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医療問題(その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は) [生活]

医療問題については、5月2日に取上げた。今日は、(その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は)である。

先ずは、7月1日付けPRESIDENT Onlineが掲載したボーボット・メディカル・クリニック院長の亀廣 聡氏による「「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/47411?page=1
・『医療機関にうつ気分を訴えると、「抗うつ薬」を処方されることが多い。しかし、それが「誤診」であると治療が長期化してしまう。精神科医の亀廣聡さんは、「抑うつ状態を示す病気のうち抗うつ薬が効くのは『大うつ病』だけ。誤診に気付かないと投薬量がどんどん増えてしまい、『薬のせいで病気』という状態の人もいる」という――。(第1回/全2回) ※本稿は、亀廣聡・夏川立也『復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らずうつを治す方法」を聞いてみました』(日本実業版社)の一部を再編集したものです』、このブログでも精神科医療のお粗末な実態を取上げてきたが、今回のもそうらしい。
・『なぜずっと薬を飲んでいても治らないのか  私のクリニックは、メンタルの不調によって休職を余儀なくされた人たちのリワーク(職場復帰)支援を専門とする心療内科です。当クリニックには、長期間症状が改善せず職場復帰できない患者さんが数多く転院してきます。 ほとんどの患者さんが前院で「うつ病」や「抑うつ状態」などと診断され、抗うつ薬や睡眠薬を飲み続けている人たちです。長期の服薬にもかかわらず、なぜ、改善しないのでしょうか。 理由を述べる前に「うつ」について簡単に解説しておきます。憂うつ、落ち込むといった気分が強く、かつ持続していることを、日常的には「うつ」「うつ状態」と表現されますが、精神医学では「抑うつ状態」という用語を使います。一時的な気分の落ち込みのような病的でないものと、認知症に起因する症状を除くと、抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類されます。 ・双極性障害 ・大うつ病(うつ病) ・抑うつ体験反応(神経発達障害との併存症として広義の適応障害を含む) ・症候性抑うつ状態 ・統合失調症の抑うつ状態 ・薬剤性抑うつ状態 じつは、抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです』、「抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類」、「抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです」、そんなに安易に「抗うつ薬」が「処方」されているとは、初めて知った。
・『安易に抗うつ剤を処方する医師、納得する患者  冒頭に記したような、他院で治療を続けながら状況が改善されず、当クリニックに転院してきた事例は、これまでに全受診者の3分の2ほどあります。全受診者でも「うつ病」という診断のつく方はたったの2人でした。転院して来られた患者さんでうつ病の診断がつく方はゼロでした。 ほとんどの患者さんが、効かない薬を飲み続けていたことになります。そして、薬には副作用があることを忘れてはいけません。副作用が原因で会社に行けなくなることもあり、こうなると抑うつ状態になったきっかけすらわからなくなってしまいます。 うつ気分を訴え心療内科を訪れる人はたくさんいます。そして心療内科の中には、1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります。患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発するのです』、「1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります」、「患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発」、「すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニック」は許し難いが、こうした悪質な医者を排除するには健保組合での保険診療のチェックだけでは、実効性が期待し難いようだ。
・『いつのまにか薬漬けに  非常に深刻な状態になることもあります。複数の医療機関で「うつ病」と診断されていた会社員のBさんのケースです。 最初にBさんが当クリニックを訪れたとき、私は衝撃を受けました。処方されている薬の量が尋常ではなかったのです。多くは向精神薬で、まず抗うつ薬。それに「てんかん」の薬が3種類と、「非定型抗精神病薬」という統合失調症治療にも使われる薬が2種類。さらに、今ではすでに販売中止になっている強力な催眠、鎮静作用のある「ベゲタミン」という製剤が2錠。 加えて睡眠薬や抗不安薬、薬の副作用による便秘を解消するための便秘薬まで含めると、合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです。当然まともに仕事ができるわけもなく、物忘れをする、駅の階段でつまずいて転倒するといったことが続いていました。そして何年も、休職と復職を繰り返していました』、「会社員のBさんのケース」、「合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです・・・何年も、休職と復職を繰り返していました」、ここまで酷いと、本来は医療過誤による傷害罪に問いたいところだ。
