金融関連の詐欺的事件(その13)(【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編、「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾、スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」) [金融]
金融関連の詐欺的事件については、4月14日に取上げた。今日は、(その13)(【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編、「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾、スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」)である。
先ずは、8月8日付け現代ビジネスが掲載した編集者・ライター・昭和文化研究家のミゾロギ・ダイスケ氏による「【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編 」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/98216?imp=0
・『戦後の高度経済成長期以降、無数の前例があるにもかかわらず、被害者を出し続けている不思議な詐欺の手口がある。「M資金詐欺」である。この詐欺の類型では、大企業の経営者や多くの資産を有する実業家などが被害に遭っている。「M資金詐欺」とはどんなものか? なぜ、被害が後をたたないのだろうか? (※事件発生当時の朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、週刊文春などの報道をもとに構成しています。またわかりやすさの観点から、当時の紙面・誌面を平易な文章に修正している箇所があります)』、いまだに「M資金詐欺」類似の事件が起きていることから、元祖の事件を振り返ることにも意義が大きい。
・『「存在が証明されたことがない」謎の資金 終戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が日本で接収した莫大な資産をもとに秘密裏に運用され続けている「M資金」と呼ばれる資金がある……。 一般的な「M資金詐欺」は、上記を前提とした詐欺である。 ただし、M資金について、日本政府が公式に言及したことや、司法機関やメディアなどが存在を立証したことは1度もない。つまり、一種の都市伝説である可能性も高いのだ。 一方で、GHQの水面下での動きは謎の部分も多く、その背景がM資金に「あってもおかしくない」と思わせる妙なリアリティを与えていた。 なお、M資金の「M」は、GHQ経済科学局・局長のウィリアム・マーカットの頭文字だとされるが、ダグラス・マッカーサー(GHQ最高司令官)、フリーメイソン (またはフリーメイソンリー) 、MSA協定(日米相互防衛援助協定)などの頭文字だという説も存在する。もっとも、存在しなければ名称の由来を探ること自体が無意味だ。 他方、一部には「M資金は存在する(した)」と主張する声もあるが、その点については深追いしないこととする。なぜなら、本稿の主題であるM資金詐欺において、これから明らかにするようにM資金の存否は「重要ではない」からである』、「M資金の存否は「重要ではない」」のは何故だろうか。
・『「 M資金詐欺」の典型的な手口 M資金詐欺において、主なターゲットとされるのは、経営者、事業家など普段から大金を動かしている人たちである。詐欺師は、そうした人々の「自尊心」や「山っ気」を絶妙に刺激する。そのベーシックなシナリオは以下のようなものだ。 まず、国家の中枢部に近い立場にあると自称する人物(詐欺師)が面会を求めてくる。そして、「実はM資金と呼ばれる巨大な秘密資金がある。選ばれたごく一部の人しかその存在を知らない。あなたは、その一人に選ばれたので、M資金のなかから多額の融資を受けられる」といった旨が説明され、他言無用であることが強調される。 「社会に役立てるための融資である」といった理由で、無利子、無担保、返済義務ナシなど通常ではありえない条件が示されることもある。また、これまでに資金を託された企業や人物などのリスト(ニセモノ)、資金の存在を証明する公的書類(ニセモノ)、詐欺師と要人(ホンモノ)とのツーショット写真などを見せられ、別の地位の高い人物(ニセモノ)との対面などもセッティングされる。 こうした演出によりすっかり信じ切った被害者は、「自分は選ばれし特別な人間である」といった優越感に酔いつつ、巨額融資によるメリットに浮足立つ。そうなれば、詐欺師の思うつぼだ。融資の前提として、手数料、紹介料といった名目で金銭の振り込みを請求するのだ。 何十億円、何百億円の融資を受けられると信じ込んだ人は百万円単位、千万円単位の金などチップに過ぎないと感じるのか、被害者が求められた金額を指定口座に振り込んでしまう。着金を確認した詐欺師が以後、連絡を断つのはいうまでもない』、「無利子、無担保、返済義務ナシ」というあり得ないような好条件で、「何十億円、何百億円の融資を受けられる」のであれば、「手数料、紹介料」の「百万円単位、千万円単位の金などチップに過ぎないと感じるのか、被害者が求められた金額を指定口座に振り込んでしまう」、欲の皮が突っ張ると、常識的判断など吹っ飛んでしまうのだろう。
・『詐欺師にとって重要なことは? 「M資金詐欺において、M資金の存否は“重要ではない”」と前述したが、それは、原則的に詐欺師には最初から融資を斡旋するつもりがないので、M資金が存在しなくても目的(金銭の詐取)に影響がないからである。 また、相手に“巨大な資金から多額の融資が受けられる”と思い込ませることができれば、資金の名称がM資金である必要もない。実際に、他名称の架空資金をネタに同じような詐欺を働いた手合いもいるし、「M資金はインチキだが、この●●資金は実在する」といったロジックを用いた詐欺師もいた。 ただし、M資金をネタにした詐欺犯罪の事例が多かったこともあり、巨大資金から多額の融資をもちかけ、金銭を騙し取る犯罪行為そのものを「M資金詐欺」と総称することがあるのだ。ここからは、事件当時の報道をもとに、「M資金詐欺」のアウトラインをなぞってみよう』、「M資金の存否は“重要ではない”」と前述したが、それは、原則的に詐欺師には最初から融資を斡旋するつもりがないので、M資金が存在しなくても目的(金銭の詐取)に影響がないからである」、なるほど。「「M資金詐欺」のアウトライン」とは興味深そうだ。
