介護(その7)(小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩、中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情、「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応) [社会]
介護については、4月23日に取上げた。今日は、(その7)(小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩、中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情、「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応)である。
先ずは、4月25日付け東洋経済オンライン「小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/424378
・『その女性は、母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます。届いたメッセージには、母親の突発的な自傷行為への対応や、彼女自身も精神疾患を患ったこと、ヤングケアラーとして感じたことなどが書かれていました。 ヤングケアラーというのは「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行う18歳未満の子ども」のことです(『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』より)。 一般的にヤングケアラーというと、家事や介護をするイメージが強いですが、親が精神疾患の場合は特に、家族の「感情面のケア」の負担も大きいことが調査でわかっています。 ケアラーであることは子どもにとって、どんな体験なのか?連絡をくれた亜希さん(仮名、20代)に、11月のある朝、Zoomでお話を聞かせてもらいました』、「母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます」、自分を「虐待」した「母親」の「ケアをしてきた」とは感心だ。
・『キレやすい母との毎日は地獄のようだった 亜希さんは、両親と妹の4人家族でした。小さい頃から、母親は「怒るとものすごく怖い」と感じていたそう。例えば彼女が6、7歳の頃には、こんなことがありました。 「視力が悪くてメガネをつくることになったんですけれど、そのとき母親が錯乱状態になっちゃって。母親自身もメガネでいじめられた経験があったせいで、たぶんいっぱいになっちゃったんです。それで私と心中しようとしたのか、私を包丁で刺そうとしたんだか、とにかく刃物をもって暴れまわっちゃって」 娘のメガネで、錯乱?度肝を抜かれる話ですが、亜希さんにとっては、そう驚くことではなかったようです。母親は「自分が受け入れられない現実があると、急にスイッチが入り、刃物をもって暴れまわる」のが日常だったからです。子どもたちを殴る蹴るは当たり前で、寝ているときに急に耳を引っ張られたり、お風呂で突然冷水をかけられたりしたことも。刃物で流血したことも、慣れるほど「よくあった」といいます。 父親は「問題に向き合わないタイプ」でした。「父親の足音が聞こえるだけで母親がパニックになる」ので、最初は亜希さんと妹で両親が顔を合わせないように対応していましたが、亜希さんが10歳の頃から父親がアパートを借りて家を出て、そのまま現在にいたるということです。 母親自身も幼少期に自分の父親からひどい虐待を受けており、そのことを亜希さんに繰り返し語っていました。勉強中でもなんでも、つねに聞き役を求められるのは負担でしたが、「うるさい」などと言えばまた暴れだしてしまうので、「とにかくひたすら我慢」して聞き続けていたといいます。 病院で母親が受けた診断は、うつ病、パニック障害、境界性パーソナリティー障害など。とくに、亜希さんが小学校高学年だった頃は「キレやすく、毎日が地獄のようで、包丁や放火にビクビクしていた」と振り返ります。しかも母親からは宗教的な虐待もあり、さらに両親からの性的虐待もあったとのこと。 母親の症状が悪化したきっかけのひとつは、祖母との同居でした。虐待を受けていたときに助けてくれなかった祖母に対し、母親は当然よい感情をもっていなかったのですが、その祖母がアルツハイマーになったのです。事情により数カ月間、亜希さん一家と同居したところ、「母の暴動が毎日のように起き始めた」のでした。 「携帯で電話がかかってきて『今、どこどこのビルの屋上にいるから』とか。電話越しに『そんなこと(飛び降り)しないで』と言って、とにかく説得して帰ってきてもらったりして。靴も履かずに探しに行ったこともありました。あとは刃物で手首を切ったり、家の2階のベランダから飛び降りたり。死ぬとかじゃないけれど、骨折とか。母としては、いっぱいいっぱいだったようです」 ときには家族に激しい他害行為をして、警察を呼ばざるをえないこともありました。 「でも母は、自分がしたことを全部なかったことにしちゃうんです。事実をすり替えちゃうし、平気でうそをつく。でも、本当に記憶が入れ替わっているんだと思うんです。だから、母がひどいことをしたから私たちが警察を呼んだんだといっても、自分が被害者だと思っているので、話がまるで通じない。警察の方には親子げんかだと思われてしまうので、児相などに保護されたことは一度もなく、ただ耐えるしかありませんでした」』、「母親からは宗教的な虐待もあり、さらに両親からの性的虐待もあった」、まるで「虐待」のショールームだ。「「でも母は、自分がしたことを全部なかったことにしちゃうんです。事実をすり替えちゃうし、平気でうそをつく。でも、本当に記憶が入れ替わっているんだと思うんです」、困ったことだ。
・『「地域に知れわたるほど」の激しいいじめを受け… 家事全般も、小学生の頃から亜希さんが担っていました。母親の症状が最も重く寝たきりだった頃は、トイレや食事の介助までしていたといいます。母はパニック障害でもあったため、電車に乗る際や、通院、買い物に付き添うこともたびたびありました。 このように家ではつねに神経を張りつめていた亜希さんでしたが、中学校では「地域に知れわたるほど」の激しいいじめも受けていました。2年生のときに転校したものの、転校先の中学でもいじめのことは知られており、再びいじめられるようになってしまいます。 ストレスの影響か、亜希さんの心身にはだんだんと異変が出てきました。パニック障害になって動悸がしたり、唾液恐怖(唾を飲むことが気になる)になったり、ヒステリー球(のどから食道にかけて詰まった感じがする)の症状が出たりするようになったのです。 高校は近くの進学校に入ったのですが、次第に教室にいるだけで「動悸や唾液のことで頭がいっぱいになって、足裏に脂汗をかいたり、全身に冷や汗をかいたり」するように。もう、勉強どころではありませんでした。 「アルバイトして貯めたお金で心療内科のクリニックに通ったりしていました。本末転倒というか、滅茶苦茶なんですけれど(笑)。でもそこで出してもらった薬も強すぎちゃって、授業中に眠ってしまったりして。もうフラフラな状態で、どうにかこうにか卒業できた、みたいな感じでしたね」 残念ながら当時、亜希さんが置かれた厳しい状況を理解する先生はいませんでした。症状や薬のことを相談したら「病気を言い訳にするな」と突き放されたことも。信頼する先生に家の事情を話したところ、「(親との関係について)お前は間違っている」と笑われてしまったこともありました』、「高校は近くの進学校」の割には、先生の対応は、お粗末だ。
