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ソーシャル・ファイナンス(その2)(「SDGsの“夢”に敗れて…」 地検特捜に狙われたテクノシステム事件の「全貌」、「金融界の革命児」の死…ソーシャルレンディング大手・元社長に“何が”あったのか、ソーシャルレンディングは消えるのか?業界最大手も廃業) [金融]

ソーシャル・ファイナンスについては、昨年1月20日に取上げた。今日は、(その2)(「SDGsの“夢”に敗れて…」 地検特捜に狙われたテクノシステム事件の「全貌」、「金融界の革命児」の死…ソーシャルレンディング大手・元社長に“何が”あったのか、ソーシャルレンディングは消えるのか?業界最大手も廃業)である。

先ずは、本年6月10日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの伊藤 博敏氏による「「SDGsの“夢”に敗れて…」 地検特捜に狙われたテクノシステム事件の「全貌」」を紹介しよう。
・『SBISLに業務停止命令  金融庁は、6月8日、SBIソーシャルレンディング(SBISL)に業務停止命令を出した。同社は、再生エネルギー会社のテクノシステム(横浜市)に、ネット経由で集めた投資家の資金を貸し付けていたが、テクノ社は募集時の資金使途とは違う用途に流用、金融庁は金融商品取引法違反と断定した。 既に、東京地検特捜部は、4月末までにテクノ社と関連先を家宅捜索、5月27日、同社の生田尚之社長(47)を、融資詐欺の疑いで逮捕している。現在、詰めの捜査を行なっており、6月16日の勾留期限までに、別ルートの融資詐欺事件や政界ルートを見据えた事件に伸ばすか、あるいは起訴して事件を一度、中断するかを決める。 テクノ社事件は、特捜案件になったことと、小泉純一郎元首相を広告塔に使っていたことで話題を集めたが、それに加えソーシャルレンディング(SL)という金融形態に、事実上の“引導”を渡す結果にもつながった。 SLは、業者がプラットフォーム上に太陽光発電、不動産開発などの事業を開示、10%内外の利回りを謳うもの。数万円から投資可能ということで投資家の人気を集め、ブームとなった17年には業者が乱立、1年間で1300億円を集めた。 しかし、高利を約束し、それだけの金利を払って事業を成し遂げ、売却するか金融機関の融資に切り替えられる案件は多くない。SBISLの前にも、みんなのクレジット、ラッキーバンク、エーアイトラストといったSL業者が金融庁の行政処分を受けて退場。 18年7月、SLを最初に立ち上げた業界最大手のmaneoマーケットも業務改善命令を受け、SLという金融業の最後の“拠り所”となったのが、SBIホールディングスの信用力をもとにしたSBISLだった。 だが、5月24日、SBISLはテクノ事件を受けてSLからの撤退を表明。約150億円の特別損失を計上して、投資家への未償還元本の償還など残務整理に入っている。 業務停止命令はダメ出しともいえるもの。事件化以降、SBISLはもちろんSL業界にも甚大な影響を与えた生田容疑者は、無節操な事業展開、高級クラブでの豪遊、海外カジノでの蕩尽などが報じられ、「詐欺会社のとんでもない経営者」と、批判されている。 だが、生田容疑者を会社立ち上げの頃から知る経営者は、「水処理から始めて食に行き、エネルギー分野に進出してSDGsに行き着くまでは目の付け所が良かった」という。 「発明家で事業家の父親の後を継ぐつもりで学生時代から各種資格を取るなど“頑張り屋”だった。詐欺事件を起こして、『SDGsはカッコだけ』と批判されるが、本人は真面目に取り組んでいた。問題は太陽光などを始めて急成長、いろんな人間が寄ってきて制御しきれなかった。それも本人の経営者としての能力不足ではあるけど、会社にいい人材を集められず、SBIなどに利用された」(同)』、「テクノ社事件は、特捜案件になった」、大掛かりだ。「SBIなどに利用された」とはどういうことだろう。
