業名が分かる。 例えば、日本の某大手商社Mの上海支店には党員35人が在籍しており、全員が漢民族である。 また、某メガバンクMの支店には、第1支部、第2支部、第3支部合わせて党員96人が在籍している。第1支部、第2支部、第3支部とは上海本店、上海分行、上海自貿試験区出張所に対応していると思われるが、それらの党員も全員、漢民族である』、「メガバンク1行に96人」、現地行員の全体が分からないが、比率はやはり相当高そうだ。
・『永遠に党を裏切らない誓い  「中国共産党規約・第1章第6条」は、党員を目指す予備党員は必ず党旗に向かって入党宣言を行わなければならないとしている。そのうえで「党員の義務を履行し、党の決定を実行し、党の規律を厳守し、党の機密を守り、党に忠誠を尽くし、積極的に活動を進め、共産主義のために終生奮闘し、いつでも党と人民のために全てを犠牲にする用意があり、永遠に党を裏切るようなことをしない」と誓うことになっている』、銀行の就業規則に守秘義務があるが、そんなのは気休めにもならないようだ。
・『国に協力しなければならない「国家情報法」  某メガバンクの場合、10を超える中国の主要都市に支店を構えている。都市の中でも、特に大きい第1線都市(全国的な政治・経済・社会活動で重要な地位にあり、指導的役割を持つ大都市)の一つ上海市では、前述の通り100人近い党員を雇っている。 これだけの数の中国共産党員がいるなかで、顧客をはじめとする機密情報が守れるのか危惧される。 情報漏えいが懸念される背景には、中国には「中国国家情報法」があるからだ。 中国国家情報法とは2017年6月に施行された法律で、中国国民の権利義務として第7条で「国民と組織は、法に基づいて国の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならず、国は、そのような国民及び組織を保護する」としている』、「中国国家情報法」は共産党員でなくても、一般国民も対象になる。
・『LINEにも「スパイ法」適用か  中国人は全員スパイ活動を国のために行え、とするこの法律は、中国の組織と国民に科せられたもので、たとえ経営者の方針が中国共産党の意に背く考えを持っていたとしても従業員が中国人であれば、企業の情報が不正に持ち出されてしまう可能性がある。 3月、通信アプリ大手「LINE」の利用者の個人情報が中国で閲覧可能な状態にあったことが分かった。 中国人従業員が、中国にある同社のサーバーにアクセスし情報を盗み見ていたとの報道もあり問題になった。単に個人情報保護法上、利用者の同意があれば、海外でのデータ保管も許されるといった次元の問題では済まされない問題であることが分かるだろう。 中国には元々「愛国無罪」、すなわち国家の利益のためには犯罪行為も許されるとの考えがあり、組織としてのガバナンスやコンプライアンスも意味をなさない。 とりわけ党旗に忠誠を誓った中国共産党員にしてみれば、中国国家情報法がなくとも中国共産党の発展のためにスパイ活動を行うことは当然のことではないだろうか』、「愛国無罪」の「考え」はあり、「組織としてのガバナンスやコンプライアンスも意味をなさない」、重大な問題だ。
・『東レの中国人社員が戦略物資を横流し  昨年12月には、東レの中国子会社から、数年前から外為法上の許可を得た販売先ではない中国企業に付加価値の高い素材を流出させていたことも、発覚している。 その素材は産業に広く使われる可能性がある戦略物資である一方、軍事転用も可能なため、輸出する際には、国の許可が必要とされている。 東レによれば、「東レインターナショナルの中国法人で勤務していた中国人従業員が、私利のために自身の関係している会社と取引し、売買手数料を着服しているようだ」という内部通報を受け、社内調査の結果、本来なら全て経産省に許可を得て販売しなければならない戦略物資が許可を得ていない先に流れていたことが判明し、経産省に報告。「経産省からは取引について適切な手続きに不備があったとして再発防止と厳正な輸出管理を求めることなどを内容とする警告を受けた」という。 中国の現地子会社の中国人社員に審査を一任していたことが原因だったわけだ。 現地子会社には、社内に中国共産党上海支部が結成されている。中国共産党員の学歴は博士課程修了者、大学院卒、大学卒、高卒と幅広いが、大学院卒以上の専門知識を持った高学歴の共産党員が在籍している。 戦略物資を未許可の取引先に流出させた者と、この企業の共産党員を結びつけるのは早計だとしても、こうした事実があることは、日本の経済安全保障を考える上で把握しておかなければならない』、「中国共産党員」には「博士課程修了者」までいるのであれば、「中国人社員に審査を一任」もあり得る話だろう。
・『「本気度」試される経済産業省  経済産業省は、東レに対して、貿易経済協力局・貿易管理部・安全保障貿易管理課長の名前で、行政指導の中では最も重い処分として、再発防止策と厳正な輸出管理の徹底を求める警告書を出しているとしているが、警告書一つで経済安全保障が保たれるとは思えない。 IPACの事務局長プルフォード氏は「中国にある各国の政府組織や企業に中国共産党員が多くいることは知っていたが、この名簿は初めてそれを証明した」と語っている。 日本政府も諜報活動を活発に行い、中国共産党の動きを捉え、民間企業とも危機意識を共有する必要がある。 スパイ禁止法や諜報活動を整備し、主権国家としての法改正を急ぐべきである。(山崎文明・情報安全保障研究所首席研究員/編集部)』、同感である。

第三に、5月27日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国 デフォルト容認、信頼維持ため救済、悩める政府」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/430303
・『中国本土では今後1年間に社債絡みの支払い約1兆3000億ドル(約141兆円)相当を控えている。クレジット市場は世界的なブームに沸くが、際立つ多さだ。 この額は米企業を30%上回り、欧州全体と比べると63%も多い。しかも中国企業は本土債が記録的ペースでデフォルト(債務不履行)に陥っている時期に支払いを迫られることになる。 こうした状況を背景に、投資家は世界2位の規模を持つ中国の債券市場が再び混乱に見舞われることを覚悟している。中国当局も、デフォルト容認でモラルハザード(倫理観の欠如)を減らしたい一方で長期資金の調達源として本土債市場の信頼性を高めようとしており、かじ取りが難しい。 社債の平均償還期間は米国と欧州、日本では長くなっているが、中国では短期化。デフォルトが投資家にリスク軽減を促しているためだ。格付け会社フィッチ・レーティングスによると、今年1-3月に発行された中国本土債の平均年限は3.02年。昨年は年間ベースで3.22年だった。このままなら、同社が2016年にデータ集計を開始してから最短となる。 ING銀行の大中華圏担当チーフエコノミスト、彭藹嬈(アイリス・パン)氏は「信用リスクが高まるにつれ、誰もが償還期間の短い証券だけに投資することでエクスポージャーを制限しようとしている」と指摘。 「デフォルト増加につれ、長めの社債の借り入れコストが一段と上がっており、発行体も償還までが短い債券を選好している」と述べた。 中国本土債のデフォルトは16年には取るに足らない水準だったが、その後は4年連続で1000億元(約1兆6900億円)を突破。今年は先月時点ですでに1000億元に達した』、「今年1-3月に発行された中国本土債の平均年限は3.02年」、確かに極めて短期で、これでは「社債絡みの支払い」が大きくなる筈だ。

第四に、5月28日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「中国の金融システムが抱える「最大級の不安」 建党100年控え「モグラたたき」方式でバブル退治」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/430930
・『中国金融市場の秩序を保つ闘いが一段と厳しくなりつつある。商品から住宅、株式に至るあらゆる市場に資金が流れ込んでいるためだ。 5月だけでも、政府は金属絡みの投機に対応すると表明し、不動産税構想を復活させた。一部の都市では住宅ローン金利が引き上げられ、仮想通貨のマイニング(採掘)は禁止となっている』、なるほど。
・『的を絞った介入が国内金融市場の重し  当局は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気回復を支える緩めの金融政策を維持。そのため、資産価格の過熱リスク警戒を重視している。中国共産党は7月1日に建党100年の記念日を迎えることから、ボラティリティーを回避したいと考えており、的を絞った介入が国内金融市場の重しとなる可能性が高い。 JPモルガン・プライベート・バンクのアジア投資戦略責任者アレックス・ウルフ氏は「今の政策トレンドは金融の安定確保が焦点だ」と述べ、「中国政府は強力なレトリックと小幅な政策調整を通じて、ターゲットを絞ったやり方でまずはバブルのリスクを解消したいと思うだろう。今のところ、それで十分のようだ」と指摘した。) 中国の10年国債利回りは約3.1%とほぼ9カ月ぶりの低水準だが、この水準でも欧米の超低金利にあえぐグローバル投資家にとっては十分なリターンだ。国外からの資金流入が、資本規制により行き場のない膨大な本土資金に加わる構図となっており、いわゆるホットマネーが資産価格をかつてないほど押し上げている』、「中国」でも「ホットマネーが資産価格をかつてないほど押し上げている」ようだ。
・『「モグラたたき」のような手法  中国は的を絞ったアプローチである程度の成功を収めている。商品先物はここ数週間で記録的高値から値下がりし、仮想通貨もまた大きく下げた。 ただ「もぐらたたき」のような手法だ。金融市場で一部の相場を抑制すれば、他の資産が値上がりする。中国株の指標CSI300指数は25日、香港との株式市場接続を経由した資金流入と、中国で2番目に大きな上場投資信託(ETF)が前例のないほど買われたことで3%余り上昇。対ドルで約3年ぶりの高値となっている人民元の魅力を高めている。 あるいは、こうした全てが共産党による大戦略の一部かもしれない。本土株上昇は商品市場から熱を奪う可能性があり、元高は輸入原材料コストを押し下げる公算が大きい。そうなればインフレ圧力は弱まり、中国人民銀行(中央銀行)は緩和スタンスを維持することが可能となる。建党100年を控える中で、共産党と習近平総書記(国家主席)には「強い」金融市場が必要だ。 ただ相場上昇が止まらず、政府のコントロールの及ばない力が市場を動かすようになるリスクもある。そうなれば、人民銀は流動性吸収や利上げといったより強力な手段に訴えざるを得なくなるかもしれない』、その通りだろう。
・『マクロではなくミクロに個別介入することを好む  当局はまた、マクロではなくミクロのレベルで積極的な対策を講じることを一段と好むようになっているようだ。ロイター通信は26日、銀行保険監督管理委員会(銀保監会)が商品先物に関連した投資商品の小口客への販売をやめるよう各金融機関に求めたと関係者を引用して報じた。 ただ中国メディアの財聯は、接触した「幾つかの大手国有銀行」はそうした販売を明確に禁じる通知は受けていないと説明していると報道。銀行側が行っているのは、リスク許容度や信用取引などの投資家要件引き上げだと伝えた。 また、ブルームバーグ・ニュースは事情に詳しい関係者からの話として、中国はトウモロコシ輸入急増への懸念から、一部輸入の規制を強化したと報じた。 JPモルガンのウルフ氏は「中国のように資本勘定を閉じたまま与信経路を介して政策を緩めれば、資金は国内にとどまり封じ込められる。マネーは行き場を必要としており、それは住宅かもしれず株式かもしれず、金融システム内を移動することになる。これが政策が抱える最大級の制約であり、中国が今年、刺激策の引き揚げを急いでいる理由だ」と語った』、「「中国のように資本勘定を閉じたまま与信経路を介して政策を緩めれば、資金は国内にとどまり封じ込められる」、「マネーは行き場を必要としており・・・金融システム内を移動することになる。これが政策が抱える最大級の制約であり、中国が今年、刺激策の引き揚げを急いでいる理由だ」、余り混乱することなく、安定に向かってほしいものだ。 
タグ:東洋経済オンライン ブルームバーグ 中国経済 PRESIDENT ONLINE エコノミストOnline (その8)(「世論を操作していいのは政府だけ」中国共産党がアリババを追い詰めるすごい理由 制裁金は約8500億円になる恐れも、大手商社 メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴、記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国 デフォルト容認、信頼維持ため救済 悩める政府) 高口 康太 「「世論を操作していいのは政府だけ」中国共産党がアリババを追い詰めるすごい理由 制裁金は約8500億円になる恐れも」 「中国当局の本当の狙いは、政府以外の勢力に世論操作をさせないこと」、ありそうな話だ。 「アリババ」もいい気になり過ぎていたのかも知れない。 「自社では有力なメディア、ソーシャルメディアを生み出せなかったアリババは、戦略出資を通じて巻き返しを図る」、なるほど。 「アリババ」も寝た子を起こすような馬鹿なことをしたものだ。 「中国共産党中央ネットワークセキュリティ・情報化委員会弁公室」に「アリババが「世論操作のために」資本を利用していると指摘」、されるようでは「アリババ」にも大きな手落ちがあった。 「中国共産党が強い危機感を」抱かせた以上、やりたいようにやられるのだろう。 当局のやり放題になりそうだ。 確かに金の卵を産む鳥を絞め殺しては元も子もなくなってしまうので、ほどほどのところで手を放すだろう。 「大手商社、メガバンクに100人規模で在籍していた!「中国共産党員」200万人名簿漏洩で発覚した日本の危機管理のデカい穴」 「山尾議員」もいい質問をしたものだ よくぞ入手できたものだ 「メガバンク1行に96人」、現地行員の全体が分からないが、比率はやはり相当高そうだ。 銀行の就業規則に守秘義務があるが、そんなのは気休めにもならないようだ。 「中国国家情報法」は共産党員でなくても、一般国民も対象になる。 「愛国無罪」の「考え」はあり、「組織としてのガバナンスやコンプライアンスも意味をなさない」、重大な問題だ。 「中国共産党員」には「博士課程修了者」までいるのであれば、「中国人社員に審査を一任」もあり得る話だろう。 日本政府も諜報活動を活発に行い、中国共産党の動きを捉え、民間企業とも危機意識を共有する必要がある。 スパイ禁止法や諜報活動を整備し、主権国家としての法改正を急ぐべきである 「記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国 デフォルト容認、信頼維持ため救済、悩める政府」 「今年1-3月に発行された中国本土債の平均年限は3.02年」、確かに極めて短期で、これでは「社債絡みの支払い」が大きくなる筈だ。 「中国の金融システムが抱える「最大級の不安」 建党100年控え「モグラたたき」方式でバブル退治」 「中国」でも「ホットマネーが資産価格をかつてないほど押し上げている」ようだ。 「「中国のように資本勘定を閉じたまま与信経路を介して政策を緩めれば、資金は国内にとどまり封じ込められる」、「マネーは行き場を必要としており・・・金融システム内を移動することになる。これが政策が抱える最大級の制約であり、中国が今年、刺激策の引き揚げを急いでいる理由だ」、余り混乱することなく、安定に向かってほしいものだ。
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中国国内政治(その11)(モンゴル人に対する文化的ジェノサイドの首謀者は習近平、中国政府の批判と公正な企業の折り合いに苦慮 世界的衣料小売りH&M女性CEOが心情を吐露、収容所に響き渡る“女性の悲鳴”…悪化する「ウイグル人権問題」の実態) [世界情勢]

中国国内政治については、昨年12月7日に取上げた。今日は、(その11)(モンゴル人に対する文化的ジェノサイドの首謀者は習近平、中国政府の批判と公正な企業の折り合いに苦慮 世界的衣料小売りH&M女性CEOが心情を吐露、収容所に響き渡る“女性の悲鳴”…悪化する「ウイグル人権問題」の実態)である。

先ずは、3月20日付けNewsweek日本版が掲載した内モンゴル出身の歴史人類学者で静岡大学人文社会科学部教授の楊海英氏による「モンゴル人に対する文化的ジェノサイドの首謀者は習近平」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2021/03/post-64_1.php
・『<全人代で内モンゴル自治区の代表者らが集まる分科会に乗り込んだ習は、あろうことか「共通言語」の普及強化を自ら指示した> 中国政府が昨年夏から南モンゴル(中国は内モンゴル自治区と称する)に対して文化的ジェノサイド政策を一方的に進めてきた。その「首謀者」が、ほかならぬ習近平(シー・チンピン)国家主席だったことが判明した。 3月5日から開幕した全国人民代表大会(全人代)でそれが明るみに出たのである。年に1度、3月に開会される全人代。昨年は武漢発の新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)を起こし、国内でも批判が高まっていたことから5月に延期せざるを得なかった。 それでも中国は南モンゴル人に対する弾圧と同化策を緩めなかった。6月末には突然、9月から教育におけるモンゴル語を大幅に削減して漢語(中国語)に切り替えるとの政策が打ち出された。 モンゴル人の生徒たちと保護者らは強く抵抗し、是正を求めた。南モンゴルにおいて、草原は中国人入植者に占拠されて農耕地にされ、伝統的な遊牧はほぼ完全に姿を消し、モンゴルらしさは言語以外に何も残っていないからである。 それだけではない。1966年に発動された文化大革命では南モンゴルで34万人が逮捕され、12万人が負傷し、3万人近くが殺害された。当時のモンゴル人の人口は150万人弱だったので、圧倒的多数を占める中国人すなわち漢民族に一方的に殺害されたジェノサイドとして記憶されている。 これ以上の同化政策は文化大革命の再来を意味するのではないか、とモンゴル人は声を上げた。そして同胞の国、モンゴル国と世界各国に住むモンゴル人も抗議活動を展開したが、中国当局は真摯に対応しなかった。逆に多数の教育関係者と幹部たちが逮捕されたり、政治的思想教育(洗脳)を受けさせられたりして、弾圧は強まる一方だ。 こうした文化的ジェノサイド政策を正当化するかのように、習は全人代開会中に内モンゴル自治区の代表者らが集まる分科会に出席し、あろうことか、「国家の共通言語と文字の普及」の一層の強化を指示した。 習が言う「国家の共通言語」とは漢語を指す。これは明らかに昨年夏に起きたモンゴル人の抵抗運動を否定するための発言だ。モンゴル人が母語による教育を受ける権利を剝奪して、中国人に同化させようとする政策も、彼が主導して制定したと断じて間違いなかろう。 習には新疆ウイグル自治区における「成功モデル」がある。2014年から同自治区の学校ではウイグル語の使用が禁止され、ウイグル語教育はほぼストップしたままだ』、「教育におけるモンゴル語を大幅に削減して漢語(中国語)に切り替える」、「草原は中国人入植者に占拠されて農耕地にされ、伝統的な遊牧はほぼ完全に姿を消し、モンゴルらしさは言語以外に何も残っていない」、これでは言語や文化の抹殺だ。
・『BBCによれば、男たちは強制労働に駆り出され、女性たちは組織的性犯罪の被害に遭っている。ウイグル人の家庭には中国人の男が「進駐」して長期間にわたって寝食を共にしており、男性がいなくなったウイグル人家庭では中国人男性がやりたい放題だと、日本や欧米に亡命した知り合いのウイグル人たちは証言する。 一方の中国当局は、大勢のウイグル人児童が漢語教育を受けて「中華民族」になりつつあるという手応えを感じているようだ。というのも、中国が言うところの「テロ」について同自治区から伝わってこなくなったからだ。 「中華民族の意識をモンゴル人にもしっかりと鋳造しなければならない」と、習は同化政策を命じる。モンゴル人はユーラシア各地に分布する民族であり、どうして一部が「中華民族」で、別の一部が「モンゴル民族」なのか。中華民族といえば、それは漢民族だけを指すとモンゴル人やウイグル人は認識しているので、習の強硬策は一層の反発を受けるに違いない。 そして、長期的には中国の民族政策そのものも失敗に終わるだろう』、「男たちは強制労働に駆り出され、女性たちは組織的性犯罪の被害に遭っている。ウイグル人の家庭には中国人の男が「進駐」して長期間にわたって寝食を共にしており、男性がいなくなったウイグル人家庭では中国人男性がやりたい放題だ」、報道の自由がない世界では、為政者のやりたい放題に歯止めがかからなくなるようだ。「習の強硬策は一層の反発を受けるに違いない。 そして、長期的には中国の民族政策そのものも失敗に終わるだろう」、その通りだろう。

次に、4月3日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「中国政府の批判と公正な企業の折り合いに苦慮 世界的衣料小売りH&M女性CEOが心情を吐露」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/420774
・『スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)のヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)は就任わずか1年余りにして、経験豊富な経営者の一部が直面する以上のさまざまな難題に見舞われた』、どういうことだろう。
・『中国政府が発した怒りの矢面に立たされる  新疆ウイグル自治区の人権問題に触れた同社は、中国政府が発した怒りの矢面に立たされた。ヘルマーソン氏にとっては最悪のタイミングだったかもしれない。同氏は既に、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が招いた多数の店舗閉鎖と大量の在庫管理で多忙を極めている。 ヘルマーソン氏(47)は電話インタビューで、「もちろん困難な1年だった」としながらも、「より予測不可能な世界でリードしていくやり方」について多くを学んだと語った。 同氏はH&M初の女性CEO。今は会長となっている創業家出身のカール・ヨハン・パーション氏(46)から、経営トップを引き継いだ。 自分が買う衣服がどのように作られているのか知りたいという消費者の願いと、中国の一段と強くなる主張および巨大市場の重要性の間で折り合いをつけなければならないのはH&Mだけではない。) 米ナイキやドイツのアディダス、米アンダーアーマーもH&M同様、新疆ウイグル自治区で生産される綿を使わないと表明したことで、中国側の怒りを買った。中国産綿の約8割が同自治区で生産されている』、「H&M」などのアパレルにとって、「新疆ウイグル自治区で生産される綿を使わないと表明」すると、「中国側の怒りを買った」、中国での販売にも影響するだけに頭が痛いところだ。
・『大株主の一つは中国批判を支持  H&Mは3月31日、事態の収拾を図ろうと中国へのコミットメントを強調するコメントを発表。だが中国の国営放送局はこれを「誠実さを欠き、空虚な言葉に満ちた二流の広報エッセイ」と呼び、同社がなぜ中国の消費者に謝罪しないのか理由を尋ねた。 ただし、H&Mが中国で展開する店舗は500店を超え、休業に追い込まれたのはほんの一部にすぎない。また、こうした騒ぎには落ち着いていく傾向が見られる。 H&Mの株式0.6%を保有するフォークサムの責任投資・コーポレートガバナンス(企業統治)担当者エミリー・ウェストホルム氏は、強制労働に反対するなど公正な労働環境という点でH&Mは業界のロールモデルだと指摘する。「新CEOはサステナビリティー分野におけるH&Mの強い熱意と高い目標の道を歩み続けている」と言う。 ヘルマーソン氏の課題は、嵐を乗り越え、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を乗り切っていく経営に戻ることだ。「柔軟性と顧客重視は過去1年間の経営方法において重要な鍵だったし、この先も鍵になる」と同氏は説明。「期待する制限の解除が徐々に見られるようになれば、力強く回復すると信じている」と話した』、「H&Mが中国で展開する店舗は500店を超え、休業に追い込まれたのはほんの一部にすぎない」、「H&M」は「中国」で大規模に展開しており、悪影響はごく一部のようだ。「CEO)は就任わずか1年余りにして、経験豊富な経営者の一部が直面する以上のさまざまな難題に見舞われた」との冒頭の疑問が解けたようだ。

