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大学(その13)(国立大学法人法改正案に教職員 学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな、「林真理子さんを助けてやってくれ」就任1年以上経っても林理事長が日大改革を進められない"根本原因" カギを握るのは「ド派手なスーツの強力な助っ人弁護士」、林真理子氏が気づかない「日大にやらされていること」と「本当にやるべきこと」の違い) [社会]

大学については、本年8月13日に取上げた。今日は、(その13)(国立大学法人法改正案に教職員 学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな、「林真理子さんを助けてやってくれ」就任1年以上経っても林理事長が日大改革を進められない"根本原因" カギを握るのは「ド派手なスーツの強力な助っ人弁護士」、林真理子氏が気づかない「日大にやらされていること」と「本当にやるべきこと」の違い)である。

先ずは、本年11月30日付けAERA「国立大学法人法改正案に教職員、学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/articles/-/207625?page=1
・『国立大学をめぐる「第二の学術会議問題」と呼ばれる、法改正案が国会で審議中だ。「学問の自由の危機」「大学自治への死刑宣告」と教員や学生らから怒りの声が上がる。 「心からのお願いです。皆様、憲法第23条の『学問の自由』の守護者になってください」 隠岐さや香・東京大教授(科学史)は衆議院の参考人質疑でそう訴えた。 現在、「第二の日本学術会議問題」「大学の自治への死刑宣告」と呼ばれる、国立大学法人法の改正案が国会で審議中だ。衆議院を通過し、参議院での本格的な討議に入る』、「国立大学法人法の改正案」については、マスコミが余り伝えないので、初めて知った。
・『文科相が委員を承認  改正案は、東京大や京都大など、一定以上の規模の国立大学5法人に、強い権限を持つ合議体「運営方針会議」の設置を義務づけるもの。 合議体は学長と学外の有識者も想定した3人以上の委員で構成され、文部科学相が承認し学長が任命する。大学の中期目標や計画、予算や決算の決定を行い、それに基づいた運営でない場合、学長に改善を要求できる。さらに学長選考に関して意見を述べることも可能だ。 前出の隠岐教授は「非常に危険な法改正」と話す。 特に危険なのが『強力なトップダウン+委員は文科相の承認が必要』の部分です。国が大学運営に介入することを可能にし、『学問の自由』が危ぶまれます。盛山正仁文科相は委員の承認について、政府と主義主張が異なる人物だったとしても、明らかに不適切な場合などを除き『拒否できない』と国会で答弁しましたが、学術会議の前例があります。日本は国際的な『学問の自由度指数』で下位30%台と現状でもけっして良くありません」 2004年の国立大学法人化以降、国はトップダウン型のガバナンス改革を一貫して大学に要求してきた。 「スタンフォード大など米大学をまねようとしているのだと思います。しかし、米大学はトップダウン型である一方、ボトムアップの仕組みもきちんと確立されています。これに対し、日本は一連の大学改革でボトムアップの仕組みを無効化させてきました。改正案が通ったら、大学は『ブレーキを欠いた車』になってしまいます」(隠岐教授)』、「日本は国際的な『学問の自由度指数』で下位30%台と現状でもけっして良くありません」 2004年の国立大学法人化以降、国はトップダウン型のガバナンス改革を一貫して大学に要求してきた。 「スタンフォード大など米大学をまねようとしているのだと思います。しかし、米大学はトップダウン型である一方、ボトムアップの仕組みもきちんと確立されています。これに対し、日本は一連の大学改革でボトムアップの仕組みを無効化させてきました。改正案が通ったら、大学は『ブレーキを欠いた車』になってしまいます」、大変だ。
