パンデミック(医学的視点)(その26)(コロナワクチン接種後死亡を追う6題:広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」、コロナワクチン接種後死亡を追う、「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?、反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している、ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」、戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?) [パンデミック]
パンデミック(医学的視点)については、昨年2月6日に取り上げた。今日は、(その26)コロナワクチン接種後死亡を追う6題:(広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」、コロナワクチン接種後死亡を追う、「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?、反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している、ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」、戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?)である。
先ずは、昨年11月5日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313919
・『総じて厚生労働省と医学界は、新型コロナワクチン接種と接種後死亡の因果関係の解明には消極的なようにみえる。 そうしたなか、広島大学の法医学、病理学講座を中心とする研究グループが、「Frontiers in Immunology(免疫学の最前線)」という国際免疫学連合会(IUIS)の学術誌に画期的な(?)症例報告を発表した。論文の題は「新型コロナワクチン接種後のサイトカインストーム4例(原文は英語)」。査読を経て、今年8月15日、学術誌のサイトに掲載された。その内容は衝撃的だった。 広大研究チームは、2回目の接種後1~10日で死亡した20~50代の男性4人の遺体を解剖した。そこに前回詳述した岡本裕二さんの長男も含まれている。4人のうち3人がモデルナ製ワクチン、1人がファイザー製を接種していた。病理解剖の時点ではどの遺体からも死亡原因にかかわる情報を得られなかった。ただ、4人とも検視官が測った直腸温から死亡時の体温が、41~43度、42~46度、39~41度、43~44度と「異常高温」だったと推測される。 そこで広大チームは、死亡後、それぞれ24時間以内に採血した血液サンプルを「RNAシーケーシング」という最先端技術を使って解析。「遺伝子発現(遺伝子の遺伝情報がさまざまな生体機能をもつタンパク質の合成を通じて具体的に現れること)」の変化を突きとめる。その結果、4人ともサイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認されたのだ。 20世紀初め世界的に流行し、死亡者が推定1億人を超えた「スペイン風邪(H1N1亜型インフルエンザ)」で青年層に被害が多かったのはサイトカインストームによるものといわれる。免疫力の強い若者は、免疫系が極端に反応すると全身に嵐のような混乱が生じる』、「サイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認」、恐ろしいことだ。
・『副反応の高熱を甘く考えてはいけない 広大の症例報告には、こう記されている。 「死亡した4人は、最初のワクチン接種によって免疫能が感作(特定の抗原=新型コロナウイルスに対して生体が感じやすい状態に)され、2回目のワクチン接種によってSIRSが発症しやすくなったと考えられる。また、この4人はSIRSを発症しやすい生まれつきの素因を持っていた可能性がある」) ただし、今回の症例だけでワクチン接種を危険とみなすべきではない、と広大チームは説く。そして、異常なサイトカイン過剰の原因は明らかではないとしたうえで、こう警告を発する。 「解熱剤を用いても、ワクチン接種後に40度を超える異常高熱がみられた場合には、注意深い観察と対処が必要と思われる」 副反応による高熱を甘く考えてはいけないのである』、「接種後に40度を超える異常高熱がみられた場合には、注意深い観察と対処が必要と思われる」、と言われても困ってしまう。
次に、続きで、11月8日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「コロナワクチン接種後死亡を追う」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314031