第三に、5月26日付けYahooニュースが転載したVoice ジャーナリストの福島香織氏による「収容所に響き渡る“女性の悲鳴”…悪化する「ウイグル人権問題」の実態」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/78d3a4a48d3f4e62121f2413955818fc8f8ef8a9?page=1
・『中国共産党政権によるウイグルへの人権弾圧。女性への性暴力、強制労働など数々の指摘があるが、問題の全貌や解決の糸口は見えてこない。 ジャーナリストの福島香織氏は、英BBCによる報道を取り上げ、ウイグル問題はかつてより悪化していると言及する。現在、中国では何が起きているのか。 ※本稿は『Voice』2021年6月号より一部抜粋・編集したものです』、「ウイグル問題はかつてより悪化」、とは穏やかならざる事態だ。
・『BBCによる衝撃の報道  中国共産党政権によるウイグルへの人権弾圧は、2年前に拙著『ウイグル人に何が起きているのか』(PHP新書)を上梓して以来、ほとんど何も解決していない。いやむしろ悪化している。 今年に入ってウイグル人権問題で最も衝撃的な報道は、BBCによる、新疆の強制収容所からの女性生還者のインタビューだろう。 BBCの報道で、42歳のトゥルスネイ・ジアウドゥンさんが、2018年に新疆ウイグル自治区イリ自治州新源県の強制収容所に9カ月間拘留されたあいだの体験を次のように語っている。 「ある夜中、マスクをし、背広を着て革靴を履いた漢族の男が収容所にやってきて、気にいった女性を選び、廊下の先の部屋に連れ込まれた」。彼女も、何度か選ばれたのだった。毎晩のように、女性が牢屋から連れ出され、その部屋で漢族の男に強姦されたという。 彼女も複数の男に三度、虐待を受け、輪姦されたと証言した。 BBCは、彼女の証言を完全に裏付ける方法はないとしながらも、彼女が提示した旅券証や出入境記録などの書類と、事件の発生した時間の整合性、また彼女が描写した収容施設の配置などと衛星写真図像との分析が合致していることなどを挙げて、その信憑性を訴えていた。 彼女の施設内での日常生活の描写と受けた虐待の具体的な方法は、他の収容所生還者の証言とも基本的に合致していた。 BBCはさらに、強制収容所に1年半収容されていたカザフ人のグルジラ・アウエルカーンさんの証言を引用。彼女は拘留中、着ていたウイグル風の衣類をはぎ取られ、裸にされて手錠をかけられ、独房に入れられた。その後、外部の人間と思われる漢族や警察と思われる男たちが部屋に入ってきて、強姦されたという。 また、かつて強制収容所で中国語を教えるように強いられていたウズベク人女性のケルビヌル・セディックさんは、ワシントンに本部があるウイグル人権プロジェクト(UHRP)に、女性器に電気警棒を突っ込まれる拷問を受けている収容者がいたと証言している。 彼女は、「収容所では建物全体に響きわたるような悲鳴がいつも聞こえていた。昼食を食べているときも、授業を行なっているときも聞こえた」と訴えた。 さらにBBCに対して、ある漢族女性警官から、「強姦はすでに一種の文化」だという発言を聞いたと証言。漢族警官はウイグル女性を強姦するだけでなく、しばしば電気警棒で拷問を行なっていたという。 中国外交部の汪文斌報道官はこのBBCの報道について、証言者の女性たちが「俳優」であり、報道自体がフェイクだと主張した。 だが、電気警棒を性器や肛門に突っ込む拷問は、私自身が、チベット人記者や、天安門事件で政治犯として投獄経験をもつ亡命華人から間接的・直接的に経験談・目撃談を聞いたことがある。痛みとともに人間の尊厳を破壊する最も効果的な拷問として、中国では伝統的な手法なのだ、と。 BBCと中国政府どちらの言い分が真実に近いかといえば、私は自分の取材経験とも照らし合わせて、BBCのほうを信じるのである』、「電気警棒を性器や肛門に突っ込む拷問は、私自身が、チベット人記者や、天安門事件で政治犯として投獄経験をもつ亡命華人から間接的・直接的に経験談・目撃談を聞いたことがある。痛みとともに人間の尊厳を破壊する最も効果的な拷問として、中国では伝統的な手法なのだ」、「人間の尊厳を破壊する最も効果的な拷問」とは恐ろしいことだ。
・『横行するジェノサイド  BBCをはじめとする西側メディアがたびたび引用するのは、ドイツの中国学者、エイドリアン・ゼンツ氏が中国の公式統計や研究を整理して報告した二つのリポートだ。一つは2020年6月29日に出された「中国政府の新疆ウイグル族出生率抑制キャンペーン:強制避妊、強制堕胎」。 ここでは、ウイグル人口の集中するホーテン、カシュガル地域の出生率が2015年から2018年に至るまでのあいだで60%も激減していることなどが、公式統計を根拠に指摘されている。 また、2015年から2018年のあいだに少なくとも200万人の漢族を中国各地から新疆地域に移民させ、とくにウルムチや新疆生産建設兵団地域におけるウイグル人の人口比率を下げようとしていることなどを挙げて、中国政府が政策としてウイグル人の種族絶滅、つまりジェノサイドを目的としていると訴えた。 このリポートが、米国のポンペオ前国務長官が中国のウイグル弾圧をジェノサイドと認定する大きな根拠の一つとなった。 もう一つのリポートは、昨年12月に出された「新疆強制労働:綿花摘みのための少数民族の労働移動と労働派遣」である。これは2019年12月に中国天津市の南開大学が出した「新疆ホーテンにおけるウイグル族労働力移転による貧困支援工作報告」をもとに、ゼンツ氏なりの解釈と補足調査を伴ったリポートだ。 2019年におよそ57万人のウイグル人労働者が、「脱貧困」の建前で新疆生産建設兵団地域の綿花農場など国有農場に労働力として動員されていることが強制労働に当たり、新疆地域のウイグル農村の余剰労働力160万人が労働搾取のリスクにさらされているという警告を発したものだ。 この元になる南開大学のリポートは誤ってネット上に公開されたと考えられ、いまは削除され見ることができなくなっている。 このゼンツ氏の二つのリポートについて中国当局は、事実を曲解、捏造していると批判している。だが、その後、BBC、APなど欧米メディアが周辺取材をし、この二つのリポートの信憑性を高める報道を行なっている。 現在、新疆の強制収容施設、再教育施設、職業訓練施設にどれほどの人たちが収容されているかはわからない。2018年当時、100万人とも、のべ数百万人とも推計されていたが、それを誰も証明することはできない。 また中国当局も、強制収容の事実がない、職業訓練施設であり、自由に出入りできると主張しているものの、それを証明する努力はしない。 強制避妊も強制労働も、中国側は「ウソだ、彼らが自分から希望してやっていることだ」と主張するが、言論の自由のない監視社会での「本人の希望」に、どれだけの説得力があるのだろう。 西側メディアが新疆ウイグル自治区に取材に入ると、執拗な尾行、妨害に遭う。この事実一点をとっても、中国の主張に説得力がもてないのだ。 国連のジェノサイド条約に定義されているジェノサイドとは、以下である。 (1)集団構成員を殺すこと。 (2)集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。 (3)全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。 (4)集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。 (5)集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。 中国共産党がいまウイグル人に行なっていることは、ほぼすべてこの定義に当てはまるといわざるをえないだろう』、「ホーテン、カシュガル地域の出生率が2015年から2018年に至るまでのあいだで60%も激減」、「西側メディアが新疆ウイグル自治区に取材に入ると、執拗な尾行、妨害に遭う。この事実一点をとっても、中国の主張に説得力がもてないのだ」、「中国共産党がいまウイグル人に行なっていることは、ほぼすべてこの定義に当てはまるといわざるをえないだろう」、その通りなのだろう。中国政府は、このままでは将来的な内乱の種を蒔くというリスクを抱えるだけだ。本来、大国として、もっと民族融和的政策に転じる必要があるのではなかろうか。
タグ:東洋経済オンライン yahooニュース Voice ブルームバーグ 福島香織 Newsweek日本版 中国国内政治 (その11)(モンゴル人に対する文化的ジェノサイドの首謀者は習近平、中国政府の批判と公正な企業の折り合いに苦慮 世界的衣料小売りH&M女性CEOが心情を吐露、収容所に響き渡る“女性の悲鳴”…悪化する「ウイグル人権問題」の実態) 楊海英 「モンゴル人に対する文化的ジェノサイドの首謀者は習近平」 9月から教育におけるモンゴル語を大幅に削減して漢語(中国語)に切り替えるとの政策が打ち出された モンゴル人が母語による教育を受ける権利を剝奪して、中国人に同化させようとする政策も、彼が主導して制定したと断じて間違いなかろう 「教育におけるモンゴル語を大幅に削減して漢語(中国語)に切り替える」、「草原は中国人入植者に占拠されて農耕地にされ、伝統的な遊牧はほぼ完全に姿を消し、モンゴルらしさは言語以外に何も残っていない」、これでは言語や文化の抹殺だ。 「男たちは強制労働に駆り出され、女性たちは組織的性犯罪の被害に遭っている。ウイグル人の家庭には中国人の男が「進駐」して長期間にわたって寝食を共にしており、男性がいなくなったウイグル人家庭では中国人男性がやりたい放題だ」、報道の自由がない世界では為政者のやりたい放題だ 「習の強硬策は一層の反発を受けるに違いない。 そして、長期的には中国の民族政策そのものも失敗に終わるだろう」、その通りだろう。 「中国政府の批判と公正な企業の折り合いに苦慮 世界的衣料小売りH&M女性CEOが心情を吐露」 「H&M」などのアパレルにとって、「新疆ウイグル自治区で生産される綿を使わないと表明」すると、「中国側の怒りを買った」、中国での販売にも影響するだけに頭が痛いところだ。 「H&Mが中国で展開する店舗は500店を超え、休業に追い込まれたのはほんの一部にすぎない」、「H&M」は「中国」で大規模に展開しており、悪影響はごく一部のようだ。 「CEO)は就任わずか1年余りにして、経験豊富な経営者の一部が直面する以上のさまざまな難題に見舞われた」との冒頭の疑問が解けたようだ。 「収容所に響き渡る“女性の悲鳴”…悪化する「ウイグル人権問題」の実態」 「ウイグル問題はかつてより悪化」、とは穏やかならざる事態だ。 「電気警棒を性器や肛門に突っ込む拷問は、私自身が、チベット人記者や、天安門事件で政治犯として投獄経験をもつ亡命華人から間接的・直接的に経験談・目撃談を聞いたことがある。痛みとともに人間の尊厳を破壊する最も効果的な拷問として、中国では伝統的な手法なのだ」、「人間の尊厳を破壊する最も効果的な拷問」とは恐ろしいことだ。 「ホーテン、カシュガル地域の出生率が2015年から2018年に至るまでのあいだで60%も激減」、「西側メディアが新疆ウイグル自治区に取材に入ると、執拗な尾行、妨害に遭う。この事実一点をとっても、中国の主張に説得力がもてないのだ」、「中国共産党がいまウイグル人に行なっていることは、ほぼすべてこの定義に当てはまるといわざるをえないだろう」、その通りなのだろう 中国政府は、このままでは将来的な内乱の種を蒔くというリスクを抱えるだけだ。本来、大国として、もっと民族融和的政策に転じる必要があるのではなかろうか。
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日本の政治情勢(その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」) [国内政治]

日本の政治情勢については、4月2日に取上げた。今日は、(その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」)である。

先ずは、5月6日付けAERAdot「【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2021050500012.html
・『愛知県の大村秀章知事のリコール運動をめぐる偽造署名事件で、大きな進展があった。 これまで関与を否定してきた活動団体の事務局長だった田中孝博氏が一転し、名古屋市内の広告関連会社へ「署名集め」を依頼したことを認めたのだ。だが、田中氏は合法的な「署名集め」の業務を依頼したと主張。「偽造署名の作成」は否定している。 その理由について田中氏は、リコール活動の代表だった高須クリニックの高須克弥院長が、SNSなどで「目標数に達する見込み」と発信していたことを上げ、「高須氏に恥をかかせるわけにいかなかった」などと説明しているという。 これまで業者への発注自体を否定し、佐賀市での書き写しも知らないと関与を否認してきた田中氏。なぜ、前言を翻したのか。活動団体の代表だった高須氏が記者の取材に応じた。 「田中さんが私に恥をかかせられないという発言をしていると、報じられたことは知っています。ああ、そうかねというくらいしか、(感想は)ありませんね。偽造署名に私が関与することなどありません。田中さんは、私が任命した司令官です。信頼を置いている」 4月25日に名古屋市選挙で勝利し、4選目を果たした河村たかし市長に対し、高須氏は自身のSNSで「河村市長は友達から外します」と発信。マスコミには「絶交します」とコメントした。これまで「盟友」とみられていた2人に何があったのか? 高須氏に真意を尋ねた。 「リコールの話は河村さんから電話があって『リコールをしようと思う。手伝ってくれんかね』ということでした。私は『全力でお手伝いをします』とお答えした。しかし、リコールの記者発表をするので、会見場に行くと河村さんがいない。まわりに愛知県の人間がおらず、私が代表になりました。そして市長選がはじまると、わしゃ知らんがねという内容を河村さんがおっしゃった。逃げちゃった。そういう人とは、友達付き合いに値しないので、絶交です」』、「高須氏」が「河村市長」と「絶交」したとはさもありなんだ。「田中氏」の取り調べは順調に進んでいるようだ。
・『高須氏にリコール活動の偽造署名の問題への関与をついても質問した。 「偽造署名のことはすでに私も記者会見で話した通り、まったく知りません。しかし、私は会長ですから、責任はとります、逃げたりしません」 そして名古屋市長選挙に絡む、驚きの話も披露してくれた。 「私がなぜ今のタイミングで(河村氏への決別を)公表したのかと言えば、河村さんに対抗して名古屋市長選に出た横井利明さん。実は、以前から麻雀友達です。選挙でも応援をと言われたこともありますが、応じませんでした。河村さんと横井さんの票差は4万票ちょっとでしょう。私は義理があるから選挙中は河村さん、横井さんのどちらにもつきませんでした。選挙も終わったので河村さんとの義理はもう果たしました。もし、河村さんが市長選で負けていたら、このような話はできません」 一方、河村たかし名古屋市長は記者に対し、こう語った。 「田中氏はこれまで署名集めを依頼した業者など知らんと記者会見で言っとったがね。思い当たるのは、田中氏から署名がなかなか集まらないと相談されたことはあった。署名活動は選挙とは違うので、業者に有料で依頼する方法もあるという話になったことがあった。だが、田中氏から実際に業者に依頼すると連絡、報告もなかった。偽造署名なんて知らないし、ワシが頼むことも絶対ない。田中氏は何が本当なのか、きちんと話さないといけない」 高須氏の説明とは食い違う経緯を河村市長は主張した。 「最初、田中氏が『高須先生がリコールをやりたがっている』と言ってきたので、ワシから高須先生に電話をしてぜひと言いました。田中氏が記者会見の案内のチラシを持参してきた時に高須先生が代表予定者とあり、そうなったのかと思っていた。もともと、高須先生は田中氏の支援者とも親しいと聞いておりました。高須先生のご指摘の記者会見ですが、最初から出席できないと言ってありました」』、「偽造署名」の責任をめぐる泥仕合はみっともない。
・『高須氏の絶交宣言を報道で知ったと明かした河村氏。 「その後、何度か電話をしていますが、つながっていません」(同前) リコール活動でツートップだった高須氏と河村氏の食い違いで、ますます混迷する偽造署名の問題。愛知県警はすでに地方自治法違反容疑で捜査を進めている。 愛知県に提出されたリコール署名の8割が偽造の疑いとされる43万5千人分の名簿は、現在、愛知県警に押収されている。本誌が入手した署名簿のコピーにも明らかに同一の筆跡と思われるものが多くあった。 「偽造署名と報じられているが、それは住所、名前を書き写しという意味でしょう。署名は本人のものだが、拇印は別人というものもある。これまでの捜査から拇印の偽造には10人くらいの人物が組織的に関与しているとみられる。実際に拇印を押すように頼まれ、押したという証言もある。偽造されたものが、書き写しだけでなく、拇印も含まれていることから捜査に時間がかかっている」(捜査関係者) 名古屋市長選挙の争点ともなったリコール署名偽造事件。ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」が囁かれている。真相が明らかになるのだろうか?(今西憲之)』、「ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」」とは5月18日の事務局長ら4名の逮捕だった。「真相」解明には時間がかかりそうだ。

次に、5月22日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「河井事件の1.5億円、うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上」を紹介しよう。
・『河井案里元参院議員の巨額買収事件の買収原資とも指摘されている自民党本部からの1億5000万円について、二階俊博幹事長の「関与していない」発言が大炎上している。 「相場の10倍」(自民選対)とされる巨額の選挙資金が幹事長の決裁もなく支出されたとすれば、そのずさんさは国民の税金から政党助成金を受け取る公党としての資格も問われかねない。 しかも、選挙資金支出の決裁に関わる立場だった当時の安倍晋三総裁(前首相)や甘利明選対委員長(党税調会長)も、そろって関与を否定している。このため、自民党内でも「党本部はまるで伏魔殿」(若手)との声が噴出し、コロナ対応で求心力低下が際立つ菅義偉首相にとっても「政権を揺さぶる悪材料となる」(閣僚経験者)ことは不可避の状況だ』、「1億5000万円」もの巨額資金の支出経緯が不明とは、あり得ない話だ。
・『甘利氏は選挙資金問題を強く否定  二階氏の発言は5月17日の定例記者会見で飛び出した。1億5000万円問題を質された二階氏は「その支出について、私は関与していない」と記者団をにらみつけるように言い切った。同席した二階氏最側近の林幹雄幹事長代理も、甘利氏が当時、選対委員長として広島選挙区を担当していたと補足説明した。 二階氏らはこれまで、元法相の河井克行被告(公判中)と妻の案里氏への巨額の選挙資金支出の経緯について踏み込んだ言及を避けてきた。しかし、17日の会見で林氏は「当時の選対委員長が広島を担当していた。細かいことについて幹事長はよくわからない」と述べ、甘利氏が決裁した可能性をあえて示唆した。 これに対して甘利氏は18日、国会内で「(選対委員長として)1ミリも、正確にいえば1ミクロンも関わっていない。関与していない以前に、党から給付された事実を知らなかった」と強い口調で自らの関与を否定した。 この1億5000万円問題では、広島県連会長の岸田文雄前政調会長が12日、早急な使途解明と国民への説明を党執行部に申し入れた。その際、林氏は「検察から書類が戻れば報告書を作成し、総務省に届ける」と従来の説明を繰り返した。 そもそも、買収事件発覚後には、甘利氏から選対委員長を引き継いだ下村博文政調会長が「党本部(からの振り込み)ということであれば、幹事長、あるいは総裁の判断ということになる」と指摘していた。) ただ、安倍政権下で1億5000万円支出が確認された際には、党内で「甘利氏が安倍首相や菅義偉官房長官の意向を受けて支出を決めた」とうわさも流れた。林氏の説明はそれを踏まえたものともみえる。 買収事件を引き起こした河井夫妻は、克行被告が安倍、菅両氏と極めて近く、案里氏は当選後、二階派に入会していた。案里氏の選挙応援に駆け付けたのは当時の菅官房長官で、選挙期間中の案里氏との「ツーショット写真」が話題となるほど肩入れしていた』、なんとも無責任な責任のなすり合いだ。
・『二階発言で「疑惑」が表舞台に  案里氏とともに自民公認で広島選挙区に立候補して落選した岸田派重鎮の溝手顕正・元参院議員会長に対する党本部からの選挙資金は案里氏の10分の1の1500万円だった。この党本部の露骨な対応に、党内には「安倍さんに批判的だった溝手氏の追い落としを狙った策謀」(岸田派幹部)との声も出ていた。 だからこそ、1億5000万円支出の経緯と使途が、一連の河井夫妻の公判とも絡んで注目の的となった。今回の二階氏の不関与発言は、これまでくすぶってきた疑惑を表舞台に上げる結果となり、「政局絡みの権力闘争の材料」(同)と深読みする向きもある。 二階氏の発言については、自民党広島県連会長代理の中本隆志県会議長が18日、「無責任で情けない。これほど県民を侮辱した言葉はない。(4月の)再選挙で(自民候補が)敗北したのはやはりこの1億5000万円が一番大きな原因だ」と怒りを爆発させた。 県連会長の岸田氏も同夜のBS情報番組で「送金に誰が関与したかではなく、金が何に使われたかだ。論点をごちゃまぜにするとおかしなことになる」と二階氏や林氏の対応に苦言を呈し、きちんとした使途の説明を求めた。 一方、国会会期末の政権攻撃を狙う立憲民主党の安住淳国対委員長は18日、「圧倒的な金銭をなぜ河井さんにだけ渡したのか。原資が政党交付金など国民の金である以上、説明する必要がある」と国会で徹底追及する考えを強調。共産党の志位和夫委員長も「二階氏は執行部だ。こんな無責任な発言はない」と厳しく批判した。 国政選挙における自民党幹事長の持つ権限は絶大とされる。行政府の長である首相となる党総裁に代わって、選挙での公認権や党資金の配分などを自在に決めることができるからだ。特に、在任期間歴代最長を更新し続けている二階氏は「これまで以上に、党運営のすべてを支配している」(閣僚経験者)とみられている。) それだけに党内でも「二階氏が1億5000万円もの支出を知らないことなどありえない」(幹事長経験者)との声が支配的で、「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」(自民長老)と受け止める向きが多い。 「決裁は総裁か幹事長」と指摘した下村氏は安倍前首相の最側近で、岸田氏も安倍氏と親しいことで知られる。このため、二階氏サイドは党内の動きについて「安倍氏の周辺が幹事長に責任を押し付けようとする、『二階降ろし』の画策だ」と身構える』、「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」、「二階氏」の「計算」とはどんなものなのだろうか。
・『沈静化に追い込まれた二階陣営  18日に林氏が「根掘り葉掘り、党の内部のことまで踏み込まないでもらいたい」と記者団を牽制したのも、そうした党内の不穏な空気を意識したものとみられている。ただ、「その対応自体が火に油を注ぎ、国民の疑惑も拡大させるだけ」との批判も広がる。 こうした状況に二階氏サイドも沈静化に乗り出さざるをえず、林氏は18日に甘利氏に電話で「他意はなかった」と陳謝した。二階氏も事態の展開を見極めたうえで、週明けの24日の会見の際に、改めて党本部の対応を説明する構えだ。 そうした中、克行被告の東京地裁での公判は18日に結審した。検察側の求刑は懲役4年、追徴金150万円。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、克行被告は意見陳述で声を震わせながら「十字架を背負って歩く」などと悔悟と反省の弁を述べた。ただ、1億5000万円については「買収には1円も使わなかった」と繰り返した。 判決言い渡しは6月18日で、2020年の河井夫妻の逮捕の日と同じだ。現状では実刑は免れないとみられているが、「起訴内容の大半を認め、自らの行動を謝罪し、衆院議員も辞職したことで、執行猶予の可能性も出てきた」(司法関係者)との見方もある。 もし、判決で執行猶予となれば、意見陳述で「どうか一刻も早く、ふるさとの土を踏ませていただき、有権者の皆様に謝罪をさせていただきたい」と涙まじりに訴えた克行被告は控訴しない可能性が大きい。その場合、捜査当局が自民党本部から押収した資金支出に関する書類も早期に返還されることになる。 二階氏らはこれまで、「書類が戻れば公認会計士などのチェックを受けて、1億5000万円の使途についてもきちんと説明する」と繰り返してきた。しかし、党内には「結局、誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆では」(閣僚経験者)と勘繰る向きが多い。 「政局絡みでの責任のなすりつけあい」にみえる今回の騒動は、「安倍・菅政権特有のおごりと隠蔽体質」(首相経験者)を浮き彫りにしたことは間違いない。「次期衆院選勝利による疑惑帳消しを狙っても、かえって有権者から厳しいしっぺ返しにつながる」(自民長老)と、自民党内の不安は広がるばかりだ』、「誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆」、こんなことを許すべきではない。政治記者も腕の見せ所と、奮闘してもらいたい。

