高齢化社会(その22)(老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…、「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる、"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方) [社会]
高齢化社会については、昨年10月17日に取上げた。今日は、(その22)(老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…、「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる、"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方)である。
先ずは、昨年12月11日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/636125
・『年齢を重ねると、脳は「前頭葉」から萎縮しはじめる。だから、前頭葉を鍛えることが脳の老化を防ぐことになる。前頭葉は意欲などをつかさどる部位で、経験したことがないことに挑戦するときなどに使う。しかし、日本ではとかく「前例踏襲」が好まれ、日本人は前頭葉を使っていないと、精神科医の和田秀樹氏は指摘する。日本の教育も前頭葉を鍛えるものになっていないという(本記事は、和田秀樹『50歳からの「脳のトリセツ」』の一部を抜粋・編集したものです)』、「脳は「前頭葉」から萎縮しはじめる。だから、前頭葉を鍛えることが脳の老化を防ぐことになる」、「日本ではとかく「前例踏襲」が好まれ、日本人は前頭葉を使っていない」、とは耳の痛い忠告だ。
・『詰め込み教育は「悪」ではない 日本という国は、前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っています。簡単に言うと、前頭葉を働かせて新しいことをしようとすると、前頭葉を使わない「前例踏襲」の人たちにはじかれるという構造です。 少し考えただけでも思い当たるはずです。大多数の意見とは逆のことを言う人は、しばしば「異分子」として白眼視されます。人より目立ちすぎると、「出る杭」として打たれます。新しいアイデアを出しても、「前例がないから」と却下されることが多々あります。そうした社会から、新規性のある面白いビジネスが生まれるのは難しく、日本の国際競争力は落ちるばかりです。 その諸悪の根源は、教育システムにあると私は考えています。日本では、前頭葉を鍛える教育をまったくしていないのです。 こう言うと、50代の方は「詰め込み教育」を連想されるかもしれません。この世代は人数が多く、受験戦争が熾烈だったので、10代のころの猛勉強がつらい思い出になっている人もいるでしょう。そして、大量の知識を一律にインプットする初等・中等教育こそが「悪者」だとみなしがちです。 しかし、それは違います。小中高校での詰め込み教育は悪ではなく、むしろ不可欠なものです。この段階で詰め込まなければ、語彙も増えない、計算もできない、世の中のしくみにもまったく無知という状態で成人してしまいます。初等・中等教育において、必要な知識をひたすらインプットするのは、理にかなったことなのです。) 「とはいえ、好奇心やクリエイティブな感性を伸ばすことも重要では?」と考えた方もいるでしょう。「個性重視の教育」を対置して「詰め込み教育」を批判する声も、よく耳にするところです。 では、その考えはどこから来たものでしょうか。「欧米の教育は個性重視だから」ではないかと思います。しかしここにもまた、大きな誤解があります。 たしかに、1960年代~80年代初頭までのアメリカやイギリスでは、個性を重んじ、好奇心を伸ばすことを優先した教育が行われていました。しかしその結果、深刻な学力低下が起こり、アメリカもイギリスも方針転換せざるを得なくなりました。 その際に手本にしたのが、日本の詰め込み教育です。1980年代の日本の隆盛の基盤は初等教育にあるとして、教育改革を行ってテコ入れをし、学力を回復させています。つまり英米において、「詰め込み=悪」という考えは時代遅れとなって久しいのです。ついでに言うと、その後、アメリカからは世界的なIT企業が、イギリスでもダイソンのような昔の日本を彷彿させる企業が生まれています』、「小中高校での詰め込み教育は悪ではなく、むしろ不可欠なものです。この段階で詰め込まなければ、語彙も増えない、計算もできない、世の中のしくみにもまったく無知という状態で成人してしまいます。初等・中等教育において、必要な知識をひたすらインプットするのは、理にかなったことなのです」、「1960年代~80年代初頭までのアメリカやイギリスでは、個性を重んじ、好奇心を伸ばすことを優先した教育が行われていました。しかしその結果、深刻な学力低下が起こり、アメリカもイギリスも方針転換せざるを得なくなりました。 その際に手本にしたのが、日本の詰め込み教育です。1980年代の日本の隆盛の基盤は初等教育にあるとして、教育改革を行ってテコ入れをし、学力を回復させています。つまり英米において、「詰め込み=悪」という考えは時代遅れとなって久しいのです。ついでに言うと、その後、アメリカからは世界的なIT企業が、イギリスでもダイソンのような昔の日本を彷彿させる企業が生まれています」、米英が「手本にしたのが、日本の詰め込み教育です」、初めて知った。
・『「ゆとり教育」が失敗した理由 ところが日本は、アメリカやイギリスとは逆の道をたどりました。詰め込み教育に対して要らぬ反省をし、「ゆとり教育」へとシフトしたのです。これは、文部省(現・文部科学省)の中央教育審議会委員を務めた大学教授陣が、1960~70年代のアメリカに留学していたことが影響しています。 彼らは、教育改革をする「前」のアメリカの教育を理想化し、帰国後、それに倣うことを目指しながら着々と出世しました。そして教授になると「ゆとり教育」の基本方針を答申。1990年代半ばにゆとり重視の学習指導要領が導入され、2002年から現場で施行されます。 そのころ、日本はすでに台湾や韓国に中学生の数学力で後れをとりはじめているということが調査結果で明らかになっていました。にもかかわらず、わざわざ学力を落とす改悪をしたことが、現在のIT分野での惨敗を招いていることは火を見るよりも明らかです。) アメリカが1980年代に捨てた方針を、21世紀になってから踏襲するという的外れな施策が、なぜ行われてしまったのでしょうか。それは、教授たちの知識が留学時代から更新されていなかったからです。 いやしくも教育のプロならば、帰国後も勉強を続けて、常に最新の知識を得ておくべきところです。しかし日本の学界には、教授になれば勉強しなくても地位を保てるという、悪しきシステムがあります。この既得権益に、権威を得た教授たちが何十年もしがみつき、決定権を握って離さないのです』、「大学教授陣が、1960~70年代のアメリカに留学していたことが影響しています。 彼らは、教育改革をする「前」のアメリカの教育を理想化し、帰国後、それに倣うことを目指しながら着々と出世しました。そして教授になると「ゆとり教育」の基本方針を答申」、「いやしくも教育のプロならば、帰国後も勉強を続けて、常に最新の知識を得ておくべきところです。しかし日本の学界には、教授になれば勉強しなくても地位を保てるという、悪しきシステムがあります。この既得権益に、権威を得た教授たちが何十年もしがみつき、決定権を握って離さないのです」、「日本」の学識経験者の不勉強ぶりは酷いようだ。
・『日本の大学教育の質の低さは世界ワースト この「偉い方々」は、世界で高く評価された日本の初等・中等教育を捻じ曲げただけでなく、小学校~高校の教員資格に免許更新制も導入しました。大学教授の資格こそ更新制にしろと、声を大にして言いたい思いです。 教員免許の更新制は弊害があまりにも大きく、2022年に廃止になりました。そして、最新の知識が必要な大学教授たちの免許更新はいまだに実現していません。日本が前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っている元凶は、小中高校の詰め込み教育ではなく、大学教育にあります。 日本の大学教育の質の低さは世界ワーストレベルだと私は考えています。大学は本来、それまでインプットした知識を使って、自ら思考を組み立て、アウトプットする力を養う場です。諸外国での大学教育では、そこに力点が置かれます。だから、教授の言うことに逆らって議論できる学生が優秀とされます。 対して、日本のほとんどの大学で行われているのは、教授が教えた通りのことを試験で答えればよいという教育です。どちらが前頭葉を鍛える教育であるかは、言うに及ばないでしょう』、「日本が前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っている元凶は、小中高校の詰め込み教育ではなく、大学教育にあります。 日本の大学教育の質の低さは世界ワーストレベルだと私は考えています。大学は本来、それまでインプットした知識を使って、自ら思考を組み立て、アウトプットする力を養う場です。諸外国での大学教育では、そこに力点が置かれます。だから、教授の言うことに逆らって議論できる学生が優秀とされます。 対して、日本のほとんどの大学で行われているのは、教授が教えた通りのことを試験で答えればよいという教育です」、全面的に同意したい。
