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政府の賃上げ要請(その6)(賃上げラッシュ「ニッポンの給料」に起こる大異変 26年ぶり高水準 春闘に異例の熱視線が集まる、女たちの賃上げ2題(イオン パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資、「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁)) [経済政策]

政府の賃上げ要請については、本年2月15日に取上げた。今日は、(その6)(賃上げラッシュ「ニッポンの給料」に起こる大異変 26年ぶり高水準 春闘に異例の熱視線が集まる、女たちの賃上げ2題(イオン パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資、「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁))である。

先ずは、3月6日付け東洋経済オンライン「賃上げラッシュ「ニッポンの給料」に起こる大異変 26年ぶり高水準、春闘に異例の熱視線が集まる」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/656267
・『ファーストリテイリング、三菱UFJ銀行、トヨタ自動車、任天堂……。春闘が本格化する中、日本企業で続々と賃上げを行う機運が生まれている。 会社が独自に表明したものもあれば、労使交渉を経て、すでに会社が満額回答した例もある。賃上げの幅はさまざまだが、いずれもここ数年では見られなかった異例の高水準だ。 主な理由は物価の上昇にある。ウクライナ戦争に端を発した世界的なエネルギーや食料価格の高騰、さらに内外の金利差拡大に伴う円安が、「輸入インフレ」として日本の消費者を襲っている。 総務省が発表した2022年12月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で4%増と、41年ぶりの上昇率となった。23年1月も同4.3%の上昇率となっている。 物価が上がっているのに給料が上がらなければ、社員の実質賃金はマイナスになり、就業意欲をそぐことになる。そうした事情が企業経営者たちを賃上げに駆り立てているという側面がある』、「ベア率」が今年は上がる可能性が出てきたが、「実質賃金はマイナス」なのは変わらないだろう。
・『26年ぶりの高水準  労務行政研究所が1月30日に発表した「賃上げ等に関するアンケート」の調査結果では、23年の賃上げ見通しが定期昇給分を含め平均2.75%となり、前年を0.75ポイント上回った。厚生労働省が集計する主要企業の賃上げ実績は同調査の見通しを若干上回る傾向があることを踏まえ、ニッセイ基礎研究所は23年春闘の賃上げ率を2.9%(22年実績は2.2%)と想定している。実現すれば、23年の春闘賃上げ率は1997年以来26年ぶりの高水準となる。 ただ足元のインフレ率を考慮すると、これでも十分ではない。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済研究部経済調査部長は、「23年春闘は定昇を除くベースアップ(基本給引き上げ)が最終的に1%強にとどまる。賃上げ率は2年連続で消費者物価の伸びを下回る公算が大きい」と指摘する。 電力会社各社が4月以降、料金を値上げすることも消費者物価の押し上げ要因となる。定昇込みで5〜10%レベルの賃上げを表明している一部の大企業を除き、「名目賃金は伸びても、実質賃金は減少しそうだ」(斎藤氏)』、やはり、「名目賃金は伸びても、実質賃金は減少しそうだ」との見方が有力なようだ。
・『24年も流れは続くのか  この先賃上げは、インフレが鎮静化した後も持続するのか。答えはイエス、といえるようなデータがいくつか存在している。 アベノミクス期にあたる12〜19年の間に雇用者数(役員除く)は約500万人増加した。増加した雇用者の7割を非正規が占めるものの、労働力率の高い生産年齢人口(15〜64歳)が少子高齢化で減り続ける日本経済において、これは福音だった。 しかしこの間、労働力人口の大幅な増加が続いたのは、高齢者と女性の労働力率が上がった影響が大きかった。65〜69歳の就業率は21年に初めて50%を超え、低調だった女性の労働参加も欧米先進国を抜いた。出産・子育て期に労働力率が落ち込む「M字カーブ」はほぼ消滅した。 