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ネットビジネス(その10)(はじめしゃちょーとUUUM・鎌田和樹社長CEOが語る 「スターも事務所もまだ進化できる」、人気のゲーム機など高額転売はやりたい放題 「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情、インタビュー/メルカリ日本事業CEO 田面木宏尚 「転売対策で法律に頼ったら事業者として失格」) [産業動向]

ネットビジネスについては、昨年7月25日に取上げた。今日は、(その10)(はじめしゃちょーとUUUM・鎌田和樹社長CEOが語る 「スターも事務所もまだ進化できる」、人気のゲーム機など高額転売はやりたい放題 「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情、インタビュー/メルカリ日本事業CEO 田面木宏尚 「転売対策で法律に頼ったら事業者として失格」)である。

先ずは、昨年11月10日付け東洋経済プラス「はじめしゃちょーとUUUM・鎌田和樹社長CEOが語る 「スターも事務所もまだ進化できる」」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/25176
・『ユーチューブでの動画投稿を続けること8年のはじめしゃちょー(注2)と、ユーチューバーなどクリエーターのマネジメント事務所・UUUMを創業し、7年間経営の舵を取ってきた鎌田和樹社長(注1)。激変するユーチューブ市場のど真ん中を歩んできた2人に、自身と業界の展望を聞いた(Qは聞き手の質問)。 Q:UUUM創業時と現在でユーチューブを取り巻く環境はどう変わりましたか? 鎌田和樹社長(以下、鎌田):コンテンツの作り手と内容、両方のバリエーションがかなり広がった。 最初はHIKAKIN(ヒカキン)やはじめしゃちょーのように、1人でいろいろなネタを手がけるユーチューバーが脚光を浴びた。そこに複数人のグループ型ユーチューバーやバーチャルユーチューバーが出てきて、コンテンツ面ではガジェット系から、美容、旅行、釣りといったジャンル特化型へ広がっていった。老若男女に視聴者の裾野が広がったからこその変化だと感じている。 企業がユーチューバーやその事務所に向ける目も劇的に変わった。創業当時、真夏も真冬もあちこち営業して個人が発信する動画の影響力について語って回ったけど、「どこぞの個人になんでお金を出さなきゃいけないんですか?」という反応ばかりだった。 それが今は、動画で商品紹介をしてほしい、テレビCMに出てほしいと、たくさん声がかかる。直近では日本コカ・コーラの「東京2020」関連の案件なども経験させてもらい、社会的な信頼を勝ち取れてきたのだと実感する。 Q:わずか数年でこれだけの変化が起こった要因は? 鎌田:ひとえに、ユーチューバーたちの頑張りではないか。全然見られなくても、儲からなくても、自分が楽しいからやるというクリエーターが根気強くコンテンツを増やしていったことで、視聴者の関心が高まり市場が形成された。 個人でも自由な表現で活躍できる、それを生活の糧にできるんだと、「ジャパニーズ・ドリーム」みたいなものを見せてくれた。だから、あこがれの職業として子どもたちの人気も得ているのだと思う』、「わずか数年でこれだけの変化が起こった要因は」、「ユーチューバーたちの頑張りではないか。全然見られなくても、儲からなくても、自分が楽しいからやるというクリエーターが根気強くコンテンツを増やしていったことで、視聴者の関心が高まり市場が形成された。 個人でも自由な表現で活躍できる、それを生活の糧にできるんだと、「ジャパニーズ・ドリーム」みたいなものを見せてくれた。だから、あこがれの職業として子どもたちの人気も得ているのだと思う」、なるほど。
・『注1:かまだ・かずき/2003年大手通信会社に入社。総務、店舗開発・運営などで実績を上げ、2011年より系列会社役員。その後起業を決意し、ヒカキンとの出会いを経て2013年に現UUUM設立。
・(注2:はじめしゃちょー/2012年、大学在学中に同級生とともにユーチューブへの動画投稿を開始。実験系をメインにオールジャンルの動画を手がける。チャンネル登録者数は890万人超』、
・『会社としてできたことを挙げるなら、株式上場するなど社会的信頼を得る努力をしたことか。ユーチューバーはどうしても、クレジットカードを作れない、家を借りたいのに審査がおりないといったことがザラだった。 今は(所属先がUUUMであることを保証に)そういう不便を徐々に解消できている。広告主企業とユーチューバーとのハブ機能を果たすうえでも、企業としての社会的信頼は重要だ。 はじめしゃちょー(以下、はじめ):僕は「マルチクリエイター」と言われることが多いけど、自分でそう名乗ったわけではなく、ジャンル特化のユーチューバーが増える中でそう呼ばれるようになった。自分が変わったというより、周りの環境が変わったと感じる。 最近の大きな変化は、テレビで活躍する芸能人がユーチューブにどんどん入ってきたこと。ユーチューブを主戦場にしてきた僕らからすれば、今までユーチューブをあまり見なかった人を連れてきてくれたのは非常にありがたい。 ただ、チャンネルが増えれば当然競争は激しくなる。ヒカキンさんや僕のような長年やってきたユーチューバーはさておき、これから頑張っていくぞというタイミングのユーチューバーにとっては、大きな脅威になると感じる』、「ユーチューバーはどうしても、クレジットカードを作れない、家を借りたいのに審査がおりないといったことがザラだった。 今は(所属先がUUUMであることを保証に)そういう不便を徐々に解消できている」、確かに「UUUM」の存在意義だ。
・『Q:自身の動画の見られ方には変化を感じますか? はじめ:自分の場合、実はあまり細かい分析をしていないのでわからない部分も多い。ただ7年もやっていると、見ている人も僕と一緒に歳を取っていく。 昔はよくコメントくれたあの人、最近は疎遠になってしまった、とか、「就活中です、応援してください!」と言っていた人が、「就職先が決まりました!」と報告をくれたあと音沙汰なし、とか、生活や視聴習慣の変化を感じる。 一方で、今新しくファンになってくれる人もいるので、悲観はしていない。出ていく人がいれば、入ってくる人もいる。 Q:年齢の上がっていく昔からのファンに合わせて動画の内容を変えていくことはしないのですか? はじめ:自分のキャラクターやポリシーとして、あまり変えるべきでないと思っている。ただ、視聴者の年齢には関係ないけど、動画を見せるうえでのテクニックにはその時々のトレンドがあるので、ちょっとずつ取り入れている。 Q:例えばどんなふうに? はじめ:まず、動画のサムネイル。以前は目立つ文字を入れて派手にするのが定番だったけど、芸能人とかはもう顔が写っているだけで強いので、文字より人物をしっかり見せるほうがいい?みたいな風潮が出てきていたりする。 あとは字幕テロップ。昔はしゃべっていることを全部起こすことはしていなかったけど、子どもたちも見るようになったので、できるだけ字幕にしたほうが見やすいかな、とか。 もちろん自分のスタイルがあるので、流されすぎるのもよくない。「最近はこんなトレンドか」と頭の片隅に置いて、嫌らしくない程度に取り入れられればと。 Q:はじめしゃちょーのように数百万規模のチャンネル登録者数を抱える“トップ・オブ・トップ”のユーチューバーが今後新しく生まれるのは、ちょっと難しい時代になっていると感じます。 鎌田:今から800万みたいなチャンネル登録者数に追いつくのは、正直かなりハードルが高い。日本の人口が増えない中で、適切な言い方かわからないけど、初期から積み上げた“既得権益”みたいなものがある。 ただ、800万みたいな数字を目指さないと成功できないかというと、そうではなくなっている。ユーチューバーの成功を「好きなことで食べていける」と定義するなら、そこまで登録者数や再生数がなくても全然問題ない。 ユーチューブのチャンネルというのは、ビジネスでいえば名刺を持っているようなものだと思う。ツイッターやインスタグラムのアカウントも同じ。何かを発信したい人は当たり前に運用していて、そのうえで自分の影響力や才能を生かして何をするかが稼ぎ方の肝になってきている。 だからUUUMに求められることも変わってきた。もともとは単純にユーチューブの運営ノウハウを伝えていればよかった。けど、ユーチューブを基盤にして、次は自分のブランドを作りたい、ゲームを作りたい、サロンをやってみたいと、そういうニーズに対してのサポートが必要だ。 コンテンツ自体の収益化の方法もユーチューブ一択ではなくなった。人によってはツイッターのほうが向いている場合もあり、事務所としてその提案やハンドリングをすることも増えた。 そういう意味で、最近は「ユーチューバー」より、「クリエーター」や「インフルエンサー」という呼び方のほうが主流になっている』、「「クリエーター」や「インフルエンサー」という呼び方のほうが主流に」、「呼び方」が出てきた経緯が理解できた。
・『Q:直近のUUUMの決算は、2020年の3~5月期が営業赤字、6~8月期も以前の水準に比べ利益がかなり低い水準です。 鎌田:新型コロナの影響が大きい。所属クリエーターの動画再生数は伸びたものの、全体的に広告主の出稿マインドが下がってしまった。ファンと触れ合うリアルイベントを開催できなかったのも痛い。 これらの要因に加え、攻めの先行投資も増やしている。具体的には、制作予算を増やしたり、トップクリエイターに専門の支援チームを作ったりしている。ファンが1回見て終わりという動画だけでなく、例えばミュージックビデオとか、今まで見なかった人にも届いたり、何度も見られたりするようなクオリティの高いものを作るチャレンジをしている。 はじめ:支援してもらえる内容が増えているのは実感する。とくにタイアップ案件で、クライアントとの時間がかかるやり取りを代行してもらえるのはありがたい。 普段の動画づくりも、1人で作業しているわけではなく、字幕テロップを付ける作業を代行してもらったり、企画の相談に乗ってもらったり。どうすればもっといい動画にできるかという相談は、なかなかほかにできる場所がない。 Q:はじめしゃちょーは、UUUMを退所するユーチューバーが増えている件に触れた動画の中で、「炎上して地の底に落ちたときも見放さず適切な対処やアドバイスをくれた」ことを挙げ、事務所に居続けたいと語っていました。 はじめ:いやー、そこは本当に、実体験として助かったところが大きい。実務的な部分も、精神的な部分もものすごく支えてもらった。 物を作って世の中に出していくうえで、いい精神状態を保つことは非常に大事だと思っている。そういう意味では、すぐそばに信頼できる人がいて、何かあったときに助けてくれるのは何にも代えがたい価値だ。 鎌田:前提として、事務所を辞めてもユーチューバーとして十分活動できる環境になったのは本当にいいことだと思っている。ユーチューバーというものが社会的に認められて、市場が成熟してきた証拠なので。 メディアでも社員からフリーランスになる人はいるでしょう。どんな会社でも転職していく人はいる。今いるところがイケてない、支援が十分じゃないから辞めるというケースもあるだろうが、違う挑戦をしたいという動機もある。こちらが何か言うことではない。 そのうえで、はじめしゃちょーの言うように事務所に所属してもらうメリットも依然としてある。ユーチューバーの影響力が増す中で、タイアップ案件の規模も大きくなっている。億円単位の仕事も出てきているが、そういうものを進めていくにはやっぱり信頼がセットになっている。 もしそのユーチューバーにトラブルが起きたらと考えると、広告主企業も一個人に発注するより間に事務所が入っているほうが安心だ。 そういう意味では、ユーチューバーにとって事務所は半分「保険」みたいなものかもしれない。入らない選択肢もあって、何もなければ「お金が浮いてラッキーだったな」と思うだろう。ただ何かあったときに「入っていてよかったね」というのもまた違う価値だ。入っていることでより大きな仕事が来る可能性も高まる。 もちろん、もっと稼げるようにする、創作活動を楽にするという価値も今後いっそう発揮したい。所属クリエーターにも、事務所をどううまく使っていくかに着目してほしい。より手数料率の安い事務所に行こうか、あるいは独立しようかというのも選択だけど、目先の収益を見て身の振り方を考えている時間を、もっとスケールの大きな活動をするための思考に使えるかもしれない』、「ユーチューバーにとって事務所は半分「保険」みたいなものかもしれない。入らない選択肢もあって、何もなければ「お金が浮いてラッキーだったな」と思うだろう。ただ何かあったときに「入っていてよかったね」というのもまた違う価値だ。入っていることでより大きな仕事が来る可能性も高まる』、その通りだろう。
・『クリエーターはモノではなく人  Q:人気が出たとたんに辞められてしまうことが続くと、育成期間の投資を回収できず、事務所としてのビジネスは成り立たないのでは、との指摘もあります。 鎌田:悲観的な方程式を立てるとそうだろうが、実際は多くのスターが今も残ってくれている。それに、「次はこんな企画をやりたい」という所属ユーチューバーの無理難題に対し、どうやったら実現できるか会社として一緒に試行錯誤する中で、それがお互いの信頼にもなるし、会社のノウハウにもなっている。そういうノウハウに価値を感じて新しいスター候補も入ってきてくれる。 「投資してきたものなのに収穫できなかった」みたいな言い方だけど、クリエーターはモノではなく人。そんなに単純ではない。事務所としてまだまだ進化しないといけないけど、その分ビジネスとしての伸びしろがある。 Q:はじめしゃちょーは今27歳ですね。長くやって来られた方の中にはユーチューバー活動を休止される方も出ていますが、この先の展望や不安はありますか? はじめ:難しい質問ですね。なんというか、テレビに出てもっと有名になりたいとか、そういう思いはあまりなくて、この先10年も、自分が面白いと思う動画を作っていたいというのがいちばん大きい。 同じことをずっとというわけではなく、さらにスケールの大きなことに挑戦できればと思う。今でも「明らかに赤字になりそうだな……」という無茶苦茶な企画もやっている。歴史に残ると言ったら大げさだけど、人の記憶に残る作品を作っていきたい。それで、継続して見てくださる人がいて、ユーチューバーとして稼いで生活する期間をできるだけ長く続けられたらと。 不安はもちろんある。「大学生のはじめしゃちょー」だから応援していたというファンもいると思う。歳を重ねていくと、親近感がなくなっていくかもしれない。そうなったときに次は何をやってくか。それを考えるのは、1人より事務所の皆さんと一緒だとなおいい。 鎌田:ちょっと年上の僕からしても、その気持ちはわかる。やっぱり30代に入るくらいのときにはこのままでいいのかと悩んだし、それが起業のきっかけにもなった。 UUUMはクリエーターに何かを諭すというより、どんな相談にも乗る事務所でありたい。個々人のロングスパンの人生を考えて、資産形成できるようにもしたい。今後は結婚し、子どもが生まれるユーチューバーも増えるだろう。その際に必要な支援が変わってくるなら、それも準備したい』、今後の「UUUM」や「ユーチューバー」の発展を見守りたい。

次に、2月16日付け東洋経済プラス「人気のゲーム機など高額転売はやりたい放題 「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26188/?utm_campaign=EDtkprem_2102&utm_source=edTKP&utm_medium=article&utm_content=210218
・『「転売ヤーに対していろいろと批判があるのはわかっているが、自分たちは“必要悪”といえる存在だ」 ある40代の転売ヤーの男性はそう話す。かつてはパチプロだったが、転売で生計を立てるようになってから10年以上になるという。昨年は、人気ゲーム機の「Nintendo Switch(スイッチ)」や「PlayStation(PS)5」、「鬼滅の刃」グッズなどのエンタメ商材のほか、規制直前までマスクなどの衛生用品も転売し、「数千万円を売り上げた」と打ち明ける。 人気商品を大量に仕入れ、高値をつけて売る人たちは、ネットの世界で「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる。フリマアプリやオークションサイト、出店者として登録をしたアマゾンなどのECサイト上で商品を転売し、利益を稼ぐ。小遣い稼ぎの個人から、転売を生業にする人までそのタイプはさまざまだ。 転売の商材は、一般消費者が買いそうなものであれば何でもあり。これから人気化しそうで品薄が見込まれる限定商品、抽選販売が実施される新商品を徹底的に調べ上げる。1つでも多く買うために、ネット販売ならば、1人で複数のアカウントを作ったり、ウェブブラウザを自動で動かすbot(ボット)を利用したりする。どこかの実店舗で数量限定の販売があるとわかれば、アルバイトを雇って行列に並んでもらい、商材を買い集める“プロ集団”もいる。 「昨年はまさにマスクの転売バブルから始まった。その後も確実に稼げる商材がたくさんあって、プロでも初心者でも誰でも稼げたのではないか。不謹慎かもしれないが、亡くなった芸能人の写真集やDVDなども高値で売れた」(前出の転売ヤー)という』、「小遣い稼ぎの個人から、転売を生業にする人までそのタイプはさまざまだ」、「数千万円を売り上げた」ケースまであるとは、存在を再認識した。
・『転売に法的な規制はない  前出の転売ヤーはプロ中のプロだが、個人間における転売が身近になったのはフリマサイトが台頭してからだろう。国内最大手である「メルカリ」のサービス開始は2013年7月。自分が要らなくなった不要品を出品者として売りに出し、それを別の利用者が買うのは昔からあるフリーマーケットと同じだが、スマートフォンで簡単に売買できる手軽さから2次流通のプラットフォームは急速に成長した。経済産業省の推計では2018年のフリマアプリの市場規模は約6400億円。2016年比で2倍以上に拡大している。 健全な出品者と購入者のやり取りが大半を占める一方、転売ヤーたちが入手困難な商品を買い集め、フリマサイトなどで高値で出品する事例も目立つようになった。そして、昨年に社会問題化したのが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスクやアルコール消毒液などの衛生用品の高額転売だった。 店頭販売のマスクが瞬間蒸発する中、ネットでは転売が横行し販売価格が通常の100倍以上に高騰した事例もあった。このため、国民生活安定緊急措置法により2020年3月に衛生用品の転売が禁止された(同年8月に規制解除)。 また、コロナを背景に巣ごもり消費でにわかに需要が高まったのがゲーム機だった。スイッチは2020年4~5月にネット上での売買価格が跳ね上がっている(詳しくは、連載第3回「スイッチ」の異常な転売価格と「PS5」高騰の必然)。エンタメ関連では、映画が日本歴代興行収入で1位となるなど一大ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」が典型だ。関連商品や映画の限定特典などあらゆるものが転売の標的になった。 法律で転売が禁止されている興行チケットやフリマサイト側が出品禁止物とする衛生用品、販売免許が必要な医薬品などを除けば、ネット上の転売に法的な規制はない。そのため、ルールを設けてどこまで出品を制限するかは、オークションやフリマサイト側の判断にゆだねられている。 PS5の場合、2020年11月の発売直後からフリマサイトのメルカリへの高額出品が続出。100台900万円という抽選販売ではありえない出品も報じられたことから、販売元のソニーがPS5の転売防止と協力を求めたが、メルカリ側は出品禁止などの個別対応は行っていない(詳しくは、連載第2回「メルカリ、ヤフオクが高額転売を「禁止」しない理由)。 「ゲーム機の転売は、法律で規制されていないからやっている。世の中のものは(仕入れて、別のところに売る)転売で成り立っているわけだし。自分たちはこれ(転売)で経済が回っているのだから、突っ走るしかない。マスクやチケットのように法規制が入れば、ほかの商材を転売する」(前出の転売ヤー)』、「転売ヤー」はあらゆる商機を見極めているようだ。
・『消費者の声を受けて付録の見直しも  こうした転売ヤーに対し消費者からは不満や対策を求める声が上がっている。「ゲーム機やエンタメグッズは生活必需品ではないし興味ない人から見ればどうでもよいのかもしれない。ただ、欲しい商品が欲しい人の手元に行き渡らないことについて、何か対策が必要ではないか」(20代男性)。 転売ヤーの買い占めで予定していた企画の中止を余儀なくされるケースもある。ある女性誌を刊行する出版社の担当者は「『雑誌の付録がフリマサイトで転売されているのを対策してほしい』『購入できず非常に残念だった』など数多くの意見が寄せられ、予定していた宣伝物の中止・差し替えを行う事態となっている。お客が一度購入したものを強制的に禁止する法的根拠がないので対策が難しい」と悩みを打ち明ける。 女性向けのファッション雑誌では雑誌の付録に有名ブランドとコラボした限定アイテムを同梱して発売することが多い。「転売不可」と明記していても、雑誌の付録だけをオークションやフリマサイトに出品される事例が後を絶たない。 例えば、「CanCam」の2021年3月号(850円)に同梱されたドラえもんとGUCCIの「コラボノート」がそうだった。「発売翌日に近所の書店に問い合わせてもどこも売り切れ。それなのに、フリマサイトでは付録だけが大量に出品されている。1冊2000円。悔しいから買わなかった」(40代女性)という』、「雑誌の付録だけをオークションやフリマサイトに出品される事例が後を絶たない」、のは、「雑誌の付録に有名ブランドとコラボした限定アイテムを同梱して発売することが多い」ので、やむを得ないといえよう。
・『罵倒されても転売ヤーに売らないノジマ  こうした転売ヤーに対して明確に反対を打ち出す企業も出てきている。「リラックマ」や「すみっコぐらし」などの人気キャラクター商材を展開するサンエックスは2018年12月「悪質な転売につながるような行為について断固反対」として指針を表明した。 また、大手家電量販店のノジマは2021年1月に「転売撲滅宣言」を出した。メーカーや小売店が転売に対する反対姿勢を表明するのは、本当に欲しい消費者の手元に商品が十分に届いていないという問題意識があるからだ。ノジマではゲーム機などで購入履歴から転売目的とみられるお客には、店頭での販売を断っている。そうした場合、「『法律で禁止されていないのになぜノジマが決めたことに従わないといけないのか』と店舗のスタッフが罵倒されることもしばしばある」(ノジマ・ゲームMD担当者)という。 メーカーや小売店だけでなく2次流通のプラットフォーム側も対策に乗り出す構えを示している。だが、不当な転売をどう位置づけるかが難しく、高額転売についての対応に大きな差はない。 前出の転売ヤーの男性によれば、コロナ禍による金銭的な不安から、転売初心者から「どうすれば儲けられるのか」といった問い合わせが例年の5倍近くあったという。高額転売をもくろむ人たちが増えると、標的になる商材が拡大し、欲しい商品が手に入らないと不満を募らす人が一段と増える。この循環が止められそうな気配はない』、「ノジマ」のような小売店はあくまで例外。法規制の対象外の商品については、自由な取引に委ねる他ないようだ。

第三に、2月18日付け東洋経済プラス「インタビュー/メルカリ日本事業CEO 田面木宏尚 「転売対策で法律に頼ったら事業者として失格」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26196/?utm_campaign=EDtkprem_2102&utm_source=edTKO&utm_medium=article&utm_content=210218&_ga=2.265220108.2032093983.1607135662-1011151403.1569803743#tkol-cont
・『国内最大のフリマアプリ・メルカリ。個人間の売買を劇的に手軽にしたプラットフォームは、人気商品の高額転売で利益を得る「転売ヤー」にとっても使い勝手のいい場になっている。売りたい人、買いたい人をつなぐ存在としての「健全性」をどう考えるか。メルカリで日本事業のCEOを務める田面木宏尚氏に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは田面木氏の回答)。 Q:2020年に有識者会議を立ち上げて「マーケットプレイスの基本原則」を定めた背景は。 A:メルカリは設立8年の会社。フリマアプリ自体も歴史が浅く、個人間の売買が身近になったのはまだ最近のことだ。そんな中で去年、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の状況になり、マスクや消毒液の買い占め・転売問題が起きた。 考えてみれば東日本大震災のときにも物資の買い占めは起こったが、売る手段としてフリマアプリはまだなく、転売が大問題に発展することもなかった。今回噴出した新しい現象・課題をどうとらえていくべきか。それを問われたことが有識者会議立ち上げの背景にある。 メルカリは「循環型社会を創ること」を創業の理念としている。要らなくなったものを必要とする誰かに届け、それを世界レベルで実現すればより経済が回っていく。この思いは一貫しているが、その過程で対処すべき課題を外部の識者と今一度議論してみたいと思った。 Q:「高額転売」についてはどんな意見が出ましたか? A:フリマには売る側と買う側、どちらにも多様な視点があるだろうというのは総意だった。いわゆる「高額転売」についてもさまざまなケースがある。手元にモノが余っているから売るという人もいれば、(ある商品を)買い占めて利ザヤを取ろうとする人もいる。それを買っている側にも意見もあるだろう。それだけのお金を投じても、欲しい、買う価値があると。 市場原理の観点から、価格が高騰することそれ自体が問題であるという意見は、有識者からも出なかった。ただメルカリとしては、ここに何らかアクションをしたい。そう意見したことで出た方策が「アラート機能」だった。 なぜ高額でも買ってしまうのか。その要因の1つとして、情報が不足していることが挙げられた。「今買わないと」と焦る。そこに対処してはどうだろうという話になった。1次流通の皆さんと連携して、事前の注意喚起や販売スケジュールなどの情報を(メルカリのサービス画面上で)出していければ、今慌てて買わなくてもいいと思えるかもしれない』、「転売問題」で「有識者会議立ち上げ」とは驚かされた。
・『「一律の規制」が本当に有効なのかを考えるべき  Q:出品そのものへの規制は? A:重要なのは1次流通であるメーカーの意見だと思う。僕自身、たくさんの1次流通の方と直接話をしてきたけど、高額転売への意見はさまざま。2次流通の価格高騰を問題視するケースもあれば、小売店で買い占めが起きることを問題視するケースや、(転売にはさほど関心がなく)偽物の流通などに頭を悩ませるケースもある。販売元の思いの多様性を尊重する意味でも、一律の規制が本当に有効なのかは考えなければならない。 まずわれわれとしては、販売元の皆さんからたくさん意見を聞きたい。そのうえで対応について今後も検討していく。ひとまず今回出した「アラート機能」は、いろいろなケースに横断的に活用できる。 販売元の意向によってメッセージの内容を変えることもできるだろう。(新たに機能として加える)アラートが購入を思いとどまらせてメルカリの流通額を下押しする可能性はあるが、それでも踏み込んでやる。 Q:特定の商品を欲している消費者としては、アラートを見ても「高いのは重々承知」と思うだけのような気もします。それでもアラートを出す意味はあるでしょうか。 A:そのあたりは実際に出してみないとわからない。メルカリの中で買い手の行動がどう変わるのかを見たい。 あとは、あらゆる販売元と連携してケースをどんどん作っていきたい。商品ジャンルごとに違った傾向が出るかもしれないので、まずは知見をためる』、「まずは知見をためる」とは賢明なやり方のようだ。
・『場合によっては「出品禁止」の措置を取る  Q:PS5についてはソニー・インタラクティブエンタテインメント側からメルカリに転売防止の協力を要請しています。販売元企業がそう言ってきた場合も、メルカリ側で規制するのは難しいのでしょうか? A:そうですね。本件に限らず、偽物や詐欺は別として、高額で出品されているという理由だけで一律に規制することは現状考えていない。禁止の根拠となる法律もない。その点は(販売元の)各社としっかり話し合う中でご理解いただいていると思っている。実際、出品自体を全部規制してほしいという要望はほぼない。 とはいえ、われわれとしては販売元から要望を聞き、どういう対応が可能か引き続き対話していきたい。ときにはアラート以上の対応をとるかもしれない。例えば、(ある商品の売買によって)詐欺が横行しそうで信頼が担保できない場合。あくまで想像の範囲だが、そういった事態になりそうなら、出品禁止に踏み切る可能性はある。 いずれにしろ、判断の拠り所となるのは今回定めた基本原則だ。つまり、売買取引が「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」。ここに抵触する可能性があれば何らかの措置を行う。今までは基準として参照するものがなく議論しづらかったが、今後は1次流通の企業にも「われわれはこう考えているんですが、どうでしょう?」と問える。 Q:正規の値段で買えずもどかしい思いをしている人の不満が、SNSやメルカリのサービス内などで表出しています。こうした声に、メルカリとしてどう向き合いますか。 A:冒頭で話した通り、フリマアプリはまだ新しいサービス。人によって見方が多様であっていいし、当社としても意見をもらえるのは改善の参考になりありがたい。自分は以前、カスタマーサポートを統括していたが、メルカリは本当にひとつひとつの取引がユニークで、問い合わせも意見もさまざまなのが特徴だと思っている。 SNSの声もやはりさまざまで、非常に注目して見ている。メルカリを使ったことのない人の声や、グレーな商売をしている転売ヤーの声も、メルカリにとってはどれも貴重な「お客様の声」ととらえている。それらを粛々とサービス改善に生かしていくのみだ。 フリマアプリでモノを売ることがもっと当たり前になり、多くの人の生活に自然に溶け込んでいる状態になればまた変わってくるだろう。サービスもより改善されて、不快に思うことが減っているかもしれない。とくに出品に関してはまだまだ使っている人が限られている。これが浸透していけば自然と、使い方のいい・悪いの議論もなくなっていくかと』、なるほど。
・『流通をむやみに法律で縛るのは危険  Q:つまり、サービスの普及とともに悪質な転売が自然淘汰されていくということですか? A:僕が思うのは、情報格差がなくなっていくだろうということ。 今はまだ「メルカリってどうやって使うの?」という人が多いわけだが、いわゆる転売ヤーはそのあたりを熟知していて、一部の人しか知らないやり方で利ザヤを稼いでいる面がある。でも歴史に照らせば、そういう”うまい話”は(多くの人が習熟していくにつれ)たいていなくなっていく。 そういう状態を目指す意味でも、出品をより簡単にするための機能開発にはものすごく投資している。まだメルカリに触れたことのない人にも有効に使ってもらえるようにしたい。 Q:チケット転売のように、法律(2018年にチケット不正転売禁止法が施行)を作って規制してしまえばいいという議論もありますが。 A:法律は最終手段だと思う。資本主義社会で市場原理で動いている流通を、むやみに法律で縛るのは危険な気もする。 法規制が打ち出される前に、サービス提供者がシステムを駆使するなり、自主的な努力で対処することが重要だ。法律のお世話になってしまうようではプラットフォーマーとして失格。そういう意気込みで日々サービスを作っているし、官公庁とも対話している。』、「法規制が打ち出される前に、サービス提供者がシステムを駆使するなり、自主的な努力で対処することが重要だ。法律のお世話になってしまうようではプラットフォーマーとして失格」、健全な考え方で、同感できる。 
タグ:ネットビジネス はじめしゃちょー 東洋経済プラス (その10)(はじめしゃちょーとUUUM・鎌田和樹社長CEOが語る 「スターも事務所もまだ進化できる」、人気のゲーム機など高額転売はやりたい放題 「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情、インタビュー/メルカリ日本事業CEO 田面木宏尚 「転売対策で法律に頼ったら事業者として失格」) 「はじめしゃちょーとUUUM・鎌田和樹社長CEOが語る 「スターも事務所もまだ進化できる」」 「わずか数年でこれだけの変化が起こった要因は」、「ユーチューバーたちの頑張りではないか。全然見られなくても、儲からなくても、自分が楽しいからやるというクリエーターが根気強くコンテンツを増やしていったことで、視聴者の関心が高まり市場が形成された。 個人でも自由な表現で活躍できる、それを生活の糧にできるんだと、「ジャパニーズ・ドリーム」みたいなものを見せてくれた。だから、あこがれの職業として子どもたちの人気も得ているのだと思う」 かまだ・かずき ユーチューバーはどうしても、クレジットカードを作れない、家を借りたいのに審査がおりないといったことがザラだった。 今は(所属先がUUUMであることを保証に)そういう不便を徐々に解消できている 「「クリエーター」や「インフルエンサー」という呼び方のほうが主流に」、「呼び方」が出てきた経緯が理解できた 「ユーチューバーにとって事務所は半分「保険」みたいなものかもしれない。入らない選択肢もあって、何もなければ「お金が浮いてラッキーだったな」と思うだろう。ただ何かあったときに「入っていてよかったね」というのもまた違う価値だ。入っていることでより大きな仕事が来る可能性も高まる』 クリエーターはモノではなく人 今後の「UUUM」や「ユーチューバー」の発展を見守りたい 「人気のゲーム機など高額転売はやりたい放題 「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情」 「小遣い稼ぎの個人から、転売を生業にする人までそのタイプはさまざまだ」、「数千万円を売り上げた」ケースまであるとは、存在を再認識した 転売に法的な規制はない 消費者の声を受けて付録の見直しも 「雑誌の付録だけをオークションやフリマサイトに出品される事例が後を絶たない」、のは、「雑誌の付録に有名ブランドとコラボした限定アイテムを同梱して発売することが多い」ので、やむを得ないといえよう 罵倒されても転売ヤーに売らないノジマ 「ノジマ」のような小売店はあくまで例外。法規制の対象外の商品については、自由な取引に委ねる他ないようだ 「インタビュー/メルカリ日本事業CEO 田面木宏尚 「転売対策で法律に頼ったら事業者として失格」 「転売問題」で「有識者会議立ち上げ」とは驚かされた 「一律の規制」が本当に有効なのかを考えるべき 「まずは知見をためる」とは賢明なやり方のようだ 場合によっては「出品禁止」の措置を取る 流通をむやみに法律で縛るのは危険 「法規制が打ち出される前に、サービス提供者がシステムを駆使するなり、自主的な努力で対処することが重要だ。法律のお世話になってしまうようではプラットフォーマーとして失格」、健全な考え方で、同感できる。
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ベーシックインカム(その2)(ベーシックインカムはクリエイティブな脳を活性化させる=茂木健一郎、竹中流ベーシックインカムはどこが問題なのか だまされるな、本質は新種の「リバース年金」だ、崩壊都市の再生をかけたNY市長選 「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か) [経済政策]

ベーシックインカムについては、昨年1月17日に取上げた。今日は、(その2)(ベーシックインカムはクリエイティブな脳を活性化させる=茂木健一郎、竹中流ベーシックインカムはどこが問題なのか だまされるな、本質は新種の「リバース年金」だ、崩壊都市の再生をかけたNY市長選 「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か)である。

