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株式・為替相場(その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由) [金融]

株式・為替相場については、昨年11月21日に取上げた。今日は、(その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由)である。

先ずは、本年1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/400979
・『新型コロナウイルスの感染が止まらない。日本はいまや迷走して惨憺たるありさまである。だが世界でもそれは同様で、経済活動への制約が生じている。GDPも四半期ベースで見れば確かに回復しているものの、当初よりも回復ペースの遅い地域や分野もあり、バラ色ではない。 それにもかかわらず、株式市場は世界的に上昇を続けている。2020年の日経平均株価の終値もついに1989年以来の高値となったが、とりわけアメリカの株式市場は歴史的な急騰が続き、連日史上最高値を更新。ナスダックなどは2020年1年間で約43%も上昇した』、「小幡 績氏」の見解とは興味深そうだ。
・『株式市場と実体経済は「ほぼ無関係」である  この株式市場と実体経済の異常なギャップに、エコノミストの多くは警鐘を鳴らしており「明らかに株式市場はおかしい!バブルだ!」と指摘する。株式投資が好きな人は喜び勇んで「まだこれから間に合う銘柄は何か」と狂ったように物色する。 一方、株式投資をする余力のない人々はもうウンザリしている。さらに、株式市場に利害も関心もない多くの人々も「何かがおかしいよな」と思いつつも、実際に「何がおかしいのか」は、まったく見当もつかない。 しかし、私はすべての有識者や皆さんに、逆に問いたい。なぜ「なぜ株式市場と実体経済の間にギャップがあるのか」と問うのか?また、なぜギャップがあることを不思議に思うのか? ハッキリ言おう。有識者も皆さんも、根本から間違っている。なぜなら、株式市場と実体経済はほぼ無関係で、連動する理由はないからだ。 そもそもこの2つが連動すると考えている大前提が誤りなのであり、世の中のほとんどのエコノミスト、政策関係の有識者などは、これをわかっていない。なぜならいまだに1960年代の世界を引きずっているか、教科書の世界の中に閉じこもっているからだ。時間が止まっているか、死んでいるのである。 もはや、株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ。 では別の世界とは何か?要はおのおの生き物が違うのである。地球人と火星人ぐらい違う。 実体経済の市場においては、消費者と生産者がいる。資産市場には投資家とトレーダーがいる。前者の人々と後者の人々は別の生物であり、行動が一致する理由がない。それだけのことだ』、「株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ」、ここまで言い切るとはさすが「小幡 績氏」だ。
・『株式市場と実体経済が連動しない「小さな3つの理由」  この根本的な話をする前に、株式市場と実体経済が連動しない、他のいくつかの理由も説明しておこう。 第一に、現在株式市場で盛り上がっているのは、いわゆるGAFAMやそのほかのいわゆるネット関連、テクノロジー関連の新しい巨大企業と新興企業である。重厚長大産業の企業は、自動車以外はほとんど停滞しているといっても良い。伝統的なサービス業や小売・流通はコロナで沈んでいるし、航空、交通関連は言うまでもないだろう。 あくまで一部企業のバブルにより株式市場が膨張しており、これらの企業は将来の成長を期待した株価になっている。だから、足元の経済の動きとは連動しない。これが第一点目だ。いわゆる有識者が、今の乖離現象を説明するときに行う、最も一般的な説明である。 もうひとつ、より影響が大きいのは以下の話だ。すなわち、株式市場に上場しているのは大企業だけで、実体経済の景気を左右する大多数の中小企業が含まれていないからだ。大企業が儲かり、中小企業がそれに押されて潰れていけば、大企業の増益により盛り上がる株式市場と、中小企業の縮小、廃業で沈滞する実体経済の動きは乖離する。これが第二の理由だ。 さらに第三の理由は以下だ。21世紀に入って言われ続けてきた、資本と労働の間の分配率の変化である。 株式会社が利益を増大させ、それが資本家に配分され、労働者に配分されなければ、株式市場は盛り上がるが、実体経済の消費は縮小し、両者は乖離する。