・『セカンドオピニオンを求めたが  この薬の量にはBさんも不審を感じており、近くの大学病院にセカンドオピニオンを求めましたが、診断はうつ病で間違いなく、薬の量も妥当と言われたそうです。その後、名の通った別の先生のクリニックを受診したところ、「たしかに薬が多すぎる」ということで転院。当初は薬が減って喜んだものの、対症療法に偏った治療のせいか、気付いたときには以前より増えて、山のような薬を飲まされていました。 そして、すがる思いで相談に訪れた内科医(漢方医)に紹介され、当クリニックを受診されたのでした。Bさんの性格は粘り強く、あきらめずに会社に通っていましたが、当時は何回目かの休職中で、会社から「次はない」と言われているようなタイミングでの受診でした』、「セカンドオピニオン」を出した「近くの大学病院」の医者もいい加減だったようだ。
・『診察すると全く別の病気だった  結論から言うと、Bさんはうつ病ではなく、私は「双極Ⅱ型障害」と診断しました。 双極性障害は、一般に「躁うつ病」と呼ばれる病気です。「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類があり、Ⅰ型は躁状態が顕著に現れますが、Ⅱ型は軽躁状態程度の緩やかな山が長いため気付かれにくいという特徴があります。どちらも、うつ病のように原因がよくわからない病気ではなく、脳神経系のバランスが崩れることで発症するというメカニズムがわかっている病気です。 双極性障害の中でも双極Ⅱ型障害は、薬に頼らずに、医師の指導のもと生活リズムや運動・食事などの生活習慣を改善し、さらに認知行動療法などを根気よく行うことで症状を改善させることができます。少々時間はかかるかもしれませんが、寛解状態(病気による症状が好転もしくはほぼ消失し、医学的にコントロールされた状態)に持っていくこともできます。 Bさんはうつ病ではないのでまず抗うつ薬をやめ、気分安定薬1種類だけにしました。あわせて睡眠薬も抗不安薬もすべてやめて、代わりに漢方薬を処方しました。 睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます。Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました』、「睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます・・・Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました」、こんな「離脱症状」があるとは初めて知った。
・『1年4カ月の治療で完全に職場復帰  Bさんは1年4カ月の間、日曜日以外の毎日、当クリニックに通ってくれました。そしてリハビリ出勤を経て、ついに職場復帰を果たします。リハビリ出勤の際、会社の上司は「あれだけたくさんの薬が1剤になってあとは漢方薬なんて、本当に治ったと言えるのか。二度と休職しないと保証できるのか」と復職に懐疑的でしたが、その後のBさんの安定した働きぶりから、完全復職を認めました。 Bさんのような双極性障害は、脳神経系のバランスの乱れによって、躁状態とうつ状態が混合して同時に存在してしまう「混合状態」が問題になります。混合状態では、 
+意欲はあるのに気分が悪くて動けない。だからあせる。 +気分はいいのに何かしようという意欲が湧いてこない。だからイライラする。 というような、なんとも耐え難くつらい「抑うつ状態」が現れます。 人はそのような不安やあせり、イライラを感じると、自分で「なんとか解消したい」と思うものです。たとえば、とくに若い女性などは大量に食べ、吐いたりします。そのとき、瞬間的にスッキリするという体験をするとそれが習慣になります』、なるほど。
・『表層だけを見て根本的な問題を見落とす  そういう人が精神科を受診すると「摂食障害」と診断されることもあります。食べて吐く代わりにお酒やドラッグに依存する人は、「アルコール依存症」「薬物依存症」と診断されます。理由もないのに常に不安を感じると訴える人は、「不安神経症」という病名になって、抗不安薬を処方されることになります。 問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです』、「問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです」、精神科の診断もやはり難しいものだ。
・『うつ病と診断されやすい双極Ⅱ型障害  双極性障害のうちとくに双極Ⅱ型障害は、うつ病と診断されやすい病気です。前医でうつ病と診断されて症状が改善せず、当クリニックに転院してきた患者さんのうち、6割以上の人が双極Ⅱ型障害でした。 以下のような報告もあります。 ・うつ病患者の60%が、じつは双極Ⅱ型障害である。(Benazzi.2004) ・双極Ⅱ型障害の37%はうつ病と誤診されている。(Ghaemi.2000) ・双極性障害の77%が最初にうつ病などと診断されている。(ノーチラス会アンケート) ・正しい診断までに4年以上かかった人が51%いた。(同) 繰り返しますが、抗うつ薬が効くのは大うつ病(うつ病)だけです。何年も抗うつ薬を飲んでいて改善されていない人は、かなりの確率でうつ病ではないと断言できます。 あなた自身や周囲の人で、うつ状態に苦しんでいる人はいませんか。うつ病と診断されて、何年も薬を飲みながら苦しみ続けていませんか。もしそうなら、「抑うつ状態を示す6種類の病気」のことを思い出してください。そして信頼できる医師のもと、症状と対処法をあらためて見つめ直してください』、「信頼できる医師」探しは、重要ではあるが、簡単ではなさそうだ。

次に、6月6日付けPRESIDENT Onlineが掲載したAGE牧田クリニック院長の牧田善二氏による「ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46597?page=1
