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今日は更新を休むので、明日にご期待を!

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シェアリングエコノミー(その4)(元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟 プレーヤーはまだ増える」 元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟、プレーヤーはまだ増える」、個人請負無法地帯:労災保険料は配達員が「全額自己負担」の是非 ウーバーイーツ「急拡大」で問われる企業責任、ウーバーイーツの「徒歩配達」が日本社会を激変させる、その「意外なメカニズム」 ITの本領が発揮される) [生活]

シェアリングエコノミーについては、5月6日に取上げた。今日は、(その4)(元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟 プレーヤーはまだ増える」 元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟、プレーヤーはまだ増える」、個人請負無法地帯:労災保険料は配達員が「全額自己負担」の是非 ウーバーイーツ「急拡大」で問われる企業責任、ウーバーイーツの「徒歩配達」が日本社会を激変させる、その「意外なメカニズム」 ITの本領が発揮される)である。

先ずは、7月20日付け東洋経済オンライン「元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟、プレーヤーはまだ増える」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/441745
・『コロナ禍で巣ごもりが長期化する中、好況に沸くフードデリバリー業界。市場調査会社のエヌピーディー・ジャパンの調べでは、2020年の外食デリバリーの市場規模は6264億円と、前年比50%増にまで急拡大を遂げた。 成長する日本市場を狙い、2020年以降は多くの海外プレーヤーが参入。「Uber Eats」や「出前館」といった先行プレーヤーとの競争は熾烈化し、各社こぞってクーポンのバラマキを行うなど、終わりなき過当競争を繰り広げているようにも映る。 フードデリバリーの乱戦は今後どんな展開を見せるのか。2020年11月に出前館の会長職を辞し、2021年4月にはM&A仲介大手の「日本M&Aセンター」の専務執行役員に就任した、中村利江氏に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは中村氏の回答)。 【2021年7月21日9時27分追記】初出時の表記に一部誤りがありました。お詫びの上、表記のように修正いたします。 Q:約20年間携わってきた、出前館の経営の第一線から昨年退きました。 A:同じ人が長いこと(経営を)やり続けるといろいろなしがらみができてしまうので、5年くらい前から後任を探す必要があると考えていた。 海外の投資家への説明に回っていたときから、(今年6月に上陸した)アメリカのDoorDashなど海外の黒船が必ず日本に進出してくると確信し、資金と組織力を整えてしっかりと戦う準備をする必要があると思っていた。そこで、(2020年3月に)LINEグループに入ることを決めた。こうした準備が整ってきたので、新体制に事業を執行してもらうのがよいと考えた』、中村利江氏の略歴は3頁目にある通り、1988年に関西大学文学部を卒業。リクルートなどを経て、出前館の代表取締役社長や同会長などを歴任。2021年4月、日本M&Aセンターの専務執行役員就任。「リクルート」出身のやり手のようだ。
・『フードデリバリー市場はまだ拡大する  フードデリバリーは体力勝負になっている。各社ふんだんに体力があるわけではないので、資金が続く範囲の中でやっていかざるをえない。 Uber Eatsも海外ではうまくいっていないことが多く、インドなどでは撤退するケースも出ている。(KDDIによるmenuへの出資など)国内の通信事業者が宅配事業者へ出資する事例も出ており、日本で今後もM&Aが起こる可能性はある。 Q:日本のフードデリバリー市場におけるプレーヤーは増え続けています。過当競争に陥っているのではないでしょうか。 A:「どうしてそこまで過激な奪い合いをしているのか」と思われるだろうが、日本は配達件数自体がまだ少なく、潜在的な市場規模は大きい。市場が広がらないのに戦っていたら愚かだが、アイテムや対応店舗数が増え、デリバリーのハードルが下がれば、市場のパイはさらに拡大するはずだ。 Q:配達手数料などがかかるデリバリーサービスを活用するのは、利益率の低い飲食店だと難しいという声もあります。 A:それはやり方次第だ。 例えば吉野家の場合、(出前館導入当初)店舗では380円の牛丼(並)をデリバリーだと570円で売っていた。その差額には「注文者のもとに料理を持って行く付加価値」が含まれている。 導入前は、店舗で働く従業員から「そんな高い値段では売れない」という声もあったようだが、吉野家の店舗に入りづらいという女性客や、外出できない子育て世帯を取り込むことができた。結果としてはよく売れたし、店内飲食よりも利益が出た』、中村氏は「日本M&Aセンター」に移ったとはいえ、「フードデリバリー市場」に身を置いている以上、前向きな姿勢は続けているようだ。
・『日本は未成熟でおいしい市場  配達件数を増やせば効率も良くなり、コストを抑えられるということは、グローバルですでに実証されている。日本だと1時間あたりの配達件数は2件程度で、まだまだ配達件数が足りない。中国では1時間に5件以上の配達ができており、配達料も(1件当たり)100円程度に抑えられている。 海外で実績を持つ黒船企業からすれば、未成熟な日本はおいしい市場だ。中国の大手プレーヤーもまだ日本には進出していないし、今後さらにプレーヤーが増える可能性だってある。 Q:とはいえ、プレーヤーが増える中で各社がクーポンのバラマキやCMの乱発にコストを多くかけている現状は、消耗戦となっているようにも見えます。 A:そんなことはない。確かに足元では1位、2位を取るためのプレーヤー間の競争が激しくなっている。ただ、おそらく数年ほど経てば、デリバリー市場のトップ2が確定し、競争も落ち着くはずだ。 出前館やUber Eatsもまだ、先行者メリットを享受する段階にはない。出前館の加盟店数は7.4万店(2021年5月末時点)だが、地方の消費者が利用するには10万店を超えないといけない。 外食業界は、グローバルで競争してきた製造業などとは対照的に、ガラパゴス的な成長をしてきた。海外の飲食店はコロナ前から、イートイン、デリバリー、テイクアウトの3本柱で収益を上げるのが普通だったが、日本は違う。おいしさやおもてなしへのこだわりが強いがゆえに、イートイン一辺倒だった』、確かにかつての「イートイン一辺倒」は「ガラパゴス」そのものだった。
・『コロナで飲食店数は正常な状態になる  かつて出前館を飲食店に提案した時も、「店を離れる間の数十分間で食品が劣化するのではないか」などの抵抗があり、思った以上に導入までのハードルが高かった。それがコロナ禍で変わった。20年かけてじわじわと広げてきたものが、たった数カ月でガッと広がった。 店内飲食主体の飲食店が苦戦しているの対し、従来テイクアウトやデリバリーに力を入れていたマクドナルドやケンタッキーはコロナ禍でも増収増益を続けている。イートイン一本足打法ではダメだというのは結果が示している。 Q:コロナ禍を経て、日本の外食業界はどう変わるとお考えですか。 A:コロナ前から日本の飲食店の数は多く、飽和状態にあった。日本の飲食店の適正店舗数は40~50万店程度だと思うが、今は約60万店もある。コロナという厳しい状況下で再編は進まざるをえないだろう。 飲食店の数が多いと、価格競争になり低価格化が進む傾向にある。それは消費者にとってよいことかもしれないが、事業者からすれば儲からない商売ともいえる。飽和状態にある飲食店数がコロナを機に正常な状態になることで、適正な利益を上げられるようになるのではないか。 【情報提供のお願い】東洋経済では、フードデリバリー業界が抱える課題を継続的に取り上げています。こちらのフォームでは配達員や飲食店関係者などからの情報提供をお待ちしております』、「テイクアウトやデリバリーに力を入れていたマクドナルドやケンタッキーはコロナ禍でも増収増益を続けている。イートイン一本足打法ではダメだというのは結果が示している」、その通りだ。「飽和状態にある飲食店数がコロナを機に正常な状態になることで、適正な利益を上げられるようになるのではないか」、これは希望的観測色が強そうだ。

次に、7月27日付け東洋経済Plusが掲載した「個人請負無法地帯:労災保険料は配達員が「全額自己負担」の是非 ウーバーイーツ「急拡大」で問われる企業責任」を紹介しよう。
・『柔軟な働き方の代表例である個人請負。無権利状態であるがゆえに予期せぬ事態に直面する人たちがいる。 コロナ禍での外出自粛に伴う、デリバリー需要の増加を追い風に、ウーバーイーツの急拡大が続いている。2016年に東京でサービスを開始してから、すでに40都道府県でサービスを提供(7月20日時点)しているが、そのうち23道県は昨年に初進出した。 2021年5月には国内におけるウーバーイーツの加盟店が10万店を突破しており、競合である出前館(同時期の加盟店数は7.4万店)を大きく突き放している。グローバルにおけるウーバーのフードデリバリー事業の売上高は約39億ドル(約4300億円)と、前期比でおよそ2.8倍増となった。 こうしたウーバーイーツの急速なサービスエリア拡大を支えているのが、個人請負である配達員だ。自分の自転車やバイクを使って、好きなときにアプリを立ち上げて好きなように働ける自由さが、配達員から支持されている。北海道で配達する20代男性は「アルバイトだと拘束されているように感じてしまい面倒。独立した個人事業主として自由に働けるのはうれしい」と話す』、事故や病気で働けなくなると、一転、地獄に変わる。
・『活況の一方で配達員の身入りが減る  個人事業主として業務委託契約を結べば、時間や場所を制約されず、自らの裁量で仕事ができる。だが、身分は自営業者なので、労働基準法などの労働法規がいっさい適用されない。最低賃金保障はなく、職を失っても雇用保険が使えないなど、無権利状態にある(詳しくは「あらゆる業種に広がる“無権利状態”の個人請負」)。 ウーバーイーツがサービスを拡大する中、配達員からは報酬に対する不満の声が上がっている。首都圏で配達員をする30代男性は「ウーバーイーツの報酬は緩やかに下降線を描いている」と指摘する。 背景にあるのはウーバーイーツが行った報酬体系の変更だ。 従来の基本報酬は、飲食店から料理を受け取ったときに得られる「受取料金」、注文者に料理を受け渡すときに得られる「受渡料金」、飲食店から配達先までの距離に応じて得られる「距離料金」という3つの合計からサービス手数料を差し引いたものだった。そこにエリアの繁忙状況や配達回数に応じた追加報酬(インセンティブ)が加算され、配達員に報酬が支払われていた。 だが、2021年5月から算定基準が撤廃され、繁忙度合いなどに合わせてウーバーイーツ側で金額を変動させる報酬体系が導入された。 前述の30代の男性配達員は「基準がなくなったことで、報酬体系がブラックボックス化してしまった。一方的に報酬が決められてしまうため、会社側が守ってくれる“最低基準”がわからない。今の報酬水準もいつまで続くのか不安だ」と打ち明ける。 冒頭の北海道の配達員も「今年6月に札幌で働いたときには、2.5㎞の距離を27分かけて配達しても報酬はたった300円。その日は3回連続で300円の案件に当たったが、これではとても割にあわない」とこぼす。2021年4月まで適用されていた料金体系であれば報酬額は486円(受取料金、受渡料金、距離料金の合計からサービス手数料を引いたもの)になるはずだが、それが4割近く減少していることになる。 業界団体である日本フードデリバリーサービス協会からの要望を受け、2021年9月から、厚生労働省は労災保険の特別加入の対象に、ウーバーイーツの配達員のような、自転車で配達する個人事業主を加えることを決めた。 特別加入制度では、個人事業主が事前に3500円から2万5000円の範囲内で「給付基礎日額」(平均賃金相当額)を設定し、これに保険料率を適用することで保険料が決まる。自転車や自動車を使った貨物運送事業の保険料率は1.2%であり、仮に日額を1万円とすると年間保険料は4万3800円になる。 正社員に限らず契約社員やパート社員など「労働者」であれば、労災保険料は会社側が負担する。だが個人事業主の場合、保険料は全額自己負担となる。 実際の報酬が少ないと保険料負担も重くなってしまう。都内でウーバーイーツの配達員として働く40代男性は「朝7時から夜22時か23時まで働いても、その日の収入が1万2000円程度あれば御の字という状況だが、これで保険料を自己負担してまで特別加入の労災に入るかは正直わからない」と打ち明ける。 労働問題に詳しい東京法律事務所の菅俊治弁護士は、「(保険による)配達員保護だけでなく、事業者間の公正な競争のためにも、プラットフォーマーを例外扱いするのではなく、一般の事業者と等しい規制を課す(会社が労災保険料を支払う)必要がある」と指摘する』、「事業者間の公正な競争のためにも、プラットフォーマーを例外扱いするのではなく、一般の事業者と等しい規制を課す・・・必要がある」、その通りだ。
・『事故の危険に直面する配達員たち  自転車での配達は事故に遭う危険とつねに隣り合わせだ。警察庁によれば、都内の交通事故における自転車関与率は40.6%(2020年実績)であり、年々その割合は高まっている。 配達員たちの労働組合「ウーバーイーツユニオン」が2020年1月から3月にかけて行った調査によれば、事故に遭った配達員の過半数は自転車を利用しており、事故の種類としては他の車両との衝突事故が最も多かったという。中には、自動車に衝突されたことで全治3カ月の被害に遭い、1カ月間の休業を余儀なくされた配達員もいる。 ウーバーイーツユニオンの代理人を務める川上資人弁護士は「企業が労働力を利用して利益上げるなら、その活動に伴って生じる危険には企業が負担を負うべきだ、というのが労災保険制度の趣旨だ。配達員を利用して利益を上げているウーバーイーツが、(労災保険の保険料を)配達員に自己負担させるのはおかしい」と指摘する。 また、労働問題に詳しい専門家からは、配達員は労働基準法などの労働法規が適用される労働者に当たるのではないかとの見方も出ている。 前出の菅弁護士は、「配達員に支払う配達料金を決めたり、需給を左右したりしているのはウーバーイーツだ。実際の契約実態をみて判断するならば、ウーバーイーツが運送主にあたり配達員たちは労働基準法が適用される労働者だと認められる可能性は十分にある」と話す』、法的位置づけを明確化する必要がある。
・『海外では規制強化が相次ぐ  すでに海外ではウーバーグループで働く人々を「労働者」と認定する動きが出ている。 2020年3月、最高裁判所に相当するフランスの破毀院は、配車サービスのウーバーのドライバーを従業員として認める判決を出した。2021年3月にはイギリスの最高裁でも同様の判断が示されている。最高裁判決が出された後、イギリスのウーバーは最低賃金や有給休暇などをドライバーに対して保証することを発表している。 法政大学法学部の浜村彰教授(労働法)は「デリバリー事業を遂行するうえで配達員は不可欠な労働力であり、なおかつ配達業務の対価として支払われる報酬はウーバーイーツが決めている。これらを踏まえると、配達員は少なくとも労働組合法における労働者とは認定されるはずだ」と指摘する。 同法で労働者性が認められれば、配達員たちの労組は報酬体系の透明性や契約内容の変更をめぐり、ウーバーイーツと団体交渉することが可能になる。ウーバーイーツは過去にユニオンが申し込んだ団体交渉を拒否している。 「自由な働き方を求めるがゆえに、労働時間の規制を望まないが、労災補償や最低賃金保障は必要とすると配達員もいる。労働基準法等の適用範囲については、そうした立場も考慮しながら柔軟に議論を重ねるのがよいだろう」(浜村教授) 個人請負という形で配達員を集め、サービス拡大を続けるウーバーイーツ。成長を目指すだけであればそれが手っ取り早いかもしれないが、企業としての社会的責任を果たさなければならない局面にさしかかっている』、「フランス」や「イギリス」の「最高裁」が「ウーバーのドライバーを従業員として認める判決を出した」、「イギリスのウーバーは最低賃金や有給休暇などをドライバーに対して保証することを発表」、やはり「日本」も早期に、法的位置づけを明確化する必要がある。

第三に、6月30日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「ウーバーイーツの「徒歩配達」が日本社会を激変させる、その「意外なメカニズム」 ITの本領が発揮される」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84642?imp=0
・『料理宅配大手のウーバーイーツが、日本国内でも徒歩による配達を開始すると発表した。ネットでは「意味不明」といった反応が多いのだが、シェアリング・エコノミーが持つ本質を考えた場合、徒歩配達が拡大する可能性は極めて高く、むしろ徒歩配達が最大のパフォーマンスを発揮する可能性すらある。さらに言えば、長いスパンで見た場合、人口の都市部への集約を加速させる作用すらもたらすかもしれない』、「ウーバーイーツが、日本国内でも徒歩による配達を開始」、「徒歩配達が拡大する可能性は極めて高く、むしろ徒歩配達が最大のパフォーマンスを発揮する可能性すらある」、なるほど。
・『すでに諸外国では徒歩配達が始まっている  これまでウーバーイーツの配達員は主に自転車を使って料理を配送していた。一部の配達員はバイクを使っているが、自転車やバイクで配達するには、事前にウーバーへの車両登録が必要だった。2021年6月21日からは、登録用アプリで徒歩での配達に切り換えることが可能となり、今後、新たに加入する配達員は徒歩のみでも配達が始められる。 自転車による配達の場合、駐輪する手間がかかるほか、階段や細い路地がある場所は通れないため、場所によっては徒歩の方が効率的になるケースがある。すでにニューヨークや香港など海外の大都市では徒歩による配達が導入されている。 このニュースに対してネットなどでは「意味不明」「近距離の注文など仕事として成立しない」など否定的な意見が目立っている。確かに現時点では徒歩圏内だけで配達員が十分に稼げる地域は限定的であり、あくまでお試しの措置であることは明らかである。 だがウーバーに代表されるシェアリング・エコノミーの本質を考えた場合、徒歩による配送というのはもっともポテンシャルが高い手法であり、長いスパンでは、これが驚異的な成果をもたらす可能性がある。 以下では徒歩配達と高度IT化社会の本質について議論していくので、半年や1年といった近いタームでの予想や、ウーバーのようなシェアリング企業に対する好き嫌いといった議論を望む方は本稿を読んでいただく必要はない。ITを駆使した徒歩配達が、中長期的に産業構造をどう変えるのかに興味のある方だけが読んでいただければよい。 一般的にITが普及すると、場所が離れていてもコミュニケーションが取れるので経済圏が広域化すると考える人も多い。実際、コロナ危機でテレワークが普及したことから、郊外の家に転居を希望する人が増えているという。ITツールを使えば、遠隔でコミュニケーションができるので、確かにIT化が進めば場所の制約は少なくなる。 だが、これは通信環境の改善というIT化がもたらした現象の一面を見ているに過ぎない。確かにITと通信は切っても切れない関係にあるが、通信というのは長距離通信だけを意味するわけではない。 社会のIT化が高度に進むと、世の中に存在するあらゆるモノが相互に通信し、情報を共有することで、オペレーションを最適化することが可能となる。実は、相互通信環境の確立によるオペレーションの最適化というのは、ITがもたらすパワーの中でもっとも破壊的な影響力があり、それは都市部や工場など人や設備が集約化されている場所でこそ威力を発揮する』、「自転車による配達の場合、駐輪する手間がかかるほか、階段や細い路地がある場所は通れないため、場所によっては徒歩の方が効率的になるケースがある。すでにニューヨークや香港など海外の大都市では徒歩による配達が導入されている」、確かに大都市では「徒歩」の方が効率が良さそうだ。「徒歩配達と高度IT化社会の本質について議論していくので、半年や1年といった近いタームでの予想や、ウーバーのようなシェアリング企業に対する好き嫌いといった議論を望む方は本稿を読んでいただく必要はない。ITを駆使した徒歩配達が、中長期的に産業構造をどう変えるのかに興味のある方だけが読んでいただければよい」、どちらかといえば、理論的な「思考実験」のようなものらしい。
・『配達員を「面」で配置すると…  今回はあくまでウーバーイーツ単独の話だが、今後、こうしたシェアリングの仕組みを使った配達業務が一般化すれば、アマゾンのようなネット通販とウーバーのような料理の宅配、ヤマトや佐川急便といった一般的な宅配サービスの垣根は限りなく低くなる。 ある地域に一定数以上の徒歩の配達員が存在しており、かつ、すべての情報が共有され、AIが最適な配送パターンを導き出せる環境にあれば、地域内で配達されるすべてのモノについて、究極的なレベルまで最適化が可能となる。 具体的に言えば、A配達員には、1丁目のある地点でウーバーの料理を受け取り、100メートル先の家に届け、その直後に、裏のマンションから宅配の集荷を行って、すぐ先の信号でB配達員にその荷物を渡す。同時に、A配達員はB配達員から今度は別の家に配達する荷物を受け取るといったオペレーションが可能になる。ある荷物は、4~5人の配達員の連続的な手渡しで顧客の家に配送されることもあるし、ある時は1人の配達員がずっとその荷物を持って家まで届けることもあるだろう。 どの配達員がどこにいて、どのような荷物が来ているのかという情報をAIが同時処理することで最適なオペレーションが決まる。 従来のモノの配送はウーバーならウーバーの配達員が、注文があるたびに店から顧客へと移動していた。同じ時刻には、別の事業者の配達員が、荷物を持って顧客の家に向かっている。さらに言えば、郵便局の配達員も同じように目的の家を目指して動いている。つまり従来の配送というのは、事業者ごとに多対多の関係があり、全体としてみれば効率の悪い運用になっている。 ところが徒歩配送のインフラが整い、域内で運ばれる荷物をすべての配達員に最適配分できれば、圧倒的に高い効率でモノを運べる可能性がある。しかも、この仕組みは面での対応ということになるので、機能の一部だけを提供する人でも、条件によっては仕事になり得る。 例えば健康上の都合から、マンションの敷地内だけに限定して配達したいという人がいれば、それも可能だろう。当該マンションへの配達があれば、すべてがその配達員に手渡しされることになるので、仮に1回の配送料が安くても、マンション内限定の配達員にとっては貴重な収入源となり得る。 一方で拠点が広域に分散している社会では、「面」での対応ができないため、従来と同様、点と点の個別対応にならざるを得ない』、「従来の配送というのは、事業者ごとに多対多の関係があり、全体としてみれば効率の悪い運用になっている。 ところが徒歩配送のインフラが整い、域内で運ばれる荷物をすべての配達員に最適配分できれば、圧倒的に高い効率でモノを運べる可能性がある」、独占などの問題を度外視すれば、その通りだ。
・『シェアリング・エコノミーが都市国家の出現を促す  一連の思考実験から、ITツールを駆使した高度なシェアリング社会というのは、広域経済ではなく、地域集約経済においてこそ、その本領を発揮することが分かる。つまり、社会のIT化には都市部への集約を促す作用があり、長期的には人口動態にも影響を及ぼす可能性が否定できないのだ。 社会が都市型経済にシフトしているというのは、実は東南アジアではかなり顕著な現象となっている。 東南アジアでは、配車アプリや料理の宅配が驚異的なレベルで発達しており、ある面では日本よりもはるか先を行っている。だが東南アジア各国の1人あたりのGDPは、もっとも豊かな部類に入るタイでも7815ドルと日本よりもずっと低い。 日本と比べて貧しいアジア各国において、なぜ日本を超える高度なITサービスが発達しているのだろうか。その理由は、アジア各国では都市部の成長が著しく、アジアの大都市はもはや都市国家に近い様相を呈しているからである。 アジアの主要都市における賃金はすでに先進国並みとなっており、日本との決定的な差は消滅している。しかも都市の規模が大きいことから、対外的にも圧倒的な経済力を発揮しつつある。 インドネシア・ジャカルタの都市圏人口は3000万人を超えているし、フィリピン・マニラの都市圏人口は2300万人、タイのバンコクも1500万人となっている。東京圏に匹敵する都市がアジアの各地に林立しているという状況であり、今後も人口増加が予想されていることから、これらの都市圏はさらに巨大化・高密度化していく可能性が高い。高度集約社会とITサービスの相性は高く、これがアジア地域でのITサービスの驚異的な発達につながっている。 ITサービスが高度に集約化された都市において本領を発揮する可能性が高く、しかも今後の成長エンジンがITサービスなのだとすると、高度なサービスを求めて都市部への人口集約が加速するとの仮説が成立することになる。 現時点ではコロナ危機の影響で、拠点分散がクローズアップされているが、イノベーションの本質が示している方向性はむしろ逆なのかもしれない。人口動態は様々な要因で変化するので、今後、具体的にどう推移するのか簡単に結論付けることはできない。説明するまでもないことだが、配達に従事する人たち(いわゆるギグワーカー)の権利保護を社会としてしっかり確立しなければ、下手をすると現代の奴隷制に転落する可能性もある。 だが、徒歩圏を中心としたシェアリング経済は極めて大きな富を生み出す可能性があり、どうすれば消費者や労働者の豊かな生活につなげられるのかもっと積極的な議論が必要だ。少なくとも高度IT化社会(あるいは高度シェアリング経済)というのは、「集約化」された経済圏が「面」の形で整備された時に、突出したパワーを発揮するという特徴について、頭の中に入れておいた方がよいだろう』、「東南アジアでは、配車アプリや料理の宅配が驚異的なレベルで発達しており、ある面では日本よりもはるか先を行っている」、「アジアの主要都市における賃金はすでに先進国並みとなっており、日本との決定的な差は消滅している。しかも都市の規模が大きいことから、対外的にも圧倒的な経済力を発揮しつつある」、「高度IT化社会(あるいは高度シェアリング経済)というのは、「集約化」された経済圏が「面」の形で整備された時に、突出したパワーを発揮するという特徴について、頭の中に入れておいた方がよいだろう」、「高度IT化社会」の発展は確かに大きなポテンシャルを持っているようだ。
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働き方改革(その33)(新時代の雇用制度 理想はジョブ型とメンバーシップ型の「ハイブリッド」だ、個人請負無法地帯シリーズ(働き方改革の「抜け道」になるおそれ あらゆる業種に広がる「無権利状態」、契約書はなく不明朗な天引きが横行 キャバクラ、知られざる「労働搾取」) [経済政策]