21世紀の特徴は、人的資本を蓄積した一部の著名経営者およびいわゆる勝ち組が、人的資本投資へのリターンとして多額の収益を得た。一方で、単純労働者の賃金はまったくと言っていいほど上がらず、配分が偏っているということである。 これが21世紀の格差社会であり、いわゆる資本家ではなく、起業家、経営者が富を独占している、という問題である。これが第三の理由で、資本家であれ、経営者であれ、株式市場関係者は富を蓄積し、それに無関係な人々は相対的に非常に貧しくなるということだ。よって株式市場が盛り上がろうと、実体経済はそれほど拡大しない。 しかし、これらの3つの説明は、論理的には正しいが、株式市場と実体経済の乖離をもたらす影響力としては、実は非常に小さい。もっと根本的で、すべてを押し流してしまうほどの強力な理由があるのだ。 それは、前述のとおり、株式市場と実体経済には別の生き物が住んでいて、それぞれの生き物はそれぞれの論理と思惑で行動するから、その結果としてのマクロ的な実体経済市場、株式市場全体はまったく異なった様相を呈するのである』、さすが行動経済学者らしい解釈だ。
・『景気が良くなることと経済成長は「別物」  どういうことか、説明しよう。実体経済市場は何によって動かされるか。支出である。人々や企業、そして政府などが支出をする。その支出の合計がGDPでありマクロ経済活動である。実際に支出された額の合計である。 したがって、人々の日々の経済活動の結果が集約されているのである。これについては、多くの人が理解している通りだが、2つ注意点がある。 第一に、短期的に消費が増えれば景気は良くなるが、景気は良くなれば必ず悪くなる。経済成長とは別物である。 第二に、好循環という言葉が多用されすぎている。経済はいったん回り始めれば自然と回り続けてそれが経済成長となると誤解されている。だが、それはまったくの誤りで、好循環と経済成長とは無関係で、消費を増やしお金をぐるぐる回せば、景気が良くなり、成長するのではない。短期的には景気は良くなるが、逆に投資にまわすお金はなくなり、長期的な成長性は失われ、むしろ経済成長率は低くなる。 高度成長期の「投資が投資を呼ぶ」という好循環と、消費刺激により経済をまわす、と人々(特に政治家)が考えていることはまったくの別物だ。もともと資本が不足しており、実物へ投資したくても金がなくて投資ができないときは、資金が供給されて設備投資が増えれば、生産が増えて、利益も増える。それにより、さらなる設備投資が可能になり、さらに生産力が上がる、という循環である。 これは、もともと需要はあるのに、資本不足で投資不足になっている場合のことである。現在のように、資本が余りまくっていて、よい実物投資機会があれば、いくらでも資金を融資したいと銀行が思っているような状況ではまったく当てはまらない。 無駄な投資を行って生産しても、それは売れず赤字が膨らむばかりだろう。あるいは、どこかの企業のように、社運をかけた投資をしても、世界的な競争には勝てる保証は全くなく、危機に陥るだけである。 一方、株式市場においては、この「お金をぐるぐる回すと好循環になる」という実物市場においては誤解でしかない論理が見事に成立しているのである。 つまり、株式を誰かが買う。買うから上がる。上がったからさらに上がると思う投資家が出てくる。彼らも買う。さらに上がる。上がったから売ると儲かる。儲かった金でさらに別の株を買う。すると、この別の株も上がる。このように、株は買いが続けば、上がり続けるのである。 そうすると、上がったところで売って儲けた人が出てくるだけでなく、売っていないのに「儲かる人」が出てくるのである。いや、むしろこちらのほうが大半である。 つまり、市場で成立する株価が以前より上がっている。前に買った人は買い値よりも市場価格のほうが高い。つまり、簿価よりも時価のほうが高い。含み益が生じているのである。 そして、時価が常に正しいと思い込めば、投資の教科書には(ファイナンス理論においても)、ついている市場価格は常に正しいと書いてあるから、この含み益は、実現利益と違いはなく、利益である。資産総額が増えるのである。よって、強気になってさらに投資をする。つまり株を買う。だから、株がさらに上がる。こういうメカニズムである。 なんとも不思議な世界だが、もしも「おかしい」と思った方がいれば、そう、あなたは正しい。このロジックにはトリックがある。それも2つある』、どんな「トリック」なのだろう。
