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韓国「徴用工」問題(その1)(徴用工判決も 韓国で日本の国民感情を逆なでする行為が相次ぐ理由、韓国「徴用工勝訴」が日本に与える巨大衝撃 戦後体制そのものを揺るがすパンドラの箱だ、徴用工判決で問われる「日韓国交正常化の闇」 韓国大法廷の判決文を熟読してわかったこと) [外交]

今日は、韓国「徴用工」問題(その1)(徴用工判決も 韓国で日本の国民感情を逆なでする行為が相次ぐ理由、韓国「徴用工勝訴」が日本に与える巨大衝撃 戦後体制そのものを揺るがすパンドラの箱だ、徴用工判決で問われる「日韓国交正常化の闇」 韓国大法廷の判決文を熟読してわかったこと)を取上げよう。

先ずは、元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏が11月1日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「徴用工判決も、韓国で日本の国民感情を逆なでする行為が相次ぐ理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/184010
・『韓国の最高裁で元徴用工4人に計4000万円の支払い命じる判決  10月30日、第2次世界大戦中に強制労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は、同社の上告を退ける判決を言い渡した。これにより、4人に合わせて4億ウォン(約4000万円)の支払いを命じたソウル高裁の判決が確定した。 日本政府は、元徴用工への請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場で、同社も同様の主張をしたが、認められなかった形だ。 元徴用工やその遺族は、2005年に旧新日鉄を相手取りソウル中央地裁に提訴した。しかし当時の盧武鉉政権が、日韓請求権協定や関連の外交文書を検証した結果、個人が企業に賠償を求めるのは事実上困難との見解を表明。1、2審は原告が敗訴した。 しかし大法院は、韓国政府には賠償請求権はないものの「個人請求権は消滅していない」との判断を示し、審理をソウル高裁に差し戻した。これを受け同高裁は2013年、計4億ウォンの賠償を命じた。 だが、大法院は控訴審判決が出てから5年以上、判断を保留してきた。背景には、後述するが、韓国政府が日本政府同様、日韓請求権協定によって両国民の間の請求権は「完全かつ最終的に解決」したとの解釈を示してきたことがある。 ところが最近、大法院の担当次長が判決を遅らせたとして逮捕された。これは、文在寅政権として「早く判決を出すように」との意思表示であり、今回の判決も文政権の意向に沿ったものと見ることができる』、「大法院の担当次長が判決を遅らせたとして逮捕された」なかでの判決だったとは初めて知った。
・『個人補償は韓国政府が拒んできた経緯 判決を受けて訴訟乱発の恐れ  そもそも65年の日韓国交正常化交渉の過程において、日本政府は個人補償も検討したが、当時の朴正熙政権が一括して韓国政府との間で解決するように求め、無償3億ドル、有償2億ドルで決着した経緯がある。 盧武鉉政権も2005年に、日本による無償3億ドル協力には「強制動員被害補償の問題解決という性格の資金が包括的に勘案されている」として、責任は韓国政府が持つべきだとの認識を示している。文大統領は、このときの高官だった。しかし、文大統領は昨年の光復節直後の記者会見で、「個人請求権は消滅しない」「司法判断を尊重する」と述べた。 韓国政府が、長年にわたり「個人の請求権は消滅した」との立場を取っていたのだから、外交交渉の経緯を最高裁に説明、説得するのが行政府の責任ではないか。文大統領が国内的に歴史の見直しに力を入れるとするのは構わないが、外交的には相手方の強い反発を理解すべきで、日本の反応を過小評価したとしか思えない』、「個人補償は韓国政府が拒んできた経緯」があったというのも、初めて知った。盧武鉉政権の高官だった文大統領が、手の平返しをするとは、恐れ入った。
