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医薬品(製薬業)(その8)(調剤大手さくら薬局、調剤報酬に生じた「疑惑」 経営再建中に調剤報酬を高く請求している疑い、和田秀樹氏が「優秀な医師ほど薬は飲まない」と考える理由 薬剤師の発言力がないことが問題、製薬企業が医師に払うお金の知られざる最新事情 製薬マネーデータベースで見る医療界の実態) [産業動向]

医薬品(製薬業)については、昨年8月8日に取上げた。今日は、(その8)(調剤大手さくら薬局、調剤報酬に生じた「疑惑」 経営再建中に調剤報酬を高く請求している疑い、和田秀樹氏が「優秀な医師ほど薬は飲まない」と考える理由 薬剤師の発言力がないことが問題、製薬企業が医師に払うお金の知られざる最新事情 製薬マネーデータベースで見る医療界の実態)である。

先ずは、昨年10月12日付け東洋経済オンライン「調剤大手さくら薬局、調剤報酬に生じた「疑惑」 経営再建中に調剤報酬を高く請求している疑い」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/623714
・『調剤薬局チェーンで売上高3位のさくら薬局グループが、調剤報酬の不正請求をしている疑いがあることが、東洋経済の取材でわかった。 店舗数の多いチェーンは調剤報酬の点数が下がる仕組みになっており、特別目的会社(SPC)を使って、複数の薬局をグループ外に切り出し、調剤報酬を高く請求している疑いがある。 さくら薬局グループは、クラフトホールディングスを中核とし、クラフト、さくら薬局、クラフト本社などで構成されている。一般的には、さくら薬局の名前で知られている。 さくら薬局グループのHPによれば、2020年時点でグループの店舗数は1000店を超え、2021年3月期の売上高は1907億円。2010年代、規模拡大のため積極的なM&A(合併・買収)を行ってきた。ところがM&Aのペースの割に資金回収が追い付かなかったためか、2022年2月に私的整理の1つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請した。 ADRでは再建計画について、金融債権を有する金融機関の全員の合意が必要だが、現時点では合意に至っていない。自主再建を断念し、経営権を譲渡する案も検討されているもようだ』、「2010年代、規模拡大のため積極的なM&A・・・を行ってきた。ところがM&Aのペースの割に資金回収が追い付かなかったためか、2022年2月に私的整理の1つである事業再生ADR・・・を申請」、興味深そうだ。
・『クラフトホールディングスからSPCに株式を譲渡  不正の疑いの舞台となっているのは、西日本に所在する調剤薬局の2社。2016年にクラフトホールディングスが、この2社のオーナーから買収した。合計7つの調剤薬局を運営している。 2021年後半、クラフトホールディングスは2社をSPCであるM社の傘下とした。現在、M社の代表取締役にはさくら薬局グループ元社員のA氏が就いている。 資本関係ではさくら薬局グループから外れた2社だが、そのことが調剤報酬の請求において、重要な変化をもたらすことになる。 調剤薬局で処方薬を受け取る際、その価格は大きく分けると2つの要素で決まっている。処方薬の価格である薬材料(薬価)と、調剤薬局が提供する労務・サービスへの対価である技術料だ。調剤薬局にとっては、店舗ごとに高い技術料を得られるかどうかで収益が違ってくる。) 厚生労働省は2年に1度、診療報酬の改定を行うが、調剤報酬は医療費削減のため、毎回引き下げられている。その中で、収益力を高めてきた大手の調剤薬局の技術料を下げる報酬改定が続いている。 具体的には2016年に、同一グループの処方箋受付回数が月4万回を超える薬局の一部で、技術料の1種である調剤基本料が引き下げられた。2022年の改定では、同一グループで300店舗以上を有する薬局の調剤基本料が引き下げられることになった』、なるほど。