働き方改革については、4月29日に取上げた。今日は、(その33)(新時代の雇用制度 理想はジョブ型とメンバーシップ型の「ハイブリッド」だ、個人請負無法地帯シリーズ(働き方改革の「抜け道」になるおそれ あらゆる業種に広がる「無権利状態」、契約書はなく不明朗な天引きが横行 キャバクラ、知られざる「労働搾取」)である。

先ずは、5月20日付けダイヤモンド・オンライン「新時代の雇用制度、理想はジョブ型とメンバーシップ型の「ハイブリッド」だ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/270970
・『ジョブ型とメンバーシップ型、どちらが自社に合っているのか――。メンバーシップ型の雇用制度の下で育ってきた経営者や人事責任者の中には、ジョブ型雇用の導入をポジティブに受け入れられない人もいることだろう。しかし、実のところ、欧米企業を含めた優れた企業は、ジョブ型とメンバーシップ型の良い部分を上手に取り入れ、「ハイブリッド型」の雇用制度を実現しているという』、興味深そうだ。
・『メンバーシップ型とジョブ型 優れた企業は「ハイブリッド型」  リモートワークが急増したこの1年で、職務内容などを明確に定義して人材を採用する「ジョブ型雇用」への関心が集まった。そして、これまで多くの日本企業が導入してきた新卒一括採用をベースにした年功序列の「メンバーシップ型雇用」を見直す機運が高まっている。 この議論が行われる際には、「メンバーシップ型とジョブ型、どちらがいいのか」といった二元論で語られることが多い。 それに対し、リクルートマネジメントソリューションズの研究・開発部門である組織行動研究所の古野庸一所長は、「そもそもメンバーシップ型とジョブ型は相反するものではなく、良い会社はどちらの要素も含んでいる」と語る。つまり、優れた企業は、メンバーシップ型とジョブ型の「ハイブリッド」なのだという。 ではハイブリッド型とは、具体的にどのようなものなのか。それを説明する前に、メンバーシップ型とジョブ型のそれぞれの弊害について、改めて確認しておこう。 ▽メンバーシップ型「4つの弊害」とジョブ型「5つの弊害」(昨今、日本企業でジョブ型への注目が集まる要因としては、ジョブ型が基本である欧米企業などとの整合性、AIやロボットなど専門人材獲得の必要性、多様な価値観・働き方の浸透、自律的なキャリア形成の必要性などが挙げられる。) さらに、メンバーシップ型の弊害が今の日本企業の競争力を低下させている点も、ジョブ型への関心を高めている理由だろう。メンバーシップ型の弊害として、古野所長は以下の4点を挙げる。 1.内集団バイアス……自分たちは優秀だ、よそものを評価しないという意識 2.集団的浅慮……異議が唱えにくい、オープンイノベーションが進まない 3.多様性への不寛容……中途採用者をよそもの扱い 4.フリーライドの許容…働かない人も高い給料、温情人事 これらの弊害に、思い当たる節のある読者も少なくないはずだ。それならジョブ型を導入すれば問題がすべて解決するのかといえば、「ジョブ型にも弊害はある」と古野所長は語る。以下に挙げる5つの点で、弊害の起こる可能性があるという。 1.協働……多くの仕事は一人で完結しない。チームビルディングを意識すべき 2.組織市民行動……仕事と仕事の間、組織と組織の間にある仕事を拾う人がいなくなる 3.カルチャーフィット……経験やスキルからジョブを担えても、仕事に向かうスタンスや仕事の仕方が合わないというケースも 4.適職……自分が向いている仕事を自分で理解していることが前提になるが、若手を中心に実際はやってみないとわからない場合も多く、機会を喪失する可能性も 5.育成……まったく新しい環境に適応する過程で人は成長するが、ジョブ型だと異動させにくいので育成の可能性をはばむことも』、「メンバーシップ型の弊害」、特に「1.内集団バイアス」、「2.集団的浅慮」は伝統的大企業に顕著だ。「ジョブ型」の「弊害」のうち、「1.協働」、「2.組織市民行動」、「4.適職」なども大いにありそうだ。 
・『欧米優良企業、日本の優良IT企業はすでに「ジョブ型+メンバーシップ型」  古野所長によると、社会心理学の観点から見ても「人はそもそもメンバーシップ型」なのだという。 「人は意識していないかもしれないが、愛国心や愛校心などを持っており、どこに属しているかが自分のアイデンティティを形成しているともいえる。また、幸福学においては、社会的なつながりや意味のある大きな組織への貢献が幸福の条件になっている」(古野所長) そうした人間心理を鑑みて、ジョブ型を基本としている欧米企業でも、メンバーシップ型では前提条件ともいえる「カルチャーフィット」を重視する動きが進んでいる。 例えば、セールスフォース・ドットコムでは、お互いを家族のように大切にする「Ohana(ハワイ語で家族)」というカルチャーがあり、これにフィットするかどうかを重視して採用活動を行っている。また、グーグルでは選考時に、あいまいで不明瞭な環境を楽しみつつ、解決方法を見つけられる自主性を持つ「グーグルらしさ(グーグリネス)」があるかどうかを重視しているという。 このように欧米の優良企業も、選考時から候補者の自社へのカルチャーフィットも大事にすることで、安心して働けるコミュニティを形成しようとしているわけだ。 そして実は日本でも、大手ITベンチャー企業を中心に、すでに同様の体制が整えられている企業が出てきているという。 「日本の優良ITベンチャーは、すでにジョブ型での採用と運用を行っていると同時に、メンバーシップ型でもある。こうした企業に、(ジョブ型とメンバーシップ型の)どちらがいいかという疑問を投げかけること自体、ナンセンスだろう」(古野所長)』、原始時代の集団生活を考えても、「人はそもそもメンバーシップ型」なのだろう。
・『メンバーシップ型の弊害がなければジョブ型導入の必要はない  「日本の大企業の人事担当者から、当社でもジョブ型を導入したほうがいいか?』などと尋ねられることがあるが、そもそも何が問題になっているのか、問い直すことが多い。例えば、年功序列型の人事で、働いていないのに高い給料をもらっている人がいる。つまり、先ほど挙げた、メンバーシップ型のフリーライド(温情人事)の問題だ。高い給料に見合った仕事を提供できれば、制度を変えなくても問題は解決できる。それでもうまくいかなければ、仕事に見合った報酬を提供できるような人事制度に改定すればいい。新たにジョブ型ということを持ち出す必要はない。 変化が著しい現代において、理想は個人がプロフェッショナルとして働きながらも、メンバーが協働すること。これからの時代に、メンバーがやりがいを持って仕事に没頭し、効果的に協働するためには、ジョブ型・メンバーシップ型のどちらも必要だ」(古野所長) プロスポーツ選手は、それぞれがプロとして役割を全うしながらも、チームのために協働することが求められている。これからのビジネスパーソンは同じような意識を持つことが重要であり、企業側には自社に合った形で、メンバーシップ型とジョブ型のちょうどいいハイブリッド型を模索することが求められている』、「企業側には自社に合った形で、メンバーシップ型とジョブ型のちょうどいいハイブリッド型を模索することが求められている」、企業によって、「メンバーシップ型とジョブ型」の比重は違ってくるのだろう。

次に、5月27日付け東洋経済Plusが掲載した個人請負無法地帯シリーズの第一回「働き方改革の「抜け道」になるおそれ あらゆる業種に広がる「無権利状態」」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27648
・『柔軟な働き方の代表例である個人請負。無権利状態であるがゆえに予期せぬ事態に追い込まれる人たちがいる。 「月収45万円の求人チラシにひかれて働き始めたが、実際は月20万円を超えたことは一度もなかった」。個人請負の宅配ドライバーとして働いていた男性はそう振り返る。採用後に押印した契約書が、雇用契約書ではなく「業務委託確認書」だったことで、ガソリン代や自動車保険料など維持管理費はすべて自己負担を余儀なくされたためだ。 朝7時から夜10時まで働くような激務の末、胃潰瘍で倒れ離職を余儀なくされた。労災や失業保険給付がないどころか、逆に会社側から残る自動車購入代金の支払いを求められる羽目に陥った。「個人請負だとここまで守られないとは知らなかった」と男性は悔やむ』、「個人請負」だと健康が絶対条件になる。
・『労働法規がいっさい適用されない  フリーランス、個人事業主などと呼ばれ、請負や委託の契約による「個人請負」で働く人は、近年急増している。フリーランスの実態を調べた政府の各種調査によれば、その規模は約340万人から約470万人とされている。これは全就業者の5%~7%にあたる。 その業種は多種多様で、販売員やメンテナンス担当者、物流や建設業界などで広まっているが、最近では「ウーバーイーツ」のような、インターネットのプラットフォームを介してやり取りされる、短期単発の仕事、「ギグ・エコノミー」でも活用されている。 政府が働き方改革で掲げる「柔軟な働き方」の代表例である個人請負。一社専属で他の社員と同様に働いていることも多く契約社員などと混同されがちだが、身分は自営業者なので労働基準法など労働法規がいっさい適用されない。 あくまで委託された業務に対する報酬が支払われるため、時間外、休日、深夜労働手当などはつかない。最低賃金保障や解雇規制はなく、職を失っても失業保険が使えない。年金、健康保険は全額自己負担で国民健康保険、国民年金に加入することになる。 つまり、個人請負には守られる法律が何もない。契約・パート社員、派遣労働者といった非正社員よりも不安定な状態に置かれている。実際、無権利状態のために、予期せぬ事態に追い込まれる人たちがいる』、「個人請負には守られる法律が何もない。契約・パート社員、派遣労働者といった非正社員よりも不安定な状態に置かれている」、といった実態をよく把握したうえで、仕事に飛び込むべきだが、リスクを理解しないまま仕事に飛び込む向きも多いと思われる。
・『組合結成したら一方的に契約打ち切り  「突然、紙切れ一枚で切られた」。 長年にわたり東京都内で電気メーターの交換工事を続けてきた40代男性はそう憤る。 都内の各家庭や事業所などに設置される電気メーターの付け替えは、東京電力グループの関連企業が担ってきた。この関連企業の1社と請負契約を結び作業してきたのが男性ら個人事業主たちだ。 今春、関連企業からこの男性らに、「2021年度以降の契約対象者は法人と致します」と書かれた一枚の紙が届いた。つまり、個人事業主との契約は今後行わないということだった。 2018年に男性ら個人事業主約40人は労働組合を結成し団体交渉を申し入れたが、会社側は個人事業主は労働者ではなく団交に応じる義務はないとして、これを拒否。東京都労働委員会は2020年2月、団交拒否は不当労働行為と認め応じるように命令したものの、いまだ拒否を続けている。 そうした中、紙一枚の通知で一方的な契約の打ち切りとなった。「こんな露骨な組合いじめが許されたら、会社に何もモノを言えなくなる」(男性)』、確かに「露骨な組合いじめ」だ。
・『ハードル高い「労働基準法上の労働者性」  この間の労働契約法改正による有期雇用規制(有期雇用が5年を超えたとき、労働者の申込みで無期雇用に転換できるルール)や、働き方改革による同一労働同一賃金の導入で、非正社員の待遇改善は進んだ。しかし、個人請負のような「非雇用」がその抜け道となってしまっては、すべての取り組みが水泡に帰しかねない。 ただし、無権利状態が簡単に是認されるわけではない。裁判所や労働委員会で争われれば、当事者がどんな契約形式・合意をしていても、実態に基づいて「労働者性」があると認められれば、労働法の適用対象となる。 中でも労働組合を組織して団交を行う権利が保障される「労働組合法上の労働者性」は、経済的に従属していることなどを要件に緩やかに認められている。 2011年、2012年に最高裁判所が相次いで労組法上の労働者概念を広く捉える積極的判断を占めたことは注目を集めた。先に触れた東電グループの関連企業に団交に応じるよう東京都労働委員会が命じたのもそうした流れにある。 他方で残業代や労災補償、失業給付などの対象となる「労働基準法上の労働者性」はハードルが高い。 仕事の諾否の自由、指揮監督、拘束性の有無、報酬の労働対償性などから使用従属性の有無を総合的に判断するとされるが、内勤の正社員を典型として労働者性を判断する傾向が強く、裁判上での争いでも労働者性が認められることは少ない。 だが新型コロナウイルスの感染拡大による雇用不安に真っ先に直面しているのが、個人請負で働く人たちだ』、「労働組合法上の労働者性」は認められても、「「労働基準法上の労働者性」はハードルが高い」、「内勤の正社員を典型として労働者性を判断する傾向が強く、裁判上での争いでも労働者性が認められることは少ない」、困ったことだ。
・『フリーランスのガイドラインを策定  そうした中、政府は2020年12月末、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」案を提示し、今年4月から施行された。 ガイドライン案の「基本的な考え方」で、「フリーランスとして業務を行っていても、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上『雇用』に該当 する場合には、労働関係法令が適用される」と明記された。 こうした大原則の明記は評価すべきだが、肝心の労働基準法上の労働者性の判断基準のハードルの高さは変わらないままだ。また2021年4月から施行された改正高年齢者雇用安定法には、65歳~70歳までの就業確保措置の一つとして業務委託契約が含まれるなど、むしろ個人請負化の流れは加速する見通しが大きい。 コロナ禍で明確に浮かび上がった、労働者と同じ業務をはるかに不利な条件で担うことが多い個人請負。その待遇改善に向けて、従来以上に踏み込んだ施策の実施が望まれる』、「コロナ禍で明確に浮かび上がった、労働者と同じ業務をはるかに不利な条件で担うことが多い個人請負。その待遇改善に向けて、従来以上に踏み込んだ施策の実施が望まれる』、その通りだ。

第三に、この続きを、5月29日付け東洋経済Plusが掲載した個人請負無法地帯シリーズの第二回:「契約書はなく不明朗な天引きが横行 キャバクラ、知られざる「労働搾取」」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27646
・『本人が知らないまま「個人請負」にさせられ、予期せぬ事態に直面する人たちがいる。 キャバクラやクラブ、ガールズバーなどで酒を提供しながら、接客を行う「キャスト」と呼ばれる女性たち。他の飲食店と同様に求人広告などで募集されており、各店に雇われて働いているように見える。 だが実際は、本人が知らないまま店側に都合よく「個人請負」にさせられ、雇われていれば受けられるはずの法的な保護や補償がない状況に陥る事態が多発している。 店はキャストと契約書を交わさないことが多く、どのような雇用形態になっているかが本人にもわからないことがほとんどだ。給与明細には合計金額の記載しかないが、さまざまな名目で店から月の給料の10%以上が天引きされているケースもある。 後から不当な扱いに気がついたとしても、「夜の仕事ではこれが常識」と言いくるめられたり、「明日から来なくていいから」とその場でクビになったりもする。ほとんどの女性は黙って別の店に移るため、実態が見えづらい』、水商売では、「個人請負」のマイナス面が出易そうだ。
・『天引き、罰金は当たり前  「この業界はそういうものだとずっと思っていました」。キャバクラでの不当な労働環境について、そう話すのはAさん(30)だ。 Aさんは現在もキャストとして働きながら、同じような経験をしているキャストたちを守る「キャバ&アルバイトユニオンOWLs」を2018年に立ち上げた。キャバクラで働き始めて10年ほどになるが、これまで働いてきた店のほとんどが「普通の仕事ではありえないような天引き」を当然のように行っていたという。 例えば、過去に勤務していた店では、客が使うトイレットペーパー代やグラス代が含まれている「厚生費」、終電がなくなった後に車で帰宅する際の「送り代」、ヘアメイク代、ロッカー使用代などが、毎月の給料から引かれていた。それぞれ総支給額の5%や出勤1回につき1000円などと決まっており、加えて「所得税」という名目で総支給額の10%の金額も天引きされたという。 キャバクラやガールズバーの求人広告に書かれている時給は2000円~5000円程度が相場で、通常のアルバイトの時給よりも高い。ここに客からの指名料やドリンク代金、客と食事をしてから一緒に出勤する「同伴」などが、キャストに対する報酬として還元されるシステムを採用している。 しかし、実際には高い時給がそのまま受け取れるのではなく、前述のとおり店の備品や管理に関わる費用を、キャストの給与から差し引いているのが実態だ。都内のあるクラブの場合、求人で「時給5500円」とうたっているが、実際にはそこから税金の名目で10%分と、「共済費」などとして1回の出勤あたり1300円を差し引いている。 当日に仕事を休んだ際には「罰金」を課す店もある。別の元キャストは、「罰金は、1日あたり2万~5万程度の場合が多い。これは1日働いても稼げる額ではありません」と話した。一方、シフト制で決められた勤務時間内であっても客が来ない場合は帰される「早上げ」もある。店の指示での早上げにもかかわらず、働く予定だった分の給料は支払われない』、「店の指示での早上げにもかかわらず、働く予定だった分の給料は支払われない」、酷い話だ。
・『「委託」であって「雇用」ではない  2019年、Aさんは自身が過去に在籍していた店に対し、組合として団体交渉を行った。その際、以下の未払い賃金を返還するよう求めた。 ①店の都合による早上げ分の未払い賃金 ②22時以降の深夜帯における深夜割増賃金 ③着替え・ヘアメイクのために指示されていた30分前出勤の分の賃金 ④店が客から「同伴料」をとり、同伴接客を行った時間分の賃金 ⑤従業員から「申請はできない」と言われた未消化の有給休暇23日分 ⑥店長の指示で出勤を命じられたものの、客が入らないとの理由で出勤を取り消された休業日の賃金 ⑦1日出勤するごとに差し引かれていた厚生費、送り代、修繕費、所得税などの違法控除 店を運営する会社側は当初この要求をほとんど受け入れ、支払うことで合意した。だが期日を過ぎても、未払い分の賃金は支払われなかった。その後、会社の社長がAさん側に電話で伝えたのは「Aさんとの契約は(個人事業主への)委任であって、雇用ではない」という主張だった。 会社に雇われた労働者でなければ、労働基準法が適用されない。すると、深夜割増賃金の適用や給料からの控除の禁止を定めた法律の規定が適用されなくなる。 Aさんはこれまで、当然自分は労働者だと思っていたため、驚いた。これまで店や会社から個人請負契約であると聞かされたことは一度もなかったからだ。 会社側は「委任契約であると認めるなら解決金を支払う」とも持ちかけてきたが、未払い賃金の返還を求めた団体交渉の申し入れは拒否し続けたため、裁判で争うことになった。Aさんの担当弁護士は、会社側が突如個人請負だとしたことについて、「未払い賃金の支払いを逃れるための言い訳であることは明確だ」と語る。 訴訟では、労働者であるかどうかは契約内容ではなく、実際にどのような環境や条件で働いていたかという実態を基に判断される。担当弁護士は、Aさんの勤務実態からして十分、労働者にあたるのではないかとみている。 というのもAさんの場合、決められた日時に出勤し、接客を拒否することなどはできず、店長の指示に従って客の酒の相手をしていた。また店が指定する衣装を着用することが義務付けられたり、店長からは「あそこの席を盛り上げて」「ドリンクがまだ出てないから頑張れ」と、接客に関する指示を受けたりしており、明確に指揮監督下で働いていた。 また、基本的に時給と働いた分の時間でAさんの報酬が決まっていた。ほかの客から指名を受けたときにはインセンティブ賃金が支払われるが、報酬に占めるその割合は2割程度。これは通常の雇用契約関係におけるインセンティブとしても違和感はない。 会社側はこの間、団体交渉でのやり取りに対して「職員が話を聞いただけ」と合意を取り消したり、ある一定期間の経営を当時の店長であるX氏に委託していたために「(会社側に)その期間の支払い責任はない」といった主張を展開。裁判は現在も続いている』、「Aさんの場合、決められた日時に出勤し、接客を拒否することなどはできず、店長の指示に従って客の酒の相手をしていた。また店が指定する衣装を着用することが義務付けられたり、店長からは「あそこの席を盛り上げて」「ドリンクがまだ出てないから頑張れ」と、接客に関する指示を受けたりしており、明確に指揮監督下で働いていた」、これではどう考えても「労働者にあたる」ようだ。
・『「簡単に言えばアルバイトみたいな感じ」  実態としてはキャストを労働者として雇用しているにもかかわらず、個人請負を装って労働基準法で定められたルールを守らないキャバクラ店は、他にもあるのか。また多くのキャストが働く店を探しているネットの求人サイトの情報は、実際に働く時の条件をきちんと掲載しているのか。 記者は関東圏内のキャバクラやクラブ、ガールズバーなど複数の店舗に対して電話で話を聞いた。すべての店が、アルバイト募集サイトに求人広告が掲載され、雇用形態は「アルバイト」と表記されている。賃金は時給、労働時間はシフト制で管理されており、Aさんの労働実態とも条件が近い。 ある求人サイトの会員制クラブの広告。 取材に応じた全店舗が、「キャストは個人事業主(個人請負)である」と答えた。さらに求人広告に記載されている時給から、実際の支払いの際には何らかの名目で10%程度の控除を行っていたり、深夜の割り増し賃金が適用されていなかったりするケースも多くあった。 中には応募者は個人請負とアルバイトの違いなど知らないとみたのか、こんな回答をする店さえあった。 「キャストとして働く場合は形的には個人事業主として、お店と契約するような形になるが、まあ、簡単に言えばアルバイトみたいな感じですね」(都内のクラブ担当者)。 別のキャバクラ店に深夜割り増し賃金があるかと尋ねると、「そういうものは特にないです。それも含めて時給に入っています」と答えた。 実際は個人請負として契約するのに、求人広告でアルバイトと偽ることは、応募者を騙していることになるはずだ。Aさんによれば、「求人に載っている情報は基本信じられない。時給が高く設定しているところは、実際にはかなりの額を天引きしている」という。 では、求人広告の掲載元は、多くの店が「慣例的に」違法な労働搾取を行っていることを知らないのだろうか。 アルバイトの求人を掲載する大手の人材サービス会社に聞くと、担当者は「求職者を混乱させる書き方をしないなど、一定の規定はある」としたうえで、「広告主に取材をした内容をもとに作成しており、十数万件ある求人広告を個別に精査することは難しい」と、実質的には雇う側からの情報を鵜呑みにするしかない状況を明かした』、「実際は個人請負として契約するのに、求人広告でアルバイトと偽ることは、応募者を騙していることになるはずだ」、ここまでの違法行為が堂々と行われているとは驚かされた。
・『泣き寝入りするしかなかった  かつて高級クラブな「どでは自分で顧客や収益を管理し、いわゆる「一人社長」として実力で売り上げを獲得するプロのホステスたちがいた。現在もそうしたホステスやキャストも一部存在するが、大方は昼間も働く派遣社員や福祉職、学生だという。 OWLsのメンバーでキャスト経験のあるBさんも、「精神的・身体的に問題を抱えていたりすることで、日中は働けない女の子もいます。すると、おかしな扱いを受けたとしても、お店を転々としながら安定しない働き方を続けるしかありません」と、水商売の業界で働く女性の立場の不安定さを語った。 この業界特有の事情もある。店で働くキャスト同士は客からの指名や人気次第で、報酬が大きく変わる。ライバル関係であるため、相談しあったり団結したりすることはほとんどない。多くがキャバクラで働いていることを人には隠しており、周囲にばれることをおそれて、声を上げることができない女性もいる。 もし異議をとなえたら店にはむかったと思われ、「何かされるのではないか」という怖さもある。実際にユニオンで相談に乗っていたケースで、団体交渉を行った後に店長がキャストの自宅に押しかけてきたことがあったという。ほとんどの場合、団交などに踏み切れるのは店での勤めを辞めた後だ。 行政にも頼れない。OWLsでAさんと共同代表を務めるCさんは、キャバクラで働いていたときに即日解雇や給料未払いの憂き目に遭った。その際、労働基準監督署や弁護士等が法律相談を行う「法テラス」にも行ったが、真摯に対応してくれたところはなく、途方にくれたという。 「役所に相談に行っても説明が難しかったり、『契約書がなければ店に注意できない』と突き返されてあきらめてしまう女の子もいる。もっとひどい場合がには、『そんな仕事をしているのが悪い』と言われたこともありました」(Cさん)。 それだけに、水商売での「労働者性」を争った裁判事例はまだ数が少ない。多くの場合、店で理不尽な対応をされても、女性たちは別の店に移るなどして泣き寝入りするしかなく、実態も表に出てこない。 Aさんは自らの裁判での判決が、「同じようにひどい目に遭っている女の子たちも、おかしいことにはおかしいと声を上げてもいいんだと思えるようなきっかけになったら」と話す。 コロナ禍では店が休業しても補償金が支払われず、困窮する女性も多くいる。水面下で続くキャストたちへの不当な扱いはそうした厳しい環境もあり少しずつ露呈しており、根本的な解決が必要な段階に来ている』、「「法テラス」にも行ったが、真摯に対応してくれたところはなく、途方にくれたという」、「法テラス」に「真摯に対応」してもらうことが先決だ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 働き方改革 東洋経済Plus (その33)(新時代の雇用制度 理想はジョブ型とメンバーシップ型の「ハイブリッド」だ、個人請負無法地帯シリーズ(働き方改革の「抜け道」になるおそれ あらゆる業種に広がる「無権利状態」、契約書はなく不明朗な天引きが横行 キャバクラ、知られざる「労働搾取」) 「新時代の雇用制度、理想はジョブ型とメンバーシップ型の「ハイブリッド」だ」 「メンバーシップ型の弊害」、特に「1.内集団バイアス」、「2.集団的浅慮」は伝統的大企業に顕著だ。「ジョブ型」の「弊害」のうち、「1.協働」、「2.組織市民行動」、「4.適職」なども大いにありそうだ。 原始時代の集団生活を考えても、「人はそもそもメンバーシップ型」なのだろう。 「企業側には自社に合った形で、メンバーシップ型とジョブ型のちょうどいいハイブリッド型を模索することが求められている」、企業によって、「メンバーシップ型とジョブ型」の比重は違ってくるのだろう。 個人請負無法地帯シリーズ 「働き方改革の「抜け道」になるおそれ あらゆる業種に広がる「無権利状態」」 「個人請負」だと健康が絶対条件になる。 「個人請負には守られる法律が何もない。契約・パート社員、派遣労働者といった非正社員よりも不安定な状態に置かれている」、といった実態をよく把握したうえで、仕事に飛び込むべきだが、リスクを理解しないまま仕事に飛び込む向きも多いと思われる。 確かに「露骨な組合いじめ」だ。 「労働組合法上の労働者性」は認められても、「「労働基準法上の労働者性」はハードルが高い」、「内勤の正社員を典型として労働者性を判断する傾向が強く、裁判上での争いでも労働者性が認められることは少ない」、困ったことだ。 「コロナ禍で明確に浮かび上がった、労働者と同じ業務をはるかに不利な条件で担うことが多い個人請負。その待遇改善に向けて、従来以上に踏み込んだ施策の実施が望まれる』、その通りだ。 「契約書はなく不明朗な天引きが横行 キャバクラ、知られざる「労働搾取」」 水商売では、「個人請負」のマイナス面が出易そうだ。 「店の指示での早上げにもかかわらず、働く予定だった分の給料は支払われない」、酷い話だ。 「Aさんの場合、決められた日時に出勤し、接客を拒否することなどはできず、店長の指示に従って客の酒の相手をしていた。また店が指定する衣装を着用することが義務付けられたり、店長からは「あそこの席を盛り上げて」「ドリンクがまだ出てないから頑張れ」と、接客に関する指示を受けたりしており、明確に指揮監督下で働いていた」、これではどう考えても「労働者にあたる」ようだ。 「実際は個人請負として契約するのに、求人広告でアルバイトと偽ることは、応募者を騙していることになるはずだ」、ここまでの違法行為が堂々と行われているとは驚かされた。 「「法テラス」にも行ったが、真摯に対応してくれたところはなく、途方にくれたという」、「法テラス」に「真摯に対応」してもらうことが先決だ。
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健康(その15)(うつではないのに「やる気が出ない状態」の正体 幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態、意外と知らない「血糖値」高いと何が起こるのか 免疫機能が低下し感染症にもかかりやすくなる、「一度壊れると元には戻らない」40代から一気に衰える"最重要臓器"をご存じか 全身の健康にも深く関わる) [生活]