・『軍事研究の狙いも  国は大学に「選択と集中」によるイノベーションを求め、「稼げる大学」になるよう促してきたことも、法改正の背景にある。本田由紀・東京大教授(教育社会学)はこう憤る。 「政界では与党の支持率はダダ下がり。経済界も30年間低迷を続けている。そんなグダグダな人たちが法改正で大学に介入し、『この研究は稼げる』『あれは稼げない』と選別することになったら取り返しのつかないことになります」 大学には非常に多様な研究があり、一見「稼げない」ように見える基礎研究や地域研究なども重要な役割を担っている。 「学外の委員の中には、所属する組織の利益を近視眼的に追い求める人が出てくる可能性もある。そうしたら、大学が営々と築いてきた、公共財である『知の土台』は壊され、取り戻すのは容易なことではありません」 合議体の設置はもともと、東北大が候補として決定した、10兆円規模の大学ファンドの支援を受ける「国際卓越研究大学」が対象とされていた。それが一方的に拡大された形で、将来的には私大にも及ぶと見られている。 京都大の駒込武教授(教育史)は「法改正の根拠に整合性がない」と批判する。「突然閣議決定され、国会でスピード可決を図ろうとした点も不審。これほど強引に推し進めるのは、軍事研究に消極的な旧帝大を法改正で組み込ませたい狙いがあるのではと思わざるをえません」 学生も声を上げ始めた。東北大4年の山下森人さんは言う。 「僕は文学部で、学びたい研究があったのですが、指導者のポストがなくなり学べなかった。こうしたことは複数起きていて、さらに悪化しないか心配です」 改正案には、大学の土地の貸し付けの緩和も盛り込まれている。「稼ぐ」ことが優先され、学生のサークルスペースや福利厚生施設がつぶされていくことも懸念されている。 山下さんは訴える。 「学生にこれほど影響を与える法改正なのに、学生は置き去りにされています。国は大学を道具のように扱わないでほしい。私物化するな、と言いたい」(フリー記者 石田かおる)』、「経済界も30年間低迷を続けている。そんなグダグダな人たちが法改正で大学に介入し、『この研究は稼げる』『あれは稼げない』と選別することになったら取り返しのつかないことになります」 大学には非常に多様な研究があり、一見「稼げない」ように見える基礎研究や地域研究なども重要な役割を担っている・・・大学の土地の貸し付けの緩和も盛り込まれている。「稼ぐ」ことが優先され、学生のサークルスペースや福利厚生施設がつぶされていくことも懸念されている・・・学生にこれほど影響を与える法改正なのに、学生は置き去りにされています。国は大学を道具のように扱わないでほしい。私物化するな、と言いたい」、極めて危険な法案のようだ。

次に、12月9日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「「林真理子さんを助けてやってくれ」就任1年以上経っても林理事長が日大改革を進められない"根本原因" カギを握るのは「ド派手なスーツの強力な助っ人弁護士」」を紹介しよう。
・『記者会見に現れた「ド派手なスーツの強力な助っ人」  「何合目と言うより富士吉田の駅に着いたくらい。まだバスにも乗っていない」  12月4日に開いた記者会見で、日本大学の改革の進行状況を「いま何合目か」と問われた林真理子理事長は、富士山に例えてまだ麓の駅だと答えた。就任から1年以上過ぎたにもかかわらず、改革は進むどころか、再び発覚した不祥事への対応に追われている。不祥事の淵に沈んだ日本大学は再生・復活できるのだろうか。 記者会見にはこれまで登場しなかった強力な「助っ人」が登場した。久保利英明弁護士。ド派手なスーツと真っ黒に日焼けした風貌で知られるガバナンス問題の第一人者である。黒に幅広の白いストライプが入ったこの日のスーツは、長年、久保利氏を取材してきた筆者から見ると、極めて地味な出で立ちだったが、それでも、ネット界隈やテレビのワイドショーの人々は度肝を抜かれたようで、一気に話題をさらっていた。 派手な出で立ちは自らを奮い立たせる「戦闘服だ」と言い続けてきた久保利氏は、常に「不正」に立ち向かってきた。防弾チョッキを備えての総会屋と対峙たいじするなど、その「正義感」は正真正銘、筋金入りだ。そんな闘う弁護士に「林真理子さんを助けてやってくれ」といくつものルートで依頼が飛び込んだという。林氏の著書を刊行する出版社の幹部や、久保利氏が顧問を務める企業の創業者、芸能人、そして日本大学の監事を務める弁護士からも連絡がきた。それほどに林理事長が改革に苦戦して追い詰められている様子を周囲が心配していたのだろう』、「「林真理子さんを助けてやってくれ」といくつものルートで依頼が飛び込んだ」、やはり「久保利氏」の名声は轟き亘っているのだろう。