第三に、5月23日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で慶応義塾大学准教授の小幡 績氏による「 日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/430023
・『新型コロナウイルス対策の迷走、ワクチン接種をめぐる混乱で、政治家への不信がより一層高まっている。 しかし、私が危惧しているのは、それが不信から軽蔑へ、「ただの馬鹿なのか?」という疑問に変わっていることである』、「小幡 績氏」らしい鋭い指摘だ。
・『短期間の宣言を「主張」、権力自体も失いかねない菅首相  新型コロナ対策では明らかに矛盾したことを言っている。それが背後にある利害関係からならば、それは不信にすぎない。 もし「旅行業界とつながっているんじゃないか」「医師会との癒着ではないか」といった類のものなら、戦後、いや人類が誕生してから政治というものが生まれたときから存在しているものであり、問題はあるが、既知のことである。それよりも深刻なのは、利害関係がないにもかかわらず、子供でもわかるようなおかしなことをしていることである。 今回の緊急事態宣言の延長(5月31日まで)も、4月25日の開始時から5月11日までの17日間で終了することなど無理だとわかっていたことだった。延長しても、その効果はまったくといっていいほどなく、「最初から長くやっておいたほうが良かった」と言われることは100%確実だったはずだ。 なのに、菅義偉首相はむきになって短期間を主張したようだ。しかも菅首相は自分の言葉を「バナナのたたき売り」のように安売りし続け、自分の言葉の力どころか、大好きな権力自体も失うことは明白だったにもかかわらずだ。 ワクチン接種の予約も、混乱するのはわかり切っていたのに、事実上、市町村に丸投げし、しかも案の定、またもやひどい予約システムと来ている。間抜けなことに、このタイミングでデジタル庁設置法案が可決、成立。「あのさー、デジタル庁を作る前に、まともな予約システムか何かを国で作っておけよ」と多くの人が思っている。 振り返れば、マスクを国民に配るという発想もほとんど効果がなさそうだということはうすうすわかっていたし、病床がひっ迫するのもわかっていたはずだ。だが、ワクチンの準備では、英米を中心とした各国では、あれだけ死者が激増して政府もパニック状態になっていたにもかかわらず、ワクチン接種の段階になったときの準備を着々と進めていた。 なのに、日本は「Go To」などをやって、ワクチン接種の準備は遅れに遅れ、役に立たないような準備ばかりをしていたことになる』、これだけ菅政権の無策ぶりを列挙するとは、さぞかしスッキリすることだろう。
・『政治家が愚かである「3つの仮説」  政治家はやっぱり馬鹿なのか? という疑問が出てくるのは当然だろう。恐ろしいのは、私ですら疑問にとどめているのに、国民の多く、特に若年層にとっては、それは疑問ではなく、結論である。いや結論どころか、常識、空気になっている。大前提となっているのである。 しかし、ここで改めて考えてみよう。本当に政治家は馬鹿なのか? 事実から行こう。一連の政治家の振る舞いは愚か(おろか)である。これは動かしがたい。では、次に「なぜ愚か」なのか? 3つの仮説がある。 (仮説1)愚かな人が政治家になっているから (仮説2)政治家になると愚かになってしまうから (仮説3)政治家になると愚かに行動することになるから  仮説1については、さらに2つの仮説に分けられる。 仮説1-1愚かな人が政治家になりたがる 仮説1-2愚かな人が政治家に選ばれている まず、仮説1は、政治家の能力、生まれつきの問題であるが、解決策は「愚かでない人」を政治家に選ぶことである。では、どうすれば愚かでない人を政治家に選ぶことができるだろうか?一般的には、それは民主主義であり、民主主義の徹底を追求することで実現することになっている。 しかし、現実はどうであろうか? 「民主主義とは何か」という問題は置いておき、普通選挙を徹底し、それを公正に行うということを追求することで、現実の世界はこれを実現しようとしてきたし、有識者の多くもそれを当然の大前提としている。 アメリカのドナルド・トランプ前大統領が愚かかどうか、ブレグジット(英国のEU離脱)が誤った決定かどうかなどはさておき、こうした考え方に対して疑問を持つ人々は、この5年で増大した。 一方、中国の習近平国家主席が優れたリーダーかどうか、目標が正しいかどうかの議論はさておき、実力者であることは間違いがない。民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず、独裁制の下で生まれてきているという考え方もありうる。もちろん、共産党内の激しい競争がこれを実現しており、競争こそが重要だという考え方もありうる』、「民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず」、には違和感がある。ドイツのメルケル首相、アメリカのケネディ大統領など、「実力者」も少なからずいる。
・『愚かな政治家が選ばれる「2つの理由」  世界的に見て、優秀な国家元首が民主的な選挙で選ばれる確率は低下しているように見える。ここでは独裁制との優劣比較は論点ではなく、なぜ民主的な選挙で愚かな政治家が選ばれるか、という問題であるから、その理由を考えよう。 形式的には2つ考えられるだろう。 1つは、愚かな人しか立候補しないので、愚かでない人を選べない、という可能性である。もう1つは、愚かな人が「より得票力がある」という説である。 前者は、政治家という仕事(職業? しかし、職業政治家と一時的に政治家になる人とがいるし、兼業も許されているから、仕事と言ったほうがいいだろう)が馬鹿馬鹿しくて、まともな人は立候補する気にならない、ということである。後者は、有権者がなぜか愚かな人に投票してしまう、という現象である。 なぜ政治家になるのは馬鹿馬鹿しいのか?これは仮説2「政治家になると愚かになってしまうから」の問題ともつながる。 政治家になると、もともと愚かでない人でも、愚かに行動するようになってしまう、というストーリーである。この現象が生じる可能性は、2つある。まず、漫画的にありそうなのは、政治家になると先生になり、傲慢になり、人の言うことを聞かなくなるから、ということである。経営者ならガバナンスが効かない状態であり、先生と呼ばれる職業には必ず起こることらしい。私も先生と呼ばれることに慣れてしまった。 しかし、もっと可能性が高いのは、愚かに行動することを強いられるという現象である。ガバナンス(統治のシステム)が効きすぎて、愚かになる、という行動である。これはヘッジファンドやいわゆるモノ言う株主と称するアクティビストファンドに振り回される経営者と同じである。つまり、「プリンシパル=エージェント関係の議論」でいえば、主人が馬鹿なら、家来も馬鹿にふるまわないと生き残れない、ということである』、有権者が「馬鹿なら」、「政治家」も「馬鹿にふるまわないと生き残れない」、ありそうだ。
・『「主人」のために馬鹿になる?  これも、仮説3の「政治家になると愚かに行動することになるから」につながる。先に言っておくと、仮説2は、主人が馬鹿なために生き残るためには、心から馬鹿にならないとダメ、あるいはそうでないとつらいので、馬鹿になりきっているうちに本当に馬鹿になってしまう、ということである。「政治家は鈍感でないと、やってられない」とよく言うから、この可能性は高いかもしれない。 一方、仮説3のほうは、馬鹿になり切れない、つまり鈍感ではなく感度は高いままだが、だからこそ「主人の意向を敏感にかぎ取り、主人の望むように“気の利いた”行動をし続ける」ということである。 これは、サラリーマンで出世するには必須条件だ。日本でもアメリカでも実は変わらない。「気が利く」「かゆいところに手が届く」「間合いの良いお世辞がうまい行動をとる」「部下などに圧力をかけブラックな行動をとり上司にだけいい顔をする」「とにかく利益を上げ、株価にプラスになることをする」……。こうしたことはすべて主人の好みによる。その主人にしても何らかの意味での出世、あるいは所得、資産を増やしたいだけだから、「主人にとっての主人」が株式市場か、世間体か、勲章をもらうことか、という違いがあるだけである。 むしろ興味深いのは、主人が1人の場合と、いろいろな人がいろいろな意見を言う集合体と、どちらがやりやすいか、という話である。もちろん、それは前者が一般的には楽でわかりやすく割り切りやすいが、後者は極めてしんどい、ということである。 ここまで明示して来なかったが、民主主義の民主的な選挙で選ばれた、そして次の選挙でも選ばれたい政治家にとっての主人は有権者であり、それは群集であり、いろいろなことを言う。これは難しい。 さらに、アメリカのように、イエスかノーか、あるいは弱肉強食主義者と弱肉救済主義者といったように、主義主張が両極端に明示的に分かれていれば、極端に言えば半分だけでもいいが、日本のようなコンセンサス社会、格差といいつつも、価値観はわりと一体となっているところでは、全方位外交をしなくてはならず、八方美人になってしまう。2012年の途中まで続いた民主党政権の最大の問題は、政権をとったら、事業仕分けをすると同時にバラまきもして、業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである。 そして、自民党も「民主党よりましだ」ということで圧倒的な支持率を獲得してきた。どんなに安倍晋三前首相への批判、今の菅首相への批判が出ても、意外なほど支持率が一定水準を保っているのは、民主党の「悲惨な末路」のおかげである。だが、逆にその結果、自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった。業界にも消費者にもいい顔をするから、結局うまくいくはずがない』、「民主党政権の最大の問題は・・・業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである」、「自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった」、なるほど。
・『公平の厳密性に縛られる日本  さらに日本の問題は、いわゆるサイレントマジョリティの傾向が強すぎる結果、声を上げる一部のクレーマーが世論的なものを形成してしまうことである。 総会屋というものが生まれたのもしかり。陰湿ないじめの問題がなくならず、悪意のない多数のサイレントな追随者が一部のいじめの重さを増大させているのも、日本的な現象だ。だから、ワクチンの一部の問題でも攻撃され、それを防止するために、誰からも不満が出ないように万全な行動をとろうとする。公平にワクチンを配ろうとして、かえって公平性の厳密性に縛られ、迅速に配るということが誰に対してもできない、という愚かな結果に終わる。これが日本である。 蛇足かもしれないが、先日東洋経済オンラインに、ワクチンに関するあまりに愚かな政府およびそのほかの人々の行動に業を煮やしたのか、著名な経済学者たちが連名で、緊急提言を行った(「進まないワクチン予約の劇的改善求める緊急提言」)。 このメンバーには知り合いが多く、親しい人もいる。提言の内容は極めてまっとうである。だが今までにも経済学者の意見を聞く機会はごまんとあったはずで、政治や官邸が今耳を傾ける姿勢があるくらいなら、もっと早い段階、つまり、ワクチン実施案を練っていたときに盛り込まれているはずだからだ。実際、政権の公式なアドバイザーの学者も提言メンバーに入っている。 しかし、簡単なことすらできておらず、かつさまざまな提言を聞こうとしなかった政治家たちが、いまさら聞くわけがないのである。まあ、だから、政治家よりも各自治体の担当職員へ向けて発表しているのかもしれない。それは賢明だ。 しかし、繰り返しになるが、政治家たちがワクチン接種プロジェクトに対してこんなに出遅れて愚かに行動しているのは(担当大臣まで設置し、デジタル庁という組織の法律まで作り上げたのに)、それ以外のことを彼らの主人たちが求め続けてきたからだと私は見る。だから、いまさら提言しても、どうかと思うのである。 さて、日本の政治家が愚かに見える理由をいろいろ考えてきたが、上記に掲げた仮説1から3のどれがもっとも当てはまるだろうか。それは各読者の判断に委ねたいと思う。競馬の予想と一緒で、見方はそれぞれだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「公平の厳密性に縛られる日本」とは愚かなことだ、もっと柔軟に対応すべきだろう。「仮説」のうち、私が最も「当てはまる」と思ったのは、3の「政治家になると愚かに行動することになるから」であるが、2の「政治家になると愚かになってしまうから」も捨て難い。
タグ:東洋経済オンライン 小幡 績 AERAdot 日本の政治情勢 泉 宏 (その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」) 「【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?〈dot.〉」 「高須氏」が「河村市長」と「絶交」したとはさもありなんだ。「田中氏」の取り調べは順調に進んでいるようだ。 「偽造署名」の責任をめぐる泥仕合はみっともない。 「ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」」とは5月18日の事務局長ら4名の逮捕だった。「真相」解明には時間がかかりそうだ。 「河井事件の1.5億円、うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上」 「1億5000万円」もの巨額資金の支出経緯が不明とは、あり得ない話だ。 なんとも無責任な責任のなすり合いだ。 「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」、「二階氏」の「計算」とはどんなものなのだろうか。 「誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆」、こんなことを許すべきではない。政治記者も腕の見せ所と、奮闘してもらいたい。 「 日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」」 「小幡 績氏」らしい鋭い指摘だ これだけ菅政権の無策ぶりを列挙するとは、さぞかしスッキリすることだろう。 政治家が愚かである「3つの仮説」 (仮説1)愚かな人が政治家になっているから (仮説2)政治家になると愚かになってしまうから (仮説3)政治家になると愚かに行動することになるから 「民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず」、には違和感がある。ドイツのメルケル首相、アメリカのケネディ大統領など、「実力者」も少なからずいる。 有権者が「馬鹿なら」、「政治家」も「馬鹿にふるまわないと生き残れない」、ありそうだ。 「民主党政権の最大の問題は・・・業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである」、「自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった」、なるほど。 「仮説」のうち、私が最も「当てはまる」と思ったのは、3の「政治家になると愚かに行動することになるから」であるが、2の「政治家になると愚かになってしまうから」も捨て難い。 「公平の厳密性に縛られる日本」とは愚かなことだ、もっと柔軟に対応すべきだろう。
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企業不祥事(その24)(整備事業の指定取り消し 整備士7人を解任 ネッツトヨタ愛知「不正車検5000台」の衝撃、新車を売ったらアフターサービスに必死 販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか、問われる生保トップ企業の危機意識 日本生命、「ゴルフ会食」後に6人のコロナ感染判明) [企業経営]

企業不祥事については、4月27日に取上げた。今日は、(その24)(整備事業の指定取り消し 整備士7人を解任 ネッツトヨタ愛知「不正車検5000台」の衝撃、新車を売ったらアフターサービスに必死 販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか、問われる生保トップ企業の危機意識 日本生命、「ゴルフ会食」後に6人のコロナ感染判明)である。

先ずは、4月11日付け東洋経済Plus「整備事業の指定取り消し、整備士7人を解任 ネッツトヨタ愛知「不正車検5000台」の衝撃」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26723
・『トヨタのおひざ元である愛知県で起きた販売店の不正車検。前代未聞の不正はなぜ起きたのか。その背景を探った。 「今回のような不正が本当にありえるのかと思った。どんなに作業が忙しくても絶対に越えてはならない一線だ」ーー。トヨタ自動車の販売店で発覚した不正車検について、他メーカーの販売会社の社長はそう口にした。 国土交通省中部運輸局は3月30日、ネッツトヨタ愛知の販売店(プラザ豊橋)の不正車検に対する行政処分を発表した。法令違反の対象台数は5158台。この店で2018年12月22日~2021年1月13日に車検を行ったすべてに当たる。ネッツトヨタ愛知を含めて4つのトヨタ系販社を持つATグループ(名証2部上場)は、愛知県内で最大手のディーラーだ(詳細は「愛知県に12社『トヨタ販社』の序列)。 今回の不正は2020年12月、中部運輸局が行った抜き打ちの監査で発覚した。 プラザ豊橋では、排ガスの一酸化炭素濃度やスピードメーターの誤差、サイドブレーキの制動力などに関する点検・検査を省いて保安基準適合証を交付したり、実際に検査したかのような虚偽の整備記録を作成したりしていた。 不正に関与した整備士は中部運輸局の監査に対し、「過剰な入庫が常態化し、顧客を待たせないように一部の検査を省いてしまった」と話したという。 自動車販売店における車検は、国が行うべき業務を代行するもので、販売店には「指定工場」、整備士には「自動車検査員」の資格が国から与えられている。 中部運輸局はプラザ豊橋店での自動車整備事業の指定を取り消し、整備士8人のうち不正に関与した整備士7人について自動車検査員の解任命令を出した。この行政処分により、プラザ豊橋は自動車整備事業の申請が2年間できず、7人の整備士も2年間は車検業務ができない』、「トヨタのおひざ元である愛知県」の「最大手のディーラー」で「不正車検」が「中部運輸局が行った抜き打ちの監査で発覚」、とは心底驚かされた。
・『「店長は指示していない」  法令違反の対象となった5158台について、ATグループのほかの販社(愛知トヨタ自動車、トヨタカローラ愛豊、ネッツトヨタ東海)にも協力を仰ぎ、車両の再点検・再整備を行う。作業完了には8カ月かかる見通しだ。 県内に約30店を展開するネッツトヨタ愛知は今回の問題を受けて、ほかの店舗の整備士全員に聞き取りを行い、「同種の不正はなかったことを確認した」としている。 だが、不正が公になってから、他店舗で車検を受けた顧客から、「自分の車は大丈夫か」といった問い合わせが相次いでいるという。過去2年間にネッツトヨタ愛知の別の店舗で行った車検についても、すべての車両を対象に再点検・再検査を実施する方向で準備を進めている。 違反行為の対象となっている5158台の再検査を最優先しつつ、ほかの店舗で扱った車検の車両についても再点検するのだから、その作業量は膨大だ。 ネッツトヨタ愛知は今回の不正について、「(プラザ豊橋の)店長は指示していない」とし、あくまでも整備士が不正の認識がありながら、自主的な判断で行ったとしている。そのうえで、「1台当たりにかかる車検の時間の認識が適当ではなかった」「(車検の予約を受け付ける)営業部門と整備部門の意思疎通が不十分だった」と釈明する』、「店長は指示していない」、直接指示はしていなくても、黙認していたのは明らかだろう。
・『サイトから消えた「45分車検」  首都圏のトヨタ系販社幹部は今回の不正について、「数が多いからといって検査を適切にやらないなんてことは考えられない。現場の状況を考えて(車検の受け入れ数を)コントロールするのが会社の役割だ」と批判する。 今のところ、不正車検の対象車両に不具合が出たという報告はないが、手抜きの検査は人命に関わる。トヨタ幹部は「(車検は)国から任せてもらっていることなので、こうした問題は絶対に避けなければならない。われわれとしても深刻に受け止めている」と話す。実は、ネッツトヨタ愛知は「ネッツ45 車検」と銘打って、45分でのスピード車検を10年以上前から展開していた。不正発覚後は同サービスを停止し、同社のホームページからもその表示が削除されている。 ATグループによれば、45分と作業時間を明確にしたスピード車検を展開していたのは、傘下4つの販社の中でネッツトヨタ愛知だけ。早さを「売り」に集客したものの、処理しきれないほどの数を受注してしまった可能性が高い。 現在、ネッツトヨタ愛知のホームページから削除されているが「ネッツ45 車検」とうたっていた(画像はネッツトヨタ愛知のサイト) 東海地方のホンダ系販社の店長は、「整備点検や検査も含めて考えるとどうやっても車検は45分では終わらない。うちの店は(12カ月の)法定点検ですら1時間半かけている。時間がかかることは丁寧に説明してお客さんに理解してもらっている。ただ、最近はガソリンスタンドなどでも『1時間車検』などとうたっていて、短時間で終わるからお客様に喜ばれる。そういうものが世の中に浸透しすぎている」と警鐘を鳴らす。 今回、不正が見つかったプラザ豊橋での法令違反の対象台数は5158台だから、1年で約2500台の車検を行っていたことになる。 愛知県の別のトヨタ系販社の店長はこれについて、「自分たちの店では整備士が4人で年間にできる車検は1000件程度。整備士7人で1年間に2500件以上はさすがに多い」と指摘する。この販社では45分車検のサービスは公式にうたっていない。ただ、新車購入から3年目の初回車検に限り、見積もり段階で車を見た上で、「45分のスピード車検が可能だと判断することもある」という』、「45分でのスピード車検を10年以上前から展開」、単に整備士だけの問題ではなく、販売店全体の問題だ。
・『トヨタも「45分」を売りに  スピード車検は愛知県内の販社だけの売りではない。トヨタのホームページには「トヨタだからジャスト・イン・タイム、プロの技術で45分で車検完了」と紹介している。トヨタ系販社の中には「30分車検」(ハイブリッド車は40分)をうたうところもある。 西日本のトヨタ系販社の幹部は、「新車購入後3年の初回車検と2回目の車検の一部では、部品交換なしで45分車検は可能だが、車齢が長くなると部品交換なども増えて2時間以上かかるのはざら」と話す。近年比率が高まっているハイブリッド車はエンジン車に比べて車検の時間がかかることも多く、車検にかかる時間は慎重に見積もっているという。 つまり、「45分車検」そのものが諸悪の根源というわけではなく、プラザ豊橋で起きた大量の不正車検は、車検業務に当たる整備士の数と受注数(車検車両の受け入れ)のバランスが崩れていたにもかかわらず、放置されていたことが問題の本質だろう。前出の愛知県の販社の店長は「ネッツトヨタ愛知は(1935年に創業した)名門のATグループ傘下で、いわゆる“お堅い会社”。過去にも問題を起こすようなことはなかった。なぜこんな不正が起きたのか」と首をかしげる。 ネッツトヨタ愛知の担当者は、「車検の台数目標は存在していたが、整備士の人員規模が適切だったかは改めて検証する必要がある」と説明する』、「トヨタも「45分」を売りに」、ということであれば、「ネッツトヨタ愛知」だけの問題ではなさそうだが、この記者もさすがに「トヨタ」には遠慮して詳しくは調べなかったようだ。
・『不正車検の始まりは特定できず  今回の件でネッツトヨタ愛知が聞き取りを行ったところ、検査員は「2年よりも前から不正を行っていた」ことを認めたものの、いつから行われていたかは特定できなかったという。 販売店が車検を行った場合、指定整備記録簿と呼ばれる書類を2年間保管する義務がある。そのため、中部運輸局は過去2年間分の車検を法令違反とした。仮に2年よりも前に不正があっても、書類での確認ができないため不問にせざるをえないのだ。ATグループでは、ネッツトヨタ愛知の問題を受けて、傘下のほかの3社でも不正車検がなかったのかを点検している。 ネッツトヨタ愛知は半年に一度、販売店を対象に社内監査を行っていたが、主に書類をベースとした監査でプラザ豊橋の不正車検を見抜けなかった。再発防止策として、監査の強化や全社員へのコンプライアンス教育の徹底、サービスオペレーションの見直しを軸とする再発防止策を策定し中部運輸局に提出している。 中部運輸局が行政処分を発表した3月30日、トヨタ系販売会社の組織である「トヨタ自動車販売店協会」の役員会が行われた。トヨタ国内販売事業本部の佐藤康彦本部長は販売店での不祥事が増えていることに触れ、人材育成の重要性を強調したという。販社関係者によると、トヨタは全国の販売会社に対してネッツトヨタ愛知と同様の事案がないか、ヒアリングをしているという。 国内の新車販売はコロナ禍が響き2020年度は5年ぶりに500万台を下回った。コロナの影響が軽微だった2019年度でも最盛期の3分の2にまで縮小している。一方で、国内の自動車保有台数(乗用車・商用車)は8000万台弱と緩やかな増加が続く。保有台数が増えていれば、法律で定められている車検の需要も見込める。 乗用車の場合、新車購入から3年、以降は2年おきの車検は販社の貴重な収益源だ(詳細は「販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか」)。アフターサービスとして安定した収益が得られる車検は顧客からの信頼があってこそ。東北地方のトヨタ系販社の社長は「車の販売会社として、正しいメンテナンスは責務。襟を正して真摯に取り組んでいかないといけない」と話す。 今回の問題が発覚した後、他のメーカーでも「ウチは大丈夫か」となり、車検の抜き打ち監査に動くところもある。前出のホンダ系販社の店長はこう述べた。「(店舗ごとに)高い数値を求められて、現場の整備士に余裕がなかったのだろうか。ましてトヨタ、しかも愛知県で」。トヨタ系に限らず全国の販売会社に衝撃が走った不正であることは間違いない』、「車検は販社の貴重な収益源」であれば、車検への信頼性回復は喫緊の課題だ。