BNPパリバ証券の河野龍太郎・チーフエコノミストは、「年金の支給開始年齢が引き上げられ働かざるをえない人が増えたことなど、いくつかの要因が重なった結果だが、日本の労働供給はいよいよ掘り尽くされ、限界に近づいてきている」と分析する。 労働需給が逼迫すれば、一般的に採用は売り手市場となり、賃金は上昇する。ただ政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」を始めても笛吹けど踊らず、実質賃金は13〜18年度平均で前年比0.4%のマイナスだった。 この要因は、賃金水準の低い非正規労働者の比率が上がったことが、平均賃金を押し下げたからなどといったさまざまな分析がある。アベノミクスでの追加的な労働供給の押し上げ余地は限定的であり、これからは本当の人手不足がやってくる可能性が高い。 24年の賃上げについては、ニッセイ基礎研究所が3%、大和総研が2.9%など大手シンクタンクは今のところ23年並みの水準を予測する。企業業績や輸入インフレの動向次第だが、2年連続で直近の比較では高水準の賃上げが行われるとの見立てだ。) 金融市場も今年の春闘には高い関心を寄せている。物価と賃金がダブルで上昇する好循環が実現するかどうかは、「2%物価目標」の達成を掲げる日本銀行の出口戦略を占ううえでも、大きな注目ポイントとなるからだ。 国債の金利や株価、為替の動向は、10年に及んだ日銀の異次元金融緩和策が、いつ、いかなる形で出口に向かうかにかかっている。それゆえ、市場関係者は日銀の政策を必死に見定めている。 では、2%目標に見合う賃金上昇はどの程度なのか。その際に必要な賃金上昇率を日銀は3%程度とみている。黒田東彦総裁は昨年5月の講演で、「生産性と物価の上昇率と整合的で、持続可能な名目賃金の上昇率は3%程度ということになる」と述べている。 2%弱の定昇を含めれば、日銀が目指すマクロの賃金上昇3%の達成には毎年5%近くの賃上げが必要になる。ただ下図のとおり、ここ数年の春闘賃上げ率は2%前後。2.75%と予測されている今年の水準から見ても、実現のハードルはかなり高いことがわかる』、「2%弱の定昇を含めれば、日銀が目指すマクロの賃金上昇3%の達成には毎年5%近くの賃上げが必要になる。ただ・・・ここ数年の春闘賃上げ率は2%前後。2.75%と予測されている今年の水準から見ても、実現のハードルはかなり高い」、なるほど。
・『「ノルム」の変化がカギ  みずほリサーチ&テクノロジーズの門間一夫・エグゼクティブエコノミストは、「日銀のいう『物価と賃金の好循環』は生産性とは関係なく、物価に関する『ノルム(常識ないし規範)』の変化を指す。分岐点となる24年春闘の結果から、人々の中長期の期待インフレ率、つまりノルムの変化が確認できるかどうかが日銀の出口戦略においてカギを握る」と語る。 折しも日銀の総裁は、今年4月から学者出身の植田和男氏が起用される見通し。「植田新総裁はノルムの変化が起きているかをじっくり見極め、出口戦略の時期を探る」(門間氏)とみられている。 舵取りは容易ではない。金融緩和の縮小によって企業が採用意欲を失い、労働需要が冷え込んでしまえば元も子もない。たとえ人手不足であっても賃金の上昇は期待できなくなる。23〜24年の春闘は賃金の上昇を好機に変え、生産性向上や消費の拡大につなげていけるのか。「ニッポンの給料」は大きな転換期を迎えている』、「分岐点となる24年春闘の結果から、人々の中長期の期待インフレ率、つまりノルムの変化が確認できるかどうかが日銀の出口戦略においてカギを握る」、「ノルムの変化が確認でき」そうもないが、「植田新総裁は」「出口戦略の時期を探る」のは先送りされるのだろうか。

次に、3月9日付け日経ビジネスオンライン「[新連載]イオン、パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資 女たちの賃上げ【1】」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00342/030800081/
・『イオンなど流通大手が相次ぎ、女性を主力としたパートへの大幅な賃上げを打ち出している。人手不足対策に加えて、彼女らの経験や知恵で厳しい競争に打ち勝つ狙いだ。人件費はコストでなく投資――。イオンの渡邉廣之副社長は「今回の賃上げはスタートにすぎない」と話す。世界有数の男女間の賃金格差を解消できれば、日本が再成長する原動力にもなる』、「人件費はコストでなく投資」とは思い切った発言だ。
