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NHK問題(その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?) [メディア]

NHK問題については、昨年8月16日に取上げた。今日は、(その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?)である。

先ずは、2020年12月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256713
・『「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」  先週、内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大学教授が週刊誌のインタビューなどで唱えた「Eテレ売却論」が、マスコミから叩かれた。 たとえば12月3日の『朝日新聞』では、NHKの前田晃伸会長の「教育テレビはNHKらしさの1つの象徴だと思う。それを資産売却すればいいという話には全くならないと思う」という言葉を引用しつつ、嬉しそうに批判の声をかき集めた。 《SNS上では「Eテレが最も公共放送として能力を発揮している」「子育てで何度も助けられたから(売却論は)信じられない」などとの声が相次いでいる》(同上) もちろん、そういう声が存在するのは事実で、SNSでは「#Eテレのために受信料を払っている」「#Eテレ売却に反対します」というハッシュタグがつくられ、「民営化されたらいい番組が見られなくなる」などと、この案への不平不満が次々とつぶやかれている。 筆者もEテレは好きなので、そのような方たちのお気持ちはよくわかる。が、その一方でちょっと気の毒な気もしている。「Eテレ愛」を利用され、まんまとマスコミに踊らされてしまっているからだ。 高橋氏本人が、「『Eテレ売却論』を『番組全廃止』とすり替える、マスコミの『常套手段』」(現代ビジネス12月7日)で解説をしているように、今回注目されている「Eテレ売却」とは、あくまで周波数帯の売却であり、番組制作機能やコンテンツをどこかに売っぱらってしまえ、という話ではない。 NHKは2つの地上波を持っているので、そのうちの1つを明け渡すことで、経営がスリム化して受信料も下がる。良質なEテレのコンテンツは、スマホやネットで視聴できるようになるので、むしろNHKやEテレばかり見るというファンにとってはメリットも多い話なのだ。 「ネットなんて冗談じゃない!テレビはちゃんとテレビで見させろ!」と怒る人もいるかもしれないが、今の地デジテレビはだいたいネットに繋がっている。電波を売っても、テレビでEテレを楽しむ方法はいくらでもあるのだ。」私も「Eテレ」は楽しんでいる。
・『国民を振り回す「扇情報道」 NHKを改革しなかったらどうなるか  ただ、前述の『朝日新聞』をはじめ、マスコミの多くはそういう細かな説明は一切しない。週刊誌でのインタビューや、ネットメディアの記事をベースにした話であるにもかかわらず、そこで語られることは無視して、「内閣参与がEテレ売却を提案」とおいしいところだけ切り取って大騒ぎしている。 「Eテレがなくなるなんてとんでもない」とSNSで不安に襲われている方たちは、そんなマスコミの「扇情型報道」に振り回されている被害者というわけだ。 年間1000万人の感染者が出て、昨年も3575人が亡くなったインフルエンザでは絶対にやらない、「感染者数の積み上げグラフ」を嬉しそうに引っ張り出して、「コロナ感染者数が過去最多!」「もう医療崩壊寸前です!」と朝から晩まで大騒ぎをして、人々の不安を煽り、「コロナうつ」や自殺者を増やしている構造とまったく同じだ。 「わかったようなことを言うな!マスコミの皆さんは我々国民の不安に応えてくれているのだ!」というお叱りの声が飛んできそうだが、残念ながらマスコミのやっていることを客観的に眺めていると、不安を煽ることで現実から人々の目を背けて、やらなくてはいけない変化を潰しているようにしか見えない。 高橋氏の「Eテレ売却」というアイディアの是非はさておき、これくらいの改革をしなければ、待っているのは恐ろしい未来だ。 ご存じの方も多いかもしれないが、実はNHKは総務省の有識者会議で、家庭や会社などに対して、テレビを設置しているかどうかをNHKに届け出ることを義務化するよう要望している。