次に、本年1月2日付けPRESIDENT Onlineが掲載した愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬 道也氏による「「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/64758
・『高齢ドライバーは運転免許を返納したほうがいいのだろうか。愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也さんは「65歳以上の高齢者による車の事故率が、他の世代と比べて特別に高いわけではない。運転をやめた人は続けた人より要介護リスクが2倍高くなるという研究結果も出ており、脳機能や運転能力が落ちないうちはなるべく続けたほうがいい」という――。 ※本稿は、伊賀瀬道也『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです』、「運転をやめた人は続けた人より要介護リスクが2倍高くなる」、これは深刻なデメリットだ。「免許返納」は避けるべきというのは、第一の記事の著者の和田秀樹氏も主張している。
・『「高齢者の運転する車は事故率が高い」というデータは存在しない 高齢者になると、家族から運転免許の自主返納を促されることがあるでしょう。昨今、高齢者の運転は危険だという風潮が広がっているからです。 本当にそうなのでしょうか。あまり知られていないのですが、「65歳以上の高齢者による車の事故率が、他の世代に比べて特別高い」というデータは、今のところ出てきていません。 少し特殊な例かもしれませんが、ご高齢にもかかわらずアクティブに運転をされている方を一人紹介しましょう。 日本のレース黎明期ともいえる1960~1970年代に、国内トップカテゴリーで活躍したレーシングドライバーを総称して「レジェンドドライバー」と呼ぶのですが、彼らのつくった「レジェンドレーシングドライバーズクラブ」のお一人に武智勇三さんがいます。かつてダイハツのワークスドライバーとして活躍されました。 武智さんとは、私も友人としてお付き合いしていますが、80歳を超えた現在も本当にお元気で、ドイツ製のスポーツカーを運転されています。武智さんを含めたレジェンドドライバーのみなさんは、すでに平均年齢が75歳を超えているにもかかわらず、一年に一度「富士スピードウェイ」に集い、最高速度200km/hでの激しいバトルを見せてくれているのです』、「レジェンドドライバー」は例外中の例外とみるべきだ。
・『車の運転をやめた人が要介護になるリスクは2.09倍 このように、高齢になったからといって、即座に免許を返納する必要はないと私は思います。特に地方在住の高齢者(特に男性)は、運転免許を取得していて、自分で車を運転して行きたいところに行けるということが、1つのアイデンティティー(自分の存在証明)と考える方も多いと思います。 これまで外出の際に車を運転していた人は、免許を返納してしまうと外出の機会が極端に減ってしまうため、活動範囲が極端に狭まります。その結果、交友範囲が狭くなったり、運動量が減ったりして、数年のうちに介護が必要になったり、認知症になったりしてしまう人が少なくないのです。 実際、筑波大学の研究チームが、65歳以上の男女2800人を10年にわたって追跡調査したところ、車の運転をやめた人は、運転を続けた人に比べて、要介護になるリスクが2.09倍になったということです。車の運転をやめたことで、活動量が落ち、意欲も筋力も体力も減退してしまったと考えられます』、「要介護になるリスクが2.09倍」というのはやはり明白なデメリットだ。
・『免許返納の時期は家族と相談して決めておく 車の運転は脳機能や反射神経のトレーニングになりますし、買い物先のスーパーやショッピングモールを歩いたりすることは運動にもなります。友だちに会って楽しく話せば、それだけで認知症予防になります。 ただし、返納する時期については家族と相談して決めておきましょう。1年に1回は、運転能力に問題がないか、家族に同乗してもらい確かめてもらえば安心です。 ちなみに75歳以上の後期高齢者の場合には、認知機能検査に合格し、運転適性検査や実車指導を含む高齢者講習を受けなければ、免許更新手続きはできません。 少しでも長い間、安全な運転を続けていくためには、脳機能や運動能力を落とさないことが必要です。今のうちから健康的な生活を心がけておきましょう。 それでも、いつか免許を返納する日が来るかもしれません。でも、大丈夫です。運転ができなくなっても、他の健康習慣は十分に実践可能です。できることをコツコツと、楽しんでやってみてください』、「運転ができなくなっても、他の健康習慣は十分に実践可能です。できることをコツコツと、楽しんでやってみてください」、その通りだ。
・『長野県民の平均寿命の長さは有業率の高さと関係している 2015年の都道府県別生命表によると、長野県民の平均寿命は、女性が87.67歳で全国第1位、男性が81.75歳で第2位でした。1990年以降、長野県は男女ともに全国1位を何度も記録しています。 この状況を受け、長野県は長寿の理由を分析したところ、「県民の高い就業意欲や積極的な社会参加」「地域において医療保険活動が活発に行われたこと」「健康ボランティア活動が活発であること」などを挙げています。 確かに長野県は、65歳以上の高齢者の有業率は男性が41.6%で全国1位、女性が21.6%で1位です。このことと長野県民の長寿は関係があると思います。 なぜなら、働くことはフレイル(注)予防にはもってこいだからです。家から出るので足腰が鍛えられて「身体的フレイル」の予防になります。仕事仲間と会話をしたり、何か楽しみを見つけられれば「精神・心理的フレイル」や「社会的フレイル」からも遠ざかることができます。脳も使うので、認知症予防にもなるでしょう。 体がまだ元気ならば、定年を迎えたからといって家の中に引きこもるのはもったいないと思います。たとえアルバイトやパートであっても、外に出て働くほうが、さまざまな面で健康長寿に寄与するといえるでしょう。 もちろん、必ずしも仕事として働く必要はありません。地域のボランティア活動に参加するもよし、趣味のサークルに積極的に参加するもよし。外に出てやりたいことを思う存分やるのが、長寿のヒケツなのです。人生100年時代、60代70代で隠居なんて、早すぎると思いませんか?』、「体がまだ元気ならば、定年を迎えたからといって家の中に引きこもるのはもったいないと思います。たとえアルバイトやパートであっても、外に出て働くほうが、さまざまな面で健康長寿に寄与するといえるでしょう。 もちろん、必ずしも仕事として働く必要はありません。地域のボランティア活動に参加するもよし、趣味のサークルに積極的に参加するもよし。外に出てやりたいことを思う存分やるのが、長寿のヒケツなのです」、なるほど。
(注)フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態(健康長寿ネット)
・『「部屋の片付けが億劫」そんなところから老化は進んでいく 部屋の片づけが億劫で、モノがあふれかえっている人はいませんか? 私は何千人ものご高齢の患者さんと接してきましたが、うつ症状があったり、認知機能が低下したりしている人は、部屋の片づけやお化粧といった、それまで当たり前にできていたことができなくなっていく傾向にあります。 老化と一言で言っても、さまざまな側面があります。筋肉や骨が衰えていく「身体的フレイル」に、気力ややる気がなくなっていく「精神・心理的フレイル」、閉じこもりや独居などの「社会的フレイル」など……、複数の要素が絡み合って老化は進行していきます。 部屋の片づけが億劫になるのは、このうち精神・心理的フレイルが進行している状態です。しかし、動かない生活で足腰が弱れば身体的フレイルも、そして部屋の中に引きこもってしまえば社会的フレイルも、同時に進行してしまいかねません』、「老化と一言で言っても、さまざまな側面があります。筋肉や骨が衰えていく「身体的フレイル」に、気力ややる気がなくなっていく「精神・心理的フレイル」、閉じこもりや独居などの「社会的フレイル」など……、複数の要素が絡み合って老化は進行していきます」、その通りだ。
