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幸福(その6)(「幸福度」を科学的に測定・分析することは可能か GDPに代わる「政策目標」として近年注目される、うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”) [人生]

幸福については、7月29日に取上げた。今日は、(その6)(「幸福度」を科学的に測定・分析することは可能か GDPに代わる「政策目標」として近年注目される、うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”)である。

先ずは、10月6日付け東洋経済オンラインが掲載した半熟仮想株式会社 政策研究員の伊藤 ちひろ氏による「「幸福度」を科学的に測定・分析することは可能か GDPに代わる「政策目標」として近年注目される」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/622532
・『アリストテレスやベンサムを代表として、古くからずっと、幸福は人間社会の究極の目標だといわれてきた。格差や環境問題のような資本主義の副作用、「収入が上がっても、幸福度は徐々に上がりにくくなる」といった研究結果などを背景に、近年は金銭的な豊かさだけではなく、幸福度を直接測定・分析して政策の立案・評価をしようとする動きが活発化している。2011年に英国が始めて以来、幸福度の国家統計は各国に広がり、日本も21年から作成している。 これらの調査では、「今、人生に満足していますか? 0〜10のスケールでお答えください」といった質問で幸福度を尋ね、そのうえで回答の平均値の推移などを確認することが多い。しかし、考えてみてほしい。直前の気分や周囲の人との比較に惑わされず、自分の幸福度を正確に答えられるだろうか。それに、幸福度8の人は幸福度4の人の2倍幸せで、2人の平均幸福度は6だ、と単純に計算してよいだろうか。 実際、現在の測定・分析方法は課題だらけで科学的根拠に乏しい。本稿では、最新の研究に基づいて具体的な課題とその解決の方向性を紹介する』、かなり本格的な「幸福」論のようで、興味深そうだ。
・『「主観的」評価の重要性  幸福は、心理学・経済学・社会学・哲学・健康科学などさまざまな学問で研究されている。近年、経済学分野では「幸福度」の定義をするに当たって、幸福度の測り方の中でもとくに、人生の質・満足度についての総合的な「主観的」評価(Subjective Well-Being)に注目している。なぜなら、幸福度を直接測ることにより、科学的な分析を可能としたいからだ。 背景には、従来使われてきた「物質的・社会的・身体的・主観的」評価(Well-Being)に対する問題意識がある。この評価手法は、複数の幸福度の要素のうちどれをどう組み合わせるのかの決定が恣意的であり、科学的根拠が弱いのだ(それを踏まえると、Well-Beingを用いた「幸福な国ランキング」などのランキングは、ただの話題づくりだと思って、話半分に聞き流すのがいいだろう)。 さて、社会全体の幸福度を科学的に測定・分析するには、大きく分けて2つの条件が必要だ。〈条件1〉は、無関係の要素に惑わされない正確な回答が得られること、〈条件2〉は、異なる人・時期の回答結果を比較できることだ。何も工夫しないと、2条件とも満たされない可能性があるとわかってきた。 まず〈条件1〉については、質問の順番や回答者の忖度(そんたく)により、バイアス(偏り)が生じうる。例えば、政治に関する質問の後で幸福度について尋ねると回答の数値が下がり、心理カウンセリングの後で尋ねると回答の数値は上がることなどが知られている。 大規模な調査によれば、これらのバイアスの影響は大きくないとされるが、明確に取り除く方法の開発は発展途上で、さらなる研究が必要だ。バイアスが生じるプロセスを知るため、主観的な回答と客観的な身体指標(脳の動きやホルモン値など)との関係を理解しようという動きもあるが、いまだに明確な関係はわかっていない。) 次に〈条件2〉について、人々が示す自己評価の意味は、主に3つの要因によって変わること(Response Shift)が広く知られている。それは、「範囲」「規模」「表現方法」だ。 1つ目は幸福の評価の「範囲」、つまり何に注目して幸福度を考えるか、である。例えば、自分や家族の状況だけでなく、友人や社会の状況に評価が左右されることもある。「今」の幸福度としてどの期間・経験をイメージするかにも、ばらつきがある。評価範囲は、3つの要因のうち最も影響が大きいといわれている。 2つ目は幸福の比較の「規模」、何を最大・最小の幸福として定義するかだ。例えば、友人の起業が大成功したのを見て、自分も同じくらい大成功できるかもしれない、と最大値の定義が変わるかもしれない。あるいは全国優勝が当たり前の部活動に所属すれば、最小値の定義が変わるかもしれない。 3つ目は幸福の「表現方法」、各幸福度をどの値で回答するかだ。人や時間によって、各回答値が示す真の幸福度は異なる可能性がある(下図)。例えば、数字に疎い人は、0(最小)・5(中間)・10(最大)のみ利用して回答しがちであることが知られている。