・『YouTubeでたまたま見た○○○○に勇気をもらった 高校を卒業後、亜希さんはいくつかの仕事を経験してきました。いじめの影響もあってつねに人の目が気になり、さまざまな症状を抱えつつ薬を飲んで、なんとかやっていたそう。そんなつい数カ月前、気持ちが少し上向くきっかけがあったといいます。何があったのでしょうか。 「プロレスにハマったんです。真壁刀義さんってご存じですか?タレントもされている、現役のプロレスラーの方なんですけれど。私自身、今年に入ってからいろいろあったんですね。もう人生終わりにしようと思って、首を吊ったんですけれど。なんかこう諦めきれなくて、ただただ時間を潰すためにYouTubeを見ていたら、その方のチャンネルが『オススメ』とかに出てきて。それではまっていって、勇気をもらった感じでした。 真壁さんは新人時代に理不尽なしごきを受け続けていたんですけれど、『自分は後輩に同じことはしない』っていう強い決意があったそうなんですね。だから真壁さんの後の世代の新人には、そういう理不尽ないじめがなくなったというエピソードがあって。ネットでその話を知って、すごく勇気をもらって。悪いものは次の世代に継承しないという、そういう決意や覚悟をくれたんです」 まさかの、プロレスでした。申し訳ないのですが、筆者はあまりにも門外漢なため、熱く語り出した亜希さんにひたすらあいづちを打つことしかできなかったのですが、それが亜希さんに大きな力を与えてくれたことは、よくわかりました。 「ずっと自分の存在を許せていなかったんです。母からは『生まなきゃよかった』とか言われて、家でも学校でも否定され続けてきたので、もはや死にたいとかじゃなくて、『私の存在をもともとなかったことにしたい』という感覚があって。だから、疑問に思うことがあっても、表現なんてしようとは思えなかったですし。 真壁選手も、プロレスの世界で必要とされない不遇の時代が長かったんですけれど、そこで腐ったりあきらめたりせず、ただ淡々とやるべきことを真面目にやり続けて、結果、花を咲かせている。それを知ったら、私も自分の存在を責めたりしている場合じゃないなって。何かにつながらなくても、やれることをやっていこうと思って」 なぜ、こんなにもハマっているのか。最初は亜希さん自身にもわからなかったのですが、真壁さんやプロレスから受け取ったメッセージの意味に気づいたとき、自分でも腑に落ちたということです。 亜希さんは現在、両親とはほぼ絶縁状態だということです。母親に対しては、だいぶ前から「わかり合える人ではない」とあきらめて連絡を絶っており、数年前には父親からも連絡が来ないよう、携帯電話の番号やLINEのアカウントを変更しています。 父親は暴力をふるったことはないものの、両親の問題が子どもに与えた影響をまったく自覚できず、亜希さんに自分の愚痴を聞かせるばかりでした。そのうえ、お酒を飲むと亜希さんが傷つくことを告げるため、もうかかわる必要はないと判断したのです。 「子どものときに『ああ、私、親を子育てしてるな』って、はっきり言葉で思っていたんですよね。生意気ですけれど。親に教えられたこととか、そういうものが一切なくて。言われて響いたこ」、こととか、『こうやって生きていけばいいんだ』という受け取れたメッセージが、何一つ残っていない。むしろ反面教師にすべきことばかり。 私のほうから『こうやって関係性を作っていこうよ』とか、父と母に働きかけ続けてきたんですけれど、結局は何も実らなかった。本当に、親を子育てしてきた感覚というのが私のなかには強くあって。意外とそういうお子さんは多いのかもしれないな、と思っています」』、「首を吊ったんですけれど。なんかこう諦めきれなくて、ただただ時間を潰すためにYouTubeを見ていたら、その方のチャンネルが『オススメ』とかに出てきて。それではまっていって、勇気をもらった感じでした』、「プロレス」にはまったきっかけが、「首を吊った」ことというのは興味深い。
・『「家族」に頼りすぎるから、ヤングケアラーが生まれる ヤングケアラーだったことについては、こんなふうに感じているといいます。 「国もそうですけど、家族、世帯という単位に頼りすぎちゃっているから、ヤングケアラーが生まれるんじゃないかなと思います。家族だからケアすることが当たり前というふうに、いまは社会全体が思っちゃっているけれど、個人個人にだって生活がありますし、人生がある。だけれど結局『家族のなかで、なんとかしてよ』という制度だったりするじゃないですか。それはやっぱりまずいな、というのを一番思います」 そしていま、かつての亜希さんのような状況にある人には、こんなことを伝えたいそう。 「自分の違和感かとかストレス、不安だったり、むかむかしたり、いろんな形で出てくると思うんですけれど。『これは何から来ているのかな』というのを、しんどいと思うけど、探ってみてほしいなって思います。『あのとき、お母さんにああ言われたことから来てるのかな』とか『お父さんにあのとき殴られたときの感覚なのかな』とか。 絶対しんどさを伴うんですけど、そこを見つめ続けて、たくさん葛藤して、その先に見えてくる自分なりの正解があると思うんです。それは親との和解という場合もあると思うし、絶縁という場合もあると思いますし、あとは適度に付き合っていく、とか。そういうところをうまく見つけていけたらラクになるのかな、というのは感じますね」 取材から5カ月。今月ひさしぶりに亜希さんに連絡したところ、なかなか連絡がつきませんでした。ようやく話を聞いたところ、その後、PTSDやうつの症状が悪化して苦しんでいたことを教えてくれました。いまは、体調を崩しながらもなんとか働いているといいます。一進一退で、でもちょっとずつ前に進んでいる、亜希さんなのでした』、「「家族」に頼りすぎるから、ヤングケアラーが生まれる」、確かにその通りで、もっと公助を取り入れてゆくべきだ。「取材から5カ月。今月ひさしぶりに亜希さんに連絡したところ・・・PTSDやうつの症状が悪化して苦しんでいたことを教えてくれました。いまは、体調を崩しながらもなんとか働いているといいます」、しっかりしているように見えても、「PTSDやうつの症状が悪化」、完治には長い年月が必要なようだ。
次に、7月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日中福祉プランニング代表の王 青氏による「中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/275582
・『10年ぶりに行われた国勢調査で、高齢者の数が著しく増えていることが明らかになった中国。高齢社会へと突き進む中で、「介護」の需要も拡大していくことが想定される。隣国のこうした大きな変化は日本にとってビジネスチャンスとなるのか。これを考える上では、介護を取り巻く「三つの構造的問題」を認識しておく必要がある』、興味深そうだ。