さらに、契約していない人の氏名を、ガスや電力の事業者に照会できるようにする制度の導入も求めた。 つまりNHKとしては、受信料というものをテレビ所有者は決して逃げられない「テレビ税」というくらいの位置付けにしていこうとしているのだ。 「まあ、公共放送だもん、電気やガスと同じようなもんだからしょうがないよね」とEテレをこよなく愛する人たちは思うかもしれない。が、一部の方たちからすれば、こんな不条理な話はない。 世の中には「この1週間、NHKはもちろん、テレビなんか5分も見なかった」という人が山ほどいるからだ。 NHK放送文化研究所は毎年6月に、無作為抽出した全国3600人に対して、全国個人視聴率調査を実施している。その年齢ごとの分布を分析した「メディア多様化時代の20代とテレビ」によれば、2019年に1週間のうち5分以上リアルタイムでテレビを視聴した20代は、73%だった。  つまり裏を返せば、1週間に5分もリアルタイムでテレビを見ない20代が3割もいるということなのだ。 「それは仕事やバイトで録画して見ているのだ」という人もいるかもしれないが、このような傾向が20代で顕著に現れてきたのは、ここ10年ほどである。明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めているのだ』、「明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めている」、確かに「若者」の「テレビ離れ」は顕著だ。
・『「みなさまのNHK」が世代間不公平の温床に  そんな若者のテレビ離れが特に著しいのが、他でもない「みなさまのNHK」だ。同研究所の「テレビ・ラジオ視聴の現況」の最新版には、NHK総合で「最もよく見られている番組」として、連続テレビ小説『スカーレット』の平均視聴率を男女年齢別に分析したものが掲載されているが、70〜60代の男女が29~16%と高い割合を見せる中で、20代の女性は5%、20代の男性にいたっては1%しか見てないのが現実だ。 筆者が何を言わんとしているか、おわかりだろうか。このような「高齢者さまのNHK」が、これからの日本でテレビを持つ者に対して、電気やガスと同じく問答無用で受信料を取り立てていこうとしているのだ。そして、受信料を下げるつもりは毛頭ない。むしろ、これからの日本は急速に人口減少が進行するので、値上げがなされていく可能性の方が高い。 つまり、今のNHKを何も変えなければ、高齢者や子育て世帯、そして一部の教養番組を楽しみにしている人たちのため、ほとんどテレビなど見ない人たちが重い負担を強いられていくことになるのだ。) こういう不平等さを解消するため、高橋氏が言うような「改革」が必要なのである。NHK従業員の平均年収は1000万円オーバーだが、他の放送局もそんなものだということと、「優秀なエリートを集めないと放送の質が低下する」という大義名分があるので、絶対にここは死守するだろう。 番組制作についても、良質なコンテンツをつくるという使命があるので、民放では考えられないほど湯水のように金を使う。そうなると、そのシワ寄せはどこにいくのかというと、われわれ国民だ。「みなさま」の財布の紐を緩めてもらうしかないというわけだ。 国民の負担を減らしつつ、公共放送としての機能も維持するということならば、「現状維持」ではなく、何かを変えなくてはいけない。それが高橋氏私案では「Eテレの電波」だったというわけである。 そういう背景も説明せずに、「内閣参与がEテレ売却をぶち上げた!」と騒ぐのは、報道を名乗る者としてあまりにフェアではない。それどころか、「悪意」すら感じてしまう』、「悪意」とはややオーバーだ。
・『「公平・中立」のはずのマスコミがなぜ偏った報道をしてしまうか  では、なぜ「公平・中立」を念仏のように唱えるマスコミが、こういうゴリゴリに偏った報道をしてしまうのか。いろいろなご意見があるだろうが、筆者の感覚では、マスコミの皆さんが無意識に「現状維持」を求めてしまう癖があるからではないかと思っている。 政治家や企業に対して「変われ!改革だ!」と偉そうに指図をするが、実はマスコミほど「変化」を嫌う世界はない。 わかりやすい年功序列の男社会で、情報源や人脈という極めて属人的なスキルが重宝される世界なので、デジタルトランスフォーメーションなどというものとは最も縁遠い。しかも組織のトップたちは、ビジネスの経験がない「元記者」なども多いので、現状のシステムやインフラを維持することとリストラくらいしかできない。 新聞が売れない、若者のテレビ離れが進んでいるという危機感があっても、大胆な組織改革や、新しい業態への転換に踏み切れない。つまり、自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまうのだ。 「ずいぶん厳しい言い方じゃないか」と思うかもしれないが、べつにこれは筆者がそう思い込んでいるわけではなく、同年代のマスコミの友人たちと飲むたびに、彼らから同じような「グチ」を聞かされている』、「自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまう」、確かに気を付けるべきだ。