健康については、4月15日に取上げた。今日は、(その15)(うつではないのに「やる気が出ない状態」の正体 幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態、意外と知らない「血糖値」高いと何が起こるのか 免疫機能が低下し感染症にもかかりやすくなる、「一度壊れると元には戻らない」40代から一気に衰える"最重要臓器"をご存じか 全身の健康にも深く関わる)である。

先ずは、5月10日付け東洋経済オンラインが転載したThe New York Times「うつではないのに「やる気が出ない状態」の正体 幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/425797
・『最初、私は皆に共通して表れていた症状に気が付かなかった。友人らは集中力が続かないと言っていた。同僚らは、ワクチンの有効性の兆しが見えているものの、2021年を前向きに迎えられないと言っていた。 家族の1人が、話をそらで知っているにもかかわらず、また『ナショナル・トレジャー』を見るために夜更かしをしている。私はと言うと、午前6時に布団から跳ね起きる代わりに、7時まで寝転がりながら言葉遊びのゲームをやっていた』、「幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態」、とはどういうことなのだろう。
・『2021年を支配する感情は虚脱感  それは燃え尽き症候群ではなかった。もしくは、うつ病でもなかった。私たちは、どことなくわびしさと目的のなさを感じていたのである。これを「Languishing(虚脱感)」と呼ぶ。 虚脱感は一種の沈滞と空虚である。それはまるで自分の人生を曇った自動車のフロントガラス越しに見ているかのような感覚である。そして、これが2021年を支配する感情であるのかもしれない。 科学者や医師が長期にわたって新型コロナウイルスを治療し、治そうと努める一方で、多くの人がパンデミックからくる長期的な情緒の不安定さに苦しんでいる。それは、昨年の激しい恐怖と悲しみが消えると同時に、不意に私たちを襲ったのである。 パンデミックによる初期の不安定な日々には、脳の脅威検知装置―偏桃体―が、戦うか逃げるかの厳戒態勢にあった可能性が高い。その後マスクによって自分を守ることができるとわかってくると、恐怖感を和らげる思考回路が発達したのだろう。しかし、パンデミックはズルズルと続き、急性の苦悩状態は慢性的な虚脱感に取って代わられたのである。 心理学において、私たちは精神状態をうつから幸福までの範囲で考える。幸福は、最も健康な状態を指す。意義や優越感を強く感じ、人から必要とされていると感じることができるのである。うつは病気のどん底のことを指す:落胆や疲労を感じ、自分に価値がないと思い込んでしまうのである。 虚脱感とは、精神衛生において、無視された真ん中の子のようなものである。うつと幸福の間に挟まれた空虚な状態――健康の欠如――なのである。精神疾患には自覚症状がないが、精神衛生が具現化されるわけではない。完全な力を発揮できない状態なのである。虚脱感はやる気を損なわせ、集中力を欠如させ、困難を3倍にし、仕事量を減少させるのである。それは大うつ病よりも頻繁に見受けられ、場合によっては精神疾患の大きなリスク要因となりうる』、「パンデミックはズルズルと続き、急性の苦悩状態は慢性的な虚脱感に取って代わられた」、「虚脱感とは、精神衛生において、無視された真ん中の子のようなものである。うつと幸福の間に挟まれた空虚な状態」、なるほど。
・『10年後にうつや不安障害が表われる可能性  多くの人がうつ病ではないのに活力もないという状態に対して、社会学者コリー・キーズ氏のひらめきによって、虚脱感という用語は作られた。彼の研究は、現在は症状が表われていない人に関して、10年後に大うつ病や不安障害が表われる可能性が高いと示した。それが現在虚脱感を覚えている人なのである。イタリアのパンデミック健康管理従事者によって、昨春に虚脱感を覚えた人は同じ属性の人と比べて、心的外傷後ストレス障害の発症リスクが3倍になることが明らかになった。 あなた自身は虚脱感がなくても、知人で虚脱感を感じている人はいるだろう。このことに関して良く理解することが彼らを救うことにつながるのである。 心理学者によると、感情管理の最も有効な対策は、それに名前を付けることである。昨春、パンデミックの急な苦悩の最中、ウイルスに関してハーバード・ビジネス・レビュー史上最も大きな話題を呼んだ記事は、私たちの集団的な苦しみを悲痛と表現した記事だった。 愛する人を失った悲しみと同時に、私たちは正常性を失ったことを悲嘆していた。「悲痛」。それは私たちにとってなじみのなかった経験のように感じられていたことに対して、理解できるなじみある用語が与えられたのである。過去にパンデミックに直面したことがなかったものの、ほとんどの人が喪失を経験したことはあった。それは自身の過去の回復の教訓を具体化させ、現在の逆境に立ち向かう能力への自信につながった。 虚脱感の原因やその治療方法に関して、解明すべきことはまだたくさんあるが、名称を付けることはそれに向けての第一歩なのかもしれない。それは、今までの靄のかかった経験に関して、はっきりとした視界を提供し、見通しを明確化することにつながるかもしれない。それは、私たちが1人きりではないということを思い出させてくれるかもしれない。虚脱感は一般的なもので、共感を得られるものなのである。 さらにそれは、「気分はどう?」という問いかけに対する社会的に容認される返答を可能にする。 「最高」、もしくは「まずまず」といった返答の代わりに、「正直言うと、今虚脱感がある」と答えたらどうだろうか。それは有毒なポジティブさ、言い換えると典型的なアメリカ人のようにつねに明るくふるまわなくてはいけない、という圧力に対して、新鮮に引き立つものとなるだろう。 自分の辞書に虚脱感という言葉を加えることで、それがあちこちに存在するということに気づくだろう。それは午後の短い散歩で気分が落ち込んだ時に表われる。それはオンラインでの学校の授業がどうだったか聞いた際の子供の声にも表われる。それは、『ザ・シンプソンズ』において登場人物が「あーあ」というたびに表われる』、「虚脱感は一般的なもので、共感を得られるものなのである」、その通りなのかも知れない。
・『虚脱感に対抗するフロー体験  さて、これに対して私たちは何ができるだろうか。「フロー(流れ)」と呼ばれる概念がその対策となり得るかもしれない。フローとは、時間、場所、そして自身の感覚が溶けてなくなるような、意味のある挑戦、もしくは、瞬間的な絆においてのとらえどころのない吸収状態を指す。 パンデミックの初期には、健康状態の最適な計測器は楽観でも注意深さでもなかった。それは流れだった。自身のするべきことに没頭している人ほど虚脱感を回避し、パンデミック以前の幸福感を維持することができた。 早朝に言葉遊びをすることで、私はフローに解き放たれるのである。深夜にネットフリックスを鑑賞しまくることも、時に同じ効果をもたらす。それは自身を物語の中に連れて行ってくれるのである。 新しいことへの挑戦、楽しい経験、そして意味のある仕事が虚脱感に対しての有効な治療法である一方で、集中力がない状態でフローを見出すのは困難なことである。これはパンデミック以前に人々がいつもメールをチェックしたり、タスクを切り替えたりしていた時も問題だった。この1年で、多くの人は子供、同僚、そして上司による妨害に苦しんできた。あーあ。 つまり、私たちは境界を設定する必要があるのだ。何年も前に、Fortune 500の中のインドのソフトウェア会社が単純な方針を試験的に導入した。火曜日、木曜日、金曜日の午前中は人の仕事を妨害してはいけないというものだった。  自身で境界を設定したエンジニアのうち、47%が平均以上の生産性を発揮した。しかしながら、会社が公式な方針として静かな時間を設定すると、65%の人が平均以上の生産性を発揮した。仕事の業績上、量をこなすことだけがいいわけではなかった。日常的な喜びや、動機づけに最も重要な要素は「進歩の実感」であるということがわかった。 私は、火曜日、木曜日、そして金曜日の午前中に何か魔法のようなものがあるとは思っていない。この簡単な思い付きの教訓は、邪魔をされない時間を、守るべき宝のように扱うべきであるということである。それによって、私たちは集中する自由を得られる。私たちは十分な注意を引くような経験の中に慰めを見出すことができるのである』、「邪魔をされない時間を、守るべき宝のように扱うべきであるということである。それによって、私たちは集中する自由を得られる」、なるほど。
・『小さな目的に集中する  パンデミックによって大きな喪失を味わった。虚脱感を乗り越えるには、ミステリーを謎解く小さな達成感、もしくは7文字の言葉遊びの興奮のような小さな勝利から始めてみるべきである。 流れへの最も明確な道の1つは、ちょうど管理可能な程度の難易度のものである。それは自身の能力を伸ばし、決断力を高めるような挑戦のことである。つまり、自身にとって有意義な挑戦に集中する日常的な時間を作ることである。それは、興味深いプロジェクト、達成する価値のある目的、有意義な会話などのことである。時にこれは、何か月間にも渡って欠如していた活力や情熱を再発見するには小さな前進である場合もある。 虚脱感は単に私たちの頭の中に存在するだけではない。それは私たちの周辺環境にある。病にかかった文化は個人的な包帯では治癒することはできない。私たちは精神衛生への挑戦を非難する世界ではなく、依然として身体的健康への挑戦を正常化する世界に住んでいるのである。 新しいパンデミック後の現実世界に進むうえで、精神衛生と健康について再検討する時が来た。「うつではない」ということは、必ずしも苦しんでいないということではない。「燃え尽き症候群ではない」ということは、必ずしも気合が入っているということではない。多くの人が脱力状態にあるということを認めることで、私たちは静かな絶望を表明し始め、虚無感からの脱出の道筋を照らし始めることができるのである』、「多くの人が脱力状態にあるということを認めることで、私たちは静かな絶望を表明し始め、虚無感からの脱出の道筋を照らし始めることができるのである」、そんなものなのかなという印象だ。

次に、7月13日付け東洋経済オンラインが掲載した医学博士、健康科学アドバイザーの福田 千晶氏による「意外と知らない「血糖値」高いと何が起こるのか 免疫機能が低下し感染症にもかかりやすくなる」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/439796
・『人生100年時代を生き抜くために、血糖コントロールは不可欠です。しかし、血糖値が高いとなぜ体に悪いの?そもそも血糖値ってなんだかわからない!そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。 新著『そもそも血糖値ってなんですか?』では血糖の働きについて、わかりやすく解説されています。 本稿では、同書より一部を抜粋しお届けします』、興味深そうだ。
・『血糖値が高いと何が起こるの?  健康な人の血液は、血管の中をさらさらと流れる水のようです。それはまるで、しなやかなホースの中を流れる水のように、淀みがありません。しかし糖尿病になり、血糖値が高い状態が続くと、血液がシロップのようにトロっとした状態になります。そうなると、血液が流れにくくなります。 血糖値が上がっても、最初のうちは症状がありません。疲れやすい、のどが渇くなどで気づく人もいますが、まったく気づかずに、健康診断で指摘される人がほとんどです。 血糖値の高い状態が続くと、血管が傷つきやすく、血管の傷が原因となって血管壁が厚くなります。この状態が動脈硬化です。動脈硬化は脳梗塞や脳出血、心筋梗塞の原因になります。 また、毛細血管という細い血管は傷つきやすいため、毛細血管が多い眼や腎臓に合併症が起こりやすくなります。「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」、手足のしびれなどが生じる「糖尿病性神経障害」は糖尿病の三大合併症と呼ばれています。これらの合併症を起こさないように血糖をコントロールすることが、糖尿病治療の大きな目標です。 血糖値が高いと免疫機能が低下して、感染症にかかりやすくなります。血行がわるくなることで体のすみずみに栄養がいきわたらなくなるため、傷を修復する機能も低下して、やけどや傷が治りにくくなります。高血糖が続くと、足の指の小さな傷がきっかけで壊死を起こし、足の切断に至ることさえあるのです。 最近では、歯周病や認知症、睡眠時無呼吸症候群やがんも、糖尿病の人は発症頻度が高くなることがわかっています。 糖尿病と診断されたあとに、治療をしていた人としていなかった人の差は、のちに大きくなっていきます』、「糖尿病」は本当にやっかいだ。
・『血糖値の「乱高下」にも注意  血糖値は食べると上がり、数時間後に下がります。健康な人はこの上がり下がりがゆるやかで、空腹時は70~110㎎/㎗、食後は140㎎/㎗未満です。糖尿病になると空腹時も食後もこれよりずっと高くなります。ヘモグロビンA1cも比例して高くなります。 しかし、健康な人の中にも、食後に血糖値が急激に上昇して200㎎/㎗の高血糖になり、その後、急激に降下する人がいます。まれに70㎎/㎗以下の「低血糖」になる人もいます。このように血糖値が上下に激しく変動する状態を「グルコーススパイク」「血糖値スパイク」といいます。 グルコーススパイクは、高血糖になっても、その後、すぐに下がるので、過去の血糖値の平均であるヘモグロビンA1cはそれほど高くなりません。そのため、もし食後の血糖値が糖尿病と疑われる200㎎/㎗を越える瞬間があったとしても、健康診断や人間ドックでは、発見されにくいのが特徴です。 しかし、食後高血糖があると、本格的な糖尿病へと進みやすいばかりでなく、血糖値が急上昇するたびに血管が傷つき、動脈硬化を起こしやすくなることがわかっています。 さらに、血糖値が激しく変動すると、眠気や頭痛を感じることもあり、それによって集中力が低下して、仕事や生活に支障をきたすことも問題です。 血糖値が高め(140~200㎎/㎗)、あるいは空腹時血糖値が低すぎる(70㎎/㎗以下)といわれたことがある人は、食後に200㎎/㎗を越える高血糖になっている可能性があります。 グルコーススパイクは、すい臓の働きやインスリンの働きが衰えているために起こります。暴飲暴食や不規則な食生活を送ってインスリンを大量に分泌させていると、本格的な糖尿病に進むため、生活習慣の改善が必要なのです。 血糖の調整で大きな役割を果たしているのがインスリンです。長年にわたって暴飲暴食を続けていると、食事のたびにブドウ糖を処理しなければならず、大量のインスリンを分泌するため、すい臓は疲れてしいます。 一方、ブドウ糖をとり込む筋肉や脂肪細胞などもインスリンの刺激に慣れてしまい、多少の刺激ではブドウ糖を引き受けてくれなくなります。そのため、さらにインスリンが必要となるばかりか、上がった血糖値がなかなか下がらなくなります。これが糖尿病の入り口です。 食事量を減らすために、食事を抜けばいいかというとそうではありません。食事を抜くと、次の食事で食べすぎてしまうため、血糖値を急激に上げる原因になります。間食も、血糖値が下がりきる前に血糖値を上げてしまうため、次の食事のあとに高血糖になりやすくなります。規則正しく、栄養バランスをとりながら食べることが大切なのです。 運動不足も糖尿病の原因です。運動する習慣があると、血糖が増えても、筋肉細胞は「次に運動するエネルギー源にしよう」と自主的にブドウ糖を血液中から引き寄せます。そのためインスリンをあまり浪費しません。 この働きは、筋肉中にある「GLUT4(グルットフォー)」というたんぱく質が担っています。このGLUT4を増やすには、運動が欠かせません。運動不足の人はGLUT4が少ないため、インスリンを大量に出して血糖を下げるしかありません。その結果、インスリンを浪費してしまうのです』、「長年にわたって暴飲暴食を続けていると、食事のたびにブドウ糖を処理しなければならず、大量のインスリンを分泌するため、すい臓は疲れてしいます。 一方、ブドウ糖をとり込む筋肉や脂肪細胞などもインスリンの刺激に慣れてしまい、多少の刺激ではブドウ糖を引き受けてくれなくなります。そのため、さらにインスリンが必要となるばかりか、上がった血糖値がなかなか下がらなくなります。これが糖尿病の入り口です」、確かに長年の積み重ねのようだ。
・『ストレスも高血糖の原因に  ひとつ見落としてはいけないことに、ストレスがあります。緊張感やストレスを感じているとき、体は闘いに備えて戦闘態勢になっています。 闘いでは、すぐに使える血液中のエネルギーを通常より多めに用意しておくほうが有利。そのため、すぐに脳や筋肉で使えるブドウ糖は、血液中にいつもより多く蓄えられます。 つまり、血糖値は高めになるのです。ふだんからストレスをかかえている人は血糖が多めの状態が続くわけですから、糖尿病にもなりやすいというわけです。 糖尿病の予防のためにストレス発散が必要なのは、このような理由によります。食べすぎない食生活と適度な運動習慣。ストレスを遠ざけ、よい睡眠をたっぷりとる。これが糖尿病予防の柱です』、「ストレスも高血糖の原因に」、の理由が理解できた。私は現在でこそ「ストレス」と無縁だが、現役時代はそれなりに大きかった。ただ、幸い、「血糖値」は正常な範囲内だ。