・『今回の判決を受け、これから各地で訴訟が活発化することが予想される。既に70社を相手取り、15件の裁判が進行中であり、約1000人が原告となっている。そして、“訴訟予備軍”も20万人以上いるといわれる。この全員が日本企業に1000万円を求めたら、その総額は2兆円に上る。新日鉄住金が賠償を支払わない場合、原告の弁護士は差し押さえを求めることを検討中ともいわれ、そうなれば日韓経済関係には甚大な影響を与える。 しかし、より根本的な問題として、日韓政府間合意から50年以上経った今、政権が変わったからといって一方的に約束を反故にされては、安定した国家関係は望めない。韓国政府は裁判所の意向と言うのだろうが、これまでの韓国政府は合意内容を擁護してきたし、これは韓国政府の責任であると言ってきた。 日韓請求権協定で相互に争いがある場合には紛争解決の手続きが決められており、まず2国間協議、それで解決しない場合には第三国の委員を加えた仲裁委員会での話し合いを求めることができることになっている。韓国の裁判所もこうした手続きを尊重し、一方的に判断するのではなく、こうした国際的なルールに従って解決するよう勧告するのが妥当ではないか』、日韓請求権協定には「紛争解決の手続き」が決められているのに、これを無視するとは、韓国の裁判所はどうなっているのだろう。
・『文大統領は昨年、大統領就任後の光復節(終戦記念日)演説で、「過去の歴史が未来志向的な発展の足を引っ張るのは好ましくない」と述べていたが、この発言は何だったのかと疑いたくなる。 今の韓国政府内には、日韓関係について造詣の深い人はほとんどいない。李洛淵(イ・ナギョン)国務総理は東亜日報の東京支局長を務めており、韓日議員連盟の野党側の責任者をしていた人物。だが、そもそも外交にはあまり縁のない職責であり、彼をサポートする人間が政府内にいないとなれば影響力はないと考えていい。韓国外交部において日本通は常に要職にいたが、今は日本擁護をすると排斥される恐れがあり、勇気を持って発言できる人はいない。こうしたことも影響したのではないだろうか』、中国に接近している文政権が、日韓関係を如何に軽視しているかが表れているのだろう。
・『文政権になってから相次ぐ日本の国民感情を逆なでする行為  文政権は、日本の国民感情を逆なでするような行為を繰り返してきた。 例えば、慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて設立された慰安婦財団の解体の示唆を始め、日本の海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請、そして国会教育委員会の超党派議員による竹島上陸などである。 そうした流れの中、今回の判決が出たことにより、歴代政権下で日本に対して取り上げてきた歴史問題をほぼ網羅することになった。しかも、文大統領の訪日も先延ばしにされており、日本との関係を重視しているようには見えない』、隣国の大統領がこんな有様とは困ったものだ。
・『このうち、まずは慰安婦財団の解体示唆について見ていこう。 文大統領は、常に元慰安婦に寄り添ってきた。ただ、文大統領が言っている「当事者の意思が反映されておらず、真の解決にならない」という理屈には納得がいかない。アジア女性基金が運用されていた際、韓国内で批判があったのは、元慰安婦に支給される見舞金が、日本政府からの直接の資金ではなく国民募金によるもので、これでは日本政府の責任を認めたことにならないという点だった。 しかし、今回の財団への拠出は、全て日本政府の財政から支出されたものだ。しかも、「被害者の名誉・尊厳回復への努力、自発的な真の謝罪を要求する」という点に関しては、アジア女性基金の際にすでに反省と謝罪を記した総理の書簡を添付している。 文大統領の主張が妥当性を欠くのは、朴槿恵政権当時の財団理事長が全ての元慰安婦の下を訪れて説得に努めた結果、7割の元慰安婦が納得していたということだ。要するに、反対しているのは文大統領に近い慰安婦財団に属する元慰安婦などであり、この人々は自分たちの主張が120%満足されなければ納得しないことである。 もっと言えば、日本と対立していることに“存在意義”を感じている人々だ。文大統領は、こうした元慰安婦団体と手を組んでいるのだ。仮にそういう人々が反対しても、大多数の元慰安婦が納得していれば、この日韓合意は十分正当性があるものといえるにもかかわらずだ。 慰安婦財団の解体は、日韓の政府合意の根幹をなすもの。韓国政府は、公式合意があったことは否定できず再交渉は求めないとしているが、日本政府として当然のことながら、再交渉する気など毛頭ないだろう。 慰安婦合意を事実上反故にするこの措置は、徴用工の扱いと同じで政府間の合意を一方的に放棄するに等しい』、なるほど。