・『中国の高齢化は日本にとってビジネスチャンスか? 5月11日に、10年ごとに実施されている中国の第7回国勢調査の結果が、中国国家統計局により発表された。それによると、60歳以上の高齢者が2.6億人となり、総人口の18.7%を占めている。65歳以上の人口は10年前と比べて6割増えて1.9億人となり、全体に占める割合は13.5%だった。一方、2020年の新生児数は1200万人となり、3年連続で減少。出生率は1952年の統計開始以来、最低の1.3である。少子高齢化が加速していることが明らかとなった。 国勢調査の発表後、日中の福祉ビジネスに携わる筆者のもとに、日本の介護事業者から問い合わせが相次いだ。 「中国の高齢者人口が日本の人口の2倍となって、介護ビジネスのチャンスとなるのでは?」「すでに進出していた日本の介護事業者は今どんな状況?」などの類いの質問であり、今回の発表がかなり気になっているようだ。 中国国内でも、そのタイミングで大手健康食品や保険会社など、異業種の企業が介護産業に進出するニュースが続々と報じられていた。今年3月に開催された第13回全国人民代表大会を受けての記者会見で李克強首相が「高齢者産業が巨大な成長産業となり、多様なニーズをもたらすだろう」と述べたことも、異業種からの介護業界への参入の追い風となっている。) しかし、このような「熱狂ぶり」とは裏腹に、厳しい数値もある。昨秋、中国国内の行政部門の一つである民政部は、介護施設の現状を公表した。これによると、現在、中国国内の介護施設の総数は約4.2万カ所、429万床。これに対して、214.6万人が入居しているという。全国の平均入居率は50%。 また、北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%と、3割超に上ることも分かった』、「北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%」、「入居率」が想像以上に低いことに驚かされた。
・『中国の介護を取り巻く三つの深刻な問題 最近、中国の介護業界では、安徽省の地方都市に住む、ある50代男性の体験が話題となった。 男性の父親が介護施設で亡くなった。父親は87歳。軽度の認知症で介護が必要な状態だった。男性は父の生前、施設を訪れた際に衝撃的な光景を目にしている。 車いすやベッドから勝手に落ちたりしないように、父親が縄で拘束されていたのだ。縄は横断幕用だった布を再利用して作ったもので、危険な状態だった。案の定、ベッドから床に転がり落ちた際、その縄が首に絡んで窒息し死亡したという。これまでスタッフが頻繁に様子を見に来ていたが、その日はたまたま別の入居者の対応に時間がかかって、戻ってきたときにはもう手遅れだった。 男性は、介護スタッフの人手が少ないことと、転倒などの事故が発生するリスクを避けるためにやむを得ないことだと思って、その状態をずっと黙認していた。男性は、「施設はなぜ専用のベルトを買わなかったのか?本当に悔やまれる……」と落胆した様子でマスコミの取材に応じた。 この事例は、まさに今の中国の介護を象徴したものといえる。具体的には、以下の三つの深刻な問題が映し出されている。 まずは、介護にかかる「金」の問題だ。 中国は、日本の介護保険のような社会保障制度が完備されていないため、施設への入居費など、介護にかかる費用は全額自己負担となっている。最も人口が多い中間層を例にとっても、高齢者本人の年金だけでは足りず、家族の援助が不可欠だ。そのため、できるかぎり入居費を抑えたいので、多床室を選ぶ。結果、最低限の衣食住の環境で、自由も少なく、いわば「生きているだけ」の生活を強いられていることが少なくないのだ。一方で、施設の運営側は赤字にならないように、備品購入費や人件費など、最大限コストを抑えようとする。 第二の問題は、介護施設の需要と供給のアンバランスである。 空室率が高い施設の多くは、富裕層向けもしくは不動産投機が目的であるものだ。高級路線の施設は、五つ星ホテルと間違えられるような、豪華な玄関があり、部屋にも高級家具が置かれている。ただ、そこで悠々自適に老後を送ることができるのは、一握りの富裕層と一部の「上級国民」だけだ。 一方で、料金がリーズナブルで、立地などの条件も良く、中間層が利用しやすい施設は数が不足している。ゆえに、全体で見ると約5割もの高い空室率であるにもかかわらず、多くの高齢者が入りたい施設はなかなか見つからないという現状がある。 最後に、「介護人材の著しい不足」だ。現在、中国の介護人材は約1000万人不足しているといわれている。中国の介護施設では、1人のスタッフが8~12人の入居者を見て、1日12時間働き、休日は週1日というところも多い。 現場で働くスタッフの特徴は、これまで「三高三低」と称される。つまり、「リスクが高い、労働強度が高い、離職率が高い。一方で、社会的地位が低い、給料が低い、学歴が低い」。ここ数年、スタッフの年齢が年々“高く”なったことで、今は「三低四高」といわれている。 最新の調査では、50歳以上のスタッフが全体の70%を占めていて、学歴が高卒以上の人は12%である。現場では、人材のほとんどが「4050」といわれる40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ。近年、政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない』、身体「拘束」は日本でも「認知症」患者などに行われているが、中国での「死亡」事故のようなことがあったかどうかは覚えていない。「人材のほとんどが・・・40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ」、「政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない」、なるほど。
・『独自の発想で成功する国内事業者も 政府の目標は「量」から「質」へ 最後に、高齢化が進む中国社会で、日本をはじめとする外資企業がビジネスチャンスをつかむにはどうすればいいのか、整理してみたい。 中国国内で高齢社会への関心が高まる中、国有企業、大手デベロッパー、保険会社などがこぞって介護事業に参入している。そうした企業は、日本をはじめ海外の先進事例を熱心に研究し取り組んでいる。 制度が整備されていないがゆえに、自由な発想で介護サービスを向上させており成功している介護事業者も少なからず出始めている。筆者が日本の医療・介護関係者に中国の優れている施設や特色のある施設を案内した際には、多くの関係者が驚き、「日本はあと何年の間、介護の先進国でいられるのか」と強い危機感を持っていたくらいだ。 現在、中国国内で介護事業で成功し、話題となっているのは全て国内の事業者であり、日本を含め外資系は軒並み苦戦している状況である(これらの理由については、過去コラム『中国より日本のほうが「介護先進国」は本当か』『中国から日本の介護施設に見学者が殺到している理由』を参照してほしい)。社会制度や生活習慣、文化などの違いがあるため、日本式の介護をそのまま持ち込んでもうまくいかないことは明白であるが、これに加えて、中国の現地情報が著しく不足しているのではないかと思う。 