・『主な連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)・イオン、パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資(今回) ・103万円の壁はいらない 連合会長「女性の収入増を後押し」 ・賃上げで大量離職にストップ 日本生命社長「長く安定して活躍を」 ・NTTとJTB、「リモート」で育児と両立 コロナ禍対応を奇貨に ・富士通と日立、「ジョブ型」で女性はキャリアを自ら選び取る ・スタートアップも男性優位社会 「出産の壁」を壊せ、女性起業家 ・「売り場の魅力を高めるには賃上げが不可欠」ライフ岩崎社長 ・「配偶者手当を廃止し、子ども手当に」昭和女子大・八代特命教授  今年2月、イオンが約40万人に上るパートの時給を平均7%引き上げる方針を明らかにし、流通業界に激震が走った。同社として過去最大の賃上げとなり、人件費は300億円ほど増加する見通し。年間に120万円程度を稼いでいたパートの年収は128万円に増える。この賃上げの恩恵を受ける約8割が女性だ。 千葉市内にあるイオンの大型総合スーパー「イオンスタイル幕張新都心」でパートとして働く(左から)花井澄江さん、辻本有紀子さん、渡辺三佳さん、萩原勝利さん(写真:的野 弘路) 千葉市内の大型総合スーパー「イオンスタイル幕張新都心」でパートとして働く花井澄江さん(51)はその一人。「最近は食品も電気代も、ガソリン代まで値上がりし生活が圧迫されていた。時給が上がるのはありがたい」と話し、胸をなで下ろす。 イオンが示した7%という賃上げ水準は、流通や外食、繊維などの労働組合が加盟するUAゼンセンが今年の春闘で示した6%を上回る。その背景を同社の渡邉廣之副社長はこう説明する。「パートの採用環境は厳しく、優秀な人は奪い合いになっている。競争力のある賃金体系を示せなければ生き残っていけない」 「もう横並びでパート賃金は決めない」 厚生労働省によると、新型コロナウイルス禍で低下していた全国のパート有効求人倍率は2021年5月の1.00倍を底に反転し、22年12月には1.48倍まで上昇した。人手不足を主因とした倒産が増加していた18年や19年の水準(それぞれ1.82倍と1.76倍、年平均)にじわりと近づいている。「実感としては、コロナ禍前よりも人材の確保は難しくなっている」と多くの関係者は口をそろえる。 今年の春闘では、トヨタ自動車が賃上げと一時金についての労組の要求に満額回答するなど、賃上げのうねりが産業界全体に広がっている。だが、そうした動きに先駆けて昨年から大幅な賃上げに動いているのが、国内で大量の労働力を必要とする第3次産業だ。パートやアルバイトなど非正規雇用の比率が高く、その大半を女性が占める。人手不足が当面続きそうなことを考えると、これまで低い水準に抑え込まれていた非正規の女性の賃金が上昇に転じる転換点に差し掛かった可能性が高い。 賃上げの動きが拡大しているのは人手不足対策だけが理由ではない。現場で女性たちが担ってきた仕事を評価し直し、これに正しく報いることで危機を乗り越えようとする狙いも透ける。イオンの渡邉副社長は「(競合スーパーと)横並びで賃金を決める考え方からはもう離れたいと思う」とも打ち明け、「(人件費は)コストではなく投資。その水準を自主的に考えるタイミングが来ている」と話す』、「昨年から大幅な賃上げに動いているのが、国内で大量の労働力を必要とする第3次産業だ。パートやアルバイトなど非正規雇用の比率が高く、その大半を女性が占める。人手不足が当面続きそうなことを考えると、これまで低い水準に抑え込まれていた非正規の女性の賃金が上昇に転じる転換点に差し掛かった可能性が高い」、「現場で女性たちが担ってきた仕事を評価し直し、これに正しく報いることで危機を乗り越えようとする狙いも透ける。イオンの渡邉副社長は「(競合スーパーと)横並びで賃金を決める考え方からはもう離れたいと思う」とも打ち明け、「(人件費は)コストではなく投資。その水準を自主的に考えるタイミングが来ている」、「イオン」の考え方は。「これまで低い水準に抑え込まれていた非正規の女性の賃金が上昇に転じる転換点に差し掛かった可能性が」高く、極めてインパクトが大きい。

第三に、3月13日付け日経ビジネスオンライン「「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁 女たちの賃上げ【3】」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00342/031000083/