・『海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請  続いて、韓国済州島で行われた国際観艦式に、日本の海上自衛隊の艦船が参加するに当たり、旭日旗掲揚の自粛を求められた問題。海軍の艦船が海軍旗を掲揚して航行するのは国際慣例になっているにもかかわらずだ。 旭日旗については、1998年と2008年の観艦式の際には掲揚して参加している。それ以降、旭日旗に対する韓国の国内世論が敏感になっている点はあろうが、韓国政府としては国際慣例に則るものであることを指摘し、国内世論を静めるのが筋だろう。ちなみに韓国も李舜臣将軍が使った亀甲の旗を掲げたようだ。李舜臣は豊臣秀吉の水軍を破った英雄であり、韓国の誇り。こうした韓国の行動は、日本に対する当てつけだといえる。 日本だけに国際慣例は適用されないのか。旭日旗は、日本の法律で掲揚が義務づけられているものだ。これを拒否されると、北朝鮮の核問題でより日米韓の協力を深めなければならないときに、日本は韓国との安保協力がやりにくくなる。韓国の海軍は日本との防衛協力に前向きだが、韓国の大統領府が足を引っ張っている形だ。 今回、韓国は全ての参加国に対し、自国と韓国の国旗の両方を掲揚するように求めたもようだが、多くの国は海軍旗も合わせて掲揚して参加した。これは韓国の対応が、国際慣例に反するものであることへの抗議とも考えられよう』、私個人は旭日旗は好きではないが、海上自衛隊艦船の正式な旗になっている以上、掲揚は当然のことだ。しかも、「1998年と2008年の観艦式の際には掲揚して参加している」のであれば、今回それを認めなかった韓国の姿勢の変化こそが問題だ。
・『そして、韓国国会教育委員会の竹島上陸訪問。韓国では、日韓に歴史問題が持ち上がると、必ずといっていいほど竹島を訪問する政治家などが現れる。慰安婦問題で窮地に陥っていた李明博元大統領が竹島に上陸したのがそのいい例だ。 今回も、一連の問題が持ち上がったタイミングで、国会教育委員会の超党派議員団が竹島に上陸している。ポイントは教育委員会の議員だったという点で、韓国の若者に竹島に関する教育をより徹底しようという意図が垣間見えるのがより深刻だ。 韓国は、日本と交渉する際、世論を刺激して世論を味方につけて交渉するが、今回も同じ構図といえる。竹島問題は、これまでもたびたび日韓関係悪化のきっかけを作ってきたが、こうした傾向は今後も続くだろう』、困ったことだが、韓国による竹島占拠を長年放置してきた自民党政権にも責任がある。
・『「日韓パートナーシップ宣言」20周年は日韓の困難な時代の始まりか  今年は、日韓の友好促進と協力拡大をうたった小渕恵三・金大中両首脳による「日韓パートナーシップ宣言」の20周年。これを機に、改めて日韓関係の促進ムードを盛り上げようというタイミングだった。 この宣言の趣旨は、日本が文書で謝罪と反省を述べる代わりに、韓国政府はこれ以上、歴史問題を提起しないようにしようというもの。韓国政府としても勇気のいる決断だったが、宣言できたのは、日本が戦後、多大な努力を重ねて民主国家になったことを韓国側が認めたということが前提にある。 日本人にとって、日本が民主国家であるというのは当たり前のこと。だが、韓国人はそう捉えていない。日本には、折に触れ軍国主義の亡霊が現れるかのように言われているからだ。そうした誤解を晴らし、当たり前の事実を素直に受け入れることが日韓関係ではいかに重要かが分かる。 韓国の国益を考えれば、日本との関係を強化することが望ましいはずだ。文大統領が「過去の問題が未来志向的な日韓関係の足を引っ張るのは望ましくない」と述べたのは、まさに的を射た発言だ。また、日本にとっても韓国との関係は国際政治上も、安全保障上も、切っても切れない関係だ。さらに、経済や文化の面においても関係の強化に多くのメリットがある。 日韓両国は今一度、小渕・金大中の日韓パートナーシップ宣言の精神に立ち返るべきではないだろうか。そのためにも韓国には、安定した日韓関係の構築に何が必要なのかいま一度考えてもらいたい』、そもそも日本には韓国を困らせるような外交カードはないのだろうか。あれば、それを切ると脅すことも可能なのだが・・・。