第三に、7月24日付けPRESIDENT Onlineが掲載した順天堂大学医学部教授の小林 弘幸氏によるを紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/47935
・『コロナ禍を乗り切るには、体のどこを鍛えればいいのか。『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム)を出した順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「筋トレよりも『肺トレ』をしてほしい。肺は、心臓や全身の血管の健康に深く関わっている。コロナ禍を乗り切るためにも肺を鍛えたほうがいい」という――』、興味深そうだ。
・『新型コロナが教えてくれた“肺”の大切さ  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、ECMOと呼ばれる特殊な医療機械が、広く一般の方々にも知られるようになりました。 エクモは、重症患者を救う「最後の切り札」として報じられていますが、実際にどのような役割を果たしているのかまで知っている方は、少ないのではないでしょうか。 エクモの役割とは、弱ってしまったある臓器をエクモが体外で人工的に代替し、その臓器を一時的に休ませて回復や治療の時間を稼ぐことにあります。 ある臓器とは、普段私たちがないがしろにしてきた臓器・肺です。 私が外科研修医時代、エクモの勉強でもっとも驚いたのが、含まれているガスが、二酸化炭素か酸素かによって変わる「血液の色」についてでした。 二酸化炭素を含んだ濁った血液が、人工肺を通過すると鮮やかで健康的な色に生まれ変わるさまを見て、「肺」がいかに健康状態に大きな影響を与えているのかを思い知りました。 そして、知識としてはもちろん知っていましたが、「酸素は血液に乗って全身に運ばれていく」ということを、エクモを目の当たりにして痛感したのです。 そんな大切な臓器・肺がいま、病気にかからずとも悲鳴を上げていることを知っていますでしょうか? 今回は拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』より、弱った肺が健康に与える重大な影響から、肺の機能を取り戻す方法までをお伝えします』、私は昨年まで喫煙者だったので、「肺」の機能は低下。医者からは「回復」は望み薄と言われていたので、「肺の機能を取り戻す方法」で嬉しくなった。
・『肺は20代から衰えはじめている  呼吸をするとき、空気は鼻や口から取り込まれ、喉(咽頭)と、声帯がある喉頭こうとうを通過し、気管へと入っていきます。 気管は左右に枝分かれして気管支となり、それぞれ左右の肺につながっていきます。枝分かれした気管支はさらに枝分かれし、最終的には直径0.5ミリほどの太さになります。気管全体を見ると、木を逆さまにしたような形をしているため、「気管支樹」と呼ばれています。 その気管支の先端にあるのが「肺胞」と呼ばれる、わずか0.1ミリ程度の部位です。肺の中におよそ3億から6億個あると言われています。 この肺胞が非常に重要です。 肺胞には毛細血管が網の目のように取り巻いています。全身を巡った血液は、心臓を経由して、肺胞までたどり着き二酸化炭素を吐き出します。それと同時に、肺胞のなかの酸素が血液の中に取り込まれます。 これが私たちが無意識にしている呼吸のメカニズムです。このようにして私たちは、酸素を血液に取り込み、腸から吸収した栄養と結合させ、生命活動に必要なエネルギーを生み出しているのです。 しかし、肺胞が壊れるなど肺が弱っていると、肺胞から取り込める酸素量が減ります。これを脳は酸素を運ぶ血液が不足していると認識し、心臓にもっと血液を送るように命じます。すると、心臓や血管に負担がかかり、肺以外の部位に疾患が発生してしまう危険性があります。 つまり肺は、単に酸素と二酸化炭素を交換するだけの場所ではなく、心臓や全身の血管の健康とも深く関わっているということです。 これまで多くの方が残念ながら肺の状態に無関心でした。じつは肺は20代から衰え始め、とくに喫煙者は40代になると急速に機能低下が進行します。そして残念ながら、重要な役割を果たしている肺胞は、一度壊れるともとには戻らないのです』、「肺胞は、一度壊れるともとには戻らない」のに、「肺の機能を取り戻す方法」とどうつながるのだろうか。
・『年間9万5000人が肺炎で命を落としている現実  肺の機能が衰えると、私たちにどんな不調が降りかかってくるのでしょうか。 真っ先にダメージを受けるのが、免疫システムです。健康な人の呼吸器には、体に有害な物質から体を守る防御システムが備わっています。 「綿毛」は1分間に1000回を超える速さで動いており、気管内部を覆っている粘膜層を動かします。この働きによって、ウイルスなどの病原体が侵入してきても、粘膜層が捕獲し、捕らえられた病原体は咳とともに口に戻され、食道に飲み込まれる仕組みがあります。 ほかにも肺胞の表面に待機する免疫細胞による迎撃や、血液中を巡回している別の免疫細胞を呼び寄せ、徒労(注:正しくは「徒党」)を組んで病原体を撃退する免疫システムも肺は備えています。 これらの免疫システムが肺の衰えによって機能しなくなると、感染症が重症化する危険性が出てきます。 また、肺の病気といえば代表的なのは肺炎ですが、じつは年間約9万5000人もの方が、肺炎によって命を落としてしまっていることをご存知でしょうか? 肺炎とは、気管支や肺に炎症を起こし、肺の病態が著しく低下した状態を指します。ウイルスが原因によるものや、肺胞を包んでいる間質という組織が炎症を起こして発症するものなど、肺炎と一口で言っても原因は様々です』、「免疫システムも肺は備えています」、やはり重要な臓器だ。
・『呼吸筋を鍛える“肺トレ”  このなかで、最近注目されているのが間質性肺炎という病気です。 間質性肺炎はウイルス感染などの急性の場合をのぞき、1年以上の時間をかけてゆっくりと進行していきます。 はじめは階段や坂道をのぼるときに息切れする程度ですが、病気が進行すると服を脱いだり、入浴したりといった日常動作で、痛みを伴う咳が出るようになります。 そしてそのまま放置しておくとやがて重篤化し、命を落とすケースが非常に多いです。 では、肺の機能の衰えは、あきらめるしかないのでしょうか? 答えは、否です。 肺の機能は何歳になっても高めることができます。 実際、臨床の現場では、肺の手術が決まっている患者さんに、手術の1週間前から肺の機能を鍛えるためのトレーニングをしてもらいます。 失った肺胞そのものを復活させることはできませんが、呼吸筋を鍛えることで呼吸する力を強化し、血液を取り込む酸素量を増やすことはできるのです。 その方法として、呼吸器研究、循環器研究、自律神経学をもとに考案したのが「肺活トレーニング」です。 今回は拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』から、肺の力を復活させる「肺活トレーニング」を2つご紹介いたします』、「失った肺胞そのものを復活させることはできませんが、呼吸筋を鍛えることで呼吸する力を強化し、血液を取り込む酸素量を増やすことはできるのです。 その方法として・・・考案したのが「肺活トレーニング」です」、どういうものなのでろう。
・『呼吸筋を鍛えるトレーニング2選  肺活トレーニングとは、肺のまわりの呼吸筋群を鍛え、呼吸する力を強化し、肺の機能を高めるエクササイズです。行う時間帯に決まりはありませんので、好きな時間帯(できれば食後30分は避ける)に行ってみてください。無理のない範囲で、毎日1セット~3セットを行うのがよいでしょう。 まずご紹介するのは胸郭のトレーニングです。 続いて、肩甲骨周りのトレーニングです。 いかがでしたでしょうか? ご紹介したトレーニングを含めた「肺活トレーニング」を、一般の方に2週間試していただきました。そのなかで、肺年齢が91歳だった52歳の男性が、2週間後に48歳まで肺年齢が若返るという驚きの検査結果が報告されました。」』、こんな驚異的な結果が出れば、嬉しいのだが・・・。
・『死を意識して気づいた「ただ呼吸できる幸せ」  今回は、肺がどんな役割を果たしているのか、肺機能が衰えると何が起こるのか、そして肺機能をよみがえらせるためにベストなトレーニング法を紹介しました。 かくいう私も、肺と呼吸の大切さを痛感した出来事があります。ある日を境に、ゴホゴホと咳が止まらなくなり、普段通りの呼吸ができなくなってしまいました。 ぜんそくになってしまったのかと思いながらも、ちょうどニューヨークへの出張が決まっており、さまざまな薬をもって渡米しました。ところが到着すると症状はさらに悪化し、咳が止まらないどころか、数十秒、呼吸まで止まってしまったのです。 呼吸ができない時間はとてつもなく長く感じました。「大丈夫、すぐに戻る」と自分に言い聞かせながら、なんとか平静を保とうとするものの、「死」という文字が脳裏に浮かびました。 現在は適切な治療によって症状は落ち着きましたが、思いがけず死にかけたことで「ただ呼吸できること」がいかに幸せなことか、ひしひしと感じました。 肺炎などで呼吸器が病気になると、筆舌しがたい苦しみを味わうことになります。肺の機能の衰えは自覚症状が少ないため、「思いがけず病気になる」人がほとんどです。 とくにいまは新型コロナウイルス感染症の流行で、肺はこれまで以上のリスクを抱えています。 呼吸ができない苦しみを味わわないためにも、拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』内で紹介している「肺活トレーニング」を通して、いまのうちからしっかりと肺をメンテナンスしていってください』、「肺活トレーニング」を毎日実行することにしたい。  
タグ:健康 東洋経済オンライン The New York Times PRESIDENT ONLINE 小林 弘幸 (その15)(うつではないのに「やる気が出ない状態」の正体 幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態、意外と知らない「血糖値」高いと何が起こるのか 免疫機能が低下し感染症にもかかりやすくなる、「一度壊れると元には戻らない」40代から一気に衰える"最重要臓器"をご存じか 全身の健康にも深く関わる) 「うつではないのに「やる気が出ない状態」の正体 幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態」 「幸福とうつの間にある精神的に空虚な状態」、とはどういうことなのだろう。 「パンデミックはズルズルと続き、急性の苦悩状態は慢性的な虚脱感に取って代わられた」、「虚脱感とは、精神衛生において、無視された真ん中の子のようなものである。うつと幸福の間に挟まれた空虚な状態」、なるほど。 「虚脱感は一般的なもので、共感を得られるものなのである」、その通りなのかも知れない。 「邪魔をされない時間を、守るべき宝のように扱うべきであるということである。それによって、私たちは集中する自由を得られる」、なるほど。 「多くの人が脱力状態にあるということを認めることで、私たちは静かな絶望を表明し始め、虚無感からの脱出の道筋を照らし始めることができるのである」、そんなものなのかなという印象だ。 福田 千晶 「意外と知らない「血糖値」高いと何が起こるのか 免疫機能が低下し感染症にもかかりやすくなる」 「糖尿病」は本当にやっかいだ。 「長年にわたって暴飲暴食を続けていると、食事のたびにブドウ糖を処理しなければならず、大量のインスリンを分泌するため、すい臓は疲れてしいます。 一方、ブドウ糖をとり込む筋肉や脂肪細胞などもインスリンの刺激に慣れてしまい、多少の刺激ではブドウ糖を引き受けてくれなくなります。そのため、さらにインスリンが必要となるばかりか、上がった血糖値がなかなか下がらなくなります。これが糖尿病の入り口です」、確かに長年の積み重ねのようだ。 「ストレスも高血糖の原因に」、の理由が理解できた。私は現在でこそ「ストレス」と無縁だが、現役時代はそれなりに大きかった。ただ、幸い、「血糖値」は正常な範囲内だ。 「「一度壊れると元には戻らない」40代から一気に衰える"最重要臓器"をご存じか 全身の健康にも深く関わる」 『最高の体調を引き出す 超肺活』 私は昨年まで喫煙者だったので、「肺」の機能は低下。医者からは「回復」は望み薄と言われていたので、「肺の機能を取り戻す方法」で嬉しくなった。 「肺胞は、一度壊れるともとには戻らない」のに、「肺の機能を取り戻す方法」とどうつながるのだろうか。 「免疫システムも肺は備えています」、やはり重要な臓器だ。 「失った肺胞そのものを復活させることはできませんが、呼吸筋を鍛えることで呼吸する力を強化し、血液を取り込む酸素量を増やすことはできるのです。 その方法として・・・考案したのが「肺活トレーニング」です」、どういうものなのでろう。 「肺活トレーニング」を毎日実行することにしたい。
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東京オリンピック(五輪)(その20)(「五輪で感動」を押し付ける日本のスポーツ界に、外国人が感じる「不思議さ」、【アップデート】開会式前日に演出担当者解任 不祥事相次ぐ東京五輪の歩みを振り返る、無観客でも五輪開催を強行 IOCの「金と欲望の歴史」とは) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、7月8日に取上げた。競技も開始されて間もない今日は、(その20)(「五輪で感動」を押し付ける日本のスポーツ界に、外国人が感じる「不思議さ」、【アップデート】開会式前日に演出担当者解任 不祥事相次ぐ東京五輪の歩みを振り返る、無観客でも五輪開催を強行 IOCの「金と欲望の歴史」とは)である。

先ずは、7月8日付けNewsweek日本版が掲載したイラン出身。シャでランコンサルティング代表の石野シャハラン氏による「「五輪で感動」を押し付ける日本のスポーツ界に、外国人が感じる「不思議さ」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/tokyoeye/2021/07/post-74_1.php
・『<日本のスポーツ界は、なぜ純粋にスポーツを楽しむ環境にないのか。イラン人筆者が見る五輪へのうんざり感の正体> 日本は、私の生まれ育ったイランよりスポーツ観戦の楽しい国である。イランで人気があって世界に通用する競技といえば、サッカー、レスリング、柔道、重量挙げ、それにバレーボールくらい。それに比べて日本は、柔道はもちろんのこと、ありとあらゆる競技で国際試合に選手を輩出し、メダルを取っている。イランよりも小さな国なのに、よほど指導者と資金と環境に恵まれているのだろう。素晴らしいことだ。 一方で、日本のスポーツ報道には不思議に思うことが多い。以前から全国高校野球選手権や箱根駅伝では、選手の苦労話や家族のドラマを交えて報道するのが恒例だった。 近年は他のさまざまなスポーツの報道でも、競技自体とは関係ないストーリーが語られる場面が目につく。各国の記者が出そろう会見で「いま一番食べたいものは何ですか」と聞いて選手を居心地悪そうにさせても平気だったり、実況者が歯の浮くような自分のセリフに酔っていたり、試合の前座でアイドルにコンサートをさせたり、応援がうるさ過ぎて耳を塞ぐくらいだったり。 競技自体より、芸能人が中継でしゃべる場面のほうが長いこともあったりして、私はしばしば唖然とさせられる。単にスポーツ報道が成熟していないだけかと思ってきたが、どうやら違う。物語仕立てにしたほうが視聴者を簡単に感動させられて、視聴率や部数を取れるから、が理由のようだ』、「物語仕立てにしたほうが視聴者を簡単に感動させられて、視聴率や部数を取れるから」、というのは事実としても、登場する「芸能人」のつまらないしゃべりには僕もイライラさせられる。
・『CMも「みんなで一緒に感動しよう」ばかり  最近では選手たちも手慣れたもので、「感動を与えたい」とインタビューで答える選手がたくさんいる。菅義偉首相も東京オリンピック・パラリンピックを「夢や感動を伝える機会になる」と言う。新型コロナウイルス感染拡大前の大会オフィシャルスポンサーのテレビCMも「みんなで一緒に感動しよう」という作りのものばかりだった。 日本のスポーツの周辺には「感動」という言葉があふれ過ぎている。そもそも「感動」はメディアが押し売りするようなものではない。何に、どんなふうに「感動」しようが、見る者の勝手である。確かに病気やケガを克服して競技に復帰する姿は美しいし、見る者の胸を打つ。それでも日本のスポーツファン層は、あまりに安易な「感動」話で水増しされているように思えてならない。 コロナ感染が収まらないなかでの東京五輪の開催機運が日本国民の間で全く盛り上がらないのは、この「感動」のイメージ戦略がコロナで水を差されてしまったためではないだろうか。確かに感染拡大が深刻になる不安も大きい。だが「感動」をあおる大会組織委員会やメディアやスポンサーの裏にある、多額のマネーが動く現実に多くの人がうんざりしてしまっている。これでは「感動」できないし、シラケるばかりだ。 だが、本来五輪は見る者の「感動」のためではなく、この日のためにトレーニングを重ねてライバルや記録や自分に勝つために競技に出る選手たちのものである。1年も延期されたのだから、できることならば万全の感染対策をした上で競技ができる環境を整えてあげてほしい、というのは真のスポーツファンに共通する願いであろうし、同時に不自由な日本滞在を強いられる選手たちへの心遣いもあっていいはずだ。 だって日本はおもてなしの国なのだから。 しかし、実際は海外から来る選手」、とはならを、コロナを持ち込む厄介者扱いしているようにも見受けられて、残念だ。コロナ禍でも大会を開催するならば、水も漏らさぬくらいの感染対策をし、参加各国の賛同を取り付け、科学的データに基づいたポジティブなメッセージで世界のマスコミや世論を黙らせる。 そういう日本を見てみたい。そしてこの大会が、お仕着せの「感動」を受け入れない、観戦を楽しむ目の肥えたファンが増えるきっかけになるといい』、「日本のスポーツの周辺には「感動」という言葉があふれ過ぎている。そもそも「感動」はメディアが押し売りするようなものではない」、全く同感である。残念ながら、今回も「お仕着せの「感動」を受け入れない、観戦を楽しむ目の肥えたファンが増えるきっかけになるといい」、とはなっていないようだ。

次に、7月22日付けBuzzFeed「【アップデート】開会式前日に演出担当者解任 不祥事相次ぐ東京五輪の歩みを振り返る」を紹介しよう。
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/tokyo-olympics-2013-2021
・『東京五輪開会式が、いよいよ7月23日に行われる。 2020年の五輪開催地が東京に決まってから8年。新国立競技場の設計見直しをはじめ、さまざまな問題が起きた。 開会式前日の7月22日には、開会式と閉幕式の演出を担当する小林賢太郎氏が、かつてユダヤ人の虐殺をコントのネタにしていたとして、解任された。 この8年を振り返る』、これほどケチがつきまくった大会も珍しい。
・『2015年7月:新国立競技場の計画「白紙に」  2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場。 当初、デザインを担当していたのは世界的建築家のザハ・ハティド氏だった。しかし、その特殊な構造が整備費を押し上げる要因になったとされ、2015年7月17日、安倍晋三首相(当時)は「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直すと決断した」と発表した。 この時、ハティド氏のデザイン案は当初予算の1300億円を大きく上回る3000億円以上のコストがかかることが指摘されていた。 ザハ・ハティド氏の事務所はこの決定に反論する声明を発表。 事務所は価格高騰はデザインのせいではなく、東京における建築コストが増大したことなどにあるとし、コストを削減したデザインを日本スポーツ振興センター(JSC)提案していたが、受け入れられなかったとしている。 《設計プロセスをゼロからまた開始しても、新国立競技場の見積り増大の要因となった根本的な問題はいずれも解決されません。むしろ着工の大幅な遅延を招き、さらなる問題となる可能性があります》(声明より) 白紙撤回後、決定したのは1600億円規模のデザイン案だった。しかし、資材の高騰などをうけ、最終的には建設費は2520億円に達している。』、「ザハ・ハティド氏」とどういう打ち合わせが行われたのかも、現在では全く闇の中だ。
・『2015年9月:エンブレムのデザインも白紙に 佐野研二郎氏と撤回されたエンブレム  2015年8月、アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした東京五輪の公式エンブレムが発表された。 しかし、佐藤氏のデザインに対し、ベルギーのデザイナーが自作を盗作されたと主張。訴訟を起こした。 大会組織委員会は9月1日、ロゴの盗作疑惑は否定しつつも「放置できない問題」であると説明。 公式エンブレムのデザインを撤回し、改めて公募することを決定した』、「デザイン」はいまやネット検索できる時代なのに、こんな初歩的なミスをするとは、信じ難い。裏についている筈の電通も何をしていたのだろう。
・『2017年4月:新国立競技場の現場監督が自殺  新国立競技場のデザイン案の撤回、そして新たなデザイン案の決定により着工が当初予定よりも1年2ヶ月遅延。その影響から、建築現場では業務の負担が増加していた。 2017年4月には、当時、新国立競技場の建設現場で現場監督を務めていた20代の男性が自殺している。 朝日新聞の取材に対し、自殺した男性と同じ現場で働いていた別の現場監督は「新人なのに、通常の2倍以上の仕事を任されていた。いくら何でもさばききれるはずがない」などとコメントしている。 遺体のそばには、次のようなメモが残されていたという。 《身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした。家族、友人、会社の方、本当にすみませんでした。このような結果しか思い浮かばなかった私をどうかお許しください》』、ゼネコンの人使いの荒さは、有名だが、ここまで酷いとは・・・。
・『2019年1月:JOC会長の贈賄疑惑  日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(当時)が贈賄に関与した疑いがあるとして、フランス当局が捜査を開始したと報じられた。 疑惑は2016年春の段階から指摘されており、日本の五輪招致委員会がIOC委員を務めていたラミン・ディアク国際陸上競技連盟(IAAF)前会長の息子に2800万シンガポールドル(約2億2000万円)を支払ったとされるもの。 竹田会長は一連の報道に対し、「招致委員会は、ブラック・タイディング社とのコンサルタント契約に基づき正当な対価を支払ったものであり、贈賄にあたるような不正なことは何も行っていないことを私は説明いたしました」とコメントした。 その後、6月に竹田会長は任期満了をもってJOC会長を退任した』、「フランス当局が捜査」、現在どうなっているのか不明である。
・『2019年4月:当時の五輪相が問題発言で辞任  2019年4月10日、桜田義孝五輪相(当時)が辞任した。 桜田氏は自民党の高橋比奈子衆院議員の政治資金パーティーに出席した際、「復興以上に大事なのは高橋さん」などと発言したことが問題視されていた。 2019年2月にも競泳の池江璃花子選手の白血病公表に、「金メダル候補ですから。日本が本」との当に期待している選手ですから、本当にがっかり」とコメント。不適切との指摘を受けていた』、思い出したがつまらない事件だった。
・『2019年10月:東京五輪のマラソン会場が札幌に  IOCは2019年10月16日、東京五輪のマラソン・競歩の会場を東京から札幌へ移す方針を表明した。 この方針は酷暑を懸念したものであると、説明されている。 小池百合子・東京都知事は「都として札幌開催には同意できないが、IOCの決定は妨げない。あえて申し上げるなら合意なき決定」とコメントしていた。 IOC、国、東京都、大会組織委員会の協議を経て、札幌への会場変更が正式に決定。 IOCのトーマス・バッハ会長はこの決定について記者会見で「日本の方々は少しも心配する必要はない。日本で開催されるのだから、とても喜ぶことができる」と述べた』、「札幌」では、「市民も楽しみにしていた札幌マラソンは2年連続で中止が決まったのに、オリンピックのマラソンだけ強行されるなんて納得がいかない」、との声も。
・『2020年3月:新型コロナで1年延期に  2020年夏の開催が目前に迫った3月24日、政府は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を理由に、東京五輪の1年延期を決定したと発表した。 五輪の124年間の歴史の中で、戦時中の1916年、1940年および1944年に大会が中止されたことはあったが、大会そのものが延期されるのは史上初。 安倍首相(当時)はIOCのバッハ会長と「遅くとも2021年夏までに開催する」ことで合意したと説明した』、
・『2021年2月:女性蔑視発言で森喜朗会長が辞任  大会組織委員会の森喜朗会長(当時)は2021年2月、JOC評議員会で「女性がたくさんいる会議は長くなる」と発言し、批判が殺到した。 森氏は2月4日、自身の発言について「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であった」と謝罪し、撤回。 記者会見では記者に「おもしろおかしく書きたいだけだろ」と噛み付く場面もあった。 批判が収まることはなく、2月12日、森氏は大会組織委員会会長を辞任する意向を示した。 しかし、辞意を表明した場で自身の発言について「私はそういう意図でものを言ったわけじゃないんだが」とコメント。「意図的な報道があった」とも語り、反省した様子はなかった』、24日の読売新聞によれば、「森喜朗氏を「名誉最高顧問」に…五輪組織委で浮上、幹部「首相官邸にダメと言われた」、いまだにJOC内ではこうした動きもあるとは恐れ入った。
・『2021年3月:容姿を侮蔑する企画を提案、開閉会式の統括が辞任  東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエイティブ・ディレクター佐々木宏氏(66)が、タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱する不適切な演出案を発案していたと週刊文春が報じたことを受け、辞意を表明した。 演出案は、豚の格好をした渡辺さんを「オリンピッグ」として登場させるというもので、演出チームのメンバーの反対で取り下げられた。文春オンラインは、その際のLINE上のやりとりを公開していた。 佐々木氏は「ご不快な思いをさせてしまった」「自分の意識の低さ、無神経さにあらためて、気づいた」などとする謝罪コメントを組織委員会を通じて発表した。 自身の容姿を侮蔑する演出案が出されていた中、タレントの渡辺直美さんは吉本興業を通じて「正直驚いています」「私自身はこの体型で幸せです」とコメントした』、電通出身の「クリエイティブ・ディレクター」が、「オリンピッグ」とは、貧弱なおやじギャグそのもので、程度の低さに驚かされた。
・『2021年3月:聖火リレーがスタート、辞退続出  東京五輪は開催できるのか、疑問の声も上がる中で3月25日、聖火リレーがスタートした。 しかし、スケジュールの都合などから著名人の参加自体が続出。 加山雄三さん、斎藤工さん、黒木瞳さん、TOKIO、広末涼子さん、香川照之さん、藤井聡太さんらが辞退した また、田村淳さんは組織委員会の森喜朗氏の「オリンピックはコロナがどんな形であっても開催するんだ」という発言を受け、聖火ランナーを辞退したことを発表している』、蜜回避のため応援もできないのであれば、「辞退続出」も当然だ。
・『2021年6月:専門家「開催にともなうリスクかなりある」  26人の感染症対策の専門家らは6月18日、東京五輪を来月から開催した場合の感染拡大リスクに関する独自の提言を、政府と大会組織委員会に提出した。 提言は、「無観客での開催が最もリスクが少ない」とし、もし観客を入れる場合は、現在のイベント開催基準よりも厳しい基準を採用するべきだと説明。 首都圏の人の動きはすでに増加傾向であることや夏は旅行や帰省などで人の動きが活発化することを踏まえ、五輪がなかったとしても、感染が比較的落ち着いている地域においても急な感染拡大のリスクがあると分析した。 今夏の五輪開催をめぐっては、政府分科会の尾身茂会長は国会で「今の状況でやるというのは普通はない」「なら強い覚悟で」と答弁している。 感染拡大に伴い政府は東京都に対し、4度目の緊急事態宣言を発出。7月には首都圏や福島県などで五輪の無観客開催が決定した』、「尾身茂会長」のせめてもの抵抗だったようだ。
・『2021年7月19日:開会式の作曲担当、小山田圭吾さんが辞任  東京オリンピック・パラリンピックの開会式に作曲担当として参加していたミュージシャンの小山田圭吾さんが7月19日、辞任の意向を表明した。 小山田さんは音楽誌「ロッキング・オン・ジャパン」の1994年1月号に掲載されたインタビューで、中学時代に障害のあるクラスメイトなどをいじめていた経験について語っている。 性的な暴行も含む苛烈ないじめを「武勇伝」として披露したかのような内容に改めて注目が集まり、抗議の声が広がった。 小山田さんは7月16日、「学生時代、そしてインタビュー当時の私は、被害者である方々の気持ちを想像することができない非常に未熟な人間であったと思います」などと謝罪。 19日に組織委員会に辞任の申し出をしたことを明かした。 組織委員会は当初、「我々は現在は高い倫理観を持って創作活動するクリエーターと考えている。開会式準備における貢献は大きなもの」とし、留任する方針を示していた。 しかし、本人からの辞任の申し出を受け、この方針を撤回。辞任を受け入れた』、「組織委員会」が当初「留任する方針を示していた」とは情けない。
・『7月20日:関連プログラムに出演予定の絵本作家が出演辞退  東京五輪・パラリンピックの公式文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」の1つに出演を予定していた絵本作家のぶみさんが、出演を辞退した。 中学生の時に教師に腐った牛乳を飲ませたことなどを自伝に記しており、SNSで批判が集まっていた。 『ママがおばけになっちゃった!』『このママにきーめた!』など、絵本の内容についても疑問視する声があがっていた。 公式サイトには「※のぶみさんご本人のご意思により出演は辞退されました」というメッセージが掲載された』、なるほど。
・『7月22日:開閉幕式の演出担当者、ユダヤ人虐殺をネタにしていたとして解任  組織委は開会式前日の7月22日、開会式と閉会式の演出を担当する元お笑い芸人の小林賢太郎氏を解任すると発表した。 小林氏はお笑いコンビ「ラーメンズ」時代の1998年に発売されたビデオ内のコントで「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」と発言していた動画がネットで拡散。 米国のユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターは「だれであろうと、どんなにクリエイティブであろうと、ナチスの大量虐殺被害者をあざ笑う権利はない。この人物が東京五輪に関与することは、600万人のユダヤ人の記憶への侮辱であり、パラリンピックを冷酷にあざ笑うことを意味する」との声明を出していた。 組織委の橋本聖子会長は22日の会見で「開会式が目前に迫る中、多くの関係者、国民、都民にご心配をお掛けしたことを深くおわびする」と謝罪した。 組織委の小林賢太郎氏解任発表に合わせ、記事内容をアップデートしました』、この件をサイモンウィーゼンタールセンターに通報したのは、中山泰秀・副防衛相だったようだ。いずれにしても、よくぞこんなに次々に出てくるものだ。

