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日本郵政(その18)(「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ、日本郵政は賃上げ大盤振る舞い ベア民営化後最大 取引先の値上げ要請にも「満額回答」なのか) [国内政治]

日本郵政については、2021年4月24日に取上げた。久しぶりの今日は、(その18)(「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ、日本郵政は賃上げ大盤振る舞い ベア民営化後最大 取引先の値上げ要請にも「満額回答」なのか)である。

先ずは、昨年2月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/54950
・『総務省の監督強化は「官業復帰」への布石  続発する郵便局の不正事件に対応して、総務省が「監督体制を強化」するという。相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる。国民のカネを投入してまで郵便局を維持する意味があるのかが問われている。 「郵政事業に対する国民からの信頼を回復させていくことが急務だ。コンプライアンスやガバナンスの一層の強化、再発防止策の確実な実施を促すため、総務省の監督体制を強化する」 2月1日の閣議後の記者会見に臨んだ金子恭之総務相は、こう語った。信頼回復には総務省が乗り出さなければダメだ、というわけだ。弁護士らで作る「有識者会議」を総務省に設けて、日本郵政グループに対する監督機能の強化に向けた具体的な取り組みについて検討し、夏をメドに報告書をまとめるという』、「相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる」、全く盗人猛々しいやり方だ。
・『郵便局の不正が次々に発覚している  きっかけはとどまることを知らない郵便局の不正発覚だ。 2021年6月に逮捕された長崎住吉郵便局の元局長は、高金利の貯金に預け入れするなどと嘘を言って、現金をだまし取る手口で、62人から12億4000万円を詐取したと報じられた。また、熊本県の元局長は、かんぽ生命の顧客の個人情報を流した見返りに現金を受け取っていたとして、同じく2021年6月に逮捕された。 さらに昨夏には、ホテルで会合を開いたとする虚偽の名目で経費を不正に受け取った統括郵便局長2人を、日本郵便が戒告の懲戒処分とし、解任していたことが明らかになっている。 問題は、こうした不正が、その局長個人が「たまたま起こした」犯罪では済まされないことだ。 例えば、個人情報の扱いについては、郵便局全体でタガが外れている。2021年末には、郵便局で投資信託などの取引を行った顧客の個人情報が記載された書類が全国6565の郵便局で延べ29万人分紛失していたことを日本郵政が認めて発表した。誤って廃棄したとみられるので「外部への情報漏えいの可能性は極めて低い」と説明し、責任追及すらまともにしていない』、「郵便局で投資信託などの取引を行った顧客の個人情報が記載された書類が全国6565の郵便局で延べ29万人分紛失」、しかし、「誤って廃棄したとみられるので「外部への情報漏えいの可能性は極めて低い」と説明し、責任追及すらまともにしていない」、酷い気の緩みだ。
・『「まさか郵便局員が不正を働くわけがない」信頼を悪用している  企業などが郵便料金を別納した際に、相当額の郵便切手に消印を押す仕組みがあるが、それを悪用し、切手に消印を押さずに転売する手口が全国の郵便局で次々と見つかった。これも長年続く「郵便局員の小遣い稼ぎ」だったのではないかとの見方が強い。あまりにも巨額なものは事件化したが、少額のケースは闇に葬られてきたとも言われている。 郵便局は国の事業だから潰れない――。民営化された後もそう考えている利用者は少なくない。特に高齢者は長年付き合いのある郵便局長や局員に全幅の信頼を寄せている。郵便局で相次ぐ不正も、そうした無条件の信頼をベースに起きている。まさか郵便局員が不正を働くわけがない、という人々の思いを半ば、悪用しているわけだ。そうした過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている。 郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い。まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ』、「まさか郵便局員が不正を働くわけがない、という人々の思いを半ば、悪用しているわけだ。そうした過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている」、「郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い。まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ」、なるほど。