・『パートの賃金を引き上げる動きが広がり、政府もパートに就業調整を強いてきた「年収の壁」の見直しに動き出した。「これからは働く側が企業を選ぶ時代になる。パートの位置づけは変わりつつある」――。短時間で働く女性組合員を多く抱える日本最大の産業別労組UAゼンセンの松浦昭彦会長はこう指摘する。年収の壁については「制度を抜本的につくり変える時期が来ている」と話し、パートのリスキリングを通じた生産性向上の必要性も説く』、「政府もパートに就業調整を強いてきた「年収の壁」の見直しに動き出した」、遅まきながらよい動きだ。
・『主な連載予定  タイトルや回数は変わる可能性があります ・イオン、パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資 ・年収の壁は撤廃を 連合会長が激白「このままでは企業がもたない」 ・「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁(今回) ・賃上げで大量離職にストップ 日生社長「長く安定して活躍を」 ・NTTとJTB、「リモート」で育児と両立 コロナ禍対応を奇貨に ・富士通と日立、「ジョブ型」で女性はキャリアを自ら選び取る ・スタートアップも男性優位社会 「出産の壁」を壊せ、女性起業家 ・「売り場の魅力を高めるには賃上げが不可欠」ライフ岩崎社長 ・「配偶者手当を廃止し、子ども手当に」昭和女子大・八代特命教授 Qは聞き手の質問  Q:UAゼンセンは今回の春闘で6%程度の賃上げを掲げました。連合(5%程度)を上回る水準です。 松浦昭彦UAゼンセン会長(以下、松浦氏):UAゼンセンは飲食業や食品製造業、それに小売業など、賃金水準が相対的に低い業種の組合員を多く抱えています。加えて、中小規模の組合や、正社員以外の方々の割合も多い。組合員の約6割は女性で、同じく約6割が短時間で働く方です。物価の上昇が生活に与える影響は大きく、組合員の生活を守るためには高い水準の賃上げを実現しなければなりません。 加えて、我々は今回の春闘を大きな変革点にしたいとも考えています。長年にわたって停滞してきた賃金を継続的に上げていく変わり目としたい。ですから、たとえ来年の物価上昇率が1%台に戻ったとしても、賃上げ水準をかつてのような低いレベルに戻すことは考えていません。 (松浦会長の略歴はリンク先参照) Q:パートの時給を平均で7%引き上げると表明したイオンを筆頭に、非正規社員、特にパートの待遇の見直しに動く企業が相次いでいます。 松浦氏:これまでは主婦やシニアの方が次々とパートとして働きに出てきました。企業は募集すればいくらでも人を採用できたかもしれません。しかし状況は変わりました。働く意欲のある方はもう実際に働いています。これ以上はもう増えないでしょう。雇用調整の対象になりやすかったパートの位置づけは変わったのです。これからは働く側が企業を選ぶ時代になる。それを理解しているから企業側も「選ばれる存在」になるために動き出しているのではないかと思います。企業としては、とにかく長く働いてほしいという感覚を強めているのではないでしょうか。 正社員とパートの違いも小さくなってきています。UAゼンセンの組合員でも、勤続10年以上とか、雇用期間に定めがない、つまり無期雇用に転換したパートの方々が多くおります。正社員とほぼ同じように働いている方がたくさんいらっしゃるのです』、「雇用調整の対象になりやすかったパートの位置づけは変わったのです。これからは働く側が企業を選ぶ時代になる。それを理解しているから企業側も「選ばれる存在」になるために動き出しているのではないかと思います。企業としては、とにかく長く働いてほしいという感覚を強めているのではないでしょうか。 正社員とパートの違いも小さくなってきています」、「UAゼンセンの組合員でも、勤続10年以上とか、雇用期間に定めがない、つまり無期雇用に転換したパートの方々が多くおります。正社員とほぼ同じように働いている方がたくさんいらっしゃるのです」、そこまで「正社員とパートの違いも小さくなってきて」いるとは初めて知った。
・『現場のパートにこそリスキリングを  特に流通の現場では、パートの方々が基幹的な仕事を担っています。それには理由があります。1980年代のスーパーの入社式を見たことがありますか。新入社員の圧倒的多数は女性でした。当時の社会背景もあって、多くは結婚や出産を機に退職していきました。そして子育てが一段落した90年代や2000年代になると、今度はパートとして現場に戻ってくる。元正社員ですから職場のことも仕事のこともよく分かっている。ですから当然、戦力になるわけです。 正社員のようにいつでも残業できるとか、どこでも転勤できるというわけではありません。働く時間の制約もある。でもパートが担ってきた仕事については、もっと評価されてしかるべきだと思います。新型コロナウイルス禍でも(社会機能の維持に必要な)エッセンシャルワーカーとして活躍しました。