・『民間レベルでは順調に発展 戦後の日本の協力に関する教育必要  日韓関係は、民間レベルでは順調に発展している。昨年、韓国から日本を訪問した人は700万人を超え、1位の中国に迫る勢いだ。日本から韓国への訪問客も、ピョンチャンオリンピック以降回復の兆しを見せている。また韓国では、日本の小説は常にランキング上位に登場しているし、日本食もブームだ。こうしたことにより、日本を知る韓国人は増加しており、日本の本当の姿を伝える環境は整っている。 しかし韓国には、あえて歴史問題や政治関係を取り上げ批判する人が一部にいる。しかも、そうした人々の声は大きい。それに反対すれば親日と批判されるた、声を潜める傾向にある。したがって、反日が主流かのような印象を与えてしまう。 そうした声を抑え、正しく日本の姿を伝えるには、韓国政府、特に文大統領のリーダーシップが不可欠である。文政権にこうした能力が欠けていることが、日韓関係に暗い影を落とす結果になっているのだ。 日本は、戦後の韓国の復興のため誠意をもって協力してきた。だが、韓国ではそうした事実はほとんど語られていない。むしろ意識的に隠ぺいされてきた。筆者は韓国に感謝してほしいから言うのではない。戦後の日本の協力を理解すれば、韓国は日本と関係について直視できるようになると思うから言っているのだ。韓国の人々は、戦後の日本の協力の歴史について、もっと学んでほしいと思う』、その通りだが、日韓請求権協定については、以下の2つの記事は日本政府の公式見解とは違った見方をしているので、紹介したい。

次に、弁護士で弁護士ドットコム執行役員の田上 嘉一氏が11月2日付け東洋経済オンラインに寄稿した「韓国「徴用工勝訴」が日本に与える巨大衝撃 戦後体制そのものを揺るがすパンドラの箱だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/246841
・『韓国の最高裁判所である大法院が10月30日、注目の判決を下しました。戦時中に日本の工場に動員された韓国人の元徴用工4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟の上告審において、個人の請求権を認めた控訴審判決を支持し、1人あたり1億ウォン(約1000万円)を支払うよう命じたのです。 これを受けて、安倍晋三首相は、「判決は国際法に照らして、あり得ない判断」と厳しく批判し、河野太郎外相は韓国大使を呼び出して厳しく抗議しました。 韓国の徴用工が行っている同様の訴訟は、約80社を相手に14件存在しますが、同様の判決が下される可能性は高いでしょう。それだけではなく、約22万人ともいわれる徴用工や、さらには同じ被害を受けた中国人やアジア諸国人々からも同様の訴えが提起され、日本企業は多大な賠償責任を負うことになるおそれがあります。 そもそも日韓の戦後賠償についての日本の立場は、1965年に日韓両国の間で締結された日韓基本条約、そしてその関連協定である日韓請求権協定においてすでに「完全かつ最終的に」解決されているというものでした。そうだとすれば、いまさら賠償請求が認められる余地はないということになります。それでは、なぜ今回韓国大法院はこのような判決を出したのでしょうか』、詳しい背景はどんなものなのだろう。
・『日韓請求権協定による解決  太平洋戦争においてポツダム宣言を受諾して降伏した日本は、アメリカによる占領を経た後、1951年のサンフランシスコ平和条約で主権を回復し、国際社会に復帰しています。 一方、韓国はそもそも戦時中においては日本の植民地だったため、連合国としてサンフランシスコ平和条約に参加できませんでした。したがって、残された日韓の2国間の賠償問題については、15年もの交渉を経て、最終的な決着として、1965年6月に日韓基本条約が締結され、同12月に発効しています。 同条約により、日本は無償供与3億ドル、有償2億ドルの経済協力を行いました。無償分だけでも当時の韓国の国家予算に匹敵する金額であり、その後の韓国経済の急成長を支えたとされています。 日韓請求権協定2条1項では、「両締約国は、両締約国及びその国民の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決された」ということが確認されています。 