・『不要なものを一気に捨てると気持ちが若返る 高齢者の中には、孤独死する人が年々増えています。ニッセイ基礎研究所の調査によると、65歳以上の孤独死者数は年間2万6000人と推計しています。中にはモノやゴミにあふれた部屋で亡くなっていく人が少なくないそうです。 これまでできていた片づけや掃除が億劫になってきたら、「フレイルの兆候だ」と気づき、健康のための運動というつもりで部屋の掃除を始めましょう。オススメは「不要なモノを一気に捨てる」ことです。部屋がスッキリ片づくと、心までスッキリしてきて、本当に大切なものが見えてきます。 このように、片づけは元気に100歳まで生きることに直結しています。部屋がきれいである限り、長生きできるのだと考えれば、やる気が起きるはずです』、「部屋がスッキリ片づくと、心までスッキリしてきて、本当に大切なものが見えてきます」、なるほど。
・『健康でいるためにきれいな空気を絶えず取り込む 人間が生きていくために、外から取り入れているものは、まず食料と水です。そして、もう1つ忘れてはならないのが「空気」です。体内に入るすべての物質を合わせた総重量の中で、空気が占める割合は8割を超えます。 伊賀瀬道也『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社) つまり、「健康に悪い空気」を吸っていると、健康を害してしまうといえます。代表的な「健康に悪い空気」といえば、大気汚染の原因であるPM2.5や黄砂が思い浮かびます。PM2.5や黄砂の量が多いという報道があったときは外出を控えるか、マスクの着用をして外出をしたほうがいいでしょう。 また、部屋をきれいに保ち、定期的に換気をすることも大切です。特にガスで調理をしている家では、大量の窒素酸化物や硫黄化合物といった有害物質が発生しています。定期的に換気をして、空気の入れ替えをしましょう。 これは、石油ストーブなどの燃焼型の暖房器具も同様です。IH型のコンロや、電気ストーブなどに変更して、ガスを使わない生活をするのもよいでしょう。 部屋はモノを片づけるだけでなく、掃除もきちんと行うのが望ましいです。特に床が汚れていると、部屋の空気まで汚れてしまいます。私たちは床から上昇してくる空気の50%を体内に取り込んでいます。寝た状態だと70%以上です。 部屋の清潔感を保つと同時に、空気清浄機を利用してもいいでしょう。オススメは活性炭やセラミックで化学物質を吸い取るタイプの吸着型です。あるいは、空気清浄機代わりに備長炭を部屋に置くのも効果的です。備長炭は、1カ月程度で洗って乾燥させれば長く使い続けることができます。空気の汚れが気になる方は、ぜひ試してみてください』、「私たちは床から上昇してくる空気の50%を体内に取り込んでいます。寝た状態だと70%以上です。 部屋の清潔感を保つと同時に、空気清浄機を利用してもいいでしょう。オススメは活性炭やセラミックで化学物質を吸い取るタイプの吸着型です。あるいは、空気清浄機代わりに備長炭を部屋に置くのも効果的です」、確かによさそうだ。「備長炭は、1カ月程度で洗って乾燥させれば長く使い続けることができます」、というのは初めて知った。
第三に、1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した脳科学者の茂木 健一郎氏による「"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/642560
・『老けたくない、ずっと健康でいたい――多くの人が「いつまでも若々しくありたい」と望んでいます。老いと深い関係にある、脳。脳科学者の茂木健一郎氏は、「思考力が低下すると言われる70歳を超えても、脳の働きが若いころとあまり変わらない人もいる」といいます。そこで、年齢を重ねても「若い脳」でいるための秘訣を聞きました。 本稿は、茂木氏の著書『脳は若返る』より一部抜粋、編集してお届けします』、「"昔話ばかりする人"」は老化の典型だと馬鹿にしていたが、大間違いだったようだ。
・『若々しい脳の「スーパーエイジャー」になる! 毎朝、顔を洗うたびに、鏡に映った自分の顔を見て、「もうずいぶん歳をとってしまったな……」と、ガッカリしていませんか? 「いつまでも心身ともに健康でありたい」 「元気で若々しい脳を手に入れたい」 これは、多くの人が望むことではないでしょうか。人生100年時代といわれる昨今、日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(厚生労働省2022年発表)と年々更新しており、今後も私たちの平均寿命は伸び続けるといわれています(※但し、2021年はコロナの影響で短くなっている)。 とはいえ、誰にでも平等に訪れる老い―― 。それは脳も例外ではありません。つい物忘れが多くなり、「もしかして認知症なんじゃないか……」と、不安に感じたことがあるかもしれませんが、年齢を重ねるにつれて認知力が低下していき、思考が遅くなり、忘れっぽくなり、新しいことを学ぶのが苦手になっていくのは普通のことです。 しかし、脳の老化には個人差があり、歳をとっても思考力があまり低下しない人がいるのも事実です。なかには70歳を超えても、脳の働きが若いころとあまり変わらないという人がいることも、最新の脳科学研究ではわかっています。 平均寿命が伸びて長生きするのが当たり前になった現在において、年齢を重ねても若々しい脳を持っている人は、いったいどのような生活を送っているのか。その秘訣を探る研究が世界中でおこなわれています。) 有名な研究をご紹介すると、ハーバード大学関連医療機関のなかでも代表的な存在といわれるマサチューセッツ総合病院の神経科医、ブラッドフォード・ディッカーソンは、「スーパーエイジャー」の研究をおこなっています。 スーパーエイジャーとは、70歳以上のシニアのなかでも、同世代と比較すると圧倒的に高い認知能力を持つ人のことを指します。ときには20代、30代の若者に匹敵する脳の働きを持つともいわれています。 その理由のひとつとして、ディッカーソンは、常に新しいことへチャレンジすることを挙げています。これは脳科学的な視点からも理にかなっており、新しいことへのチャレンジが脳の萎縮を少なくするので、思考力、記憶力、判断力など脳の重要な働きが衰えず、たとえ年齢を重ねてもいつまでも若々しい脳の状態を保つことができるからです』、「新しいことへのチャレンジが脳の萎縮を少なくするので、思考力、記憶力、判断力など脳の重要な働きが衰えず、たとえ年齢を重ねてもいつまでも若々しい脳の状態を保つことができる」、夢のような話だ。
・『「脳トレ」よりも効果がある“秘策” 近年、脳の老化を防ぐべく、「脳トレ」と呼ばれるトレーニングメソッドがシニアの間でブームになっているようですが、残念ながら「脳トレ」は認知症予防という観点からはほとんど意味がないということが、最新の脳科学の研究で明らかになっています。 カナダ・ウェスタン大学の研究チームの最新研究では、脳トレゲームが記憶や言語能力などをどのくらい向上させているかを調査したところ、それらの能力は脳トレゲームをしない人と変わらないことが判明したといいます。 また、クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は避けられないかもしれないと、イギリス発の最新研究が示唆しています。つまり、与えられた課題のトレーニングにはなっても、脳全体のトレーニングにはまったくなっていないことが確認されたというわけです。たしかに、脳トレが認知症を予防すると証明している研究を私は知りませんので、断言しておきましょう』、「脳トレゲームが記憶や言語能力などをどのくらい向上させているかを調査したところ、それらの能力は脳トレゲームをしない人と変わらないことが判明」、「クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は避けられないかもしれない」、なるほど。
・『「脳トレをする必要は、まったくありません!」 実際、私の周りにいるスーパーエイジャーといえる元気で活発なシニアの方々を見ていても、脳トレをしている様子はまったくありません。もちろん、脳の専門家である私でさえ、これまでの人生で一度も脳トレをやったことはありません。 では、いったいどうやって若々しい脳を手に入れればいいのか。私の経験上、もっとも効果が高いと感じられるのは、次の3つです。 1. 社会や人とつながる 2. 常にお金の出入りがある 3. ストレスのない生活習慣 どんなに長生きしても、脳の健康を維持できなければ、誰もが例外なく人生の質を保つことはできません。脳が老化し、認知症になってしまえば、せっかく楽しい体験をしても記憶に残りません。それはもったいないことです。 そこで、いつまでも脳を若々しく保つために、この3つのポイントを意識することで、たとえ何歳になっても脳の若さを持続できるのです。) 脳の若さを保つ秘訣はまだまだあります。それは、脳の前頭葉を活性化して「ドーパミン」をたくさん出すことです。ドーパミンとは脳内の神経伝達物質で、うれしいことや楽しいことがあると分泌されることから、「脳内報酬」とも呼ばれ、さらにはやる気や幸福感を高めたり、ポジティブになるなどの効用もあります。 このドーパミン、実は私たちの日常生活のなかで出る機会はたくさんあります。それは、生まれて初めてのことを経験したときや、ドキドキわくわくしたり、感動したりしたとき。