・『「2つのトリック」とは?  ひとつは「市場価格は常に正しい」というものである。この前提は単純に間違いだ。 市場価格とは、理論的に正しい価格でも、現在の需給を反映した現実の市場ニーズの集計結果でもない。「たまたまついた値段」に過ぎないのである。誰かが間違って過大評価し、買いだ、と思って買いまくれば、価格は急騰する。一方、もし過大評価しても、実際に買わなければ株価は上がらない。ヤフーオークションの結果と同じなのである。 もうひとつは、株価が上がったから、さらに上がると思う投資家が出て来る、というところである。まるでねずみ講のようだが、実際、私はリーマンショック前に出版した著作「すべての経済はバブルに通じる」では、株式市場とはねずみ講であると冒頭で断言し、「この前書きだけがすばらしい」と当時アマゾンの読者レビューに書かれたものだ。 買えば上がり、上がれば買う、という連鎖が起きれば、ここで書いたような、株価上昇の循環が起こるが、これが起こることは保証されたわけではない。上がったら買うような、株価上昇に追随する投資家がいなければ、これは実現しないからである。これが実現するパターンはただひとつ。バブルである。バブルの時には、これが実現する。) そして、今は、まさにこの状況である。「コロナのワクチンがついに開発された!買いだ!ワクチンが出れば、小売流通などこれまでの負け組も回復する!」などと言って株が上がる。だが次の日には、経済指標が発表され、予想よりも悪く、失業者が高止まりだったりする。 その次の日には、新型コロナ感染者が急増し「ニューヨークやロンドンではロックダウン(都市封鎖)の可能性がある」などと報道される。すると、デジタル関連銘柄が上昇し、また経済対策期待が膨らみ、結局はオールドセクターも上昇する。そして、この上昇の流れに多くのトレーダーが追随する。 ここからわかることは、まず、今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている』、「今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている」、との診断には同感である。
・『株式市場とは「期待だけが重要」な世界  ここに、最重要な事実が現れる。「バブルは作られている」のである。それを作っているのは、追随買い、という投資行動であるが、この投資行動を生み出しているのは、「株価はまだ上がるはずだ」という期待である。つまり、期待が買いを生み、買いが上昇となり、この上昇が期待をさらに膨らませ、それがさらなる買いを膨らませる。すなわち、期待が株価を動かしているのであり、期待が自己実現しているのである。 株式市場とは、期待が自己実現する世界であり、真実はどうでもよい。期待だけが重要であり、実体経済においては、事実を変えることはできないから、期待と現実が乖離していることこそが、株価と実体経済が乖離している現象を生み出しているのである。 そして、最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻されるから、「株式市場と実体経済は、一致するはずだ」「連動するはずだ」と主張する人が出てくるだろう。実際、教科書の議論はそういうことだ。 では、教科書と現実(あるいは現実の側を主張する私)は何が違うのか。教科書は必ずしも間違っていない。しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する、ということであり、10年に1度だけ、正しくなる、というだけのことだ。 そして、その連動は、悲劇的でドラスティックなものであり、日々連動するわけではないのだ。ただ、それだけのことである。その10年に一度が今やってきていない、というだけのことなのだ』、「最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻される」、「しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する」、今回はどうなのだろうか。

次に、2月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263286