先ずは、昨年8月2日付けエコノミストOnline「ベーシックインカムはクリエイティブな脳を活性化させる=茂木健一郎」を紹介しよう。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200721/se1/00m/020/022000c
・『<インタビュー「私が考えるベーシックインカム」> ベーシックインカムを支持する人の間でも、その目的や手法についての考え方はさまざまだ。財政や社会運動などの分野で幅広く活躍する4人の論者に聞いた。(Qは聞き手=市川明代/桑子かつ代・編集部の質問)』、「4人の論者に聞いた」とあるが、どう考えても、「茂木」氏がこれらの「論者」の見方を紹介するといった形式のようだ。
・『Q:ベーシックインカム(BI)を提唱する一番の理由は。 ■英国の心理学者、ジョン・ボウルビィが提唱した「セキュア・ベース(安全基地)」という概念がある。IQ(知能指数)は遺伝要因が半分で、後は後天的に育まれる。子どもが学んだり、挑戦したりするためには、心の安全基地が必要だが、親にも個性があって、全ての親が必ずしも子どもに安全基地を提供できるとは限らないので、社会的に保障する必要がある。 BIはこれによく似ている。大人でも子どもでも、明日どうなるかも分からず生活に追われていると、ゆっくり自分の将来を考えたり、スキルや知識を身につけたりすることができない。BIは脳の発育や脳の創造的な働きへの「投資」と捉えられる』、「大人でも子どもでも、明日どうなるかも分からず生活に追われていると、ゆっくり自分の将来を考えたり、スキルや知識を身につけたりすることができない。BIは脳の発育や脳の創造的な働きへの「投資」と捉えられる」、確かにその通りだろう。
・『Q:BIによって働くモチベーションがなくなるとも言われる。 ■『種の起源』を執筆したダーウィンは、お金に困ったことがなく、生涯一度も仕事に就いていない。それでも進化について考えるクリエーティブな仕事をやめなかった。僕は英国に留学していたし、仕事で米国や欧州へよく行くが、何らかの経済的な裏付けがあって、何もしなくても1~2年は大丈夫、という研究者たちがいた。そういうところから文化やイノベーションが生まれるという実感がある。日本は日銭を稼がないと家賃も払えないような状況が当たり前になってしまっている』、「BIによって働くモチベーションがなくなる」ことはなさそうだ。
・『出発点を再定義  Q:お金のあげっぱなしになってしまい、国全体の発展につながるのか、という懸念も指摘される』、■ジャック・マー氏が中国アリババグループを起業して中国の経済はすごく伸びたし、米テスラなどの創業者イーロン・マスク氏によって米国の宇宙開発もぐっと進歩した。でも、そういう人材が出てくるまでに何年かかるのかは誰にも分からない。とても息の長い話だ。国としてもある程度、覚悟を決める必要がある』、なるほど。。
・『Q:イメージしているのは、BIがあればそれだけで生きていける社会か。 ■BIは「ゼロ」を定義し直すということなのではないか。つまり、収入もなにもないところをゼロとするのではなく、月10万円もらうところが出発点になる。そこからどれだけ稼げるかはその人の才覚や努力次第、ということだ。 現代はお金だけじゃなく、いろいろなものが生きていくうえで必要になっている。例えば、スマートフォンなどインターネットにアクセスできる環境がないと就職活動もできず、その環境があるかないかでその後の人生が大きく左右される。これからは、個人がインターネットにアクセスする環境も国が給付する時代になっていくのではないか。(茂木健一郎・脳科学者)』、「これからは、個人がインターネットにアクセスする環境も国が給付する時代になっていくのではないか」、というのは興味深い見方だ。

次に、10月11日付け東洋経済オンラインが掲載した早稲田大学大学院経営管理研究科教授の岩村 充氏による「竹中流ベーシックインカムはどこが問題なのか だまされるな、本質は新種の「リバース年金」だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/380921
・『ベーシックインカムの議論が盛り上がっている。きっかけは、2001年からの小泉純一郎内閣で経済財政政策担当大臣・金融担当大臣に就任、日本の金融システム建て直しに力を振るったとされる竹中平蔵氏の最近の発言にあるようだ。まずは氏の発言を伝えるインタビュー記事を読んでみよう。 「これまでの現金給付は、消費刺激効果がなかったと言われるが間違いだ。これは景気刺激策ではなく、生活救済策だ。10万円の給付はうれしいが、1回では将来への不安も残るだろう。例えば、月に5万円を国民全員に差し上げたらどうか。その代わりマイナンバー取得を義務付け、所得が一定以上の人には後で返してもらう。これはベーシックインカム(最低所得保障)といえる。実現すれば、生活保護や年金給付が必要なくなる。年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい」(週刊エコノミスト誌6月2日号『コロナ危機の経済学』より) 追記しておくと、この発言のうち「月に5万円」の部分は、9月のテレビ番組(BS-TBS)出演では「月に7万円」に増額されているようだが、さすがに元経済財政政策担当大臣の発言である。彼の一声で、これまではやや理念的に議論されてきただけの感があったベーシックインカム論、にわかにコロナ後の社会におけるセーフティネットのあり方として舞台中央に進出してきた感もある。 ちなみに「月に7万円」とはずいぶん塩辛い数字だが、日本の生活保護の平均月額支給額約15万円の半分は医療費支給という現状などから見ると、この金額辺りが「生活」というよりは「生存」のための最低ラインとは言えるかもしれない。 どうだろう、読者は竹中提案に賛成だろうか』、「月に7万円」、「この金額辺りが「生活」というよりは「生存」のための最低ラインとは言えるかもしれない」、確かに「塩辛い数字だ」。
・『コロナ禍で注目されたベーシックインカム  まずは、ベーシックインカムそのものについて簡単に解説しておこう。すべての国民あるいは市民や住民に一定の金額を、他の条件とかかわりなく、つまりお金持ちにも貧乏人にも、元気に働ける人にもそうでない人にも、政府が一定の金額を一律に給付する、というものだ。 この考え方の歴史は古い。ものの本によると、発想の源は米国独立戦争当時の思想家トマス・ペインにまでさかのぼるとされている。近年は、グローバリズムがもたらした格差拡大や経済成長の陰での貧困深刻化に対する問題意識もあって注目度が高まっている。2017年には、フィンランドやカナダのオンタリオ州で、一種の「社会実験」としてではあるが、一定地域に一律の現金支給を行うなどの試みなどがあった。 それを加速させたのが今回のコロナ禍である。本年5月のスペインでは、ベーシックインカムの名の下に、200万人を超える生活困窮者を対象とする現金支給政策が開始されている。スペインの政策には受給に生活困窮などの条件が付いているので、こんなものはベーシックインカムでないという批判もあるようだ。それはさておき、たとえばドイツやスコットランドなどでも導入を求める動きが起こっている。日本の全国民一律10万円給付も、ベーシックインカムという旗印こそ掲げていないが、実質的にはスペインの例よりはベーシックインカムに近いといえる。 とはいえ、「毎月7万円をベーシックインカムとして全国民に支給」などと言われると、心配になる向きも少なくあるまい。心配の種は、こうした政策が「働かないこと」への報奨になるのではないかという点、そして「財源」をどうするのかという点、大きくはこの2点だろう。 もっとも、前者つまりベーシックインカムが働かないことへの報奨になるという点については、そうでもないはずという議論もできる』、「日本の全国民一律10万円給付も、ベーシックインカムという旗印こそ掲げていないが、実質的にはスペインの例よりはベーシックインカムに近いといえる」、確かにその通りだ。
・『「効率的な生活支援策」とはいえる  理屈が好きな経済学者の間でこそ通用するような話なのだが、「人頭税の効率性」とでも呼べそうな命題がある。個々の人の資産や所得の状況にかかわりなく一律同額の税金を取り立てるのが人頭税だが、そうした税金のほうが、たとえば労働することで得られる報酬の多寡に応じて課税する所得税より、労働市場での取引に対する介入の度合いが小さく、したがって市場メカニズムの効率性が最大限発揮されるなどと論ずるのである。 ところで、この議論とパラレルに考えると、ベーシックインカム推進派の主張もあながちナンセンスではなくなる面がある。なぜなら、人頭税が最も効率的な税ならば、マイナスの人頭税とも言えるベーシックインカムは最も効率的な生活支援策ということになるからだ。この辺り、その資産効果は、というようなことまで考え始めるとあまり単純でない面もありそうなのだが、その種の面倒な話はほどほどにしよう。 海外で行われた「ベーシックインカム実験」の結果などをみると、一律現金支給で人々が働かなくなるという現象は、少なくとも短期的には観察されていないようだ。だから、今のコロナ禍という現実に対してベーシックインカムに答を見いだそうとすること、それ自体はナンセンスではない。 では、竹中提案に問題はないのか。そんなことはない。その第1は、彼の提案がそもそもベーシックインカムにすらなっていないところにある。 もう一度、彼の発言を伝える記事を読んでみよう。彼は、自身の提案をベーシックインカムだと言いながら、他方で「所得が一定以上の人には後で返してもらう」と付け加えている。しかし、いったん給付しながら後で返してもらうというのでは、政府による生活資金貸付と同じことだ。単純な貸付と違うのは「所得が一定以上の人には」という条件が付いていることだが、そんな条件を付けても、彼の提案がベーシックインカムになっていないことに変わりはない。 住宅資金を借りて後で返済する住宅ローン(モーゲージ)の順番を逆にして、住宅を担保に生活資金を借りて後で住宅を売って返済するローン商品を、「リバースモーゲージ」と呼ぶ。その用語法を借りれば、竹中提案は要するに「リバース年金保険」であって、ベーシックインカムなどではないことになる。彼の提案の本質は、ベーシックインカムつまり全国民対象の無償現金給付ではなく、全国民を網に掛ける強制的国営金融プランの一種なのである』、「全国民を網に掛ける強制的国営金融プランの一種」、言い得て妙だ。
・『「後で返してもらう」ことの問題点  そして、ベーシックインカムを金融プランにすり替えてしまうことは別の問題を生む。それが金融関係者ならおなじみの「モラルハザード問題」である。ベーシックインカムで給付を得た人が「所得が一定以上なら返してもらう」などと言われたらどうだろう。カネをもらうのはうれしいが、もらったカネを返すのは嫌だ、だから、後で働くのはほどほどにしておこうという気分も生じそうだ。 これがモラルハザードでなくて何だろうか。もちろん、かつての金融危機でモラルハザード問題と格闘した実績のある竹中元大臣のことだ。きっとここには深い考えがあるのだろう。できたら、それを聞かせていただきたいものである。 そして、もう1つ。ここでの竹中氏、給付の財源についてどう考えているのだろうか。そこもわからない点である。必要になる資金は軽く見過ごせるような規模ではない。日本の人口は1億2000万人超だから、生活ではなく生存ぎりぎりラインのはずの1人当たり月額7万円給付でも、総費用は何と年額100兆円を超える。これは現在の一般会計規模にも匹敵する大きさである。それを論じないままで「全国民に一律定額給付」などと言ってほしくない。 この点、竹中氏へのインタビュー記事には生活保護と年金をまとめて縮小あるいは廃止して財源とすることを考えているような節がある。だが、これまた気になる点である。生活保護をベーシックインカムに吸収するという話なら聞いたことがあるが、年金保険をベーシックインカムに吸収などというのはありえない筋と言うほかはない。 厚生年金であれ国民年金であれ、そこに積み立てられている資産は年金制度に参加していた人々が過去に積み立てた汗の結晶であり、国家が人々に贈与を行うための準備資産などではない。生活保護と年金は別のものなのだ。それを混同して「年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい」などと片付けてしまっては、日本という「国のかたち」が変わってしまう。 ベーシックインカムを政策メニューに入れるのなら、私自身の前回寄稿『菅義偉は安倍晋三のような悪代官になれるのか』(9月30日付)でも書いたように、消費税と法人税あるいは個人所得税との関係整理など、税制全体の全面的な再デザインが必要になるはずなのである』、「生活保護と年金は別のものなのだ。それを混同して「年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい」などと片付けてしまっては、日本という「国のかたち」が変わってしまう」、その通りだ。
・『財源と税制改革の議論なしに語れない  私がベーシックインカムに関する議論を聞くときいつも思うのは、それを唱えるのなら、財源つまり税の問題とセットで議論すべきだということである。 ベーシックインカムとは直接的対価なき政府による給付であり、税とは直接的対価なき政府による賦課である。ベーシックインカムと税とは、どちらも政府と家計との間での市場外における経済価値の強制移転であり、向きが反対になっているだけのコインの表裏なのだ。 繰り返しになるが、ベーシックインカムを唱えるのなら、提唱者が財源をどう確保しようと思っているのか、年金をいじるのではなく税制全体をどう変えようと思っているのか、それを明らかにして世に問うてほしいものである。 ベーシックインカムにおけるさまざまな問題については、私も拙著『国家・企業・通貨』(2020年2月・新潮選書)で今後の国家のあり方とも絡めてやや懐疑的な見方から、他の観点も含めて議論をしているので、ご関心のある方は読んでいただきたい』、「ベーシックインカムを唱えるのなら、提唱者が財源をどう確保しようと思っているのか、年金をいじるのではなく税制全体をどう変えようと思っているのか、それを明らかにして世に問うてほしいものである」、同感である。

第三に、2月11日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「崩壊都市の再生をかけたNY市長選、「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2021/02/ny_1.php
・『新型コロナウイルスによる社会的影響ということでは、ニューヨーク市の状況は非常に厳しいものがあります。人口8400万人の都市において、現在までの陽性者が累計で64万7000人(人口比7.7%)、死者2万7856人(人口比0.03%)というのは、今ではアメリカの平均値よりは「まし」な数字となっています。 ですが、都市機能ということでは瀕死の状態が続いています。まず国際観光都市としての機能は停止、そしてミュージカルや演劇、音楽の拠点都市という機能もほぼ停止、そして知的労働がほぼ100%テレワークに移行したアメリカでは、オフィス関連の経済も低迷しています。その結果として、レストラン業界では現時点で全体の50%近くが閉店に追い込まれており、最終的にはコロナ禍前の3分の1が生き残るかどうかという予測もあります。 経済の低迷、雇用の崩壊が進む一方で、治安の悪化が恒常化しています。治安ということでは、まずコロナ禍の第1波が猛威を振るった昨年春には、24時間営業を中止して閉店している夜間の店舗などを狙った侵入盗が増加しました。また、感染拡大防止のために、刑務所から臨時に釈放された受刑者がホームレス化したことも問題となりました。 また夏場以降は、ランダムなターゲットを狙った乱射事件が散発的に起きています。また、乗客の減った地下鉄や郊外鉄道の車内でも、まるで80年代に戻ったかのような治安の悪化が見られます。そんな中で、市内の富裕層の人口は過半数がすでに市外に流出していると言われています。昨年秋にはこうした状況を受けて、ニューヨーク市内で家具の中古市場が異常に活性化するという現象も起こりました』、「ニューヨーク」はコロナ禍までは治安が改善したといわれていたが、コロナ禍ですっかり以前の状態に逆戻りしたようだ。
・『BI導入を訴えるヤング  こうした中で注目されているのが、今年2021年11月に予定されている市長選挙です。2008年に法改正がされ、市長には3選が禁じられたため、現職のビル・デブラシオ市長は退任となり、新人が争うことになります。 民主党、共和党ともに候補者を決定する予備選は6月に予定されています。ですから、最終的な選挙の構図はそれまでに二転三転するかもしれません。そうではあるのですが、現時点では非常に興味深い対立構図が生まれています。 まず民主党では、10名以上が名乗りを上げていますが、その中から一歩抜け出しているのはアンドリュー・ヤング氏です。台湾系でテック関連の企業家であったヤング氏は、「BI(ベーシックインカム)」の導入を主張して、2020年大統領選挙の予備選に出馬、最終的には撤退しましたが、貧困問題解決の切り札としてBIの施行をブレずに説き続けた姿勢は、若者を中心に大きな反響がありました。 そのヤング氏が、今度はNY市長選に出馬しています。そして、今回の公約もBIが柱です。崩壊したNYの都市機能の中で、貧困問題を解決するにはとにかく給付を一刻も早く届けることだ、ヤング氏は激しくそう問い掛けています。市の財政が破綻寸前である中で、年収がキャッシュベースで2000ドル(21万円)前後という貧困層をまず救済し、そこからBIを拡大してゆく、その一方で「尊厳のある労働」を大原則にNYの雇用と経済を再生するというのです。 その一方で、共和党の側は勢いが出ていません。タクシー業界の利害代表であるフェルナンド・マテオ候補、ウォール街を代表した形のサラ・ティルシュウェル候補などが名乗りを上げていますが、支持は低迷しています。その一方で、共和党の看板ではNY市長選には勝てないので共和党支持者が民主党にくら替えして、民主党内でビジネスにフレンドリーな穏健派を推そうという動きもあります。 共和党候補の中で、興味深い存在がカーティス・スリワ氏です。スリワ氏は、1979年にNYの治安維持を担うボランティア組織「ガーディアン・エンジェルス」を立ち上げて40年にわたって活動してきた人物です。コロナ禍の中での、深刻な治安悪化に対しても「完全非武装」でパトロール活動を続ける姿には共感する人も多い中で、今回の市長選への出馬を表明しているのです。 そんなわけで、とりあえず現時点では「BIを掲げての貧困対策」か、「完全非武装の治安維持活動」かという、興味深い対立構図になっています。どんなに追い詰められても、生活に根差した部分に理念的な筋を通して行く動きが出てくるのが、この街の強みとすれば、今回の市長選がその契機となるかもしれません。 関連記事:NY在住の大江千里が明かす、不思議な感覚を生むコロナワクチン接種体験>』、「市の財政が破綻寸前である中で、年収がキャッシュベースで2000ドル(21万円)前後という貧困層をまず救済し、そこからBIを拡大してゆく、その一方で「尊厳のある労働」を大原則にNYの雇用と経済を再生するというのです」、選挙はかなり先だが、果たしてどうなるのだろう。
タグ:東洋経済オンライン ベーシックインカム 冷泉彰彦 Newsweek日本版 エコノミストOnline 岩村 充 (その2)(ベーシックインカムはクリエイティブな脳を活性化させる=茂木健一郎、竹中流ベーシックインカムはどこが問題なのか だまされるな、本質は新種の「リバース年金」だ、崩壊都市の再生をかけたNY市長選 「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か) 「ベーシックインカムはクリエイティブな脳を活性化させる=茂木健一郎」 「4人の論者に聞いた」とあるが、どう考えても、「茂木」氏がこれらの「論者」の見方を紹介するといった形式のようだ 「大人でも子どもでも、明日どうなるかも分からず生活に追われていると、ゆっくり自分の将来を考えたり、スキルや知識を身につけたりすることができない。BIは脳の発育や脳の創造的な働きへの「投資」と捉えられる」 「BIによって働くモチベーションがなくなる」ことはなさそうだ。 出発点を再定義 「これからは、個人がインターネットにアクセスする環境も国が給付する時代になっていくのではないか」、というのは興味深い見方だ。 「竹中流ベーシックインカムはどこが問題なのか だまされるな、本質は新種の「リバース年金」だ」 週刊エコノミスト誌6月2日号『コロナ危機の経済学』 「月に7万円」、「この金額辺りが「生活」というよりは「生存」のための最低ラインとは言えるかもしれない」、確かに「塩辛い数字だ」 コロナ禍で注目されたベーシックインカム 「日本の全国民一律10万円給付も、ベーシックインカムという旗印こそ掲げていないが、実質的にはスペインの例よりはベーシックインカムに近いといえる」 「効率的な生活支援策」とはいえる いったん給付しながら後で返してもらうというのでは、政府による生活資金貸付と同じことだ 「リバース年金保険」 ベーシックインカムつまり全国民対象の無償現金給付ではなく、全国民を網に掛ける強制的国営金融プランの一種なのである 「後で返してもらう」ことの問題点 「モラルハザード問題」 もらったカネを返すのは嫌だ、だから、後で働くのはほどほどにしておこうという気分も生じそうだ 「生活保護と年金は別のものなのだ。それを混同して「年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい」などと片付けてしまっては、日本という「国のかたち」が変わってしまう」、その通りだ 財源と税制改革の議論なしに語れない 「ベーシックインカムを唱えるのなら、提唱者が財源をどう確保しようと思っているのか、年金をいじるのではなく税制全体をどう変えようと思っているのか、それを明らかにして世に問うてほしいものである」、同感である 「崩壊都市の再生をかけたNY市長選、「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か」 「ニューヨーク」はコロナ禍までは治安が改善したといわれていたが、コロナ禍ですっかり以前の状態に逆戻りしたようだ BI導入を訴えるヤング 市の財政が破綻寸前である中で、年収がキャッシュベースで2000ドル(21万円)前後という貧困層をまず救済し、そこからBIを拡大してゆく、その一方で「尊厳のある労働」を大原則にNYの雇用と経済を再生するというのです」、選挙はかなり先だが、果たしてどうなるのだろう
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ペット(その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている) [生活]

ペットについては、2018年1月31日に取上げた。今日は、(その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている)である。

先ずは、昨年10月29日付け東洋経済オンラインが掲載したネコ心理学者・麻布大学特別研究員の高木 佐保氏による「猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/383369
・『近年急速に進む猫の研究。そのなかで、これまで謎に包まれていた「猫の能力」が明らかになってきている。猫専用ヒーリングミュージックCD付きの『猫がゴロゴロよろこぶCDブック』を著した猫の心理学者が最新の研究から解説する』、興味深そうだ。
・『猫の鳴き声は人好みにかわいく進化した!?  仕事に集中していると、すたすたと歩いてきて、「にゃお~ん」とかわいく鳴く猫。ついついかまってあげては仕事が進まず……なんていう経験をしている飼い主は、私だけじゃないはず……。 猫の「ミャオ」という鳴き声は、意外にも大人になった猫同士ではほとんど使われません。本来、仔猫が母親の気を引くための鳴き声だからです。 つまり、大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っているのですね。 それではその鳴き声は、昔からかわいかったのでしょうか? 祖先種と比較して、本当にかわいくなっているのかを調べた論文があります。 アメリカのコーネル大学の研究者は、ヤマネコの「ミャオ」という鳴き声と猫の「ミャオ」という鳴き声の音響解析を行いました。 すると、猫の「ミャオ」の方がより短く、高くなっていることがわかりました。 一般的に高い声は「小さな生き物」を示唆します。 この解析結果からも、猫の声がかわいい鳴き声になっているといえそうです。 この研究のおもしろい点は、それを実際に人に聞かせて、「どれくらい心地よいのか」を評定してもらったところです。この評定を行うことで、人が聞いて「かわいい」声に進化したのかどうかが明らかになります。 その結果、ヤマネコの鳴き声よりも、猫の鳴き声の方がより心地よいと判断されました。 猫は人と共生するようになって、人が好むような声に変化させてきたといえます。 おそらく、猫と人の共生が始まった頃に、たくさんいる猫のなかでも、たまたま人が聞いてかわいい声で鳴く猫に、人が多くの餌をあげたりしたのでしょう。その猫の栄養状態はよくなり、より多くの子孫を残したと推測されます。 もしくは、甘え上手な猫が屋内で大切に育てられたなどの経緯があったのかもしれません。そのような共生の歴史のなかで、かわいく鳴く猫が多く生き残っていったのだと考えられます。 みなさんは、猫が窓の外を見ながら物思いにふけっているような様子を見たことはありませんか? このような猫の様子を見ていて、1つ気になることがありました。 それは、猫も人のように、楽しかった思い出などをなつかしく思い出したりするのだろうか?ということです。 いわゆる「思い出」を心理学では「エピソード記憶」と呼びます。 猫のエピソード記憶を調べる方法は次の通りです。 4つのさまざまなお皿を用意して、すべてにごはんを入れます。 お皿の前に猫を連れて行き、お皿に入ったごはんのうち2つは食べさせますが、残りの2つのお皿からは匂いを嗅がせるだけで、食べさせません。 その後15分程度、他の部屋で違う実験をしたり、一緒に遊んだりしてごはんのことをいったん忘れてもらいます。 15分後、もう一度お皿の置いてある部屋に猫を入れ、自由に探索させます。 猫が記憶を頼りに探索行動ができるように、お皿の中身は実験者によって取り除かれています(もしごはんがそのまま放置してあると、猫はごはんという外部の手掛かりを用いてしまうため)』、「大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っている」、「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定とは初めて知った。確かに巧な戦略だ。
・『猫が探索したお皿は?  さて、猫はどのお皿を探索したでしょうか? 結果は、猫は先ほど食べ損ねたお皿を長く探索することがわかりました。 「あれ?さっき食べ残したはずなのに……」とでも思っているのでしょうか。 このような実験から、「猫もエピソード記憶をもつ」ということがわかりました。 実はこの実験は犬でも行われたのですが、結果は猫とほとんど一緒でした。 犬も猫もお留守番中や、ふとした瞬間に「昨日飼い主さんと遊んで楽しかったなあ」「さっきもらったおやつ、おいしかったな」などと思い出しているのかもしれませんね。 また、エピソード記憶は、未来に向けた想像力との関連も指摘されています。 もしかしたら窓の外や飼い主を見つめている猫は、これまでの猫生のいろいろな回想をしたり、「明日、あのおやつをもらえたらいいなあ」と思ったりしているのかもしれません。 猫と暮らしていると、猫の自由奔放な行動に悩まされることもあります。 そこで、日々の暮らしから疑問が湧いてきました。 猫は人の表情(顔色)を読むのでしょうか?そんな疑問に答えた研究があります。 2015年にアメリカの研究者が「猫は人の感情を区別できるのか」についての論文を発表しました。 実験はすごくシンプルです。 飼い主と知らない人がそれぞれ、楽しそうな表情/怒った表情を表出し、その際の猫の行動を観察します。 この実験のポイントは、声の効果を除外するために、表情のみを表出するところです。 怒り声を出してしまうと、本当に猫が表情を読んだのか、声を手掛かりにしたのかがわからないからです』、「猫」や「犬」に「エピソード記憶」があるのであれば、「窓の外や飼い主を見つめている」時には、「いろいろな回想をしたり」「しているのかもしれません」、と想像するだけで楽しくなる。
・『知らない人の表情には関心がない  その結果、猫は飼い主が楽しそうな表情をしているときによく接近し、猫自身ポジティブな行動(耳を前に向ける、リラックスした姿勢をとるなど)をよく見せることがわかりました。 一方で、知らない人が楽しそうな表情を見せても怒りの表情を見せても、猫の行動は変化しませんでした。大変おもしろい結果です。 おそらく猫は、人の表情を一般化して理解してはいないのでしょう。 「飼い主さんがこんな感じの顔をしているときは、近寄っていくといいことがある!」と個別の学習をしていると考えられます。 そのため、知らない人が同じ表情を見せても、猫にはなんのことかわからなかったのかもしれません。もしくは、知らない人に対しては親しくしてほしくなかった可能性もありますが……。 犬の場合、たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できるといわれています。犬はより一般的な「人の表情の理解」が見られるといってもよいのかもしれません。 犬に対して猫は、飼い主の表情を地道に学んでくれているとすると、とってもかわいい結果だなと思います』、「犬」の場合は「猫」と違って、猟犬や犬ぞり牽引などのように、「飼い主」が複数になる場合もあるので、「たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できる」ようになったのだろう。歴史的経緯がペットの世界にもあるようだ。

次に、本年1月4日付け東洋経済オンラインが掲載した獣医師の奥田 順之氏による「「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/397957
・『「犬は家族に順位を付けている」という話が、実際は異なることが最近の研究で明らかになっています。獣医師の奥田順之氏の『“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾』より一部抜粋・編集してお届けします』、「俗説」には「要注意」のものもあるようだ。
・『しつけに関する俗説に要注意  かむ犬に対するしつけに関しては、さまざまな俗説が聞かれます。 「かむ犬には上下関係を教えないといけない」 「リーダーウォークが大切」 「かまれたら、手を口の中に押し込め!」 よく聞くこのようなアドバイスは、本当にかむ行動を解決できるのでしょうか?結論からいいますと、これらの俗説を信じて対応することは、意味がないばかりか、攻撃行動を悪化させることすらあります。 もちろん、たまたまうまくいく場合もありますが、深刻な攻撃行動に対しては、大抵はうまくいきません。その理由は犬がかむ行動の原因に目を向けていないからです。 犬がかむ原因はひとつではなく、多様な要因が絡み合っており、改善には、それぞれの要因に合わせた対応を行う必要があります。かむ原因に目を向けずに、「かむ犬には〇〇をすればいい」という、短絡的な対応をしても、かみつきが改善されることは稀です。 たとえば、車が動かなくなった時、エンジンが悪いのか、タイヤが悪いのか、電気系統が悪いのか、バッテリーが悪いのか、わからずに対処するエンジニアはいません。 犬と人の関係も同じです。犬がかむ、人がかまれるという関係は、決して良い共生関係とはいえません。その共生関係の破綻がどのようにして起こっているか、その原因もわからずに、「リーダーウォークで上下関係を教える」という対処をしても、エンジントラブルで動かない車のタイヤ交換をするようなものです。 かむ行動には理由があります。それもとても多くの要因があり、親犬からの遺伝、胎児の時の発達、母犬の子育ての仕方、社会化などの発達の問題や、脳や身体の疾患が関わっていることもあります。 そして、どんな攻撃行動でも、飼い主との相互学習の影響は大きいといえます。そのうえ、それぞれの家庭において、それぞれ独自の学習が起こっています。それぞれの攻撃行動は、個々の環境で多様な要因が積み重なって発生しています。これらの要因を知らずして、攻撃行動への対処はできないわけです。 「犬は家族に順位をつけて、自分が上に立つからかむんでしょ?」という話は、飼い主さんからよく聞きますし、半ば常識化しているような気がしますが、この話は迷信だということをご存じでしょうか。 犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません。さらにその順位を理由にして、犬が上位だから、下位の家族を攻撃するという考え方はとても無理があります』、「犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません」、なるほど。
・『オオカミの行動研究を犬に当てはめていた  では、この順位づけの迷信はどこから生まれたのでしょうか。これはオオカミの行動研究を犬に当てはめて考えたことに起因しています。従来、オオカミの行動観察は、飼育下での行動を中心に研究されてきました。 飼育下のオオカミの群れでは、社会的階層構造が築かれることが知られています。群れの最上位の個体のことをα(アルファ)、その次の個体をβ(ベータ)、その次をθ(シータ)と呼称し、食事の摂取や心地よい寝床の使用など、資源が競合する場面で、順位が上の個体が優先権を持つことが観察されています。 そして、群れのなかはαの座を巡って常に緊張関係にあり、順位関係の挑戦に基づく攻撃行動が観察されたため、オオカミの群れでは、直線的で絶対的な順位関係が存在すると考えられてきました。 しかし、近年、野生のオオカミの群れを観察した研究によって、この考えは覆されました。野生のオオカミの群れは基本的に血縁のある家族であり、両親と子どもたちによって構成され、直線的で絶対的な順位関係を築くのではなく、親や若い個体が、幼い子どもに食餌を与えるなど、互いに支え合いながら生活していることがわかってきました。 「犬は家族との間に序列を作る」という話は、従来の絶対的順位関係を作ると考えられてきたオオカミ像を、犬に当てはめて考えるようになったことがきっかけでした。オオカミの群れのように、人と犬の間でも、人が犬のαにならなければならない、人が犬の絶対的上位者にならなければならないという考え方が広まったのです。 さらに、この考えを攻撃行動に当てはめたものが、アルファシンドローム(権勢症候群)です。アルファシンドロームは、犬が認識している自らの社会的順位が脅かされることによって生じる、もしくはその順位を誇示するためにみせるとして定義されてきました。 たとえば、犬が何か自分にとって嫌なことが起こりそうになった時、食べ物など良いものを取られそうになった時、ソファなど気持ちの良い寝床からどかされそうになった時などに、家族に対して攻撃する状態を指し、その原因について、犬が家庭内でαになってしまったためだと解釈されていました』、「アルファシンドローム」など「俗説」は、一見、もっともらしいだけに騙され易いようだ。
・『「犬が上に立っているからかむ」は迷信  犬をαにしてはいけない、飼い主がαにならなければならないという考え方は旧来行われてきた体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化し、また、飼い主にそうしたトレーニングを指導するうえで、都合のいい考え方でした。 そのうえ、オオカミが順位を作り、犬も同じように順位を作るという話は、正しいかどうかは別として、専門家や飼い主にとってわかりやすかったため、世界的にもてはやされました。そして、日本では今でも信じられているという状況です。 しかしながら、野生のオオカミの群れの観察で、α理論の根拠となっている従来のオオカミ像が否定されたうえに、オオカミと犬の行動も大きく異なっていることがわかっている現在、α理論を、人と犬の関係を説明するために用いることは不適切であると考えられています。 かつて、アルファシンドロームと診断された犬でも、あらゆる場面で攻撃的になるわけではなく、攻撃的になる場面では、フードを守る、居場所を守る、触られるのが嫌・怖い等、それぞれに特定の原因が存在します。 
このことから、個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています。「犬が上に立っているからかむんだ」という指摘は、根拠のない、迷信なのです』、「個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています」、今回の「迷信」は「世界的」だったとはいえ、今だに信じる日本人が多いのは、残念なことだ。