そんな中、今後のビジネスチャンスのヒントとなる“方針”が、先日政府から打ち出された。中国政府は「第14次5カ年計画(2021~2025年)民政事業発展計画」の発表会で、これまで目標としていた「1000人の高齢者に35ベッド」の指標を取り消し、代わりに介護用のベッド数の割合を上げる指標に切り替えたのだ。そのほか、中間層が入りやすい施設の普及、真のニーズに合ったサービスの提供、最後まで尊厳のある人生を送れる社会環境の構築なども表明された。これまでベッド数という量を追求してきたが、今後は「量」より「質」を重視する政策へと、風向きが変わるといえる。 莫大な高齢者人口を抱える中国。高齢者のうち、認知症の人は1507万人、要介護者は4000万人に上る。そして、1962~63年のベビーブームで生まれた世代が膨大な高齢者予備軍として待ち構えており、2030年には高齢者数は3.6億人になると予測されている。 隣国で発展するこのような巨大な介護市場に対して、日本はどんなことができるのか。 政策の転換をチャンスに、日本が先行している「尊厳のある老後」や「QOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)重視」を意識したサービスなど、質の部分で商機をつかむことが期待されるだろう。 現に、日本の「認知症グループホーム」や「訪問入浴」などは中国で大きな話題となり、実践され、浸透しつつある。また、日本で介護を学んだ人が帰国後、起業したり、就職したりして、介護業界で大活躍するケースも少なくない。何よりも、現在の中国の介護業界は、欧米の国々より日本を一番参考にしており、「日本はこうだから間違いないだろう」という空気があると筆者は感じる。だからこそ、日本の事業者には、ぜひこの大チャンスをうまく生かしてほしいと思う』、「中国国内で介護事業で成功し、話題となっているのは全て国内の事業者であり、日本を含め外資系は軒並み苦戦している状況」、「社会制度や生活習慣、文化などの違いがあるため、日本式の介護をそのまま持ち込んでもうまくいかないことは明白であるが、これに加えて、中国の現地情報が著しく不足しているのではないかと思う」、激しい「高齢化」を迎える「中国」の「介護市場」に「日本の事業者」も、内外の違いを理解した上で、積極的に参加してほしいものだ。
第三に、7月9日付け日刊ゲンダイが掲載した作家の夏樹久視氏による「「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291669
・『午前9時45分が、池端史郎さんのお迎え時刻だ。 その時刻に、僕が運転するワンボックスカーを家の前に止める。添乗員の小池さんが車から降り、玄関のベルを鳴らす。2、3分して池端さんは、男性ホームヘルパーに付き添われて車に乗り込む。 「おはようございます、ゆっくり眠れましたか」「はい、眠れました」「朝ごはんは食べましたか」「どうにか」……。そのほか食欲についてなど健康状態を確認してデイサービス施設に向かう。 ホームヘルパーとは、ひとりでは日常生活が不自由な高齢者を介助する仕事だ。朝、自宅に訪問して起床させ、着替え、朝食、トイレの世話をしてデイサービスに送り出すのが基本で、それに昼食や夕食の用意、洗濯、部屋の掃除などの時間単位の追加が付くこともある。 池端さんは87歳、奥さんに先立たれ一人暮らし。結婚して家を出た娘さんは、夫の仕事の関係で海外在住。聞いた話では、池端さんは苦労して働きながら大学に通い、薬剤師の資格を取り、都内に薬局を開業して成功したとか。自宅は70坪、ほかにも何件かの不動産を持つ資産家だとか。 そんな池端さんだが、以前出入りしていた妖艶な女性ヘルパーに「???」と感じたことがあった。同僚の小池さんと雑談になった。「あのヘルパー、何歳くらいかな」「50歳前後……」「化粧が濃いね」「香水の匂いも……」「大丈夫かな? 怪しくないか」「うん、危ないかもしれない」「今度は夕方からのヘルパー勤務らしいし……」「探ってみようか」……。 小池さんと僕は、波長が合う。夕方からのホームヘルパーとなると炊事だけではなく、かなりデリケートな仕事もある。なにか問題が起きたら大変だ。僕と小池さんは、池端さんに探りを入れた。 「今度のヘルパーさん、美人ですね」「いい感じだね。親切だし」「派遣事務所は同じですか?」「同じだと思う」……。そんなやりとりの後、「入浴は?」と尋ねると驚くべき答えが返ってきた。 「デイサービスで週2回入っているから断った。夏場は汗ばむから、どうかって誘われたけど。事務所に内緒でいいからって……」 僕と小池さんは顔を見合わせた。入浴介護は別料金。内緒というのは違法行為になる。 「断ったのですか」 「ちょっと気持ちが揺れたけど、私にはその気がないから」 「そうでしたかで」 軽い認知症だが、池端さんは「色仕掛け」を感じて賢い対応をしたのだ。しばらくすると、その女性ヘルパーは姿を見せなくなった。そんな折、新聞でこんな記事を目にした。 「相続トラブル、各地で頻発! 一人暮らしの高齢者が被害」 一人暮らしのお年寄りにヘルパーとして接近。献身的な介助の一方で、婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる。そんなトラブルが頻発しているとか。 それにしても池端さんに「その気」がなくてよかった。ごく少数だろうが介護の世界には、こうした「危険分子」が潜んでいる。高齢の親を持つ人は肝に銘じておいたほうがいい』、高齢の資産家男性に「色仕掛け」で、迫って「婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる」、などの悪質な「女性ヘルパー」がいるとは、驚いた。自分も気をつけよう、ただ、狙われる「資産」がないので、寄り付いてもくれないだろう。
先ずは、4月25日付け東洋経済オンライン「小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/424378
・『その女性は、母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます。届いたメッセージには、母親の突発的な自傷行為への対応や、彼女自身も精神疾患を患ったこと、ヤングケアラーとして感じたことなどが書かれていました。 ヤングケアラーというのは「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行う18歳未満の子ども」のことです(『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』より)。 一般的にヤングケアラーというと、家事や介護をするイメージが強いですが、親が精神疾患の場合は特に、家族の「感情面のケア」の負担も大きいことが調査でわかっています。 ケアラーであることは子どもにとって、どんな体験なのか?連絡をくれた亜希さん(仮名、20代)に、11月のある朝、Zoomでお話を聞かせてもらいました』、「母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます」、自分を「虐待」した「母親」の「ケアをしてきた」とは感心だ。