第三に、7月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した国際ジャーナリスト・外交政策センター理事の蟹瀬誠一氏による「無観客でも五輪開催を強行、IOCの「金と欲望の歴史」とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/277728
・『コロナに勝った証しという東京オリンピックの誇大広告  新型コロナウイルスの恐怖と灼熱(しゃくねつ)の日差しの中で、1年遅れの2020東京オリンピックが始まってしまった。「始まってしまった」とあえて書いたのは、その開催目的がいまだに釈然としないままだからだ。 当初、安倍前首相や菅首相は復興五輪、コンパクト五輪を訴えていたが、いつのまにか看板が「人類がコロナに打ち勝った証し」や「安心・安全」にすり替えられている。 ならばなぜ無観客なのか。緊急事態宣言下でも選手村で感染者や濃厚接触者が相次いでいるではないか。国立競技場ではスタッフとして働く外国人による性的暴行事件まで起きている。 そもそも東京オリンピック開催がなぜ人類がコロナに勝った証しといえるのか。世界ではまだ感染が拡大している地域も多い。こういうのを誇大広告、あるいは事実誤認というのだろう。 近代オリンピックの始まりは1896年、フランスのクーベルタン男爵が古代ギリシャの平和の祭典を復興させようと提唱したことからだった。その基本精神はアマチュアリズムとフェアプレーである。 しかし時がたつにつれ、ふたつの世界大戦の影響もあり、政治が大きく影を落とすようになる。 例えば、ミュンヘン大会テロ事件やアフガン戦争中の東西の出場ボイコット合戦だ。ヒトラー政権下ではベルリン大会が露骨な国威発揚に利用された。聖火リレーはこの時から始められ、後日そのルートをドイツ国防軍が侵攻のために使ったという逸話さえある』、「そもそも東京オリンピック開催がなぜ人類がコロナに勝った証しといえるのか。世界ではまだ感染が拡大している地域も多い。こういうのを誇大広告、あるいは事実誤認というのだろう」、少なくとも「人類がコロナに勝った証し」は破廉恥過ぎるので、もう使うのは止めてほしい。
・『オリンピックの「黒い輪」を受け継いだバッハ会長  最大のターニングポイントは1984年のロサンゼルス大会だろう。財政がひっ迫したIOCはメジャーリーグ(MLB)コミッショナーで商売上手のピーター・ユベロスを大会組織委員長に抜てきし、企業スポンサーを認め、観客を呼べるプロ参加を解禁、人気競技優先し、テレビ放送権料やスポンサー企業から莫大な協賛金を集めたのだ。聖火ランナーまで有料だった。 これを境に平和の祭典は世界最大のショービジネスと化したのである。 当時、私は開会式を取材していた。抜けるような青空だった。ロナルド・レーガン米大統領による開会宣言、ジェット・パックを背負った宇宙飛行士によるスタジアム内の飛行、数え切れないほどのピアノによるラプソディ・イン・ブルーの同時演奏。ハリウッド顔負けの豪華な演出はメモリアル・スタジアムに集まった10万人の観客を魅了した。 しかし、その華々しいスペクタクルはオリンピックが権力と金とクスリにまみれた商業イベントに堕落した虚飾の祭典だったのだ。 ロス五輪は税金を使わず400億円の黒字で終了した。そのため「オリンピックはもうかる」との思惑から立候補都市が急増。過度な招致合戦によるIOC委員に対する接待や賄賂、より派手なパフォーマンスを狙った選手のドーピングなどの問題が表面化した。 そんなオリンピック・ビジネスの頂点に立ってぜいたくざんまいで我が世の春を謳歌(おうか)していたのが国際スポーツの帝王で、国際オリンピック委員会(IOC)会長として21年間君臨したスペインのファン・アントニオ・サマランチだったのである。 彼のそばで甘い汁を吸っていた黒幕がいた。国際サッカー連盟(FIFA)会長であるブラジルのジョアン・アヴェランジェと、オリンピックの花形である陸上競技の世界を操るボス、イタリアのプリモ・ネビオロ国際陸上競技連盟(IF)会長である。彼らはオリンピック・マフィアとさえ呼ばれた。 そんな「黒い輪」をサマランチから受け継いだのがベルギーのジャック・ロゲ会長であり、現在のドイツのトーマス・バッハ会長なのだ。米ワシントン・ポスト紙記者が彼のことをコラムで「ぼったくり男爵」と呼んだのもうなずける。 そんな商業五輪の醜い裏舞台は2人の英国人ジャーナリストによって出版された『The Lords of the Rings(オリンピックの貴族たち)』(1992年)で余すところなく暴露されているから、興味のある方は一読をお勧めする』、「ロス五輪は税金を使わず400億円の黒字で終了した。そのため「オリンピックはもうかる」との思惑から立候補都市が急増。過度な招致合戦によるIOC委員に対する接待や賄賂、より派手なパフォーマンスを狙った選手のドーピングなどの問題が表面化した」、「権力と金とクスリにまみれた商業イベントに堕落した虚飾の祭典だった」、なるほど。
・『大きな経済効果という幻想と肥大化の弊害  肥大化の弊害も現れた。ホスト国の政治家はオリンピックが大きな経済効果をもたらすと主張したが、大金を投じて建設した五輪競技会場やホテルなどは大会後に需要が激減し「負の遺産」として開催都市に重くのしかかった。2016年開催されたリオ五輪にいたってはスタジアムや五輪公園もすでに廃虚と化している。五輪開催に手を上げる都市が減っているのは当然だろう。 2004年のアテネ五輪を取材したとき驚かされたのは報道陣の多さだった。世界のトップ・アスリートが集まるのだから当然といえばそれまでだが、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、通信社などの記者や技術者が集まった市内の特設プレスセンターは、少し大げさに言えばデパートのバーゲン会場のようだったのである。 調べてみたら、1912年のストックホルム大会のときのジャーナリストの数はわずか500人ほど。それがアテネでは1万2000人以上に膨れ上がっていた。加えて同じ数ほどのプロデューサーや放送技術者がいたから合計2万人以上。混雑は当たり前だった。 参加選手の数は1万500人だから、選手1人に2人のマスコミがいた勘定になる。テレビメディアと五輪が今や運命共同体となっていることを如実に表す数字だ。 バルセロナ大会で合計2万時間だった放送時間はシドニーで2万9600時間、そして世界から約300のテレビ局が集まったアテネでは3万5000時間に達した。これはもうテレビが五輪を乗っ取ったと言ってもいい。 「オリンピックは世界最大の広告宣伝媒体だ」  バルセロナ大会の開会式などをプロデュースしたルイス・バセット氏は、そう言ってはばからなかった』、「アテネでは」「選手1人に2人のマスコミがいた勘定になる」、「テレビが五輪を乗っ取ったと言ってもいい」、なるほど。
・『IOCにひれ伏し開催に踏み切る日本政府  五輪をテレビで見たという人の数は、ロサンゼルス大会が25億人。それがアトランタでは40億人に膨らんだ。 パルテノン神殿など極めてテレビ的な世界遺産の存在と、ヨーロッパ、米国にとって放送に都合がいい時差のおかげで、アテネ大会の視聴者数はさらに増えただろう。広告主にとってこんな有り難いことはあるまい。 競技スケジュールも、選手のコンディションではなく米国のテレビ放送時間に合わせて組まれるようになった。アスリートファーストなど虚構でしかない。 今やIOCの収入の5割がテレビ放映権、そして3割以上がスポンサー収入。チケット収入の占める割合は1割にすぎない。 アテネのテレビ放送権料はシドニーを上回る14億7000万ドル(1617億円)。このうち51%がIOC、40%がアテネ市に振り分けられたから、チケットなど売れなくてもよかったのだ。 選手のウエアやシューズは企業ロゴだらけ、記者会見場の背景にもスポンサーのロゴ入りボードが必ずといっていいほど置かれている。目に余る商業主義がオリンピック組織の腐敗を引き起こしている。 平和の祭典オリンピックがこれでいいわけがない。金と欲にまみれたメダル競争はいったい誰のためなのか。 ところが、国民の8割近くの反対の声を封殺し、数多くの飲食店を見殺しにした上、東京都も日本政府もIOCという「五輪クラブ」にただひれ伏して多額の税金を賭してまで無観客開催というぶざまな五輪開催に踏み切った。海外からの観光客も期待外れだ。 2020東京五輪の評価はこれからだが、世界中がウイルスと地球規模の闘いを繰り広げているさなかに開催された「コロナ・ゲームズ」として歴史に記されることは間違いない』、「国民の8割近くの反対の声を封殺し、数多くの飲食店を見殺しにした上、東京都も日本政府もIOCという「五輪クラブ」にただひれ伏して多額の税金を賭してまで無観客開催というぶざまな五輪開催に踏み切った。海外からの観光客も期待外れだ。・・・世界中がウイルスと地球規模の闘いを繰り広げているさなかに開催された「コロナ・ゲームズ」として歴史に記されることは間違いない」、最後の部分は嫌味たっぷりだが、全く同感である。
タグ:東京オリンピック 蟹瀬誠一 ダイヤモンド・オンライン Newsweek日本版 buzzfeed (五輪) 石野シャハラン (その20)(「五輪で感動」を押し付ける日本のスポーツ界に、外国人が感じる「不思議さ」、【アップデート】開会式前日に演出担当者解任 不祥事相次ぐ東京五輪の歩みを振り返る、無観客でも五輪開催を強行 IOCの「金と欲望の歴史」とは) 「「五輪で感動」を押し付ける日本のスポーツ界に、外国人が感じる「不思議さ」」 「物語仕立てにしたほうが視聴者を簡単に感動させられて、視聴率や部数を取れるから」、というのは事実としても、登場する「芸能人」のつまらないしゃべりには僕もイライラさせられる。 「日本のスポーツの周辺には「感動」という言葉があふれ過ぎている。そもそも「感動」はメディアが押し売りするようなものではない」、全く同感である。残念ながら、今回も「お仕着せの「感動」を受け入れない、観戦を楽しむ目の肥えたファンが増えるきっかけになるといい」、とはなっていないようだ。 「【アップデート】開会式前日に演出担当者解任 不祥事相次ぐ東京五輪の歩みを振り返る」 これほどケチがつきまくった大会も珍しい。 2015年7月:新国立競技場の計画「白紙に」 「ザハ・ハティド氏」とどういう打ち合わせが行われたのかも、現在では全く闇の中だ。 2015年9月:エンブレムのデザインも白紙に 「デザイン」はいまやネット検索できる時代なのに、こんな初歩的なミスをするとは、信じ難い。裏についている筈の電通も何をしていたのだろう。 2017年4月:新国立競技場の現場監督が自殺 ゼネコンの人使いの荒さは、有名だが、ここまで酷いとは・・・。 2019年1月:JOC会長の贈賄疑惑 「フランス当局が捜査」、現在どうなっているのか不明である。 2019年4月:当時の五輪相が問題発言で辞任 2019年10月:東京五輪のマラソン会場が札幌に 「札幌」では、「市民も楽しみにしていた札幌マラソンは2年連続で中止が決まったのに、オリンピックのマラソンだけ強行されるなんて納得がいかない」、との声も。 2020年3月:新型コロナで1年延期に 「延期」した時点では、「コロナ禍」がここまで長引くとは考えてなかったのだろう。 2021年2月:女性蔑視発言で森喜朗会長が辞任 24日の読売新聞によれば、「森喜朗氏を「名誉最高顧問」に…五輪組織委で浮上、幹部「首相官邸にダメと言われた」、いまだにJOC内ではこうした動きもあるとは恐れ入った。 2021年3月:容姿を侮蔑する企画を提案、開閉会式の統括が辞任 電通出身の「クリエイティブ・ディレクター」が、「オリンピッグ」とは、貧弱なおやじギャグそのもので、程度の低さに驚かされた。 2021年3月:聖火リレーがスタート、辞退続出 蜜回避のため応援もできないのであれば、「辞退続出」も当然だ。 2021年6月:専門家「開催にともなうリスクかなりある」 「尾身茂会長」のせめてもの抵抗だったようだ。 2021年7月19日:開会式の作曲担当、小山田圭吾さんが辞任 「組織委員会」が当初「留任する方針を示していた」とは情けない。 7月20日:関連プログラムに出演予定の絵本作家が出演辞退 この件をサイモンウィーゼンタールセンターに通報したのは、中山泰秀・副防衛相だったようだ。いずれにしても、よくぞこんなに次々に出てくるものだ。 「無観客でも五輪開催を強行、IOCの「金と欲望の歴史」とは」 「そもそも東京オリンピック開催がなぜ人類がコロナに勝った証しといえるのか。世界ではまだ感染が拡大している地域も多い。こういうのを誇大広告、あるいは事実誤認というのだろう」、少なくとも「人類がコロナに勝った証し」は破廉恥過ぎるので、もう使うのは止めてほしい。 「ロス五輪は税金を使わず400億円の黒字で終了した。そのため「オリンピックはもうかる」との思惑から立候補都市が急増。過度な招致合戦によるIOC委員に対する接待や賄賂、より派手なパフォーマンスを狙った選手のドーピングなどの問題が表面化した」、「権力と金とクスリにまみれた商業イベントに堕落した虚飾の祭典だった」、なるほど。 「アテネでは」「選手1人に2人のマスコミがいた勘定になる」、「テレビが五輪を乗っ取ったと言ってもいい」、なるほど。 「国民の8割近くの反対の声を封殺し、数多くの飲食店を見殺しにした上、東京都も日本政府もIOCという「五輪クラブ」にただひれ伏して多額の税金を賭してまで無観客開催というぶざまな五輪開催に踏み切った。海外からの観光客も期待外れだ。・・・世界中がウイルスと地球規模の闘いを繰り広げているさなかに開催された「コロナ・ゲームズ」として歴史に記されることは間違いない」、最後の部分は嫌味たっぷりだが、全く同感である。
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今日は更新を休むので、明日にご期待を!

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日韓関係(その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説) [外交]

日韓関係については、1月27日に取上げた。今日は、(その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説)である。

先ずは、7月16日付けJBPressが掲載したジャーナリストの李 正宣氏による「韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述、批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66103
・『韓国政府が「衰退する日本、先進国格上げの韓国」という広報記事を制作・公開したが、その後に削除したことが分かった。この記事が、インターネット上のコミュニティを中心に急速に広がり、「外交的欠礼」という非難世論が起きた直後、削除したものとみられる』、真相はどうだったのだろう。
・『「外交メディアに報じられれば恥さらしに」  7月14日、韓国の20~30代の若い男性が主に利用するあるインターネットコミュニティに、「韓国政府のアツアツの反日・クッポン(盲目的な愛国主義)売り」という書き込みが掲載された。韓国政府の広報を担当する文化体育観光部の国民疎通室が運営する「韓国政府公式SNS」に日本を露骨に卑下する広報物を掲載したことを批判する内容だった。書き込みに対するコメントも韓国政府を非難する内容が圧倒的に多かった。 「外国メディアが報道すれば国の恥さらしになるだろうが」 「コロナワクチン接種は逆転されてしまったくせに、無理強いをしている」「外交的に問題になるとは思わないのか」「首脳会談したいと言ってなかったけ?」「ワーディングがまるで北朝鮮と同じだね」』、韓国世論が健全なのは救いだ。
・『「政府の公式メディアで特定国を蔑視・嘲笑するのは外交的欠礼にあたる」  この書き込みがインターネット上で大きな話題となると、翌日の15日、韓国メディアはこの記述に関して具体的な状況を次のように伝えた。 韓国政府は7月8日、培材大学校のカン・チョルグ日本学科教授の「素材部品・装備で世界的な技術強国への跳躍」という寄稿文を要約した4枚のカードニュース(イメージと簡略なテキストで構成された記事)を制作、政府公式ツイッターをはじめとするインターネット上に公開した。問題は2ページ目だが、「衰退する日本、先進国格上げの大韓民国」というタイトルで内容は次の通りである。 <日本~コロナ防疫の失敗と景気低迷で国力低下が持続。朝日新聞は「日本政府の無能さ」を指摘(輸出規制は自ら行う・・・愚かな政策の極み(7月4日)> <韓国~飛躍的に国力成長、国連貿易開発機構「韓国を発展途上国から先進国へ地位変更」> 韓国政府公式SNSに掲載されていた「衰退する日本(쇠퇴하는 일본)」と書かれた記事。現在は削除されている。 『朝鮮日報』など複数のメディアによると、問題の2ページはクレームが寄せられ現在は修正されている。あるインターネットコミュニティには請願を受け付けたという人の書き込みが上がっている。 「韓国の顔とも言える国民疎通室で特定国家を蔑視し、嘲弄する表現が使われたカードニュースを制作して配布した行為は、“外交的欠礼”に該当することで、決して望ましくない」 「むしろ韓国の品格が損なわれ、威信が地に落ちる恐れがある」) これに対し、カードニュース制作担当者は「寄稿文を伝える目的で制作したため、原文の内容を反映した」と「朝鮮日報」の取材に答えたという。 だが実際は、カン・チョルグ教授の寄稿文の中に「日本が衰退した」という直接的な表現はなかった。「韓国はコロナ状況の中でも飛躍的な経済成長を成し遂げた反面、日本はコロナ防疫失敗や景気低迷などの国力低下状態が続き、韓日間貿易の相互重要性が次第に衰退していくことがうかがえる」という内容が出ているが、これを要約したものと思われる』、「国民疎通室」が学問的で中立的な「カン・チョルグ教授の寄稿文」を都合良く脚色したとは大いにあり得る話だ。
・『自慢の「K防疫」が破たん寸前だが隣を見たら日本も苦戦、ならば・・・  現在、問題の2ページには、「衰退する日本」が削除され、「大韓民国の国力も2年前に比べ、大きく成長している」となっている。日本政府を批判した言葉をすべて削除し、「今は先進国対先進国、日本と対等な立場が可能だ」という言葉に変わっている。 修正後の記事。日本を批判する箇所は丸ごと消えている。 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はこれまで、自国民に「コロナ防疫成功」を積極的に広報し、政権の最高業績に掲げてきた。コロナ拡散の初期、米国や欧州など西欧諸国において、政府の統制に慣れない国民性のためにコロナが急速に広がっている状況を「防疫失敗」と大々的に報道することで、「文政権の防疫成功」を際立たせた。これにより韓国民の間には「防疫先進国」という誇りが生まれた。 しかし、「ゲームチェンジャー」となるコロナワクチンの登場で戦況は逆転した。 米国や英国では早期にワクチン接種が始まり、国民生活が日常を取り戻しつつある一方、「K防疫」を掲げてコロナの拡散防止だけに力を入れてきた韓国は、依然として、マスクをつけたままソーシャルディスタンスを保たなければいけない。韓国人の心からは、「防疫先進国」というプライドはいつの間にか消え、「防疫後進国」という恥辱感が押し寄せている状況だ。 それでも、幸いなことに、ライバル・日本の状況も決して韓国より良いと言える状況にはなかった。コロナワクチンの確保には成功したものの、アナログ式行政システムのために接種が円滑に行われておらず、日本の接種率は世界平均を大きく下回っている。しかも、東京オリンピックを控えながら、東京に4度目となる緊急事態宣言が出されている――。ライバルがこんなに混乱する姿を見せているのだから、文在寅政権としては、日本の暗い状況を自国の広報に積極活用しようと思ったのだろう。 だが、その思惑通りにはならなかった。政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きたのだ』、「政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きた」、極めて健全な反応なのに驚かされた。
・『韓国の政府公式SNS、つい最近も写真「編集」で物議  文化体育観光部は、6月13日にもG7首脳会談の記念写真を編集して掲載したことで、バッシングを受けた過去もある。G7首脳と招待国の首脳が一堂に会して撮った記念写真で、左端に写っている南アフリカ共和国大統領の部分をカットして、「これが大韓民国の地位」という文とともにSNSに掲載したのだ。 これに対してメディアや世論から「外交欠礼」という非難の声が上がった。左端の南ア大統領をカットすることで、文大統領がいかにも全体の中心にいるような構図にするような編集の意図が感じられたことと同時に、南ア大統領のすぐそばに立っていた菅首相を隅っこに押し込めようとする意図もあるとの指摘もでた。これに対して、当時、文化体育観光部は、単に「担当者のミス」と言い訳してみせた。 しかし、今回の広報物に対しては、失敗という事実すら認めてない。『韓経ドットコム』によると、文化体育観光部の担当者は、カードニュースを修正したことについて、「メッセージ伝達の効率性のため、随時内容を確認して修正しなければならない。最善と思われる地点を探して修正しただけだ」と答え、批判世論を意識したものではないと主張した。どうやら文在寅政権にとって日本は、どこよりも弱腰で、叩きやすい相手に見えているのだろう』、「写真「編集」」というみっともないことをしておきながら、「文化体育観光部」の居直りは酷いものだ。

