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金融関連の詐欺的事件(その14)(不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意、スルガ銀 「膠着2年半」アパマン融資の視界不良 揺れる、もう1つの「かぼちゃの馬車」問題) [金融]

金融関連の詐欺的事件については、本年5月6日に取上げた。今日は、(その14)(不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意、スルガ銀 「膠着2年半」アパマン融資の視界不良 揺れる、もう1つの「かぼちゃの馬車」問題)である。

先ずは、本年9月1日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したスタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタントの沖有人氏による「不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328428
・『持ち家を売って資金を得た後、そのまま賃貸契約を結んで住み続けられる「リースバック」。この不動産取引は高齢者などから需要があるようだが、契約者は下手をすれば自宅を失うリスクがある。不動産事業者が設定する買い取り金額は相場より安く、家賃は高くなりがちだからだ。筆者が「許せない」と感じる取引の問題点を詳しく解説する』、最近はテレビでも「リースバック」を派手に宣伝しているが、「買い取り金額は相場より安く、家賃は高くなりがちだ」なので、確かに「契約者は下手をすれば自宅を失うリスクがある」、なるほど。
・『親のすみかが奪われる!? リースバックに潜む大損リスク  生まれ育った実家や、両親のすみかを失っている人が急増中だ。広告で見ることも増えている「リースバック」という不動産取引が原因で、国土交通省や国民生活センターが注意喚起を行っている。 お盆は過ぎたが、もしこれから実家に帰る機会があれば、このリースバックには気を付けるよう親に話しておいた方がいい。 リースバックとは、自宅(持ち家)を不動産事業者に売却して資金を得た一般消費者が、賃貸契約を結んで同じ物件に住み続けられる仕組みだ。高齢者などから需要があり、最近は戸建て住宅のリースバックを手掛ける不動産事業者が増えている。 だが、この手法で得られる売却代金は、一般的な取引よりも大幅に安いことが多い。それどころか、賃貸契約後の家賃は相場よりも高くなりがちだ。ビジネスそのものは現行法では問題ないのかもしれないが、筆者はこれらを「法外」な水準だと思っている。 それでもお金に困っている高齢者は、自宅を売却して老後資金を手に入れられるだけでなく、そこに「住み続けられる」という殺し文句で相場を知らずに契約してしまう。 契約者は自分名義ではなくなった家に、昨日までと同様に住み続けることができるが、その裏側では大損するリスクがある。最悪の場合はホームレスになってしまう。 というのも、リースバックを手掛ける不動産事業者にとって、期待利回り(年率)はなんと約7~12%ある。買い取り価格の最大12%程度の金額を、家賃収入として毎年受け取ることができるのだ。 だが契約者側にとってみれば、仮に相場通りの金額で自宅を売却できても、その資金は約8~14年でなくなってしまう。そして、これはあくまで理論上の数値だ。実際に手に入る資金は相場以下になるので、もっと短い期間で底を突くと考えた方がいい。  この実態を考えると、リースバックを使わずに自宅を持っていた方が得である。すでに仕事を引退し、年金生活をしている高齢者はなおさらだ。安易に手を出した結果、再び資金繰りに苦慮して家賃を支払えなくなり、数年後に家を失う事態に発展するかもしれない。) そんなことをするくらいなら、別の資金繰りの方法はいくらでもある。 リースバックを使わず、通常の手続きで持ち家を売却して、他の賃貸物件に引っ越すのだ。一般的な戸建て賃貸の利回りは5%なので、家賃はリースバックよりも安い。最大で半額程度に抑えられる。 他にもやり方はある。