・『高い調剤基本料を申請  前述2社の薬局の調剤基本料は、さくら薬局グループに属していたため、一部の店舗では低い区分で算定されていたが、M社の傘下になっていたことで、同一グループの制限から外れた。2022年4月には、7店舗のうち6店舗において最も点数の高い調剤基本料を取れるよう、所在地を管轄する厚生局(厚労省の地方機関)に申請し、受理された。 ここで論点となるのが、「同一グループ」の定義だ。東洋経済は、さくら薬局グループに、グループとM社との関係性について質問したところ、「当社グループとM社とは資本関係はない」と回答があった。 厚労省の調剤報酬の施設基準には、同一グループの定義について、資本関係のある親会社や関連会社のほか、これらと「同等以上の支配力を有すると認められる」法人も含まれるとされている。その内容について、同省の保険局医療課に問い合わせると、「議決権や資本金の状況のほか、個別の事情に応じて総合的に判断する」との回答があった。 つまり資本関係がなくても、会社を事実上支配していれば、「同一グループ」にあたる場合があるというわけだ。東洋経済は、さくら薬局グループが2社を事実上支配していることを示す書類や証言を得た。 まず人事についてだ。 2社のオーナーであった人物はさくら薬局グループに買収された後も、そのまま経営にあたってきたが、2022年5月に2社の取締役を解任された。その2週間前にM社から送られてきた解任通知書の通知人には、M社とクラフトホールディングスが併記されているのだ(上写真)。株主でないはずのクラフトホールディングスが、解任する側として登場していることになる。 また、現在M社の代表であるA氏は、さくら薬局グループのグループ会社であるSF・インフォネットの代表を2021年から務めている。つまり現在もさくら薬局グループに所属しているといえる。) さらに資金についても不可解な点がある。 2社のうち1つは2021年11月頃、運転資金がショート寸前だった。その際、解任されたオーナーの元にはクラフトが契約している会計事務所から資金を注入する旨の連絡が入った。後日、1100万円が振り込まれたが、その振込主はクラフトだった(上写真)。 関係者によると、この2社との窓口になっていたクラフトの社員は「2021年9月末にSPCであるM社に2社の株式を譲渡する」という趣旨の説明をしていた。この発言どおりであれば、M社への譲渡後にクラフトが資金を支援していたことになる』、こんな見え見えの「グループ外し」に騙された当局も問題だ。
・『専門家はSPCを使ったグループ外しだと指摘  今回の調剤報酬の申請を、競合他社や業界関係者はどのようにみるのか。 調剤大手の幹部社員は、「SPCを使ったスキームは誰しもが考える」としたうえで次のように証言する。「(2016年の)同一グループの定義ができたときに、資本関係のないSPCに子会社を移動し、同一グループの対象外とすることが可能か厚労省に匿名で問い合わせたが、認められないと回答が来た」。その結果、この調剤薬局ではSPCを用いたスキームはいっさい使っていない。 調剤薬局や病院など医療機関の経営を専門としている高崎健康福祉大学の木村憲洋准教授は、さくら薬局グループのスキームについて、「SPCを用いて同一グループの定義には入らないように見せているが、事実上、入るのではないか」と話す。 さくら薬局グループは取材に対し、「株式譲渡の目的や経緯については、守秘義務があり答えられない。(今回の請求方法に)不正請求はないと認識している」と回答した。 しかし不正請求の意図があったことをうかがわせるような発言をクラフトの社員がしている音声データを入手した。2021年9月、2社の関係者に対し、クラフトの社員は、「(2社の)オペレーションは私とB(当時クラフトの執行役員の実名)がやりますし、(店舗の運営などで)何か変わるということはございません」と述べている。 つまり、2社の薬局をM社傘下にすることは形式的なもので、さくら薬局グループが実質的に支配をしていくことを自ら認めているのだ。そしてB氏は後日「(M社の傘下に入ったことで)調剤基本料は高い算定がとれる」と明言している。 ただし、さくら薬局からの「グループ外し」が高い基本料を得るためだとしても、疑問は残る。1000店舗を超えるさくら薬局チェーンで、7店舗をSPC傘下にしても、たかがしれている。これについて、業界関係者は「グループ外しの狙いは、高い調剤報酬を得ることで店舗の収益を改善させた後、他社に少しでも高く売却して資金を得ることにあるのでは」と推測する』、「狙いは、高い調剤報酬を得ることで店舗の収益を改善させた後、他社に少しでも高く売却して資金を得ることにある」、そうであれば、わざわざ手間のかかる操作をした理由も納得できる。