・『事業の成長と“孤独”  生田容疑者は、日大工学部を卒業後、10年間、大手電気会社で働いた後、09年、テクノ社を設立する。 父親が特許を持つ特殊ポンプ技術を応用、海水淡水化装置を作ってシリーズ化。次に充填ポンプの活用などで、カレーやシチューなど具の入った料理に対応可能な施設 「デリシャスサーバー」を開発する。さらに「水」と「食」の事業費を稼ぐために事業化していた太陽光パネルの設置を、太陽光発電ビジネスとして大規模化、「電気」の分野に進出した。 『SDGsが地方を救う』という著書を著し、会社パンフレットに会社の使命を<水、食、電気を安心・安全に提供し続け、社会貢献することです>と謳い、日経新聞で小泉元首相と<自然エネルギーには夢と希望がある>と題して対談するのは、年商160億円を達成、上場を目指していた生田容疑者の「SDGsで会社をブランド化する」という作戦だが、本気で取り組もうとしたのも確か。 ただ、設備IDや地主の承諾書などを材料に、再生エネルギーとSLで、いくらでもカネが集まる仕組みにハマって、転落を始める。 老舗太陽光業者が解説する。 「投資家はネットを信じ、SL業者は事業会社にカネを貸し付け、金利を取ればいいから、まともなチェックをしない。いい加減な事業計画がまかり通り、事業規模だけはドンドン大きくなり、配当を支払うために事業をデッチ上げる自転車操業に陥って破たんする。その“ワナ”にテクノもハマったということ」 設立後、4~5年は、売上高数億円で推移していたものが、太陽光などに本格進出した15年頃から急伸して売上高100億円を突破、16年に105億円、17年に117億円となり、18年と19年は160億円だった。テクノ社元幹部は、急成長に社内体制が追いつかず、「まるで統制が取れていない状態だった」という。 「急速に人員が増えて横の連絡がつかない状態。途中入社の幹部には生田社長より年配者が多く、経験も積んでいるので自転車操業で危ないことはすぐにわかる。でも、みんな『個人保証を入れ、最終的に責任を取るのは生田社長』と、自分の仕事をこなすだけ。会社の将来なんて、誰も考えていない」(同) 「オーナー会社なんてそんなもの」といえばそれまでだが、生田容疑者は孤独だった』、「投資家はネットを信じ、SL業者は事業会社にカネを貸し付け、金利を取ればいいから、まともなチェックをしない。いい加減な事業計画がまかり通り、事業規模だけはドンドン大きくなり、配当を支払うために事業をデッチ上げる自転車操業に陥って破たんする。その“ワナ”にテクノもハマったということ」、大きな落とし穴に嵌ったようだ。
・『生田容疑者の「言い分」  SBIホールディングスが、「取引先(テクノ社のこと)の重大懸念」を公表、「調査のために第三者委員会を設置する」と発表したのは2月5日だが、それからしばらくして、筆者は生田容疑者に会った。 「言い分」を聞くためだが、その際、生田容疑者は粉飾や流用など、現在、指摘されている不正を否定したうえで、SBIグループとの親密さを強調した。 「SBISLの窓口となっているのは、コンサルタントの玄海(インベストメントアドバイザー)で、そこにもSBISLにも管理料や顧問料などの形で、十分な支払いをしています。SBIエナジーは物件の買い手になってくれるハズだったし、SBI証券は上場の際、幹事証券になる予定でした。 SBISLの焦げ付きを肩代わりしたこともあります。北尾(吉孝SBIホールディングス社長)さんにも会い、グループ全体とお付合いしていた。ウチだけが悪者なんて、とんでもない話です」 その証言をもとに、筆者はSBIホールディングスに質問書を送った。しかし、SBIは「第三者委員会が調査中」と答えず、4月28日に公表された「報告書」は、織田貴行SBISL社長の責任は重いとして解任したものの、それは営業を優先したあまりの行為で、虚偽表示への関与など刑事責任を問われるものはなかったとした。 罪は「テクノ社」というわけである』、「SBIエナジーは物件の買い手になってくれるハズだったし、SBI証券は上場の際、幹事証券になる予定でした。 SBISLの焦げ付きを肩代わりしたこともあります。北尾・・・さんにも会い、グループ全体とお付合いしていた。ウチだけが悪者なんて、とんでもない話です」、「SBI証券」は単なる被害者というより、むしろ共犯に近い可能性もありそうだ。