第三に、2月14日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーライターの圓岡 志麻氏による「島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/409909
・『コロナによるライフスタイルの変化は、動物にも大きな影響を与えている。家にいる時間が長くなったことでペット需要が高まり、ペットショップでの販売数や、保護団体への譲渡申し込みが増えたというのだ。 国全体の犬猫の殺処分数は減っているものの、まだゼロには至っていない。共生社会に向けて、動物と暮らすという選択肢が増えるのは望ましいことだ。 ただ、ペットを巡る社会状況は大きな矛盾もはらんでいる。生きる場を与えられず処分されてしまう犬や猫がいるいっぽうで、ペットを販売するペットショップや繁殖させるブリーダーがいる。一概にどうとは言えず、簡単には答えの出ない問題だ。 こうした状況に一石を投じたのが、ホームセンターの島忠である』、日本は主要先進国のなかでも、「ペットショップ」で「ペット」が「販売」されている数少ない国だ。
・『ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に  島忠では2020年7月1日より、与野店、浦和南店においてのペット陳列販売を廃止。同店での販売方法を、島忠の認可を得たブリーダーを通じての紹介に切り換えた。また、ペットの陳列販売が行われていた、店内のケージの並ぶスペースは、両店で月に2~3回実施される保護動物譲渡会の場として活用する。 ペットをビジネスとする事業者にとって大きな決断であり、ここまで至るにはさまざまな障壁があったことだろう。それらを越えて一歩を踏み出した思いの強さもまた感じられる。 さいたま市の島忠本社を訪ね、今回の経緯や意図、今後の見通しなどについても聞いた。なお、以下レポートは2020年10月29日に取材した内容をもとに構成している。 まず同社での保護動物に関する一連の取り組みについて、島忠セールスインキュベーション部(取材当時)重田賢一氏は次のように説明する。 「当社での保護動物譲渡会などの取り組みは2017年からです。活動を行うなかで、社会の変化につれ、取り組みを応援するリアルなお客様の声がSNSなどを通じて寄せられるようになりました。もとは1人の社員の熱意から始まったことですが、社内でも意識が変わってきました。今、保護動物が家族としての新しい選択肢として当たり前になろうとしている。そうした大きな潮流を感じています」(重田氏) 同社ではさいたま市ほか都内近郊18店舗(2021年2月現在は実施店舗が増え、28店舗)で保護猫譲渡会を行うほか、「犬猫フード募金」として、犬猫フードの売り上げの一部を保護動物団体に寄付している。 譲渡会については、コロナによりイベント等が中止されていた状況下でも、「流れを止めてはいけない」という思いから、コロナウイルスの感染対策を講じ、6月末から開始していたそうだ。 2回目の宣言が発令されている現時点でも、「イベントではなく、保護動物を救うための社会貢献事業」(同社ホームページより)としての位置づけであるため、一部店舗を除いて、感染症対策に一層の留意をしながら継続させている』、昨年7月から「ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に」、とは思い切った戦略だ。
・『動物との共生社会…譲渡会を行う意義  同社の立場の難しさが、ペットやペットグッズでビジネスを行っている企業であるいっぽうで、保護動物活動に取り組んでいるところである。皮相的な見方をすれば、保護猫などを里親に譲渡する譲渡会は、ペットショップにとっては競争相手になるともいえる。 しかし同社は、「動物との共生社会」という、より大きな目標に向けて、取り組みを進めていこうとしている。 まず、譲渡会に関しては、全店舗中のペットショップのない店舗に限り行うこととしている。 また譲渡会には、地域における動物愛護活動や、保護猫活動にまつわる意識啓発という面もあるという。今はずいぶん意識が高まっているものの、昔は飼えなくなった動物を無責任に誰かにあげたり、捨てたりするのは当たり前に行われていた。こうしたことも結果的に行き場のない猫や、不幸な猫を増やす原因になる。 「まず地域地域で、意識を高めていく必要があります。その点で、店舗での譲渡会がお客様にとっては気づきの機会になると考えています」(重田氏) もちろん、譲渡会で里親になってくれる家庭が増える利点も大きい。地域にとってはいわゆる「野良猫」が減り、活動団体にとってはレスキューする猫が減るから助かる。そしてペットを飼う家庭ではペットフードやグッズが必要になるが、島忠ではペットフードについては売上金の一部が募金になるので、保護活動と地域の間でお金が循環する仕組みができあがる。 島忠という企業、保護団体、地域や飼い主という3者が連携しながら、共生社会へ向けて取り組みを継続させていくイメージだ。 そして、2020年7月の一部店舗における展示販売廃止はさらに2歩も3歩も先へ行く取り組みだ。同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する。 このことについて、同じくセールスインキュベーション部の君島雄貴氏は次のように説明する。 「動物と飼い主が正しく出会う場の選択肢を増やしたいという思いがありました。ブリーダーがわが子のように手塩にかけて育てた動物たちを新しい家族に引き合わせる。命を大量生産して陳列するのではなく、地域のお客様と新しい家族のマッチングの場となるような場所にしたいです」(君島氏) また、ペットショップにとってもメリットがある、と君島氏は説明する。 「地域に飼い主が増えれば、動物病院よりはもう少し身近な相談所が必要になるはずです。現に、コロナ禍では病院が休みになったり、受け入れ制限があったりで、ペットショップに相談に来られた飼い主さんも増えたんですね。また療法食といったプロ用の商品の品揃えや、ケアなどのサービスも含めた、ペットに関する知識に裏付けられたより細やかな接客が求められるようになると考えます」(君島氏) ペットショップ側でも、展示販売といってもただ並べて売っているだけではない。動物の世話をしたり健康を維持する、いわば動物園で言う「バックヤード」の部分が存在する。そのバックヤード機能を前面に出し、より付加価値の高いサービスへと進化させていくということだろう』、「同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する」、なるほど。
・『島忠の活動は「エポックメイキングな取り組み」  島忠の今回の取り組みには、ブリーダーの選別という利点もあるそうだ。ブリーダーの中には悪質な業者もあり、十分なスペースがない環境で飼ったり、動物の健康に配慮せず無理な繁殖をさせるところもあるという。 今は全国60店舗のうち2店舗で実験的に始めた取り組みだが、SNSなどでも消費者からポジティブな反響を受けており、広げていくことを願っているそうだ。 こうした島忠の活動について、保護猫団体にも話を聞いた。同社に2017年から協力している川越市の団体「ねこかつ」だ。 「島忠さんはわれわれにとっては希望の光です。島忠さんで譲渡会を開催していただいていることは、世の中をガラッと変える、エポックメイキングな取り組みだと思いますよ」(ねこかつ代表の梅田達也氏) 梅田氏は小学生の頃から「保健所などに送られる猫を助ける仕事がしたい」という目標をもち、会社員時代は休日を保護猫ボランティアに費やしていた。 2011年、東日本大震災における動物レスキューにボランティアで参加。 しかし、収容するための人手も場所も不足し「助けたくても助けられない」という悲しさ、悔しさを噛みしめた。このことをきっかけとし、保護すべき猫をゼロにすることを目標に、2013年、保護猫カフェである「ねこかつ」を始めた。 団体名には、猫の保護活動を「婚活」「就活」のように当たり前のこととしたい、という思いが込められている。 島忠と連携するようになったきっかけは、島忠側から保護猫譲渡会の依頼があったことだそうだ。 「いろいろな施設にご協力いただいて譲渡会を行ってきました。動物愛護に関する施設側の熱意や取り組みはそれぞれ異なりますが、その中でも島忠さんは一貫して続けてこられていて、しかも年を追うごとに、熱意が強くなっていった感じがしています」(梅田氏) 2017年当時窓口になっていた1人の担当者の思いが社内に広がっていったことを感じたという。 「社員の方による動物愛護センターの視察も不定期に行っており、私も3回ほど立ち会っています。つまり、殺処分を待っている動物たちがいる現場ということです。私たち保護活動家はかわいそうで見られないんです。でも、島忠の社員さんは『実際に見ないといけない』という覚悟を持っていらっしゃるようですね」(梅田氏) なお島忠ではこうした活動のほか、2019年には海外の現地調査も実施。社員を派遣し、アメリカの動物愛護活動に取り組んでいる企業を視察した。一般的に、動物保護の法制度や体制に関しては欧米のほうが先進的であるとされている』、「ブリーダーの中には悪質な業者もあり」、今回の措置は「ブリーダーの選別という利点もあるそうだ』、「悪質な業者」を淘汰する意義は大きそうだ。
・『コロナ禍でのペットブームとこれから  最後に、島忠、ねこかつ両者にコロナ禍でのペットブームについても聞いてみた。ペットを受け入れたものの、実際には飼えなくなるケースも出ているのでは、と考えたためだ。 「緊急事態宣言下では、HC(ホームセンター)の売り上げ同様、ペットの生体販売やペット用品の売り上げは伸長しておりました。また保健所への問い合わせが増えたということは耳にしました。都内近郊は保護団体が活発なのですが、地方に行くほど団体が少なくなるし、動物保護に対する意識も遅れているように感じます。自粛期間(筆者注:2020年4〜5月の緊急事態宣言期間)はまた保護団体も譲渡などの活動ができなくなりましたし……。近県での動物愛護センターが犬や猫で満杯になった、という話です」(君島氏) 一方、ねこかつでは里親を希望する家庭の面接をし、飼うのが難しいと判断した場合は譲渡を断る場合もある。そのため飼い続けられない、という相談は入っていないそうだ。 今は改定動物愛護法のもと、動物を捨てることは犯罪として禁じられている。また動物保護団体はねこかつのように、飼い主の家庭環境を見極めたうえで譲渡するところがほとんどだ。愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきているのだろう。 コロナ禍など社会の変化があったとしても、この流れを中断させるようなことがあってはならない。企業の保護活動についても、その火が絶えることのないよう、消費者自身も手を携えて守っていかねばならないだろう』、「愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきている」、他の先進国に比べ遅れていた日本も漸く変わりだしたのは好ましいことだ。広く定着してほしいものだ。
タグ:ペット 東洋経済オンライン (その2)(猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力、「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化、島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている) 高木 佐保 「猫が飼い主の顔色を読んで振る舞っている証拠 人との長い共生を経て進化した実はすごい能力」 『猫がゴロゴロよろこぶCDブック』 猫の鳴き声は人好みにかわいく進化した!? 「大人の猫が「ミャオ」と鳴くのは、対人に限定されているのです。 猫は対人用コミュニケーションで自らの強力な武器である「かわいい」鳴き声を使って、人を見事に操っている」 猫が探索したお皿は? 「猫」や「犬」に「エピソード記憶」があるのであれば、「窓の外や飼い主を見つめている」時には、「いろいろな回想をしたり」「しているのかもしれません」、と想像するだけで楽しくなる 知らない人の表情には関心がない 「犬」の場合は「猫」と違って、猟犬や犬ぞり牽引などのように、「飼い主」が複数になる場合もあるので、「たとえ知らない人の刺激を用いてもポジティブな表情とネガティブな表情を区別できる」ようになったのだろう。歴史的経緯がペットの世界にもあるようだ。 奥田 順之 「「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない訳 体罰を用いる強制的なトレーニングを正当化」 『“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾』 しつけに関する俗説に要注意 「犬の群れでは、階層的な順位関係が観察されないことが、野犬の群れの観察から見出されています。犬同士ですら明確な順位をつけないのですから、人と犬の間で順位を付けるというのは論理が通りません」 オオカミの行動研究を犬に当てはめていた 「アルファシンドローム」など「俗説」は、一見、もっともらしいだけに騙され易いようだ 「犬が上に立っているからかむ」は迷信 「個別の場面では個別の動機づけを分析する必要があり、序列関係を攻撃行動の原因と考えることは適切ではないという考え方が、行動学者の間でも一般的になっています」、今回の「迷信」は「世界的」だったとはいえ、今だに信じる日本人が多いのは、残念なことだ 圓岡 志麻 「島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている」 日本は主要先進国のなかでも、「ペットショップ」で「ペット」が「販売」されている数少ない国だ ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に 昨年7月から「ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に」、とは思い切った戦略だ 動物との共生社会…譲渡会を行う意義 「同店舗では生体の陳列販売を廃止し、店頭でブリーダーとのマッチングを提案する」 島忠の活動は「エポックメイキングな取り組み」 「ブリーダーの中には悪質な業者もあり」、今回の措置は「ブリーダーの選別という利点もあるそうだ』、「悪質な業者」を淘汰する意義は大きそうだ コロナ禍でのペットブームとこれから 「愛護動物を巡っては、人の意識も社会制度も、一昔前とはずいぶん変わってきている」、他の先進国に比べ遅れていた日本も漸く変わりだしたのは好ましいことだ。広く定着してほしいものだ。
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飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) [生活]

今日は、飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度)を取上げよう。

先ずは、昨年12月5日付け東洋経済オンライン「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393553
・『「ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります」 2019年の大晦日。このような書き出しで始まる投稿をある医師がフェイスブックで行った。その後、この発言はネットを中心に波紋を広げることになる。 投稿者は、国立精神・神経医療研究センター病院の薬物依存症センター長を務める松本俊彦氏。過激とも受け取れる発言をしたのはなぜか。インタビューをしたところ、背景にあったのは精神医療の臨床現場で感じる危機感だった(Qは聞き手の質問、Aは松本氏の回答)』、興味深そうだ。
・『エチルアルコールは依存性薬物  Q:ストロング系酎ハイを危険ドラッグとみなす発言は、ネットニュースでも大きく報じられ話題になりました。酒類メーカーの反論などありましたか。 A:メーカーからクレームを受けると思っておびえていたが、それはなかった。まあ、放っておけということなのだろう。 一方、同業である精神科医たちからは、「そうだよね」と同意してくれる声が多かった。依存症を専門とする精神科医師の間では、「ストロング系はヤバい」という認識が以前からあった。ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている。 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす。 酩酊した状態でコントロールが効かなくなり、リストカットの傷を深く入れてしまう女の子もいる。しらふだったらそこまで切らないのに、ざくざくと切ってしまって大騒ぎを起こす。精神科臨床の現場では、そういう事例をすごく見るようになった。 Q:先生の専門は薬物依存の治療です。それなのにアルコールの問題に声を上げたのはなぜですか。 A:覚醒剤などの薬物使用をがんばって断ち切っても、使いたいという欲求はやはり出てくる。そのときに「お酒ならいいだろう。薬物ではないのだから」と、酒に移行する人が一定数いる。 「酔っ払って訳がわからなくなれば薬物への欲求もなくなる」と思って一生懸命飲む。だけど、本当に訳がわからなくなって、売人に連絡を取ってしまい気づいたら注射器が腕に刺さっていました、というような人が結構いる。このようなケースは、ストロング系が出てきてから多くなったと感じる。 酒に含まれるエチルアルコールは、れっきとした依存性薬物。極端な言い方になるが、エチルアルコールは依存性という点で大麻よりもはるかに危ないと思っている』、「ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている」、「家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む」、こんな飲み方を放置すれば、かなりの人が「アルコール依存症」になってしまいそうだ。何らかの対策が必要だろう。

次に、12月6日付け東洋経済オンライン「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393675
・『「朝起きてまずストロングを飲み干す。化粧をしながら二本目のストロングを嗜む」――。 出版社で働くミナは他人に口外できない秘密を抱えていた。それは誰もがうらやむ存在だった同棲中のイケメン彼氏・行成が鬱(うつ)病で引きこもり状態になったことだ。 芥川賞作家の金原ひとみさんが文芸誌『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』。つらい現実から逃れるために、アルコール度数9%の缶チューハイ「ストロング」に依存していく女性が描かれている。 自身も愛飲しているという金原さんに、作品着想の経緯や、ストロング系飲料の魅力と落とし穴について聞いてみた(Qは聞き手の質問、Aは金原氏の回答)』、「自身も愛飲しているという金原さん」の見解とは興味深そうだ。
・『退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた  Q:まずは『ストロングゼロ』を執筆した経緯を教えてください。 A:6年間住んだフランスから2年前に帰国して以来、日本人とお酒の関係をすごく特殊に感じてきました。仕事においてもお酒が関わってくる飲み会文化があったり、お酒に酔って人前で醜態をさらすことが日常化していたりする。フランスではあまり見ない光景が、数年ぶりに見たときにすごく印象的でした。 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています。 ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感しました。自分自身も飲んでいたし、外でも日常的に目につくようになった。電車の中やコンビニの駐車場で飲んでいる人もいて、とても退廃的で興味深く感じていました。そこで、何かに依存する人々というテーマで書いてみたいと思ったんです。 Q:作中では主人公のミナがコンビニのアイスコーヒー用の氷入りカップに「ストロング」を入れて、社内でストローを使って堂々と飲むシーンがあります。「何飲んでるのと聞かれたらレモネードか炭酸水と言えばいいのだ」と妙にリアルです。 A:この方法は出版社に勤める知人の男性から聞きました。その話を別の知人にしたら、「うちの会社にもいますよ」と言う人もいて。酒飲みが考えることは同じなんだなと。「いつも酒臭くてバレバレだ」と言っていたけれども。これは依存の渦中にある人でないと思いつかない発想だなと、ありがたく使わせてもらいました。 Q:金原さん自身もお酒がお好きだそうですね。本作以外の作品にもお酒が登場することが多いように感じます。 A:自宅にはビールやワインを常備しています。基本的にビールから入って、次にチューハイやストロング、最終的にワインに行き着くという飲み方。ストロングゼロも自宅にいつも置いてあります。ネット通販で毎回1箱(24缶)を買うのですが、私も旦那も飲むので割とすぐなくなります。 Q:ストロング系の魅力はどこにありますか。 A:一番は手軽さと安さでしょうか。安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う。ニーズに合っていて、かつ、人を魅惑する商品だと思います』、「日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています」、(「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う」、「罪深い飲み物」とは言い得て妙だ。

第三に、12月7日付け東洋経済オンライン「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393679
・『自社初となるチューハイ商品を出してからわずか7カ月で商品戦略を大きく転換した企業がある。沖縄のビールメーカーであるオリオンビールだ。 同社は2019年末、自社ブランド「WATTA(ワッタ)」の商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した。ストロング系の生産停止を決断したのは、2019年7月から経営トップを率いる早瀬京鋳社長だ。 生産をやめた理由は何だったのか、オンライン形式のインタビューで真意を尋ねた(Qは聞き手の質問、Aは早瀬氏の回答)』、「ストロング系」「を出してからわずか7カ月で」「生産停止」とは何があったのだろう。
・『高アルと健康志向の商品を作る矛盾  Q:ストロング系の生産をやめた背景には何があったのですか。 A:2019年の11月頃、あるNPO団体が主催した会合でのやりとりが転機となった。社員と参加したその会合は社会問題を幅広く研究する場だった。私たちが自己紹介をすると、「今日はオリオンビールの方がいて、ちょっと言いにくいんですけど」と、参加者の1人が切り出した。 薬物やアルコールの依存症問題に関わるNPO団体の方で、次のような話をしてくれた。 「コンビニで買った高アルコール(高アル)チューハイを1~2本飲み、酔っ払って倒れるように寝る。そのような習慣を持つアルコール依存症の人はすごく多い」 ちょうどこの頃、社内ではアルコール度数の低い健康志向商品を作る企画を進めていた。われわれはアルコール依存症の温床とも指摘されている商品と同時に、健康志向のアルコール商品も作ろうとしている。そこに何か矛盾を感じた。 営業マーケティング部門や製品部門、幹部が全員集まる大きな会議がある。その場で私は「高アルをやめる?」と述べ問題提起した。 Q:突然の発言に反対の声が上がったのでは。 A:当然、その場はざわついた。「チューハイの売り上げの4割を占める商品ですよ」と。「でも4%がいちばん売れているんだよね」と返した。 実際、「ワッタ」の売り上げの4割はアルコール度数9%のストロング系だったが、度数4%の商品のほうが売れていた。つまり当社のチューハイで消費者が支持していたのは、アルコール度数ではないということ。シークヮーサーなど沖縄の県産品とコラボしていることなどを評価してくれていた。 コンビニやスーパーでぜひ確かめてほしい。お酒の売り場がどれだけ度数9%の商品で埋められているかを。 商品訴求の優先順位において、アルコール度数の位置づけを下げる会社が1社ぐらいあってもいい。しかも健康志向の商品を作っているのだから、高アルはもうやめようとなって、2019年12月に9%商品の生産を停止した』、「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ。

第四に、12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256870
・『ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか  最近、ストロング系チューハイの功罪両面についての話題が目につきます。ストロング系チューハイとは、価格が安くアルコール度数が高いチューハイの総称で、今若者を中心に大人気となっているお酒です。 功罪の「功」の面としては、ウィズコロナで低迷する消費のけん引役としての評価が高い商品だという点です。小売の酒類の現場で見れば、とにかく売れている。どれくらい売れているかというと、今年4月にストロングゼロを含むサントリーの缶チューハイ「-196℃」ブランドの売り上げが、ギネスブックで世界記録に選ばれたほどです。 ウィズコロナ期間に相当する今年4月から8月のお酒の累計課税数量は、全体で前年同期比6%のマイナスです。中でも清酒やビールなど主力製品の売れ行きが前年割れと振るわない中で、リキュール(缶チューハイはこの分類に含まれる)は対前年で16%のプラスとなっており、群を抜いています。 ひとことで言えば、世帯収入が減る中で「安くてすぐに酔えるストロング」は庶民の味方となっているわけです。 一方で功罪の「罪」の面として、そのアルコール度数の高さから、ストロング系缶チューハイの健康に対するリスクの指摘が相次いでいます。口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念です。 私は医療ではなく経済の専門家なので、まず経済の切り口で、今ストロング系缶チューハイとウィズコロナ消費について何が起きているのかを、見てみたいと思います。そのうえで、社会全体としてこの問題が何を意味するのかをまとめてみます。 私たちコンサルが世の中の消費動向を把握する手がかりとしてよく使うデータが、国が発表する『家計調査』です。9000世帯の家計簿を統計にしたものですが、これがミクロの消費動向を把握するのにはとにかく役立ちます』、「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ。
・『「ウィズコロナ消費」を理解するという意味では、今年7~9月の四半期データを見るのがいいでしょう。典型的な家計という視点で「2人以上の勤労者世帯」のデータを見ると、この期間、支出全体は前の年と比べてマイナス8.3%でした。今夏はやはりコロナの影響で、消費は停滞していたことがわかります。 品目別に前年と比べて2割近く節約されたものを見ると、外食、旅行、交際費全般、そしてファッションといったお金の使途が並びます。これらは、ウィズコロナで悲鳴を上げている業界のリストと合致しています。しかも「GoTo」で政策的に需要を創り出したうえでの2割減ですから、この先GoToの自粛や停止が広がれば、さらに需要は低迷しそうです。 そのぶん、巣ごもり消費で食料全般への支出が増えていると思うかもしれませんが、実際には、食料全体の増加分は前年比プラス1%とわずかなものです。この時期、生鮮食料品の価格全般が値上がりしていたことを考えると、むしろ食費については巣ごもりが進んだにもかかわらず、節約が徹底していたと考えるべきでしょう』、なるほど。
・『コロナ禍の巣ごもり消費で顕著に増えたのは酒とたばこ  さて、ウィズコロナのこの時期に消費が対前年比で2割以上増えた品目を探すと、4つしかありません。1つは自転車。増えた理由も何となくわかる商品ではありますが、家計に占める支出額としてはそもそも非常に小さい品目です。2つ目は健康関連の商品。これが増えるのはまあ、当然でしょう。 そして残る2つの品目が、本稿のテーマにも関係するものなのですが、酒とたばこです。 今年7~9月期の2人以上の勤労者世帯で、酒の支出は前年から24%増、そしてたばこは何と31%増となっています。ちなみにこの統計データは、今年10月のたばこの値上げ前のデータなのですが、6月も30%増となっているので、駆け込み需要というよりも、単純に喫煙者の外出が減ったぶん、たばこを吸う本数が増えたということが、この統計からは読み取れます。 自宅での酒の支出の増加については、追加の考察が必要だと思います。ここまでの話で酒の課税データを見ると、ウィズコロナでの課税数量は6%のマイナスになっています。つまり、外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多いのではないかという見方もありえます』、「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう。
・『課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実  では、酒飲みの方のアルコールの量は減ったのでしょうか、それとも増えたのでしょうか。 全体像を捉えるにあたって気を付けるべきポイントが、2つあります。1つは国税庁の課税データで、アルコール度数の少ないビールの数量が減って、アルコール度数の高い缶チューハイの数量が増えていることです。つまり、課税数量は減っていてもアルコールの量は減っていない可能性がある。これが1つ目のポイントです。 そしてもう1つは、外食が減った分、お付き合いでお酒を飲む人の消費はまるまる減ったということです。我が家は典型的にそういう家庭ですが、家族は外食するとお付き合い程度にアルコールを口にします。しかし、自宅の冷蔵庫にビールや缶チューハイは入っていません。そういった世帯のアルコール消費は、そもそも外食の自粛とともにすっかりなくなってしまいます。 そう考えると、逆に冷蔵庫にアルコールが常備されている家庭においては、ウィズコロナ期間、アルコールの消費量は増えているという風に統計を読み取るべきでしょう。 家庭内でのアルコールの支出を家計調査で見ると、緊急事態宣言が発令された4月、5月に対前年比で約3割も増加したうえで、解除後の6月以降も毎月約2割増をキープしています。それを考えると、コロナ第三波による自粛で巣ごもりが増えるであろうこの冬には、また支出が前年比3割増のラインに戻ることが予想されます。 さて、ここまでの話をまとめると、ウィズコロナ消費についての異様性が際立ちます。 平均的な国民の収入が減り、財布のひもが堅く締められている。緊急事態宣言後も旅行や外食は手控えられ、外出が減った関係で、ファッションにもお金は使わない。食費もそれなりに節約する中で、たばこと酒の量だけが増えている――。 統計を見る限り、今の日本の家庭はそういう状態になっています。結構思い当たることも多いと思いますが、これはかなり衝撃的な傾向ではないでしょうか』、「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ。
・『コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪  酒とたばこの消費が増えているというのは、当たり障りのない表現です。経済的にはその通りなのですが、社会学的に言うと、これは「精神安定剤」の需要が増大していることを意味しています。コロナで健康面でも経済面でも先行きが不安だから、酒とたばこに手を伸ばす人が増えたということに他なりません。 現在、習慣的に喫煙をしている人は17%、週3~4回以上飲酒している人は約30%というのが、社会全体におけるだいたいの構成比です。全体から見れば少数派のこういった人たちが、この半年間、ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている。だとしたら、全体の平均の数字よりも実態はさらに深刻なはずだというのが、医療関係者が問題提起し始めた警告の中身です。 その中で、特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い。フルーツの風味で口当たりがよく、350ミリリットル缶があっという間に空いてしまう。そのアルコール量は、一缶で日本酒の1.5合に相当します。 「でも、何を飲もうと個人の勝手だろう?」という疑問がわいてくるかもしれません。お酒のメーカーにとっても、「不況下の数少ないビジネスチャンスなのだから、とやかく言われたくない」という気持ちはわかります。 しかし、私にはやはりこの問題が気になってしまいます。理由は「ある本」を読んだからかもしれません。イギリス人ジャーナリストのジェームズ・ブラッドワースが著した『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』という、かなり物騒な題名の本です。これは著者が、イギリスで最底辺と言われる職場に自ら身を置いた際の体験談です。 彼は著書の中で、自身がアマゾンの倉庫で働いた時期の平均的な支出を公表しています。1週間の手取り給与が147ポンド、つまり日本円でだいたい2万円です。うち1万円が家賃に消え、残りの大半が食費に消えます。 その1万円の内訳は、3000円が食堂のランチ代に、4000円はマクドナルドやシリアル、コンビニなどのジャンクフードに、1400円がビールに、そして700円がたばこに消えていきます。 このような収支ぎりぎりの日常に身を置いてみた著者のジェームズ・ブラッドワースが実感したのは、それらの支出の中でも「ビールとたばこは削れない」ということだったのです。 彼曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」ということです』、「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」、「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」、「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」。
・『「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題  つまり、ウィズコロナの時代になった今年4月以降、急激に家庭内でのアルコール消費量が増えているという事実は、経済と健康の両面に関わる社会不安に端を発した依存症の拡大問題として、捉えるべきではないでしょうか。 そして同時に、これは政治にしか解決できない問題でもあります。企業の収益が先細る中で、酒造メーカー各社が売れ筋の製品の製造を制限するのは、簡単にできることではありません。実際には、沖縄のオリオンビールがストロングを取りやめたというニュースがありますが、4大メーカーがそれに追随する気配はありません。ただでさえ、利益の追求をやめたら、株主から訴訟を起こされるかもしれない時代です。 一方で、政治ならこの流れを変えられる。その一例が酒税の改正です。アルコール度数に応じて課税するようにルールを変更すれば、少なくとも安くて簡単に酔える商品が売れ筋になることはなくなるでしょう。ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題だと捉えることが正しいように思います。読者の皆さんはどう思うでしょうか』、「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である。
タグ:オリオンビール 東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 飲料一般 (その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) 「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」 ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります エチルアルコールは依存性薬物 ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす 「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」 金原ひと 『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』 退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感 (「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う 「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」 商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した 高アルと健康志向の商品を作る矛盾 「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ 「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」 ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか 「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ 「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう 課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実 「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪 「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」 「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」 「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」 「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題 「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である
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GAFA(その4)(EU IT大手の影響力抑制へ2法案 巨額罰金や分割命令も、GAFAが突然やたら訴えられるようになった事情 規制に火をつけた元インサイダーの正体、グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める) [産業動向]

GAFAについては、昨年5月23日に取上げた。今日は、(その4)(EU IT大手の影響力抑制へ2法案 巨額罰金や分割命令も、GAFAが突然やたら訴えられるようになった事情 規制に火をつけた元インサイダーの正体、グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める)である。

先ずは、昨年12月16日付けロイター「EU、IT大手の影響力抑制へ2法案 巨額罰金や分割命令も」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/eu-tech-idJPKBN28P2HF
・『 欧州連合(EU)は15日、アマゾン・ドット・コム、アップル、フェイスブック、グーグルなどの米大手IT企業の影響力抑制などを目的としたデジタル規制法案を公表した。違反には年間売上高の最大10%の罰金や企業分割などの制裁が科される可能性がある。 世界各国の規制当局はプライバシーや誤情報を巡る一連の不祥事を受けて、巨大ハイテク企業とその影響力に対する監視を強化している。 欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)とベステアー委員(競争政策担当)は今回の新規制案について、反競争的な支配的企業の出現を防ぐための対策と捉えている。 法案の一つである「デジタル市場法」は、規則に違反した「ゲートキーパー(門番)」と呼ばれる大手プラットフォームに対して、世界全体の年間売上高の最大10%の罰金のほか、最終手段として分割を命じることを盛り込んだ。 また、ゲートキーパーの企業が競合企業やユーザー向けに公正な競争の場を提供するよう、違反に当たる行為などを明示したほか、ライバル企業をつぶすための買収を阻止するため、買収提案に関する報告も義務付けた。 もう一つの法案である「デジタルサービス法」は、利用者が4500万人を超える巨大オンラインプラットフォームを対象とし、違法コンテンツ対策のほか、基本的権利を侵害するサービスの違法利用、プラットフォームを意図的に操作して選挙や公衆衛生に影響を与える行為などの対策強化を義務付けている。 また、プラットフォーム上の政治広告の詳細や、情報の表示やランク付けにアルゴリズムが使用するデータを開示する必要がある。 これらの法案はEU各国と欧州議員の承認を得る必要があり、最終的な草案がまとまるのは数カ月から数年先になるとみられる。 新たな規制案について、米商工会議所のマイロン・ブリリアント上級副会頭は「欧州は域内経済成長と景気回復に大きな投資をしてきた成功企業に罰を与える考えのようだ」と批判。 欧州委のブルトン委員は、規制案が差別的だとする指摘を否定し、「欧州は誰でも歓迎する。われわれの責務は欧州に重要なものを守るための方向性やルールを提示することだ」と述べた。 一方、グーグルのカラン・バティア副社長(行政・公共政策担当)は、規制案により技術革新と成長が損なわれる恐れがあるとし、「これらの規制は特に一部の企業を標的にしているようで、欧州の中小企業を支援する新製品開発が難しくなることを懸念している」と語った。*内容を追加しました』、「最終的な草案がまとまるのは数カ月から数年先」、まだまだ先だが、議論の行方を注視する必要がありそうだ。