・『「元首相の親族」を名乗る 「またM資金サギ 融資話で1億5千万円」(朝日新聞1980年1月21日付夕刊) まずは、“正統派”ともいえるM資金詐欺の例から紹介しよう。経営難から融資を求めていた経営者に「M資金から3億円を融資できる」ともちかけ、380万円を「運動資金」としてだまし取っていた金融ブローカー・岩谷建蔵(57=仮名)が逮捕された。 「岩谷はこのほか都内の十社や群馬、九州の小企業主から計一億五千万円をだまし取っていた」(同上) 容疑者の岩谷は中小企業経営者の前に高級外国車に乗って現れ、「アメリカ大使館の嘱託顧問」を名乗ったり、元首相夫人の親戚だと吹聴したりしたという。インターネットのない時代、被害者はそうした怪しいプロフィールを容易に確認する術はなかったのだ』、現在では、「そうした怪しいプロフィール」は、インターネットで「容易に確認」できる。
・『「M資金で1億円詐取 組員ら三人を逮捕」(朝日新聞1978年11月6日付夕刊) M資金の噂は反社会勢力にも利用された。 警視庁組織暴力犯罪取締本部と本富士署は六日までに、詐欺会社を作り、『M資金、CIAやオイルダラーの資金を融資してやる』『おたくの銀行に数億円を預金してやる』などうそをついて企業や銀行から謝礼金などの名目で総額一億一千万円だまし取った暴力団関係者の三人を逮捕した」(同上) 「オイルダラー」とは一般的には産油国がドルで蓄積した資金を指す言葉であり、M資金とはまったく筋が違うものだ。また、CIAと関連性があるものでもない。繰り返しになるが、詐欺師にとって資金の存否や名称はどうでもいいことなのだ。このケースでは、騙されたというより、脅し取られたというニュアンスが近い可能性も考えられるが、言われるままに金を払った人たちが何人もいたのは紛れもない事実なのである』、「言われるままに金を払った人たちが何人もいたのは紛れもない事実」、現在の資金余剰の時代とは異なり、かつては、資金不足時代だったことも背景にある。
・『「『M資金』に前社長念書 詐欺師の小道具に」(朝日新聞1983年4月26日付朝刊) メーカーの経営者・中田信三氏(59=仮名)が架空の資金からの200億円もの融資話に乗り、融資の念書にサイン・捺印をした。詐欺師は中田氏から手数料を騙し取ったとともに、中田氏のサイン入り念書を別の経営者2名を同様に騙す小道具に利用し、そこでも金銭を詐取している。 「二人とも中田氏の社会的地位から、この念書にある二百億円の支払いを信じて疑わなかった、という」(同上) 犯人は、他にも同様の手口で各地の経営者、事業家などにM資金詐欺を働き、被害額は数千万円単位に及んだとされる』、「中田氏のサイン入り念書を別の経営者2名を同様に騙す小道具に利用し、そこでも金銭を詐取している」、「中田氏」の責任は重大だ。
・『大企業をゆるがす大スキャンダルになった例も この事件のように、「M資金からの融資」を前提とした念書が、大企業を揺ゆるがすスキャンダルに発展したこともある。1969年、当時の全日本空輸(以下:全日空)の中野富士夫社長(仮名)のもとに、「M資金という資金が眠っているが、管理者はそれを有効活用したがっている。全日空と連名でこれを利用したい」といった旨の申し出があった。 「話を持ち込んできたのは佐藤博志(仮名)という元代議士で、彼にはレッキとした紹介者がいた。現職運輸大臣牧田仁代議士(仮名)と、前運輸大臣の小岩英二代議士(仮名)(役職はいずれも当時)。中野氏は、この二枚の名刺にすっかり心を動かされてしまったらしい」(週刊文春1976年3月11日号) 中野社長は「借受け保証念書」に社長印を押して振込先口座を指定。ところが、その口座に金が振り込まれることはなかった。通常のM資金詐欺と異なるのは、佐藤元代議士が手数料などを求めなかったことだ。つまり、全日空側は1円も損をしなかった。ただし、件の念書のコピーが出回り、のちに大問題となった。 「中野氏が念書に、全日空社長印を使っていたのが、致命的だった。株主総会で、『社長の経営責任』を追及された中野氏は就任後1年あまりで社長のポストを投げ出した」(同上) 実は、融資を持ちかけた佐藤元代議士は、落選後、詐欺行為で複数回の逮捕歴のある曰く付きの人物だ。中野社長がそのことを把握していたかどうかは不明だが、元代議士という肩書、2名の現役代議士の紹介は佐藤元代議士を信用するに十分な要素となったのかもしれない。なお、当該の代議士2名は後日、この件について「記憶にない」「(紹介状を書いたが)内容については知らない」と深いつながりを否定した』、「全日空側は1円も損をしなかった」とはいえ、「件の念書のコピーが出回り、のちに大問題となった」、「元代議士という肩書、2名の現役代議士の紹介は佐藤元代議士を信用するに十分な要素となったのかもしれない」、政治家は気易く「紹介」したりするので、それを信じたとすれば、「中野」氏の完全な手落ちだ。
・『ロッキード事件が関連…? では、佐藤元代議士の目的は? 当時のマスメディアの多くは、戦後史に残る疑獄事件「ロッキード事件」につながった中野社長の社会的な信頼失墜が目的だったのではないかという見方をしている。 「ロッキード事件」とは、アメリカの航空機メーカー「ロッキード」社による主に同社の旅客機「トライスター」の受注を目的とした世界規模の汚職事件である。中野社長が在任当時、全日空はロッキード社のライバルであるダグラス社の航空機の購入する方針を固めていた。ところが……。 「中野氏在任当時は、考えられもしなかったトライスターが上昇してくる」(同上) その後、全日空のトライスター導入は現実のものとなるのだ。結局、ロッキード事件にまつわる数々の謎や疑惑はクリアになることはなく、全日空に対するM資金融資騒動は真相が明らかになることはなかった。ただ、いずれにしてもなんらかの思惑のためにM資金の名前が利用されたことは間違いないだろう。 全日空の一件を経て、M資金はそれまで以上に要注意ワードとして広く認識された。しかし、しばらくすると、今度はテレビドラマに主演する人気俳優がM資金詐欺の被害者となったことで世間はざわつくことになる。後編<超有名ドラマの主演人気俳優を死に追いやった「M資金詐欺」の暗部がヤバすぎる>では、引き続き、各時代の報道をもとにM資金詐欺について迫ってみたい』、「中野社長が在任当時、全日空はロッキード社のライバルであるダグラス社の航空機の購入する方針を固めていた」、事件後、「全日空のトライスター導入は現実のものとなる」、とすれば、「事件」は「ダグラス社」側が仕掛けた可能性も否定できない。こんな裏面があったとは、初めて知った。
次に、7月7日付けRKBオンライン「「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾」を紹介しよう。
https://rkb.jp/news-rkb/202207072282/