つまり、好奇心が刺激されると出ることがわかっています。子どもの脳が元気なのは、こうした好奇心をくすぐられる初めての体験が多く、ドーパミンが出る機会が多いからです。 ところが、大人になるにつれて知識が増え経験値が高くなるぶん、脳がさまざまな物事に動じにくくなってしまうのです。また、新しいことをするときや今までできなかったことができるようになったときにもドーパミンが出ます。これは、先に述べたスーパーエイジャーの研究結果が裏付けていますが、幸いなことに新しいことにチャレンジするのに年齢制限はありません。 私も、52歳のときに初めて東京マラソンに挑戦しましたが、完走できた瞬間というのは間違いなくドーパミンが出ていたはず。脳のたくましさとは、ドーパミンが放出される前にやっていた行動の回路が強化されることにあるのです。人間の脳は、いくつになっても完成形などありません。そして、脳には皆さんが想像する以上の底力があるのです。 何歳になっても、自分にとって新しい経験に興味を持って向き合うことで、脳はいつまでも成長し続けることができるからです』、「子どもの脳が元気なのは、こうした好奇心をくすぐられる初めての体験が多く、ドーパミンが出る機会が多いからです。 ところが、大人になるにつれて知識が増え経験値が高くなるぶん、脳がさまざまな物事に動じにくくなってしまうのです。また、新しいことをするときや今までできなかったことができるようになったときにもドーパミンが出ます」、「何歳になっても、自分にとって新しい経験に興味を持って向き合うことで、脳はいつまでも成長し続けることができる」、なるほど。
・『「昔話」をすると、脳は若返る 一方で、「新しい経験」ではなくても、シニアの方が昔の思い出話をしたり、若いときの話をしたりしているときに、とてもイキイキしているのを見かけます。これは、一般にいわれる「回想法」というもので、回想法とはアメリカの精神科医のロバート・バトラーによって確立された心理療法です。 昔の懐かしい写真や、昔使っていた馴染み深いものなどに触れながら、そのときの経験や思い出を語り合うことで精神的な安定感が得られ、認知機能にもよい影響を与えるとされています。 現在、回想法は認知症の症状に対する、薬を使わない療法として活用されています。自分の過去を話すことで、記憶をより鮮明に思い出すことができるためです。 私たちの記憶というのは、感情と深く結びついています。これを脳科学的にいえば、シニアの皆さんが昔を思い出すことは、脳機能の活性化に有用だということです。 昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。) また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です。ちなみに、メタ認知とは自分自身に対して客観的な視点から観察し、評価する能力のことです。 こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです。さらに付け加えると、半永久的に終わりが来ないものがいいでしょう。 「子どものときに昆虫採集をしていた」 「若いころはバンドマンでギターを弾いていた」 もし、それが歳を重ねて離れてしまっていたら、それはもう一度脳の若々しさを取り戻すチャンスだと考えてください!』、「シニアの皆さんが昔を思い出すことは、脳機能の活性化に有用だということです。 昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。 また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です」、「こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです」、はじめ年寄りの悪弊と馬鹿にしていたが、そんなに積極的な意味があるとは初めて知った。
・『夢中になった時、脳の老化は食い止まる では、なぜそうした幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やることで若々しい脳を手に入れることができるのか。それは、「三つ子の魂百まで」ではありませんが、幼少期や若いときに好きでやっていたことは、たとえ何歳になっても好きであり、楽しく取り組めることが多いからです。 シニアの皆さんはビートルズの世代だと思いますが、ジョン・レノンはこんな名言を残しました。 「Life is what happens to you when you're making other plans.(人生とは別の計画を立てているのに起こる事柄である)」 これは、人生とは他の計画を練っている間にどんどん過ぎてしまうという意味が込められています。 そこで、「今さら……」「そんなのムリ」などと思わずに、とにかくタイムマシンにでも乗ったつもりでやってみてはいかがでしょうか。シニアになった今だからこそ、より楽しめるということもあるかもしれません。 それに加えてもうひとつ、長生きをしていつまでも脳を若々しく保つために必要なこと。それはずばり、生きるうえでの「意欲」です。 歳を重ねても元気な人生の大先輩に時々お目にかかります。そうした大先輩に共通しているのは、生きるということに関する意欲の強さ、あえていえば「貪欲さ」であるように思うのです。歳を理由にあきらめず、チャレンジしましょう! 歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです』、「歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです」、嬉しいはげましだ。
先ずは、昨年12月11日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/636125
・『年齢を重ねると、脳は「前頭葉」から萎縮しはじめる。だから、前頭葉を鍛えることが脳の老化を防ぐことになる。前頭葉は意欲などをつかさどる部位で、経験したことがないことに挑戦するときなどに使う。しかし、日本ではとかく「前例踏襲」が好まれ、日本人は前頭葉を使っていないと、精神科医の和田秀樹氏は指摘する。日本の教育も前頭葉を鍛えるものになっていないという(本記事は、和田秀樹『50歳からの「脳のトリセツ」』の一部を抜粋・編集したものです)』、「脳は「前頭葉」から萎縮しはじめる。だから、前頭葉を鍛えることが脳の老化を防ぐことになる」、「日本ではとかく「前例踏襲」が好まれ、日本人は前頭葉を使っていない」、とは耳の痛い忠告だ。
・『詰め込み教育は「悪」ではない 日本という国は、前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っています。簡単に言うと、前頭葉を働かせて新しいことをしようとすると、前頭葉を使わない「前例踏襲」の人たちにはじかれるという構造です。 少し考えただけでも思い当たるはずです。大多数の意見とは逆のことを言う人は、しばしば「異分子」として白眼視されます。人より目立ちすぎると、「出る杭」として打たれます。新しいアイデアを出しても、「前例がないから」と却下されることが多々あります。そうした社会から、新規性のある面白いビジネスが生まれるのは難しく、日本の国際競争力は落ちるばかりです。 その諸悪の根源は、教育システムにあると私は考えています。日本では、前頭葉を鍛える教育をまったくしていないのです。 こう言うと、50代の方は「詰め込み教育」を連想されるかもしれません。この世代は人数が多く、受験戦争が熾烈だったので、10代のころの猛勉強がつらい思い出になっている人もいるでしょう。そして、大量の知識を一律にインプットする初等・中等教育こそが「悪者」だとみなしがちです。 しかし、それは違います。小中高校での詰め込み教育は悪ではなく、むしろ不可欠なものです。この段階で詰め込まなければ、語彙も増えない、計算もできない、世の中のしくみにもまったく無知という状態で成人してしまいます。初等・中等教育において、必要な知識をひたすらインプットするのは、理にかなったことなのです。) 「とはいえ、好奇心やクリエイティブな感性を伸ばすことも重要では?」と考えた方もいるでしょう。「個性重視の教育」を対置して「詰め込み教育」を批判する声も、よく耳にするところです。 では、その考えはどこから来たものでしょうか。「欧米の教育は個性重視だから」ではないかと思います。しかしここにもまた、大きな誤解があります。 たしかに、1960年代~80年代初頭までのアメリカやイギリスでは、個性を重んじ、好奇心を伸ばすことを優先した教育が行われていました。しかしその結果、深刻な学力低下が起こり、アメリカもイギリスも方針転換せざるを得なくなりました。 その際に手本にしたのが、日本の詰め込み教育です。1980年代の日本の隆盛の基盤は初等教育にあるとして、教育改革を行ってテコ入れをし、学力を回復させています。つまり英米において、「詰め込み=悪」という考えは時代遅れとなって久しいのです。ついでに言うと、その後、アメリカからは世界的なIT企業が、イギリスでもダイソンのような昔の日本を彷彿させる企業が生まれています』、「小中高校での詰め込み教育は悪ではなく、むしろ不可欠なものです。この段階で詰め込まなければ、語彙も増えない、計算もできない、世の中のしくみにもまったく無知という状態で成人してしまいます。初等・中等教育において、必要な知識をひたすらインプットするのは、理にかなったことなのです」、「1960年代~80年代初頭までのアメリカやイギリスでは、個性を重んじ、好奇心を伸ばすことを優先した教育が行われていました。しかしその結果、深刻な学力低下が起こり、アメリカもイギリスも方針転換せざるを得なくなりました。 その際に手本にしたのが、日本の詰め込み教育です。1980年代の日本の隆盛の基盤は初等教育にあるとして、教育改革を行ってテコ入れをし、学力を回復させています。つまり英米において、「詰め込み=悪」という考えは時代遅れとなって久しいのです。ついでに言うと、その後、アメリカからは世界的なIT企業が、イギリスでもダイソンのような昔の日本を彷彿させる企業が生まれています」、米英が「手本にしたのが、日本の詰め込み教育です」、初めて知った。