・『民営化は名ばかり、日本郵政株の3分の1は政府が保有  もとは国鉄(JRの前身)にも似たような体質があった。精算窓口でのネコババやカラ出張が新聞を賑わせたものだ。だが、民営化によって誕生したJRは、その体質を一変させた。日本郵政も民営化によってその体質は変わるはずだった。だが、郵政民営化の歩みは鈍い。2007年に日本郵政グループが発足、当初は完全民営化が前提だったが、その後の揺り戻しで、政府は日本郵政株の3分の1超を持ち続けることになった。 民営化した民間会社にもかかわらず、総務省が「監督強化」できるのも、この政府の持ち株と法律で日本郵政を縛っているからだ。持株会社である日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ。 郵政民営化では、銀行業も保険業も民間の企業で十分で、「官業」として国が事業を行えば民業圧迫になると考えられた。だから政府保有株をすべて売らせて、民間金融機関として自立させる道を考えた』、「日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ」、「郵政民営化」はすっかり骨抜きにされた形だ。
・『政府は郵便局網の維持に必死  今も、日本郵政を通じて間接支配しているのは理由がある。政府は必死になって郵便局網を維持する道を模索している。郵便局を保有する日本郵便には全国一律のサービスを提供する「ユニバーサルサービス」が義務付けられているが、2021年末時点で2万3774に及ぶ郵便局の多くは赤字だとされる。それを補い郵便局網を維持するために、ゆうちょ銀行とかんぽ生命に「業務手数料」や「拠出金」の形で毎年1兆円もの資金負担を求めてきた。 その支援資金が細ってくると、総務省は2019年から新たな方法に切り替えた。それまでは金融2社が自社商品を郵便局で販売してもらう「業務手数料」として支払われていたものを、独立行政法人の「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」にいったん拠出させた後、日本郵便に交付金として支払うように変えたのだ。資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている』、「金融2社が自社商品を郵便局で販売してもらう「業務手数料」として支払われていたものを、独立行政法人の「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」にいったん拠出させた後、日本郵便に交付金として支払うように変えたのだ。資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている」、「支援資金が細ってくると・・・新たな方法に切り替えた」、「総務省」の手際の良さには驚かされる。
・『自民党の集票マシーンと呼ばれた「旧特定郵便局長」  そこまでしてなぜ、政府は「郵便局網」を維持したいのか。その理由をうかがわせる不祥事が昨年発覚した。 2021年10月に西日本新聞の報道で発覚したのだが、全国の郵便局長(旧特定郵便局長ら)でつくる任意団体「全国郵便局長会」(全特)が日本郵政に要望、2018~20年度に約8億円分のカレンダー購入経費を負担させた上で、全国の局長に全特が擁立する自民党参院議員の後援会員らに配布するよう指示したというもの。郵便局の持つ顧客の個人情報を政治活動に流用したとして大問題になった。日本郵政は郵便局長ら112人を社内処分したと発表している。どうやら組織的に、郵便局の持つ情報と日本郵政の資金を使って、特定候補の応援をしていたという疑いが濃厚になった。 旧特定郵便局長は明治時代に地方の名士などが設置したものが多く、代々局長を世襲している例もある。地域の中核的存在だったことから政治的にも大きな影響を持ち、自民党の「集票マシーン」と呼ばれることもある。 こうした郵便局長は日本郵政の職員でありながら、転勤もなく、同じ業務を担い続けている。これが顧客との馴れ合いを生み、不正が頻発している根本原因だとも指摘されている。郵政民営化では、この特定郵便局の解体が決まったが、結局、今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られているとされる。 では、総務省が権限を強化することで、こうした長年の問題は解消されるのだろうか。残念ながらむしろ逆だろう』、「旧特定郵便局長は明治時代に地方の名士などが設置したものが多く、代々局長を世襲している例もある。地域の中核的存在だったことから政治的にも大きな影響を持ち、自民党の「集票マシーン」と呼ばれることもある」、「郵政民営化では、この特定郵便局の解体が決まったが、結局、今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られているとされる」、「総務省が権限を強化することで、こうした長年の問題は解消されるのだろうか。残念ながらむしろ逆だろう」、「今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られている」、全くフザケタ話だ。