・『これまで20万人超の患者を診てきた牧田善二医師は、「人間ドック等で行われる血清クレアチニン検査では腎臓が悪化していく過程を捉えられず、結果、いきなり『人工透析です』と言われる人が続出している」と警鐘を鳴らす。特に高血圧、高血糖、高コレステロールの人はリスクが高いため、尿アルブミン検査を受けるべきというのだが──。(第5回/全6回) ※本稿は、牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『「あるとき突然、透析」の恐怖  55歳の女性Aさんは、自宅近くの不動産会社で平日の9時から15時まで働いています。結婚前、建築関係の企業に勤めていたとに宅建の資格を取得しており、時短勤務とはいえ、Aさんは会社にとって貴重な戦力として活躍しています。 子育てが一段落したこともあり、休日には夫婦揃そろって旅行をしたり、仕事が終わってからの時間は映画を観たりと、充実した生活を送っていました。「いました」と過去形にしたのは、Aさんにとって予想外のことが起きたからです。 Aさんは、40歳を過ぎてから血糖値の高さを指摘されていたものの、かかりつけの病院で糖尿病の治療を受けていたことから安心していました。しかも最近は、ヘモグロビンA1cの値が大幅な改善傾向にあって喜んでいたのです。 ところが、ある日いきなり主治医から「透析専門の病院を紹介しますから、これからはそちらに通ってください」と言われてしまいました』、いきなり「「透析専門の病を紹介します」などと言われたら、誰しも腰を抜かすほど驚く筈だ。
・『医者もわかっていない「腎臓病の進行プロセス」  「透析? 私が? なんで?」 「ヘモグロビンA1cだって良くなっていたじゃないの!」 人工透析は、5時間ほどかかる治療を週に3回も受けなくてはなりません。とても旅行どころではないし、勤めも続けることはできないでしょう。また、55歳の女性が人工透析に入ると、余命は15年も短くなってしまいます(透析学会、2004年データより)。 「私の人生これから!」と思っていたAさんは、大変なショックを受けました。しかし、取り乱すAさんに、主治医は血液検査の「血清クレアチニン」という項目の数値を示して、「こうなると、もうどうしようもないのです……」と、淡々と説明するだけでした。 実際の医療現場でも、Aさんのようなケースはよくあります。患者さんはちゃんと糖尿病の治療を受けていて、なにも問題はないと思っている。ところが、腎臓がいつの間にかひどいことになっていて、いきなり医師から「人工透析が必要だ」と告げられるのです。 このような悲劇が繰り返されるのにはもっともな理由があって、Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです』、「Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです」、こんなことがあり得るとは、驚かされた。医者の不勉強のつけを患者が払わされるとは酷いものだ。
・『「インスリンすら解毒できない体」の恐ろしさ  Aさんは、人工透析が必要なほど腎臓の状態が悪化していたにもかかわらず、ヘモグロビンA1c値は改善に向かっていました。いったいぜんたい、どうして、そんなことが起きたのでしょうか。 実は、皮肉なことに糖尿病の合併症の腎症がかなり進行すると、血糖値のコントロールが良くなるのです。なぜなら、腎機能の悪化で「インスリン」すら体外に排出できなくなってしまうからです。 私たちがなにか食べると血糖値が上がります。すると、上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが膵臓すいぞうから分泌され、血糖値の上がり方をほどほどに抑えてくれます。そして、数分間働いたインスリンは、腎臓で解毒されて尿へと排出されます。 このときに、糖尿病の患者さんはインスリンの効きが悪く、血糖値がかなり上がってしまいます。そのため、Aさんは注射でインスリンを補充していました。 インスリン注射をしても、なかなか血糖値コントロールは難しく、かつてはAさんのヘモグロビンA1c値も高く推移していました。 ところが、腎臓が悪くなったことで、本来なら数分後には消えてなくなるはずのインスリンが排出されず、いつまでも血液中に残ります。そして、血糖値を下げる働きをずっと続け、結果的にヘモグロビンA1c値が下がるのです。 腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です。実際に、インスリン投与を止めることができる人も少なくありません。 しかしながら、こうしたケースでは、いくら血糖値が下がってもまったく喜ぶことはできません。その人の腎臓は、もはやあらゆる毒性物質を排出することができなくなっているわけですから』、「腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です」、確かにその通りだ。
・『「生活の質」はだだ下がり…  人工透析とは、機能が低下した腎臓に代わって解毒を行う治療です。そのため、一度、透析に入ったらやめることはできません。 透析の患者さんは「身体障害者1級」という最も重度の障害者と認定され、医療費はすべて国か健康保険組合が負担します。 透析は前述の通り、1回の治療に約5時間かかり、週3回ほど行います。以前はもう少し短く、4時間程度で終えることもありましたが、透析時間はできるだけ長く取ったほうが患者さんの体にとっていいことがわかってきました。 本当は、5時間よりももっと時間をかけたほうが望ましいのですが、それではまさに一日仕事で、患者さんはほかになにもできなくなってしまいます。せいぜい5時間が限度なのでしょう。 それでも、患者さんのQOL(生活の質)は大きく落ちてしまいます。また、透析を始めると血管が傷み、動脈硬化が著しく進みます。そのため、心不全、心筋梗塞や脳卒中といった血管系の病気が高頻度で起こります。加えて、透析の患者さんではがんの発症率も高くなることがわかっています。 実際に、透析に入った患者さんの5年生存率は60%。4割の患者さんは5年以内に亡くなります。だからこそ、透析に入らないで済む段階での治療が望まれるのです』、「透析に入った患者さんの5年生存率は60%」、こんなに低いのであれば、確かに「透析に入らないで済む段階での治療が望まれる」。