・『「ゆとり教育」が失敗した理由 ところが日本は、アメリカやイギリスとは逆の道をたどりました。詰め込み教育に対して要らぬ反省をし、「ゆとり教育」へとシフトしたのです。これは、文部省(現・文部科学省)の中央教育審議会委員を務めた大学教授陣が、1960~70年代のアメリカに留学していたことが影響しています。 彼らは、教育改革をする「前」のアメリカの教育を理想化し、帰国後、それに倣うことを目指しながら着々と出世しました。そして教授になると「ゆとり教育」の基本方針を答申。1990年代半ばにゆとり重視の学習指導要領が導入され、2002年から現場で施行されます。 そのころ、日本はすでに台湾や韓国に中学生の数学力で後れをとりはじめているということが調査結果で明らかになっていました。にもかかわらず、わざわざ学力を落とす改悪をしたことが、現在のIT分野での惨敗を招いていることは火を見るよりも明らかです。) アメリカが1980年代に捨てた方針を、21世紀になってから踏襲するという的外れな施策が、なぜ行われてしまったのでしょうか。それは、教授たちの知識が留学時代から更新されていなかったからです。 いやしくも教育のプロならば、帰国後も勉強を続けて、常に最新の知識を得ておくべきところです。しかし日本の学界には、教授になれば勉強しなくても地位を保てるという、悪しきシステムがあります。この既得権益に、権威を得た教授たちが何十年もしがみつき、決定権を握って離さないのです』、「大学教授陣が、1960~70年代のアメリカに留学していたことが影響しています。 彼らは、教育改革をする「前」のアメリカの教育を理想化し、帰国後、それに倣うことを目指しながら着々と出世しました。そして教授になると「ゆとり教育」の基本方針を答申」、「いやしくも教育のプロならば、帰国後も勉強を続けて、常に最新の知識を得ておくべきところです。しかし日本の学界には、教授になれば勉強しなくても地位を保てるという、悪しきシステムがあります。この既得権益に、権威を得た教授たちが何十年もしがみつき、決定権を握って離さないのです」、「日本」の学識経験者の不勉強ぶりは酷いようだ。
・『日本の大学教育の質の低さは世界ワースト この「偉い方々」は、世界で高く評価された日本の初等・中等教育を捻じ曲げただけでなく、小学校~高校の教員資格に免許更新制も導入しました。大学教授の資格こそ更新制にしろと、声を大にして言いたい思いです。 教員免許の更新制は弊害があまりにも大きく、2022年に廃止になりました。そして、最新の知識が必要な大学教授たちの免許更新はいまだに実現していません。日本が前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っている元凶は、小中高校の詰め込み教育ではなく、大学教育にあります。 日本の大学教育の質の低さは世界ワーストレベルだと私は考えています。大学は本来、それまでインプットした知識を使って、自ら思考を組み立て、アウトプットする力を養う場です。諸外国での大学教育では、そこに力点が置かれます。だから、教授の言うことに逆らって議論できる学生が優秀とされます。 対して、日本のほとんどの大学で行われているのは、教授が教えた通りのことを試験で答えればよいという教育です。どちらが前頭葉を鍛える教育であるかは、言うに及ばないでしょう』、「日本が前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っている元凶は、小中高校の詰め込み教育ではなく、大学教育にあります。 日本の大学教育の質の低さは世界ワーストレベルだと私は考えています。大学は本来、それまでインプットした知識を使って、自ら思考を組み立て、アウトプットする力を養う場です。諸外国での大学教育では、そこに力点が置かれます。だから、教授の言うことに逆らって議論できる学生が優秀とされます。 対して、日本のほとんどの大学で行われているのは、教授が教えた通りのことを試験で答えればよいという教育です」、全面的に同意したい。
次に、本年1月2日付けPRESIDENT Onlineが掲載した愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬 道也氏による「「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/64758
・『高齢ドライバーは運転免許を返納したほうがいいのだろうか。愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也さんは「65歳以上の高齢者による車の事故率が、他の世代と比べて特別に高いわけではない。運転をやめた人は続けた人より要介護リスクが2倍高くなるという研究結果も出ており、脳機能や運転能力が落ちないうちはなるべく続けたほうがいい」という――。 ※本稿は、伊賀瀬道也『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです』、「運転をやめた人は続けた人より要介護リスクが2倍高くなる」、これは深刻なデメリットだ。「免許返納」は避けるべきというのは、第一の記事の著者の和田秀樹氏も主張している。
・『「高齢者の運転する車は事故率が高い」というデータは存在しない 高齢者になると、家族から運転免許の自主返納を促されることがあるでしょう。昨今、高齢者の運転は危険だという風潮が広がっているからです。 本当にそうなのでしょうか。あまり知られていないのですが、「65歳以上の高齢者による車の事故率が、他の世代に比べて特別高い」というデータは、今のところ出てきていません。 少し特殊な例かもしれませんが、ご高齢にもかかわらずアクティブに運転をされている方を一人紹介しましょう。 日本のレース黎明期ともいえる1960~1970年代に、国内トップカテゴリーで活躍したレーシングドライバーを総称して「レジェンドドライバー」と呼ぶのですが、彼らのつくった「レジェンドレーシングドライバーズクラブ」のお一人に武智勇三さんがいます。かつてダイハツのワークスドライバーとして活躍されました。 武智さんとは、私も友人としてお付き合いしていますが、80歳を超えた現在も本当にお元気で、ドイツ製のスポーツカーを運転されています。武智さんを含めたレジェンドドライバーのみなさんは、すでに平均年齢が75歳を超えているにもかかわらず、一年に一度「富士スピードウェイ」に集い、最高速度200km/hでの激しいバトルを見せてくれているのです』、「レジェンドドライバー」は例外中の例外とみるべきだ。
・『車の運転をやめた人が要介護になるリスクは2.09倍 このように、高齢になったからといって、即座に免許を返納する必要はないと私は思います。特に地方在住の高齢者(特に男性)は、運転免許を取得していて、自分で車を運転して行きたいところに行けるということが、1つのアイデンティティー(自分の存在証明)と考える方も多いと思います。 これまで外出の際に車を運転していた人は、免許を返納してしまうと外出の機会が極端に減ってしまうため、活動範囲が極端に狭まります。その結果、交友範囲が狭くなったり、運動量が減ったりして、数年のうちに介護が必要になったり、認知症になったりしてしまう人が少なくないのです。 実際、筑波大学の研究チームが、65歳以上の男女2800人を10年にわたって追跡調査したところ、車の運転をやめた人は、運転を続けた人に比べて、要介護になるリスクが2.09倍になったということです。車の運転をやめたことで、活動量が落ち、意欲も筋力も体力も減退してしまったと考えられます』、「要介護になるリスクが2.09倍」というのはやはり明白なデメリットだ。