リバースモーゲージという、自宅を担保に入れてお金を借りる方法だ。金利は3%ほどである。そして、リバースモーゲージ型住宅ローンの返済は、契約者が亡くなった後に物件を売却する形で行われる。要は、死ぬまで安心して住み続けられるのだ。 いずれも、リースバックと比較したら、はるかにリーズナブルな方法となる』、「リースバックを手掛ける不動産事業者にとって、期待利回り(年率)はなんと約7~12%ある。買い取り価格の最大12%程度の金額を、家賃収入として毎年受け取ることができるのだ。 だが契約者側にとってみれば、仮に相場通りの金額で自宅を売却できても、その資金は約8~14年でなくなってしまう。そして、これはあくまで理論上の数値だ。実際に手に入る資金は相場以下になるので、もっと短い期間で底を突くと考えた方がいい・・・他にもやり方はある。リバースモーゲージという、自宅を担保に入れてお金を借りる方法だ。金利は3%ほどである・・・返済は、契約者が亡くなった後に物件を売却する形で行われる。要は、死ぬまで安心して住み続けられるのだ。 いずれも、リースバックと比較したら、はるかにリーズナブルな方法となる」、なるほど。
・『「強引に勧誘された」…自宅売却を巡るトラブル続出  こうした方法を知らない一般消費者に向けて、リースバック事業を積極推進している不動産事業者はかなり儲かる。そして、リースバックに応じた人は後悔するケースが多い。 (不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意 の図はリンク先参照) その証拠に、全国の消費生活センターなどには、自宅の売却について下記のような相談が寄せられているという。 ・自宅を売却し、家賃を払ってそのまま自宅に住み続けることができると言われ契約したが、解約したい ・強引に勧誘され、安価で自宅を売却する契約をしてしまった ・解約したいと申し出たら違約金を請求された リースバックだけでなく他の住宅売却トラブルも含めたデータだが、国民生活センターには60歳以上の一般消費者から年間600件を超える相談が寄せられる年もあるそうだ。泣き寝入りしている人もいるはずなので、契約者はその数倍はいるものと想定される。 相談者全体に占める70歳以上の割合は、2016年には36.2%だったのに対し、20年には52.3%まで増えている。住宅売却トラブルに悩まされる人の高齢化も進んでいるようだ。 さらに恐ろしいことに、不動産事業者に持ち家を売却した場合、契約のクーリングオフはできない。高齢者の生活に悪影響が生じかねないため、国民生活センターは注意喚起や関係機関(国土交通省、全国宅地建物取引業協会連合会など)への要望を行っているという』、「国民生活センターには60歳以上の一般消費者から年間600件を超える相談が寄せられる年もあるそうだ。泣き寝入りしている人もいるはずなので、契約者はその数倍はいるものと想定される。 相談者全体に占める70歳以上の割合は、2016年には36.2%だったのに対し、20年には52.3%まで増えている・・・不動産事業者に持ち家を売却した場合、契約のクーリングオフはできない」、なるほど。
・『筆者はリースバックを人道的にどうかと思う  なお、不動産取引の勧誘で、「しつこい、長時間、迷惑、脅迫、強引、うそ」などを含む説明は宅地建物取引業法で禁止されている。こうした勧誘を受けた場合は、「免許行政庁に連絡します」と言うと、たいていの営業担当者は引き下がる。宅地建物取引業法違反で行政処分が行われるからだ。 法改正によってこの規制が設けられた結果、不動産事業者は高属性(信用度が高く融資しやすい)の会社員に投資用不動産を売ることがかなり難しくなった。それまでは、会社に勧誘の電話をかける手段が横行していたが、法的に撃退できるようになったからだ。 だが上記の相談内容を見る限り、リースバックは営業担当者の撃退方法を知らない高齢者がターゲットになっている印象だ。こうした勧誘や、法外な価格・家賃の設定に関して、筆者は人道的にどうかと思う。 そして皮肉なことに、リースバック事業を展開している会社には、上場企業のグループ会社・子会社・関連会社などが含まれている。