・『日経平均3万円超えで中高年はなぜ「嫌な予感」がするのか  経済人って、理屈抜きで悪い予感を感じるときがあるものです。私だけでなく、50代以降の結構多くの経営者やビジネスパーソンが、理屈ではなく予感として、日経平均株価が3万円を超えたことについて「嫌な気配」を背筋に感じています。 先に、断言しておきます。私は経済予測の専門家ですが、「株価に限っては未来予測が難しい」ということは常識です。後でお話しするように、株価については例外的に1つだけ高い確度で予測できることがあるのですが、それ以外の予測は難しいです。 たとえば、「今年の年末の日経平均はいくらになっているのか?」「今年、爆上げする銘柄は何か?」といった予測は、どのプロのアナリストが行っても大概外れます。現実に、プロのファンドマネジャーが運用する投資信託の6~7割は、パフォーマンスで平均株価に負けているという分析データもあります。 つまり「3万円を超え、これから日経平均がどうなるのか?」という予測は、まず当たらないというのがアナリスト界隈の常識です。一方で予測とは別に、予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう。その理由は、過去によく似た「強烈な体験」をしているからです。 前回、日経平均株価が終値で3万円を超えたのは1988年12月7日のことでした。1988年はバブル経済の真っ只中で、4月から10月までの約半年間、日経平均は2万7000円から2万8000円の間のボックス相場で膠着していました。今思い起こすと、あたかもそこから上に上がるのが怖かったかのようでした。そのトレンドが崩れたのが11月で、そこから株価の上昇が始まり、1988年12月に初めて3万円台に到達します。 そして翌1989年は、株価はもみ合いながらも、年間を通じて一貫して上昇し、1989年12月29日の大納会で、運命の3万8915円87銭という、史上最高値を記録します。この年のクリスマスイブは、バブル熱狂のピークの日曜日でした。都内の高級フレンチレストランは、1人3万円の特別ディナーコースしか注文できないにもかかわらず、本当に予約がとれない状況でした。しかもそこでは、高級ワインをボトルで追加注文するのが、お客としてのマナーだったと記憶しています』、「予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう」、私も同感だ。
・『「日経平均は5万円を超えて上がる」 株価暴落を予測した専門家はゼロ  今でもよく覚えていますが、この年末において1990年の株価が下落すると予測した経済アナリストは、ほぼ皆無でした。平均的なアナリストは、1990年の日経平均は4万5000円くらいを予測していて、強気のアナリストが「日経平均は5万円台に突入する」「いや、6万円台も十分にあり得る」と言っていました。ほとんどのアナリストが、1990年のバブル崩壊を予見できなかったのです。 現実には、1990年3月に大蔵省が「土地関連融資の抑制について」という、いわゆる総量規制を打ち出します。1986年に公定歩合(当時)が大きく引き下げられたことからバブルが始まったのですが、日銀はここで公定歩合を急速に引き上げます。1989年5月まで2.5%だった公定歩合は小刻みに上がり、1990年3月に5.25%、8月に6.0%と金利が急上昇します。そして、土地と株のバブル崩壊が始まります。 日経平均は1990年の2月下旬に急落の兆候を見せ、3月22日に3万円台をいったん割ります。その後、わずかな期待をかけて株価は何度か踏みとどまろうとしましたが、1990年8月2日を最後に3万円台からさよならし、その後30年続く日経平均の低迷時代に突入するのです。 私たち50代以上のビジネスパーソンが、「日経平均が3万円を突破した」というニュースを聞いて、理屈ではなく感覚的に寒気を感じてしまうのは、30年前にそういう「嫌な体験」をしているからです。訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです。 歴史を検証してみれば、バブルが起きたのは当時の記録的な低金利が理由で、バブルが崩壊したのはそれを急速に是正しようとしたからでした。今、コロナ禍にもかかわらず日経平均が上昇しているのも、アベノミクス以降、日銀のマイナス金利政策が継続しているからです。理屈でいえば、国の金融を司るトップレベルの人が突然「出口戦略を実行する」などと言い出さない限り、この状況は続くでしょう。 よって足もとに関しては、論理的には日経平均が3万円を突破したからといって、「まずいことが起きそうだ」と考える根拠はありません。普通に考えれば、今年後半にはワクチンが普及し、新型コロナ禍も収まって、平均株価は過去最高値の突破を視野に上昇しても、おかしくないはずです。理屈では、そうなるという話です』、「訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです」、その通りだ。