・『キレやすい母との毎日は地獄のようだった 亜希さんは、両親と妹の4人家族でした。小さい頃から、母親は「怒るとものすごく怖い」と感じていたそう。例えば彼女が6、7歳の頃には、こんなことがありました。 「視力が悪くてメガネをつくることになったんですけれど、そのとき母親が錯乱状態になっちゃって。母親自身もメガネでいじめられた経験があったせいで、たぶんいっぱいになっちゃったんです。それで私と心中しようとしたのか、私を包丁で刺そうとしたんだか、とにかく刃物をもって暴れまわっちゃって」 娘のメガネで、錯乱?度肝を抜かれる話ですが、亜希さんにとっては、そう驚くことではなかったようです。母親は「自分が受け入れられない現実があると、急にスイッチが入り、刃物をもって暴れまわる」のが日常だったからです。子どもたちを殴る蹴るは当たり前で、寝ているときに急に耳を引っ張られたり、お風呂で突然冷水をかけられたりしたことも。刃物で流血したことも、慣れるほど「よくあった」といいます。 父親は「問題に向き合わないタイプ」でした。「父親の足音が聞こえるだけで母親がパニックになる」ので、最初は亜希さんと妹で両親が顔を合わせないように対応していましたが、亜希さんが10歳の頃から父親がアパートを借りて家を出て、そのまま現在にいたるということです。 母親自身も幼少期に自分の父親からひどい虐待を受けており、そのことを亜希さんに繰り返し語っていました。勉強中でもなんでも、つねに聞き役を求められるのは負担でしたが、「うるさい」などと言えばまた暴れだしてしまうので、「とにかくひたすら我慢」して聞き続けていたといいます。 病院で母親が受けた診断は、うつ病、パニック障害、境界性パーソナリティー障害など。とくに、亜希さんが小学校高学年だった頃は「キレやすく、毎日が地獄のようで、包丁や放火にビクビクしていた」と振り返ります。しかも母親からは宗教的な虐待もあり、さらに両親からの性的虐待もあったとのこと。 母親の症状が悪化したきっかけのひとつは、祖母との同居でした。虐待を受けていたときに助けてくれなかった祖母に対し、母親は当然よい感情をもっていなかったのですが、その祖母がアルツハイマーになったのです。事情により数カ月間、亜希さん一家と同居したところ、「母の暴動が毎日のように起き始めた」のでした。 「携帯で電話がかかってきて『今、どこどこのビルの屋上にいるから』とか。電話越しに『そんなこと(飛び降り)しないで』と言って、とにかく説得して帰ってきてもらったりして。靴も履かずに探しに行ったこともありました。あとは刃物で手首を切ったり、家の2階のベランダから飛び降りたり。死ぬとかじゃないけれど、骨折とか。母としては、いっぱいいっぱいだったようです」 ときには家族に激しい他害行為をして、警察を呼ばざるをえないこともありました。 「でも母は、自分がしたことを全部なかったことにしちゃうんです。事実をすり替えちゃうし、平気でうそをつく。でも、本当に記憶が入れ替わっているんだと思うんです。だから、母がひどいことをしたから私たちが警察を呼んだんだといっても、自分が被害者だと思っているので、話がまるで通じない。警察の方には親子げんかだと思われてしまうので、児相などに保護されたことは一度もなく、ただ耐えるしかありませんでした」』、「母親からは宗教的な虐待もあり、さらに両親からの性的虐待もあった」、まるで「虐待」のショールームだ。「「でも母は、自分がしたことを全部なかったことにしちゃうんです。事実をすり替えちゃうし、平気でうそをつく。でも、本当に記憶が入れ替わっているんだと思うんです」、困ったことだ。
・『「地域に知れわたるほど」の激しいいじめを受け… 家事全般も、小学生の頃から亜希さんが担っていました。母親の症状が最も重く寝たきりだった頃は、トイレや食事の介助までしていたといいます。母はパニック障害でもあったため、電車に乗る際や、通院、買い物に付き添うこともたびたびありました。 このように家ではつねに神経を張りつめていた亜希さんでしたが、中学校では「地域に知れわたるほど」の激しいいじめも受けていました。2年生のときに転校したものの、転校先の中学でもいじめのことは知られており、再びいじめられるようになってしまいます。 ストレスの影響か、亜希さんの心身にはだんだんと異変が出てきました。パニック障害になって動悸がしたり、唾液恐怖(唾を飲むことが気になる)になったり、ヒステリー球(のどから食道にかけて詰まった感じがする)の症状が出たりするようになったのです。 高校は近くの進学校に入ったのですが、次第に教室にいるだけで「動悸や唾液のことで頭がいっぱいになって、足裏に脂汗をかいたり、全身に冷や汗をかいたり」するように。もう、勉強どころではありませんでした。 「アルバイトして貯めたお金で心療内科のクリニックに通ったりしていました。本末転倒というか、滅茶苦茶なんですけれど(笑)。でもそこで出してもらった薬も強すぎちゃって、授業中に眠ってしまったりして。もうフラフラな状態で、どうにかこうにか卒業できた、みたいな感じでしたね」 残念ながら当時、亜希さんが置かれた厳しい状況を理解する先生はいませんでした。症状や薬のことを相談したら「病気を言い訳にするな」と突き放されたことも。信頼する先生に家の事情を話したところ、「(親との関係について)お前は間違っている」と笑われてしまったこともありました』、「高校は近くの進学校」の割には、先生の対応は、お粗末だ。
・『YouTubeでたまたま見た○○○○に勇気をもらった 高校を卒業後、亜希さんはいくつかの仕事を経験してきました。いじめの影響もあってつねに人の目が気になり、さまざまな症状を抱えつつ薬を飲んで、なんとかやっていたそう。そんなつい数カ月前、気持ちが少し上向くきっかけがあったといいます。何があったのでしょうか。 「プロレスにハマったんです。真壁刀義さんってご存じですか?タレントもされている、現役のプロレスラーの方なんですけれど。私自身、今年に入ってからいろいろあったんですね。もう人生終わりにしようと思って、首を吊ったんですけれど。なんかこう諦めきれなくて、ただただ時間を潰すためにYouTubeを見ていたら、その方のチャンネルが『オススメ』とかに出てきて。それではまっていって、勇気をもらった感じでした。 真壁さんは新人時代に理不尽なしごきを受け続けていたんですけれど、『自分は後輩に同じことはしない』っていう強い決意があったそうなんですね。だから真壁さんの後の世代の新人には、そういう理不尽ないじめがなくなったというエピソードがあって。ネットでその話を知って、すごく勇気をもらって。悪いものは次の世代に継承しないという、そういう決意や覚悟をくれたんです」 まさかの、プロレスでした。申し訳ないのですが、筆者はあまりにも門外漢なため、熱く語り出した亜希さんにひたすらあいづちを打つことしかできなかったのですが、それが亜希さんに大きな力を与えてくれたことは、よくわかりました。 「ずっと自分の存在を許せていなかったんです。母からは『生まなきゃよかった』とか言われて、家でも学校でも否定され続けてきたので、もはや死にたいとかじゃなくて、『私の存在をもともとなかったことにしたい』という感覚があって。だから、疑問に思うことがあっても、表現なんてしようとは思えなかったですし。 