・『先月、「投資用マンション」の購入をめぐりトラブルに巻き込まれたと訴える福岡市の男性会社員を紹介しました。この男性と同様に静岡県に本社を置く「スルガ銀行」から返済不可能な額のローンを組まされたと訴えている人は、全国で400人以上に上っています。 被害を訴える男性「融資額は6億なんですね。どうせ融資が下りないと思ってたんですよ。サラリーマンで6億円の融資ってありえないじゃないですか、常識的に。僕の資産の改ざんがあって、通帳やら源泉徴収とか。もう一つは家賃の改ざん。レントロール(家賃明細表)を改ざんして割り出した。6億7千万。実際は3~4億の物件を高値づかみをさせている」 今年4月、福岡市のJR博多駅近くの公園に集まった人たち。職業や住んでいる場所は異なりますが、みな投資用のアパート・マンションのオーナーです。スルガ銀行の不正融資により、本来は買えるはずもなかった物件を不当に高い価格で購入することになったと訴えています』、「サラリーマンで6億円の融資ってありえないじゃないですか、常識的に。僕の資産の改ざんがあって、通帳やら源泉徴収とか。もう一つは家賃の改ざん。レントロール(家賃明細表)を改ざんして割り出した。6億7千万。実際は3~4億の物件を高値づかみをさせている」、書類を「改ざん」したとはやはり悪どい。
・『立ち上がった被害者 冨谷皐介さん「多くの方が銀行、公的機関である金融機関が、詐欺・不正をはたらくなんて思うわけないんです。そういう世間の期待を裏切って不正をはたらいていたのがスルガ銀行なんです」 消費者問題の被害者を救済・サポートをする社団法人の代表・冨谷皐介さん。「スルガ銀行から不正な融資を受けた」と訴える投資用アパートやマンションのオーナーたちが結成した「スルガ銀行不正融資被害者同盟」の支援を続けています。 冨谷皐介さん「みんなで一斉に日にちを決めて、集まって困っているという窮状を、嵯峨社長に見せたいんです」) 冨谷さん自身も6年前、スルガ銀行でローンを組むことを条件に、東京都内のシェアハウス「かぼちゃの馬車」1棟を1億9000万円で購入した、元被害者です。 家賃収入が一度も入らないまま、シェアハウスの運営会社は破綻。借金だけが残り、物件を売却しても数千万円の損失が出る状況から、同じ境遇の購入者とともに被害者同盟を結成した冨谷さんは、スルガ銀行の不正融資を追及し続けました。 その結果、銀行側が不法行為を全面的に認め、物件を手放す代わりに借金を帳消しにして損失を負担することで2020年に和解。地獄の手前から奇跡の生還でした。 冨谷皐介さん「悪いことをしたとシェアハウスの問題を認めたわけですから、『中古1棟アパ-ト・マンション』の問題にも真摯に対応していただきたい」』、「シェアハウス」では、「銀行側が不法行為を全面的に認め、物件を手放す代わりに借金を帳消しにして損失を負担することで2020年に和解」。まさに「奇跡の生還」だ。
・『被害者400人超 ローン総額は1000億円超 冨谷さんが支援する「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、国の内外に438人。メンバーがスルガ銀行から借りたローンの総額は、1051億円にも上ります。 被害者同盟のメンバー「レントロールと預金残高。貸せないはずなのに、通帳の改ざん。お金がなくなってしまって、生活を養えなくなって、それで離婚しました」 「みんなここにいる人たちは、死を覚悟したり。銀行が私利私欲のために改ざんなんかしないでまともな業務を行っていれば、私たちも今ここに立っていなくてすみますし。憎しみしかないです」 「私と同じように、スルガ銀行の返済に1人で悩み、家族を残して自殺をした同僚もいます」 被害を訴える同盟のメンバーは、「スルガ銀行」に対し、冨谷さんがかつて購入したシェアハウスと同様に、購入した物件と高額なローンとの相殺を求めて調停中です。 果たしてこの調停は、解決に向かっているのか? 50人の弁護士が名を連ねる被害弁護団に話を聞きました。 河合弘之弁護士「不正な売り付け、高値づかみ売り付けと、それに対しての融資という意味では、(シェアハウスと)同じなんです。その手法も、レントロール(家賃明細表)の偽造、預金通帳の偽造、売買契約書の偽造、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部からんでいる」』、「「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、国の内外に438人。メンバーがスルガ銀行から借りたローンの総額は、1051億円」、これらも「不正な売り付け、高値づかみ売り付けと、それに対しての融資という意味では、(シェアハウスと)同じなんです。その手法も、レントロール(家賃明細表)の偽造、預金通帳の偽造、売買契約書の偽造、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部からんでいる」、「シェアハウスと同様に、購入した物件と高額なローンとの相殺を求めて調停中」、まだこんなにあるとは驚かされた。
・『内部資料は「偽造の裏付け」と弁護団 弁護団が「偽造の裏付け」とする資料の数々です。左が、不動産会社から入手した賃貸明細表。右が、融資の際にスルガ銀行に提出された明細表です。同じ平成28年(2016年)3月ですが、空いているはずの部屋がほとんど入居したことになっていて、家賃収入も2倍近く水増しされています。 こちらは、家賃の改ざんです。全ての部屋で、実際の家賃より1万円から2万4000円も上乗せされています。自己資金を示す預金通帳は、38万円ほどの残高が1538万円に、90万円が1090万円に改ざんされています。 実際には払っていない手付金の領収書や、契約した不動産会社とは別の会社の名前が記載された売買契約書もあります。 さらに弁護団は、スルガ銀行の行員と不動産会社の社員とのラインのやりとりも入手していました。 不動産会社の社員から、家賃収入明細表がスルガ銀行の行員に送られています。満室時の家賃は600万円程度、実際の家賃収入は450万円ほどです。この後、訂正分としてすぐにほぼ満室に近い家賃収入が記載された明細表が送られています。 預金通帳の偽造についてとみられるやりとりには、履歴の改ざんの指示と偽装が発覚しないための注意が記されています。) 河合弘之弁護士「スルガ銀行は、すでに非を認めています。非を認めているけれど個別事情が強すぎるから、一括解決はできないと」』、「「スルガ銀行は、すでに非を認めています。非を認めているけれど個別事情が強すぎるから、一括解決はできないと」、個別の交渉では時間がかかりそうだ。