つまり、現在主流となっている、全員の回答値が等間隔であることを前提とした平均や分散の計算は、的外れである可能性が高い。 範囲・規模の違いの影響を取り除くには、どのような違いがあるのかを正確に理解することが必要だ。架空の人生の物語を読んで幸福度を評価してもらったり、直接範囲・規模を質問したりと、さまざまな方法が用いられている。ただし各方法には、回答者が自分の過去の考え方を思い出せることなどの各種前提がある。より汎用的に使える手法の開発が必要だ。 表現方法の違いの影響を取り除くには、等間隔を前提としない分析手法が有効だ。分析手法の数は限られるが、「以前と比べてより幸福かどうか」の測定、中央値や中央値からの広がりの比較、各回答値(とくに最大・最小値)の人数割合の比較は可能である。 もし幸福度の正確な測定・分析ができれば、幸福度向上に関する各政策の費用対効果を考慮できるようになり、政策の優先度・内容は大きく変わるだろう』、「社会全体の幸福度を科学的に測定・分析するには、大きく分けて2つの条件が必要だ。〈条件1〉は、無関係の要素に惑わされない正確な回答が得られること、〈条件2〉は、異なる人・時期の回答結果を比較できることだ」、「〈条件2〉について、人々が示す自己評価の意味は、主に3つの要因によって変わること(Response Shift)が広く知られている。それは、「範囲」「規模」「表現方法」だ」、かなり専門的な分析だ。 
・『何が幸福度を上げるのか  海外の研究では、例えば失業者への支援が充実している、緑が多い、通勤時間が短い社会では、人々の幸福度が上がる可能性があると知られている。もしこれが正しく、かつ日本に当てはまるとわかれば、より多くのリソースが失業対策、緑化、職住近接に関する政策などに充てられるかもしれない。調査結果によっては、新しい政策が生まれるかもしれない。 また、ビッグデータなどを用いて、高頻度で幸福度の測定を行うことができるようになれば、22世紀には、幸福度を社会目標として最大化するアルゴリズムが政策を自動生成する、というような日が訪れるかもしれない。 近年注目されている幸福度であるが、質の低い調査・研究結果を量産するのではなく、正確な測定・分析に向けた基礎研究を進めていくことが重要だ。(本稿は以下などを参考に執筆しました。https://www.youtube.com/playlist?list=PLG1lYftsVkA1r00R5xni5i0KVx3906dld)』、今後の研究の進展により「人々の幸福度が上がる可能性」に大いに期待したい。

次に、12月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医のTomy氏による「うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/313881
・『不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、著者がNHK『あさイチ』[12/12(月)放送]に出演することで注目の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。 ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!』、興味深そうだ。
・『うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論” 人はなにが起きても幸せになれる  アテクシの30代半ばから後半にかけては、いろいろと大変なことが重なって、精神的にも肉体的にもつらい目に遭いました。 当時、すでに自分のクリニックを開業していたのですが、仕事が立て込んでかなり忙しかったうえに、大切な人が次々と亡くなってしまい、絶望感にさいなまれたこともあって、うつ病を患ってしまいました。症状がひどいときには、朝起きたら、もうその瞬間から泣きそうな気分になっていたのです。 精神科医ですから対処の仕方は知っているのですが、それでもつらい状態が延々と続いたもので、「こんなことがいつまで続くんだろう」「いつになったら終わるんだろう」「もう元に戻らないんじゃないか」と不安になったものです』、「仕事が立て込んでかなり忙しかったうえに、大切な人が次々と亡くなってしまい、絶望感にさいなまれたこともあって、うつ病を患ってしまいました」、「精神科医ですから対処の仕方は知っているのですが、それでもつらい状態が延々と続いたもので、「こんなことがいつまで続くんだろう」「いつになったら終わるんだろう」「もう元に戻らないんじゃないか」と不安になったものです」、それでどうなったのだろう。
・『なにがあっても、あきらめないで  そんな最悪の精神状態でも、「いずれちょっとマシになるだろう」「今日のつらさを10としたら、明日のつらさは9.5でもいい」なんて思いながら、なんとかしのいで、その後、回復したわけです。 いまでも当時のつらさ、悲しさ、嫌なことが、なかったことにはなっていませんが、いまの自分は幸せだと断言できるんです。それは、あのつらい時期にあきめてしまっていたら、絶対に手に入らないものだったと思うからです。 いまが幸せだからといって、いまの幸せが未来永劫ずっと続くかといえば、そうともいえません。人の幸せというのは、つねに変わるもの。それでも、どんなことがあっても、人は幸せになることができるとアテクシは思ってます。なぜなら、人の幸せというのは、とても主観的なものだからです』、「そんな最悪の精神状態でも、「いずれちょっとマシになるだろう」「今日のつらさを10としたら、明日のつらさは9.5でもいい」なんて思いながら、なんとかしのいで、その後、回復したわけです」、よくぞ自力で乗り切ったものだ。