次に、この続きを、4月11日付け東洋経済Plus「新車を売ったらアフターサービスに必死 販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26725
・『ネッツトヨタ愛知で発覚した不正車検では、中部運輸局の監査に対して、整備士が「過剰な入庫が常態化していた」と話したという。販売店が身の丈を超えた数の検査を受け入れたのは、車検が「儲かるサービス」であることと無縁ではないだろう。 自動車の安全確保という趣旨の下、自動車検査(車検)は道路運送車両法で義務づけられている。普通車や軽自動車は新車で購入した場合、初回が購入後3年、2回目以降は2年ごとに受ける必要がある。車検を受けていない車で公道を走っていた場合、罰則(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)もある。 本来、車検は国が行うべきものだが、新車の販売店が車検を代行しており、それが収益源になっている』、「国が行うべき」「車検」を「販売店が」「代行」し、「収益源になっている」のに、「不正」が行われていたとは、一体、何をやっているのかとドナリつけたい気分だ。
・『車検には3つの方法  車検の主な検査項目は、車両に割り当てられている車台番号などが自動車検査証(車検証)と同じかの確認、ライトやタイヤなどの正常性の確認(外観検査)、ブレーキやヘッドライトの性能確認、排気量検査がある。 検査方法は、①ユーザー自身が運輸支局などに持ち込んで行う、②点検・整備と完成検査まで一括して代行する「指定整備工場」へ持ち込む、③点検・整備のみを行う「認証整備工場」に持ち込み検査を運輸支局などで行う、の3つがある。 新車の販売店は指定整備工場の資格を取得していることがほとんどだ。馴染みの販社から車検の案内が記載されたダイレクトメールを受け取り、車を持っていく人は少なくないだろう。 車検とは別に法令で義務づけられているのが12カ月点検と24カ月点検だが、この点検を受けていなくても罰金や罰則はない。24カ月点検は通常、車検に合わせて実施する一方、12カ月点検はそうした機会もなく、半ばユーザーの自主性に委ねられている。 国土交通省によると、普通車と軽乗用車の12カ月点検実施率は最新集計で約6割(2017年)。それでも、日本のように1年や2年で点検、車検を実施する国は海外でも珍しい。そもそも点検整備が法律で義務づけられている国はニュージーランドやアメリカ(州によって異なる)など先進国でも少なく、「過剰すぎる」と批判されることもある。 一方、車検制度は自動車業界にとってアフターサービス市場を形成する重要な“事業”だ。車検や点検に結びついた整備や修理、部品交換といった整備事業の市場は大きく、日本自動車整備振興会連合会によると、2020年度(2019年7月~2020年6月)の総整備売上高は約5兆6000億円もある』、「検査方法」の「①」は自分車検と呼ばれたものだ。
・『新車販売減り、整備に活路  特に近年、車検や点検の入庫獲得に躍起なのが新車の販売店だ。理由は主に2つある。 1点目は重要な収益源になっているという点だ。販売店の主な事業は新車販売以外に、整備(サービス)や中古車販売、自動車保険などがある。 その中で、安定収益とされるのが整備事業だ。仕入れ費用で利幅が薄い新車販売と異なり、整備事業はそうした費用もかからない。ホンダ系販売店の店長は「整備事業は新車販売に比べて利益率が高く、安定的に収益の5割を占める」と話す。 さらに自動車の平均車齢はここ30年で2倍の9年近くにまで伸び、新車を売る機会は減っている。今や国内の新車販売はピークだった1990年の777万台に比べ3分の2の規模だ。一方で自動車の保有台数は8000万台弱と緩やかな増加が続く。車検や点検は法律で定められているため、需要は底堅い。 もう1つは顧客との接点を持てること。首都圏の日産系販社の社長は「購入してもらった新車で車検や12カ月点検の入庫が獲得できれば、顧客と“つながる”ことができる」と話す。来店してもらえれば営業スタッフがお客さんと話す機会も作れる。その結果、次の新車への乗換えや保険の提案が可能になる。 西日本のトヨタ系販社の幹部は「うちの場合、新車を購入したお客さんのうち7割が初回車検に来てくれる。車検は利益率が高いので、(利益率が低い)新車販売が減ってきても、当面は車検需要で食っていける」と本音を漏らす。「車検や点検で車を入れてくれるのは『ディーラーだから』という信頼感が大きい。お客さんと信頼関係を築いて、新たな商機につなげていくのが基本」(ホンダ系販社) つまり、販社は新車を販売して終わりではない。販売してから、いかにお客さんと関係を維持し、メンテナンスなどで店に来てもらえるかが重要なのだ』、「整備事業は新車販売に比べて利益率が高く、安定的に収益の5割を占める」、「新車を購入したお客さんのうち7割が初回車検に来てくれる」、「車検や点検で車を入れてくれるのは『ディーラーだから』という信頼感が大きい」、なるほど。
・『「メンテパック」で顧客囲い込み  こうした背景から新車の販売店では車検や点検、消耗品補充がセットになったメンテナンス(メンテ)パックの販売を積極的に推進している。新車発売後の1カ月点検や6カ月点検をパックに盛り込む会社も少なくない。手厚いサービスにみえるが、それだけ収益に結びつけようとしているとも言える。前出の日産系販社では「初回の車検は(同社で新車を買った人のうち)8割、2回目で7割を獲得している」という。 車検の争奪戦には、車検チェーンなどの整備業者やカー用品店、ガソリンスタンドなども参戦しており、競争が激化。事業性の側面が強まっていることは否めない。 しかし、車検や点検は法令に基づいた義務であり、安心・安全のためという大前提でユーザーがお金を払っている。前出の日産販社社長こう強調する。「車検は自動車産業を支える1つの根幹。どんなことがあっても手抜かりは許されない」』、「「車検は自動車産業を支える1つの根幹。どんなことがあっても手抜かりは許されない」、同感である。

第三に、4月28日付け東洋経済Plus「問われる生保トップ企業の危機意識 日本生命、「ゴルフ会食」後に6人のコロナ感染判明」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26874
・『3度目の緊急事態宣言が4都府県に発令される直前、大手生保でゴルフ会食と幹部職員のコロナ感染が明らかになった。 3回目の緊急事態宣言が東京など4都府県に発令される中、新型コロナ対策において、生命保険大手の危機感の欠如があらわになった。 業界最大手・日本生命の営業拠点の管理職6人が、4月に開催された会社主催のイベント終了後に「ゴルフ会食」に出かけ、その後、新型コロナに感染していたことが判明したのだ』、「生命保険大手の危機感の欠如があらわになった」、とは言い得て妙だ。
・『台場のホテルで全拠点長大会を開催  同社は職員の新型コロナの感染状況について、ホームページで直近2週間分の情報を公表している。4月26日時点では、4月18日に1人、19日に12人、合計13人のコロナ感染者が出ている。 感染者が所属する営業部の所在地はバラバラで、それぞれに関連性はないように見える。だが、13人のうち6人は神奈川県・湘南支社管内の営業部に所属しており、同一の感染経路であることが疑われる。 というのも、日本生命は4月16日、東京・台場のホテル「グランドニッコー東京 台場」で、首都圏の支社長や営業部長らが集まって情報共有する「全拠点長大会」を開催した。最も広い宴会場を貸し切りにし、約220人が参加した。 同大会が終了した後、神奈川県内にある同社湘南支社管内の営業部長らは、1泊2日のゴルフコンペに出かける。飲食・宿泊と行動をともにした後、営業部長の1人が体調不良を理由に急きょ帰宅。ほかのメンバーは後から合流した湘南支社の支社長らとともにゴルフに興じる。 その後、PCR検査によって、体調不良を訴えた営業部長が18日に新型コロナの陽性と判明。濃厚接触者であるほかの営業部長らもPCR検査を受けたところ、19日に5人のコロナ感染が判明した。日生によると、コロナに感染した職員は全員男性で、30代が3人、40代が3人という。 営業部長がコロナ感染者となった湘南支社管内の6営業部は、20日、21日の両日は職員全員が自宅待機となり、その間、保健所の指導に従い、オフィスの消毒作業を実施した。22日に業務を再開したが、30日までは対面での顧客訪問は休止の措置をとっている。 一連の経緯と事実関係について、日本生命広報部は「湘南支社管内の営業部で6人のコロナ感染者が出たことは事実」と認めながらも、業務上の会食については「原則、4人以下、2時間以内、感染対策が十分図られた店舗で実施することを徹底している」とし、「(6人の感染は)あくまで業務時間外でのプライベートでの出来事であり、詳細は差し控えたい」と回答した。 ただ、コロナ感染者が発生した営業部内からは、憤りと不安の声が上がっている。ある営業職員は「お客様だけでなく、営業部内にも高齢の営業職員は多く、コロナ感染に対して日々不安を抱えながら活動している。有志の集まりとはいえ、危機感がなさすぎではないか」と怒りをあらわにする』、「全拠点長大会」に出席後、「ゴルフ」に興じたのは、他にもかなり多くのグループがあった筈だが、「コロナ感染者が出た」のは、このグループだけだったようだ。
・『営業職員から上がる切実な声  営業拠点間の情報共有のために作成された、2021年1月20日付の日本生命・首都圏営業本部作成の内部資料には、営業職員の切実な声がつづられている。湘南支社はこの首都圏営業本部に所属している。 「問題なのは営業部長の朝礼が長いこと。大きな声で職員の周りをうろつきながら話すので飛沫が気になる」 「(上司との)面談頻度が多い。拠点の換気が全くされない。営業部長は『アポを徹底的に取って提案に行け』と執拗にメールを送ってくる」 「営業部長から、『私たち(営業職員)はエッセンシャルワーカーであり、出勤は今まで通り』という話があったが、会社は私たちの命を何だと思っているのか」 現場の営業職員から、こうした痛切な叫びが多く届いていることを知りながら、たとえプライベートでの行動とはいえ、コロナの感染拡大防止を軽視した行動に疑問の声が上がるのは当然だ。 日本生命では神奈川県以外にも、大阪市内にある営業管理職を育成するための拠点「拠点長ビジネススクール室・大阪養成センター」の20代の職員8人が4月8日、コロナに感染している。同社広報部は「保健所からは感染経路が不明で、クラスターと判定されているわけではない」と話すが、その後、同センターで4月11日~13日にかけて各1人ずつの感染が判明。合計11人が感染者となっている。 新型コロナで医療体制は逼迫しているうえ、東京五輪の開催可否の判断もまさに瀬戸際の状況にある。3回目の緊急事態宣言が出てもなお、日本生命のコロナ対策への姿勢は変わらないのだろうか』、「私たち(営業職員)はエッセンシャルワーカーであり、出勤は今まで通り」、リモートに出来ない職種を、勝手に「エッセンシャルワーカー」と称する図々しさには、呆れ果てた。これでは、警察官や消防士などの本来の「エッセンシャルワーカー」の立場がなくなってしまう。生保のトップ企業としては、誠にお粗末な不祥事だ。
タグ:企業不祥事 東洋経済Plus 「整備事業の指定取り消し、整備士7人を解任 ネッツトヨタ愛知「不正車検5000台」の衝撃」 (その24)(整備事業の指定取り消し 整備士7人を解任 ネッツトヨタ愛知「不正車検5000台」の衝撃、新車を売ったらアフターサービスに必死 販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか、問われる生保トップ企業の危機意識 日本生命、「ゴルフ会食」後に6人のコロナ感染判明) 「トヨタのおひざ元である愛知県」の「最大手のディーラー」で「不正車検」が「中部運輸局が行った抜き打ちの監査で発覚」、とは心底驚かされた。 「店長は指示していない」、直接指示はしていなくても、黙認していたのは明らかだろう。 「45分でのスピード車検を10年以上前から展開」、単に整備士だけの問題ではなく、販売店全体の問題だ。 「トヨタも「45分」を売りに」、ということであれば、「ネッツトヨタ愛知」だけの問題ではなさそうだが、この記者もさすがに「トヨタ」には遠慮して詳しくは調べなかったようだ。 「車検は販社の貴重な収益源」であれば、車検への信頼性回復は喫緊の課題だ。 「新車を売ったらアフターサービスに必死 販売会社はなぜ「車検」で顧客を取り合うのか」 「国が行うべき」「車検」を「販売店が」「代行」し、「収益源になっている」のに、「不正」が行われていたとは、一体、何をやっているのかとドナリつけたい気分だ。 「検査方法」の「①」は自分車検と呼ばれたものだ。 「整備事業は新車販売に比べて利益率が高く、安定的に収益の5割を占める」、「新車を購入したお客さんのうち7割が初回車検に来てくれる」、「車検や点検で車を入れてくれるのは『ディーラーだから』という信頼感が大きい」、なるほど 「「車検は自動車産業を支える1つの根幹。どんなことがあっても手抜かりは許されない」、同感である。 「問われる生保トップ企業の危機意識 日本生命、「ゴルフ会食」後に6人のコロナ感染判明」 「生命保険大手の危機感の欠如があらわになった」、とは言い得て妙だ。 「全拠点長大会」に出席後、「ゴルフ」に興じたのは、他にもかなり多くのグループがあった筈だが、「コロナ感染者が出た」のは、このグループだけだったようだ。 「私たち(営業職員)はエッセンシャルワーカーであり、出勤は今まで通り」、リモートに出来ない職種を、勝手に「エッセンシャルワーカー」と称する図々しさには、呆れ果てた。これでは、警察官や消防士などの本来の「エッセンシャルワーカー」の立場がなくなってしまう。生保のトップ企業としては、誠にお粗末な不祥事だ。
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半導体産業(その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由) [産業動向]

半導体産業については、4月6日に取上げた。今日は、(その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由)である。

先ずは、4月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「半「バイデン導体サミット」の衝撃、日本は半導体の技術流出防止を強化せよ」を紹介しよう。
・『バイデン政権による“半導体サミット”では、米国がより多くの半導体の確保を急いでいることが明らかになった。日本の半導体企業が競争力を発揮するために、政府は本腰を入れて当該分野の強化をすべきだ』、“半導体サミット”はどのようなものだったのだろう。
・『米バイデン政権が“半導体サミット”を開催 狙いは“Made in USA”の半導体生産能力の増強(4月12日、米バイデン政権が半導体など19社の企業幹部と意見交換する、いわゆる“半導体サミット”を行った。その一つの狙いは、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などに対して、米国内での半導体生産能力を高めることで、海外企業・海外生産への依存度を引き下げることだ。 今回の“半導体サミット”の背景には、中国との対立の構図がある。共産党政権主導で中国は高い経済成長を実現し、軍事力を強化して国際世論への影響力を強めた。もし、中国が台湾を攻撃すれば米国の覇権は揺らぐ。そのリスクに対応するため、安全保障の面からも米国は“Made in USA”の半導体生産能力を増強する必要がある。 また、今回のサミットには、米国半導体産業への支援をより重視するバイデン政権の姿勢を示す狙いもあった。それは、バイデン大統領が、米国内の当該分野の企業に手厚い支援を行うと示したことからも明らかだ。現在、台湾は世界の半導体生産の64%を占め、韓国企業が17%を担っている。中国ファウンドリー産業も成長する中、米半導体企業の競争力がどうなるかは見通しづらい。 “半導体サミット”開催で明確になったことは、米国が米国産業を守るため、より多くの半導体の確保を急いでいることだ。それは、わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある。そうした企業の競争力向上に向けて、わが国政府は本腰を入れて当該分野の強化を目指すことが求められる』、「わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある」、「追い風」とは有り難いが、見逃さずに乗ってゆく必要がある。
・『経済と安全保障の両面で半導体不足に焦る米国  米国メディアの報道によると、12日のバイデン政権との会合に呼ばれた企業は次の19社とみられる。[1]ゼネラル・モーターズ、[2]フォード・モーター、[3]ステランティス、[4]カミンズ、[5]パッカー、[6]ピストン・グループ(以上、自動車関連)、[7]ノースロップ・グラマン(防衛)、[8]メドトロニック(医療機器)、[9]AT&T(情報通信)、[10]グーグル(ITプラットフォーマー)、[11]デル、[12] HP (以上、PCメーカー) 、[13]インテル、[14]TSMC(台)、[15]サムスン電子(韓)、[16]グローバルファウンドリーズ、[17]スカイウォーター・テクノロジー、[18]NXPセミコンダクターズ(蘭)、[19]マイクロンテクノロジー(以上、半導体メーカー)。 19社の顔触れを見ると、バイデン大統領が経済と安全保障の両面で、足元の半導体不足に危機感を強めていることが確認できる。その問題を解決するために、同氏は、米国内での半導体生産を増やしたい。半導体の需要者と供給者に分けて会合の内容を考察すると、自動車関連([1]から[6])、防衛([7])、医療([8])、ITサービスや機器([10]~[12])の企業が、インテルなどに増産を要請したというのが一般的な解釈だろう。ただ、事実はより複雑だ。自前での微細化に行き詰まったインテルが、一部のチップの生産をTSMCに委託するとの観測も出てきたからだ。 総合的に考えると、半導体サミットの狙いの一つは、米国政府が海外企業に“踏み絵”を迫ったことにある。バイデン政権は、TSMCとサムスン電子という世界の2大ファウンドリーに、米国企業の半導体需要を明示し、米国内に追加の工場を建設して需要に応えるよう求めた。特に、TSMCは、最新鋭のステルス戦闘機F35などに用いられる軍用チップを製造している。そのため、台湾海峡の緊迫感が高まる状況は、米軍の即応力に影響を与えるリスクファクターと化している』、「TSMC」が「軍用チップを製造している」のであれば、当然、米国内生産を求められるだろう。
・『注目される新興ファウンドリー 純粋な米国資本のスカイウォーター  もう一つのポイントは、米国政府が半導体産業の成長を積極的にサポートすることだ。それは、米国の新興ファウンドリーのスカイウォーターの参加から確認できる。わが国では認知度が低い同社だが、半導体業界では注目度が高まっている。その要因の一つとして、スカイウォーターは米国資本の企業である。米大手ファウンドリーのグローバルファウンドリーズには、中東資本が入っている。タワージャズはイスラエル系企業だ。安全保障面から純粋な米国資本のファウンドリーの重要性は高まっている。 また、そのビジネスモデルも注目される。スカイウォーターは、旧式の製造ラインを用いて、軍用・民生用のチップを製造する。TSMCなどとの差別化のために同社が重視するのが、顧客が欲する技術のアイデア創出段階から支援を行い、それを基にして顧客の求めるチップの設計・開発から受託製造までを行うことだ。端的に言えば、AIなどの先端技術を駆使した、カスタマイゼーションの強化とコスト低減だ。そのためにスカイウォーターはグーグルと連携してオープンソースでの半導体の設計・開発プロジェクトを進めている。 つまり、半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う。使途によっては、高電圧や高温多湿など、過酷な環境でも確実に作動しなければならない。バイデン政権は、半導体の微細化に関してはTSMCの力を自国側につなぎ止めつつインテルなどの生産体制を支援し、それ以外の分野では米国内の既存の生産設備と、最先端のIT技術を結び付けることによって、半導体の生産力引き上げを目指していると言える』、「半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う」、「新興ファウンドリー」にも存在価値があるようだ。
・『パワー半導体分野で世界シェア高い日本企業 政府は基礎研究と技術流出防止を強化せよ  一方、中国共産党政権は、半導体産業の育成に産業補助金や海外企業からの技術移転をさらに強化し、米国に対抗するだろう。中国企業によるAI開発、スマートフォン市場でのシェア獲得を踏まえると、その力は軽視できない。 IT先端分野を中心に、米中の対立は激化するだろう。半導体サミット後の日米首脳会談、アーミテージ元国務副長官の訪台は、そうした展開を見越した行動だ。それに加えて、米財務省は台湾を為替操作の疑いがあると指摘した。ただ、為替操作国の認定は見送った。米国が自国の利害を守るために是々非々の姿勢をとっている点は冷静に考えなければならない。 安全保障を米国に頼るわが国は、米国との関係を最優先しなければならない。その一方で、民間レベルでの中国企業との取引に関しては、わが国企業の生産技術が国内独自の要素を用いたものであることを米国に伝え、理解の獲得を目指さなければならない。 そのための一つの要素として、汎用型の半導体分野でわが国企業が競争力を維持していることは重要だ。パワー半導体分野では三菱電機、東芝、富士電機などが一定の世界シェアを持つ。画像処理センサ(CMOSイメージセンサ)ではソニーが世界トップの地位を維持している。 世界的な半導体不足は当面続くだろう。それは本邦企業が収益を獲得し、より効率的な生産体制の確立や基礎研究を強化する好機だ。その上でわが国の半導体が米中双方からより必要とされれば(口で言うほど容易なことではないが)、わが国は民間レベルでの対中取引の重要性を米国に伝え、相応の賛同を得ることは可能だろう。 米国は経済運営のゲームチェンジを進めている。わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない。そうした取り組みが遅れると、中長期的な企業の競争力および経済の安定に大きな影響を及ぼしかねない』、「わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない」、同感である。