真壁選手も、プロレスの世界で必要とされない不遇の時代が長かったんですけれど、そこで腐ったりあきらめたりせず、ただ淡々とやるべきことを真面目にやり続けて、結果、花を咲かせている。それを知ったら、私も自分の存在を責めたりしている場合じゃないなって。何かにつながらなくても、やれることをやっていこうと思って」 なぜ、こんなにもハマっているのか。最初は亜希さん自身にもわからなかったのですが、真壁さんやプロレスから受け取ったメッセージの意味に気づいたとき、自分でも腑に落ちたということです。 亜希さんは現在、両親とはほぼ絶縁状態だということです。母親に対しては、だいぶ前から「わかり合える人ではない」とあきらめて連絡を絶っており、数年前には父親からも連絡が来ないよう、携帯電話の番号やLINEのアカウントを変更しています。 父親は暴力をふるったことはないものの、両親の問題が子どもに与えた影響をまったく自覚できず、亜希さんに自分の愚痴を聞かせるばかりでした。そのうえ、お酒を飲むと亜希さんが傷つくことを告げるため、もうかかわる必要はないと判断したのです。 「子どものときに『ああ、私、親を子育てしてるな』って、はっきり言葉で思っていたんですよね。生意気ですけれど。親に教えられたこととか、そういうものが一切なくて。言われて響いたこ」、こととか、『こうやって生きていけばいいんだ』という受け取れたメッセージが、何一つ残っていない。むしろ反面教師にすべきことばかり。 私のほうから『こうやって関係性を作っていこうよ』とか、父と母に働きかけ続けてきたんですけれど、結局は何も実らなかった。本当に、親を子育てしてきた感覚というのが私のなかには強くあって。意外とそういうお子さんは多いのかもしれないな、と思っています」』、「首を吊ったんですけれど。なんかこう諦めきれなくて、ただただ時間を潰すためにYouTubeを見ていたら、その方のチャンネルが『オススメ』とかに出てきて。それではまっていって、勇気をもらった感じでした』、「プロレス」にはまったきっかけが、「首を吊った」ことというのは興味深い。
・『「家族」に頼りすぎるから、ヤングケアラーが生まれる ヤングケアラーだったことについては、こんなふうに感じているといいます。 「国もそうですけど、家族、世帯という単位に頼りすぎちゃっているから、ヤングケアラーが生まれるんじゃないかなと思います。家族だからケアすることが当たり前というふうに、いまは社会全体が思っちゃっているけれど、個人個人にだって生活がありますし、人生がある。だけれど結局『家族のなかで、なんとかしてよ』という制度だったりするじゃないですか。それはやっぱりまずいな、というのを一番思います」 そしていま、かつての亜希さんのような状況にある人には、こんなことを伝えたいそう。 「自分の違和感かとかストレス、不安だったり、むかむかしたり、いろんな形で出てくると思うんですけれど。『これは何から来ているのかな』というのを、しんどいと思うけど、探ってみてほしいなって思います。『あのとき、お母さんにああ言われたことから来てるのかな』とか『お父さんにあのとき殴られたときの感覚なのかな』とか。 絶対しんどさを伴うんですけど、そこを見つめ続けて、たくさん葛藤して、その先に見えてくる自分なりの正解があると思うんです。それは親との和解という場合もあると思うし、絶縁という場合もあると思いますし、あとは適度に付き合っていく、とか。そういうところをうまく見つけていけたらラクになるのかな、というのは感じますね」 取材から5カ月。今月ひさしぶりに亜希さんに連絡したところ、なかなか連絡がつきませんでした。ようやく話を聞いたところ、その後、PTSDやうつの症状が悪化して苦しんでいたことを教えてくれました。いまは、体調を崩しながらもなんとか働いているといいます。一進一退で、でもちょっとずつ前に進んでいる、亜希さんなのでした』、「「家族」に頼りすぎるから、ヤングケアラーが生まれる」、確かにその通りで、もっと公助を取り入れてゆくべきだ。「取材から5カ月。今月ひさしぶりに亜希さんに連絡したところ・・・PTSDやうつの症状が悪化して苦しんでいたことを教えてくれました。いまは、体調を崩しながらもなんとか働いているといいます」、しっかりしているように見えても、「PTSDやうつの症状が悪化」、完治には長い年月が必要なようだ。
次に、7月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日中福祉プランニング代表の王 青氏による「中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/275582
・『10年ぶりに行われた国勢調査で、高齢者の数が著しく増えていることが明らかになった中国。高齢社会へと突き進む中で、「介護」の需要も拡大していくことが想定される。隣国のこうした大きな変化は日本にとってビジネスチャンスとなるのか。これを考える上では、介護を取り巻く「三つの構造的問題」を認識しておく必要がある』、興味深そうだ。
・『中国の高齢化は日本にとってビジネスチャンスか? 5月11日に、10年ごとに実施されている中国の第7回国勢調査の結果が、中国国家統計局により発表された。それによると、60歳以上の高齢者が2.6億人となり、総人口の18.7%を占めている。65歳以上の人口は10年前と比べて6割増えて1.9億人となり、全体に占める割合は13.5%だった。一方、2020年の新生児数は1200万人となり、3年連続で減少。出生率は1952年の統計開始以来、最低の1.3である。少子高齢化が加速していることが明らかとなった。 国勢調査の発表後、日中の福祉ビジネスに携わる筆者のもとに、日本の介護事業者から問い合わせが相次いだ。 「中国の高齢者人口が日本の人口の2倍となって、介護ビジネスのチャンスとなるのでは?」「すでに進出していた日本の介護事業者は今どんな状況?」などの類いの質問であり、今回の発表がかなり気になっているようだ。 中国国内でも、そのタイミングで大手健康食品や保険会社など、異業種の企業が介護産業に進出するニュースが続々と報じられていた。今年3月に開催された第13回全国人民代表大会を受けての記者会見で李克強首相が「高齢者産業が巨大な成長産業となり、多様なニーズをもたらすだろう」と述べたことも、異業種からの介護業界への参入の追い風となっている。) しかし、このような「熱狂ぶり」とは裏腹に、厳しい数値もある。昨秋、中国国内の行政部門の一つである民政部は、介護施設の現状を公表した。これによると、現在、中国国内の介護施設の総数は約4.2万カ所、429万床。これに対して、214.6万人が入居しているという。全国の平均入居率は50%。 また、北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%と、3割超に上ることも分かった』、「北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%」、「入居率」が想像以上に低いことに驚かされた。