・『「同一グループ」の定義は守られるか  現時点で、地元の厚生局には再調査の動きなどはない。しかし、子会社を資本関係のないSPCに移し、今までより高い調剤報酬を得るという請求方法がまかり通れば、「同一グループ」の定義は骨抜きにされてしまう。 調剤薬局は営利を追求する組織であると同時に、「保険医療機関」だ。保健医療機関には、健康保険事業の健全な運営を確保し、費用の請求に関する手続きを適正に行う義務がある。 さくら薬局グループには自社の再建策だけではなく、調剤報酬制度と真摯に向き合う姿勢が求められている』、問題があるのは、「さくら薬局グループ」だけでなく、「「同一グループ」の定義は骨抜きにされてしまう」のを放置した厚労省にも大きな問題がある。

次に、10月31日付けNEWSポストセブン「和田秀樹氏が「優秀な医師ほど薬は飲まない」と考える理由 薬剤師の発言力がないことが問題」を紹介しよう。
・『薬にはベネフィット(利益)とともにリスクがつきものだ。薬をたくさん飲みすぎる「多剤併用」の解消は多くの人にとっての課題だが、『80歳の壁』著者で精神科医の和田秀樹医師は「優秀な医者ほど、自分では薬なんて飲んでいませんよ」と明かす。和田医師が、日本の医療の「薬」に関する問題点を指摘する。 昔の医者は患者さんに薬は出すけど自分は飲みたがらない、という人が多かったように思います。 それが最近は、医者でも健康診断の数値が悪かったら、「血圧」や「コレステロール」を下げようとして薬を何種類も飲むような人が増えてきた。 その理由を突き詰めて言えば、医者に対する「教育」が悪いからです。 検査データをすべて正常値の範囲内に収めなければダメだと思い込んでいる。患者さんだけでなく、医者も“高血圧教”の信者になっているようなものです。 だから、例えば僕みたいに血圧が200以上になることがあると、焦って薬を飲んで数値を下げようとするわけです。 でも血圧のコントロールは食事、運動などの生活習慣の改善が必要なんですよ。そもそも、数値だけにこだわる必要がありません。医学的な統計上、高齢になるほど血糖値もコレステロール値もBMIも、基準値より少し高めのほうが元気で長生きできるのです。 最新の知見に基づく情報を正しく仕入れている優秀な医者ほど、そのことを知っているので薬は飲みません。 例えば健康診断では腹囲と血圧、血糖、脂質の数値をもとに「メタボ」かどうかが判定されます。しかし、その「メタボ」という言葉、概念を日本で広めた大学の先生自身が、ちっとも痩せていませんから(笑)。ご自身はそのほうが元気で長生きできると知っているのでしょう。 そもそも、病気か健康かの診断を分ける現在の「基準値」は厳しすぎます。もっと言えば、“間違って”いる。 薬を飲ませるために「基準値」を下げ、正常とされる範囲内に患者の数値を収めようとして、薬をどんどん出す。そうやって、多剤処方に歯止めがかからない構造を生み出しているのです』、「医学的な統計上、高齢になるほど血糖値もコレステロール値もBMIも、基準値より少し高めのほうが元気で長生きできる」、「最新の知見に基づく情報を正しく仕入れている優秀な医者ほど、そのことを知っているので薬は飲みません」、「「メタボ」という言葉、概念を日本で広めた大学の先生自身が、ちっとも痩せていませんから(笑)。ご自身はそのほうが元気で長生きできると知っているのでしょう」、検査数値に一喜一憂する患者こそいい面の皮だ。「そもそも、病気か健康かの診断を分ける現在の「基準値」は厳しすぎます。もっと言えば、“間違って”いる。 薬を飲ませるために「基準値」を下げ、正常とされる範囲内に患者の数値を収めようとして、薬をどんどん出す。そうやって、多剤処方に歯止めがかからない構造を生み出しているのです」、「基準値」を意図的に下げ、「多剤処方に歯止めがかからない構造を生み出している」、とはショッキングだ。