・『大阪医薬大法医学教室の解剖…ワクチン2回目接種後に異変、60代男性は肺動脈の断面に血栓びっしり:大阪府高槻市、大阪医科薬科大学法医学教室では鈴木廣一名誉教授ともう一人の教授で、年間160~200体、犯罪や事故、または自宅や路上などで突然死した人の遺体を解剖している。昨年8月上旬、60代男性の遺体が運び込まれてきた。 男性は、中肉中背、毎朝1時間のウオーキングを欠かさず、健康を保っていたが、ファイザー製の新型コロナワクチン2回目接種後から異変が生じた。 家族の話では、男性は胸の違和感を訴え、「息切れがする」と日課のウオーキングをやめている。男性は、接種5日後、あまりの苦しさに診療所に電話をし、受診に向かおうとした。自転車に乗ってこぎ出したところで「やっぱりしんどい」と止まり、そのまま倒れた。見送りの妻が周りに助けを求め、男性は救命救急センターに搬送されたが、すでに心肺停止状態。間もなく死亡が確認された。救命センターの担当医は、法律に従って警察に連絡し、遺体は解剖による死体検案のために大阪医薬大に送られてきたのだった。 解剖台に遺体がのる。鈴木氏は、深々と一礼し、「始めます」と介助の技術職員らに声をかけた。外表検査から始め、胸部にメスを当てて開き、内景の所見に移る。解剖は血液循環の動力源、心臓に及んだ。静脈血を肺に送る肺動脈を切断し、断面を確認する。鈴木氏は思わず、目を見張った。血の塊=血栓が、びっしり血管内に詰まり、血流を塞栓(遮断)していた。) 「これでは血液中の酸素濃度が急激に低下して、呼吸困難や心停止を起こす。おそらく即死に近かっただろう」と直感した。 では、血栓はどこから来たのか? 往々にして血栓は下肢の深部静脈で生じる。鈴木氏は左脚の膝の奥の膝窩静脈にメスを入れた。血栓らしきものはない。続けて右脚の膝窩静脈を開くと黒い血栓がひしめいていた。これだ! 鈴木氏は、解剖を振り返って、こう語った。 「左脚に血栓がなかったのは、そこにあった小血栓が亡くなる直前に自転車をこぐ運動で剥がれて血流で運ばれたから。小血栓は心臓から肺に入り、まず末梢の血管で詰まる。次々と血栓が押し寄せ、塞栓が幹の肺動脈に達したと考えられます。原理的にはエコノミー症候群と同じです。だけど毎朝、ウオーキングをしていた人がいきなり血栓塞栓症を発症するなんて、通常、ありえません。ワクチン接種後、胸の苦しさが続き、診療を受けに行く途中で倒れている。こうなればワクチン接種と死亡の因果関係あり、と捉えるのが医学的見方です」』、「中肉中背、毎朝1時間のウオーキングを欠かさず、健康を保っていたが、ファイザー製の新型コロナワクチン2回目接種後から異変が生じた」、全くの健康体だったのに、「ワクチン接種後」、「血栓塞栓症」になったとは恐ろしい副反応だ。
・『遺体は因果関係を語りかける だが、厚生労働省は、このケースも因果関係を評価不能としている。実は、大阪医薬大法医学教室は男性の他に解剖した3人の事例で、死因をワクチン接種と推認している。遺体は因果関係を語りかける。もう少し耳を傾けてみよう。=つづく』、「厚生労働省」は「このケースも因果関係を評価不能としている」、もっと誠実に原因を追究してほしいものだ。
第三に、この続きを、11月9日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314084
・『大阪医科薬科大学法医学教室は、昨春から今春にかけて警察から依頼された法医解剖例のうち少なくとも「4件」で、「原死因(死亡を引き起こした一連の事象の起因となった疾病または損傷)」は「新型コロナウイルスワクチン接種」と報告している。その4例を記そう。 ①前回、詳述した60代男性のケース。ファイザー製ワクチン2回目接種の5日後、胸が苦しくて診療所へ受診に行こうとして、路上で倒れ、亡くなった。解剖の結果、血の塊=血栓が血管に詰まった「肺動脈血栓塞栓症」と確認される。血栓症を起こした大もとの原死因はワクチン接種と死体検案書に書かれた。 ②高度肥満の70代女性が、ファイザー製ワクチン2回目接種の3日後、「足の甲が痛い。手と口が震える」と訴えて倒れた。呼吸が荒くなり、救急搬送されたが死亡。肺の病理組織検査で肺動脈の血栓が見つかる。心臓の血管内に炎症細胞の異常増多も認められた。直接死因は「急性肺動脈血栓症および急性心筋炎」だが、原死因はワクチン接種と考えられる。 ③70代女性は、ファイザー製ワクチン初回接種2日後、胸が痛いと言い、嘔吐した。しばらく横になっていたが、4時間後に親族が異変に気づき、救急搬送。蘇生しなかった。解剖で「頭皮下溢血点、臓器うっ血」などが認められ、病理組織検査で軽度の心筋炎が確認される。直接死因は「致死性不整脈の疑い」。原死因がワクチン接種とされる。) ④70代男性のタクシー運転手が、昨年2月、客を降ろし、空車で帰る途中、下り坂で蛇行運転をして中央分離帯にぶつかり、反動でガードレールに激突。運転手は救急搬送された病院で死亡した。直接死因は「肝臓挫傷による出血性ショック」など。運転中に突発的な脳血管障害が生じた形跡はなく、当初は原死因を特定できなかった。後日、大阪医薬大名誉教授の鈴木廣一氏が報告書作成のために事故の資料を精読して重要な事実に気づく。運転手の妻が「事故の12時間前に夫は3回目のワクチン接種をしました」と述べていたのだ。しかも救急搬送された病院で運転手の体温は40.1度と記録されていた。鈴木氏が語る。 「救急搬送された時点で運転手さんは生きていた。ふつう40度もの熱が出る病状の方が、タクシー勤務には出られません。勤務開始時は体調に問題なく、だんだん反応が起きて発熱した。運転中に脳梗塞や心筋梗塞は発症しておらず、肺動脈の血栓塞栓症もない。つまりワクチン接種の副反応の高体温による意識障害が原死因として推認されます」 厚労省は「評価不能」の烙印 これら4例も厚生労働省は接種と死亡の因果関係に評価不能の烙印を押している。調べ直すには遺族の方々が健康被害救済制度に沿って、病理的な資料を取り寄せなくてはならない。(つづく)』、「ワクチン接種の副反応の高体温による意識障害が原死因として推認」、にも拘らず、厚労省は引き続き「「評価不能」の「烙印」、さらに調べようとはしていない。不当な無視だ。