・『中国の介護を取り巻く三つの深刻な問題 最近、中国の介護業界では、安徽省の地方都市に住む、ある50代男性の体験が話題となった。 男性の父親が介護施設で亡くなった。父親は87歳。軽度の認知症で介護が必要な状態だった。男性は父の生前、施設を訪れた際に衝撃的な光景を目にしている。 車いすやベッドから勝手に落ちたりしないように、父親が縄で拘束されていたのだ。縄は横断幕用だった布を再利用して作ったもので、危険な状態だった。案の定、ベッドから床に転がり落ちた際、その縄が首に絡んで窒息し死亡したという。これまでスタッフが頻繁に様子を見に来ていたが、その日はたまたま別の入居者の対応に時間がかかって、戻ってきたときにはもう手遅れだった。 男性は、介護スタッフの人手が少ないことと、転倒などの事故が発生するリスクを避けるためにやむを得ないことだと思って、その状態をずっと黙認していた。男性は、「施設はなぜ専用のベルトを買わなかったのか?本当に悔やまれる……」と落胆した様子でマスコミの取材に応じた。 この事例は、まさに今の中国の介護を象徴したものといえる。具体的には、以下の三つの深刻な問題が映し出されている。 まずは、介護にかかる「金」の問題だ。 中国は、日本の介護保険のような社会保障制度が完備されていないため、施設への入居費など、介護にかかる費用は全額自己負担となっている。最も人口が多い中間層を例にとっても、高齢者本人の年金だけでは足りず、家族の援助が不可欠だ。そのため、できるかぎり入居費を抑えたいので、多床室を選ぶ。結果、最低限の衣食住の環境で、自由も少なく、いわば「生きているだけ」の生活を強いられていることが少なくないのだ。一方で、施設の運営側は赤字にならないように、備品購入費や人件費など、最大限コストを抑えようとする。 第二の問題は、介護施設の需要と供給のアンバランスである。 空室率が高い施設の多くは、富裕層向けもしくは不動産投機が目的であるものだ。高級路線の施設は、五つ星ホテルと間違えられるような、豪華な玄関があり、部屋にも高級家具が置かれている。ただ、そこで悠々自適に老後を送ることができるのは、一握りの富裕層と一部の「上級国民」だけだ。 一方で、料金がリーズナブルで、立地などの条件も良く、中間層が利用しやすい施設は数が不足している。ゆえに、全体で見ると約5割もの高い空室率であるにもかかわらず、多くの高齢者が入りたい施設はなかなか見つからないという現状がある。 最後に、「介護人材の著しい不足」だ。現在、中国の介護人材は約1000万人不足しているといわれている。中国の介護施設では、1人のスタッフが8~12人の入居者を見て、1日12時間働き、休日は週1日というところも多い。 現場で働くスタッフの特徴は、これまで「三高三低」と称される。つまり、「リスクが高い、労働強度が高い、離職率が高い。一方で、社会的地位が低い、給料が低い、学歴が低い」。ここ数年、スタッフの年齢が年々“高く”なったことで、今は「三低四高」といわれている。 最新の調査では、50歳以上のスタッフが全体の70%を占めていて、学歴が高卒以上の人は12%である。現場では、人材のほとんどが「4050」といわれる40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ。近年、政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない』、身体「拘束」は日本でも「認知症」患者などに行われているが、中国での「死亡」事故のようなことがあったかどうかは覚えていない。「人材のほとんどが・・・40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ」、「政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない」、なるほど。
・『独自の発想で成功する国内事業者も 政府の目標は「量」から「質」へ 最後に、高齢化が進む中国社会で、日本をはじめとする外資企業がビジネスチャンスをつかむにはどうすればいいのか、整理してみたい。 中国国内で高齢社会への関心が高まる中、国有企業、大手デベロッパー、保険会社などがこぞって介護事業に参入している。そうした企業は、日本をはじめ海外の先進事例を熱心に研究し取り組んでいる。 制度が整備されていないがゆえに、自由な発想で介護サービスを向上させており成功している介護事業者も少なからず出始めている。筆者が日本の医療・介護関係者に中国の優れている施設や特色のある施設を案内した際には、多くの関係者が驚き、「日本はあと何年の間、介護の先進国でいられるのか」と強い危機感を持っていたくらいだ。 現在、中国国内で介護事業で成功し、話題となっているのは全て国内の事業者であり、日本を含め外資系は軒並み苦戦している状況である(これらの理由については、過去コラム『中国より日本のほうが「介護先進国」は本当か』『中国から日本の介護施設に見学者が殺到している理由』を参照してほしい)。社会制度や生活習慣、文化などの違いがあるため、日本式の介護をそのまま持ち込んでもうまくいかないことは明白であるが、これに加えて、中国の現地情報が著しく不足しているのではないかと思う。 そんな中、今後のビジネスチャンスのヒントとなる“方針”が、先日政府から打ち出された。中国政府は「第14次5カ年計画(2021~2025年)民政事業発展計画」の発表会で、これまで目標としていた「1000人の高齢者に35ベッド」の指標を取り消し、代わりに介護用のベッド数の割合を上げる指標に切り替えたのだ。そのほか、中間層が入りやすい施設の普及、真のニーズに合ったサービスの提供、最後まで尊厳のある人生を送れる社会環境の構築なども表明された。これまでベッド数という量を追求してきたが、今後は「量」より「質」を重視する政策へと、風向きが変わるといえる。 莫大な高齢者人口を抱える中国。高齢者のうち、認知症の人は1507万人、要介護者は4000万人に上る。そして、1962~63年のベビーブームで生まれた世代が膨大な高齢者予備軍として待ち構えており、2030年には高齢者数は3.6億人になると予測されている。 隣国で発展するこのような巨大な介護市場に対して、日本はどんなことができるのか。 政策の転換をチャンスに、日本が先行している「尊厳のある老後」や「QOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)重視」を意識したサービスなど、質の部分で商機をつかむことが期待されるだろう。 現に、日本の「認知症グループホーム」や「訪問入浴」などは中国で大きな話題となり、実践され、浸透しつつある。また、日本で介護を学んだ人が帰国後、起業したり、就職したりして、介護業界で大活躍するケースも少なくない。何よりも、現在の中国の介護業界は、欧米の国々より日本を一番参考にしており、「日本はこうだから間違いないだろう」という空気があると筆者は感じる。だからこそ、日本の事業者には、ぜひこの大チャンスをうまく生かしてほしいと思う』、「中国国内で介護事業で成功し、話題となっているのは全て国内の事業者であり、日本を含め外資系は軒並み苦戦している状況」、「社会制度や生活習慣、文化などの違いがあるため、日本式の介護をそのまま持ち込んでもうまくいかないことは明白であるが、これに加えて、中国の現地情報が著しく不足しているのではないかと思う」、激しい「高齢化」を迎える「中国」の「介護市場」に「日本の事業者」も、内外の違いを理解した上で、積極的に参加してほしいものだ。