親会社が上場しているということは、それなりの社会的信用はあるはずだが、消費者の利益よりも「業績を伸ばして株主を満足させること」を最優先に考えているのだろう。  最後に、あらためて問題を整理しておく。持ち家の売却後も「賃貸」という形で住み続けられるリースバック契約は、一見すると自宅という資産を有効活用する手段のように思える。引っ越しの必要もなく、売却代金を得ることで資金繰りも一時的に良くなるからだ。 しかし実は、その価格設定や契約内容は、かなり消費者にとって不利になっている。最悪の場合、契約者が大損するだけでなく自宅を失うこともあり得る』、「あらためて問題を整理しておく。持ち家の売却後も「賃貸」という形で住み続けられるリースバック契約は、一見すると自宅という資産を有効活用する手段のように思える。引っ越しの必要もなく、売却代金を得ることで資金繰りも一時的に良くなるからだ。 しかし実は、その価格設定や契約内容は、かなり消費者にとって不利になっている。最悪の場合、契約者が大損するだけでなく自宅を失うこともあり得る」、なるほど。
・『両親の「自宅喪失」を防ぐ有効な方法は?  これを止める有効な方法は「親子間の会話」だと筆者は考える。振り込め詐欺と同様、身内の注意喚起があれば防げる可能性が高い。帰省が難しいならば、電話をかけて「リースバックという、下手をすれば大損する不動産取引があって、問題になっているから気を付けて」と言うだけでもいい。 それでも心配なら、実家を共有名義にするのもいいだろう。子どもの持ち分が少しでもあれば、子どもの同意がないと売却できなくなる。贈与税を取られるのが癪(しゃく)だという場合は、ほんの一部だけを買い取って、司法書士に登記してもらえればいい。 こんなコラムを書かなければならないのは、不動産業界にいる者として大変申し訳なく思う。だが筆者は、自社の利益のために消費者に不当な契約を課し、時として自宅を取り上げる事業者を許す気はないということを、ここに記しておく』、「これを止める有効な方法は「親子間の会話・・・それでも心配なら、実家を共有名義にするのもいいだろう。子どもの持ち分が少しでもあれば、子どもの同意がないと売却できなくなる。贈与税を取られるのが癪(しゃく)だという場合は、ほんの一部だけを買い取って、司法書士に登記してもらえればいい」、これで安心だ。

次に、12月13日付け東洋経済オンライン「スルガ銀、「膠着2年半」アパマン融資の視界不良 揺れる、もう1つの「かぼちゃの馬車」問題」を紹介しよう。
・『「シェアハウス以外の投資用不動産向け融資についての当社対応状況」。11月22日、スルガ銀行がこんな表題のプレスリリースを公表した。シェアハウス以外の投資用不動産、とは1棟アパート・マンション(アパマン)を指す。 今年4月以降、スルガ銀はアパマンオーナーが結成した弁護団との交渉状況を開示しており、今回が2度目の公表となる。 弁護団側は計864物件のアパマン融資について、「書類改ざんなどの不正行為によって、オーナーが高値づかみをさせられた」と主張。元本カットを求めて、スルガ銀と交渉を続けている。 2018年の発覚以来、投資用不動産をめぐる不正融資に揺れてきたスルガ銀。2022年にシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題が終局した一方、いまだ懸案となっているのがアパマン融資だ。スルガ銀は早期解決に向け落としどころを探るも、弁護団との溝はなかなか埋まらない』、「2022年にシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題が終局した一方、いまだ懸案となっているのがアパマン融資だ・・・弁護団との溝はなかなか埋まらない」、なるほど。