・『「久保利弁護士の議長就任を文科省が了解したのは意外」  今年8月、アメリカンフットボール部員が寮で大麻を所持していた容疑で逮捕されたのを受けて、日大は「第三者委員会」を設置した。その第三者委員会が10月30日に報告書を日大に提出。管理運営体制の再構築など改善計画を策定する「第三者委員会答申検討会議」を設置した。その会議の議長に久保利氏を迎えたのだ。 アメフト部は2018年の危険タックル問題に次ぐ不祥事で、その後の田中英寿前理事長による乱脈経営から脱却を図ろうとしていたまさにその最中に起きた。ガバナンスの不全が再び明らかになったわけだ。 相次ぐ不祥事で、日大は文科省の厳しい監督下に置かれている。第三者委員会の設置は文科省の行政指導を受けたものだった。当然、その後の検討会議の設置も日大は文科省にお伺いを立てている。「正直、久保利弁護士の議長就任を文科省が了解したのは意外でした」と関係者は語る。というのも、久保利氏と文科省には因縁があったからだ』、「「第三者委員会答申検討会議」を設置した。その会議の議長に久保利氏を迎えたのだ」、「久保利氏と文科省には因縁があった」、どんな「因縁」なのだろう。
・『文科省からすれば「過激な」ガバナンス体制を求める危険人物  2021年7月、文科省は「学校法人ガバナンス改革会議」(座長・増田宏一元日本公認会計士協会会長)を設置した。久保利氏はその会議の中心メンバーだったのだ。ちょうど田中理事長が逮捕されるなど日大の不祥事が噴出しているタイミングと重なったため、大学のガバナンスのあり方が大きく関心を呼んだ。そんな流れの中で、12月8日にはその会議が報告書をまとめる。その内容は、公益財団や社会福祉法人など公益法人の仕組みに沿った厳格なガバナンス体制を求めるものだった。 これに私学経営者らが猛烈に反発。自民党の文教族政治家らに働きかけて、改革案を骨抜きにしたのだ。文科省からすれば「過激な」ガバナンス体制を求める危険人物が久保利氏だった。それにもかかわらず久保利氏に日大改革を委ねることに文科省が踏み切ったことを、経緯を知る大学関係者は驚きを持って見ているのだ。 しかも、会議の設置を仕掛けた塩崎恭久元厚生労働相の強い意向で、報告書の作成には文科省の役人は一切関わっていないとされる。一説には久保利氏の事務所の弁護士がボランティアで作成したとも言われているのだ。文科省からすれば、久保利氏は敬して遠ざけたい人物に違いないとみられていたのだ。それが、久保利氏の議長就任を渋々認めるどころか、むしろ歓迎したというのだ』、「文科省は「学校法人ガバナンス改革会議」(座長・増田宏一元日本公認会計士協会会長)を設置した。久保利氏はその会議の中心メンバーだったのだ・・・報告書をまとめる。その内容は、公益財団や社会福祉法人など公益法人の仕組みに沿った厳格なガバナンス体制を求めるものだった。 これに私学経営者らが猛烈に反発。自民党の文教族政治家らに働きかけて、改革案を骨抜きにしたのだ。文科省からすれば「過激な」ガバナンス体制を求める危険人物が久保利氏だった・・・会議の設置を仕掛けた塩崎恭久元厚生労働相の強い意向で、報告書の作成には文科省の役人は一切関わっていないとされる。一説には久保利氏の事務所の弁護士がボランティアで作成したとも言われているのだ」、なるほど。