次に、1月12日付け東洋経済オンラインが転載したThe New York Times「GAFAが突然やたら訴えられるようになった事情 規制に火をつけた元インサイダーの正体」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/401260
・『アメリカでは大手テクノロジー企業が反トラスト法(独占禁止法)違反で次々と提訴されるようになっている。この新たな"訴訟ウェーブ"の青写真を用意した反トラスト法研究者ディーナ・スリニバサン(40)は3年前、デジタル広告企業の幹部だった。仕事に退屈し、テック業界がもたらす荒涼とした未来に懸念を深めていた。 「フェイスブックとグーグルだけが勝ち組となり、それ以外の全員が負け組となる。そういう不利な状況になっているのに、問題が広く理解されていないと感じていた」とスリニバサンは振り返る。 そこで彼女は世界最大の広告代理店グループWPPの仕事を辞めて、法学論文を書くことにした。論文を執筆するのは、イェール大学のロースクール(法科大学院)を卒業して以来のことだった』、実務と「法学」双方に通じた才媛のようだ。
・『内部知識から生まれた斬新な理論  学者としての経歴があったわけではない。が、デジタル広告業界の内部知識と、大量の書籍から取り入れた経済学の知見を組み合わせ、斬新な理論を打ち出す論文を書き上げた。フェイスブックは無料のサービスと引き換えに個人情報をどんどんと引き出し、消費者に害を及ぼしている――そんな理論だ。 2020年には別の論文でグーグルの独占を論じた。広告テクノロジーの独占によって、グーグルにはウォール街で違法とされている自己取引やインサイダー取引と同様の取引が可能になっている、という主張である。 スリニバサンの論考は反トラスト法の考え方を組み替えるものであり、発表されたタイミングもドンピシャだった。 連邦規制当局と各州の司法長官らは、とどまるところを知らない大手テック企業の独占状態に不安を募らせ、懸念も表明していたが、問題を法廷に持ち込むのには難儀していた。テック企業、およびテック業界の複雑性ゆえだ。これらの企業が提供するサービスの多くが無料だったため、消費者に害を与えていると主張することも難しかった。 過去20年間にわたり巨大テック企業がさらに強大となり、次々と新しいビジネスに手を伸ばし、買収によって競合他社をのみ込んでいく中、アメリカの規制当局は反トラスト法をなかなか適用しようとしてこなかった。ところがここ何カ月かで、テック企業に対する反トラスト法訴訟が相次ぐようになっている(本稿執筆時点でグーグルに対しては3件、フェイスブックに対しては2件の訴訟が起こされている)』、「連邦規制当局と各州の司法長官らは、とどまるところを知らない大手テック企業の独占状態に不安を募らせ、懸念も表明していたが、問題を法廷に持ち込むのには難儀していた。テック企業、およびテック業界の複雑性ゆえだ。これらの企業が提供するサービスの多くが無料だったため、消費者に害を与えていると主張することも難しかった」、確かに「スリニバサンの論考は・・・発表されたタイミングもドンピシャ」と、運もよかったようだ。
・『GAFAを追及する当局のブレーンに  巨大テック企業の圧倒的な影響力に対する懸念が強まったためだが、法的な論拠固めにおいてはスリニバサンの論文が大きな影響を与えたのは明らかだ。 例えば、ライバル企業を買収し、違法に競争を握りつぶしてきたとしてフェイスブックを多数の州と共同で2020年12月に提訴したニューヨーク州の司法長官レティシア・ジェームズはこう述べている。消費者はプライバシーの保護が犠牲になるという形で代償を支払わされている――。 これはまさに、スリニバサンの論文「フェイスブックに対する反トラスト法訴訟」の核心を成す議論である。 テキサス州など10州が反トラスト法違反で2020年12月中旬にグーグルを提訴したときも、訴状にはスリニバサンがスタンフォード大学の法学雑誌で発表した論文「グーグルが広告市場を支配している理由」で指摘したのと同じ利益相反が列挙されていた。 訴えの理由はこうだ。グーグルは広告に関わる全プロセスを支配し、これを自社のサービスに有利となるように利用し、「ピッチャーとバッター、審判の役割をすべて同時に」担っていた――。 提訴の論拠がスリニバサン論文と重なるのも当然だ。というのは、スリニバサンは9月に、グーグルを調査していたテキサス州司法長官事務所の技術コンサルタントとなっていたのだから。経済学と広告市場に精通した彼女は幅広い役割を与えられ、訴状の原案づくりにも深く貢献した――。事情をよく知る人物は、この件で公に発言する権限がないことを理由に匿名で明かした。 裁判所がスリニバサンの法的主張をどう受け止めるかは、まだわからない。フェイスブックは、プライバシーや有害コンテンツの扱いに対する懸念の重要性は認めつつも、これらは反トラスト法に関わる問題ではないと反論した。一方のグーグルは、テキサス州が主導する訴訟は「事実無根だ」とコメントしている』、「グーグルは広告に関わる全プロセスを支配し・・・「ピッチャーとバッター、審判の役割をすべて同時に」担っていた」、言い得て尿だ。
・『転機はフェイスブックのユーザー監視  巨大テック企業に照準を合わせた規制当局は、スリニバサンのようなインサイダーを頼りにするようになっている。ここには現職の業界関係者も含まれる。20世紀型の競争法を21世紀のテクノロジーと市場に適用するには、ディープな専門知識が欠かせないからだ。 一方のスリニバサンは、反トラスト法の研究者としての第2のキャリアによって、イェール大学で取得した法学の学位をついに役立てることができた。イェール大学で学んでいたころ、彼女は競争法に強い関心を抱いていた。 2006年に同大学で最後に執筆した研究論文では、全米不動産協会(NAR)の規則は会員による違法な共謀に相当する、と論じた(この問題は2005年に司法省がNARを反トラスト法違反で提訴したことから当時ニュースで話題になっていた。両者の間では2008年に和解が成立している)。 ロースクールを卒業したスリニバサンは法律関係の道には進まず、地元の企業が効率的にインターネット上の広告枠を購入できるようにする会社を立ち上げた。後にこの技術はWPPの一部門に売却。2012年に当時WPPの子会社だったカンター・メディアの幹部となった。 「悟り」が訪れたのは2014年6月、フェイスブックが広告のターゲティングを強化するためインターネットの全域で(つまり、フェイスブックのネットワークの外も含めて)ユーザーの行動追跡を開始すると発表したときだったという。同僚は、広告主に飛躍的な進歩をもたらす重要なニュースだと喜んでいたが、スリニバサンは自由市場が失敗しているとの感覚を振り払うことができなかった。 「一企業がインターネット全体にわたってユーザーの行動を追跡することに同意する人間なんて、いるはずがない」。彼女は当時、こう思ったという。「明らかに消費者の利益に反することができるのは、独占力を手にしているからにほかならない」。 スリニバサンは2017年に広告業界を去ると、フェイスブックが独占企業であることを論証するため、翌年を調査研究と論文の執筆に費やした。完成した論文は、10を超す法学雑誌のウェブサイトに投稿した。すると驚いたことに、カリフォルニア大学バークレー校ロースクールの法学雑誌『バークレー・ビジネス・ロー・ジャーナル』で論文が掲載されることになった。スリニバサンはこの知らせに涙したと話す。 この論文は、すぐさま規制当局の目にとまる。掲載から1カ月後の2019年3月、議会下院司法委員会で反トラスト小委員会の委員長を務めていた民主党議員デビッド・シシリーヌは、連邦取引委員会(FTC)に書簡を書き送り、反トラスト法違反でフェイスブックを調査するよう求めたが、そこで引用された文献にはスリニバサンの論文が含まれていた。その後、ニューヨーク州の司法長官事務所も、スリニバサンに研究内容のレクチャーを依頼している』、「明らかに消費者の利益に反することができるのは、独占力を手にしているからにほかならない」、との「スリニバサン」氏の直観は、さすが的確だ。
・『グーグルの「問題点」  スリニバサンは2020年、オンライン広告界のもう1つの巨人、グーグルに狙いを定めた論文を『スタンフォード・テクノロジー・ロー・レビュー』で発表した。そこで明らかにされたのは、1000分の1秒単位でディスプレイ広告が売買されるオンライン・アドエクスチェンジ(広告取引市場)の複雑な世界だ。スリニバサンは、グーグルがこれらの市場のあらゆる側面をほぼ独占し、最大の取引所を運営しながら、買い手側と売り手側の双方の代理を務めていると論じた。 電子的に取引される他の市場、つまり金融市場には、利益相反のほか、高速取引やインサイダー情報によって一部の市場参加者が不当に利益を上げることを防ぐ厳しい規制がかけられている。にもかかわらず、オンライン広告市場はほとんど規制されることもなく、優越的な地位を持つグーグルによって広告の価格がつり上げられているとスリニバサンは主張した。テキサス州が多数の州と共同で訴えた訴訟で「独占税」と呼ばれている概念だ。 グーグルとフェイスブックに関するスリニバサンの論文は、最近の反トラスト法訴訟に対し、競争政策を専門とする伝統的な経済学者によるテック企業およびテック業界に関するどの研究よりも大きな影響を与えた、とユタ大学経済学部の助教授マーシャル・スタインバウムはツイートしている。 「彼女の論文によって、こうしたプラットフォーム企業の実際の行動と、それが競争に及ぼす重大な影響が非常に明解になった」とスタインバウムは言う。「規制当局に役立つ研究であり、業界の実情を熟知する人物だからこそ書くことのできた論文といえる」。=敬称略=』、「規制当局に役立つ研究であり、業界の実情を熟知する人物だからこそ書くことのできた論文といえる」、「規制当局」にとっては「スリニバサン」氏は貴重な存在のようだ。

第三に、2月13日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める」を紹介しよう。
・『1日に50億回を超える語句入力検索の起点となり、広く利用されている検索エンジン、グーグルのない生活を想像してみる-。ニュースコンテンツ使用料の支払いを巡り、同社と対立するオーストラリアが直面しているのはこうした状況だ』、「グーグル」と「豪州」政府の対立とは、興味深そうだ。
・『グーグルは検索サービス停止すると警告  報道機関へのニュース使用料の支払いをグーグルや米フェイスブックに義務付ける法案が議会に提出された。法案に反対するグーグルは修正を要求し、さもなければ検索サービスを閉鎖する可能性があると警告。豪州ではインターネット検索の95%がグーグル経由だ。 世界の広告市場で圧倒的な存在感を誇り、各規制当局の標的となっている米アルファベット傘下グーグルにとって、今回の対立による潜在的な余波は豪国内にとどまらない。同社が譲歩してニュース使用料の支払いを義務付ける法律が施行されれば、同じく関係がぎくしゃくし、グーグルの市場支配力を弱めたいカナダや欧州連合(EU)にとってのお手本になりかねない。 とはいえ、豪州で検索サービスを停止すればグーグルの後塵(こうじん)を拝するマイクロソフトの「Bing(ビング)」やダックダックゴーなどのライバルに市場を明け渡すことになる。開発に向けた絶好の場を突如提供し、世界の舞台で躍進するきっかけを与える可能性がある。 英語で「ベストビーチ・シドニー」と検索すると、グーグルと競争相手の精度の違いが分かる。ダックダックゴーの最初の検索結果は1000キロメートル以上離れたクイーンズランド州にあるホテルの広告だった。データ保護機能を売りにするサーチ・エンクリプトは「大きく一致するものはなさそうです」と表示。ビングはボンダイビーチの郵便局を示し、実際のビーチであるボンダイがまず表示されたのはグーグルだけだった。 豪州全体の経済規模はアルファベットの時価総額(1兆4000億米ドル=約147兆円)を下回り、遠く離れた豪州という小さな市場の重要性が突然高まったことには驚きがあるかもしれない。しかし、米インターネット大手は豪州を世界の前例にしてはならないとして対応に乗り出しており、アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)やフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOはこの数週間にスケジュールを調整し、豪州のモリソン首相または閣僚らと電話協議した』、3つの「検索」サービスを比較すると、確かに「グーグル」の表示がもっともらしい。
・『今回の対立はライバルにとって劣勢挽回の好機  一方、今回の対立を好機とみたマイクロソフトのブラッド・スミス社長とサティア・ナデラCEOも豪政府に連絡。スミス社長はモリソン首相に対し、「競争相手にビングが肩を並べられるよう」投資を進める考えを示した。 グーグル検索が存在しないのは中国も同じだが、同社のサイトが利用できなくなれば欧米型の民主主義国としては異例で、情報への迅速なアクセスという点で後退を余儀なくされる恐れがある。 グーグルの強硬姿勢が軟化しつつある兆しもある。モリソン首相は同社との会談について「建設的」だったとし、「プロセスへの関与を大きく後押しするはずだ」と述べた。グーグルは同会合に関してコメントを控えたが、同社は「ニュースショーケース」サービスを通じた対価の支払いを提案していると資料で説明した』、「グーグル」は日本のメディアのいくつかとニュース配信で対価を支払うことで合意したようだ。「豪州」政府との「合意」も近いのかも知れない。
タグ:ロイター 東洋経済オンライン The New York Times ブルームバーグ GAFA (その4)(EU IT大手の影響力抑制へ2法案 巨額罰金や分割命令も、GAFAが突然やたら訴えられるようになった事情 規制に火をつけた元インサイダーの正体、グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める) 「EU、IT大手の影響力抑制へ2法案 巨額罰金や分割命令も」 米大手IT企業の影響力抑制などを目的としたデジタル規制法案を公表 違反には年間売上高の最大10%の罰金や企業分割などの制裁 「デジタル市場法」 デジタルサービス法 「最終的な草案がまとまるのは数カ月から数年先」、まだまだ先だが、議論の行方を注視する必要がありそうだ 「GAFAが突然やたら訴えられるようになった事情 規制に火をつけた元インサイダーの正体」 大手テクノロジー企業が反トラスト法(独占禁止法)違反で次々と提訴されるように "訴訟ウェーブ"の青写真を用意した反トラスト法研究者ディーナ・スリニバサン 3年前、デジタル広告企業の幹部 イェール大学のロースクール 実務と「法学」双方に通じた才媛 内部知識から生まれた斬新な理論 連邦規制当局と各州の司法長官らは、とどまるところを知らない大手テック企業の独占状態に不安を募らせ、懸念も表明していたが、問題を法廷に持ち込むのには難儀していた アメリカの規制当局は反トラスト法をなかなか適用しようとしてこなかった。ところがここ何カ月かで、テック企業に対する反トラスト法訴訟が相次ぐようになっている 確かに「スリニバサンの論考は 発表されたタイミングもドンピシャ」と、運もよかったようだ GAFAを追及する当局のブレーンに グーグルは広告に関わる全プロセスを支配し、これを自社のサービスに有利となるように利用し、「ピッチャーとバッター、審判の役割をすべて同時に」担っていた 転機はフェイスブックのユーザー監視 「明らかに消費者の利益に反することができるのは、独占力を手にしているからにほかならない」、との「スリニバサン」氏の直観は、さすが的確だ グーグルの「問題点」 オンライン広告市場はほとんど規制されることもなく、優越的な地位を持つグーグルによって広告の価格がつり上げられている 彼女の論文によって、こうしたプラットフォーム企業の実際の行動と、それが競争に及ぼす重大な影響が非常に明解になった」とスタインバウムは言う 「規制当局に役立つ研究であり、業界の実情を熟知する人物だからこそ書くことのできた論文といえる」、「規制当局」にとっては「スリニバサン」氏は貴重な存在のようだ。 「グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める」 グーグルは検索サービス停止すると警告 3つの「検索」サービスを比較すると、確かに「グーグル」の表示がもっともらしい 今回の対立はライバルにとって劣勢挽回の好機 「グーグル」は日本のメディアのいくつかとニュース配信で対価を支払うことで合意したようだ。「豪州」政府との「合意」も近いのだろう
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英国EU離脱問題(その17)(クリスマスに急転直下 漁業問題も先送りのブレグジット合意の危うさ、英EUの通商合意 ロンドン金融街シティーにとっては慰めにならず、ロンドン ブレグジット後に株取引で欧州最大拠点から陥落 アムステルダムに明け渡す) [世界情勢]

英国EU離脱問題については、昨年4月22日に取上げた。今日は、(その17)(クリスマスに急転直下 漁業問題も先送りのブレグジット合意の危うさ、英EUの通商合意 ロンドン金融街シティーにとっては慰めにならず、ロンドン ブレグジット後に株取引で欧州最大拠点から陥落 アムステルダムに明け渡す)である。

先ずは、昨年12月25日付けNewsweek日本版が掲載したフランス在住ライターの今井佐緒里氏による「クリスマスに急転直下、漁業問題も先送りのブレグジット合意の危うさ」を紹介しよう。
・『<どさくさ紛れの感もある合意には、一般市民や産業への恩恵が具体的に見えず、そもそも大市場のEUがなぜイギリスに譲歩しなければならなったのかという疑念も漂う。それがEUに対する疲労感や拒否感につながっていくリスクもある>  欧州連合(EU)と英国の間に合意がなされた。 英国では、合意の中身より、ジョンソン首相の宣伝効果が功を奏している。 そして、EU加盟国では、もっとも最初から存在して忘れてかけていた根本的な疑問が投げかけられる。 2000ページもある内容を、たった10ヶ月くらいで、しかもコロナ禍の中で交渉を進めた現場の交渉官たちは、大変な努力をしたとしかし、クリスマス休暇中の慌ただしい合意。誰も中身を落ち着いて精査する環境になく、休み中にもう暫定発効しそうな勢いだ。本当にこれで良かったのか』、膨大な交渉事項があるのに、交渉期限をわざと短く区切ったのは、「ジョンソン首相」らしいやり方だ。
・『フランスの現場からの疑問  「私は合意内容のすべてがわかってからしか、声明を出さないつもりです」。フランスの欧州外交委員会のプレジデントであるジャン・フランソワ・ラパン委員長は、こう言った。 彼は漁師問題を抱える、英仏海峡に面したパ・ド・カレ県の上院議員でもある。「私の県では、みんな漁業に関する合意の詳細を、じりじりしながら待っています」。 「Public SENAT」によると、漁師たちは、この協定について、常に懸念を表明してきた。海洋漁業・養殖地域委員会によると、この県を含むオー・ド・フランス地方の漁業者による漁獲量の75%が危機に瀕しているのだという。 フランス上院では、クレマン・ボーヌ欧州担当大臣が、「英国の条件は受け入れられない」と断言していた。 合意書が今まで封印されていたという事実だけで、それなりの予兆があるように思えたという。 「合意があるという事実は良いことです。でも合意は、英国が欧州市場へのアクセスを容易にするものであり、恩恵を受けるのはイギリス人です。残る問題は、何の見返りがあるかということです」』、フランス側の言い分に偏っているが、交渉事である以上、どちらかに一方的に有利とはならない筈だ。
・『漁業問題は結局どうなったか  漁業の問題は、どうやら2026年6月までの5年半の移行期間が定められたようである。 その間、欧州の漁業者は年間6億5,000万ユーロにのぼる漁獲量の25%を放棄することになる。その後は、イギリス領海へのアクセスは毎年再交渉されることになるという。AFPが報じた。 もしこれが本当なら、確かに、イギリスがEUの「25%」という数字を受け入れたのは、大幅な妥協だろう。5年半の移行期間というのは、当初EUは10年、英国は3年と言っていたのだから、互いの妥協かもしれない(ジョンソン首相は「EUは14年を求めていて、我が国は3年だった」と公式に言っているが・・・そうなのか??  漁業が主権の象徴になっていたのに、英国が25%も放棄したのが「主権回復」になるのかどうか、はなはだ疑問である。 それに5年半の移行期間で何をどうして削減していくかは、未定だという。 一方でEUの加盟国側の政治家や市民としては、根本的な問いが出始めたようである。「なぜ我々が妥協して、何かを失わないといけないのか」。 そもそも、わかりやすくいうのなら、イギリス側の主張はこういうようなものだった。 「私は会社を辞めます。引き止めても無駄です。この会社が嫌なんです。でも、これからもこの会社とのお付き合いは続けたい。会社のシステムも備品も、今までどおり使わせてください。でも、私はもうここの会社員じゃないのだから、会社の規則に従うのは嫌ですよ。私はもう独立して自由なのだから、私のやり方で、会社のシステムや備品を使わさせてもらいます。心配しないでください。それほどかけ離れたことはしませんから」 あれほどジョンソン首相は「合意なし」「イギリスは合意がなくても繁栄する」と強気に言っていたのだから、そうさせてあげるべきではなかったか──と。 一般市民や地元の政治家にとって、EUの首都であるブリュッセルは遠い。漁業や農業が犠牲になるということは日本でもあるが、少なくとも「その見返りに、我が国の商業は恩恵を受けた」とか、「我が国の立場としては、そうせざるを得なかったのだ」というのがわかりやすく伝わる。 しかし、EUという枠組みや欧州の利益というのは大きすぎてわかりにくいし、ブリュッセルは外国だという意識が頭をもたげてくる。 このような加盟国の一般市民や地元政治家の感情は、EUに対する疲労感や拒否感につながってゆくリスクをはらんでいる』、確かにそのリスクがあるからこそ、EU側の姿勢も厳しかったのだろう。
・『ジョンソン首相のメディア対策と大宣伝  ジョンソン首相の宣伝力は大したものだ。EUの欧州委員会という巨大な役所では、とても太刀打ちできない。 おそらく、広告代理店か、プロのアドバイザーがついているのではないか。なにせ今時は、戦争にも広告代理店がつく時代である。 英国がもっていた内部文書が、ニュースサイトの「グイド・フォークス」に引用された。 その中の分析では、合意内容で英国の「勝利」が28、EUは11、双方が妥協した分野が26だとしている。文書については、その後英当局者が確認しているという。意図的なリークを感じさせる。 ただ、英国の「勝利」とされているいくつかは、双方の当初の立場を正確に比較してはいない。 フランスの日経新聞「Les Echos」は以下のように書いている。 交渉の真の勝者が誰であろうと、現在の状況は首相の手にかかっている。 クリスマス・イブ(日本のおおみそかに相当)の前で、いかなるロビー団体も、(移行期間が終了となる)来週の前に、実際に合意のテキストを解剖分析して、可能性のある欠陥を指摘するということができない、というだけではない。 いつもはEU懐疑派で、右翼系のマスコミは、デイリー・メールからデイリー・エクスプレス、ザ・サンまで、ここ数日、政府がワイヤーで合意を引き上げるという偉業を絶賛しているように見えた。 保守党のEU離脱派のメンバーも、合意に賛成しているようだ。 ジョンソン首相はここ数週間、彼らをなだめるための努力を惜しまなかったと言わなければならない。彼らの利益の守護者を装うためにドラマ仕立てで強調しているし、昨年、離脱協定を議会で可決させることに成功したのと同じレシピを使っている、としてもである。 そのレシピとは、まず、EUに対して尊大な毅然とした態度を示し、次に妥協点に達するためにバラスト(船のバランスをとるための重し)を手放し、それを外交的な成功で信用に値するものとしてプレゼンすることだ。 彼がどれだけ力を入れているかを示すために、ここ最近、写真が積極的に使われた。半闇のオフィスでデア・ライエン委員長と電話をしていたり、ブリュッセルにいる彼女と直に話すためにジェット機のはしごを登ったり、である。 この広告宣伝は、どこまでその効果はもつのだろうか。 合意内容が公開されて、年が明けてすべての人が仕事に戻ったとき、合意内容はどのように評価されるのだろうか』、「ジョンソン首相の宣伝力は大したものだ」、確かに前任の正直だったテリーザ・メイ前首相とは大違いだが、嘘を言っているのではとの疑念もつきまとう。
・『そして、EU加盟国の側は?  EU加盟国側の反応はどうだろうか。 バルニエ首席交渉官を筆頭に、欧州委員会は今まで、主にブリュッセル駐在の加盟国大使を通じて、27カ国の首脳の同意を取りながら進めてきたのだから、極端な反対意見は出ないと思われる。おそらく、27カ国の政府レベルでは了承となるだろう。 しかし、各国の現場や識者からは不満が出るだろう。それは、選挙で選ばれなければならない各国の政治家にとって、非常に嫌なものになりかねない。 「5年半」という漁業の移行期間も、本当にギリギリまで妥協したのではないか。EU内は(一応)民主主義国家ばかりだから、5年の間に一度も選挙がない国はおそらく存在せず、それよりは長い期間である、という判断だった可能性はあるだろう。 それに、最初から存在して、目の前のブレグジットの交渉を前に忘れかけていた根源的な問いは、これから一層浮き出るかもしれない。「そこまで自発的に離婚したがったイギリスに親切にして、こちらに何の得があったのか」「極右を活気づけたり、追随したがるものが出てきたりして、EUの屋台骨をゆるがしかねないのではないか」と』、「「5年半」という漁業の移行期間も、本当にギリギリまで妥協したのではないか」、違和感がある。むしろ。とりあえず、先送りしたと捉えるべきだろう。
・『中長期的な展望で見るならば  結局、合意はどのような内容かわからないと判断のしようがないし、実際にどのような運用がなされるのか、しばらく見てみないとわからないだろう。 イギリスに関税ゼロという恩恵を与えたといっても、実は関税はあまり今の世界、特に先進国ではあまり大きなウエイトを占めていない。大事なのは非関税障壁、つまり世界のルールづくりのほうなのだ。誰がイニシアチブをとるか、世界規模で競争しているのである。 世界のルールは誰がつくるのか、ルールを制するものが、ビジネスを制すとすら言える──という現代の原則に立ち返れば、英国に対して懲罰的な措置をとらず、EUの勢力圏内に留めておかせたほうが、EUにとっては長期的な利益になるのかもしれないが......そういう大きな戦略は、わかりにくいし見えにくいだろう。 さらに、収まる気配のないコロナ禍で、平和と日常が脅かされているからこそ、目に見えやすい効果が期待されている時代なのも、不安材料である。 バルニエEU首席交渉官は、1月1日には「多くの市民や企業にとって」「本当の変化」があると強調した。それは事実に違いない。 そしてEUは、最も影響を受けたセクターを支援するために50億ユーロを予算に計上している。 ※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。』、「実は関税はあまり今の世界、特に先進国ではあまり大きなウエイトを占めていない。大事なのは非関税障壁、つまり世界のルールづくりのほうなのだ」、これまでは、1つの国で承認されれば、EU域内ではそれが通用する共通パスポートがあったが、これふぁなくなるのは、売り込みのネックになるだろう。

次に、12月29日付けBloomberg「英EUの通商合意、ロンドン金融街シティーにとっては慰めにならず」を紹介しよう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-29/QM2XUXT0AFB601
・『+英規制が金融サービス分野で公平な競争環境作るとのEU判断が必要 +EUのお墨付きなければ、英金融業界から資産・人材流出は続く公算 英国と欧州連合(EU)の協力関係に新しい時代を開くとされる自由貿易協定(FTA)は合意が先週ようやく成立したが、ロンドンの金融街シティーには助けとならない。金融サービスについては、EUによる別のお墨付きが必要だからだ。 英国の金融規制と監督は公平な競争環境を作り出すのに十分に堅固だと、EU当局者が判断する必要がある。これがなければ、英国の金融業界から資産や事業、人材が流出する状況は止まらないだろう。 JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループは最近、EU域内へのさらなる事業移転を始めている。JPモルガンの場合、2000億ユーロ(約25兆3800億円)相当の資産とスタッフ200人が今回の移転の対象に含まれるが、それで終わりではない。 ジョンソン英首相は27日の日曜紙サンデー・テレグラフ紙とのインタビューで、金融サービスに関して協定は「英国が望むほど恐らくカバーしていない」と認め、スナク財務相は金融サービス分野の市場アクセスに関する交渉は続くと述べている。 英国のEU離脱が短期的に金融市場を混乱させるのを防ぐ取り組みで進展はあったものの、英金融業界のEUとの最終的な関係についてのコンセンサスはほとんどできていない。同業界は長年享受してきたEU市場へのアクセスを、まさに数日以内に失おうとしている。 英国のバンカーと規制当局、政治家は通商合意が金融についての合意形成に弾みを付けると期待している。金融業界は100万人以上が雇用され、税収の1割強を担う英経済の要だ。 金融街シティーを代表するザシティーUKのマイルズ・セリック最高経営責任者(CEO)は「通商合意は歓迎だが、金融および関連の専門サービスはサービス分野での関係を展開させ続ける必要性を認識している」と述べた。 欧州のバンカーらも明瞭性を求めている。欧州の業界ロビー団体である欧州金融市場協会(AFME)は、国境を越えた金融市場アクセスをスムーズにするため双方の規制に「同等性」の決定を与える合意を呼び掛けている。AFMEのアダム・ファーカスCEOは「それにより、金融サービスで一段の協力の土台が築かれることを希望する」とし、「移行期終了時の混乱を和らげ新たな関係へのスムーズな移行を確実にするため、EUと英国が迅速に同等性決定を導入することが重要だ」と論じた。 それでも、最も楽観的な金融業者ですら、ロンドンが欧州全体の金融の中心であるという現状は保たれそうにないとみている。 フォンデアライエン欧州委員長はロンドンのシティーとEU の関係の「全てが変わる」と予告。フランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は10月に欧州の銀行に対し、デリバティブ(金融派生商品)取引を支える業務でロンドンのクリアリングハウス(清算・決済機関)を利用しなくなっていくという長期シフトに備えるよう呼び掛けた。 マクギネス欧州委員(金融サービス担当)は12月にユーロニュースに、「欧州が金融活動の中心をどこに置きたいかという中核的かつ根本的な問題に戻ってくる。それが長期的に、ロンドンの金融街であり続けることはないのは確かだ」と述べた』、「JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループは最近、EU域内へのさらなる事業移転を始めている」、米国系にとっては当然だ。「新たな関係へのスムーズな移行を確実にするため、EUと英国が迅速に同等性決定を導入することが重要だ」、「それでも、最も楽観的な金融業者ですら、ロンドンが欧州全体の金融の中心であるという現状は保たれそうにないとみている」、やはり離脱の悪影響は避けられないようだ。

第三に、2月12日付けNewsweek日本版が転載したロイター「ロンドン、ブレグジット後に株取引で欧州最大拠点から陥落 アムステルダムに明け渡す」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2021/02/post-95615.php
・『英国が1月1日に欧州連合(EU)を完全に離脱して以来、ロンドンは欧州最大の株式取引拠点としての地位をアムステルダムに明け渡したことが11日公表されたデータで分かった。  両都市で取引所を運営するCBOEによると、1月の1日当たり株式売買高はアムステルダムが92億ユーロ(111億5000万ドル)だったのに対して、ロンドンは86億ユーロ。2020年全体では、ロンドンが最大の175億ユーロ、2位がフランクフルトの59億ユーロで、アムステルダムは6位の26億ユーロにとどまっていた。 欧州証券市場監督局(ESMA)は同日、ロンドンからEU域内への株式取引の移動は恒久的だとの見方を示した。実際、EUがブレグジット(英のEU離脱)後のユーロ建て株式の域内での取引を義務付ける姿勢を撤回する気配がない。 ただ19年6月にロンドンでいったん打ち切られたスイス株取引が今月復活したため、ロンドンとアムステルダムの売買高の差は今後縮まるかもしれない。 11日には、今月になって多くのユーロ建て金利スワップ取引がロンドンからEUとニューヨークに移ったことを示すデータも公表された。 IHSマークイットによると、1月のユーロ建て金利スワップ市場におけるアムステルダムとパリの取引プラットフォームのシェアは25%と、昨年7月の10%から上昇。その半面、ロンドンのシェアは同期間に40%弱から10%強に下がり、米国のシェアが倍増して20%に高まったという』、「ユーロ建て」の「株式取引」、「金利スワップ取引」さらには「その他のデリバティブ取引」、なども「ロンドン」から「アムステルダム」や「フランクフルト」に移ってゆくのは不可避なようだ。 
タグ:ロイター bloomberg Newsweek日本版 英国EU離脱問題 (その17)(クリスマスに急転直下 漁業問題も先送りのブレグジット合意の危うさ、英EUの通商合意 ロンドン金融街シティーにとっては慰めにならず、ロンドン ブレグジット後に株取引で欧州最大拠点から陥落 アムステルダムに明け渡す) 今井佐緒里 「クリスマスに急転直下、漁業問題も先送りのブレグジット合意の危うさ」 EUに対する疲労感や拒否感につながっていくリスクもある 2000ページもある内容 たった10ヶ月くらいで クリスマス休暇中の慌ただしい合意 誰も中身を落ち着いて精査する環境になく、休み中にもう暫定発効しそうな勢いだ 膨大な交渉事項があるのに、交渉期限をわざと短く区切ったのは、「ジョンソン首相」らしいやり方だ フランスの現場からの疑問 オー・ド・フランス地方の漁業者による漁獲量の75%が危機に瀕している フランス側の言い分に偏っているが、交渉事である以上、どちらかに一方的に有利とはならない筈だ 漁業問題は結局どうなったか 英国が25%も放棄 5年半の移行期間で何をどうして削減していくかは、未定 ジョンソン首相のメディア対策と大宣伝 「ジョンソン首相の宣伝力は大したものだ」、確かに前任の正直だったテリーザ・メイ前首相とは大違いだが、嘘を言っているのではとの疑念もつきまとう そして、EU加盟国の側は?  EU加盟国側の反応はどうだろうか 「「5年半」という漁業の移行期間も、本当にギリギリまで妥協したのではないか」、違和感がある。むしろ。とりあえず、先送りしたと捉えるべきだろう 中長期的な展望で見るならば 「実は関税はあまり今の世界、特に先進国ではあまり大きなウエイトを占めていない。大事なのは非関税障壁、つまり世界のルールづくりのほうなのだ」、これまでは、1つの国で承認されれば、EU域内ではそれが通用する共通パスポートがあったが、これふぁなくなるのは、売り込みのネックになるだろう 「英EUの通商合意、ロンドン金融街シティーにとっては慰めにならず」 英規制が金融サービス分野で公平な競争環境作るとのEU判断が必要 EUのお墨付きなければ、英金融業界から資産・人材流出は続く公算 JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループは最近、EU域内へのさらなる事業移転を始めている 移行期終了時の混乱を和らげ新たな関係へのスムーズな移行を確実にするため、EUと英国が迅速に同等性決定を導入することが重要だ それでも、最も楽観的な金融業者ですら、ロンドンが欧州全体の金融の中心であるという現状は保たれそうにないとみている」、やはり離脱の悪影響は避けられないようだ。 「ロンドン、ブレグジット後に株取引で欧州最大拠点から陥落 アムステルダムに明け渡す」 ロンドンは欧州最大の株式取引拠点としての地位をアムステルダムに明け渡した ユーロ建て金利スワップ取引がロンドンからEUとニューヨークに移った 「ユーロ建て」の「株式取引」、「金利スワップ取引」さらには「その他のデリバティブ取引」、なども「ロンドン」から「アムステルダム」や「フランクフルト」に移ってゆくのは不可避なようだ
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資本市場(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) [金融]

資本市場については、2019年12月8日に取上げた。今日は、(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く)である。