第四に、続きを11月10日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314156
・『新型コロナワクチンの副反応疑い死について語ろうとすると、とても窮屈な空気につつまれる。遺族は強い衝撃を受けている。なぜ、どうして、ああすればよかった、こうすればよかった、と悩み苦しむ。 そうした事実をもとに語ろうとしても、友人でさえ「危険さをあおって、反ワクチン団体の陰謀論に加わるの? 接種は国や専門家が推奨しているよ」と色眼鏡で見る。反ワクチン派は「それみろ、接種は悪だ。絶対に打たせるな」と全否定していきり立つ。 接種の判断は、小児はともかく、成人は本人の意思にかかっている。利益とリスクを勘案して本人が決めれば、他人がとやかく言う問題ではない。利益とリスクを見極めるために副反応の客観的な情報が必要なのだ。が、反ワクチン団体のなかには接種イコール悪と決めつけ、接種会場に乗り込み、妨害する集団まで現れた。主宰者は警視庁公安部に逮捕されている。暴論は排除されるだけだ。 ただ、副反応疑いについては、客観的情報が不足している。だから現実に被害を受け、肉親を失った遺族が孤立する。そもそも副反応疑い死を減らすにはどうしたらいいかという本質的な科学論議も起きてこない』、「副反応疑いについては、客観的情報が不足」、「副反応疑い死を減らすにはどうしたらいいかという本質的な科学論議も起きてこない」、これは不思議だ。
・『死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した過去 1994年に予防接種法が改正され、接種が国民の「努力義務」に変わる以前の「義務」だった時代、副反応被害に国は冷淡だった。接種後に子どもが亡くなっても「特異体質」のひと言でおしまい。死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した。 そうした状態で子どもを亡くした親や、子どもに重い障害が残った親たちが団結して立ち上がり、国を相手に集団訴訟を起こす。その過程で「健康被害救済制度」ができた。集団訴訟が被害者側の勝利で終わるまで26年もの歳月を要したが、健康被害救済制度という救いの綱は残された。今回の副反応被害でも、まずはこの制度を活用するのが先決だろう。 手続きはこうだ。被害者や遺族は、市区町村の窓口の健康被害調査委員会に書類や資料をそろえて補償を申請する。自治体の委員会は、予防接種と健康被害の状況を医学的立場から判断する資料を迅速・正確に収集し、必要な検査などの助言も行う。書類と資料が整えば都道府県を経由して厚生労働省に進達。一件ずつ審査会で認否が審議される。 審査会で「認定しない」「一時金等を支給しない」と決まっても、不服であれば、行政の処分に対する「審査請求」を出して再度、救済への道を探れる。審査請求も認められなければ、「不支給の取り消し」などを目的とした「行政訴訟」を起こすこともできる。過去には行政訴訟で、健康被害救済を勝ち取った被害者たちもいる。 そこで重要になるのは接種と死亡の因果関係を法的に判断する「白木3基準」という考え方だ。(つづく)』、「死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した過去 1994年に予防接種法が改正され、接種が国民の「努力義務」に変わる以前の「義務」だった時代、副反応被害に国は冷淡だった。接種後に子どもが亡くなっても「特異体質」のひと言でおしまい。死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置」、そんな歴史的経緯は初めて知った。
第五に、続きを、11月11日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314218
・『新型コロナワクチン接種の副反応疑いで重篤な被害を受けた人や遺族は、「予防接種健康被害救済制度」に基づいて医療費や、障害年金、死亡一時金などの補償を申請できる。民法の損害賠償請求では事実と結果(接種と死亡の因果関係)に「高度の蓋然性(確からしさ)」が求められるが、「迅速に幅広く」救済するためのこの制度では「高度の蓋然性」までは求めないと、次のように解釈されている』、「「迅速に幅広く」救済するため」であればやむを得ない。
・『予防接種の健康被害救済は「迅速に幅広く」 「因果関係の判定は、特定の事実が特定の結果を予測し得る蓋然性を証明することによって足りることとする」(1976年3月22日伝染病予防調査会答申) しかしながら、実際に救済制度が運用されるにつれて被害者が補償請求の申請をしたにもかかわらず、認められないケースも出てくる。納得できない被害者は、医療費や障害年金、死亡一時金などの不支給の取り消しを求めて行政訴訟を起こす。その裁判過程で東京大学医学部長だった白木博次教授が示した3要素が因果関係を判断する重要な基準となる。 ①当該症状がワクチンの副反応として起こりうることについて医学的合理性がある。 ②当該症状がワクチンの接種から一定の合理的時期に発症している。 ③他原因によるものであると考えることが合理的な場合に当たらない。 裁判所は、この3基準を重視して因果関係を判断している。 たとえば、三種混合ワクチンの接種後、4歳の女の子が「急性脳症」で重度の障害を負ったケースでは、当初、補償申請が認められなかった。1992年、両親は納得がいかないと裁判所に訴えた。国は3基準について、ことごとく反論してくる。