・『薬剤師の「発言力」がない  ただ、「医者は金儲けのために薬を出す」というのは誤解です。院外処方による医薬分業が進んだ今、医者は薬を出せば儲かるわけではない。薬を出すほど儲かるのは、院外薬局の経営者や製薬企業などです。 医薬分業が進む以前、自分のクリニックで薬を出していた頃は、金儲けのために薬をいっぱい出す医者もいましたが、その時代の医者は、薬なんて信じていない人が多く、自分では飲まなかった。そんな構造がありました。 院外処方になり、医者は薬で儲けられないにもかかわらず処方が減らないのは、今の医者が教科書に書いてある通りに薬を出し続けているからです。加えて製薬企業や薬局の人が必死に営業を仕掛け、それによって薬を多く出してしまうこともあるかもしれない。 さらに、「薬剤師の発言力不足」も大きな問題です。調剤薬局では、処方箋を持参した患者さんのおくすり手帳を見て、薬局の薬剤師が「不的確な処方」であると判断することがあります。 分かりやすいのは「併用禁忌」。別の病院で出されている薬との組み合わせを見て、薬剤師が併用禁忌を発見すれば、処方医に進言して薬を変えてもらうことができます。 ところが、「多剤併用」によるポリファーマシー(薬物有害事象)の懸念がある時は違います。薬剤師から医者に「大丈夫ですか」と進言する場面はまず考えられない。 薬剤師の職務上、本来は必要なことです。薬剤師に指摘されたら、医者の側も「そうですね、それでは減らしましょう」と思わなければいけません。しかし、そうした進言や注意はまず上がってこない。 これは医学界において薬剤師より医者のほうが「権威が上」になってしまっているからです。これはポリファーマシーを解決するうえで本当に大きな問題で、薬剤師から遠慮なくものが言える構造を作らなければいけません。 また、患者さんが複数の医療機関や診療科をまたいで受診するなかで、前に処方したほかの先生に対する「忖度」が働くこともあります。 例えば、すでに別の病院で処方されたAという薬を服用して「症状が改善しない」と訴える患者さんが来た時は、「じゃあBという薬を増やしてみましょう」となる。「Aをやめましょう」とはならない。前の先生の処方を「間違いだった」と結論付けることになるからです。私自身も、同じ病院の先生が出している薬について「飲むのをやめて」と正面から言うことは躊躇してしまいます』、「医学界において薬剤師より医者のほうが「権威が上」になってしまっているからです。これはポリファーマシーを解決するうえで本当に大きな問題で、薬剤師から遠慮なくものが言える構造を作らなければいけません」、その通りだ。
・『患者も“常識”を疑え  では、どうすれば患者さんは無駄な薬を飲まないようにできるのか。 それには、患者さん自身の意識の「アップデート」が必要です。 健康診断を受けて、医者に「数値が悪い」と言われたからとすぐに病院を受診し、薬を処方してもらう、というこれまでの流れから抜け出すということです。 そもそも健康診断の基準値が正しくて、それによって健康で長生きにつながるなら、なぜ今、男性と女性の「平均寿命」の差が広がっているのか、説明がつきません。 現在80代の人で、健康診断を毎年受けて、血圧が高ければ薬を飲んできた人は圧倒的に男性が多数です。かつて健康診断といえば、ほとんどが職場健診でしたから。 健診を受ける機会の少なかった女性より、長年受けてそれに合わせて薬を飲んできた男性のほうが長生きになって然るべきなのに、そうなっていない。つまり男女ともに平均寿命が延びたのは、健診のおかげなどではなく、栄養状態が改善したからにすぎません。 健診の数値が本当に自分の長生きや元気につながるのかを立ち止まって考えてみる。少しくらい数値が高いほうが元気で長生きできる事実をもっと見つめるようにする。そのように、医療の常識を疑う態度が必要かもしれない、ということです。 患者さんも情報を得られる今こそ、本当の健康について考え直す時代になっています』、「現在80代の人で、健康診断を毎年受けて、血圧が高ければ薬を飲んできた人は圧倒的に男性が多数です。かつて健康診断といえば、ほとんどが職場健診でしたから。 健診を受ける機会の少なかった女性より、長年受けてそれに合わせて薬を飲んできた男性のほうが長生きになって然るべきなのに、そうなっていない」、「男女ともに平均寿命が延びたのは、健診のおかげなどではなく、栄養状態が改善したからにすぎません」、同感である。