・『目の前のことを自分がどう捉えるか  自分自身が自分のいまに納得して、悔いはないと思えるなら、それは幸せだと思うんです。目の前の状況を自分がどう捉えるかによって、幸せにも不幸にもなるということです。 そこで、いちばん大事なポイントになるのは、あきらめないこと。いつも一生懸命になって、ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと。いま頑張れない状態で、ゴロゴロしていても、あきらめなければ挽回できる機会が必ず訪れますから』、「いちばん大事なポイントになるのは、あきらめないこと。いつも一生懸命になって、ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと。いま頑張れない状態で、ゴロゴロしていても、あきらめなければ挽回できる機会が必ず訪れますから」、「ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと」、言うは易く、行うは難そうだが、自力で治ったのは大したものだ。
・『納得することが“幸せの最終形”  もうひとつ大事なことは、自分が納得して動くということ。動かないときも、自分が納得したうえで動かないこと。いずれにしても、自分が納得するということをつねに意識してください。 これは自分勝手とは違います。まわりの人たちを顧みず、振り回して、迷惑をかけても、自分が納得するから動く、動かないというとは、話が違うのです。そうではないことを前提に、自分が納得することを判断の基準とすることで、なにが起きても悔いはないと思えるようになります。それが幸せの最終形だと思っています。 本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。) (【著者】精神科医Tomy の略歴はリンク先参照)』、自らの行動については、「自分が納得することを判断の基準とすることで、なにが起きても悔いはないと思えるようになります。それが幸せの最終形だと思っています」、なるほど。
タグ:自らの行動については、「自分が納得することを判断の基準とすることで、なにが起きても悔いはないと思えるようになります。それが幸せの最終形だと思っています」、なるほど。 「いちばん大事なポイントになるのは、あきらめないこと。いつも一生懸命になって、ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと。いま頑張れない状態で、ゴロゴロしていても、あきらめなければ挽回できる機会が必ず訪れますから」、「ずっと頑張り続ける必要はないんです。でも、決してあきらめないこと」、言うは易く、行うは難そうだが、自力で治ったのは大したものだ。 「そんな最悪の精神状態でも、「いずれちょっとマシになるだろう」「今日のつらさを10としたら、明日のつらさは9.5でもいい」なんて思いながら、なんとかしのいで、その後、回復したわけです」、よくぞ自力で乗り切ったものだ。 「仕事が立て込んでかなり忙しかったうえに、大切な人が次々と亡くなってしまい、絶望感にさいなまれたこともあって、うつ病を患ってしまいました」、「精神科医ですから対処の仕方は知っているのですが、それでもつらい状態が延々と続いたもので、「こんなことがいつまで続くんだろう」「いつになったら終わるんだろう」「もう元に戻らないんじゃないか」と不安になったものです」、それでどうなったのだろう。 『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社) Tomy氏による「うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”」 ダイヤモンド・オンライン 今後の研究の進展により「人々の幸福度が上がる可能性」に大いに期待したい。 「社会全体の幸福度を科学的に測定・分析するには、大きく分けて2つの条件が必要だ。〈条件1〉は、無関係の要素に惑わされない正確な回答が得られること、〈条件2〉は、異なる人・時期の回答結果を比較できることだ」、「〈条件2〉について、人々が示す自己評価の意味は、主に3つの要因によって変わること(Response Shift)が広く知られている。それは、「範囲」「規模」「表現方法」だ」、かなり専門的な分析だ。 かなり本格的な「幸福」論のようで、興味深そうだ。 幸福 (その6)(「幸福度」を科学的に測定・分析することは可能か GDPに代わる「政策目標」として近年注目される、うつ病になった精神科医が人生のどん底で見つけた“幸せの最終結論”) 東洋経済オンライン 伊藤 ちひろ氏による「「幸福度」を科学的に測定・分析することは可能か GDPに代わる「政策目標」として近年注目される」
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