・『株主総会で対決へ 非を認めながらも個別にしか対応ができないとするスルガ銀行に対し、一括での和解を求める「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、次の一手を打ちます。「株主提案権」の行使です。 同盟のメンバーと弁護団は、スルガ銀行の株を4万3800株購入。議案を提出できる3万株以上を保有して10の議案を記載した「株主提案権行使書」をスルガ銀行に提出しました。 (1)4月24日に提出提案書の影ナレ真の経営再建をめざすため嵯峨行介社長の解任を強く求める。 (2)アパートマンション不正融資事件について全く解決していない。迅速に正しい解決をすること 株主総会の約3週間前に、「スルガ銀行」は異例の通知を出します。新型コロナ感染対策を理由に株主総会の出席に抽選を導入し、3万人を超える株主の中で、出席者をわずか206人にとどめる決定をしたのです。 迎えた株主総会当日。会場には、約300人の同盟メンバーが集まりました。撮影・録音が禁止された物々しい雰囲気の中、抽選に当選した70人が会場に入っていきます。 RKB植高貴寛「株主総会の真っただ中なんですが、スルガ銀行の本店の前ではデモ活動が始まっています」 「スルガ銀行は、まっとうな銀行に生まれ変われー!」 「不正があったのは事実なので、早く僕たちのことを助けてほしいです」 「銀行は社会のお金のベースだから、そこに問題があると社会が成長しない。まだ諦めてないです」』、「株主提案権行使書」に対抗して、「新型コロナ感染対策を理由に株主総会の出席に抽選を導入し、3万人を超える株主の中で、出席者をわずか206人にとどめる決定をした・・・迎えた株主総会当日。会場には、約300人の同盟メンバーが集まりました。撮影・録音が禁止された物々しい雰囲気の中、抽選に当選した70人が会場に入っていきます」、総会での模様は第三の記事を参照されたい。
・『「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」 被害弁護団 山口広弁護士「株主総会ではありましたが、実質的には、被害者側が抗議をする、不正融資の早期解決を求める、という発言がほとんどでありました」 弁護団によると、スルガ銀行の嵯峨社長は不正融資の問題について「早期解決を追求します」という発言を繰り返したといいます。しかし、いつまでにどのような形で解決をするかという具体的な質問については、「個別対応で考えている」というこれまで通りの回答にとどまったということです。 河合弘之弁護士「預金通帳偽造を容認した銀行なんて、歴史上ないんですよ。こんなことをして、反省もしないで、被害者の救済もしないで生き延びる銀行があるなんてことは、日本の金融界にとっては大変な禍根を残すことになります。ですから、金融関係者は全員この問題に注目して、『日本の銀行の信用をなくすようなことをするなよ』と言ってほしいですね」』、今後の動向を注視したい。
第三に、10月22日付けNHK NEWS WEB「スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」」を紹介しよう。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20220629/3030016389.html
・『アパートなどの投資用不動産向け融資の書類の改ざんをめぐりオーナー側と交渉を続けているスルガ銀行の株主総会が29日、沼津市で行われ、被害者団体が提出した社長の解任などの議案はすべて否決されました。 総会のあとオーナー側の弁護団が会見し「救済を求める声を経営陣に突きつけたのは意味があった。多くの人が救済されるようにスルガ銀行を説得する」と述べ交渉を継続する方針を示しました。 大規模な不正融資の問題が明らかになったスルガ銀行では、シェアハウスへの融資についてはほぼ解決しましたが、アパートなどの投資用不動産向け融資の書類の改ざんをめぐっては融資で被害を受けたとするオーナー側と交渉が続いています。 29日、沼津市で行われたスルガ銀行の株主総会の会場前には200人以上の人が集まり「不正融資の早期解決を」と書かれた旗を持って救済を訴えていました。 午前10時から始まった株主総会では、株主でもあるオーナー側が提出した嵯峨行介社長の解任や、不正行為の内容の株主への開示などを求める議案の採決が行われましたが、すべて否決されました。 オーナー側の弁護団によりますと株主総会のなかで嵯峨社長は、弁護団が解決を要求している430人あまりおよそ1050億円のアパートやマンションの融資について「不正行為が一部にあったのは確かだが、一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」と述べたということです。 総会のあと弁護団が会見し、弁護士の山口広団長は「被害者株主が救済を求める声を経営陣に突きつけたのは意味があった。多くの人が救済されるようにスルガ銀行を説得する」と述べ交渉を継続する方針を示しました。 総会に参加した株主は、「去年に比べると怒号などはなかったと思います。会社の経営が改善される方向に進んでもらいたいです」と話していました』、「一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」、と「個別案件」ごとの処理では、かなり時間がかからざるを得ないだろう。第二記事にあるように「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」ほど、「スルガ銀行」は悪質極まりない。今後の展開を注目したい。
先ずは、8月8日付け現代ビジネスが掲載した編集者・ライター・昭和文化研究家のミゾロギ・ダイスケ氏による「【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編 」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/98216?imp=0
・『戦後の高度経済成長期以降、無数の前例があるにもかかわらず、被害者を出し続けている不思議な詐欺の手口がある。「M資金詐欺」である。この詐欺の類型では、大企業の経営者や多くの資産を有する実業家などが被害に遭っている。「M資金詐欺」とはどんなものか? なぜ、被害が後をたたないのだろうか? (※事件発生当時の朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、週刊文春などの報道をもとに構成しています。またわかりやすさの観点から、当時の紙面・誌面を平易な文章に修正している箇所があります)』、いまだに「M資金詐欺」類似の事件が起きていることから、元祖の事件を振り返ることにも意義が大きい。
・『「存在が証明されたことがない」謎の資金 終戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が日本で接収した莫大な資産をもとに秘密裏に運用され続けている「M資金」と呼ばれる資金がある……。 一般的な「M資金詐欺」は、上記を前提とした詐欺である。 ただし、M資金について、日本政府が公式に言及したことや、司法機関やメディアなどが存在を立証したことは1度もない。つまり、一種の都市伝説である可能性も高いのだ。 一方で、GHQの水面下での動きは謎の部分も多く、その背景がM資金に「あってもおかしくない」と思わせる妙なリアリティを与えていた。 なお、M資金の「M」は、GHQ経済科学局・局長のウィリアム・マーカットの頭文字だとされるが、ダグラス・マッカーサー(GHQ最高司令官)、フリーメイソン (またはフリーメイソンリー) 、MSA協定(日米相互防衛援助協定)などの頭文字だという説も存在する。もっとも、存在しなければ名称の由来を探ること自体が無意味だ。 他方、一部には「M資金は存在する(した)」と主張する声もあるが、その点については深追いしないこととする。なぜなら、本稿の主題であるM資金詐欺において、これから明らかにするようにM資金の存否は「重要ではない」からである』、「M資金の存否は「重要ではない」」のは何故だろうか。