・『血清クレアチニン検査の大問題  ところが、腎臓の状態を判断するのに多くの医師が用いている「血清クレアチニン」の検査は、はっきりいって“役立たず”です。異常値が出たときには、たいてい手遅れだからです。 血清クレアチニン値は、腎機能を知る指標として、一般的な健康診断でも測定されます。おそらく、あなたの手元にある人間ドックや健康診断の検査結果表にも、その値が載っているはずです。そして、基準値内に収まっていることでしょう。 しかし、たとえ血清クレアチニン値が「正常」であっても、実際の腎機能はとうてい正常とはいえないケースが多々あります。 そもそも、慢性腎臓病は急性のものではなく「徐々に」進行しています。「だったら、主治医が途中段階で適切な治療を施していれば、そもそも透析になどならないではないか」と、Aさんでなくとも思いますよね。ところが、血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです。 にもかかわらず、いまだに「血清クレアチニン値に少し異常が出始めたということは、腎機能も少し落ちているのだろう」などと呑気に構えている医師も多いのです。 本当はもっと早い段階で、血清クレアチニン値に異常が出て、透析が必要になる2年前までに正しい検査でキャッチして、「このままでは透析になる危険があるから、治せる病院を紹介します」と言えば患者さんは助かるのに、とても残念です』、「血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです」、もっとよく「キャッチ」できるのは後述の「尿アルブミン検査」のようだ。
・『患者を治すことができない医師たち いずれ透析になるであろう患者さんを前に、医師がギリギリまで告げずにいるのには理由があります。自分では治せないからです。そして、今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです。 早くから患者さんに伝えれば、「なんとかしてください」と頼まれてしまいます。でも、治す方法を知らないからそれはできない。患者さんの願いに応えられないというのは、医師としてとても辛いのです。 白状しましょう。かつての私自身がそうでした』、「今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです」、多くの「医師が」そんなに不勉強だとは驚きだ。
・『本当に重要なのは「尿アルブミン検査」  私がまだ、母校の北海道大学付属病院で働いていた30年以上前のことです。北大病院には北海道各地から治療の難しい患者さんが集まってきていて、糖尿病の場合も同様でした。 当時の私は、合併症の腎症の怖さはわかっていたものの、血清クレアチニン値にばかり気を取られていました。そして、患者さんの血清クレアチニン値に異常が出ると、尊敬する腎臓病専門医に紹介状を書いていました。 すると、あるとき、その先生からこう言われたのです。 「牧田君は、患者さんの血清クレアチニン値に異常が出たら、『腎臓が少し悪くなり始めたくらい』と思って僕に紹介状を書いているでしょう。ほかの糖尿病専門医もみんなそうですけど、それは大きな間違いです。血清クレアチニン値に異常が出たらもう手遅れで、腎不全を起こしていて数年で透析に入るしかないんです。そうではなく、もっと早く紹介してくれれば治せるんです。尿アルブミンの検査をして、数値が300を超えたらすぐに紹介してください」 このとき私は、はじめて尿アルブミン値を把握することの重要性を知りました。』、「尿アルブミン検査」の重要性はどの程度の「医者」が認識しているのだろうか。
・『血圧の薬で腎臓病が良くなる?  そして、それ以来、この尿アルブミン検査で異常値が出たときの治療法を懸命に探しました。 すると、2007年に、テルミサルタンという血圧の薬を使うと軽症の腎臓病は治るということがわかりました。しかも、この研究では、血圧が正常で腎臓の悪い患者さんにも投与されて効果が認められました。 すなわち、テルミサルタンは血圧を下げるだけでなく、血圧に無関係に腎臓を良くする素晴らしい効果があることがわかったのです(Diabetes Care 2007;30:1577-1578)。 さらに、2012年頃からアメリカやヨーロッパで、スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました。それまで、この薬はカリウムという成分が体内で増える副作用があり、腎臓が悪い人には使わないようにといわれていたのです。 最初は私も半信半疑で、恐る恐る使ってみました。すると驚くことに、かなり悪化していた患者さんの腎臓が劇的に良くなりました。本来、尿アルブミン値は30を超えたら治療が必要なところ、なんと、2000を超えて人工透析が避けられなかったはずの患者さんの数値がほぼ正常にまで改善したのです。 こうした知見を私に与えてくれた先輩や世界中の研究者、そして一緒に闘ってくれている患者さんたちのおかげで、今の私は、「もう透析しかありません」とさじを投げられた人たちを救うことができるようになりました』、「スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました」、医療技術の進歩はまさに日進月歩なようだ。
・『行きつけのクリニックで簡単にできる検査  私が「自分の患者さんを透析にだけはさせない」というモットーを貫き通すことができるようになったのも、こうした医学の進歩があってのことです。 だからこそ私は、今も血清クレアチニン値で判断している医療現場や、それによって慢性腎臓病を悪化させている患者さんたちに対し、「一人でも多くの人を透析から救えるように本当のことを知ってください」と呼びかけずにはいられないのです。 とくに高血圧、糖尿病、コレステロール高値などで通院中の方は、慢性腎臓病になりやすいので、いますぐにでも「尿アルブミン」検査を行ってください。 行きつけのクリニックでいいので、「尿アルブミン検査を受けたい」と相談してください。尿を採って検査機関に回すだけですから、この検査は本来どんなクリニックでも可能です。 ただ、この検査のことをよく知らない医師が多く、依頼してもやってくれないことがあるかもしれません。そのときはクリニックを変えてでも検査を受けてください。自分の体を守るには、みずから動くことがとても重要です。 この検査は保険がきき、3割負担の方なら、検査費用だけなら300円程度で可能です。 尿アルブミン検査の結果と、血清クレアチニン検査から求める「eGFR」という指標の2つがあれば、あなたは一生涯人工透析にならないための治療を早めに、かつ、適切なやり方で行うことができます。 拙著『医者が教える最強の解毒術』でさらに詳しく説明していますので、こちらもご参照いただき、ご自身の体を守る行動を起こしていただきたいと切に願っています』、人間ドック学会などしかるべき学会などを通じて、広く周知徹底してほらいたいものだ。