・『株式相場の大調整を招く「2つのかく乱要因」とは  ここで、話は冒頭に戻ります。株価に関しては未来予測が難しいです。アナリストが予想した通りに動くことがないのです。 では、もし今回も日経平均が順調に上昇する未来が訪れないとしたら、この先、どのようなかく乱要因があるのでしょうか。あり得そうなシナリオを、2つ提示してみたいと思います。 1つは、単純な市場心理です。仮に市場の参加者の多くがバブル崩壊の経験者で、共通の思考として過去のバブルの経験から過度に「3万円」というラインを警戒しているとすれば、何かのきっかけでそれが株価崩壊に転じる可能性は、十分にあります。なにしろ株価というものは、実体経済よりも「美人投票」に近く、皆がそう思う方向へと動くのだから。 私の個人的な予測では、この市場心理による危険水準ラインは3万円ではなく、むしろ過去最高値に近づく3万8000円台に入ったときに、明確化しそうです。 「経済実態を伴わないにもかかわらず、日経平均が過去最高値を突破」といったニュースが私たちの耳に入ったときに、市場に参加している投資家たちがどう感じるかが問題です。 仮に「これが引き時の合図だ」と考える人が一定数いて、そこで売りが始まった場合に、市場心理による株価下落が始まるシナリオはあり得るのではないかと、私は警戒します。 もう1つのシナリオは、アメリカの金利政策の変更です。グローバルな金利を見ると、日本だけでなくEUや英国も、2010年代から直近まで継続して超低金利政策をとっています。ところがアメリカだけは、2016年から2019年にかけて金利を引き上げにかかっていました。その政策が変化したきっかけがコロナ禍であり、2020年に緊急利下げを発表します。 これが、コロナ禍で急落したアメリカの株価が持ち直した直接のきっかけです。そして現時点で、アメリカの金融当局であるFRBは、コロナ禍から経済が回復し、完全雇用に近づくまでは、このゼロ金利政策を維持すると表明しています。市場の予想では、2023年くらいまで続くのではないかという期待がありますが、問題はその期待が裏切られた場合です。 本来、FRBから見れば、最初は「数カ月間の緊急事態対策」だったはずのゼロ金利が長期化する状況は、「やむを得ないとしてもよいことではない」と、本音では考えているはずです。仮に、ワクチンの効果でコロナ禍から経済が脱する状況が見えてきたとしたら、FRBが早期に金利を元のあるべき水準に戻そうとする可能性はあると思います。 そうなると、市場が思っていたよりも早くアメリカの量的緩和が終わり、ダブついていたはずのマネーが反転することになります。これが、日経平均の下落が起こり得るもう1つのシナリオです。 歴史を振り返ると、仮に1989年と同じことが起きるとすれば、日経平均はこの先、1年かけて着々と3万8915円に近づいていくかもしれません。そして、2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだということです』、「2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだ」、確かにその可能性には警戒しておく必要がありそうだ。
・『日経平均続伸の例外シナリオも やはり株価予測は難しい  さて、最後にもう1つ、別の要素について話しておきたいと思います。株価について、この先1年でどうなるかという予測は非常に難しいというのが今回の話の前提ですが、冒頭で述べたように、その理論には1つだけ例外があります。 それは、超長期に限って言えば、平均株価は経済の発展する方向へ動くということです。その観点で比べると、失われた20年を経験した日本経済と違って、アメリカ経済は過去30年間、長期的な発展を経験してきました。より正確に言うと、アメリカの大企業は国内経済以上にグローバル経済の発展の恩恵を受け、継続的に業績を拡大させてきました。 以前、日経平均が3万円を超えていた1988年から1989年までの時代、アメリカのダウ平均株価は2000ドル台でした。それが30年後の2021年には、ダウは3万ドル台。いつの間にか、名目数字で日経平均を超えています。 数十年単位の超長期で見た株価は、そのような実体経済が進む方向に合致します。日本の場合、1989年頃のバブル時代は、実は日本企業がアメリカを超えるのではないかというくらい、絶好調の時代でした。しかし、トヨタ自動車も日産自動車も、ソニーも日立製作所も東芝も、そこで成長は一時停滞してしまいます。 