・『シェアハウスよりも問題が長期化  41回――。アパマンオーナーの弁護団が発足した2021年5月から2023年11月末までの間に、スルガ銀と弁護団との間で行われた交渉回数だ。2年半が経過しても協議は平行線をたどっている。 シェアハウスのケースでは、交渉開始から解決までに2年を要した。シェアハウスオーナーが弁護団を結成したのは2018年3月。以後スルガ銀と50回以上もの折衝を重ねた末、2020年3月にオーナー257人とスルガ銀との間で和解が成立した。 残るオーナーとも翌2021年、2022年に和解にこぎつけ、スルガ銀は一連のシェアハウス問題から解放された。 シェアハウスが全面解決に至った背景には、2つの要因がある。1つはシェアハウスの特殊性が、スルガ銀に譲歩の余地を与えたことだ。 シェアハウスは投資用不動産としてのマーケットが未成熟ゆえ、行内でも審査ノウハウが確立していなかった。不動産業者が画策した非現実的な収益計画を見抜けず、オーナーに高値づかみをさせてしまった。 行員による不正行為の有無は脇に置き、あくまで審査不備の責任を取る形式を裁判所の調停委員が認定し、スルガ銀は和解に応じた。) もう1つは代物弁済に似た、「奇策」とも言えるスキームが機能したことだ。スルガ銀がシェアハウス向けの貸出債権を投資家に売却し、オーナーは投資家にシェアハウスを差し出すことで、銀行・オーナー間の債権および債務を帳消しにした。 幸いシェアハウスの多くは首都圏の好立地にあり、入札には複数の投資家が参加。最終的にアメリカ投資ファンド「ローンスター」が落札し、現在は賃貸住宅として運用している(詳細は2022年4月10日配信記事:「かぼちゃの馬車」再生狙う米投資ファンドの勝算)。 シェアハウスでは早期解決の決め手となった2つの要因が、アパマンでは通用しない。 成熟したアパマン市場では審査の不備に原因を求められないうえ、「案件ごとに事情は異なるため、(シェアハウスのような)一律の解決はできない」(スルガ銀)。 代物弁済スキームも、地方物件の多いアパマンでは投資家が名乗りを上げる見込みは薄い』、「シェアハウスが全面解決に至った背景には、2つの要因がある。1つはシェアハウスの特殊性が、スルガ銀に譲歩の余地を与えたことだ。 シェアハウスは投資用不動産としてのマーケットが未成熟ゆえ、行内でも審査ノウハウが確立していなかった。不動産業者が画策した非現実的な収益計画を見抜けず、オーナーに高値づかみをさせてしまった。 行員による不正行為の有無は脇に置き、あくまで審査不備の責任を取る形式を裁判所の調停委員が認定し、スルガ銀は和解に応じた・・・もう1つは代物弁済に似た、「奇策」とも言えるスキームが機能したことだ。スルガ銀がシェアハウス向けの貸出債権を投資家に売却し、オーナーは投資家にシェアハウスを差し出すことで、銀行・オーナー間の債権および債務を帳消しにした。 幸いシェアハウスの多くは首都圏の好立地にあり、入札には複数の投資家が参加。最終的にアメリカ投資ファンド「ローンスター」が落札し、現在は賃貸住宅として運用している・・・ェアハウスでは早期解決の決め手となった2つの要因が、アパマンでは通用しない。 成熟したアパマン市場では審査の不備に原因を求められないうえ、「案件ごとに事情は異なるため、(シェアハウスのような)一律の解決はできない」、なるほど。
・『早期解決フレームワークで打開を図る  膠着状態に陥る中、スルガ銀は2022年5月に「早期解決フレームワーク」なる解決策を弁護団に提案する。アパマン融資を案件ごとに以下の3つの基準に当てはめ、適合すればスルガ銀が解決金を支払う内容だ。 条件付きながら解決金を支払う試案によって、アパマン問題は前進するかに見えた。だが、弁護団の態度を軟化させるには至っていない。基準の適合要件が厳しく、ほとんどの案件がふるい落とされたためだ。 弁護団が試験的に24物件を提示し、スルガ銀に基準適用を求めたところ、まず第1段階で16物件が弾かれ、さらに第2段階で6物件が除外された。最終的に解決金の支払い対象となったのは2物件のみで、スルガ銀から提示された解決金も、弁護団が納得する水準ではなかった。) 「高値づかみ」の有無を判断する第1段階では、レントロール(家賃明細表)が重視された。物件価格は家賃収入から逆算して決まるため、レントロールの数字が実際に入居者が支払う家賃よりも水増しされていると、オーナーは不当に高い価格で物件を購入させられたことを意味する。 だが、関係者によれば、単にレントロールが実際の家賃から水増しされただけでは要件には足りず、2割程度の大幅な乖離がなければ高値づかみとは認められなかったという。 第2段階においても、不正行為が確認されただけでなく、行員の関与を裏付ける証拠が必要な点がネックとなっている。