・『私学法改正で注目されている日大の行方  私学法の改正で2025年から学校法人のガバナンスが大きく変わる。全国の大学はいま、定款に当たる「寄付行為」をどう変え、どんなガバナンス体制にするかを検討している真っ最中だ。改正私学法では、各学校法人が寄付行為で定めれば、多くでほぼ現行通りの体制を維持できるように「骨抜き」になった。学校法人自身の改革姿勢によって寄付行為はいかようにでも書ける形になったのだ。例えば、理事の選出方法などは法律では明確に示されず、各大学に自由度がある。 そんな中で、注目されているのが日大の寄付行為の行方だ。日大は田中元理事長の不祥事を受けてガバナンス体制を見直したが、第三者委員会の調査報告書では、一定の改革が行われたものの、今回の不祥事で理事会への報告がなされなかったり、遅れたりしたことなどガバナンスが機能しなかったことが問題視されている。つまり、経営を行い教学を監督する理事会の機能が十分に働く仕組みになっていなかったとした上で、経営層によるガバナンスを機能させるためには独立性のある理事、監事が必要だと結論付けている』、「改正私学法では、各学校法人が寄付行為で定めれば、多くでほぼ現行通りの体制を維持できるように「骨抜き」になった。学校法人自身の改革姿勢によって寄付行為はいかようにでも書ける形になったのだ。例えば、理事の選出方法などは法律では明確に示されず、各大学に自由度がある・・・日大は田中元理事長の不祥事を受けてガバナンス体制を見直したが、第三者委員会の調査報告書では、一定の改革が行われたものの、今回の不祥事で理事会への報告がなされなかったり、遅れたりしたことなどガバナンスが機能しなかったことが問題視されている」、なるほど。
・『見直された「寄付行為」でも理事長の権限は大きい  記者会見で久保利氏が読み上げた「今後の対応及び方針」では、ウチのことはウチで収めるという「ムラ社会」の組織や、「秘密主義」、学外者を含む組織に対して必要な情報を全く提供しようとしない「排外主義」などがあったとしている。そのうえで、「方針」では理事長のあり方としてこう書いている。 「理事長の権限及び責任を明確にし、業務執行理事へのガバナンスを強化させる仕組みを設け、理事長がガバナンスをより強化させる仕組みを設けます。また、理事長就任後の業績評価制度の見直しや理事長選考委員会の在り方の再確認も含め、法人ガバナンスを強化します」 田中前理事長の不祥事をきっかけに見直した「寄付行為」でも理事長の権限は大きい。選任方法や任期などは変わったが、「理事長は、この法人を代表し、法人の業務を総理する」「理事長以外の理事は、この法人の業務について、この法人を代表しない」といった唯一絶対の権限規定は田中時代と同じだ。また、理事の中から「理事長の推薦により理事会の議を経て常務理事となる」という、事実上理事長が常務理事を選ぶ権限などは、規定上は変わっていない』、「見直された「寄付行為」でも理事長の権限は大きい」、なるほど。
・『学長と3人の副学長の発言力が大きくなっていた  ところが、「林理事長はどうも学長らの教学部門に遠慮があるようだ」と日大関係者は言う。理事会の構成人数は「27人以上36人以内」だったものを「14人以上24人以内」に減らされ、日大以外の学外者が増えた一方で、「副学長」を新設したため、学長と3人の副学長の発言力が大きくなり、理事長や理事会による「教学」への監督が弱くなった大きな要因だろう。田中前理事長による不祥事への反省で、理事長の暴走を防ぐことを最優先し、結果的に学長と副学長の力が増すことになったのだろう。今回の不祥事を受けて、副学長のあり方など寄付行為が再度見直されることになるのだろう。 「もはや一刻の猶予もできません。今、改善・改革を行わなければ本法人は、再生・復活の機会を失い、先人が永年にわたり築きあげた価値などを致命的に喪失することとなります」 田中前理事長の不祥事を機にガバナンスを見直した日本大学で、繰り返される不祥事は、ガバナンスがまだまだ脆弱ぜいじゃくなことの証明でもある。2年前に久保利氏らのガバナンス改革会議が示した強力なガバナンス体制を、少しでも自主的に導入していこうという動きが広がっていくことになるのだろう。多くの学校法人が、今後の日大の再改革の行方を固唾かたずを飲んで見守っている』、「日大以外の学外者が増えた一方で、「副学長」を新設したため、学長と3人の副学長の発言力が大きくなり、理事長や理事会による「教学」への監督が弱くなった大きな要因だろう・・・日本大学で、繰り返される不祥事は、ガバナンスがまだまだ脆弱ぜいじゃくなことの証明でもある。2年前に久保利氏らのガバナンス改革会議が示した強力なガバナンス体制を、少しでも自主的に導入していこうという動きが広がっていくことになるのだろう』、「久保利氏らのガバナンス改革会議が示した強力なガバナンス体制を、少しでも自主的に導入していこうという動きが広がっていくことになるのだろう」、林理事長の謝罪を見なくて済む体制に早くしてもらいたいものだ。