先ずは、本年2月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261895
・『突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは  新手のSNS「クラブハウス」(Clubhouse)の人気が周囲で突如過熱し始めたと感じたのが、私の場合は1月26日でした。使い始めたら、田村淳さんが藤田ニコルさんと会話していたり、箕輪康介さんの声が流れてきたり、与沢翼さんがいらっしゃったり、「いったいここは何なんだ?」という、まさにカオスな世界でした。 Clubhouseは「音声系SNS」と紹介されることが多いようですが、「誰でも配信できるラジオ」といったほうが実情に近いかもしれません。今のところClubhouseのアプリは、iOSでないと使えない(Androidでは使うことができない)という制約があります。何かを話したいと思った人がルーム(番組のことをClubhouseではこう呼びます)をつくって、スピーカー(ゲスト)を招いてルームを開始します。 ルームの設定が「Open」の場合は、主催者とスピーカーの会話を誰でも聞くことができます。私がアプリを使い始めた初日に田村淳さんと藤田ニコルさんの会話を聴くことができたのはそのような事情からで、ラジオ番組のようであり、友達同士の内輪の会話を盗み聞きするような感じでもあり、これは確かにちょっと不思議な体験です。 この1週間のリスナー体験でClubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性があることがわかりましたし、ビジネスでの利用を含めその将来性もいろいろと想像できるようになりました。一方、後で述べる理由からClubhouseは招待制であり、利用できない読者の方も多い状況です。 そこで本稿では、ITとビジネスに関心のある読者のために、Clubhouseの概容と潜在的な可能性について解説してみたいと思います。 Clubhouseは2020年にアメリカでサービスが開始されました。西海岸では5月頃に一度話題になり、音楽系のユーザーがコロナで自粛がちの日々に音楽を提供するような使い道の試行が続いていたようです。 その後も徐々にアメリカの利用者が拡大していく中で、つい先週、突然Clubhouseのユーザー数が拡大しました。そのタイミングは、日本だけではなく中国も同じだったといいます。その引き金になったのが、1月22日に報道された巨額の資金調達でしょう。 これはアプリ系のサービスがビジネスを拡大するときの定石でもあるのですが、小さく始めてサービス内容を微修正しながら、ユーザーの用途がはっきりしてきた段階でそれをアピールして資金を調達し、一気に大きくする段階に来たということです』、「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」、そんなに魅力的なのだろうか。
・『「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景  日本では1月24日頃から、「なんとなくClubhouseはすごいらしい」という話題が増え始めます。しかしClubhouseは招待制で、アプリをダウンロードしても誰か知り合いから招待してもらえないと参加できません。しかも当初の招待枠は利用者1人あたり2枠だけだったため、「Clubhouseに招待してほしい」というニーズが急速に高まりました。いわゆる「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです。 その後、メルカリで招待枠が4000円から1万円くらいで取引される事態となりますが、これはメルカリの規約に違反する出品ということで、今では取引できなくなっています。その間、ツイッターやLINEでClubhouseの招待枠を持っている人と欲しい人がどんどんつながって、利用者数が急増したのが先週の出来事でした。 そして、ツイッターやYouTubeなどで情報発信をするインフルエンサーがClubhouseを試し始めたことで、それ以外のインフルエンサーたちも一斉にClubhouseを試し始めます。これはFOMO(the Fear Of Missing Out)と言われる現象で、有名人ほど新しいブームに自分が乗り遅れることを恐れます。その結果として、なかなかレアな顔ぶれの音声情報配信が始まったのが冒頭のタイミングでした。 Clubhouseが面白い点は、リモートでありながら複数のスピーカーが会話をするのに遅延がほとんど感じられないというストレスのなさです。これはZoom会議と比較してみるとわかる違いです。 4人のスピーカーが話をしているルームにリスナーとして参加していると、Zoomでは会話の間に妙な間が空くのですが、Clubhouseはその間が感じられない。そのうえ、複数の人が同時に話してもClubhouseではちゃんとその音を拾ってくれます。つまり、4人がまるで同じラジオ放送のブースに入って話しているように聞こえるのです。 このあたりは、実は技術的にClubhouseが進んでいるポイントで、スピーカーの音声を拾ってデジタル処理したうえで合成し、リスナーには別のサーバー経由で戻したりしているらしいのですが、その説明はこれくらいにしておきます。 要するにClubhouseは、IT人材のレベルが高くて、さらに資金調達ができたため、日本の需要分もサーバーを増強できたということでしょう。ただ先週時点では、配信中にときどき音が途切れてつなぎ直すといった状況もありました。設備増強よりもユーザーが増加するスピードのほうが激しかったことが想像できます』、「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ。。
・『結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する  では、Clubhouseがこれまでのデジタルツールとどう違うのかを比較してみましょう。まず一番近いサービスであるラジオとの比較です。 そもそもラジオ局から出演を打診されなくても、そのような場で自ら情報配信ができるという点が新しい。しかし、それならばYouTubeも同じかというと、それよりも簡単です。なぜならClubhouseはYouTube配信と違って、出演者が1カ所に集まったり、動画編集をしたりといった手間がかかりません。 さらにラジオと違う点は、アーカイブが残らないこと。昔のラジオに近いと言ったほうがいいかもしれません。生配信の情報はリアルタイムで消えていって跡が残らないので、よりきわどいというか、公共メディアでは話せないような話題もClubhouseなら話すことができそうです。 ちなみに、録音したりメモをとったりするのは規約違反になっているので、たとえば「田村淳さんが何を話していたかは、記事で書いてはいけない」のがClubhouseのルールです。 一方で、ツイッターなどのSNSと同様に、管理者側が配信内容をチェックする体制になっています。ですから非合法なヘイトスピーチなどのルームを開いていると、突然アカウントが停止されるといったことがこれから起きると思われます。 もう1つラジオと違う点は、リスナーが何人くらいいて誰が聴いているのかが「見える化」されている点です。場合によっては主催者がそれに気づいて、リスナーをスピーカーに引き上げたりもできますし、リスナーが自分から挙手して「スピーカーとして話をさせてくれ」とアピールすることもできます。 そういうと逆に緊張してしまうといけませんが、実際はリスナーの99.9%はただ聴いていればよく、しかもいつでもルームから静かに退出することが可能です。 このようにラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができるという点は、SNSメディアとしての新しいポテンシャルを感じさせます』、「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ。
・『収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル  一方で収益モデルがどうなるかは、現在、Clubhouse側の意図はよくわかりません。これもアプリの新サービスを立ち上げるときの常套手段で、まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです。 また当然ですが、ルームに参加できる人は設定で制御できるようになっています。設定は3種類あって、1つは「Open」。これは要するに、誰でも自由に聴くことができるという設定で、今のところ著名人による多数の人向けの配信はこの設定になっています。 2つめが「Social」で、自分がフォローしている人だけが自由に入れます。3つめは「Closed」で、自分が選んだ人だけが入れる設定です。これらによって、Clubhouseはいろいろな使い方ができそうです』、「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど。
・『ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」  さて、このようなClubhouseの特徴を前提に考えると、今後Clubhouseはどのように発展していくと考えられるでしょうか。 1つはインフルエンサーや著名人、文化人などを中心に、簡単な情報発信の手段が1つ増えるということです。私の視点からいえば、アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点です。たとえば本連載のような記事について、本文には書き切れない情報があります。そのような場合に、追加でもう少し詳しく解説する目的でClubhouseを気軽に使う、という利用法はありそうです。 2つめに、オンラインサロン的な活用ができそうです。課金などの仕組みは後からつくられるか、ないしは別の方法でつくっておくとして、Clubhouseの仕組みを使うとごく一部の会員向けのルームをつくることが可能になります。私の場合、noteに「2021年のいつ頃に新型コロナが収束しそうか」といった未来予測レポートをアップしていますが、noteのように後に残るメディアだと、どうしても保守的な未来予測しか書けないという欠点があります。その点、Clubhouseならnoteとは違った話もできそうな気がします。 そして3つめに、これはClubhouse側が想定しているかどうかわからないのですが、企業の業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)にもClubhouseを活用することができそうです。 ClubhouseのCEOによれば、招待制はいずれなくして、早い時期に誰もが使えるSNSに変えていきたいという意向があるそうです。前述のようにClubhouseの利用には、特別な音声処理を行なったり、特別なサーバー経路を用いたりするなど、現状では利用者数を一定量よりも増やせない仕組み上の制約があるということでしょう。いずれClubhouseの設備が拡大増強されれば、もっと利用者を増やして安定運用できるようになるはずです。 その前提で考えれば、たとえばClubhouseを会社の組織内、たとえばグループでのリモート会議に活用することが考えられます。会議よりも簡単な数人での打ち合わせも同様です。ちょっと困ったことが起きて、急いで関係する人4人が集まって社内で相談する。新型コロナ以前であれば社内でそうやっていた業務が、Clubhouseならリモートで安全にできるようになります。 同じような使い方で業務改革と言えるインパクトがあるのは、たとえば3人以上の役員が集まって行う「ひそひそ話」でしょう。組織が大きければ大きいほど、役員はそう頻繁には集まることができない。スケジュールを調整するだけで時間がかかるというのが、これまでの状態でした。しかし5分で話せる緊急案件であれば、将来的にClubhouseを使うことで役員間の意思疎通が劇的に改善する可能性があります。これぞまさしく、業務のDX化というものです。 ちなみに、サンドイッチチェーンのサブウェイの創業者、フレッド・デルーカは、電子メールでの社内連絡が嫌いで、加盟店への一斉連絡には主にボイスメールを使っていました。理由は、電子メールだと怒鳴れないからです。その観点では、社員数10万人規模の大組織でも、Clubhouseを使えば毎朝社長が朝礼で話をすることも可能でしょう』、「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ。
・『企業のDX推進に与える影響は計り知れない?  実は、本稿を書いてみようと思った一番のきっかけは、Clubhouseの未来がどうなるかということよりも、DXにあります。記事の後半でお話ししたようにClubhouseのビジネス用途を考えるということは、すべての読者、すべてのビジネスパーソンにとってDXを考えるトレーニングになるということです。 私はよく「DXをどう行えばいいのか」という質問を投げかけられるのですが、経営者や管理職が考えるべきことは、実はこのように、新しいツールが登場して話題になるたびに一度使ってみて、それを業務に活用できないかを考えてみることだと思います。 その観点でいえば、LINEやTwitterの出現とは別の形で、今回のClubhouseも意外と経営者のツールとして使えるものになるかもしれません。トランプ前大統領が仕事にTwitterを多用したように、Clubhouseを多用する社長が出現してもおかしいとは思いません。 幸いにして、当初2枠だけだったClubhouseの招待枠は今週に入って増えています。まだ使ったことがない読者の皆さんは、周囲で招待枠を持っている人を探して招待してもらい、一度試してみてはどうでしょうか。 ただ、念のためにお話ししておくと、前述の役員3人のひそひそ話、現時点のサービスではClubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っているようなので、その点だけはお気をつけて――』、「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ。

次に、2月7日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの浦上 早苗氏による「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410282
・『「Clubhouseの日本のユーザー数は、2月4日時点で50万人程度だと試算している。初速の勢いがすごかった」 ソーシャル分析ツールを手がけるユーザーローカルの伊藤将雄社長は、アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」のユーザー数の伸びを独自に試算した。 1月23日に日本でもアプリがリリースされ、IT界隈のインフルエンサーがSNSで発信し始めたことで、26日以降ユーザーが急増。芸能人も流入し、1月末にユーザー数が10万人を突破したと伊藤社長は推定している。 Clubhouseは「音声版Twitter」と説明されることが多い。閉鎖空間で1対1で会話することも、ユーザーを限定し音声を公開することも可能だ。使い方によって電話にも、ラジオにも、双方向コニュニティーツールにもなる。音声はリアルタイムで流れ、保存はされない。 「テレワークの浸透やSNSの多様化で、目と手はふさがっているけど耳は空いているという人は多い。Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」と分析するのは、SNSや情報メディアの運営経験が豊富なITジャーナリストの岩崎綾さんだ』、「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ。
・『リリース1週間で20代の34%が認知  「耳を支配するアプリ」がなぜこれほど短期間に広がったのか。最もよく聞くのが、既存ユーザーに招待されないとアプリを使うことができず、ユーザーに最初に割り当てられる招待枠が2枠しかないことで、プレミアム感が出たという分析だ。 招待制、会員制というと日本発のSNS「mixi(ミクシィ)」を思い出す人も多いだろう。同サービスは2004年3月に 正式に始まり、9月16日にユーザー数が10万人、2005年4月3日に50万人を超えた。mixiの勢いもすごかったが、伊藤社長の試算では、mixiが1年かけて獲得した50万ユーザーを、Clubhouseはわずか10日余りでかっさらったことになる。 「コロナ禍で人と会えずコミュニケーションに対する需要が高かった」(岩崎さん)ことや、「Clubhouseに登録した人がFacebookやTwitterで紹介し、その周辺に広がる。既存のSNSに乗っかり、認知度を高めた」(伊藤社長)ことも、雪崩のようなブームを起こした。 メッセージアプリLINEの調査によると、1月30日時点のClubhouse認知度は2割弱。「知っている」と答えたのは20代の34%に対し40代は12%と、世代、業種によってばらつきはある。一方で、局地的に大ブームが起きているため、存在を知っていながら参加していない人の取り残され感は大きい。 Clubhouseは今のところアップルのアプリストアでしかダウンロードできないので、アンドロイドユーザーで、都内のIT企業で働く40代女性は疎外感を感じる日々という。 職場では皆やっているという前提でClubhouseの話題が出る。家庭の方針で『オレたちひょうきん族』を見られず、クラスの話題に入れなかった小学生時代を思い出す」と漏らす。都内の女子大学生は「友達でやっているのは40人くらい。Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」と話した』、「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた。
・『耳は空いていても「脳は支配できない」  Clubhouseの魅力について、さまざまな人から出てきたのが「有名人との距離が近い」という言葉だ。 映像のないClubhouseは複数が話せる「room」を立ち上げるハードルが低い。 リスナーは興味のあるroomに参加し、挙手ボタンを押して指名されれば会話に加わることができる。起業家や芸能人が複数で喋っているroomもあり、「ここだけの話」に触れられる期待もある。 ただし、リスナーが増えていくと著名人にとってはプライベートと仕事との線引きが難しくなるだろう。 岩崎さんは、「今後、roomを有料化する機能が出ると言われており、私はコンテンツの公開範囲や価格を決められる『note』の音声版をイメージしている。配信で収益をあげられるなら、芸能人やインフルエンサーにも会話を公開するメリットが出てくる」と予想する。 伊藤社長は「ITやクリエイター業界で、SNSは早く始めたほうが成功しやすいとの認識が共有されており、とにかくやってみようとの雰囲気になっているのでは」と分析した。 Clubhouseはこの勢いで短期間のうちに市民権を得るのか。岩崎さんは「過熱感はそろそろ薄れる」と見る。 招待枠は一時期メルカリに高値で出品されるほどだったが、1月26日朝アプリを使い始めた岩崎さんは、2月3日時点で招待枠が8つに増えた。頻繁にログインしてroomに入っていると増えると思われ、会員になることの特別感はすでにほとんどなくなっている。 ユーザーからは「ご無沙汰だった人と久々に話せた」「オンラインの人たちが集まって有意義な会話ができた」「仕事をしながら流し聞きできる」などポジティブな評価が多いが、毎日5~6時間ログインし、さまざまなroomに入っている岩崎さんは、「仕事をしながら聞いていると、いつの間にかClubhouseの音声が流れていることを忘れている。耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できないと感じた」と、スピーカーとリスナーの温度差を指摘した』、「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた。
・『DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反  ちなみにClubhouseは以下のような規約を定めている。 +18歳未満は利用できない。 +「本名」での登録が必要。通称がある人は追記できる。アカウント登録後、表示名を変更できるのは1度のみ。 +知的財産権などを侵害するコンテンツは配信できない。 +いやがらせ、差別、脅迫行為などの禁止。 そして、roomでのやり取りの記録は録音だけでなく書き起こし、メモも禁止。記録したければ全員に書面で了承を取る必要がある。Clubhouse側も、roomの稼働中にユーザーから違反行為の通報がない限り、会話を保存しないとしている。 記録を残さない、残させないのは、Clubhouseが「自由に発言できる環境」を優先しているからだろう。 ただし、Clubhouseの運営者がユーザーの規約違反をどの程度チェックし、対応しているかは明らかになっていない。 Clubhouseでは日本人ユーザーによる「DJがお勧めの音楽を配信する部屋」や「フォロワーを増やすための相互フォロー部屋」「Clubhouseでのroomの様子をYoutubeで配信する部屋」ができているが、いずれも規約違反だ。 1月末にはDonald Trump(ドナルド・トランプ)を名乗るアカウントが現れたが、日本人の悪ふざけだったようで、間もなく表示名が変更された(ただし前述したように、変更は1度限りだ)。 岩崎さんは「規約違反は招待した人が4、5代遡って全員アカウントを凍結されるとの話だが、それも確認した人はいない」という。 Clubhouseは2020年3月にアプリをリリースしたばかりのスタートアップで、今年1月に公表された資金調達の目的は、アンドロイドアプリの開発やサーバーの増強、サポート体制の確立のためとしている。 アカウントのなりすまし、名誉棄損に相当する発言、あるいは援助交際や違法薬物取引など犯罪行為をどうチェックし、どう対処するのか。アプリが日本語対応していない中で日本市場のサポート体制は今のところ期待できない』、「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう。
・『会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも  神奈川県座間市で2017年に起きた9人殺害事件。白石隆浩被告はTwitterで犯行相手を物色し、ダイレクトメッセージ(DM)で接触していた。被害者の1人の兄がDMのやりとりに気づきTwitterで情報提供を求めたことで、犯行が露見し逮捕に結びついた。 SNSを介して起きた痛ましい事件だったが、テキストベースで“痕跡”が残っていた故に、犯人も容易に特定できたわけだ。 Clubhouseはアカウントが電話番号と紐づけられ、その点は犯罪の抑止力になるだろうが、犯罪やトラブル、情報漏洩などが起きた場合、「記録を残してはいけない」という規約が調査を難航させる恐れがある。 日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない。ユーザーがいつログインして、どのroomに入っているかは記録しているかもしれないが、規約に書かれている通り音声が保存されていないなら、room内で起きた問題行為の立証のハードルは上がる」と懸念する。 Clubhouseは自由で親密なコミュニケーションを重視し、ユーザーの良心に信頼する制度設計になっているが、規約が機能しているかもわからず、一歩間違えれば「無法地帯」になりうる。 岩崎さんは「他のSNSで起きていることはClubhouseでも起きるだろうが、どうやって身を守るか、何か起きた後にどう処理するかは、現状では自己責任」と話した』、「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう。

第三に、2月10日付け東洋経済オンラインが掲載したconecuri 代表・ライターの高橋 龍征氏による「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410819
・『アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が、日本国内で一気に盛り上がりをみせている。 完全招待制である「レア感」、すべてのroom(部屋)内での会話の記録・複製が利用規約で禁じられており「今、ここでしか聞けない」という特別感。それらが急激にブームになった理由のひとつだろう。 アメリカでは2020年4月にローンチされたが、日本でユーザーが急増したのは2021年1月末から。2月11日現在、iPhoneやiPadのみの対応で、アンドロイドのスマートフォンユーザーは蚊帳の外。にも関わらず、21時以降のピークタイムには、アプリの動作が不安定になるほどアクセスが集中している状況だ。 新型コロナウイルスで長引く外出自粛・会食NGの日々、多くの人が雑談に飢えていたタイミングだったこと、初期から芸能人・インフルエンサーが続々参入したこともアプリの拡大を後押しした。 1月中旬までは、利用者はスタートアップやベンチャーキャピタル関係者が多く、特定層による”身内感”があったが、1月25日に登録したメディアアーティストの落合陽一さんが流れを変えたとも言われる。 アーリーアダプターを中心に「Clubhouse気になる」「招待枠ください」などとSNSに投稿をする人も増えた。27日には元AKB48の小嶋陽菜さんが利用を開始し、芸能人にも一気に広がっていった』、確かに普及は急速だ。
・『約2週間、60回以上利用してわかったこと  筆者は1月24日に登録後、毎日のように友人らとClubhouse上で雑談を楽しんでいる。「(名前だけは知っている)◯◯さんがリスナーに入ってきたから、一緒に話そう」という流れから生まれる、思いがけない出会いもある。アプリを起動すれば、事前に約束しなくても誰かしらが雑談していて、まるでネット上に行きつけの店ができたような感覚だ。 ラジオのように聞くという使い方もできるが、一方通行ではないところも面白い。Clubhouseにコメントやリアクションをする機能はないが、「挙手」機能があり、そのroomを仕切るモデレーターが承認すると、リスナーもスピーカーとして会話に参加することができるのだ。 フリーランス編集者として働く筆者はここ1年以上、在宅で働いている。長引く外出自粛で人恋しい気持ちもあり、このところ平日朝9時から30分間だけroomを立ち上げて、始業前の目覚まし代わりにおしゃべりをしている。トークテーマは漫画やアイドル、好きなファミレスチェーンの推しメニューなど、もっぱら趣味と生活の話だ。 先日、「ハロー!プロジェクト愛を語ろう」という趣旨でアイドルファンの方々と楽しく話していたら、リスナー欄にある元有名メンバーを発見。なんとスピーカーとして、飛び入り参加してくれた。 別の日には「30代が家について語る【賃貸か持ち家か】」というroomを作って、最近マンションを買った友人と不動産情報について会話をしていたら、たまたまリスナーにいた建築士さんが中古物件を買う上での豆知識を披露してくれたこともあった。 このように、軽い気持ちで立ち上げたroomで予想外のことが起こるのも、Clubhouseの楽しさのひとつである』、確かにその道の専門家は案外、身近なところにいるものだ。
・『記録・録音は禁止だが……  カメラなし・音声のみで人と繋がれるため、リラックスして会話できるのもClubhouseの魅力だ。Zoom飲みなどで「顔を出すのも疲れる」と思っていた人にもうってつけだ。 このようにさまざまな利点があるClubhouseだが、じわじわリスクもわかってきた。roomは一般に公開・非公開などと選べるが、気を付けるべきは公開を選ぶ場合。 気心の知れた友人と話していたつもりでも、roomのリスナーにひとりでもフォロワーが多い人が入ってくると、その人のフォロワーに通知されるため、一気に観客が増える。少人数の会話を楽しんでいたつもりが、いきなりカンファレンスのような人数に膨れ上がることもある。オフレコだからと放言するのは危ない。発言には気遣いが必要だ。 うっかり仕事上の機密情報や個人情報について口を滑らせてしまうケースも散見される。 まだマナーとルールが定まらないClubhouse。利用者のリテラシー次第では大事故にもなりかねない。いったい何に気を付ければいいか。以下、初心者向けの注意事項をいくつか記しておきたい』、なるほど。
・『+本人が開示していない個人情報に触れない  社名、家族構成など、相手がインターネット上で開示していない個人情報に触れないことが重要だ。普段から密に連絡をとる間柄であれば、なんとなく相手の温度感や、開示している範囲、インターネットに対する警戒心がわかる。しかし、Clubhouseを介して久々に話す相手との会話だと、うっかり口が滑ることもあるだろう。相手のプロフィール設定を確認してから会話したほうが無難だ。 また、子どもの名前なども要注意。「そういえば◯◯ちゃん、何歳になったんだっけ?」など、悪気なく口を滑らせてしまうこともある。インターネットへの警戒レベルは人それぞれなので、不安があれば事前にお互いのNG事項を聞いておくのもよいかもしれない、+居住エリアがわかる話はしない  「○○ちゃんとは近所仲間で〜」など、具体的な地名が入らなくても、どちらかが最寄り駅を公開していれば居住エリアが推測できてしまう。また、油断しそうなところだと、近所の飲食店の話も気をつけたほうがよさそうだ、 +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難(2021年2月現在は実名登録が原則であるものの、クリエイターなど、本名非公開の人も多く登録している。仮にトーク相手とオフラインで親しい間柄であっても、本名や本名由来のあだ名で呼べば身バレしてしまう。うっかり呼ばない配慮が必要だ』、確かに一定の緊張感を失わずに接する方がよさそうだ。
・『まだまだある「リスク」  +知らない人から招待してもらうのは高リスク  招待を受けるためには、電話番号が必要だ。しかし、招待枠が欲しいからと言って、SNSで「枠が余っていたらください」と呼びかけて、知らない人から枠をもらうのは危険と言わざるをえない。なぜなら、相手が受け取った電話番号情報をどう使うかわからないからだ。まずは、信頼できる知人に声をかけたほうが安全だろう。 +会社員は「自社のルール」を逸脱しない  プロフィール欄に勤め先を明記して使う人も多いだけに、一般社員の利用について、対応に追われている企業もある。 ある企業で広報を担当しているAさんは「本来なら、社名を出してのメディア出演やトークイベントをするには事前申請と広報チェックが必要です。しかし、Clubhouseをオンライン飲み会感覚で使う社員も多いんです。仲間内の話といっても、関係者や取引先が聞いている可能性もある。他社ではすでに公開roomで企業秘密を口をすべらせてしまうケースもあったようで、弊社もガイドラインの作成に追われています」と苦労を語っていた。 Clubhouseは会話のログが残りにくく、海外では「犯罪・ヘイト・デマの温床になっている」という指摘もある。まだ情報が少なく、手探りで使っている人も多いと思われる。まずは慎重に、注意深く利用したほうがいいだろう』、企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう。
タグ:東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 資本市場 (その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) 「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」 突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは 「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」 「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景 「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ 結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する 「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ 収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル 「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」 「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ 企業のDX推進に与える影響は計り知れない? 「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ 浦上 早苗 「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」 「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ リリース1週間で20代の34%が認知 「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた 耳は空いていても「脳は支配できない」 「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反 「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう 会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも 「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう 高橋 龍征 「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」 約2週間、60回以上利用してわかったこと 記録・録音は禁止だが…… 本人が開示していない個人情報に触れない 居住エリアがわかる話はしない +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難 まだまだある「リスク」 知らない人から招待してもらうのは高リスク 会社員は「自社のルール」を逸脱しない 企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう
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日本郵政(その16)(「後ろ盾は菅首相」不祥事続きだった日本郵政の反転攻勢に銀行業界が怯える理由 規制緩和を狙う「自社株買い」の奇策、日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃、デタラメ契約から3年 訪れた2人の釈明とは 日本郵便、お粗末な「お詫び行脚」の一部始終) [国内政治]

日本郵政については、昨年11月30日に取上げた。今日は、(その16)(「後ろ盾は菅首相」不祥事続きだった日本郵政の反転攻勢に銀行業界が怯える理由 規制緩和を狙う「自社株買い」の奇策、日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃、デタラメ契約から3年 訪れた2人の釈明とは 日本郵便、お粗末な「お詫び行脚」の一部始終)である。

先ずは、本年1月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの森岡 英樹氏による「「後ろ盾は菅首相」不祥事続きだった日本郵政の反転攻勢に銀行業界が怯える理由 規制緩和を狙う「自社株買い」の奇策」を紹介しよう。
・『「そもそも日本郵政社長に増田氏を充てたのも菅人事だ」  かんぽ生命の保険商品不適切販売による業務停止命令、ゆうちょ銀行による電子決済サービスの不正被害と相次ぐ不祥事で揺れた日本郵政グループが、じわり「攻めの経営」に転じ始めた。 背中を押したのは増田寛也社長と親密な関係にある菅義偉氏の首相就任だ。 「小池百合子氏に敗れたものの2016年夏の東京都知事選に増田氏を担ぎ出したのは菅氏だし、ともに第一次安倍政権時に総務相を務めた。菅氏が官房長官時代に打ち出した地方創生の生みの親の一人が増田氏と、その関係は深い。そもそも日本郵政社長に増田氏を充てたのも菅人事だ」(永田町関係者) その菅氏の首相就任を待っていたように、かんぽ生命保険は10月5日に営業自粛を解除し、直後の記者会見で増田社長は「うみは今年中に出し切り、次の経営計画に臨みたい」と抱負を語った。数字的な裏付けを伴う詳細な次期中期経営計画は5月に発表される予定だが、期間は従来の3年から5年に延長し、より中長期的な視野に立った成長戦略を打ち出す方針だ』、「菅義偉首相」と「増田氏」の「関係は深い」ようなので、要警戒だ。
・『2万4336局を誇るリアルネットワークとデジタル技術の融合  次期中計の基本的な考え方では、デジタル技術を使った郵便局の新サービスの創出や不動産事業の強化、地方銀行や自治体からの事務受託などが軸になる見通しである。 デジタル技術の活用では、2万4336局(2020年12月31日現在。閉鎖中の505局を含む)を誇るリアルネットワークとデジタル技術の融合を図るほか、郵便や物流のデータをベースにした「プラットフォーム構築を目指す」(増田社長)という。 この脈絡にあるのが日本郵便と楽天の物流分野での提携であろう。電子商取引(EC)サイト「楽天市場」の受注データなどを日本郵便と共有。受注からすぐにトラックや人員を手配できる新しい物流プラットフォームの構築を目指す。 この提携に関連して増田社長は「(楽天の)携帯電話の契約拡大(の支援)を今後検討したい」と踏み込んだ発言も行っている。 また不動産事業の強化では、「保有している郵便局、社宅等の不動産の価値を最大化していく」(増田社長)という考えだが、さらに物流不動産など所有不動産以外への投資も視野に入る。戦略会社として2018年4月に設立した日本郵政不動産は、2019年度も赤字だが、そのテコ入れの意味合いもある』、「日本郵政不動産は、2019年度も赤字」、とは問題だ。
・『「日本共創プラットフォーム(JPiX)」の設立に見えるもの  そして地銀や自治体との関係では、「行政の仕事を包括受託することや、地銀のATMの管理を郵便局で請け負うこともあると思う」(増田社長)とする。そのため、金融界では地方創生を旗印に、日本郵政グループが地銀再編に絡んでくるのではないかと注目されている。 その一端が垣間見られたのが、コンサルティング会社の経営共創基盤とゆうちょ銀行、KDDIなど8社が共同出資する「日本共創プラットフォーム(JPiX)」の設立だ。新会社は物流や飲食、製造業などで地域密着型の企業に投資、株式を長期保有して企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする。2021年上期にも投資を開始する計画だ。 この新会社は経営共創基盤の冨山和彦代表取締役CEOの発案であるが、最大の出資者はゆうちょ銀行で、全体の50%を拠出する。「冨山氏と増田氏は地方創生で共著を執筆したほど親密で、この二人が菅氏に地方創生を提案し、政府の看板施策となった」(永田町関係者)とされる』、「冨山氏と増田氏は地方創生で共著を執筆したほど親密で、この二人が菅氏に地方創生を提案し、政府の看板施策となった」、今後の展開が注目点だ。
・『地銀との距離を詰めて、SBI連合の対抗軸になるか  さらに注目されるのは、この新会社には、商工組合中央金庫、三井住友信託銀行、埼玉りそな銀行、山口フィナンシャルグループ、伊予銀行、群馬銀行などが優先株を引き受ける形で出資することだ。優先株の引き受けは他の地方銀行や鉄道大手にも広がる見通しだ。それだけに、コロナ禍で苦しむ地方企業を支援する広範なプラットフォームになると期待されている。 また、新会社JPiXはSBIホールディングスの北尾吉孝社長が進めている地銀連合(SBI地銀ホールディングス)の対抗軸となるとの見方もある。 「当初、冨山氏は新会社をファンド形式で設立する計画だったが、ファンド形式では企業に対する短期の収益狙いと間違われかねないので株式会社形式に変更したようだ。ファンド色の強いSBI地銀ホールディングスを意識した戦略と言える」(メガバンク幹部) いずれにしても日本郵政グループは地銀との距離を詰めていくことになろう』、「新会社JPiXは・・・SBI地銀ホールディングスの対抗軸となるとの見方もある」、興味深い展開だ。
・『資本政策の注目はかんぽ生命保険による3000億円の自社株買い  これらはいわば新中計のフロント部分であり、新中計の最大の焦点は「資本政策」にある。この資本政策で注目されるのが、かんぽ生命保険による3000億円規模の自社株買いであり、持株会社である日本郵政の出資比率を現在の64%から50%以下に引き下げる奇策だ。 日本郵政が持つかんぽ生命保険の株式を自社で買取り・償却する。これに伴いかんぽ生命保険の資本に相当する基金が減少することから、同時に資本性のある劣後債約1000億円を公募し、ソルベンシーマージン比率(不測のリスクに備えた支払い余力)の確保を目指す。 日本郵政傘下の金融2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)には、民業圧迫を回避するため郵政民営化法により民間銀行や保険会社よりも厳しく業務を制限する「上乗せ規制」が課されている。持株会社である日本郵政を通じて国が株式の過半を保有する半官半民の金融機関であるためで、「預入限度額や新規業務について郵政民営委員会の認可が必要で、自由な業務展開が制限されている」(日本郵政関係者)。 一方、金融2社に対する日本郵政の持株比率が50%以下に引き下げられれば、上乗せ規制が緩和され、新規業務も「認可」から「届出」に移行できる。このため日本郵政は金融2社の株式を順次市場で売却する計画をしていた。 ▽民間金融機関が警戒するゆうちょ銀行への規制緩和(だが、「かんぽ生命保険は保険商品の不正販売で一時業務停止命令を受けるなど株価が低迷していることもあり、日本郵政は早期の追加売却は難しいと判断し、自社株買いで日本郵政の持株比率を一気に50%以下に引き下げ、経営の立て直しを急ぐことを選択したのだろう」(メガバンク幹部)と見られている。 このかんぽ生命保険の自社株買いに伴い今後、注目されるのがゆうちょ銀行の動きだ。しかし、「かんぽ生命保険に比べゆうちょ銀行の自社株買いは格段にハードルが高い」(同)という。競合する地方銀行などが猛反発することが避けられないためだ。「地方銀行は人口減による地元経済の縮小やマイナス金利政策に象徴される金融緩和の継続で収益減に喘いでいる。そこにゆうちょ銀行が規制緩和により住宅ローンや企業向け融資に乗り出すことに対する警戒心が強い」(同)とされる。 実際、日本郵政グループは昨年末、新規業務として長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の取扱い及び、公共料金の引き落とし時などに貯金口座の残高が不足する際に自動的に貸し付けする「口座貸し越しサービス」を金融庁と総務省に認可申請したが、全国銀行協会など民間金融機関はこれに強く反発している』、「日本郵政は早期の追加売却は難しいと判断し、自社株買いで日本郵政の持株比率を一気に50%以下に引き下げ」、これは典型的な裏口的な手法だ。これでは形式的に「50%以下」になったとはいえ、極めて不健全なやり方で、こんな粉飾的手法は認めるべきではない。
・『国債の運用比率を引き下げ、リスク資産の運用比率を引き上げ  かつて、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は国の財政投融資と一体のものであった。もっぱら資金吸収が使命で、集められた巨額な資金は財政投融資制度を通じて、国の第二の予算に充てられてきた。 郵政民営化で、この関係は絶たれたが、現在も資金は内外の有価証券等で運用されている。2020年9月末の内訳では運用資産総額218兆9000億円のうち、国債24.1%、地方債・社債等16.2%、外国証券等32.0%などで占められている。 運用資産中、国債が最もウエートが高いが、日銀の異次元緩和に伴い、国債の利回りは低水準に張り付いており、国債での運用妙味は失われている。このためゆうちょ銀行は、株式上場前後から徐々に国債の運用比率を引き下げる一方、海外債券や株式などのリスク資産の運用比率を引き上げている。国債の減少分は主に外国証券や日銀預け金に振り替わっている構図だ』、「リスク資産の運用比率を引き上げ」、どういう形でオーソライズしているのだろう。
・『ローン担保証券など証券化商品への運用成果に市場が注目  リスク資産運用の拡大に伴い、外部の専門家の採用も積極化した。その専門家が導いたのがCLO(ローン担保証券)をはじめとする証券化商品への運用だ。その運用成果がいま市場で注目されている。 CLOは、投資適格未満の信用力の低い企業に対する貸し出し、いわゆるレバレッジド・ローンを中心に束ねて証券化した金融商品で、2009年のリーマンショックで問題となったCDO(債務担保証券)の一種類だ。信用力の低い企業向け貸し出しを束ねているため、利回りが高く日本の大手銀行も購入している。 米国のレバレッジ・ローンの残高はここ10年でおよそ2倍に増加し、CLOの年間発行額も2018年に過去最高を更新したが、最近では、レバレッジド・ローンの貸付先企業で、自己資本に対する借入金の割合を示す「レバレッジ比率」が上昇するなど、質の劣化が懸念され始めている。 そうした懸念にゆうちょ銀行が直面したのが2020年3月期の決算だった。いうまでもなく新型コロナウイルス感染拡大による市場の混乱だ。この時、ゆうちょ銀行が保有するCLOは1219億円もの評価損を抱えたのだ。 同時に投資する住宅ローン証券化商品(RMBS)も93億円の含み損となった。「ゆうちょ銀行の海外証券化商品は全滅状態で、決算の足を引っ張った」(大手機関投資家)とされる。 ゆうちょ銀行は3月末時点でCLOを1兆7673億円(取得原価ベース)保有していたが、この7%弱がマイナスに沈んでいた格好だ』、「ゆうちょ銀行が保有するCLOは1219億円もの評価損」、「投資する住宅ローン証券化商品(RMBS)も93億円の含み損」、財務の健全性上、問題ありそうだ。
・『菅政権という後ろ盾を得て、日本郵政グループが反撃へ  そこで救世主となったのが、FRB(米連邦準備制度理事会)をはじめとする主要中央銀行による追加金融緩和である。FRB等により供給された過剰なまでのマネーは、株式市場のみならず証券化商品市場をもV字回復させた。ゆうちょ銀行のCLOも半年後の2020年9月末には評価損が792億円まで減少、RMBSの評価損も31億円まで持ち直した。 だが、依然として評価損の状態にあることに変わりはない。しかも、ゆうちょ銀行はこの半年間でCLOを1兆8425億円(取得原価ベース)積み増している。 国債への運用で利益が望めない中、ゆうちょ銀行にとって海外を含むリスク資産への運用は一層拡大していかざるを得ない。それだけゆうちょ銀行のポートフォリオのボラティリティ(価格の上昇・下降の振幅)は高まる。 有価証券運用からリスク分散を図るためにも、ゆうちょ銀行にとって日本郵政の保有株割合を早期に50%以下に引き下げ、新規業務認可の自由度を確保することは喫緊の課題と言っていい。 増田氏が日本郵政の社長に就任して1年、菅政権という後ろ盾を得て、日本郵政グループの反撃が始まろうとしている』、前述の通り「裏口的に」「50%以下」になっても、それを以て制約を外すというのは筋違いだ。