パートの方々の声を聞くと、「自分のやっている仕事は世の中の役に立っている」という意識を非常に強く持っていることが分かります。企業としても、強い思いを持ったパートに最大限能力を発揮してもらいたいと思っているはずです。 Q:確かに、賃上げをするだけではなく、パートとして働く人のスキルも高めて生産性を向上させようとする動きもあります。 松浦氏:多くの産業で仕事の在り方は大きく変わります。スーパーでも、セルフレジが導入されたり、AI(人工知能)を活用した発注の仕組みが導入されたりするなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。 DXへの対応が求められるのは正社員ばかりではありません。むしろ現場のことをよく分かっているパートの方々こそデジタル教育やリスキリングが必要だと思います。どうしたらDXで業務を効率化できるか、顧客へのサービスを向上させられるかといった点について深い知見を持っているのは、現場の第一線に立っているパートの方々だからです。パートの付加価値をどう高めていくかは、企業にとって重要な課題になるでしょう』、「現場のことをよく分かっているパートの方々こそデジタル教育やリスキリングが必要だと思います。どうしたらDXで業務を効率化できるか、顧客へのサービスを向上させられるかといった点について深い知見を持っているのは、現場の第一線に立っているパートの方々だからです」、その通りだ。
・『「日本は変な制度を持っているね」  Q:パートの就業調整を招いていた、いわゆる「年収の壁」についても、ようやく見直しの機運が出てきました。 松浦氏:制度を抜本的につくり変えるべき時期に来ていると思います。なぜ(夫などに扶養されている)配偶者は第3号被保険者として社会保険料の支払いが免除されるのか。同じ収入で配偶者のいない方は保険料を負担する必要があるのです。(収入のない)専業主婦に近いという理由で免除される根拠を私は示すことができません。海外の労組の方と話していると、「日本は変な制度を持っているね」と不思議がられます。 Q:年収の壁への対応として、自民党内などでは社会保険料の労働者負担分を補助金で穴埋めする案などが浮上しています。 松浦氏:保険料を支払うべき人を補助するというのは目的としては逆行していると思います。今の制度ありきではなく、第3号被保険者制度の背景にある基礎年金制度そのものについて根本から見直していくような議論をしていくべきだと思います。社会保険料の支払いは確かに負担かもしれませんが、将来の生活の支えにもなります。働いている人が広く薄く負担する仕組みが必要ではないでしょうか。 Q:パートについて賃上げが必要な背景は見えてきました。一方で正社員についてはどうでしょうか。正社員の領域でも男女間の格差は歴然として存在します。 松浦氏:例えば女性の場合、育休を取ったことで巻き返しが不可能なほどに昇進が遅れるという状況がまだ残っています。女性だけが育休を取るというのも問題ですが、仮にそうなった場合でも、1年も遅れることなく昇進できる仕組みになっているか。まだ企業はそこまで踏み切れていないという感じはします。 家庭の責任を配偶者(妻)に押し付けて、残業も転勤もいとわず働ける人を評価する企業の組織風土はまだ残っています。もっとも、最近は女性役員の比率を定めたり、賃金差の公表を義務化したりする動きがあります。こうした「結果」からアプローチするしかないのでしょう。 加えて、男性が育休を取ることが企業にとって付加価値になるような取り組みや仕組みも必要だと思います。「会社のためにも育休を取ってください」と言わなければ、制度があると言ったところで多くの男性は結局休めない。多くの企業は男性社員を休ませたくない、その社員の配偶者に休んでもらえばいいと思っているのかもしれません。この配偶者の会社も同じようなことを考えているとすれば、状況はいつまでたっても変わらない。だからこそ育休取得の推進が会社にとって付加価値になる仕組みが必要です。 課題は多くあります。また企業が置かれている環境は厳しく、容易に賃上げができる状況ではないことも理解しています。ただパートの待遇改善の機運が出てきたことや、政労使が継続的な賃上げに向けて歴史的にもまれな形で足並みをそろえている今の流れは大事にしたい。加えて、働き方や制度の見直しを進めていくことができれば、持続可能な成長は実現するはずです』、「育休取得の推進が会社にとって付加価値になる仕組みが必要です」、「パートの待遇改善の機運が出てきたことや、政労使が継続的な賃上げに向けて歴史的にもまれな形で足並みをそろえている今の流れは大事にしたい。加えて、働き方や制度の見直しを進めていくことができれば、持続可能な成長は実現するはずです」、「政労使が継続的な賃上げに向けて歴史的にもまれな形で足並みをそろえている」、「政労使」の動きが実ってほしいものだ。