第三に、12月27日付け東洋経済オンラインが掲載した 医療ガバナンス研究所理事長の上 昌広氏による「製薬企業が医師に払うお金の知られざる最新事情 製薬マネーデータベースで見る医療界の実態」を紹介しよう。
・『医療ガバナンス研究所は、医師と製薬企業の金銭関係について研究を進めている。2019年1月には、公開情報を用いて、医師が製薬企業から受け取った金を検索できるデータベースを公開した。現在、2016年度から2019年度分を公開しており、誰でも無料で検索できる(製薬マネーデータベース『YEN FOR DOCS』)。 われわれが、このようなデータベースを作成するようになったきっかけは、2012年に表面化したノバルティスファーマ社(ノ社)の臨床研究不正だ。 ノ社から寄付金や講師謝金などを受け取る見返りに、臨床試験のデータを同社に都合がよいように改ざんしていたというものだ。責任者の教授たちは処分されるとともに、引責辞任し、ノ社は行政処分を受けた。日本製薬工業協会(製薬協)は、加盟各社が医師に支払った講演料や大学などへの寄付金を公開することとし、厚生労働省も臨床研究法を制定し、利益相反の開示などを義務化した。 ノ社事件から10年が経過した。製薬企業と医師の関係はどうなっただろうか』、「上 昌広氏」はパンデミックで独自の視点から政策提言をしているが、所属機関の「医療ガバナンス研究所」の研究内容については初めて知った。
・『薬を導入する見返りに寄付講座の延長を要求?  12月12日、写真週刊誌『FLASH』は広島大学病院の糖尿病・代謝内科長が小野薬品工業に対して行った「ある要求」についてスクープした。筆者にも取材がありコメントした。 小野薬品は、田辺三菱製薬、興和創薬(現興和)とともに、2018年4月から2021年3月までの予定で開講した寄付講座に、1500万円を提供していた。FLASHは、この寄付講座の責任者を務める医師が、小野薬品の販売する糖尿病治療薬グラクティブを院内に導入する見返りに、寄付講座の延長を求めたことや、部下の医師に対し「小野薬品本社の本部長に電話をし、グラクティブの院内採用が条件で、寄付の2年延長が約束されました」などというメールを送ったことなどを報じている。 記事の通り、薬を導入する見返りに、製薬企業に金を求めたのだとしたら、不適切と言わざるをえない。東洋経済が広島大学に取材したところ、本件については、「外部弁護士4人と学内役員3人による調査会を設置して、調査を進めており、2月中をメドに作業を完了(公表)する」(広島大学広報室)という。 一方、小野薬品は先駆けて三重大学病院において販促の見返りに奨学寄付金を提供していたことが発覚し、2021年1月、社員2名が贈賄罪で、同病院の元教授も第三者供賄罪で逮捕・起訴されている。東洋経済の取材に対し、小野薬品は、この事件を受けて「延長を含め、新たな寄付講座への寄付の取りやめを決め、寄付講座への寄付の延長を中止した」(小野薬品広報)と説明している。 そのためか、広島大学は「2021年4月以降は小野薬品による寄付講座への寄付の延長はなく、現在は別企業から2100万円の寄付を受けているが、その経緯についても調査会で調査している」(広島大学広報室)という。 奨学寄付金と寄付講座は、医師個人に支払われる講演料などと違い、表にでる金だ。さらに寄付を受けるのは、医師個人ではなく大学だ。贈収賄の対象外と考えられてきたノ社事件以降、多くの製薬企業は講師料などの支払いを減らし、こちらにウェイトを置いてきた』、「多くの製薬企業は講師料などの支払いを減らし、こちら(大学)にウェイトを置いてきた」、そうであれば、以前よりは透明化した筈だ。