・『「 M資金詐欺」の典型的な手口 M資金詐欺において、主なターゲットとされるのは、経営者、事業家など普段から大金を動かしている人たちである。詐欺師は、そうした人々の「自尊心」や「山っ気」を絶妙に刺激する。そのベーシックなシナリオは以下のようなものだ。 まず、国家の中枢部に近い立場にあると自称する人物(詐欺師)が面会を求めてくる。そして、「実はM資金と呼ばれる巨大な秘密資金がある。選ばれたごく一部の人しかその存在を知らない。あなたは、その一人に選ばれたので、M資金のなかから多額の融資を受けられる」といった旨が説明され、他言無用であることが強調される。 「社会に役立てるための融資である」といった理由で、無利子、無担保、返済義務ナシなど通常ではありえない条件が示されることもある。また、これまでに資金を託された企業や人物などのリスト(ニセモノ)、資金の存在を証明する公的書類(ニセモノ)、詐欺師と要人(ホンモノ)とのツーショット写真などを見せられ、別の地位の高い人物(ニセモノ)との対面などもセッティングされる。 こうした演出によりすっかり信じ切った被害者は、「自分は選ばれし特別な人間である」といった優越感に酔いつつ、巨額融資によるメリットに浮足立つ。そうなれば、詐欺師の思うつぼだ。融資の前提として、手数料、紹介料といった名目で金銭の振り込みを請求するのだ。 何十億円、何百億円の融資を受けられると信じ込んだ人は百万円単位、千万円単位の金などチップに過ぎないと感じるのか、被害者が求められた金額を指定口座に振り込んでしまう。着金を確認した詐欺師が以後、連絡を断つのはいうまでもない』、「無利子、無担保、返済義務ナシ」というあり得ないような好条件で、「何十億円、何百億円の融資を受けられる」のであれば、「手数料、紹介料」の「百万円単位、千万円単位の金などチップに過ぎないと感じるのか、被害者が求められた金額を指定口座に振り込んでしまう」、欲の皮が突っ張ると、常識的判断など吹っ飛んでしまうのだろう。
・『詐欺師にとって重要なことは? 「M資金詐欺において、M資金の存否は“重要ではない”」と前述したが、それは、原則的に詐欺師には最初から融資を斡旋するつもりがないので、M資金が存在しなくても目的(金銭の詐取)に影響がないからである。 また、相手に“巨大な資金から多額の融資が受けられる”と思い込ませることができれば、資金の名称がM資金である必要もない。実際に、他名称の架空資金をネタに同じような詐欺を働いた手合いもいるし、「M資金はインチキだが、この●●資金は実在する」といったロジックを用いた詐欺師もいた。 ただし、M資金をネタにした詐欺犯罪の事例が多かったこともあり、巨大資金から多額の融資をもちかけ、金銭を騙し取る犯罪行為そのものを「M資金詐欺」と総称することがあるのだ。ここからは、事件当時の報道をもとに、「M資金詐欺」のアウトラインをなぞってみよう』、「M資金の存否は“重要ではない”」と前述したが、それは、原則的に詐欺師には最初から融資を斡旋するつもりがないので、M資金が存在しなくても目的(金銭の詐取)に影響がないからである」、なるほど。「「M資金詐欺」のアウトライン」とは興味深そうだ。
・『「元首相の親族」を名乗る 「またM資金サギ 融資話で1億5千万円」(朝日新聞1980年1月21日付夕刊) まずは、“正統派”ともいえるM資金詐欺の例から紹介しよう。経営難から融資を求めていた経営者に「M資金から3億円を融資できる」ともちかけ、380万円を「運動資金」としてだまし取っていた金融ブローカー・岩谷建蔵(57=仮名)が逮捕された。 「岩谷はこのほか都内の十社や群馬、九州の小企業主から計一億五千万円をだまし取っていた」(同上) 容疑者の岩谷は中小企業経営者の前に高級外国車に乗って現れ、「アメリカ大使館の嘱託顧問」を名乗ったり、元首相夫人の親戚だと吹聴したりしたという。インターネットのない時代、被害者はそうした怪しいプロフィールを容易に確認する術はなかったのだ』、現在では、「そうした怪しいプロフィール」は、インターネットで「容易に確認」できる。
・『「M資金で1億円詐取 組員ら三人を逮捕」(朝日新聞1978年11月6日付夕刊) M資金の噂は反社会勢力にも利用された。 警視庁組織暴力犯罪取締本部と本富士署は六日までに、詐欺会社を作り、『M資金、CIAやオイルダラーの資金を融資してやる』『おたくの銀行に数億円を預金してやる』などうそをついて企業や銀行から謝礼金などの名目で総額一億一千万円だまし取った暴力団関係者の三人を逮捕した」(同上) 「オイルダラー」とは一般的には産油国がドルで蓄積した資金を指す言葉であり、M資金とはまったく筋が違うものだ。また、CIAと関連性があるものでもない。繰り返しになるが、詐欺師にとって資金の存否や名称はどうでもいいことなのだ。このケースでは、騙されたというより、脅し取られたというニュアンスが近い可能性も考えられるが、言われるままに金を払った人たちが何人もいたのは紛れもない事実なのである』、「言われるままに金を払った人たちが何人もいたのは紛れもない事実」、現在の資金余剰の時代とは異なり、かつては、資金不足時代だったことも背景にある。
・『「『M資金』に前社長念書 詐欺師の小道具に」(朝日新聞1983年4月26日付朝刊) メーカーの経営者・中田信三氏(59=仮名)が架空の資金からの200億円もの融資話に乗り、融資の念書にサイン・捺印をした。詐欺師は中田氏から手数料を騙し取ったとともに、中田氏のサイン入り念書を別の経営者2名を同様に騙す小道具に利用し、そこでも金銭を詐取している。 「二人とも中田氏の社会的地位から、この念書にある二百億円の支払いを信じて疑わなかった、という」(同上) 犯人は、他にも同様の手口で各地の経営者、事業家などにM資金詐欺を働き、被害額は数千万円単位に及んだとされる』、「中田氏のサイン入り念書を別の経営者2名を同様に騙す小道具に利用し、そこでも金銭を詐取している」、「中田氏」の責任は重大だ。