次に、5月1日付け東洋経済オンライン「ルネサス、「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426165
・『工場火災の凄惨な印象をはねのける、好スタートとなった。 半導体大手のルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)は4月28日、3月の工場火災事故後初めてとなる決算を発表。2021年12月期の第1四半期(1~3月期)決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比14%増の2036億円、営業利益は同126%増の301億円だった。 ルネサスといえば、3月19日に主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で大規模火災が発生したばかり。大型の直径300ミリのウェハーを加工する「N3棟」において、1階クリーンルーム内のメッキ工程に使う装置で過電流が発生して出火。23台の製造装置が焼損した』、「火災事故」の影響はまだ現れてないのだろうか。
・『火災影響あっても増収増益予想  火災直後は、製造途中の「仕掛かり品」を完成品まで加工して出荷を続けたが、仕掛かり品も底をついた4月半ばには、那珂工場からの出荷が完全にストップした。そのため、火災事故が1~3月期の業績に与える影響は軽微で、大きな押し下げ要因が作用するのは、4~6月期になる。 ところがルネサスは決算説明会で、4~6月期に関しても前年同期と比べて売上高、利益とも大きく伸びる計画を打ち出した(通年の業績予想は非開示)。 「凄惨な状況だった」(ルネサスの柴田英利社長)火災事故の影響をもろに受けるにもかかわらず、4~6月期も好業績が続くのはなぜなのか。 火災があった工場はルネサスにとって主力の生産ライン。ここで作る製品の月商は170億円程度と、ルネサス全体の売り上げの3割弱に当たる。) ルネサスによると、1カ月の生産停止と、その後の段階的な生産再開により、230億円分の売り上げ機会を損失した。代替生産などで補い、純粋な売り上げ影響額は170億円程度にとどまる一方、火災の被害を受けた在庫の処分や、工場の原状回復・補修費用などに伴い、年間の営業利益を240億円程度押し下げる。 こうした圧迫要因があっても、4~6月期の営業利益は250億円前後と、前年同期の172億円から大幅な増益になる見通しだ。 背景には、半導体の需給が世界的に逼迫していることがある。昨年は新型コロナ感染拡大により一時的に需要が落ち込んだものの、その後は急速に回復。特にテレワークが広く普及したことで、半導体を多く必要とするパソコンやディスプレー向けの需要が高まっている。 加えて、職場や自宅から同じ情報にアクセスできるようにデータベースのクラウド化も進み、データセンターの能力増強といった需要も根強い』、「火災事故の影響をもろに受ける」「4~6月期も好業績」、なのは、「半導体の需給が世界的に逼迫」したためのようだ。
・『「作ったそばから消費される」  ルネサスの売り上げの約半分を占める自動車の生産に必要な半導体も、急激に回復した需要に対し、供給が追いついていない。コロナによる経済の停滞が長引くと踏んだ自動車メーカーは、余分な在庫を抱えないようにするため、半導体メーカーに発注のキャンセルや繰り延べを行った。しかしその後、自動車販売は急回復し、一転して大量の半導体が必要になった。 そのため、自動車向けの半導体はルネサスの火災事故以前から深刻な不足に陥っていた。ドイツのフォルクスワーゲンは傘下の複数ブランドで1~3月の生産を減らしたほか、日産自動車やホンダなども年明けから生産調整を余儀なくされている。 そこに今回の火災が直撃、半導体不足に拍車をかける形となった。「在庫はボトム(底)の水準。今後は作ったそばから消費されていく」(柴田社長)状況で、2022年前半まではフル稼働に近い繁忙が継続すると見込む。) 2020年春は新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた時期。各国で厳しいロックダウンが行われ、あらゆるものの需要が「どん底」の状態だった。たとえば2020年4月の国内の新車販売台数は、前年同月比28.6%減に急落(日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会調べ)、欧米ではさらに大きな落ち込みとなった。増収増益が続く背景には、昨年の4~6月期のハードルが低いという一面もある。 火災からの復旧が早かったことも重要なポイントだ。N3棟は火災から1カ月も経たない4月17日に生産を再開した。4月19日に開いた記者会見で柴田社長は、「国内だけでなく海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」と話した』、「海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」、とはどういうことなのだろう。
・『「奇跡的回復」の裏に多くの支援  自動車の生産に支障を来している状況が日本や世界の経済に与えるインパクトを鑑みて、多くの関係者が復旧に協力した。事情を斟酌した製造装置メーカーが、ルネサス向けの納入を優先する特別対応もあったようだ。 また、ほかの工場でも生産が可能な製品については、自社の西条工場(愛媛県西条市)や、台湾の受託製造大手TSMCに委託して代替生産するなどのリカバリー策もあった。 柴田社長自身も「奇跡的な回復」と評するほどの順調な立ち直りを見せ、決算発表の翌営業日・4月30日の同社の株価は3.2%高の1275円(終値)に上昇した。株式マーケットも、想定を上回る好調ぶりと受け止めているようだ。 このまま業績や株価が好調に推移すれば、ルネサスの筆頭株主で32.1%の株式を持つド・政府系ファンINCJのエグジット(投資回収)が進むことも考えられる。 フル稼働状態さなかの火災事故による生産停止に見舞われたルネサス。計画通りの好業績を維持できるかが、"完全復旧"への試金石となる』、「INCJのエグジット」が順調に進んでほしいものだ。

第三に、5月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/270418
・『半導体2大ファウンドリーである台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子の業績は堅調に推移している。ただ、中長期で考えると、最先端技術と生産能力の向上に取り組むTSMCとサムスン電子の競争力格差は広がる可能性がありそうだ』、興味深そうだ。
・『半導体争奪戦は3年続く 日本企業にとって正念場  世界的に半導体の不足が深刻だ。2018年春以降の米中対立や、5G投資の盛り上がりで需給がタイトになったことに加えて、想定外の日米の半導体工場の操業停止などにより、“半導体争奪戦”の様相を呈している。米インテルのパット・ゲルシンガーCEOが「需給ひっ迫の解消には2~3年かかるだろう」と述べるほど、事態は深刻だ。 そうした状況下、各国企業が台湾積体電路製造(TSMC)や韓国のサムスン電子などからの半導体確保を急ぎ、半導体の市場価格は上昇している。当面、世界の主要メーカーであるTSMCやサムスン電子などの業績は堅調に推移するだろう。ただ、やや長めの目線で考えると、最先端の半導体生産能力の向上に取り組むTSMCとサムスン電子の競争力格差は広がる可能性がありそうだ。 半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ。 重要なポイントは、今後、その地位をさらに高め、収益性を確保できる事業展開を目指すことだ。そのためには企業の取り組みだけでなく、政府が積極的に規制改革や企業の研究開発支援を推進することを考えるべきだ。それができないと、有力なビジネスチャンスを逃すだけではなく、中長期的なわが国経済の成長を実現することは難しくなる。ある意味では、わが国にとって正念場が来ているといえるだろう』、「半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ」、「有力なビジネスチャンス」を活かしてもらいたいものだ。
・『TSMCは生産技術の確立に集中 EUV露光装置も多数調達  世界最大のファウンドリーであるTSMCは、米中をはじめ世界各国にとって必要不可欠の半導体供給者の地位をより強固なものにしつつある。同社の強みは、他社が設計・開発を行った半導体の生産に特化していることだ。それによって、アップルやNVIDIAなどの米国企業は設備投資を負担することなく、半導体の機能の向上に注力できる。TSMCは顧客の要求を満たす生産技術の確立に集中できる。 逆に言えば、TSMCが競合他社を上回る設備投資を実行し、成長を実現したのは、取り組むべき内容が明確だからだ。その象徴として、TSMCは半導体の回路線幅を小さくする「微細化」への取り組みを強化している。現時点で最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある。現在EUV露光装置を生産できるのはASMLのみだ。 それに加えて、わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化してきた。強固なサプライチェーン・マネジメントを基礎にTSMCは微細化への取り組みを進め、より多くの生産ニーズを取り込んでいる。同社が次世代の2ナノメートルの半導体生産ラインの確立を目指しているのは、アップルやNVIDIAがその生産力を頼っているからだ。 見方を変えれば、世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する。米アリゾナ州においてTSMCが追加の工場建設を計画しているのは、米国にとって同社の生産技術が“覇権の維持”に不可欠だからだ』、「最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある」、「わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化」、「世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する」、ここまでくると、主客逆転だ。
・『スピード感で劣るサムスン電子 国際世論における韓国の立場も逆風  TSMCに次ぐ世界第2位のファウンドリーである韓国のサムスン電子の業績は、足元では良好だ。テキサス州での寒波による工場の操業停止という想定外の影響はあったが、短期的に同社の業績は堅調に推移するだろう。なぜなら、当面、世界的な半導体不足は続く可能性があるからだ。 しかし、サムスン電子の競争力は、中長期的には不透明だ。その背景には、いくつかの要因がある。 まず、同社はファンドリー特化の企業ではない。サムスン電子には家電、スマートフォン、垂直統合型の半導体メモリ事業があり、それに加えて、ファンドリー事業の強化に取り組まなければならない。それゆえ事業運営のスピード感と技術向上の両面で、同社がTSMCを上回ることは難しい。米クアルコムは昨年、サムスン電子に発注した5ナノメートルのチップ生産をTSMCに振り替えたとみられている。それは、最先端分野での技術力の差が大きかったからだろう。 次に、国際世論における韓国の立場は、サムスン電子の事業運営に逆風だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、安全保障面を米国に頼っているにもかかわらず、経済面での中国重視姿勢を強め、北朝鮮との融和を重視してきた。 その状況下、主要先進国の企業は、安全保障にかかわる最先端の半導体製造装置や関連資材の対韓輸出に細心の注意を払わなければならない。昨年10月にサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長がASMLを訪問しEUV露光装置の確保を目指したのは、技術面に加えて、世界経済における韓国の立場が不安定化していることへの危機感の裏返しだった。 ASMLは技術面で優位性があり、さらなる成長が見込めるTSMCとの取引を重視しているように見える。中国への技術流出を恐れる米国がTSMCを重視していることも大きい。朴槿恵前大統領への贈賄罪などに問われた、経営トップの李副会長の収監も加わり、半導体メーカーとしてのサムスン電子とTSMCとの差は拡大するだろう』、「サムスン電子」にとっては、「文在寅」政権の「中国重視姿勢」「北朝鮮との融和を重視」が逆風になっているようだ。
・『中韓の素材企業が価格競争力で攻勢 日本に必要な「規制改革」の真価  TSMCもサムスン電子も、わが国企業が生産する微細な半導体部材や製造装置を必要としている。最先端の半導体生産を中心に米中対立の先鋭化が見込まれる展開は、わが国企業にとって 「最後のチャンス」と考えるべきだ。 重要なことは、かつての本邦半導体産業の競争力が、半導体部材や機械メーカーの比較優位性のベースになっていることだ。1980年代後半から90年頃まで、わが国の総合電機メーカーは世界の半導体市場で50%程度のシェアがあった。半導体メーカーの要求を満たすために各企業が素材や機械関連の技術を磨き、今日がある。 かつて世界の半導体市場で存在感を発揮した日立製作所は現在、選択と集中を進めて、社会インフラとソフトウエアの結合による成長を追求している。東芝は事業体制の立て直しのために、メモリ半導体事業を売却した。 ソニーのCMOSイメージセンサや三菱電機が生産するパワー半導体など、ニッチな半導体分野で競争力を発揮する企業はあるものの、日本企業が最先端のロジック、メモリの半導体分野で存在感を発揮することは困難だ。 他方で、中国や韓国では素材メーカーなどが価格競争力をつけている。このように考えると、世界各国の企業がTSMCの半導体生産ラインを争奪し、TSMCがわが国の微細かつ精緻なモノづくりの力を必要としている状況は、わが国企業が成長できる「最後のチャンス」だ。 米国は中国の台頭を抑えるために半導体産業への支援を強化し始めた。わが国企業がチャンスをつかむために、政策の重要性はかつてないほど高まっている。わが国政府は、最先端分野での研究開発の強化などを、より積極的に支援しなければならない。その意味において菅政権が掲げた「規制改革」の真価が問われている』、「わが国企業が成長できる「最後のチャンス」」を大いに活かしてもらいたいものだ。
タグ:東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 真壁昭夫 半導体産業 (その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由) 「半「バイデン導体サミット」の衝撃、日本は半導体の技術流出防止を強化せよ」 バイデン政権による“半導体サミット 「わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある」、「追い風」とは有り難い 「追い風」とは有り難いが、見逃さずに乗ってゆく必要がある。 「TSMC」が「軍用チップを製造している」のであれば、当然、米国内生産を求められるだろう。 「半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う」、「新興ファウンドリー」にも存在価値があるようだ。 「わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない」、同感である。 「ルネサス、「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需」 「火災事故」の影響はまだ現れてないのだろうか 「火災事故の影響をもろに受ける」「4~6月期も好業績」、なのは、「半導体の需給が世界的に逼迫」したためのようだ。 「海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」、とはどういうことなのだろう。 「INCJのエグジット」が順調に進んでほしいものだ。 「韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由」 半導体争奪戦は3年続く 「半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ」、「有力なビジネスチャンス」を活かしてもらいたいものだ。 「最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある」、「わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化」、「世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する」、ここまでくると、主客逆転だ。 「サムスン電子」にとっては、「文在寅」政権の「中国重視姿勢」「北朝鮮との融和を重視」が逆風になっているようだ。 「わが国企業が成長できる「最後のチャンス」」を大いに活かしてもらいたいものだ。
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外国人問題(その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出) [社会]

外国人問題については、1月7日に取上げた。今日は、(その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出)である。

先ずは、5月23日付け日刊ゲンダイが掲載した法務省入国管理局を経て「未来入管フォーラム」代表の木下洋一氏による「木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289492
・『終盤国会の対決法案に浮上した入管法改正案について、菅政権が今国会の成立を断念した。改正法案は、在留資格を失って国外退去処分(非正規滞在)となった外国人の速やかな帰国を促すことを目的とし、政府は入管施設に長期間収容される現状が解消されると説明。また、送還を免れるための難民認定申請の乱用を防ぐため、現行法の「難民認定の手続き中は送還しない」(送還停止効)とする規定に例外を設け、3回目以降の申請者は審査をせずに強制退去の対象とする規定も盛り込まれた。 これに対し野党側は、改正案は、難民認定申請をする権利を大幅に制限するとともに、迫害を受ける恐れのある国への追放・送還を禁じる国際法の原則にも反すると主張。法案修正の協議をめぐって与野党で激しく対立していた。 とりあえず今国会で改正法案は廃案となる見通しだが、現行法も含めて入管法はどこに問題があるのか。元入管職員で入管政策の改革を訴える「未来入管フォーラム」代表の木下洋一氏(56)に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは木下氏の回答)。 Q:政府が今国会での入管法改正案の成立を見送りました。 A:廃案になったとはいえ、結局は現行の入管法が残るわけです。確かに改正法案はいろいろな問題が指摘されていましたが、現行法もたくさんの問題を抱えています。それを今後、いかに良い中身の法律に変えていくのかが重要です。 Q:入管法は、戦前は内務省の管轄で、特高警察が実務を担い、外国人を治安維持のための取り締まり対象としていたと報じられています。この流れが現行の入管制度の“弊害”として残り、政府が外国人の非正規滞在を認めない根底にあるのではないかと言われています。 A:入管法は戦後のGHQ占領下で出来たポツダム政令から始まっています。それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです。 Q:日本の入管法は、国際社会からも是正が強く求められています。 A:改正法に対して、国連(の人権専門家ら)は共同書簡で「国際的な人権水準に達しておらず、再検討を強く求める」「(自由権規約などに反する)国際法違反である」とダメ出ししました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も人権保護の観点から重大な懸念を示すなど、国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います』、「入管法は・・・それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです」、「国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います」、法務省は国際的な批判には聞く耳を持たない内向きな官庁のようだ。
・『現行制度は入管がブラックボックスになっている  Q:入管は強制送還に従わない外国人を「送還忌避者」とよび、とにかく日本から早期に退去させるため権限を強化しようとしています。一方で、帰るに帰れない人の存在や人権に関する課題も指摘されています。 A:まず、誤解されていると感じるのは、オーバーステイ(超過滞在)など在留資格がない人たちは「犯罪者だから送還されて当然」という見方です。確かにオーバーステイは入管法違反ですし、非正規在留者は基本的には強制送還の対象者です。私もすべてのオーバーステイの人をすべからく日本に滞在させていいとは思いません。しかし、中には、いろいろな事情を抱えた人たちも含まれているわけです。例えば、オーバーステイの間に日本人と結婚して子供が生まれたり、本国に戻れば迫害を受けたりするケースで、こういった人たちには現行法でも、日本にとどまることが出来る「在留特別許可制度」や「難民認定制度」があります。しかし、その判断が不透明で、ブラックボックスになっていることが問題なのです。 Q:「在留特別許可」や「難民認定制度」の運用が不透明だと。 A:例えば、子どもの送還です。オーバーステイ同士の両親を持つ子ども、あるいは物心がつく前に両親と一緒に来日し、一家でオーバーステイになった――というケースは少なくありません。当たり前ですが、子どもは親を選べないし、ビザの申請をできるワケもない。何ら罪はないわけです。しかし、今の入管法では、そういった子どもたちも全く保護されておらず、大人と同じ扱い。入管の裁量判断で在留特別許可がおりなければ、あるいは難民不認定となれば強制送還の対象となります。しかし、入管職員に児童心理学や医学的な専門知識があるわけではない。教育や発達心理学といったことも素人なわけで、そういう素人集団が子どもの送還について適切に判断することが果たして可能でしょうか。 Q:どう改正すればいいと考えていますか。 A:正規在留者、非正規滞在者を問わず、入管行政は入管だけで全てを決めるというシステムであり、まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要だと思います。 Q:具体的にどうすればいいのでしょうか。 A:例えば、非正規滞在者に関して言えば、現行法には在留特別許可の基準がありません。今は、「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めた場合に限り、在留特別許可を出す」とあるだけで、どういう場合に許可を出すのかというのは法律に一切書かれていないのです。確かに入管のホームページには、在留特別許可にかかるガイドラインはありますが、そのガイドライン自体を入管が「基準ではない」として守らない。基準が法定化されていないことが、入管が不透明であり続ける大きな要因となっているのは明らかで、ガイドラインを法定化することも一策だと思います。 Q:入管はなぜ、基準を法定化しないのですか。 A:基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくないというのがあるのでしょう。よく、入管の裁量は政治的裁量と言われます。私はまったく同調できないのですが、政治的背景で入管の裁量が変化するのは当然という考え方です。しかし、裁量の変化はあくまでも政治的コントロールの下に置かれるべきで、行政に政治をさせないためにも、法定化された基準のもとで入管の裁量も行使されるべきです』、「まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要」、「基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくない」、これでは、「基準を明確化」、「第三者機関を積極的に関与」が必要だ。
・『ウィシュマさんのケースを徹底検証するのは当然のこと  Q:今は「第三者機関」の関与もまったくないのですか。 A:唯一あるのが、(2005年から導入された)難民審査参与員制度です。難民認定手続きは、難民申請を入管が審査し、不認定処分となった場合に審査請求をして二次審査する。そこで、難民審査参与員という(学者や弁護士など法律や国際情勢に詳しいとされる)有識者たちが難民かどうかを判断して、法務大臣に助言するという流れです。しかし、難民審査参与員といっても法務大臣の諮問機関という位置づけであり、事務局も入管が握っている。結局、お手盛りの判断になるわけで、法務省や入管が全く関与せず、干渉も受けない組織が不可欠です。 Q:入管の人権無視の実態が“凝縮”した例として、3月、名古屋出入国管理局で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(享年33)のケースがあります。入管施設に半年あまり収容され、収容中に体調が悪化したにもかかわらず、必要な医療を受けられなかった疑いが出ています。この件をどう見ていますか。 A:まず、彼女はオーバーステイだったため、現行法上、収容それ自体が違法だったというわけではありません。また、今回の死亡事件と法改正議論とは一応分けて考えるべきだとは思います。とはいえ、収容したからには入管が人命に責任を持つのは当然です。適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です。なぜなら、入管は調査対象だからです。 Q:入管側は、ウィシュマさんが映っているとされる監視カメラの映像について、「保安上の理由」「プライバシー」などを掲げて遺族にさえも開示していません。 A:どちらも開示を拒む正当な理由だとは到底思えません。不法滞在者だから亡くなっても構わないというわけではないはずで、遺族が真相を知りたいと願うのは当然のこと。プライバシーは法務省が決めることではないし、「保安上の理由」は、遺族などの限られた人にすら公開ができない正当な理由にはならないと思います。むしろ、頑なに開示を拒む態度を見ると、入管では何かヤバイことが行われているのではないかと疑われかねません。二度とこのような悲劇を起こさないためにも徹底的な検証が必要ですし、ひいてはそれが入管のためにもなると思います。(聞き手=遠山嘉之/日刊ゲンダイ)▽木下洋一(きのした・よういち) 公安調査庁を経て2001年に法務省入国管理局(現・出入国在留管理庁)職員。18年間、入国審査官として在留審査などを担当した。19年3月に退職し、入管政策の改革を目指す「入管問題救援センター」(現・未来入管フォーラム)を設立』、「適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です」、同感である。