次に、2月9日付け東洋経済オンライン「日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410449
・『不適正営業で数十万人の顧客に不利益な契約変更、いわゆる乗り換え潜脱をしたとされるかんぽ生命保険の不正問題は、いまなお日本郵政グループに深刻なダメージを与え続けている。 その不正拡大の原因は2015年の賃金改定だと指摘する声は少なくない。同改定ではかんぽの募集を代行する日本郵便の渉外担当社員について、基本給などの固定給を引き下げて営業手当などの変動給を増やした。当時、会社が提案し、日本郵政グループ労働組合(JP労組)が受け入れた。 日本郵便は2020年に渉外社員の賃金体系を元に戻した。このことは、2015年の賃金改定が誤りであったことを会社が事実上、認めたといっていいだろう。改定当時、会社提案に同意したJP労組に対して、渉外社員から「基本給引き下げをのんだ労組の罪は重い」という声が上がる。 労使協調路線を歩み、「御用組合」とも揶揄されるJP労組。だが、昨年12月には会社に注文をつけるなど、これまでとは違う動きも出てきている。JP労組の中央執行委員で企画局次長の栗田進氏と、労働政策局次長の坂根元彦氏が東洋経済の取材に応じ、日本郵政グループに対する強い危機感について語った(Qは聞き手の質問)』、労組側の見方とは興味深そうだ。
・『組合員の処分が重すぎるという声がある  Q:かんぽ不正問題では、不適正募集を行ったとされる渉外社員に対して厳しい処分が下されています。昨年11月末時点で25人が懲戒解職になり、計1173人が何らかの処分を受けています。一方で、処分対象の選び方や処分の公平性に不満の声が出ています。特に上層部や管理職の処分が軽すぎると怒りの声が上がっています。 栗田 進(以下、栗田):われわれもそこに対しては、非常に問題意識を持っている。まず組合員からは組合員の処分が重すぎるとか、会社の処分の基準がわからないとか、そういう部分について不満の声が聞こえてきている。 現場からすると今まで会社の方針に従って、上司やインストラクターに言われたとおりの営業をしただけなのに、なぜ自分だけが処分されなければいけないんだという強い不信感がある。このままの状態では今後、営業を再開してもきちんとやっていけないのではないかという声も組合員からは聞いている。 たとえ上司から指示があったとしても、悪いことだと知りながら不適正募集をやってしまった社員は、やはり処分は真摯に受け止めないといけない。ただ、そうするように指導をしてきた上司がそのまま同じようなポストに居残り、今までは「とにかく数字を上げろ」と言ってきたのが、これからは「お客様に信頼されるようにやれ」とまったく違ったことを言っても、それで社員からもお客様からも信頼を得られるのかといえば、それは難しいのではないか。 Q:JP労組は2020年12月11日、会社に対して処分の適正化や透明化を求める申し入れを行っています。 栗田:処分自体は会社の専権事項なので、JP労組との交渉によって方向性を整理する対象にはならない。だが、JP労組としては会社が一定の基準を社員に示し、そのもとで処分を進めるべきだと考えている。そういう部分で、きちんとやってほしいと申し入れをした。 上司の処分については、配置転換で厳しく対応をするべきだ。今のままでは会社に対する社員の信頼回復はない。働く社員、組合員が会社への信頼をなくしているままでは、これからの再生はできないと危機感を強く持っている。 Q:現場の渉外社員の調査や処分の適切さ、公平性について不満が出ている部分ですが、これまでJP労組としては、会社とどのような話をしてきたのでしょうか。 栗田:会社のほうでも、かんぽ生命の調査に基づき弁護士とも相談しながら渉外社員の処分を決めるという手順は踏んでいる。その部分については会社と交渉することはできないし、われわれにはそもそも、お客様のところに行って、不適切な営業の話が事実なのかどうかを確かめる権限もない。なので、対応は難しいところがある。 ただし、処分の量刑、裁定に関しては苦情処理という制度を取っていて、そこで声が寄せられたものは、行為などと処分の整合性があるのかどうかについて、JP労組の持っているスキームを使って、やれるところまでチェックしていくしかない』、「JP労組としては会社が一定の基準を社員に示し、そのもとで処分を進めるべきだと考えている。そういう部分で、きちんとやってほしいと申し入れをした。 上司の処分については、配置転換で厳しく対応をするべきだ。今のままでは会社に対する社員の信頼回復はない。働く社員、組合員が会社への信頼をなくしているままでは、これからの再生はできないと危機感を強く持っている」、組合の必死さが伝わってくる。
・『どこまで行っても証拠にグレーな部分は多い  Q:幹部などへの厳しい処分を求めています。会社も調査結果として問題があれば幹部の処分を適切に進めると言っていますが、どう感じていますか。 栗田:重要な問題だが、非常に難しい。渉外社員の調査については、契約の内容や状況などある程度事実に基づいて進めることができる。だが、上司、管理者が問題のある指導を本当にしたのかどうか、という部分については正直なところ、どこまで行っても証拠にグレーな部分は多い。 文書に残っている指示や指導も、「犯罪をしてまで契約を取れ」という内容だと断定的に読めるものなのかといえば、そうとは言い切れない。また、口頭で「言った」「言わない」という食い違いの部分については、なかなか証明できない。こうした理由から、誰を処分すべきだという点について、会社とのやり取りは難しい。 それでも現実として、組合員からそうした指摘や声が上がっているのであれば、会社も組合員の話を基にしてパワハラ的な指導があったのかどうか、できる限りの調査をするべきだ。JP労組としては今後も成り行きを注視し、しかるべき申し入れをし続けるしかないと思っている。 Q:渉外社員を不適正募集に追い込んだ上司が残ってしまうと、現場としてはしこりや、もっといえば恨みが残る。会社との信頼関係は当然なくなる。 栗田:上司の処分というところまで持っていくには、報酬を含む処遇に影響する大きな判断になるので、判断は厳密にならざるをえない。そうなると、やはり証拠がないと難しいとなりがちだ。 だが、処分まではいかなくとも、せめて配置転換で対応することはできるはずだ。例えばそういう話がある上司や管理職は営業の現場に携わらないようなところに異動させ、万が一にでも今までのような間違った営業指導を繰り返させないようにするのも1つの有効な手段だと思う。ただし、それも会社の人事権の範疇であって、なかなかわれわれの思うとおりにはいかない』、「上司、管理者が問題のある指導を本当にしたのかどうか、という部分については正直なところ、どこまで行っても証拠にグレーな部分は多い」、確かにそうした壁をどう乗り越えるかは難しい問題だ。
・『重い腰を上げた理由  Q:かんぽ不正問題が発覚してから1年半近く経ってからようやく会社へ申し入れたというのは、どうしてなのでしょうか。 栗田:正直なところ、とくに時期的な意図があったということはない。これまで問題が発生してから優先順位をつけて対処を進めてきた。例えば、会社は問題を受けて新たな契約をストップしてきたので、渉外社員は新たな営業手当を得られなくなっている。 もともと渉外社員は、基本給が窓口業務の人よりも低く設定されていた。営業手当があっての十分な給与水準ということになっていたので、そうなると(営業自粛で)生活が厳しくなる。JP労組としては、まずはその問題についてしっかり会社と交渉しなければならなかった。 あとは再発防止として、お客様第一の視点から商品的な問題の部分や研修のあり方などについて会社と議論、交渉を進めてきた。そして、いざ昨年10月から営業再開を目指すにあたって、処分をめぐる今の不信感が残ったままではとても厳しいだろうということで、会社に申し入れるに至った。その時期、その時期に合わせたタイミングで動いてきた。 Q:社員の生活が厳しいという点ですが、営業自粛が続いて渉外社員の身入りが厳しい中で、さらにかんぽの判断で無効契約にした分についても、これまで支払った営業手当の返納を渉外社員に求めてきました。昨年8月以降はいったん返還請求を止めていますが、会社が請求再開に向けて書面による調査を始めました。これについてはどう考えますか。 栗田:不適切な営業によって、お客様にご迷惑をおかけして獲得した契約に付随した手当については、社員は返納請求を受け止めなければならない。ただ、その返納請求が、募集人(渉外社員)に対して正しい調査をしたうえでのものなのかどうかがいちばんの問題点だ。調査の結果、契約の無効化に整合性があるものであれば、返納請求の再開は受け止めざるをえないと思っている。 その中で、募集人が適切な営業をしていたのにもかかわらず一律に営業手当の返納を求められているということであれば、JP労組としては「そこは返納対象ではないはずだ」と指摘していかないといけない。 Q:JP組合としてできることは、調査の整合性、適切性に目を光らせていくということですか。とくに今の調査で問題視したり、懸念したりしている部分はどこですか。 坂根 元彦(以下、坂根):そもそも本来の特定事案調査というのは、お客様の声を聞き、かつ、募集人に受理の状況を聞いていた。そのうえで、法律に沿った説明をしていなければ、募集人に対して月額給与を超える額の返還請求が、ある月にあってもやむをえない。 だが、今の調査で言われているのは、(渉外社員にとって)お客様がどう言っているのかもわからない(状況での契約の無効化・募集手当の返納請求)というようなものだ。一連の問題の中で、お客様の話のみに基づく契約の合意解除は、会社がお客様の不利益解消を優先したのでこういう形になっている。だが、募集人への状況調査が十分にできていなかった。 そこはやはり問題だ。やるべきことを飛ばして「不正認定だ、合意解除だ」とやってきているので、現場は返納請求に納得がいっていない。(返納請求が)いったいどの契約に対してなのかも(渉外社員に)わからないような状態になってもいる。 組合員としては、返納請求について理解できる部分については「お金はお返しします」という部分があっても、調査があまりにも乱暴すぎるのではないかという不満の声は当然ある。われわれも会社にきちんとした説明を求めていかないといけない。 日本郵便はかんぽの販売代理店なので、契約解除については調査ができない。直接はかんぽ生命が調査している。だから日本郵便の現場の管理者も、不適正募集とされて返納請求された人に処分の理由や調査の中身の説明ができない。そこを丁寧にやらないと、会社への現場社員の信頼回復はできない』、「一連の問題の中で、お客様の話のみに基づく契約の合意解除は、会社がお客様の不利益解消を優先したのでこういう形になっている。だが、募集人への状況調査が十分にできていなかった。 そこはやはり問題だ。やるべきことを飛ばして「不正認定だ、合意解除だ」とやってきているので、現場は返納請求に納得がいっていない」、やむを得ない部分はあるにせよ、確かに問題だ。
・『退職勧奨は会社にとって都合がよくないか?  Q:日本郵便では50歳以上の渉外社員を対象に退職勧奨をしています。その中身が特殊です。辞めるときにいったん自己都合退職扱いとし、その後の調査結果で問題がなければ割り増部分を払うことになっています。 調査で重大な問題が発覚すれば、割り増部分がもらえないばかりか、退職金全額を返還することになっています。これらに合意することが応募条件です。他社では聞いたことがないような、会社にとって都合のよい内容だと思うのですが。 栗田:この制度で退職した場合、調査結果次第では後から返せと言われる可能性があるというのは、現実問題として仕方がない部分はある。ただし、調査のスピードがそもそも遅すぎるのではないか。この制度を使って退職してもいいものかどうか、社員の判断も遅れてしまう。そこは問題だ。 Q:2015年の賃金改定では、渉外社員の固定給部分が2割減り、出来高制の営業手当の割合が増えるという改定がありました。われわれの取材では、複数の渉外社員が、この改定が不正を拡大させた最大の要因だと言っています。当時の組合はなぜ、このような改定に合意したのでしょうか。 栗田:当時の役員ではないので詳しくは把握していないが、JP労組の中でも「(会社の言うように)頑張った者が報われる」ようにすべきという考えはあった。全部を一律固定給にして、やってもやらなくても同じというのは、これから民間企業として一定の営業をしていかなければいけないという流れの中でどうなのかと。頑張った人にはそれなりに評価をするような仕組みにするべきだ、という意見があった。 会社は出来高による収入差をもっとつけたかったのかもしれない。社員の安定した生活も大切だが、成果連動部分により差をつけるという形になったようだ』、「退職勧奨」では「辞めるときにいったん自己都合退職扱いとし、その後の調査結果で問題がなければ割り増部分を払うことになっています。 調査で重大な問題が発覚すれば、割り増部分がもらえないばかりか、退職金全額を返還することになっています」、というのは仕事の特殊性からやむを得ないようだ。
・『当時は引き抜きがすごかった  坂根:2015年の賃金改定には背景がある。当時、相当数の渉外社員が民間生保からの引き抜きにあっていた。ほかの民間保険会社では出来高部分の営業手当額はかなり高い。そのため数字を上げられる渉外社員に対して、勧誘電話がガンガンかかってきていた。郵便局員はお客様を多く抱えているし、持っている顧客データも多いので、向こう(=民間生保)からしても欲しい(人材だった)のだろう。 渉外社員からすれば、民間他社に移れば、もらえる営業手当が増える。だから引き抜きによって、それまでいろいろと勉強して、話法を研究してきた成績優秀な渉外社員が奪われてしまう。当時はそれで辞める人がかなり多かった。そこに一定の歯止めをかけないといけない、それには営業手当の見直しをしないといけなかった。 ただ、あまり数字を取れない人もいるし、そもそもローカル地域など人口が少なくて(新規契約を)取りにくいところもある。あまりにも成果部分の割合を高めてしまうのも問題なので、いちばん皆が合意できるようにという判断の中でああいう割合の改定になった。 Q:会社は2020年の賃金改定で2015年以前の形に戻しました。2015年の改定がまずかったというのを今では認めているからではないですか。JP労組としても当時、合意してしまったことが不正拡大につながってしまったという責任感や罪の意識はありますか。 栗田:まずこれからも、お客様本位の営業は当然としても、企業の持続性を考えれば一定の(かんぽの新規契約の)数字、成果を上げていかなければいけない。やってもやらなくても一緒というよりは、頑張った人が報われるというようにする制度は、この先も検討するべきだと思っている。差をつけるということについて、完全に反対ということはない。 問題なのは新規契約を取ればいいという目標を先に設定して、それだけを追いかけさせていたことだ。その結果、新規に(カウント)させるためにいったん解約させるようなことが起きた。そういう、数字だけを追いかけさせる営業の管理体制こそ見直すべきだと思っている。) Q:当時の会社との基本給引き下げの合意が招いた結果に対するJP労組の責任についてはどう考えますか。 栗田:われわれはそのときそのときで、最適な判断をしていかなければならないし、この先もそうだろう。1つひとつ、過去の責任というよりは、その当時として最適な判断だったと受け止めている。評価や反省はしつつ、問題があれば改善するのは当然だが、それが責任という言葉になるとちょっと違うのではないかと思っている』、「過去の責任というよりは、その当時として最適な判断だったと受け止めている」、組合らしい言い訳だが、「その当時として最適な判断」かどうかは疑問も多い。
・『組合費の引き下げはしない  Q:渉外社員の生活が苦しい中で、1人当たり年間4万~6万円の組合費について一時的にでも下げろ、という声が組合員の中にありますが。 栗田:今のところは、そういう検討はしていない。JP労組の運営には一定の固定費がかかっているからだ。例えば非正規社員が組合に加入すればするほど収支的には厳しい。だが、働く仲間を守るという社会正義的な観点から非正規社員の加入を進めている部分がある。 組合費収入が年々下がっていることもあり、正直言ってギリギリのところで運営している。JP労組として十分に役割を発揮していくためには、一定の予算を確保していかないといけない。今の段階では組合費の徴収額を見直すということは考えていない。 坂根:かんぽ不正の問題発覚前に、これまでにも営業手当をたくさん得ていた人たちに対して、じゃあ営業手当が多いから組合費も多く払ってくれ、とはやっていない。組合費はあくまでも基本給ベースで決めて取っているからだ。もしも手当が多いときに多く取っていたのであれば、じゃあ手当が下がったら組合費を下げましょうとしなければならないが、そういうやり方ではやってきていない。 グループ全体で基本給全体から計算してやってきている。今は(賃金が元に戻ったので)渉外社員も窓口社員も同水準の固定給をもらっている。渉外社員の手当が減っていて厳しいからといって、渉外社員の組合費だけを下げるというのは違うのではないか。) Q:かんぽ問題の処分をめぐる社員の不信感の高まりに対して、今後の会社への先行きに与える影響として相当な危機感を持っているようですね。 栗田:当然ながら喫緊の課題だが、JP労組はかんぽ問題だけではなくグループ全体を見ている。かんぽ問題、(非正規社員にも正規社員同様の各種手当を認めた)労働法20条裁判、(土曜日配達をやめる)郵便法改正などいろいろなものがある。すべてに対して緊張感を持ってやっている。 かんぽは不正で調査を受けている渉外社員にとって大変な問題だが、窓口社員や、処分対象になっていない渉外社員の組合員の中からは違った意見も聞こえてきている。そもそも事業全体を見ても、今回の問題による信頼失墜やコロナ禍の打撃もあるが、金融市場の低金利や、郵便部数の減少傾向などコアビジネスすべてが厳しい状況にある。 われわれの第一の使命は雇用確保と労働条件の維持向上だが、このまま会社任せにしていたら、かんぽ問題だけでなく非常に難しい事業環境になる。郵政グループをいかに持続させていくか、その中での課題がたくさんある』、経営側とは違った立場で、「日本郵政」を如何に成長させるかを考える意味はありそうだ。
・『グループ全体の信頼を回復し組合員の雇用を守る  Q:JP労組としては、これまでの労使協調路線は保ちつつも、これからは会社に対して言うべきことを言っていく、ということですか。 栗田:これからも会社が重要なパートナーという位置づけは変わらない。われわれとしては、渉外社員を守ることも当然大事だが、グループ全体の社内外の信頼を回復し、その中で事業の持続性を守っていくことを目指している。そうすることで組合員の雇用を守っていこうとしているのだ。 **(記者より)** 発言における論理の一貫性や整合性の高さはさすが日本最大の労働組合の幹部といったところだろうか。ただ、平場の組合員に労組の考え方がどうも浸透していない点は、現場の社員に経営理念や経営哲学がさっぱり伝わらない日本郵政グループの経営陣と五十歩百歩という印象が拭えない。どちらも、「巨大組織だから」で済まされることではないように思われる』、厳しい評価だが、同感だ。

第三に、2月11日付け東洋経済プラス「デタラメ契約から3年、訪れた2人の釈明とは 日本郵便、お粗末な「お詫び行脚」の一部始終」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26128
・『かんぽ生命保険の不適正募集で最も有名な事件は、東京・八王子郵便局の郵便局員が坂部篤志さんの母親をだました事件だ。 2017年8月、坂部さんの母親の家に訪れた3人の郵便局員は「手続きをすれば篤志さんと弟さんに均等に保険金が行きます」と、まるで変更手続きであるかのように装い、契約の際には母親(当時76)に「(家族)同席拒否」と書くように促した。また、健康状態の告知書を半分に折って質問事項をわからないようにして「すべて『いいえ』にマルをするように」と指示して坂部さんの母親に契約をさせた事件だ。 後からわかったことだが、あと2年で満期を迎える養老保険の解約金を2つの新契約の保険料に充て、不足分は86歳から90歳になるまで4年間、月4万円弱ずつを払う設計になっていた。保険料総額は656万円で、死亡時に受け取る保険金額500万円を大きく上回る不利益変更だった。事件発覚から1年4カ月後、『週刊東洋経済』2018年11月24日号で詳報した』、「不利益変更」の意味など説明せずに、強引に契約させたのだろう。
・『坂部さんの発信がなければ発覚が遅れていた  坂部さんは自身のかんぽ被害を「プロキオンの気付きのブログ」で発信し続けるなどして、かんぽや郵便局の不正を指摘してきた。坂部さんのブログが2018年4月24日にNHK「クローズアップ現代+(プラス)」が放送した「郵便局が保険を“押し売り”!?」の番組制作につながり、後に不適正募集の大量発覚をもたらした。当時の坂部さん親子は仮名でクローズアップ現代に出演していた。 それから1年余り。「顧客に不利益を生じさせる募集が多数判明し、ご迷惑とご心配をおかけしている」。かんぽ生命保険の販売業務を受託している日本郵便の横山邦男社長が、会見でそう謝罪したのは2019年7月10日のことだった。「坂部さんのSNSによる拡散がなければ、あと数年、不適正募集の発覚は遅れたかもしれない」(東海地方の郵便局員)と言われる。 早くから郵便局員の営業問題に対し声を上げていた坂部さん親子は、早期の不正発覚を促した重要な存在だったといえる。そうして、かんぽ生命のお客様相談室課長とコンプライアンス調査室の上席専門役が訪れたのは2020年10月15日午前10時のことだった』、「坂部篤志」さんが「かんぽ被害を「プロキオンの気付きのブログ」で発信し続けるなどして、かんぽや郵便局の不正を指摘してきた。坂部さんのブログが2018年4月24日にNHK「クローズアップ現代+(プラス)」が放送」、これがなければ、もっと発覚が遅れたようだ。
・『以下は、訪れた2人と坂部さん親子のやりとりの一部始終だ。相談室課長は冒頭「不適正な募集であったことが判明いたしましたので、お詫びにお伺いさせていただきました。(契約から)3年という長い月日で、本当に申し訳ございませんでした」と詫びたが、その釈明は納得いくものではなかった。 2017年に契約を無効にする際、坂部さん親子は当時郵送されてきた「合意書」について問い直した。そこには、「(契約に関する)一切の事項を甲及び乙以外の第三者に開示しない」という一文があった。つまり、この契約を無効にするやり取りは第三者に口外してはならないということだった。坂部さんと母親は当然、これを拒否。その後、新契約の振込用紙が何度も送られてきたが、振り込まずにいたら新契約は自動失効。単に養老保険を満期前に解約した形になり、新たな保険には入らずに済んだ。 訪れた2人に対して、坂部さんの母親はそのときのことを振り返り、こう話しかけた。 坂部さんの母親 私はかんぽさんともすごく古い付き合いだったんですが、子供たちが生まれたときからすぐ学資保険に入ったり、働き出してからも全部貯金のつもりで郵便局にしていました。(2017年の不正な契約について)あれだけ信頼していたのに、という思いがいっぱいになりましたね。 上席専門役 本当に、本当に申し訳ございませんでした。 坂部さん 合意書の内容(第三者に口外してはならないという取り決め)ですごく不満に思って、再調査を依頼したんですけれど、それも簡単に拒否されたんです。「もうそれ以上(対応は)しません」ということで、局員の話の内容とか全部レコーディングしていたのも出しているのに。証拠があるのに「もう再調査しない」ってきっぱり言われたので。どうして真摯な対応できないんだろうと憤慨したんですけども、そのあたりに関して、どう思われているのかと。 相談室課長 確かに当時、そういったことで再調査もしないというお答えを差し上げているのは本当に事実でございます。 先ほどもちょっと申しましたけれども、やはり今回報道等でありましたように、ご意向に沿っていない、お客様に不利益を与えている契約が多数発覚したことで、もう1度見直す必要があるということで、過去にさかのぼって再調査を行わせていただくということで。 坂部様の契約につきましても、再調査をいたしました結果が先ほど専門役のほうが申した内容になります。ですから、当時本当に失礼な、そういった形で再調査を行わないというご返答を差し上げたことには、本当に深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。 坂部さん (当時)八王子郵便局長宛にも質問書を出したんですけど、それも結局お客様相談室から同じような形で(対応できないと)来て、これ以上は無理だなというのはすごく思ったんですけれども。 相談室課長 大変申し訳ございません。本当に不快な思いをさせて申し訳ございません。 そして、当時、坂部さんの母親のところに契約に訪れた3人の郵便局員の処分について聞くと、以下のようなものだった。 坂部さん 実際その契約(母親の契約)に関わった募集人と、同席していた課長代理だったと思いますが、最後にまたもう1人の課長代理が来られてサインだけをしていったと思うのですが、その3人に関する処分は、どのような感じになっているんですか? 相談室課長 これにつきましても、こちらのほうで厳正に対処する所存です。 坂部さん まだ決まっていないっていうことですか? 相談室課長 はい。 坂部さん 八王子郵便局には、その3人の上司や局長もいると思いますが、そちらの処分もまだこれからですか? 上席専門役 上司のほうにつきましては、いわゆる管理監督責任ということになろうかと思いますが、これにつきましても調査を進めて対処していきたいと考えております。 つまり、お詫びに来たものの、契約に関わった人たちの処分は何も決まっていないということだった。 本誌の調べでは、1月中旬時点で、坂部さんの母親を訪ねてきた3人の郵便局員はまだ調査中で処分されていない。八王子郵便局の3人の上司は処分どころか異例の出世を果たしている。金融渉外部長だった人物は立川局へリーダー部長として異動した。新任の部長が赴任後2年でリーダー部長に昇進したのは創業以来初だという。そして、八王子局長は東京支社の金融部門トップに栄転した。 「なぜ八王子局の当時の担当者3人は謝罪に来ないのか」――。それが今の坂部さんが抱く不満だ。お詫び行脚というのならば、母親に契約させた当事者が謝罪するのがスジだからだ。記者が調査中の局員は顧客との接触禁止であることを伝えると、坂部さんは「手紙くらい書けるだろう」と深いため息を漏らした。不利益を被るような契約をさせられ、坂部さん親子と同じような思いを抱く契約者は全国にたくさんいるのかもしれない』、郵便局側の対応は、信じられないほど誠意を欠いている。まして、「この契約を無効にするやり取りは第三者に口外してはならない」と約束させようとした」、に至っては空いた口が塞がらない。日本郵政がまともな組織に生まれ変わってほしいが、どうも現経営陣には残念ながら期待できそうもない。
タグ:東洋経済オンライン 日本郵政 PRESIDENT ONLINE 森岡 英樹 (その16)(「後ろ盾は菅首相」不祥事続きだった日本郵政の反転攻勢に銀行業界が怯える理由 規制緩和を狙う「自社株買い」の奇策、日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃、デタラメ契約から3年 訪れた2人の釈明とは 日本郵便、お粗末な「お詫び行脚」の一部始終) 「「後ろ盾は菅首相」不祥事続きだった日本郵政の反転攻勢に銀行業界が怯える理由 規制緩和を狙う「自社株買い」の奇策」 「そもそも日本郵政社長に増田氏を充てたのも菅人事だ」 「菅義偉首相」と「増田氏」の「関係は深い」ようなので、要警戒だ 2万4336局を誇るリアルネットワークとデジタル技術の融合 「日本郵政不動産は、2019年度も赤字」、とは問題だ 「日本共創プラットフォーム(JPiX)」の設立に見えるもの 「冨山氏と増田氏は地方創生で共著を執筆したほど親密で、この二人が菅氏に地方創生を提案し、政府の看板施策となった」、今後の展開が注目点だ 地銀との距離を詰めて、SBI連合の対抗軸になるか 「新会社JPiXは SBI地銀ホールディングスの対抗軸となるとの見方もある」、興味深い展開だ。 資本政策の注目はかんぽ生命保険による3000億円の自社株買い ローン担保証券など証券化商品への運用成果に市場が注目 「ゆうちょ銀行が保有するCLOは1219億円もの評価損」、「投資する住宅ローン証券化商品(RMBS)も93億円の含み損」、財務の健全性上、問題ありそうだ 菅政権という後ろ盾を得て、日本郵政グループが反撃へ 前述の通り「裏口的に」「50%以下」になっても、それを以て制約を外すというのは筋違いだ 「日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃」 組合員の処分が重すぎるという声がある 「JP労組としては会社が一定の基準を社員に示し、そのもとで処分を進めるべきだと考えている。そういう部分で、きちんとやってほしいと申し入れをした。 上司の処分については、配置転換で厳しく対応をするべきだ。今のままでは会社に対する社員の信頼回復はない。働く社員、組合員が会社への信頼をなくしているままでは、これからの再生はできないと危機感を強く持っている」、組合の必死さが伝わってくる。 どこまで行っても証拠にグレーな部分は多い 「一連の問題の中で、お客様の話のみに基づく契約の合意解除は、会社がお客様の不利益解消を優先したのでこういう形になっている。だが、募集人への状況調査が十分にできていなかった。 そこはやはり問題だ。やるべきことを飛ばして「不正認定だ、合意解除だ」とやってきているので、現場は返納請求に納得がいっていない」、やむを得ない部分はあるにせよ、確かに問題だ 退職勧奨は会社にとって都合がよくないか? 「退職勧奨」では「辞めるときにいったん自己都合退職扱いとし、その後の調査結果で問題がなければ割り増部分を払うことになっています。 調査で重大な問題が発覚すれば、割り増部分がもらえないばかりか、退職金全額を返還することになっています」、というのは仕事の特殊性からやむを得ないようだ 当時は引き抜きがすごかった 「過去の責任というよりは、その当時として最適な判断だったと受け止めている」、組合らしい言い訳だが、「その当時として最適な判断」かどうかは疑問も多い。 組合費の引き下げはしない 経営側とは違った立場で、「日本郵政」を如何に成長させるかを考える意味はありそうだ グループ全体の信頼を回復し組合員の雇用を守る 厳しい評価だが、同感だ 東洋経済プラス 「デタラメ契約から3年、訪れた2人の釈明とは 日本郵便、お粗末な「お詫び行脚」の一部始終」 かんぽ生命保険の不適正募集 八王子郵便局の郵便局員が 坂部篤志さんの母親をだました事件 「不利益変更」の意味など説明せずに、強引に契約させたのだろう。 坂部さんの発信がなければ発覚が遅れていた 郵便局側の対応は、信じられないほど誠意を欠いている。まして、「この契約を無効にするやり取りは第三者に口外してはならない」と約束させようとした」、に至っては空いた口が塞がらない。日本郵政がまともな組織に生まれ変わってほしいが、どうも現経営陣には残念ながら期待できそうもない
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北朝鮮問題(その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説) [世界情勢]

北朝鮮問題については、昨年6月18日に取上げた。今日は、(その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説)である。