・『自社の女性記者が過労死した事件をなぜ公表しなかったか  もちろん、マスコミが「変化」を嫌い、過去の制度にしがみついている例はいくらでもある。わかりやすいのが、NHKの女性記者が過労死をしていた事件だ。 2013年7月、NHK記者として都庁などを担当していた女性(当時31歳)が、159時間にものぼる時間外労働を強いられた果てに、うっ血性心不全で亡くなっていたのである。 労災認定を受けた14年5月以降も、「過労死」の事実を17年秋まで伏せていたNHKは、当初「遺族側の要望で公表を控えていた」と説明したが、女性のお父上は「事実ではない」と否定している。要するに、嘘をついてでもこの話を公にしたくなかったのだ。 女性記者が亡くなる少し前の13年5月、Eテレの「ハートネットTV」では、「ブラック企業に立ち向かえ」という番組を放送していた。Eテレらしい素晴らしい内容だが、そんなご立派な呼びかけをしていた裏で自社の女性記者が過重労働で命を落とし、それを隠していたというわけだ。 言うまでもないが、過重労働はEテレでも扱うほどの社会問題だ。そして、何よりもNHKは「みなさまの」というくらい公共性のある組織なので、そこで働く女性がこのような形で亡くなったことを、社会へしっかりと伝える責任がある。 しかし、今日に至るまで『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』でこの女性記者の死を検証した番組はない。『プロフェッショナル 仕事の流儀』に登場した弁護士の方がこの件に触れたことが放送された程度だ。 では、なぜ「みなさまのNHK」はこの過労死を頑なに隠すのかというと、これがただの過重労働だけではなく、マスコミが長きにわたって「現状維持」に努めてきた「記者クラブ」という世界的にも珍しい情報統制システムによる弊害だからだ。 昭和のマスコミのビジネスモデルは、記者クラブで成り立っていたといってもいい。この中に入れば等しく正確な情報が、政府や公的機関から得られるので、情報にバラつきはない。しかし、一方でどうしてもネタが横並びなので、各社違いを出さなくてはいけない。それが、クラブ記者の「夜討ち朝駆け」だ。官僚の自宅に足繁く通って、酒を酌み交わしたり麻雀卓を囲んだりして懇意になり、自社だけの「特ダネ」をいただくということで競争をしてきた。 この閉ざされた「ムラ」のお陰で、マスコミは安心して企業努力に打ち込むことができたわけだが、そのムラの平和を乱す者が現れる。ネットやSNSだ。 総理大臣も大統領もSNSでつぶやいて、それがニュースになる。記者クラブで触れ回っていることなどは、ネットですぐに入手できる。夜討ち朝駆けなどをして得た特ダネも、すぐに消費されてしまう。ネットやSNSで誰もが自分で情報発信・情報収集できることで、記者クラブという情報のボトルネックを握っている旨味がなくなってしまったのである。 これまで、官僚と懇意にしていればネタが取れたクラブ記者の仕事量は爆発的に増えた。つまり、時代の変化に逆らって、記者クラブという昭和のシステムを現状維持するという無理なことをやっているので、そのシワ寄せで労働環境が急速にブラック化してしまったのだ。事実、この女性記者を死に追いやったのは、家にほとんど帰る暇もないくらいに行われたという「夜討ち朝駆け」だったという。 こういう都合の悪い話が検証されると、記者クラブという時代遅れの制度にメスが入って、権力とマスコミの関係も時代に合わせて変えなくてはいけない。そうなると、困るマスコミ人がたくさん出てくる。だからNHKは、女性記者の死の真相をいまだにしっかりと国民に伝えることができないのではないか。もしそうなら、公共放送が聞いて呆れる』、「記者クラブ」という時代遅れの制度は、やはり思い切って見直すべきだ。