次に、5月2日付けWedgeが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ」を紹介しよう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/23020
・『新型コロナウイルス感染症対策で、世界で最も成功している国の1つがベトナムだ。1億近い人口を抱えながら、累計感染者数は5月16日時点で4200人弱に過ぎない。オーストラリアのシンクタンク「ロウイー研究所」が98カ国・地域を対象に実施し、今年1月に発表したコロナ対策の有効性に関する調査でも、ニュージーランドに次いで第2位の評価を受けている。ちなみに日本は45位である。 しかし、最近になってベトナムでも次第に感染者が増えつつある。抑え込めていた市中感染も、4月27日以降に1100人以上が見つかっている。5月16日には過去最高の187人の市中感染者も確認された。こうした感染拡大の元凶として見られているのが、日本からの帰国者たちだ。 日本とベトナムの往来は、1月に日本で緊急事態宣言が発令されるまで一方通行状態にあった。日本発の定期便は運行が停止し、母国への帰国を希望するベトナム人を乗せたチャーター便がたまに飛ぶ程度だった。一方、ベトナム発の便は運行され、日本へ向かう出稼ぎ労働者で混雑していた。昨年11月から1月にかけ日本へ新規入国したベトナム人は、実習生や留学生を中心に5万人近くに上ったほどだ。 そんな状況が、緊急事態宣言以降に一変した。実習生らが入国できなくなったため、来日するベトナム人が激減したのだ。そして逆に、日本を離れるベトナム人が増えていく。チャーター便の本数が増えたからだ。 そうしてチャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった。この頃に飛んでいたチャーター便は週2〜3本なので、感染者の割合は決して少なくない。東京都内の会社を辞め、4月にベトナムへ帰国したフイさん(20代)が言う。 「日本を出る際には、簡単な抗原検査だけでチャーター便に乗れました。ベトナム人実習生や留学生には感染者が少なくない。だから抗原検査は陰性でも、ベトナムに到着後のPCR検査で感染が判明する人が続出しているのです」 抗原検査は短時間で結果が出るが、PCR検査と比べて精度が劣るとされる。 日本からの出国は簡単にできても、新型コロナに対するベトナムの水際対策は厳格だ。入国後は2週間、軍の施設もしくは指定のホテルで強制的に隔離される。その間、計3回のPCR検査を受け、陰性が証明されてやっと施設などから出られる。4月中旬に感染が判明した「39人」の日本からの帰国者も皆、入国直後もしくは隔離期間中だった。 そんな中、同月末になって、ベトナム当局に衝撃的は事例が判明した。日本からの帰国者の1人が、隔離を終えた後に発熱症状を訴えたのだ。そして検査で、コロナ感染が発覚した。 この帰国者と濃厚接触があったと見られる人から、少なくとも数人が感染したことがわかっている。その後、ベトナム各地で市中感染者が急速に増えていくのである。 ベトナムには、国境を接する中国などからの密入国が絶えない。以前は密入国者がコロナをベトナム国内に持ち込むケースもあったようだが、少なくとも現在、中国では感染は抑え込まれている。つまり、ベトナムにおける最近の感染拡大は「日本由来」の疑いがある。ホテルでの2週間の隔離を経て、現在はハノイの自宅に戻っているフイさんはこう話す。 「ベトナムでは、『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています。日本で東京や大阪といった人が『危ない』と見られているのと同じです」 ベトナム政府の動きは早かった。5月5日、入国者に義務づけていた2週間の隔離期間を3週間へ延長することを決めたのだ』、「チャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった」、「『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています」、みっとないことだ。
・『スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない  ベトナムでは3月からワクチンの接種が始まっているが、1回目の接種を終えた人は5月15時点で100万人に満たず、日本の5分の1程度に過ぎない。にもかかわらず、感染者数を抑制できているのは、厳格な水際対策のおかげである。 日本も以前から入国者に対し、2週間の“待機期間”を設けてはいる。だが、ベトナムのように指定施設で隔離されるわけでもなく、本人の「自主性」任せた“待機”要請に過ぎない。 今年1月に首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令される以前は、ベトナム人などの実習生や留学生はPCR検査すら受けず入国できていた。ベトナム出発前も、そして入国後も検査が全く課せられないのだ。11月、東京都内の日本語学校に留学するため来日したベトナム人女性は、筆者にこう話していた。 「アパートまで、やろうと思えば電車やバスで移動できました。2週間の待機中は、スマホに入ったアプリを通じ、私の居場所がチェックされることにはなってはいた。でも、スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない。私も買い物などで、普通に出かけていました。ベトナム(の水際対策)とはあまりに違うので、心配になったほどです」 事実、最近になって「1日最大300人」が自宅などでの待機要請に従っていなかったことが判明している。こうした甘い対応が、昨年末から年明けにかけての感染拡大をもたらした可能性が高い。 政府が昨年6月から一部外国人に実施してきた入国制限緩和措置こそ、1月の緊急事態宣言によって停止された。だが、外国人の入国が完全に止まったわけではない。日本政府観光局(JNTO)が発表している「訪日外客数」によれば、今年3月には推計値で1万2300人の外国人が来日している。その中には、2月下旬から変異株の感染が急速に拡大していたインドからの700人も含まれている。 政府がインドを「新型コロナウイルス変異株の流行国・地域」に指定したのは、4月28日になってからのことだ。しかし指定を受けても、入国当初の3日間を指定の宿泊施設で過ごす必要があるだけだ。入国後の3日目にPCR検査を受け、陰性ならば解放され、自宅などで2週間“待機”すればよい。 ベトナムの場合、「2週間」の隔離でも危ないと判断し、強制的な隔離期間を3週間に延長した。それと比較し、3日間の隔離はかなり甘い。スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない ベトナムでは3月からワクチンの接種が始まっているが、1回目の接種を終えた人は5月15時点で100万人に満たず、日本の5分の1程度に過ぎない。にもかかわらず、感染者数を抑制できているのは、厳格な水際対策のおかげである。 日本も以前から入国者に対し、2週間の“待機期間”を設けてはいる。だが、ベトナムのように指定施設で隔離されるわけでもなく、本人の「自主性」任せた“待機”要請に過ぎない。 今年1月に首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令される以前は、ベトナム人などの実習生や留学生はPCR検査すら受けず入国できていた。ベトナム出発前も、そして入国後も検査が全く課せられないのだ。11月、東京都内の日本語学校に留学するため来日したベトナム人女性は、筆者にこう話していた。 「アパートまで、やろうと思えば電車やバスで移動できました。2週間の待機中は、スマホに入ったアプリを通じ、私の居場所がチェックされることにはなってはいた。でも、スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない。私も買い物などで、普通に出かけていました。ベトナム(の水際対策)とはあまりに違うので、心配になったほどです」 事実、最近になって「1日最大300人」が自宅などでの待機要請に従っていなかったことが判明している。こうした甘い対応が、昨年末から年明けにかけての感染拡大をもたらした可能性が高い。 政府が昨年6月から一部外国人に実施してきた入国制限緩和措置こそ、1月の緊急事態宣言によって停止された。だが、外国人の入国が完全に止まったわけではない。日本政府観光局(JNTO)が発表している「訪日外客数」によれば、今年3月には推計値で1万2300人の外国人が来日している。その中には、2月下旬から変異株の感染が急速に拡大していたインドからの700人も含まれている。 政府がインドを「新型コロナウイルス変異株の流行国・地域」に指定したのは、4月28日になってからのことだ。しかし指定を受けても、入国当初の3日間を指定の宿泊施設で過ごす必要があるだけだ。入国後の3日目にPCR検査を受け、陰性ならば解放され、自宅などで2週間“待機”すればよい。 ベトナムの場合、「2週間」の隔離でも危ないと判断し、強制的な隔離期間を3週間に延長した。それと比較し、3日間の隔離はかなり甘い)』、「日本」がこんなにも「甘い」とは腹が立つ。
・『国際基準に沿う水際対策は必要  米国は5月1日、欧州諸国や中国、ブラジル、南アフリカなどを対象に実施している入国制限措置にインドも加える決定をバイデン大統領が下した。自国民もしくは米国の市民権を持つ者を除き、入国を実質禁止したのである。台湾も5月4日、過去14日間以内にインドに滞在歴のある外国人の入国を停止している。 政府の対応に批判が相次いだのも当然だろう。すると政府は5月10日、インドなど変異株流行国からの入国者に対し、宿泊施設での待機期間を3日から6日間に延長した。しかし、それでも批判は止まない。そのため14日になって急きょ、インド、パキスタン、ネパールの3カ国に過去14日以内に滞在した外国人は、在留資格があっても入国を拒否することになった。 だが、感染力の高さが指摘されるインド型の変異株は、すでに日本でも市中感染が広まっている可能性が高い。5月初旬に東京医科歯科大学付属病院に入院した40代男性から、外国への渡航歴がないにも関わらずインド株が確認されてもいるのだ。 年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ。 筆者は何も、外国人の入国を完全に止めろと言いたいわけではない。しかし入国を認めるのではあれば、少なくとも国際基準に沿う水際対策は必要だ。ベトナムという「成功モデル」と比較しても、日本の水際対策は実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている。いくら緊急自体宣言で国内の「人流」を制限しようと、肝心の水際がこうでは感染拡大が止まるはずもない。 コロナ感染が抑え込めなければ、そのぶん経済への悪影響は長引く。そのことは、最大の外国人労働者供給源となっているベトナムとの関係においても言える。緊急事態宣言下では、日本が欲する出稼ぎ労働者も受け入れらない。とりわけ農業や建設業などでは打撃は深刻だ。 そして影響は、新規の入国が止まるだけに留まらない。コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ』、「年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ」、「水際対策」がやり易い筈の「日本」で、「実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている」、「コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ」、などは情けない限りだ。

第三に、この続きとして、5月23日付けWedgeが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出」を紹介しよう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/23021
・『日本に住むベトナム人の数は2020年に4万人近く増加し、昨年末時点で44万8053人を数えるまでになった。その数は韓国人を抜き、外国籍として77万8112人の中国人に次いで多い。新型コロナウイルスの感染拡大で在日外国人が減少した昨年、国籍別の上位10カ国で唯一増加したのもベトナム人である。 過去10年間では、在日ベトナム人は10倍以上に増えている。出稼ぎのため、実習生や留学生として来日するベトナム人が急増したからだ。しかし、長く続いた日本への“出稼ぎブーム”にも、最近になって変化の兆しが見える。コロナ禍によって実習生らの新規入国が止まっている一方で、日本から去っていくベトナム人が相次いでいるのだ。 在日ベトナム人のうち、半数近い20万8879人は技能実習生だ。実習生は人手不足の中小企業や農家にとって欠かせない労働力だが、ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない。関東地方の監理団体で、主に建設業界へ実習生を派遣する仕事をしているベトナム人のジャンさん(20代)が言う』、「ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない」、「実習生」の最大の出し手で異変が起きているようだ。
・『帰国便が増えたら、待機中の実習生が殺到する  「うちの団体では、3年間の就労を終え、ベトナムへの帰国を待機している実習生が50人以上いるんです。彼らには今、帰国の手段がない。ベトナムへの定期便は飛んでおらず、時々運行していたチャーター便も(東京などで)4月末に緊急事態宣言が出てからは欠航が増えている。帰国便が増えたら、待機中の実習生が殺到すると思いますよ」 実習生たちは、希望すれば最長5年にわたり日本で働ける。3年働いた実習生であればもう2年、「特定技能」という在留資格に切り替えれば5年の就労が可能だ。 とりわけ特定技能の場合、実習生より待遇が改善する。実習生は最低賃金で雇用されるが、特定技能になると、同じ職場で働く「日本人と同等以上」の賃金が得られる。しかも実習生として3年間の就労経験があれば、資格は試験なしで取得できる。ジャンさんが続ける。 「確かに、特定技能になれば給料は大きく上がる。建設業界は特に賃金が高いので、残業代を含めて月30万円くらい稼ぐようなベトナム人もいます」 「30万円」といえば、ベトナムの労働者の月収の10倍にも相当する。にもかかわらず、なぜ彼らは帰国を希望するのか。 「実習生は斡旋業者に支払う手数料で、100万円近い借金を背負って来日します。だけど日本で3年働けば、借金は返済でき、ある程度の貯金もできている。だから『もう日本は十分』と考えるのです。 実習生の暮らしは仕事に追われ、楽しみが少ない。20代や30代の若者にとってはつらい生活です。とりわけ建設関係は仕事が厳しいですからね」 筆者は3年前、ベトナムの首都ハノイで、日本へ実習生を送り出している業者を取材したことがある。その際、業者の日本語クラスで来日前の研修を受けているベトナム人たちに「日本で何年間働きたいか」という質問を投げかけてみた。結果は「3年」もしくは「5年」が大半で、「10年以上」と答えたベトナム人は約20人のクラスで1人だけだった。実習生たちは短期の出稼ぎ感覚で日本へ渡っていくのである。 しかも日本での仕事は、彼らが想像していた以上に大変だ。新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている。ジャンさんは言う。 「コロナはベトナム人が日本を離れるきっかけかもしれませんが、根本的な理由は他にあります。実習生に限らず、お金に余裕のある人ほどベトナムに帰りたがっている。僕自身もコロナが落ち着いたら、ベトナムへ戻ろうと考えています」 東京都内のIT系ベンチャー企業で働いていたグエン君(20代)は、今年4月に会社を辞めてベトナムに帰国した。2週間に及ぶ帰国後の隔離費用を含め、28万円ものチャーター便チケットを購入してのことだ。出発前、グエン君はこう話していた。 「チケット代は高いし、隔離期間中はホテルから出られません。でも、できるだけ早くベトナムへ帰りたい」 グエン君は2017年、日本語学校の留学生として来日した。日本語学校に留学するベトナム人には、勉強よりも出稼ぎを目的に、多額の借金を背負い来日する者が多い。留学生に「週28時間以内」でアルバイトが認められることに着目し、留学を出稼ぎに利用するのである。だが、グエン君に限っては違った。ベトナムの一流理系大学を卒業後、「外国に留学してみたい」と考え、日本へやってきた。 ベトナムで最も成績優秀な学生たちは、米国や欧州諸国へ留学する、欧米企業などの奨学金を得てのことだ。政府幹部の子弟であれば、国費で海外へ出ていくこともよくある。グエン君には、奨学金が得られるほどの学力や家族のコネはなかった。それでも、日本にいるベトナム人留学生としてはかなり優秀な部類に入る。留学費用も、首都ハノイでイベント会社を営むち父親が出してくれた。借金もせず、親が費用を負担してくれるケースは、ベトナム人留学生には多くない』、「新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている:、なるほど。
・『「日本の生活は楽しくなかった」 給料が減っても、ベトナムで楽しく暮らした方がいい  留学生は通常、日本語学校1年半から2年にわたって在籍する。しかし、グエン君は1年足らずで学校を辞めて就職した。日本語学校を卒業していなくても、また日本の大学や専門学校を出ていなくても、母国の「大卒」という学歴のある外国人は就職が認められる。 だが、就職先となった会社では、初歩的な仕事しか任せられなかった。1年、2年と時が経っても、スキルは身につかない。しかも、グエン君は日本語が上達しておらず、社内に友人もできかった。 新型コロナの感染が拡大した昨年春以降は、在宅でのリモートワークとなった。1日中、アパートにこもる生活で、彼は孤独感を募らせていく。そしてベトナムへの帰国を決めたのである。 「残業すれば、手取りで月20万円以上の収入がありました。ベトナムでは得られない金額です。でも、日本の生活は楽しくなかった。給料が減っても、ベトナムで楽しく暮らした方がいいです」 ハノイやホーチミンといったベトナムの都会では、経済発展に伴い賃金も上昇している。IT系の仕事であれば、月10万円以上を稼ぐことも難しくないだろう。 ベトナムのIT人材には、欧米企業からのリクルートも増えている。グエン君にも、英国のIT企業で働く従兄弟がいる。 「従兄弟はベトナムの大手企業で5年間、エンジニアとして働いた後、3年前に英国の会社にヘッドハントされたのです。年収は日本円で800万円くらいだと聞いています」 英国のような英語圏に限らず、欧州では英語ができれば働ける。ベトナムの有名大学卒のIT人材であれば、ある程度の英語は話せる。一方、日本で働くためには「日本語」というハードルがある。語学を習得したところで収入は欧米より低く、しかもやりがいある仕事も任せられないのであれば、日本が敬遠されて当然だ。 日本に住んで8年で、在日ベトナム人事情にも詳しい前出・ジャンさんはこう話す。 「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています。だから余計、優秀な人ほど日本では働こうとは思わない。最近では、ベトナム人の犯罪が大きく報じられ、私たちも肩身に狭い思いをしています。そこにコロナの感染が広がり、日本からベトナム人が離れ始めている」 やがてコロナ禍が収束すれば、ベトナムからは再び実習生らが日本へ押し寄せ始めるだろう。学歴もなく、母国では仕事が見つからない貧しい人たちが、仕事を求めてやって来るわけだ。その一方で、能力があり、裕福なベトナム人は、欧米諸国に向かうか、自国に留まる道を選ぶ。 ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている。そのとき日本は、どこの国から労働者を受け入れるのだろうか』、「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています」、「ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている」、「ベトナム」から来なくなったら、次は平和を取り戻したミャンマーあたりになるのだろうか。
タグ:日刊ゲンダイ 外国人問題 WEDGE 出井康博 (その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出) 「木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」」 入管法は・・・それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです」 「国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います」、法務省は国際的な批判には聞く耳を持たない内向きな官庁のようだ。 「まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要」 「基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくない」、これでは、「基準を明確化」、「第三者機関を積極的に関与」が必要だ。 「適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です」、同感である 「ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ」 「チャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった」、「『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています」、みっとないことだ。 「日本」がこんなにも「甘い」とは腹が立つ。 「年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ」、「水際対策」がやり易い筈の「日本」で、「実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている」、「コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ」、などは情けない限りだ。 「コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出」 「ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない」、「実習生」の最大の出し手で異変が起きているようだ 「新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている:、なるほど。 「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています」、「ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている」、「ベトナム」から来なくなったら、次は平和を取り戻したミャンマーあたりになるのだろうか。
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携帯・スマホ(その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も) [産業動向]

携帯・スマホについては、3月5日に取上げた。今日は、(その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も)である。

先ずは、5月5日付けPRESIDENT Onlineが掲載した哲学者のマルクス・ガブリエル氏による「「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/45599
・『世界中から注目を集める哲学者マルクス・ガブリエルは、「日本はもっともデジタルインフラに批判が少ない国で、完全にスマホに支配されている。コミュニケーションの仕方も特異だ」と指摘する。若き天才の目に映る日本人の特徴とは――。 ※本稿は、マルクス・ガブリエル著、大野和基インタビュー・編、髙田亜樹訳『つながり過ぎた世界の先に』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです(本稿の一部の翻訳は、大井美紗子氏が担当)』、「マルクス・ガブリエル」氏はNHK番組にもよく出てくるドイツの哲学者で、興味深そうだ。
・『「日本人は共同体を重んじる」はウソ  日本人は先進国の中で最も社会的に孤立しているというデータがあるそうですね(ミシガン大学による「世界価値観調査」)。社会的に孤立するとは、家族、友人、同僚以外の人と会う機会が少ないということです。 日本人を含むアジア人は共同体を、ヨーロッパ人は個を尊重するという悪しきステレオタイプがありますが、この調査結果は、このステレオタイプを否定する社会学的証拠になり得ます。 データによるとドイツは全体で下位から5位、ヨーロッパ全体だと同じく4位のようですね。実際、ドイツ人は(日本人よりも)群れで行動する傾向があると思うのです。ドイツ社会では、人と一緒にお酒を飲んだり、散歩をしたりすることが非常に重要な役割を果たしています。これをドイツ語では散歩を意味するSpaziergangと呼びます。このような文化はドイツ全土に見られます。 また、ドイツ人のソーシャメディアに対する態度は、日本人とはまったく異なります。ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及していると認識しています。 その原因の一つは、東京の住環境と人口の多さでしょう。ある基準によれば、東京は狭い面積に人がひしめく世界一の大都市であるわけです。このような状況が人を孤立化させています』、確かに「ドイツ人」はビアホールなどで大勢で飲むのが好きなようだ。「ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及している」、なるほど。
・『日本はスマホに支配されたサイバー独裁国家  日本はおそらく最もデジタルなインフラに対する批判が少ない国だと思います。中国でもデジタル化が進んでいますが、監視国家が国民にデジタル化を強制しているのであって、国民が自ら望んでいるわけではありません。ところが日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていたのです。 2012年か2013年に、私が初めて日本を訪れたときに最初に感じたことがこれです。「なんということだ、この国は完全なサイバー独裁だ!」と思ったのです。すべての人が完全にスマートフォンに支配され、行動を統制されている。たとえ偶然であっても、他人の体に一切触れてはならないというルールがあるように感じられました』、「日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていた」、「サイバー独裁の最先端」とは大げさとも思うが、「ガブリエル」氏の率直な印象のようだ。
・『冷静に議論ができない日本人  日本人のコミュニケーションの特異な点を、もう一つ挙げましょう。 日本人は互いに意見が対立したとき、他の地域とはずいぶん異なるやり方でマネジメントします。対立の合理的な解消のプロセスや本物のディベートを導入する余地は、もっとあるはずです。日本人の一般的な生活の中に、そういったものを増やすべきだと思うのです。対立を避けようとするのではなく、むしろ対立を増やす、対立にさらされる機会を増やすべきです。そして、しっかりディベートを行うのです。 ユルゲン・ハーバーマスの社会論に、大変いいアイディアがあります。冷静にディベートをしたかったら、ディベートの時間・空間をきちんと設定するべきだというのです。スペースがあれば、対立が起きても完全に個人的な対立にはなりません。物騒な衝突に発展するかもしれないような重要な問題も、冷静に語り合う力強いディベートが必要です。 それには、クラブやメディア、会議、イベントなど、何らかのプラットフォームが必要になります。正反対の意見を持つ二人の人間が同じスペース内で怒声を浴びせ合うのではなく、相反する提案を掲げる二人が、どちらが正しいのかを決めるための対話に入る、そういう理由でディベートは行われるべきです。哲学のディベートは、まさにそのようにして行われます』、確かに、「日本人」は「冷静に議論ができない」、「対立」を極力避け、「ディベート」はやり方すら知らない。
・『「お前のいうことは間違い」という理不尽  私は今、現代の最も興味深く最も素晴らしい論理学者の一人である、グレアム・プリースト(ニューヨーク市立大学特別教授)と共著を作っており、プリーストはドイツに一カ月滞在していました。もしわれわれ二人が、「相手が論理のレベルで何か間違いを犯した」と互いに思ったら、我々の間には対立が生まれます。私は反論するでしょうし、彼も反論してくるでしょう。プリーストが「お前は間違っている」と言い、私は「お前こそ間違っている」と言い返す。 でもわれわれは科学者、哲学者です。そうやって怒鳴り合う代わりに、二人で椅子に腰かけてこうやって話すことができるでしょう。 「さて、君は何と言った? なぜそう思ったんだい? その意見を裏付けるものは? 君が間違いを犯したと僕が思うのは、こういう理由からだよ。裏付けはこうだ」。それから賛否をリスト化して、最後にそれを二人で眺め、合理的な根拠を検討するのです。そのようにして導き出される結論は、お互いの妥協点のどこかに落ち着くでしょう。 彼の信じることには私の見解より優れたところがあるでしょうし、私の信じることにも彼の見解より優れたところがあるだろうからです。それを統合したら、よりよい信念のシステムが生まれます。これが哲学的なディベートの仕組みです。 もし議論がただの反論になってしまったら──例えば「あなたみたいな人たちは、いつも同じことを言う」──こんな言葉は、ディベートの場で出すべきではありません。「あなたみたいな人たち」という時点で、お話にならない。こうしたやり取りは、すべてロジカルな議論の基本法則に基づいて行われなければなりません。 人格攻撃論法は許されるべきではない。人格攻撃というのは、「お前が言うことは間違いだ。なぜならお前が言うからだ」という考え方ですが、それが正しいことは決してありません。ただの誤謬です』、「日本」でも「ディベート」を中学生あたりから本格的に教えてゆくべきだろう。ただ、教える人への訓練も必要になるので、数十年がかりの息の長い取り組みになるだろう。