東芝と日産はさておき、近年のトヨタやソニーの決算の回復ぶりを見ると、すでにバブル経済の頃のピークを超え、その次のステージへと近づいている感があります。その意味では、今後日本を牽引する企業の株価が本格的に上がっていくのは、これからなのかもしれません。 怖い、怖いと思いながらも日経平均が上がっている背景には、金融緩和ばかりでなく、コロナ禍で収益構造を変えて善戦する企業の努力があるのだとしたら、投資家にとってはまだ「攻め時」であって、「引き時」はもっと先だと考えるべきなのかもしれません。 ただ、最後に率直な気持ちを述べると、私はやっぱり「投資は難しい」と思っています』、最後の部分は正直な述懐のようだ。

第三に、2月23日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない、重大な理由」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80470?imp=0
・『かつてのバブル相場での「モラルハザード」  先週月曜日(2月15日)。東京株式市場で日経平均株価が3万円の大台を回復した。これは、1990年8月以来、実に30年半ぶりという節目である。 新聞やテレビは、回復の原動力として様々な要因を報じた。曰く、去年の10~12月のGDP(国内総生産)が2期連続で大幅な伸びを記録した、企業収益が予想されたほど悪くなかった、米国を含めて海外株が堅調だといった具合だ。 中には、新型コロナワクチンの接種スタートを歓迎したと報じるところもあった。だが、これらはどれも決め手とは言えない。最大の要因が日銀を中心とした各国の金融緩和にあることは明らかだ。 少なくとも、現下の新型コロナウイルス感染症危機が完全に収束するまでは、日銀を始め各国・地域の金融緩和は続く見通しで、株価が上昇し易い環境も維持されるだろう。日経平均が1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)を更新する日が来てもおかしくはない。 しかし、“日銀相場”を手放しで歓迎することはできない。銀行や企業のモラルハザード(倫理の欠如)など、深刻な副作用を伴うからである。 振り返れば、1986年頃にスタートして1989年末に終わったとされる株式のバブル相場も、凄まじいモラルハザードを生みだした。 当時、筆者は、株の街・兜町にある東京証券取引所の記者クラブ「兜クラブ」詰めの新聞記者で、そのモラル崩壊の現場を目の当たりにした。 中でも壮絶だったのは、日経平均が最高値に向かう過程の株価形成だ。後に「証券不祥事」とか「損失補てん事件」と呼ばれるスキャンダルに発展したが、その構図はこうだ』、「町田」氏がバブル期に「「兜クラブ」詰めの新聞記者」だったとは初めて知った。異常事態をインサイダーとして観ていたようだ。
・『リスク感覚がマヒしていた  多くの大企業が株式や転換社債を発行したり、銀行から借り入れたりして巨額の資金を調達。「財テク」と称し、この資金を株式市場で運用することで多額の利益を稼ぎ出そうとした。財務部は花形部署のひとつだった。 運用を受注したのは、大手や準大手の証券会社だ。証券会社は資金運用を引き受ける際、密かに、文書もしくは口頭で、違法行為の「利回り保証」や違法行為スレスレの「損失補てん」契約を結んだ。契約の中には、担当者が名刺に「利回り保証年7%」などと書き込んだだけのものもあった。 こうした契約は、事前に顧客企業の了解を得なくても、証券会社の裁量で株式を売買できるファンド(通称「営業特金」)に資金を組み込むことを意味し、猛烈な回転売買を可能にした。証券会社にとっては、株式の委託売買手数料を好きなだけ獲得できる仕組みだった。 証券会社は、個別銘柄の経営実態を無視して相場を吊り上げた。営業特金は膨らみ続け、企業業績のかさあげに貢献した。「利回り保証」や「損失補てん」契約もあり、企業はリスク感覚が麻痺、実態は無謀な投資に過ぎないのに、割りの良い収益源を確保したと勘違いしていた。 一方、当時の大蔵省は、複数の証券会社の検査を通じて懸念を募らせていた。ひとたび相場が下落に転じたら、証券会社には保証や補てんをする体力がなかったからだ。 増資・起債で融資の顧客を、資金運用で預金の顧客を奪われた銀行からの苦情も無視できなかった。そして、大蔵省が「さすがに、目に余る」「いつまでも続くわけがない」と、本格的な規制に乗り出す腹を固め、狂乱の株式バブル相場は終焉を迎えることになったのだ。 株式相場は1990年の年明けから一転、先の見えない長期下落局面に突入した。経済実態を離れて大きく吊り上げられていたうえ、大企業と証券会社の癒着が露呈し、市場への信頼が根底から崩れてしまった』、金融引き締めに転じる時期が遅れただけでなく、引き締めの度合いも強烈過ぎた。