次に、7月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由、元駐韓大使が解説」を紹介しよう』、興味深そうだ。
・『韓国選手団の住居棟に反日の英雄を連想させる横断幕  東京オリンピックを巡って日韓間で対立が鮮明化している。 7月14日、オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された。これは日本を打ち負かそうという、スポーツの国際大会にふさわしくない反日文句である。 韓国による東京オリンピックを否定し攻撃する姿勢が続いている。「共に民主党」の議員がオリンピックの競技場が放射能影響圏にあるという地図を公開し、「東京オリンピックをボイコットする」と言ったことが始まりである。) 福島原発処理水の放出に対しては、IAEAや米国に韓国側の懸念を伝え、放出を止めるよう協力を要請した。直近では大韓体育会が選手団に「福島産の食材は口にするな」と指導した。 東京オリンピックのホームページに掲載された聖火リレー地図に、竹島が日本領土と表記されていることの是正を求めた。次期大統領選の候補や与党議員が是正されない場合には東京オリンピックをボイコットするよう主張した。 文化体育観光部が「衰退する日本」というニュース形式の宣伝物を制作した。 日韓対立の原因の多くは、韓国側がオリンピック精神を理解しているのか、国際的儀礼をわきまえているのか、疑わせる内容のように思われる。日韓間が国民感情に左右されず普通の隣国であれば起きない問題であろう。日韓関係の未来を見据えた場合、こうした問題の起きない関係を築いていくことが課題であろう。 韓国側で問題をこじらせているのは一般国民より政府・与党あるいはそれに近い人々である。こうした指導的立場にある人々がもっと冷静になることを促したい』、「オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された」、ここまで馬鹿なことをするとは、韓国政府もいい加減にしてほしいものだ。
・『オリンピックで勝つのではなく日本に勝つのが目的なのか  冒頭で触れた横断幕には、「臣にはまだ5000万国民の応援と支持が残っております」という文言が書かれていた。 この言葉は日本の朝鮮出兵に勝利した李舜臣将軍が朝鮮第14代国王宣祖への報告書に「今臣戦船尚有十二(臣にはまだ船が12隻あります)」と書いた文面から取ったものである。 当時朝鮮軍は豊臣秀吉の軍に劣勢であったが、李将軍は12隻の戦船で日本に連勝して韓国を敗戦の危機から救った。これにあやかった言葉である。 李将軍は、秀吉の朝鮮出兵を打ち破った「反日の英雄」として韓国では神格化されている。 韓国は、今でも日本国内の聖火リレー地図から竹島が除去されないことに反発しており、こうした心情があえて李舜臣を選手村に掲げさせた理由であろう。 さらに、韓国はこれまでの国際大会で、日本より上位にいることにこだわり、対抗意識を燃やしてきた。今回の東京オリンピックのメダル獲得数で日本より下位に甘んじる場合には大韓体育会は国民の批判の矢面に立たされる危険性があった。そうしたことから李舜臣将軍を持ち出して韓国選手の尻をたたこうとしたのだろう』、日本は「韓国」をライバル視してないのに、「韓国」が一方的にライバル視しているのは困ったことだ。
・『横断幕は不適切として大韓体育会が撤去  この横断幕に対して15日の東京スポーツは「韓国選手団が選手村に『反日横断幕』不穏な“戦時メッセージ”掲げる」と題した記事を掲載した。 それを受け大韓体育会は「今回の大会は日本で開催されるだけに特別なメッセージを準備した」「国家の代表選手たちを盛り上げる応援フレーズを考えていたが、ある職員の提案であの横断幕を準備した」「韓国代表団を応援しようという純粋な意図を歪曲(わいきょく)するもので残念だ」とコメントした。 大韓体育会はこの横断幕を撤去した。IOC関係者が韓国選手団の事務室を訪問し、「横断幕の撤去を要請した」という。さらに文書を通じても「横断幕のフレーズは戦闘に参加する将軍を連想させるもので、オリンピック憲章第50条に違反する」と指摘したようである。 韓国側は横断幕の撤去に当たり、競技場内の旭日旗応援に対して強く異義を提示し、IOCは「旭日旗に対しても同じ条項を適用して判断することを約束した」という。 韓国側はそれでもIOCが日本に寄り添っているとの不満を抱いており、横断幕の代わりに「虎の形をした朝鮮半島」の絵が描かれた垂れ幕を出した。これは朝鮮半島出兵時に秀吉が加藤清正に命じた「虎狩り」に関連するものだとの指摘も出ている。これも「克日(日本に勝つの意味)」を連想させる。 韓国メディアは、日本の極右が激怒し、選手村に集まり旭日旗デモをしたと報じた。しかし、これは日本の極右だけが問題としているものでなく、多くの日本人が韓国の行動にあきれ返っているということである。この横断幕は日本人に大韓体育会による「反日行動」と映るだろう。そういうことも理解できない大韓体育会はオリンピック精神を正しく理解しているとは言い難い』、「韓国側は横断幕の撤去」を自主的にではなく、「IOC関係者が・・・「横断幕の撤去を要請」」したためだったようだ。
・『ゴルフ日本代表チームのユニフォームが旭日旗を連想させると問題提起  中央日報は、日本のゴルフ代表チームのユニフォームが「日の昇る国を表す斜めのラインが入っている」「日の丸の赤や白、それに海や桜といった日本の自然をイメージした青や白が採用された」と紹介している。それが旭日旗を連想させるという。 だが、筆者がユニフォームの写真を見る限り、何をもってそういう連想になるのか理解できない。「日本の軍国主義を象徴する旗の旭日旗は広がる太陽を形骸化したもの」だからというが、この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない。 そもそも、競技場は無観客であり、旭日旗で応援することは想定し難い。大韓体育会の面子を保つためとはいえ、意味のない問題提起をするものである』、「この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない」、やれやれだ。
・『福島産食材を問題視し国食材の弁当を支給  大韓体育会は、オリンピック選手村の食事に使われる福島県産などの食品を食べないよう、自国選手団を指導していることが判明した。放射性物質による汚染の危険があるという。自民党内からは「そこまでいちゃもんをつけるとは本当に不愉快だ」との声が出ている。 韓国は一昨年、「共に民主党」の議員らがオリンピックの競技会場を地図で示し、放射能の影響圏にあるとして放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている。 また、福島原発処理水の問題では「周辺国の安全と海洋環境の危険を招くだけでなく、日本に最も近い隣国である韓国との十分な協議も了解もなく行われた一方的な措置」だと非難し、IAEAや米国に懸念を伝えた。 しかし、IAEA、米国共に処理水の放出に理解を示し、また、韓国政府内の検討でも「処理水の影響はない」との結論が出ていたにもかかわらず、韓国政府がこれをあえて取り上げず、むしろその見解を否定したことも判明した。こうした韓国政府の対応は行き場がなくなり、むしろ感情的な対応になってきたようである。 今回大韓体育会はあらためて福島県産などの農水物を問題にした。しかし、それら農産物は放射性検査を経て、安全なものだけが出荷されており、大会組織委員会は、検査の数値を示して安全性を説明している。韓国側が求める韓国食材の選手村持ち込みを許可しなかったのは当然である。 ちなみに東日本大震災の直後、日中韓首脳会談出席のため訪日した李明博大統領は菅直人首相、温家宝首相(いずれも当時)と共に福島県を訪問、菅首相に続いて福島県産の農産物を試食した(筆者もこれに立ち会った)。大統領が事実を客観的に評価すれば問題はこじれないものである。今の韓国を見て大変残念な思いである。 大韓体育会は韓国産食材を持ち込めなかったことから、選手村の近くのホテルを借りて給食センターを設置し、韓国からキムチなど一部食材を持ち込んで弁当を用意し、選手村や選手らが調整を行う競技場や練習場に運ぶという。 韓国は過去のオリンピックでも栄養管理のためのセンターを設置していたが、今回は「放射性物質対策」も理由に掲げ、韓国から送った食材を使うという。農水省によると、韓国は福島を含む8県の水産物の禁輸を続けている。 今回のオリンピックは、日本にとっては「復興五輪」である。日本はコロナ下にもかかわらず、オリンピック関係者に精いっぱいのおもてなしをしようと最善を尽くす中、こうした行動は日本人の善意を傷つけるものであり、ますます韓国人嫌いを増やすことになりそうである』、「放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている」、いい加減にしてほしい。
・『韓国側は聖火リレー地図に表記された竹島の削除を要求  文化体育観光部と大韓体育会は東京オリンピックホームページ上の聖火リレー地図に竹島が表記されたのを削除するようにIOCに仲介を要請した。聖火リレーコースを紹介する地図には、島根県の上の方に虫眼鏡で探さなければわからないほど小さな点で竹島が表記されているが、これは日本の竹島領有権主張であり、是正を要求するというのである。 2018年の平昌オリンピックの時に韓国名独島(竹島)が表記された韓半島(朝鮮半島)旗の使用に対し日本政府が抗議し、IOCは「政治的事案をスポーツにつなげるのは不適切」だとして朝鮮半島旗に竹島を表記することを削除するよう勧告し、韓国側は「外交的紛争防止と五輪精神順守など」のために勧告を受け入れたことがある。 今回韓国側は「平昌での措置を今回も同一に適用すべき」で「大会組織委員会に竹島を削除すべきと勧告する」ように求めた。 しかし、今回の状況は平昌オリンピックの時とは明らかに異なる。 平昌オリンピックで使用した統一旗は開会式の入場行進に使うものであり、これを見るのは世界の人々だ。しかも、竹島が実体よりもはるかに拡大して表示されている。これでは竹島が韓国の領土だと世界の人々に宣伝する目的と受け止められても仕方がない。 一方、今回の地図は聖火リレーのコースを紹介するものであり、これを見る人の多くは日本人だろう。しかも竹島の大きさについても実体に即している。 こうした違いを踏まえてIOCは「どのような政治的意図もない」と韓国側に回答し、仲介の要求を拒否している。しかし、韓国側はいまだに地図からの竹島の削除を求めている。 ただ、この問題を巡っては韓国の一部政治家が大騒ぎしているものの、オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない。 韓国では竹島の問題は国民感情をたきつけるものであるが、地図上の竹島が虫眼鏡でなければわからないことから、あまり関心が高まらないのかもしれない』、「オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない」、国民が比較的冷静なのが救いだ。
・『文化体育観光部はホームページに「衰退する日本、先進国に格上げされた大韓民国」と掲載  文化体育観光部の国民疎通室は8日、「衰退する日本、先進国に格上げされた大韓民国」というタイトルの宣伝物をホームページに掲載した。これは培材大学日本学科のカン・チョルグ教授の寄稿文を要約したものである。 カン教授は「韓国はコロナの状況下でも飛躍的な経済成長を成し遂げたのに対し、日本はコロナ防疫失敗や景気低迷など国力低下状態が続き、韓日間貿易の相互重要性が次第に衰退していくことがうかがわれる」と主張した。 これに対し、韓国の一部ネットユーザーから「大韓民国の顔ともいえる国民疎通室で特定国家を蔑視し、嘲弄(ちょうろう)する表現が使われたニュースを制作して配布した行為は外交的欠礼に該当し、決して望ましくない」「むしろ大韓民国の品格が毀損(きそん)され、威信が地に落ちる恐れがある」と批判した。これを受け、同部では内容を修正したようである。 今回のオリンピックを巡る騒動は大韓体育会の監督官庁である文化体育観光部の姿勢と共通するものがあろう。日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である』、「日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である」、同感である。 
タグ:日韓関係 ダイヤモンド・オンライン JBPRESS 武藤正敏 李 正宣 (その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説) 「韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述、批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声」 韓国世論が健全なのは救いだ 「国民疎通室」が学問的で中立的な「カン・チョルグ教授の寄稿文」を都合良く脚色したとは大いにあり得る話だ。 「政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きた」、極めて健全な反応なのに驚かされた。 「写真「編集」」というみっともないことをしておきながら、「文化体育観光部」の居直りは酷いものだ。 「韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由、元駐韓大使が解説」を紹介しよう』 「オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された」、ここまで馬鹿なことをするとは、韓国政府もいい加減にしてほしいものだ。 日本は「韓国」をライバル視してないのに、「韓国」が一方的にライバル視しているのは困ったことだ。 「韓国側は横断幕の撤去」を自主的にではなく、「IOC関係者が・・・「横断幕の撤去を要請」」したためだったようだ。 「この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない」、やれやれだ。 「放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている」、いい加減にしてほしい。 「オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない」、国民が比較的冷静なのが救いだ。 「日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である」、同感である。
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医療問題(その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は) [生活]

医療問題については、5月2日に取上げた。今日は、(その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は)である。

先ずは、7月1日付けPRESIDENT Onlineが掲載したボーボット・メディカル・クリニック院長の亀廣 聡氏による「「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/47411?page=1
・『医療機関にうつ気分を訴えると、「抗うつ薬」を処方されることが多い。しかし、それが「誤診」であると治療が長期化してしまう。精神科医の亀廣聡さんは、「抑うつ状態を示す病気のうち抗うつ薬が効くのは『大うつ病』だけ。誤診に気付かないと投薬量がどんどん増えてしまい、『薬のせいで病気』という状態の人もいる」という――。(第1回/全2回) ※本稿は、亀廣聡・夏川立也『復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らずうつを治す方法」を聞いてみました』(日本実業版社)の一部を再編集したものです』、このブログでも精神科医療のお粗末な実態を取上げてきたが、今回のもそうらしい。
・『なぜずっと薬を飲んでいても治らないのか  私のクリニックは、メンタルの不調によって休職を余儀なくされた人たちのリワーク(職場復帰)支援を専門とする心療内科です。当クリニックには、長期間症状が改善せず職場復帰できない患者さんが数多く転院してきます。 ほとんどの患者さんが前院で「うつ病」や「抑うつ状態」などと診断され、抗うつ薬や睡眠薬を飲み続けている人たちです。長期の服薬にもかかわらず、なぜ、改善しないのでしょうか。 理由を述べる前に「うつ」について簡単に解説しておきます。憂うつ、落ち込むといった気分が強く、かつ持続していることを、日常的には「うつ」「うつ状態」と表現されますが、精神医学では「抑うつ状態」という用語を使います。一時的な気分の落ち込みのような病的でないものと、認知症に起因する症状を除くと、抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類されます。 ・双極性障害 ・大うつ病(うつ病) ・抑うつ体験反応(神経発達障害との併存症として広義の適応障害を含む) ・症候性抑うつ状態 ・統合失調症の抑うつ状態 ・薬剤性抑うつ状態 じつは、抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです』、「抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類」、「抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです」、そんなに安易に「抗うつ薬」が「処方」されているとは、初めて知った。
・『安易に抗うつ剤を処方する医師、納得する患者  冒頭に記したような、他院で治療を続けながら状況が改善されず、当クリニックに転院してきた事例は、これまでに全受診者の3分の2ほどあります。全受診者でも「うつ病」という診断のつく方はたったの2人でした。転院して来られた患者さんでうつ病の診断がつく方はゼロでした。 ほとんどの患者さんが、効かない薬を飲み続けていたことになります。そして、薬には副作用があることを忘れてはいけません。副作用が原因で会社に行けなくなることもあり、こうなると抑うつ状態になったきっかけすらわからなくなってしまいます。 うつ気分を訴え心療内科を訪れる人はたくさんいます。そして心療内科の中には、1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります。患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発するのです』、「1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります」、「患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発」、「すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニック」は許し難いが、こうした悪質な医者を排除するには健保組合での保険診療のチェックだけでは、実効性が期待し難いようだ。
・『いつのまにか薬漬けに  非常に深刻な状態になることもあります。複数の医療機関で「うつ病」と診断されていた会社員のBさんのケースです。 最初にBさんが当クリニックを訪れたとき、私は衝撃を受けました。処方されている薬の量が尋常ではなかったのです。多くは向精神薬で、まず抗うつ薬。それに「てんかん」の薬が3種類と、「非定型抗精神病薬」という統合失調症治療にも使われる薬が2種類。さらに、今ではすでに販売中止になっている強力な催眠、鎮静作用のある「ベゲタミン」という製剤が2錠。 加えて睡眠薬や抗不安薬、薬の副作用による便秘を解消するための便秘薬まで含めると、合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです。当然まともに仕事ができるわけもなく、物忘れをする、駅の階段でつまずいて転倒するといったことが続いていました。そして何年も、休職と復職を繰り返していました』、「会社員のBさんのケース」、「合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです・・・何年も、休職と復職を繰り返していました」、ここまで酷いと、本来は医療過誤による傷害罪に問いたいところだ。
・『セカンドオピニオンを求めたが  この薬の量にはBさんも不審を感じており、近くの大学病院にセカンドオピニオンを求めましたが、診断はうつ病で間違いなく、薬の量も妥当と言われたそうです。その後、名の通った別の先生のクリニックを受診したところ、「たしかに薬が多すぎる」ということで転院。当初は薬が減って喜んだものの、対症療法に偏った治療のせいか、気付いたときには以前より増えて、山のような薬を飲まされていました。 そして、すがる思いで相談に訪れた内科医(漢方医)に紹介され、当クリニックを受診されたのでした。Bさんの性格は粘り強く、あきらめずに会社に通っていましたが、当時は何回目かの休職中で、会社から「次はない」と言われているようなタイミングでの受診でした』、「セカンドオピニオン」を出した「近くの大学病院」の医者もいい加減だったようだ。
・『診察すると全く別の病気だった  結論から言うと、Bさんはうつ病ではなく、私は「双極Ⅱ型障害」と診断しました。 双極性障害は、一般に「躁うつ病」と呼ばれる病気です。「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類があり、Ⅰ型は躁状態が顕著に現れますが、Ⅱ型は軽躁状態程度の緩やかな山が長いため気付かれにくいという特徴があります。どちらも、うつ病のように原因がよくわからない病気ではなく、脳神経系のバランスが崩れることで発症するというメカニズムがわかっている病気です。 双極性障害の中でも双極Ⅱ型障害は、薬に頼らずに、医師の指導のもと生活リズムや運動・食事などの生活習慣を改善し、さらに認知行動療法などを根気よく行うことで症状を改善させることができます。少々時間はかかるかもしれませんが、寛解状態(病気による症状が好転もしくはほぼ消失し、医学的にコントロールされた状態)に持っていくこともできます。 Bさんはうつ病ではないのでまず抗うつ薬をやめ、気分安定薬1種類だけにしました。あわせて睡眠薬も抗不安薬もすべてやめて、代わりに漢方薬を処方しました。 睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます。Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました』、「睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます・・・Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました」、こんな「離脱症状」があるとは初めて知った。
・『1年4カ月の治療で完全に職場復帰  Bさんは1年4カ月の間、日曜日以外の毎日、当クリニックに通ってくれました。そしてリハビリ出勤を経て、ついに職場復帰を果たします。リハビリ出勤の際、会社の上司は「あれだけたくさんの薬が1剤になってあとは漢方薬なんて、本当に治ったと言えるのか。二度と休職しないと保証できるのか」と復職に懐疑的でしたが、その後のBさんの安定した働きぶりから、完全復職を認めました。 Bさんのような双極性障害は、脳神経系のバランスの乱れによって、躁状態とうつ状態が混合して同時に存在してしまう「混合状態」が問題になります。混合状態では、 
+意欲はあるのに気分が悪くて動けない。だからあせる。 +気分はいいのに何かしようという意欲が湧いてこない。だからイライラする。 というような、なんとも耐え難くつらい「抑うつ状態」が現れます。 人はそのような不安やあせり、イライラを感じると、自分で「なんとか解消したい」と思うものです。たとえば、とくに若い女性などは大量に食べ、吐いたりします。そのとき、瞬間的にスッキリするという体験をするとそれが習慣になります』、なるほど。
・『表層だけを見て根本的な問題を見落とす  そういう人が精神科を受診すると「摂食障害」と診断されることもあります。食べて吐く代わりにお酒やドラッグに依存する人は、「アルコール依存症」「薬物依存症」と診断されます。理由もないのに常に不安を感じると訴える人は、「不安神経症」という病名になって、抗不安薬を処方されることになります。 問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです』、「問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです」、精神科の診断もやはり難しいものだ。
・『うつ病と診断されやすい双極Ⅱ型障害  双極性障害のうちとくに双極Ⅱ型障害は、うつ病と診断されやすい病気です。前医でうつ病と診断されて症状が改善せず、当クリニックに転院してきた患者さんのうち、6割以上の人が双極Ⅱ型障害でした。 以下のような報告もあります。 ・うつ病患者の60%が、じつは双極Ⅱ型障害である。(Benazzi.2004) ・双極Ⅱ型障害の37%はうつ病と誤診されている。(Ghaemi.2000) ・双極性障害の77%が最初にうつ病などと診断されている。(ノーチラス会アンケート) ・正しい診断までに4年以上かかった人が51%いた。(同) 繰り返しますが、抗うつ薬が効くのは大うつ病(うつ病)だけです。何年も抗うつ薬を飲んでいて改善されていない人は、かなりの確率でうつ病ではないと断言できます。 あなた自身や周囲の人で、うつ状態に苦しんでいる人はいませんか。うつ病と診断されて、何年も薬を飲みながら苦しみ続けていませんか。もしそうなら、「抑うつ状態を示す6種類の病気」のことを思い出してください。そして信頼できる医師のもと、症状と対処法をあらためて見つめ直してください』、「信頼できる医師」探しは、重要ではあるが、簡単ではなさそうだ。

次に、6月6日付けPRESIDENT Onlineが掲載したAGE牧田クリニック院長の牧田善二氏による「ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46597?page=1
・『これまで20万人超の患者を診てきた牧田善二医師は、「人間ドック等で行われる血清クレアチニン検査では腎臓が悪化していく過程を捉えられず、結果、いきなり『人工透析です』と言われる人が続出している」と警鐘を鳴らす。特に高血圧、高血糖、高コレステロールの人はリスクが高いため、尿アルブミン検査を受けるべきというのだが──。(第5回/全6回) ※本稿は、牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『「あるとき突然、透析」の恐怖  55歳の女性Aさんは、自宅近くの不動産会社で平日の9時から15時まで働いています。結婚前、建築関係の企業に勤めていたとに宅建の資格を取得しており、時短勤務とはいえ、Aさんは会社にとって貴重な戦力として活躍しています。 子育てが一段落したこともあり、休日には夫婦揃そろって旅行をしたり、仕事が終わってからの時間は映画を観たりと、充実した生活を送っていました。「いました」と過去形にしたのは、Aさんにとって予想外のことが起きたからです。 Aさんは、40歳を過ぎてから血糖値の高さを指摘されていたものの、かかりつけの病院で糖尿病の治療を受けていたことから安心していました。しかも最近は、ヘモグロビンA1cの値が大幅な改善傾向にあって喜んでいたのです。 ところが、ある日いきなり主治医から「透析専門の病院を紹介しますから、これからはそちらに通ってください」と言われてしまいました』、いきなり「「透析専門の病を紹介します」などと言われたら、誰しも腰を抜かすほど驚く筈だ。
・『医者もわかっていない「腎臓病の進行プロセス」  「透析? 私が? なんで?」 「ヘモグロビンA1cだって良くなっていたじゃないの!」 人工透析は、5時間ほどかかる治療を週に3回も受けなくてはなりません。とても旅行どころではないし、勤めも続けることはできないでしょう。また、55歳の女性が人工透析に入ると、余命は15年も短くなってしまいます(透析学会、2004年データより)。 「私の人生これから!」と思っていたAさんは、大変なショックを受けました。しかし、取り乱すAさんに、主治医は血液検査の「血清クレアチニン」という項目の数値を示して、「こうなると、もうどうしようもないのです……」と、淡々と説明するだけでした。 実際の医療現場でも、Aさんのようなケースはよくあります。患者さんはちゃんと糖尿病の治療を受けていて、なにも問題はないと思っている。ところが、腎臓がいつの間にかひどいことになっていて、いきなり医師から「人工透析が必要だ」と告げられるのです。 このような悲劇が繰り返されるのにはもっともな理由があって、Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです』、「Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです」、こんなことがあり得るとは、驚かされた。医者の不勉強のつけを患者が払わされるとは酷いものだ。
・『「インスリンすら解毒できない体」の恐ろしさ  Aさんは、人工透析が必要なほど腎臓の状態が悪化していたにもかかわらず、ヘモグロビンA1c値は改善に向かっていました。いったいぜんたい、どうして、そんなことが起きたのでしょうか。 実は、皮肉なことに糖尿病の合併症の腎症がかなり進行すると、血糖値のコントロールが良くなるのです。なぜなら、腎機能の悪化で「インスリン」すら体外に排出できなくなってしまうからです。 私たちがなにか食べると血糖値が上がります。すると、上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが膵臓すいぞうから分泌され、血糖値の上がり方をほどほどに抑えてくれます。そして、数分間働いたインスリンは、腎臓で解毒されて尿へと排出されます。 このときに、糖尿病の患者さんはインスリンの効きが悪く、血糖値がかなり上がってしまいます。そのため、Aさんは注射でインスリンを補充していました。 インスリン注射をしても、なかなか血糖値コントロールは難しく、かつてはAさんのヘモグロビンA1c値も高く推移していました。 ところが、腎臓が悪くなったことで、本来なら数分後には消えてなくなるはずのインスリンが排出されず、いつまでも血液中に残ります。そして、血糖値を下げる働きをずっと続け、結果的にヘモグロビンA1c値が下がるのです。 腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です。実際に、インスリン投与を止めることができる人も少なくありません。 しかしながら、こうしたケースでは、いくら血糖値が下がってもまったく喜ぶことはできません。その人の腎臓は、もはやあらゆる毒性物質を排出することができなくなっているわけですから』、「腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です」、確かにその通りだ。
・『「生活の質」はだだ下がり…  人工透析とは、機能が低下した腎臓に代わって解毒を行う治療です。そのため、一度、透析に入ったらやめることはできません。 透析の患者さんは「身体障害者1級」という最も重度の障害者と認定され、医療費はすべて国か健康保険組合が負担します。 透析は前述の通り、1回の治療に約5時間かかり、週3回ほど行います。以前はもう少し短く、4時間程度で終えることもありましたが、透析時間はできるだけ長く取ったほうが患者さんの体にとっていいことがわかってきました。 本当は、5時間よりももっと時間をかけたほうが望ましいのですが、それではまさに一日仕事で、患者さんはほかになにもできなくなってしまいます。せいぜい5時間が限度なのでしょう。 それでも、患者さんのQOL(生活の質)は大きく落ちてしまいます。また、透析を始めると血管が傷み、動脈硬化が著しく進みます。そのため、心不全、心筋梗塞や脳卒中といった血管系の病気が高頻度で起こります。加えて、透析の患者さんではがんの発症率も高くなることがわかっています。 実際に、透析に入った患者さんの5年生存率は60%。4割の患者さんは5年以内に亡くなります。だからこそ、透析に入らないで済む段階での治療が望まれるのです』、「透析に入った患者さんの5年生存率は60%」、こんなに低いのであれば、確かに「透析に入らないで済む段階での治療が望まれる」。
・『血清クレアチニン検査の大問題  ところが、腎臓の状態を判断するのに多くの医師が用いている「血清クレアチニン」の検査は、はっきりいって“役立たず”です。異常値が出たときには、たいてい手遅れだからです。 血清クレアチニン値は、腎機能を知る指標として、一般的な健康診断でも測定されます。おそらく、あなたの手元にある人間ドックや健康診断の検査結果表にも、その値が載っているはずです。そして、基準値内に収まっていることでしょう。 しかし、たとえ血清クレアチニン値が「正常」であっても、実際の腎機能はとうてい正常とはいえないケースが多々あります。 そもそも、慢性腎臓病は急性のものではなく「徐々に」進行しています。「だったら、主治医が途中段階で適切な治療を施していれば、そもそも透析になどならないではないか」と、Aさんでなくとも思いますよね。ところが、血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです。 にもかかわらず、いまだに「血清クレアチニン値に少し異常が出始めたということは、腎機能も少し落ちているのだろう」などと呑気に構えている医師も多いのです。 本当はもっと早い段階で、血清クレアチニン値に異常が出て、透析が必要になる2年前までに正しい検査でキャッチして、「このままでは透析になる危険があるから、治せる病院を紹介します」と言えば患者さんは助かるのに、とても残念です』、「血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです」、もっとよく「キャッチ」できるのは後述の「尿アルブミン検査」のようだ。
・『患者を治すことができない医師たち いずれ透析になるであろう患者さんを前に、医師がギリギリまで告げずにいるのには理由があります。自分では治せないからです。そして、今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです。 早くから患者さんに伝えれば、「なんとかしてください」と頼まれてしまいます。でも、治す方法を知らないからそれはできない。患者さんの願いに応えられないというのは、医師としてとても辛いのです。 白状しましょう。かつての私自身がそうでした』、「今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです」、多くの「医師が」そんなに不勉強だとは驚きだ。
・『本当に重要なのは「尿アルブミン検査」  私がまだ、母校の北海道大学付属病院で働いていた30年以上前のことです。北大病院には北海道各地から治療の難しい患者さんが集まってきていて、糖尿病の場合も同様でした。 当時の私は、合併症の腎症の怖さはわかっていたものの、血清クレアチニン値にばかり気を取られていました。そして、患者さんの血清クレアチニン値に異常が出ると、尊敬する腎臓病専門医に紹介状を書いていました。 すると、あるとき、その先生からこう言われたのです。 「牧田君は、患者さんの血清クレアチニン値に異常が出たら、『腎臓が少し悪くなり始めたくらい』と思って僕に紹介状を書いているでしょう。ほかの糖尿病専門医もみんなそうですけど、それは大きな間違いです。血清クレアチニン値に異常が出たらもう手遅れで、腎不全を起こしていて数年で透析に入るしかないんです。そうではなく、もっと早く紹介してくれれば治せるんです。尿アルブミンの検査をして、数値が300を超えたらすぐに紹介してください」 このとき私は、はじめて尿アルブミン値を把握することの重要性を知りました。』、「尿アルブミン検査」の重要性はどの程度の「医者」が認識しているのだろうか。
・『血圧の薬で腎臓病が良くなる?  そして、それ以来、この尿アルブミン検査で異常値が出たときの治療法を懸命に探しました。 すると、2007年に、テルミサルタンという血圧の薬を使うと軽症の腎臓病は治るということがわかりました。しかも、この研究では、血圧が正常で腎臓の悪い患者さんにも投与されて効果が認められました。 すなわち、テルミサルタンは血圧を下げるだけでなく、血圧に無関係に腎臓を良くする素晴らしい効果があることがわかったのです(Diabetes Care 2007;30:1577-1578)。 さらに、2012年頃からアメリカやヨーロッパで、スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました。それまで、この薬はカリウムという成分が体内で増える副作用があり、腎臓が悪い人には使わないようにといわれていたのです。 最初は私も半信半疑で、恐る恐る使ってみました。すると驚くことに、かなり悪化していた患者さんの腎臓が劇的に良くなりました。本来、尿アルブミン値は30を超えたら治療が必要なところ、なんと、2000を超えて人工透析が避けられなかったはずの患者さんの数値がほぼ正常にまで改善したのです。 こうした知見を私に与えてくれた先輩や世界中の研究者、そして一緒に闘ってくれている患者さんたちのおかげで、今の私は、「もう透析しかありません」とさじを投げられた人たちを救うことができるようになりました』、「スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました」、医療技術の進歩はまさに日進月歩なようだ。
・『行きつけのクリニックで簡単にできる検査  私が「自分の患者さんを透析にだけはさせない」というモットーを貫き通すことができるようになったのも、こうした医学の進歩があってのことです。 だからこそ私は、今も血清クレアチニン値で判断している医療現場や、それによって慢性腎臓病を悪化させている患者さんたちに対し、「一人でも多くの人を透析から救えるように本当のことを知ってください」と呼びかけずにはいられないのです。 とくに高血圧、糖尿病、コレステロール高値などで通院中の方は、慢性腎臓病になりやすいので、いますぐにでも「尿アルブミン」検査を行ってください。 行きつけのクリニックでいいので、「尿アルブミン検査を受けたい」と相談してください。尿を採って検査機関に回すだけですから、この検査は本来どんなクリニックでも可能です。 ただ、この検査のことをよく知らない医師が多く、依頼してもやってくれないことがあるかもしれません。そのときはクリニックを変えてでも検査を受けてください。自分の体を守るには、みずから動くことがとても重要です。 この検査は保険がきき、3割負担の方なら、検査費用だけなら300円程度で可能です。 尿アルブミン検査の結果と、血清クレアチニン検査から求める「eGFR」という指標の2つがあれば、あなたは一生涯人工透析にならないための治療を早めに、かつ、適切なやり方で行うことができます。 拙著『医者が教える最強の解毒術』でさらに詳しく説明していますので、こちらもご参照いただき、ご自身の体を守る行動を起こしていただきたいと切に願っています』、人間ドック学会などしかるべき学会などを通じて、広く周知徹底してほらいたいものだ。