・『日本郵政の事業に国民のカネをつぎ込む必要があるのか  自民党の大物議員の間には、「郵政再国営化」論がくすぶっている。宅配便が全国をカバーし、町々にコンビニができる中で、郵便局に対するニーズはどんどん低下している。宅配会社や地域金融機関との競争で収益性も低下、もはや日本郵政のやりくりだけでは既存の郵便局網を維持することは難しくなっている。そうなると集票マシーンを失うことになる自民党にとっては死活問題になる。郵便局を国営化して国で支えようというわけだ。 総務省の官僚たちが、大臣や与党政治家の意向に従わざるを得ないのは言うまでもない。それだけでなく、総務省自身も郵政事業に利権を持つ。 2019年末、かんぽ生命の不正販売問題の責任を取って、日本郵政、かんぽ生命、日本郵便の3社長が交代した。いずれも民間金融機関出身者だったが、後任は揃って官僚出身者となった。民間出身者が過酷なノルマを課したことが不正販売につながったかのような情報が流されたが、実のところ、民間経営者による改革を嫌う局長や総務官僚らの反発が背景にあった。不祥事を機に総務省はまんまと社長ポストを手に入れたのである。 果たして、今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう』、「民間出身者が過酷なノルマを課したことが不正販売につながったかのような情報が流されたが、実のところ、民間経営者による改革を嫌う局長や総務官僚らの反発が背景にあった。不祥事を機に総務省はまんまと社長ポストを手に入れたのである。 果たして、今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう」、同感である。

次に、昨年5月14日付け日刊ゲンダイが掲載した金融ジャーナリストの小林佳樹氏による「「日本郵政」がゆうちょ銀、かんぽ生命の株を手放せないワケ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/305136
・『「郵政民営化法が改正されるかもしれない」 地方銀行の幹部はこう警戒する。 2012年改正の郵政民営化法では、国が日本郵政株の3分の1を持ち続ける一方、日本郵政が持つゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社の株はできる限り早期に完全処分を目指すとされている。このため日本郵政はゆうちょ銀行、かんぽ生命が上場後、順次、市場で保有株式を売却してきた。 しかし、「日本郵政グループを支えているのは金融2社の収益であり、この2社が完全に独立した瞬間に、日本郵政グループの価値は暴落しかねない。収益性の低い日本郵便のみが残り、ユニバーサルサービスの維持も困難になろう」(市場関係者)とみられている。金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではないのだ』、「日本郵政グループを支えているのは金融2社の収益であり、この2社が完全に独立した瞬間に、日本郵政グループの価値は暴落しかねない。収益性の低い日本郵便のみが残り、ユニバーサルサービスの維持も困難になろう」、「金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではない」のは確かだ。
・『一体経営を担保する仕組み  その一端が垣間見れたのが、朝日新聞が報じた全国郵便局長会の評議員会の議事録(3月26日)だ。この中で、局長会の末武晃会長は「日本郵政まは日本郵便による一定数のゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式の保有等、一体経営を担保する仕組みについての検討を求めていきたい」と発言したとされる。 評議員会は全国郵便局長会総会に次ぐ議決機関で、これまでに日本郵政グループの「一体経営の確保」を訴えたことはあるが、トップが金融2社の株式保有にまで踏み込んだ発言を行ったのは初めてだ。政治的な影響力を持つ、全国郵便局長会トップの発言は重い。地方銀行幹部が指摘するように郵政民営化法そのものが改正され、金融2社の株売却にブレーキがかかるのか。 だが、金融2社の株式売却にストップをかけるのはもろ刃の剣でもある。民営化法では、郵政の出資比率が5割を下回るまで金融2社の新規業務に国の認可が必要と定めている。かんぽ生命については21年6月に出資比率が5割を切り、届け出制に移行したが、ゆうちょ銀行はこれから。このまま株式売却を停止すればゆうちょ銀行は新規業務に足かせが残ることになる。 このため株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた』、「このまま株式売却を停止すればゆうちょ銀行は新規業務に足かせが残ることになる。 このため株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた」、「株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持」、こんな抜け道を許す訳にはいかない。「民営化法では、郵政の出資比率が5割を下回るまで金融2社の新規業務に国の認可が必要と定めている」、のは、「郵政の出資比率」の低下を、「金融2社の新規業務に国の認可」を不要とする条件にすることで、「郵政の出資比率」低下にインセンティブを付けたが、どうも郵政サイドは「「金融2社の新規業務に国の認可」を不要とする」ことにこだわらなくなったようだ。