・『免許返納の時期は家族と相談して決めておく 車の運転は脳機能や反射神経のトレーニングになりますし、買い物先のスーパーやショッピングモールを歩いたりすることは運動にもなります。友だちに会って楽しく話せば、それだけで認知症予防になります。 ただし、返納する時期については家族と相談して決めておきましょう。1年に1回は、運転能力に問題がないか、家族に同乗してもらい確かめてもらえば安心です。 ちなみに75歳以上の後期高齢者の場合には、認知機能検査に合格し、運転適性検査や実車指導を含む高齢者講習を受けなければ、免許更新手続きはできません。 少しでも長い間、安全な運転を続けていくためには、脳機能や運動能力を落とさないことが必要です。今のうちから健康的な生活を心がけておきましょう。 それでも、いつか免許を返納する日が来るかもしれません。でも、大丈夫です。運転ができなくなっても、他の健康習慣は十分に実践可能です。できることをコツコツと、楽しんでやってみてください』、「運転ができなくなっても、他の健康習慣は十分に実践可能です。できることをコツコツと、楽しんでやってみてください」、その通りだ。
・『長野県民の平均寿命の長さは有業率の高さと関係している 2015年の都道府県別生命表によると、長野県民の平均寿命は、女性が87.67歳で全国第1位、男性が81.75歳で第2位でした。1990年以降、長野県は男女ともに全国1位を何度も記録しています。 この状況を受け、長野県は長寿の理由を分析したところ、「県民の高い就業意欲や積極的な社会参加」「地域において医療保険活動が活発に行われたこと」「健康ボランティア活動が活発であること」などを挙げています。 確かに長野県は、65歳以上の高齢者の有業率は男性が41.6%で全国1位、女性が21.6%で1位です。このことと長野県民の長寿は関係があると思います。 なぜなら、働くことはフレイル(注)予防にはもってこいだからです。家から出るので足腰が鍛えられて「身体的フレイル」の予防になります。仕事仲間と会話をしたり、何か楽しみを見つけられれば「精神・心理的フレイル」や「社会的フレイル」からも遠ざかることができます。脳も使うので、認知症予防にもなるでしょう。 体がまだ元気ならば、定年を迎えたからといって家の中に引きこもるのはもったいないと思います。たとえアルバイトやパートであっても、外に出て働くほうが、さまざまな面で健康長寿に寄与するといえるでしょう。 もちろん、必ずしも仕事として働く必要はありません。地域のボランティア活動に参加するもよし、趣味のサークルに積極的に参加するもよし。外に出てやりたいことを思う存分やるのが、長寿のヒケツなのです。人生100年時代、60代70代で隠居なんて、早すぎると思いませんか?』、「体がまだ元気ならば、定年を迎えたからといって家の中に引きこもるのはもったいないと思います。たとえアルバイトやパートであっても、外に出て働くほうが、さまざまな面で健康長寿に寄与するといえるでしょう。 もちろん、必ずしも仕事として働く必要はありません。地域のボランティア活動に参加するもよし、趣味のサークルに積極的に参加するもよし。外に出てやりたいことを思う存分やるのが、長寿のヒケツなのです」、なるほど。
(注)フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態(健康長寿ネット)
・『「部屋の片付けが億劫」そんなところから老化は進んでいく 部屋の片づけが億劫で、モノがあふれかえっている人はいませんか? 私は何千人ものご高齢の患者さんと接してきましたが、うつ症状があったり、認知機能が低下したりしている人は、部屋の片づけやお化粧といった、それまで当たり前にできていたことができなくなっていく傾向にあります。 老化と一言で言っても、さまざまな側面があります。筋肉や骨が衰えていく「身体的フレイル」に、気力ややる気がなくなっていく「精神・心理的フレイル」、閉じこもりや独居などの「社会的フレイル」など……、複数の要素が絡み合って老化は進行していきます。 部屋の片づけが億劫になるのは、このうち精神・心理的フレイルが進行している状態です。しかし、動かない生活で足腰が弱れば身体的フレイルも、そして部屋の中に引きこもってしまえば社会的フレイルも、同時に進行してしまいかねません』、「老化と一言で言っても、さまざまな側面があります。筋肉や骨が衰えていく「身体的フレイル」に、気力ややる気がなくなっていく「精神・心理的フレイル」、閉じこもりや独居などの「社会的フレイル」など……、複数の要素が絡み合って老化は進行していきます」、その通りだ。
・『不要なものを一気に捨てると気持ちが若返る 高齢者の中には、孤独死する人が年々増えています。ニッセイ基礎研究所の調査によると、65歳以上の孤独死者数は年間2万6000人と推計しています。中にはモノやゴミにあふれた部屋で亡くなっていく人が少なくないそうです。 これまでできていた片づけや掃除が億劫になってきたら、「フレイルの兆候だ」と気づき、健康のための運動というつもりで部屋の掃除を始めましょう。オススメは「不要なモノを一気に捨てる」ことです。部屋がスッキリ片づくと、心までスッキリしてきて、本当に大切なものが見えてきます。 このように、片づけは元気に100歳まで生きることに直結しています。部屋がきれいである限り、長生きできるのだと考えれば、やる気が起きるはずです』、「部屋がスッキリ片づくと、心までスッキリしてきて、本当に大切なものが見えてきます」、なるほど。
・『健康でいるためにきれいな空気を絶えず取り込む 人間が生きていくために、外から取り入れているものは、まず食料と水です。そして、もう1つ忘れてはならないのが「空気」です。体内に入るすべての物質を合わせた総重量の中で、空気が占める割合は8割を超えます。 伊賀瀬道也『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社) つまり、「健康に悪い空気」を吸っていると、健康を害してしまうといえます。代表的な「健康に悪い空気」といえば、大気汚染の原因であるPM2.5や黄砂が思い浮かびます。PM2.5や黄砂の量が多いという報道があったときは外出を控えるか、マスクの着用をして外出をしたほうがいいでしょう。 また、部屋をきれいに保ち、定期的に換気をすることも大切です。特にガスで調理をしている家では、大量の窒素酸化物や硫黄化合物といった有害物質が発生しています。定期的に換気をして、空気の入れ替えをしましょう。 これは、石油ストーブなどの燃焼型の暖房器具も同様です。IH型のコンロや、電気ストーブなどに変更して、ガスを使わない生活をするのもよいでしょう。 部屋はモノを片づけるだけでなく、掃除もきちんと行うのが望ましいです。特に床が汚れていると、部屋の空気まで汚れてしまいます。私たちは床から上昇してくる空気の50%を体内に取り込んでいます。寝た状態だと70%以上です。 部屋の清潔感を保つと同時に、空気清浄機を利用してもいいでしょう。オススメは活性炭やセラミックで化学物質を吸い取るタイプの吸着型です。あるいは、空気清浄機代わりに備長炭を部屋に置くのも効果的です。備長炭は、1カ月程度で洗って乾燥させれば長く使い続けることができます。空気の汚れが気になる方は、ぜひ試してみてください』、「私たちは床から上昇してくる空気の50%を体内に取り込んでいます。寝た状態だと70%以上です。 部屋の清潔感を保つと同時に、空気清浄機を利用してもいいでしょう。オススメは活性炭やセラミックで化学物質を吸い取るタイプの吸着型です。あるいは、空気清浄機代わりに備長炭を部屋に置くのも効果的です」、確かによさそうだ。「備長炭は、1カ月程度で洗って乾燥させれば長く使い続けることができます」、というのは初めて知った。
第三に、1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した脳科学者の茂木 健一郎氏による「"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/642560
・『老けたくない、ずっと健康でいたい――多くの人が「いつまでも若々しくありたい」と望んでいます。老いと深い関係にある、脳。脳科学者の茂木健一郎氏は、「思考力が低下すると言われる70歳を超えても、脳の働きが若いころとあまり変わらない人もいる」といいます。そこで、年齢を重ねても「若い脳」でいるための秘訣を聞きました。 本稿は、茂木氏の著書『脳は若返る』より一部抜粋、編集してお届けします』、「"昔話ばかりする人"」は老化の典型だと馬鹿にしていたが、大間違いだったようだ。