・『大企業をゆるがす大スキャンダルになった例も この事件のように、「M資金からの融資」を前提とした念書が、大企業を揺ゆるがすスキャンダルに発展したこともある。1969年、当時の全日本空輸(以下:全日空)の中野富士夫社長(仮名)のもとに、「M資金という資金が眠っているが、管理者はそれを有効活用したがっている。全日空と連名でこれを利用したい」といった旨の申し出があった。 「話を持ち込んできたのは佐藤博志(仮名)という元代議士で、彼にはレッキとした紹介者がいた。現職運輸大臣牧田仁代議士(仮名)と、前運輸大臣の小岩英二代議士(仮名)(役職はいずれも当時)。中野氏は、この二枚の名刺にすっかり心を動かされてしまったらしい」(週刊文春1976年3月11日号) 中野社長は「借受け保証念書」に社長印を押して振込先口座を指定。ところが、その口座に金が振り込まれることはなかった。通常のM資金詐欺と異なるのは、佐藤元代議士が手数料などを求めなかったことだ。つまり、全日空側は1円も損をしなかった。ただし、件の念書のコピーが出回り、のちに大問題となった。 「中野氏が念書に、全日空社長印を使っていたのが、致命的だった。株主総会で、『社長の経営責任』を追及された中野氏は就任後1年あまりで社長のポストを投げ出した」(同上) 実は、融資を持ちかけた佐藤元代議士は、落選後、詐欺行為で複数回の逮捕歴のある曰く付きの人物だ。中野社長がそのことを把握していたかどうかは不明だが、元代議士という肩書、2名の現役代議士の紹介は佐藤元代議士を信用するに十分な要素となったのかもしれない。なお、当該の代議士2名は後日、この件について「記憶にない」「(紹介状を書いたが)内容については知らない」と深いつながりを否定した』、「全日空側は1円も損をしなかった」とはいえ、「件の念書のコピーが出回り、のちに大問題となった」、「元代議士という肩書、2名の現役代議士の紹介は佐藤元代議士を信用するに十分な要素となったのかもしれない」、政治家は気易く「紹介」したりするので、それを信じたとすれば、「中野」氏の完全な手落ちだ。
・『ロッキード事件が関連…? では、佐藤元代議士の目的は? 当時のマスメディアの多くは、戦後史に残る疑獄事件「ロッキード事件」につながった中野社長の社会的な信頼失墜が目的だったのではないかという見方をしている。 「ロッキード事件」とは、アメリカの航空機メーカー「ロッキード」社による主に同社の旅客機「トライスター」の受注を目的とした世界規模の汚職事件である。中野社長が在任当時、全日空はロッキード社のライバルであるダグラス社の航空機の購入する方針を固めていた。ところが……。 「中野氏在任当時は、考えられもしなかったトライスターが上昇してくる」(同上) その後、全日空のトライスター導入は現実のものとなるのだ。結局、ロッキード事件にまつわる数々の謎や疑惑はクリアになることはなく、全日空に対するM資金融資騒動は真相が明らかになることはなかった。ただ、いずれにしてもなんらかの思惑のためにM資金の名前が利用されたことは間違いないだろう。 全日空の一件を経て、M資金はそれまで以上に要注意ワードとして広く認識された。しかし、しばらくすると、今度はテレビドラマに主演する人気俳優がM資金詐欺の被害者となったことで世間はざわつくことになる。後編<超有名ドラマの主演人気俳優を死に追いやった「M資金詐欺」の暗部がヤバすぎる>では、引き続き、各時代の報道をもとにM資金詐欺について迫ってみたい』、「中野社長が在任当時、全日空はロッキード社のライバルであるダグラス社の航空機の購入する方針を固めていた」、事件後、「全日空のトライスター導入は現実のものとなる」、とすれば、「事件」は「ダグラス社」側が仕掛けた可能性も否定できない。こんな裏面があったとは、初めて知った。
次に、7月7日付けRKBオンライン「「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾」を紹介しよう。
https://rkb.jp/news-rkb/202207072282/
・『先月、「投資用マンション」の購入をめぐりトラブルに巻き込まれたと訴える福岡市の男性会社員を紹介しました。この男性と同様に静岡県に本社を置く「スルガ銀行」から返済不可能な額のローンを組まされたと訴えている人は、全国で400人以上に上っています。 被害を訴える男性「融資額は6億なんですね。どうせ融資が下りないと思ってたんですよ。サラリーマンで6億円の融資ってありえないじゃないですか、常識的に。僕の資産の改ざんがあって、通帳やら源泉徴収とか。もう一つは家賃の改ざん。レントロール(家賃明細表)を改ざんして割り出した。6億7千万。実際は3~4億の物件を高値づかみをさせている」 今年4月、福岡市のJR博多駅近くの公園に集まった人たち。職業や住んでいる場所は異なりますが、みな投資用のアパート・マンションのオーナーです。スルガ銀行の不正融資により、本来は買えるはずもなかった物件を不当に高い価格で購入することになったと訴えています』、「サラリーマンで6億円の融資ってありえないじゃないですか、常識的に。僕の資産の改ざんがあって、通帳やら源泉徴収とか。もう一つは家賃の改ざん。レントロール(家賃明細表)を改ざんして割り出した。6億7千万。実際は3~4億の物件を高値づかみをさせている」、書類を「改ざん」したとはやはり悪どい。
・『立ち上がった被害者 冨谷皐介さん「多くの方が銀行、公的機関である金融機関が、詐欺・不正をはたらくなんて思うわけないんです。そういう世間の期待を裏切って不正をはたらいていたのがスルガ銀行なんです」 消費者問題の被害者を救済・サポートをする社団法人の代表・冨谷皐介さん。「スルガ銀行から不正な融資を受けた」と訴える投資用アパートやマンションのオーナーたちが結成した「スルガ銀行不正融資被害者同盟」の支援を続けています。 冨谷皐介さん「みんなで一斉に日にちを決めて、集まって困っているという窮状を、嵯峨社長に見せたいんです」) 冨谷さん自身も6年前、スルガ銀行でローンを組むことを条件に、東京都内のシェアハウス「かぼちゃの馬車」1棟を1億9000万円で購入した、元被害者です。 家賃収入が一度も入らないまま、シェアハウスの運営会社は破綻。借金だけが残り、物件を売却しても数千万円の損失が出る状況から、同じ境遇の購入者とともに被害者同盟を結成した冨谷さんは、スルガ銀行の不正融資を追及し続けました。 その結果、銀行側が不法行為を全面的に認め、物件を手放す代わりに借金を帳消しにして損失を負担することで2020年に和解。地獄の手前から奇跡の生還でした。 冨谷皐介さん「悪いことをしたとシェアハウスの問題を認めたわけですから、『中古1棟アパ-ト・マンション』の問題にも真摯に対応していただきたい」』、「シェアハウス」では、「銀行側が不法行為を全面的に認め、物件を手放す代わりに借金を帳消しにして損失を負担することで2020年に和解」。まさに「奇跡の生還」だ。