第三に、12月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元週刊文春・月刊文芸春秋編集長の木俣正剛氏による「林真理子氏が気づかない「日大にやらされていること」と「本当にやるべきこと」の違い」を紹介しよう。
・『元文春編集長があえて批評する日大理事長としての林真理子氏  林真理子理事長による日大改革が厳しい批判に晒されています。林さんは『週刊文春』で長い間連載をしているため、「文春は林さんの批判はしないのでは?」という質問も記者会見で出てきました。 もちろん、連載中の作家の悪口を雑誌で書くことは、編集部の掲載判断が間違っていたことを自ら認めることになりかねないので、慎重に考えなくてはいけないと思います。ただ、書き手が公人として、公の仕事をしている場合は話が別です。元文集編集長の私が、彼女を公人として、第三者的な立場から批評してみたいと思います。 林さんに対する「お飾りにすぎない」「目立つ地位がほしかっただけ」といった批判は、この時期に日大理事長をやるということの大変さをあまりにも理解していないと私は思っています。 大学の経営は私も少し経験したので、民間から見るといかに不思議なものか、少しはわかっているつもりです。しかし、現在の林真理子批判は、(1)「作家」林真理子さんにできること、(2)林さんに求められていること、(3)林さんが求められてもできないことについて、彼女の作品の愛読者だけでなく、記者や日大関係者、そして林さん自身も誤った認識を持っているからこそ、起きているものだと思います。 まず、ボタンの掛け違いがありました。8月8日、澤田康広副学長が「大麻を12日間保管した」と説明した記者会見では、あの場に林さんが出る必要などまったくなかったのです。多くの読者は理事長と学長は同格だと考えています。しかし、理事長は会社でいうなら社長。学長は教育とそれに伴う部活やイベントだけを統括する工場長のようなものです。 当日の記者会見は、学生数7万人のマンモス大学の一部でしかない生徒が犯した大麻所持問題が議題でした。7万人の企業といえば、林さんの立場は三菱商事の社長クラスです。社員の1人が大麻を所持した程度で、社長が記者会見に出る必要があるでしょうか。昨今、組織のコンプライアンスが厳格化しているとはいえ、第一段階では、監督責任もその後の報告も学長と副学長で十分なのです。 たぶん、林さんは真面目で、記者会見には出なければいけないと考えたのでしょうが、最終決定権のある理事長があの段階で出席すると、物事の是非を断言したり、重要な決定をしたりする必要に迫られます。案の定、記者の質問に対して「スポーツのほうにはまだ手を付けていなかったことを反省する」といった趣旨の、絶対にしてはならない失言をしてしまいました。 日大改革の発端は、アメフト部の危険タックル問題でした。理事長就任から1年経ってそこに手を付けていないという発言は、誰もが失望するものでした。 ボタンの掛け違いはその後も続きます。本来は、1回目の記者会見を受けて状況を精査し、第三者委員会の意見を取り入れて、澤田氏や学長の処分という話になれば、林さんが裏できちんと事件をグリップしていると見られたに違いありません。しかしそうはならず、12月に入っても要領を得ない会見が開かれました。 林さんが理事長という役割を生真面目に考えすぎた結果、「林さんのカリスマで記者会見をなんとかしたい」という周囲の目論見に嵌められたのではないかと思います』、「第一段階では、監督責任もその後の報告も学長と副学長で十分なのです。 たぶん、林さんは真面目で、記者会見には出なければいけないと考えたのでしょうが、最終決定権のある理事長があの段階で出席すると、物事の是非を断言したり、重要な決定をしたりする必要に迫られます。案の定、記者の質問に対して「スポーツのほうにはまだ手を付けていなかったことを反省する」といった趣旨の、絶対にしてはならない失言をしてしまいました・・・本来は、1回目の記者会見を受けて状況を精査し、第三者委員会の意見を取り入れて、澤田氏や学長の処分という話になれば、林さんが裏できちんと事件をグリップしていると見られたに違いありません。しかしそうはならず、12月に入っても要領を得ない会見が開かれました。 林さんが理事長という役割を生真面目に考えすぎた結果、「林さんのカリスマで記者会見をなんとかしたい」という周囲の目論見に嵌められたのではないかと思います」、なるほど。