とくに③の他原因については「ヘルペスウイルスによるヘルペス脳炎を来した可能性が相当高い」とワクチン接種との因果関係を真っ向から否定した。 これに対し、原告側は女の子を治療した東京女子医科大学病院の医師らを証人に立て、一つ一つエビデンスを示して論破する。 ヘルペス脳炎についても、「診断に必要な血清、髄液検査、頭部CTスキャン画像検査、脳波検査等の各種検査を精力的に施行したが、いずれの検査においてもウイルス性脳炎感染を支持する陽性所見は得られず」と裁判官は国の主張を退ける。最終的にこう判決を下した。 「本件においては、因果関係が存在することを認定する要因である三つの基準を満たしており、厚生大臣が原告の本件症状と本件予防接種との因果関係の存在を認定しなかったことは、因果関係についての判断を誤ったものというべきであり、その誤った判断に基づいてされた本件各処分は違法であって、取り消しを免れない」 白木3基準には、もっと注目したほうがいいだろう。=つづく』、「白木3基準」はさすがに合理的だ。「4歳の女の子が「急性脳症」で重度の障害を負ったケース」で、「③の他原因については「ヘルペスウイルスによるヘルペス脳炎を来した可能性が相当高い」とワクチン接種との因果関係を真っ向から否定した」、「「ヘルペスウイルス」説にはどんな根拠があったのだろう。単に責任回避のためのこじつけといった印象も受けた。
第六に、続きを、11月12日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314296
・『新型コロナ感染症のパンデミックをめぐる謎の一つに「超過死亡」がある。超過死亡とは、死亡者の数が例年の水準にもとづく予測値に比べてどれだけ上回っているかを示す指標。対前年比の死亡者数が一つの目安になる。 2021年の国内全死亡者数は、20年よりも「6万7101人」も増え、増加数は東日本大震災の11年(約5万5000人)を上回り、戦後最大を記録した。21年の新型コロナ感染症による死亡者数は「1万6766人」なので、それとは別の理由で5万人以上が亡くなっていることになる。 推計・分析をした国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は、22年2月18日に厚生労働省の審議会の副反応部会に招かれた。巷では医学者の間からも新型コロナワクチン接種が超過死亡に影響を与えているのではないか、という意見が出ており、見解を求められたのである。鈴木氏は、大阪府、兵庫県、全国の時系列での「ワクチン接種数」「超過死亡の発生」のグラフを示し、次のように断言した。 「(21年春~初夏の)第4波の超過死亡は、ワクチン接種数の増加よりも先に発生し、そしてピークを迎えたということ。(略)ワクチン接種の増加が超過死亡の増加につながったという説明は成り立たない」「学術的な検証を経た科学的根拠は他の国からも報告はない」。そのうえで第4波の爆発的な感染拡大で「医療システムが逼迫し、非感染者における救急医療や一般医療、他病院サービスにも影響を与えた」可能性に言及した。要するに医療崩壊による死亡者増に触れている』、「第4波の爆発的な感染拡大で「医療システムが逼迫し、非感染者における救急医療や一般医療、他病院サービスにも影響を与えた」可能性に言及」、なるほど。
・『名古屋大学名誉教授の小島勢二氏は鈴木氏の見方を否定 他方、名古屋大学名誉教授の小島勢二氏は、22年2~4月ごろの「ワクチン3回目接種回数の推移」と「ワクチン3回目接種後に見られた超過死亡」のデータを突き合わせ、「3回目コロナワクチン接種のピークと超過死亡は同時期に観察され、接種回数と超過死亡には、相関係数0.99と極めて強い正の相関がある」として鈴木氏の見方を否定する。) また、副反応疑い死亡症例を網羅的に分析し、「ワクチン接種後の死因で最も多いのは状態悪化であるが、死亡診断書には老衰と記載されている例も多いと想像される」と指摘。循環器系、呼吸器系疾患、老衰での死亡には、コロナ感染やワクチン接種に関わる死亡が含まれていると思考している。 さらに22年2~3月には医療逼迫が起きていなかった鳥取県、島根県でも191人、131人の超過死亡が観察されたと述べ、コロナの流行拡大の影響を受けていない要因があると説く。それが、副反応による状態悪化なのだろうか……。 私たちの社会には、まだ見えていない副反応疑い死が埋もれているのかもしれない。(おわり)』、「私たちの社会には、まだ見えていない副反応疑い死が埋もれているのかもしれない」、やはり謙虚な姿勢も大切なようだ。
先ずは、昨年11月5日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313919
・『総じて厚生労働省と医学界は、新型コロナワクチン接種と接種後死亡の因果関係の解明には消極的なようにみえる。 そうしたなか、広島大学の法医学、病理学講座を中心とする研究グループが、「Frontiers in Immunology(免疫学の最前線)」という国際免疫学連合会(IUIS)の学術誌に画期的な(?)症例報告を発表した。論文の題は「新型コロナワクチン接種後のサイトカインストーム4例(原文は英語)」。査読を経て、今年8月15日、学術誌のサイトに掲載された。その内容は衝撃的だった。 広大研究チームは、2回目の接種後1~10日で死亡した20~50代の男性4人の遺体を解剖した。そこに前回詳述した岡本裕二さんの長男も含まれている。4人のうち3人がモデルナ製ワクチン、1人がファイザー製を接種していた。病理解剖の時点ではどの遺体からも死亡原因にかかわる情報を得られなかった。