・『政界とのつながりは…?  政界ルートは、SDGs同様、テクノ社に泊をつけ、「イザ」という時に頼み事をするためのものだろう。 小泉元首相は広告塔で、俳優で長男の孝太郎氏とはスポンサー契約を結び、ホームページや会社案内に登場させていた。その先には、次男の進次郎環境相との関係を期待していたのだろうが、それほど深い関係は取り結べなかったようだ。 「進次郎環境相と近いようなことをいうので、『会わせてくれよ』と頼んだけど、実現しなかった。言い訳していたけど、結局、親しくはないみたい」(知人) とはいえ、親しさを見せる政治家も。再生エネルギー業者が証言する。 「彼の店で一緒に食事していて、『誰か頼りになる先生はいないか』という話になり、『これから遠山(清彦・前公明党代議士)先生が来るから紹介するよ』といわれ、実際、紹介されたことがある。会社にはいろんな政治家と一緒に写った写真が飾ってあったけど、結構、本当なんだな、と思った」 彼の店とは、銀座・ドンピエールのこと。麻生太郎財務相、ビートたけしなどが通い、かつては高倉健なども常連だったという著名フレンチで、生田容疑者は17年に会社買収の形で手に入れた。 生田容疑者は、この他「代官山いく田」という高級和食の店を持ち、政治家接待に使うことも。そのあたりも、通常なら警視庁などが担当する融資詐欺に、地検特捜部が乗りだした理由である。 「再生エネルギー事業には、許認可が絡むことが多く、政治家への頼み事が多くなる。資金繰りは相当、苦しかったので、金融機関への口利きを期待したこともあるだろう。生田と親しい政治家には、小池(百合子)都知事、原田(義昭)前環境相、麻生財務相、遠山前財務副大臣などの名があがっていて、それなりに職務権限がある。特捜の狙いもそこだろう」(司法担当記者) 政治家との交際は、最強の捜査機関が乗り出したという意味では、むしろマイナスに作用した。また、かつての仲間が次々に離反、検察の捜査協力者になっている。生田容疑者は、逮捕前の5月7日、「関係者の皆様へ」と、自筆で「詫び文」を残しており、そこで「迷惑をかけた」と、頭は下げているものの、文章はSBIグループ、玄海社、そして自分を裏切った仲間たちへの恨みに満ちている。 幹部も含めて社員は散り散りになった。まとめて面倒を見ているのは、社外取締役だった加藤智治、小池正樹の両氏だ。 レストランはドンピエール、いく田を含め、13店舗を持っていたが、そうしたフード事業の責任者や社員らが、加藤氏が社長、小池氏が副社長となって設立した「まん福ホールディングス」に、大挙、入社した。 逮捕前の5月17日、テクノ社は負債総額150億円で経営破たん。生田容疑者は民事再生法の適用を申請する意向だが、逮捕され法廷で裁かれる以上、破産による法的整理となる可能性が高い。 そうなれば、SDGsにかけた“夢”はもちろん、築いた事業はすべて失われる。事件の行方はまだ見えないが、その顛末は、ぜひ本人に語ってもらいたいものである』、「生田と親しい政治家には、小池・・・都知事、原田(義昭)前環境相、麻生財務相、遠山前財務副大臣などの名があがっていて、それなりに職務権限がある。特捜の狙いもそこだろう」、「特捜」には今度こそ遠慮なく徹底捜査してもらいたいものだ。

次に、この続き、6月17日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの伊藤 博敏氏による「「金融界の革命児」の死…ソーシャルレンディング大手・元社長に“何が”あったのか」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84218?imp=0