次に、5月21日付けJBPress「「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65322
・『スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏は「人間の進化の見地」から、スマホによる人間の脳や心身への影響を分析してきた。前作『一流の頭脳』(2016年)はスウェーデンで60万部のベストセラーとなり、世界20カ国以上で翻訳されている。 私たちは1日に平均して2600回以上スマホを触り、10分に1回スマホを手に取っている。3人に1人は(18歳から24歳では半数が)夜中にも少なくとも1回はスマホをチェックする。今やあまりにも当たり前に私たちの生活に入り込んでいるスマホやSNS。しかし、スマホが絶え間なく私たちの気を散らし続けることによって、脳は蝕まれ、睡眠障害やうつ、集中力の低下を引き起こすリスクがある。 スマホが持つ中毒性や依存性、わが子にデジタル・デバイスを与えないIT企業幹部たち、削がれ続ける集中力の保ち方、SNSで低くなる若い女性の自己肯定感、スマホに翻弄されない手段について──。『スマホ脳』(新潮新書)の著者であるハンセン氏に話を聞いた。(Qは聞き手の質問。長野光 シード・プランニング研究員) Q:メッセージのやり取りやSNS、エンターテインメントやゲームなど、たくさんの刺激をもたらすスマホがドーパミンを放出させ、その結果、人間はスマホがないと麻薬が切れたように禁断症状を感じることがある、と本書で述べられています。人間はどれほど強くスマホに依存しているのでしょうか。 アンデシュ・ハンセン氏(以下、ハンセン):人間の脳は、考えたり、心地よいと感じたりするためにあるのではなく「生存のため」にあります。狩猟・採集をしていた時代と現代社会とでは、人間のライフスタイルは大きく違います。しかし、生物学的には人間の脳は変わっていません。私たちの脳は、デジタル社会に適応するようにできていないんです。 私自身もスマホのない生活はできないし、その利便性はよく理解しています。デジタル社会のすべてを否定するつもりはありません。しかし、スマホが一般的になってからのこの10年間、人類の行動やコミュニケーション、お互いを比べ合う手段は非常に大きく変化しています。それは私たちの脳にとって未知の世界です。長期的な影響についてはまだ何も分かっていません。 私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します』、「私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します」、脳内快楽物質の「ドーパミン」まで出てくるのであれば、ヤセ我慢しても無駄だろう。
・『スマホ依存とギャンブルの類似性  「ある音が聞こえたらジュースがもらえる」というマウスの実験があります。マウスのドーパミンレベルは、実はジュースをもらって飲んでいる時ではなく、音を聞いた時に上昇します。さらに、音が聞こえてもジュースが「時々しかもらえない」方が、ドーパミンの量が増えました。 脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます。しかし、この「もしかしたら?かもしれない」という不確かな結果への偏愛は、デジタル社会ではネガティブな影響をもたらします。 例えばSNSに写真を投稿したら、友だちが「いいね」を押してくれているか、何か更新がないか、スマホを手に取って確かめたいという衝動をよりかき立てます。「いいね」が増えたかもしれないから見てみようと思うのは「ポーカーをもう1ゲームだけ、次こそ勝てるはず」というのと同じメカニズムなんです。 スウェーデンだけではなく全世界で、精神的な不調を訴える人は増えています。とりわけ若者に顕著です。WHO(世界保健機関)は、生まれてから最初の数年で脳が大きく発達するので、5歳以下の子供はデジタル・デバイスの使用に注意すべきだと警告しています。 スウェーデンでは、この20年で睡眠障害の若者が11倍に増加しました。ある調査によると若者の約3分の1が、スマホをベッドの中に入れて寝ています。(サイドテーブルに置くのではなく!)生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります。 人間の精神や脳がどう機能しているか。スマホが人間の脳にどう影響するのか。心理的にいかにスマホに取り込まれていくか。デジタルテクノロジーの素晴らしさとともに、その強い副作用についてももっと議論し、理解すべきです。そして、人間の生物性や精神性に適した、依存性の低い技術があればそれを選択していくべきです。 Q:IT企業のトップやスマホやアプリなどの開発者は、人間が快感や刺激に弱いとよく認識していて、スマホに依存するような仕組みを作っている。その一方で、自分たちが生み出したテクノロジーに恐怖を感じ、罪悪感を持っていると本書に書かれています』、「脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます」、初めて知った。「生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります」、その通りだ。
・『自分の子供にiPadの使用を制限したジョブズ  ハンセン:IT企業の開発者は、私たちの関心や注目をいかに引きつけるか、心理学や脳科学を応用して、私たちの脆弱な精神に訴える様々な仕組みを生み出しています。 衝撃的なのは、これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません。 アップルの創業者スティーブ・ジョブズは世の中にiPadの素晴らしさを説きましたが、自分の子供にはiPadに触る時間を厳しく制限し、しかもそのことを黙っていました。マイクロソフト社のビル・ゲイツも、自分の子どもが14歳になるまでスマホを持たせませんでした。アップル社のCEOティム・クックは、「もしあなたが人の目よりスマホを見ている時間が長いなら、それは間違ったことだ」と発言しました。つまりアップル社の製品を使い過ぎるな、と言っているんです。 「いいね」ボタンを開発したジャスティン・ローゼンスタインは、ヘロインに匹敵する依存性があるとして自分のスマホに使用を制限するアプリをインストールしたと明かしています。そして、後悔したようにこう言っています。「製品を作る時には最善を尽くしたが、その思ってもみなかったような悪影響に気づいたのは後になってからだ」と。 テクノロジーに精通している人ほど、そのネガティブな影響を知っています。なんという偽善でしょうか。シリコンバレーのエリートたちは毎学期2万ドル、3万ドルもの学費をかけて、スマホを遠ざけてくれる学校に自分の子どもたちを通わせているのですから。 Q:学校ではタブレット端末の導入など教育のデジタル化が進められています。しかし、学習効果を見ると、手書きの方が記憶しやすく、スマホやタブレット端末はインターネットと繋がっているので勉強に集中しきれないという調査結果を本書で紹介されています』、「これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません」、実にズルイやり方で、許せない。
・『学びの質はデジタルより紙の方が上  ハンセン:同じ文章を紙(本)で読むのと、パソコンやスマホのスクリーン上で読むのでは、紙の方が多くを学ぶことができ、学びの質も高くなります。書かれている内容がシンプルなことであればそれほど違いはないのですが、内容が複雑になるほど紙の方が深く理解できます。 就学前の子供を対象にした調査で、「手で紙に書く」という運動能力が文字を読む能力と深く関わっていると示されています。小さい頃から長時間スマホやタブレット端末を使用している子供は、のちのち算数や理論科目を学ぶために必要な運動技能を習得できていないという警告もあります。 成績が上位の生徒は、学ぶツールにそれほど大きな影響を受けません。しかし勉強で苦労している子たちは、紙とデジタル・デバイスでその学習効果には大きな差がありました。タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています。 Q:人間は複数のことを同時にはできない、マルチタスクは集中力や思考力を奪う。しかしスマホは「ながら」になりやすい。スマホは人間の思考する能力を奪っているのでしょうか。 ハンセン:人間は二つのことを同時に行うことはできません。できていると思っていたとしても、それは一つの行動からもう一つの行動へ移っているだけです。短時間に行ったり来たりするプロセスを繰り返して、前にしていたことに意識を奪われているので、効果的に脳を使っているわけではありません。マルチタスクをこなすことに自信がある、という人もいますが、実際「マルチタスクが得意と答えた人」のほとんどは、集中がかなり苦手だという調査結果があります。 現代社会において価値があるのは「集中力」です。勉強をしながらSNSをチェックしたり、スマホをスクロールしながら仕事をしたりしていては、学ぶために余計な時間がかかり、脳にとっても非効率です。深い思考に辿り着かないし、学ぶ喜びもないし、生きる助けにもなっていません。 邪魔が入ると気が散るのは、人間が生きるための習性です。かつて人間は、現在のように癌や心臓病で亡くなるのではなく、動物に襲われ、感染症にかかり、飢餓や事故、争いによって死にました。寿命も短かった。そういう世界では常に周囲に注意を払う必要がありました。集中力は重要ですが、切れやすいものなのです。私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています。 Q:スマホをたくさん使うほど、なぜ人はうつになるのでしょうか』、「タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています」、「私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています」、なるほど。
・『スマホの負の影響に飲み込まれない方法  ハンセン:睡眠や運動、人と会うことはもっとも重要なことです。だから、寝なくなり、運動しなくなり、実際に人と対面する機会も減ると、不安やうつになりやすくなります。大事なことは「スマホで何をするのか」ではなく、「スマホを使うことによって何をしなくなるのか」なのです。 SNS上で自分と他人を比較することが大きなストレスになります。これはとくに思春期の女性に強い影響があります(男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない)。 SNSには他人と自分を比べる構造的な性質があるので、全世界的にメンタルヘルスを脅かす問題があります。自分がヒエラルキーのどこに位置しているのかという認識は、私たちの精神の健康に大きく関係します。ヒエラルキーの中で下降していると感じると、みんなより自分がだめだと思って不安感やうつ症状が増します。 人間は150人くらいのコミュニティの中の、さらに20~30人との比較の中で生きてきました。しかし、SNSによってヒエラルキーの形成や認識をする対象の人数が激増し、他人の体型や成功、お金、持ち物すべてがあなたを脅かすようになりました。 本当は、それは人生そのものではなく、見かけの一面に過ぎないのですが、それは10代や20代の若い人にはわからないかもしれない。みんなが自分より賢く、美しく、成功しているように感じてしまう。1日に4~6時間もスマホに触れることによって、若者の不安とうつのリスクはより高まっています。 Q:スマホの負の影響についてよく分かりました。しかし、友人や家族とのやり取り、ニュース、情報検索、ネットショッピング、娯楽すべてがスマホの中にあり、なかなか遠ざけることができません。 ハンセン:私自身もスマホなしでは生活できませんが、よく眠り、集中力を高めて、元気に過ごしたい人は、例えば次のようなことをやってみてください。 +自分のスマホの利用時間を把握する +集中したい時は別の部屋に置く +人と会っている時はスマホを遠ざけて目の前の相手に集中する +学習能力が低下するので教室では使わない +寝る時には電源を切る +SNSでは積極的に交流したい人だけフォローする』、「男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない」、とは面白い。その通りなのだろう。
・『「スマホ脳」から脱却するメタ認知のススメ  Q:精神科医として、患者が自分の感情を理解して言語化し、苦しみを言葉にできれば対策が立てられ、治療に繋がると本書で述べられています。スマホやSNSによるストレスを言葉にできれば、スマホに翻弄されないということでしょうか。 ハンセン:不安やうつの症状は、必ずしも病気というわけではなく、人間として正常な反応です。人間が生存し、繁殖するためには、周囲に注意を払い警戒し、事故など悪い出来事が起こるかもしれないと恐れることは非常に重要なことです。時には頭からブランケットを被って隠れることも、生き抜くためには必要です。 メンタルヘルスの治療のゴールは、患者に自分の精神を舞台に上げて、自分で客席から見てもらうことです。自分の感情を一歩下がって客観視し、自分の思考を観察するのです。言葉にしてストレスの理由を見極めて距離をとること、これを「メタ認知」と言います。これは非常に意味のあることなので、ぜひやってみてください。この「メタ認知」を今のデジタル社会に援用すると、一歩下がって「だから私は今スマホを手に取るのだ」と理解することができる。無意識にスマホを弄ってしまうのではなく、自分のドーパミンシステムがスマホに乗っ取られていると自覚することができます(構成:添田愛沙)』、「メタ認知」は一般人でも出来るのだろうか、何か「訓練」が必要となるのではないか。

第三に、5月6日付け東洋経済オンライン「京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可、石鹸で洗える耐久性を追求」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426156
・『マホ時代を迎え、苦しい戦いを強いられてきた日本企業の携帯端末事業が息を吹き返しつつある。京セラとソニーの2021年3月期の携帯端末事業はコロナ禍にあっても採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした。 両社は不採算市場からの撤退や生産体制の見直しで、少ない販売台数でも利益を出せる体制を作ることに成功。多額の設備投資で大量に販売するアップルのiPhoneなどと正面衝突せず、特定用途に特化することでコアなファンをつかむ路線を着実に歩んでいる』、「京セラとソニー」の「携帯端末事業」が、「採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした」とは結構なことだ。
・『スペック以外で差異を追求  電子部品大手の京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている。 2014年に「TORQUE(トルク)」ブランドで販売を開始し、2021年3月には5代目となる機種を投入。京セラのスマホとして初めて5G対応を果たした。対応する半導体が高価なため、投入を見送ってきたが、「世の中に5Gがあって当然という流れが広がってきた」(通信機器事業担当の厳島圭司常務)として対応に踏み切った。 スマホメーカーは軽量や高精細カメラといった性能で勝負するか、中国メーカーのように安さを売りにするかで競争を繰り広げている。だが、トルクは他社のスマホと比べて安価なわけではなく、搭載する半導体なども特別に高性能なわけではない。 代わりにファンにアピールしているのは、スペック表に現れないところでの差異化だ。トルクの事業開発を担当する辻岡正典氏は「他社スマホとのスペック上の比較は商品企画の上でほとんど重視していない」と話す。 例えばバッテリー。他社スマホより充電容量の大きなバッテリーを搭載し、交換しやすい作りにしている。トルクはアウトドア環境で利用されることが多く、ユーザーから「気軽に充電する場所がない」という悩みが寄せられていた。 5代目トルクは、ハンドソープで洗ったり、アルコール除菌シートでふいたりしても壊れないようにした。ハンドソープでトルクを洗うユーザーいるという報告があったためだ。耐久性も、アメリカ国防総省が採用する基準をクリアするほど頑丈で、辻岡氏とともにトルク事業を統括する京セラの湯浅紀生氏は、「これほどまでに厳しい要件を課すスマホはほかにない」と言い切る。) トルクブランドのこれまでの累計販売台数は約140万台と、日本国内だけで年間に1500万台以上売るiPhoneと比べれば、極めて小粒な存在だ。ただ、コアなファン層をがっちりつかむために、ユーザーイベントなどに開発者が直接赴き、ユーザーの意見の取り込みに力を入れている。 京セラが重視しているのがファンコミュニティーの強化だ。2016年には初めてのファンイベントを開催したとき、当初見込みの20倍にもなる1000人の応募があった。「われわれの商品に、コアなファンがついてくれていると痛感した出来事だった」。湯浅氏はそう振り返る。 それ以降は定期的なイベントの開催やオウンドメディアの開設に取り組んだ。法人向けビジネスが主流の京セラは、こうした消費者向けの取り組みに慣れておらず、試行錯誤の連続だったという』、「京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている」、面白い戦略だ。
・『今後は5G技術の活用も視野に  湯浅氏は「ユーザーからの声を聞くと、この製品は本当に愛されていると感じる。実際多くのユーザーはトルクシリーズをずっと使っていて『これ以外のスマホは持てない』と言ってくれる」と話す。 京セラに寄せられるユーザーからのエピソードも独特で、「海の中に落としたけれども呼び出しができて、画面が光ったので救出できた」「バイクで転倒して自分はケガをしたけれど、トルクは無事だった」といった声があがる。 ユーザーからの声重視は他社製品との差異化にもつながっている。バッテリーを取り外せるようにすることはスマホメーカーにとって本来は合理的ではない選択だ。耐久性を高めることも、顧客の買い替えを抑制してしまう。それでもこうした策を採るのはユーザーからの支持があるからだ。 今後追求するのは5Gをはじめとする最新技術の活用だ。すでに、カメラの画面に気温や位置情報などを重ね合わせる「アクションオーバーレイ」という機能を実装した。もともとスマホに備わっているGPSなどのデータを簡単に統合することでアクションカメラとして使える。アウトドア空間ではつながりづらい5G通信が今後、山や海でもつながりやすくなれば、動画配信などの用途が広がると見込む。 京セラの通信機器事業は2020年、30周年を迎えた。かつてはカメラなどコンシューマー向け商品を多く抱えていた。その後、撤退が続き、スマホがほぼ唯一のコンシューマー製品となった。工場の統合などで黒字を生み出せるようになったが、収益性がなければ待ち受けるのは事業売却や撤退だ。 世界に目を向けると、韓国のLG電子が7月でのスマホ事業からの撤退を決めた。ファーウェイがアメリカからの規制で大幅に出荷台数を減らすなどの特殊事情があっても、スマホのコモディティ化と上位企業による寡占化の流れは止まらない。 京セラの湯浅氏が「われわれの製品は万人受けしない。それでも必要な人がいる限り作り続けたい。そのためにはきちんと稼げる体制を作るのは不可欠だ」と語るが、京セラの「トルク」もこの厳しいスマホ事業の例外ではない』、「京セラの「トルクが「厳しいスマホ事業」環境を取り切ってほしいものだ。

第四に、5月7日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も」を紹介しよう。
・『ソフトバンクは6日、楽天グループ傘下の楽天モバイルとソフトバンクから転職した元社員に対し、退職時に営業秘密を持ち出したとして情報の利用停止と廃棄のほか、約10億円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所へ提起したと発表した。 ソフトバンクの有山麻季子広報担当はブルームバーグの電話取材で、今回は楽天モバイルと元社員両者に対する10億円の損害賠償請求だが、1000億円程度まで拡大する可能性があると述べた。 楽天モバイルは、社内調査を実施したが、ソフトバンクの営業秘密を利用していたという事実は確認されておらず、裁判において正当性を主張していくとのコメントを発表した。ソフトバンクは発表資料で、同社が昨年11月から12月にかけ、楽天モバイルに対する証拠保全申し立てを行い、元社員が持ち出した営業秘密の利用停止などを求める仮処分命令申し立てを行ったことを明らかにした。 また、楽天モバイルが不正競争を通じて不当な利益を得て営業上の利益を侵害したと主張。不正競争により建設された基地局等が存在することを今後明らかにすると述べた。 ソフトバンクは今年1月、楽天モバイルに勤務する元社員(45、当時)が不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕されたと発表。不正に持ち出されたのは第4世代通信技術(4G)、第5世代(5G)ネットワーク用の基地局設備や基地局同士を結ぶ固定通信網に関する技術情報などで、民事訴訟提起の可能性を示唆していた。 楽天モバイル転職のソフトバンク元社員逮捕 、情報持ち出し疑い 発表を受けた6日午後の日本株市場で、楽天G株は一時前営業日比5.8%安の1308円まで下げ幅を広げ、終値は4.1%安の1332円と4月23日以来、およそ2週間ぶりの安値となった』、「楽天モバイル」が立ち遅れていたにせよ、「ソフトバンク元社員」を引き抜くという余りにミエミエな手を使ったのには、驚かされたが、訴訟の行方はどうなるのだろう。
タグ:東洋経済オンライン ブルームバーグ JBPRESS PRESIDENT ONLINE 携帯・スマホ マルクス・ガブリエル アンデシュ・ハンセン (その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も) 「「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する」 「マルクス・ガブリエル」氏はNHK番組にもよく出てくるドイツの哲学者で、興味深そうだ。 確かに「ドイツ人」はビアホールなどで大勢で飲むのが好きなようだ。「ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及している」、なるほど。 「日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていた」、「サイバー独裁の最先端」とは大げさとも思うが、「ガブリエル」氏の率直な印象のようだ。 確かに、「日本人」は「冷静に議論ができない」、「対立」を極力避け、「ディベート」はやり方すら知らない。 「日本」でも「ディベート」を中学生あたりから本格的に教えてゆくべきだろう。ただ、教える人への訓練も必要になるので、数十年がかりの息の長い取り組みになるだろう。 「「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善」 「私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します」、脳内快楽物質の「ドーパミン」まで出てくるのであれば、ヤセ我慢しても無駄だろう。 「脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます」、初めて知った。 「生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります」、その通りだ。 「これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません」、実にズルイやり方で、許せない 「タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています」、「私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています」、なるほど。 「男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない」、とは面白い。その通りなのだろう 「メタ認知」は一般人でも出来るのだろうか、何か「訓練」が必要となるのではないか。 「京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可、石鹸で洗える耐久性を追求」 「京セラとソニー」の「携帯端末事業」が、「採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした」とは結構なことだ 「京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている」、面白い戦略だ 「京セラの「トルクが「厳しいスマホ事業」環境を取り切ってほしいものだ。 ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も 「楽天モバイル」が立ち遅れていたにせよ、「ソフトバンク元社員」を引き抜くという余りにミエミエな手を使ったのには、驚かされたが、訴訟の行方はどうなるのだろう。
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暗号資産(仮想通貨)(その18)(ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する、ビットコインのしくみをビザンチン将軍問題でやさしく理解する、中国金融機関 暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体、暗号資産1万ドル以上の送金 IRSに報告義務付けへ=米財務省) [金融]