第三に、本年3月18日付け日刊ゲンダイ「日本郵政は賃上げ大盤振る舞い、ベア民営化後最大 取引先の値上げ要請にも「満額回答」なのか」を紹介しよう。
・『大手企業の春闘は満額回答ラッシュだ。16日も、マツダ、住友金属鉱山、すかいらーくHDなどが、組合要求に満額で応じた。今後の焦点は企業数の99.7%、労働者雇用の7割を占める中小企業にも、大幅な賃上げが波及するかどうかだ。 中小企業はコスト上昇分を価格転嫁できず、賃上げ余力に乏しい企業が少なくない。中小企業の値上げ要請を発注元の大企業が十分に受け入れないからだ。 とりわけ、「下請け泣かせ」なのが日本郵政グループ傘下の日本郵便だ。中小企業庁は先月、価格転嫁に後ろ向きな企業名を初めて公表。10社以上の中小企業から取引先として社名が挙がった大企業148社のうち、日本郵便は唯一4段階で最低の評価だった。取引先のコスト上昇分から、転嫁を受け入れた割合(平均)はナント「0割未満」である。 ところが、郵政グループの賃上げは大盤振る舞いだ。15日に妥結した今春闘で、ベースアップは郵政民営化後で最大の月額平均4800円。加えて物価高対応として1人当たり7万円の特別一時金まで支給する。定期昇給とベア、特別一時金を含めた賃上げ率は実に5.11%。足元の物価上昇率を大幅に上回る』、「価格転嫁に後ろ向きな企業」「大企業148社のうち、日本郵便は唯一4段階で最低の評価」で「転嫁を受け入れた割合(平均)はナント「0割未満」。「ところが、郵政グループの賃上げは大盤振る舞いだ。15日に妥結した今春闘で、ベースアップは郵政民営化後で最大の月額平均4800円。加えて物価高対応として1人当たり7万円の特別一時金まで支給する。定期昇給とベア、特別一時金を含めた賃上げ率は実に5.11%。足元の物価上昇率を大幅に上回る」、「民営化」のおいしいところだけをツマミ食いする姿勢は腹立たしい限りだ。
・『価格転嫁「0割未満」の改善状況を直撃  いやが上にも価格転嫁の最低評価が脳裏をよぎる。郵政グループは日本郵便の価格対応を改善した上で、従業員の大幅賃上げを実施するのだろうか。中小企業庁による実名公表後、増田寛也社長は会見で「深刻な問題が内在しているのではないか」と危機感を示し、実態調査と対応策の検討を約束していた。 日本郵便は2月13日付の報道発表で自主点検や相談窓口の設置の他、2月20日~3月31日の間、協力会社と契約内容について協議するとしている。価格転嫁の改善なくして賃上げはあり得ない。改善状況を日本郵便に聞いた。 「調査を終えていない途中段階なので、改善されているかどうかも含め、コメントは控える。調査終了後、結果を公表するかどうかは決めていない」(広報担当) 郵政グループに詳しい金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。 「唯一の最低評価を受け、その後、日本郵便が取引先の値上げ要請に対して真摯に対応していると信じたい。3月末まで調査は続くので、改善状況を公表するとしても、4月以降。それでは中小企業の春闘は終わっている。今のタイミングでも、価格転嫁が大幅に改善しているのであれば、そのことで取引先の賃上げにも貢献できた事例を公表してはどうか。汚名を返上するいい機会だと思います」 民営化されたとはいえ、郵政グループの事業は公共性が高い。従業員の賃上げのように、取引先の値上げ要請にも「満額回答」で応じたらどうなのか』、「従業員の賃上げのように、取引先の値上げ要請にも「満額回答」」で応じた場合の、収益見通しも開示すべきだ。開示すれば、「従業員の賃上げ要請」でも政治的な理由で受け入れることのマイナス効果を嫌でも実感する筈だ。民営化の意味を改めて再確認すべきだが、第一の記事にるように政府が既に「官業復帰」を狙っているのであれば、「官業」が「従業員の賃上げ要請」を受諾する意味を再確認すべきだ。
タグ:日本郵政 (その18)(「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ、日本郵政は賃上げ大盤振る舞い ベア民営化後最大 取引先の値上げ要請にも「満額回答」なのか) PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに」 「相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる」、全く盗人猛々しいやり方だ。 「郵便局で投資信託などの取引を行った顧客の個人情報が記載された書類が全国6565の郵便局で延べ29万人分紛失」、しかし、「誤って廃棄したとみられるので「外部への情報漏えいの可能性は極めて低い」と説明し、責任追及すらまともにしていない」、酷い気の緩みだ。 