第三に、7月9日付け日刊ゲンダイが掲載した作家の夏樹久視氏による「「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291669
・『午前9時45分が、池端史郎さんのお迎え時刻だ。 その時刻に、僕が運転するワンボックスカーを家の前に止める。添乗員の小池さんが車から降り、玄関のベルを鳴らす。2、3分して池端さんは、男性ホームヘルパーに付き添われて車に乗り込む。 「おはようございます、ゆっくり眠れましたか」「はい、眠れました」「朝ごはんは食べましたか」「どうにか」……。そのほか食欲についてなど健康状態を確認してデイサービス施設に向かう。 ホームヘルパーとは、ひとりでは日常生活が不自由な高齢者を介助する仕事だ。朝、自宅に訪問して起床させ、着替え、朝食、トイレの世話をしてデイサービスに送り出すのが基本で、それに昼食や夕食の用意、洗濯、部屋の掃除などの時間単位の追加が付くこともある。 池端さんは87歳、奥さんに先立たれ一人暮らし。結婚して家を出た娘さんは、夫の仕事の関係で海外在住。聞いた話では、池端さんは苦労して働きながら大学に通い、薬剤師の資格を取り、都内に薬局を開業して成功したとか。自宅は70坪、ほかにも何件かの不動産を持つ資産家だとか。 そんな池端さんだが、以前出入りしていた妖艶な女性ヘルパーに「???」と感じたことがあった。同僚の小池さんと雑談になった。「あのヘルパー、何歳くらいかな」「50歳前後……」「化粧が濃いね」「香水の匂いも……」「大丈夫かな? 怪しくないか」「うん、危ないかもしれない」「今度は夕方からのヘルパー勤務らしいし……」「探ってみようか」……。 小池さんと僕は、波長が合う。夕方からのホームヘルパーとなると炊事だけではなく、かなりデリケートな仕事もある。なにか問題が起きたら大変だ。僕と小池さんは、池端さんに探りを入れた。 「今度のヘルパーさん、美人ですね」「いい感じだね。親切だし」「派遣事務所は同じですか?」「同じだと思う」……。そんなやりとりの後、「入浴は?」と尋ねると驚くべき答えが返ってきた。 「デイサービスで週2回入っているから断った。夏場は汗ばむから、どうかって誘われたけど。事務所に内緒でいいからって……」 僕と小池さんは顔を見合わせた。入浴介護は別料金。内緒というのは違法行為になる。 「断ったのですか」 「ちょっと気持ちが揺れたけど、私にはその気がないから」 「そうでしたかで」 軽い認知症だが、池端さんは「色仕掛け」を感じて賢い対応をしたのだ。しばらくすると、その女性ヘルパーは姿を見せなくなった。そんな折、新聞でこんな記事を目にした。 「相続トラブル、各地で頻発! 一人暮らしの高齢者が被害」 一人暮らしのお年寄りにヘルパーとして接近。献身的な介助の一方で、婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる。そんなトラブルが頻発しているとか。 それにしても池端さんに「その気」がなくてよかった。ごく少数だろうが介護の世界には、こうした「危険分子」が潜んでいる。高齢の親を持つ人は肝に銘じておいたほうがいい』、高齢の資産家男性に「色仕掛け」で、迫って「婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる」、などの悪質な「女性ヘルパー」がいるとは、驚いた。自分も気をつけよう、ただ、狙われる「資産」がないので、寄り付いてもくれないだろう。
タグ:介護 (その7)(小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩、中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情、「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応) 東洋経済オンライン 「小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩」 「母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます」、自分を「虐待」した「母親」の「ケアをしてきた」とは感心だ。 「母親からは宗教的な虐待もあり、さらに両親からの性的虐待もあった」、まるで「虐待」のショールームだ。「「でも母は、自分がしたことを全部なかったことにしちゃうんです。事実をすり替えちゃうし、平気でうそをつく。でも、本当に記憶が入れ替わっているんだと思うんです」、困ったことだ。 「高校は近くの進学校」の割には、先生の対応は、お粗末だ。 「首を吊ったんですけれど。なんかこう諦めきれなくて、ただただ時間を潰すためにYouTubeを見ていたら、その方のチャンネルが『オススメ』とかに出てきて。それではまっていって、勇気をもらった感じでした』、「プロレス」にはまったきっかけが、「首を吊った」ことというのは興味深い。 「「家族」に頼りすぎるから、ヤングケアラーが生まれる」、確かにその通りで、もっと公助を取り入れてゆくべきだ。「取材から5カ月。今月ひさしぶりに亜希さんに連絡したところ・・・PTSDやうつの症状が悪化して苦しんでいたことを教えてくれました。いまは、体調を崩しながらもなんとか働いているといいます」、しっかりしているように見えても、「PTSDやうつの症状が悪化」、完治には長い年月が必要なようだ。 ダイヤモンド・オンライン 王 青 「中国の高齢化が日本のビジネスチャンスになるとは言い切れない複雑な事情」 「北京大学人口研究所の調査によると、北京にある介護施設のうち約半数は、入居率が50%に届いておらず、入居率100%の施設はわずか49カ所だという。そのほか、黒字の施設の割合が4%、深刻な赤字の施設は30.7%」、「入居率」が想像以上に低いことに驚かされた。 身体「拘束」は日本でも「認知症」患者などに行われているが、中国での「死亡」事故のようなことがあったかどうかは覚えていない。「人材のほとんどが・・・40代~50代の地方からの出稼ぎの女性たちだ」、「政府も民間も若者に介護業に就職してもらうため、さまざま奨励金制度や無料の研修などの施策を講じているが、介護の仕事は若者に不人気であることに変わりはない」、なるほど。 「中国国内で介護事業で成功し、話題となっているのは全て国内の事業者であり、日本を含め外資系は軒並み苦戦している状況」、「社会制度や生活習慣、文化などの違いがあるため、日本式の介護をそのまま持ち込んでもうまくいかないことは明白であるが、これに加えて、中国の現地情報が著しく不足しているのではないかと思う」、激しい「高齢化」を迎える「中国」の「介護市場」に「日本の事業者」も、内外の違いを理解した上で、積極的に参加してほしいものだ。 日刊ゲンダイ 夏樹久視 「「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応」 高齢の資産家男性に「色仕掛け」で、迫って「婚姻や養子縁組などの姻戚関係をつくり、遺産相続を狙う。あるいはヘルパーである自分に遺産の一部を相続させるための遺書を書かせる」、などの悪質な「女性ヘルパー」がいるとは、驚いた。自分も気をつけよう、ただ、狙われる「資産」がないので、寄り付いてもくれないだろう。