第三に、7月15日付けデイリー新潮「がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/07191056/?all=1
・『主治医から見放されたがん患者にとって、希望の光となるか。昨年、保険適用され、治療がスタートした「光免疫療法」。施術を受けた患者の腫瘍は縮小した? 既に治療が開始された病院とは? 画期的療法の取材を続けるライター・芹澤健介氏が、現状をレポートした。 昨年9月、世界に先駆けて日本で承認された「光免疫療法」。現在は世界各国で臨床試験が進むのと並行して、国内の複数の施設で治療も始まっている。 開発したのは、米国立衛生研究所(NIH)で主任研究員を務める小林久隆氏(59)。いまや世界中から注目を集める医学者だ。 「一研究者として小林先生を心から尊敬しています」 と言うのは、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(58)である。 「最初に光免疫療法のアメリカでの治験結果を見せてもらったとき、僕は本当にびっくり仰天したんです。『がんにこれほど効く治療法ができたのか』って。今後、いろんながんに効くということが実証されていったら、ノーベル賞受賞も十分ありえると思います」 光免疫療法は、その名の通り、「光」でがんを攻撃すると同時に、患者自身の「免疫」で防御力を高める最新の治療法だ。 がんを攻撃する際に使われるのは、テレビのリモコンなどにも利用される日常的な「近赤外線」。出力はそれほど高くないので、実際に治療で使う光に直接手をかざしても熱くはない。 特殊なのは同時に使われる「アキャルックス」という薬剤のほうである。少し専門的な説明になるが、「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす。バイオベンチャーの楽天メディカルが製造販売を行う新薬だ。この薬も近赤外線も人体への影響は限定的だが、作用の仕組みは非常にダイナミックである。 まずは患者に点滴でこの薬剤を投与。薬剤ががん細胞に行き渡った時点で患部に近赤外線を当てる。その瞬間、薬剤の分子構造が変化し、がん細胞表面に約1万個もの傷がつく。そして、イオン濃度の差で周囲の水が細胞内へ一気に入り込むと、がん細胞が水風船のように膨れて破裂するのだ。ちょうど一つ一つのがん細胞にナノサイズの超小型爆薬を仕掛けて、スイッチオンで根こそぎ破壊していくようなイメージである。この時点で周囲の正常細胞はいっさい傷つけていない。 だが、これだけでは終わらない。マウス実験では、がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチすることが確認されている。残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動するのだ。また、驚くべきことに、同様にマウス実験にはなるが、同じがん種の再発を防ぐワクチン効果もあるという。 つまり、光免疫療法は、がんに対する「矛」と「盾」を兼ね備えた画期的な治療法なのだ。 開発者の小林氏が言う。 「光免疫療法の最大のメリットは、既存の治療法に比べて副作用が格段に少ない点です。周囲の正常細胞にはほとんど影響をおよぼさず、がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどないというわけです」 現在は、一部の頭頸部がんのみが保険診療の対象となっているが、小林氏は「近い将来には8割から9割の固形がん(白血病などの血液のがん以外の、臓器や組織で腫瘍を作るがん)に適用されるはず」と見込む。もしその通りになれば、光免疫療法はがん医療の未来とがん患者の運命を大きく変える稀代のゲームチェンジャーとなる』、「「アキャルックス」という薬剤・・・「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす」、「がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチ・・・残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動」、「がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどない」、理想的な効き方のようだ。
・『自殺率の高いがん  承認されたばかりの新療法。現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ。つまり、かなり病状の進んだ〈ステージIII〉か〈ステージIV〉の頭頸部がんである。 頭頸部がんというのは、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん、舌がんなど、顔や首にできるがんの総称だ(脳腫瘍や眼球のがんは除く)。がん全体の中では約5%に過ぎないが、首から下にできるがんとは大きく違う点があるという。 自らも舌がんを克服し、「頭頸部がん患者友の会」の代表理事を務める佐野敏夫さん(75)は、頭頸部がん治療の問題点を指摘する。 「頭頸部がんは、治った後も問題が多いんです。大きな手術をすれば顔が歪んだり、変形してしまうこともある。手術痕についても、首から下のがんなら服で覆えますが、頭頸部の場合は隠しづらい。その結果、引きこもりや鬱になる人もいる。他のがんと比べて自殺率も高いんです」 後遺症にも悩まされる。