ただ、4人とも検視官が測った直腸温から死亡時の体温が、41~43度、42~46度、39~41度、43~44度と「異常高温」だったと推測される。 そこで広大チームは、死亡後、それぞれ24時間以内に採血した血液サンプルを「RNAシーケーシング」という最先端技術を使って解析。「遺伝子発現(遺伝子の遺伝情報がさまざまな生体機能をもつタンパク質の合成を通じて具体的に現れること)」の変化を突きとめる。その結果、4人ともサイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認されたのだ。 20世紀初め世界的に流行し、死亡者が推定1億人を超えた「スペイン風邪(H1N1亜型インフルエンザ)」で青年層に被害が多かったのはサイトカインストームによるものといわれる。免疫力の強い若者は、免疫系が極端に反応すると全身に嵐のような混乱が生じる』、「サイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認」、恐ろしいことだ。
・『副反応の高熱を甘く考えてはいけない 広大の症例報告には、こう記されている。 「死亡した4人は、最初のワクチン接種によって免疫能が感作(特定の抗原=新型コロナウイルスに対して生体が感じやすい状態に)され、2回目のワクチン接種によってSIRSが発症しやすくなったと考えられる。また、この4人はSIRSを発症しやすい生まれつきの素因を持っていた可能性がある」) ただし、今回の症例だけでワクチン接種を危険とみなすべきではない、と広大チームは説く。そして、異常なサイトカイン過剰の原因は明らかではないとしたうえで、こう警告を発する。 「解熱剤を用いても、ワクチン接種後に40度を超える異常高熱がみられた場合には、注意深い観察と対処が必要と思われる」 副反応による高熱を甘く考えてはいけないのである』、「接種後に40度を超える異常高熱がみられた場合には、注意深い観察と対処が必要と思われる」、と言われても困ってしまう。
次に、続きで、11月8日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「コロナワクチン接種後死亡を追う」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314031
・『大阪医薬大法医学教室の解剖…ワクチン2回目接種後に異変、60代男性は肺動脈の断面に血栓びっしり:大阪府高槻市、大阪医科薬科大学法医学教室では鈴木廣一名誉教授ともう一人の教授で、年間160~200体、犯罪や事故、または自宅や路上などで突然死した人の遺体を解剖している。昨年8月上旬、60代男性の遺体が運び込まれてきた。 男性は、中肉中背、毎朝1時間のウオーキングを欠かさず、健康を保っていたが、ファイザー製の新型コロナワクチン2回目接種後から異変が生じた。 家族の話では、男性は胸の違和感を訴え、「息切れがする」と日課のウオーキングをやめている。男性は、接種5日後、あまりの苦しさに診療所に電話をし、受診に向かおうとした。自転車に乗ってこぎ出したところで「やっぱりしんどい」と止まり、そのまま倒れた。見送りの妻が周りに助けを求め、男性は救命救急センターに搬送されたが、すでに心肺停止状態。間もなく死亡が確認された。救命センターの担当医は、法律に従って警察に連絡し、遺体は解剖による死体検案のために大阪医薬大に送られてきたのだった。 解剖台に遺体がのる。鈴木氏は、深々と一礼し、「始めます」と介助の技術職員らに声をかけた。外表検査から始め、胸部にメスを当てて開き、内景の所見に移る。解剖は血液循環の動力源、心臓に及んだ。静脈血を肺に送る肺動脈を切断し、断面を確認する。鈴木氏は思わず、目を見張った。血の塊=血栓が、びっしり血管内に詰まり、血流を塞栓(遮断)していた。) 「これでは血液中の酸素濃度が急激に低下して、呼吸困難や心停止を起こす。おそらく即死に近かっただろう」と直感した。 では、血栓はどこから来たのか? 往々にして血栓は下肢の深部静脈で生じる。鈴木氏は左脚の膝の奥の膝窩静脈にメスを入れた。血栓らしきものはない。続けて右脚の膝窩静脈を開くと黒い血栓がひしめいていた。これだ! 鈴木氏は、解剖を振り返って、こう語った。 「左脚に血栓がなかったのは、そこにあった小血栓が亡くなる直前に自転車をこぐ運動で剥がれて血流で運ばれたから。小血栓は心臓から肺に入り、まず末梢の血管で詰まる。次々と血栓が押し寄せ、塞栓が幹の肺動脈に達したと考えられます。原理的にはエコノミー症候群と同じです。だけど毎朝、ウオーキングをしていた人がいきなり血栓塞栓症を発症するなんて、通常、ありえません。ワクチン接種後、胸の苦しさが続き、診療を受けに行く途中で倒れている。こうなればワクチン接種と死亡の因果関係あり、と捉えるのが医学的見方です」』、「中肉中背、毎朝1時間のウオーキングを欠かさず、健康を保っていたが、ファイザー製の新型コロナワクチン2回目接種後から異変が生じた」、全くの健康体だったのに、「ワクチン接種後」、「血栓塞栓症」になったとは恐ろしい副反応だ。
・『遺体は因果関係を語りかける だが、厚生労働省は、このケースも因果関係を評価不能としている。実は、大阪医薬大法医学教室は男性の他に解剖した3人の事例で、死因をワクチン接種と推認している。遺体は因果関係を語りかける。もう少し耳を傾けてみよう。=つづく』、「厚生労働省」は「このケースも因果関係を評価不能としている」、もっと誠実に原因を追究してほしいものだ。