・『林氏が周囲に求められてもできないことはある  次に、林さんに求められてもできないことがあるということを、大学もご本人もわかっていない例についてお話します。 アメフト部の問題に端を発し、田中前理事長の逮捕・退陣に至った日大の独裁体質、パワハラ経営、そしてあまり表には出てきませんが前理事長の反社会勢力との繋がりを全部きれいにするというのが、日大改革の大きな目標でした。そのためには、彼の息がかかった人間の更迭と、田中的パワハラ体質の改善、つまりは人事の大刷新が絶対の目標であったはずです。 田中氏は長期間にわたり大学を支配してきたため、隅々にまで情実関係にある部下が配置されていました。その人々はまだ大学に残っています。彼らをリストラするか、パワハラ的運営を改めさせるのが、改革の具体策です。 しかし、これは林さん一人では絶対にできません。確かに、第三者委員会に久保利英明弁護士を起用するなど、反社会勢力との対決をも意識した意欲は感じられます。しかし、久保利氏は総会屋対策で名を売った人。総会屋が壊滅された現在では一昔前の人と言わざるを得ません。反社会性力と絶縁するには、相当な豪腕が必要です。)  たとえば、カナダに亡命中の香港のアグネス・チョウ氏(周庭氏)を、教授に招聘できないでしょうか。香港の自由を守るために戦い、投獄されても屈しなかった彼女から学生が学ぶことは多いはずです。日本企業の最大の問題の一つが男女の不平等なのだから、彼女の起用自体が林日大からの象徴的なメッセージとなります。 台湾のオードリー・タン氏、北欧の女性首相経験者、日本が大好きな経営者・ビル・ゲイツ氏など、日本の良さや改革の方向性についての知見が深い海外の著名人の講座を設けるのもいいでしょう。 ChatGPTをはじめとするAIを教育の中心に置く文科系学科など、教育者にICT教育を徹底させるのも今後の道です。 こういう新鮮な大学づくりを目指す一方で、廃部が決まったアメフト部に対しては、アメフトを続けたい学生の他大学への移籍をサポートするなど、細かい気配りも必要です。先日の説明会を見ている限り、学生からの質問を禁じるという体育会系体質は少しも改まっていません。ここにこそ、林理事長の新発想が必要ではないかと思います。 たとえば、戦火に包まれたウクライナでは、アメリカンフットボールが人気スポーツになりました。ただ廃部にするのではなく、ウクライナチームを招待し合宿所で一緒に練習するなどの施策を講じれば、学生にとっては国際交流の面でも大変良い人生勉強ができるはずです。 日大には多くの部活が存在します。その財力を活かし、母国でスポーツができないパレスチナやシリアの人々を招き、国際的なスポーツ人を養うのも「日大が変わった」というアピールになり、日本の国際的評価の向上に貢献するはずです』、「田中氏は長期間にわたり大学を支配してきたため、隅々にまで情実関係にある部下が配置されていました。その人々はまだ大学に残っています。彼らをリストラするか、パワハラ的運営を改めさせるのが、改革の具体策です。 しかし、これは林さん一人では絶対にできません。確かに、第三者委員会に久保利英明弁護士を起用するなど、反社会勢力との対決をも意識した意欲は感じられます。しかし、久保利氏は総会屋対策で名を売った人。総会屋が壊滅された現在では一昔前の人と言わざるを得ません。反社会性力と絶縁するには、相当な豪腕が必要です・・・戦火に包まれたウクライナでは、アメリカンフットボールが人気スポーツになりました。ただ廃部にするのではなく、ウクライナチームを招待し合宿所で一緒に練習するなどの施策を講じれば、学生にとっては国際交流の面でも大変良い人生勉強ができるはずです。 日大には多くの部活が存在します。その財力を活かし、母国でスポーツができないパレスチナやシリアの人々を招き、国際的なスポーツ人を養うのも「日大が変わった」というアピールになり、日本の国際的評価の向上に貢献するはずです」、なるほど。