・『被害者400人超 ローン総額は1000億円超 冨谷さんが支援する「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、国の内外に438人。メンバーがスルガ銀行から借りたローンの総額は、1051億円にも上ります。 被害者同盟のメンバー「レントロールと預金残高。貸せないはずなのに、通帳の改ざん。お金がなくなってしまって、生活を養えなくなって、それで離婚しました」 「みんなここにいる人たちは、死を覚悟したり。銀行が私利私欲のために改ざんなんかしないでまともな業務を行っていれば、私たちも今ここに立っていなくてすみますし。憎しみしかないです」 「私と同じように、スルガ銀行の返済に1人で悩み、家族を残して自殺をした同僚もいます」 被害を訴える同盟のメンバーは、「スルガ銀行」に対し、冨谷さんがかつて購入したシェアハウスと同様に、購入した物件と高額なローンとの相殺を求めて調停中です。 果たしてこの調停は、解決に向かっているのか? 50人の弁護士が名を連ねる被害弁護団に話を聞きました。 河合弘之弁護士「不正な売り付け、高値づかみ売り付けと、それに対しての融資という意味では、(シェアハウスと)同じなんです。その手法も、レントロール(家賃明細表)の偽造、預金通帳の偽造、売買契約書の偽造、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部からんでいる」』、「「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、国の内外に438人。メンバーがスルガ銀行から借りたローンの総額は、1051億円」、これらも「不正な売り付け、高値づかみ売り付けと、それに対しての融資という意味では、(シェアハウスと)同じなんです。その手法も、レントロール(家賃明細表)の偽造、預金通帳の偽造、売買契約書の偽造、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部からんでいる」、「シェアハウスと同様に、購入した物件と高額なローンとの相殺を求めて調停中」、まだこんなにあるとは驚かされた。
・『内部資料は「偽造の裏付け」と弁護団 弁護団が「偽造の裏付け」とする資料の数々です。左が、不動産会社から入手した賃貸明細表。右が、融資の際にスルガ銀行に提出された明細表です。同じ平成28年(2016年)3月ですが、空いているはずの部屋がほとんど入居したことになっていて、家賃収入も2倍近く水増しされています。 こちらは、家賃の改ざんです。全ての部屋で、実際の家賃より1万円から2万4000円も上乗せされています。自己資金を示す預金通帳は、38万円ほどの残高が1538万円に、90万円が1090万円に改ざんされています。 実際には払っていない手付金の領収書や、契約した不動産会社とは別の会社の名前が記載された売買契約書もあります。 さらに弁護団は、スルガ銀行の行員と不動産会社の社員とのラインのやりとりも入手していました。 不動産会社の社員から、家賃収入明細表がスルガ銀行の行員に送られています。満室時の家賃は600万円程度、実際の家賃収入は450万円ほどです。この後、訂正分としてすぐにほぼ満室に近い家賃収入が記載された明細表が送られています。 預金通帳の偽造についてとみられるやりとりには、履歴の改ざんの指示と偽装が発覚しないための注意が記されています。) 河合弘之弁護士「スルガ銀行は、すでに非を認めています。非を認めているけれど個別事情が強すぎるから、一括解決はできないと」』、「「スルガ銀行は、すでに非を認めています。非を認めているけれど個別事情が強すぎるから、一括解決はできないと」、個別の交渉では時間がかかりそうだ。
・『株主総会で対決へ 非を認めながらも個別にしか対応ができないとするスルガ銀行に対し、一括での和解を求める「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、次の一手を打ちます。「株主提案権」の行使です。 同盟のメンバーと弁護団は、スルガ銀行の株を4万3800株購入。議案を提出できる3万株以上を保有して10の議案を記載した「株主提案権行使書」をスルガ銀行に提出しました。 (1)4月24日に提出提案書の影ナレ真の経営再建をめざすため嵯峨行介社長の解任を強く求める。 (2)アパートマンション不正融資事件について全く解決していない。迅速に正しい解決をすること 株主総会の約3週間前に、「スルガ銀行」は異例の通知を出します。新型コロナ感染対策を理由に株主総会の出席に抽選を導入し、3万人を超える株主の中で、出席者をわずか206人にとどめる決定をしたのです。 迎えた株主総会当日。会場には、約300人の同盟メンバーが集まりました。撮影・録音が禁止された物々しい雰囲気の中、抽選に当選した70人が会場に入っていきます。 RKB植高貴寛「株主総会の真っただ中なんですが、スルガ銀行の本店の前ではデモ活動が始まっています」 「スルガ銀行は、まっとうな銀行に生まれ変われー!」 「不正があったのは事実なので、早く僕たちのことを助けてほしいです」 「銀行は社会のお金のベースだから、そこに問題があると社会が成長しない。まだ諦めてないです」』、「株主提案権行使書」に対抗して、「新型コロナ感染対策を理由に株主総会の出席に抽選を導入し、3万人を超える株主の中で、出席者をわずか206人にとどめる決定をした・・・迎えた株主総会当日。会場には、約300人の同盟メンバーが集まりました。撮影・録音が禁止された物々しい雰囲気の中、抽選に当選した70人が会場に入っていきます」、総会での模様は第三の記事を参照されたい。
・『「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」 被害弁護団 山口広弁護士「株主総会ではありましたが、実質的には、被害者側が抗議をする、不正融資の早期解決を求める、という発言がほとんどでありました」 弁護団によると、スルガ銀行の嵯峨社長は不正融資の問題について「早期解決を追求します」という発言を繰り返したといいます。しかし、いつまでにどのような形で解決をするかという具体的な質問については、「個別対応で考えている」というこれまで通りの回答にとどまったということです。 河合弘之弁護士「預金通帳偽造を容認した銀行なんて、歴史上ないんですよ。こんなことをして、反省もしないで、被害者の救済もしないで生き延びる銀行があるなんてことは、日本の金融界にとっては大変な禍根を残すことになります。ですから、金融関係者は全員この問題に注目して、『日本の銀行の信用をなくすようなことをするなよ』と言ってほしいですね」』、今後の動向を注視したい。
第三に、10月22日付けNHK NEWS WEB「スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」」を紹介しよう。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20220629/3030016389.html