早期解決フレームワークは現状、宙に浮いた状態だ。 手詰まり感が漂う中、スルガ銀は交渉の枠外に活路を見出そうとしている。交渉の決着を待たずして、オーナーにアパマンの売却を促すことだ。 スルガ銀によれば、2022年9月から2023年9月までの1年間で64物件が売却によってオーナーの手から離れたことで、弁護団が受任する案件からも外れた。昨今の不動産市況の高騰が、もっけの幸いとなった』、「スルガ銀は2022年5月に「早期解決フレームワーク」なる解決策を弁護団に提案する。アパマン融資を案件ごとに以下の3つの基準に当てはめ、適合すればスルガ銀が解決金を支払う内容だ。 条件付きながら解決金を支払う試案によって、アパマン問題は前進するかに見えた。だが、弁護団の態度を軟化させるには至っていない。基準の適合要件が厳しく、ほとんどの案件がふるい落とされたためだ・・・弁護団が試験的に24物件を提示し、スルガ銀に基準適用を求めたところ、まず第1段階で16物件が弾かれ、さらに第2段階で6物件が除外された。最終的に解決金の支払い対象となったのは2物件のみで、スルガ銀から提示された解決金も、弁護団が納得する水準ではなかった・・・単にレントロールが実際の家賃から水増しされただけでは要件には足りず、2割程度の大幅な乖離がなければ高値づかみとは認められなかったという。 第2段階においても、不正行為が確認されただけでなく、行員の関与を裏付ける証拠が必要な点がネックとなっている。早期解決フレームワークは現状、宙に浮いた状態だ。 手詰まり感が漂う中、スルガ銀は交渉の枠外に活路を見出そうとしている。交渉の決着を待たずして、オーナーにアパマンの売却を促すことだ。 スルガ銀によれば、2022年9月から2023年9月までの1年間で64物件が売却によってオーナーの手から離れたことで、弁護団が受任する案件からも外れた。昨今の不動産市況の高騰が、もっけの幸いとなった」、なるほど。
・『業務改善命令はいまだに解除されていない  実はスルガ銀にとって、シェアハウスないしアパマン問題は財務面での重荷でなくなりつつある。 前者は代物弁済スキームによって、バランスシート上からはほぼ消えた。後者も弁護団が受任するアパマンは引当金や担保などでほぼ100%保全し、2022年からは弁護団が受任していない物件についても、延滞を重ねている場合には予防的引き当てを進めている。 ピーク時に1300億円を突破した実質与信費用は、2025年度以降は年間30億円程度で平準化する見通しだ。 それでも、金融庁が2018年10月にスルガ銀に発した業務改善命令はいまだ解除されていない。 命令の中で金融庁は、「シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関して、金利引き下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立」を求めている。 アパマン問題が解決しない限り、投資用不動産にまつわるガバナンス体制が刷新されたとはみなされない。 「アパマン問題の解決は重要な経営課題。1日でも早い解決を希望している」。11月に開催された決算説明会において、スルガ銀の加藤広亮社長はこう述べた。だが、有言実行に向けた打開策は見つかっていない』、「シェアハウスないしアパマン問題は財務面での重荷でなくなりつつある。 前者は代物弁済スキームによって、バランスシート上からはほぼ消えた。後者も弁護団が受任するアパマンは引当金や担保などでほぼ100%保全し、2022年からは弁護団が受任していない物件についても、延滞を重ねている場合には予防的引き当てを進めている。 ピーク時に1300億円を突破した実質与信費用は、2025年度以降は年間30億円程度で平準化する見通しだ。 それでも、金融庁が2018年10月にスルガ銀に発した業務改善命令はいまだ解除されていない。 命令の中で金融庁は、「シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関して、金利引き下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立」を求めている。 