・本当は今までになかった大学をつくれるはず  部外者が勝手なことを言いましたが、大学経営は文部科学省の厳しいチェックの下で行わねばなりません。なにしろ私学といえども、経営の4割は助成金に頼るっているのが現状だからです。しかし、林さんの声望と人望があれば、こうしたチェックを沈黙させ、今までの日本になかったような大学がつくれるはずです。 どうか日大の過去の負債の清算にばかり力を注ぐのではなく、そこには適任者を探して配置し、ご自身は林さんらしい大学つくりをしていただきたいと思っています』、「日大の過去の負債の清算にばかり力を注ぐのではなく、そこには適任者を探して配置し、ご自身は林さんらしい大学つくりをしていただきたいと思っています」、強く同意する。 
タグ:大学 (その13)(国立大学法人法改正案に教職員 学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな、「林真理子さんを助けてやってくれ」就任1年以上経っても林理事長が日大改革を進められない"根本原因" カギを握るのは「ド派手なスーツの強力な助っ人弁護士」、林真理子氏が気づかない「日大にやらされていること」と「本当にやるべきこと」の違い) AERA「国立大学法人法改正案に教職員、学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな」 「国立大学法人法の改正案」については、マスコミが余り伝えないので、初めて知った。 「日本は国際的な『学問の自由度指数』で下位30%台と現状でもけっして良くありません」 2004年の国立大学法人化以降、国はトップダウン型のガバナンス改革を一貫して大学に要求してきた。 「スタンフォード大など米大学をまねようとしているのだと思います。しかし、米大学はトップダウン型である一方、ボトムアップの仕組みもきちんと確立されています。これに対し、日本は一連の大学改革でボトムアップの仕組みを無効化させてきました。改正案が通ったら、大学は『ブレーキを欠いた車』になってしまいます」、大変だ。 「経済界も30年間低迷を続けている。そんなグダグダな人たちが法改正で大学に介入し、『この研究は稼げる』『あれは稼げない』と選別することになったら取り返しのつかないことになります」 大学には非常に多様な研究があり、一見「稼げない」ように見える基礎研究や地域研究なども重要な役割を担っている・・・大学の土地の貸し付けの緩和も盛り込まれている。「稼ぐ」ことが優先され、学生のサークルスペースや福利厚生施設がつぶされていくことも懸念されている ・・・学生にこれほど影響を与える法改正なのに、学生は置き去りにされています。国は大学を道具のように扱わないでほしい。私物化するな、と言いたい」、極めて危険な法案のようだ。 PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「「林真理子さんを助けてやってくれ」就任1年以上経っても林理事長が日大改革を進められない"根本原因" カギを握るのは「ド派手なスーツの強力な助っ人弁護士」」 「「林真理子さんを助けてやってくれ」といくつものルートで依頼が飛び込んだ」、やはり「久保利氏」の名声は轟き亘っているのだろう。 「「第三者委員会答申検討会議」を設置した。その会議の議長に久保利氏を迎えたのだ」、「久保利氏と文科省には因縁があった」、どんな「因縁」なのだろう。 「文科省は「学校法人ガバナンス改革会議」(座長・増田宏一元日本公認会計士協会会長)を設置した。久保利氏はその会議の中心メンバーだったのだ・・・報告書をまとめる。その内容は、公益財団や社会福祉法人など公益法人の仕組みに沿った厳格なガバナンス体制を求めるものだった。 これに私学経営者らが猛烈に反発。自民党の文教族政治家らに働きかけて、改革案を骨抜きにしたのだ。