・『製薬企業が奨学寄付金や医師に払う金の実態  表1は、2020年度に製薬協に加盟する企業が支払った奨学寄付金のランキングだ。中外製薬の13億5050万円を筆頭に、8位のアッヴィ(アメリカ)以外は、国内製薬企業が名を連ねる。小野薬品は7位で、その総額は5億3000万円だ。(外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) (製薬会社が支払った奨学寄附金 表1はリンク先参照) 2020年度、医師個人への支払いは、表2のようになる。奨学寄付金ほどではないが、こちらも上位には国内製薬メーカーが名を連ねている。小野薬品は12億3473万円で、第一三共に次いで第2位だ。 (製薬会社が医師に支払った額 表2はリンク先参照) 製薬企業は営利企業だ。奨学寄付金や医師個人への金銭の支払いは、売り上げを上げるための営業活動の一環である。ライバル企業が類似の薬を販売しているとき、製薬企業は金によって処方を増やそうとする。逆に画期的な新薬は、このような形での販促を行わずとも医師が処方する。) 国内製薬企業と比べて、外資系製薬企業が奨学寄付金や寄付講座に費やす金が少ないのは、画期的な新薬を数多く抱えているからだ。 では、このような金の受け入れ先である大学の状況はどうだろう。寄付講座の教授の多くは40~50代前半で、将来は主任教授に昇格したいと考えている人が多い。主任教授への昇格は、先輩の主任教授たちが仕切る教授会で決まる。もし、先輩教授たちが、製薬企業との付き合いを気にしていれば、後輩たちは、それに従ったはずだ。 表3は、2020年度、製薬企業から講師謝金などの受け入れが多い広島大学の医師のランキングだ。コロナ禍で講演会などが激減した中、トップの教授は702万円もの金を受け取っている。1回の講演料は10万~20万円程度だから、年間に35~70回の講演をこなしていることになる。診療・研究・教育という医学部教授の本業そっちのけでアルバイトに勤しんでいたのかと思ってしまう。 (広島大学所属で製薬企業からもらった報奨金TOP10 表3 はリンク先参照) 医学研究を進めるうえで、医師と製薬企業の協力は欠かせない。一方、医師は自分の懐を痛めることなく、高額な薬を大量に処方できる。製薬企業が「リベート」を渡そうとするのも無理はない。だからこそ、寄付講座、奨学寄付金、講師謝金など、さまざまな名目で金が支払われる』、「医学研究を進めるうえで、医師と製薬企業の協力は欠かせない」、「寄付講座、奨学寄付金、講師謝金など、さまざまな名目で金が支払われる」、これらを徹底的に透明する他ないだろう。
・『情報開示の徹底しかない  この状況は日本だけの現象ではない。世界各国が共通に抱える問題だ。結局、この問題に対処するためには、情報開示を徹底するしかない。アメリカでは2014年9月からサンシャイン法に基づき、アメリカの厚生省が製薬企業から個別の医師への支払いを開示し、誰でも検索できるようにした。 ところが、日本は対応が不十分だ。厚労省には、アメリカに追随する動きはない。見るに見かねたわれわれは、独自に「製薬マネーデータベースYEN FOR DOCS」を立ち上げ、2016年度分のデータから開示していることは先に述べた。 医療は医師と患者の信頼関係がなければ成り立たない。この際、広島大学には徹底した情報開示を望みたい』、「この問題に対処するためには、情報開示を徹底するしかない。アメリカでは2014年9月からサンシャイン法に基づき、アメリカの厚生省が製薬企業から個別の医師への支払いを開示し、誰でも検索できるようにした。 ところが、日本は対応が不十分だ。厚労省には、アメリカに追随する動きはない」、そこで筆者の「医療ガバナンス研究所」が「独自に「製薬マネーデータベースYEN FOR DOCS」を立ち上げ、2016年度分のデータから開示」、https://yenfordocs.jp/』、「製薬企業から講師謝金などの受け入れが多い広島大学の医師のランキング」をみると、「トップの教授は702万円もの金を受け取っている。1回の講演料は10万~20万円程度だから、年間に35~70回の講演をこなしていることになる。診療・研究・教育という医学部教授の本業そっちのけでアルバイトに勤しんでいたのかと思ってしまう」、確かに「広島大学には徹底した情報開示を望みたい」。