第三に、7月15日付けデイリー新潮「がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/07191056/?all=1
・『主治医から見放されたがん患者にとって、希望の光となるか。昨年、保険適用され、治療がスタートした「光免疫療法」。施術を受けた患者の腫瘍は縮小した? 既に治療が開始された病院とは? 画期的療法の取材を続けるライター・芹澤健介氏が、現状をレポートした。 昨年9月、世界に先駆けて日本で承認された「光免疫療法」。現在は世界各国で臨床試験が進むのと並行して、国内の複数の施設で治療も始まっている。 開発したのは、米国立衛生研究所(NIH)で主任研究員を務める小林久隆氏(59)。いまや世界中から注目を集める医学者だ。 「一研究者として小林先生を心から尊敬しています」 と言うのは、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(58)である。 「最初に光免疫療法のアメリカでの治験結果を見せてもらったとき、僕は本当にびっくり仰天したんです。『がんにこれほど効く治療法ができたのか』って。今後、いろんながんに効くということが実証されていったら、ノーベル賞受賞も十分ありえると思います」 光免疫療法は、その名の通り、「光」でがんを攻撃すると同時に、患者自身の「免疫」で防御力を高める最新の治療法だ。 がんを攻撃する際に使われるのは、テレビのリモコンなどにも利用される日常的な「近赤外線」。出力はそれほど高くないので、実際に治療で使う光に直接手をかざしても熱くはない。 特殊なのは同時に使われる「アキャルックス」という薬剤のほうである。少し専門的な説明になるが、「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす。バイオベンチャーの楽天メディカルが製造販売を行う新薬だ。この薬も近赤外線も人体への影響は限定的だが、作用の仕組みは非常にダイナミックである。 まずは患者に点滴でこの薬剤を投与。薬剤ががん細胞に行き渡った時点で患部に近赤外線を当てる。その瞬間、薬剤の分子構造が変化し、がん細胞表面に約1万個もの傷がつく。そして、イオン濃度の差で周囲の水が細胞内へ一気に入り込むと、がん細胞が水風船のように膨れて破裂するのだ。ちょうど一つ一つのがん細胞にナノサイズの超小型爆薬を仕掛けて、スイッチオンで根こそぎ破壊していくようなイメージである。この時点で周囲の正常細胞はいっさい傷つけていない。 だが、これだけでは終わらない。マウス実験では、がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチすることが確認されている。残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動するのだ。また、驚くべきことに、同様にマウス実験にはなるが、同じがん種の再発を防ぐワクチン効果もあるという。 つまり、光免疫療法は、がんに対する「矛」と「盾」を兼ね備えた画期的な治療法なのだ。 開発者の小林氏が言う。 「光免疫療法の最大のメリットは、既存の治療法に比べて副作用が格段に少ない点です。周囲の正常細胞にはほとんど影響をおよぼさず、がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどないというわけです」 現在は、一部の頭頸部がんのみが保険診療の対象となっているが、小林氏は「近い将来には8割から9割の固形がん(白血病などの血液のがん以外の、臓器や組織で腫瘍を作るがん)に適用されるはず」と見込む。もしその通りになれば、光免疫療法はがん医療の未来とがん患者の運命を大きく変える稀代のゲームチェンジャーとなる』、「「アキャルックス」という薬剤・・・「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす」、「がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチ・・・残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動」、「がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどない」、理想的な効き方のようだ。
・『自殺率の高いがん  承認されたばかりの新療法。現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ。つまり、かなり病状の進んだ〈ステージIII〉か〈ステージIV〉の頭頸部がんである。 頭頸部がんというのは、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん、舌がんなど、顔や首にできるがんの総称だ(脳腫瘍や眼球のがんは除く)。がん全体の中では約5%に過ぎないが、首から下にできるがんとは大きく違う点があるという。 自らも舌がんを克服し、「頭頸部がん患者友の会」の代表理事を務める佐野敏夫さん(75)は、頭頸部がん治療の問題点を指摘する。 「頭頸部がんは、治った後も問題が多いんです。大きな手術をすれば顔が歪んだり、変形してしまうこともある。手術痕についても、首から下のがんなら服で覆えますが、頭頸部の場合は隠しづらい。その結果、引きこもりや鬱になる人もいる。他のがんと比べて自殺率も高いんです」 後遺症にも悩まされる。
「私は手術で舌を切除して、5分の1程度しか残ってないので、味もよくわからない。発音も不明瞭になりました。ノドのがんになれば、声を失う可能性もある」 佐野さんは4回におよぶ口腔手術で唾液腺も切除している。そのため、唾液が出ず、食べ物をうまく飲み込めない。10年以上流動食の生活だという。 「また放射線治療の影響だと思いますが、10年経って骨髄炎を発症しました。そのために12本も歯を抜いて、顎に肩甲骨を移植する大手術を受けました。もし、当時、光免疫療法を受けていたら、術後の経過も現在とは違うものになっていたかもしれません」』、「現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ」、「他のがんと比べて自殺率も高い」、こうした難しいがんが対象ということは希望の星のようだ。
・『ピンポン玉が梅干し大に  繰り返すが、現在、光免疫療法の施術対象となっている「一部の頭頚部がん」は、「他の臓器や組織に遠隔転移をしていない局所進行および再発の頭頸部がん」に限られている。他に治療法がなく、大血管への癒着がないなどの付帯条件もあり、まだまだ対象者が少ないのが実情である。治療が開始されてから半年を経るが、6月中旬の時点で、患者は全国でわずか10人ほどにとどまっている。 治療を行う施設は国内で19箇所以上が登録されているが(掲載の表)、先行して治療が行われたのは、「国立がん研究センター東病院(千葉)」「東京医科大学病院」「愛知県がんセンター病院」「神戸大学医学部附属病院」の4施設。 そのうち、国立がん研究センター東病院で治療を受けた2人は、口腔がんが再発した50代男性と中咽頭がんが再発した50代女性。2人とも施術の後にがんの縮小が確認され、現在は経過をみているという。 東京医科大学病院では、喉頭がんの70代男性を施術した。担当した塚原清彰耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任教授(47)に話を聞いた。 塚原氏はこれまで3千例を超える頭頸部腫瘍手術を行ってきたベテラン外科医だ。かなり早い段階から臨床現場に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入するなど先進的な考えを持った医師でもあり、常にがん患者のためによりよい治療法を探してきた。 「光免疫療法の話は学会でも昨年ぐらいから頻繁に聞くようになってきて、うちの病院でもぜひ導入しようという話になりました」 担当の患者のがんは、原発巣の咽頭(ノドの奥)から顎下リンパ節に転移しており、すでにリンパ節外にも浸潤(周囲の組織を破壊しながらがんが広がること)していた。一般的な分類で言えば〈ステージIV〉。もうその先は厳しいというぎりぎりの段階だった。 「顎の下に転移した腫瘍はピンポン玉ほどの大きさがあって、半分ほどがノドの皮膚を突き破って剥き出しになっている状態でした」 塚原氏が患者に「光免疫療法という新しい治療法が使えそうだ」と伝えると、「ぜひ受けてみたい」と同意を得た。 「施術の前日にこの薬剤を投与して、当日は直射日光が当たらないように布団をかぶってもらってオペ室に運びました」 光免疫療法を施術する医師たちは、レーザー光から目を守るために濃緑のレンズのゴーグルをかける。今回の症例では、患部に直径1ミリの光ファイバーを数本刺し、50ジュールという規定の出力で近赤外線を約4分照射した。 「施術を開始すると、腫瘍部分から発光しているように感じました。腫瘍は、場合によっては一晩でポロッと取れることもあるそうですが、私が診た患者さんの場合は、むしろ翌日にはあまり変化がありませんでした。4日後に顔の腫れがあって、その後、腫れが引くのと同時に腫瘍も縮小した感じですね。ピンポン玉大だった腫瘍は、1回の照射で梅干し大にまで小さくなりました」 従来の手術や抗がん剤、放射線療法などの“三大療法”とは違って、「光免疫療法は患者さんの負担が少ないことを実感しています」と塚原氏は言う。 「たとえば、今回の患者さんが手術を選択すると、腫瘍を切除すると同時に、欠損部分を埋めるために肩などから筋肉を移植する手術も必要になるんです。そのため合計で7時間程度はかかってしまう」 しかし、光免疫療法なら全身麻酔の導入を含めて1時間程度で済む。患者の肉体的、精神的な負担は軽い。 「施術後も数日間は直射日光を避ける必要がありますが、集中治療室に入ることもなく、翌日にはご飯も普通に食べていました。ですからご本人もすごく喜んで、『もう少し(腫瘍を)小さくしたいね』ということで、6週間後に再び施術を行いました。2回目は腫瘍の中と腫瘍表面に光を当てる方法を併用しました」 この患者のがんは2回目の施術でも完全には消え去らなかったが、塚原氏は光免疫療法を導入してよかったと考えている。 「まだ1例目ですので、今後も経過を見て検証していく必要はあります。ですが、『臨床現場での選択肢が増えた』『がんを倒す武器がひとつ増えた』というのが正直な実感です。将来的には放射線治療を回避するために光免疫療法が使えるようになればいいと思いますし、早期のがんについても適用されればいいなと思います。そうなればどんどんやっていきたいですね」 光免疫療法への注目度は国内外で日増しに高まってきている。NHKの国際放送も海外向けの医療番組(「Medical Frontiers」)で特集を組んだ。その中で、再発した口腔がんに光免疫療法を施術した男性患者はこう言った。 「(光免疫療法は)まさしく僕が望んでいる治療法だなと感じました」』、従来の方法で」は「7時間程度」かかったのが、「1時間程度で済む」、ので「患者の肉体的、精神的な負担は軽い」。
・『現場から改善  光免疫療法は、これまでの“三大療法”やオプジーボなどの免疫療法に次ぐ“第五のがん治療法”になると期待されている。 だが“開発段階”から実際の“医療”へと移行するのは、そうたやすいことではない。光免疫療法の治験にも関わるある医師に言わせれば、「仮に2万マイルを飛ぶ高性能な飛行機が作れたとしても、目的地に辿り着くまでは最後の1マイルであっても気を抜けない」のだ。 愛知県がんセンターの頭頸部外科部長、花井信広医師(51)も「治験や治療は慎重に進めていく必要があります」と気を引き締める。 「でもせっかく保険診療で行えるようになったので、今後は、早期の症例や別の部位まで適用拡大されていくのが希望です。そのために現場から提案して改善していきたいところもある」 たとえば、近赤外線の照射装置。喉仏の骨の裏側など、どうしても光が届きにくい場所があるので、光ファイバーの形状にもバリエーションが欲しいと言う。 「それから、光免疫療法に関する正確な情報も広めていきたいですね。これはまだ一般にはあまり知られていない情報ですが、施術後にかなり痛がる患者さんもいます。中にはほとんど痛みを感じない人もいますが、がん細胞だけが無痛でスルリと取れるわけではないということです」 また、同じ頭頸部がんでも光免疫療法があまり効かないがんもあるという。 「そもそもこの薬剤アキャルックスがターゲットにしているのは、がん細胞表面に出ているEGFR(上皮成長因子受容体)というがんの増殖に関わるタンパク質なんですね」 そのタンパク質を目印(抗原)にして、この薬剤を構成する抗体がカギとカギ穴のようにぴったり結合する仕組みだ。 EGFRは、頭頸部がんの典型的な組織型である「扁平上皮がん」においては90%以上の発現率が認められる。だが、同じ頭頸部の領域でも組織型が違う「甲状腺がん」での発現率はそれほど高くない。そのため、現在、「甲状腺がん」は光免疫療法の一般的な治療対象とは認識されていない。 「つまり、薬剤が結合しないがん細胞には光免疫療法は効きません。逆に言えば、EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている。 開発者の小林氏は言う。 「その他、この薬剤はEGFRを多く発現している『子宮頸がん』や、トリプルネガティブと呼ばれる、これまで治療が難しかったタイプの『乳がん』にも有効だと考えられています」 続けて、 「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」 今後はさらに、対象者の多い大腸がんや生存率の低い膵臓(すいぞう)がんなどの抗原をターゲットにした第二、第三の新薬の開発が待たれるところだ。 そのため、研究をさらに加速させる拠点として、来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する』、「EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている」、「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」、「来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する」、今後が楽しみだ。
・『多額の私財を投入  光免疫療法の開発には、小林氏を筆頭に多くのがん研究者や医師が関わっている。だが、資金面で最大の援助をしてきたのは、実父のがんをきっかけに小林氏と出会ったという楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入している。 三木谷氏が言う。 「私が小林先生と出会ったのは2013年。まだマウスの実験しかしていない頃でした。『あれから8年でよくここまで来た』と評価してくれる人もいますが、個人的にはぜんぜん遅いと思っています。もちろん、人命がかかっていますので慎重にならざるを得ませんが、気持ちとしてはもっとスピードアップさせたい。将来的には、虫歯を治療するみたいに気軽にがんを治せるようにしたいんです」 気軽に、という意味では実際の治療費も気になる。 現在、光免疫療法の費用は薬代だけで約400万円かかる。決して安くはない。だが「高額療養費制度」を使えば、例えば69歳以下の自己負担の月額上限は、年収により3・5万円から高くても30万円程度となる。年収が500万円程度の人なら13万7千円ほどだ。医療の進歩により国庫がパンクしかねないという懸念もあるが、今後、適用拡大等により、政府が定めた基準以上の市場規模になれば、薬価がもっと下がっていく可能性もあるだろう。 今もっとも懸念されるのは、「光免疫療法」という言葉が一人歩きを始めていることかもしれない。 がん患者やその家族は、一日千秋の思いで光免疫療法の適用拡大を待っている。だが、研究の最前線に立つ小林氏は「現時点では、自分が受けられる標準治療を優先してください」と念を押す。がんに立ち向かうには今受けられるベストな治療を選択することだ。 しかし、ネットで検索すれば、患者の気持ちを弄(もてあそ)ぶかのように、「光免疫療法」を標榜するクリニックのサイトが数多くヒットする。しっかり頭に入れておいてほしいのは、現時点では、掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである。 このあたりの情報整理の今後の旗振り役は、光免疫療法に関するライセンスを独占的に有している楽天メディカルにも期待したい。 光免疫療法は多くの可能性を秘めた治療法である。今後、対応できるがん種が次々と拡大されていけば、医師や病院からも見放されてしまったような“がん難民”にとっても大きな希望の光となるに違いない。 現在は、日本に続き、アメリカ、台湾などの国々で臨床試験が進んでいる。光免疫療法を待ち望む人たちが世界中にいる』、「楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入」、なかなか感心な活動だ。「掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである」、こうした「“ニセモノ”」には大いに気を付けつつ、今後の展開を注目したい。
タグ:医療問題 PRESIDENT ONLINE 牧田善二 デイリー新潮 (その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は) 亀廣 聡 「「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった」 「抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類」、「抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです」、そんなに安易に「抗うつ薬」が「処方」されているとは、初めて知った 「1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります」、「患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発」、 「すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニック」は許し難いが、こうした悪質な医者を排除するには健保組合での保険診療のチェックだけでは、実効性が期待し難いようだ。 「会社員のBさんのケース」、「合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです・・・何年も、休職と復職を繰り返していました」、ここまで酷いと、本来は医療過誤による傷害罪に問いたいところだ。 「セカンドオピニオン」を出した「近くの大学病院」の医者もいい加減だったようだ。 「睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます・・・Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました」、こんな「離脱症状」があるとは初めて知った。 「問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです」、精神科の診断もやはり難しいものだ。 「信頼できる医師」探しは、重要ではあるが、簡単ではなさそうだ。 「ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』」 いきなり「「透析専門の病を紹介します」などと言われたら、誰しも腰を抜かすほど驚く筈だ。 「Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです」、こんなことがあり得るとは、驚かされた。医者の不勉強のつけを患者が払わされるとは酷いものだ。 「腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です」、確かにその通りだ。 「透析に入った患者さんの5年生存率は60%」、こんなに低いのであれば、確かに「透析に入らないで済む段階での治療が望まれる」。 「血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです」、もっとよく「キャッチ」できるのは後述の「尿アルブミン検査」のようだ。 「今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです」、多くの「医師が」そんなに不勉強だとは驚きだ。 「尿アルブミン検査」の重要性はどの程度の「医者」が認識しているのだろうか。 「スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました」、医療技術の進歩はまさに日進月歩なようだ。 人間ドック学会などしかるべき学会などを通じて、広く周知徹底してほらいたいものだ。 「がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は」 「「アキャルックス」という薬剤・・・「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす」 「がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチ・・・残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動」、「がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどない」、理想的な効き方のようだ。 「現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ」、「他のがんと比べて自殺率も高い」、こうした難しいがんが対象ということは希望の星のようだ。 従来の方法で」は「7時間程度」かかったのが、「1時間程度で済む」、ので「患者の肉体的、精神的な負担は軽い」 「EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている」、「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」、「来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する」、今後が楽しみだ。 「楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入」、なかなか感心な活動だ。「掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである」、こうした「“ニセモノ”」には大いに気を付けつつ、今後の展開を注目したい。
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今日は更新を休むので、明日にご期待を!

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中小企業(その2)(下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実 公的データが示す「イメージと実態」の大乖離、中小企業になりたがる大企業 「減資」はズルいのか?、ゴールドマン銀行免許取得で始まる 日本の中小企業“食い散らかし”) [経済政策]

中小企業については、昨年12月13日に取上げた。今日は、(その2)(下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実 公的データが示す「イメージと実態」の大乖離、中小企業になりたがる大企業 「減資」はズルいのか?、ゴールドマン銀行免許取得で始まる 日本の中小企業“食い散らかし”)である。