タグ:「2%弱の定昇を含めれば、日銀が目指すマクロの賃金上昇3%の達成には毎年5%近くの賃上げが必要になる。ただ・・・ここ数年の春闘賃上げ率は2%前後。2.75%と予測されている今年の水準から見ても、実現のハードルはかなり高い」、なるほど。 やはり、「名目賃金は伸びても、実質賃金は減少しそうだ」との見方が有力なようだ。 「ベア率」が今年は上がる可能性が出てきたが、「実質賃金はマイナス」なのは変わらないだろう。 東洋経済オンライン「賃上げラッシュ「ニッポンの給料」に起こる大異変 26年ぶり高水準、春闘に異例の熱視線が集まる」 政府の賃上げ要請 (その6)(賃上げラッシュ「ニッポンの給料」に起こる大異変 26年ぶり高水準 春闘に異例の熱視線が集まる、女たちの賃上げ2題(イオン パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資、「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁)) 「分岐点となる24年春闘の結果から、人々の中長期の期待インフレ率、つまりノルムの変化が確認できるかどうかが日銀の出口戦略においてカギを握る」、「ノルムの変化が確認でき」そうもないが、「植田新総裁は」「出口戦略の時期を探る」のは先送りされるのだろうか。 日経ビジネスオンライン「[新連載]イオン、パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資 女たちの賃上げ【1】」 「人件費はコストでなく投資」とは思い切った発言だ。 「昨年から大幅な賃上げに動いているのが、国内で大量の労働力を必要とする第3次産業だ。パートやアルバイトなど非正規雇用の比率が高く、その大半を女性が占める。人手不足が当面続きそうなことを考えると、これまで低い水準に抑え込まれていた非正規の女性の賃金が上昇に転じる転換点に差し掛かった可能性が高い」、「現場で女性たちが担ってきた仕事を評価し直し、これに正しく報いることで危機を乗り越えようとする狙いも透ける。 イオンの渡邉副社長は「(競合スーパーと)横並びで賃金を決める考え方からはもう離れたいと思う」とも打ち明け、「(人件費は)コストではなく投資。その水準を自主的に考えるタイミングが来ている」、「イオン」の考え方は。「これまで低い水準に抑え込まれていた非正規の女性の賃金が上昇に転じる転換点に差し掛かった可能性が」高く、極めてインパクトが大きい。 日経ビジネスオンライン「「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁 女たちの賃上げ【3】」 「政府もパートに就業調整を強いてきた「年収の壁」の見直しに動き出した」、遅まきながらよい動きだ。 「雇用調整の対象になりやすかったパートの位置づけは変わったのです。これからは働く側が企業を選ぶ時代になる。それを理解しているから企業側も「選ばれる存在」になるために動き出しているのではないかと思います。企業としては、とにかく長く働いてほしいという感覚を強めているのではないでしょうか。 正社員とパートの違いも小さくなってきています」、 「UAゼンセンの組合員でも、勤続10年以上とか、雇用期間に定めがない、つまり無期雇用に転換したパートの方々が多くおります。正社員とほぼ同じように働いている方がたくさんいらっしゃるのです」、そこまで「正社員とパートの違いも小さくなってきて」いるとは初めて知った。 「現場のことをよく分かっているパートの方々こそデジタル教育やリスキリングが必要だと思います。どうしたらDXで業務を効率化できるか、顧客へのサービスを向上させられるかといった点について深い知見を持っているのは、現場の第一線に立っているパートの方々だからです」、その通りだ。 「育休取得の推進が会社にとって付加価値になる仕組みが必要です」、「パートの待遇改善の機運が出てきたことや、政労使が継続的な賃上げに向けて歴史的にもまれな形で足並みをそろえている今の流れは大事にしたい。加えて、働き方や制度の見直しを進めていくことができれば、持続可能な成長は実現するはずです」、「政労使が継続的な賃上げに向けて歴史的にもまれな形で足並みをそろえている」、「政労使」の動きが実ってほしいものだ。
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