・『原動力は一貫して日銀の金融緩和  ほぼ10年が経って2000年代に入ると、ITバブルや郵政相場で多少持ち直しかけた時期もあったが、いずれも長続きはしなかった。リーマンショックの影響が長引き、日経平均は2009年3月にバブル崩壊後の最安値(7054円)を記録した。 さらに12年近い歳月が経過した先週月曜日。日経平均は安値から4.2倍以上に上昇し、30年半ぶりに3万円台を回復した。 ほぼ一貫して原動力になったのは、日銀の金融緩和だ。その第1弾は、白川方明前総裁時代の2010年12月に放たれた。株価の底割れを防いで経済の好循環を作り出し、デフレ経済を脱却するという名目で、株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)の購入が始まったのだ。当時の購入枠は4500億円だった。 ETF購入は、黒田東彦現総裁のもとで合計4回にわたって強化された。直近は昨年3月のことで、購入枠の上限が年間12兆円に膨れ上がった。背景には日経平均が1カ月あまりの間に3割以上も急落するコロナショックがあり、安倍前政権の過去最大級の経済対策に呼応する形で、黒田日銀も包括的な金融緩和策を打ち出したのだ。 日銀は、ETFの購入拡大に加え、積極的な国債買い入れ、ドル資金の潤沢な供給、新型コロナで苦境に陥った企業を支援するための特別オペなど様々な対応を講じている。 海外でも、トランプ前米政権が2兆ドル規模の経済対策を、FRB(米連邦準備理事会)が量的緩和を実行したほか、EU(欧州連合)やECB(欧州中央銀行)も続々とかつてない大規模な対策を実施した。 これらにより「世界的カネ余り現象」が起きた。経済の下支え期待が膨らみ、世界の市場が平静を取り戻す中、日経平均も半年足らずでコロナショック前の水準を回復した。 その後もほぼ一本調子の上昇を続けて、先週の大台回復が実現した。「資産バブル」と呼ばれ、株式に限らず、商品相場や暗号資産価格なども高値を付けている』、なるほど。
・『金融緩和は継続せざるをえない  数字を見ても、去年1年間の市中への資金供給の大きさは明白だ。資金供給の結果として、日銀の保有資産は昨年12月末に前年より23%増加、金額ベースで129兆円多い702兆円に膨張した。この増加額はデータが開示されている1998年以降で最大なのだ。なりふり構わぬコロナ対策の姿が伺える。 このうち、株式相場を押し上げる効果の高いETFは簿価ベースで1年前の25%増、金額ベースで7兆円増の35兆円(簿価ベース)となった。日銀に支えられて、東証1部の時価総額はコロナショックで急落した去年3月に比べて約130兆円も増加した。 こうした株式相場が上昇し易い環境は、今後も当分の間、維持される可能性が強い。というのは、コロナ危機が去り、経済が正常化するまで、日銀に限らず、各国は大規模な金融緩和を継続せざるを得ないからだ。 その一例が、米FRBだ。昨年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、コロナ対策に万全を期すため、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持するという方針を表明した。 また先週木曜日(2月18日)。黒田日銀総裁は菅総理と会談、「金融緩和を相当長く続ける必要があることを伝えた」と明かしている。 これらは、昨年のコロナショックのような混乱が再発すれば、日銀やFRBが迷うことなく再び大胆な金融緩和策を講じるとの意思表明に他ならない。 こうした状況では、相場が大きく下がるとは考えにくい。投資はあくまでも自己責任で、安易な投資を推奨する気は毛頭ないが、上昇し易い世界的なカネ余り状態が続くとみるのが自然だろう』、FRBでハト派だったイエレン氏が財務長官になったことも、緩和継続の可能性が高まったようだ。