・『時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める  いろいろ言わせていただいたが、NHKには私の親しい友人も勤めているし、Eテレの番組も私は大好きである。ぜひこのまま変わることなく、いつまでも今のNHKであってほしいという気持ちもある。 しかし、そのような時代の変化を無視した「現状維持」を貫くと、どこかにそのシワ寄せがいく。この亡くなった女性記者のように、弱い立場の人が犠牲になるのだ。 「Eテレが好きだから、今のまま続けてほしい」という意見はよくわかるが、マスコミに煽られて「現状維持」を望むのは、実はわれわれ国民が、自分自身の首を絞めることになるかもしれないのだ。「時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める」、というのはその通りだ、

次に、1月15日付け日刊ゲンダイ「NHK世論調査に疑問 政府、五輪組織委、安倍前首相に忖度か」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/283898
・『NHKが今月9~11日に実施した世論調査をめぐり不可解なことがあった。調査結果は、12日夜のニュース(午後7時と9時)で報じられたのだが、「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかったのだ。「五輪」については「開催すべき」が前月比11ポイント減の16%まで下落。「桜を見る会」については「あまり」と「まったく」を合わせ「納得していない」が72%に上った。 調査結果は放送前に政界関係者の一部に出回っていたので、「五輪と桜はなぜ放送されなかったのだろう」といぶかしむ声があった。そこで調べてみると、2項目は翌13日の朝(午前5時半と7時)、放送されていたのだ。 政府や五輪組織委、安倍前首相に忖度して、視聴率の高い夜のニュースを避けたのか? NHK広報局は、「ご指摘のような事実はありません。毎月、夜のニュースと翌日の朝のニュースで放送しています。1月は緊急事態宣言の発出を控えていたことなどから、新型コロナウイルスに関する調査結果を優先して12日の夜のニュースで放送しました」とコメントした。 折しも、組織委の森会長が12日の会見で「なぜコロナの時期にあえて世論調査するのか」とムッとしていた。安倍前首相も「領収書提示を」という野党の要求を拒絶している。 本当に忖度はないのか』、「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかった」、表向き何と言い訳しようと、「忖度」そのものだ。情けない。

第三に、1月30日付けYahooニュースが転載したHARBOR BUSINESS Online:元NHK記者で大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏による「「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fab7328c97d343f37c83e17664a663d829330eb2?page=1
・『NHKスペシャルが収録直前に「放送延期」に  1月15日、金曜日。NHK内に激震が走った。看板番組、NHKスペシャルの収録直前のタイミングで、番組の放送延期が言い渡されたのだ。 問題の番組は、NHKスペシャルの枠で放送されている「令和未来会議」というシリーズ。毎回、さまざまなテーマについて何人もの専門家をネット会議システムで結び、リモートで討論してもらうという、いかにもデジタル化とコロナ禍の今の世の中らしい番組だ。 これまで外国人との共生、コロナ時代の仕事論などをテーマにしてきた。次は、今焦点の東京オリンピックをテーマに、有識者と視聴者を交えて数十人によるリモート討論を行う予定だった。人選は終わり、あとは17日の収録を待つのみという状況で、いきなり2日前に延期が言い渡された。 問題は、なぜ直前になって延期になったのか、その理由も誰の判断かも、現場に明確に知らされていないということだ。ここまで準備を進めてきた大型番組を、理由もなく直前に延期することなどあり得ないし、延期するなら誰の責任で決めたのかを明確にすべきだ。現場が突き上げると、上司からは「こんな状態でやれないだろうと“上”が言っている」という話が聞こえてくる。 こんな状態とは「コロナが広がる中、スタジオがスタッフたちで“密”になるからやれない」ということを言わんとしているようだ。だが、誰もそんなことを信じない。