・『アパートなどの投資用不動産向け融資の書類の改ざんをめぐりオーナー側と交渉を続けているスルガ銀行の株主総会が29日、沼津市で行われ、被害者団体が提出した社長の解任などの議案はすべて否決されました。 総会のあとオーナー側の弁護団が会見し「救済を求める声を経営陣に突きつけたのは意味があった。多くの人が救済されるようにスルガ銀行を説得する」と述べ交渉を継続する方針を示しました。 大規模な不正融資の問題が明らかになったスルガ銀行では、シェアハウスへの融資についてはほぼ解決しましたが、アパートなどの投資用不動産向け融資の書類の改ざんをめぐっては融資で被害を受けたとするオーナー側と交渉が続いています。 29日、沼津市で行われたスルガ銀行の株主総会の会場前には200人以上の人が集まり「不正融資の早期解決を」と書かれた旗を持って救済を訴えていました。 午前10時から始まった株主総会では、株主でもあるオーナー側が提出した嵯峨行介社長の解任や、不正行為の内容の株主への開示などを求める議案の採決が行われましたが、すべて否決されました。 オーナー側の弁護団によりますと株主総会のなかで嵯峨社長は、弁護団が解決を要求している430人あまりおよそ1050億円のアパートやマンションの融資について「不正行為が一部にあったのは確かだが、一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」と述べたということです。 総会のあと弁護団が会見し、弁護士の山口広団長は「被害者株主が救済を求める声を経営陣に突きつけたのは意味があった。多くの人が救済されるようにスルガ銀行を説得する」と述べ交渉を継続する方針を示しました。 総会に参加した株主は、「去年に比べると怒号などはなかったと思います。会社の経営が改善される方向に進んでもらいたいです」と話していました』、「一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」、と「個別案件」ごとの処理では、かなり時間がかからざるを得ないだろう。第二記事にあるように「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」ほど、「スルガ銀行」は悪質極まりない。今後の展開を注目したい。
タグ:「M資金の存否は「重要ではない」」のは何故だろうか。 いまだに「M資金詐欺」類似の事件が起きていることから、元祖の事件を振り返ることにも意義が大きい。 「【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編 」 ミゾロギ・ダイスケ 現代ビジネス 金融関連の詐欺的事件 (その13)(【現職大臣も関与?】大手航空会社社長までも騙される「M資金詐欺」がヤバすぎる 昭和事件史(6)前編、「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾、スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」、「みんクレ」1億円賠償にみる投資被害回復の困難 裁判で全面勝訴した投資家に10%も戻らない) 「無利子、無担保、返済義務ナシ」というあり得ないような好条件で、「何十億円、何百億円の融資を受けられる」のであれば、「手数料、紹介料」の「百万円単位、千万円単位の金などチップに過ぎないと感じるのか、被害者が求められた金額を指定口座に振り込んでしまう」、欲の皮が突っ張ると、常識的判断など吹っ飛んでしまうのだろう。 「M資金の存否は“重要ではない”」と前述したが、それは、原則的に詐欺師には最初から融資を斡旋するつもりがないので、M資金が存在しなくても目的(金銭の詐取)に影響がないからである」、なるほど。「「M資金詐欺」のアウトライン」とは興味深そうだ。 現在では、「そうした怪しいプロフィール」は、インターネットで「容易に確認」できる。 「言われるままに金を払った人たちが何人もいたのは紛れもない事実」、現在の資金余剰の時代とは異なり、かつては、資金不足時代だったことも背景にある。 「中田氏のサイン入り念書を別の経営者2名を同様に騙す小道具に利用し、そこでも金銭を詐取している」、「中田氏」の責任は重大だ。 「全日空側は1円も損をしなかった」とはいえ、「件の念書のコピーが出回り、のちに大問題となった」、「元代議士という肩書、2名の現役代議士の紹介は佐藤元代議士を信用するに十分な要素となったのかもしれない」、政治家は気易く「紹介」したりするので、それを信じたとすれば、「中野」氏の完全な手落ちだ。 「中野社長が在任当時、全日空はロッキード社のライバルであるダグラス社の航空機の購入する方針を固めていた」、事件後、「全日空のトライスター導入は現実のものとなる」、とすれば、「事件」は「ダグラス社」側が仕掛けた可能性も否定できない。こんな裏面があったとは、初めて知った。 RKBオンライン「「返済不可能なローン組まされた」全国に400人超 スルガ銀行追及「R調査班」第2弾」 「サラリーマンで6億円の融資ってありえないじゃないですか、常識的に。僕の資産の改ざんがあって、通帳やら源泉徴収とか。もう一つは家賃の改ざん。レントロール(家賃明細表)を改ざんして割り出した。6億7千万。実際は3~4億の物件を高値づかみをさせている」、書類を「改ざん」したとはやはり悪どい。 「シェアハウス」では、「銀行側が不法行為を全面的に認め、物件を手放す代わりに借金を帳消しにして損失を負担することで2020年に和解」。まさに「奇跡の生還」だ。 「「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のメンバーは、国の内外に438人。メンバーがスルガ銀行から借りたローンの総額は、1051億円」、これらも「不正な売り付け、高値づかみ売り付けと、それに対しての融資という意味では、(シェアハウスと)同じなんです。その手法も、レントロール(家賃明細表)の偽造、預金通帳の偽造、売買契約書の偽造、払ってもいない手付金の領収書の偽造、全部からんでいる」、 「シェアハウスと同様に、購入した物件と高額なローンとの相殺を求めて調停中」、まだこんなにあるとは驚かされた。 「「スルガ銀行は、すでに非を認めています。非を認めているけれど個別事情が強すぎるから、一括解決はできないと」、個別の交渉では時間がかかりそうだ。 「株主提案権行使書」に対抗して、「新型コロナ感染対策を理由に株主総会の出席に抽選を導入し、3万人を超える株主の中で、出席者をわずか206人にとどめる決定をした・・・迎えた株主総会当日。会場には、約300人の同盟メンバーが集まりました。撮影・録音が禁止された物々しい雰囲気の中、抽選に当選した70人が会場に入っていきます」、総会での「株主提案」は粛々と否決されたのだろう。 確かに「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」ほど、「スルガ銀行」は悪質極まりない。今後の展開を注目したい。 NHK NEWS WEB「スルガ銀行株主総会 社長解任議案は否決 「多くの人救済を」」 「一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」、と「個別案件」ごとの処理では、かなり時間がかからざるを得ないだろう。確かに「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」ほど、「スルガ銀行」は悪質極まりない。今後の展開を注目したい 「一律に不正行為と認めることはできないので個別案件ごとにみていかざるを得ない」、と「個別案件」ごとの処理では、かなり時間がかからざるを得ないだろう。第二記事にあるように「通帳偽造を容認した銀行、歴史上ない」ほど、「スルガ銀行」は悪質極まりない。今後の展開を注目したい。