第三に、この続きを、11月9日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314084
・『大阪医科薬科大学法医学教室は、昨春から今春にかけて警察から依頼された法医解剖例のうち少なくとも「4件」で、「原死因(死亡を引き起こした一連の事象の起因となった疾病または損傷)」は「新型コロナウイルスワクチン接種」と報告している。その4例を記そう。 ①前回、詳述した60代男性のケース。ファイザー製ワクチン2回目接種の5日後、胸が苦しくて診療所へ受診に行こうとして、路上で倒れ、亡くなった。解剖の結果、血の塊=血栓が血管に詰まった「肺動脈血栓塞栓症」と確認される。血栓症を起こした大もとの原死因はワクチン接種と死体検案書に書かれた。 ②高度肥満の70代女性が、ファイザー製ワクチン2回目接種の3日後、「足の甲が痛い。手と口が震える」と訴えて倒れた。呼吸が荒くなり、救急搬送されたが死亡。肺の病理組織検査で肺動脈の血栓が見つかる。心臓の血管内に炎症細胞の異常増多も認められた。直接死因は「急性肺動脈血栓症および急性心筋炎」だが、原死因はワクチン接種と考えられる。 ③70代女性は、ファイザー製ワクチン初回接種2日後、胸が痛いと言い、嘔吐した。しばらく横になっていたが、4時間後に親族が異変に気づき、救急搬送。蘇生しなかった。解剖で「頭皮下溢血点、臓器うっ血」などが認められ、病理組織検査で軽度の心筋炎が確認される。直接死因は「致死性不整脈の疑い」。原死因がワクチン接種とされる。) ④70代男性のタクシー運転手が、昨年2月、客を降ろし、空車で帰る途中、下り坂で蛇行運転をして中央分離帯にぶつかり、反動でガードレールに激突。運転手は救急搬送された病院で死亡した。直接死因は「肝臓挫傷による出血性ショック」など。運転中に突発的な脳血管障害が生じた形跡はなく、当初は原死因を特定できなかった。後日、大阪医薬大名誉教授の鈴木廣一氏が報告書作成のために事故の資料を精読して重要な事実に気づく。運転手の妻が「事故の12時間前に夫は3回目のワクチン接種をしました」と述べていたのだ。しかも救急搬送された病院で運転手の体温は40.1度と記録されていた。鈴木氏が語る。 「救急搬送された時点で運転手さんは生きていた。ふつう40度もの熱が出る病状の方が、タクシー勤務には出られません。勤務開始時は体調に問題なく、だんだん反応が起きて発熱した。運転中に脳梗塞や心筋梗塞は発症しておらず、肺動脈の血栓塞栓症もない。つまりワクチン接種の副反応の高体温による意識障害が原死因として推認されます」 厚労省は「評価不能」の烙印 これら4例も厚生労働省は接種と死亡の因果関係に評価不能の烙印を押している。調べ直すには遺族の方々が健康被害救済制度に沿って、病理的な資料を取り寄せなくてはならない。(つづく)』、「ワクチン接種の副反応の高体温による意識障害が原死因として推認」、にも拘らず、厚労省は引き続き「「評価不能」の「烙印」、さらに調べようとはしていない。不当な無視だ。
第四に、続きを11月10日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314156
・『新型コロナワクチンの副反応疑い死について語ろうとすると、とても窮屈な空気につつまれる。遺族は強い衝撃を受けている。なぜ、どうして、ああすればよかった、こうすればよかった、と悩み苦しむ。 そうした事実をもとに語ろうとしても、友人でさえ「危険さをあおって、反ワクチン団体の陰謀論に加わるの? 接種は国や専門家が推奨しているよ」と色眼鏡で見る。反ワクチン派は「それみろ、接種は悪だ。絶対に打たせるな」と全否定していきり立つ。 接種の判断は、小児はともかく、成人は本人の意思にかかっている。利益とリスクを勘案して本人が決めれば、他人がとやかく言う問題ではない。利益とリスクを見極めるために副反応の客観的な情報が必要なのだ。が、反ワクチン団体のなかには接種イコール悪と決めつけ、接種会場に乗り込み、妨害する集団まで現れた。主宰者は警視庁公安部に逮捕されている。暴論は排除されるだけだ。 ただ、副反応疑いについては、客観的情報が不足している。だから現実に被害を受け、肉親を失った遺族が孤立する。そもそも副反応疑い死を減らすにはどうしたらいいかという本質的な科学論議も起きてこない』、「副反応疑いについては、客観的情報が不足」、「副反応疑い死を減らすにはどうしたらいいかという本質的な科学論議も起きてこない」、これは不思議だ。
・『死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した過去 1994年に予防接種法が改正され、接種が国民の「努力義務」に変わる以前の「義務」だった時代、副反応被害に国は冷淡だった。接種後に子どもが亡くなっても「特異体質」のひと言でおしまい。死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した。 そうした状態で子どもを亡くした親や、子どもに重い障害が残った親たちが団結して立ち上がり、国を相手に集団訴訟を起こす。その過程で「健康被害救済制度」ができた。集団訴訟が被害者側の勝利で終わるまで26年もの歳月を要したが、健康被害救済制度という救いの綱は残された。今回の副反応被害でも、まずはこの制度を活用するのが先決だろう。 手続きはこうだ。被害者や遺族は、市区町村の窓口の健康被害調査委員会に書類や資料をそろえて補償を申請する。自治体の委員会は、予防接種と健康被害の状況を医学的立場から判断する資料を迅速・正確に収集し、必要な検査などの助言も行う。書類と資料が整えば都道府県を経由して厚生労働省に進達。