アパマン問題が解決しない限り、投資用不動産にまつわるガバナンス体制が刷新されたとはみなされない。 「アパマン問題の解決は重要な経営課題。1日でも早い解決を希望している」。11月に開催された決算説明会において、スルガ銀の加藤広亮社長はこう述べた。だが、有言実行に向けた打開策は見つかっていない』、「代物弁済スキームによって、バランスシート上からはほぼ消えた。後者も弁護団が受任するアパマンは引当金や担保などでほぼ100%保全し、2022年からは弁護団が受任していない物件についても、延滞を重ねている場合には予防的引き当てを進めている」、しかし、引当などを積んだだけで、「バランスシート」には残っている。不良債権問題の時と同様に、これをオフバランス化する必要があるのだろう。
タグ:金融関連の詐欺的事件 (その14)(不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意、スルガ銀 「膠着2年半」アパマン融資の視界不良 揺れる、もう1つの「かぼちゃの馬車」問題) ダイヤモンド・オンライン 沖有人氏による「不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意」 最近はテレビでも「リースバック」を派手に宣伝しているが、「買い取り金額は相場より安く、家賃は高くなりがちだ」なので、確かに「契約者は下手をすれば自宅を失うリスクがある」、なるほど。 「リースバックを手掛ける不動産事業者にとって、期待利回り(年率)はなんと約7~12%ある。買い取り価格の最大12%程度の金額を、家賃収入として毎年受け取ることができるのだ。 だが契約者側にとってみれば、仮に相場通りの金額で自宅を売却できても、その資金は約8~14年でなくなってしまう。そして、これはあくまで理論上の数値だ。実際に手に入る資金は相場以下になるので、もっと短い期間で底を突くと考えた方がいい・・・ 他にもやり方はある。リバースモーゲージという、自宅を担保に入れてお金を借りる方法だ。金利は3%ほどである・・・返済は、契約者が亡くなった後に物件を売却する形で行われる。要は、死ぬまで安心して住み続けられるのだ。 いずれも、リースバックと比較したら、はるかにリーズナブルな方法となる」、なるほど。 「国民生活センターには60歳以上の一般消費者から年間600件を超える相談が寄せられる年もあるそうだ。泣き寝入りしている人もいるはずなので、契約者はその数倍はいるものと想定される。 相談者全体に占める70歳以上の割合は、2016年には36.2%だったのに対し、20年には52.3%まで増えている・・・不動産事業者に持ち家を売却した場合、契約のクーリングオフはできない」、なるほど。 「あらためて問題を整理しておく。持ち家の売却後も「賃貸」という形で住み続けられるリースバック契約は、一見すると自宅という資産を有効活用する手段のように思える。引っ越しの必要もなく、売却代金を得ることで資金繰りも一時的に良くなるからだ。 しかし実は、その価格設定や契約内容は、かなり消費者にとって不利になっている。最悪の場合、契約者が大損するだけでなく自宅を失うこともあり得る」、なるほど。 「これを止める有効な方法は「親子間の会話・・・それでも心配なら、実家を共有名義にするのもいいだろう。子どもの持ち分が少しでもあれば、子どもの同意がないと売却できなくなる。贈与税を取られるのが癪(しゃく)だという場合は、ほんの一部だけを買い取って、司法書士に登記してもらえればいい」、これで安心だ。 東洋経済オンライン「スルガ銀、「膠着2年半」アパマン融資の視界不良 揺れる、もう1つの「かぼちゃの馬車」問題」 「2022年にシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題が終局した一方、いまだ懸案となっているのがアパマン融資だ・・・弁護団との溝はなかなか埋まらない」、なるほど。 「シェアハウスが全面解決に至った背景には、2つの要因がある。1つはシェアハウスの特殊性が、スルガ銀に譲歩の余地を与えたことだ。 シェアハウスは投資用不動産としてのマーケットが未成熟ゆえ、行内でも審査ノウハウが確立していなかった。不動産業者が画策した非現実的な収益計画を見抜けず、オーナーに高値づかみをさせてしまった。 