「私は手術で舌を切除して、5分の1程度しか残ってないので、味もよくわからない。発音も不明瞭になりました。ノドのがんになれば、声を失う可能性もある」 佐野さんは4回におよぶ口腔手術で唾液腺も切除している。そのため、唾液が出ず、食べ物をうまく飲み込めない。10年以上流動食の生活だという。 「また放射線治療の影響だと思いますが、10年経って骨髄炎を発症しました。そのために12本も歯を抜いて、顎に肩甲骨を移植する大手術を受けました。もし、当時、光免疫療法を受けていたら、術後の経過も現在とは違うものになっていたかもしれません」』、「現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ」、「他のがんと比べて自殺率も高い」、こうした難しいがんが対象ということは希望の星のようだ。
・『ピンポン玉が梅干し大に  繰り返すが、現在、光免疫療法の施術対象となっている「一部の頭頚部がん」は、「他の臓器や組織に遠隔転移をしていない局所進行および再発の頭頸部がん」に限られている。他に治療法がなく、大血管への癒着がないなどの付帯条件もあり、まだまだ対象者が少ないのが実情である。治療が開始されてから半年を経るが、6月中旬の時点で、患者は全国でわずか10人ほどにとどまっている。 治療を行う施設は国内で19箇所以上が登録されているが(掲載の表)、先行して治療が行われたのは、「国立がん研究センター東病院(千葉)」「東京医科大学病院」「愛知県がんセンター病院」「神戸大学医学部附属病院」の4施設。 そのうち、国立がん研究センター東病院で治療を受けた2人は、口腔がんが再発した50代男性と中咽頭がんが再発した50代女性。2人とも施術の後にがんの縮小が確認され、現在は経過をみているという。 東京医科大学病院では、喉頭がんの70代男性を施術した。担当した塚原清彰耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任教授(47)に話を聞いた。 塚原氏はこれまで3千例を超える頭頸部腫瘍手術を行ってきたベテラン外科医だ。かなり早い段階から臨床現場に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入するなど先進的な考えを持った医師でもあり、常にがん患者のためによりよい治療法を探してきた。 「光免疫療法の話は学会でも昨年ぐらいから頻繁に聞くようになってきて、うちの病院でもぜひ導入しようという話になりました」 担当の患者のがんは、原発巣の咽頭(ノドの奥)から顎下リンパ節に転移しており、すでにリンパ節外にも浸潤(周囲の組織を破壊しながらがんが広がること)していた。一般的な分類で言えば〈ステージIV〉。もうその先は厳しいというぎりぎりの段階だった。 「顎の下に転移した腫瘍はピンポン玉ほどの大きさがあって、半分ほどがノドの皮膚を突き破って剥き出しになっている状態でした」 塚原氏が患者に「光免疫療法という新しい治療法が使えそうだ」と伝えると、「ぜひ受けてみたい」と同意を得た。 「施術の前日にこの薬剤を投与して、当日は直射日光が当たらないように布団をかぶってもらってオペ室に運びました」 光免疫療法を施術する医師たちは、レーザー光から目を守るために濃緑のレンズのゴーグルをかける。今回の症例では、患部に直径1ミリの光ファイバーを数本刺し、50ジュールという規定の出力で近赤外線を約4分照射した。 「施術を開始すると、腫瘍部分から発光しているように感じました。腫瘍は、場合によっては一晩でポロッと取れることもあるそうですが、私が診た患者さんの場合は、むしろ翌日にはあまり変化がありませんでした。4日後に顔の腫れがあって、その後、腫れが引くのと同時に腫瘍も縮小した感じですね。ピンポン玉大だった腫瘍は、1回の照射で梅干し大にまで小さくなりました」 従来の手術や抗がん剤、放射線療法などの“三大療法”とは違って、「光免疫療法は患者さんの負担が少ないことを実感しています」と塚原氏は言う。 「たとえば、今回の患者さんが手術を選択すると、腫瘍を切除すると同時に、欠損部分を埋めるために肩などから筋肉を移植する手術も必要になるんです。そのため合計で7時間程度はかかってしまう」 しかし、光免疫療法なら全身麻酔の導入を含めて1時間程度で済む。患者の肉体的、精神的な負担は軽い。 「施術後も数日間は直射日光を避ける必要がありますが、集中治療室に入ることもなく、翌日にはご飯も普通に食べていました。ですからご本人もすごく喜んで、『もう少し(腫瘍を)小さくしたいね』ということで、6週間後に再び施術を行いました。2回目は腫瘍の中と腫瘍表面に光を当てる方法を併用しました」 この患者のがんは2回目の施術でも完全には消え去らなかったが、塚原氏は光免疫療法を導入してよかったと考えている。 「まだ1例目ですので、今後も経過を見て検証していく必要はあります。ですが、『臨床現場での選択肢が増えた』『がんを倒す武器がひとつ増えた』というのが正直な実感です。将来的には放射線治療を回避するために光免疫療法が使えるようになればいいと思いますし、早期のがんについても適用されればいいなと思います。そうなればどんどんやっていきたいですね」 光免疫療法への注目度は国内外で日増しに高まってきている。NHKの国際放送も海外向けの医療番組(「Medical Frontiers」)で特集を組んだ。その中で、再発した口腔がんに光免疫療法を施術した男性患者はこう言った。 「(光免疫療法は)まさしく僕が望んでいる治療法だなと感じました」』、従来の方法で」は「7時間程度」かかったのが、「1時間程度で済む」、ので「患者の肉体的、精神的な負担は軽い」。