一件ずつ審査会で認否が審議される。 審査会で「認定しない」「一時金等を支給しない」と決まっても、不服であれば、行政の処分に対する「審査請求」を出して再度、救済への道を探れる。審査請求も認められなければ、「不支給の取り消し」などを目的とした「行政訴訟」を起こすこともできる。過去には行政訴訟で、健康被害救済を勝ち取った被害者たちもいる。 そこで重要になるのは接種と死亡の因果関係を法的に判断する「白木3基準」という考え方だ。(つづく)』、「死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した過去 1994年に予防接種法が改正され、接種が国民の「努力義務」に変わる以前の「義務」だった時代、副反応被害に国は冷淡だった。接種後に子どもが亡くなっても「特異体質」のひと言でおしまい。死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置」、そんな歴史的経緯は初めて知った。
第五に、続きを、11月11日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314218
・『新型コロナワクチン接種の副反応疑いで重篤な被害を受けた人や遺族は、「予防接種健康被害救済制度」に基づいて医療費や、障害年金、死亡一時金などの補償を申請できる。民法の損害賠償請求では事実と結果(接種と死亡の因果関係)に「高度の蓋然性(確からしさ)」が求められるが、「迅速に幅広く」救済するためのこの制度では「高度の蓋然性」までは求めないと、次のように解釈されている』、「「迅速に幅広く」救済するため」であればやむを得ない。
・『予防接種の健康被害救済は「迅速に幅広く」 「因果関係の判定は、特定の事実が特定の結果を予測し得る蓋然性を証明することによって足りることとする」(1976年3月22日伝染病予防調査会答申) しかしながら、実際に救済制度が運用されるにつれて被害者が補償請求の申請をしたにもかかわらず、認められないケースも出てくる。納得できない被害者は、医療費や障害年金、死亡一時金などの不支給の取り消しを求めて行政訴訟を起こす。その裁判過程で東京大学医学部長だった白木博次教授が示した3要素が因果関係を判断する重要な基準となる。 ①当該症状がワクチンの副反応として起こりうることについて医学的合理性がある。 ②当該症状がワクチンの接種から一定の合理的時期に発症している。 ③他原因によるものであると考えることが合理的な場合に当たらない。 裁判所は、この3基準を重視して因果関係を判断している。 たとえば、三種混合ワクチンの接種後、4歳の女の子が「急性脳症」で重度の障害を負ったケースでは、当初、補償申請が認められなかった。1992年、両親は納得がいかないと裁判所に訴えた。国は3基準について、ことごとく反論してくる。とくに③の他原因については「ヘルペスウイルスによるヘルペス脳炎を来した可能性が相当高い」とワクチン接種との因果関係を真っ向から否定した。 これに対し、原告側は女の子を治療した東京女子医科大学病院の医師らを証人に立て、一つ一つエビデンスを示して論破する。 ヘルペス脳炎についても、「診断に必要な血清、髄液検査、頭部CTスキャン画像検査、脳波検査等の各種検査を精力的に施行したが、いずれの検査においてもウイルス性脳炎感染を支持する陽性所見は得られず」と裁判官は国の主張を退ける。最終的にこう判決を下した。 「本件においては、因果関係が存在することを認定する要因である三つの基準を満たしており、厚生大臣が原告の本件症状と本件予防接種との因果関係の存在を認定しなかったことは、因果関係についての判断を誤ったものというべきであり、その誤った判断に基づいてされた本件各処分は違法であって、取り消しを免れない」 白木3基準には、もっと注目したほうがいいだろう。=つづく』、「白木3基準」はさすがに合理的だ。「4歳の女の子が「急性脳症」で重度の障害を負ったケース」で、「③の他原因については「ヘルペスウイルスによるヘルペス脳炎を来した可能性が相当高い」とワクチン接種との因果関係を真っ向から否定した」、「「ヘルペスウイルス」説にはどんな根拠があったのだろう。単に責任回避のためのこじつけといった印象も受けた。
第六に、続きを、11月12日付け日刊ゲンダイが掲載したノンフィクション作家の山岡淳一郎氏による「戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/314296
・『新型コロナ感染症のパンデミックをめぐる謎の一つに「超過死亡」がある。超過死亡とは、死亡者の数が例年の水準にもとづく予測値に比べてどれだけ上回っているかを示す指標。対前年比の死亡者数が一つの目安になる。 2021年の国内全死亡者数は、20年よりも「6万7101人」も増え、増加数は東日本大震災の11年(約5万5000人)を上回り、戦後最大を記録した。21年の新型コロナ感染症による死亡者数は「1万6766人」なので、それとは別の理由で5万人以上が亡くなっていることになる。 推計・分析をした国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は、22年2月18日に厚生労働省の審議会の副反応部会に招かれた。巷では医学者の間からも新型コロナワクチン接種が超過死亡に影響を与えているのではないか、という意見が出ており、見解を求められたのである。鈴木氏は、大阪府、兵庫県、全国の時系列での「ワクチン接種数」「超過死亡の発生」のグラフを示し、次のように断言した。 「(21年春~初夏の)第4波の超過死亡は、ワクチン接種数の増加よりも先に発生し、そしてピークを迎えたということ。(略)ワクチン接種の増加が超過死亡の増加につながったという説明は成り立たない」「学術的な検証を経た科学的根拠は他の国からも報告はない」。そのうえで第4波の爆発的な感染拡大で「医療システムが逼迫し、非感染者における救急医療や一般医療、他病院サービスにも影響を与えた」可能性に言及した。要するに医療崩壊による死亡者増に触れている』、「第4波の爆発的な感染拡大で「医療システムが逼迫し、非感染者における救急医療や一般医療、他病院サービスにも影響を与えた」可能性に言及」、なるほど。