だって緊急事態宣言はずいぶん前に出ているのに、その時には番組延期の話は出なかった。 スタジオが“密”になると言うけど、討論する人は全員リモート参加だから、スタジオには少数のスタッフしかいない。同じようにスタジオで放送する「クローズアップ現代」は今でも放送している。どう考えても理由にならないのである。 そこで現場でささやかれているのは、「テーマ自体が問題視された」という見方だ。コロナ禍でオリンピック是か非かが政治問題となっている状況で、そこをモロに討論する番組はできない。そう言っている経営幹部がいると匂わせる報道局幹部もいる。 政権から圧力があったのではないか? 政権に忖度して上層部が先送りしたのではないか? いずれにせよはっきりした説明がないから、現場には不満がたまる』、「いきなり2日前に延期が言い渡された」、確かに唐突だ。
・『報道局長より上の“誰か”の指示で番組改変!?  同じように政権への忖度を感じさせるできごとが、実は去年にもあった。2020年10月29日、菅首相による日本学術会議の任命拒否問題をめぐる「クローズアップ現代」だ。 会員候補の推薦の責任者だった学術会議の前会長、山極壽一(やまぎわ・じゅいち)氏の初の単独インタビューを、報道局科学・文化部の記者が撮ってきた。山極前会長は政権の判断に批判的だ。NHKは放送にあたり必ずバランスを考慮するので、政権側の政治家にも話を聞いて、双方の立場を紹介する形で映像を編集した。 ところが放送前日になって、突然「百地章(ももち・あきら)氏のインタビューを撮って入れるように」という指示が現場に下りてきた。百地氏は国士舘大学特任教授で、インタビューでは「総理大臣の任命権は、ある程度の自由裁量はある」と、政権をかばうような内容を答えている。 これはなぜ急に決まったのか? ある報道幹部は「山極さんのインタビューがあまりにも撮れすぎているから」と語ったという。つまり、山極前会長があまりにもわかりやすく政権批判をしているから、それを薄めるために百地氏のインタビューが必要だという理屈だ。 だが、この番組の取材制作には報道局の政治部、社会部、科学・文化部の3つの部が参加していて、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという。 それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発したが、「報道局長の責任で決めた」との説明で押し切られた。同じ日に放送されたニュース番組「ニュースウォッチ9」でも、山極前会長と百地氏のインタビューが横並びで紹介された。 放送後、現場の職員たちは報道局長と話し合いの場を持った。今の報道局長は根本拓也氏。経済部出身で、私の同期の記者だ。彼は「誰の指示かわからないのでは納得できないよね。だから自分(報道局長)の責任ということにしました」と述べたという。 つまり、現場の不満にある程度理解を示しながら、結局、本当は誰の指示だったのか明らかにしなかったということだ。だが、局長より上の判断と言ったら理事(役員)しかない。理事の中でもかなり上からの指示だろうという見方が現場に広がっている』、「百地氏のインタビューを入れさせられたが、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという。 それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発」、現場の反発はさぞや大きかったのだろう。
・『NHKの報道担当理事が、内閣官房副長官と今もつながっている  放送直前に、出所のはっきりしない指示で番組内容を変更させられるというのは、私にも経験がある。2018(平成30)年4月、森友事件の公文書改ざんをめぐる「クローズアップ現代」。改ざんをさせられて命を絶った財務省近畿財務局・赤木俊夫さんの話を冒頭で放送せずに、不自然なまでに短く目立たなくさせようとする上層部。社会部のデスクを出演させまいとする謎の判断。現場は反発して大混乱だった。 だから今回も現場の怒りと憤りがよくわかる。NHK上層部の人たち、特に政治部出身の幹部たちは、なぜそこまで政権に気を使うのだろう。そのヒントとなる事実について考えてみたい。 話は30年以上前にさかのぼる。1987(昭和62)年、私はNHKに採用され、記者として山口放送局に赴任した。NHKは全国を地方ごとに区切って管轄局を置いており、山口は中国地方5県を管轄する広島局の管内だった。 