・『上下する市場の機能が損なわれている  急激に強いインフレ懸念が台頭するとか、相場が過熱し過ぎるといった想定外の事態が起きない限り、環境が大きく変わることはなさそうだ。 とはいえ、金融緩和は決して良いこと尽くめではなく、多くの副作用が生じている。本来、市場は上がったり下がったりして、経済を映す鏡となるものだが、その機能は損なわれたままだ。 銀行への資金供給や企業の救済オペが、コロナ危機以前から破綻しかねない状態にあった銀行や企業の経営実態を覆い隠し、ゾンビ銀行やゾンビ企業の闇雲な延命策となっていることも深刻である。 日銀のETF保有残高は時価換算すると、45兆円を超えた模様だ。これは、日銀が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を抜いて、日本株の最大の株主になったことを意味している。「モノ言わぬ株主」である日銀が、緊張感のない経営を助長し、モラルハザードを加速していることも、コーポレートガバンスの観点から看過できない問題である』、国債の大量購入により国債市場は国債発行額の影響を受けなくなり、財政拡大へのブレーキが鈍り、これが近年の財政規律喪失につながっていることも無視できない。また、中央銀行資産のGDP比は、日本が米国やECBに比べダントツに多く、それだけ不健全として円が信認を失う危険性も高い。緩和で浮かれている段階ではなく、超緩和からの出口も内密にでも検討しておくべきだろう。
タグ:東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 小幡 績 町田 徹 株式・為替相場 (その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由) 「「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方」 株式市場と実体経済は「ほぼ無関係」である 「株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ」、ここまで言い切るとはさすが「小幡 績氏」だ 株式市場と実体経済が連動しない「小さな3つの理由」 景気が良くなることと経済成長は「別物」 どんな「トリック」なのだろう 「2つのトリック」とは? 「今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている」、との診断には同感である 株式市場とは「期待だけが重要」な世界 「最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻される」、「しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する」、今回はどうなのだろうか 「日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に」 日経平均3万円超えで中高年はなぜ「嫌な予感」がするのか 「予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう」、私も同感だ 「日経平均は5万円を超えて上がる」 株価暴落を予測した専門家はゼロ 「訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです」、その通りだ 株式相場の大調整を招く「2つのかく乱要因」とは 「2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだ」、確かにその可能性には警戒しておく必要がありそうだ 日経平均続伸の例外シナリオも やはり株価予測は難しい 私はやっぱり「投資は難しい」と思っています』、最後の部分は正直な述懐のようだ 「日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない、重大な理由」 かつてのバブル相場での「モラルハザード」 「町田」氏がバブル期に「「兜クラブ」詰めの新聞記者」だったとは初めて知った。異常事態をインサイダーとして観ていたようだ リスク感覚がマヒしていた 金融引き締めに転じる時期が遅れただけでなく、引き締めの度合いも強烈過ぎた。 原動力は一貫して日銀の金融緩和 金融緩和は継続せざるをえない FRBでハト派だったイエレン氏が財務長官になったことも、緩和継続の可能性が高まったようだ。 上下する市場の機能が損なわれている 国債の大量購入により国債市場は国債発行額の影響を受けなくなり、財政拡大へのブレーキが鈍り、これが近年の財政規律喪失につながっていることも無視できない。また、中央銀行資産のGDP比は、日本が米国やECBに比べダントツに多く、それだけ不健全として円が信認を失う危険性も高い。緩和で浮かれている段階ではなく、超緩和からの出口も内密にでも検討しておくべきだろう
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