・『東京・霞が関の日比谷公園内多目的トイレで、6月8日、maneoマーケット元社長の瀧本憲治氏(49)が、遺体となって発見されたニュースは、金融界に衝撃をもたらした。 「瀧本さんといえば、ソーシャルレンディング(SL)というビジネスモデルを、金融界に確立した人。先が見えてアクティブでポジティブ。自殺するとは思えないのに、いったい何があったのか…」(SL業者) トイレは内側からカギがかけられ、早朝、清掃員が発見。通報を受けてかけつけた警察は、現場の状況から自殺と判断した。死の4日前に話をしたという知人は、「普段と変わりはなく、取り組んでいる事業について語ってくれた」というのだが、事業がカベにぶつかっていたのは確かである』、「SLというビジネスモデルを、金融界に確立した人」が自殺するとは、何があったのだろう。
・『“露わ”になった「SL」の限界  まず、SLが限界に達していた。ネット上に開示された情報をもとに、投資家が企業に事業資金を貸し付け、配当を得るのがSL。金融機関が二の足を踏むリスクの高い案件が多く、その分、配当は10%前後と高い。 maneoマーケットがSLのプラットフォームを提供、子会社のmaneoが貸金業登録をして貸付先を管理。その他maneoマーケットはプラットフォームを他社にも提供、それはLCレンディング、ガイアファンディング、クラウドリースなど10社に及んで「maneoファミリー」と呼ばれ、募集実績は1600億円にも達していた。 だが、「短期小口高配当」が受けてブームとなり、新規参入が相次ぐうち、SLの限界が露わになる。容易に資金が集まるので、募集案件とは別用途に使ったり、関連会社の事業に振り向けたりする業者が続出、17年3月、みんなのクレジットが業務停止命令を受けたのをきっかけに、ブームは下火となり業界は冷え込んだ。 その影響は、業界最大手だったmaneoに及び、maneoファミリーで太陽光など再生エネルギーを手がけるグリーンインフラレンディング(GIL)が、虚偽表示や資金管理の不備を指摘され、GILにプラットフォームを提供していたmaneoは、18年7月、行政処分(業務改善命令)を受けた。 以降、業績は悪化、改善の兆しが見えないまま、瀧本氏はmaneoマーケットの売却を決意、19年9月、Jトラストという金融グループを率いる藤澤信義氏に持ち株を売却した。13年9月、maneoマーケットを買収、SLで「金融の世界に変革を」と訴えた瀧本氏は、ビジネスモデルを確立、ブームを演出するものの、わずか6年で退場した』、「SLの限界が露わになる。容易に資金が集まるので、募集案件とは別用途に使ったり、関連会社の事業に振り向けたりする業者が続出」、なるほど。
・『「コロナ治療薬開発」のウラで…  そのうえ、maneo後に始めた金融コンサルタント業が、うまくいっていなかった。前出の知人がいう。 「maneo売却後、経営の一線からは引き下がりました。でも、金融界で名を成した人だけに、『瀧本さんなら』と、運用を委せる資産家、投資家はいました。本人だって、maneo売却で約2億円を手にしているし、それなりに資産はあります。そこで数億円単位の投資をしていたんですが、幾つか、問題案件に引っ掛かってしまった」 そのうちのひとつが、コロナ治療薬の開発で株価が急騰した医薬品ベンチャーのテラ(ジャスダック)、及びその支援会社セネジェニックスジャパンへの投資である。 テラとセネ社の開発が、いかに欺瞞に満ちたものであるかを、筆者は本サイトで<コロナ治療薬開発のウラで起きていた『ヤバい経済事件』の深層>(21年3月11日配信)と題して記事化。その際、出資者として証言してくれたのは瀧本氏である。 氏は、昨年10月、セネ社取締役の竹森郁氏と出会い、資金協力を要請されて、知人と合わせ5億円を協調融資している。だが、顧問となってセネ社に出入りするうちに驚いたのは、「事業よりも(テラの)株価を気にする経営実態」だといい、こう断言した。 