タグ:医薬品(製薬業) (その8)(調剤大手さくら薬局、調剤報酬に生じた「疑惑」 経営再建中に調剤報酬を高く請求している疑い、和田秀樹氏が「優秀な医師ほど薬は飲まない」と考える理由 薬剤師の発言力がないことが問題、製薬企業が医師に払うお金の知られざる最新事情 製薬マネーデータベースで見る医療界の実態) 東洋経済オンライン「調剤大手さくら薬局、調剤報酬に生じた「疑惑」 経営再建中に調剤報酬を高く請求している疑い」 「2010年代、規模拡大のため積極的なM&A・・・を行ってきた。ところがM&Aのペースの割に資金回収が追い付かなかったためか、2022年2月に私的整理の1つである事業再生ADR・・・を申請」、興味深そうだ。 こんな見え見えの「グループ外し」に騙された当局も問題だ。 「狙いは、高い調剤報酬を得ることで店舗の収益を改善させた後、他社に少しでも高く売却して資金を得ることにある」、そうであれば、わざわざ手間のかかる操作をした理由も納得できる。 問題があるのは、「さくら薬局グループ」だけでなく、「「同一グループ」の定義は骨抜きにされてしまう」のを放置した厚労省にも大きな問題がある。 NEWSポストセブン「和田秀樹氏が「優秀な医師ほど薬は飲まない」と考える理由 薬剤師の発言力がないことが問題」 「医学的な統計上、高齢になるほど血糖値もコレステロール値もBMIも、基準値より少し高めのほうが元気で長生きできる」、「最新の知見に基づく情報を正しく仕入れている優秀な医者ほど、そのことを知っているので薬は飲みません」、「「メタボ」という言葉、概念を日本で広めた大学の先生自身が、ちっとも痩せていませんから(笑)。ご自身はそのほうが元気で長生きできると知っているのでしょう」、検査数値に一喜一憂する患者こそいい面の皮だ。 「そもそも、病気か健康かの診断を分ける現在の「基準値」は厳しすぎます。もっと言えば、“間違って”いる。 薬を飲ませるために「基準値」を下げ、正常とされる範囲内に患者の数値を収めようとして、薬をどんどん出す。そうやって、多剤処方に歯止めがかからない構造を生み出しているのです」、「基準値」を意図的に下げ、「多剤処方に歯止めがかからない構造を生み出している」、とはショッキングだ。 「医学界において薬剤師より医者のほうが「権威が上」になってしまっているからです。これはポリファーマシーを解決するうえで本当に大きな問題で、薬剤師から遠慮なくものが言える構造を作らなければいけません」、その通りだ。 「現在80代の人で、健康診断を毎年受けて、血圧が高ければ薬を飲んできた人は圧倒的に男性が多数です。かつて健康診断といえば、ほとんどが職場健診でしたから。 健診を受ける機会の少なかった女性より、長年受けてそれに合わせて薬を飲んできた男性のほうが長生きになって然るべきなのに、そうなっていない」、「男女ともに平均寿命が延びたのは、健診のおかげなどではなく、栄養状態が改善したからにすぎません」、同感である。 東洋経済オンライン 上 昌広氏による「製薬企業が医師に払うお金の知られざる最新事情 製薬マネーデータベースで見る医療界の実態」 「上 昌広氏」はパンデミックで独自の視点から政策提言をしているが、所属機関の「医療ガバナンス研究所」の研究内容については初めて知った。 「多くの製薬企業は講師料などの支払いを減らし、こちら(大学)にウェイトを置いてきた」、そうであれば、以前よりは透明化した筈だ。 「医学研究を進めるうえで、医師と製薬企業の協力は欠かせない」、「寄付講座、奨学寄付金、講師謝金など、さまざまな名目で金が支払われる」、これらを徹底的に透明する他ないだろう。 「この問題に対処するためには、情報開示を徹底するしかない。アメリカでは2014年9月からサンシャイン法に基づき、アメリカの厚生省が製薬企業から個別の医師への支払いを開示し、誰でも検索できるようにした。 ところが、日本は対応が不十分だ。厚労省には、アメリカに追随する動きはない」、そこで筆者の「医療ガバナンス研究所」が「独自に「製薬マネーデータベースYEN FOR DOCS」を立ち上げ、2016年度分のデータから開示」、https://yenfordocs.jp/』 、「製薬企業から講師謝金などの受け入れが多い広島大学の医師のランキング」をみると、「トップの教授は702万円もの金を受け取っている。1回の講演料は10万~20万円程度だから、年間に35~70回の講演をこなしていることになる。診療・研究・教育という医学部教授の本業そっちのけでアルバイトに勤しんでいたのかと思ってしまう」、確かに「広島大学には徹底した情報開示を望みたい」。
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