また、同2条3項には、「一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であってこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であって同日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする」と規定されており、韓国国民の日本に対する請求権が主張できないことが定められています。 加えて、この協定の合意議事録には、「完全かつ最終的に解決された財産、権利及び利益並びに請求権」の内容として、「被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他の請求権の弁済請求」が明記されており、徴用工の補償請求が日韓請求権協定の枠内にあることは明らかです。 これらをまとめると、日本に対して請求権を有する徴用工は、日本政府や日本企業に賠償請求を行うことができないけれども、その代わりに韓国政府に対して請求することが認められるということになります。 実際に韓国政府は、日韓請求権協定の国内法的措置として「財産権措置法」を制定し、「韓国及び同国国民の日本国又はその国民に対する債権であって、同協定2条3項の『財産、権利及び利益』に該当するものは、昭和40(1965)年6月22日において消滅したものとする」と定めています』、こんな「財産権措置法」まであるとは、初めて知った。
・『個人の請求権は消滅していない?  ところが、国と個人はあくまで別人格です。国が請求権を放棄しても、それによって個人の請求権まで消滅しているのかどうかについては、長年の争点となっていました。何よりも、日本政府自身が、「日韓請求権協定ではあくまで外交保護権を放棄したものに過ぎず、個人の請求権は消滅していない」と答弁しています(1991年8月27日参議院予算委員会における柳井俊二条約局長の答弁)。 これは、仮に個人の請求権まで消滅してしまうと、朝鮮半島に資産を残してきた日本人に対して日本政府が補償を行わなければいけなくなってしまうので、「あなたの権利は消滅していないので、ぜひ韓国の制度で請求権を行使してくれ」と突き放すための理屈でした。 また、1990年からの10年間に韓国人が提訴した数十件の戦後補償訴訟においては、日本側が日韓請求権協定によって解決済みであるという抗弁を行っていませんでした。すなわち、この当時はまだ政府も、冒頭に示したように「完全かつ最終的に」解決しているとは考えていなかったということになります』、日本政府がかつては「個人の請求権は消滅していない」との姿勢だったとは、驚いた。戦後補償訴訟で日本側が抗弁しなかったのも問題だ。
・『「サンフランシスコ条約枠組み論」の意味  2007年4月27日、日本の最高裁は、中国人を原告とする戦後補償訴訟において、「個人の請求権は消滅していないものの、裁判上訴求する権能を持たない」という結論を下しました。これは、1999年にアメリカで日本企業が訴えられた際に用いられた理論を参考にしたもので、「サンフランシスコ条約枠組み論」と呼ばれています。 この理論によって、「戦後補償に関しては、サンフランシスコ条約等の各条約によって解決済みである」という結論が確立されたわけです。したがって、日韓の戦後補償であれば、日韓請求権協定によって解決済みということとなります。 しかし、この理屈は従来の日本政府の見解を変更するものであり、法律構成として論理的であるとはいえず、どちらかというと政治的かつ曖昧な決着であったと言えるでしょう。とにかくいずれにせよ、日本では国外の戦争被害者が、日本政府や日本企業に請求を行うことが認められないという結論に至りました。これが今も政府が言う、「日韓請求権協定によって解決済みのはずである」という根拠です。 他方で、盧武鉉政権は2005年に民官共同委員会を開催して見解を示しています。ここでは、「従軍慰安婦、在サハリン韓国人、原爆被害者は請求権協定の範囲外」とする一方で、徴用工に関する請求権は依然として請求権協定の範囲内ということになっていました。これは現在でも韓国政府の公式見解です。なお、現大統領の文在寅は当時の政権メンバーでした。 日韓請求権協定を巡る解釈についてはさまざまな変遷をたどったとはいえ、この時点において、徴用工の補償に関する日韓両国政府の見解は一致していたといえます。革新派の盧武鉉政権でしたが、それでも現在と比べれば日韓関係はまだ良好でした。 そうした中、元徴用工が、2000年5月に三菱重工業、2005年2月に新日本製鉄(現新日鉄住金)を相手取って提訴しました(三菱広島プサン訴訟・旧日本製鉄大阪ソウル訴訟)。