・『若々しい脳の「スーパーエイジャー」になる! 毎朝、顔を洗うたびに、鏡に映った自分の顔を見て、「もうずいぶん歳をとってしまったな……」と、ガッカリしていませんか? 「いつまでも心身ともに健康でありたい」 「元気で若々しい脳を手に入れたい」 これは、多くの人が望むことではないでしょうか。人生100年時代といわれる昨今、日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(厚生労働省2022年発表)と年々更新しており、今後も私たちの平均寿命は伸び続けるといわれています(※但し、2021年はコロナの影響で短くなっている)。 とはいえ、誰にでも平等に訪れる老い―― 。それは脳も例外ではありません。つい物忘れが多くなり、「もしかして認知症なんじゃないか……」と、不安に感じたことがあるかもしれませんが、年齢を重ねるにつれて認知力が低下していき、思考が遅くなり、忘れっぽくなり、新しいことを学ぶのが苦手になっていくのは普通のことです。 しかし、脳の老化には個人差があり、歳をとっても思考力があまり低下しない人がいるのも事実です。なかには70歳を超えても、脳の働きが若いころとあまり変わらないという人がいることも、最新の脳科学研究ではわかっています。 平均寿命が伸びて長生きするのが当たり前になった現在において、年齢を重ねても若々しい脳を持っている人は、いったいどのような生活を送っているのか。その秘訣を探る研究が世界中でおこなわれています。) 有名な研究をご紹介すると、ハーバード大学関連医療機関のなかでも代表的な存在といわれるマサチューセッツ総合病院の神経科医、ブラッドフォード・ディッカーソンは、「スーパーエイジャー」の研究をおこなっています。 スーパーエイジャーとは、70歳以上のシニアのなかでも、同世代と比較すると圧倒的に高い認知能力を持つ人のことを指します。ときには20代、30代の若者に匹敵する脳の働きを持つともいわれています。 その理由のひとつとして、ディッカーソンは、常に新しいことへチャレンジすることを挙げています。これは脳科学的な視点からも理にかなっており、新しいことへのチャレンジが脳の萎縮を少なくするので、思考力、記憶力、判断力など脳の重要な働きが衰えず、たとえ年齢を重ねてもいつまでも若々しい脳の状態を保つことができるからです』、「新しいことへのチャレンジが脳の萎縮を少なくするので、思考力、記憶力、判断力など脳の重要な働きが衰えず、たとえ年齢を重ねてもいつまでも若々しい脳の状態を保つことができる」、夢のような話だ。
・『「脳トレ」よりも効果がある“秘策” 近年、脳の老化を防ぐべく、「脳トレ」と呼ばれるトレーニングメソッドがシニアの間でブームになっているようですが、残念ながら「脳トレ」は認知症予防という観点からはほとんど意味がないということが、最新の脳科学の研究で明らかになっています。 カナダ・ウェスタン大学の研究チームの最新研究では、脳トレゲームが記憶や言語能力などをどのくらい向上させているかを調査したところ、それらの能力は脳トレゲームをしない人と変わらないことが判明したといいます。 また、クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は避けられないかもしれないと、イギリス発の最新研究が示唆しています。つまり、与えられた課題のトレーニングにはなっても、脳全体のトレーニングにはまったくなっていないことが確認されたというわけです。たしかに、脳トレが認知症を予防すると証明している研究を私は知りませんので、断言しておきましょう』、「脳トレゲームが記憶や言語能力などをどのくらい向上させているかを調査したところ、それらの能力は脳トレゲームをしない人と変わらないことが判明」、「クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は避けられないかもしれない」、なるほど。
・『「脳トレをする必要は、まったくありません!」 実際、私の周りにいるスーパーエイジャーといえる元気で活発なシニアの方々を見ていても、脳トレをしている様子はまったくありません。もちろん、脳の専門家である私でさえ、これまでの人生で一度も脳トレをやったことはありません。 では、いったいどうやって若々しい脳を手に入れればいいのか。私の経験上、もっとも効果が高いと感じられるのは、次の3つです。 1. 社会や人とつながる 2. 常にお金の出入りがある 3. ストレスのない生活習慣 どんなに長生きしても、脳の健康を維持できなければ、誰もが例外なく人生の質を保つことはできません。脳が老化し、認知症になってしまえば、せっかく楽しい体験をしても記憶に残りません。それはもったいないことです。 そこで、いつまでも脳を若々しく保つために、この3つのポイントを意識することで、たとえ何歳になっても脳の若さを持続できるのです。) 脳の若さを保つ秘訣はまだまだあります。それは、脳の前頭葉を活性化して「ドーパミン」をたくさん出すことです。ドーパミンとは脳内の神経伝達物質で、うれしいことや楽しいことがあると分泌されることから、「脳内報酬」とも呼ばれ、さらにはやる気や幸福感を高めたり、ポジティブになるなどの効用もあります。 このドーパミン、実は私たちの日常生活のなかで出る機会はたくさんあります。それは、生まれて初めてのことを経験したときや、ドキドキわくわくしたり、感動したりしたとき。つまり、好奇心が刺激されると出ることがわかっています。子どもの脳が元気なのは、こうした好奇心をくすぐられる初めての体験が多く、ドーパミンが出る機会が多いからです。 ところが、大人になるにつれて知識が増え経験値が高くなるぶん、脳がさまざまな物事に動じにくくなってしまうのです。また、新しいことをするときや今までできなかったことができるようになったときにもドーパミンが出ます。これは、先に述べたスーパーエイジャーの研究結果が裏付けていますが、幸いなことに新しいことにチャレンジするのに年齢制限はありません。 私も、52歳のときに初めて東京マラソンに挑戦しましたが、完走できた瞬間というのは間違いなくドーパミンが出ていたはず。脳のたくましさとは、ドーパミンが放出される前にやっていた行動の回路が強化されることにあるのです。人間の脳は、いくつになっても完成形などありません。そして、脳には皆さんが想像する以上の底力があるのです。 何歳になっても、自分にとって新しい経験に興味を持って向き合うことで、脳はいつまでも成長し続けることができるからです』、「子どもの脳が元気なのは、こうした好奇心をくすぐられる初めての体験が多く、ドーパミンが出る機会が多いからです。 ところが、大人になるにつれて知識が増え経験値が高くなるぶん、脳がさまざまな物事に動じにくくなってしまうのです。また、新しいことをするときや今までできなかったことができるようになったときにもドーパミンが出ます」、「何歳になっても、自分にとって新しい経験に興味を持って向き合うことで、脳はいつまでも成長し続けることができる」、なるほど。
・『「昔話」をすると、脳は若返る 一方で、「新しい経験」ではなくても、シニアの方が昔の思い出話をしたり、若いときの話をしたりしているときに、とてもイキイキしているのを見かけます。これは、一般にいわれる「回想法」というもので、回想法とはアメリカの精神科医のロバート・バトラーによって確立された心理療法です。 昔の懐かしい写真や、昔使っていた馴染み深いものなどに触れながら、そのときの経験や思い出を語り合うことで精神的な安定感が得られ、認知機能にもよい影響を与えるとされています。 現在、回想法は認知症の症状に対する、薬を使わない療法として活用されています。自分の過去を話すことで、記憶をより鮮明に思い出すことができるためです。 私たちの記憶というのは、感情と深く結びついています。これを脳科学的にいえば、シニアの皆さんが昔を思い出すことは、脳機能の活性化に有用だということです。 昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。) また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です。ちなみに、メタ認知とは自分自身に対して客観的な視点から観察し、評価する能力のことです。 こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです。さらに付け加えると、半永久的に終わりが来ないものがいいでしょう。 「子どものときに昆虫採集をしていた」 「若いころはバンドマンでギターを弾いていた」 もし、それが歳を重ねて離れてしまっていたら、それはもう一度脳の若々しさを取り戻すチャンスだと考えてください!』、「シニアの皆さんが昔を思い出すことは、脳機能の活性化に有用だということです。 昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。 また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です」、「こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです」、はじめ年寄りの悪弊と馬鹿にしていたが、そんなに積極的な意味があるとは初めて知った。