・『現場から改善  光免疫療法は、これまでの“三大療法”やオプジーボなどの免疫療法に次ぐ“第五のがん治療法”になると期待されている。 だが“開発段階”から実際の“医療”へと移行するのは、そうたやすいことではない。光免疫療法の治験にも関わるある医師に言わせれば、「仮に2万マイルを飛ぶ高性能な飛行機が作れたとしても、目的地に辿り着くまでは最後の1マイルであっても気を抜けない」のだ。 愛知県がんセンターの頭頸部外科部長、花井信広医師(51)も「治験や治療は慎重に進めていく必要があります」と気を引き締める。 「でもせっかく保険診療で行えるようになったので、今後は、早期の症例や別の部位まで適用拡大されていくのが希望です。そのために現場から提案して改善していきたいところもある」 たとえば、近赤外線の照射装置。喉仏の骨の裏側など、どうしても光が届きにくい場所があるので、光ファイバーの形状にもバリエーションが欲しいと言う。 「それから、光免疫療法に関する正確な情報も広めていきたいですね。これはまだ一般にはあまり知られていない情報ですが、施術後にかなり痛がる患者さんもいます。中にはほとんど痛みを感じない人もいますが、がん細胞だけが無痛でスルリと取れるわけではないということです」 また、同じ頭頸部がんでも光免疫療法があまり効かないがんもあるという。 「そもそもこの薬剤アキャルックスがターゲットにしているのは、がん細胞表面に出ているEGFR(上皮成長因子受容体)というがんの増殖に関わるタンパク質なんですね」 そのタンパク質を目印(抗原)にして、この薬剤を構成する抗体がカギとカギ穴のようにぴったり結合する仕組みだ。 EGFRは、頭頸部がんの典型的な組織型である「扁平上皮がん」においては90%以上の発現率が認められる。だが、同じ頭頸部の領域でも組織型が違う「甲状腺がん」での発現率はそれほど高くない。そのため、現在、「甲状腺がん」は光免疫療法の一般的な治療対象とは認識されていない。 「つまり、薬剤が結合しないがん細胞には光免疫療法は効きません。逆に言えば、EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている。 開発者の小林氏は言う。 「その他、この薬剤はEGFRを多く発現している『子宮頸がん』や、トリプルネガティブと呼ばれる、これまで治療が難しかったタイプの『乳がん』にも有効だと考えられています」 続けて、 「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」 今後はさらに、対象者の多い大腸がんや生存率の低い膵臓(すいぞう)がんなどの抗原をターゲットにした第二、第三の新薬の開発が待たれるところだ。 そのため、研究をさらに加速させる拠点として、来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する』、「EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている」、「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」、「来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する」、今後が楽しみだ。
・『多額の私財を投入  光免疫療法の開発には、小林氏を筆頭に多くのがん研究者や医師が関わっている。だが、資金面で最大の援助をしてきたのは、実父のがんをきっかけに小林氏と出会ったという楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入している。 三木谷氏が言う。 「私が小林先生と出会ったのは2013年。まだマウスの実験しかしていない頃でした。『あれから8年でよくここまで来た』と評価してくれる人もいますが、個人的にはぜんぜん遅いと思っています。もちろん、人命がかかっていますので慎重にならざるを得ませんが、気持ちとしてはもっとスピードアップさせたい。将来的には、虫歯を治療するみたいに気軽にがんを治せるようにしたいんです」 気軽に、という意味では実際の治療費も気になる。 現在、光免疫療法の費用は薬代だけで約400万円かかる。決して安くはない。だが「高額療養費制度」を使えば、例えば69歳以下の自己負担の月額上限は、年収により3・5万円から高くても30万円程度となる。年収が500万円程度の人なら13万7千円ほどだ。医療の進歩により国庫がパンクしかねないという懸念もあるが、今後、適用拡大等により、政府が定めた基準以上の市場規模になれば、薬価がもっと下がっていく可能性もあるだろう。 今もっとも懸念されるのは、「光免疫療法」という言葉が一人歩きを始めていることかもしれない。 がん患者やその家族は、一日千秋の思いで光免疫療法の適用拡大を待っている。だが、研究の最前線に立つ小林氏は「現時点では、自分が受けられる標準治療を優先してください」と念を押す。がんに立ち向かうには今受けられるベストな治療を選択することだ。 しかし、ネットで検索すれば、患者の気持ちを弄(もてあそ)ぶかのように、「光免疫療法」を標榜するクリニックのサイトが数多くヒットする。しっかり頭に入れておいてほしいのは、現時点では、掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである。 このあたりの情報整理の今後の旗振り役は、光免疫療法に関するライセンスを独占的に有している楽天メディカルにも期待したい。 光免疫療法は多くの可能性を秘めた治療法である。今後、対応できるがん種が次々と拡大されていけば、医師や病院からも見放されてしまったような“がん難民”にとっても大きな希望の光となるに違いない。 現在は、日本に続き、アメリカ、台湾などの国々で臨床試験が進んでいる。光免疫療法を待ち望む人たちが世界中にいる』、「楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入」、なかなか感心な活動だ。「掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである」、こうした「“ニセモノ”」には大いに気を付けつつ、今後の展開を注目したい。