今回の判決につながる訴訟です。一審ニ審ではいずれも原告が敗訴しますが、2012年に韓国大法院が驚きの決定を行います。 その論旨を簡潔にまとめると次の4点です ①日帝による植民地支配は反人道的で違法である ②したがって植民地支配下における国家総動員法に基づく徴用も違法となる ③請求権協定は両国間の債権債務関係を政治的合意によって解決したものであり、植民地支配に関する条約ではない ④したがって植民地支配に直結した不法行為の損害賠償もその枠外であり、個人の請求権は消滅していない といった内容のものでした。30日の大法院判決も基本的に同旨となっています。 ここで重要なのは、今回認められた反人道的な植民地支配に基づく慰謝料請求は、そもそも日韓請求権協定の対象となっていた未収金や補償金とはまったく別の請求権であるという点です。「そもそも日本の植民地支配はまったく違法なものなのだから、それに基づく補償問題については、日韓両国は一切合意していない」ということを言っているわけです。日本側はそれも含めて完全かつ最終的に解決したと思っているわけですから、「話が違う」となってしまいます。 そして、大法院判決の論旨は、2005年の民官共同委員会見解とも合致しておらず、日韓両国政府におけるこれまでの法解釈から大きく逸脱したものとなっていました』、韓国大法院判決の③は全く理解できない一方的解釈だ。
・『あまりに横暴と言わざるをえない  上述の通り、日韓請求権協定に関する日本側の解釈も決して一貫していたとはいえないことは確かです。「サンフランシスコ条約枠組み論」も純粋な法理論というよりも、多分に政治的な妥協の産物としての色合いが強いと言えるでしょう。 しかし、たとえそうであったとしても、すでに戦後賠償については、サンフランシスコ平和条約を含む一連の条約によって解決済みであるという前提に立って各国の国際関係が成り立っているところに、50年以上も経った今となって、「日本はそもそも違法な植民地支配の賠償を行っていない」として、これまでに積み上げられた政治的合意の土台を根底から覆してしまうことは、あまりに横暴と言わざるを得ないでしょう。講和とは何だったのかという話にもなります。 今回の韓国大法院判決は、日韓関係の基礎となる1965年体制、ひいては現在の国際社会の基礎であるサンフランシスコ体制を根幹から揺るがすものとなりかねません。その意味で、まさにパンドラの箱を開けてしまったと言えるでしょう』、説得力のある主張で、その通りだ。

第三に、東京新聞 論説委員の五味 洋治氏が11月6日付け東洋経済オンラインに寄稿した「徴用工判決で問われる「日韓国交正常化の闇」 韓国大法廷の判決文を熟読してわかったこと」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/247496
・『10月30日に韓国の大法院(最高裁に相当)が「元徴用工」に対して、計4億ウォン(約4000万円)の支払いを命じた判決に対する批判が、日本で収まらない。日本政府は、過去に日韓両政府が合意した内容を否定するものとして、「日韓関係の法的基盤が揺らいでしまう」「100%、韓国側の責任において(解決策を)考えることだ」(河野太郎外相)と強く反発し、韓国政府の対応を求めている。文在寅大統領は判決について発言しておらず、対応に困っていることがうかがえる。 しかし、大法院の判決文を熟読すれば、「韓国側の約束違反」というだけではない、日韓国交正常化時の「闇」も浮かんでくる』、「日韓国交正常化時の「闇」」とは何なのだろう。
・『募集広告と全く違う苛酷な労働  判決文はA4用紙約50枚にわたる膨大な量だ。原文にも目を通したが、判決文独特の表現が多いため、正確に理解するのが難しい。そこで日本の有志の弁護士が日本語に仮訳したものを参考にしながら、判決文を熟読してみた。 判決文は大きく、判決主文、事実関係の経過、判決に反対した裁判官と、同意した裁判官の補足意見からなる。 日本は第2次世界大戦中、労働力不足を補うため、日本が統治していた朝鮮半島からも人員を動員した。最初は募集広告を通じ、戦争の最終段階では「国民徴用令」によって、本人の意思に関係なく労働させた。4人の原告について判決文は、一般的呼称である「徴用工」という表現は使わず、強制動員被害者と呼んでいる。その理由は、原告がいずれもが新日鉄住金(当時は日本製鉄)の募集に応じて日本で働くことになったからだろう』、「募集に応じて日本で働くことになった」のに、「強制動員被害者」と呼ぶとは理解に苦しむ。