「インサイダー取引、株価操縦、偽計取引など金融商品取引法違反の他、詐欺、印鑑偽造などの刑事的な法律違反を疑うことができました」 瀧本氏は、「竹森氏に裏切りがあった」として、12月末には決裂、「テラ・セネ劇場」というブログを立ち上げて告発。検察庁、警視庁、証券取引等監視委員会、東京証券取引所など捜査・監督当局に情報提供を行なった。 その一方、GILなどmaneoファミリーからもたらされる相談に応じ、物件の引き取り、追加融資などの形で関与することもあった。だが、それが失敗を招く。ファミリーのSL元幹部が証言する。 「事業中断のプロジェクトのなかには、『あと少しの資金で立ち直る』というものもある。目利きの瀧本さんには自信があり、JCサービス(GILの親会社)の中久保正己社長と親しいことから、JCサービスを支援すると同時に、その絡みで親しくなった再生エネルギー会社のテクノシステムに融資。それが、一部、焦げ付いている」』、「目利きの瀧本さんには自信があり、JCサービス(GILの親会社)の中久保正己社長と親しいことから・・・テクノシステムに融資。それが、一部、焦げ付いている」、「目利き」の自信が災いすることもあるようだ。
・『「SL」のたどる運命…  SLは、瀧本氏のmaneo売却時より厳しい状況に置かれている。GILは今年3月、maneoによって破産を申し立てられ、既に新規募集を停止している他のファミリーも、同種の運命を辿るだろう。また、maneoの退場によって、親会社・SBIホールディングスの信用で業界ナンバー1となったSBISLは、今年5月末、廃業を明らかにした。 その原因となったのは、プラットフォームを提供していたテクノシステムが経営破たんし、刑事事件化したこと。その経緯を筆者は、<地検特捜に狙われたテクノシステム事件の「全貌」>と題して、先週、詳述した。 また、瀧本氏が金融コンサルとして不良債権処理に乗り出したJCサービスも、過去に地検特捜の捜査を受けた経緯がある。 JCサービスは、関連会社が細野豪志元環境相に5000万円を提供するなど『政治銘柄』だった。また、政界フィクサーの大樹総研・矢島義也氏も関与していた。そこで一昨年、特捜部が捜査に乗り出したが詰め切れずに頓挫。そのJCサービスの案件を拾う形で登場したのがテクノシステム。やはり政界ルートを持ち、不透明なカネの流れもあるということで、特捜部は家宅捜索のうえ、今年5月末、同社の生田尚之社長を逮捕した。 瀧本氏の痕跡は、テクノ案件に残っている。昨年6月、テクノ社が青森県に持つ太陽光発電施設を担保に、瀧本氏の関係会社が10億円の根抵当権を設定している。また、JCサービスから大樹グループを経てテクノ社に所有権移転する予定の香川県の太陽光発電施設案件には、瀧本氏がコンサルタントとして関与した。 セネ社への融資は昨年10月なので、テクノ社が断末魔に陥り、再建の見込みが立たなくなってからだ。前出のmaneoファミリー元幹部が推測する。 「テラ・セネの怪しい案件に飛びついたのは、テクノ関連融資の挽回を図るつもりもあったのでは? 瀧本さんは、『うまく行けば、(テラの)企業価値が300億、500億円と上がっていく。そうなれば(担保に取った)株もあるので、50億や100億のカネになり、次の事業に取りかかれる』と、言っていた。それだけにコロナ治療薬の開発が、竹森氏らの詐欺話だとわかって、猛烈にハラを立てたのだろう」) 告発は実り、証券監視委と警視庁が、3月初旬、テラ・セネに家宅捜索を行なったが、カネが返ってくるわけではない。テラ・セネとテクノ社絡みに投じたカネは20億円近いという。回収分はあるにせよ、自分を信頼して預けてくれた投資家に対しては、申し訳なさがつのったハズだ。 自殺の原因は、余人の知るところではないし、人柄や性格などから「自殺なんてありえない」と、他殺を示唆する知人もいる。ただ、瀧本氏が証券監視委と警視庁が捜査するテラ・セネ事件、特捜案件となったテクノ事件に、ともに関与したことで、「融資したという意味では被害者ではあるが、事件に関与したという意味では被疑者にもなる」という微妙な立場に置かれたし、事実、捜査当局の事情聴取は受けていた。 