その当時、広島管内でもっとも目立っていた記者は、鳥取放送局にいる、私の2年上の先輩だった。全国一小さな県なのに、警察の捜査情報でしばしば全国放送になる特ダネを飛ばし、光り輝いていた。「すごいなあ、あの先輩のようになりたいなあ」と憧れたものだ。名前を小池英夫さんという。 小池さんは力量を買われて政治部へ異動し、そこで順当に出世を重ねて政治部長、報道局編集主幹、さらには全国の報道トップの報道局長になった。その当時、森友事件で私が出した特ダネが気に入らなかったようで、私の上司だった大阪の報道部長に「あなたの将来はないと思え」と言い放った。その後、今は報道担当の理事へとさらに出世している。 新人時代の私の取材ノートを見返すと、鳥取で特ダネが出たことを示す記載がある。もちろん小池さんのことだ。その直前まで約2年間、。警察官僚で、当時鳥取に赴任していた。 今は官僚トップの内閣官房副長官。内閣人事局長も兼務している。日本学術会議の任命拒否問題で、除外された6人を選んだのは杉田氏だと指摘されている。杉田氏は小池さんに今も時々電話をしているようだ。2人はまだつながっているのである。 記者が昔の取材先とつながっているというのは、取材者としてはいいことだ。でも、小池さんはすでに取材者ではないだろう。NHK報道を差配する立場の人が、権力の中枢にいる人物とつながっているということを、視聴者はどう見るだろうか?』、「報道局長」の「小池英夫氏」、「鳥取県警警察本部長だった」「杉田和博氏」、意外な人物がつながる不思議な縁には驚かされた。
・『NHKの報道幹部が首相秘書官にどやしつけられている?  小池さんについては別の話もある。今から数年前、小池さんが、ある親しい人物に携帯のメッセージを見せながら、「俺もいろいろ大変なんだよ」とぼやいたという。その画面には「あの放送はなんだ。ふざけるな」という趣旨の言葉が書かれていた。あまりの上から目線の言葉に、見せられた人は驚いたという。送り主は、官僚出身の首相秘書官。安倍首相(当時)からの信頼が厚いと言われていた人物だ。 この話は人づてなので、どこまで正確かはわからない。だが、NHK内で一部の人たちの間に流布していることは確かだ。本当かどうかは別にして、「NHKの報道幹部が官邸の秘書官から上から目線のメッセージを送りつけられている」という話が、NHK内で広まるだけで、現場に悪い影響を及ぼすことは間違いないだろう。 こう書くと、小池さんについて「役員にふさわしくない」と主張しているように受け止められるかもしれない。でも、そうではない。報道のトップとしてはふさわしくないとしても、他の役職にはふさわしいということだってあるだろう。 例えば営業担当。NHKの営業は受信契約と受信料をいただくのが業務だ。小池さんはかつてピカイチの特ダネ記者だった。これは間違いない。情報をキャッチできるということは、受信契約や受信料だってキャッチできるのではないか? 営業は営業出身者、報道は報道出身者と分けて、局長になっても理事になってもそのまま既得権益のようにポジションを守っているから、組織が縦割りになるし、他の世界が見えなくなる。報道出身者が営業幹部を務めれば、いやでも視聴者と向き合って、官邸目線ではなく、視聴者目線を意識するようになる。 逆に、営業出身者が報道幹部を務めれば、視聴者目線を意識して、視聴者に受け入れられる報道が実現するかもしれない。「政権の犬」はごめんだが、「視聴者に信頼されるNHK」は本来あるべき姿だろう』、現実には「政権の犬」が重用されているようだ。
・『幹部のセクション入れ替えで、縦割り組織の弊害打破を  どのセクションにもその道のプロが大勢いるのだから、少しくらい幹部を入れ替えたってどうってことないだろう。何より、どのセクションだろうと幹部に登用される人たちは一定の能力を備えているから、よその組織にも順応していけるはずだ。そういう人物をこそ登用すべきだろう。 報道や営業だけではない。制作局のトップに技術出身者を据える。技術局のトップにディレクター出身者を据える。そういうクロス人事、あるいはガラガラポン人事があってもいいし、それが真の意味で縦割り組織の打破につながるだろう。採用は職種別に行って専門職を育成する。そのまま一生専門職を貫く道もあるが、部長や局長と昇進していくには、他の部門の経験が不可欠。それが一番ではなかろうか。 この方法のいいところは、組織改革ではなく人事異動にすぎないから、いつでも会長の一存で実施できるということだ。改革断行に強い意欲を示しているという前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい。これこそNHK報道が生き返る道であり、ひいてはNHK全体の信頼回復の道ではないかと感じる次第だ。 最後に、再び職種別採用と一括採用について。最近、マスコミ志望のとある大学3年生の方と話す機会があった。NHKも受けるというので、これまでのクセでつい「どの職種で受けるの? 記者? ディレクター?」と尋ねた。すると……。 「いや~、今年は職種別じゃないんですよ。記者もディレクターも一緒に採用するそうで、エントリーシートもそうなっています。私は本当は記者になりたいんですけど……」 その口調から「これはきっと記者として採用する新聞社などに受かったら、そちらへ行くな」と感じた。「NHKは記者のなり手が少ないらしいから、きっとなれるよ」とは、責任が持てないので言わなかった。NHK、せっかくの職種別採用をやめたことで、お客さん(就活学生)を逃がしているじゃないの。やっぱり採用方法の変更は見直した方がいいよ。 とまあ、NHKを愛する元職員として気になる組織論を書き連ねてきたが、読者の皆さまには「もういいよ」という声もあるだろう。私もそんな気がしてきた。次回は、皆さまの関心が高いであろう、キャスター人事について書くことにする。……あ、これも「政権忖度」話か(笑)。【あなたの知らないNHK 第4回】<文/相澤冬樹> 「前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい」、前田氏に期待し過ぎの印象もなくはない。今後の「キャスター人事」も楽しみだ。
タグ:yahooニュース 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 NHK問題 相澤冬樹 小池英夫 HARBOR BUSINESS Online (その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?) 「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」 私も「Eテレ」は楽しんでいる。 国民を振り回す「扇情報道」 NHKを改革しなかったらどうなるか 明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めている」、確かに「若者」の「テレビ離れ」は顕著だ 「みなさまのNHK」が世代間不公平の温床に 「公平・中立」のはずのマスコミがなぜ偏った報道をしてしまうか 「自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまう」、確かに気を付けるべきだ 自社の女性記者が過労死した事件をなぜ公表しなかったか 「記者クラブ」という時代遅れの制度は、やはり思い切って見直すべきだ 時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める 「NHK世論調査に疑問 政府、五輪組織委、安倍前首相に忖度か」 今月9~11日に実施した世論調査 「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかったのだ 表向き何と言い訳しようと、「忖度」そのものだ。情けない 「「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?」 NHKスペシャルが収録直前に「放送延期」に いきなり2日前に延期が言い渡された 報道局長より上の“誰か”の指示で番組改変!? 「百地氏のインタビューを入れさせられたが、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発」、現場の反発はさぞや大きかったのだろう NHKの報道担当理事が、内閣官房副長官と今もつながっている 報道局長に 「報道局長」の「小池英夫氏」 「鳥取県警警察本部長だった」「杉田和博氏」、意外な人物がつながる不思議な縁には驚かされた NHKの報道幹部が首相秘書官にどやしつけられている? 現実には「政権の犬」が重用されているようだ 幹部のセクション入れ替えで、縦割り組織の弊害打破を 「前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい」、前田氏に期待し過ぎの印象もなくはない。今後の「キャスター人事」も楽しみだ
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