行員による不正行為の有無は脇に置き、あくまで審査不備の責任を取る形式を裁判所の調停委員が認定し、スルガ銀は和解に応じた・・・ もう1つは代物弁済に似た、「奇策」とも言えるスキームが機能したことだ。スルガ銀がシェアハウス向けの貸出債権を投資家に売却し、オーナーは投資家にシェアハウスを差し出すことで、銀行・オーナー間の債権および債務を帳消しにした。 幸いシェアハウスの多くは首都圏の好立地にあり、入札には複数の投資家が参加。最終的にアメリカ投資ファンド「ローンスター」が落札し、現在は賃貸住宅として運用している・・・ェアハウスでは早期解決の決め手となった2つの要因が、アパマンでは通用しない。 成熟したアパマン市場では審査の不備に原因を求められないうえ、「案件ごとに事情は異なるため、(シェアハウスのような)一律の解決はできない」、なるほど。 「スルガ銀は2022年5月に「早期解決フレームワーク」なる解決策を弁護団に提案する。アパマン融資を案件ごとに以下の3つの基準に当てはめ、適合すればスルガ銀が解決金を支払う内容だ。 条件付きながら解決金を支払う試案によって、アパマン問題は前進するかに見えた。だが、弁護団の態度を軟化させるには至っていない。基準の適合要件が厳しく、ほとんどの案件がふるい落とされたためだ・・・弁護団が試験的に24物件を提示し、スルガ銀に基準適用を求めたところ、まず第1段階で16物件が弾かれ、さらに第2段階で6物件が除外された。 最終的に解決金の支払い対象となったのは2物件のみで、スルガ銀から提示された解決金も、弁護団が納得する水準ではなかった・・・単にレントロールが実際の家賃から水増しされただけでは要件には足りず、2割程度の大幅な乖離がなければ高値づかみとは認められなかったという。 第2段階においても、不正行為が確認されただけでなく、行員の関与を裏付ける証拠が必要な点がネックとなっている。早期解決フレームワークは現状、宙に浮いた状態だ。 手詰まり感が漂う中、スルガ銀は交渉の枠外に活路を見出そうとしている。交渉の決着を待たずして、オーナーにアパマンの売却を促すことだ。 スルガ銀によれば、2022年9月から2023年9月までの1年間で64物件が売却によってオーナーの手から離れたことで、弁護団が受任する案件からも外れた。昨今の不動産市況の高騰が、もっけの幸いとなった」、なるほど。 「シェアハウスないしアパマン問題は財務面での重荷でなくなりつつある。 前者は代物弁済スキームによって、バランスシート上からはほぼ消えた。後者も弁護団が受任するアパマンは引当金や担保などでほぼ100%保全し、2022年からは弁護団が受任していない物件についても、延滞を重ねている場合には予防的引き当てを進めている。 ピーク時に1300億円を突破した実質与信費用は、2025年度以降は年間30億円程度で平準化する見通しだ。 それでも、金融庁が2018年10月にスルガ銀に発した業務改善命令はいまだ解除されていない。 命令の中で金融庁は、「シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関して、金利引き下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立」を求めている。 アパマン問題が解決しない限り、投資用不動産にまつわるガバナンス体制が刷新されたとはみなされない。 「アパマン問題の解決は重要な経営課題。1日でも早い解決を希望している」。11月に開催された決算説明会において、スルガ銀の加藤広亮社長はこう述べた。だが、有言実行に向けた打開策は見つかっていな い』、「代物弁済スキームによって、バランスシート上からはほぼ消えた。後者も弁護団が受任するアパマンは引当金や担保などでほぼ100%保全し、2022年からは弁護団が受任していない物件についても、延滞を重ねている場合には予防的引き当てを進めている」、しかし、引当などを積んだだけで、「バランスシート」には残っている。不良債権問題の時と同様に、これをオフバランス化する必要があるのだろう。
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