金融界の革命児が、自ら打ち立てたビジネスモデルの終焉とともに迎えた死――。さまざまな憶測が生まれるのも仕方がないことなのかも知れない』、「JCサービスは、関連会社が細野豪志元環境相に5000万円を提供するなど『政治銘柄』」、「細野」は二階派に所属してはいるが、鳴りを潜めているようだ。「瀧本氏」は、「融資したという意味では被害者ではあるが、事件に関与したという意味では被疑者にもなる」という微妙な立場に置かれたし、事実、捜査当局の事情聴取は受けていた。微妙な立場だったようだ。

第三に、6月13日付け日刊ゲンダイ「ソーシャルレンディングは消えるのか?業界最大手も廃業」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/290467
・『太陽光発電関連会社「テクノシステム」に司直の手が伸びたことで、ソーシャルレンディング(SL)業界に激震が走っている。SLは消えてなくなるのか。 テクノ社事件にからみ、業界最大手のSBIソーシャルレンディング(SBISL=宮地直紀社長)は8日、金融庁から1カ月の金融商品取引停止処分を受けた。親会社のSBIホールディングス(SBIHD=北尾吉孝社長)は先月末、SBISLの廃業と事業からの撤退を発表した。 SLとは、業者がネットに開示したファンド(案件)の情報をもとに、投資家が資金拠出して配当を得るクラウドファンディングの一種。投資家にとっては、銀行より利回りのいい分配償還を受けられる低金利時代の運用先。資金調達を求める企業は、金融機関から十分な融資を受けられないような案件について、高金利だが融資を受けられる』、なるほど。
・『しかし、SLを使ったファンド運営にはズサンさが目立っている。2017年にみんなのクレジット(ファンドは17億円規模)、18年にはmaneoマーケット(同103億円規模)が、投資家に提示した資金使途と異なる使用が指摘されて行政処分を受けている。 SBISLがテクノ社に資金調達するためのファンドを組み、個人投資家らから150億円もの資金を集めていたケースでも、同じ問題が明らかになっている。 テクノ社は負債総額150億円を抱えて5月に倒産。生田尚之社長ら幹部3人は、東京地検特捜部に別の融資詐欺容疑で逮捕。SBIHDは今回例外的に、投資家への損失補填を発表している。 SLの取材を続けてきたフリーライターの村上力氏はこう話す。 「テクノ社は上場準備をしていて、SBIHDグループのSBI証券が主幹事契約を締結していましたし、SBISLはテクノ社にファンド運用で出た損失を肩代わりさせていました。両者は癒着関係にある。SBIHDが投資家への損失補填に踏み切ったのも、会社としての責任を認めざるを得なかったからでしょう。一方でテクノ社は30に及ぶ地銀や信金から120億円以上の融資を受けていますが、こちらは貸し倒れるのではないか。テクノ社の不正や粉飾決算を見抜けなかった地銀や信金の審査能力や責任が問われます」』、「SBIHDグループのSBI証券が主幹事契約を締結していましたし、SBISLはテクノ社にファンド運用で出た損失を肩代わりさせていました。両者は癒着関係にある。SBIHDが投資家への損失補填に踏み切ったのも、会社としての責任を認めざるを得なかったからでしょう」、損失補填という異例の措置に踏み切った背景が理解できた。
・『トラブル続きのSLは今後どうなるのか。 「リスクマネーを投じたい投資家はいるし、高利でも融資を受けたい企業もいるため、SLに意味はあります。しかし、現行の規制では融資先の情報開示が極めて限定的なため、投資家はぼやっとした情報で投資判断をせざるを得ない。融資先情報の開示規制をどうするかは、今後の主要な検討課題となるでしょう」(前出の村上氏) 金融行政はこの難問に有効策を打ち出せるか』、金融庁のお手並み拝見だ。
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