先ずは、本年1月13日付け東洋経済オンラインが転載したソウル新聞「北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403321
・『北朝鮮の朝鮮労働党第8回党大会で党中枢の人事が行われたが、下馬評では昇進すると予想されていた金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が、昇進どころか現在の党政治局候補委員という地位も失ったことがわかり、その背景に関心が集まっている』、どうしたのでろう。
・『権力中枢の常務委員になれなかった  今回の党大会で総書記となった金正恩(キム・ジョンウン)委員長の実妹であり、国政の全般に関与していると金委員長の最側近とも見られている彼女は、大会前までは権力中枢の党政治局常務委員になると予想されていた。今回、党部長職にも就かず、党中央委員会委員としてのみ名前を残した。とはいえ、今回の人事で彼女の政治的立場が弱まったとみるのは時期尚早だと、専門家の多くは見ている。 2017年に政治局候補委員となった金与正氏は、2018年に行われた3回の南北首脳会談では金委員長を補佐したことで、大きく注目されるようになった。2019年末からは党第1副部長として対南(韓国)事業を総括してきた。2020年6月、南北共同連絡事務所を北朝鮮が一方的に爆破したときには韓国と真っ向から対立する一方で、アメリカとの問題にも積極的に関与してきた。 こういった役割と立場を考えると、今回の党大会で金与正氏は昇進すると韓国の情報機関は予測しており、さらに常務委員にまで昇進するとの見方も一部ではあった。今回の党大会では、執行部が座る壇上の席にも着いていた。 しかし、今回昇進しなかったからといって、金与正氏の権力が弱まったとみるべきではないという分析が多い。韓国・経済社会研究院のシン・ボムチョル外交安保センター長は「今回の党大会は金委員長の地位を内実ともに高めるためであり、その過程で金与正氏を一時的に身を引かせたものではないか。いつでも彼女は再浮上できる」と見ている。 党政治局の中枢である常務委員会の人事では、81歳と最高齢で内閣総理をも務めた朴奉珠(パク・ポンジュ)氏が引退し、それまで候補委員だった趙勇元(チョ・ヨンウォン)党組織指導部第1副部長が常務委員となった。党序列20位前後だった候補委員から、序列5位にまで一気に昇進した。趙氏は、党中央委員会書記、党中央軍事委員会委員にも任命された』、一時は「金委員長」の健康不安説・死亡説まで流れていたが、これは全くガセネタだったようだ。
・『金委員長の“カバン持ち”が急浮上  金委員長の現地指導や視察の際には必ず同行していた趙氏の抜擢人事は、党体制整備と金委員長の地位強化を目指す今回の党大会を象徴する出来事だ。韓国・慶南大学極東問題研究所の林乙出(イム・ウルチュル)教授は、「指導部の世代交代とともに、対米関係と経済建設という2つの課題を抱える金委員長が実質的な成果と業績を積むことに注力しようとしている」と指摘する。 外交・安保政策では、対南問題を総括する金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は党書記になれず、党部長にだけ名前を残した。これは、北朝鮮が対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる。北韓大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「対南担当の書記を置かないことで、韓国を担当する党の機能が相当弱まったとも言えるが、今後、金与正氏がそれを担当することを念頭に置いている可能性がある」と見ている。 対南政策を担当していた崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省次官は党中央委員会委員から候補委員へ降格となり、対中外交を担当していた金成男(キム・ソンナム)党国際部第1副部長が党中央委員会部長に任命された。李善権(リ・ソングォン)外相は政治局候補委員の座を守った。(韓国「ソウル新聞」2021年1月12日)』、「対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる」、「韓国」はわざわざ工作するまでもないと、軽くみられた可能性もあるだろう。

次に、2月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した朝日新聞編集委員の牧野愛博氏による「北朝鮮、「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261380
・『5年ぶり労働大会と軍事パレード 見えた金正恩体制の今後  北朝鮮で1月12日まで開かれていた第8回朝鮮労働党大会で、最高指導者の金正恩氏が新しいポストの党総書記に就任した。 14日には平壌の金日成広場で軍事パレードも行われた。 党大会と軍事パレードから見えてきたものは、国際的な経済制裁や新型コロナウイルス感染、水害の「三重苦」のもとで独裁体制にも揺らぎが感じられる苦しい状況だ。 「自力更生」というかつての厳しい時代のスローガンが再び掲げられたのは、その象徴だ。 「拉致問題の解決」を最重要課題に掲げ、日朝関係改善をめざす日本政府は自力更生路線に戻る北朝鮮にどう対応していくのか』、「自力更生路線に戻」れば、「拉致問題の解決」の可能性が小さくなってしまいそうだ。
・『経済発展計画の失敗を認め「自力更生、自給自足」掲げる  5年ぶりに開かれた労働党大会は北朝鮮の窮状をさらけ出す場になった。 金正恩氏は2016年から昨年までの国家経済発展5カ年戦略について「途方もなく未達だった」と、失敗に終わったことを認めた。 国際社会からの経済制裁や新型コロナウイルス感染による中国との国境封鎖で貿易量が落ち込み、外貨収入が激減、加えて水害被害の打撃が大きかった。 正恩氏は21年からの新たな5カ年計画について「基本テーマは、依然として自力更生、自給自足である」と語った。 「自力更生」は、初代の金日成総書記の統治の時代から数十年にわたって、外貨不足や飢餓などの際に市民に苦労を押しつけるときに使われてきた常套(じょうとう)文句だ。 脱北した元党幹部の一人は「自力更生や艱苦奮闘という言葉を聞くと、ああ、また生活が苦しくなるのか、とよく思ったものだ」と語る。 通常の党大会は幹部人事などを決めるだけですぐに閉幕するのに、今回、正恩氏は新5カ年計画について詳細に説明し、部門別会議も開くなど、計画達成に懸けている様子だ。 ただ、内容は、金属や電力、農業などの部門の整備発展という、金日成時代から変わらぬ古色蒼然(そうぜん)とした内容にすぎなかった。 北朝鮮では現在も、75年前に終わった日本統治時代の道路や鉄道などのインフラが主に使われ続けている。さらに20年は中国との国境封鎖や制裁などで生産自体も落ち込んだ。 韓国の情報機関、国家情報院は昨年11月の国会説明で、原材料不足や設備の老朽化のため、北朝鮮の産業の設備稼働率が2011年に正恩氏が最高指導者になって以降で最低水準にあると報告した。 目標達成を目指そうにも、資金などの「先立つもの」への言及はないままだった』、「設備稼働率が」「2011年」「以降で最低水準」、しかもミサイルなどを作りまくっているので、民間需要は大幅マイナスだろう。
・『制裁やコロナでの国境閉鎖 外資導入進まず「先祖返り」  苦境を乗り切るためには、まずは外国資本が投資できるよう環境にすることだが、そのためには経済制裁が緩和されるように、ミサイル発射の抑制や核開発関連の疑惑をまずは払拭する必要がある。 また投資家から信頼してもらうため、法律や金融市場の整備など、市場経済の基盤となるインフラや制度が必要不可欠だ。 だが、こうした問題に対する答えも示されなかった。 大会では、ミサイルや核兵器などの開発状況を詳しく公表、多弾道型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の研究が「最終段階」にあることを表明するなど、制裁緩和の状況を作るというよりはバイデン米新政権を威嚇、けん制する姿勢の方が目立った。 外国資本が期待する投資環境の改善策も触れられなかった。 正恩氏は「経済管理の画期的な改善」に言及したが、その意味するところは、小売業や飲食店など、人々の生活に関連する部門は市場経済化を進めるということのようだ。 だがすでに日常の取引は公設市場などが作られ、かつての統制経済のような状況にはない。 今後の経済発展を考える場合、重要なのは経済全体の7割を占めるとされる軍需産業や鉄道・道路・電力などの基幹部門の近代化だが、これらの部門は党や軍幹部などの特権層が牛耳り、賄賂がはびこる。 外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される。これまでも北朝鮮に投資した日本や中国、韓国の事業家の多くはこの“犠牲”になった。 かつて北朝鮮と合弁で携帯電話事業を展開したエジプトのオラスコム社は莫大な利益をあげたが、北朝鮮は「国外には持ち出せない」として、利益を独り占めにしている。 これでは、どこの国の事業家も北朝鮮に投資するはずがない。 正恩氏自身も外資呼び込みが重要と考えてはいるようだが、ロシアのオルガルヒ(新興富裕層)のような外資とつながった新しい権力層が誕生し、自らの基盤が揺らぐ恐れもあり、現状では大胆な導入策はとてもできないといったところだろう』、「外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される」、「外資」導入にあたって最低限の要件すら欠いているようだ。
・『首脳外交での成果上がらず不満高まり体制揺らぐ危機感  そもそも今の北朝鮮は国際社会による制裁でがんじがらめになっており、外資も密貿易でもやらない限り、北朝鮮に投資できない状況になっている。 金正恩氏は2018年から19年にかけ、制裁緩和を狙ってトランプ米大統領と首脳外交を繰り広げたが、19年2月、ベトナム・ハノイで行われた第2回米朝首脳会談の決裂以降、米国との対話は断絶状態だ。 米朝外交をやっている当時から北朝鮮市民の間では戸惑いの声が出ていた。なにしろ、建国以来、指導部は米国を最大の敵と位置づけ、米国に対する敵愾(てきがい)心をあおることで国民の不満をそらし続けてきたからだ。 正恩氏が首脳外交で制裁緩和や経済協力などの成果を上げられれば、国民を納得させられたが、それも空振りに終わった。結局、党大会の報告は「完全無欠の核の盾を構築した」という先祖返りした内容でしかなかった。 経済を改善するための良い要素が一つも見つからない中で、行き着いたのが「自力更生」だった。「人民大衆第一主義」も掲げたが、これは国民の不満の高まりを意識し、自らの権力基盤が揺らぎかねないという危機感を抱いたからだろう』、「行き着いたのが「自力更生」」では、今後の苦境が思いやられる。
・『拉致被害者再調査を水面下で日朝協議 「合意」は頓挫、溝が残ったまま  日本は余裕のない北朝鮮とどう向き合っていけばいいのか。とりわけ拉致問題の解決は日朝関係改善をめざすうえで必要十分条件だ。 金正恩氏はかつて日朝協議を進めようとしたことがある。 2014年3月、モンゴル・ウランバートルで日本人拉致被害者、横田めぐみさんの両親とめぐみさんの娘、キム・ウンギョンさんの家族が面会した。 その2カ月後の5月には、日本が独自制裁の一部を解除する代わりに、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を行うというストックホルム合意が実現した。 当時の関係者の一人はこの動きについて、「権力者の座に就いた正恩氏が父親が失敗した日本からの経済支援を得ようとしたものだった」と話す。 北朝鮮は14年年秋ごろには、拉致被害者を巡る調査の中間報告を日本に出そうとした。 日本側がその内容を事前に探ったところ、「生存者の全員即時帰還」を掲げる被害者関係者の要請とはほど遠い可能性が高いと判断。あえてこの報告書を受け取らなかった。 その後、再調査は進展しないまま16年2月、北朝鮮が核実験と弾道ミサイルの発射実験をしたのを受けて、日本政府が再び独自制裁を決定すると、北朝鮮は反発し再調査の中止などを発表し合意は崩壊した。 日本政府内には14年当時、「不完全でも報告書を受け取り、その後に不備を追及した方がよい」という意見もあった。 ただ、「不完全な報告書を受け取れば、国内の世論が猛反発する」という政治判断から中間報告書を受け取らないことで一致したという。 「ストックホルム合意の崩壊で、正恩氏は日本を信用できない相手と感じたようだ」と、この当時の関係者の一人は振り返る。 金正恩氏はプライドを傷つけられたとも感じたようだ。 第1回の米朝首脳会談から間もない18年6月19日、北京で習近平国家主席と会談したが、習主席は首脳会談の成功を受けて、「これから日本との関係も避けて通れないだろう。拉致問題が必ず解決しなければならない問題として浮上する」と語ったという。 だが、正恩氏は「ご指摘の問題は理解しているが、今はまだその時期ではない」と答えたという。 その後、日本側からは安倍晋三首相(当時)が「無条件での日朝首脳会談」を提案する動きがあったが、北朝鮮からの反応はなかった。) 19年9月、平壌を訪れた故金丸信・元自民党副総裁の次男、金丸信吾氏と面会した北朝鮮の宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使は、提案についてこう語ったという。 「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」 菅義偉政権も「無条件での日朝首脳会談」を呼びかけ、同時に「拉致問題の解決」を掲げるが、北朝鮮にしてみれば、菅首相も安倍前首相と同類に映っているようだ。 労働党の機関紙である朝鮮中央通信は昨年12月23日、加藤勝信官房長官が、「全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、政府も総力を挙げて最大限の努力を続けている」と述べたことについて、こう論評した。 「改めて強調するが、日本が騒ぐ拉致問題はすでに解決済みの問題だ」 北朝鮮側の姿勢には変化がない状況だ』、「拉致問題はすでに解決済みの問題」なのに、「「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」、というのは、案外、真相を突いている可能性がある。
・『東京五輪での金与正氏来日に日本側は期待するが  現在、日本政府内からは「東京オリンピック・パラリンピックに金正恩氏の実妹、金与正党副部長が来日してくれたら」と祈るような声が聞かれる。 与正氏に「拉致問題を解決すれば、日本が北朝鮮を経済支援できる」と訴えれば、与正氏が金正恩氏に会談に応じるよう説得してくれるだろう。独裁国家だから最高指導者が決断すれば流れは決まる、という思惑だ。 だがこれには根拠のない楽観論が含まれている。 第一にコロナの感染拡大が止まらない中で東京五輪が開かれる見通しは立っていない。五輪が開かれても、今回の労働党大会で党政治局員候補から中央委員に格下げになった与正氏が来日するのかどうかもわからない。 格下げの背景には、過度にスポットライトが当たり「ナンバー2」「(正恩氏の)後継者」という印象が強まれば、北朝鮮内で権力の分裂や混乱を招くという懸念があったとみられる。 仮に与正氏が来日して日本側と接触したとしても、与正氏が日本のために正恩氏を説得する役割を担ってくれるかどうかもわからない。 拉致問題が解決しても、北朝鮮の核・ミサイル問題が解決しない限り、国際社会による制裁が緩和されることはなく、日本からも経済支援を得られる環境にならないことは、北朝鮮側もよくわかっているからだ。 もし僥倖(ぎょうこう)が続いて、正恩氏が日朝首脳会談に応じる決意を固めたとしても、拉致問題の解決に至るかというと、その可能性も低い。 正恩氏は、建国の父とされた祖父の金日成主席のようなカリスマ性を持った指導者ではないからだ。祖国の解放者という実績もないし、パルチザンとして一緒に米国と戦った戦友のような人脈もない。 自らが党大会で国家経済発展5カ年戦略の失敗を認めたように、国民が評価する業績もまだ上げていない。 正恩氏が最高指導者でいられるのは「白頭山血統」と呼ばれる金日成主席の血筋だからだ。そして正恩氏を取り巻く特権層も、多くは金日成時代からのつながりがある軍や党の幹部らの親族や関係者らだ。 彼らも金日成主席の血筋がトップにある体制だからこそ、特権層としての富裕な暮らしを享受できている。正恩氏と特権層はいわば共生関係にある。 特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう』、「特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう」、なるほど。
・『日本が射程内の改良型ミサイル登場 バイデン新政権との連携が重要  1月14日に平壌で行われた軍事パレードも、日本にとっての懸念材料がまた増えただけだった。 パレードでは、昨年10月の労働党創建75周年のパレードで“登場”した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)は動員されなかったものの、19年春に試験発射した短距離弾道ミサイルが改良した形で登場したからだ。 機体はロシアのイスカンデルに似た「KN23」か、あるいは米国のATACMSに似た「KN24」のいずれかの改良型とみられる。昨年10月のパレードでは片側4輪の移動発射台に搭載されていたが、1月では片側5輪の発射台になり大型化されたようだ。 イスカンデルは射程600キロだが、改良によって1000キロ以上になったと分析する声も出ている。 金正恩氏は党大会で「戦術核兵器の開発」にも言及しており、北朝鮮は米国本土を狙えるというICBMの配備の前に、まずは日本を射程に収めた核弾頭ミサイルを大量に実戦配備するかもしれない。 日本の安全保障体制は、核抑止は米国の「核の傘」を頼っており、仮に北朝鮮が核弾頭ミサイルを配備するとなれば日本だけでは対応できない。より一層、日米の安全保障協力が必要になる。 20日、発足したバイデン新政権の対北朝鮮政策はまだ見えないが、日本としてはまずは米朝の核・ミサイル協議の目標が全面的な核廃棄から、ICBMなどに対象を絞った核軍縮に変質しないよう、米国に強く働きかけるべき時だ。 その一方で、米朝協議が合意に達し制裁緩和が実現した時には、すぐに日朝首脳会談を開催できるように、あるいは米朝合意と同時に日朝合意を実現できるよう、北朝鮮と信頼関係を築く必要がある。 そのためには北朝鮮に連絡事務所を開設するなどの手順が必要だが、いまの菅政権内でそうした対北朝鮮戦略が練られ、準備が行われているようにはとても見えない』、「連絡事務所を開設」はハードルが高いとしても、定期協議でも何でもいいが、「米朝合意」に遅れない体制づくりが必要だ。

第三に、2月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か、元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/262014
・『2020年版韓国国防白書は日韓「葛藤」と韓中「友好」を強調  2020年版韓国国防白書は、日本に対し従来使用していた「パートナー」という言葉は使わず、単に「隣国」と表現した。これは日本が防衛白書の中で、韓国との「幅広い協力」という表現を削除したことに伴う措置であろう。韓国の軍関係者は「日本の輸出規制以降、ぎくしゃくしていた関係がある」と指摘する。 さらに白書では、「日本の政治家らの独島(竹島の韓国名)挑発(領有権主張)、2018年に起きた自衛隊哨戒機へのレーザー照射問題について『事実をごまかす一方的なメディア発表』で日韓間の国防関係が難航した」と記述している。 これに対し、日本の防衛省は在日韓国大使館の防衛駐在官を招致し、「竹島に関する記述をはじめ歴史認識や輸出管理の見直し、レーダー照射に関する記述など我が国の立場と相容れず、我が国として受け入れられない」などと抗議した。 韓国はその一方で、中国に関しては、これまでの白書にあった「THAAD(高高度防衛ミサイル)を巡る対立」の項目を丸ごと削除し、「両国関係の安定的発展」という表現も用い、2017年の韓中首脳会談など「正常化の努力」を記述した。 こうした、日本と中国に関する記述についてソウル大学の朴喆熙(パク・チョルヒ)教授は、「均衡感を喪失すれば韓米日協力を強調するバイデン政権に誤ったシグナルを与えかねない」「中国は西海(ソへ、黄海のこと)で領有権を主張しながら侵犯しているのが現実だが、本当にわが国の軍が主権を守る意思があるのか疑問を感じるほどだ」(中央日報)と警鐘を鳴らしている。 朴教授の指摘のように、韓国政府、メディアを挙げて、米国のバイデン大統領が日本の菅義偉首相とは1月28日に電話会談したにもかかわらず、3日午後になっても文在寅大統領には電話がないことに焦りを覚えているようである。 韓国のメディアは中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行ったこと、その内容も中国ペースだったこと、特に、中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言をしていることが、米国の不興を買っているからであろうと分析している。 国防白書はこうした文在寅政権の姿勢を体現しているといえる』、「中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行った」、「中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言」、これでは「米国の不興を買っている」のも当然だ。
・『北朝鮮は敵国ではない 南北関係改善の意思表示も  その一方で、軍事的な脅威の高まる北朝鮮について、文在寅政権の誕生後に出した2018年白書では「主敵」「敵」という表現を削除したが、これを今回も踏襲した。それまでは「韓国軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を脅かし侵害する勢力を韓国の敵とみなす」と記述していた。ただ、盧武鉉政権では「直接的な軍事脅威」として「敵」という表現は用いなかった。 軍は今回の白書で、各種弾道ミサイルなど北朝鮮の軍事的脅威が強まった点は指摘した。特に「大口径放射砲(ロケット砲)を開発、朝鮮半島全域を打撃できる放射砲を中心に火力を補強している」と記載したが、「戦術核兵器開発」に関する評価はなかった。 北朝鮮の「核保有」も従来のように明示せず、「プルトニウム50キロ保有」「核兵器小型化能力が相当な水準」と2年前と同じ内容を記述した。 金正恩氏が、朝鮮労働党大会で南北、米朝首脳会談が行われている時期にも核ミサイル開発を継続してきたことを認めたのを全く無視した指摘である。 最近の南北軍事関係については、北朝鮮は「全般的に『9.19軍事合意』を遵守している」と評価した。北朝鮮による南北共同連絡事務所の爆破や軍事的威嚇を無視した形である。 南北の政治関係では、「金委員長は、党創立75年閲兵式の演説では南北関係改善に関する意思も披歴した」と述べた。しかし、それも韓国の出方次第だという条件付きであることには触れていない。 北朝鮮の内部情勢に関し、従来の白書で使っていた「政権世襲」という表現を「金正恩国務委員長の執権」に変更した。民主社会デモで広く用いられる「執権」という表現を用いることで体制の正統性を認める意図があるのであろう。 韓国の国防白書は、現在の朝鮮半島情勢を客観的に分析・評価するものとは言いがたい。あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書と考えた方がよさそうである。 これをもとに韓国の国防政策を策定すれば、北朝鮮の脅威に対処することはできず、韓国の安全保障に甚大な脅威となるであろう。また、日本との協力に後ろ向きな姿勢を露骨に表しており、米韓同盟に対する認識も、韓国として独自色を強く出そうとしている。 韓国は今後ますます日米から離れ、中朝にすり寄っていくことを暗示するのがこの国防白書かもしれない』、「あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書」、自画自賛のためのようだ。
・『文政権に驚きの疑惑 北朝鮮で原発建設を検討か  文在寅政権の安全保障に対する姿勢の危険さを象徴するのが、文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していたという、信じられないような疑惑である。 産業通商資源部(以下「産業部」)が公開した「北朝鮮原発建設文書」によると「具体的推進には限界がある」などのただし書きとともに、「内部検討資料」とも記しているが、17件の文書が板門店南北首脳会談(2018年4月27日)直後の5月2日から15日にかけて集中的に作成されていることに多大な懸念を抱かざるを得ない。 「北朝鮮原発」に関する文書の中では、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の事例について詳しく取り上げ、その上で琴湖地区に原発を建設する第1案を「最も説得力がある」と指摘していたようである。 さらに第2案とされる非武装地帯(DMZ)での原発建設についても「原子炉の稼働には冷却水が必要だ。そのため場所は東海(日本海)か西海(黄海)周辺にしなければならない」とかなり具体的な検討を行ったようである。また、文書の中には「KEDO関連業務経験者名簿」もあった。 当時、文在寅政権が工事を中断させた新ハンウル原発3号機、4号機の設備を北朝鮮に渡そうという部分もあるそうである。 先述の17件の文書の存在は、韓国検察が月城原発1号機の経済性評価の捏造容疑で産業部の公務員らを起訴した際の、起訴状の記録で確認されたものである。産業部の公務員は文書をすべて削除してしまったが、そのこと自体何か隠さなければならないことがあったからであろう。 青瓦台は「(板門店南北首脳会談の際に文在寅氏と金正恩氏が2人で密談した)人道橋会談と前後して北朝鮮側に渡した新経済構想の中に発電所関連の内容がある」との説明をしている。 この新経済構想は文在寅氏が金正恩氏に渡したUSBメモリに記されている。青瓦台はUSBメモリの資料が水力発電や火力発電に関するものだと主張するが、産業部はその後北朝鮮に原発を提供する資料を作成したのであろう。こうした疑惑を晴らすのであれば、USBメモリを公開する必要があるが、青瓦台と民主党はこれを拒んでいる。 こうした一連の文書は、産業部の公務員が単独で作成できるものではないだろう。この時期は「月城原発1号機はいつ閉鎖されるのか」という文在寅大統領の一言で韓国水力原子力に圧力を加えて月城1号機を早期に閉鎖し、新規原発建設白紙化を推進している時期であった。 朝鮮日報の独自取材によれば、月城原発の閉鎖過程で、産業部の職員が、金秀顕(キム・スヒョン)青瓦台社会首席秘書官(当時)がチーム長を務めていた青瓦台エネルギータスクフォース(TF)と緊密に協議し、指示を受けていたことが明らかになったそうである。 こうした疑惑に関し、オリ・ハイノネン元国際原子力機関(IAEA)事務局次長は「(韓国政府が)何を議論し、どのような計画を進めようとしていたか解明することが最も重要」だと指摘した。 ハイノネン元次長は「国連安保理決議1718と2397には『北朝鮮におけるすべての核兵器と現存する核開発計画を直ちに廃棄しなければならない』と記しているが、この核開発計画には(寧辺の)軽水炉や5メガワット原子炉なども含まれている」「そのため誰かが北朝鮮に(既存の)原子炉に代わる施設を建設するとなれば、これはおかしなことだ」と強い懸念を示した。 さらに、1990年代のKEDO当時と比べ、北朝鮮は核兵器を保有している。同元次長は「北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)に復帰しない限り、北朝鮮の地に原子炉を建設することはできない」と断言した』、「文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していた」、事実であれば、国連決議違反だし、飛んでもないことだ。
・『北朝鮮での原発建設の疑惑究明は不可欠  こうした疑惑に対し政府・与党は一斉に総反撃に出ている。 文大統領は「マタドール(根拠のない話による政治攻勢)」として不快感を表し、「旧時代的な政治攻勢」と野党を批判した。青瓦台関係者は「一線を越えた政治的宣伝だ。人々を惑わす無責任な扇動」と大統領に迎合した。 李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は「野党第1党の指導者が越えてはならない線を越えた」と述べた。 これに対し、野党第1党・国民の力の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は、李代表の発言に対し「青瓦台と与党が疑惑を解消する義務があるにもかかわらず、刑事責任を問うといって過剰反応したのがむしろおかしい」と反論した。 検察の捜査の過程で出てきた北朝鮮での原発建設疑惑に国民が疑問を抱くのは当然だ。「脱原発」を政治哲学とする現政権で公務員が原発建設を単にアイデアとして出したという説明は納得できない。それなれば、なぜ関連文書を廃棄したのか。 北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない。 韓国政府高官らの不正を捜査する高位公職者犯罪捜査処を新たに設置したのは、こうした時に検察が捜査することを妨害するためである。こうした文在寅政権の独裁政治には政界、言論、国民が一体となって立ち向かっていかなければ、それを正すことはできない。 こうした疑惑に対し、バイデン大統領の対北朝鮮チームはどう反応するであろうか。黙って見過ごすはずはない。ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない。 この問題は、ことの重大性からして、もみ消して済む性格のものではない。仮に文在寅政権がもみ消しに成功すれば、韓国の政治に「明日はない」ということを実証することになるだろう』、「北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない」、「ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない」、「文在寅政権」の甘過ぎる対北朝鮮政策は、信じ難い。バイデン政権から見捨てられる前に、見直してほしいものだ。
タグ:東洋経済オンライン 北朝鮮問題 ダイヤモンド・オンライン ソウル新聞 武藤正敏 牧野愛博 (その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説) 「北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大」 権力中枢の常務委員になれなかった 一時は「金委員長」の健康不安説・死亡説まで流れていたが、これは全くガセネタだったようだ。 金委員長の“カバン持ち”が急浮上 「対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる」、「韓国」はわざわざ工作するまでもないと、軽くみられた可能性もあるだろう 「北朝鮮、「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配」 5年ぶり労働大会と軍事パレード 見えた金正恩体制の今後 「自力更生路線に戻」れば、「拉致問題の解決」の可能性が小さくなってしまいそうだ 経済発展計画の失敗を認め「自力更生、自給自足」掲げる 「設備稼働率が」「2011年」「以降で最低水準」、しかもミサイルなどを作りまくっているので、民間需要は大幅マイナスだろう 制裁やコロナでの国境閉鎖 外資導入進まず「先祖返り」 「外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される」、「外資」導入にあたって最低限の要件すら欠いているようだ 首脳外交での成果上がらず不満高まり体制揺らぐ危機感 「行き着いたのが「自力更生」」では、今後の苦境が思いやられる 拉致被害者再調査を水面下で日朝協議 「合意」は頓挫、溝が残ったまま 「拉致問題はすでに解決済みの問題」なのに、「「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」、というのは、案外、真相を突いている可能性がある 東京五輪での金与正氏来日に日本側は期待するが 特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう」、なるほど 日本が射程内の改良型ミサイル登場 バイデン新政権との連携が重要 「連絡事務所を開設」はハードルが高いとしても、定期協議でも何でもいいが、「米朝合意」に遅れない体制づくりが必要だ 「韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か、元駐韓大使が解説」 2020年版韓国国防白書は日韓「葛藤」と韓中「友好」を強調 「中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行った」、「中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言」、これでは「米国の不興を買っている」のも当然だ 北朝鮮は敵国ではない 南北関係改善の意思表示も 「あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書」、自画自賛のためのようだ 文政権に驚きの疑惑 北朝鮮で原発建設を検討か 「文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していた」、事実であれば、国連決議違反だし、飛んでもないことだ 北朝鮮での原発建設の疑惑究明は不可欠 「北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない」 「ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない」 「文在寅政権」の甘過ぎる対北朝鮮政策は、信じ難い。バイデン政権から見捨てられる前に、見直してほしいものだ
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ブラック企業(その12)(後継者はなぜ育たなかったのか?ワタミ渡邉会長の告白、大成建設 ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状、「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方) [企業経営]

ブラック企業については、昨年3月7日に取り上げた。今日は、(その12)(後継者はなぜ育たなかったのか?ワタミ渡邉会長の告白、大成建設 ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状、「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方)である。