・『原告のうち2人は1943年頃、旧日本製鉄が平壌で出した、大阪製鉄所の工員募集広告を見て応募した。「2年間訓練を受ければ、技術を習得することができ、訓練終了後、朝鮮半島の製鉄所で技術者として就職することができる」と書かれていた。 しかし実態は「1日8時間の3交代制で働き、月に1、2回程度外出を許可され、月に2、3円程度の小遣いが支給されただけ」だった。賃金全額を支給すれば浪費するから、と本人の同意を得ないまま、彼ら名義の口座に賃金の大部分を一方的に入金し、その貯金通帳と印鑑を寄宿舎の舎監に保管させた。 賃金は結局、最後まで支払われなかった。ほかの原告も当初の話とは全く違う苛酷な条件で働かされ、逃走しないよう厳しい監視下に置かれて、時に体罰を振るわれたと証言している。原告たちは当時まだ10代だったと思われる』、「賃金は結局、最後まで支払われなかった」とは酷い話だが、それも含めて「日韓請求権協定」で解決された筈だ。
・『大法院が認めたのは強制労働への慰謝料  判決文は、強制動員被害者に賠償の権利を認めた理由について説明している。ここが判決の核心部分といえる。 韓国と日本の政府は1951年末頃から国交正常化と戦後補償問題について論議を始めるが、日本による統治(植民地支配)の補償額や対象をめぐり意見が食い違い、交渉は難航した。この原因は、統治の合法性をめぐる認識の争いだった。日本は合法、韓国は不法と主張していたが、この問題はあいまいにされたまま、1965年に国交正常化が実現した これに伴って結ばれた「日韓請求権協定」に、請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたことを確認する」と盛り込まれた。日本政府は韓国に3億ドルの無償、2億ドルの有償支援を行った。韓国はこれを主にインフラ投資に使い、「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を成し遂げた。 「これですべて終わっているのに、なんでいまさら賠償しろと蒸し返すのか」というのが日本政府の主張であり、一般的な理解だろう。 判決文も、国交正常化の経緯については認めている。ただし「請求権協定は日本の不法な植民支配に対する賠償を請求するための協定ではなく、(中略)韓日両国間の財政的・民事的な債権・債務関係を政治的合意によって解決するためのものであったと考えられる」と判断している。つまり原告に関していえば、未払い賃金の返済だけを意味していたということだ。 今回の訴訟は「原告らは被告に対して未払賃金や補償金を請求しているのではなく、 上記のような(強制動員への)慰謝料を請求している」(判決文)のであり、日本による統治を「不法」としている韓国では、1965年の請求権協定に含まれていない慰謝料を請求できる、という論理構成になっている。 誤解の多い個人の請求権についても判決文は触れている。 自分の財産などを毀損された場合、相手に補償や賠償を求めることができる「請求権」は、そもそも人間の基本的な権利とされており、消滅させることはできないとの見解が多い。もし消滅させたければ、協定にその旨を明確に書く必要があるが、日韓請求権協定には書かれていない。請求権をめぐる問題が「完全に解決」と書かれているだけで、無くなったのか、まだ有効なのかはっきりしない。 この表現に落ち着いた意味を、判決文はこう説明している。「請求権協定締結のための交渉過程で日本は請求権協定に基づいて提供される資金と請求権との間の法律的対価関係を一貫して否定し」てきた。 筆者が補足すれば、請求権に関する協定と言いながら、請求権の対価として無償で3億ドルを出すのではないと日本側は主張していたのだ。この指摘は重要だ。日本側は植民地支配を合法だとしていたので、謝罪や賠償の意味を持つ「請求権」の中身をあいまいにしておきたかったということだ』、日本側があいまいにした点を突っつかれたことになり、確かに「日韓国交正常化時の「闇」」であるようだ。