・『夢中になった時、脳の老化は食い止まる では、なぜそうした幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やることで若々しい脳を手に入れることができるのか。それは、「三つ子の魂百まで」ではありませんが、幼少期や若いときに好きでやっていたことは、たとえ何歳になっても好きであり、楽しく取り組めることが多いからです。 シニアの皆さんはビートルズの世代だと思いますが、ジョン・レノンはこんな名言を残しました。 「Life is what happens to you when you're making other plans.(人生とは別の計画を立てているのに起こる事柄である)」 これは、人生とは他の計画を練っている間にどんどん過ぎてしまうという意味が込められています。 そこで、「今さら……」「そんなのムリ」などと思わずに、とにかくタイムマシンにでも乗ったつもりでやってみてはいかがでしょうか。シニアになった今だからこそ、より楽しめるということもあるかもしれません。 それに加えてもうひとつ、長生きをしていつまでも脳を若々しく保つために必要なこと。それはずばり、生きるうえでの「意欲」です。 歳を重ねても元気な人生の大先輩に時々お目にかかります。そうした大先輩に共通しているのは、生きるということに関する意欲の強さ、あえていえば「貪欲さ」であるように思うのです。歳を理由にあきらめず、チャレンジしましょう! 歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです』、「歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです」、嬉しいはげましだ。
タグ:「小中高校での詰め込み教育は悪ではなく、むしろ不可欠なものです。この段階で詰め込まなければ、語彙も増えない、計算もできない、世の中のしくみにもまったく無知という状態で成人してしまいます。初等・中等教育において、必要な知識をひたすらインプットするのは、理にかなったことなのです」、「1960年代~80年代初頭までのアメリカやイギリスでは、個性を重んじ、好奇心を伸ばすことを優先した教育が行われていました。しかしその結果、深刻な学力低下が起こり、アメリカもイギリスも方針転換せざるを得なくなりました。 「脳は「前頭葉」から萎縮しはじめる。だから、前頭葉を鍛えることが脳の老化を防ぐことになる」、「日本ではとかく「前例踏襲」が好まれ、日本人は前頭葉を使っていない」、とは耳の痛い忠告だ。 和田秀樹『50歳からの「脳のトリセツ」』 和田 秀樹氏による「老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…」 東洋経済オンライン (その22)(老化を防ぐ「前頭葉」日本人がほぼ使えていない訳 未経験のことに挑戦する時に使うのだが…、「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる、"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方) 高齢化社会 その際に手本にしたのが、日本の詰め込み教育です。1980年代の日本の隆盛の基盤は初等教育にあるとして、教育改革を行ってテコ入れをし、学力を回復させています。つまり英米において、「詰め込み=悪」という考えは時代遅れとなって久しいのです。ついでに言うと、その後、アメリカからは世界的なIT企業が、イギリスでもダイソンのような昔の日本を彷彿させる企業が生まれています」、米英が「手本にしたのが、日本の詰め込み教育です」、初めて知った。 「大学教授陣が、1960~70年代のアメリカに留学していたことが影響しています。 彼らは、教育改革をする「前」のアメリカの教育を理想化し、帰国後、それに倣うことを目指しながら着々と出世しました。そして教授になると「ゆとり教育」の基本方針を答申」、 「いやしくも教育のプロならば、帰国後も勉強を続けて、常に最新の知識を得ておくべきところです。しかし日本の学界には、教授になれば勉強しなくても地位を保てるという、悪しきシステムがあります。この既得権益に、権威を得た教授たちが何十年もしがみつき、決定権を握って離さないのです」、「日本」の学識経験者の不勉強ぶりは酷いようだ。 「日本が前頭葉の機能が低下しやすい社会構造を持っている元凶は、小中高校の詰め込み教育ではなく、大学教育にあります。 日本の大学教育の質の低さは世界ワーストレベルだと私は考えています。大学は本来、それまでインプットした知識を使って、自ら思考を組み立て、アウトプットする力を養う場です。諸外国での大学教育では、そこに力点が置かれます。だから、教授の言うことに逆らって議論できる学生が優秀とされます。 対して、日本のほとんどの大学で行われているのは、教授が教えた通りのことを試験で答えればよいという教育です」、 全面的に同意したい。 PRESIDENT ONLINE 伊賀瀬 道也氏による「「高齢ドライバーは事故率が高い」というデータはない…抗老化の専門医が「免許返納は早まるな」と説くワケ 外出の機会が極端に減って体力も気力も失われる」 伊賀瀬道也『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社) 「運転をやめた人は続けた人より要介護リスクが2倍高くなる」、これは深刻なデメリットだ。「免許返納」は避けるべきというのは、第一の記事の著者の和田秀樹氏も主張している。 「レジェンドドライバー」は例外中の例外とみるべきだ。 「要介護になるリスクが2.09倍」というのはやはり明白なデメリットだ。 「運転ができなくなっても、他の健康習慣は十分に実践可能です。できることをコツコツと、楽しんでやってみてください」、その通りだ。 「体がまだ元気ならば、定年を迎えたからといって家の中に引きこもるのはもったいないと思います。たとえアルバイトやパートであっても、外に出て働くほうが、さまざまな面で健康長寿に寄与するといえるでしょう。 もちろん、必ずしも仕事として働く必要はありません。地域のボランティア活動に参加するもよし、趣味のサークルに積極的に参加するもよし。外に出てやりたいことを思う存分やるのが、長寿のヒケツなのです」、なるほど。 (注)フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態(健康長寿ネット) 「老化と一言で言っても、さまざまな側面があります。筋肉や骨が衰えていく「身体的フレイル」に、気力ややる気がなくなっていく「精神・心理的フレイル」、閉じこもりや独居などの「社会的フレイル」など……、複数の要素が絡み合って老化は進行していきます」、その通りだ。 「部屋がスッキリ片づくと、心までスッキリしてきて、本当に大切なものが見えてきます」、なるほど。 「私たちは床から上昇してくる空気の50%を体内に取り込んでいます。寝た状態だと70%以上です。 部屋の清潔感を保つと同時に、空気清浄機を利用してもいいでしょう。オススメは活性炭やセラミックで化学物質を吸い取るタイプの吸着型です。あるいは、空気清浄機代わりに備長炭を部屋に置くのも効果的です」、確かによさそうだ。「備長炭は、1カ月程度で洗って乾燥させれば長く使い続けることができます」、というのは初めて知った。 茂木 健一郎氏による「"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方」 「"昔話ばかりする人"」は老化の典型だと馬鹿にしていたが、大間違いだったようだ。 「新しいことへのチャレンジが脳の萎縮を少なくするので、思考力、記憶力、判断力など脳の重要な働きが衰えず、たとえ年齢を重ねてもいつまでも若々しい脳の状態を保つことができる」、夢のような話だ。 「脳トレゲームが記憶や言語能力などをどのくらい向上させているかを調査したところ、それらの能力は脳トレゲームをしない人と変わらないことが判明」、「クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は避けられないかもしれない」、なるほど。 「子どもの脳が元気なのは、こうした好奇心をくすぐられる初めての体験が多く、ドーパミンが出る機会が多いからです。 ところが、大人になるにつれて知識が増え経験値が高くなるぶん、脳がさまざまな物事に動じにくくなってしまうのです。また、新しいことをするときや今までできなかったことができるようになったときにもドーパミンが出ます」、「何歳になっても、自分にとって新しい経験に興味を持って向き合うことで、脳はいつまでも成長し続けることができる」、なるほど。 「シニアの皆さんが昔を思い出すことは、脳機能の活性化に有用だということです。 昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。 また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です」、「こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです」、はじめ年寄りの悪弊と馬鹿にしていたが、そんなに積極的な意味があるとは初めて知った。 「歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです」、嬉しいはげましだ。