タグ:医療問題 PRESIDENT ONLINE 牧田善二 デイリー新潮 (その32)(「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった、ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』、がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は) 亀廣 聡 「「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名" 「薬のせいで病気」という状態だった」 「抑うつ状態を示す病気は次の6種類程度に分類」、「抗うつ薬が効くのはこの中の「大うつ病(うつ病)」だけです。 しかし、抑うつ状態を訴える患者さんに対し、その状態だけにフォーカスしてうつ病と診断し、抗うつ薬を処方するケースが非常に多いのです」、そんなに安易に「抗うつ薬」が「処方」されているとは、初めて知った 「1日に30~40人という多くの患者さんを、1人当たり15分程度の短時間で「うつです」と診断し、すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニックもあります」、「患者さんの方も、うつ病の診断書をもらい薬を処方されるとある意味で安心し、納得します。 うつ病ではないのに抗うつ薬を飲み続ける。しかし当然ながら効果はなく、副作用に苦しむことになる。こうして、治療が長期化するケースが多発」、 「すぐに抗うつ薬や睡眠薬を処方するクリニック」は許し難いが、こうした悪質な医者を排除するには健保組合での保険診療のチェックだけでは、実効性が期待し難いようだ。 「会社員のBさんのケース」、「合計10種類以上の薬を飲みながら仕事を続けていたのです。 これは通常あり得ないことで、薬のせいで病気になっているような状態です。生きているのが不思議、といってもいいくらいです・・・何年も、休職と復職を繰り返していました」、ここまで酷いと、本来は医療過誤による傷害罪に問いたいところだ。 「セカンドオピニオン」を出した「近くの大学病院」の医者もいい加減だったようだ。 「睡眠薬や抗不安薬、一部の抗うつ薬を中止すると「離脱症状」が生じます・・・Bさんにも、異常な発汗、手や体幹の震え、強い不安やイライラが生じました。イライラが私に向かい、「薬を飲んでいる方が楽だ!」と責められる日々がしばらく続きましたが、その都度、すでに回復してきた部分に目を向けさせ、勇気づけ、励まし、なんとか離脱症状の波を乗り越えました」、こんな「離脱症状」があるとは初めて知った。 「問題なのは、これらの診断名は、患者の表層的な症状と行動だけをとらえてそう表しているだけで、根本的な問題が明らかになっていないことです。メンタル不調で現れる多くの症状の根本には、双極性障害による混合状態が隠れています。そこに目を向けずに、さまざまな病名で診断され、薬を出され、長期間苦しみながら病気と戦っている人が非常に多いのです」、精神科の診断もやはり難しいものだ。 「信頼できる医師」探しは、重要ではあるが、簡単ではなさそうだ。 「ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、高血糖、高コレステロールの人が知らない『あるリスク』」 いきなり「「透析専門の病を紹介します」などと言われたら、誰しも腰を抜かすほど驚く筈だ。 「Aさんの主治医が指標にしていた「血清クレアチニン値」では、慢性腎臓病を早期に発見することはできないのです」、こんなことがあり得るとは、驚かされた。医者の不勉強のつけを患者が払わされるとは酷いものだ。 「腎臓が悪くなって透析が避けられなくなると、血糖コントロールがかえって良くなるなんて皮肉な話です」、確かにその通りだ。 「透析に入った患者さんの5年生存率は60%」、こんなに低いのであれば、確かに「透析に入らないで済む段階での治療が望まれる」。 「血清クレアチニン値を追っていても「徐々に」はキャッチできません。ここが問題なのです」、もっとよく「キャッチ」できるのは後述の「尿アルブミン検査」のようだ。 「今は医学が進んで、実際にはかなり腎臓病が悪化しても治せるようになったということを、あなたを担当するかもしれない医師の多くが知らないのです」、多くの「医師が」そんなに不勉強だとは驚きだ。 「尿アルブミン検査」の重要性はどの程度の「医者」が認識しているのだろうか。 「スピロノラクトンという薬を上手に使うとかなり重症の腎臓病も治るという、今までの常識を根底から覆すような研究発表がなされました」、医療技術の進歩はまさに日進月歩なようだ。 人間ドック学会などしかるべき学会などを通じて、広く周知徹底してほらいたいものだ。 「がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は」 「「アキャルックス」という薬剤・・・「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす」 「がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチ・・・残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動」、「がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどない」、理想的な効き方のようだ。 「現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ」、「他のがんと比べて自殺率も高い」、こうした難しいがんが対象ということは希望の星のようだ。 従来の方法で」は「7時間程度」かかったのが、「1時間程度で済む」、ので「患者の肉体的、精神的な負担は軽い」 「EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている」、「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」、「来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する」、今後が楽しみだ。 「楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入」、なかなか感心な活動だ。「掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである」、こうした「“ニセモノ”」には大いに気を付けつつ、今後の展開を注目したい。
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