先ずは、本年1月28日付け東洋経済オンラインが掲載した元ゴールドマン・サックスの「伝説のアナリスト」で 小西美術工藝社社長 のデービッド・アトキンソン氏による「下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実 公的データが示す「イメージと実態」の大乖離」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/405935
・『オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。 退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、著書『日本企業の勝算』などで継続的に、日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大を提言している。 今回は「中小企業の生産性が低いのは、大企業に搾取されているからだ」という俗説を検証する』、「アトキンソン氏」の実証的な分析は興味深そうだ。
・『「搾取論」はエピソードベースの議論にすぎない  これから日本では、確実に人口が減少していきます。そんな環境下で成長戦略を探るには、生産性の向上はどうしても避けて通れない問題です。 日本では約7割の労働者が中小企業で働いているうえに、中小企業の生産性が国際的に見て非常に低いのが現状ですので、国全体の生産性が低い主な原因は中小企業にあると言わざるをえません。 逆に考えると、中小企業が強くなって生産性が向上すれば、国全体の経済に大きな好影響を与えることになります。これが日本の目指すべき生産性向上戦略の要諦になります(参考:「中小企業の生産性向上」が日本を救う根本理由)。 この提案は、決して「中小企業の淘汰」や「中小企業で働く人の失業」を加速するものではありません。私の提案の本質は「中小企業を強くする」ことにあります。 中小企業を強化し、生産性が向上すれば、約7割の労働者の給料が上がり、消費需要が増えます。経営者も潤います。生産性向上によって、日本経済も強くなります。現役世代にのしかかる社会保険料負担も相対的に軽くなりますし、高齢者自身も個人負担の増加などを強いられることはなくなります。 大企業も当然がんばるべきですが、大企業には全労働者の2割強しか働いていないので、どうしても全体の生産性を押し上げる効果は小さくなります。) さて、「日本の中小企業の生産性は低い。大企業の半分でしかない」ということを説明すると、「大企業が中小企業を搾取しているから生産性が高く見えるだけで、実は大企業の生産性はそれほど高くないし、中小企業の生産性は言うほど低くない」と反論されることがあります。 この反論は、一部の日本人が得意とする「エピソードベース」の論法です。身近に起きた出来事を引っ張り出し、それを一般化して持論を正当化しようとするもので、「肌感覚」に近いものです。 たしかに、製造業や建設業、またIT関連業界では、大企業による中小企業の搾取の問題は昔から指摘されています。実際、そういう事実も存在するのでしょう。 しかし、だからといって356万社もある中小企業のすべてが大企業による搾取に苦しんでいて、それが生産性低迷の主たる要因だと結論づけるのは危険です。きちんとしたデータに基づいた、徹底的な検証が求められるのは言うまでもありません』、同感である。
・『製造業の中小企業の生産性は低くない  このようなエピソードをベースとする主張は、マスメディアでも散見されます。例えば、2020年12月18日の『朝日新聞』に掲載された「生産性では計れぬものビジネス書にない中小企業の真実」という記事が好例です。 この記事には「生産性は統計学や会計学の世界の話です。それをアップせよというのは、アタマのいい人たちの上からの発想です。ものづくりの現場は、強いて言えば心理学の世界です」とありました。 ものづくりの現場が心理学の世界なのかどうかはともかく、数の上で少数派であり、かつ生産性が低くもない「ものづくり」企業の例を取り上げ、「ビジネス書にない中小企業の真実」などとすべての中小企業に当てはめるのは、著しい論理の飛躍だと言わざるをえません。 まず、中小企業全体の生産性向上と、「ものづくり」の中小企業の実態を同一視していることには大きな問題があります。 そもそも、製造業の中小企業の数は、中小企業全体の10.6%しかありません。 中小企業の中でもっとも数が多いのは小売業で、次に宿泊・飲食です。建設業と製造業がこれら2業種に続きます。 さらに製造業では、中小企業の生産性はそもそも低くありません。国全体の生産性は546万円。それに対して製造業は720万円で、業種別に見ると5位につけています。中小企業だけで比べると、全体の生産性が420万円なのに対して、製造業では525万円です。製造業の中小企業の生産性は、大企業を含めた国全体の生産性とほぼ変わりません。高い生産性を誇っていると言っていいでしょう。 問題は、製造業より企業数が圧倒的に多いうえ、生産性が非常に低い小売業や宿泊・飲食、また生活関連の業種にあるのです。これらの生産性を向上させることが、全体の生産性を向上するうえで極めて重要なのです。 つまり、仮に製造業において大企業からの搾取があったとしても、そのこと自体は日本の中小企業全体の生産性が低い説明要因として生産性は十分ではないのです。ただのエピソードは、何かを主張するうえでのエビデンスにはなりません』、「国全体の生産性は546万円。それに対して製造業は720万円」、「中小企業だけで比べると、全体の生産性が420万円なのに対して、製造業では525万円」、とやはり「中小企業」「製造業」は「全体」に比べ低いが、水準的にはまずまず。「問題は、製造業より企業数が圧倒的に多いうえ、生産性が非常に低い小売業や宿泊・飲食、また生活関連の業種にあるのです」、その通りだ。
・『下請け関係にある企業の割合はわずか5%  では 、実際には、「搾取」はどれだけ行われているのでしょうか。中小企業庁が発表しているきちんとしたエビデンスがあるので、紹介しましょう。 中小企業庁は中小企業の取引関係を調べ、『中小企業白書』にまとめています。その2020年版に、どれほどの中小企業が大手企業の下請け業務を行っているのかが報告されています。大手企業の下請けをしている割合は、「搾取されている可能性がある企業の割合」と考えて問題ないでしょう(あくまで「可能性」であり、当然ですが下請け業務をしているすべての中小企業が搾取されていると言いたいわけではありません)。 この調査によると、広義であっても下請けの取引関係にある中小企業は、全体の5%程度とあります。2017年度では、調査対象の293万554社中、約5%にあたる13万6843社が大手からの業務を受託しているというのが調査の結果です。この5%という数字は、2013年度からあまり変わっていないそうです。 IT関係や製造業では、下請け比率が他の業種より高いのは事実です。2017年度では、情報通信の下請け比率が36.2%で、製造業が17.4%でした。建設業のデータは『中小企業白書』に含まれていないのですが、一般的には約2割と言われています。) 建設業と製造業は、合わせても全体の22.7%しか占めていません。これらに情報通信業を含めても全体の23.9%にしかなりませんので、全体の生産性に与える影響は相対的に小さいと考えるのが妥当です。ちなみに、情報通信の生産性は999万円で、情報通信の中小企業の生産性も636万円と、中小企業としてはかなり高い水準です。 「下請け比率が5%」というのは、実感として少なく感じる人も多いかもしれません。私もこの数字を見て、衝撃を受けました。 この調査には一部の業種、とりわけ建設業が含まれていないことも気にはなります。しかし「中小企業の味方」を使命とする中小企業庁には、下請け比率を少なく見積もるインセンティブは存在しないと考えるのが妥当です。ですから、この程度の企業しか大手の下請け業務をやっていないという現実は、そのまま受け止めるしかないのです』、「下請け関係にある企業の割合はわずか5%」、私も予想外の少なさに驚かれた。
・『生産性の低い業種ほど、下請け比率も低い  一方、業種として生産性が最も低い宿泊・飲食業の下請け比率は0.1%です。生活関連も0.8%で、小売業は1.0%でした。 宿泊・飲食業は中小企業全体の14.2%を占めており、生産性は184万円です。生活関連は10.1%を占めており、生産性は282万円。小売業は17.4%で、生産性は321万円でした。この3つの業界で、中小企業全体の41.8%を占めています。 つまり、下請けの比率が高い業種の生産性は決して低くなく、逆に生産性の低い業種は下請け業務を行っている比率が非常に低いというのが現実なのです。 したがって、仮に大企業の搾取が中小企業の生産性の低さの一因だったとしても、せいぜい5%程度の説明要因にしかならないのです。当然ながら、搾取に対しては対策を打つべきだと思いますが、それが成功したとしても、全体の生産性を大きく向上させる効果は期待できません。 搾取されている業種に従事している人が身近にいるからといって、一部の特殊な業界の例を一般化してはいけません。エピソードや感覚をエビデンスにして何かを主張するには、別途データを用いた検証が求められます。 一般的に、中小企業の中身と実態はほぼ知られておらず、多くの「神話」がはびこっているように見受けられます。実際には少数派なのに、「ものづくり」の中小企業こそ中小企業の代表だと言わんばかりの主張は、先ほど挙げた『朝日新聞』の記事のほかにも、枚挙に暇がありません。 逆に日本企業全体の話になると、そのイメージはごくごく一部しか占めない「上場企業」の姿が想像されていると感じます。ほとんどの日本企業は中小企業であり、同族企業なのに、「株主資本主義が日本経済をダメにした」「日本型資本主義を作らないといけない」などという、大企業にしか当てはまらない理屈になりやすいのはその象徴的な例です。 中小企業について語るときは、イメージをいったん忘れて、実態を表すデータを探してみることをおすすめします。 次回は、「デフレだから生産性を上げられない」という主張を学問的に検証します』、確かに「実態を表すデータ」に基づいた分析・主張が必要なようだ。

次に、3月24日付けNewsweek日本版が掲載した経済評論家の加谷珪一氏による「中小企業になりたがる大企業 「減資」はズルいのか?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2021/03/post-140_1.php
・『<JTBや毎日新聞、外食チェーンなど、資本金を減らして中小企業化するケースが相次いでいるが、問題の本質はどこにあるのか> コロナ危機による業績悪化をきっかけとして、大企業が「減資」を行い税制上の中小企業に転換するケースが増えている。外形標準課税など法人減税が主な狙いと考えられるが、節税目的の減資が増えれば、法人税の存在が有名無実化してしまう。企業が最も有利に立ち回ろうとするのは当然なので、実態に即した課税が必要だろう。 旅行大手のJTBは、現在23億400万円となっている資本金を減資して、1億円まで減らすと報道されている。外食チェーンのカッパ・クリエイトやチムニーも同様の減資を発表した。 一連の減資の最大の目的は税負担の軽減とみられている。地方税である法人事業税は外形標準課税の対象となっており、資本金によっては企業の損益だけでなく、資本金や従業員数などで税額が決まる。資本金を1億円以下にした場合、税制上は中小企業の扱いになるので、外形標準課税の対象にはならない』、「節税目的の減資が増えれば、法人税の存在が有名無実化してしまう。企業が最も有利に立ち回ろうとするのは当然なので、実態に即した課税が必要だろう」、安易な「節税目的の減資」は望ましくない。
・『過去にはシャープが試みたことも  また、中小企業であれば欠損の繰り越しも有利になるので、赤字を計上している場合には中小企業のほうがメリットが大きい。大企業は、過去10年以内に発生した欠損のうち半額までしか控除対象にならないが、中小企業であれば全額を控除できる。今後、収益を回復できる見込みが高ければ、中小企業になったほうが大幅に税金を節約できるはずだ。 ここで名前を挙げた企業は、旅行や外食などコロナ危機で大きな打撃を受けた業種に属している。過去にも業績が悪化したシャープが減資を試みたケースがあるほか、長く業績低迷が続いてきた毎日新聞社もすでに減資を実施している。過去の累積損失がある企業の場合、減資を実施すれば、財務諸表上、減らした資本金を充当することで累損を一掃できる。 減資による損失一掃はまっとうな資本政策の1つであり、減資という形で会社の信用力を落とす代わりに、帳簿上の損失を消す行為と考えればよい。その意味では、業績悪化に伴う減資そのものは批判されるような行為ではない。 だが、減資の主な目的が節税ということになると話は変わる。 シャープの場合、節税目的ではないかとの批判を受けて最終的に1億円までの減資を断念したことからも分かるように、単に節税目的の減資は社会的にもあまり許容されない。多くの企業が同じような行動に出た場合、税収に影響する可能性があり、税の公平性という点でも問題が出てくる可能性がある。 そもそも地方税における外形標準課税というのは、バブル崩壊後、赤字法人の増加に伴う地方税収の減少を補うために導入されたもので、赤字でも税を負担すべきという考え方に立脚している。業績悪化による減資で節税になるというのは、税の本来の趣旨に反するとの解釈も成り立つ。 もっとも企業というのは、常に合理的に行動するものであり、法の範囲内で利益を最大限追求するのは当然といえば当然の行為であり、こうした企業の営利活動を過度に抑制することもあってはならない。 税制上の中小企業の認定は勘定科目における「資本金」で行われているが、財務会計上は、自己資本全体を一体として判断するのが一般的である。節税のみを目的に減資を行うケースが増えてくるようであれば、資本金のみを基準にするという税制上の区分が適切なのか再検討する必要があるだろう』、「節税のみを目的に減資を行うケースが増えてくるようであれば、資本金のみを基準にするという税制上の区分が適切なのか再検討する必要がある」、同感である。

第三に、7月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一による「ゴールドマン銀行免許取得で始まる、日本の中小企業“食い散らかし”」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/277014
・『米国ウォール街を代表する投資銀行の一角であるゴールドマン・サックスが今月、日本で銀行業の免許を取得した。さほど注目されないが、彼らの動きは、菅義偉政権が執心する中小企業“再編”という名の淘汰政策に加え、銀行法改正とタイミングを一にしているのが分かる。泣く子も黙るゴールドマンの狙いはずばり、日本各地の優良中小企業を食い散らかすことではないだろうか』、「日本各地の優良中小企業を食い散らかす」とは穏やかならざることだ。
・『ゴールドマンが“今さら”の銀行免許を取得 中小企業淘汰、銀行法改正のタイミング  ゴールドマン・サックスが、日本国内で銀行業の営業免許を取得したというニュースが、7月7日付日本経済新聞電子版(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0702D0X00C21A7000000/)で報じられたが、その後大きな反響はない。ゴールドマンといえば、外資系金融機関の代名詞のような存在であり、彼らが今さら銀行の免許と思われたかもしれない。それも無理はない。 ところが、先の通常国会で成立した銀行法改正案と、菅義偉政権が執心する中小企業淘汰政策とを併せて考えると、泣く子も黙るゴールドマンの狙いと、その危うさがよくわかる』、第一の記事で紹介した「デービッド・アトキンソン」氏は、同社出身で、菅内閣の成長戦略会議の議員として活躍している。主な主張点は、中小企業の統廃合の促進を訴えているので、この問題とも深く関連している。
・『銀行による株式100%取得が非上場でも可能に 優良な中小企業がゴールドマンに狙われる  まず、我が国における銀行業とは何か。 銀行法第2条第2項は、「預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと」および「為替取引を行うこと」と定めている。また第4条第1項では、「銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ営むことはできない」としている。 ゴールドマンのような外国銀行の場合、日本における銀行業の本拠地となる支店を一つ定めて、内閣総理大臣の免許を受けなければならないこととされており(銀行法第47条第1項)、「外国銀行支店」という扱いとなる。 彼らの日本における主力は、銀行のような免許制ではなく、登録制で参入が容易な証券業のゴールドマン・サックス証券だ。今回、ゴールドマン・サックス・バンクUSAの日本支店設立が認められ、晴れて銀行業を営むことが可能となる。 その目的は、結論から言えば、菅政権の中小企業淘汰政策に便乗し、これを利用しようということであろう。 この政策の源流は、菅政権発足直前である昨年7月の「成長戦略フォローアップ」にあり、「事業承継、事業承継の促進」をうたったM&A推進政策という文脈では、中小企業事業承継円滑化法の改正を軸とし、中小企業成長促進法などとして着々と進められてきたものの延長線上にある。 なおゴールドマン・サックスが銀行業の免許取得に係る申請を行ったのは、2019年である。こうした一連の流れや動きを読んでの上での話であろう。 では、この先に何が待ち構えているのか?それは、日本の中小企業が、そして彼らが有する優良技術や優良事業が、事業承継や中小企業の成長、中堅企業化といった美名の下に、ズタズタに切り裂かれ、外資系ファンドやグローバル企業に食い散らかされ、売り飛ばされていく悲惨な光景である。 なぜそうしたことが言えるのか?それは、先の通常国会で閣法として提出され、衆参合わせても7時間弱の審議で可決・成立してしまった、銀行法改正案の中身を読めばよく分かる。 改正案の正式名称は「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案」である。少々長いが、その心は、新型コロナショックに引っ掛けて、もっともなフリをして改正しようという魂胆だったということであろう。 むしろ、コロナに隠された真の狙いは、銀行自体の業務の範囲の拡大と、出資(議決権の取得等)の範囲の拡大である。 前者は、本来業務の収益が減少の一途をたどってきたところ、本来業務以外にも広く参入を可能とすることで、新たな収益の確保の機会を創出しようというものである。 もっとも銀行の収益の減少の原因は、資金需要の縮小であり、その原因は他でもない、デフレと緊縮財政である。したがって、銀行の収益を改善したいのであれば、国が財政支出を拡大して有効需要を創出することだ。 後者は、これまで制限されていた議決権の取得を大幅に緩和して、非上場の企業の株式であっても100%取得できるようにするというものである。これが、新たに銀行業の免許を取得する者、まさに「ゴールドマン銀行日本支店」にとって、最もうまみがあるポイントだ』、「銀行の収益の減少の原因は、資金需要の縮小」、とあるが、「長短金利差の縮小」が真因である。
・『銀行による株式100%取得が非上場でも可能に 優良な中小企業がゴールドマンに狙われる  まず、我が国における銀行業とは何か。 銀行法第2条第2項は、「預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと」および「為替取引を行うこと」と定めている。また第4条第1項では、「銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ営むことはできない」としている。 ゴールドマンのような外国銀行の場合、日本における銀行業の本拠地となる支店を一つ定めて、内閣総理大臣の免許を受けなければならないこととされており(銀行法第47条第1項)、「外国銀行支店」という扱いとなる。 彼らの日本における主力は、銀行のような免許制ではなく、登録制で参入が容易な証券業のゴールドマン・サックス証券だ。今回、ゴールドマン・サックス・バンクUSAの日本支店設立が認められ、晴れて銀行業を営むことが可能となる。 その目的は、結論から言えば、菅政権の中小企業淘汰政策に便乗し、これを利用しようということであろう。 この政策の源流は、菅政権発足直前である昨年7月の「成長戦略フォローアップ」にあり、「事業承継、事業承継の促進」をうたったM&A推進政策という文脈では、中小企業事業承継円滑化法の改正を軸とし、中小企業成長促進法などとして着々と進められてきたものの延長線上にある。 なおゴールドマン・サックスが銀行業の免許取得に係る申請を行ったのは、2019年である。こうした一連の流れや動きを読んでの上での話であろう。 では、この先に何が待ち構えているのか?それは、日本の中小企業が、そして彼らが有する優良技術や優良事業が、事業承継や中小企業の成長、中堅企業化といった美名の下に、ズタズタに切り裂かれ、外資系ファンドやグローバル企業に食い散らかされ、売り飛ばされていく悲惨な光景である。 なぜそうしたことが言えるのか?それは、先の通常国会で閣法として提出され、衆参合わせても7時間弱の審議で可決・成立してしまった、銀行法改正案の中身を読めばよく分かる。 改正案の正式名称は「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案」である。少々長いが、その心は、新型コロナショックに引っ掛けて、もっともなフリをして改正しようという魂胆だったということであろう。 むしろ、コロナに隠された真の狙いは、銀行自体の業務の範囲の拡大と、出資(議決権の取得等)の範囲の拡大である。 前者は、本来業務の収益が減少の一途をたどってきたところ、本来業務以外にも広く参入を可能とすることで、新たな収益の確保の機会を創出しようというものである。 もっとも銀行の収益の減少の原因は、資金需要の縮小であり、その原因は他でもない、デフレと緊縮財政である。したがって、銀行の収益を改善したいのであれば、国が財政支出を拡大して有効需要を創出することだ。 後者は、これまで制限されていた議決権の取得を大幅に緩和して、非上場の企業の株式であっても100%取得できるようにするというものである。これが、新たに銀行業の免許を取得する者、まさに「ゴールドマン銀行日本支店」にとって、最もうまみがあるポイントだ』、「100%取得」すれば、あとはファンドにはめこめばよい。
・『「地域活性化」隠れみのに法改正する卑怯さ 国会で「外資系金融による乗っ取り」指摘  改正案の説明資料によると、銀行は「出資を通じたハンズオン支援の拡充」の一環として、非上場の「地域活性化事業会社」に対し、議決権100%出資を可能にするとしている。 「ハンズオン支援」とは、出資先の早期の経営改善や事業再生支援、新事業開拓支援などを意味する。また「地域活性化事業会社」とは、「地域の活性化に資すると認められる事業を行う会社として内閣府令で定める会社」である。 そうは言っても、内閣府令に基づいて事業計画を策定し、地域経済活性化機構や商工会議所、弁護士や会計士、税理士、さらにはコンサルティング会社(銀行の子会社や関連会社であるものを除く)が関与していれば、ほとんどの企業がこの「地域活性化事業会社」になりうる。 つまり、地域活性化事業とは名ばかりであり、非上場企業の株式を100%取得できるというところが一番のポイントであることをごまかすため、煙に巻くための修飾語ということだろう。なんと、卑怯(ひきょう)なことか。 この点に対しては、法案が審議された4月23日の衆議院財務金融委員会(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009520420210423013.htm)で、立憲民主党の長谷川嘉一衆議院議員が、核心を突いた強い懸念を表明している。 「非上場であれば、今までであれば上場していないわけですから買収されないのが通常であったわけですが、非上場であっても議決権、100%出資が可能になるということになるわけであり、銀行が融資状況などを起点として非上場の中小企業を子会社化することもできるということを意味するというふうに私は認識をしております」 「このことは、中小企業にとっては、頼りになる銀行が、頼りにならないどころか、買収サイドになってしまう可能性もあるわけであります。こうした改正が行われるということに対して強い危惧を覚えているところであります」 そして、外資系銀行による中小企業の買収についても懸念を表明し、今回の改正の対象に彼らが含まれるのかについても質問した。だが、金融庁の官僚の答弁は、 「現在、日本では外国の法人が主要株主になっている銀行が存在するというふうに考えております」 と、木で鼻をくくったようなものだった。外国銀行であっても、外国銀行支店として銀行業の免許を取得していれば対象になると素直に答弁すればいいのに、余程やましいところがあるのだろう。かえって長谷川議員の懸念はごもっともだと答弁しているようなものだ。 これに対して長谷川議員は、次のように意見を述べて、再度、懸念を強調した。 「外資の銀行が含まれるのであれば、言葉は悪いんですが、外資銀行が我が国の魅力ある中小企業を乗っ取ることが可能になるということを意味するということになります。このことを併せて申し添えさせていただきます」 ゴールドマンによる銀行業免許の取得の最大の目的は、まさにここにあるということだろうし、長谷川議員はそれを十分理解していたということだ。 だが、こうした指摘は共産党を除く与野党の賛成による可決という「風」の中にかき消されてしまった。 なお自民党の石川昭政衆院議員も、与党議員としてはギリギリの線で「確認」という形で質問し、指摘していたことを付記しておく。同議員は「日本の未来を考える勉強会」の会員であり、自民党内の反緊縮、反構造改革勢力の一人、良識派議員の一人である』、「地域活性化事業とは名ばかりであり、非上場企業の株式を100%取得できるというところが一番のポイントであることをごまかすため、煙に巻くための修飾語」、汚い手に騙される野党議員も情けない。ただ、「長谷川議員」は個人ではかなりいいところまで辿り着いていながら、「立憲民主党」全体を巻き込むことが出来なかったのは、残念だ。
・『中国系銀行5行もすでに免許を取得済み 日経以外の大手メディアも報じない「罪」  現在、外国銀行支店として銀行業の免許を取得しているのは、本年2月22日時点の数値で55行であり、ゴールドマンがその一角に加わったことで56行となった。その中には中国系銀行5行も含まれている。 改正銀行法は11月中頃までには施行されることになる(本稿執筆段階で施行日は確認できず)。そうなれば、先ほどの長谷川議員が懸念する通り、邦銀と言わず外資系と言わず、支援の名を借りた買収合戦が各地で繰り広げられることになりかねない。とりわけ、外資系でも辣腕(らつわん)で知られるゴールドマンだ。彼らの勢いは、邦銀のそれをはるかに上回るだろう。 そんな状況を放置すれば、地方の中小企業は外資系銀行の食い物にされ、地域経済、地域社会は破壊され、雇用も失われて、地域活性化や地方創生どころではなくなっていくだろう。 今回の銀行法改正、そしてゴールドマンによる銀行業の免許取得は、我が国社会経済に多大な影響を与えうるものなのである。だが、多くの人がこのことに気づいていないし、そもそも知らない人があまりにも多いようだ。日経以外の大手メディアが全くと言っていいほど、このことを報道しなかったことによるところが大きいだろう。 加えて、国民を代表する国会議員が、資料やレクチャーの要求を通じ、衆参両院事務局の調査室や国会図書館を通じて、この問題を調べ、勉強することは十分可能であったにもかかわらず、それをしなかった。そうした勉強しない議員たちの「罪」も大きいといえる。 改正案は成立し、施行に向けた準備が着々と行われている。今から廃案にすることは当然出来ないが、将来的に、再改正によって内容を削り、元に戻すことは不可能ではない。しかしそのためには、今回の改正の問題点をより多くの人に知ってもらい、より多くの国会議員に理解してもらって、懸念や反対の声を高め、広げていくことが重要だ。 本稿が、その一助となれば幸いである』、「勉強しない議員たちの「罪」も大きい」、「今回の改正の問題点をより多くの人に知ってもらい、より多くの国会議員に理解してもらって、懸念や反対の声を高め、広げていくことが重要」、その通りだ。
タグ:中小企業 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン Newsweek日本版 加谷珪一 デービッド・アトキンソン 室伏謙一 (その2)(下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実 公的データが示す「イメージと実態」の大乖離、中小企業になりたがる大企業 「減資」はズルいのか?、ゴールドマン銀行免許取得で始まる 日本の中小企業“食い散らかし”) 「下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実 公的データが示す「イメージと実態」の大乖離」 「アトキンソン氏」の実証的な分析は興味深そうだ。 きちんとしたデータに基づいた、徹底的な検証が求められるのは言うまでもありません』、同感である 「国全体の生産性は546万円。それに対して製造業は720万円」、「中小企業だけで比べると、全体の生産性が420万円なのに対して、製造業では525万円」、とやはり「中小企業」「製造業」は「全体」に比べ低いが、水準的にはまずまず。「問題は、製造業より企業数が圧倒的に多いうえ、生産性が非常に低い小売業や宿泊・飲食、また生活関連の業種にあるのです」、その通りだ。 「下請け関係にある企業の割合はわずか5%」、私も予想外の少なさに驚かれた。 確かに「実態を表すデータ」に基づいた分析・主張が必要なようだ。 「中小企業になりたがる大企業 「減資」はズルいのか?」 「節税目的の減資が増えれば、法人税の存在が有名無実化してしまう。企業が最も有利に立ち回ろうとするのは当然なので、実態に即した課税が必要だろう」、安易な「節税目的の減資」は望ましくない。 「節税のみを目的に減資を行うケースが増えてくるようであれば、資本金のみを基準にするという税制上の区分が適切なのか再検討する必要がある」、同感である。 「ゴールドマン銀行免許取得で始まる、日本の中小企業“食い散らかし”」 「日本各地の優良中小企業を食い散らかす」とは穏やかならざることだ。 第一の記事で紹介した「デービッド・アトキンソン」氏は、同社出身で、菅内閣の成長戦略会議の議員として活躍している。主な主張点は、中小企業の統廃合の促進を訴えているので、この問題とも深く関連している。 「銀行の収益の減少の原因は、資金需要の縮小」、とあるが、「長短金利差の縮小」が真因である。 「100%取得」すれば、あとはファンドにはめこめばよい。 「地域活性化事業とは名ばかりであり、非上場企業の株式を100%取得できるというところが一番のポイントであることをごまかすため、煙に巻くための修飾語」、汚い手に騙される野党議員も情けない。ただ、「長谷川議員」は個人ではかなりいいところまで辿り着いていながら、「立憲民主党」全体を巻き込むことが出来なかったのは、残念だ。 「勉強しない議員たちの「罪」も大きい」、「今回の改正の問題点をより多くの人に知ってもらい、より多くの国会議員に理解してもらって、懸念や反対の声を高め、広げていくことが重要」、その通りだ。
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