・『名古屋大学名誉教授の小島勢二氏は鈴木氏の見方を否定 他方、名古屋大学名誉教授の小島勢二氏は、22年2~4月ごろの「ワクチン3回目接種回数の推移」と「ワクチン3回目接種後に見られた超過死亡」のデータを突き合わせ、「3回目コロナワクチン接種のピークと超過死亡は同時期に観察され、接種回数と超過死亡には、相関係数0.99と極めて強い正の相関がある」として鈴木氏の見方を否定する。) また、副反応疑い死亡症例を網羅的に分析し、「ワクチン接種後の死因で最も多いのは状態悪化であるが、死亡診断書には老衰と記載されている例も多いと想像される」と指摘。循環器系、呼吸器系疾患、老衰での死亡には、コロナ感染やワクチン接種に関わる死亡が含まれていると思考している。 さらに22年2~3月には医療逼迫が起きていなかった鳥取県、島根県でも191人、131人の超過死亡が観察されたと述べ、コロナの流行拡大の影響を受けていない要因があると説く。それが、副反応による状態悪化なのだろうか……。 私たちの社会には、まだ見えていない副反応疑い死が埋もれているのかもしれない。(おわり)』、「私たちの社会には、まだ見えていない副反応疑い死が埋もれているのかもしれない」、やはり謙虚な姿勢も大切なようだ。
タグ:山岡淳一郎氏による「広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」」 「サイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認」、恐ろしいことだ。 日刊ゲンダイ (コロナワクチン接種後死亡を追う6題:広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」、コロナワクチン接種後死亡を追う、「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?、反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している、ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」、戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?) パンデミック(医学的視点)(その26) 「接種後に40度を超える異常高熱がみられた場合には、注意深い観察と対処が必要と思われる」、と言われても困ってしまう。 山岡淳一郎氏による「コロナワクチン接種後死亡を追う」 「中肉中背、毎朝1時間のウオーキングを欠かさず、健康を保っていたが、ファイザー製の新型コロナワクチン2回目接種後から異変が生じた」、全くの健康体だったのに、「ワクチン接種後」、「血栓塞栓症」になったとは恐ろしい副反応だ。 「厚生労働省」は「このケースも因果関係を評価不能としている」、もっと誠実に原因を追究してほしいものだ。 山岡淳一郎氏による「「原死因」ワクチン接種4事例の詳報 遺体が語る因果関係とは?」 「ワクチン接種の副反応の高体温による意識障害が原死因として推認」、にも拘らず、厚労省は引き続き「「評価不能」の「烙印」、さらに調べようとはしていない。不当な無視だ。 山岡淳一郎氏による「反ワクチン陰謀論と推進論の不毛…「副反応疑い」は客観的情報が不足している」 「副反応疑いについては、客観的情報が不足」、「副反応疑い死を減らすにはどうしたらいいかという本質的な科学論議も起きてこない」、これは不思議だ。 「死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置した過去 1994年に予防接種法が改正され、接種が国民の「努力義務」に変わる以前の「義務」だった時代、副反応被害に国は冷淡だった。接種後に子どもが亡くなっても「特異体質」のひと言でおしまい。死亡例を「無過失予防接種事故」と呼んで放置」、そんな歴史的経緯は初めて知った。 山岡淳一郎氏による「ワクチン接種と副反応被害 因果関係の判断に重要な「白木3基準」」 「「迅速に幅広く」救済するため」であればやむを得ない。 「白木3基準」はさすがに合理的だ。「4歳の女の子が「急性脳症」で重度の障害を負ったケース」で、「③の他原因については「ヘルペスウイルスによるヘルペス脳炎を来した可能性が相当高い」とワクチン接種との因果関係を真っ向から否定した」、「「ヘルペスウイルス」説にはどんな根拠があったのだろう。単に責任回避のためのこじつけといった印象も受けた。 山岡淳一郎氏による「戦後最大「超過死亡」の謎…ワクチン接種との関係はあるのか?」 「第4波の爆発的な感染拡大で「医療システムが逼迫し、非感染者における救急医療や一般医療、他病院サービスにも影響を与えた」可能性に言及」、なるほど。 「私たちの社会には、まだ見えていない副反応疑い死が埋もれているのかもしれない」、やはり謙虚な姿勢も大切なようだ。