「まさか郵便局員が不正を働くわけがない、という人々の思いを半ば、悪用しているわけだ。そうした過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている」、「郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い。まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ」、なるほど。 「日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ」、「郵政民営化」はすっかり骨抜きにされた形だ。 「金融2社が自社商品を郵便局で販売してもらう「業務手数料」として支払われていたものを、独立行政法人の「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」にいったん拠出させた後、日本郵便に交付金として支払うように変えたのだ。資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている」、「支援資金が細ってくると・・・新たな方法に切り替えた」、「総務省」の手際の良さには驚かされる。 「旧特定郵便局長は明治時代に地方の名士などが設置したものが多く、代々局長を世襲している例もある。地域の中核的存在だったことから政治的にも大きな影響を持ち、自民党の「集票マシーン」と呼ばれることもある」、「郵政民営化では、この特定郵便局の解体が決まったが、結局、今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られているとされる」、 「総務省が権限を強化することで、こうした長年の問題は解消されるのだろうか。残念ながらむしろ逆だろう」、「今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られている」、全くフザケタ話だ。 「民間出身者が過酷なノルマを課したことが不正販売につながったかのような情報が流されたが、実のところ、民間経営者による改革を嫌う局長や総務官僚らの反発が背景にあった。不祥事を機に総務省はまんまと社長ポストを手に入れたのである。 果たして、今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。 日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう」、同感である。 日刊ゲンダイ 小林佳樹氏による「「日本郵政」がゆうちょ銀、かんぽ生命の株を手放せないワケ」 「日本郵政グループを支えているのは金融2社の収益であり、この2社が完全に独立した瞬間に、日本郵政グループの価値は暴落しかねない。収益性の低い日本郵便のみが残り、ユニバーサルサービスの維持も困難になろう」、「金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではない」のは確かだ。 「このまま株式売却を停止すればゆうちょ銀行は新規業務に足かせが残ることになる。 このため株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた」、「株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持」、こんな抜け道を許す訳にはいかない。 「民営化法では、郵政の出資比率が5割を下回るまで金融2社の新規業務に国の認可が必要と定めている」、のは、「郵政の出資比率」の低下を、「金融2社の新規業務に国の認可」を不要とする条件にすることで、「郵政の出資比率」低下にインセンティブを付けたが、どうも郵政サイドは「「金融2社の新規業務に国の認可」を不要とする」ことにこだわらなくなったようだ。 日刊ゲンダイ「日本郵政は賃上げ大盤振る舞い、ベア民営化後最大 取引先の値上げ要請にも「満額回答」なのか」 「価格転嫁に後ろ向きな企業」「大企業148社のうち、日本郵便は唯一4段階で最低の評価」で「転嫁を受け入れた割合(平均)はナント「0割未満」。「ところが、郵政グループの賃上げは大盤振る舞いだ。15日に妥結した今春闘で、ベースアップは郵政民営化後で最大の月額平均4800円。加えて物価高対応として1人当たり7万円の特別一時金まで支給する。定期昇給とベア、特別一時金を含めた賃上げ率は実に5.11%。足元の物価上昇率を大幅に上回る」、 「民営化」のおいしいところだけをツマミ食いする姿勢は腹立たしい限りだ。 「従業員の賃上げのように、取引先の値上げ要請にも「満額回答」」で応じた場合の、収益見通しも開示すべきだ。開示すれば、「従業員の賃上げ要請」でも政治的な理由で受け入れることのマイナス効果を嫌でも実感する筈だ。民営化の意味を改めて再確認すべきだが、第一の記事にるように政府が既に「官業復帰」を狙っているのであれば、「官業」が「従業員の賃上げ要請」を受諾する意味を再確認すべきだ。
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