先ずは、昨年3月22日付け日経ビジネスオンライン「後継者はなぜ育たなかったのか?ワタミ渡邉会長の告白」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00120/030400003/?P=1
・『居酒屋「和民」を人気業態に育てたワタミ創業者の渡邉美樹氏(60)。創業16年で東証1部上場を果たし、2008年3月期には売上高1000億円を突破。その手腕から外食業界のカリスマ経営者として名をはせ、小説『青年社長』のモデルにもなった。 「100年企業」を目指し経営を後進に託すべく、09年に社長の座をすかいらーく出身の桑原豊氏に譲り、自らは会長兼CEO(最高経営責任者)に。11年には東京都知事選に出馬(落選)するために代表権を返上し、取締役最高顧問に就任した(同年、非常勤の取締役会長に)。13年には取締役も辞し、参議院議員になり国政に進出。ワタミには「1000%戻らない」と公言していた。 ところが、渡邉氏が経営を離れてからワタミは坂道を転げ落ちるように業績が悪化する。労務問題の影響や外食事業の不振がたたり、15年3月期には上場以来初の営業赤字に転落し、自己資本比率は危険水域の7.3%にまで低下。05年に進出し、有料老人ホームが100カ所を超えるまでに成長した介護事業を売却せざるを得なくなり、その後も減収に長く苦しむことになった。 これを見かねた渡邉氏は、6年間の議員生活を終え、19年7月にワタミの取締役に戻り、10月には8年ぶりに代表取締役会長に復帰した。グループCEOという新たな肩書も名乗り、自身に権限を集中させ経営の立て直しに奔走。20年3月期は6期ぶりの増収を見込むが、売上高は1000億円に届かず、ピーク時の1631億円(14年3月期)には遠く及ばない。 グループの未来を託せる後継者はなぜ育たなかったのか――。渡邉氏が自戒を込めて、心中を明かした。 Q:昨年10月、8年ぶりに代表取締役会長に復帰しましたが、政界進出する際には「ワタミの経営には絶対に戻らない」と宣言していました。 渡邉美樹・ワタミ会長(以下、渡邉氏):まずあれだけ強く戻らないと言ったのは、実は対外的というよりも社内に対するメッセージでした。要するにどうしても僕がつくった会社ですし、いろいろなことをすべて私が決めてきたわけですから、社員にしてみれば私が少しでも会社に残ったり、戻ってきたりすることが分かれば、甘えが当然発生します。経営陣に緊張感を持ってもらうために、「二度と戻らない」と公言したわけです。それと同時に、政治から日本を変えていく、日本の未来をつくっていくという決心を固めるために、自分に対して、一種のけん制をしたということでもあります。もっとも政界に入ってみて分かったのは、国会議員は本当にいかに周りと仲良く、群れをつくりながら泳いでいくかが大事な仕事だということです。僕が発言したことは議事録には残っていますが、1つも形にはならなかった。 それでも国会議員になってから、僕は経営情報を取りに行きもしなかった。取れば甘えてくるはずだからです。でも結果として、工場の設備、店舗の改装、広告宣伝などに対する過剰投資が生まれていた。15年3月期に(上場以来初の)営業赤字に転落してからは、銀行から「渡邉さん、戻ってこなかったら、もう融資しないよ」と言われるところまで追い込まれました。それからは、2週間に1回ぐらい、役員会の相談を受け、大株主の責任として財務や資金繰りの状況を見ていました。でも、やはり中途半端に経営ってできませんから、それ以上踏み込むことは自制していました。 Q:それだけ戻らないと強く決心されたのに、昨年トップに復帰されたのはなぜですか。 渡邉氏:創業者にとって会社は自分の子供だし自分が育てたわけですが、ある段階に来たときには自ら前に進んでいってもらえるようにしたい。ただ、やはり創業者というのは本当に死ぬまで創業者なんだなということは、今回復帰するにあたって、改めて思い知らされました。中途半端に言うと今の経営陣の批判になってしまうので、これは避けたいんですが、「やはり戻らねばならない」と思った理由は2つあります。 1つは、司令塔だった私が欠けたことで、グループの各事業がバラバラになってしまったことです。それから2つ目は、都知事選のためにトップを退いてから8年間、ワタミを客観的に見たときに、何一つ新しいことが生まれてないわけですよ。現状の中における工夫はしているんです。1あるものを1.1とか1.2にするような。でも、そこには目指すものが見えない。僕は大きな未来の目標を立てて、そこを目指して新しい事業をつくってきた。やっぱり創業者じゃないと未来が見えないんだなということは強く感じました。 Q:ここで言う「未来」が見えるか見えないかは、何の差なんですか。 渡邉氏:まあ、それはたぶん創業者の1つの変態、特異性だと思いますよね。一般のサラリーマン経営者の方ならば、現状を守ることを考えて経営するのは、やむを得ないことだと思います。ただアントレプレナー、創業者というのはもともと何もないところから、仕事を始めているわけですよね。「こんな夢を追い掛けよう」という思いから始まっているわけで。現状の1を1.1にしていこうとかいう、概念自体がないんですよ。だからそれにおいてはもう人種も違うと思います』、「営業赤字に転落してからは、銀行から「渡邉さん、戻ってこなかったら、もう融資しないよ」と言われるところまで追い込まれました。それからは、2週間に1回ぐらい、役員会の相談を受け、大株主の責任として財務や資金繰りの状況を見ていました」、銀行にしたら当然の要求だ。
・『「タテ割り」の弊害が顕著に  Q:会社を船に例えれば、船自体をつくる方法を考えてきた人と、出来上がった船に乗り込んできた人とは、見える景色が違うというのは当然といえば当然なのかもしれませんね。 渡邉氏:出発点がまるで違います。あと船の進む方向をもともと持っていた人と、後から乗り込んできて船をどこに進めていいか分からない人とは、全く違うと思います。ですから、ワタミの中で新しいことが何一つ生まれていなかったのは、僕にとって非常に残念なことで、またこれを何とかしなければ乗組員を幸せにできないと思いました。 外食事業(上左)の他に、宅食(上中)、介護(上右、15年に売却)、農業(下左)、自然エネルギー(下右)などの事業を抱えるワタミには、相乗効果を生む「全体最適」の戦略を描けるリーダーが必要だったのだが……  Q:ただ、外食事業では「和民」に代わる居酒屋の新業態もいくつか生まれました。 渡邉氏:それは看板を掛け替えただけですから。「ミライザカ」や「鳥メロ」というのは、和民を変形させたものなので新しい業態とは言えません。そこで今度、4月に、(飼料や食肉の生産から手掛ける)高品質の和牛を手ごろな価格で提供するファミリー向けの業態をオープンします。他にも、今伸ばしているファストフード業態の「から揚げの天才」。これらは従来のワタミにはなかった文化です。駅前型居酒屋の和民とは違うこの2つの業態を本格的に立ち上げることが、復帰後の僕の仕事でした。 Q:一方で、グループ全体の事業をもう一度まとめる作業が必要だということですが、経営を退かれた後、会社はどういう状況に陥ったのでしょうか。 渡邉氏:一言で言えば、「タテ割り」の弊害が顕著になったということです。ワタミには、農業、自然エネルギー、外食、宅食など様々な事業があり、それが連携することで初めて本来の強みを発揮します。これらの事業はトップを退くまでの29年間で、僕がつくってきたものです。そして、各事業がそれぞれ独立して走っていて、それらを横断的に見て、シナジーを考えるのは僕1人だった。ところがその本人が抜けたものだから、各事業がバラバラに動き始めたんです。人的交流も情報共有もあまりなかったので、例えば、外食事業と宅食事業がそれぞれ手配したトラックがほとんど同じ所に向かって別々に走っていた。 でも、僕が政治家になる前は、タテ割りの方が僕自身が会社を見やすかったですよね。各部門を分社化していたので、この会社はこう、この会社はこうと、会社単位で管理して指示できたので、僕にとって一番効率が良かった。でも、その結果として全体最適ではない組織をつくってしまった。これはもう僕自身の反省ですが、横の連絡を取り合いながら常に全体最適を考えられるような役員がまだ育っていなかった。だからタテ割りにして、僕が直接指示をした方がやりやすかった。 それに組織は小さい単位の方が、頑張りや成果も見えやすい。だからタテ割りで、それぞれの会社と役員が自立していけばいいと思っていました。でもこれが大きな間違いでした。1+1が3とか4を生むことを目指したのに、1+1が1になってしまった。結局、農業部門は赤字で足を引っ張っている。エネルギー部門でもソーラー発電事業などを一部手放さねばならなくなってしまった。最高の経営状態でバトンを渡したつもりだったが、肝心のバトンの渡し方が悪かった。だから事業をつくった人間の責任として、相乗効果が生まれるような仕組みにつくり替えていかなきゃいけないと思ったんです。 Q:タテ割りを解消して、全体最適を考えられるリーダーを育てるために、今はどのような取り組みをしているんですか? 渡邉氏:昨年10月に会長に復帰してからすぐに、通常の取締役会とは別に、部門を横断する「経営戦略会議」を立ち上げました。毎週月曜日に各部門を統括する6~7人の役員が集まり、朝8時から昼の1時くらいまでじっくり時間をかけてグループの各事業の現状や課題を共有し、成長戦略を話し合います。この会議が今のワタミの心臓になっています。すべての事業の戦略立案、およびそのPDCAについて、毎回20項目ほどの内容を、1つずつ討議する、非常に中身の濃い会議です。案件ごとにその事業の担当者が順番に来て、戦略の進捗などについて次々に報告します。 会議に参加する役員は、そうした各事業の動きや課題をお互いに共有し、他部門と連携しながら全体のシナジーを高める方法を一緒に議論します。ITを使って、各部門の情報共有も進めています。例えば外食で1つの販促策を打つ場合などは、食材を作る工場も、素材を供給する農場も、人材育成の担当部署も、もちろん本部も、全員が情報を共有して「同時案件」として扱います。各部門を預かる役員が集まってそれを検討し、そして合意し、前に進む。これを繰り返すことで、グループ全体を見渡す大きな視野で物事を判断できるようになるはずです。 Q:今振り返ると、ワタミの経営幹部に本来必要だったリーダーシップとはどのようなものだったのでしょうか。 渡邉氏:難しいね。結局、その育成をできなかったのが僕ですから。ただ、1つ、付け足しておきたいことは、いろいろな問題点はあるけれども、今の清水(邦晃)社長(兼COO=最高執行責任者=、15年に就任)は非常に良いリーダーだとは思っているんです。ラグビーの日本代表チームに例えれば、彼は主将のリーチ・マイケルで、僕はヘッドコーチのジェイミー・ジョセフだと。私は上から見て指示して、戦略も練り、人も決める。実際に現場で戦って、ここはスクラムでいくのかキックするのか現場で判断するのは彼です。外食事業にとって一番大切な、商品と立地の2つを彼に任せていて、僕はタッチしていません。ボトムアップのリーチ・マイケルを中心とした、いい組織が出来上がっていると思っています。リーダー論で言うならば、まずは現場でみんなをまとめられる人材を育てることまではできた。次は経営戦略を担える人を、これから時間をかけて育てていきたいというのが正直なところです』、「タテ割りで、それぞれの会社と役員が自立していけばいいと思っていました。でもこれが大きな間違いでした。1+1が3とか4を生むことを目指したのに、1+1が1になってしまった」、「最高の経営状態でバトンを渡したつもりだったが、肝心のバトンの渡し方が悪かった」、痛烈な反省のようだ。
・『「同族企業について調べて、考え方が変わった」  ではその先、渡邉さんの後継者については、どうお考えですか。 渡邉氏:正直言って次の後継者のことなんて全く考えていません。今はとにかく会社をゼロからもう一回つくり直さなきゃならない。その上で、経営をどう渡したらいいのかを、もう一度考えます。 Q:今年1月、長男の将也さん(32歳)が執行役員に就任し、海外事業を担当していますが、2月5日に新型コロナウイルスの影響で中国の「和民」業態の撤退も決めました。 渡邉氏:就任早々、試練と向き合っていますよ。彼は大学を出た後に、ヘルパーの資格を取って介護事業の現場に入り、外食事業での店長や店舗開発を経て、海外の仕事を担当していました。その後、うちの大株主のサントリーさんから「勉強しませんか」と声をかけていただいて、16年からまずは日本のマーケティング部門にいて、18年に(米蒸留酒大手の)ビーム(現ビームサントリー)のシカゴ本社に移り、マーケティングの部署でブランドマネジャーを担当しました。これまでにMBA(経営学修士)も取得しています。まあ、僕の息子じゃなくても、そういう経歴の人がいたら採りたいですよ。ゼロ歳から僕の後ろ姿を見て、経営理念が染みついていますし、これから非常に期待したいとは思っています。 Q:渡邉さんの後を継いでCEOを担う可能性も当然あるわけですね。 渡邉氏:可能性はありますが、今は何とも言えませんね。本人の力次第だと思います。社員の幸せと会社の発展につながるようなら、なった方がいいし、そうでないならなるべきではない。以前、僕は世襲に対しては疑問がありました。能力がない人がトップに就いたり、子供に継がせることが会社の存在目的になってしまっていたりする会社を見てきたからです。ただ、議員時代に改めて同族企業について調べて、考え方が変わりました。 Q:どういうことでしょうか。 渡邉氏:世界的に同族企業は、そうでない企業と比べて3倍の収益性を誇ります。創業家のトップであれば、創業理念も守りやすいし、オーナーとして短期的な収益にとらわれずに、長期的な視点で経営判断ができます。緊急ではないけど大事なことにお金を使う。つまり未来に投資できる。これが大きい。一方で、家業を守るために「ケチ」にもなれる。会社を長きにわたって成長させる上で、創業家の出身者に有利な点が多いのは事実です。すべてはリーダーとしての能力次第ですが、能力が同じなら、絶対同族の方がいいと思います。 現在、ワタミの株式の約26%を私の資産管理会社が持っていますが、これ以上、株は絶対売らないと対外的に宣言しています。大株主がころころ変われば、会社の方向性がブレます。創業家が一定の株をしっかり持って、その創業家からしっかりとした方針が出され、未来図が示される。これは部下にとって最高に仕事がしやすい状況だと思います。 Q:会長復帰と同時に、自ら策定された中期経営計画を発表しました。 渡邉氏:あのままいったら僕はワタミはつぶれていたと思います。これが、復帰して会社の中を見回してみた感想です。大事なのはここから10年、もっと言うとこの3年だと思っています。社員を含めてみんなで劇的に会社を変えようとしています。その成果が出るのが22年3月期。そして、29年3月期には売上高を(現状の2倍以上の)2000億円に引き上げて、サービス業で日本のリーダー的な存在にもう一度戻りたいと思います』、「29年3月期には売上高を(現状の2倍以上の)2000億円に引き上げて、サービス業で日本のリーダー的な存在にもう一度戻りたいと思います」、「カリスマ経営者」の化けの皮が剥がれた「渡邉氏」の願望が実現するか、注目してみておきたい。

次に、7月20日付けダイヤモンド・オンライン「大成建設、ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/242993
・『大成建設の現場を担当する“要注意”の同社社員について、現場の下請け職人たちは人物情報を口コミで共有している。コロナ感染者が発生した新宿住友ビル改修工事には、「過去最低の現場」と評された都内工事で要注意人物とされる社員がいた。特集『バブル崩壊 ゼネコンwithコロナ』(全7回)の#2では、工事現場の惨状に迫る』、「過去最低の現場」「と評される」ようであれば、よほど酷いようだ。
・『三角ビルのコロナ感染を発表しなかった大成建設にまつわる“いわく”  東京・新宿のオフィス街で6月末、新宿住友ビル1階の足元と上空にガラス張りの巨大アトリウムが完成した。その特徴的な形から“三角ビル”の愛称で親しまれるこの超高層ビルは、竣工から今年で46年。老朽化に対応し、新たな価値を付加するリニューアルプロジェクトの目玉となるアトリウムの工事は、大手ゼネコンの大成建設が施工した。 この工事現場では4月下旬、新型コロナウイルスの感染者が発生していたが、大成はそれを一般に公表しなかった(詳細は本特集#1『大成建設「本社社員コロナ死」隠しの真相、新宿住友ビル工事でも感染者』 参照)。 7月15日にも都内の別の現場で17人の感染者が発生し、さすがにこのときは一般に発表したが、それまでは建設現場での感染発生をゼネコン各社が相次ぎ発表する中でも、大成は“コロナ隠し”とも受け取られかねないほど公表に消極的だったのである。三角ビルについては施主である住友不動産とも協議した上ではあろうが、大成の建設現場で働いたことがある下請け職人たちは、感染発生を耳にすると「あの会社ならば公表しないのは当然」とささやき合っていた。 三角ビルの現場では、感染発生により工程が組み替えられ、それに伴って急きょスケジュールに空きが出た職人もいたが、その休業補償は自己申告制。下請けである職人は大成に忖度して、申告しづらい。職人たちに言わせれば、それもまた「当然のこと」。「大成は職人を馬車馬のように扱うから。それに比べれば、同じ東京発祥の大手でも清水建設や鹿島はまだ上品」と辛辣な言葉を吐く者もいる。 しかも、この大成については、ある“いわく”があった。 大成の現場を担当する“要注意”の同社社員について、現場の下請け職人たちは人物情報を口コミで共有している。コロナ感染者が発生した三角ビルの改修工事には、「過去最低の現場」と評された都内工事で要注意人物とされる社員が出入りしていたのである』、「大成は“コロナ隠し”とも受け取られかねないほど公表に消極的」、公表すれば工事の遅れにつながるので、どうしても隠蔽したくなるのだろう。「現場の下請け職人たちは人物情報を口コミで共有」、よほど悪質な社員なのだろう。
・『不安全行動はすぐ指導せず、こっそり撮影 「まるで下請けいじめ」  現場を担当する大成の社員は、工事が完成するたびに、所属部署が管轄するエリア内の他の現場にある程度の人数が固まって移動する。その中に、大成の社員でも「変わり者が集まっている」と評するグループがある。そのグループの一人が、三角ビルの現場に姿を見せていた。 この社員は、2年前の「丸の内3-2計画」(丸の内二重橋ビル)の現場で、職人にどう喝まがいの口調で接していたことで有名だった。 「丸の内3-2計画」は、工期が2015年11月~18年10月の約3年に及ぶ大規模な再開発工事だった。三菱地所が運営するオフィスや商業店舗、東京商工会議所の会議室、東京會舘の結婚式場やホールなどが入る複合施設を建設するものだ。 完成した今では、東京メトロ千代田線の二重橋前駅に直結し、華やかな感じでにぎわいを見せるが、工事中は重苦しい雰囲気に包まれていた。17年8月、高所作業車の落下事故が発生して職人が3人亡くなったからだ。 もともと予定されていた工程が遅れに遅れたのに加え、事故への対応で工事を中断したことで工期を圧迫したため、工事最盛期には何日も現場に泊まり込んだり、徹夜したりするのが当たり前だった。下請け業者にすれば、職人を確保するために中断や待機の期間でも給料を払い続け、工程の遅れを取り戻すべく職人を増やして対応するなど、まさに身を削る現場だった。 作業環境も下請け業者を苦しめた。特に完成を控えた18年の夏は猛暑が現場を襲い、休憩所の冷房設備や冷水機の不足によって職人が何人も熱中症にかかった。暑さだけでなく、トイレや資材搬入用のエレベーターが少ない、職人の休憩所にエアコンが付いていない、エレベーターの使用料が1回2000円かかるなど、「過去最低の現場」と職人たちに言わしめた。 死亡事故直後に現場に入ったある職人は、大成社員の所長が朝礼で、遺族に会ってきた話をしたときのことをよく覚えている。「『これは俺のせいなのか?うちらも迷惑だ!』という趣旨で責任を職人に押し付けるような話し方をしていて、みんな驚いていた。ちょっと鬱っぽくなっているなとも感じた」。 事故発生以降、安全専任の大成社員による監視は過剰なほど厳しかった。高所作業時に安全帯を着けるのを忘れていたり、高所作業車を使うときにコーンが区画からはみ出ていたり、足場の固定を支えるつっぱりが緩んでいたりといった不安全行動を見つけると、その場では注意せず、現場のビニールシートの隙間からこっそりカメラを差し入れて写真を撮影し、翌日の朝礼で写真を皆に見せて周知した。 不安全行動を取り締まることはもちろん重要であり、危険性の共有は事故を防ぐために必要だ。しかし「現場ですぐに指導しないのはたちが悪かった。まるで下請けいじめだった」と前出の職人は振り返る。 科されるペナルティーも厳しいものだった。不安全行動をした業者から新規入場者を受け入れなかったり、資材を搬入させなかったり、作業を中止させて業者の代表者を呼び謝罪を要求したり、「ペナルティーのせいで工事の進捗が遅れる」ようなケースも相次いだ。 呼び出しを食らった業者の代表者は、“恐喝担当”とあだ名された社員から土下座を強要されるなどしており、現場は恐怖で支配されていた。厳しい取り締まりが相次いだため、職人たちは結託して監視を行う安全専任担当の社員の行動を逆に監視する係を立て、作業を邪魔されないようにひそかに見張ったりもした。 この現場の所長、安全専任担当、恐喝担当などは“ブラック社員”として職人たちの間で人物情報を共有されるようになった。工事が終わって2年たった今でも「あの現場にいる」「うちの現場で見掛けた」と情報がやりとりされているのだ。 丸の内3-2計画の現場で社員による下請け業者へのパワーハラスメントが行われていたことや、極端に短い工期だったことについて、大成に問い合わせたところ、「指摘のような事実はない」との回答だった。 なお、大成の村田誉之社長(当時。現副会長)がこの現場を視察したときもひと騒動あった』、「エレベーターの使用料が1回2000円かかる」、所属する組織は様々なのに、どうやって請求するのだろう。「呼び出しを食らった業者の代表者は、“恐喝担当”とあだ名された社員から土下座を強要されるなどしており、現場は恐怖で支配されていた」、下請工事業者から抗議が入りそうなものだが、遠慮しているのだろうか。
・『大成社長の視察に備えて徹夜でエアコン設置、あいさつの練習  現場の大成社員が村田氏に対していい顔をしたかったからだろうか、社長訪問に備えて休憩所のエアコン不足を解消するべく、職人たちは徹夜でエアコン設置をやらされたり、あいさつの練習をさせられたりした。 「訪問当日、村田氏による職人へのねぎらいは乏しかったけどね」と前出の職人。休憩所内は一瞥しただけで特にあいさつするようなことはなかった。 村田氏は昨年、「週刊ダイヤモンド」のインタビューで「職人の技、匠の技をリスペクトする立場でずっと来てる」と語っていたが、訪問の準備に付き合わされた分、職人の間で村田氏の評判は下がった。職人たちからは「村田社長になってから現場での社員の締め付けは厳しくなった気がする」という声も出ている。ちなみに村田氏は今年6月に副会長に就き、安全・働き方改革担当となっている。 建設業界は人手不足である。再開発需要が旺盛な近年は、職人も仕事を選べそうなものだ。大成の仕事で痛い目を見たのであれば、断ればよいだけの話にも映る。しかし、不満を抱きながらも、職人たちは露骨にゼネコンをえり好みしようとはしない。 「自分一人なら断ってもいいが、上に迷惑が掛かる」と前出の職人が語る。 建設業界は、大手ゼネコンをトップとしたヒエラルキーが形成され、重層の下請け構造になっている。末端の一人が工事を断ると、上位の下請け業者が仕事を引き受けられなくなり、迷惑が掛かる。一人親方といっても、なじみの業者は決まっているので、影響は必ず波及する。上位の会社の仕事が干されないように忖度し、嫌なゼネコンとの仕事も引き受けざるを得ないというのだ。 もう一つ、丸の内3-2計画の現場しかり、工期に無理があると現場はより過酷になる。無理のない工程や適切な環境を整えられるかどうかは、現場ゼネコン社員の力量に懸かっているが、それができていない現場は山のようにある。 その点で、今後はさらに状況が悪くなるだろう。コロナ危機の影響で工期が変更されたり、東京オリンピック・パラリンピック開催の後ろ倒しで開発プロジェクトのスケジュールが乱れたりすることが必至であるからだ。そのしわ寄せがくれば、現場はさらに厳しいものになる』、「末端の一人が工事を断ると、上位の下請け業者が仕事を引き受けられなくなり、迷惑が掛かる。一人親方といっても、なじみの業者は決まっているので、影響は必ず波及する。上位の会社の仕事が干されないように忖度し、嫌なゼネコンとの仕事も引き受けざるを得ないというのだ」、建設業界にもやはり厳しい掟があるようだ。

第三に、12月28日付け東洋経済オンラインが掲載した公認心理師・臨床心理士の谷地森 久美子氏による「「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/395564
・『他人に振り回されがちな人は、そのストレスで心身に不調を来し、場合によっては命まで手放してしまう可能性があります。公認心理師、臨床心理士である谷地森久美子氏の著書『ふりまわされない自分をつくる 「わがまま」の練習 心の中に線を引けば全部うまくいく 』を一部抜粋・再編集し、仕事で精神的に追い込まれたときの本人や支える側の対処法をお届けします』、興味深そうだ。
・『夫が家を出たまま出社しなかった  Cさんとの出会いは、臨床心理士の私が当時勤務していた精神科クリニックでした。 クリニックの待合室では、ぐったりとしているCさんのわきで、心配そうに、奥さんが付きそっていました。奥さんが経緯説明や症状などの情報を記した、インテークシートには、次のように書かれていました。 2日前の朝、夫Cは家を出たまま出社しませんでした。その日は夜遅くまで、会社と警察と連絡を取りながら夫をさがしまわりました。幸いなことに、深夜3時ごろ夫から私あてにメールが入り、昨日、帰宅しました。 私が『生きて帰ってきてくれただけでよかった』と伝えたら、夫は『つらくなりすぎて、誰もいないところに行きたくなった。でもふと君の顔が浮かんできた。おおごとになって申し訳ない』と泣きながら、話してくれました。夫が心おだやかにすごせるようになるにはどうしたらよいでしょうか。 時間となり、私がCさんをカウンセリングルームに案内しようとしたとき、奥さんは頭を下げて言いました。 「カウンセリングのあとで、私にもアドバイスをください。夫にはOKをもらっていますので」 カウンセリングルームの椅子に腰をおろすなり、Cさんは「ふーっ」と深いため息をつきました。 C:「妻に『お願いだから一緒にクリニックに行って』と言われてきました」 私:「大変な中、よく来られましたね」 今日来てくれたことをねぎらうと、緊張していたCさんの顔がほっとゆるみました。 C:「自分が担当している部門の営業成績が、ここ半年かんばしくありませんでした。そのため結果を出せない同僚が何人も切られる事態となりました。自分も伸びなやみ、対策を練り続けて、毎日残業。深夜に帰宅しても眠れない。その分、日中はぼうっとして考えがまとまらず、上司に怒鳴られ――。 『自分はダメな人間だ、会社のお荷物だ、自分なんかいないほうがいいんだ……』そんな思いを抱えるようになり、次第につらくなっていきました。そして、この苦しみをどうにか終わらせられないかとぐるぐる考えているうちに、気がついたら……逃げだしていました」』、強烈なパワハラをする典型的な「ブラック企業」だ。
・『自分の存在自体が意味がないと考えた  私:「どれだけつらいか自分ではわからないほど、限界に達してしまったんですね。もしかして消えてしまいたいとか、死んでしまいたい、といった思いが、頭をよぎったりしませんでしたか」 C:「ありました。自分の存在自体、意味がないとまで考えていました。迷惑をかけるくらいなら死んだほうがましだと思っていました。こんなこと、妻には言えないです、心配かけたくないですから」 Cさんは、急にうつむき、身体をふるわせました。それからしばらくのあいだ、あふれるように涙が流れ続けました。 20分くらいたったころでしょうか、ひとしきり泣いたCさんは、深呼吸しながら、次のように言いました。 C:「『死にたくなった』なんて、これまで誰にも言えませんでした。でも、聞いてもらうと、今までより少し気持ちが楽になるものなんですね」 私:「『話すことは、思いを手放す意味もある』って、聞いたことはありませんか。抱えてきたものを手放すと、問題と自分とのあいだに距離がとれるのです。つまり、自分を守る心の境界線を引くことができる。 Cさんは自覚がないと思うのですが、逃げだしたくなるほど、ひとりで仕事の責任を抱えこんでいた。心の境界線が脅かされていたんです。安心、安全な場所に一刻も早く避難しなければならない危険な状況でした。 こんなときは、物理的に距離をとる、つらい状況・人との関係を切る、誰かに助けを求めること。シンプルなことですが、それ自体、あらたに自分を守る強力な境界線となります。 そういう意味で今回の失踪の件は、Cさんにとってはご自身を守るぎりぎりの選択だったように私には思えます、もちろん今後はおすすめしませんが……。おかげで、Cさんは、今しっかりと生き残ることができました。ぎりぎりのところで、ご自身を守ったのです」 Cさんは、また少し涙を流し、照れたように笑いました』、「安心、安全な場所に一刻も早く避難しなければならない危険な状況でした。 こんなときは、物理的に距離をとる、つらい状況・人との関係を切る、誰かに助けを求めること。シンプルなことですが、それ自体、あらたに自分を守る強力な境界線となります」、その通りだ。
・『自分の限界がわからなくなって無理をする  ブラックな環境に身をおく人は、心と身体が疲弊して、どこまでが自分の限界かわからなくなり無理をしがちです。安全や健康の境界線がおびやかされ、自分を見失ってしまうのです。今回のように生命にかかわる状況にいたってしまうこともあります。 私:「さて、危険にさらされたとき、何を大事にすればいいのか、ですが、先ほど誰かの支えが必要だと述べましたよね。それには家族など身近な人の温かな協力が必要なんです。ここからは奥さんをお呼びしてもよろしいでしょうか」 Cさんは、深くうなずきました。 私:「危機的状況に陥った人の命綱は、やはり、人とのつながりです。Cさんは身を隠そうとしたときも、ぎりぎりのところで奥さんに連絡をとりました。そして、Cさんがもどってこられたときの奥さんの対応も、すばらしかったです。つらくて弱っているときほど、温かで、自分を受け入れてくれる言葉は本当に助けになります。 多くの場合、支え手側が陥りやすいのは、弱っている人に対して、否定語をもりこみながら無責任に励ましてしまうこと。具体的には、『なんで、そんなことをやってしまったのか。こういうの、あなたらしくない。残念だ。もっと前向きに頑張れ』といった言葉の用い方をしないこと。 『なんで』『らしくない』『残念』は、弱っている相手にとっては否定語になります。『もっと前向きに頑張れ』と声をかけることは、あまりに酷で、さらなる徒労感や失望感をいだかせるだけです。 それから今後、ご夫婦で心にとめていただきたいこと。それは、夫婦や家族だと心理的距離が近すぎて、お互いにつらくなることがあります。支えている方にも、支えてくれる相談相手が必要なのです。 そのため、カウンセリングというよりも、家族ミーティングのイメージで、定期的にこちらで話し合いの場をもちましょう」 このカウンセリング後、主治医の判断で、Cさんは1か月の病気休暇を取ることになりました。私はCさんの許可をもらったうえで、会社の担当者や産業医に対して、状態や経過に関してやりとりし、それを夫婦そろっての家族ミーティングで話題にし、会社の受け入れ状況を確認していきました』、こうした「カウンセリング」は有効なようだ。
・『家族にとっても気がかりはたくさんある  危機的状況に陥っている本人のみならず、その家族にとっても、今後の身分や給与、復帰の可能性など気がかりはたくさんあるものです。一見、当たり前のようですが、療養中、心の専門家が本人や家族にかわって、会社に対して働きかけることは、回復を促す重要なポイントです。 その後、Cさんは3か月の休暇をとりながら、日々穏やかな生活を重ねることで、確実に回復へと向かっていきました。 過重労働、パワハラ、セクハラなど過酷な労働環境の問題は、新卒のみなさんやその親御さんにも、ぜひ考えていただきたいことです。 私のオフィスにも、過酷な職場環境の中で、立場が弱い分、不当で卑劣な扱いをされながら、頑張っている20代の人たちがやってきます。 過度な責任を押しつけられ続けた人たちは、最終的に心身の不調で働けなくなり、それがきっかけで会社を離れることが少なくありません。ですが、これではご本人に相当なダメージが残ります。 「退職は逃げではないか。でも、会社のことを考えると、身体の震えがとまらない」 「今後、転職活動をするにしても、こんな自分なんて採用してくれるところがあるとは思えない」 「仮に、次の会社が決まっても、ちゃんと働けるのだろうか。またダメになるんじゃないか」 これらの思いを四六時中抱えていたら、心身の健康をおびやかします。そんな生き方は、自分を大切にしていませんよね。 「その意味で“退職も辞さない覚悟”は、混乱からあなたを守る、強力な境界線」――相談に来られる方に、私はいつもこのことを伝えています』、「退職も辞さない覚悟”は、混乱からあなたを守る、強力な境界線」、同感である。
・『自分自身を守ることを最優先する  そして、もしその決断ができないのであれば、それは、すでにかなり消耗している証拠です。今、やるべきことは、どんな方法でもいい。ご自身を守ることを最優先に、ぜひ休養をとってください。 医療機関で診断書を書いてもらい、会社から物理的に離れるのです。これらの手段が、困難な状況からあなたを守る強力な境界線となります。 そして、このような状況に陥っている20代、30代のお子さんの親である、あなたへ。 お子さんが、相当無理をしているのもわかっている。でも「せっかく良い会社に入ったのだから、やめていいのか」「退職して引きこもりになってしまうのではないか」など心配がつきないために、今の会社でやっていくよう、つい叱咤激励してしまっているかもしれません。 ですが、こんなときこそ、話を丁寧に 聞きながら、お子さんを最大限に受け入れてあげましょう。弱っているときは思考のブラックホールにはまりこみ、普段なら選ばない失踪や自殺企図などを頭の片隅で思い描いてしまうことがあります。 自分を気にかけてくれる人がいるというのは、最後の最後で見えないけれど強力な命綱になる。そのことを心にとめておいていただきたいです』、「自分を気にかけてくれる人がいるというのは・・・強力な命綱になる。そのことを心にとめておいていただきたいです」、その通りだろう。
タグ:東洋経済オンライン ブラック企業 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン (その12)(後継者はなぜ育たなかったのか?ワタミ渡邉会長の告白、大成建設 ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状、「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方) 「後継者はなぜ育たなかったのか?ワタミ渡邉会長の告白」 ワタミ創業者の渡邉美樹氏 小説『青年社長』のモデル ワタミには「1000%戻らない」と公言 労務問題の影響や外食事業の不振がたたり、15年3月期には上場以来初の営業赤字に転落し、自己資本比率は危険水域の7.3%にまで低下。05年に進出し、有料老人ホームが100カ所を超えるまでに成長した介護事業を売却せざるを得なくなり、その後も減収に長く苦しむことになった 6年間の議員生活を終え、19年7月にワタミの取締役に戻り、10月には8年ぶりに代表取締役会長に復帰した。グループCEO 「営業赤字に転落してからは、銀行から「渡邉さん、戻ってこなかったら、もう融資しないよ」と言われるところまで追い込まれました。それからは、2週間に1回ぐらい、役員会の相談を受け、大株主の責任として財務や資金繰りの状況を見ていました」、銀行にしたら当然の要求だ 「タテ割り」の弊害が顕著に 「タテ割りで、それぞれの会社と役員が自立していけばいいと思っていました。でもこれが大きな間違いでした。1+1が3とか4を生むことを目指したのに、1+1が1になってしまった 「最高の経営状態でバトンを渡したつもりだったが、肝心のバトンの渡し方が悪かった」、痛烈な反省のようだ 「同族企業について調べて、考え方が変わった」 「29年3月期には売上高を(現状の2倍以上の)2000億円に引き上げて、サービス業で日本のリーダー的な存在にもう一度戻りたいと思います」、「カリスマ経営者」の化けの皮が剥がれた「渡邉氏」の願望が実現するか、注目してみておきたい 「大成建設、ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状」 「過去最低の現場」「と評される」 三角ビルのコロナ感染を発表しなかった大成建設にまつわる“いわく” 「大成は“コロナ隠し”とも受け取られかねないほど公表に消極的」、公表すれば工事の遅れにつながるので、どうしても隠蔽したくなるのだろう。「現場の下請け職人たちは人物情報を口コミで共有」、よほど悪質な社員なのだろう 不安全行動はすぐ指導せず、こっそり撮影 「エレベーターの使用料が1回2000円かかる」、所属する組織は様々なのに、どうやって請求するのだろう 「呼び出しを食らった業者の代表者は、“恐喝担当”とあだ名された社員から土下座を強要されるなどしており、現場は恐怖で支配されていた」、下請工事業者から抗議が入りそうなものだが、遠慮しているのだろうか 大成社長の視察に備えて徹夜でエアコン設置、あいさつの練習 末端の一人が工事を断ると、上位の下請け業者が仕事を引き受けられなくなり、迷惑が掛かる。一人親方といっても、なじみの業者は決まっているので、影響は必ず波及する。上位の会社の仕事が干されないように忖度し、嫌なゼネコンとの仕事も引き受けざるを得ないというのだ」 谷地森 久美子 「「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方」 『ふりまわされない自分をつくる 「わがまま」の練習 心の中に線を引けば全部うまくいく 』 夫が家を出たまま出社しなかった 強烈なパワハラをする典型的な「ブラック企業」 自分の存在自体が意味がないと考えた 安心、安全な場所に一刻も早く避難しなければならない危険な状況でした。 こんなときは、物理的に距離をとる、つらい状況・人との関係を切る、誰かに助けを求めること。シンプルなことですが、それ自体、あらたに自分を守る強力な境界線となります 自分の限界がわからなくなって無理をする こうした「カウンセリング」は有効なようだ 家族にとっても気がかりはたくさんある 「退職も辞さない覚悟”は、混乱からあなたを守る、強力な境界線」、同感である 自分自身を守ることを最優先する 「自分を気にかけてくれる人がいるというのは 強力な命綱になる。そのことを心にとめておいていただきたいです」、その通りだろう
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