文科省からすれば「過激な」ガバナンス体制を求める危険人物が久保利氏だった ・・・会議の設置を仕掛けた塩崎恭久元厚生労働相の強い意向で、報告書の作成には文科省の役人は一切関わっていないとされる。一説には久保利氏の事務所の弁護士がボランティアで作成したとも言われているのだ」、なるほど。 「改正私学法では、各学校法人が寄付行為で定めれば、多くでほぼ現行通りの体制を維持できるように「骨抜き」になった。学校法人自身の改革姿勢によって寄付行為はいかようにでも書ける形になったのだ。例えば、理事の選出方法などは法律では明確に示されず、各大学に自由度がある・・・日大は田中元理事長の不祥事を受けてガバナンス体制を見直したが、第三者委員会の調査報告書では、一定の改革が行われたものの、今回の不祥事で理事会への報告がなされなかったり、遅れたりしたことなどガバナンスが機能しなかったことが問題視されている」、なる ほど。 「見直された「寄付行為」でも理事長の権限は大きい」、なるほど。 「日大以外の学外者が増えた一方で、「副学長」を新設したため、学長と3人の副学長の発言力が大きくなり、理事長や理事会による「教学」への監督が弱くなった大きな要因だろう・・・日本大学で、繰り返される不祥事は、ガバナンスがまだまだ脆弱ぜいじゃくなことの証明でもある。2年前に久保利氏らのガバナンス改革会議が示した強力なガバナンス体制を、少しでも自主的に導入していこうという動きが広がっていくことになるのだろう』、 「久保利氏らのガバナンス改革会議が示した強力なガバナンス体制を、少しでも自主的に導入していこうという動きが広がっていくことになるのだろう」、林理事長の謝罪を見なくて済む体制に早くしてもらいたいものだ。 ダイヤモンド・オンライン 木俣正剛氏による「林真理子氏が気づかない「日大にやらされていること」と「本当にやるべきこと」の違い」 「第一段階では、監督責任もその後の報告も学長と副学長で十分なのです。 たぶん、林さんは真面目で、記者会見には出なければいけないと考えたのでしょうが、最終決定権のある理事長があの段階で出席すると、物事の是非を断言したり、重要な決定をしたりする必要に迫られます。案の定、記者の質問に対して「スポーツのほうにはまだ手を付けていなかったことを反省する」といった趣旨の、絶対にしてはならない失言をしてしまいました・・・ 本来は、1回目の記者会見を受けて状況を精査し、第三者委員会の意見を取り入れて、澤田氏や学長の処分という話になれば、林さんが裏できちんと事件をグリップしていると見られたに違いありません。しかしそうはならず、12月に入っても要領を得ない会見が開かれました。 林さんが理事長という役割を生真面目に考えすぎた結果、「林さんのカリスマで記者会見をなんとかしたい」という周囲の目論見に嵌められたのではないかと思います」、なるほど。 「田中氏は長期間にわたり大学を支配してきたため、隅々にまで情実関係にある部下が配置されていました。その人々はまだ大学に残っています。彼らをリストラするか、パワハラ的運営を改めさせるのが、改革の具体策です。 しかし、これは林さん一人では絶対にできません。確かに、第三者委員会に久保利英明弁護士を起用するなど、反社会勢力との対決をも意識した意欲は感じられます。しかし、久保利氏は総会屋対策で名を売った人。総会屋が壊滅された現在では一昔前の人と言わざるを得ません。反社会性力と絶縁するには、相当な豪腕が必要です・・・ 戦火に包まれたウクライナでは、アメリカンフットボールが人気スポーツになりました。ただ廃部にするのではなく、ウクライナチームを招待し合宿所で一緒に練習するなどの施策を講じれば、学生にとっては国際交流の面でも大変良い人生勉強ができるはずです。 日大には多くの部活が存在します。その財力を活かし、母国でスポーツができないパレスチナやシリアの人々を招き、国際的なスポーツ人を養うのも「日大が変わった」というアピールになり、日本の国際的評価の向上に貢献するはずです」、なるほど。 「日大の過去の負債の清算にばかり力を注ぐのではなく、そこには適任者を探して配置し、ご自身は林さんらしい大学つくりをしていただきたいと思っています」、強く同意する。
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