暗号資産(仮想通貨)については、2月26日に取上げた。今日は、(その18)(ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する、ビットコインのしくみをビザンチン将軍問題でやさしく理解する、中国金融機関 暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体、暗号資産1万ドル以上の送金 IRSに報告義務付けへ=米財務省)である。

先ずは、4月19日付けNewsweek日本版が掲載した財務省出身で慶応義塾大学准教授の小幡 績氏による「ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/obata/2021/04/2021-1_1.php
・『ビットコインがバブルであることは、ビットコインの支持派、反対派ともに合意している。合意がないのは、そのバブルが崩壊するのはいつか、ということだ   私は、今年崩壊すると思う。理由は、上がりすぎたからだ。 歴史的に、バブル崩壊の理由は、ほとんどすべてのケースにおいて上がりすぎたことが原因である。急激に上がったということは、急上昇の局面で買った人々がいるということだ。彼らが保有し続ける理由はただひとつ。上がり続けると信じているからであり、そして、その信仰が実際の上昇によって裏付けられるからだ。 逆に言えば、その裏づけが消えればパニックになって、投売りをする。投売りは投売りを呼び、暴落は一瞬で起こる。 唯一持続可能なバブルは、次々と新しい買い手が現れ、常に今までよりも高い値段で買い続けるもの。 実際、これまで起きていることは、これである。そして、乱高下が起こるのは、いったん、パニック売りになって暴落した後に、懲りない人々が、損した分を取り返そうと、もう一度安くなったところから買い戻し始めるからだ』、執筆時の「ビットコイン」のドル相場は、4月13日にピークを打った後、徐々に下げつつある局面にあった。
・『永遠に上がり続けることはできない  このとき、初めて買う人々も加われば、買い手は増えていくことになる。そうすると、以前よりも盛り上がるバブルが生まれる。買い手の総量が増えるからだ。そして、上昇していけば、含み益が膨らんでいくから、以前損した人々も、まだ損をしたことがない人々も、さらに上がることを期待して持ち続ける。あるいは売買を繰り返す。 そうなると、乱高下を繰り返し続けながら、永遠にあがっていくのではないか? そういう想像が膨らむかもしれないが、もちろんそれは妄想である。 永遠に上がり続けるしか持続可能にはならないが、無限大になるまで上がることは理論的にありえないので、どこかで崩壊し、それはゲームオーバーとなる。 これは、1980年代に経済学の世界でも確立されている、合理的バブルのモデルであるが、それ以前も、それ以後も、永遠に上がり続けたものはない。そうなると、それらはどこかで崩壊するのだ。 問題はそれが2021年であるか、まだ先か、あるいはまだまだ先か、ということに尽きる。 今年崩壊すると予想される理由は3つある。 第一には、今年の上昇が急激だからである。バブル崩壊の最後は急激に上がって破裂するパターンがある。それは、保有している人々がそろそろこれだけ上がったから売っておこうと思うからだ。一方、直近で買った人々は、ものすごく上がってから買っているから、少しの暴落でもパニックになる。となると、これまで保有し続けてきた人々が売り、それに誘発されて、直近で買った人々も売り、売りが売りを呼ぶ展開になる。) 第二に、ビットコインの価格がピークとなる明らかなイベントがあったからである。それは、暗号通貨取引プラットフォーム企業のコインベースの上場である。4月14日にコインベースはナスダックに上場された。コインベースの株価は暴騰するだろうと、暗号資産トレーダーの多くは期待した。参照価格は250ドルと言われ、それでもきわめて高い価格だが、実際についた初値はそれを大幅に上回る381ドルで、しかも、その後429ドルまで上昇した。これで投資家たちは大興奮となった。 しかし、早くもこのバブルは崩壊した。ピークは一日と持たなかったのであり、初日の終値は、初値を下回る328ドルとなった。しかも、上場前の非上場取引での価格348ドルを下回った。 IPO(新規株式公開)におけるバブルはどこの市場でもよく見られる現象であるが、このバブルが崩壊するきっかけは、初値を取引価格が下回ったときである。そして、コインベースの場合は、初日にこれが実現した。 コインベースバブルはすでに崩壊したのである。 コインベースとは、暗号資産バブルの究極の形である。これが崩壊すれば、元となる暗号資産バブルの崩壊は必然である。そして、暗号資産の中心にいるビットコインの暴落も必然となる。 社会的な背景、理論的背景も、バブルであること、そのバブルは崩壊することを裏付ける』、「コインベース」の「IPO」の「初日の終値は、初値を下回る328ドルとなった」、「バブル」崩壊を象徴している。
・『通貨として失格  まず第一に、ビットコインを含むこれらの資産が、仮想通貨と呼ばれていた時代から、暗号資産という呼び名に変わり、それが完全に定着したことだ。ビットコインが通貨かどうか、将来の通貨として定着するかどうか、技術的に以下に優れているか、という議論は過去のものとなり、現在は、これらは通貨ではなく、資産として扱われている。 第二に、これは理論的にも当然で、通貨とは、裏づけがあってもなくてもよいが、通貨は通貨として使われることで初めて通貨となるのである。ビットコインが一部の人がごくたまに遊び半分で取引に使うことはあるが、その取引総額は、ビットコインの時価総額をもちろんはるかに下回る。それどころか、何万分の1、何億分の1以下である。それは通貨ではありえない。 第三に、通貨にはなりえない証左は掃いて捨てるほどある。まず、価格が乱高下するのは通貨としてもっともふさわしくなく、暴落するものよくないが、急騰するのもよくない。安定して取引に使えないから、通貨としては最悪のものなのである。 もちろん、通貨は、国家が発行しなくてもかまわない。銀座の土地が、地上げ不動産投機グループ同士の間では通貨となりえる、土地資本主義が成り立つことも部分的にあるが、ビットコインはそれよりもさらに上場率は激しく、乱高下も激しく、そして、通貨として使われる割合が時価総額に比べて小さい。したがって、あらゆる資産の中で、もっとも通過(注:正しくは「貨」)としてふさわしくないだけでなく、実際にも、通貨として、もっとも利用されていない資産なのである。) 第四に、発行者が誰かわからない、あるいは存在しない、ということであり、かつ、マネーロンダリングや麻薬取引に便利に使われている(通貨としての利用のほとんどが違法行為に関連している)ということは、もっとも社会における通貨としてふさわしくないことを示している。 もはや言うまでもないことであるが、通貨として存在できる可能性はビットコインはゼロである。もちろん、それがわかっていることで、むしろ、リスク資産としては価格がより暴騰したのが、この1年半である。 そうなれば、前半の議論に戻って、暴騰したリスク資産は必ず暴落し、バブルは必ず崩壊するのである。したがって、ビットコインバブルは必ず崩壊する。そして、それが今年2021年に起こると私は思っているのである』、「あらゆる資産の中で、もっとも通貨としてふさわしくないだけでなく、実際にも、通貨として、もっとも利用されていない資産なのである」、手厳しい指摘だ。

次に、やや理論的な角度から、5月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したアマチュア天才数学のヒュー・バーカー氏による「ビットコインのしくみをビザンチン将軍問題でやさしく理解する」を紹介しよう』、興味深そうだ。
・『+もっと効率的に資産を増やせないか? +会社の財務をもっとうまく管理できないか? +画期的で新しいアイデアやテクノロジーを生み出して儲けられないか? 不安定さを増す世界で、私たちは好むと好まざるとにかかわらず、日々そんなことを考えざるを得なくなっています。お金で愛や幸せは買えないとはよく言ったものだけれど、お金がなければその先に貧困や満たされない人生が待ち受けているのもまた事実だからです。 16歳でケンブリッジ大学に進んだという逸話を持つアマチュア天才数学者、ヒュー・バーカーは、新著『億万長者だけが知っている教養としての数学』の中で、そんな世知辛い世の中で一際役に立つものこそが「数学」だといいます。「数学を使って儲ける」ためのあらゆる知恵を網羅した同書から、とっておきのトピックを紹介しましょう』、「数学を使って儲ける」とは興味をそそられる。
・『ビザンチン将軍問題とビットコイン  いろんな種類のデジタル通貨が21世紀の世界経済に欠かせない一部となりつつある。ゲームやソーシャル・ネットワークのユーザーなど、特定のオンライン・コミュニティの内部だけで使える仮想通貨から、暗号を使って取引を安全なものにする暗号通貨まで、その範囲は広い。ライバルがどんどん増えているとはいえ、2009年に史上初となる安全な分散型暗号通貨を生み出したのがビットコインだ。ビットコインの開発者たちは、楕円曲線暗号を用いただけでなく、ビザンチン将軍問題というかなり厄介な数学的難問について考察することでそれを成し遂げた。 ビザンチン将軍問題とはこうだ。数人の司令官を率いる将軍がいる。包囲中の城への攻撃を成功させるためには、将軍は使者を通じて攻撃か撤退の命令を出さなくてはならない。ところが、司令官と使者のなかには、まちがった命令を出す裏切り者が何人か潜んでいる。まちがった命令を受け取ると、部隊は連携が乱れて敗北してしまう恐れがある。 この問題を解決するひとつの方法は、全司令官が自分以外の司令官に使者を送り、全司令官が自分以外の司令官からまったく同じメッセージを受け取るまで、誰も行動しないようにするというものだ。そうすれば、裏切り者が偽の命令を中継することはありえない(図28を参照)』、「ビザンチン将軍問題は、ビザンチン帝国の将軍たちがそれぞれ軍団を率いて、ひとつの都市を包囲している状況で発生する。将軍たちは、都市攻撃計画について合意したいと考えている。最も単純な形では、将軍たちは、攻撃するか撤退するかだけを合意決定する。一部の将軍たちは攻撃したいと言うだろうし、他は撤退を望むかもしれない。重要な点は、将軍たちはひとつの結論で合意しなければならないということである。つまり、一部の将軍だけで攻撃を仕掛けても敗北することは明らかで、全員一致で攻撃か撤退かを決めなければならないのである。また、将軍たちは、それぞれ離れた場所に各軍団を配置しており、メッセンジャーを相互に送ることで合意を目指す(Wikipedia)。「ビザンチン帝国」時代からこのような問題が考えられていたとは驚いた。
・『ビットコインはこれと同じような問題に対処する必要があった。自律的な分散型ネットワークがうまく機能し、第三者の仲裁がなくてもみんながビットコイン通貨を信頼できるようにするためには、正しい“命令”(この場合、ビットコインのすべての取引・所有記録に相当)についての合意が存在しなければならない。 この問題の解決法こそが、ビットコイン・ブロックチェーンの根底にある。ブロックチェーンとは、ビットコインの誕生以来の全取引記録のことだ。基本的には、複数のサイトにまたがって複製、共有、同期されたデータに対する合意を形成するためのデータベースである。 あなたがビットコインで支払いを行うとき、あなたが意図している取引は、ビットコイン・ユーザー、具体的にいうとビットコイン・マイナー(採掘者)で構成されるネットワークの全ノードへと一斉送信される。マイナーとは、計算量という点で複雑な数学の問題の解を求めるための専用マシンを用意している人々のことだ(その労役の見返りとして、新規発行されたビットコインが支払われる)。すると、ネットワーク上の全ノードが協力してその取引の正当性をチェックする。いわば、あなたにその取引を行う資格があるかどうかを確かめるわけだ。この時点で、あなたの取引はほかの検証済みの取引のキューへと加わり、それらがブロックチェーン内の次の潜在的なブロックを形成する。 いずれかのノードが計算問題を解くと、「プルーフ・オブ・ワーク」(仕事の証明)という形であなたの取引と組み合わされ、検証のために残りのネットワークへと送信される。解が検証されると、新しいブロックが無事ブロックチェーンへと追加される。こうして、新しいブロックは、プルーフ・オブ・ワークとともにあなたの取引記録を含んだものとなり、ブロックチェーン内の過去のブロックと数学的に紐付けがなされる。 新しいブロックが増えるたび、あたかも暗号のようにハッシュ化されたデータがブロックチェーンに追加され、しかもそれぞれのブロックがひとつ前のブロックに基づいているので、ブロックチェーン内のデータを改竄(かいざん)するのは不可能である。なぜならプルーフ・オブ・ワークの偽造はものすごく難しいからだ。 十分な数のノードをだまして不正な取引を承認させるような新しいブロックチェーンを作成しようと思ったら、ブロックチェーン内の1本1本の鎖を最初の最初までリバースエンジニアリングせざるをえないだろう。当然、それは信じられないくらい複雑な作業なので、このプロセスによって正真正銘の正当な取引記録が生成されると信じても安心なのだ(理論上は、既存の計算能力の51%以上を有する人が残りを不正操作することはありうるし、まだネットワークがかなり小さかったころはそれも問題になりえたが、ネットワークが一定の規模に達した今となってはまずありえなさそうだ。実際に誰がそんなに巨大な計算能力を手に入れられるのかという疑問について考えるだけでもわかる)』、こういう「プルーフ・オブ・ワーク」の仕組みが理論的に構築されたとは、確かに数学も儲けネタになりようだ。
・『暗号通貨にはほかにも問題がある。ブロックチェーンはハッキング不可能に見えるけれど、個人のウォレット(財布)は実際に何度もハッキングされている。史上最大のハッキング事件として有名なのは、東京に拠点を置くビットコイン取引所、マウントゴックスで起こったものだ。暗号通貨の価値が人々の信頼度に基づいていることを考えると、こうした事件は重大な懸念材料だし、価値の暴落を引き起こすこともある。 また、ビットコインは初期の参入者だけが儲かって、その後の参入者は結局損をするだけのポンジ・スキームやピラミッド商法の一種なんじゃないかと憶測する人々もごまんといる。将来的に、世界の政府や企業が暗号通貨やそれに関連する数学とどう向き合うのかについて考えるのも面白い。大手銀行は少しずつ独自のブロックチェーンを開発しているが、政府はみずからの監督の行き届かないところでビットコイン取引が行われることを憂慮している。ビットコイン取引が不正な目的で使われている事実を取り締まりの言い訳に用いる可能性もありそうだ。 しかし、暗号通貨の未来がどうあれ、ビットコインなどの事業の誕生に貢献した数学のすばらしさは否定しようがないだろう。
【書籍のご案内】 億万長者だけが知っている教養としての数学 世界一役に立つ数学的思考力の磨き方 「数学で1億円をどう稼ぐ?」 16歳でケンブリッジ大学に合格した天才が、お金の使い方から投資、ギャンブル、果ては起業や仕事術まで、人生も財布も豊かにする数学力の磨き方を伝授! 「数学って何の役に立つ?」誰もが思った疑問に、ついに答えが!』、冷静に考えれば、「ビットコイン」の他にも、デリバティブ(派生商品)の価格付けも数学が役立っているようだ。

第三に、5月20日付けロイター「中国金融機関、暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/crypto-currency-china-idJPKCN2CZ23L
・『19日の取引で、暗号資産(仮想通貨)のビットコインやイーサが軒並み急落した。暗号資産市場は一時、時価総額で1兆ドル近くが吹き飛んだ。その後下げ幅を縮小したものの、不安定な相場展開は、仮想通貨が主流資産に仲間入りするとの期待に影を落とす可能性がある。 ビットコインは一時30%安、イーサは45%安まで下げを加速したが、仮想通貨への支持で先頭に立ってきた米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と 米資産運用会社アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOが改めてビットコインへの支持を示したため、急速に下げ幅を縮めた。 この日は、中国の金融業界団体が18日、金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するなど規制を強化したことが売り材料となった。 コインゲッコー・ドット・コムによると、19日午後の早い時間で、暗号資産市場の時価総額は1兆8000億ドル。 ヘッジファンド、グレート・ヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ会長は「暗号資産関連株には多くのレバレッジが組み込まれているため、短期的に株式市場に波及するだろう。また、市場は物価上昇が続けば米連邦準備理事会(FRB)の緊急利上げが必要になる可能性があると考えており、インフレ懸念がかなりある」と述べた。 アナリストによると、暗号資産にはインフレヘッジ需要があるとの見方があったが、インフレ懸念が高まる中での相場急落で信ぴょう性が損なわれている。 一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁は19日、暗号資産の急落について、「仮想通貨のボラティリティーが極めて高いことは誰もが承知している」とし、現時点では金融システムに対する広範なリスクにはならないと述べた。 マスク氏はこの日、ツイッターに「ダイアモンドハンド」の絵文字を投稿。SNS(交流サイト)上で、資産を保有し続ける価値があると表現するのに使われている。 同氏が先週、テスラ車の購入でビットコインを使った支払いを認めない方針を示したことを受け、ビットコインは急落。マスク氏が17日に「テスラはビットコインを売却していない」と述べたことで、相場は持ち直していた。 ビットコインは一時、3万0066ドルと、3カ月半ぶりの安値を記録。直近は13%安の3万7323ドル。4月14日に記録した最高値の6万4895ドルからは40%程度下げた。 仮想通貨コンソーシアム、パンクソラのギャビン・スミスCEOは「ビットコインの急落は市場にショックをもたらすものではない」と指摘。「ビットコインのように過去1年に大きく上昇していた資産は、一部投資家が利益を確定するのに伴い調整すると想定可能だ」と述べた。 イーサも一時、1月終盤以来の安値を付け、その後は22.5%安の2620ドルで推移。 コインゲッコーによると、ドージコインも約26%安の0.35ドル。 ボラティリティーの高まりを受け、暗号資産交換所最大手コインベース・グローバルとバイナンスは一部サービスの問題に言及。コインベースの株価は5.9%安で引けた。 ビットコインがチャート上の主要な節目である4万ドルを割り込んだことから、市場では一段の下落を予想する向きもある。 一方、アークのウッドCEOはブルームバーグとのインタビューで、ビットコインが50万ドルに上昇するとの予想を堅持した』、「中国の金融業界団体が18日、金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するなど規制を強化」、は明らかな売り材料だが、「マスク氏」も人騒がせなニュースを振りまくのも困ったことだ。

第四に、5月21日付けロイター「暗号資産1万ドル以上の送金、IRSに報告義務付けへ=米財務省」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/usa-treasury-crypto-currency-idJPL3N2N7489
・『 米財務省は20日、バイデン政権の税制改革案には1万ドル以上の暗号資産(仮想通貨)を送金する場合の内国歳入庁(IRS)への報告義務が盛り込まれていると発表した。IRSの職員も今後10年間で2倍以上に増やすという。 税制改革案はコンプライアンスと徴税業務の改善に向け、2031年までに約800億ドルをIRSに投じる内容で、財務省がその詳細を報告書にまとめた。 報告書は「現金取引と同様に、時価1万ドル以上の暗号資産を受け取る取引も報告の対象となる」と指摘。暗号資産が事業所得の一部として今後10年間で重要性を増す可能性があるとした。 暗号資産の時価総額は約2兆ドルに達している。 また、今後10年間で常勤に相当する職員を合計で8万6000人以上採用し、2019年時点の7万3554人から倍増させるほか、今後10年間で徴収担当職員を少なくとも5000人増やすとした。 報告書によると、税法に従って納付されるべき連邦税と実際に納付された連邦税の差額である「タックスギャップ」は今後10年間で約7兆ドルと推計されているが、税制改革案により「保守的に」見積もってもタックスギャップが約10%縮小し、7000億ドルの徴税につながるとした。政府の資料によると、2019年のタックスギャップ推計値は5840億ドル』、よくぞ悪材料がここまで揃って出てきたものだ。ビットコインは38000ドル前後と引き続き低下傾向にある。第一の記事にもあるように、いよいよバブルは終わったのだろうか。
タグ:ロイター 小幡 績 ダイヤモンド・オンライン Newsweek日本版 (仮想通貨) 暗号資産 (その18)(ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する、ビットコインのしくみをビザンチン将軍問題でやさしく理解する、中国金融機関 暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体、暗号資産1万ドル以上の送金 IRSに報告義務付けへ=米財務省) 「ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する」 執筆時の「ビットコイン」のドル相場は、4月13日にピークを打った後、徐々に下げつつある局面にあった。 「コインベース」の「IPO」の「初日の終値は、初値を下回る328ドルとなった」、「バブル」崩壊を象徴している。 「あらゆる資産の中で、もっとも通貨としてふさわしくないだけでなく、実際にも、通貨として、もっとも利用されていない資産なのである」、手厳しい指摘だ。 ヒュー・バーカー 「ビットコインのしくみをビザンチン将軍問題でやさしく理解する」 「数学を使って儲ける」とは興味をそそられる。 「ビザンチン将軍問題は、ビザンチン帝国の将軍たちがそれぞれ軍団を率いて、ひとつの都市を包囲している状況で発生する。将軍たちは、都市攻撃計画について合意したいと考えている。最も単純な形では、将軍たちは、攻撃するか撤退するかだけを合意決定する。一部の将軍たちは攻撃したいと言うだろうし、他は撤退を望むかもしれない。重要な点は、将軍たちはひとつの結論で合意しなければならないということである。つまり、一部の将軍だけで攻撃を仕掛けても敗北することは明らかで、全員一致で攻撃か撤退かを決めなければならないのである。また、 こういう「プルーフ・オブ・ワーク」の仕組みが理論的に構築されたとは、確かに数学も儲けネタになりようだ。 冷静に考えれば、「ビットコイン」の他にも、デリバティブ(派生商品)の価格付けも数学が役立っているようだ 「中国金融機関、暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体」 「中国の金融業界団体が18日、金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するなど規制を強化」、は明らかな売り材料だが、「マスク氏」も人騒がせなニュースを振りまくのも困ったことだ。 「暗号資産1万ドル以上の送金、IRSに報告義務付けへ=米財務省」 よくぞ悪材料がここまで揃って出てきたものだ。ビットコインは38000ドル前後と引き続き低下傾向にある。第一の記事にもあるように、いよいよバブルは終わったのだろうか。
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