・『3億ドルの無償支援は「独立祝い金」  事実、3億ドルの性格については椎名悦三郎外相は次のように答弁している。 「請求権が経済協力という形に変わったというような考え方を持ち、したがって、 経済協力というのは純然たる経済協力でなくて、 これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償5億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして、韓国の経済が繁栄するように、そういう気持ちを持って、また、新しい国の出発を祝うという点において、 この経済協力を認めたのでございます」(第50回国会参議院本会議1965年11月19日) 有名な「独立祝い金」答弁である。 請求権についても1991年8月27日の参院予算委員会で、当時の柳井俊二外務省条約局長が、「個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない」と明言している。 ここで、日本政府の外交上の知恵というか、トリックが暴かれている。 請求権協定は結んだが、請求権に応じたのではない。経済支援なのだ。この支援で納得し、提訴など権利を主張しないと約束してくれれば支払う。この条件を、当時韓国側もあうんの呼吸で受け入れた。だから国交正常化が実現したということだ。 一部で「3億ドルを払ったのだから請求権は消えた」と、「3億ドル代価説」を主張する人がいるが、実はこれは、日本政府がもっとも困る主張なのだ。 判決文も「大韓民国と日本の両国は請求権協定締結当時、今後提供される資金の性格について合意に至らないまま請求権協定を締結したとみられる」とあいまい合意の疑いを表明している。そのうえで「請求権協定で使用された『解決されたことになる』 とか、主体などを明らかしないまま 『いかなる主張もできないものとする』などの文言は意図的に使用されたものといわねばならず、これを個人請求権の放棄や消滅、権利行使の制限が含まれたものと安易に判断してはならない」とし、請求権は残っているとの判断を示している』、これでは、まるで日本のオウンゴールのようなものだ。
・『強制動員被害者に責任をかぶせてはならない  韓国政府は、日韓国交正常化後、3億ドル分の無償支援(現金ではなく日本からの物品と役務)を使って経済発展を実現したあと、法律を整備して強制動員被害者の補償にも乗り出した。判決文によれば、それは十分なものではなかった。 保障の対象は、当初死亡者に限定されていた。判決文は、「強制動員の負傷者を保護対象から除外する等、 道義的次元から見た時、 被害者補償が不十分であったと見る側面がある」と、韓国政府の努力不足を明確に指摘している。 判決文の最後には多数意見に対する2人の裁判官の補充意見が載っている。戦後70年以上が経過しても、いまだに解決できない問題の本質が書かれていると筆者は感じた。 まず「人間としての尊厳と価値を尊重されないままあらゆる労働を強要された被害者である原告らは、精神的損害賠償を受けられずに依然として苦痛を受けている」と、原告の状況に同情を示している。 請求権協定が結ばれた時、韓国は、軍事独裁の朴正煕政権だった。しかし、民主化が進み人権意識が強まった。市民のデモが、大統領の弾劾を実現するほどのパワーを持っており、大法院の判決は、そういう世論を反映していると言っていいだろう。 そして2人の裁判官は補足意見を、こう結んでいる。 「大韓民国政府と日本政府が強制動員被害者たちの精神的苦痛を過度に軽視し、その実像を調査・確認しようとする努力すらしないまま請求権協定を締結した可能性もある。請求権協定で強制動員慰謝料請求権について明確に定めていない責任は協定を締結した当事者らが負担すべきであり、これを被害者らに転嫁してはならない」 判決文の趣旨には同感する部分が多い。ただ、これまで外交であいまいにやり過ごした点を、過去にさかのぼって、すべて白日の下にさらしてしまったのも事実だ。それだけに、解決策が見出しにくくなった。 元徴用工による裁判は、他にも14件あり、12月以降判決が相次ぐ見通し。日本政府が韓国政府に対応を求め、韓国政府は世論の沈静化を待ち、できることを考える。当分そうするしかなさそうだ』、日本側にもこんなにも瑕疵があるようでは、仮に国際司法裁判所などに持ち込んでも、必ずしも日本有利な結論になるかは不明だ。東京新聞は読んでないが、日本のマスコミもこの問題を、外務省の言いなりにではなく、深く掘り下げて報道してもらいたいものだ。
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